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Patent Searching and Data


Title:
OPTICAL REFRACTOMETRY MEASURING METHOD AND DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105322
Kind Code:
A1
Abstract:
It is an object to provide an optical refractometry measuring method and an optical refractometry measuring device for making it possible to obtain high precision regardless of a measuring distance. The optical refractometry measuring method and the optical refractometry measuring device, which measures a rear scattering light intensity distribution of a measuring subject in a light propagating direction by using an optical frequency domain refractometry method (OFDR), is characterized in that a coherence monitor is prepared to monitor a coherence characteristic of a frequency sweeping light source (1) and a measured result in a measuring unit (11) is corrected in accordance with the monitored result.

Inventors:
FAN XINYU (JP)
ITO FUMIHIKO (JP)
KOSHIKIYA YUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052991
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
FAN XINYU (JP)
ITO FUMIHIKO (JP)
KOSHIKIYA YUSUKE (JP)
International Classes:
G01M11/00; G01M11/02
Domestic Patent References:
WO2006068875A22006-06-29
Foreign References:
JPH09218130A1997-08-19
JP2003106944A2003-04-09
JPS61260131A1986-11-18
JP2001352121A2001-12-21
EP0754939A11997-01-22
US5511086A1996-04-23
EP1045237A22000-10-18
EP1289150A12003-03-05
Other References:
KOSHIKIYA Y., FAN XINYU, ITO F.: "SSB Henchoki o Mochiita Shuhasu Ryoiki Hansha Sokuteiho ni Okeru Rayleigh Koho Sanranko no Chokyori Range. Kokyori Bunkaino Sokutei", PROCEEDINGS OF THE IEICE CONFERENCE, 2007 COMMUNICATIONS 2, 7 March 2007 (2007-03-07), pages 516, XP008137985
FAN XINYU AND ITO F.: "Renketsu Sanshoho o Mochiita Kogen Coherence-cho o Koeru Sokutei Kyori o Motsu Shingata OFDR", PROCEEDINGS OF THE IEICE CONFERENCE, 2007 COMMUNICATIONS 2, 7 March 2007 (2007-03-07), pages 517, XP008112842
FAN XINYU, KOSHIKIYA Y., ITO F.: "Renketsu Sanshoho o Mochiita Laser Coherence-cho o Koeru Sokutei Kyori o Motsu Shingata OFDR", IEICE TECHNICAL REPORT, vol. 107, no. 52, 17 May 2007 (2007-05-17), pages 61 - 66, XP008112842
W. EICKHOFF; R. ULRICH: "Applied Physics Letters", OPTICAL FREQUENCY DOMAIN REFLECTOMETRY IN SINGLE-MODE FIBER, vol. 39, no. 9, pages 693 - 695
GLOMBITZA U ET AL.: "COHERENT FREQUENCY-DOMAIN REFLECTOMETRY FOR CHARACTERIZATION OF SINGLE-MODE INTEGRATED-OPTICAL WAVEGUIDES", JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, vol. II, no. 8, pages 1377 - 1384, XP000415389, DOI: doi:10.1109/50.254098
PASSY R ET AL.: "Experimental and theoretical investigations of coherent OFDR with semiconductor laser sources", JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY USA, vol. 12, no. 9, September 1994 (1994-09-01), pages 1622 - 1630, XP000484341, DOI: doi:10.1109/50.320946
HOTATE K ET AL.: "Synthesis of optical-coherence function and its applications in distributed and multiplexed optical. sensing", JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY IEEE USA, vol. 24, no. 7, July 2006 (2006-07-01), pages 2541 - 2557, XP002594242, DOI: doi:10.1109/JLT.2006.874645
See also references of EP 2128588A4
Attorney, Agent or Firm:
OKADA, Kenji (Setoguchi Bldg. 3rd fl.12-5, Nishi-Shimbashi 2-chom, Minato-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:

 光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を測定する光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ測定方法において、

 前記出力光のコヒーレンス特性をモニタし、

 前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出し、

 前記干渉ビート信号に基づく測定結果を前記出力光のコヒーレンス特性に基づき補正することを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法。

 前記周波数掃引光源からの出力光を2分岐する光干渉計の一方の分岐路の光を遅延させ他方の分岐路の光と合波してモニタリングビート信号を生成し、

 このモニタリングビート信号の位相を示す参照信号を生成し、

 この参照信号を用いて前記干渉ビート信号の広がりを補正することを特徴とする請求項1に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

 前記モニタリングビート信号の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記一方の分岐路の遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

 前記モニタリングビート信号の位相をX 1 (t)とし、前記遅延量をτcとし、次式のX N (t)を前記参照信号とすることを特徴とする請求項3に記載の光リフレクトメトリ測定方法。


 X 1 (t)の時間微分をX″ 1 (t)とし、X N (t)の時間微分をX″ N (t)としたとき、前記モニタリングビート信号のビート周波数が前記周波数掃引光源からの距離に対してX″ 1 (t)/X″ N (t)に比例することを利用して、前記ビート周波数を補正することを特徴とする請求項4に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

 前記モニタリングビート信号をベースバンド化し、得られたベースバンド信号をリサンプリングして前記測定結果を補正することを特徴とする請求項5に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

 測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光リフレクトメトリ測定装置において、

 光周波数を掃引される周波数掃引光源と、

 この周波数掃引光源の出力光のコヒーレンス特性をモニタするモニタ部と、

 前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を検出する測定部と、

 前記干渉ビート信号に基づく測定結果を前記出力光のコヒーレンス特性に基づき補正する解析部とを具備することを特徴とする光リフレクトメトリ測定装置。

 前記周波数掃引光源からの出力光を2分岐して一方の分岐路の光と他方の分岐路の光とを合波してモニタリングビート信号を生成する光干渉計と、

 前記一方の分岐路の光を遅延させる遅延部とを備え、

  前記解析部は、

 前記モニタリングビート信号の位相を示す参照信号を生成し、

 この参照信号を用いて前記干渉ビート信号の広がりを補正することを特徴とする請求項7に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

 前記解析部は、前記モニタリングビート信号の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記一方の分岐路の遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項8に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

前記解析部は、

 前記モニタリングビート信号の位相をX 1 (t)とし、前記遅延量をτcとし、次式のX N (t)を前記参照信号とすることを特徴とする請求項9に記載の光リフレクトメトリ測定装置。


 前記解析部は、

 X 1 (t)の時間微分をX″ 1 (t)とし、X N (t)の時間微分をX″ N (t)としたとき、前記モニタリングビート信号のビート周波数が前記周波数掃引光源からの距離に対してX″ 1 (t)/X″ N (t)に比例することを利用して、前記ビート周波数を補正することを特徴とする請求項10に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

 前記解析部は、

 前記モニタリングビート信号をベースバンド化し、得られたベースバンド信号をリサンプリングして前記測定結果を補正することを特徴とする請求項11に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

 光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射してこの測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を測定する光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ測定方法において、

 前記出力光を分岐して得たモニタリング光から前記掃引の非直線性を反映する参照信号を生成するモニタステップと、

 前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を一定周期でサンプリングしてサンプリングデータを得る検出ステップと、

 前記干渉ビート信号に基づき測定される前記反射率の分布を前記参照信号に基づき補正する補正ステップとを具備し、

 前記モニタステップは、

 前記モニタリング光を2分岐した一方の分岐光を遅延部で遅延したのち双方の分岐光を光90度ハイブリッドに入射して自己遅延ホモダイン検波して、互いに直交する第1および第2のモニタリングビート信号を生成し、

 前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングして得たデータのそれぞれの分散をもとに前記光90度ハイブリッドにおける分岐部の分岐比の誤差を算出し、

 前記分散を用いた統計計算処理により前記光90度ハイブリッドにおける90度直交性の誤差を算出し、

 前記算出した分岐比の誤差と、90度直交性の誤差と、前記第1および第2のモニタリングビートとを用いて前記参照信号を生成し、

 前記参照信号が規定値をとる時刻の数列を算出し、

 前記補正ステップは、

 前記サンプリングデータから標本化定理を用いて連続関数を生成し、

 前記連続関数に前記時刻の数列を代入して得た値をフーリエ変換して前記反射率の分布を補正した値を得ることを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法。

 前記モニタステップは、前記モニタリング光の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記遅延部における遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項13に記載の光リフレクトメトリ測定方法。

 測定対象における反射率の伝播方向に対する分布を光周波数領域リフレクトメトリ測定方法(OFDR)により測定する光リフレクトメトリ測定装置において、

 光周波数を掃引される周波数掃引光源と、

 この周波数掃引光源の出力光を分岐したモニタリング光を入射されるモニタ部と、

 前記出力光と前記測定対象からの後方散乱光との干渉ビート信号を一定周期でサンプリングしてサンプリングデータを得る測定部と、

 前記干渉ビート信号に基づき測定される前記反射率の分布を前記参照信号に基づき補正する解析部とを具備し、

 前記モニタ部は、

 前記モニタリング光を2分岐する分配部と、

 前記分配された一方の分岐光を遅延する遅延部と、

 前記遅延された分岐光と前記分配された他方の分岐光とが入射され、互いに直行する第1および第2のモニタリングビート信号を生成する光90度ハイブリッドと、

 前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングしてサンプルデータを得るサンプリング装置とを備え、

 前記解析部は、

 前記第1および第2のモニタリングビート信号を前記一定周期でサンプリングして得たデータのそれぞれの分散をもとに前記光90度ハイブリッドにおける分岐部の分岐比の誤差を算出し、

 前記分散を用いた統計計算処理により前記光90度ハイブリッドにおける90度直交性の誤差を算出し、

 前記算出した分岐比の誤差と、90度直交性の誤差と、前記第1および第2のモニタリングビートとを用いて前記掃引の非直線性を反映する参照信号を生成し、

 前記参照信号が規定値をとる時刻の数列を算出し、

 前記サンプリングデータから標本化定理を用いて連続関数を生成し、

 前記連続関数に前記時刻の数列を代入して得た値をフーリエ変換して前記反射率の分布を補正した値を得ることを特徴とする光リフレクトメトリ測定装置。

 前記解析部は、前記モニタリング光の位相を示す位相関数と、この位相関数の時間軸を前記遅延部における遅延量の整数倍遅延して生成した関数とを加算して前記参照信号を生成することを特徴とする請求項15に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

 光周波数を掃引される周波数掃引光源からの出力光を測定対象に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する光リフレクトメトリ測定方法であって、

 前記出力光を分岐したモニタリング光からモニタリングビート信号を取得するモニタステップと、

 前記測定対象から後方散乱された信号光と前記出力光を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する測定ステップと、

 前記モニタステップで取得したモニタリングビート信号から前記掃引の非直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映する参照信号を生成し、前記測定ステップで取得した干渉ビート信号から算出した前記反射率の分布を、当該参照信号に基づき補正する補正ステップを具備し、

 前記モニタステップにおいて、

 前記モニタリング光を2分岐して第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレンスモニタ部に入射し、

 前記入射した光をそれぞれ2分岐し、

 前記2分岐した分岐光の一方を、前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延し、

 前記分岐光の他方と前記遅延した前記分岐光の一方を合波したモニタリングビート信号を取得することを特徴とする光リフレクトメトリ測定方法。

 前記第1コヒーレンスモニタ部の前記遅延量をτ Short とし、前記第1コヒーレンスモニタ部の取得する前記モニタリングビート信号の位相をX Short (t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部の前記遅延量をτ Long とし、前記第2コヒーレンスモニタ部の取得する前記モニタリングビート信号の位相をX Long (t)とすると、前記遅延量τ Long は前記遅延量τ Short のK倍(Kは整数)であり、

 NをKで除算した商の整数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N,K)として、前記参照信号X N (t)が、次の数式で表されることを特徴とする請求項17に記載の光リフレクトメトリ測定方法。


 光周波数を掃引された出力光を測定対象に入射し、当該測定対象における位置に対する反射率の分布を測定する光リフレクトメトリ測定装置であって、

 前記出力光を出力する周波数掃引光源と、

 前記周波数掃引光源からの出力光を分岐したモニタリング光からモニタリングビート信号を取得する第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレンスモニタ部と、

 前記測定対象から後方散乱された信号光と前記周波数掃引光源からの出力光を分岐した参照光との干渉ビート信号を取得する測定部と、

 前記第1コヒーレンスモニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部の取得するモニタリングビート信号から前記掃引の非直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映する参照信号を生成し、前記測定部の取得する干渉ビート信号から算出した前記反射率の分布を当該参照信号に基づき補正する解析部と、を具備し、

 前記第1コヒーレンスモニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部は、

 前記モニタリング光を2分岐する分配部と、

 前記分配部の分岐する分岐光の一方を、前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延する遅延部と、

 前記分配部の分岐する分岐光の他方と前記遅延部の遅延する分岐光の一方とを合波したモニタリングビート信号を取得する受信器と、を備えることを特徴とする光リフレクトメトリ測定装置。

 前記第1コヒーレンスモニタ部における前記遅延部の生じさせる遅延量をτ Short とし、前記第1コヒーレンスモニタ部における前記受信器の取得するモニタリングビート信号の位相をX Short (t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部における前記遅延部の生じさせる遅延量をτ Long とし、前記第2コヒーレンスモニタ部における前記受信器の取得するモニタリングビート信号の位相をX Long (t)とすると、前記遅延量τ Long は前記遅延量τ Short のK倍(Kは整数)であり、

 NをKで除算した商の整数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N,K)として、前記参照信号X N (t)が、次の数式で表されることを特徴とする請求項19に記載の光リフレクトメトリ測定装置。

Description:
光リフレクトメトリ測定方法お び装置


 この発明は、光回路などの被測定回路にお る、反射率の伝播方向に対する分布を測定 るリフレクトメトリ測定方法と、この方法 実施する装置に関する。


 光回路などの伝送損失の測定や故障箇所の 断に用いられる光反射測定方法の一つとし 、光周波数領域リフレクトメトリ測定方法( OFDR)が知られている(例えば、非特許文献1を 照)。この方法は、周波数掃引光源からの出 光を2分岐し、測定対象からの反射光と一方 の分岐光との干渉により生じる干渉ビート信 号を解析することにより、測定対象における 後方散乱光強度の光伝播方向に対する分布を 測定するものである。


 すなわちOFDRは、光周波数を掃引されたコヒ ーレント光源からの出力光を2分岐し、その ちの一方を測定光として被測定光回路に入 し、他方を局発光として後方散乱光(測定光 被測定光回路の伝搬距離に応じた各位置で 射されて発生する反射光)と合波させる。こ れにより生じる干渉ビート信号を検出し、そ のスペクトラムを分析して、被測定光回路の 伝搬距離に応じた各位置の反射率をスペクト ラムの周波数成分の強度として測定するもの である。

‘‘Optical frequency domain reflectometry in s ingle-mode fiber,’’ W.Eickhoff and R.Ulrich, Applie d Physics Letters 39(9), pp.693-695.


 しかしながら既存の技術においては、周波 掃引光源のコヒーレンス長の1/2を超える測 距離においては分解能が悪くなり、最悪の 合には測定不能となることが知られている これは、周波数掃引光源のコヒーレンス長 1/2を超える測定距離においては被測定回路 らの後方散乱光と局発光との干渉性がなく り、その結果ビート信号のスペクトル幅が がるからである。ここで、測定距離の限界 コヒーレンス長の「1/2」であるのは、後方 乱光は被測定回路を往復するので光路差は 定距離の2倍になるからである。


 この発明は上記事情によりなされたもので その目的は、測定距離によらず高い精度を ることの可能な光リフレクトメトリ測定方 および光リフレクトメトリ測定装置を提供 ることにある。


 上記目的を達成するためにこの発明の一形 によれば、光周波数を掃引される周波数掃 光源からの出力光を測定対象に入射してこ 測定対象における反射率の伝播方向に対す 分布を測定する光周波数領域リフレクトメ リ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ 定方法において、前記出力光のコヒーレン 特性をモニタし、前記出力光と前記測定対 からの後方散乱光との干渉ビート信号を検 し、前記干渉ビート信号に基づく測定結果 前記出力光のコヒーレンス特性に基づき補 することを特徴とする光リフレクトメトリ 定方法が提供される。

 このような手段を講じることにより、光源 ヒーレンス長を超える領域での広がったス クトルを補正した測定結果が得られる。従 てOFDRによる測定を光源コヒーレンス長を超 える測定距離で実施することが可能になる。


 上記目的を達成するためにこの発明の一態 によれば、光周波数を掃引される周波数掃 光源からの出力光を測定対象に入射してこ 測定対象における反射率の伝播方向に対す 分布を測定する光周波数領域リフレクトメ リ測定方法(OFDR)である光リフレクトメトリ 定方法において、前記出力光を分岐して得 モニタリング光から前記掃引の非直線性を 映する参照信号を生成するモニタステップ 、前記出力光と前記測定対象からの後方散 光との干渉ビート信号を一定周期でサンプ ングしてサンプリングデータを得る検出ス ップと、前記干渉ビート信号に基づき測定 れる前記反射率の分布を前記参照信号に基 き補正する補正ステップとを具備し、前記 ニタステップは、前記モニタリング光を2分 岐した一方の分岐光を遅延部で遅延したのち 双方の分岐光を光90度ハイブリッドに入射し 自己遅延ホモダイン検波して、互いに直交 る第1および第2のモニタリングビート信号 生成し、前記第1および第2のモニタリングビ ート信号を前記一定周期でサンプリングして 得たデータのそれぞれの分散をもとに前記光 90度ハイブリッドにおける分岐部の分岐比の 差を算出し、前記分散を用いた統計計算処 により前記光90度ハイブリッドにおける90度 直交性の誤差を算出し、前記算出した分岐比 の誤差と、90度直交性の誤差と、前記第1およ び第2のモニタリングビートとを用いて前記 照信号を生成し、前記参照信号が規定値を る時刻の数列を算出し、前記補正ステップ 、前記サンプリングデータから標本化定理 用いて連続関数を生成し、前記連続関数に 記時刻の数列を代入して得た値をフーリエ 換して前記反射率の分布を補正した値を得 ことを特徴とする光リフレクトメトリ測定 法が提供される。


 すなわち光周波数領域リフレクトメトリ測 方法において周波数掃引光源の出力光の掃 の非直線性がモニタされ、それを反映する 照信号が生成される。この参照信号が一定 を取る時刻を数列化した時刻数列を用いる とにより、出力光と測定対象からの後方散 光との干渉ビート信号から得た測定値を補 することができる。その際、出力光のコヒ レンス特性を光90度ハイブリッドによりモ タし、かつ光90度ハイブリッドの分岐比と位 相差の誤差の影響が補正される。従って周波 数掃引光源の掃引非直線性を補正した測定結 果を得られるようになり、OFDRによる測定を い距離分解能で実施することが可能になる


 具体的には、本発明に係る光リフレクトメ リ測定方法は、光周波数を掃引される周波 掃引光源からの出力光を測定対象に入射し 当該測定対象における位置に対する反射率 分布を測定する光リフレクトメトリ測定方 であって、前記出力光を分岐したモニタリ グ光からモニタリングビート信号を取得す モニタステップと、前記測定対象から後方 乱された信号光と前記出力光を分岐した参 光との干渉ビート信号を取得する測定ステ プと、前記モニタステップで取得したモニ リングビート信号から前記掃引の非直線性 び前記周波数掃引光源の位相ノイズを反映 る参照信号を生成し、前記測定ステップで 得した干渉ビート信号から算出した前記反 率の分布を、当該参照信号に基づき補正す 補正ステップを具備し、前記モニタステッ において、前記モニタリング光を2分岐して 第1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレン モニタ部に入射し、前記入射した光をそれ れ2分岐し、前記2分岐した分岐光の一方を 前記第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒ ーレンスモニタ部で互いに異なる遅延量で遅 延し、前記分岐光の他方と前記遅延した前記 分岐光の一方を合波したモニタリングビート 信号を取得することを特徴とする。

 第1コヒーレンスモニタ部と第2コヒーレン モニタ部が互いに異なる遅延量で遅延する で、コヒーレンス長の整数倍のときの出力 のコヒーレンス特性を取得することができ 。当該コヒーレンス特性を取得することで コヒーレンス長の整数倍の伝搬距離であっ も、周波数掃引光源の掃引非直線性及び光 コヒーレンス長を超える領域での広がった ペクトルを小さな誤差で補正することがで る。そのため、OFDRによる測定を高い距離分 能で実施することが可能となる。


 本発明に係る光リフレクトメトリ測定方法 は、前記第1コヒーレンスモニタ部の前記遅 延量をτ Short とし、前記第1コヒーレンスモニタ部の取得 る前記モニタリングビート信号の位相をX Short (t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部の前 遅延量をτ Long とし、前記第2コヒーレンスモニタ部の取得 る前記モニタリングビート信号の位相をX Long (t)とすると、前記遅延量τ Long は前記遅延量τ Short のK倍(Kは整数)であり、NをKで除算した商の整 数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N ,K)として、前記参照信号X N (t)が、次の数式で表されることが好ましい。


 第2コヒーレンスモニタ部における遅延量が 第1コヒーレンスモニタ部におけるK倍なので K回にわたり積み重ねられる誤差を1回の誤 に低減することができる。


 具体的には、本発明に係る光リフレクトメ リ測定装置は、光周波数を掃引された出力 を測定対象に入射し、当該測定対象におけ 位置に対する反射率の分布を測定する光リ レクトメトリ測定装置であって、前記出力 を出力する周波数掃引光源と、前記周波数 引光源からの出力光を分岐したモニタリン 光からモニタリングビート信号を取得する 1コヒーレンスモニタ部及び第2コヒーレン モニタ部と、前記測定対象から後方散乱さ た信号光と前記周波数掃引光源からの出力 を分岐した参照光との干渉ビート信号を取 する測定部と、前記第1コヒーレンスモニタ 及び前記第2コヒーレンスモニタ部の取得す るモニタリングビート信号から前記掃引の非 直線性及び前記周波数掃引光源の位相ノイズ を反映する参照信号を生成し、前記測定部の 取得する干渉ビート信号から算出した前記反 射率の分布を当該参照信号に基づき補正する 解析部と、を具備し、前記第1コヒーレンス ニタ部及び前記第2コヒーレンスモニタ部は 前記モニタリング光を2分岐する分配部と、 前記分配部の分岐する分岐光の一方を、前記 第1コヒーレンスモニタ部と前記第2コヒーレ スモニタ部で互いに異なる遅延量で遅延す 遅延部と、前記分配部の分岐する分岐光の 方と前記遅延部の遅延する分岐光の一方と 合波したモニタリングビート信号を取得す 受信器と、を備える。

 第1コヒーレンスモニタ部と第2コヒーレン モニタ部が互いに異なる遅延量で遅延する で、コヒーレンス長の整数倍のときの出力 のコヒーレンス特性を取得することができ 。当該コヒーレンス特性を取得することで コヒーレンス長の整数倍の伝搬距離であっ も、周波数掃引光源の掃引非直線性及び光 コヒーレンス長を超える領域での広がった ペクトルを小さな誤差で補正することがで る。そのため、OFDRによる測定を高い距離分 能で実施することが可能となる。


 本発明に係る光リフレクトメトリ測定装置 は、前記第1コヒーレンスモニタ部における 前記遅延部の生じさせる遅延量をτ Short とし、前記第1コヒーレンスモニタ部におけ 前記受信器の取得するモニタリングビート 号の位相をX Short (t)とし、前記第2コヒーレンスモニタ部にお る前記遅延部の生じさせる遅延量をτ Long とし、前記第2コヒーレンスモニタ部におけ 前記受信器の取得するモニタリングビート 号の位相をX Long (t)とすると、前記遅延量τ Long は前記遅延量τ Short のK倍(Kは整数)であり、NをKで除算した商の整 数部をInt(N/K)、NをKで除算した商の余りをMod(N ,K)として、前記参照信号X N (t)が、次の数式で表されることが好ましい。


 第2コヒーレンスモニタ部の遅延量が第1コ ーレンスモニタ部のK倍なので、K回にわたり 積み重ねられる誤差を1回の誤差に低減する とができる。


 この発明によれば、OFDRによる測定を光源コ ヒーレンス長の1/2を超える測定距離でも実施 することが可能になるので、測定距離によら ず高い精度を得ることの可能な光リフレクト メトリ測定方法および光リフレクトメトリ測 定装置を提供することができる。


 この発明によれば、距離分解能を高めた光 フレクトメトリ測定方法および光リフレク メトリ測定装置を提供することができる。


OFDRによる光リフレクトメトリ測定装置 の基本構成の一例を示す図である。 周波数掃引光源の位相雑音による測定 の影響を説明するための図であり、(a)はパ ースペクトラムの測定系を示し、(b)は遅延 離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場 のパワースペクトラムを示し、(c)は遅延距 が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合 パワースペクトラムを示す。 第1実施形態に係る光リフレクトメトリ 測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図 である。 第1実施形態に係る光リフレクトメトリ 測定装置をより詳細に示す機能ブロック図で ある。 数式(8)のグラフを示す図であり、(a)は ニタリングビート信号の位相が-πから+πま の場合、(b)はモニタリングビート信号の位 に2πの整数倍を加算した場合を示す。 数式(11)を利用して新しい位相情報を作 り出すことが可能であることを示す図。 ビート信号をL c /2距離の倍数毎にサンプリングする処理を説 するためのイメージを示す図である。 図4の光リフレクトメトリ測定装置にお ける処理手順を示すフローチャートである。 図4の光リフレクトメトリ測定装置の、 第1の実施形態における処理手順を詳しく示 フローチャートである。 第2の実施形態における処理を説明するため 用いた図であり、(a)は測定点NL c /2-δLがNL c /2よりも手前にある場合のフィルタリング周 数、(b)は(a)の周波数でフィルタリングされ 信号の合波処理後の周波数、(c)は測定点NL c /2+δLがNL c /2よりも遠方にある場合のフィルタリング周 数、(d)は(c)の周波数でフィルタリングされ 信号の合波処理後の周波数を示す。 第2の実施形態において得られる結果をグラ 化して示す図であり、(a)は信号D NLow (t)を数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサン リングした場合、(b)は号D NUp (t)を数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサン リングした場合、(c)はD NLow (t)のFFT処理結果の横軸を逆にして距離の範囲 (2N-1)L c /4からNL c /2までに対応させ、D NUp (t)に対するFFT処理結果の横軸と合わせた場合 を示す。 図4の光リフレクトメトリ測定装置の 第2の実施形態における処理手順を詳しく示 フローチャートである。 OFDRによる光リフレクトメトリ測定装 の基本構成の一例を示す図である。 周波数掃引光源1の光周波数の非直線 を示す図である。 周波数掃引光源の位相雑音による測定 への影響を説明するための図であり、(a)はパ ワースペクトラムの測定系を示し、(b)は遅延 距離が光源コヒーレンス長よりも十分短い場 合のパワースペクトラムを示し、(c)は遅延距 離が光源コヒーレンス長よりも十分長い場合 のパワースペクトラムを示す。 この発明に係わる光リフレクトメトリ 測定装置の実施の形態を示す機能ブロック図 である。 図16の光リフレクトメトリ測定装置を り詳細に示す機能ブロック図である。 数式(36)をグラフ化して示す図であり (a)はモニタリングビート信号の位相が-πか +πまでの場合、(b)はモニタリングビート信 の位相に2πの整数倍を加算した場合を示す 図17の光リフレクトメトリ測定装置に ける処理手順を示すフローチャートである 図19のステップS426における手順を詳し く示すフローチャートである。 数式(41)を利用して位相情報を新しく り出すことが可能であることを示す図であ 。 この発明の第5の実施形態における処 手順を示すフローチャートである。 リフレクトメトリ測定装置の一例を示 す基本構成図である。 周波数掃引光源1の位相雑音による測 結果への影響を示すための説明図であり、(a )はパワースペクトラムの測定系を示し、(b) 遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分 い場合のパワースペクトラムを示し、(c)は 延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長 場合のパワースペクトラムを示す。 第6実施形態に係る光リフレクトメト 測定装置の一例を示す機能ブロック図であ 。 第6実施形態に係る光リフレクトメト 測定装置をより詳細に示す機能ブロック図 ある。 第1モニタリングビート信号の位相X Short (t)の一例を示す時系列グラフであり、(a)は第 1モニタリングビート信号の位相が-πから+π での場合、(b)は第1モニタリングビート信号 位相に2πの整数倍を加算した場合を示す。 参照信号X N (t)の一例を示す時系列グラフである。 サンプリングした測定信号ごとの補正 例を示す説明図である。 第6実施形態に係る光リフレクトメト 測定方法の一例を示すフローチャートであ 。 補正ステップの一例を示すフローチャ ートである。

符号の説明


 1 周波数掃引光源

 2 測定光

 3 参照光

 4 被測定光回路

 5 信号光

 6 受信器

 7 サンプリング装置

 8 周波数解析装置

 9 出力光

 10 モニタリング光

 10a 第1モニタリング光

 10b 第2モニタリング光

 11 測定部

 12 コヒーレンスモニタ部

 12a 第1コヒーレンスモニタ部

 12b 第2コヒーレンスモニタ部

 12c モニタリング部

 13 解析部

 14、14a、14b 遅延部

 15、15a、15b 受信器

 16、16a、16b、16c サンプリング装置

 17 クロック

 18a、18b、18c データ処理装置

 19 光90度ハイブリッド

 20 周波数掃引光源

 21 光周波数シフタ

 22 遅延ファイバ

 23 受信器

 96 光リフレクトメトリ測定装置

 A、B、C、D、E、F、G、H 光方向性結合器


 添付の図面を参照して本発明の実施の形態 説明する。以下に説明する実施の形態は本 明の構成の例であり、本発明は、以下の実 の形態に制限されるものではない。


 図1は、OFDRによる光リフレクトメトリ測定 置の基本構成の一例を示す図である。図1に いて、周波数掃引光源1からの出力光は光方 向性結合器Aにより分岐され、一方は参照光3 して用いられ、他方は被測定光回路4に入射 される。被測定光回路4の内部で後方散乱さ た信号光5は光方向性結合器Aにより取り出さ れ、光方向性結合器Bにより参照光3と合波さ たのち受信器6により検波される。このとき 、2光波の干渉により生じる干渉ビート信号 サンプリング装置7によりサンプリングし、 定したデータを周波数解析装置8にて解析す ることにより、被測定光回路4内の各位置か の後方散乱光強度分布が測定される。


 ここで、周波数掃引光源1からの測定光2の 波数を時間T、最大光周波数掃引幅δFで時間 対して直線的に掃引するとき、被測定光回 4内のある点Xで後方散乱された信号光5によ 生じるビート信号の周波数Fbは、参照光3と Xで後方散乱された信号光5との光路長差δL 光周波数掃引速度γ、光の屈折率n、および 速cを用いて次の数式(3)により与えられる。


ただし、γ=δF/Tである。また、距離分解能δz 受信ビート信号のスペクトル幅δFbを用いて 数式(4)により与えられる。


 ただし以上は、測定距離が光源コヒーレン 長の1/2を超えない場合に成立する。光源コ ーレンス長の1/2を超える測定距離において 数式(3)のビート信号の周波数Fbは周波数掃 光源の位相雑音による影響を受ける。よっ スペクトル幅δFbは周波数掃引光源自身の持 線幅にまで広がり、測定は不可能になる。 にそのことを説明する。

 図2は、周波数掃引光源の位相雑音による測 定への影響を示す図である。図2(a)に示すよ に周波数掃引光源20からの光路を2分岐し、 方の光路に光周波数シフタ21を挿入するとと もに他方の光路に遅延ファイバ22を設けてマ ハツェンダ光干渉計を形成する。周波数掃 光源20の出力光が理想的な単色光であれば 干渉計の光路差に依存せずに、光周波数シ タ21のシフト周波数にデルタ関数状のピーク を持つようなパワースペクトラムが受信器23 おいて得られる(図2(b))。しかしながら実際 は、周波数掃引光源20のパワースペクトラ は有限の幅を持つ。仮に周波数掃引光源20が 半導体レーザであれば位相雑音はFM雑音が支 的になり、ローレンツ形状の幅を持つパワ スペクトラムになる(図2(c))。


 このように、光路差が光源コヒーレンス長 内であれば(遅延距離<<光源コヒーレン 長)出力電流のパワースペクトラムは光周波 数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数形状 ピークを持つようなパワースペクトラムに るが、光路差がコヒーレンス長よりも大き なると(遅延距離>>光源コヒーレンス長) 次第にノイズフロアが上昇し、最終的には図 2(c)のようにローレンツ形状のパワースペク ラムになる。従って光源コヒーレンス長の1/ 2を超える測定距離においては雑音成分が顕 になり、正確な計測が難しくなる。


(第1の実施形態)

 図3は、この発明に係わる光リフレクトメト リ測定装置の実施の形態を示す機能ブロック 図である。この光リフレクトメトリ測定装置 は、被測定回路における反射率の伝播方向に 対する分布をOFDR測定する。図3において、周 数掃引光源1からの出力光9は光方向性結合 Cにより分岐され、一方は測定光2として測定 部11に入射し、他方はモニタリング光10とし コヒーレンスモニタ部12に入射する。測定部 11による測定の結果とコヒーレンスモニタ部1 2によるモニタの結果とを解析部13に入力し、 演算処理により被測定回路(測定部11内)にお る後方散乱光強度分布を得る。


 測定部11は周波数掃引光源1の出力光と被測 回路からの後方散乱光との干渉ビート信号 検出する。コヒーレンスモニタ部12は例え 自己遅延ホモダイン検波により出力光9のコ ーレンス特性をモニタする。これにより得 れるモニタリングビート信号に基づいて解 部13は参照信号を生成し、この参照信号に づいて測定結果を得る。この測定結果は、 波数掃引光源1のコヒーレンス長1/2を超える 定領域のものまでも含むものになる。


 図4は、図3の光リフレクトメトリ測定装置 より詳細に示す機能ブロック図である。コ ーレンスモニタ部12に入射されたモニタリン グ光は光方向性結合器Dにより2分岐され、一 の光のみが遅延部14により遅延されたのち いに光方向性結合器Eで合波される。合波さ た光は受信器15により検波され、モニタリ グビート信号が生成されてサンプリング装 16に入力される。サンプリング装置16は、解 部13に備わるクロック17のクロックに同期す るタイミングでモニタリングビート信号の波 形をサンプリングし、サンプリングデータを 解析部13のデータ処理装置18aに入力する。


 測定部11に入射された測定光2は図1と同様の 処理を施され、干渉ビート信号がサンプリン グ装置7に入力される。サンプリング装置7は ロック17のクロックに同期するタイミング 、すなわちサンプリング装置16と互いに同期 する間隔で干渉ビート信号の波形をサンプリ ングする。これにより得られたサンプリング データはデータ処理装置18aに入力される。


 次に数式を用いて定量的に説明する。周波 掃引光源1の出力光の電界振幅は次の数式(5) で与えられる。


 数式(5)においてAは振幅(常数)、f(t)は周波数 掃引光源の掃引される光周波数、θ(t)は変動 る位相項、φ(t)はトータルの位相である。


 図3の遅延部14に光源コヒーレンス長L c の遅延ファイバを設ける。その遅延時間τ c は次の数式(6)で与えられる。


 数式(6)で得られた遅延部14での遅延時間τ c により、データ処理装置18aに入力されるモニ タリングビート信号は次の数式(7)で与えられ る。


 モニタリングビート信号の位相は次の数式( 8)のX 1 (t)で与えられる。


 図5は数式(8)のグラフである。図5(a)に示す うに、数式(8)のX 1 (t)は時間tに対して-πから+πまでの値をとる 、最初の+πから-πに折り返す点から次の+π ら-πに折り返す点までの区間に順次2πの整 倍を加算することにより、X 1 (t)を図5(b)に示すように断続点の無い滑らか 関数として表すことができる。


 データ処理装置18aは、この連続関数X 1 (t)を参照信号として、0から3L c /4までの測定距離に対する補正を行う。

 連続関数X 1 (t)がMS 1 を取る時刻を数列t M1 として求める。ただしMは自然数(M=1,2,3,…)で る。なお後述するように、S 1 は測定信号Y n をサンプリングする際に必要となる十分なナ イキストサンプリングレートを持つように設 定しなければならない。このため、まずY n にアンチエイリアシングフィルタ処理を施し てFFT処理のエイリアシングを防止する。具体 的には、Y n に対して低域濾過フィルタ処理を施す。この フィルタの通過上限周波数は必要な測定距離 に応じて決まる。処理後のY n を、Y n Anti-aliasing1 と表記する。Y n は等間隔でサンプリングしたデータであるの で、Y n Anti-aliasing1 も等間隔の離散データである。この間隔を1/W [秒]とする。


 Y(t)を時間tの関数であるとし、これが0からW /2までの範囲の周波数成分を持ち、W/2以上の 波数成分を含まないとすると、標本化定理 よって関数全体が一つに決まる。すなわちY (t)は次の数式(9)で与えられる。


 数式(9)に時刻の数列t M1 を代入することにより、Y(t M1 )を求めることができる。Y(t M1 )に高速フーリエ変換(FFT)処理を施すことによ り時間軸を空間軸に変換し、伝播距離に応じ た各位置の反射率を算出することができる。


 数式(7)または数式(8)に示されるモニタリン ビート信号を用いれば、周波数掃引光源1か ら反射点までの距離がL c /2以内であれば、つまり被測定光回路4内にお いて、周波数掃引光源1からL c /2以内の点から後方散乱される信号光に対し は、既知の技術により測定結果を最適に補 できる。しかし、この距離より長い距離を つ被測定回路に対しては補正の誤差が大き なる。


 ただし、被測定光回路4内においてL c /2のN倍(Nは整数)の点から後方散乱された信号 光により生じるビート信号に対しては、次の 数式(10)に示す位相情報を用いれば最適に補 できる。なお光伝播距離の片道分がL c /2であるので、往復ではこれを2倍してコヒー レンス長はL c となる。


 数式(10)は次の数式(11)を用いて作り出すこ ができる。


 図6は数式(11)を利用して位相情報を新しく り出すことが可能であることを示す図であ 。図6は数式(11)の根拠をイメージ的に示すも のである。図6の曲線bはモニタリングビート 号の位相X 1 (t)であり、曲線aはτ c 時間遅延処理をした位相X 1 (t-τ c )を表す。この手法すなわち連結生成方法を 用して生成したX 2 (t)は図6の曲線cに示される。X 2 (t)=X 1 (t)+X 1 (t-τ c )である。


 連続関数X N (t)がM・S N を取る時刻を数列t MN として求める。ただしMは自然数(M=1,2,3,…)で る。なお後述するように、S N は測定信号Y n をサンプリングする際に必要となる十分なナ イキストサンプリングレートを持つように設 定しなければならない。よってまずY n に、Nに対応するアンチエイリアシングフィ タ処理を施してFFT処理のエイリアシングを 止する。具体的には、Y n に次の数式(12)の通過上限周波数を持つ低域 過フィルタ処理を施せば良い。


 数式(12)においてMax[dX n (t)/dt]は、(2N-1)L c /4から(2N+1)L c /4までのデータ全域での最大値を示す。フィ タ処理後のY n を、Y nAnti- aliasingN と表記する。数式(9)のY n Anti-aliasing1 をY n Anti-aliasingN に置き換え、時刻の数列t MN を代入することによりY(t MN )を求めることができる。さらに、このY(t MN )に高速フーリエ変換(FFT)処理を施せば、伝播 距離に応じた各位置の反射率を算出できる。 しかも、距離NL c /2にある点の近傍の測定結果の補正は最適に る。


 図7はビート信号をL c /2距離の倍数毎にサンプリングする処理を説 するためのイメージを示す図である。0から 3L c /4までの測定距離は、位相情報X 1 (t)から補正できる。3L c /4から5L c /4までの測定距離は、位相情報X 2 (t)から補正できる。以下同様にして(2N-1)L c /4から(2N+1)Lc/4までの測定距離は、位相情報X N (t)から補正することができる。補正処理はN 必要になるが、必要なデータを取得する処 自体は1回だけで済む。


 位相情報X 1 (t)、X 2 (t)、…、X N (t)から時間数列t M1 、t M2 、…、t MN を求めるにあたり、必要となる間隔S 1 、S 2 、…、S N は測定信号Y(t)をサンプリングする際のナイ ストサンプリングレートに制限される。位 情報X N (t)は長さNL c のディレイファイバを入れてビートする信号 から求めることに相当し、測定信号Y(t)は往 で(2N+1)L c /2の長さのファイバを測定することになる。 イキストサンプリングレートを満足する間 S N は、次の数式(13)となる。


 図8は、図4の光リフレクトメトリ測定装置 おける処理手順を示すフローチャートであ 。ステップS20で周波数掃引光源1の光周波数 掃引される。コヒーレンスモニタ部12は、 信器15から出力されるモニタリングビート信 号をサンプリングし、サンプリングデータX n を内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステ ップS23)。データ処理装置18aはこのサンプリ グデータX n の位相を求める上で、図5(b)に示すような断 点の無い関数(連続関数)X 1 (t)を計算する(ステップS25)。


 一方、測定部11は、受信器6から出力される 渉ビート信号を同じ間隔でサンプリングし サンプリングデータY n を内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステ ップS24)。


 さらにデータ処理装置18aは、コヒーレンス ニタ部12から受け取った関数X 1 (t)と測定部11から受け取ったデータY n とを利用して、サンプリング処理とFFT処理と を含むデータ処理を、N回にわたり繰り返す これにより得たデータFFT N は、記録される(ステップS26)。そしてデータ 理装置18aは、データFFT 1 、FFT 2 、…、FFT N を利用して測定結果を計算する(ステップS27)


 図9は、図8のステップS26における手順を詳 く示すフローチャートである。ステップS26 おいてデータ処理装置18aは、まず、ステッ S25で得られたX 1 (t)に数式(11)を当てはめてX N (t)を計算する(ステップS30)。なおN=1であれば のままのX 1 (t)となる。並行してデータ処理装置18aは数式 (13)を用いてサンプリング間隔S N を計算する(ステップS31)。そして、連続関数X N (t)からMS N に等しい時間数列t MN を求める(ステップS32)。


 一方、ステップS24で得られたY n につきNに対応するアンチエイリアシングフ ルタを求め、このフィルタ係数を用いてY n にフィルタリング処理を施す。すなわちY n に、数式(12)に示すNに対応する通過上限周波 ((2N+1)/2N)・Max[dXn(t)/dt]を持つ低域濾過フィル タ(アンチエイリアシングフィルタ)をかける これによりY nAnti- aliasingN を得る(ステップS33)。


 そしてデータ処理装置18aは、ステップS32で めた時間数列t MN を利用して、フィルタ処理後のY n に基づくY(t MN )を計算する(ステップS34)。このステップでは Y n Anti-aliasingN に数式(9)を当てはめてt MN を代入し、Y(t MN )を求める。


 算出されたデータのうち、(2N-1)L c /4から(2N+1)L c /4までの測定距離(N>1)に対応するデータの を、データFFT N として記録する(ステップS36)。なお、N=1であ ば、0から3L c /4までの結果を記録する。


 ステップS26(ステップS30からステップS36まで )をN回繰り返すことによりデータFFT 1 、FFT 2 、…、FFT N を取得することができる。これらのデータを グラフ上の横軸で繋げることによって、0か (2N+1)L c /4までの距離での測定を全て実施することが きる。


 以上説明したようにこの実施形態では、周 数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタす るコヒーレンスモニタ部12を設け、そのモニ の結果に基づいて測定部11における測定結 を補正するようにしている。すなわち、コ ーレンスモニタ部12において自己遅延ホモダ イン検波により光源出力光のモニタリングビ ート信号を生じさせ、そのビート信号の参照 信号を作り出し、その作り出した参照信号に 基づき測定部11のビート信号をサンプリング て、得られた数列にFFT処理を施して測定結 を得るようにしている。


 このようにすることで、光源コヒーレンス を超える測定領域に対しても、干渉ビート 号をFFT処理した結果が発散的に広がること 防ぐことができる。従って光源コヒーレン 長による制限を受けることなく、OFDRによる 測定を光源コヒーレンス長の超える測定距離 で実施することの可能な光リフレクトメトリ 測定方法および光リフレクトメトリ測定装置 を提供することが可能となる。すなわち、OFD Rによる光源コヒーレンス長の1/2を超える測 距離で実施することの可能な光リフレクト トリ測定方法および光リフレクトメトリ測 装置を提供することが可能になる。


 (第2の実施形態)

 第1の実施形態では、被測定光回路4におい NL c /2の点から後方散乱された信号光により生じ ビート信号に対しては最適に補正できる。 だし、測定点がNL c /2から離れるに従い、補正精度は劣化する。 2の実施形態では補正精度の劣化を避けるこ との可能な処理方法につき説明する。この実 施形態においては装置の基本的構成は図4と 様であり、データ処理装置18aの処理が異な 。


 第1の実施形態で述べたように、数式(11)を いた補正処理は距離NL c /2において最適となる。補正後、この距離に 応するビート周波数F N は定数となり、次の数式(14)で与えられる。


 数式(14)においてf N (t)は数式(11)の時間微分X″ N (t)(=dX N (t)/dt)であり、瞬時ビート周波数を示す。β(t) は参照信号からの補正項である。しかし、こ のような補正を行っても、測定点が距離NL c /2から離れるに従って補正精度は劣化する。 の劣化要因を以下に説明する。


 距離NL c /2からδLだけ離れた点(NL c /2-δL)から後方散乱された信号光により生じ ビート信号の周波数をf N (t)-δf(t)とすると、補正後のその周波数は次 数式(15)で与えられる。 


 距離NL c /2の点から後方散乱された信号光により生じ ビート信号と、距離(NL c /2-δL)の点から後方散乱された信号光により じるビート信号の周波数差δf(t)は次の数式(1 6)で与えられる。


 ここで、δτ=δL・n/cである。α N (t)はNL c /2の距離にある反射点に対応するビート周波 変化率であり、次の数式(17)で与えられる。 数式(17)の右辺の分子はX 1 (t)の時間微分である。


 従って、上記のように、参照信号X N (t)を用いて補正した場合には、距離(NL c /2-δL)の測定点に対応するビート周波数fは次 数式(18)で与えられる。


 数式(18)から分かるように、係数X″ 1 (t)/X″ N (t)があるので、NL c /2の点から離れるに従って補正精度が劣化す ことになる。そこでこの実施形態では、以 に説明する手法でデータを処理し、補正精 の劣化を避けるようにする。


 まず、測定点NL c /2-δLがNL c /2よりも手前にある場合を考える。なおδL> 0である。この場合、数式(18)に示すように、f はF N より小さい。つまり、信号Y(t MN )は(2N-1)L c /4からNL c /2の距離にある点から後方散乱された信号光 より生じるビート信号として、F N よりも小さい成分を含む。


 図10(a)に示すように、この信号に対してバ ドパスフィルタを利用してフィルタリング ることにより、(2N-1)L c /4からNL c /2までに対応する成分を抽出する。このバン パスフィルタの通過上限周波数はF N であり、通過下限周波数をF NLow とする。F NLow は次の数式(19)で与えられる。


 数式(19)における右辺{ }内の、F N -F N ・X″ 1 (t)/[2X″ N (t)]という周波数は、(2N-1)L c /4の距離の点から後方散乱された信号光によ 生じるビート信号の周波数である。Min{ }は その最小値を示す。


 フィルタリングされた信号を単一波cos(2πFNt )と合波することで、ベースバンド信号を得 ことができる。図10(b)に示すように、合波処 理して得られる信号D NLow (t)の周波数は0から(F N -F NLow )までとなる。NL c /2の点からδLだけ離れた点に対応する周波数f δLは次の数式(20)で与えられる。


 NL c /2からδLだけ離れた点に対応するビート周波 はX″ 1 (t)/X″ N (t)という係数によって時間的に変動すること を、数式(20)は示す。従って合波処理した信 D NLow (t)を次の数式(21)に示すサンプリング間隔Sで ンプリングすれば、係数X″ 1 (t)/X″ N (t)に対する補正を行うことができる。このサ ンプリングデータをFFT処理した結果をグラフ 化すると、図11(a)に示すように、NL c /2から(2N-1)L c /4までの距離に対応することになる。サンプ ング間隔Sを次の数式(21)に示す。


 数式(21)のSはサンプリングに必要となるサ プリングレートの最小値を意味し、サンプ ングレートがこれより大きければ、つまり ンプリング間隔がこれより小さければ良い すなわち0≦A≦1である定数Aを用いて次の数 (22)が満たされればよい。


 次に、測定点NL c /2+δLがNL c /2より遠方にある場合を考える。ここでもδL& gt;0である。この場合、fはF N より大きい。つまり、信号Y(t MN )はNL c /2から(2N+1)L c /4までの距離にある点から後方散乱された信 光により生じるビート信号として、F N よりも大きい成分を含む。

図10(c)に示すように、この信号に対してバン パスフィルタを利用してフィルタリングす ことにより、NL c /2から(2N+1)L c /4までに対応する成分を抽出する。このバン パスフィルタの通過上限周波数をF NUp とし、通過下限周波数はF N である。F NUp は次の数式(23)で与えられる。


 数式(23)における右辺{ }内の、F N +F N ・X″ 1 (t)/[2X″ N (t)]という周波数は、(2N+1)L c /4の距離の点から後方散乱された信号光によ 生じるビート信号の周波数である。Max{ }は その最大値を示す。


 フィルタリングされた信号を単一波cos(2πFNt )と合波することで、ベースバンド信号を得 ことができる。図10(d)に示すように、合波処 理して得られる信号D NUp (t)の周波数は0から(F NUp -F N )までとなる。以下同様に、合波処理した信 D NUp (t)を数式(21)に示すサンプリング間隔Sでサン リングすれば、係数X″ 1 (t)/X″ N (t)に対する補正を行うことができる。このサ ンプリングデータをFFT処理した結果をグラフ 化すると、図11(b)に示すように、NL c /2から(2N+1)L c /4までの距離に正確に対応するデータを得ら る。


 D NLow (t)のFFT処理結果の横軸を逆にして距離の範囲 (2N-1)L c /4からNL c /2までに対応させ、D NUp (t)に対するFFT処理結果の横軸と合わせると、 図11(c)に示すように(2N-1)L c /4から(2N+1)L c /4までの範囲での結果を得る。このように本 施形態によればNL c /2を超える範囲での反射率データを得ること 可能になる。


 なおこの実施形態では、遅延部14の長さを 源コヒーレンス長L c に等しくしたが、その精度はそれほど要求さ れない。遅延部14の長さがL c より短い場合でも全く同じ結果を得ることが できる。ただし、同じ距離を測定するのに数 式(11)の右辺の項数が多くなるのでプロセッ の処理負担を考慮する必要がある。また遅 部14の長さがL c より長い場合でも、NL c /2近傍の点において結果を正しく補正できる は同じである。


 図12は、図4の光リフレクトメトリ測定装置 、この実施形態における処理手順を示すフ ーチャートである。基本的処理手順は図8と 共通するが、この実施形態ではステップS26に おける処理が異なる。ステップS26においては 、図9と比べてステップS30、S31、S32、S33、S34 外の処理が異なる。


 図12においてデータ処理装置18aは、ステッ S24(図8)で得られたY n につきNに対応するアンチエイリアシングフ ルタを求め、このフィルタ係数を用いてY n にフィルタリング処理を施す。すなわちY n に、数式(13)で表されるNに対応する通過上限 波数((2N+1)/2N)・Max[dXn(t)/dt]を持つ低域濾過フ ィルタ(アンチエイリアシングフィルタ)をか る。これによりY nAnti- aliasingsN を得る(ステップS33)。


 そしてデータ処理装置18aは、ステップS32で めた時間数列t MN を利用して、フィルタ処理後のY n に基づくY(t MN )を計算する(ステップS34)。このステップでは Y nAnti- aliasingN に数式(11)を当てはめてt MN を代入し、Y(t MN )を求める。


 得られたY(t MN )に対する処理は、N=1の場合とN>1の場合と 異なる。N=1であれば(ステップS60でYes)、デー タ処理装置18aはY(t MN )にそのままFFT処理を行って伝播距離に応じ 0から3L c /4までの測定距離の各位置の反射率を算出し データB N として記録する(ステップS45)。


 N>1であれば以降の処理手順は、区間(2N-1)L c /4からNL c /2までについてはステップS46へ、区間NL c /2から(2N+1)L c /4までについてはステップS49へそれぞれ移行 る。


 区間(2N-1)Lc/4からNLc/2までに対しては、デー 処理装置18aはY(t MN )に対してF NLow からF N までの通過周波数を持つバンドパスフィルタ を用いてフィルタリング処理をする(ステッ S46)。そしてフィルタリングしたデータに単 波cos(2πFNt)を合波してベースバンドデータ 得る(ステップS47)。このベースバンドデータ をS=X″ N (t)/[F N ・X″ 1 (t)]のサンプリング間隔でサンプリングした ちFFT処理を行なうことにより、この区間で 伝播距離に応じた各位置の反射率を算出す 。ここで得られたデータをデータB NLow として記録する(ステップS48)。


 区間NL c /2から(2N+1)L c /4までに対しては、データ処理装置18aはY(t MN )に対してF N からF NUp までの通過周波数を持つバンドパスフィルタ を用いてフィルタリング処理をする(ステッ S49)。そしてフィルタリングしたデータに単 波cos(2πFNt)を合波してベースバンドデータ 得る(ステップS50)。このベースバンドデータ をS=X″ N (t)/[F N ・X″ 1 (t)]のサンプリング間隔でサンプリングした ちFFT処理を行なうことにより、この区間で 伝播距離に応じた各位置の反射率を算出す 。ここで得られたデータをデータB NUp として記録する(ステップS51)。


 そしてデータ処理装置18aは、データB NLow の横軸を反転させて(2N-1)L c /4からNL c /2までの区間に対応させ、データB NUp と合わせて1回ごとのデータを得てこれをデ タB N として記録する(ステップS52)。


 ステップS26の処理はN回繰り返されてデータ B 1 、B 2 、…、B N を取得でき、これらのデータを合わせること によって、0から(2N+1)L c /4までの全ての区間において反射率データを 得することが可能になる。


 以上説明したようにこの実施形態でも、光 出力光のモニタリングビート信号を連続関 化して参照信号を生成し、これをサンプリ グして得た数列にFFT処理を施して測定結果 得る。その際、サンプリングレートを可変 て数式(14)のようにサンプリング間隔S N を設定する。このレートを用いてサンプリン グした測定信号Y n にアンチエイリアシングフィルタを施して得 たデータをFFT処理して計測値を得るようにし ている。


 このようにすることで、第1の実施形態と同 様に、光源コヒーレンス長を超える測定領域 に対しても、干渉ビート信号FFT処理の広がり を防ぐことができる。従って、光源コヒーレ ンス長の制限されることなく、OFDRによる測 を光源コヒーレンス長の超える測定距離で 施することの可能な光リフレクトメトリ測 方法および光リフレクトメトリ測定装置を 供することが可能となる。しかもN(すなわち 周波数掃引光源からの距離)に応じてサンプ ングレートを可変しているので演算処理の 度をさらに高めることができる。これらの とから、測定距離によらず高い精度を得る との可能な光リフレクトメトリ測定方法お び光リフレクトメトリ測定装置を提供する とが可能となる。


 なお、この発明は上記実施形態そのままに 定されるものではなく、実施段階ではその 旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して 体化できる。例えば解析部13において、モ タリングビート信号に掛け算する手段、あ いは三角関数を計算する手段を利用して、 しい参照信号を作り出してデータ信号を補 してもよい。

 また、上記実施形態に開示されている複数 構成要素の適宜な組み合わせにより、種々 発明を形成できる。例えば、実施形態に示 れる全構成要素から幾つかの構成要素を削 してもよい。さらに、異なる実施形態にわ る構成要素を適宜組み合わせてもよい。


 (第3の実施形態)

 図13は、OFDRによる光リフレクトメトリ測定 置の基本構成の一例を示す図である。図13 おいて、周波数掃引光源1からの出力光は光 向性結合器Aにより分岐され、一方は参照光 3として用いられ、他方は被測定光回路4に入 される。被測定光回路4の内部で後方散乱さ れた信号光5は光方向性結合器Aにより取り出 れ、光方向性結合器Bにより参照光3と合波 れたのち受信器6により検波される。このと 、2光波の干渉により生じる干渉ビート信号 をサンプリング装置7によりサンプリングし 測定したデータを周波数解析装置8にて解析 ることにより、被測定光回路4内の各位置か らの後方散乱光強度分布が測定される。


 ここで、周波数掃引光源1からの測定光2の 波数を時間T、最大光周波数掃引幅δFで時間 対して直線的に掃引するとき、被測定光回 4内のある点Xで後方散乱された信号光5によ 生じるビート信号の周波数F b は、参照光3と点Xで後方散乱された信号光5の 光路長差δL、光周波数掃引速度γ、光の屈折 n、および光速cを用いて次の数式(24)により えられる。


ただし、γ=δF/Tである。また、距離分解能δz 受信ビート信号のスペクトル幅δF b を用いて数式(25)により与えられる。


 ただし以上の条件は理想的な場合において 立するものであり、現状のOFDRにおいては光 周波数を良好な直線性で掃引することが困難 である。また、たとえ光周波数を理想的に掃 引できたとしても、光源コヒーレンス長を超 える測定距離に対しては数式(24)のビート信 の周波数F b は周波数掃引光源の位相雑音による影響を受 けてスペクトル幅δF b が周波数掃引光源自身の持つ線幅にまで広が ってしまう。甚だしい場合には測定が不可能 となる。


 図14は、周波数掃引光源1の光周波数の非直 性を示す図である。この図から明らかなよ に、周波数掃引光源1の光周波数は時間に対 してリニアに変化しない。図14において、光 波数は一定値F[Hz]を基準変調周波数として 時間Tに対しF+γT[Hz]なる値になる。周波数掃 速度の非直線性はγで表される。この非直 性により干渉ビート信号のスペクトル幅が がり、距離分解能の精度の低下を招く。


 図15は、周波数掃引光源の位相雑音による 定への影響を説明するための図である。図15 (a)に示すように、片方の光路に光周波数シフ タ21を挿入したマッハツェンダ光干渉計を想 する。すなわち周波数掃引光源20からの光 を分岐し一方の光路に遅延ファイバ22を設け 、他方に光周波数シフタ21を挿入する。


 周波数掃引光源20の出力光が理想的な単色 であれば、受信器23において干渉計の光路差 に依存せず光周波数シフタ21のシフト周波数 デルタ関数状のピークを持つようなパワー ペクトラムが得られる(図15(b))。しかしなが ら現実的には、周波数掃引光源20のパワース クトラムはある有限の幅を持つ。例えば、 波数掃引光源20が半導体レーザであれば位 雑音はFM雑音が支配的になり、ローレンツ形 状の幅を持つパワースペクトラムになる(図15 (c))。


 このように、光路差が光源コヒーレンス長 内であれば(遅延距離<<光源コヒーレン 長)出力電流のパワースペクトラムは光周波 数シフタ21のシフト周波数にデルタ関数形状 ピークを持つようなパワースペクトラムに るが、光路差がコヒーレンス長よりも大き なると(遅延距離>>光源コヒーレンス長) 次第にノイズフロアが上昇し、最終的には図 15(c)のようにローレンツ形状のパワースペク ラムになる。従って光源コヒーレンス長の1 /2を超える測定距離においては雑音成分が顕 になり、正確な計測が難しくなる。


(第4の実施形態)

 図16は、この発明に係わる光リフレクトメ リ測定装置の実施の形態を示す機能ブロッ 図である。この光リフレクトメトリ測定装 は、被測定回路における反射率の伝播方向 対する分布をOFDR測定する。図16において、 周波数掃引された周波数掃引光源1からの出 光9は光方向性結合器Cにより分岐され、一 は測定光2として測定部11に入射し、他方は ニタリング光10としてモニタリング部12cに入 射する。測定部11による測定の結果とモニタ ング部12cによるモニタの結果とを解析部13 入力し、演算処理により被測定回路(測定部1 1内)における後方散乱光強度分布を得る。


 測定部11は周波数掃引光源1の出力光9と被測 定回路からの後方散乱光との干渉ビート信号 を検出する。モニタリング部12cは例えば自己 遅延ホモダイン検波により出力光9のコヒー ンス特性をモニタする。これにより得られ モニタリングビート信号に基づいて解析部13 は参照信号を生成し、この参照信号に基づい て測定結果を得る。


 図17は、図16の光リフレクトメトリ測定装置 をより詳細に示す機能ブロック図である。モ ニタリング部12cに入射されたモニタリング光 10は光方向性結合器Dにより2分岐されたのち いずれも光90度ハイブリッド19に導かれて再 合波される。このとき分岐された一方の光 遅延部14により遅延され、マッハツェンダ 干渉計により他方の光と干渉する。このよ な過程を経て光90度ハイブリッド19からは互 に位相の90度ずれた2つの干渉光が出力され 。


 これらの干渉光はそれぞれ受信器15a、15bに 射され、光/電気変換されたうえで検波され て、位相の90度ずれたモニタリングビート信 が生成される。これらのモニタリングビー 信号はサンプリング装置16cに入力される。 ンプリング装置16cはモニタリングビート信 の波形をサンプリングし、得られたサンプ ングデータを解析部13のデータ処理装置18b 入力する。そのサンプリングレートは、解 部13に備わるクロック17のクロックに同期す タイミングである。


 一方、測定部11に入射された測定光2は図13 同様の処理を施され、干渉ビート信号がサ プリング装置7に入力される。サンプリング 置7はクロック17のクロックに同期するタイ ングで、すなわちサンプリング装置16cと互 に同期する間隔で干渉ビート信号の波形を ンプリングする。これにより得られたサン リングデータはデータ処理装置18bに入力さ る。


 次に数式を用いて定量的に説明する。周波 掃引光源1の出力光の電界振幅は次の数式(26 )で与えられる。


 ただし、数式(26)においてAは振幅(常数)であ り、f(t)は周波数掃引光源の掃引される光周 数であり、θ(t)は変動する位相項であり、φ( t)はトータルの位相である。


 図17の遅延部14の長さをLとすると、その遅 時間τは次の数式(27)で与えられる。


 遅延部14において生じるτの遅延により、デ ータ処理装置18bに入力されるモニタリングビ ート信号は数式(28)及び数式(29)で表される。



 ところで数式(28)及び数式(29)は理想的な場 を示しており、現実の光90度ハイブリッド19 は、その内部の光分岐部において理想的な1 :1の分岐比を実現することができない。ここ はその分岐比をα:βとする。また2つのモニ リングビート信号においても理想的な90度 光位相差を実現することは困難であり、現 的にはψの誤差がある。これを考慮すると2 のモニタリングビート信号は次の数式(30)及 数式(31)で与えられる。



 サンプリング装置16cによりサンプリングし I 1 (t)、I 2 (t)をそれぞれI 1 (t n )、I 2 (t n )として示す。各値の直流成分i 1 、i 2 はその平均値を取れば求まり、サンプリング 数をNとすると直流成分i 1 、直流成分i 2 は、次の数式(32)及び数式(33)で与えられる。



すなわち数式(30)の直流成分が数式(32)であり 数式(31)の直流成分が数式(33)である。


 光90度ハイブリッド19における内部カプラの 分岐比α:βは、数式(32)及び数式(33)をもとに の数式(34)で与えられる。すなわち分岐比α: は、サンプリングデータI 1 (t n )、I 2 (t n )の分散として算出することができる。また 90度ハイブリッド19における位相差90度の直 性の誤差ψは、上記分散を用いた統計計算処 理により次の数式(35)で与えられる。



 求めたカプラの分岐比α:βと位相差の誤差ψ を利用し、周波数掃引光源1の位相項は次の 式(36)により求められる。


 図18は数式(36)をグラフ化して示す図である 図18(a)に示すように、数式(36)のX(t n )は時間tに対して-πから+πまでの値をとるが 最初の+πから-πに折り返す点から次の+πか -πに折り返す点までの区間に順次2πの整数 を加算することにより、X(t n )を図18(b)に示すように断続点の無い滑らかな 関数として表すことができる。この関数をX(t )=φ(t)-φ(t-τ)と示す。


 一方、受信器6から出力される測定信号Y(t) 次の数式(37)で与えられる。


 数式(37)においてτ FUT は被測定光回路4の距離に対応する往復時間 あり、R(τ)は分布反射率に相当する。サンプ リング装置7によりサンプリングされた測定 号をY(t n )と表示する。


 データ処理装置18bは、図18(b)の関数X(t)=φ(t)- φ(t-τ)を参照信号として測定信号Y(t n )を補正する。その処理を以下に説明する。 ず補正処理に先立ち、FFT(高速フーリエ変換) 処理に伴うエイリアシングを防止するために Y(t)にアンチエイリアシングフィルタ処理を う。具体的には低域濾過フィルタ処理をY(t n )に施せばよい。このフィルタの通過上限周 数は必要とする測定距離により定まり、フ ルタ処理後のY(t n )をY Anti-aliasing (t n )と表記する。


 Y(t n )は等間隔でサンプリングされたデータであ ので、Y Anti-aliasing (t n )も等間隔の離散データである。この等間隔 サンプリング間隔を1/W[秒]とする。標本化定 理によれば、Y(t)が時間tの関数であるとき、 れが0からW/2までの範囲の周波数成分を持ち W/2以上の周波数成分を含まなければ関数全体 が一つに決まる。すなわちY(t)を次の数式(38) 表すことができる。


 次に、位相項X(t)を利用してY Anti-aliasing (t n )をサンプリングする。そのため、まずX(t)が M・Sをとる時刻を算出し、各時刻を数列t M として求める。ここでMは自然数(M=1,2,3,…)で り、間隔Sはサンプリングレートに関係する 量である。具体的には、間隔Sは測定信号Y Anti-aliasing (t n )をサンプリングするのに必要な、充分なナ キストサンプリングレートもつように設定 なければならない。よって次の数式(39)を満 する必要がある。なお数式(39)においてL FUT は被測定回路の距離である。


 数式(39)を利用し、tに時刻の数列t M を代入することによって、Y Anti-aliasing (t M )を求めることができる。そしてY Anti-aliasing (t M )の各値に高速フーリエ変換(FFT)処理を行うこ とによって、伝播距離に応じた各位置の反射 率を算出することができる。以上により求め られたOFDRによる反射率分布は、光源コヒー ンス長を超えない領域において算出される 定値である。


 図19は、図17の光リフレクトメトリ測定装置 における処理手順を示すフローチャートであ る。ステップS420で周波数掃引光源1の光周波 は掃引される。モニタリング部12cは、受信 15a及び受信器15bからそれぞれ出力されるモ タリングビート信号をサンプリングし、サ プリングデータI 1 ,I 2 を内部メモリ(図示せず)などに記録する(ステ ップS423)。なお受信器15aの出力からのサンプ ングデータをI 1 とし、受信器15bの出力からのサンプリングデ ータをI 2 とする。データ処理装置18bはサンプリングデ ータI 1 ,I 2 の位相情報を求め、これをもとにデータX(t n )を計算する(ステップS425)。


 一方、測定部11は、受信器6から出力される 渉ビート信号を同じ間隔でサンプリングし サンプリングデータY(t n )を内部メモリ(図示せず)などに記録する(ス ップS424)。最後に、モニタリング部12cからの データX(t n )と測定部11からのデータY(t n )とを用いるデータ処理により伝播距離に応 た各位置の反射率が算出される(ステップS426 )。次にこのデータ処理手順につき詳しく説 する。


 図20は、図19のステップS426における手順を しく示すフローチャートである。ステップS4 26においてデータ処理装置18bは、まず、ステ プS425で得られたX(t n )を利用して時間数列t M を求める(ステップS432)。これと並行してデー タ処理装置18bは、ステップS424で得られたY(t n )につきNに対応するアンチエイリアシングフ ルタを求め、このフィルタ係数を用いてY(t n )にフィルタリング処理を施す。すなわちY n に、Nに対応する通過上限周波数を持つ低域 過フィルタ(アンチエイリアシングフィルタ) をかける。これによりY Anti- aliasing (t n )を得る(ステップS433)。ここで得られたY Anti-aliasing (t n )を数式(38)に当てはめ、さらに時間数列t M を数式(38)に代入することによりY Anti-aliasing (t M )を計算する(ステップS434)。


 そしてデータ処理装置18bは、計算されたY Anti-aliasing (t M )に対してFFT処理を行い、伝播距離に応じた 定距離の各位置の反射率の、周波数掃引光 1の非直線性を補正した値を算出する(ステッ プS435)。最後に、算出されたデータは測定結 として記録される(ステップS436)。


 以上説明したようにこの実施形態では、周 数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタす るモニタリング部12cを設ける。このモニタリ ング部12cにおいて光方向性結合器D、遅延部14 および光90度ハイブリッド19によりマッハツ ンダ光干渉計を形成し、光90度ハイブリッド 19から互いに直交するモニタリングビート信 を生じさせてそれぞれのビート信号のサン リングデータを得る。ここで光90度ハイブ ッド19における分岐比と90度直交性の誤差、 よび各サンプリングデータから周波数掃引 源1の位相項X(t n )を算出する。これを参照信号として測定部11 のビート信号をサンプリングして、得られた 数列にFFT処理を施して測定結果を得るように している。


 このようにすることで、光90度ハイブリッ 19の理想特性からのずれをむしろ積極的に利 用して周波数掃引光源1の周波数掃引の非直 性を補正することができる。つまり光90度ハ イブリッド19のカプラの分岐比α:βと位相差 誤差とを含む、数式(36)を立数式することが き、これを元に周波数掃引光源1の位相項を 算出できる。この位相項が特定の値をとる時 間数列t M を求めてその値を数式(38)の形の関数に代入 ることで測定値を補正できることは既に知 れており、この実施形態はこのことも利用 て、さらに光90度ハイブリッド19の理想特性 らのずれをも補正した測定値を得ることが 能になる。これらのことから、OFDRによる周 波数掃引光源の光周波数掃引に非直線性があ る場合でも、高い距離分解能で実施すること の可能な光リフレクトメトリ測定方法および 光リフレクトメトリ測定装置を提供すること が可能になる。


(第5の実施形態)

 第4の実施形態では、光90度ハイブリッド19 利用して位相の90度ずれた2つのモニタリン ビート信号を生じさせ、そのビート信号の ンプリングデータを処理して得られる参照 号に基づき周波数掃引光源1の掃引非直線性 補正することができる。ただしその結果は 源コヒーレンス長を超えない領域に限られ 光源コヒーレンス長を超える領域では周波 掃引光源1の位相雑音の影響が支配的になり 高い距離分解能を得ることは難しい。以下で はこれを解決し得る実施形態につき説明する 。この実施形態においては装置の基本的構成 は図17と同様であり、データ処理装置18bにお る処理が異なる。


 第4の実施形態においては、数式(36)によりX( t)=φ(t)-φ(t-τ)を算出し、これをもとに周波数 引光源1の非線形性やコヒーレンス特性を補 正できるが、補正の度合いが最も良好になる のは被測定光回路4内の往復時間τ FUT に対応する箇所においてであり、その箇所を 離れるに従って補正精度は劣化する。ただし 、被測定光回路4内の往復時間τ FUT に対応する距離のN倍(Nは2以上の整数)の距離 ら後方散乱された信号光5により生じる干渉 ビート信号に対し、次の数式(40)に表す位相 報から補正すれば最適であることが知られ いる。


 数式(40)は次の数式(41)のようにして作り出 ことができる。


 図21は数式(41)を利用して位相情報を新しく り出すことが可能であることを示す図であ 。図21は数式(41)の根拠をイメージ的に示す のである。図21の曲線aはモニタリングビー 信号の位相X(t)であり、曲線bはτ時間遅延処 理をした位相X(t-τ)を表す。この手法すなわ 連結生成方法を利用して生成したX 2 (t)は図21の曲線cに示される。X 2 (t)=X(t)+X(t-τ)である。なおτは図17の遅延部14 遅延量である。


 連結生成方法により順次得られるX N (t)を利用して、第4の実施形態と同様に測定 号Y(t n )を補正することができる。ただし周波数掃 光源1の非線形性やコヒーレンス特性を最適 補正される場所はτ FUT =Nτに対応する距離である。そこで、被測定 回路4の距離を全てカバーするために、X N (t)を利用できるτ FUT が[(N-1/2)τから(N+1/2)τまで]の区間であること 着目する。すなわち補正区間(セクション) [(2N-1)L/4から(2N+1)L/4まで]となる。補正セクシ ョン区間での補正精度が一定な必要な精度に 応じて、適切に遅延部14内部の遅延ファイバ L(すなわち遅延時間τ)をデザインすること 、補正可能な範囲を拡大することができる


 図22は、この実施形態における処理手順を すフローチャートである。この実施形態で 図19のステップS426の処理が異なり、しかも の処理がN回繰り返される点に特徴を有する まず、N=1であれば第4の実施形態と同様、デ ータX(t n )を参照信号としてデータY(t n )をサンプリングし(ステップS432からS434まで) 得られた数列にFFT処理を施す(ステップS435) ステップS435からNをインクリメントして処 手順はステップS431、S433に戻る。


 N>1になれば、X(t)に数式(41)を利用してX N (t)を生成し(ステップS431)、ステップS432からS4 35までを再度実施することにより伝播距離に じた各位置の反射率を得られる。そうして N回の処理を行った後にそれぞれの測定結果 を補正セクション毎に横軸で繋げることによ って、0から(2N+1)L/4までの距離での測定を全 実施することができ、その結果を測定結果 して記録する(ステップS437)。


 以上説明したようにこの実施形態でも、周 数掃引光源1の出力光のモニタリングビート 信号を連続関数化して参照信号を生成し、こ れをサンプリングして得た数列にFFT処理を施 して測定結果を得る。その際、τ FUT のN倍に対応するセクションごとにX N (t)、すなわち位相項を算出してこれをもとに 参照信号を生成するようにしている。


 このようにすることで、光源コヒーレンス を超える測定領域に対しても、干渉ビート 号FFT処理の広がりを防ぐことができる。従 て光源コヒーレンス長に制限されることな 、OFDRによる測定を光源コヒーレンス長の超 える測定距離で実施することの可能な光リフ レクトメトリ測定方法および光リフレクトメ トリ測定装置を提供することが可能となる。 これらのことから、測定距離によらず高い精 度を得ることの可能な光リフレクトメトリ測 定方法および光リフレクトメトリ測定装置を 提供することが可能となる。


 以上をまとめると第4の実施形態および第5 実施形態によれば、周波数掃引光源の光周 数掃引に非直線性がある場合でも、また、 波数掃引光源のコヒーレンス長を超える測 距離においても、OFDRによる反射率の分布を い距離分解能で実施することの可能な光リ レクトメトリ測定方法および光リフレクト トリ測定装置を提供することができる。


 なお、この発明は上記実施形態そのままに 定されるものではなく、実施段階ではその 旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して 体化できる。また、上記実施形態に開示さ ている複数の構成要素の適宜な組み合わせ より、種々の発明を形成できる。例えば、 施形態に示される全構成要素から幾つかの 成要素を削除してもよい。さらに、異なる 施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせ もよい。


(第6の実施形態)

 図23は、リフレクトメトリ測定装置の一例 示す基本構成図である。本実施形態に係る リフレクトメトリ測定装置は、周波数掃引 源1と、光方向性結合器A及びBと、測定対象 しての被測定光回路4と、受信器6と、サンプ リング装置7と、解析部としての周波数解析 置8とを備える。光周波数を掃引された出力 9を測定対象としての被測定光回路4に入射 、被測定光回路4における位置に対する反射 の分布を測定する。


 周波数掃引光源1は、周波数掃引された出力 光9を出力する。周波数掃引光源1の出力する 力光9は光方向性結合器Aにより分岐され、 方は参照光3として用いられ、他方は測定光2 として被測定光回路4に入射される。被測定 回路4に入射した測定光2は、被測定光回路4 内部で後方散乱され、後方散乱された測定 2は信号光5として光方向性結合器Aにより取 出される。光方向性結合器Aにより取り出さ た信号光5は、光方向性結合器Bにより参照 3と合波されたのち受信器6により検波される 。受信器6は、2光波の干渉により生じる干渉 ート信号を検波する。そして、サンプリン 装置7は、受信器6の検波した干渉ビート信 をサンプリングする。ここで、本実施形態 は、サンプリング装置7は、測定信号Y n を、遅延部14aの遅延ファイバの長さL Short の1/2倍ごとにサンプリングする。周波数解析 装置8は、サンプリング装置7のサンプリング たサンプリング信号を周波数解析し、被測 光回路4における位置に対する反射率の分布 を測定する。ここで、周波数解析装置8はサ プリング装置7のサンプリングレートに応じ 測定光2の反射率分布を測定するので、被測 定光回路4における測定光2の伝搬距離及び伝 方向ごとに後方散乱光の光強度分布を測定 ることができる。これにより、被測定光回 4内の各位置からの後方散乱光強度分布を測 定することができる。


 ここで、周波数掃引光源1からの出力光9の 波数を時間T、最大光周波数掃引幅δFで時間 対して直線的に掃引するとき、被測定光回 4内のある点Xで後方散乱された信号光5によ 生じる干渉ビート信号の周波数F b は、光周波数掃引速度γ、光の屈折率n、参照 光3と点Xで後方散乱された信号光5との光路長 差δL、および光速cを用いて、次の数式(42)に り与えられる。


 ただし、γ=δF/Tである。また、伝搬距離の 解能δzは干渉ビート信号のスペクトル幅δF b を用いて数式(43)により与えられる。


 ただし、以上の条件は理想的な場合であり 現状のOFDRにおいては光周波数を良好な直線 性で掃引することが困難である。更に、理想 的に良好な直線性で掃引しても、測定する伝 搬距離が光源コヒーレンス長を超える場合、 数式(42)に示す干渉ビート信号の周波数F b は、周波数掃引光源1の位相雑音による影響 受ける。そして、数式(43)における干渉ビー 信号のスペクトル幅δF b は周波数掃引光源1自身のもつ線幅にまで広 り、測定は不可能になる。次にそのことを 明する。


 図24は、周波数掃引光源1の位相雑音による 定結果への影響を示すための説明図であり (a)はパワースペクトラムの測定系を示し、( b)は遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十 短い場合のパワースペクトラムを示し、(c) 遅延距離が光源コヒーレンス長よりも十分 い場合のパワースペクトラムを示す。パワ スペクトラムの測定系は、図24(a)に示すよ に、周波数掃引光源20からの光路を2分岐し 一方の光路に光周波数シフタ21を挿入すると ともに他方の光路に遅延ファイバ22を設けて ッハツェンダ光干渉計を形成する。遅延距 が光源コヒーレンス長よりも十分短い場合 、図24(b)に示すように、干渉計の光路差に 存せずに、光周波数シフタ21のシフト周波数 にデルタ関数状のピークを持つようなパワー スペクトラムが受信器23において得られる。 延距離が光源コヒーレンス長よりも十分長 場合であっても、周波数掃引光源20の出力 る測定光が理想的な単色光であれば、図24(b) 同様の測定結果となる。しかしながら実際に は、周波数掃引光源20のパワースペクトラム 有限の幅を持つ。たとえば、周波数掃引光 20が半導体レーザであれば、位相雑音はFM雑 音が支配的になる。この場合、図24(c)に示す うに、ローレンツ形状の幅を持つパワース クトラムになる。


 このように、光路差が周波数掃引光源20の ヒーレンス長以内であれば、すなわち信号 の参照光に対する遅延量が周波数掃引光源20 から出力される出力光9のコヒーレンス長よ も十分小さければ、出力電流のパワースペ トラムは光周波数シフタ21のシフト周波数に デルタ関数形状のピークを持つようなパワー スペクトラムになる。しかし、光路差が周波 数掃引光源20のコヒーレンス長よりも大きく ると、すなわち信号光の参照光に対する遅 量が出力光9のコヒーレンス長よりも十分大 きくなると、次第にノイズフロアが上昇し、 最終的には図24(c)のように、ローレンツ形状 パワースペクトラムになる。したがって、 定する伝搬距離が周波数掃引光源20のコヒ レンス長の1/2を超える場合は、出力電流の ワースペクトラムは、雑音成分が顕著にな 、正確な計測が難しくなる。


 図25は、本実施形態に係る光リフレクトメ リ測定装置の一例を示す機能ブロック図で る。本実施形態に係る光リフレクトメトリ 定装置96は、周波数掃引光源1と、第1コヒー ンスモニタ部12aと、第2コヒーレンスモニタ 部12bと、測定部11と、解析部13と、光方向性 合器C及びDを備える。光リフレクトメトリ測 定装置96は、第1コヒーレンスモニタ部12a及び 第2コヒーレンスモニタ部12bを備えることで 測定部11に備わる測定対象における伝搬方向 に対する反射率の分布を、周波数掃引光源1 出力する出力光9のコヒーレンス長の1/2を超 る伝搬距離における雑音成分についても補 可能としたことを特徴とする。


 光周波数掃引された周波数掃引光源1からの 出力光9は、光方向性結合器Cにより、測定光2 とモニタリング光10に分岐される。測定光2は 測定部11に入射される。モニタリング光10は 方向性結合器Dにより分岐され、第1モニタリ ング光10aは第1コヒーレンスモニタ部12aに入 し、第2モニタリング光10bは第2コヒーレンス モニタ部12bに入射する。


 第1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒー ンスモニタ部12bは、周波数掃引光源1からの 力光9を分岐したモニタリング光10からモニ リングビート信号I Short 及びI Long を取得する。第1コヒーレンスモニタ部12a及 第2コヒーレンスモニタ部12bがモニタリング ート信号I Short 及びI Long を取得することで、出力光9のコヒーレンス 性をモニタする。コヒーレンス特性のモニ は、たとえば、自己遅延ホモダイン検波に って行うことができる。第1コヒーレンスモ タ部12aは、自己遅延ホモダイン検波によっ 得られたビート信号を、第1モニタリングビ ート信号I Short として解析部13に出力する。第2コヒーレンス モニタ部12bは、自己遅延ホモダイン検波によ って得られたビート信号を、第2モニタリン ビート信号I Long として解析部13に出力する。


 測定部11は、測定部11内における測定対象と しての被測定光回路4から後方散乱された信 光と周波数掃引光源1からの出力光9を分岐し た参照光との干渉ビート信号を取得する。そ して、測定部11は、取得した干渉ビート信号 、測定信号Y n として解析部13に出力する。


 解析部13は、第1コヒーレンスモニタ部12a及 第2コヒーレンスモニタ部12bの取得するモニ タリングビート信号I Short 及びI Long から周波数掃引光源1での掃引の非直線性及 周波数掃引光源1の位相ノイズを反映する参 信号X N (t)を生成する。また、解析部13は、測定部11 らの測定信号Y n を演算処理し、出力光9の伝搬距離に対する 定対象における位置に対する反射率の分布 測定する。ここで、本実施形態では、測定 象が被測定光回路4であるので、反射率の分 として、被測定光回路4での後方散乱光強度 分布を測定する。そして、解析部13は、測定 11の取得する干渉ビート信号すなわち測定 号Y n から算出した反射率の分布を、生成した当該 参照信号X N (t)に基づき補正する。これにより、解析部13 、生成した参照信号X N (t)に基づいて、測定部11内における被測定光 路4での後方散乱光強度分布を補正すること ができる。


 図26は、図25に示す光リフレクトメトリ測定 装置96をより詳細に示す機能ブロック図であ 。測定部11は、被測定光回路4と、受信器6と 、サンプリング装置7と、光方向性結合器A及 Bと、を備える。測定部11の構成及び機能に いては、図23で説明したとおりである。測 部11は、図23に示す光リフレクトメトリ測定 置の被測定光回路4、受信器6及びサンプリ グ装置7と同様に、参照光3と信号光5との干 ビート信号を検出する。サンプリング装置7 、クロック17に同期するタイミングで、す わちサンプリング装置16a、16bと互いに同期 る間隔で干渉ビート信号の波形をサンプリ グする。これにより得られたサンプリング ータは、測定信号Y n として、解析部13のデータ処理装置18cに入力 れる。


 第1コヒーレンスモニタ部12aは、光方向性結 合器E及びFと、遅延部14aと、受信器15aと、サ プリング装置16aを備える。第1コヒーレンス モニタ部12aに入射された第1モニタリング光10 aは、分配部としての光方向性結合器Eにより2 分岐される。遅延部14aは、光方向性結合器E より2分岐した分岐光の一方を、第2コヒーレ ンスモニタ部12bと異なる遅延量で遅延する。 ここで、遅延部14aの遅延量は、出力光9のコ ーレンス長である。遅延部14aの遅延量が出 光9のコヒーレンス長に近い長さであれば、 力光9のコヒーレンス特性を検出することが できる。光方向性結合器Fは、分配部として 光方向性結合器Eの分岐する分岐光の他方と 延部14aの遅延する分岐光の一方を合波する 光方向性結合器Fが合波することで、モニタ リングビート信号I Short が発生する。受信器15aは、光方向性結合器F 発生させたモニタリングビート信号I Short を検波する。サンプリング装置16aは、解析部 13に備わるクロック17のクロックに同期する イミングで、受信器15aの検波したモニタリ グビート信号I Short の彼形をサンプリングし、サンプリングデー タを解析部13のデータ処理装置18cに入力する


 第2コヒーレンスモニタ部12bは、光方向性結 合器G及びHと、遅延部14bと、受信器15bと、サ プリング装置16bを備える。第2コヒーレンス モニタ部12bに入射された第2モニタリング光10 bは、光方向性結合器Gにより2分岐される。遅 延部14bは、分配部としての光方向性結合器G より2分岐した分岐光の一方を、第1コヒーレ ンスモニタ部12aと異なる遅延量で遅延する。 ここで、遅延部14bの遅延量は、Kを正の整数 した場合、遅延部14aの遅延量のK倍である。 延部14bが遅延部14aのK倍の遅延量を有するこ とで、出力光9のコヒーレント長の整数倍の 搬距離がある場合のコヒーレント特性を検 することができる。光方向性結合器Hは、分 部としての光方向性結合器Gの分岐する分岐 光の他方と遅延部14bの遅延する分岐光の一方 を合波する。光方向性結合器Hが合波するこ で、モニタリングビート信号I Long が発生する。受信器15bは、光方向性結合器H 発生させたモニタリングビート信号I Long を検波する。サンプリング装置16bは、解析部 13に備わるクロック17のクロックに同期する イミングで、受信器15bの検波したモニタリ グビート信号I Long の彼形をサンプリングし、サンプリングデー タを解析部13のデータ処理装置18cに入力する


 解析部13は、クロック17と、データ処理装置 18cを備える。クロック17は、サンプリング装 7、16a及び16bに、共通のクロック信号を出力 する。データ処理装置18cは、サンプリング装 置7からは測定信号Y n のサンプリングデータを、サンプリング装置 16aからは第1モニタリングビート信号I Short のサンプリングデータを、サンプリング装置 16bからは第2モニタリングビート信号I Long のサンプリングデータを取得する。データ処 理装置18cは、第1モニタリングビート信号I Short 及び第2モニタリングビート信号I Long に基づいて、後述する数式(53)又は数式(54)で される参照信号X N (t)を生成する。そして、データ処理装置18cは 、参照信号X N (t)で表される位相情報に基づいて測定信号Y n に含まれるノイズ成分を除去することで測定 信号Y n を補正する。ここで、測定信号Y n の補正は、周波数掃引光源1から被測定光回 4内における反射点までの伝搬距離がゼロか 長さL Short の3/4倍までのときは、N=1として、参照信号X 1 (t)を用いる。周波数掃引光源1から被測定光 路4内における反射点までの伝搬距離が長さL Short の3/4倍から5/4倍までのときは、N=2として、参 照信号X 2 (t)を用いる。同様にして、周波数掃引光源1 ら被測定光回路4内における反射点までの伝 距離が長さL Short の(2N-1)/4倍から(2N+1)/4倍までのときは、参照 号X N (t)を用いる。そして、補正後の測定信号Y n にFFT処理を行うことで、被測定光回路4にお る反射率の分布を伝搬距離ごとに出力する これにより、位置に対する反射率の分布を 定することができる。


 次に、解析部13の補正の原理について、数 を用いて定量的に説明する。周波数掃引光 1の出力する出力光9の電界振幅E(t)は次の数 で与えられる。


 数式(44)において、Aは振幅で常数、f(t)は周 数掃引光源1の掃引周波数、θ(t)は変動する 相項、φ(t)はトータルの位相である。


 図25及び図26の遅延部14aに長さL Short の遅延ファイバを設け、遅延部14bに長さL Long の遅延ファイバを設ける。ここで、Kを整数 した場合、長さL Long は、長さL Short のK倍となる。遅延部14aの遅延時間τ Short と遅延部14bの遅延時間τ Long は、数式(45)と数式(46)で与えられる。



 数式(45)で表された遅延部14aでの遅延時間τ Short により、データ処理装置18cに入力される第1 ニタリングビート信号I Short は数式(47)で与えられる。また、数式(46)で表 れた遅延部14bでの遅延時間τ Long により、データ処理装置18cに入力される第2 ニタリングビート信号I Long は数式(48)で与えられる。



 数式(47)及び数式(48)より、第1モニタリング ート信号の位相X Short (t)は数式(49)のX Short (t)で、第2モニタリングビート信号の位相X Long (t)は数式(50)で与えられる。



 図27は、第1モニタリングビート信号の位相X Short (t)の一例を示す時系列グラフである。図27(a) 示すように、第1モニタリングビート信号の 位相X Short (t)は、時間(t)に対して-πから+πまでの値を繰 り返す。位相X Short (t)が-πから+πとなる区間ごとに2πの整数倍を 順次加算することにより、位相X Short (t)を図27(b)に示すような断続点のない滑らか 関数として表すことができる。このように て求められた位相X Short (t)を、参照信号X N (t)の生成に用いる。


 次に、Mを自然数(M=1,2,・・・)、S 1 をクロック17のサンプリングレートとして、 相X Short (t)からM・S 1 を取る時刻を時間数列t M1 として求める。ここで、サンプリングレート S 1 は、測定信号Y n をサンプリングする際に必要となる十分なナ イキストサンプリングレートをもつように設 定しなければならない。このため、まず、測 定信号Y n に、アンチエイリアシングフィルタ処理を施 して、FFT(Fast Fourier Transform)処理のエイリア ングを防止する。具体的には、測定信号Y n に対して低域通過濾波フィルタ処理を施す。


 低域通過濾波フィルタの通過上限周波数は 要な測定距離に応じて決まる。測定信号Y n は等間隔でサンプリングしたデータであるの で、低域通過濾波フィルタ処理後の測定信号 Y nAnti-aliasing1 も等間隔の離散データである。この間隔を1/W 秒とする。測定信号Y n を時間の関数Y(t)とし、これが間隔0秒から間 W/2秒の範囲の周波数成分をもち、間隔W/2秒 上の周波数成分を含まないとすると、標本 定理によって関数全体が一つに決まる。す わち、測定信号Y(t)は数式(51)で与えられる


 数式(51)に時間数列t M1 を代入することにより、測定信号Y(t M1 )を求めることができる。測定信号Y(t M1 )にFFT処理を施すことにより、時間軸を空間 に変換し、伝搬距離に応じた各位置の反射 を算出することができる。


 周波数掃引光源1から被測定光回路4内にお る反射点までの伝搬距離が出力光9のコヒー ント長の1/2以内であれば、数式(49)に示され る位相X Short (t)を用いて測定信号Y(t)を補正することがで る。そして、本実施形態では、位相X Long (t)を取得することで、周波数掃引光源1から 測定光回路4内における反射点までの伝搬距 が出力光9のコヒーレント長の1/2を超えると きであっても、コヒーレント長の1/2の整数倍 である場合は、測定信号Y(t)を小さな誤差で 正することができる。


 以下、周波数掃引光源1から被測定光回路4 における反射点までの伝搬距離が出力光9の ヒーレント長の1/2のN倍(Nは整数)であるとき の参照信号X N (t)について説明する。遅延部14aの遅延ファイ バの長さL Short は出力光9のコヒーレント長となっているの 、周波数掃引光源1から被測定光回路4内にお ける反射点までの伝搬距離は、片道で延部14a の遅延ファイバの長さL Short の1/2であり、往復で遅延部14aの遅延ファイバ の長さL Short と等しくなる。このため、参照信号X N (t)は数式(52)で表される。


 図27に示す第1モニタリングビート信号の位 X Short (t)の時系列グラフからもわかるように、数式 (52)は次の数式(53)で表すことができる。


 図28は、参照信号X N (t)の一例を示す時系列グラフである。Nが2の 合、参照信号X 2 (t)は、数式(53)より、X Short (t)+X Short (t-τ Short )となる。第1モニタリングビート信号の位相X Short (t)が曲線bで表される場合、遅延部14aの遅延 間τ Short だけ遅延処理をした第1モニタリングビート 号の位相X Short (t-τ Short )が曲線aで表される。参照信号X 2 (t)は、曲線aと曲線bを加算し、曲線cのように 作り出すことができる。同様にして、Nが3以 の場合についても、数式(53)より、参照信号 X N (t)を作り出すことができる。


 ここで、遅延部14aの遅延時間τ Short の誤差が存在する場合、数式(53)を利用して 照信号X N (t)を作り出すと、nの増加に従って参照信号X N (t)の誤差が(N-1)回にわたり積み重なる。そこ 、遅延部14bの遅延時間τ Long を用いて補正する。遅延時間τ Long は、数式(46)に示すとおり、遅延時間τ Short のK倍であることから、K回積み重ねられる誤 を1回の誤差に低減することができる。遅延 時間τ Long を用いると、数式(53)は数式(54)で表される。


 ここで、Int(N/K)はNをKで除算した商の整数部 であり、Mod(N,K)はNをKで除算した商の余りで る。数式(54)を利用することで、誤差の積み なる回数は、N回から[Int(N/K)+Mod(N,K)]回に低 することができる。例えば、Nが32であり、K 10である場合、誤差の積み重なる回数は5回 なる。そのため、周波数掃引光源1から被測 定光回路4内における反射点までの伝搬距離 出力光9のコヒーレント長の1/2を超えるとき あっても、遅延部14aの遅延ファイバの長さL Short の1/2の整数倍であれば、補正を小さくするこ とができる。


 Mを自然数(M=1,2,・・・)、S N をクロック17のサンプリングレートとして、 式(54)で求めた参照信号X N (t)からM・S N を取る時刻を時間数列t MN として求める。ここで、サンプリングレート S N は、測定信号Y n をサンプリングする際に必要となる十分なナ イキストサンプリングレートをもつように設 定しなければならない。このため、まず、測 定信号Y n に、アンチエイリアシングフィルタ処理を施 して、FFT処理のエイリアシングを防止する。 具体的には、測定信号Y n に対して、数式(55)で表される通過上限周波 をもつ低域通過濾波フィルタ処理を施せば い。

 数式(55)においてMax[dX n (t)/dt]は、遅延部14aの遅延ファイバの長さL Short の1/4に対して、(2N-1)倍以上(2N+1)倍以下のデー タ全域での最大値を示す。数式(51)の測定信 Y n Anti-aliasing1 を測定信号Y n Anti-aliasingN に置き換え、時間数列t MN を代入することにより、測定信号Y(t MN )を求めることができる。さらに、測定信号Y( t MN )にFFT処理を施すことにより、時間軸を空間 に変換し、伝搬距離に応じた各位置の反射 を算出することができる。そして、周波数 引光源1から被測定光回路4内における反射点 までの伝搬距離が遅延部14aの遅延ファイバの 長さL Short の1/2にある点の近傍の測定結果の補正を最適 にすることができる。


 図29は、サンプリングした測定信号ごとの 正例を示す説明図である。測定信号Y n は、遅延部14aの遅延ファイバの長さL Short の1/2倍ごとにサンプリングされている。伝搬 距離がゼロから長さL Short の3/4倍までのときは、N=1として、参照信号X 1 (t)を用いる。伝搬距離が長さL Short の3/4倍から5/4倍までのときは、N=2として、参 照信号X 2 (t)を用いる。伝搬距離が遅延部14aの遅延ファ イバの長さL Short の(2N-1)/4倍から(2N+1)/4倍までのときは、参照 号X N (t)を用いる。参照信号X N (t)は、数式(53)に示すように、第1モニタリン ビート信号の位相X Short (t)のみを用いて表すことができる。この場合 は、補正はN回必要になるが、補正に必要と る第1モニタリングビート信号の位相X Short (t)のデータの取得は1回で済む。本実施形態 は、参照信号X N (t)は、数式(54)に示すように、第1モニタリン ビート信号の位相X Short (t)及び第2モニタリングビート信号の位相X Long (t)を用いて表すことができる。この場合は、 K回分の補正を1回に減らすことができるので 補正における誤差を減らすとともに、デー 処理装置18cの負荷を減らすことができる。


 参照信号X 1 (t)、X 2 (t)、・・・X N (t)から時間数列t M1 、t M2 、・・・t MN を求めるにあたり、必要となるサンプリング レートS 1 、S 2 、S 3 、・・・S N は測定信号Y(t)をサンプリングする際のナイ ストサンプリングレートに制限されている 参照信号X N (t)は長さNL Short の遅延ファイバを入れてビート信号から求め ることに相当し、測定信号Y(t)は往復で(2N+1)L Short /2の長さのファイバを測定することになる。 のため、ナイキストサンプリングレートを 足するサンプリングレートS N は次の数式(56)となる。


 本実施形態に係る光リフレクトメトリ測定 置96の動作について、図26及び図30を用いて 明する。図30は、本実施形態に係る光リフ クトメトリ測定方法の一例を示すフローチ ートである。本実施形態に係る光リフレク メトリ測定方法は、光出力ステップS620と、 ニタステップS621と、測定ステップS625と、 正ステップS628と、測定結果出力ステップS629 を有し、光周波数を掃引される周波数掃引光 源1からの出力光を測定対象としての被測定 回路4に入射し、当該測定対象における位置 対する反射率の分布を測定する。


 光出力ステップS620では、光周波数を掃引さ れた周波数掃引光源1が出力光9を出力する。


 モニタステップS621では、出力光9を分岐し モニタリング光10からモニタリングビート信 号I Short 及びI Long を取得する(ステップS623、S624)。モニタリン 光10をモニタリング光10a及び10bに2分岐して 1コヒーレンスモニタ部12a及び第2コヒーレン スモニタ部12bに入射し、入射したモニタリン グ光10a及び10bをそれぞれ2分岐し、2分岐した 岐光の一方を、第1コヒーレンスモニタ部12a と第2コヒーレンスモニタ部12bで互いに異な 遅延量τ Short とτ Long で遅延し、分岐光の他方と遅延した分岐光の 一方を合波したモニタリングビート信号I Short とI Long を取得する。第1コヒーレンスモニタ部12aが テップS623を行い、第2コヒーレンスモニタ部 12bがステップS624を行う。ステップS623及びス ップS624では、いずれを先に行ってもよいし 、同時に行ってもよい。


 ステップS623では、第1コヒーレンスモニタ 12aが、受信器15aが第1モニタリングビート信 I Short を出力し、サンプリング装置16aが第1モニタ ングビート信号I Short をサンプリングし、不図示の内部メモリにサ ンプリングデータを記録する。そして、ステ ップS621では、さらに、データ処理装置18cが テップS626を行う。ステップS626では、解析部 13において、データ処理装置18cが、第1モニタ リングビート信号I Short のサンプリングデータから、図27(b)に示すよ な断続点のない連続関数となる第1モニタリ ングビート信号の位相X Short (t)を計算する。


 ステップS624では、第2コヒーレンスモニタ 12bにおいて、受信器15bが第2モニタリングビ ト信号I Long を出力し、サンプリング装置16bが第2モニタ ングビート信号I Long をサンプリングし、不図示の内部メモリにサ ンプリングデータを記録する。そして、ステ ップS621では、さらに、データ処理装置18cが テップS627を行う。ステップS627では、解析部 13において、データ処理装置18cが、第2モニタ リングビート信号I Long のサンプリングデータから、図27(b)に示すよ な断続点のない連続関数となる第1モニタリ ングビート信号の位相X Long (t)を計算する。


 測定ステップS625では、出力光9を分岐した 照光3と、測定対象としての被測定光回路4か ら後方散乱された信号光5との干渉ビート信 を取得する。具体的には、測定部11において 、受信器6が干渉ビート信号を出力し、サン リング装置7が干渉ビート信号をサンプリン し、不図示の内部メモリにサンプリングデ タを測定信号Y n として記録する。


 ここで、モニタステップS621及び測定ステッ プとS625の順序は問わない。例えば、モニタ テップS621の後に測定ステップS625を行えば、 受信器6から出力された測定信号Y n のデータ処理を迅速に行うことができる。ま た、測定ステップS625の後にモニタステップS6 21を行えば、受信器6から測定信号Y n が出力された環境での参照信号X n (t)で補正を行うことができる。また、測定ス テップS625及びモニタステップS621を同時に行 ば、測定信号Y n が出力された環境での参照信号X n (t)を用いて測定信号Y n のデータ処理を迅速に行うことができる。


 補正ステップS628では、データ処理装置18cは 、モニタステップS621で取得したモニタリン ビート信号I Short 及びI Long から周波数掃引光源1での周波数掃引の非直 性及び出力光9に含まれる位相ノイズを反映 る参照信号X n (t)を生成し、測定ステップS625で取得した干 ビート信号Y n から算出した反射率を、参照信号X n (t)に基づき補正する。ここで、反射率の補正 は、測定信号Y n の広がりを補正することで行う。測定信号Y n の広がりの補正は、サンプリング処理とFFT処 理を含むデータ処理によって行われる。そし て、反射率の補正を、サンプリング回数とな るN回にわたり繰り返す。ここで、サンプリ グは、遅延部14aの遅延ファイバの長さL Short の1/2倍ごとに行われているので、信号光5の 搬距離に応じて、遅延部14aの遅延ファイバ 長さL Short の1/2倍ごとに補正を繰り返す。これにより得 たN回目のデータFFT N は記録される。


 測定結果出力ステップS629では、データ処理 装置18cは、FFT 1 、FFT 2 、・・・FFT N を利用して、測定光2の反射率を計算する。


 図31は、補正ステップの一例を示すフロー ャートである。補正ステップS628では、参照 号算出ステップS630と、サンプリングレート 算出ステップS631と、時間数列算出ステップS6 32と、アンチエイリアシングフィルタ処理ス ップS633と、測定信号算出ステップS634と、FF T処理ステップS635と、距離記録ステップS636を 有する。ここで、参照信号算出ステップS630 、サンプリングレート算出ステップS631と、 間数列算出ステップS632の順序は問わない。


 参照信号算出ステップS630では、データ処理 装置18cが、ステップS626で得られた第1モニタ ングビート信号の位相X Short (t)を数式(53)に当てはめて参照信号X N (t)を計算する。ここで、データ処理装置18cは 、ステップS626で得られた第1モニタリングビ ト信号の位相X Short (t)及びステップS627で得られた第2モニタリン ビート信号の位相X Long (t)を数式(54)に当てはめて参照信号X N (t)を計算することが好ましい。


 サンプリングレート算出ステップS631では、 データ処理装置18cは、参照信号算出ステップ S630と並行して、数式(56)を用いてサンプリン レートS N を計算する。そして、時間数列算出ステップ S632では、参照信号X N (t)からM・S N に等しい時刻を時間数列t MN として求める。


 一方、アンチエイリアシングフィルタ処理 テップS633では、ステップS625で得られたサ プリングデータY n につき、Nに対応するアンチエイリアシング ィルタを求め、このフィルタ係数を用いて ンプリングデータY n にフィルタリング処理を行う。すなわち、サ ンプリングデータY n に、Nに対応する数式(55)の特性を有する通過 限周波数をもつ低域通過濾波フィルタをか る。これにより、測定信号Y n Anti-aliasing N を得る。


 そして、測定信号算出ステップS634では、時 間数列算出ステップS632で求めた時間数列t MN を利用して、時刻t MN ごとの測定信号Y n Anti-aliasingN である測定信号Y(t MN )を計算する。測定信号Y(t MN )は、数式(51)に測定信号Y n Anti-aliasingN 及び時間数列t MN を代入することで算出することができる。


 FFT処理ステップS635では、算出された測定信 号Y(t MN )に対してFFT処理を行う。距離記録ステップS6 36では、FFT処理ステップS635でFFT処理を行った 測定信号Y(t MN )のうち、図26に示す周波数掃引光源1から被 定光回路4内における反射点までの伝搬距離 とにFFT N として記録する。N=1のとき、図26に示す周波 掃引光源1から被測定光回路4内における反 点までの伝搬距離が長さL Short の0倍から3/4倍までに対応するものを、デー FFT 1 として記録する。N>1のとき、図26に示す周 数掃引光源1から被測定光回路4内における 射点までの伝搬距離が長さL Short の(2N-1)/4倍から(2N+1)/4倍までに対応するもの 、データFFT N として記録する。


 以上のように、補正ステップS628では、ステ ップS630、S631、S632、S633、S634、S635、S636を一 の処理を行う。そして、当該一連の処理をN 繰り返すことにより、データFFT 1 、FFT 2 、・・・FFT N を取得する。取得したデータFFT 1 、FFT 2 、・・・FFT N をグラフ上の横軸でつなげることによって、 0から(2N+1)L Short /4までの伝搬距離での測定対象における位置 対する反射率の分布を測定することができ 。


 以上説明したように、本実施形態では、周 数掃引光源1のコヒーレンス特性をモニタリ ングする第1コヒーレンスモニタ部12aと第2コ ーレンスモニタ部12bを設け、そのモニタリ グの結果に基づいて測定部11における測定 果を補正するようにしている。すなわち、 1コヒーレンスモニタ12aと第2コヒーレンスモ ニタ部12bにおいて自己遅延ホモダイン検波に より周波数掃引光源1の出力する測定光のモ タリングビート信号を生じさせ、モニタリ グビート信号から参照信号を生成し、生成 た参照信号に基づき測定信号Y n をサンプリングして、得られた数列にFFT処理 を施して測定結果を得られるようにしている 。


 このようにすることで、光源コヒーレンス を超える伝搬距離に対しても、干渉ビート 号をFFT処理した結果が発散的に広がること 防ぐことができる。したがって、光源コヒ レンス長による制限を受けることなく、OFDR による測定を光源コヒーレンス長の超える伝 搬距離で実施することの可能な光リフレクト メトリ測定方法及び光リフレクトメトリ測定 装置を提供することができる。すなわち、OFD Rによる光源コヒーレンス長を超える伝搬距 で実施することの可能な光リフレクトメト 測定方法及び光リフレクトメトリ測定装置 提供することが可能となる。


 なお、この発明は上記実施形態そのままに 定されるものではなく、実施段階ではその 旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して 体化できる。例えば、図26に示す解析部13に おいて、第1モニタリングビート信号又は第2 ニタリングビート信号に乗算する手段、ま は、三角関数を計算する手段を利用して、 照信号X n (t)を作り出し、測定信号Y n を補正してもよい。


 また、上記実施形態に開示されている複数 構成要素の適宜な組み合わせにより、種々 発明を形成できる。例えば、実施形態に示 れる全構成要素からいくつかの構成要素を 除してもよい。さらに、異なる実施形態に たる構成要素を適宜組み合わせてもよい。