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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108370
Kind Code:
A1
Abstract:
A pneumatic tire which has a satisfactory appearance in a final stage in running and is reduced in heat build-up. The pneumatic tire includes a tread part (3) comprising a cap rubber (8) and a base rubber (7). The pneumatic tire is characterized in that the base rubber (7) has been formed from a rubber composition comprising 100 parts by mass of a rubber ingredient, at least 30 parts by mass of carbon black, and at least 2 parts by mass of silica and the base rubber (7) has a tensile stress at 300% elongation (M300) of 10-14 MPa and a loss tangent (tanδ) of 0.1 or lower.

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Inventors:
ISHIZUKA KATSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053865
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
March 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
ISHIZUKA KATSUYOSHI (JP)
International Classes:
B60C11/00; B60C1/00; C08K3/04; C08K3/36; C08K5/25; C08L21/00
Foreign References:
JPH1095204A1998-04-14
JP2004196858A2004-07-15
JP2005082766A2005-03-31
JP2007031522A2007-02-08
JP2005015691A2005-01-20
JPH1159124A1999-03-02
Other References:
See also references of EP 2116396A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 キャップゴム及びベースゴムを有するトレッド部を具える空気入りタイヤにおいて、
 前記ベースゴムに、ゴム成分100質量部に対してカーボンブラック30質量部以上とシリカ2質量部以上とを配合してなるゴム組成物を用い、
 前記ベースゴムの300%伸長時の引張応力(M 300 )が10~14MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.1以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
 前記ベースゴムに用いるゴム組成物のゴム成分が、天然ゴム又は天然ゴムとポリイソプレンゴムとのブレンドであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記ベースゴムに用いるゴム組成物が、更に前記ゴム成分100質量部に対してヒドラジド化合物0.1~5質量部と、同一分子内に前記ゴム成分に対する反応基aを1個以上有し且つ前記シリカに対する吸着基bを2個以上有する化合物(Z)0.1~5質量部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N 2 SA)が100m 2 /g以下で且つシブチルフタレート(DBP)吸収量が90mL/100g以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記シリカの配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して3~8質量部であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記ベースゴムに用いるゴム組成物がシランカップリング剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 前記ベースゴムのタイヤ半径方向外面が、タイヤの溝底よりもタイヤ半径方向外側に位置することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤ、特に抗破壊 が高く、走行末期における外観が良好で、 熱性が低い重荷重用ラジアルタイヤに関す ものである。

 一般に、重荷重用タイヤにおいては、耐 耗性と、走行末期における外観及び低発熱 とを両立するために、トレッド部を、キャ プゴム及びベースゴムとからなる所謂キャ プ/ベース構造とし、耐摩耗性に優れるキャ ップゴムと、走行末期における外観及び低発 熱性に優れるベースゴムを併用している。

 上記ベースゴムに関して、走行末期にお る外観を向上させるためには、破断時伸び 大きく、引張応力(弾性率)の低いゴムが好 しく、また、発熱性を低減するためには、 転時の変形を抑制し得る引張応力の高いゴ が好ましい。そのため、ベースゴムの走行 期における外観と低発熱性とを両立するこ は一般に困難である。

 発熱性を低減するための他の手法として 、ベースゴムの低ヒステリシスロス化が挙 られ、例えば、ベースゴムに用いるゴム組 物における硫黄の配合量を増量することで ベースゴムのヒステリシスロスを低下させ ことが可能であるが、引張応力が大きくな 過ぎ、走行末期における外観が悪化してし う。

 また、ベースゴムに用いるゴム組成物に ける充填剤の配合量を減量することでも、 ースゴムのヒステリシスロスを低下させる とが可能であり、この場合、ベースゴムの 断時伸びを向上させることも可能であるが 充填剤の配合量を減量し過ぎると、路面か のカットを受け易くなり、走行末期におけ 外観の悪化を引き起こし易いことが知られ いる。

 そこで、本発明の目的は、上記従来技術 問題を解決し、走行末期における外観が良 で、発熱性が低い空気入りタイヤを提供す ことにある。

 本発明者は、上記目的を達成するために鋭 検討した結果、キャップ/ベース構造のトレ ッド部を有するタイヤにおいて、カーボンブ ラック及びシリカを特定量配合したゴム組成 物をベースゴムに用い、ベースゴムの300%伸 時の引張応力(M 300 )及び損失正接(tanδ)を特定に範囲に限定する とで、タイヤの走行末期における外観が改 される共に、発熱性が低減されることを見 し、本発明を完成させるに至った。

 即ち、本発明の空気入りタイヤは、キャッ ゴム及びベースゴムを有するトレッド部を え、
 前記ベースゴムに、ゴム成分100質量部に対 てカーボンブラック30質量部以上とシリカ2 量部以上とを配合してなるゴム組成物を用 、
 前記ベースゴムの300%伸長時の引張応力(M 300 )が10~14MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.1以下であ ことを特徴とする。

 本発明の空気入りタイヤの好適例におい は、前記ベースゴムに用いるゴム組成物の ム成分が、天然ゴム又は天然ゴムとポリイ プレンゴムとのブレンドである。

 本発明の空気入りタイヤの他の好適例に いては、前記ベースゴムに用いるゴム組成 が、更に前記ゴム成分100質量部に対してヒ ラジド化合物0.1~5質量部と、同一分子内に 記ゴム成分に対する反応基aを1個以上有し且 つ前記シリカに対する吸着基bを2個以上有す 化合物(Z)0.1~5質量部とを含む。

 本発明の空気入りタイヤのベースゴムに用 るゴム組成物において、前記カーボンブラ クは、窒素吸着比表面積(N 2 SA)が100m 2 /g以下で且つシブチルフタレート(DBP)吸収量 90mL/100g以下であることが好ましい。

 本発明の空気入りタイヤの他の好適例に いては、前記シリカの配合量が前記ゴム成 100質量部に対して3~8質量部である。

 本発明の空気入りタイヤの他の好適例に いては、前記ベースゴムに用いるゴム組成 がシランカップリング剤を含まない。

 本発明の空気入りタイヤの他の好適例に いては、前記ベースゴムのタイヤ半径方向 面がタイヤの溝底よりもタイヤ半径方向外 に位置する。

 本発明によれば、ゴム成分100質量部に対し カーボンブラック30質量部以上とシリカ2質 部以上とを配合してなるゴム組成物がベー ゴムに用いられており、ベースゴムの300%伸 長時の引張応力(M 300 )が10~14MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.1以下であ て、走行末期における外観が良好で、発熱 が低い空気入りタイヤを提供することがで る。

本発明の空気入りタイヤの一例の断面 である。

 以下に、本発明を詳細に説明する。本発明 空気入りタイヤは、キャップゴム及びベー ゴムを有するトレッド部を具え、前記ベー ゴムに、ゴム成分100質量部に対してカーボ ブラック30質量部以上とシリカ2質量部以上 を配合してなるゴム組成物を用い、前記ベ スゴムの300%伸長時の引張応力(M 300 )が10~14MPaで損失正接(tanδ)が0.1以下であるこ を特徴とする。上記ベースゴムに用いるゴ 組成物において、ゴム成分100質量部に対し 、カーボンブラックの配合量を30質量部以上 としつつ、シリカの配合量を2質量部以上と ることで、タイヤの耐カット性が向上し、 行末期における外観が良好となる。

 また、上記ベースゴムの300%伸長時の引張応 力(M 300 )を14MPa以下としつつ、損失正接(tanδ)を0.1以 とすることで、タイヤの走行末期における 観を向上させつつ、タイヤの発熱性を低減 ることが可能となる。なお、ベースゴムの30 0%伸長時の引張応力(M 300 )が14MPaを超えると、走行末期における外観が 十分に向上せず、また、損失正接(tanδ)が0.1 超えると、発熱性を十分に低減するには、30 0%伸長時の引張応力(M 300 )を14MPa超にしなければならず、走行末期にお ける外観と発熱性を両立することができない 。また、ベースゴムの300%伸長時の引張応力(M 300 )が10MPa未満では、損失正接(tanδ)を0.1以下に ても、発熱性を十分に低減することができ い。なお、上記ベースゴムは、300%伸長時の 張応力(M 300 )が10~13MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.09以下であ ことが好ましく、300%伸長時の引張応力(M 300 )が10~12MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.09以下であ ことが更に好ましい。

 上記ベースゴム用ゴム組成物において、上 カーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N 2 SA)が100m 2 /g以下であり且つシブチルフタレート(DBP)吸 量が90mL/100g以下であることが好ましい。カ ボンブラックのN 2 SAが100m 2 /gを超えると、カーボンブラックの配合量が ム成分100質量部に対して30質量部以上であ ため、ベースゴムの損失正接(tanδ)が0.1を超 易くなる。また、DBP吸収量が90mL/100gを超え と、耐疲労性が低下し、走行末期における 観の悪化につながることがある。

 上記ベースゴム用ゴム組成物において、 記シリカの配合量は、上記ゴム成分100質量 に対して3~8質量部の範囲が好ましい。シリ の配合量がゴム成分100質量部に対して3質量 部未満では、ベースゴムの耐カット性が低下 する傾向があり、一方、8質量部を超えると ベースゴムの損失正接(tanδ)を0.1以下とする めに、カーボンブラックの配合量を減量せ るを得ず、ベースゴムの補強性が低下して 耐カット性が低下する傾向がある。

 上記ベースゴム用ゴム組成物のゴム成分 しては、特に制限はなく、天然ゴム(NR)の他 、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレン ム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム( SBR)等の合成ゴムが挙げられ、これらの中で 、耐破壊性に優れる点で、天然ゴムが特に ましい。これらゴム成分は一種単独でも、 レンドでもよく、ブレンドとしては、天然 ムとポリイソプレンゴムとのブレンドが好 しい。また、上記ゴム成分としては、未変 のゴム及び変性ゴムのいずれを用いてもよ 、変性天然ゴムを用いることが好ましい。

 上記変性天然ゴムは、例えば、天然ゴム テックスに極性基含有単量体を添加し、該 性基含有単量体を天然ゴムラテックス中の 然ゴム分子にグラフト重合させ、更に凝固 び乾燥して製造することができる。該変性 然ゴムの製造に用いる天然ゴムラテックス しては、特に限定されず、例えば、フィー ドラテックス、アンモニア処理ラテックス 遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵 で処理した脱タンパク質ラテックス、及び れらを組み合せたもの等を用いることがで る。

 上記天然ゴムラテックスに添加される極 基含有単量体は、分子内に少なくとも一つ 極性基を有し、天然ゴム分子とグラフト重 できる限り特に制限されるものでない。こ で、該極性基含有単量体は、天然ゴム分子 グラフト重合するために、分子内に炭素-炭 素二重結合を有することが好ましく、極性基 含有ビニル系単量体であることが好ましい。 上記極性基の具体例としては、アミノ基、イ ミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミ ド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジア ゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カ ルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル 基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホ ニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基 、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコ キシシリル基、及びスズ含有基等を好適に挙 げることができる。これら極性基を含有する 単量体は、一種単独で用いてもよく、二種以 上を組み合せて用いてもよい。

 上記アミノ基を含有する単量体としては 1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基か ら選ばれる少なくとも1つのアミノ基を含有 る重合性単量体が挙げられる。該アミノ基 有する重合性単量体の中でも、ジアルキル ミノアルキル(メタ)アクリレート等の第3級 ミノ基含有単量体が特に好ましい。これら ミノ基含有単量体は、一種単独で用いても く、二種以上を組み合せて用いてもよい。 こで、第1級アミノ基含有単量体としては、 クリルアミド、メタクリルアミド、4-ビニ アニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート 、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノ ロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル( タ)アクリレート等が挙げられる。また、第 2級アミノ基含有単量体としては、(1)アニリ スチレン、β-フェニル-p-アニリノスチレン β-シアノ-p-アニリノスチレン、β-シアノ-β- チル-p-アニリノスチレン、β-クロロ-p-アニ ノスチレン、β-カルボキシ-p-アニリノスチ ン、β-メトキシカルボニル-p-アニリノスチ ン、β-(2-ヒドロキシエトキシ)カルボニル-p- アニリノスチレン、β-ホルミル-p-アニリノス チレン、β-ホルミル-β-メチル-p-アニリノス レン、α-カルボキシ-β-カルボキシ-β-フェニ ル-p-アニリノスチレン等のアニリノスチレン 類、(2)1-アニリノフェニル-1,3-ブタジエン、1- アニリノフェニル-3-メチル-1,3-ブタジエン、1 -アニリノフェニル-3-クロロ-1,3-ブタジエン、 3-アニリノフェニル-2-メチル-1,3-ブタジエン 1-アニリノフェニル-2-クロロ-1,3-ブタジエン 2-アニリノフェニル-1,3-ブタジエン、2-アニ ノフェニル-3-メチル-1,3-ブタジエン、2-アニ リノフェニル-3-クロロ-1,3-ブタジエン等のア リノフェニルブタジエン類、(3)N-メチル(メ )アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリル ミド、N-メチロールアクリルアミド、N-(4-ア リノフェニル)メタクリルアミド等のN-モノ 換(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる 更に、第3級アミノ基含有単量体としては、N ,N-ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリレート びN,N-ジ置換アミノアルキル(メタ)アクリル ミド等が挙げられる。上記N,N-ジ置換アミノ アルキル(メタ)アクリレートとしては、N,N-ジ メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N- ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N ,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー 、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレ ト、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ ート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)ア リレート、N,N-ジエチルアミノブチル(メタ) クリレート、N-メチル-N-エチルアミノエチ (メタ)アクリレート、N,N-ジプロピルアミノ チル(メタ)アクリレート、N,N-ジブチルアミ エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジブチルア ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジブチ アミノブチル(メタ)アクリレート、N,N-ジヘ シルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N- オクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸又 はメタクリル酸のエステル等が挙げられ、こ れらの中でも、N,N-ジメチルアミノエチル(メ )アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル( タ)アクリレート、N,N-ジプロピルアミノエ ル(メタ)アクリレート、N,N-ジオクチルアミ エチル(メタ)アクリレート、N-メチル-N-エチ アミノエチル(メタ)アクリレート等が特に ましい。また、上記N,N-ジ置換アミノアルキ (メタ)アクリルアミドとしては、N,N-ジメチ アミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N, N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア ド、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリ アミド、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)ア リルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メ タ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノブチ (メタ)アクリルアミド、N-メチル-N-エチルア ミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロ ピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N- ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド N,N-ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリル ミド、N,N-ジブチルアミノブチル(メタ)アク ルアミド、N,N-ジヘキシルアミノエチル(メ )アクリルアミド、N,N-ジヘキシルアミノプロ ピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチルア ミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアク ルアミド化合物又はメタクリルアミド化合 等が挙げられ、これらの中でも、N,N-ジメチ ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N- ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ 、N,N-ジオクチルアミノプロピル(メタ)アク ルアミド等が特に好ましい。

 上記ニトリル基を含有する単量体として 、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニ デン等が挙げられる。これらニトリル基含 単量体は、一種単独で用いてもよく、二種 上を組み合せて用いてもよい。

 上記ヒドロキシル基を含有する単量体と ては、1分子中に少なくとも1つの第1級、第2 級及び第3級ヒドロキシル基を有する重合性 量体が挙げられる。かかる単量体としては ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単 体、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル系 量体、ヒドロキシル基含有ビニルケトン系 量体等が挙げられる。ここで、ヒドロキシ 基含有単量体の具体例としては、2-ヒドロキ シエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ ロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプ ピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチ ル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル( タ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ )アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ) アクリレート類;ポリエチレングリコール、 リプロピレングリコール等のポリアルキレ グリコール(アルキレングリコール単位数は 例えば、2~23である)のモノ(メタ)アクリレー ト類;N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミ 、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルア ド、N,N-ビス(2-ヒドロキシメチル)(メタ)アク ルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和ア ド類;o-ヒドロキシスチレン、m-ヒドロキシ チレン、p-ヒドロキシスチレン、o-ヒドロキ -α-メチルスチレン、m-ヒドロキシ-α-メチル スチレン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、 p-ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシ 基含有ビニル芳香族化合物類等が挙げられ 。これらの中でも、ヒドロキシル基含有不 和カルボン酸系単量体、ヒドロキシアルキ (メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含 ビニル芳香族化合物が好ましく、ヒドロキ ル基含有不飽和カルボン酸系単量体が特に ましい。ここで、ヒドロキシル基含有不飽 カルボン酸系単量体としては、アクリル酸 メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マ イン酸等のエステル、アミド、無水物等の 導体が挙げられ、これらの中でも、アクリ 酸、メタクリル酸等のエステルが特に好ま い。これらヒドロキシル基含有単量体は、 種単独で用いてもよく、二種以上を組み合 て用いてもよい。

 上記カルボキシル基を含有する単量体と ては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フ ル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸 の不飽和カルボン酸類;フタル酸、コハク酸 アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と (メタ)アリルアルコール、2-ヒドロキシエチ ル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和 合物とのモノエステルのような遊離カルボ シル基含有エステル類及びその塩等が挙げ れる。これらの中でも、不飽和カルボン酸 が特に好ましい。これらカルボキシル基含 単量体は、一種単独で用いてもよく、二種 上を組み合せて用いてもよい。

 上記エポキシ基を含有する単量体として 、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリ ジル(メタ)アクリレート、3,4-オキシシクロ キシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。 これらエポキシ基含有単量体は、一種単独で 用いてもよく、二種以上を組み合せて用いて もよい。

 上記含窒素複素環基を含有する単量体に いて、該含窒素複素環としては、ピロール ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジ 、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、 リミジン、ピラジン、インドール、キノリ 、プリン、フェナジン、プテリジン、メラ ン等が挙げられる。なお、該含窒素複素環 、他のヘテロ原子を環中に含んでいてもよ 。ここで、含窒素複素環基としてピリジル を含有する単量体としては、2-ビニルピリ ン、3-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、5 -メチル-2-ビニルピリジン、5-エチル-2-ビニル ピリジン等のピリジル基含有ビニル化合物等 が挙げられ、これらの中でも、2-ビニルピリ ン、4-ビニルピリジン等が特に好ましい。 れら含窒素複素環基含有単量体は、一種単 で用いてもよく、二種以上を組み合せて用 てもよい。

 上記アルコキシシリル基を含有する単量 としては、(メタ)アクリロキシメチルトリ トキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメ チルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシ チルジメチルメトキシシラン、(メタ)アク ロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)ア クリロキシメチルメチルジエトキシシラン、 (メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシ ラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロ キシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチ ルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシ チルジメチルプロポキシシラン、γ-(メタ) クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ -(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ シシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジ チルメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキ プロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アク リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、 γ-(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエト シシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピル リプロポキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシ プロピルメチルジプロポキシシラン、γ-(メ )アクリロキシプロピルジメチルプロポキシ ラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルメチ ジフェノキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシ プロピルジメチルフェノキシシラン、γ-(メ )アクリロキシプロピルメチルジベンジロキ シラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジ チルベンジロキシシラン、トリメトキシビ ルシラン、トリエトキシビニルシラン、6-ト リメトキシシリル-1,2-ヘキセン、p-トリメト シシリルスチレン等が挙げられる。これら ルコキシシリル基含有単量体は、一種単独 用いてもよく、二種以上を組み合せて用い もよい。

 上記スズ含有基を有する単量体としては アリルトリ-n-ブチルスズ、アリルトリメチ スズ、アリルトリフェニルスズ、アリルト -n-オクチルスズ、(メタ)アクリルオキシ-n- チルスズ、(メタ)アクリルオキシトリメチル スズ、(メタ)アクリルオキシトリフェニルス 、(メタ)アクリルオキシ-n-オクチルスズ、 ニルトリ-n-ブチルスズ、ビニルトリメチル ズ、ビニルトリフェニルスズ、ビニルトリ-n -オクチルスズ等のスズ含有単量体を挙げる とができる。これらスズ含有単量体は、一 単独で用いてもよく、二種以上を組み合せ 用いてもよい。

 上記極性基含有単量体の天然ゴム分子へ グラフト重合は、乳化重合で行うことがで る。ここで、該乳化重合においては、一般 に、天然ゴムラテックスに水及び必要に応 て乳化剤を加えた溶液中に、上記極性基含 単量体を加え、更に重合開始剤を加えて、 定の温度で撹拌して極性基含有単量体を重 させることが好ましい。なお、上記極性基 有単量体の天然ゴムラテックスへの添加に いては、予め天然ゴムラテックス中に乳化 を加えてもよいし、極性基含有単量体を乳 剤で乳化した後に天然ゴムラテックス中に えてもよい。なお、天然ゴムラテックス及 /又は極性基含有単量体の乳化に使用できる 乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキ シエチレンラウリルエーテル等のノニオン系 の界面活性剤が挙げられる。

 上記重合開始剤としては、特に制限はな 、種々の乳化重合用の重合開始剤を用いる とができ、その添加方法についても特に制 はない。一般に用いられる重合開始剤の例 しては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、 メンハイドロパーオキサイド、tert-ブチル イドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパー キサイド、2,2-アゾビスイソブチロニトリル 2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ヒドロク ライド、2,2-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ジ ヒドロクロライド、2,2-アゾビス(2,4-ジメチル バレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸 トリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げら る。なお、重合温度を低下させるためには レドックス系の重合開始剤を用いることが ましい。かかるレドックス系重合開始剤に いて、過酸化物と組み合せる還元剤として 、例えば、テトラエチレンペンタミン、メ カプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元 金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられ 。レドックス系重合開始剤における過酸化 と還元剤との好ましい組み合せとしては、te rt-ブチルハイドロパーオキサイドとテトラエ チレンペンタミンとの組み合せ等が挙げられ る。上記変性天然ゴムを用いて、ゴム組成物 の加工性を低下させることなく低ヒステリシ スロス性及び耐摩耗性を向上させるには、各 天然ゴム分子に上記極性基含有単量体が少量 且つ均一に導入されることが重要であるため 、上記重合開始剤の添加量は、上記極性基含 有単量体に対し1~100mol%の範囲が好ましく、10~ 100mol%の範囲が更に好ましい。

 上述した各成分を反応容器に仕込み、30~8 0℃で10分~7時間反応させることで、天然ゴム 子に上記極性基含有単量体がグラフト共重 した変性天然ゴムラテックスが得られる。 た、該変性天然ゴムラテックスを凝固させ 洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ド ムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥する とで変性天然ゴムが得られる。ここで、変 天然ゴムラテックスを凝固するのに用いる 固剤としては、特に限定されるものではな が、ギ酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム の塩が挙げられる。

 上記変性天然ゴムの極性基含有量は、変 天然ゴム中のゴム成分に対して0.001~0.5mmol/g 範囲が好ましく、0.002~0.3mmol/gの範囲が更に ましく、0.003~0.2mmol/gの範囲がより一層好ま い。変性天然ゴムの極性基含有量が0.001mmol/ g未満では、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩 性を十分に改良できないことがある。また 変性天然ゴムの極性基含有量が0.5mmol/gを超 ると、粘弾性、S-S特性(引張試験機における 力-歪曲線)等の天然ゴム本来の物理特性を きく変えてしまい、天然ゴム本来の優れた 理特性が損なわれると共に、ゴム組成物の 工性が大幅に悪化するおそれがある。

 上記ベースゴム用ゴム組成物は、上記カ ボンブラック及びシリカの他に、更に上記 ム成分100質量部に対してヒドラジド化合物0 .1~5質量部と、同一分子内に前記ゴム成分に する反応基aを1個以上有し且つ前記シリカに 対する吸着基bを2個以上有する化合物(Z)0.1~5 量部とを含むことが好ましい。

 上記ヒドラジド化合物は、ゴム組成物の 硫戻りを抑制して、ゴム組成物の発熱性を 減する効果を有する。なお、ヒドラジド化 物の配合量が0.1質量部未満では、ゴム組成 の加硫戻りの抑制効果及び発熱性の低減効 が小さく、5質量部を超えると、コスト高と なり、また、効果も飽和する。

 上記ヒドラジド化合物としては、下記式(I):
[式中、Yはアリーレン基、二価のヒダントイ 残基又は炭素数1~18の飽和若しくは不飽和の 二価の鎖状炭化水素基で;Xは水素原子、ヒド キシル基、アミノ基又は下記式(II):
で表される基で;R 1 ~R 4 は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~1 8のヒドロカルビル基を示し、R 1 とR 2 、R 3 とR 4 は互いに結合して環構造を形成していてもよ い]で表される化合物が好ましい。

 式(I)のYとしてのアリーレン基は、二価の 芳香族性複素環式基を包含する。ここで、ア リーレン基としては、フェニレン基又はナフ チレン基が好ましく、そしてその環上には、 低級アルキル基や低級アルコキシル基等の適 当な置換基を有していてもよい。また、二価 のヒダントイン残基は、その環上に、低級ア ルキル基や低級アルコキシル基等の適当な置 換基を有していてもよい。炭素数1~18の飽和 しくは不飽和の二価の鎖状炭化水素基とし は、炭素数1~18のアルキレン基、炭素数2~18の アルケニレン基が挙げられ、これらは直鎖状 、分岐状のいずれでよい。該アルキレン基及 びアルケニレン基としては、メチレン基、エ チレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキ シレン基、オクチレン基、デシレン基、ビニ レン基、アリレン基、プロペニレン基、ブテ ニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基 、デセニレン基等が挙げられる。

 式(I)及び式(II)のR 1 ~R 4 としての炭素数1~18のヒドロカルビル基とし は、炭素数1~18の直鎖状若しくは分岐状のア キル基、炭素数2~18の直鎖状若しくは分岐状 のアルケニル基、炭素数3~18のシクロアルキ 基、炭素数6~18のアリール基及び炭素数7~18の アラルキル基が挙げられる。上記シクロアル キル基、アリール基及びアラルキル基の環上 には、低級アルキル基、低級アルコキシル基 、アミノ基、アルキル置換アミノ基、ヒドロ キシル基等の適当な置換基を有していてもよ い。上記アルキル基としては、メチル基、エ チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n- チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert- チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチ 基、デシル基等が;アルケニル基としては、 ニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニ 基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニ 基等が;シクロアルキル基としては、シクロ ペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシク ロヘキシル基等が;アリール基としては、フ ニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル 、メチルナフチル基等が;アラルキル基とし は、ベンジル基、フェネチル基、ナフチル チル基等が挙げられる。

 上記式(I)の化合物の中でも、Yがアリーレン 基で、且つXがヒドロキシル基である化合物 好ましく、下記式(III):
[式中、R 1 及びR 2 は、上記と同義である]で表される化合物、 び下記式(IV):
[式中、R 1 及びR 2 は、上記と同義である]で表される化合物が に好ましい。

 上記式(III)で表される化合物として、具 的には、3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルエチリデ )-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1- メチルプロピリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジ ,3-ヒドロキシ-N'-(1-メチルブチリデン)-2-ナフ トエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチ ルブチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド,3-ヒ ロキシ-N'-(2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-2-ナ トエ酸ヒドラジド,3-ヒドロキシ-N'-(1,2-ジフ ニルエチリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジド等 が挙げられる。また、上記式(IV)で表される 合物として、具体的には、N'-(1-メチルエチ デン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチルプ ピリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1-メチ ブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'-(1,3-ジ メチルブチリデン)-サリチル酸ヒドラジド,N'- (2,6-ジメチル-4-ヘプチリデン)-サリチル酸ヒ ラジド等が挙げられる。上記ヒドラジド化 物の中でも、3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブ チリデン)-2-ナフトエ酸ヒドラジドが特に好 しい。これらヒドラジド化合物は、原料と る3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ヒドラジド等と 、アセトン、メチルイソブチルケトン等とを 加温して反応させることにより合成すること ができる。

 一方、上記同一分子内にゴム成分に対す 反応基aを1個以上有し且つシリカに対する 着基bを2個以上有する化合物(Z)は、ゴム組成 物を高弾性化する効果を有する。なお、該化 合物(Z)の配合量がゴム成分100質量部に対して 0.1質量部未満では、ゴム組成物を十分に高弾 性化することができず、一方、5質量部を超 ると、ゴム組成物を高弾性化する効果が頭 ちとなる一方、コスト高となる。

 上記化合物(Z)において、ゴム成分に対す 反応基aは、二重結合を有する基であって、 該二重結合を活性化する基が隣接するものが 好ましく、特に非芳香族共役二重結合基又は カルボニル基、カルボキシル基、オキシカル ボニル基及びアミド基から選ばれる1種が隣 した二重結合基であることが好ましい。こ で、隣接とは二重結合の両端又は一方にカ ボニル基、カルボキシル基、オキシカルボ ル基及びアミド基から選ばれる1種を有する とをいう。

 上記化合物(Z)において、反応基aとしては 、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アク リル酸、メタクリル酸及びソルビン酸から選 ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基が 好ましく、マレイン酸、フマル酸、イタコン 酸又はアクリル酸から誘導される基が更に好 ましく、マレイン酸又はアクリル酸から誘導 される基が最も好ましい。一方、吸着基bと ては、カルボキシル基が好ましい。

 また、上記化合物(Z)は、更にオキシアル レン基を有することが好ましい。化合物(Z) オキシアルキレン基を有する場合、ゴム成 との相溶性が更に向上し、シリカとの親和 が更に良好となる。オキシアルキレン基の 均付加モル数は、ゴム成分に対する反応基a の個数1個当たり、1~30モルの範囲が好ましく 1~20モルの範囲が更に好ましく、2~15モルの 囲が特に好ましい。

 上記化合物(Z)の具体例としては、トリメ ット酸、ピロメリット酸、クエン酸等のポ カルボン酸のモノ((メタ)アクリロイルオキ アルキル)エステル(ここで、(メタ)アクリロ イルは、メタクリロイル又はアクリロイルを 示す);マレイン酸モノリンゴ酸エステル等の 飽和カルボン酸とオキシカルボン酸との(ポ リ)エステル;エチレングリコール、ヘキサン オール、シクロヘキサンジメタノール等の オールとマレイン酸、フマル酸、イタコン 等の不飽和ジカルボン酸との両末端にカル キシル基を有するエステル;N-(2-カルボキシ チル)マレアミド酸等のN-(カルボキシアルキ ル)マレアミド酸;下記式(V)、式(VI)又は式(VII) 表される化合物が挙げられる。

 HOOC-CH=CH-COO-R 5 -CO-CH=CH-COOH ・・・ (V)
 式(V)中、R 5 は、式-R 6 O-で示される基、式-(R 7 O) s -で示される基、式-CH 2 CH(OH)CH 2 O-で示される基又は式-(R 8 O-COR 9 -COO-) t R 8 O-で示される基である。ここで、R 6 は炭素数2~36のアルキレン基,アルケニレン基 は2価の芳香族炭化水素基であって、好まし くは炭素数2~18のアルキレン基又はフェニレ 基、さらに好ましくは炭素数4~12のアルキレ 基である。また、R 7 は炭素数2~4のアルキレン基で、好ましくはエ チレン基又はプロピレン基であり、sはオキ アルキレン基の平均付加モル数を示す1~60の であり、好ましくは2~40、更に好ましくは4~3 0の数である。R 8 は炭素数2~18のアルキレン基,アルケニレン基, 2価の芳香族炭化水素基又は-(R 10 O) u R 10 -で示される基(ここで、R 10 は炭素数2~4のアルキレン基で;uはオキシアル レン基の平均付加モル数を示す1~30の数であ る)である。R 9 は炭素数2~18のアルキレン基,アルケニレン基 は2価の芳香族炭化水素基であって、好まし くは炭素数2~12のアルキレン基又はフェニレ 基、さらに好ましくは炭素数2~8のアルキレ 基である。tは平均値で1~30、好ましくは1~20 さらに好ましくは1~15の数である。

 上記式(V)で表される化合物の具体例とし は、グリセリンジマレエート、1,4-ブタンジ オールジマレエート、1,6-ヘキサンジオール マレエート等のアルキレンジオールのジマ エート;1,6-ヘキサンジオールジフマレート等 のアルキレンジオールのジフマレート;PEG200 マレエート,PEG600ジマレエート等のポリオキ アルキレングリコールのジマレエート(ここ で、PEG200、PEG600とは、それぞれ平均分子量200 又は600のポリエチレングリコールを示す);両 端にカルボキシル基を有するポリブチレン レエート、両末端にカルボキシル基を有す ポリ(PEG200)マレエート等の両末端カルボン 型ポリアルキレングリコール/マレイン酸ポ エステル;両末端にカルボキシル基を有する ポリブチレンアジペートマレエート、PEG600ジ フマレート等のポリオキシアルキレングリコ ールのジフマレート;両末端にカルボキシル を有するポリブチレンフマレート、両末端 カルボキシル基を有するポリ(PEG200)フマレー ト等の両末端カルボン酸型ポリアルキレング リコール/フマル酸ポリエステル等が挙げら る。

 式(VI)中、R 11 、R 12 及びR 13 はこれらのうち一つが式-(R 14 O) n -CO-CR 15 =CR 16 -R 17 で表される基であり、他は水素原子である。 ここで、R 14 は炭素数2~4のアルキレン基、好ましくはエチ レン基又はプロピレン基である。また、R 15 、R 16 及びR 17 はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であ って、好ましくはR 15 が水素原子又はメチル基、R 16 及びR 17 が水素原子である。nはオキシアルキレン基 平均付加モル数を示す1~30の数であり、好ま くは1~20、更に好ましくは2~15の数である。

 上記式(VI)で表される化合物の具体例とし ては、トリメリット酸モノ(2-(メタ)アクリロ ルオキシエチル)エステル、トリメリット酸 モノ[2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ) エチル]エステル、トリメリット酸モノ(ω-(メ タ)アクリロイルオキシポリオキシエチレン(1 0))エステル等のトリメリット酸モノ(ω-(メタ) アクリロイルオキシPOA(n))エステル[ここで(メ タ)アクリロイルはメタクリロイル又はアク ロイルを示し、POA(n)はオキシエチレン又は キシプロピレンが平均して1~30モル付加した リオキシエチレン(以下「POE」と略記するこ とがある)又はポリオキシプロピレン(以下「P OP」と略記することがある)を示す]が挙げら る。

 式(VII)中、R 18 、R 19 及びR 20 はそれぞれ独立に炭素数2~4のアルキレン基、 好ましくはエチレン基又はプロピレン基であ り、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン 基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0~90 、好ましくは3~60、更に好ましくは6~45となる である。

 上記式(VII)で表される化合物の具体例と ては、POE(8)グリセリントリマレエート、POE(3 )グリセリントリマレエート、POP(10)グリセリ トリマレエート等のPOA(m)グリセリントリマ エート(ここで、POA(m)はオキシエチレン又は オキシプロピレンが平均して0~90モル付加し ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピ ンを示す)等が挙げられる。

 これらの化合物(Z)の中でも、多塩基酸の部 エステルが好ましく、上記式(V)で表される 合物が更に好ましい。また、式(V)中のR 5 が-(R 8 O-COR 9 -COO-) t R 8 O-で示される基である化合物がより一層好ま く、前記R 8 がブチレン基であり、前記R 9 がビニレン基であり、tが4である化合物[HOOC-C H=CH-CO-(OC 4 H 8 O-CO-CH=CH-CO) 5 -OH]が特に好ましい。また、上記化合物(Z)は 分子量250以上であることが好ましく、分子 250~5000であることが更に好ましく、分子量250 ~3000であることが特に好ましい。分子量がこ 範囲であると引火点が高く、安全上望まし ばかりでなく、発煙が少なく作業環境上も ましい。なお、上記化合物(Z)は、一種単独 用いてもよく、二種以上を組み合わせて用 てもよい。

 上記ベースゴム用ゴム組成物は、シランカ プリング剤を含まないことが好ましい。ベ スゴム用ゴム組成物にシランカップリング を配合した場合、ベースゴムの300%伸長時の 引張応力(M 300 )が高くなり、走行末期における外観が悪化 る傾向がある。

 上記ベースゴム用ゴム組成物には、上記 ム成分に、カーボンブラック、シリカ、ヒ ラジド化合物及び化合物(Z)の他に、ゴム業 で通常使用される配合剤、例えば、老化防 剤、加硫剤、加硫促進剤等を目的に応じて 宜配合することができる。これら配合剤と ては、市販品を好適に使用することができ 。なお、上記ベースゴム用ゴム組成物は、 ム成分に、カーボンブラック及びシリカと に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤 配合して、混練り、熱入れ、押出等するこ により製造することができる。

 次に、本発明の空気入りタイヤを、図を 照しながら詳細に説明する。図1に示す空気 入りタイヤは、一対のビード部1と、一対の イド部2と、トレッド部3と、該ビード部1に 々埋設されたビードコア4間にトロイド状に 在させたラジアルカーカス5と、該ラジアル カーカス5のクラウン部でタイヤ径方向外側 配した複数のベルト層からなるベルト6とを え、ここで、トレッド部3は、ベルト6のタ ヤ径方向外側に位置するベースゴム7と、該 ースゴム7のタイヤ径方向外側に位置するキ ャップゴム8とを有し、所謂、キャップ/ベー 構造を有する。

 そして、図示例の空気入りタイヤのベース ム7には、上述のゴム成分100質量部に対して カーボンブラック30質量部以上とシリカ2質量 部以上とを配合してなるゴム組成物が用いら れており、該ベースゴム7は、300%伸長時の引 応力(M 300 )が10~14MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.1以下であ 、走行末期における外観が良好で、発熱性 十分に低減されている。なお、本発明の空 入りタイヤのベースゴム7以外の部材は、特 限定されず、公知の部材を使用することが きる。また、本発明の空気入りタイヤに充 する気体としては、通常の或いは酸素分圧 調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリ ム等の不活性ガスを用いることができる。

 本発明の空気入りタイヤは、上記ベース ム7のタイヤ半径方向外面(即ち、ベースゴ 7とキャップゴム8との界面)9が、タイヤの溝 10よりもタイヤ半径方向外側に位置してい ことが好ましい。上記ベースゴム7は、走行 期における外観が良好で且つ発熱性が低い め、ベースゴム7のタイヤ半径方向外面9が 底10よりもタイヤ半径方向外側に位置してい る場合、その効果が顕著となる。なお、本発 明の空気入りタイヤは、重荷重用タイヤとし て好適である。

<実施例>
 以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳し 説明するが、本発明は下記の実施例に何ら 定されるものではない。

 表1及び2に示す配合のゴム組成物を常法に って調製し、該ゴム組成物をベースゴムに いて、図1に示す構造を有し、サイズが11R22.5 のブロックパターンを有する重荷重用空気入 りタイヤを製造した。得られたタイヤから、 所定の方法で、ベースゴムをスライスして取 り出し、JIS 3号試験片を作製して、JIS K 6251 に準拠して引張試験を行い、300%伸長時の引 応力(M 300 )を測定した。また、東洋精機社製スペクト メーターを用い、歪1%、周波数52Hz、温度100 の条件下で、損失正接(tanδ)を測定した。更 、下記に示す方法で走行時の温度及び抗破 性を評価した。結果を表1及び2に示す。

(1)走行時の温度
 供試タイヤを正規荷重、60km/hの条件下、ド ム上で走行させ、その際のベルト端近傍の 度を熱電対で測定し、実施例1のタイヤのベ ルト端近傍の温度を基準として、温度差を求 めた。マイナス側の方が走行時のベルト端近 傍の温度が低く、低発熱性に優れることを示 す。

(2)抗破壊性
 試作したタイヤをトラックのドライブ軸に 着して、実地で5万km走行させた。その後、 イヤを回収し、タイヤのチッピングの個数 目視でカウントした。数値が小さい程、抗 壊性に優れることを示す。

*1 以下の方法に従って合成した変性天然ゴ を使用した。
<変性天然ゴムの製造例>
 フィールドラテックスをラテックスセパレ ター[斎藤遠心工業製]を用いて回転数7500rpm 遠心分離して、乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテ クスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、 拌機及び温調ジャケットを備えたステンレ 製反応容器に投入し、予め10mLの水と90mgの乳 化剤[エマルゲン1108,花王株式会社製]をN,N-ジ チルアミノエチルメタクリレート 3.0gに加 て乳化したものを990mLの水と共に添加し、 れらを窒素置換しながら常温で30分間撹拌し た。次に、重合開始剤としてtert-ブチルハイ ロパーオキサイド 1.2gとテトラエチレンペ タミン 1.2gとを加え、40℃で30分間反応させ ることにより、変性天然ゴムラテックスを得 た。該変性天然ゴムラテックスにギ酸を加え pHを4.7に調整し、変性天然ゴムラテックスを 固させた。このようにして得られた固形物 クレーパーで5回処理し、シュレッダーに通 してクラム化した後、熱風式乾燥機により110 ℃で210分間乾燥して変性天然ゴムを得た。こ のようにして得られた変性天然ゴムの質量か ら、単量体として加えたN,N-ジエチルアミノ チルメタクリレートの転化率が100%であるこ が確認された。また、該変性天然ゴムを石 エーテルで抽出し、更にアセトンとメタノ ルの2:1混合溶媒で抽出することによりホモ リマーの分離を試みたが、抽出物を分析し ところホモポリマーは検出されず、添加し 単量体の100%が天然ゴム分子に導入されてい ることが確認された。従って、得られた変性 天然ゴムの極性基含有量は、天然ゴムラテッ クス中のゴム成分に対して0.027mmol/gである。

*2 DBP吸収量=72mL/100g, N 2 SA=78m 2 /g
*3 DBP吸収量=102mL/100g, N 2 SA=79m 2 /g
*4 日本シリカ工業(株)製, ニップシールAQ
*5 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェ レンジアミン
*6 ブチレングリコールポリマレート, 式(V) おいて、R 5 が-(R 8 O-COR 9 -COO-) t R 8 O-で示される基であり、R 8 がブチレン基で、R 9 がビニレン基で、t=4の化合物[HOOC-CH=CH-CO-(OC 4 H 8 O-CO-CH=CH-CO) 5 -OH]
*7 3-ヒドロキシ-N'-(1,3-ジメチルブチリデン)-2 -ナフトエ酸ヒドラジド
*8 1,3-ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼ , FLEXSYS社製, 商品名「PERKALINK 900」
*9 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフ ェンアミド

 表1から、ベースゴムの300%伸長時の引張応 (M 300 )が10~14MPaで且つ損失正接(tanδ)が0.1以下であ 実施例のタイヤは、発熱性が十分に低減さ ており、また、抗破壊性が良好(即ち、チッ ングの個数が少なく)であり、走行末期でも 外観が良好であった。

 一方、ベースゴムの損失正接(tanδ)が0.1を超 える比較例1、2、4及び5のタイヤは、発熱性 高かった。また、ベースゴムの300%伸長時の 張応力(M 300 )が14MPaを超える比較例3のタイヤは、発熱性 高い上、チッピングの個数が多く、走行末 における外観が悪かった。