Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
POLYCYCLIC RING ASSEMBLY COMPOUND AND ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE EMPLOYING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/156052
Kind Code:
A1
Abstract:
A polycyclic ring assembly compound which has a specific flexible partial structure, i.e., a structure comprising an aromatic ring in which adjacent carbon atoms have, bonded thereto, an aromatic ring group of another kind and an aliphatic group or aromatic ring group. Also provided are: a polymer constituted of repeating units at least part of which are structures derived from the polycyclic ring assembly compound; a solution of an organic EL material comprising the polycyclic ring assembly compound or the polymer; and an organic electroluminescent device. The organic electroluminescent device has excellent heat resistance, a high color purity, and a long life and can emit a blue light or green light at a high luminescent efficiency. The polycyclic ring assembly compound realizes the device.

Inventors:
ITO MITSUNORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060973
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 16, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
ITO MITSUNORI (JP)
International Classes:
C07C15/28; C07C15/38; C09K11/06; H01L51/50
Domestic Patent References:
WO2007105884A12007-09-20
WO2007108666A12007-09-27
Foreign References:
US20050089715A12005-04-28
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu et al. (Bridgestone Toranomon Bldg. 6F.25-2, Toranomon 3-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 下記一般式(1)で表される多環系環集合化合物。
(式中、Ar 1 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香族環基又は置換もしくは無置換の核原子数5~50の芳香族複素環基である。
 Xは、置換もしくは無置換の核炭素数10~50の二価の芳香族縮合環基である。
 Ar 2 は、単結合、置換もしくは無置換の核炭素数6~50の二価の芳香族環基又は置換もしくは無置換の核原子数5~50の二価の複素環基である。
 Ar 3 は、置換もしくは無置換の核炭素数10~50の二価の芳香族縮合環基又は置換もしくは無置換の核原子数5~50の二価の複素環基である。
 Ar 4 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香族環基、置換もしくは無置換の核原子数5~50の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数3~20シクロアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルコキシ基である。
 但し、Ar 2 とAr 4 はAr 3 の隣接炭素原子に結合する。)
 下記一般式(2)又は(3)で表される部分構造を有する化合物からなる請求項1記載の多環系環集合化合物。
[式中、X 1 及びX 2 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の核原子数5~50の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核原子数5~50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核原子数5~50のアリールチオ基又は置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルコキシカルボニル基、あるいはそれから導かれる二価の基である。
 Q 1 及びQ 2 は、それぞれ独立に、環状構造形成基であり、Q 1 又はQ 2 により形成される環が置換基を有してもよい核炭素数3~20で炭素原子が窒素原子で置き換わってもよいシクロアルカン残基、置換基を有してもよい核炭素数6~50の芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい核原子数5~50の複素環基である。]
 上記一般式(1)におけるXが、置換もしくは無置換のアントラセンまたは置換もしくは無置換のピレンから導かれる2価の芳香族縮合環基である請求項1記載の多環系環集合化合物。
 前記一般式(1)において―Ar 2 ―Ar 3 ―Ar 4 の部分構造が下記一般式(4)~(13)によって表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、Ar 2 とAr 4 は一般式(1)におけるものと同じである。一般式(7)~(11)におけるZは硫黄原子又は置換基を有する窒素原子(>N-R ' 9 ;R ' 9 は水素原子、アルキル基又は芳香族環基である)である。R ' 1 ~R ' 8 はそれぞれ独立に水素原子または置換基である。R ' 1 ~R ' 8 の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(14)又は(15)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、(Ar ' 1 ) a は全体で一般式(1)におけるAr 1 に相当し、一個の一価芳香族環基Ar ' 1 と(a-1)個の二価の芳香族環基Ar ' 1 からなっていることを表す。(Ar ' 4 ) b も同様の意味であり、全体で一般式(1)におけるAr 4 に相当し、一個の一価芳香族環基Ar ' 4 と(b-1)個の二価の芳香族環基Ar ' 4 からなっていることを表す。Ar 2 は一般式(1)におけるものと同じである。a及びbはそれぞれ独立に1~3の整数であり、aが2以上の時、複数のAr ' 1 は同じであっても異なってもよく、bが2以上の時、複数のAr ' 4 は同じであっても異なってもよい。R 1 ~R 8 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基である。R 1 ~R 8 の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(16)又は(17)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、Pyは置換もしくは無置換のピレンから導かれる一価の基であり、複数のPyは同一であっても異なってもよい。
 Arは一般式(1)におけるAr 2 又はAr 4 の構成単位であり、二価の芳香族環基又は二価の複素環基である。
 一般式(16)において、c、d及びeはそれぞれ独立に0~3の整数である。fとgはそれぞれ0又は1であり、f+g=1である。fが0、又はgが0の時、その位置は水素原子又は置換基である。
 一般式(17)において、h、i及びjはそれぞれ独立に0~3の整数であり、複数のArは同じでも異なってもよい。kとmはそれぞれ独立に0又は1の整数であり、k+m=1である。)
 前記一般式(16)又は(17)において、Arが置換もしくは無置換のナフチル基又は置換もしくは無置換のフェニル基である請求項6に記載の多環系環集合化合物。
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(18)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。nは0又は1である。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(19)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、R 1 ~R 8 及びR 3 '~R 8 'は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。7個のR" は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR"の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。nは0又は1である。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(20)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。

(式中、R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。nは0又は1である。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(21)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、R 1 ~R 8 及びR 3 '~R 8 'は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。7個のR" は水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR"の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。nは0又は1である。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(22)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、Rは炭素数1~30の直鎖もしくは分岐のアルキル基又は炭素数3~10のシクロアルキル基である。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。)
 前記一般式(1)で表される多環系環集合化合物が下記一般式(23)で表される請求項1記載の多環系環集合化合物。
(式中、R 1 ~R 8 及びR 9 '~R 12 'は、それぞれ独立に、水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。7個のR" は水素原子または置換基であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 9 '~R 12 '及びR"の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は芳香族の環状構造を形成していてもよい。mは1~3の整数である。)
 有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料である請求項1~13のいずれかに記載の多環系環集合化合物。
 請求項1記載の多環系環集合化合物に由来する構造を繰り返し単位の少なくとも一部として有する高分子化合物。
 陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1に記載の多環系環集合化合物又は請求項15に記載の高分子化合物を発光材料として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
 発光層が前記多環系環集合化合物又は前記高分子化合物をホスト材料として含有する請求項16記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 燐光性ドーパント及び/又は蛍光性ドーパントを含有する請求項17記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 スチリルアミン化合物及び/又は芳香族アミン化合物を含有する請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 金属錯体化合物を含有する請求項16に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 請求項1記載の多環系環集合化合物又は請求項15に記載の高分子化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス材料含有溶液。
 請求項21記載の有機エレクトロルミネッセンス材料含有溶液を用いて作製した有機エレクトロルミネッセンス素子。
Description:
多環系環集合化合物及びそれを いた有機エレクトロルミネッセンス素子

 本発明は、多環系環集合化合物、該多環 環集合化合物に由来する構造を繰り返し単 の少なくとも一部として有する高分子化合 、有機エレクトロルミネッセンス材料含有 液及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)素 子に関し、特に、耐熱性に優れ、色純度が高 く、寿命が長く、高発光効率で、青色あるい は緑色発光が得られる有機EL素子及びそれを 現する多環系環集合化合物に関するもので る。

 有機エレクトロルミネッセンス素子は、 界を印加することにより、陽極より注入さ た正孔と陰極より注入された電子の再結合 ネルギーにより蛍光性物質が発光する原理 利用した自発光素子である。イーストマン コダック社のC.W.Tang等による積層型素子に る低電圧駆動有機EL素子の報告(C.W.Tang,S.A.Vans lyke,アプライドフィジックスレターズ(Applied  Physics Letters),51巻、913頁、1987年等)がなされ 以来、有機材料を構成材料とする有機EL素子 に関する研究が盛んに行われている。Tang等 、トリス(8-キノリノラト)アルミニウムを発 層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔 送層に用いている。積層構造の利点として 、発光層への正孔の注入効率を高めること 陰極より注入された電子をブロックして再 合により生成する励起子の生成効率を高め こと、発光層内で生成した励起子を閉じ込 ること等が挙げられる。この例のように有 EL素子の素子構造としては、正孔輸送(注入) 層、電子輸送性発光層の二層型、又は正孔輸 送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層 等がよく知られている。こうした積層型構 素子では注入された正孔と電子の再結合効 を高めるため、素子構造や形成方法の工夫 なされている。

 また、発光材料としてはトリス(8-キノリノ ト)アルミニウム錯体等のキレート錯体、ク マリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘 導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキ サジアゾール誘導体等の発光材料が知られて おり、それからは青色から赤色までの可視領 域の発光が得られることが報告されており、 カラー表示素子の実現が期待されている(例 ば、特許文献1~3等)。
 近年、燐光性化合物を発光材料として用い 三重項状態のエネルギーをEL発光に用いる 討が多くなされている。プリンストン大学 グループにより、イリジウム錯体を発光材 として用いた有機発光素子が、高い発光効 を示すことが報告されている(非特許文献1) さらに、上記のような低分子材料を用いた 機発光素子の他にも、共役系高分子を用い 有機発光素子が、ケンブリッジ大学のグル プ(非特許文献2)により報告されている。こ 報告ではポリフェニレンビニレン(PPV)を塗工 系で成膜することにより、単層で発光を確認 している。

 このように有機発光素子における最近の 歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝 、発光波長の多様性、高速応答性、薄型、 量の発光デバイス化が可能であることから 広汎な用途への可能性を示唆している。

 有機発光素子における著しい進歩に伴い、 光材料に対する要求性能も高まっており、 許文献4や特許文献5には、特定の構造を持 フルオレン化合物が低電圧で高輝度な発光 得られ、耐久性にも優れた材料として開示 れている。
 特許文献6には、オルト結合のように屈曲し た構造を導入した材料とそれを用いた有機EL 子が開示されているが、素子性能について 、色純度が向上するものの、寿命が非常に く、実用には不十分であった。
 しかしながら、現状では更なる高輝度の光 力あるいは高変換効率が必要である。また 長時間の使用による経時変化や酸素を含む 囲気気体や湿気などによる劣化等の耐久性 面で未だ多くの問題がある。さらにはフル ラーディスプレイ等への応用を考えた場合 色純度の良い青、緑、赤の発光が必要とな が、これらの問題に関してもまだ十分でな 。

特開平8-239655号公報

特開平7-138561号公報

特開平3-200889号公報

特開2004-83481

特開2004-43349

US 2005/0089715 A1 Nature,395,151(1998) Nature,347,539(1990)

 本発明は、前記の課題を解決するためな れたもので、色純度と寿命の両方を改善可 な有機EL素子用発光材料に用いることがで る多環系環集合化合物、該多環系環集合化 物に由来する構造を繰り返し単位の少なく も一部として有する高分子化合物、有機EL材 料含有溶液を提供することを目的とする。ま た、その多環系環集合化合物又は高分子化合 物を用い、耐熱性に優れ、色純度が高く、寿 命が長く、高発光効率で、青色あるいは緑色 発光が得られる有機EL素子を提供しようとす ものである。さらに、このような有機EL素 を容易でかつ比較的安価に製造可能とする とをも目的とする。

 本発明者らは、前記課題を解決するため 鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表 れる化合物又は該化合物に由来する構造を り返し単位の少なくとも一部として有する 分子化合物からなる有機EL素子用発光材料 用いると、色純度が高く、長寿命の有機EL素 子を製造できることを見出し、本発明を完成 したものである。

(式中、Ar 1 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~50の芳香族環基又は置換もしくは無置換 核原子数5~50の芳香族複素環基である。
 Xは、置換もしくは無置換の核炭素数10~50の 価の芳香族縮合環基である。
 Ar 2 は、単結合、置換もしくは無置換の核炭素数 6~50の二価の芳香族環基又は置換もしくは無 換の核原子数5~50の二価の複素環基である。
 Ar 3 は、置換もしくは無置換の核炭素数10~50の二 の芳香族縮合環基又は置換もしくは無置換 核原子数5~50の二価の複素環基である。
 Ar 4 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳 族環基、置換もしくは無置換の核原子数5~50 複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~50 のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素 数3~20シクロアルキル基又は置換もしくは無 換の炭素数1~50のアルコキシ基である。
 但し、Ar 2 とAr 4 はAr 3 の隣接炭素原子に結合する。)

 また、本発明は、陰極と陽極間に少なく も発光層を含む一層又は複数層からなる有 薄膜層が挟持されている有機EL素子におい 、該有機薄膜層の少なくとも一層が、前記 般式(1)で表される多環系環集合化合物又は 多環系環集合化合物に由来する構造を繰り し単位の少なくとも一部として有する高分 化合物を発光材料として含有する有機EL素子 を提供するものである。さらに、本発明は、 前記多環系環集合化合物又は前記高分子化合 物を含む有機EL材料含有溶液を提供するもの ある。

 上記一般式(1)で表わされる多環系環集合 合物又は該多環系環集合化合物に由来する 造を繰り返し単位の少なくとも一部として する高分子化合物からなる発光材料を用い ことで、従来達成できていなかった有機EL 子の色純度の改善と長寿命の両立が可能と った。

 本発明の有機EL素子用発光材料は、下記一 式(1)で表される多環系環集合化合物からな ものである。
 式中、Ar 1 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~50の芳香族環基又は置換もしくは無置換 核原子数5~50の芳香族複素環基である。Xは、 置換もしくは無置換の核炭素数10~50の二価の 香族縮合環基である。Ar 2 は、単結合、置換もしくは無置換の核炭素数 6~50の二価の芳香族環基又は置換もしくは無 換の核原子数5~50の二価の複素環基である。A r 3 は、置換もしくは無置換の核炭素数10~50の二 の芳香族縮合環基又は置換もしくは無置換 核原子数5~50の二価の複素環基である。Ar 4 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳 族環基、置換もしくは無置換の核原子数5~50 複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~50 のアルキル基、置換もしくは無置換の核炭素 数3~20シクロアルキル基又は置換もしくは無 換の炭素数1~50のアルコキシ基である。
 但し、Ar 2 とAr 4 はAr 3 の隣接炭素原子に結合する。

 本発明の多環系環集合化合物において、好 しくは下記一般式(2)又は(3)で表される部分 造を有する。
 式中、X 1 及びX 2 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数6~50の芳香族炭化水素基、置換もし は無置換の核原子数5~50の複素環基、置換も くは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換 もしくは無置換の炭素数1~50のアルコキシ基 置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキ 基、置換もしくは無置換の核原子数5~50のア リールオキシ基、置換もしくは無置換の核原 子数5~50のアリールチオ基又は置換もしくは 置換の炭素数1~50のアルコキシカルボニル基 あるいはそれから導かれる二価の基である Q 1 及びQ 2 は、それぞれ独立に、環状構造形成基であり 、Q 1 又はQ 2 により形成される環が置換基を有してもよい 核炭素数3~20で炭素原子が窒素原子で置き換 ってもよいシクロアルカン残基、置換基を してもよい核炭素数6~50の芳香族炭化水素基 は置換基を有してもよい核原子数5~50の複素 環基である。

 本発明の多環系環集合化合物において、 ましくは前記一般式(1)におけるXが、置換も しくは無置換のアントラセンまたは置換もし くは無置換のピレンから導かれる2価の芳香 縮合環基である。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 前記一般式(1)において―Ar 2 ―Ar 3 ―Ar 4 の部分構造が下記一般式(4)~(13)によって表さ るものである。
 式中、Ar 2 とAr 4 は一般式(1)におけるものと同じである。一般 式(7)~(11)におけるZは硫黄原子又は置換基を有 する窒素原子(>N-R ' 9 ;R ' 9 は水素原子、アルキル基又は芳香族環基であ る)である。R ' 1 ~R ' 8 は水素原子または置換基である。R ' 1 ~R ' 8 の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又は 芳香族の環状構造を形成していてもよい。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(14)又は(15)で表される。
 式中、(Ar ' 1 ) a は全体で一般式(1)におけるAr 1 に相当し、一個の一価芳香族環基Ar ' 1 と(a-1)個の二価の芳香族環基Ar ' 1 からなっていることを表す。(Ar ' 4 ) b も同様の意味であり、全体で一般式(1)におけ るAr 4 に相当し、一個の一価芳香族環基Ar ' 4 と(b-1)個の二価の芳香族環基Ar ' 4 からなっていることを表す。Ar 2 は一般式(1)におけるものと同じである。a及 bはそれぞれ独立に1~3の整数であり、aが2以 の時、複数のAr ' 1 は同じであっても異なってもよく、bが2以上 時、複数のAr ' 4 は同じであっても異なってもよい。R 1 ~R 8 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基である 。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(16)又は(17)で表される。
 式中、Pyは置換もしくは無置換のピレンか 導かれる一価の基であり、複数のPyは同一で あっても異なってもよい。Arは一般式(1)にお るAr 2 又はAr 4 の構成単位であり、二価の芳香族環基又は二 価の複素環基である。一般式(16)において、c d及びeはそれぞれ独立に0~3の整数である。f gはそれぞれ0又は1であり、f+g=1である。fが0 、又はgが0の時、その位置は水素原子又は置 基である。一般式(17)において、h、i及びjは それぞれ独立に0~3の整数であり、複数のArは じでも異なってもよい。kとmはそれぞれ独 に0又は1の整数であり、k+m=1である。
 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 前記一般式(16)又は(17)において、Arが置換も しくは無置換のナフチル基又は置換もしくは 無置換のフェニル基である。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(18)で表される。
 式中、R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "は、それぞれ独立に、水素原子または置換 であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又 芳香族の環状構造を形成していてもよい。n 0又は1である。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(19)で表される。
 式中、R 1 ~R 8 及びR 3 '~R 8 'は、それぞれ独立に、水素原子または置換 であり、同一でも異なるものでもよい。7個 R" は、それぞれ独立に、水素原子または置 換基であり、同一でも異なるものでもよい。 R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR"の隣り合ったもの同士は結合して脂肪 族又は芳香族の環状構造を形成していてもよ い。nは0又は1である。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(20)で表される。
 式中、R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "は、それぞれ独立に、水素原子または置換 であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又 芳香族の環状構造を形成していてもよい。n 0又は1である。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(21)で表される。
 式中、R 1 ~R 8 及びR 3 '~R 8 'は、それぞれ独立に、水素原子または置換 であり、同一でも異なるものでもよい。7個 R" は水素原子または置換基であり、同一で も異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR"の隣り合ったもの同士は結合して脂肪 族又は芳香族の環状構造を形成していてもよ い。nは0又は1である。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(22)で表される。
 式中、Rは炭素数1~30の直鎖もしくは分岐の ルキル基又は炭素数3~10のシクロアルキル基 ある。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "は、それぞれ独立に、水素原子または置換 であり、同一でも異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 3 '~R 8 '及びR 1 "~R 5 "の隣り合ったもの同士は結合して脂肪族又 芳香族の環状構造を形成していてもよい。

 本発明の多環系環集合化合物は、好ましく 下記一般式(23)で表される。
 式中、R 1 ~R 8 及びR 9 '~R 12 'は、それぞれ独立に、水素原子または置換 であり、同一でも異なるものでもよい。7個 R" は水素原子または置換基であり、同一で も異なるものでもよい。R 1 ~R 8 、R 9 '~R 12 '及びR"の隣り合ったもの同士は結合して脂肪 族又は芳香族の環状構造を形成していてもよ い。mは1~3の整数である。

 核炭素数6~50の芳香族環基の例としては、 フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1- アントリル基、2-アントリル基、9-アントリ 基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル 、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基 、9-フェナントリル基、1-ナフタセニル基、2- ナフタセニル基、9-ナフタセニル基、1-ピレ ル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-ビフ ニルイル基、3-ビフェニルイル基、4-ビフェ ルイル基、p-テルフェニル-4-イル基、p-テル フェニル-3-イル基、p-テルフェニル-2-イル基 m-テルフェニル-4-イル基、m-テルフェニル-3- イル基、m-テルフェニル-2-イル基、o-トリル 、m-トリル基、p-トリル基、p-t-ブチルフェニ ル基、p-(2-フェニルプロピル)フェニル基、3- チル-2-ナフチル基、4-メチル-1-ナフチル基 4-メチル-1-アントリル基、4’-メチルビフェ ルイル基、4”-t-ブチル-p-テルフェニル4-イ 基等、及びこれらの2価の基が挙げられる。

 核原子数5~50の芳香族複素環基の例として は、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロリル 基、ピラジニル基、2-ピリジニル基、3-ピリ ニル基、4-ピリジニル基、1-インドリル基、2 -インドリル基、3-インドリル基、4-インドリ 基、5-インドリル基、6-インドリル基、7-イ ドリル基、1-イソインドリル基、2-イソイン ドリル基、3-イソインドリル基、4-イソイン リル基、5-イソインドリル基、6-イソインド ル基、7-イソインドリル基、2-フリル基、3- リル基、2-ベンゾフラニル基、3-ベンゾフラ ニル基、4-ベンゾフラニル基、5-ベンゾフラ ル基、6-ベンゾフラニル基、7-ベンゾフラニ 基、1-イソベンゾフラニル基、3-イソベンゾ フラニル基、4-イソベンゾフラニル基、5-イ ベンゾフラニル基、6-イソベンゾフラニル基 、7-イソベンゾフラニル基、キノリル基、3- ノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6- ノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1- ソキノリル基、3-イソキノリル基、4-イソキ リル基、5-イソキノリル基、6-イソキノリル 基、7-イソキノリル基、8-イソキノリル基、2- キノキサリニル基、5-キノキサリニル基、6- ノキサリニル基、1-カルバゾリル基、2-カル ゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリ ル基、9-カルバゾリル基、1-フェナントリジ ル基、2-フェナントリジニル基、3-フェナン リジニル基、4-フェナントリジニル基、6-フ ェナントリジニル基、7-フェナントリジニル 、8-フェナントリジニル基、9-フェナントリ ジニル基、10-フェナントリジニル基、1-アク ジニル基、2-アクリジニル基、3-アクリジニ ル基、4-アクリジニル基、9-アクリジニル基 1,7-フェナントロリン-2-イル基、1,7-フェナン トロリン-3-イル基、1,7-フェナントロリン-4- ル基、1,7-フェナントロリン-5-イル基、1,7-フ ェナントロリン-6-イル基、1,7-フェナントロ ン-8-イル基、1,7-フェナントロリン-9-イル基 1,7-フェナントロリン-10-イル基、1,8-フェナ トロリン-2-イル基、1,8-フェナントロリン-3- イル基、1,8-フェナントロリン-4-イル基、1,8- ェナントロリン-5-イル基、1,8-フェナントロ リン-6-イル基、1,8-フェナントロリン-7-イル 、1,8-フェナントロリン-9-イル基、1,8-フェナ ントロリン-10-イル基、1,9-フェナントロリン- 2-イル基、1,9-フェナントロリン-3-イル基、1,9 -フェナントロリン-4-イル基、1,9-フェナント リン-5-イル基、1,9-フェナントロリン-6-イル 基、1,9-フェナントロリン-7-イル基、1,9-フェ ントロリン-8-イル基、1,9-フェナントロリン -10-イル基、1,10-フェナントロリン-2-イル基、 1,10-フェナントロリン-3-イル基、1,10-フェナ トロリン-4-イル基、1,10-フェナントロリン-5- イル基、2,9-フェナントロリン-1-イル基、2,9- ェナントロリン-3-イル基、2,9-フェナントロ リン-4-イル基、2,9-フェナントロリン-5-イル 、2,9-フェナントロリン-6-イル基、2,9-フェナ ントロリン-7-イル基、2,9-フェナントロリン-8 -イル基、2,9-フェナントロリン-10-イル基、2,8 -フェナントロリン-1-イル基、2,8-フェナント リン-3-イル基、2,8-フェナントロリン-4-イル 基、2,8-フェナントロリン-5-イル基、2,8-フェ ントロリン-6-イル基、2,8-フェナントロリン -7-イル基、2,8-フェナントロリン-9-イル基、2, 8-フェナントロリン-10-イル基、2,7-フェナン ロリン-1-イル基、2,7-フェナントロリン-3-イ 基、2,7-フェナントロリン-4-イル基、2,7-フ ナントロリン-5-イル基、2,7-フェナントロリ -6-イル基、2,7-フェナントロリン-8-イル基、 2,7-フェナントロリン-9-イル基、2,7-フェナン ロリン-10-イル基、1-フェナジニル基、2-フ ナジニル基、1-フェノチアジニル基、2-フェ チアジニル基、3-フェノチアジニル基、4-フ ェノチアジニル基、10-フェノチアジニル基、 1-フェノキサジニル基、2-フェノキサジニル 、3-フェノキサジニル基、4-フェノキサジニ 基、10-フェノキサジニル基、2-オキサゾリ 基、4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル基、2 -オキサジアゾリル基、5-オキサジアゾリル基 、3-フラザニル基、2-チエニル基、3-チエニル 基、2-メチルピロール-1-イル基、2-メチルピ ール-3-イル基、2-メチルピロール-4-イル基、 2-メチルピロール-5-イル基、3-メチルピロー -1-イル基、3-メチルピロール-2-イル基、3-メ ルピロール-4-イル基、3-メチルピロール-5- ル基、2-t-ブチルピロール-4-イル基、3-(2-フ ニルプロピル)ピロール-1-イル基、2-メチル-1 -インドリル基、4-メチル-1-インドリル基、2- チル-3-インドリル基、4-メチル-3-インドリ 基、2-t-ブチル1-インドリル基、4-t-ブチル1- ンドリル基、2-t-ブチル3-インドリル基、4-t- チル3-インドリル基等、及びこれらの2価の が挙げられる。

 核炭素数10~50の二価の芳香族縮合環基の例 しては、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-ア トリル基、2-アントリル基、9-アントリル基 1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、 3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9- フェナントリル基、1-ナフタセニル基、2-ナ タセニル基、9-ナフタセニル基、1-ピレニル 、2-ピレニル基、4-ピレニル基、3-メチル-2- フチル基、4-メチル-1-ナフチル基及び4-メチ ル-1-アントリル基から水素原子をさらに一つ 除いて得られる2価の基が挙げられる。
 好ましい核炭素数10~50の二価の芳香族縮合 基は、アントラセン又はピレンから導かれ 二価の基である。

 炭素数1~50のアルキル基の例としては、メ チル基、エチル基、プロピル基、イソピル基 、n-ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、 メチルメチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル 、n-ヘプチル基、n-オクチル基、クロロメチ ル基、1-クロロエチル基、2-クロロエチル基 2-クロロイソブチル基、1,2-ジクロロエチル 、1,3-ジクロロイソプロピル基、1,2,3-トリク ロプロピル基、ブロモメチル基、1-ブロモ チル基、2-ブロモエチル基、2-ブロモイソブ ル基、1,2-ジブロモエチル基、1,3-ジブロモ ソプロピル基、1,2,3-トリブロモプロピル基 ヨードメチル基、1-ヨードエチル基、2-ヨー エチル基、2-ヨードイソブチル基、1,2-ジヨ ドエチル基、1,3-ジヨードイソプロピル基、 1,2,3-トリヨードプロピル基等が挙げられる。 また、アルキレン基としては、これらの2価 基が挙げられる。

 核炭素数3~50のシクロアルキル基の例として は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シ クロペンチル基、シクロヘキシル基、4-メチ シクロヘキシル基、アダマンタン-1,1-ジイ 基、アダマンタン-1,3-ジイル基等が挙げられ る。
 炭素数1~50のアルコキシ基は、-OY 1 で表される基であり、Y 1 の例としては、前記アルキル基と同様の例が 挙げられる。

 前記置換基としては、アルキル基(好ましく は炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12、特 好ましくは炭素数1~8であり、例えばメチル エチル、イソプロピル、t-ブチル、n-オクチ ル、n-デシル、n-ヘキサデシル、シクロプロ ル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素 数2~20、より好ましくは炭素数2~12、特に好ま くは炭素数2~8であり、例えばビニル、アリ 、2-ブテニル、3-ペンテニル等が挙げられる 。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~20、よ り好ましくは炭素数2~12、特に好ましくは炭 数2~8であり、例えばプロパルギル、3-ペンチ ニル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましく 炭素数0~20、より好ましくは炭素数0~12、特 好ましくは炭素数0~6であり、例えばアミノ メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチル ミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミ 等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましく は炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12、特 好ましくは炭素数1~8であり、例えばメトキ 、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、 アリールオキシ基(好ましくは炭素数6~20、よ 好ましくは炭素数6~16、特に好ましくは炭素 数6~12であり、例えばフェニルオキシ、2-ナフ チルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好 しくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~1 6、特に好ましくは炭素数1~12であり、例えば セチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイ 等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル 基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭 数2~16、特に好ましくは炭素数2~12であり、 えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ ル等が挙げられる。)、アリールオキシカル ニル基(好ましくは炭素数7~20、より好まし は炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7~10であ り、例えばフェニルオキシカルボニルなどが 挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは 素数2~20、より好ましくは炭素数2~16、特に ましくは炭素数2~10であり、例えばアセトキ 、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、ア シルアミノ基(好ましくは炭素数2~20、より好 しくは炭素数2~16、特に好ましくは炭素数2~1 0であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイ アミノ等が挙げられる。)、アルコキシカル ニルアミノ基(好ましくは炭素数2~20、より ましくは炭素数2~16、特に好ましくは炭素数2 ~12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ 等が挙げられる。)、アリールオキシカルボ ルアミノ基(好ましくは炭素数7~20、より好ま しくは炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7~12 あり、例えばフェニルオキシカルボニルア ノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基 (好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素 1~16、特に好ましくは炭素数1~12であり、例 ばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスル ニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモ ル基(好ましくは炭素数0~20、より好ましく 炭素数0~16、特に好ましくは炭素数0~12であり 、例えばスルファモイル、メチルスルファモ イル、ジメチルスルファモイル、フェニルス ルファモイル等が挙げられる。)、カルバモ ル基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは 炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12であり 例えばカルバモイル、メチルカルバモイル ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモ ル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好 しくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~16 、特に好ましくは炭素数1~12であり、例えば チルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、 リールチオ基(好ましくは炭素数6~20、より ましくは炭素数6~16、特に好ましくは炭素数6 ~12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられ る。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1~20、 より好ましくは炭素数1~16、特に好ましくは 素数1~12であり、例えばメシル、トシル等が げられる。)、スルフィニル基(好ましくは 素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特に好 ましくは炭素数1~12であり、例えばメタンス フィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げ れる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1~20 より好ましくは炭素数1~16、特に好ましくは 素数1~12であり、例えばウレイド、メチルウ レイド、フェニルウレイド等が挙げられる。 )、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1~20、よ り好ましくは炭素数1~16、特に好ましくは炭 数1~12であり、例えばジエチルリン酸アミド フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、 ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子 (例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、 ウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキ ル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スル ィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ 基(好ましくは炭素数1~30、より好ましくは 素数1~12であり、ヘテロ原子としては、例え 窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むもの あり具体的には例えばイミダゾリル、ピリ ル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリ ル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベ ゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カル ゾリル等が挙げられる。)、シリル基(好ま くは炭素数3~40、より好ましくは炭素数3~30、 特に好ましくは炭素数3~24であり、例えばト メチルシリル、トリフェニルシリル等が挙 られる。)等が挙げられる。これらの置換基 更に置換されても良い。また置換基が二つ 上ある場合は、同一でも異なっていても良 。また、可能な場合には互いに連結して環 形成していても良い。
 また、上記各一般式における「置換もしく 無置換」における置換基も同様のものが挙 られる。

 以下に一般式(1)によって表される本発明 多環系環集合化合物の代表例を例示するが この代表例に限定されるものではない。

 本発明の高分子化合物は、前記の多環系環 合化合物に由来する構造を繰り返し単位の なくとも一部として有する高分子化合物で る。本発明の高分子化合物は、通常高分子 成で用いられる方法(重縮合反応、カップリ ング反応、ラジカル反応、リビング重合等) いずれかを用いて合成されるもので、素子 作製する上で不具合がない限り、構造等に 別な制限は必要ない。
 本発明の有機EL素子は、陰極と陽極間に少 くとも発光層を含む一層又は複数層からな 有機薄膜層が挟持されている有機EL素子にお いて、該有機薄膜層の少なくとも一層が、前 記多環系環集合化合物又は上記の高分子化合 物を発光材料として含有するものである。
 本発明の有機EL素子は、好ましくは発光層 多環系環集合化合物又は上記の高分子化合 をホスト材料として含有する。
 本発明の有機EL素子は、好ましくは燐光性 ーパント及び/又は蛍光性ドーパントを含有 る。
 本発明の有機EL素子は、好ましくはアリー アミン化合物および/またはスチリルアミン 合物を含有する。
 本発明の有機EL素子は、好ましくは金属錯 化合物を含有する。

 以下、本発明の有機EL素子構成について説 する。
 本発明の有機EL素子の代表的な素子構成と ては、
  (1)陽極/発光層/陰極
  (2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
  (3)陽極/発光層/電子注入層/陰極
  (4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰
  (5)陽極/有機半導体層/発光層/陰極
  (6)陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/ 極
  (7)陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/ 極
  (8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電 注入層/陰極
  (9)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
  (10)陽極/無機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁 層/陰極
  (11)陽極/有機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁 層/陰極
  (12)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発 光層/絶縁層/陰極
  (13)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発 光層/電子注入層/陰極
などの構造を挙げることができる。
 これらの中で通常(8)の構成が好ましく用い れるが、これらに限定されるものではない
 また、本発明の有機EL素子において、本発 の一般式(1)で表される多環系環集合化合物 、上記のどの有機層に用いられてもよいが これらの構成要素の中の発光帯域に含有さ ていることが好ましい。特に好ましくは発 層に含有されている場合である。含有させ 量は30~100モル%から選ばれる。

 この有機EL素子は、通常透光性の基板上に 製する。この透光性基板は有機EL素子を支持 する基板であり、その透光性については、波 長400~700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で あるものが望ましく、さらに平滑な基板を用 いるのが好ましい。
 このような透光性基板としては、例えば、 ラス板、合成樹脂板などが好適に用いられ 。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラ 、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、 ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英 どで成形された板が挙げられる。また、合 樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、 クリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート 脂、ポリエーテルスルフィド樹脂、ポリス ホン樹脂などの板が挙げられる。

 次に、陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光 に注入する役割を担うものであり、4.5eV以 の仕事関数を有することが効果的である。 発明に用いられる陽極材料の具体例として 、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウムと 酸化亜鉛の混合物(IZO)、ITOと酸化セリウムの 合物(ITCO)、IZOと酸化セリウムの混合物(IZCO) 酸化インジウムと酸化セリウムの混合物(ICO )、酸化亜鉛と酸化アルミニウムの混合物(AZO) 、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅等が適用で きる。
 陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッ リング法等の方法で薄膜を形成させること より作製することができる。
 このように発光層からの発光を陽極から取 出す場合、陽極の発光に対する透過率が10% り大きくすることが好ましい。また陽極の ート抵抗は、数百ω/□以下が好ましい。陽 の膜厚は材料にもよるが、通常10nm~1μm、好 しくは10~200nmの範囲で選択される。

 本発明の有機EL素子においては、発光層は
(i)注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入 より正孔を注入することができ、陰極又は 子注入層より電子を注入することができる 能
(ii)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電 の力で移動させる機能
(iii) 発光機能;電子と正孔の再結合の場を提 し、これを発光につなげる機能
を有する。
  この発光層を形成する方法としては、例 ば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の 方法を適用することができる。発光層は、特 に分子堆積膜であることが好ましい。ここで 分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から 沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液 相状態の材料化合物から固体化され形成され た膜のことであり、通常この分子堆積膜は、 LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは 集構造、高次構造の相違や、それに起因す 機能的な相違により区分することができる
 また特開昭57-51781号公報に開示されている うに、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶 に溶かして溶液とした後、これをスピンコ ト法等により薄膜化することによっても、 光層を形成することができる。
 本発明においては、本発明の目的が損なわ ない範囲で、所望により発光層に、ピレン 誘導体及びアミン化合物からなる発光材料 外の他の公知の金属錯体化合物を含有させ もよく、また、本発明に係る化合物を含む 光層に、他の公知の金属錯体化合物を含む 光層を積層してもよい。
 前記金属錯体化合物としては、Ir、Ru、Pd、P t、Os及びReの中から選ばれる少なくとも一つ 金属を含む金属錯体化合物であることが好 しく、配位子は、フェニルピリジン骨格、 ピリジル骨格及びフェナントロリン骨格か 選ばれる少なくとも一つの骨格を有するこ が好ましい。このような金属錯体の具体例 、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム、 トリス(2-フェニルピリジン)ルテニウム、ト ス(2-フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2- ェニルピリジン)白金、トリス(2-フェニルピ リジン)オスミウム、トリス(2-フェニルピリ ン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリ 、オクタフェニル白金ポルフィリン、オク エチルパラジウムポルフィリン、オクタフ ニルパラジウムポルフィリン等が挙げられ が、これらに限定されるものではなく、要 される発光色、素子性能、ホスト化合物と 関係から適切な錯体が選ばれる。

 りん光発光性のドーパントは三重項励起子 ら発光することのできる化合物である。三 項励起子から発光する限り特に限定されな が、Ir、Ru、Pd、Pt、Os及びReからなる群から 択される少なくとも一つの金属を含む金属 体であることが好ましく、ポルフィリン金 錯体又はオルトメタル化金属錯体が好まし 。ポルフィリン金属錯体としては、ポルフ リン白金錯体が好ましい。りん光発光性化 物は単独で使用しても良いし、2種以上を併 用しても良い。
 オルトメタル化金属錯体を形成する配位子 しては種々のものがあるが、好ましい配位 としては、2-フェニルピリジン誘導体、7,8- ンゾキノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリジ 誘導体、2-(1-ナフチル)ピリジン誘導体、2- ェニルキノリン誘導体等が挙げられる。こ らの誘導体は必要に応じて置換基を有して 良い。特に、フッ素化物、トリフルオロメ ル基を導入したものが、青色系ドーパント しては好ましい。さらに補助配位子として セチルアセトナート、ピクリン酸等の上記 位子以外の配位子を有していても良い。
 りん光発光性のドーパントの発光層におけ 含有量としては、特に制限はなく、目的に じて適宜選択することができるが、例えば 0.1~70質量%であり、1~30質量%が好ましい。り 光発光性化合物の含有量が0.1質量%未満では 発光が微弱でありその含有効果が十分に発揮 されず、70質量%を超える場合は、濃度消光と 言われる現象が顕著になり素子性能が低下す る。
 また、発光層は、必要に応じて正孔輸送材 電子輸送材、ポリマーバインダーを含有し も良い。
 さらに、発光層の膜厚は、好ましくは5~50nm より好ましくは7~50nm、最も好ましくは10~50nm である。5nm未満では発光層形成が困難となり 、色度の調整が困難となる恐れがあり、50nm 超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。

 蛍光性ドーパントとしては、アミン系化 物、芳香族化合物、トリス(8-キノリノラー )アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマ リン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導 体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサ ジアゾール誘導体等から、要求される発光色 に合わせて選ばれる化合物であることが好ま しく、特に、アリールアミン化合物、アリー ルジアミン化合物が挙げられ、その中でもス チリルアミン化合物、スチリルジアミン化合 物、芳香族アミン化合物、芳香族ジアミン化 合物がさらに好ましい。また、縮合多環芳香 族化合物(アミン化合物を除く)がさらに好ま い。これらの蛍光性ドーパントは単独でも た複数組み合わせて使用してもよい。

 このようなスチリルアミン化合物及びスチ ルジアミン化合物としては、下記一般式(A) 表されるものが好ましい。

(式中、Ar 3 は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基 、ターフェニル基、スチルベン基、ジスチリ ルアリール基から選ばれる基であり、Ar 4 及びAr 5 はそれぞれ炭素数が6~20の芳香族炭化水素基 あり、Ar 3 、Ar 4 及びAr 5 は置換されていてもよい。pは1~4の整数であ 、そのなかでもpは1~2の整数であるのが好ま い。Ar 3 ~Ar 5 のいずれか一つはスチリル基を含有する基で ある。さらに好ましくはAr 4 又はAr 5 の少なくとも一方はスチリル基で置換されて いる。)
 ここで、炭素数が6~20の芳香族炭化水素基と しては、フェニル基、ナフチル基、アントラ ニル基、フェナンスリル基、ターフェニル基 等が挙げられる。

 芳香族アミン化合物及び芳香族ジアミン化 物としては、下記一般式(B)で表されるもの 好ましい。

(式中、Ar 6 ~Ar 8 は、置換もしくは無置換の核炭素数5~40のア ール基である。qは1~4の整数であり、そのな でもqは1~2の整数であるのが好ましい。)
 ここで、核炭素数が5~40のアリール基として は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アン トラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基 、コロニル基、ビフェニル基、ターフェニル 基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニ ル基、ベンゾチオフェニル基、オキサジアゾ リル基、ジフェニルアントラニル基、インド リル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ベン ゾキノリル基、フルオランテニル基、アセナ フトフルオランテニル基、スチルベン基、ペ リレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ト リフェニレニル基、ルビセニル基、ベンゾア ントラセニル基、フェニルアントラニル基、 ビスアントラセニル基、又は下記一般式(C),(D )で示されるアリール基等が挙げられ、ナフ ル基、アントラニル基、クリセニル基、ピ ニル基、又は一般式(D)で示されるアリール が好ましい。

 (一般式(C)において、rは1~3の整数である。)

 なお、前記アリール基に置換する好まし 置換基としては、炭素数1~6のアルキル基(エ チル基、メチル基、i-プロピル基、n-プロピ 基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、 キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ ル基等)、炭素数1~6のアルコキシ基(エトキ 基、メトキシ基、i-プロポキシ基、n-プロポ シ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペント キシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキ シ基、シクロヘキシルオキシ基等)、核炭素 5~40のアリール基、核炭素数5~40のアリール基 で置換されたアミノ基、核炭素数5~40のアリ ル基を有するエステル基、炭素数1~6のアル ル基を有するエステル基、シアノ基、ニト 基、ハロゲン原子等が挙げられる。

 次に、正孔注入・輸送層は、発光層への正 注入を助け、発光領域まで輸送する層であ て、正孔移動度が大きく、イオン化エネル ーが通常5.5eV以下と小さい。このような正 注入・輸送層としてはより低い電界強度で 孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さ に正孔の移動度が、例えば10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に、少なくとも10 -4 cm 2 /V・秒以上であれば好ましい。
 正孔注入・輸送層を形成する材料としては 前記の好ましい性質を有するものであれば に制限はなく、従来、光導伝材料において 孔の電荷輸送材料として慣用されているも や、有機EL素子の正孔注入層に使用されて る公知のものの中から任意のものを選択し 用いることができる。芳香族アミン誘導体 して下記一般式で表される化合物が考えら る。
 Ar 11 ~Ar 13 、Ar 21 ~Ar 23 及びAr 3 ~Ar 8 は置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香 炭化水素基、又は核原子数5~50の芳香族複素 基である。a~c及びp~rはそれぞれ0~3の整数で る。Ar 3 とAr 4 、Ar 5 とAr 6 、Ar 7 とAr 8 はそれぞれ互いに連結して飽和もしくは不飽 和の環を形成しても良い。

 置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香族 炭化水素基及び置換もしくは無置換の核原子 数5~50の芳香族複素環基の具体例としては、 記のR’及びR''で例示した基と同じものが挙 られる。
 Ar 1 ~Ar 4 は置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳香 炭化水素基、又は核原子数5~50の芳香族複素 基である。Lは連結基であり、単結合、もし くは置換もしくは無置換の核炭素数6~50の芳 族炭化水素基、又は核原子数5~50の芳香族複 環基である。xは0~5の整数である。Ar 2 とAr 3 は互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を 形成しても良い。ここで核炭素数6~50の芳香 炭化水素基、及び核原子数5~50の芳香族複素 基の具体例としては、前記と同様のものが げられる。

 具体例としては、例えば、トリアゾール誘 体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキ ジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書 参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37-16096号 公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体( 国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細 、同第3,542,544号明細書、特公昭45-555号公報 同51-10983号公報、特開昭51-93224号公報、同55- 17105号公報、同56-4148号公報、同55-108667号公報 、同55-156953号公報、同56-36656号公報等参照)、 ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米 特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細 、特開昭55-88064号公報、同55-88065号公報、同4 9-105537号公報、同55-51086号公報、同56-80051号公 報、同56-88141号公報、同57-45545号公報、同54-11 2637号公報、同55-74546号公報等参照)、フェニ ンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細 、特公昭51-10105号公報、同46-3712号公報、同4 7-25336号公報、特開昭54-119925号公報等参照)、 リールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明 細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明 細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明 細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49-35702号 報、同39-27577号公報、特開昭55-144250号公報 同56-119132号公報、同56-22437号公報、西独特許 第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カル ン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照) 、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号 細書等に開示のもの)、スチリルアントラセ 誘導体(特開昭56-46234号公報等参照)、フルオ レノン誘導体(特開昭54-110837号公報等参照)、 ドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書 、特開昭54-59143号公報、同55-52063号公報、同55 -52064号公報、同55-46760号公報、同57-11350号公 、同57-148749号公報、特開平2-311591号公報等参 照)、スチルベン誘導体(特開昭61-210363号公報 同第61-228451号公報、同61-14642号公報、同61-72 255号公報、同62-47646号公報、同62-36674号公報 同62-10652号公報、同62-30255号公報、同60-93455 公報、同60-94462号公報、同60-174749号公報、同 60-175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国 許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開 2-204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2 -282263号公報)、導電性高分子オリゴマー(特に チオフェンオリゴマー)等を挙げることがで る。
 正孔注入層の材料としては上記のものを使 することができるが、ポルフィリン化合物( 特開昭63-295695号公報等に開示のもの)、芳香 第三級アミン化合物及びスチリルアミン化 物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53-2703 3号公報、同54-58445号公報、同55-79450号公報、 55-144250号公報、同56-119132号公報、同61-295558 公報、同61-98353号公報、同63-295695号公報等 照)、特に芳香族第三級アミン化合物を用い ことが好ましい。
 また米国特許第5,061,569号に記載されている2 個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば 4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ)ビ フェニル(以下NPDと略記する)、また特開平4-30 8688号公報に記載されているトリフェニルア ンユニットが3つスターバースト型に連結さ た4,4',4''-トリス(N-(3-メチルフェニル)-N-フェ ニルアミノ)トリフェニルアミン(以下MTDATAと 記する)等を挙げることができる。

 この他に特許‐3571977で開示されている下記 一般式で表される含窒素複素環誘導体も用い ることができる。
 式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 は置換もしくは無置換のアルキル基、置換も しくは無置換のアリール基、置換もしくは無 置換のアラルキル基、置換もしくは無置換の 複素環基のいずれかを示す。ただし、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 は同じでも異なってもよい。R 1 とR 2 、R 3 とR 4 、R 5 とR 6 又はR 1 とR 6 、R 2 とR 3 、R 4 とR 5 が縮合環を形成していてもよい。
 さらに、米国特許2004-0113547に記載されてい 下記一般式の化合物も用いることができる
 R 1 ~R 6 は置換基であり、好ましくはシアノ基、ニト ロ基、スルホニル基、カルボニル基、トリフ ルオロメチル基、ハロゲン等の電子吸引基で ある。
 また、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注 入層の材料として使用することができる。
 正孔注入、輸送層は上述した化合物を、例 ば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト 、LB法等の公知の方法により薄膜化するこ により形成することができる。正孔注入、 送層としての膜厚は特に制限はないが、通 は5nm~5μmである。この正孔注入、輸送層は正 孔輸送帯域に本発明の化合物を含有していれ ば、上述した材料の一種又は二種以上からな る一層で構成されてもよいし、又は前記正孔 注入、輸送層とは別種の化合物からなる正孔 注入、輸送層を積層したものであってもよい 。
 また、有機半導体層は発光層への正孔注入 は電子注入を助ける層であって、10 -10 S/cm以上の導電率を有するものが好適である このような有機半導体層の材料としては、 チオフェンオリゴマーや特開平8-193191号公報 に開示してある含アリールアミンオリゴマー 等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデ ンドリマー等の導電性デンドリマー等を用い ることができる。

 次に、電子注入層・輸送層は、発光層への 子の注入を助け、発光領域まで輸送する層 あって、電子移動度が大きく、また付着改 層は、この電子注入層の中で特に陰極との 着が良い材料からなる層である。
 また、有機EL素子は発光した光が電極(この 合は陰極)により反射するため、直接陽極か ら取り出される発光と、電極による反射を経 由して取り出される発光とが干渉することが 知られている。この干渉効果を効率的に利用 するため、電子輸送層は数nm~数μmの膜厚で適 宜選ばれるが、特に膜厚が厚いとき、電圧上 昇を避けるために、10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に電子移動度が少なくとも10 -5 cm 2 /Vs以上であることが好ましい。
 電子注入層に用いられる材料としては、8- ドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯 やオキサジアゾール誘導体が好適である。 記8-ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金 属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8- キノリノール又は8-ヒドロキシキノリン)のキ レートを含む金属キレートオキシノイド化合 物、例えばトリス(8-キノリノラト)アルミニ ムを電子注入材料として用いることができ 。

 一方、オキサジアゾール誘導体としては、 下の一般式で表される電子伝達化合物が挙 られる。
(式中、Ar 1 、Ar 2 、Ar 3 、Ar 5 、Ar 6 、及びAr 9 はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を示 し、それぞれ互いに同一であっても異なって いてもよい。またAr 4 、Ar 7 、Ar 8 は置換又は無置換のアリーレン基を示し、そ れぞれ同一であっても異なっていてもよい)
 ここでアリール基としてはフェニル基、ビ ェニル基、アントラニル基、ペリレニル基 ピレニル基が挙げられる。また、アリーレ 基としてはフェニレン基、ナフチレン基、 フェニレン基、アントラニレン基、ペリレ レン基、ピレニレン基などが挙げられる。 た、置換基としては炭素数1~10のアルキル基 、炭素数1~10のアルコキシ基又はシアノ基等 挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形 性のものが好ましい。

 上記電子伝達性化合物の具体例としては下 のものを挙げることができる。
 さらに、電子注入層及び電子輸送層に用い れる材料として、下記一般式(E)~(J)で表され るものも用いることができる。

(一般式(E)及び(F)中、A 1 ~A 3 は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子 である。
 Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 3~60のヘテロアリール基であり、Ar 2 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の 炭素数3~60のヘテロアリール基、置換もしく 無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は置換 もしくは無置換の炭素数1~20のアルコキシ基 あるいはこれらの2価の基である。ただし、A r 1 及びAr 2 のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核 炭素数10~60の縮合環基、又は置換もしくは無 換の核炭素数3~60のモノヘテロ縮合環基であ る。
 L 1 、L 2 及びLは、それぞれ独立に、単結合、置換も くは無置換の核炭素数6~60のアリーレン基、 換もしくは無置換の核炭素数3~60のヘテロア リーレン基、又は置換もしくは無置換のフル オレニレン基である。
 Rは、水素原子、置換もしくは無置換の核炭 素数6~60のアリール基、置換もしくは無置換 核炭素数3~60のヘテロアリール基、置換もし は無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は置 換もしくは無置換の炭素数1~20のアルコキシ であり、nは0~5の整数であり、nが2以上の場 、複数のRは同一でも異なっていてもよく、 た、隣接する複数のR基同士で結合して、炭 素環式脂肪族環又は炭素環式芳香族環を形成 していてもよい。)で表される含窒素複素環 導体。

     HAr-L-Ar 1 -Ar 2      (G)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭 数3~40の含窒素複素環であり、Lは、単結合、 置換基を有していてもよい炭素数6~60のアリ レン基、置換基を有していてもよい炭素数3~ 60のヘテロアリーレン基又は置換基を有して てもよいフルオレニレン基であり、Ar 1 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60の2 の芳香族炭化水素基であり、Ar 2 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60の リール基又は置換基を有していてもよい炭 数3~60のヘテロアリール基である。)で表され る含窒素複素環誘導体。

(式中、X及びYは、それぞれ独立に炭素数1~6の 飽和若しくは不飽和の炭化水素基、アルコキ シ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキ シ基、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換の アリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環 又はXとYが結合して飽和又は不飽和の環を形 した構造であり、R 1 ~R 4 は、それぞれ独立に水素、ハロゲン原子、置 換もしくは無置換の炭素数1から6までのアル ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、 ーフルオロアルキル基、パーフルオロアル キシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基 アリールカルボニル基、アルコキシカルボ ル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ 、アルキルカルボニルオキシ基、アリール ルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ 、スルフィニル基、スルフォニル基、スル ァニル基、シリル基、カルバモイル基、ア ール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アル ニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ 、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シア ート基、イソシアネート基、チオシアネー 基、イソチオシアネート基もしくはシアノ 又は隣接した場合には置換若しくは無置換 環が縮合した構造である。)で表されるシラ シクロペンタジエン誘導体。

(式中、R 1 ~R 8 及びZ 2 は、それぞれ独立に、水素原子、飽和もしく は不飽和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、 ヘテロ環基、置換アミノ基、置換ボリル基、 アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、 X、Y及びZ 1 は、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の 炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基 、置換アミノ基、アルコキシ基又はアリール オキシ基を示し、Z 1 とZ 2 の置換基は相互に結合して縮合環を形成して もよく、nは1~3の整数を示し、nが2以上の場合 、Z 1 は異なってもよい。但し、nが1、X、Y及びR 2 がメチル基であって、R 8 が、水素原子又は置換ボリル基の場合、及び nが3でZ 1 がメチル基の場合を含まない。)で表される ラン誘導体。

[式中、Q 1 及びQ 2 は、それぞれ独立に、下記一般式(K)で示され る配位子を表し、Lは、ハロゲン原子、置換 しくは無置換のアルキル基、置換もしくは 置換のシクロアルキル基、置換もしくは無 換のアリール基、置換もしくは無置換の複 環基、-OR 1 (R 1 は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換の複素環基である。)又は-O-Ga -Q 3 (Q 4 )(Q 3 及びQ 4 は、Q 1 及びQ 2 と同じ)で示される配位子を表す。]

[式中、環A 1 及びA 2 は、置換基を有してよい互いに縮合した6員 リール環構造である。]

 この金属錯体は、n型半導体としての性質が 強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯 体形成時の生成エネルギーも低いために、形 成した金属錯体の金属と配位子との結合性も 強固になり、発光材料としての蛍光量子効率 も大きくなっている。
 一般式(K)の配位子を形成する環A 1 及びA 2 の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭 素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s-ブ ル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル 、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基 トリクロロメチル基等の置換もしくは無置 のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3- メチルフェニル基、3-メトキシフェニル基、3 -フルオロフェニル基、3-トリクロロメチルフ ェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基 3-ニトロフェニル基等の置換もしくは無置 のアリール基、メトキシ基、n-ブトキシ基、 t-ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリ ルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポ シ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、6- (パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の 換もしくは無置換のアルコキシ基、フェノ シ基、p-ニトロフェノキシ基、p-t-ブチルフ ノキシ基、3-フルオロフェノキシ基、ペン フルオロフェニル基、3-トリフルオロメチル フェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリ ールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基 、t-ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチ チオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置 もしくは無置換のアルキルチオ基、フェニ チオ基、p-ニトロフェニルチオ基、p-t-ブチ フェニルチオ基、3-フルオロフェニルチオ 、ペンタフルオロフェニルチオ基、3-トリフ ルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしく は無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニト ロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチル アミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ 基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基 、ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換ア ミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、 ス(アセトキシエチル)アミノ基、ビスアセ キシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブ チル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基 シロキシ基、アシル基、メチルカルバモイ 基、ジメチルカルバモイル基、エチルカル モイル基、ジエチルカルバモイル基、プロ ピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル 、フェニルカルバモイル基等のカルバモイ 基、カルボン酸基、スルフォン酸基、イミ 基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基 のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチ 基、ビフェニル基、アントラニル基、フェ ントリル基、フルオレニル基、ピレニル基 のアリール基、ピリジニル基、ピラジニル 、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリ ジニル基、インドリニル基、キノリニル基 アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキ ニル基、ピペリジニル基、モルフォリジニ 基、ピペラジニル基、トリアチニル基、カ バゾリル基、フラニル基、チオフェニル基 オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベ ゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジ ゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾ ル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリ 基、プラニル基等の複素環基等がある。ま 、以上の置換基同士が結合してさらなる6員 リール環もしくは複素環を形成しても良い

 本発明の有機EL素子の好ましい形態に、電 を輸送する領域又は陰極と有機層の界面領 に、還元性ドーパントを含有する素子があ 。ここで、還元性ドーパントとは、電子輸 性化合物を還元ができる物質と定義される したがって、一定の還元性を有するもので れば、様々なものが用いられ、例えば、ア カリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属 アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハ ゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物、ア カリ土類金属のハロゲン化物、希土類金属 酸化物又は希土類金属のハロゲン化物、ア カリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭 塩、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ土 金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体か なる群から選択される少なくとも一つの物 を好適に使用することができる。
 また、より具体的に、好ましい還元性ドー ントとしては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関 数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)及びCs(仕事関数:1 .95eV)からなる群から選択される少なくとも一 つのアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr( 事関数:2.0~2.5eV)、及びBa(仕事関数:2.52eV)から る群から選択される少なくとも一つのアル リ土類金属が挙げられる仕事関数が2.9eV以 のものが特に好ましい。これらのうち、よ 好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsか らなる群から選択される少なくとも一つのア ルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又 Csであり、最も好ましのは、Csである。これ らのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、 電子注入域への比較的少量の添加により、有 機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化 図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還 性ドーパントとして、これら2種以上のアル リ金属の組合わせも好ましく、特に、Csを んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、Cs RbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであるこ が好ましい。Csを組み合わせて含むことに り、還元能力を効率的に発揮することがで 、電子注入域への添加により、有機EL素子に おける発光輝度の向上や長寿命化が図られる 。

 本発明においては陰極と有機層の間に絶縁 や半導体で構成される電子注入層をさらに けても良い。この時、電流のリークを有効 防止して、電子注入性を向上させることが きる。このような絶縁体としては、アルカ 金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カル ゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及び ルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群 ら選択される少なくとも一つの金属化合物 使用するのが好ましい。電子注入層がこれ のアルカリ金属カルコゲニド等で構成され いれば、電子注入性をさらに向上させるこ ができる点で好ましい。具体的に、好まし アルカリ金属カルコゲニドとしては、例え 、Li 2 O、K 2 O、Na 2 S、Na 2 Se及びNa 2 Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カ コゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、Be O、BaS、及びCaSeが挙げられる。また、好まし アルカリ金属のハロゲン化物としては、例 ば、LiF、NaF、KF、CsF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙 げられる。また、好ましいアルカリ土類金属 のハロゲン化物としては、例えば、CaF 2 、BaF 2 、SrF 2 、MgF 2 及びBeF 2 といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲ ン化物が挙げられる。
 また、電子輸送層を構成する半導体として 、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、 Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含 酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単 又は二種以上の組み合わせが挙げられる。 た、電子輸送層を構成する無機化合物が、 結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが ましい。電子輸送層がこれらの絶縁性薄膜 構成されていれば、より均質な薄膜が形成 れるために、ダークスポット等の画素欠陥 減少させることができる。なお、このよう 無機化合物としては、上述したアルカリ金 カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲ ド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアル リ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる

 次に、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV 以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこ らの混合物を電極物質とするものが用いら る。このような電極物質の具体例としては ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マ ネシウム、リチウム、セシウム、マグネシ ム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウ ム、Al/Li 2 O、Al/LiO、Al/LiF、アルミニウム・リチウム合 、インジウム、希土類金属などが挙げられ 。
 この陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパ タリング等の方法により薄膜を形成させる とにより、作製することができる。
 ここで、発光層からの発光を陰極から取り す場合、陰極の発光に対する透過率は10%よ 大きくすることが好ましい。また、陰極と てのシート抵抗は数百ω/□以下が好ましく さらに、膜厚は通常10nm~1μm、好ましくは50~2 00nmである。

 また、一般に、有機EL素子は、超薄膜に電 を印加するために、リークやショートによ 画素欠陥が生じやすい。これを防止するた に、一対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入 ても良い。
  絶縁層に用いられる材料としては、例え 、酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化 チウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸 マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カ シウム、弗化カルシウム、窒化アルミニウ 、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウ 、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン 酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げ れる。これらの混合物や積層物を用いても い。

 次に、本発明の有機EL素子を作製する方法 ついては、例えば上記の材料及び方法によ 陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、 び必要に応じて電子注入層を形成し、最後 陰極を形成すればよい。また、陰極から陽 へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製する こともできる。
 以下、透光性基板上に、陽極/正孔注入層/ 光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成 の有機EL素子の作製例について説明する。
 まず、適当な透光性基板上に、陽極材料か なる薄膜を1μm以下、好ましくは10~200nmの範 の膜厚になるように、蒸着法あるいはスパ タリング法により形成し、陽極とする。次 、この陽極上に正孔注入層を設ける。正孔 入層の形成は、前述したように真空蒸着法 スピンコート法、キャスト法、LB法等の方 により行うことができるが、均質な膜が得 れやすく、かつピンホールが発生しにくい の点から真空蒸着法により形成することが ましい。真空蒸着法により正孔注入層を形 する場合、その蒸着条件は使用する化合物( 孔注入層の材料)、目的とする正孔注入層の 結晶構造や再結合構造等により異なるが、一 般に蒸着源温度50~450℃、真空度10 -7 ~10 -3 Torr、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-50~300℃、 膜厚5nm~5μmの範囲で適宜選択することが好ま い。

 次に、この正孔注入層上に発光層を設け 。この発光層の形成も、本発明に係る発光 料を用いて真空蒸着法、スパッタリング、 ピンコート法、キャスト法等の方法により 発光材料を薄膜化することにより形成でき が、均質な膜が得られやすく、かつピンホ ルが発生しにくい等の点から真空蒸着法に り形成することが好ましい。真空蒸着法に り発光層を形成する場合、その蒸着条件は 用する化合物により異なるが、一般的に正 注入層の形成と同様な条件範囲の中から選 することができる。膜厚は10~40nmの範囲が好 ましい。

 次に、この発光層上に電子注入層を設ける この場合にも正孔注入層、発光層と同様、 質な膜を得る必要から真空蒸着法により形 することが好ましい。蒸着条件は正孔注入 、発光層と同様の条件範囲から選択するこ ができる。
 そして、最後に陰極を積層して有機EL素子 得ることができる。陰極は金属から構成さ るもので、蒸着法、スパッタリングを用い ことができる。しかし、下地の有機物層を 膜時の損傷から守るためには真空蒸着法が ましい。
 以上の有機EL素子の作製は、一回の真空引 で、一貫して陽極から陰極まで作製するこ が好ましい。

 本発明の有機EL素子の各層の形成方法は特 限定されない。従来公知の真空蒸着法、ス ンコーティング法等による形成方法を用い ことができる。本発明の有機EL素子に用いる 、前記一般式(1)で示される化合物を含有する 有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MB E法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピ グ法、スピンコーティング法、キャスティ グ法、バーコート法、ロールコート法等の 布法による公知の方法で形成することがで る。
 一般に塗布方式と言われる方法、即ち、有 EL材料含有溶液を使用して有機EL素子の各層 を形成する方法の場合、使用する溶媒はその 目的に応じて、有機EL材料に対して良溶媒を 用し、均一溶液を調整し使用することも可 であるし、貧溶媒を用いたり、良溶媒と貧 媒の混合溶媒を用いて分散液を調製し使用 ることも可能である。
 本発明の有機EL材料含有溶液は、上述した 発明の多環系環集合化合物又は高分子化合 を含むものである。
 使用する溶媒としては、一般的に入手可能 ものであれば制限はなく、プロセス適合性 合わせて、粘度や溶解性により選択すれば い。
 例えば、良溶媒であることが多いものとし は芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテ 系溶媒等が挙げられ、貧溶媒であることが いものとしては、アルコール系溶媒、ケト 系溶媒、パラフィン系溶媒、あるいは炭素 4以上のアルキルベンゼン誘導体等が挙げら れる。
 具体例を下記する。良溶媒であることが多 ものとしては芳香族系溶媒であるトルエン キシレン、メシチレン、ハロゲン系溶媒で るクロルベンゼン、エーテル系溶媒である フェニルエーテル等があり、貧溶媒である とが多いものとしてはアルコール系溶媒で る炭素数1~20の直鎖又は分岐アルコールであ る、メタノール、エタノール、プロパノール 、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール 、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール 、デカノール等やベンジルアルコール誘導体 、ヒドロキアルキルベンゼン誘導体、アルキ ルベンゼン誘導体としては、直鎖又は分岐の ブチルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラ リン、シクロヘキシルベンゼン等が挙げられ る。
 溶媒の使用量は、多環系環集合化合物又は 分子化合物の量や種類、有機薄膜層の厚さ を考慮して適宜調製することができる。
 本発明の有機EL素子は、上述した本発明の 機EL材料含有溶液を用いて、有機薄膜層の少 なくとも1層を作製したものでもよい。
 本発明の有機EL素子の各有機層の膜厚は特 制限されないが、ピンホール等の欠陥や、 率を良くするため、通常は数nmから1μmの範 が好ましい。
 なお、有機EL素子に直流電圧を印加する場 、陽極を+、陰極を-の極性にして、5~40Vの電 を印加すると発光が観測できる。また逆の 性で電圧を印加しても電流は流れず、発光 全く生じない。さらに交流電圧を印加した 合には陽極が+、陰極が-の極性になった時 み均一な発光が観測される。印加する交流 波形は任意でよい。

 以下、本発明の実施例を説明するが、本発 はこれらの実施例によって限定されるもの はない。なお、各例で得られた有機EL素子 評価は下記の通りである。
(1)初期性能:所定の電圧を印可し、その時の 流値を測定すると同時に、輝度計(ミノルタ 製分光輝度放射計CS-1000)で発光輝度値とCIE19 31色度座標を測定し評価した。
(2)寿命:特定の初期輝度で定電流駆動し、輝 の半減期、及び色度の変化で評価した。

合成実施例1
 下記のスキームでH-1を合成した。

[中間体Aの合成]
 アルゴン雰囲気下、1-ブロモナフトール260.5 g(1.17mol)に塩化メチレン2Lを加え溶解し、次い でジイソプロピルアミン129.1g(1.28mol)を添加し た。次いで、-5℃まで冷却し、トリフルオロ タンスルホン酸無水物363.2g(1.28mol)を滴下し 室温まで昇温してから1時間撹拌反応した。 その後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液0.8Lを加 え、反応を停止し、塩化メチレン/イオン交 水で抽出し、有機層を0.7N塩酸水溶液、イオ 交換水で洗浄した。次いで、有機層を硫酸 グネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去す ことで、中間体A 369g(収率89%、純度98%)を得 。

[中間体Bの合成]
 アルゴン雰囲気下、マグネシウム47.6g(1.96mol )にエーテル0.5Lを加え、35℃付近に温度制御 ながら、ブロモベンゼン294.2g(1.87mol)/エーテ (0.6L)溶液を滴下し、1時間撹拌し、グリニア 試薬を調整した。
次いで、アルゴン雰囲気下、中間体A 345.7g(0. 97mol)、リチウムブロマイド87.7g(1.01mol)、PdCl 2 (dppp)8.8g(14.9mol)(dpppはジフェニルホスフィノプ ロパン配位子)、エーテル2.3Lを加えた。次い 、-10℃まで冷却し、上で調整したグリニア 薬を滴下し、一晩撹拌した。翌日、0.2N塩酸 水溶液2.0Lを0℃に温度制御しながら滴下し、 応を停止した。次いで、析出物をろ別し有 層を0.2N塩酸水溶液、イオン交換水で洗浄し た。次いで、有機層を濃縮後、ヘキサンでシ リカゲル処理し、更にヘキサンで再結晶する ことで、白色結晶を得た。得られた白色結晶 を、乾燥することで中間体B 175.9g(収率54.7%、 純度99%)を得た。
 中間体Cは、上記のスキームの通り、既知の 方法にて合成した。
 また、H-1も既知の方法(鈴木カップリング反 応)にて合成した。

合成実施例2~3
 合成実施例1と同様のスキームで、H-2及びH-3 を合成した。

合成実施例4
 下記のスキームでH-4を合成した。

合成実施例5
 下記のスキームでH-5を合成した。
 なお、中間体Eは、文献J.Org.Chem.,71(1),237(2006) に従い合成した。

[中間体Dの合成]
 アルゴン雰囲気下、エチルベンゼン465g(4.55m ol)に脱水テトラヒドロフラン(THF)4Lを加え、0 以下に冷却した。次いで、1.6Mのn-ブチルリ ウム2.9Lを滴下し、0℃以下で4時間撹拌した その後、フェニルアセトアルデヒド323g(2.69m ol)/脱水THF2Lを滴下し、滴下後、室温にて15時 撹拌反応した。次いで、イオン交換水1Lと 酸エチル2Lを加え、目的物を抽出し、有機層 を濃縮することで粗成物652gを得た。次いで カラムクロマトグラフィー(シリカゲル5kg、 酸エチル/ヘキサン=1/5)処理にて精製し、得 れた溶液を濃縮、乾燥して、中間体D 447g( 率74%、純度91.1%)を得た。

[中間体Eの合成]
 アルゴン雰囲気下、中間体E 447g(2.01mol)、炭 酸水素ナトリウム338g(4.02mol)、アセトニトリ 6Lを加えた。次いで、一塩化ヨウ素(ICl) 653g( 4.02mol)/アセトニトリル1Lを滴下し、30分撹拌 た。次いで、飽和チオ硫酸ナトリウム1L、酢 酸エチル3Lを添加し撹拌、抽出した。有機層 水洗、濃縮し粗成物480gを得た。次いで、カ ラムクロマトグラフィー(シリカゲル5kg、ヘ サン~トルエン/ヘキサン=1/4)処理にて精製し 得られた溶液を濃縮後、メタノールにて再 殿した。得られた個体を乾燥して、中間体E  396g(収率59%、純度99.4%)を得た。
 H-5は既知の方法(鈴木カップリング反応)に 合成した。

合成実施例6~8
 合成実施例5と同様のスキームで、H-6、H-7及 びH-8を合成した。

合成実施例9
 下記のスキームでH-9を合成した。
 上記スキーム中、Pd(PPh 3 ) 4 はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ ウム、Na 2 CO 3 aqは炭酸ナトリウム水溶液、toluene/DMEはトル ン/ジメトキシエタンをそれぞれ意味する。

合成実施例10
 下記のスキームでH-10を合成した。

実施例1
 25×75×1.1mmサイズのガラス基板上に、膜厚130 nmのインジウムスズ酸化物からなる透明電極 設けた。このガラス基板に紫外線及びオゾ を照射して洗浄したのち、真空蒸着装置に の基板を設置した。
  まず、正孔注入層として、N,N’-ビス(N,N’ -ジフェニル-4-アミノフェニル)-N,N-ジフェニ -4,4’-ジアミノ-1,1’-ビフェニル膜(以下「TPD 232膜」と略記する。)を 60nmの厚さに蒸着し のち、その上に正孔輸送層として、N,N,N’,N -テトラ(4-ビフェニル)-ジアミノビフェニレ 層 (以下「TBDB層」)を20nmの厚さに蒸着した 次いで、下記化合物(H-1)と(D-1)を、重量比40: 2で同時蒸着し、厚さ40nmの発光層を形成した
 次に、電子注入層として、トリス(8-ヒドロ シキノリナト)アルミニウムを20nmの厚さに 着した。次に弗化リチウムを0.3nmの厚さに蒸 着し、次いでアルミニウムを150nmの厚さに蒸 した。このアルミニウム/弗化リチウムは陰 極として働く。このようにして有機EL素子を 製した。
 次に、この素子に通電試験を行ったところ 電圧6.2V、電流密度10mA/cm 2 にて650cd/m 2 の青色発光が得られた。
 また、初期輝度1000cd/cm 2 で直流の連続通電試験を行ったところ、半減 寿命は17800時間であった。素子評価の結果を 1にまとめた。

実施例2~8
 実施例1において発光層のホスト材料(H-1)の わりに、それぞれ表1に記載の発光材料を用 いた以外は実施例1と同様に有機EL素子を作成 した。
 素子評価の結果を表1にまとめた。

比較例1及び2
 実施例1において、ホスト材料(H-1)の代わり 、それぞれ下記比較化合物(h-1)及び(h-2)を用 いた以外は実施例1と同様に有機EL素子を作製 した。

 素子評価の結果を表1にまとめた。

 表1の実施例の色度(CIEy値)は、比較例の値 と比較して全て低下しており、本発明の特定 の屈曲構造、すなわち芳香環中の隣接炭素原 子に他の芳香環基及び脂肪族基又は芳香環基 が置換した構造、を有するホスト材料を用い ることで色純度が向上し、合わせて高効率化 と長寿命化が両立できることが判る。

実施例9
 実施例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、(D-2)を用いた以外は実施例1と 様に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表2にまとめた。

比較例3
 比較例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、(D-2)を用いた以外は比較例1と 様に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表2にまとめた。

 表2より、(D-2)のようなスチリルジアミン のドーパントを用いても、本発明の特定の 曲構造、すなわち芳香環中の隣接炭素原子 他の芳香環基及び脂肪族基又は芳香環基が 換した構造、を有するホスト材料と組み合 せることにより色純度が向上し、合わせて 効率化と長寿命化が両立できることが判る

実施例10及び11
 実施例1において発光層のホスト材料(H-1)の わりに、それぞれ表3に記載の発光材料を用 いた以外は実施例1と同様に有機EL素子を作成 した。
 素子評価の結果を表3にまとめた。

比較例3
  実施例1において、(H-1)の代わりに、それ れ下記比較化合物(h-3)を用いた以外は実施例 1と同様に有機EL素子を作製した。
 素子評価の結果を表3にまとめた。

 表3より、表1や2のようなアントラセン系 ホストだけでなくピレン系のホスト材料で 、本発明の特定の屈曲構造、すなわち芳香 中の隣接炭素原子に他の芳香環基及び脂肪 基又は芳香環基が置換した構造、を導入す ことにより色純度が向上し、合わせて高効 化と長寿命化が両立できることが判る。

実施例12
 実施例10において発光層のドーパント材料(D -1)のかわりに、(D-2)を用いた以外は実施例10 同様に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表4にまとめた。

比較例4
 比較例3において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、(D-2)を用いた以外は比較例3と 様に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表4にまとめた。

 表4より、(D-2)のようなスチリルジアミン のドーパントを用いても、本発明の特定の 曲構造、すなわち芳香環中の隣接炭素原子 他の芳香環基及び脂肪族基又は芳香環基が 換した構造、を有するピレン系ホスト材料 組み合わせることにより色純度が向上し、 わせて高効率化と長寿命化が両立できるこ が判る。

実施例13及び14
 実施例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、(D-3)を用い、ホスト材料(H-1)の 代わりに、それぞれ下記化合物(H-11)、(H-12)を 用いた以外は実施例1と同様に有機EL素子を作 成した。
 素子評価の結果を表5にまとめた。

比較例6
 実施例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、(D-3)を用い、ホスト材料(H-1)の 代わりに、(h-2)を用いた以外は実施例1と同様 に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表5にまとめた。

実施例15~17
 実施例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、それぞれ下記(D-4)~(D-6)を用い ホスト材料(H-1)の代わりに、(H-5)を用いた以 は実施例1と同様に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表6にまとめた。
実施例18~20
 実施例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、それぞれ下記(D-4)~(D-6)を用い ホスト材料(H-1)の代わりに、(H-12)を用いた以 外は実施例1と同様に有機EL素子を作成した。
 素子評価の結果を表6にまとめた。

比較例7及び8
 実施例1において発光層のドーパント材料(D- 1)のかわりに、それぞれ(D-6)を用い、ホスト 料(H-1)の代わりに、それぞれ(h-1)、(h-2)を用 た以外は実施例1と同様に有機EL素子を作成 た。
 素子評価の結果を表6にまとめた。

 実施例と比較例を比べると、本発明の特 の屈曲部分構造、すなわち芳香環中の隣接 素原子に他の芳香環基及び脂肪族基又は芳 環基が置換した構造、を持つ多環系環集合 合物からなる有機EL用発光材料を用いると 青色あるいは緑色純度の改善とともに、高 率かつ長寿命な発光素子が得られることが 明した。

 以上詳細に説明したように、本発明の特定 屈曲部分構造、すなわち芳香環中の隣接炭 原子に他の芳香環基及び脂肪族基又は芳香 基が置換した構造、を持つ多環系環集合化 物又は該多環系環集合化合物に由来する構 を繰り返し単位の少なくとも一部として有 る高分子化合物を有機EL用発光材料として いると、青色あるいは緑色純度の改善とと に、耐熱性に優れ、色純度が高く、寿命が く、高発光効率な有機EL素子が得られる。さ らに、このような有機EL素子を容易でかつ比 的安価に製造可能である。また、前記多環 環集合化合物又は前記高分子化合物を含む 機EL材料含有溶液を用いて本発明の有機EL素 子を作製することもできる。
 本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビのフ ットパネルディスプレイ等の平面発光体、 写機、プリンター、液晶ディスプレイのバ クライト又は計器類等の光源、表示板、標 灯等に利用できる。