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Patent Searching and Data


Title:
POLYOL COMPOUND FOR PHOTORESIST
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122751
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polyol compound for photoresists, which is characterized by having a structure wherein aliphatic groups and aromatic groups having a plurality of hydroxyl groups on an aromatic ring are bonded alternately. The polyol compound for photoresists can be obtained by an acid catalysis, for example, a Friedel-Crafts reaction between an aliphatic polyol and an aromatic polyol. An alicyclic polyol is preferable as the aliphatic polyol, and hydroquinone is preferable as the aromatic polyol. A compound for photoresists can be obtained by protecting a phenolic hydroxyl group of the polyol compound for photoresists with a protecting group which is removed by the action of an acid. A photoresist composition containing the compound can reduce LER, and enables formation of a fine and sharp resist pattern having excellent resolution and etching resistance.

Inventors:
TSUTSUMI KIYOHARU (JP)
FUNAKI YOSHINORI (JP)
OKUMURA ARIMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001557
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
April 02, 2009
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Assignee:
DAICEL CHEM (JP)
TSUTSUMI KIYOHARU (JP)
FUNAKI YOSHINORI (JP)
OKUMURA ARIMICHI (JP)
International Classes:
C07C39/17; C07C37/16; C07C37/72; C08G61/02; G03F7/039; H01L21/027
Foreign References:
JP2007297317A2007-11-15
JPH06273953A1994-09-30
JPH05181298A1993-07-23
Other References:
SOKOLENKO, V. A. ET AL.: "Diadamantylation of dihydric phenols and their derivatives", RUSSIAN JOURNAL OF APPLIED CHEMISTRY, vol. 81, no. 3, 2008, pages 509 - 510
HUANG, XIAO ET AL.: "Asymmetric Strecker reaction of keto imines catalyzed by a novel chiral bifunctional N, N'-dioxide", ADVANCED SYNTHESIS & CATALYSIS, vol. 348, no. 18, 2006, pages 2579 - 2584
ALIEV, Z. E. ET AL.: "Synthesis of cycloalkyl derivatives of dihydric phenols and their ethers", PRISADKI K SMAZOCHNYM MASLAM, no. 2, 1969, pages 118 - 122
FLAIG, WOLFGANG ET AL.: "Humic acids. XIV. Formation and reactions of various hydroxyquinones", JUSTUS LIEBIGS ANNALEN DER CHEMIE, vol. 597, 1955, pages 196 - 213
DENO, N. C. ET AL.: "Alkylation of hydroquinone and its derivatives", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 19, 1954, pages 2019 - 2022
Attorney, Agent or Firm:
GOTO, YUKIHISA (JP)
Yukihisa Goto (JP)
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Claims:
 脂肪族基と芳香環に水酸基を複数個有する芳香族基とが交互に結合しているフォトレジスト用ポリオール化合物。
 脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとの酸触媒反応により得られることを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 酸触媒反応がFriedel-Crafts反応である請求項2に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 脂肪族ポリオールが脂環式ポリオールである請求項2又は3に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 脂肪族ポリオールがアダマンタン環の3級位に2個以上の水酸基が結合したアダマンタンポリオールである請求項2~4の何れかの項に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 芳香族ポリオールがヒドロキノンである請求項2~5の何れかの項に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 芳香族ポリオールがナフタレンポリオールである請求項2~5の何れかの項に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 重量平均分子量が500~5000である請求項1~7の何れかの項に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物。
 請求項1~8の何れかの項に記載のフォトレジスト用ポリオール化合物のフェノール性水酸基の一部又は全部が、酸を作用させることにより脱離する保護基で保護されているフォトレジスト用化合物。
 フォトレジスト用ポリオール化合物のフェノール性水酸基が酸を作用させることにより脱離する保護基で保護された構造がアセタール構造である請求項9に記載のフォトレジスト用化合物。
 アセタール構造が、フェノール性水酸基とビニルエーテル化合物との反応により形成されたものである請求項10に記載のフォトレジスト用化合物。
 請求項9~11の何れかの項に記載のフォトレジスト用化合物を少なくとも含むフォトレジスト組成物。
 請求項12に記載のフォトレジスト組成物によりレジスト塗膜を形成し、該レジスト塗膜を露光、現像することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
 脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとの酸触媒反応により、脂肪族基と芳香環に水酸基を複数個有する芳香族基とが交互に結合しているフォトレジスト用ポリオール化合物を生成させる工程を含むフォトレジスト用ポリオール化合物の製造方法。
 さらに、脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとの酸触媒反応により生成した脂肪族基と芳香環に水酸基を複数個有する芳香族基とが交互に結合しているフォトレジスト用ポリオール化合物の溶液を、フェノール性水酸基を有する化合物に対する貧溶媒と混合して、疎水性不純物を析出又は層分離させて除去する工程を含む請求項14記載のフォトレジスト用ポリオール化合物の製造方法。
 さらに、疎水性不純物を除去した後の溶液を、フェノール性水酸基を有する化合物に対する貧溶媒と混合して、脂肪族基と芳香環に水酸基を複数個有する芳香族基とが交互に結合しているフォトレジスト用ポリオール化合物を析出又は層分離させる工程を含む請求項15記載のフォトレジスト用ポリオール化合物の製造方法。
 疎水性不純物を析出又は層分離させる際に用いる貧溶媒が、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒、水、又は炭化水素である請求項15又は16記載のフォトレジスト用ポリオール化合物の製造方法。
Description:
フォトレジスト用ポリオール化 物

 本発明は、脂肪族基と芳香環に水酸基を 数個有する芳香族基とが交互に結合した新 なフォトレジスト用ポリオール化合物、該 ォトレジスト用ポリオール化合物のフェノ ル性水酸基が酸脱離性保護基で保護された ォトレジスト用化合物、該フォトレジスト 化合物を含むフォトレジスト組成物、該フ トレジスト組成物を使用したレジストパタ ンの形成方法、及び前記フォトレジスト用 リオール化合物の製造方法に関する。

 近年、半導体素子や液晶表示素子の製造 おいては、リソグラフィー技術の進歩によ 急速にパターンの微細化が進んでいる。微 化の手法としては、一般に、露光光源の短 長化が行われている。具体的には、従来は g線、i線に代表される紫外線が使用されて たが、現在では、KrFエキシマレーザーや、Ar Fエキシマレーザーを使用した半導体素子の 産が開始されている。さらに、最近では、Ar Fエキシマレーザー(193nm)によるリソグラフィ プロセスの次世代技術となるEUV(Extreme Ultrav iolet:極端紫外光、波長約13.5nm)や電子線によ リソグラフィープロセスも提案されている

 微細な寸法のパターンを再現可能な高解 性の条件を満たすレジスト材料の一つとし 、膜形成能を有し、酸の作用によりアルカ 可溶性に変化する基材成分と、露光により を発生する酸発生剤成分とを含有する化学 幅型レジストが知られている。

 そして、このようなレジスト材料を使用 てパターンを形成した場合、パターンの上 や側壁の表面に荒れが生じる問題がある。 のような荒れは、従来はあまり問題となっ いなかったが、近年、半導体素子などの急 な微細化に伴い、一層の高解像度、例えば 寸法幅22nm程度の解像度が求められており、 それに伴って、荒れが深刻な問題となってき ている。例えば、ラインパターンを形成する 場合、パターン側壁表面の荒れ、すなわちLER (Line Edge Roughness)により、形成される線幅に らつきが生じるが、その線幅のばらつきは 法幅の10%程度以下とすることが望まれてお 、パターン寸法が小さいほど、LERの影響は きい。しかしながら、一般的に使用されて るポリマーは一分子当たりの平均粒径が数n mと大きく、LERを低減することが困難であっ 。

 一分子当たりの平均粒径を小さくしてLER 低減した例としては、例えば、特許文献1に 記載されている、多価フェノール化合物と露 光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有 するレジスト組成物が挙げられる。しかしな がら、このレジスト組成物は、解像性及び耐 エッチング性の点で必ずしも満足できるもの ではなかった。すなわち、LERを低減すること が可能で、且つ、解像性、耐エッチング性に 優れるレジスト組成物が見出されていないの が現状である。

特開2006-78744号公報

 従って、本発明の目的は、LERを低減するこ ができ、且つ、解像性及び耐エッチング性 優れる新規なフォトレジスト用ポリオール 合物を提供することにある。
 本発明の他の目的は、上記フォトレジスト ポリオール化合物の水酸基が酸脱離性保護 で保護されたフォトレジスト用化合物、該 ォトレジスト用化合物を含むフォトレジス 組成物、該フォトレジスト組成物を使用し レジストパターンの形成方法、及び前記フ トレジスト用ポリオール化合物の効率的な 造方法を提供することにある。

 本発明者等は、上記課題を解決するため 意検討した結果、脂肪族基と芳香環に水酸 を複数個有する芳香族基とが交互に結合し いるポリオール化合物は、該ポリオール化 物のフェノール性水酸基の一部又は全部を 酸を作用させることにより脱離する保護基 保護し、フォトレジスト用組成物の基剤と て使用すると、LERを低減することができ、 つ、優れた解像性、及び耐エッチング性を 現できることを見出した。本発明はこれら 知見に基づき、さらに研究を重ねて完成し ものである。

 すなわち、本発明は、脂肪族基と芳香環 水酸基を複数個有する芳香族基とが交互に 合しているフォトレジスト用ポリオール化 物を提供する。

 前記フォトレジスト用ポリオール化合物 、脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールと 酸触媒反応により得られるものであること 好ましく、なかでも、Friedel-Crafts反応によ 得られるものであることが好ましい。

 脂肪族ポリオールとしては、脂環式ポリ ールが好ましく、なかでも、アダマンタン の3級位に2個以上の水酸基が結合したアダ ンタンポリオールが好ましい。

 芳香族ポリオールとしては、ヒドロキノ 、若しくはナフタレンポリオールが好まし 。

 フォトレジスト用ポリオール化合物の重 平均分子量としては、500~5000が好ましい。

 本発明は、また、上記フォトレジスト用 リオール化合物のフェノール性水酸基の一 又は全部が、酸を作用させることにより脱 する保護基で保護されているフォトレジス 用化合物を提供する。

 フォトレジスト用ポリオール化合物のフ ノール性水酸基が酸を作用させることによ 脱離する保護基で保護された構造は、アセ ール構造であることが好ましく、フェノー 性水酸基とビニルエーテル化合物との反応 より形成されたものであることが好ましい

 本発明は、さらに、上記フォトレジスト 化合物を少なくとも含むフォトレジスト組 物を提供する。

 本発明は、さらにまた、上記フォトレジ ト組成物によりレジスト塗膜を形成し、該 ジスト塗膜を露光、現像することを特徴と るレジストパターンの形成方法を提供する

 本発明は、また、脂肪族ポリオールと芳 族ポリオールとの酸触媒反応により、脂肪 基と芳香環に水酸基を複数個有する芳香族 とが交互に結合しているフォトレジスト用 リオール化合物を生成させる工程を含むフ トレジスト用ポリオール化合物の製造方法 提供する。

 この製造方法においては、さらに、脂肪 ポリオールと芳香族ポリオールとの酸触媒 応により生成した脂肪族基と芳香環に水酸 を複数個有する芳香族基とが交互に結合し いるフォトレジスト用ポリオール化合物の 液を、フェノール性水酸基を有する化合物 対する貧溶媒と混合して、疎水性不純物を 出又は層分離させて除去する工程を含んで てもよい。

 また、さらに、疎水性不純物を除去した の溶液を、フェノール性水酸基を有する化 物に対する貧溶媒と混合して、脂肪族基と 香環に水酸基を複数個有する芳香族基とが 互に結合しているフォトレジスト用ポリオ ル化合物を析出又は層分離させる工程を含 でいてもよい。

 疎水性不純物を析出又は層分離させる際 用いる貧溶媒として、水と水溶性有機溶媒 の混合溶媒、水、又は炭化水素を使用でき 。

 本発明のフォトレジスト用ポリオール化 物は、脂肪族基と芳香環に水酸基を複数個 する芳香族基とが交互に結合しているフォ レジスト用ポリオール化合物であるため、 フォトレジスト用ポリオール化合物のフェ ール性水酸基を、酸を作用させることで脱 する保護基で保護することにより得られる ォトレジスト用化合物を、フォトレジスト 成物として使用すると、LERを低減すること でき、解像性、耐エッチング性に優れ、微 で鮮明なレジストパターンを形成すること できる。

 [フォトレジスト用ポリオール化合物]
 本発明に係るフォトレジスト用ポリオール 合物は、脂肪族基と芳香環に水酸基を複数 有する芳香族基とが交互に結合しているこ を特徴とする。

 また、本発明に係るフォトレジスト用ポ オール化合物は、脂肪族基と芳香環に水酸 を複数個有する芳香族基とが交互に結合し 構造を有し、例えば、1つの脂肪族基と1つ 芳香族基とが結合した単位(繰り返し単位)を 1つ有するフォトレジスト用ポリオール化合 (例えば、1つの脂肪族基に1又は2以上の芳香 基が結合した化合物、1つの芳香族基に2以 の脂肪族基が結合した化合物)、繰り返し単 を2以上有するフォトレジスト用ポリオール 化合物、又はこれらの混合物であってもよい 。

 フォトレジスト用ポリオール化合物は、 々の方法で製造することができ、例えば、 肪族ポリオールと芳香族ポリオールとを酸 媒反応させる方法、脂肪族多価ハロゲン化 と芳香族ポリオールとを酸触媒反応させる 法、フェノールとホルムアルデヒドとを酸 媒反応若しくはアルカリ触媒反応させる方 等が挙げられる。本発明においては、なか も、脂肪族ポリオールと芳香族ポリオール を酸触媒反応させることにより合成するこ が好ましい。

 本発明における脂肪族ポリオールと芳香 ポリオールとの酸触媒反応としては、Friedel -Crafts反応を好適に使用することができる。

 (脂肪族ポリオール)
 本発明における脂肪族ポリオールは、脂肪 炭化水素基に複数個の水酸基が結合してい 化合物であり、下記式(1)
  R-(OH) n1      (1)
(式中、Rは脂肪族炭化水素基を示し、n1は2以 の整数を示す)
で表される。

 式(1)中のRとしては、例えば、鎖状脂肪族 炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこ れらの結合した基が含まれる。鎖状脂肪族炭 化水素基としては、例えば、メチル、エチル 、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ チル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキ ル、デシル、ドデシル基などの炭素数1~20(好 ましくは1~10、さらに好ましくは1~3)程度のア キル基;ビニル、アリル、1-ブテニル基など 炭素数2~20(好ましくは2~10、さらに好ましく 2~3)程度のアルケニル基;エチニル、プロピ ル基などの炭素数2~20(好ましくは2~10、さら 好ましくは2~3)程度のアルキニル基などが挙 られる。

 環状脂肪族炭化水素基としては、シクロプ ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ ロヘキシル、シクロオクチル基などの3~20員 (好ましくは3~15員、さらに好ましくは5~8員)程 度のシクロアルキル基;シクロペンテニル、 クロへキセニル基などの3~20員(好ましくは3~1 5員、さらに好ましくは5~8員)程度のシクロア ケニル基;パーヒドロナフタレン-1-イル基、 ノルボルニル、アダマンチル、テトラシクロ [4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカン-3-イル基などの橋かけ環式炭化水 基などが挙げられる。

 鎖状脂肪族炭化水素基と環状脂肪族炭化水 基とが結合した炭化水素基には、シクロペ チルメチル、シクロヘキシルメチル、2-シ ロヘキシルエチル基などのシクロアルキル- ルキル基(例えば、C 3-20 シクロアルキル-C 1-4 アルキル基など)などが含まれる。

 上記炭化水素基は、種々の置換基、例え 、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル 、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、ア リールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシ ルオキシ基など)、カルボキシル基、置換オ シカルボニル基(アルコキシカルボニル基、 リールオキシカルボニル基、アラルキルオ シカルボニル基など)、置換又は無置換カル バモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は 無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基など を有していてもよい。前記ヒドロキシル基や カルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保 護基で保護されていてもよい。

 本発明における脂肪族ポリオールとしては 耐エッチング性を向上させることができる で脂環式ポリオールが好ましい。脂環式ポ オールは、脂環式骨格を有する化合物であ 、水酸基は脂環式骨格に直接結合していて よく、連結基を介して結合していてもよい 連結基としては、アルキレン基(C 1-6 アルキレン基等)、又は該アルキレン基の1又 2以上と、-O-、-C(=O)-、-NH-、-S-から選択され 少なくとも1つの基が結合した基等が挙げら れる。

 脂環式ポリオールとしては、シクロヘキ ンジオール、シクロヘキサントリオール、 クロヘキサンジメタノール、イソプロピリ ンジシクロヘキサノール、デカリンジオー 、トリシクロデカンジメタノールなどの脂 式ポリオール;式(1)におけるRが、下記式(2a)~ (2j)から選ばれる環、又はこれらが2以上結合 た環であり、該Rに2個以上の水酸基が結合 た有橋脂環式ポリオールが挙げられる。

 本発明における脂肪族ポリオールとして 、なかでも、有橋脂環式ポリオールが好ま く、特に耐エッチング性に優れる点で、ア マンタン環(2a)の3級位に2個以上の水酸基が 合したアダマンタンポリオールが好ましい

 (芳香族ポリオール)
 本発明における芳香族ポリオールは、芳香 を少なくとも1つ有しており、複数個の水酸 基が芳香環に結合している化合物であり、下 記式(3)
  R’-(OH) n2      (3)
(式中、R’は芳香族炭化水素基を示し、n2は2 上の整数を示す)
で表される。R’に芳香環を複数個有する場 は、複数個の水酸基は同一の芳香環に結合 ていてもよく、異なる芳香環に結合してい もよい。

 式(3)中のR’としては、例えば、芳香族炭 化水素基及び、芳香族炭化水素基に鎖状脂肪 族炭化水素基及び/又は環状脂肪族炭化水素 が結合した基が含まれる。芳香族炭化水素 としては、フェニル、ナフチル基などの炭 数6~14(好ましくは6~10)程度の芳香族炭化水素 が挙げられる。鎖状脂肪族炭化水素基、及 環状脂肪族炭化水素基の例としては、上記R における鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族 炭化水素基の例と同様の例を挙げることがで きる。

 鎖状脂肪族炭化水素基が芳香族炭化水素基 結合した基には、アルキル置換アリール基( 例えば、1~4個程度のC 1-4 アルキル基が置換したフェニル基又はナフチ ル基など)などが含まれる。

 上記芳香族炭化水素基は、種々の置換基 例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロ シル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ 基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基 、アシルオキシ基など)、カルボキシル基、 換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニ 基、アリールオキシカルボニル基、アラル ルオキシカルボニル基など)、置換又は無置 換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置 換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式 基などを有していてもよい。前記ヒドロキシ ル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣 用の保護基で保護されていてもよい。また、 芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳 香属性の複素環が縮合していてもよい。

 本発明における芳香族ポリオールとして 、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール 1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロ シナフタレンなどのナフタレンポリオール ビフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル) タン、ビスフェノールA、1,1,1-(4-ヒドロキシ フェニル)エタンなどを挙げることができる 本発明においては、入手が容易な点で、ヒ ロキノン、ナフタレンポリオールを好適に 用することができる。

 酸触媒反応に使用する酸触媒としては、 えば、塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩 スズ(IV)、塩化亜鉛(II)などのLewis酸;HF、硫酸 p-トルエンスルホン酸、リン酸などのプロ ン酸等が挙げられる。これらは、単独で、 は2種以上を混合して使用することができる 半導体製造等に使用する場合は、金属成分 混入が忌避されることから、硫酸、p-トル ンスルホン酸のような有機酸を使用するこ が好ましい。酸触媒の使用量は、例えば、 肪族ポリオール1モルに対して、0.01~10モル、 好ましくは0.1~5モル程度である。

 また、酸触媒反応は、反応に不活性な溶 の存在下又は溶媒非存在下で行われる。前 溶媒として、例えば、ヘキサン、シクロヘ サン、トルエンなどの炭化水素;塩化メチレ ン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四 化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化 化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタ 、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの 状又は環状エーテル;アセトニトリル、ベン ゾニトリルなどのニトリル;酢酸エチル、酢 n-ブチルなどのエステル;酢酸などのカルボ 酸;N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド; セトン、メチルエチルケトンなどのケトン; トロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ 合物;これらの混合物などが挙げられる。

 酸触媒反応における反応温度は、反応成 の種類等に応じて適宜選択できる。例えば 脂肪族ポリオールとして、1,3,5-アダマンタ トリオールを用い、芳香族ポリオールとし ヒドロキノンを用いる場合には、反応温度 、例えば、室温(25℃)~200℃、好ましくは50~15 0℃程度である。反応は、回分式、半回分式 連続式等の何れの方式で行ってもよい。

 芳香族ポリオールの使用量は、一般に、 肪族ポリオール1モルに対して、1.0~100モル 好ましくは3.0~50モル、さらに好ましくは5.0~2 0モル程度である。芳香族ポリオールを大過 量用いてもよい。

 上記反応により、対応するフォトレジス 用ポリオール化合物が生成する。反応終了 、反応生成物は、例えば、液性調整、濾過 濃縮、晶析、洗浄、再結晶、カラムクロマ グラフィー等の一般的な分離精製手段によ 分離精製できる。晶析溶媒としては、製造 れたフォトレジスト用ポリオール化合物が 解しない溶媒であればよく、例えば、ヘキ ン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化 素を挙げることができる。本発明において 、なかでも、残存する原料脂肪族ポリオー 及び芳香族ポリオールを容易に除去するこ ができ、精製効率が向上する点で、製造さ たフォトレジスト用ポリオール化合物が溶 しない溶媒と、原料脂肪族ポリオール及び 香族ポリオールが溶解する溶媒(例えば、テ トラヒドロフランなどのエーテル;アセトン 2-ブタノンのようなケトン;酢酸エチルなど エステル;メタノール、エタノールなどのア コールなど)との混合溶媒が好ましい。混合 溶媒の混合割合としては、適宜調整すること ができる。なお、本明細書では、晶析(析出) 沈殿をも含む意味に用いる。

 なお、上記の反応生成物中には、アルカ 現像液に不溶な成分を含んでいる場合が多 。このような成分には、(i)分子量が2000を超 える比較的高分子量の成分、(ii)分子量が1000~ 2000であっても、フォトレジスト用ポリオー 化合物中のフェノール性水酸基が反応中に 媒等とのエステル交換反応などにより封止 れた化合物などがある。アルカリ現像液に 溶な成分を含有するフォトレジスト用ポリ ール化合物をレジスト用途に使用すると、 ターン形成時のラフネスに悪影響を及ぼし り、現像時に粒子が発生し、それが異物と てパターンに残るおそれがある。このよう 場合には、前記フォトレジスト用ポリオー 化合物が溶媒に溶解した溶液を、フェノー 性水酸基を有する化合物に対する貧溶媒と 合して、疎水性不純物を析出又は層分離(液 物として分離)させて除去する工程を設ける のが好ましい。この工程を設けると、上記成 分を効率よく除去できるため、LERを低減でき 、解像性及び耐エッチング性に優れるレジス ト組成物を調製する上で有用なフォトレジス ト用ポリオール化合物を、高い純度で効率よ く製造することができる。

 フォトレジスト用ポリオール化合物の溶 に用いる溶媒としては、例えば、テトラヒ ロフラン等のエーテル;アセトン、2-ブタノ 等のケトン;酢酸エチル、酢酸n-ブチル等の ステル;メタノール、エタノール等のアルコ ールなどが挙げられる。これらの溶媒は単独 で又は2種以上混合して用いることができる 疎水性不純物の除去操作に供するフォトレ スト用ポリオール化合物の溶液としては、 触媒反応で得られた反応液であってもよく この反応液に対して、希釈、濃縮、濾過、 性調節、溶媒交換等の操作を施して得られ 溶液等のいずれであってもよい。

 疎水性不純物の除去操作に供するフォト ジスト用ポリオール化合物を含む溶液中の フォトレジスト用ポリオール化合物の含有 は、例えば1~40重量%、好ましくは3~30重量%で ある。

 前記フェノール性水酸基を有する化合物 対する貧溶媒としては、例えば、フェノー の溶解度(25℃)が1g/100g以下であるような溶 が挙げられる。前記フェノール性水酸基を する化合物に対する貧溶媒の具体例として 例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭 水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素 の炭化水素;水と水溶性有機溶媒(例えば、メ タノール、エタノール等のアルコール;アセ ン等のケトン;アセトニトリル等のニトリル; テトラヒドロフラン等の環状エーテルなど) の混合溶媒;水などが挙げられる。これらの 媒は単独で又は2種以上混合して用いること ができる。前記貧溶媒の使用量は、フォトレ ジスト用ポリオール化合物を含む溶液100重量 部に対して、例えば1~55重量部、好ましくは5~ 50重量部である。

 フォトレジスト用ポリオール化合物の溶 と前記貧溶媒とを混合する際、フォトレジ ト用ポリオール化合物の溶液に前記貧溶媒 加えてもよく、貧溶媒にフォトレジスト用 リオール化合物の溶液を加えてもよいが、 ォトレジスト用ポリオール化合物の溶液に 記貧溶媒を加える方がより好ましい。

 析出又は層分離した疎水性不純物は、濾 、遠心分離、デカンテーション等の方法に り除去できる。その後、さらに、疎水性不 物を除去した後の溶液を、前記フェノール 水酸基を有する化合物に対する貧溶媒と混 することにより、前記フォトレジスト用ポ オール化合物を析出又は層分離させること できる。この場合、疎水性不純物を除去し 後の溶液に前記貧溶媒を加えてもよく、貧 媒に疎水性不純物を除去した後の溶液を加 てもよいが、貧溶媒に疎水性不純物を除去 た後の溶液を加える方がより好ましい。こ 工程での前記貧溶媒の量は、疎水性不純物 除去した後の溶液(フォトレジスト用ポリオ ール化合物を含む溶液)100重量部に対して、 えば60~1000重量部、好ましくは65~800重量部で る。

 析出又は層分離したフォトレジスト用ポ オール化合物は濾過、遠心分離、デカンテ ション等により回収することができる。な 、疎水性不純物を析出又は層分離させる際 用いる貧溶媒と、目的のフォトレジスト用 リオール化合物を析出又は層分離させる際 用いる貧溶媒とは、同一であっても異なっ いてもよい。得られたフォトレジスト用ポ オール化合物は、必要に応じて乾燥に付さ る。

 本発明に係るフォトレジスト用ポリオー 化合物の重量平均分子量(Mw)としては、500~50 00程度であり、好ましくは、1000~3000程度、さ に好ましくは、1000~2000程度である。フォト ジスト用ポリオール化合物の重量平均分子 が5000を上回ると、該フォトレジスト用ポリ オール化合物の粒径が大きくなりすぎるため 、LERを低減することが困難となる傾向がある 。一方、フォトレジスト用ポリオール化合物 の重量平均分子量が500を下回ると、耐熱性が 低下する傾向がある。分子量分布(Mw/Mn)は、 えば1.0~2.5程度である。なお、前記Mnは数平 分子量を示し、Mn、Mwともに標準ポリスチレ 換算の値である。

 本発明に係るフォトレジスト用ポリオー 化合物としては、例えば、下記式(4a)~(4c)に 載の化合物を挙げることができる。式中、s 、t、uは同一又は異なって、0以上の整数を示 す。「・・・」は、「アダマンタン環-ヒド キノン」の繰り返し単位がさらに繰り返さ ていてもよく、ここで終了していてもよい とを示す。

 [フォトレジスト用化合物]
 本発明に係るフォトレジスト用化合物は、 記フォトレジスト用ポリオール化合物のフ ノール性水酸基の一部又は全部が、酸を作 させることにより脱離する保護基で保護さ ていることを特徴とする。フェノール性水 基を有する本発明に係るフォトレジスト用 リオール化合物は、アルカリ現像液に対し 可溶であり、酸を作用させることにより脱 する保護基でフェノール性水酸基を保護す ことにより、ポジ型フォトレジスト用組成 の基剤として好適に使用することができる

 上記フォトレジスト用ポリオール化合物 フェノール性水酸基の一部又は全部が、酸 作用させることにより脱離する保護基で保 されている構造としては、例えば、3級エス テル、ホルマール、アセタール、ケタール、 カーボネート構造などを挙げることができる 。本発明においては、なかでも、高感度であ る点で、フォトレジスト用ポリオール化合物 のフェノール性水酸基が酸を作用させること により脱離する保護基で保護された構造がア セタール構造であることが好ましい。

 アセタール構造は、特に限定されること く種々の方法により形成することができ、 えば、フォトレジスト用ポリオール化合物 フェノール性水酸基に1-ハロゲン化エチル ーテル化合物を反応させる方法、フォトレ スト用ポリオール化合物のフェノール性水 基にビニルエーテル化合物を反応させる方 などを挙げることができる。本発明におい は、利用することができるビニルエーテル 合物の種類が豊富な点で、フォトレジスト ポリオール化合物のフェノール性水酸基に ビニルエーテル化合物を反応させる方法を 適に使用することができる。

 上記ビニルエーテル化合物は、アルカリ 像液への溶解を抑止するための保護基を形 するために使用されるものであるから、非 性アルキルビニルエーテル化合物、非極性 香族ビニルエーテル化合物を使用すること 好ましい。

 また、非極性ビニルエーテル化合物によ フォトレジスト用ポリオール化合物の全て フェノール性水酸基を保護すると、フォト ジスト用化合物全体が疎水性となり、基材 の密着性、アルカリ現像液の濡れ性が低下 る傾向があるため、フェノール性水酸基の 護率を一定の値に調整するか、若しくは、 性官能基を有するビニルエーテル化合物を 用することが好ましい。前記極性官能基と ては、例えば、エーテル結合、ケトン結合 エステル結合などが挙げられるが、これら 限定されることはない。

 さらに、ビニルエーテル化合物には、電 吸引性基を有することが好ましい。電子吸 性基としては、例えば、カルボニル基、ト フルオロメチル基、シアノ基等が挙げられ 。電子吸引性基を有することにより、酸脱 能が適度に抑制されフォトレジスト用化合 の保存安定性を向上することができる。

 さらにまた、EUV露光においては、アウト スによる装置の汚染が懸念されており、ア トガス抑制の点から、一定量以上の分子量 有するビニルエーテル化合物を使用するこ が好ましく、例えば、分子量100~500程度であ る。ビニルエーテル化合物の分子量が小さす ぎると、EUV露光により生成するアウトガスに よる光学系汚染リスクが高まる傾向がある。 一方、ビニルエーテル化合物の分子量が大き すぎると、粘度が高くなりすぎ、基材又は基 板への塗布が困難となる傾向があり、また、 現像後にビニルエーテル化合物が残渣として 基材又は基板に残り、現像欠陥を引き起こす 原因となる恐れがある。ビニルエーテル化合 物は、例えば、イリジウム触媒の存在下、ア ルコールに酢酸ビニルを反応させることによ り合成することができる。

 本発明において使用するビニルエーテル化 物としては、例えば、下記式(5a)~(5m)で表さ るモノビニルエーテル化合物を挙げること できる。

 本発明のフォトレジスト用ポリオール化 物は、フェノール性水酸基を多数有するた 、該フォトレジスト用ポリオール化合物の ェノール性水酸基を、酸を作用させること より脱離する保護基で保護したフォトレジ ト用化合物をフォトレジスト組成物として 用すると、解像性、耐エッチング性に優れ 。また、レジストパターンのLERを低減する とができ、種々の分野における高機能性ポ マーとして使用できる。

 [フォトレジスト組成物]
 本発明のフォトレジスト組成物は、本発明 係る上記フォトレジスト用ポリオール化合 のフェノール性水酸基の一部又は全部が、 を作用させることにより脱離する保護基で 護されているフォトレジスト用化合物を少 くとも含有する。フォトレジスト組成物は その他に、光酸発生剤、レジスト用溶剤等 含有していることが好ましい。

 光酸発生剤としては、露光により効率よ 酸を生成する慣用乃至公知の化合物、例え 、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(例えば 、ジフェニルヨードヘキサフルオロホスフェ ートなど)、スルホニウム塩(例えば、トリフ ニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモ ート、トリフェニルスルホニウムヘキサフ オロホスフェート、トリフェニルスルホニ ムメタンスルホネート、トリフェニルスル ニウムトリフルオロメタンスルホナートな )、スルホン酸エステル[例えば、1-フェニル -1-(4-メチルフェニル)スルホニルオキシ-1-ベ ゾイルメタン、1,2,3-トリスルホニルオキシ チルベンゼン、1,3-ジニトロ-2-(4-フェニルス ホニルオキシメチル)ベンゼン、1-フェニル- 1-(4-メチルフェニルスルホニルオキシメチル) -1-ヒドロキシ-1-ベンゾイルメタンなど]、オ サチアゾール誘導体、s-トリアジン誘導体、 ジスルホン誘導体(ジフェニルジスルホンな )、イミド化合物、オキシムスルホネート、 アゾナフトキノン、ベンゾイントシレート どを使用できる。これらの光酸発生剤は単 で又は2種以上組み合わせて使用できる。

 光酸発生剤の使用量は、露光により生成 る酸の強度や上記フォトレジスト用化合物 比率などに応じて適宜選択でき、例えば、 ォトレジスト用化合物100重量部に対して0.1~ 30重量部、好ましくは1~25重量部、さらに好ま しくは2~20重量部程度の範囲から選択できる

 レジスト用溶剤としては、例えば、グリ ール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶 、これらの混合溶媒などが挙げられる。こ らのなかでも、プロピレングリコールモノ チルエーテル、プロピレングリコールモノ チルエーテルアセテート、乳酸エチル、メ ルイソブチルケトン、メチルアミルケトン これらの混合液が好ましく、特に、プロピ ングリコールモノメチルエーテルアセテー 単独溶媒、プロピレングリコールモノメチ エーテルアセテートとプロピレングリコー モノメチルエーテルとの混合溶媒、プロピ ングリコールモノメチルエーテルアセテー と乳酸エチルとの混合溶媒などの、少なく もプロピレングリコールモノメチルエーテ アセテートを含む溶媒が好適に用いられる

 フォトレジスト組成物中のフォトレジス 用化合物濃度は、基板又は基材に塗布可能 範囲内の濃度であれば、塗布膜厚に応じて 宜設定することができ、例えば、2~20重量% 度、好ましくは5~15重量%程度である。フォト レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂(例 ば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イ ド樹脂、カルボキシル基含有樹脂など)など アルカリ可溶成分、着色剤(例えば、染料な ど)などを含んでいてもよい。また、本発明 係るフォトレジスト用ポリオール化合物で って、酸脱離性基で保護されていないもの 含有していてもよい。

 [レジストパターンの形成方法]
 本発明に係るレジストパターンの形成方法 、本発明に係るフォトレジスト組成物によ レジスト塗膜を形成し、該レジスト塗膜を 光、現像することを特徴とする。

 レジスト塗膜は、フォトレジスト組成物 基材又は基板上に塗布し、乾燥して得られ 該レジスト塗膜に、所定のマスクを介して 光して潜像パターンを形成し、次いで現像 ることにより、微細なパターンを高い精度 形成できる。

 基材又は基板としては、シリコンウェハ 金属、プラスチック、ガラス、セラミック どが挙げられる。フォトレジスト組成物の 布は、スピンコータ、ディップコータ、ロ ラコータなどの慣用の塗布手段を用いて行 ことができる。レジスト塗膜の厚みは、例 ば0.01~10μm、好ましくは0.03~1μm程度である。

 露光には、種々の波長の光線、例えば、紫 線、X線などが利用でき、半導体レジスト用 では、通常、g線、i線、エキシマレーザー(例 えば、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArClなど)、EUV(Extreme  Ultraviolet:極端紫外光)などが使用される。露 光エネルギーは、例えば1~1000mJ/cm 2 、好ましくは10~500mJ/cm 2 程度である。

 露光により光酸発生剤から酸が発生し、 いて、ポストエクスポジュアベーキング処 (以下、「PEB処理」と称する場合がある)を うことにより、発生した酸が保護基に作用 、フォトレジスト用化合物中の保護基が速 かに脱離して、アルカリ現像液可溶化に寄 するフェノール性水酸基が生成する。その め、アルカリ現像液による現像処理により 所定のパターンを精度よく形成できる。PEB 理の条件としては、例えば、50~180℃の温度 、0.1~10分間程度、好ましくは1~3分程度であ 。

 PEB処理されたレジスト塗膜は、現像液を いて現像処理し、露光部分を除去すること できる。それにより、レジスト塗膜のパタ ニングが行われる。現像方法としては、液 り法、ディッピング法、揺動浸漬法などが げられる。また、現像液としては、アルカ 性水溶液(例えば、0.1~10重量%のテトラメチ アンモニウムヒドロキシド水溶液など)を使 することができる。

 以下、実施例により本発明をより具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例によ 限定されるものではない。

 なお、 1 H―NMR分析、GPC測定は、下記条件の下で行っ 。
  1 H―NMR分析条件
本体:日本電子(株)製、500MHzNMR分析装置
試料濃度:3%(wt/wt)
溶媒:重DMSO
内部標準:TMS
 GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定
カラム:TSKgel SuperHZM-Mを3本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
溶離液流速:0.6mL/min
試料濃度:20mg/mL
注入量:10μL

 実施例1
 ジムロート冷却管、温度計、撹拌子を装備 た200mLの3つ口フラスコに、1,3,5-アダマンタ トリオール2.18g、ヒドロキノン7.82g、p-トル ンスルホン酸13.51g、及び酢酸n-ブチル56.67g 仕込み、よく撹拌した。次に、フラスコ内 窒素置換した後、140℃に加温したオイルバ にフラスコを漬けて、撹拌しながら加熱を 始した。還流状態で2時間加熱し続けた後、 却した。
 冷却した反応液を分液ロートに移し、80gの 留水で洗浄した。さらに、65gの蒸留水で5回 洗浄した。洗浄後の反応液は55.4gであった。 浄後の反応液を500gのn-ヘプタンに注ぐと、 色の粉体が析出した。これを濾過回収して6 0℃で12時間乾燥した結果、5.8gのフォトレジ ト用ポリオール化合物1を得た。得られたフ トレジスト用ポリオール化合物1をGPC測定し た結果、標準ポリスチレン換算の重量平均分 子量は1100、分子量分布は1.69であった。得ら たフォトレジスト用ポリオール化合物1のジ メチルスルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にフェノール性水 基中のH由来のピークが、6~7ppm付近に芳香族 のH由来のピークが、1~3ppm付近にアダマンタ 環のH由来のピークがみられた。

 実施例2
 ジムロート冷却管、温度計、撹拌子を装備 た200mLの3つ口フラスコに、1,3,5-アダマンタ トリオール0.739g、ヒドロキノン3.98g、p-トル エンスルホン酸18.01g、及び酢酸n-ブチル18.01g 仕込み、よく撹拌した。次に、フラスコ内 窒素置換した後、140℃に加温したオイルバ にフラスコを漬けて、撹拌しながら加熱を 始した。還流状態で2時間加熱し続けた後、 冷却した。
 冷却した反応液を分液ロートに移し、20gの 留水で6回洗浄した。洗浄後の反応液は15.6g あった。洗浄後の反応液を100gのn-ヘプタン 注ぐと、橙色の粉体が析出した。これを濾 回収して60℃で12時間乾燥した結果、2.2gの ォトレジスト用ポリオール化合物2を得た。 られたフォトレジスト用ポリオール化合物2 をGPC測定した結果、標準ポリスチレン換算の 重量平均分子量は800、分子量分布は1.26であ た。得られたフォトレジスト用ポリオール 合物2のジメチルスルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にフェノール性水 基中のH由来のピークが、6~7ppm付近に芳香族 のH由来のピークが、1~3ppm付近にアダマンタ 環のH由来のピークがみられた。

 実施例3
 ジムロート冷却管、温度計、撹拌子を装備 た200mLの3つ口フラスコに、1,3,5-アダマンタ トリオール2.18g、ヒドロキノン7.82g、p-トル ンスルホン酸13.51g、及び酢酸n-ブチル56.67g 仕込み、よく撹拌した。次に、フラスコ内 窒素置換した後、100℃に加温したオイルバ にフラスコを漬けて、撹拌しながら加熱を 始した。還流状態で2時間加熱し続けた後、 却した。
 冷却した反応液を分液ロートに移し、80gの 留水で洗浄した。さらに、65gの蒸留水で5回 洗浄した。洗浄後の反応液は55.4gであった。 浄後の反応液を500gのn-ヘプタンに注ぐと、 色の粉体が析出した。これを濾過回収して6 0℃で12時間乾燥した結果、5.2gのフォトレジ ト用ポリオール化合物3を得た。得られたフ トレジスト用ポリオール化合物3をGPC測定し た結果、標準ポリスチレン換算の重量平均分 子量は1310、分子量分布は2.08であった。得ら たフォトレジスト用ポリオール化合物3のジ メチルスルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にフェノール性水 基中のH由来のピークが、6~7ppm付近に芳香族 のH由来のピークが、1~3ppm付近にアダマンタ 環のH由来のピークがみられた。

 実施例4
 20mLのガラスアンプルに、実施例1で得られ フォトレジスト用ポリオール化合物1を0.2g、 p-トルエンスルホン酸0.003g、酢酸n-ブチル1.0g 仕込み、均一な溶液とした。アンプル内を 素置換し、氷冷した。ガラス瓶に5-ビニル キシアダマンタン-2-オン0.6g、酢酸n-ブチル1. 0gを仕込み、均一な溶液とし、ガラス瓶内を 素置換した後、前記ガラスアンプル内に添 し、氷冷しながら、30分間撹拌した。その 、室温(25℃)で2時間撹拌した。その後、30gの メタノールを注ぎ込み、析出する固体を濾過 回収し、30℃で12時間乾燥してフォトレジス 用化合物1-1を0.45g得た。
 得られたフォトレジスト用化合物1-1をGPC測 した結果、標準ポリスチレン換算の重量平 分子量は2050、分子量分布は1.85であった。 られたフォトレジスト用化合物1-1のジメチ スルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にみられたフェノ ル性水酸基中のH由来のピークが消失してい たため、フェノール性水酸基が保護基により 保護されたことが確かめられた。

 実施例5
 5-ビニルオキシアダマンタン-2-オンの代わ に2-(1-アダマンチル)エチルビニルエーテル 使用した以外は実施例4と同様にしてフォト ジスト用化合物1-2を0.40g得た。
 得られたフォトレジスト用化合物1-2をGPC測 した結果、標準ポリスチレン換算の重量平 分子量は1800、分子量分布は1.78であった。 られたフォトレジスト用化合物1-2のジメチ スルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にみられたフェノ ル性水酸基中のH由来のピークが消失してい たため、フェノール性水酸基が保護基により 保護されたことが確かめられた。

 実施例6
 5-ビニルオキシアダマンタン-2-オンの代わ に5-ビニルオキシ-3-オキサトリシクロ[4.2.1.0 4,8 ]ノナン-2-オンを使用した以外は実施例4と同 にしてフォトレジスト用化合物1-3を0.48g得 。
 得られたフォトレジスト用化合物1-3をGPC測 した結果、標準ポリスチレン換算の重量平 分子量は2200、分子量分布は1.82であった。 られたフォトレジスト用化合物1-3のジメチ スルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にみられたフェノ ル性水酸基中のH由来のピークが消失してい たため、フェノール性水酸基が保護基により 保護されたことが確かめられた。

 実施例7
 5-ビニルオキシアダマンタン-2-オンの代わ に1-ビニルオキシ-4-オキサトリシクロ[4.3.1.1 3,8 ]ウンデカン-5-オンを使用した以外は実施例4 同様にしてフォトレジスト用化合物1-4を0.48 g得た。
 得られたフォトレジスト用化合物1-4をGPC測 した結果、標準ポリスチレン換算の重量平 分子量は2500、分子量分布は1.92であった。 られたフォトレジスト用化合物1-4のジメチ スルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にみられたフェノ ル性水酸基中のH由来のピークが消失してい たため、フェノール性水酸基が保護基により 保護されたことが確かめられた。

 実施例8
 ジムロート冷却管、温度計、撹拌子を装備 た200mLの3つ口フラスコに、1,3,5-アダマンタ トリオール5.85g、ヒドロキノン24.18g、p-トル エンスルホン酸15.04g、及び酢酸n-ブチル170.02g を仕込み、よく撹拌した。次に、フラスコ内 を窒素置換した後、140℃に加温したオイルバ スにフラスコを漬けて、撹拌しながら加熱を 開始した。還流状態で1時間加熱し続けた後 冷却した。
 冷却した反応液を分液ロートに移し、100gの 蒸留水で洗浄した。さらに、100gの蒸留水で5 洗浄した。洗浄後の反応液は181.4gであった 洗浄後の反応液に116.6gのn-ヘプタンを注ぐ 、橙色の液状物が層分離して沈降した。沈 物を分液ロートで除去して、得られた上層 さらに207.9gのヘプタンに添加すると微黄色 液状物が沈降した。これを分液して45℃で8 間乾燥した結果、16.5gのフォトレジスト用ポ リオール化合物4を得た。得られたフォトレ スト用ポリオール化合物4をGPC測定した結果 標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は1 000、分子量分布は1.13であった。

 実施例9
 100mLのナス型フラスコに、実施例8で得られ フォトレジスト用ポリオール化合物4を0.3g p-トルエンスルホン酸0.005g、酢酸n-ブチル12.0 gを仕込み、均一な溶液とした。フラスコ内 窒素置換した。ガラス瓶にシクロへキサン ニルエーテル0.5g、酢酸n-ブチル6.0gを仕込み 均一な溶液とし、ガラス瓶内を窒素置換し 後、前記ナス型フラスコ内に添加し、室温( 25℃)で1時間撹拌した。その後、100gのメタノ ル/水=3/1(重量)に注ぎ込み、析出する固体を 濾過回収し、30℃で12時間乾燥してフォトレ スト用化合物4-1を0.38g得た。
 得られたフォトレジスト用化合物4-1をGPC測 した結果、標準ポリスチレン換算の重量平 分子量は1239、分子量分布は1.09であった。 られたフォトレジスト用化合物1-1のジメチ スルホキシド-d6中での 1 H-NMR測定の結果、8~9ppm付近にみられたフェノ ル性水酸基中のH由来のピークが消失してい たため、フェノール性水酸基が保護基により 保護されたことが確かめられた。

 評価試験
 実施例4~7、9で得られたフォトレジスト用化 合物1-1~1-4について、下記方法により評価を った。
 フォトレジスト用化合物100重量部、トリフ ニルスルホニウムトリフルオロメタンスル ナート5重量部、及びプロピレングリコール モノメチルエーテルアセテートを混合し、フ ォトレジスト用化合物濃度15重量%のフォトレ ジスト組成物を得た。
 得られたフォトレジスト組成物をシリコン ェハ上にスピンコーティング法により塗布 、厚み500nmのレジスト塗膜を形成し、ホッ プレートにより温度100℃で120秒間プレベー した。KrFエキシマレーザーを使用して、マ クを介して、照射量30mJ/cm 2 で露光した後、温度100℃で60秒間PEB処理を施 、次いで、2.38%テトラメチルアンモニウム ドロキシド水溶液により60秒間現像し、純水 で洗い流したところ、何れの場合も、幅0.30μ mのライン・アンド・スペースパターンが得 れた。

 本発明のフォトレジスト用ポリオール化 物のフェノール性水酸基を、酸を作用させ ことで脱離する保護基で保護することによ 、フォトレジスト用化合物が得られる。こ 化合物を含むフォトレジスト組成物によれ 、LERを低減することができ、解像性、耐エ チング性に優れ、微細で鮮明なレジストパ ーンを形成することができる。




 
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