Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR MANUFACTURING OPHTHALMIC LENS AND APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078395
Kind Code:
A1
Abstract:
A mold forming apparatus for ophthalmic lens with novel structure that attains high-precision axial alignment for an anterior surface forming die and a posterior surface forming die and thus excellent machining accuracy. There is provided an apparatus comprising first jig (12) for supporting of anterior surface forming die (16) and second jig (14) for supporting of posterior surface forming die (18) and further comprising, in the first jig (12), receiver member (20) for supporting of the first jig (12) and core adjusting means (28) for permitting relative displacement of the first jig (12) from the receiver member (20) in the direction approximately orthogonal to die matching direction.

Inventors:
TAKAI KAZUTAKA (JP)
YAMADA SEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/325953
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2006
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MENICON CO LTD (JP)
TAKAI KAZUTAKA (JP)
YAMADA SEIJI (JP)
International Classes:
B29C33/30; B29C43/36; G02C7/04; B29L11/00
Foreign References:
JPH0891855A1996-04-09
JP2005138416A2005-06-02
JP2003094458A2003-04-03
Attorney, Agent or Firm:
KASAI, Yoshitaka (Sanyoku-Bldg. 345-5, Kohmei-ch, Tsu-shi Mie 06, JP)
Download PDF:
Claims:
 レンズ前面形状を成形する前面成形型を支持する第一の冶具と、レンズ後面形状を成形する後面成形型を支持する第二の冶具とを備え、それら第一及び第二の冶具を互いに接近せしめて該前面成形型と該後面成形型の間に充填されたレンズ材料を成形する眼用レンズのモールド成形装置において、
 前記第一及び第二の冶具の少なくとも一方において、該冶具を支持する受け部材を設けると共に、該冶具を該受け部材に対して型合わせ方向と略直交する方向へ相対変位可能とする調芯手段を設けたことを特徴とする眼用レンズのモールド成形装置。
 少なくとも3つの球体を前記受け部材に支持せしめられた前記冶具と該受け部材との間に介在せしめて、該球体で該冶具を支持せしめることによって、前記調芯手段を構成した請求項1に記載の眼用レンズのモールド成形装置。
 前記受け部材に支持せしめられた前記冶具を、該受け部材に対して前記前面成形型と前記後面成形型の型合わせ方向に対して傾斜する方向へ相対変位可能とする角度調節手段を設けた請求項1又は2に記載の眼用レンズのモールド成形装置。
 前記第一の冶具及び前記第二の冶具の対が複数設けられていると共に、該第一及び第二の冶具の対における該冶具の少なくとも一方に前記調芯手段が設けられている請求項1乃至3の何れか一項に記載の眼用レンズのモールド成形装置。
 レンズ前面形状を成形する前面成形型を支持する第一の冶具と、レンズ後面形状を成形する後面成形型を支持する第二の冶具とを備え、それら第一及び第二の冶具を互いに接近せしめて該前面成形型と該後面成形型の間に充填されたレンズ材料を成形する眼用レンズの製造方法において、
 前記前面成形型及び前記後面成形型として、互いの中心軸を軸合わせする案内面を有する成形型を用いると共に、前記第二の冶具に対して、前記第一の冶具に接近する方向の押圧力を及ぼしつつ、該第一及び第二の冶具の少なくとも一方を、該前面成形型及び該後面成形型の案内作用を用いて型合わせ方向と略直交する方向へ相対変位せしめることによって、該前面成形型及び該後面成形型を同軸上で型合わせすることを特徴とする眼用レンズの製造方法。
Description:
眼用レンズの製造方法及び装置

 本発明は、コンタクトレンズや眼内レンズ 製造方法に係り、特に、目的とするレンズ モールド成形法によって安定して成形する との出来る製造方法、およびかかる製造方 に用いられるモールド成形装置に関するも である。

 従来から、ソフトタイプやハードタイプ コンタクトレンズ、或いは水晶体嚢内に水 体の代用として挿入される眼内レンズ等(以 下,これらを「眼用レンズ」と総称する)に採 可能な製造方法の一種として、モールド成 法が知られている。かかるモールド成形法 、一般的には、レンズ前面形状を成形する 面成形型と、レンズ後面形状を成形する後 成形型を型合わせして、それら前面成形型 後面成形型の間に充填されたレンズ材料を 形することによって目的とする眼用レンズ 製造するものである。かかるモールド成形 は、他の公知のレンズ成形方法であるレー カット法(切削研磨法)やスピンキャスト法( 心注型法)に比して、目的とする眼用レンズ を低コストで大量生産出来る等の利点を有す る。

 ところで、モールド成形法において、成 不良を回避して、目的とするレンズ形状を 定して得るためには、型合わせに際して前 成形型と後面成形型を高精度に軸合わせす ことが必要とされる。即ち、両型の軸がず た状態で型合わせされると、前面成形型と 面成形型によって形成される成形キャビテ の外周部に隙間が生じて、バリなどの成形 良が問題となった。また、両型の軸がずれ 型合せ状態で成形されると、得られた眼用 ンズの前面と後面の光軸のずれが生じて光 的に問題となる場合もある。更にまた、両 が軸ずれの状態で型合わせされると、両型 の隙間が周方向で不均一となることから、 形キャビティ内の気泡が排出され難くなる そして、型合わせに際してキャビティ内に 留した気泡がレンズ材料中に混入すると、 などの成形不良を生じることとなった。

 そこで、レンズ材料中への気泡の混入を 減乃至は回避するために、例えば特許文献1 (特許第3713945号公報)には、前面成形型と後面 成形型を相対的に回転せしめながら型合わせ することによって、レンズ材料中への気泡の 混入を低減せしめるモールド成形装置が開示 されている。しかし、本特許文献に記載の如 きモールド成形装置では、両型を相対回転せ しめながら接近させることから、両型へ及ぼ される力が大きくなって、型が変形したり、 損傷するおそれがあった。また、両型がそれ ぞれの冶具で支持されていることから、両型 の位置は互いの冶具の位置の機械的精度に大 きく依存する。それと共に、両冶具が相互に 接近/離隔駆動されることも相俟って、両冶 の位置を高精度に設定する必要が生じるが そのような高精度の位置決めは困難であっ 。

 また、特許文献2(特表2004-537440号公報)に 、前面成形型を変位不能に固定した状態で 合わせすることによって、前面成形型の浮 上がりを防止して、気泡の混入を低減する ールド成形装置が開示されている。しかし 本特許文献に記載の如きモールド成形装置 おいても、特許文献1に記載の如きモールド 形装置と同様、両型の位置が両冶具の機械 精度に依存することから、両型を高精度に 置決めすることが困難である。更に、本特 文献における図4および図5に開示されてい ような、多数の型を同時に型合わせする構 において、それぞれの型の全てを同時且つ 精度に位置合わせすることは非常に困難で る。

 そこで、特許文献3(特公平6-45146号公報)に は、後面成形型をその自重によって前面成形 型内へ降下させることによって、互いの型を 軸合わせするモールド成形装置が開示されて いる。しかし、後面成形型に及ぼされる重力 作用のみによって型合わせを行う構造では、 型合わせの状態を高度に制御することは困難 である。確かに、本特許文献には、自重によ る型合わせの後に後面成形型を押圧する旨の 記載があるが、型合わせの初期の状態を高度 に制御することが困難であることから、その 後の押圧を安定して行うことは困難であって 、加工精度にばらつきを生じ易い。

 また、特許文献4(特表2005-511338号公報)に 、後面成形型の上面の中央部分を押圧する 具をばねを介して弾性的に支持せしめて、 具の変位を許容することによって、両型の ずれの吸収を図ったモールド成形装置が開 されている。しかし、後面成形型の中央部 を押圧するのみでは、安定した押圧力を及 すことは困難である。また、単にばねによ て支持せしめたのみでは、軸合わせ方向に する傾き変位が許容されるのみであって、 型の軸ずれに有効に対処することは出来な 。加えて、冶具が傾き変位せしめられると 後面成形型に及ぼされる押圧力がより不安 なものとなるおそれもあった。

 このように、何れのモールド成形装置も 前面成形型と後面成形型の両型の軸ずれの 題を有効に解決し得るものではなく、両型 軸ずれおよびそれに伴う気泡の混入等に起 するレンズ形状の不安定性の問題を有効に 決し得るモールド成形装置は、未だ存しな ったのである。

特許第3713945号公報

特表2004-537440号公報

特公平6-45146号公報

特表2005-511338号公報

 ここにおいて、本発明は上述の如き事情を 景として為されたものであって、その解決 題とするところは、前面成形型と後面成形 を高精度に軸合わせして、優れた加工精度 得ることの出来る、新規な眼用レンズの製 方法、およびそのような製造方法に好適に いられる新規な構造の眼用レンズのモール 成形装置を提供することにある。

 以下、前述の如き課題を解決するために された本発明の態様を記載する。なお、以 に記載の各態様において採用される構成要 は、可能な限り任意の組み合わせで採用可 である。

 すなわち、眼用レンズのモールド成形装 に関する本発明の第一の態様は、レンズ前 形状を成形する前面成形型を支持する第一 冶具と、レンズ後面形状を成形する後面成 型を支持する第二の冶具とを備え、それら 一及び第二の冶具を互いに接近せしめて該 面成形型と該後面成形型の間に充填された ンズ材料を成形する眼用レンズのモールド 形装置において、前記第一及び第二の冶具 少なくとも一方において、該冶具を支持す 受け部材を設けると共に、該冶具を該受け 材に対して型合わせ方向と略直交する方向 相対変位可能とする調芯手段を設けたこと 、特徴とする。

 本態様に従う構造とされた眼用レンズの ールド成形装置においては、前面および後 成形型を支持する両冶具を、型合わせ方向 略直角方向に相対変位せしめることが可能 されている。これにより、型合わせの初期 状態で両冶具に軸ずれが生じていたとして 、両型を接近せしめる過程で互いの冶具お び冶具に支持された型が相対変位せしめら ることによって、軸ずれを有利に解消する とが出来る。従って、両型を高精度に軸合 せした状態で型合わせすることが可能とな て、バリ等の発生を抑えることが出来るこ に加えて、成形品である眼用レンズにおけ 予期しない前後面の光軸のずれが防止され 目的とする光学特性を安定して得ることが 来る。それと共に、型合わせの過程におけ 両型間の隙間を周方向で均一にすることが 来て、何れの方向からも気泡を抜け易くし 、気泡の混入等も有利に軽減することが出 る。その結果、レンズの成形不良を抑えて れた加工精度を得ることが可能になると共 、大量に生産されるレンズの品質安定性を 上せしめることも可能となるのである。そ て、そのような高精度な軸合わせが、互い 冶具が相対変位せしめられて自動的に行わ ることから、互いの冶具の位置を高精度に 定することも不要とされる。それ故、より れた製造効率をもって、優れた加工精度を ることが出来るのである。

 さらに、本態様においては、両型がそれ れの冶具に支持された状態を保ちつつ型合 せされることから、型合わせ工程の全般に って両冶具による押圧力を安定して及ぼす とが出来る。それと共に、両冶具の相対変 は型合わせ方向と略直角の方向とされてい ことから、型合わせ方向の押圧力が冶具の 位で吸収されるようなことも回避されて、 型に有効に押圧力を及ぼすことが可能とさ る。その結果、安定した型合わせを行うこ が可能とされるのである。

 なお、本態様における調芯手段の具体的 構造としては、様々な構造が適宜に採用可 である。例えば、後述するような球体を冶 と受け部材との間に介在せしめても良いし 冶具を空気圧や油圧で受け部材から浮上せ めることによって冶具の受け部材に対する 対変位を許容する等しても良い。或いは、 縮方向への変形を制限しつつ、圧縮方向と 交する方向への変形を許容するウレタン素 等からなるクッション材を冶具と受け部材 の間に介在せしめる等しても良い。また、 芯手段は、第一及び第二の冶具の何れか一 の側に設けても良いし、両方に設けても良 。

 眼用レンズのモールド成形装置に関する 発明の第二の態様は、前記第一の態様に係 眼用レンズのモールド成形装置において、 なくとも3つの球体を前記受け部材に支持せ しめられた前記冶具と該受け部材との間に介 在せしめて、該球体で該冶具を支持せしめる ことによって、前記調芯手段を構成したこと を、特徴とする。

 本態様に従う構造とされた眼用レンズの ールド成形装置においては、冶具が球体と 点接触状態で支持されることによって、軽 力で容易に変位可能とされており、簡易な 成をもって、調芯手段を構成することが出 る。なお、本態様における調芯手段として 、単に3つ以上の球体を、それらの相対位置 が自由に変位可能な状態で冶具と受け部材と の間に介在せしめても良いし、スラスト軸受 における保持器のような部材を用いて、複数 の球体の相対位置を固定した状態で冶具と受 け部材との間に介在せしめる等しても良い。

 眼用レンズのモールド成形装置に関する 発明の第三の態様は、前記第一又は第二の 様に係る眼用レンズのモールド成形装置に いて、前記受け部材に支持せしめられた前 冶具を、該受け部材に対して前記前面成形 と前記後面成形型の型合わせ方向に対して 斜する方向へ相対変位可能とする角度調節 段を設けたことを、特徴とする。

 本態様に従う構造とされた眼用レンズの ールド成形装置においては、冶具を傾斜せ めることが可能となることから、型合わせ 向に対する傾き方向の位置ずれにも有利に 応することが出来る。ここにおいて、角度 節手段の具体的な構造としては、様々な構 が適宜に採用可能である。例えば、前記受 部材に支持せしめられた前記冶具と該受け 材との間に、該冶具を支持する中間部材を けて、該中間部材を該受け部材に対して変 容易なコイルスプリングやゴムなどの弾性 材で支持することによって、該弾性部材を んで角度調節手段を構成すると共に、該中 部材と該冶具との間に調芯手段を設けて、 中間部材によって該冶具を支持せしめる態 などが、好適に採用される。

 眼用レンズのモールド成形装置に関する 発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の れか一つの態様に係る眼用レンズのモール 成形装置において、前記第一の冶具及び前 第二の冶具の対が複数設けられていると共 、該第一及び第二の冶具の対における該冶 の少なくとも一方に前記調芯手段が設けら ていることを、特徴とする。

 本態様に従う構造とされた眼用レンズの ールド成形装置においては、一度の型合わ 工程で、多数のレンズを同時に成形するこ が出来る。そして、特に本態様においては 多数の冶具の対が調芯手段によってそれぞ 自動的に軸合わせされることから、これら 数の冶具のそれぞれの軸位置を調節するこ を不要としつつも、互いの冶具を高精度に 合わせすることが可能となる。従って、よ 優れた製造効率をもって、より優れた品質 レンズを得ることが出来る。

 眼用レンズの製造方法に関する本発明は レンズ前面形状を成形する前面成形型を支 する第一の冶具と、レンズ後面形状を成形 る後面成形型を支持する第二の冶具とを備 、それら第一及び第二の冶具を互いに接近 しめて該前面成形型と該後面成形型の間に 填されたレンズ材料を成形する眼用レンズ 製造方法において、前記前面成形型及び前 後面成形型として、互いの中心軸を軸合わ する案内面を有する成形型を用いると共に 前記第二の冶具に対して、前記第一の冶具 接近する方向の押圧力を及ぼしつつ、該第 及び第二の冶具の少なくとも一方を、該前 成形型及び該後面成形型の案内作用を用い 型合わせ方向と略直交する方向へ相対変位 しめることによって、該前面成形型及び該 面成形型を同軸上で型合わせすることを、 徴とする。

 本発明に従う製造方法によれば、成形型の 内面による案内作用に従って冶具を変位せ めることによって、両型の軸ずれを解消す ことが出来て、両型を高精度に型合わせす ことが出来る。更に、本製造方法において 、第二の冶具に対して押圧力を及ぼしつつ 合わせすると共に、冶具の移動方向が、型 わせ方向と略直交する方向であることから かかる押圧力が冶具の変位で吸収されるよ なことも回避され得て、安定した押圧力を ぼすことが可能となるのである。これによ 、優れた製造効率をもって、優れた品質の ンズを得ることが出来る。

本発明の第一の実施形態としてのモー ド成形装置を示す説明図。 同モールド成形装置の型合わせ前の状 を示す要部拡大説明図。 同モールド成形装置に用いられる成形 の断面図。 同モールド成形装置の作動状態を説明 るための説明図。 同モールド成形装置の型合わせ状態を す要部拡大説明図。 本発明の第二の実施形態としてのモー ド成形装置を示す要部拡大説明図。 本発明の第三の実施形態としてのモー ド成形装置を示す要部拡大説明図。 本発明の第四の実施形態としてのモー ド成形装置を示す要部拡大説明図。

符号の説明

10 モールド成形装置
12 雌型支持部材
14 雄型支持部材
16 雌型
18 雄型
20 下側プレート
22 雌型保持孔
28 ベアリング
30 開口凹所
34 金属球
50 雄型保持孔

 以下、本発明を更に具体的に明らかにす ために、本発明の実施形態について、図面 参照しつつ、詳細に説明する。

 先ず、図1に、本発明の眼用レンズの製造 方法に好適に用いられる、第一の実施形態と しての眼用レンズのモールド成形装置10を示 。なお、本明細書において、眼用レンズと 、ソフトタイプやハードタイプ等のコンタ トレンズ、および水晶体嚢内に水晶体の代 りとして挿入される眼内レンズを含むもの ある。また、以下の説明において、特に断 のない限り、上下方向とは、図1中の上下方 向をいうものとする。

 モールド成形装置10は、第一の冶具とし の雌型支持部材12と、第二の冶具としての雄 型支持部材14の対を複数(本実施形態において は、16個)備えた構造とされており、雌型支持 部材12が、レンズ前面形状を成形する前面成 型としての雌型16を支持する一方、雄型支 部材14が、レンズ後面形状を成形する後面成 形型としての雄型18を支持するようになって る。そして、特に本実施形態においては、 数の雌型支持部材12、12は、略厚板形状を有 する受け部材としての下側プレート20によっ 支持されている。一方、複数の雄型支持部 14、14は、略厚板形状を有する図示しない上 側プレートに支持されている。そして、複数 の雄型支持部材14,14を保持する上側プレート 、下側プレート20に対して接近/離隔駆動せ められることによって、雌型支持部材12に して、雄型支持部材14が接近/離隔駆動され ようになっている。

 図2に、モールド成形装置10に設けられる 対の雌型支持部材12および雄型支持部材14を 示す。なお、前述のように、受け部材として の下側プレート20は、略厚板形状とされてい が、図2および後述する図4、5においては、 側プレート20として、雌型支持部材12の周辺 部分のみを示す。

 雌型支持部材12は、例えば金属などの剛 材から形成されており、雌型16の径寸法より もやや大きな径寸法を有する略円柱形状とさ れている。雌型支持部材12の上面の中央部分 は、上方に開口する雌型保持孔22が形成さ ている。雌型保持孔22の断面形状は、雌型16 外形の断面形状に沿うような形状とされて り、特に本実施形態においては、雌型支持 材12の上面から僅かに窪んだ位置に、径方 内方に突出して軸直角方向に広がる平坦な 一段差面24が形成されると共に、第一段差面 24から軸方向下方に行くに連れて次第に縮径 れた後に、雌型保持孔22の軸方向略中間部 において、径方向内方に突出して軸直角方 に広がる平坦な第二段差面26が形成されてい る。そして、雌型保持孔22の第二段差面26か 下方は、一定の径寸法とされている。

 このような構造とされた雌型支持部材12 、調芯手段としてのベアリング28を介して、 下側プレート20に支持されている。下側プレ ト20には、上面29に開口せしめられた開口凹 所30が形成されている。開口凹所30は、雌型 持部材12の径寸法よりもやや大きな径寸法の 一定の円形断面をもって、下側プレート20の さ方向に延びて形成されている。また、開 凹所30の底面となる支持面32は、開口凹所30 軸方向に対して略直角方向に広がる略平坦 とされている。

 そして、支持面32に、ベアリング28が載置 されている。本実施形態におけるベアリング 28は、所謂スラスト軸受けの軌道盤が取り外 れたような構造とされており、球体として 複数(本実施形態においては、8個)の金属球3 4、34が、保持板36によって保持された構造と れている。より詳細には、金属球34は、金 によって形成された球体とされており、こ ら複数の金属球34、34は、全て同じ径寸法と れている。一方、保持板36は、開口凹所30の 径寸法よりやや小さな外径寸法を有する薄板 円環形状の部材とされている。かかる保持板 36には、金属球34の径寸法より僅かに大きな 寸法をもって厚さ方向に貫通する保持穴38が 、周方向で略等間隔に複数(本実施形態にお ては、8個)形成されている。そして、かかる 保持穴38、38のそれぞれに、金属球34,34が入れ られることによって、複数の金属球34,34が、 形に配列された状態で、保持板36に保持さ るようになっている。これにより、保持板36 および金属球34を含んで、ベアリング28が構 されている。なお、特に本実施形態におい は、支持面32上に、金属球34に沿う形状をも て僅かに窪んだ複数の湾曲凹面40、40が円形 状に配列されて形成されており、かかる湾曲 凹面40、40上に金属球34,34が載置されることに よって、ベアリング28は、支持面32に対して 位不能な状態で載置されている。

 そして、かかるベアリング28上に、雌型 持部材12が載置されている。ここにおいて、 雌型支持部材12は、軸直角方向に広がる平坦 とされた底面42がベアリング28の金属球34,34 よって、点接触状態で支持される。これに り、金属球34,34と底面42との間に生じる摩擦 力が小さくされており、雌型支持部材12は、 側プレート20に対して、小さな力で軸直角 向に容易に変位し得るようにされている。 お、雌型支持部材12に許容される軸直角方向 の変位量は、径方向の両側にそれぞれ略0.4mm より好ましくは略0.2mmの範囲内で設定され ことが好ましい。また、ベアリング28への載 置状態で、雌型支持部材12の上面の高さ位置 、下側プレート20の上面29の高さ位置と等し くなるようにされている。

 このような構造とされた雌型支持部材12 上方には、雄型18を支持する雄型支持部材14 配設されている。雄型支持部材14は、雌型 持部材12の径寸法と略等しい外径寸法を有す る厚肉の円筒形状とされた押圧部44と、押圧 44よりも小さな外径寸法をもって、押圧部44 の同軸上を上方にストレートに延びるシャフ ト部46が一体的に形成された形状とされてい 。そして、押圧部44における底面48の中央部 分には、雄型18の径寸法よりも僅かに大きな 寸法をもって円形に開口する雄型保持孔50 形成されており、かかる雄型保持孔50の底面 が、雄型支持部材14の軸直角方向に広がる平 な支持面52とされている。

 さらに、雄型支持部材14には、中心軸上 延びる負圧吸引孔54が形成されている。負圧 吸引孔54は、一定の円形断面形状をもって雄 支持部材14およびシャフト部46の中心軸上を ストレートに延びて形成されている。そして 、負圧吸引孔54の一方の端部が支持面52の中 に開口せしめられている。更に、負圧吸引 54は、支持面52と反対の端部側において、図 しない負圧源に接続されている。

 このような構造とされた雄型支持部材14 、シャフト部46が、図示しない上側プレート に支持されるようになっており、かかる上側 プレートが、下側プレート20に対して油圧手 や空気圧手段等で接近/離隔駆動せしめられ る。これにより、雄型支持部材14が、雌型支 部材12に対して接近/離隔変位せしめられる うになっている。

 そして、かかる雌型支持部材12によって 雌型16が支持されると共に、雄型支持部材14 よって、雄型18が支持されるようになって る。図3に、本実施形態において好適に用い れる雌型16と、雄型18を示す。

 雌型16は、ポリプロピレン等の適当な合 樹脂材で、射出成形等の従来から公知の樹 成形法で製造されることによって形成され いる。雌型16は、全体として上方に向かって 開口する凹形状を有しており、型中心軸56周 の略回転体形状とされている。より詳細に 、雌型16の中央部分が下方に向かって突出 る球殻状部58とされており、球殻状部58の外 側には段差状部60を介して、上方に向かっ 次第に拡径して延び出すテーパ筒部62が一体 形成されている。更に、テーパ筒部62の上端 口部には、軸直角方向外方に広がる円環板 状のフランジ状部64が一体形成されている

 ここにおいて、球殻状部58には、上方に かって開口せしめられた、軸方向一方(図3中 の上方)の面である凹側表面によって、目的 する眼用レンズのフロントカーブに対応し 凹形成形面66が形成されている。また、段差 状部60は、球殻状部58の外周縁部から軸直角 向外方に僅かに突出してから軸方向上方に 曲して突出する略L字状断面で周方向に延び いる。かかる段差状部60によって、凹形成 面66の外周縁部から軸直角方向外方に広がる 平坦な円環形状を有する環状平坦面68が形成 れている。それと共に、環状平坦面68の外 縁部から略垂直に立ち上がり、軸方向上方 向かって所定の高さ寸法で突出する垂直な 筒形内周面70が形成されている。更に、段差 状部60によって、球殻状部58における軸方向 方(図3中の下方)の面の外周縁部から軸直角 向に広がる平坦な円環形状を有する環状当 面71が形成されている。

 一方、雄型18は、雌型16と同様な合成樹脂 材を用いて、射出成形等の公知の樹脂成形法 によって形成されている。雄型18は、全体と て下方に向かって突出する凸形状を有して り、型中心軸72回りの略回転体形状とされ いる。より詳細には、雄型18の中央部分は下 方に向かって突出する球殻状部74とされてお 、球殻状部74の外周側には段差状部76を介し て、上方に向かって次第に拡径して延び出す テーパ筒部78が一体形成されている。更に、 ーパ筒部78の上端開口部には、軸直角方向 方に広がるフランジ状部80が一体形成されて いる。

 ここにおいて、球殻状部74には、下方に かって突出せしめられた、軸方向一方(図3中 の下方)の面である凸側表面によって、目的 する眼用レンズのベースカーブに対応した 形成形面82が形成されている。また、段差状 部76は、球殻状部74の外周縁部から軸直角方 に僅かに突出してから軸方向上方に屈曲し 突出する略L字形断面で周方向に延びている かかる段差状部76によって、凸形成形面82の 外周縁部から軸直角方向外方に広がる平坦な 円環形状を有する当接平坦面84が形成されて る。それと共に、当接平坦面84の外周縁部 ら略垂直に立ち上がり、軸方向上方に向か て所定の高さ寸法で突出する垂直な円筒形 周面86が形成されている。更に、フランジ状 部80の内周縁部には、下方に向かって突出す 環状の突起が形成されており、かかる突起 下端面が、軸直角方向に広がる平坦なスト パ面88とされている。

 このような構造とされた雌型16と雄型18に おいて、雌型16の環状平坦面68と、雄型18の当 接平坦面84は、それらの内径寸法が略同一と れていると共に、環状平坦面68の外形寸法 、当接平坦面84の略同一か僅かに小さくされ ている。そして、雌型16のテーパ筒部62の開 に対して雄型18の球殻状部74を差し入れて、 型16を雌型18と型合わせする過程において、 雄型16の円筒形外周面86の下端縁部が、雌型18 のテーパ筒部62の内周面89に当接して案内さ て、それぞれの型中心軸56,72を軸合わせした 状態で位置決めされる。更に、最終的には、 図3(b)に示すように、雌型16の円筒形内周面70 対して雄型18の円筒形外周面86が嵌め入れら れると共に、雌型16の環状平坦面68に対して 型18の当接平坦面84が当接せしめられて相互 位置決めされる。これにより、雌型16の凹 成形面66と、雄型18の凸形成形面82の対向面 に、目的とするレンズ形状に対応する成形 ャビティ90が形成されることとなる。

 すなわち、雌雄両型16,18は、テーパ筒部62 の内周面89および円筒形内周面70と円筒形外 面86によって、軸直角方向に案内されて相互 に位置決めされるようになっており、これら 内周面89および円筒形内外周面70,86を含んで 案内面が構成されている。それと共に、雌 両型16,18は、環状平坦面68に対する当接平坦 84の当接で軸方向に位置決めされることに って、成形キャビティ90の形状が確定される ようになっている。なお、雌雄両型16,18の型 わせ状態において、雄型18に形成されたス ッパ面88は、雌型16のフランジ状部64に対し 僅かに離隔して対向位置せしめられており 雌雄両型16,18の必要以上の接近や相対的な傾 きが抑えられるようになっている。

 そして、このような構造とされた雌型16 よび雄型18が、それぞれ、雌型支持部材12お び雄型支持部材14によって支持される。雌 16は、雌型支持部材12に形成された雌型保持 22に対して、球殻状部58が下方に突出せしめ られた状態で差し入れられる。そして、雌型 16のフランジ状部64が、雌型保持孔22の第一段 差面24上に載置されることによって、雌型16 、第一段差面24によって支持される。ここに おいて、雌型16は、略全体が雌型支持部材12 収容状態で嵌め込まれており、上方に向か てテーパ筒部62が開口する状態で支持される ようになっている。なお、雌型16の雌型支持 材12への載置状態において、雌型16の環状当 接面71は、雌型支持部材12の第二段差面26に対 して僅かに離隔した状態で対向位置せしめら れるようになっており、型合わせに際する下 方への必要以上の変位が抑えられるようにな っている。

 一方、雄型18は、球殻状部74を下方に突出 せしめた状態で、雄型支持部材14の雄型保持 50に嵌め入れられて、負圧吸引孔54による負 圧吸引力が及ぼされることによって、フラン ジ状部80が支持面52に重ね合わされた状態で 雄型支持部材14に吸着されて支持されるよう になっている。

 そして、このような構造とされた雌型支 部材12と雄型支持部材14の対が、複数(本実 形態においては、16個)設けられることによ て、モールド成形装置10が構成されている。 特に、本実施形態においては、雌型支持部材 12を支持する下側プレート20は、厚肉の板形 とされており、かかる下側プレート20に、開 口凹所30が8×2列に配列されて形成されている 。そして、それら各開口凹所30、30内に、雌 支持部材12、12がベアリング28、28を介して嵌 め入れられて、下側プレート20によって支持 れている。これにより、各雌型支持部材12,1 2は、それぞれが個別に下側プレート20に対し て軸直角方向に変位可能な状態で下側プレー ト20に支持されている。

 一方、雄型支持部材14は、雌型支持部材12 と対向位置せしめられて配設されており、本 実施形態においては、8×2列に配列された、16 個の雄型支持部材14が設けられている。なお 詳細な図示は省略するが、これら複数の雄 支持部材14,14は、油圧手段や空気圧手段等 よって下側プレート20に対して接近/離隔駆 可能とされた板状の上側プレートに、シャ ト部46、46が支持されることによって一体的 駆動することが可能とされており、複数の 型支持部材14,14が、同時に雌型支持部材12,12 に対して接近/離隔変位せしめられるように っている。

 このようなモールド成形装置10を用いて 的とする眼用レンズをモールド成形する際 は、図4(a)にモデル的に示すように、雌型支 部材12に支持せしめられた雌型16の凹状成形 面66に、目的とする眼用レンズを得るための ンズ材料としての重合性モノマー94を、注 管などを通じて注入する。なお、レンズ材 としての重合性モノマー94としては、コンタ クトレンズや眼内レンズの原料として使用さ れている公知の各種の液状のモノマー組成物 が適宜に採用され得ることとなり、例えば、 一般に、従来から用いられているラジカル重 合可能な化合物の1種もしくは2種以上が配合 れてなるものの他、マクロマーやプレポリ ーから構成されるものであっても、何等差 支えない。また、そのような化合物には、 要に応じて、適当な架橋剤や、重合開始剤 例えば熱重合開始剤、光重合開始剤や増感 などの添加剤が配合されて、液状のモノマ 組成物とされる。本実施形態においては、 合性モノマー94として、光重合開始剤を用 た紫外線照射による光重合のものが好適に 用される。

 次に、雄型支持部材14を、雌型支持部材12 に対して接近せしめる。これにより、雄型18 球殻状部74が、雌型16のテーパ筒部62の開口 に差し入れられる。そして、雄型支持部材1 4に雌型支持部材12への接近方向の押圧力を更 に及ぼして雄型18を雌型16に更に接近せしめ ことによって、雄型18の円筒形外周面86の下 縁部が、雌型16のテーパ筒部62の内周面89に 接せしめられる。ここにおいて、本実施形 におけるモールド成形装置10においては、 型支持部材12が、ベアリング28を介して小さ 力で下側プレート20に対して軸直角方向に 位可能に支持されていることから、雄型16の 雌型18への押し込みによる円筒形外周面86と ーパ筒部62との案内作用によって、雌型支持 部材12が軸直角方向、換言すれば、型合わせ 向に直交する方向に変位せしめられる。こ により、図4(b)にモデル的に示すように、両 型16,18の軸56,72が同軸上に案内されて、雄型18 の円筒形外周面86と雌型16の円筒形内周面70が 嵌め合わされる。

 そして、更に雄型支持部材14に押圧力が ぼされることによって、図4(c)および図5にモ デル的に示すように、雌雄両型16,18が軸合わ されると共に、雄型18の当接平坦面84が、雌 型16の環状平坦面68に当接せしめられた状態 型合わせされる。これにより、雌型16の凹形 成形面66上に注入された重合性モノマー94が 上方から雄型18の凸形成形面82で押し付けら て押し広げられて、雌型16の凹形成形面66と 雄型18の凸形成形面82の対向面間に形成され 成形キャビティ90に充填せしめられる。

 続いて、型合わせ状態に保持された雌雄 型16,18の成形キャビティ90内に充填された重 合性モノマー94に対して、図示しない紫外線 射装置等によって、UV光を所定時間照射し 重合処理を施す。なお、本実施形態のよう 、紫外線等の光重合性のモノマーを採用す 場合には、雌雄両型16,18は光線透過性の材料 によって形成される。そして、重合処理の後 に、雄型支持部材14を雌型支持部材12から離 する方向(図4中、上方)へ変位せしめて、雄 18を雌型16から型開きして、形成された眼用 ンズを離型することにより、成形キャビテ 90の形状に対応した、目的とする形状の眼 レンズを得ることが出来る。

 このような構造とされた眼用レンズのモ ルド成形装置10においては、雌型支持部材12 が軸直角方向に変位可能とされていることか ら、型合わせの初期状態において雌型16と雄 18との間に多少の軸ずれが生じている場合 も、雌雄両型16,18を型合わせしてゆく過程に おいて、雌型16を雄型18に対して軸直角方向 変位せしめることが可能とされる。これに り、両型16,18を高精度に軸合わせした状態で 型合わせすることが可能とされる。その結果 、雌型16の凹形成形面66上に注入された重合 モノマー94を、雄型18の凸形成形面82によっ 周方向に均一且つ円滑に押し広げることが 能とされおり、成形キャビティ90内に速やか に且つ安定して充填することが可能とされる 。それと共に、型合わせの過程における両型 16,18間の隙間を周方向で均一にすることによ て、重合性モノマー94内に生じる気泡を何 の方向からも抜け易くすることが出来て、 泡の混入を有利に軽減することが出来る。 に、両型16,18が高精度に軸合わせされた状態 で型合わせされることによって、成形キャビ ティ90が高精度に画成されて、成形キャビテ 90の外周縁部に形成された型合わせ部位で 樹脂材の食い切りが良好となり、バリ等の 形不良も抑えられて、目的とする眼内レン を優れた寸法精度と安定性をもって製造す ことが可能となるのである。

 更にまた、本実施形態においては、雌型1 6および雄型18として、これらを互いに軸合わ せする案内面としてのテーパ筒部62の内周面8 9、円筒形内周面70、および円筒形外周面86を する型を用いている。これにより、両型16,1 8の案内作用によって、雌型支持部材12の変位 をより有利に生ぜしめることが可能とされて おり、両型16,18の軸合わせをより有利に行う とが可能とされている。

 さらに、本実施形態においては、雌型16 雌型支持部材12で支持されると共に、雄型18 、雄型支持部材14に負圧吸引によって支持 れた状態で型合わせされることから、雄型18 に対して、雌型16に接近する方向の押圧力を 合わせ工程の全般に亘って及ぼすことが出 る。これにより、安定した型合わせを行う とが可能とされている。ここにおいて、特 本実施形態においては、雌型支持部材12が 数の金属球34、34で支持されていることによ て、軸直角方向の変位が許容される一方で 軸方向、換言すれば、型合わせ方向への変 が制限されている。従って、雌型支持部材1 2が型合わせ方向に変位せしめられて雄型支 部材14の押圧力が吸収されるようなことも回 避されており、重合性モノマー94に対して雄 18の押圧力を有効に及ぼすことが可能とさ ているのである。

 加えて、本実施形態におけるモールド成 装置10においては、雌型支持部材12と雄型支 持部材14の対が複数(16個)設けられている。そ して、本実施形態においては、それら雌雄型 支持部材12,14のそれぞれが、型合わせに際し 自動的に軸合わせされることから、多数の 型16,18を同時に効率良く、且つ、高精度に 合わせすることが可能とされており、優れ 形状安定性を有する眼用レンズを、優れた 造効率をもって製造することが可能とされ のである。

 以下、本発明の別の実施形態としての眼 レンズのモールド成形装置を幾つか示すが 上述の第一の実施形態と同様な構造とされ 部材および部位については、それぞれ、図 に、第一の実施形態と同一の符号を付する とにより、それらの詳細な説明を省略する

 図6に、本発明の第二の実施形態としての 眼用レンズのモールド成形装置100を構成する 第一の冶具としての雌型支持部材102および第 二の冶具としての雄型支持部材104をモデル的 に示す。本態様においては、雄型支持部材104 は、前述の実施形態における雄型支持部材14 略同様の構造とされている一方、雌型支持 材102は、中間支持部材106を介して、受け部 としての下側プレート20に支持されている

 より詳細には、雌型支持部材102は、前述 雌型支持部材12と略同様の構造とされてお 、上方に開口する雌型保持孔22を有する全体 として略円柱形状とされている。そして、か かる雌型保持孔22に前面成形型としての雌型1 6が嵌め入れられて支持されるようになって る。

 一方、中間支持部材106は、雌型支持部材1 02の径寸法よりもやや大きな内径寸法をもっ 上方に開口する開口部108を備えた有底円筒 状とされており、その外径寸法は、開口凹 30の径寸法よりやや小さくされている。か る中間支持部材106は、下側プレート20に形成 された開口凹所30内に径方向で僅かな隙間を てた状態で配設されて、支持球110および複 (本実施形態においては、4つ)のコイルスプ ング112,112を介して下側プレート20に支持さ ている。

 より詳細には、支持球110は金属球とされ おり、開口凹所30における底面32の中心部分 に支持球110に沿うように僅かに窪んで形成さ れた湾曲凹面114上に載置されている。これに より、支持球110は、底面32の中心部で変位不 に載置されている。一方、コイルスプリン 112は、開口凹所30の底面32の周方向で略等間 隔に複数配設されており、本実施形態におい ては、4つ配設されている。

 そして、これら支持球110およびコイルス リング112の上方に、中間支持部材106が載置 れている。ここにおいて、中間支持部材106 下端面116の中心部分には、支持球110に沿う 状をもって僅かに窪んだ湾曲凹面118が形成 れており、かかる湾曲凹面118が支持球110に ね合わされている。それと共に、各コイル プリング112、112が、開口凹所30の底面32と、 中間支持部材106の下端面116の間に介在せしめ られて圧縮変形せしめられている。これによ り、中間支持部材106は、支持球110で支持され て、支持球110を支点として傾斜可能に配設さ れており、複数のコイルスプリング112によっ て周方向で等間隔に位置せしめられた各点か ら均一に上方への付勢力が及ぼされることに よって、荷重が及ぼされていない状態で、中 間支持部材106の軸が開口押所30の軸と略平行 延びるように支持される。なお、中間支持 材106は、傾斜せしめられていない状態で、 の上面の高さ位置が、下側プレート20の上 の高さ位置と略等しくなるようにされてい 。

 そして、このような構造とされた中間支 部材106の開口部108に、雌型支持部材102が配 されている。ここにおいて、雌型支持部材1 02は、前述の第一の実施形態と略同様に、ベ リング28を介して中間支持部材106に支持さ ており、かかる支持状態で、雌型支持部材10 2の上面の高さ位置が、中間支持部材106の上 の高さ位置と略等しくされている。そして 雌型支持部材102の径寸法が、開口部108の径 法よりもやや小さくされていることによっ 、雌型支持部材102は、開口部108の内周面と 間を隔てた状態で配設されており、中間支 部材106に対して、軸直角方向の変位が可能 されている。従って、本態様における雌型 持部材102は、ベアリング28によって、型合わ せ方向(図6中、上下方向)と直交する方向に相 対変位可能とされると共に、中間支持部材106 、支持球110、コイルスプリング112によって、 型合わせ方向に対して傾斜する方向に相対変 位可能とされている。このように、本態様に おいては、中間支持部材106、支持球110、コイ ルスプリング112を含んで、角度調節手段が構 成されている。

 このような構造とされたモールド成形装 100においては、雄型18を支持する雄型支持 材104が開口凹所30の軸方向に対して傾斜する 方向から接近せしめられた場合には、雄型18 円筒形外周面86の下端縁部が、雌型16におけ るテーパ筒部62の内周面89に当接せしめられ 。そして、雄型18が更に押し込まれるに連れ て、円筒形外周面86と内周面89の案内作用に って、雌型支持部材102が中間支持部材106に して軸直角方向に変位せしめられる。これ より、雄型18の円筒形外周面86が、雌型16の 筒形内周面70に嵌め合わされるように、両型 16,18が位置合わせされる。ここにおいて、本 様におけるモールド成形装置100においては 中間支持部材106が、下側プレート20に対し 傾斜可能とされていることから、円筒形外 面86と円筒形内周面70の嵌め合いに際して、 型18の傾き変位が許容されている。これに り、雄型18が雌型16の軸方向に対して傾斜し 方向から押し込まれた場合でも、雌型16が 型18の傾きに対応して傾斜せしめられること によって、図6に示すように、両型16,18を高精 度に軸合わせした状態で型合わせすることが 出来るのである。

 そして、特に本態様においては、中間支 部材106が、変形することのない支持球110に って支持されていることから、中間支持部 106の雄型支持部材104の押圧方向への変位が 限されている。これにより、雄型支持部材1 04による軸方向の押圧力が損なわれることも 避されて、中間支持部材106が傾斜せしめら た場合でも、両型16、18の型合わせ力を有利 に確保することが可能とされているのである 。

 なお、本発明における調芯手段は、雄型 支持する冶具に設けることも勿論可能であ 。例えば、そのような態様として、図7に、 本発明の第三の実施形態としてのモールド成 形装置130を構成する第一の冶具としての雌型 支持部材132および第二の冶具としての雄型支 持部材134をモデル的に示す。

 本態様における雌型支持部材132は、例え 前述の下側プレート20に一体的に形成され おり、雌型16の径寸法よりやや大きな径寸法 をもって上方に突出する突出部136が下側プレ ート20に一体的に形成されていると共に、か る突出部136の中央部分に、上方に開口する 型保持孔22が形成されている。そして、か る雌型保持孔22に、雌型16が嵌め入れられる うにして支持されるようになっている。即 、雌型16は、下側プレート20に対して変位不 能に直接に支持されており、本実施形態にお いては、下側プレート20によって、雌型支持 材132が構成されている。

 一方、雄型支持部材134は、受け部材とし の上保持部材138に支持されている。上保持 材138は、下方に開口する収容凹所139を備え 略有底円筒形状を有する保持部140と、保持 140の上面の中央部分から上方に突出するロ ド状のシャフト部142が一体的に形成された 造とされている。そして、シャフト部142の 持部140と反対側の端部が、下側プレート20 上方に配設された図示しない上側プレート 支持されることによって、上保持部材138が 上側プレートに支持されている。そして、 側プレートが、図示しない油圧手段や空気 手段等によって下側プレート20に対して接近 /離隔駆動せしめられることによって、上保 部材138が、下側プレート20に対して接近/離 変位せしめられるようになっている。また 上保持部材138には、中心軸上に延びる負圧 引孔143が形成されている。かかる負圧吸引 143は、下方の端部が、収容凹所139の上底面 中央部分に形成された接続ポート144を通じ 収容凹所139内に開口せしめられると共に、 ャフト部142の中心軸上を上方に延び出して 図示しない負圧源に接続されている。

 このような構造とされた上保持部材138の 容凹所139内に、雄型支持部材134が配設され いる。雄型支持部材134は、略円柱形状とさ ており、その軸方向中間部分には、全周に って径方向外方に突出する支持突部145が一 的に形成されている。ここにおいて、支持 部145の径寸法は、収容凹所139の径寸法より 小さくされている。また、雄型支持部材134 底面の中央部分には、下方に開口する雄型 持孔50が形成されている。更に、雄型支持 材134には、中心軸上を貫通する負圧吸引孔54 が形成されており、かかる負圧吸引孔54の下 端部が、雄型保持孔50の底面である支持面52 の中央に開口せしめられている一方、上側端 部は、雄型支持部材134の上面に一体的に形成 された接続ポート146から上方に開口せしめら れている。

 このような構造とされた雄型支持部材134 、保持部140の収容凹所139内に配設される。 り詳細には、収容凹所139の下側開口端部に 、全周に亘って内方に突出する支持片148が 体的に形成されている。かかる支持片148の 径寸法は、雌型支持部材132の突出部136の外 寸法よりもやや大きくされていると共に、 の厚さ寸法は、突出部136の突出寸法よりも さくされている。そして、かかる支持片148 に、ベアリング150が配設されている。ベア ング150は、第一の実施形態におけるベアリ グ28と同様の構造とされており、複数の金 球152,152が、図示しない保持器で保持された 造とされている。更に、特に本実施形態に いては、支持片148の上面には、金属球152に うように窪む湾曲凹面154が形成されており かかる湾曲凹面154上に金属球152が載置され ことによって、ベアリング150は、支持片148 対して変位不能に載置されている。

 そして、支持片148上に載置されたベアリ グ150の金属球152上に、雄型支持部材134の支 突部145が載置されことによって、ベアリン 150上に、雄型支持部材134が載置されている 更に、特に本実施形態においては、雄型支 部材134における支持突部145の上面にも、支 片148上に載置されたものと同様のベアリン 150が載置されており、かかるベアリング150 金属球152,152が、収容凹所139の上底面に形成 された湾曲凹面154,154に重ね合わされて、収 凹所139の上底面に対して変位不能に配設さ ている。これにより、雄型支持部材134は、 容凹所139の上下に配設された一対のベアリ グ150,150に挟まれて収容凹所139内に収容され おり、軸直角方向の変位が許容される一方 軸方向の変位が不能な状態で、上保持部材1 38に保持されるようになっている。このよう 、本実施形態においては、ベアリング150を んで、調芯手段が構成されている。

 そして、上保持部材138の接続ポート144と 雄型支持部材134の接続ポート146が、例えば ムチューブ等からなる変形容易な管部材156 よって気密に接続される。これにより、雄 支持部材134の軸直方向の変位によって、両 続ポート144,146の軸位置がずれた場合でも、 両負圧吸引孔143、54の接続状態が維持されて 負圧吸引孔54に負圧吸引力が及ぼされるよ になっている。

 このような構造とされたモールド成形装 130においては、雌型支持部材132に形成され 雌型保持孔22に雌型16が嵌め入れられて、雌 型16のフランジ状部64が雌型保持孔22の第一支 持面24に支持されることによって、雌型16が 型支持部材132に支持される。一方、雄型支 部材134の雄型保持孔50に雄型18が嵌め込まれ 状態で、負圧吸引孔54に負圧が及ぼされる とによって、雄型18が、雄型支持部材134に負 圧吸引状態で支持される。そして、上保持部 材138が雌型支持部材132に接近せしめられて、 雌型支持部材132の突出部136が、上保持部材138 の支持片148の開口部に挿入されるようにして 、雌型16と雄型18が型合わせされる。ここに いて、本実施形態においては、雄型支持部 134が、雌型支持部材132に対して、軸直角方 に変位可能とされていることから、雄型18の 円筒形外周面86と、雌型16のテーパ筒部62の内 周面89および円筒形内周面70の案内作用によ て、雄型支持部材134が軸直角方向に変位せ められる。これにより、両型16,18を高精度に 軸合わせした状態で型合わせすることが可能 となるのである。ここにおいて、特に本実施 形態においては、雄型支持部材134の上方にも ベアリング150が配設されて、雄型支持部材134 の軸方向の変位が制限されていることから、 雄型支持部材134が軸方向に変位して、上保持 部材138による押圧力が損なわれるようなこと も有利に回避されており、上保持部材138によ る押圧力を有効に及ぼすことが可能とされて いるのである。

 次に、図8に、本発明の第四の実施形態と しての眼用レンズのモールド成形装置160を構 成する第一の冶具としての雌型支持部材162お よび第二の冶具としての雄型支持部材164をモ デル的に示す。本態様における雌型支持部材 162および雄型支持部材164は、それぞれ、前述 の第一の実施形態における雌型支持部材12お び雄型支持部材14と略同様の構造とされて る。なお、図8は、後述する加圧孔168に加圧 生ぜしめられて、雌型支持部材162が浮上せ められた状態を示す。

 本実施形態においては、雌型支持部材162 、受け部材としての下側プレート20に形成 れた開口凹所30の底面32に載置されて、開口 所30内に収容されている。ここにおいて、 に本実施形態においては、開口凹所30の開口 端縁部に、全周に亘って径方向内方に突出せ しめられた係止片166が形成されている。かか る係止片166の内径寸法は、雌型支持部材162の 径寸法よりも小さく,且つ、雄型支持部材164 径寸法よりも大きくされている。また、開 凹所30の底面32から係止片166の底面までの高 寸法は、雌型支持部材162の高さ寸法よりも や大きくされている。

 そして、開口凹所30の底面32には、複数の 加圧孔168,168が開口せしめられている。これ 加圧孔168,168は、図示しない加圧源に接続さ ており、例えば圧縮空気などが送り込まれ ことによって、加圧が生ぜしめられるよう なっている。これにより、雌型支持部材162 、加圧孔168,168から排出される圧縮空気の空 気圧によって、図8に示すように、開口凹所30 の底面32から浮上せしめられて、軸直角方向 変位可能とされる。

 このような構造とされたモールド成形装 160においては、雌型支持部材162を浮上せし た状態で、雄型支持部材164が接近せしめら ることによって、雌型16と雄型18が型合わせ される。ここにおいて、本実施形態において も、雌型支持部材162の軸直角方向の変位が許 容されていることから、両型16,18を高精度に 合わせすることが可能となるのである。ま 、雄型支持部材164から及ぼされる押圧力を 殺し得るように雌型支持部材162に及ぼされ 空気圧を調節することによって、雄型支持 材164による押圧力が損なわれることもなく 両型16,18に及ぼされる型合わせ力を有利に 保することも出来る。このように、本実施 態においては、加圧孔168、168を含んで、調 手段が構成されている。

 なお、特に本実施形態においては、雌型 持部材162の上面が係止片166に係止されるこ によって、雌型支持部材162の上方への過大 位が制限されているが、雌型支持部材162に ぼす空気圧を調節することによって、雌型 持部材162を、係止片166に当接することのな 高さ位置で支持すること等も可能である。

 以上、本発明の幾つかの実施形態につい 詳述してきたが、これらはあくまでも例示 あって、本発明は、かかる実施形態におけ 具体的な記載によって、何等、限定的に解 されるものではない。

 例えば、調芯手段が設けられる冶具は、 ずしも両冶具の何れか一方のみに限定され ものではなく、両冶具に設けても良いので って、雌型を支持する第一の冶具に前記第 の実施形態に示した調芯手段(図2参照)を設 ると共に、雄型を支持する第二の冶具に、 記第三の実施形態に示した調芯手段(図7参 )を設ける等しても良い。

 また、調芯手段の具体的な構造は、上述 各実施形態の構造に限定されるものではな 。その他の態様としては、例えば、冶具と け部材との間に、ウレタン素材などから形 された、圧縮方向の変形を制限しつつ、圧 方向と直交する方向の変形が許容されるク ション材を介在せしめる等しても良いし、 圧を用いて、冶具を受け部材に対して軸直 方向に変位可能に浮上せしめる等しても良 。

 また、前述の各実施形態における雌型16 よび雄型18の具体的な形状はあくまでも例示 であって、眼用レンズを成形する成形型とし ては、従来公知の各種の形状の成形型が適宜 に採用可能である。