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Patent Searching and Data


Title:
RESIN VARNISH FOR SEMICONDUCTOR ELEMENT BONDING FILM FORMATION, SEMICONDUCTOR ELEMENT BONDING FILM, AND SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113296
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a semiconductor element bonding film for bonding a semiconductor element onto a wiring board. The semiconductor element bonding film has excellent wire bonding properties to the semiconductor element bonded to the wiring board and, at the same time, even after a long heat history, has an excellent capability of realizing filling of a sealing material into concaves and convexes on a surface of the wiring board. The semiconductor element bonding film is characterized by comprising an (meth)acrylic ester copolymer (A) containing hydroxyl and carboxyl groups or containing an epoxy group and having a weight average molecular weight of 100,000 to 1,000,000 and silica (B) having an average particle diameter of 1 to 100 nm, the content of a heat curing resin and a curing agent in nonvolatile matter being not more than 5% by mass.

Inventors:
TERAI TAKEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001059
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 10, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO BAKELITE CO (JP)
TERAI TAKEO (JP)
International Classes:
C09J7/02; H01L21/52; C09J11/02; C09J133/20; H01L21/301; H01L25/065; H01L25/07; H01L25/18
Domestic Patent References:
WO2008105169A12008-09-04
Foreign References:
JP2007088489A2007-04-05
JP2007294681A2007-11-08
JP2007302881A2007-11-22
JP2008274259A2008-11-13
JP2006073982A2006-03-16
JP2001220571A2001-08-14
JP2002138270A2002-05-14
JPH1112545A1999-01-19
Attorney, Agent or Firm:
HAYAMI, SHINJI (JP)
Shinji Hayami (JP)
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Claims:
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、
 シリカ(B)と、を含み、
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、水酸基およびカルボキシル基を有するか、又はエポキシ基を有し、且つ重量平均分子量が10万~100万であり、
 前記シリカ(B)は、平均粒径が1~100nmであり、
 不揮発分中に熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)を含まないか、または前記不揮発分中の前記熱硬化性樹脂及び前記硬化剤(C)の合計の含有量が5質量%以下であることを特徴とする、半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が、
下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される構造単位を含むランダム共重合体である、請求項1に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。

(式中、R 1 、R 3 、R 4 及びR 6 は、水素原子又はメチル基を示し、式中、R 2 、は、炭素数1~10のアルキル基を示す。また、R 5 は、炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
 構造単位(I)のモル比が30~88mol%、構造単位(II)のモル比が10~68mol%、構造単位(III)のモル比が1~10mol%、構造単位(IV)のモル比が1~10mol%である、請求項2に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が、
下記一般式(V)、(VI)及び(VII)で表される構造単位を含むランダム共重合体である、請求項1に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
(式中、R 7 、R 9 及びR 10 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式中R 8 は炭素数1~10のアルキル基を示す。)
 構造単位(V)のモル比が30~88mol%、構造単位(VI)のモル比が10~68mol%、構造単位(VII)のモル比が0.5~10mol%である、請求項4に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 前記シリカ(B)の含有量が、20~70質量%であることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 前記シリカ(B)の含有量が、20~70質量%であることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
 基材フィルムと接着層を含む半導体素子接着フィルムであって、
該接着層が、
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、
 シリカ(B)と、を含み、
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、水酸基およびカルボキシル基を有するか、又はエポキシ基を有し、且つ重量平均分子量が10万~100万であり、
 前記シリカ(B)は、平均粒径が1~100nmであり、
 不揮発分中に熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)を含まないか、または前記不揮発分中の前記熱硬化性樹脂及び前記硬化剤(C)の合計の含有量が5質量%以下であることを特徴とする、半導体素子接着フィルム。
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が、
下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される構造単位を含むランダム共重合体である、請求項10に記載の半導体素子接着フィルム。
(式中、R 1 、R 3 、R 4 及びR 6 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式中、R 2 、は、炭素数1~10のアルキル基を示す。また、R 5 は、炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
 構造単位(I)のモル比が30~88mol%、構造単位(II)のモル比が10~68mol%、構造単位(III)のモル比が1~10mol%、構造単位(IV)のモル比が1~10mol%である、請求項11に記載の半導体素子接着フィルム。
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)が、
下記一般式(V)、(VI)及び(VII)で表される構造単位を含むランダム共重合体である、請求項10に記載の半導体素子接着フィルム。
(式中、R 7 、R 9 及びR 10 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式中R 8 は炭素数1~10のアルキル基を示す。)
 構造単位(V)のモル比が30~88mol%、構造単位(VI)のモル比が10~68mol%、構造単位(VII)のモル比が0.5~10mol%である、請求項13に記載の半導体素子接着フィルム。
 前記接着層中の前記シリカ(B)の含有量が、20~70質量%であることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子接着フィルム。
 前記接着層中の前記シリカ(B)の含有量が、20~70質量%であることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子接着フィルム。
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子接着フィルム。
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子接着フィルム。
 175℃における弾性率が、30MPa以上、140MPa以下である、請求項12に記載の半導体素子接着フィルム。
 175℃における弾性率が、30MPa以上、140MPa以下である、請求項14に記載の半導体素子接着フィルム。
 請求項12に記載の半導体素子接着フィルムと、ダイシングフィルムと、からなることを特徴とする複合半導体素子接着フィルム。
 請求項14に記載の半導体素子接着フィルムと、ダイシングフィルムと、からなることを特徴とする複合半導体素子接着フィルム。
 多段に積層された半導体素子と、
 多段に積層された前記半導体素子が搭載される基板と、
 前記半導体素子と前記半導体素子の間又は前記半導体素子と前記基板との間に設けられた接着層とを備え、
 前記接着層が、請求項12に記載の半導体素子接着フィルムの硬化物であることを特徴とする半導体装置。
 多段に積層された半導体素子と、
 多段に積層された前記半導体素子が搭載される基板と、
 前記半導体素子と前記半導体素子の間又は前記半導体素子と前記基板との間に設けられた接着層とを備え、
 前記接着層が、請求項14に記載の半導体素子接着フィルムの硬化物であることを特徴とする半導体装置。
Description:
半導体素子接着フィルム形成用 脂ワニス、半導体素子接着フィルム、およ 半導体装置

本発明は、半導体素子接着フィルム形成用 樹脂ワニス、半導体素子接着フィルム、およ び半導体装置に関する。

 近年、電子機器の高機能化等に対応して 半導体装置の高密度化、高集積化の要求が まり、半導体装置の大容量高密度化が進ん いる。

 このような要求に対応するため、たとえ 半導体素子の上に半導体素子を多段で積層 ることで、半導体装置の小型化、薄型化、 容量化を実現する方法が検討されている。 うした半導体装置では、ビスマレイミド-ト リアジン基板やポリイミド基板のような有機 基板が主に使用される(特許文献1)。

 同文献によれば、このような半導体装置 おいて、半導体素子と有機基板または半導 素子と半導体素子の接着には、従来のペー ト状の接着剤では半導体素子からはみ出さ いよう適量に塗布することは困難であるこ から、半導体素子接着フィルムが主に用い れている。

また、半導体素子接着フィルムに関する従 来技術として、他に、特許文献2~4に記載のも のがある。

特許文献2には、半導体素子と配線基板と 接着にエポキシ樹脂とアクリルゴムで構成 れた半導体素子接着フィルムを用いること 記載されている。

 特許文献3には、半導体素子と配線基板と の接着にフェノキシ樹脂を主体として構成さ れた半導体素子接着フィルムを用いることが 記載されている。

 特許文献4には、半導体素子接着フィルム の接着温度における最低粘度を特定範囲とし 、流動性を制御することが記載されている。

特開2006-73982号公報(特許請求の範囲)

特開2001-220571号公報(特許請求の範囲)

特開2002-138270号公報(特許請求の範囲)

特開平11-12545号公報(特許請求の範囲)

 配線基板と半導体素子を接着する場合、 線基板の表面には金属配線があり、金属配 をソルダーレジストで被覆しているが、金 配線がある部分とない部分があるため、配 基板の表面には凹凸が存在する。しかしな ら、上記文献に記載の半導体素子接着フィ ムでは、半導体素子と配線基板を接着する に、適切にこの凹凸を埋めることができな 場合があり、配線基板と半導体素子間に間 (ボイド)が発生し、半導体装置の信頼性を 化させるという問題が発生する場合があっ 。

 半導体素子接着フィルムの配線基板表面の 凸への埋め込みは、半導体素子と配線基板 半導体素子接着フィルムで接着させ、半導 素子と配線基板との間のワイヤーボンディ グを行った後、封止樹脂封入時の加熱およ 加圧を利用して行うため、半導体素子接着 ィルムは封止樹脂封入時の流動性が重要と る。
 また、近年、半導体素子の多段化が進み、 イヤーボンディング工程により多くの時間 かかり、従来に比べ、封止樹脂を封入する でに、半導体素子接着フィルムに長時間の 履歴がかかるようになってきている。その め、封止樹脂を封入する前に半導体素子接 フィルムの硬化反応が進行し、流動性が低 するため、配線基板表面の凸凹を埋め込む とができないという不良を発生する場合が った。

 さらに、半導体装置の小型および薄型化 進み、それに伴い、半導体素子の小型およ 薄型化が進行している。小型および薄型の 導体素子を半導体素子接着フィルムで多段 積層する場合、ワイヤーボンディング温度 おける半導体素子接着フィルムの弾性率が いと、ワイヤーボンディング時にボンディ グパッドが動いてしまうため、正確にワイ ーボンディングできないという問題も発生 る場合があった。

 本発明の目的は、半導体素子が多段に積層 れた半導体装置において、ワイヤーボンデ ング工程に多くの時間がかかり、封止樹脂 封入するまでの半導体素子接着フィルムの 着層にかかる熱履歴が長くなった場合でも 封止樹脂封入工程において、配線基板表面 凹凸への埋め込み性に優れる半導体素子接 フィルム、及び半導体装置を提供すること ある。
 また、別の目的は、小型および薄型の半導 素子が多段に積層された半導体装置におい 、ワイヤーボンディング性に優れる半導体 子接着フィルム、及び半導体装置を提供す ことにある。

 このような目的は[1]~[24]に記載の本発明に り達成される。
[1]
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、
 シリカ(B)と、を含み、
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A) 、水酸基およびカルボキシル基を有するか 又はエポキシ基を有し、且つ重量平均分子 が10万~100万であり、
 前記シリカ(B)は、平均粒径が1~100nmであり、
 不揮発分中に熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)を まないか、または前記不揮発分中の前記熱 化性樹脂及び前記硬化剤(C)の合計の含有量 5質量%以下であることを特徴とする、半導 素子接着フィルム形成用樹脂ワニス。
[2]
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A) 、
下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される 造単位を含むランダム共重合体である、[1] 記載の半導体素子接着フィルム形成用樹脂 ニス。
(式中、R 1 、R 3 、R 4 及びR 6 は、水素原子又はメチル基を示し、式中、R 2 、は、炭素数1~10のアルキル基を示す。また R 5 は、炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
[3]
 構造単位(I)のモル比が30~88mol%、構造単位(II) のモル比が10~68mol%、構造単位(III)のモル比が1 ~10mol%、構造単位(IV)のモル比が1~10mol%である [2]に記載の半導体素子接着フィルム形成用 脂ワニス。
[4]
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A) 、
下記一般式(V)、(VI)及び(VII)で表される構造単 位を含むランダム共重合体である、[1]に記載 の半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス 。
(式中、R 7 、R 9 及びR 10 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中R 8 は炭素数1~10のアルキル基を示す。)
[5]
 構造単位(V)のモル比が30~88mol%、構造単位(VI) のモル比が10~68mol%、構造単位(VII)のモル比が0 .5~10mol%である、[4]に記載の半導体素子接着フ ィルム形成用樹脂ワニス。
[6]
 前記シリカ(B)の含有量が、20~70質量%である とを特徴とする[3]に記載の半導体素子接着 ィルム形成用樹脂ワニス。
[7]
 前記シリカ(B)の含有量が、20~70質量%である とを特徴とする[5]に記載の半導体素子接着 ィルム形成用樹脂ワニス。
[8]
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを 特徴とする[3]に記載の半導体素子接着フィル ム形成用樹脂ワニス。
[9]
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを 特徴とする[5]に記載の半導体素子接着フィル ム形成用樹脂ワニス。
[10]
 基材フィルムと接着層を含む半導体素子接 フィルムであって、
該接着層が、
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)と、
 シリカ(B)と、を含み、
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A) 、水酸基およびカルボキシル基を有するか 又はエポキシ基を有し、且つ重量平均分子 が10万~100万であり、
 前記シリカ(B)は、平均粒径が1~100nmであり、
 不揮発分中に熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)を まないか、または前記不揮発分中の前記熱 化性樹脂及び前記硬化剤(C)の合計の含有量 5質量%以下であることを特徴とする、半導 素子接着フィルム。
[11]
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A) 、
下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される 造単位を含むランダム共重合体である、[10] 記載の半導体素子接着フィルム。
(式中、R 1 、R 3 、R 4 及びR 6 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中、R 2 、は、炭素数1~10のアルキル基を示す。また R 5 は、炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
[12]
 構造単位(I)のモル比が30~88mol%、構造単位(II) のモル比が10~68mol%、構造単位(III)のモル比が1 ~10mol%、構造単位(IV)のモル比が1~10mol%である [11]に記載の半導体素子接着フィルム。
[13]
 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A) 、
下記一般式(V)、(VI)及び(VII)で表される構造単 位を含むランダム共重合体である、[10]に記 の半導体素子接着フィルム。
(式中、R 7 、R 9 及びR 10 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中R 8 は炭素数1~10のアルキル基を示す。)
[14]
 構造単位(V)のモル比が30~88mol%、構造単位(VI) のモル比が10~68mol%、構造単位(VII)のモル比が0 .5~10mol%である、[13]に記載の半導体素子接着 ィルム。
[15]
 前記接着層中の前記シリカ(B)の含有量が、2 0~70質量%であることを特徴とする[12]に記載の 半導体素子接着フィルム。
[16]
 前記接着層中の前記シリカ(B)の含有量が、2 0~70質量%であることを特徴とする[14]に記載の 半導体素子接着フィルム。
[17]
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを 特徴とする[12]に記載の半導体素子接着フィ ム。
[18]
 前記シリカ(B)の粒径が、10~30nmであることを 特徴とする[14]に記載の半導体素子接着フィ ム。
[19]
 175℃における弾性率が、30MPa以上、140MPa以 である、[12]に記載の半導体素子接着フィル 。
[20]
 175℃における弾性率が、30MPa以上、140MPa以 である、[14]に記載の半導体素子接着フィル 。
[21]
 [12]に記載の半導体素子接着フィルムと、ダ イシングフィルムと、からなることを特徴と する複合半導体素子接着フィルム。
[22]
 [14]に記載の半導体素子接着フィルムと、ダ イシングフィルムと、からなることを特徴と する複合半導体素子接着フィルム。
[23]
 多段に積層された半導体素子と、
 多段に積層された前記半導体素子が搭載さ る基板と、
 前記半導体素子と前記半導体素子の間又は 記半導体素子と前記基板との間に設けられ 接着層とを備え、
 前記接着層が、[12]に記載の半導体素子接着 フィルムの硬化物であることを特徴とする半 導体装置。
[24]
 多段に積層された半導体素子と、
 多段に積層された前記半導体素子が搭載さ る基板と、
 前記半導体素子と前記半導体素子の間又は 記半導体素子と前記基板との間に設けられ 接着層とを備え、
 前記接着層が、[14]に記載の半導体素子接着 フィルムの硬化物であることを特徴とする半 導体装置。

 本発明によれば、半導体素子が多段に積層 れた半導体装置において、ワイヤーボンデ ング工程に多くの時間がかかり、封止樹脂 封入するまでの半導体素子接着フィルムの 着層にかかる熱履歴が長くなった場合でも 封止樹脂封入工程において、配線基板表面 凹凸への埋め込み性に優れる半導体素子接 フィルム、及び半導体装置を提供すること できる。
 さらに、小型および薄型の半導体素子が多 に積層された半導体装置において、ワイヤ ボンディング性に優れる半導体素子接着フ ルム、及び半導体装置を提供することがで る。

 上述した目的、および、その他の目的、特 および利点は、以下に述べる好適な実施の 態、および、それに付随する以下の図面に って、さらに明らかになる。
図1は、半導体素子接着フィルムを模式 的に示す模式図である。 図2は、第1積層体を模式的に示す模式 である。 図3は、粘着層積層体を模式的に示す模 式図である。 図4は、複合半導体素子接着フィルムA 模式的に示す模式図である。 図5は、第1粘着層積層体を模式的に示 模式図である。 図6は、第2積層体を模式的に示す模式 である。 図7は、第3積層対を模式的に示す模式 である 図8は、第2粘着層積層体を模式的に示 模式図である。 図9は、複合半導体素子接着フィルムB 模式的に示す模式図である。 図10は、ダイシングシートを模式的に す模式図である。 図11は、半導体素子接着フィルムを使 した場合の実施形態における半導体装置を 造するフローチャート図である。 図12は、実施形態における半導体素子 着フィルムの使用方法を示す模式図である 図13は、ダイシング機能を有する複合 導体素子接着フィルムを使用した場合の実 形態における半導体装置を製造するフロー ャート図である。 図14は、実施形態における複合半導体 子接着フィルムの使用方法を示す模式図で る。 図15は、半導体装置の一例を模式的に す模式図である。

 以下、本発明の半導体素子接着フィルム形 用樹脂ワニス、半導体素子接着フィルム、 よび半導体装置について、適宜図を用いて 細に説明する。
1.半導体素子接着フィルム形成用樹脂ワニス
 本発明の半導体素子接着フィルム形成用樹 ワニスは、水酸基およびカルボキシル基を するか、又はエポキシ基を有し、且つ重量 均分子量が10~100万である(メタ)アクリル酸 ステル共重合体(A)(以下、化合物(A)とも記載 る。)と、平均粒径が1~100nmであるシリカ(B)( 下、化合物(B)とも記載する。)と、を含み、 半導体素子接着フィルム形成用ワニス不揮発 分中の熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)の合計の含 有量が5質量%以下であることを特徴とする(以 下、「~」は、特に明示しない限り、上限値 下限値を含むことを表す)。特に、半導体素 接着フィルム形成用ワニス不揮発分中の熱 化性樹脂及び硬化剤(C)の合計の含有量が5質 量%以下であることにより、半導体素子を多 に積層し、半導体素子接着フィルムの接着 に長時間熱履歴が掛かった場合においても 封止材封入工程で配線基板表面凹凸の埋め み性に優れるため、半導体装置の信頼性が 好となる。また、平均粒径が1~100nmであるシ カ(B)を含有することにより、半導体素子接 フィルムの接着層の弾性率が向上するため ワイヤーボンディング性が良好となる。な 、本発明で重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透 クロマトグラフ)で測定され、ポリスチレン 算値で得られるものである。

 本発明に係る化合物(A)は、水酸基および ルボキシル基を有するか、又はエポキシ基 有し、且つ重量平均分子量が10~100万である( メタ)アクリル酸エステル共重合体である。 合物(A)は、半導体素子接着フィルムの接着 の硬化時に(メタ)アクリル酸エステル共重合 体同士が重合できるように、水酸基およびカ ルボキシル基を有するか、又はエポキシを有 し、且つ半導体素子接着フィルムの接着層の 硬化後の機械特性と接着時の流動性が両立す るように、重量平均分子量が10~100万であれば 、特に制限されるものではない。

 前記水酸基およびカルボキシル基を有し 且つ重量平均分子量が10~100万である(メタ) クリル酸エステル共重合体は、特に制限さ るものではないが、下記一般式(I)、(II)、(III )及び(IV)で表される構造単位を含むランダム 重合体であればよく、下記一般式(I)、(II)、 (III)及び(IV)で表される構造単位からなるラン ダム共重合体が好ましい。一般式(I)で表され る構造単位を含むことにより、半導体素子用 接着フィルムの接着層の弾性率を下げること ができるため、配線基板や半導体素子に対す る密着性を向上させることができる。また、 一般式(II)で表される構造単位を含むことに り、半導体接着フィルム接着層を接着させ 際に、極性の高いアクリロニトニル基が配 基板や半導体素子と相互作用するため、配 基板や半導体素子に対する密着性を向上さ ることができる。さらに、一般式(III)及び(IV )で表される構造単位を含むことにより、半 体素子接着フィルム接着層を熱硬化する際 、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の水酸 基とカルボキシル基がエステル反応し、(メ )アクリル酸エステル共重合体が分子間架橋 るため、硬化後の機械的強度を確保するこ ができる。

(式中、R 1 、R 3 、R 4 及びR 6 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中、R 2、 R 5 は、炭素数1~10のアルキル基を示す。)

 前記エポキシ基を有し、且つ重量平均分 量が10~100万である(メタ)アクリル酸エステ 共重合体は、特に制限されるものではない 、下記一般式(V)、(VI)及び(VII)で表される構 単位を含むランダム共重合体であればよく 下記一般式(V)、(VI)及び(VII)で表される構造 位からなるランダム共重合体が好ましい。 般式(V)で表される構造単位を含むことによ 、半導体素子用接着フィルムの接着層の弾 率を下げることができるため、配線基板や 導体素子に対する密着性を向上させること できる。また、一般式(VI)で表される構造単 を含むことにより、半導体接着フィルム接 層を接着させる際に、極性の高いアクリロ トニル基が配線基板や半導体素子と相互作 するため、配線基板や半導体素子に対する 着性を向上させることができる。さらに、 般式(VII)で表される構造単位を含むことに り、半導体素子接着フィルム接着層を熱硬 する際に、(メタ)アクリル酸エステル共重合 体のエポキシ基同士が重合し、(メタ)アクリ 酸エステル共重合体が分子間架橋するため 硬化後の機械的強度を確保することができ 。

(式中、R 7 、R 9 及びR 10 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中R 8 は炭素数1~10のアルキル基を示す。)

 本発明に係る化合物(A)としては、(メタ) クリル酸エステルと、(メタ)アクリロニトリ ルと、(メタ)アクリロイル基および水酸基を する化合物と、(メタ)アクリロイル基およ カルボキシル基を有する化合物と、をラジ ル開始剤存在下で懸濁付加重合して得られ 、水酸基およびカルボキシル基を有する(メ )アクリル酸エステル共重合体;および(メタ) アクリル酸エステルと、(メタ)アクリロニト ルと、(メタ)アクリロイル基およびエポキ 基を有する化合物と、を、ラジカル開始剤 在下で懸濁重合して得られる、エポキシ基 有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体が 挙げられる。

 前記化合物(A)の重量平均分子量は、10~100 であり、好ましくは20~90万である。化合物(A )の重量平均分子量が上記範囲内にあること より、化合物(A)の凝集力と熱時の流動性が 立するため、半導体素子接着フィルム接着 の硬化後の機械特性と接着時の流動性も両 する。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲル 透クロマトグラフ)により測定することがで きる。

 前記水酸基およびカルボキシル基を有する( メタ)アクリル酸エステル共重合体は、特に 限されるものではないが、(メタ)アクリル酸 エステルと、(メタ)アクリロニトリルと、(メ タ)アクリロイル基および水酸基を有する化 物と、(メタ)アクリロイル基およびカルボキ シル基を有する化合物と、を、有機過酸化物 、アゾ化合物等のラジカル開始剤存在下で付 加重合して得ることができる。
 また、前記エポキシ基を有する(メタ)アク ル酸エステル共重合体は、特に制限される のではないが、(メタ)アクリル酸エステルと 、(メタ)アクリロニトリルと、(メタ)アクリ リル基およびエポキシ基を有する化合物と 、有機過酸化物、アゾ化合物等のラジカル 始剤存在下で付加重合して得ることができ 。

 前記(メタ)アクリル酸エステルとしては 重合することにより(I)または(V)式の構造を えるものであれば、特に制限されるもので なく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク ル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル基 、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア リル酸n-ブチル基、(メタ)アクリル酸イソブ ル等が挙げられ、これらのうち、半導体素 接着フィルムの接着層の硬化後の柔軟性に れ接着性が良好である、(メタ)アクリル酸 チルと(メタ)アクリル酸n-ブチル基が好まし 。

 前記(メタ)アクリロイル基と水酸基を有 る化合物としては、重合することにより(III) 式の構造を与えるものであれば、特に制限さ れるものではなく、2-ヒドロキシエチル(メタ )アクリレート、2-ヒドロキシプリピル(メタ) クリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アク リレート、カプロラクトン(メタ)アクリレー 等が挙げられ、これらのうち、半導体素子 着フィルムの接着層の硬化後の耐熱性に優 る2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが 好ましい。

 前記(メタ)アクリロイル基とカルボキシ 基を有する化合物としては、特に制限され ものではないが、(メタ)アクリル酸、2-(メタ )アクリロイロキシエチルコハク酸、2-メタク リロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等 が挙げられ、これらのうち、半導体素子接着 フィルムの接着層の硬化後の耐熱性に優れる (メタ)アクリル酸が好ましい。

 なお、本発明で、水酸基およびカルボキシ 基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重 体は、下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表 れる構造単位からなるランダム重合体であ 、構造単位(I)のモル比が30~88mol%、構造単位( II)のモル比が10~68mol%、構造単位(III)のモル比 1~10mol%、構造単位(IV)のモル比が1~10mol%であ 、より半導体素子接着フィルムの接着層の 着性および硬化後の耐熱性に優れる、構造 位(I)のモル比が35~70mol%、構造単位(II)のモル が20~60mol%、構造単位(III)のモル比が2~8mol%、 造単位(IV)のモル比が2~8mol%であることが好 しい。
上記水酸基およびカルボキシル基を有し、且 つ重量平均分子量が10~100万である(メタ)アク ル酸エステル共重合体は、一例示であり、 に制限されるものではない。

(式中、R 1 、R 3 、R 4 及びR 6 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中、R 2、 R 5 は、炭素数1~10のアルキル基を示す。)

 なお、本発明で、エポキシ基を有する(メタ )アクリル酸エステル共重合体は、下記一般 (V)、(VI)、及び(VII)で表される構造単位から るランダム重合体であり、構造単位(V)のモ 比が30~88mol%、構造単位(VI)のモル比が10~68mol% 構造単位(VII)のモル比が10.5~10mol%であり、で あり、より半導体素子接着フィルムの接着層 の接着性および硬化後の耐熱性に優れる、構 造単位(V)のモル比が35~80mol%、構造単位(VI)の ル比が15~60mol%、構造単位(VII)のモル比が1~8mol %であることが好ましい。
上記エポキシ基を有し、且つ重量平均分子量 が10~100万である(メタ)アクリル酸エステル共 合体は、一例示であり、特に制限されるも ではない。

(式中、R 7 、R 9 及びR 10 は、水素原子又はメチル基を示す。また、式 中R 8 は炭素数1~10のアルキル基を示す。)

 本発明に係る化合物(A)の含有量は、半導体 子接着フィルム形成用ワニス不揮発分中の2 0~80質量%が好ましく、30~70質量%が特に好まし 。ここで、化合物(A)の含有量は下記式によ 算出することができる。
化合物(A)含有量(質量%)=[化合物(A)(質量部)]/[( 合物(A)(質量部)+化合物(B)(質量部)+熱硬化性 脂及び硬化剤(C)+その他添加剤(質量部)]×100

 本発明に係る化合物(B)は、平均粒径が1~10 0nmであるシリカである。前記シリカの平均粒 径が100nmを超えると、熱時弾性率を高めるた には前記シリカの添加量を70質量%とする必 があり、そうすることにより、接着性の低 といった問題が発生する場合がある。シリ としては、沈降シリカ、ヒュームドシリカ コロイダルシリカ等が挙げられるが、その でもコロイダルシリカが好ましい。コロイ ルシリカは金属汚染レベルが沈降シリカ、 ュームドシリカと比べて低いため、半導体 子接着フィルムのイオン性不純物を低減す ことが可能となる。また、コロイダルシリ は、シリカが溶媒中で単分散に近い状態で 散されているため、半導体素子接着フィル 形成用樹脂ワニスに配合した場合、シリカ 凝集を抑制することが可能となる。

 前記シリカの平均粒径は、5~80nmが好ましく 10~30nmが特に好ましい。上記範囲であること により、接着性および熱時弾性率のバランス に優れた半導体素子接着フィルムの接着層を 得ることができる。前記シリカの平均粒径の 測定方法は以下の通りである。
レーザー回折式粒度分布測定装置SALD-7000を用 いて、水中に1分間超音波処理することによ 分散させ、測定を行った。D50値(数積算)を平 均粒径とする。

 本発明に係る化合物(B)の含有量は、半導体 子接着フィルム形成用ワニス不揮発分中の2 0~80質量%が好ましく、30~70質量%が特に好まし 。上記範囲であることにより、接着性およ 熱時弾性率のバランスに優れた半導体素子 着フィルムの接着層を得ることができる。 こで、化合物(B)の含有量は下記式により算 することができる。
化合物(B)含有量(質量%)=[化合物(B)(質量部)]/[( 合物(A)(質量部)+化合物(B)(質量部)+熱硬化性 脂及び硬化剤(C)(質量部)+その他添加剤(質量 部)]×100

 本発明の半導体素子接着フィルム形成用ワ ス不揮発分中の熱硬化性樹脂及び硬化剤(C) 合計の含有量は5質量%以下であり、3質量%以 下が特に好ましい。前記熱硬化性樹脂及び硬 化剤(C)の合計の含有量が上記範囲であること により、ワイヤーボンディング工程に多くの 時間がかかり、封止樹脂を封入するまでの半 導体素子接着フィルムの接着層にかかる熱履 歴が長くなった場合でも、封止樹脂封入工程 において、配線基板表面の凹凸への埋め込み 性に優れた半導体素子接着フィルムの接着層 を得ることができる。ここで、前記熱硬化性 樹脂及び硬化剤(C)の合計の含有量とは、化合 物(A)を除く熱硬化性樹脂と硬化剤の両方を指 す。半導体素子接着フィルム形成用ワニス不 揮発分とは、化合物(A)と、化合物(B)と、熱硬 化性樹脂及び硬化剤(C)の合計の含有量と、必 要に応じて加えられるその他添加剤の合計を 指し、熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)の合計の含 有量は下記の式により算出することができる 。
熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)の合計の含有量( 量%)=[熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)(質量部)]/[( 合物(A)(質量部)+化合物(B)(質量部)+熱硬化性 脂及び硬化剤(C)(質量部)+その他添加剤(質量 部)]×100

 前記熱硬化性樹脂は、特に制限されるも はないが、フェノールノボラック樹脂、ク ゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノ ボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹 脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油 等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂 等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノー ル樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、 スフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェ ール型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ 型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型 ポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂 ビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノ 型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹 、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、 リアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペ タジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、 フトール型エポキシ樹脂、フェノールアラ キル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキ 型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア( 尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環 有する樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコー 樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、 アネートエステル樹脂、ウレタンアクリレ ト樹脂等のアクリレート類、不飽和ポリエ テル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、マレ ミド樹脂等が挙げられ、これらの中でも半 体素子接着フィルムの硬化後の弾性率を高 ることができ、また接着界面の密着性を向 させることができるノボラック型エポキシ 脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフ ニル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキ 樹脂から選ばれるエポキシ樹脂が好ましく いられる。ここで、本発明で化合物(A)に該 するものは熱硬化性樹脂及び硬化剤(C)では いものとする。

 前記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を いる場合、特に制限されるものではないが 硬化剤を含有することが好ましい。前記硬 剤としては、例えば、ジエチレントリアミ (DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタ シレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリア ン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m-フェ ニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルス ルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン、ジシアン アミド(DICY)、有機酸ジヒドララジド等を含 ポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘ サヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラ ドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物 (液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、 水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテ ラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の 無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェ ール系硬化剤が挙げられる。これらの中で 半導体素子接着フィルム硬化後のガラス転 温度を高めることができる、フェノール系 化剤が好ましく、具体的には、ビス(4-ヒド キシ-3,5-ジメチルフェニル)メタン(通称テト メチルビスフェノールF)、4,4'-スルホニルジ フェノール、4,4'-イソプロピリデンジフェノ ル(通称ビスフェノールA)、ビス(4-ヒドロキ フェニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシフェニ ル)メタン、(2-ヒドロキシフェニル)(4-ヒドロ シフェニル)メタンおよびこれらの内ビス(4- ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2-ヒドロ シフェニル)メタン、(2-ヒドロキシフェニル) (4-ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物( 例えば、本州化学工業(株)製、ビスフェノー F-D)等のビスフェノール類、1,2-ベンゼンジ ール、1,3-ベンゼンジオール、1,4-ベンゼンジ オール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4-ベ ンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼ ン類、1,6-ジヒドロキシナフタレン等のジヒ ロキシナフタレン類の各種異性体、2,2'-ビフ ェノール、4,4'-ビフェノール等のビフェノー 類の各種異性体等の化合物が挙げられる。

 前記硬化剤の添加量は、特に制限される のではないが、エポキシ当量と硬化剤の当 比を計算して決めることができ、前記エポ シ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の当量比が0 .5~1.5であることが好ましく、特に0.7~1.3であ ことが好ましい。上記範囲であることによ 、前記接着層の保存性と硬化後の耐熱性を 立することができる。

 前記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を いる場合、特に限定されるものではないが さらに半導体素子用接着フィルムの硬化性 向上することができる硬化触媒を含むこと 好ましい。前記硬化触媒としては、例えば イミダゾール類、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0) ンデセン等アミン系触媒、トリフェニルホ フィン等リン系触媒等が挙げられる。これ の中でも、半導体素子接着フィルムの速硬 性と保存性が両立するイミダゾール類が好 しい。 

 前記イミダゾール類としては、特に限定 れるものではないが、例えば、1-ベンジル-2 メチルイミダゾール、1-ベンジル-2フェニル ミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチ ルイミダゾール、2-フェニル4-メチルイミダ ール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリ ウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2'-メチ イミダゾリル-(1')]-エチル-s-トリアジン、2,4 -ジアミノ-6-[2'-ウンデシルイミダゾリル-(1')]- エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2'-エチ -4'メチルイミダゾリル-(1')]-エチル-s-トリア ジン、2,4-ジアミノ-6-[2'-メチルイミダゾリル- (1')]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加 物、2-フェニルイミダゾール イソシアヌル 付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチル ミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロ シメチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-ビニ -s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ビニル-s-トリ アジン イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ -6-メタクリロイルオキシエチル-s-トリアジン 、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチ -s-トリアジン イソシアヌル酸付加物等が挙 げられる。これらの中でも、前記接着層の速 硬化性と保存性のバランスに優れる、2-フェ ル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾールま は2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイ ミダゾールが好ましい。

 前記硬化触媒の含有量は、特に制限され ものではないが、前記エポキシ樹脂100重量 に対して0.01~30重量部が好ましく、特に0.5~10 重量部が好ましい。上記範囲であることによ り、前記接着層の速硬化性と保存性を両立す ることができる。

 前記硬化触媒の平均粒子径は、特に制限 れるものではないが、10μm以下であること 好ましく、特に1~5μmであることが好ましい 上記範囲であることにより、前記接着層の 硬化性を確保することができる。

 本発明の半導体素子接着フィルム形成用 ニスは、特に制限されるものではないが、 らにカップリング剤を含んでいても良い。 れにより、半導体素子接着フィルムと被着 (半導体素子、半導体素子が搭載される基板 )界面の密着性をより向上させることができ 。前記カップリング剤としては、例えば、 ラン系カップリング剤、チタン系カップリ グ剤、アルミニウム系カップリング剤等が げられるが、半導体素子接着フィルムの硬 後の耐熱性に優れるシラン系カップリング が好ましい。

 前記シラン系カップリング剤としては、 に制限されるものではないが、例えば、ビ ルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシ ラン、ビニルトリエトキシシラン、β-(3,4エ ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ ラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキ シラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジ トキシシラン、γ-メタクリロキシプロピル リメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロ ルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロ シプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノ エチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシ ラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピル リメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-ア ノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノ ロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロ ルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミ プロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプ ピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプ ピルトリメトキシシラン、3-イソシアネート プロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキ プロピルトリメトキシシランなどが挙げら る。

 前記カップリング剤の含有量は、特に限 されるものではないが、前記半導体素子接 フィルム形成用ワニスに含まれる不揮発分1 00重量部に対して0.01~10重量部が好ましく、特 に0.5~10重量部が好ましい。上記範囲であるこ とにより、被着体(半導体素子、半導体素子 搭載される基板)同士の接着性に優れる効果 得られる。

 本発明の半導体素子接着フィルムの175℃に ける弾性率は、特に制限されるものではな が、30MPa以上、140MPa以下であることが好ま く、特に、40MPa以上、120MPa以下であることが 好ましい。上記範囲であることにより、配線 基板や半導体素子の段差に対する充填性を向 上させることができるとともに、ワイヤーボ ンディングに必要な機械的強度を確保するこ とができる。
 半導体素子接着フィルムの175℃における弾 率の測定方法は、以下の通りである。
 本発明の半導体素子接着フィルムの接着層 セイコーインスツルメント社製動的粘弾性 置を用い、周波数10Hzで常温から昇温5℃/min 加熱しながら温度依存測定モードで動的粘 性を測定し、175℃での貯蔵弾性率を測定す 。

 本発明の半導体素子接着フィルム形成用 ニスは、本発明の目的を損なわない範囲で 塑性樹脂、レベリング剤、消泡剤、有機過 化物などの添加剤を含有することができる

 本発明の半導体素子接着フィルム形成用 ニスは、前述の化合物(A)、化合物(B)等の半 体素子接着フィルムを構成する化合物を有 溶剤、例えば、メチルエチルケトン、アセ ン、トルエン、ジメチルホルムアルデヒド 等の溶剤に溶解または分散することでワニ 状にすることができる。このワニス状の半 体素子接着フィルム形成用ワニスを層状に 形し、溶剤を除去、乾燥させることで、前 半導体素子接着フィルム形成用ワニスをフ ルム状に成形することができる。

2.半導体素子接着フィルム
 本発明の半導体素子接着フィルムは、基材 ィルムと、該基材フィルムの表面に形成さ る接着層を含み、好ましくは、基材フィル と、該接着層からなるものである。また、 接着層は、フィルム状に成型されている。

 本発明の半導体素子接着フィルムの接着 の組成は、半導体素子接着フィルム形成用 ニスと上記有機溶剤を含有しない以外は半 体素子接着フィルム形成用ワニスと同じで る。

 前記接着層は、特に制限されるものでは いが、本発明の半導体素子接着フィルム形 用ワニスをコンマコーター、ダイコーター グラビアコーター等を用いて基材フィルム 塗工し、乾燥させ溶剤を除去することによ 得ることができる。前記接着層の厚さは、 に制限されるものではないが、3μm以上100μm 以下が好ましく、特に5μm以上70μm以下が好ま しい。上記範囲であることにより、接着層の 厚さ精度を容易に制御することができる。

 前記基材フィルムは、接着層のフィルム 態を維持できるフィルム特性、例えば、破 強度、可撓性などに優れるフィルム支持基 であり、例えば、ポリエチレンテレフタレ ト(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン( PE)等が挙げられるが、これらのうち、可撓性 と破断強度のバランスに優れる、ポリプロピ レン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が 好ましい。

 本発明の複合半導体素子接着フィルムは 接着層を固定するためにダイシング機能が 与されていても良く、ダイシング機能が付 された複合半導体素子接着フィルムの製造 法として、下記の方法などが挙げられる。

 図1に示す平面視円形の基材フィルムI1お び接着層2が積層された半導体素子接着フィ ルム20の、前記接着層2の有効領域の外周をリ ング状に除去し、図2に示す第1積層体30を得 。ここで、有効領域とは、使用される半導 素子が搭載された半導体ウエハを貼り付け 領域を指す。

 次に、第1積層体30の接着層2と、図3に示 基材フィルムII3および粘着層4が積層された 着層積層体40の粘着層4が隣接するように積 して複合半導体素子接着フィルムA50を得る とができる(図4)。

 また、下記の方法によっても複合半導体 子接着フィルムを得ることができる。

 図1に示す基材フィルムI1および接着層2が 積層された半導体素子接着フィルム10の接着 2と、図5に示す基材フィルムIII5および第1粘 着層6が積層された第1粘着層積層体60の第1粘 層6が隣接するように積層して第2積層体70を 得る(図6)。

 次に、前記第2積層体70に対して、前記基 フィルムI1を残して、前記基材フィルムIII5 前記第1粘着層6および前記接着層2の有効領 の外周をリング状に除去し、図7に示す第3 層体80を得る。

 次に、前記第3積層体80の基材フィルムIII5を 剥がし、図8に示す基材フィルムIV7および第1 着層よりも粘着力の大きい第2粘着層8が積 された第2粘着層積層体90の第2粘着層8と第1 着層6が隣接するように積層して、図9に示す ダイシング機能が付与された複合半導体素子 接着フィルムB100を得ることができる。
 また、図10に示すように、基材フィルム9の に粘着層10を積層して、ダイシングシート11 0を得ることができる。

 つまり、本発明の複合半導体素子接着フ ルムは、本発明の半導体素子接着フィルム 、ダイシングフィルムからなるものである ここで、図3、図5、図8および図10に示され フィルムが、ダイシングフィルムである。

 次に、半導体装置の一製造方法について説 する。
 図11は、ダイシング機能を付与しない半導 素子接着フィルムを使用した場合の、半導 装置を製造するフロー図の一例である。
 図11に示すように、半導体装置は、半導体 子が搭載された半導体ウエハを各半導体素 単位毎(以下、半導体チップとも記載する。) に切断する半導体ウエハダイシング工程、半 導体チップを拾い上げるピックアップ工程、 ピックアップされた半導体チップに半導体素 子接着フィルムを貼り付ける、半導体素子接 着フィルム貼り付け工程、半導体素子接着フ ィルムの接着層を用いて半導体チップと配線 基板、または半導体チップ同士とを仮接着す る仮接着工程と、半導体チップと配線基板と を電気的に接続するワイヤーボンディング工 程と、半導体チップおよびボンディングワイ ヤーを封止樹脂で封止する封止工程と、封止 樹脂と半導体素子接着フィルムを硬化させる 硬化工程とで製造される。

 以下、上述の各工程について詳細に説明 る。

(半導体ウエハダイシング工程)
 半導体ウエハダイシング工程では、図12-aに 示すように、半導体素子が搭載された半導体 ウエハ11を基材フィルム9の上に粘着層10が積 されたダイシングシート110を貼り付け、次 、図12-bに示すように半導体ウエハ11の外周 に支持部材であるウエハリング13を貼り付 る。ウエハリング13はダイシングシートの粘 着層10に固定される。その後、図12-cに示すよ うにダイシング装置のブレードで半導体ウエ ハ11を半導体ウエハ面側から個片に切断する その際、粘着層10の厚み方向の略半分まで り込みを入れる。
(ピックアップ工程)
 次に、図12-dに示すように個片化された半導 体チップ12をピックアップできるように、エ スパンド装置で半導体素子接着フィルムを き伸ばし、半導体チップ12間を一定の間隔 開く。その後、図12-eに示すように半導体チ プ12をピックアップする。
(半導体素子接着フィルム貼り付け工程)
 さらに、半導体素子接着フィルム貼り付け 程では、図12-fに示すようにピックアップし た半導体チップ12に半導体素子接着フィルム2 0の接着層2を貼り付ける。

(仮接着工程)
 仮接着工程では、具体的には、配線基板、 導体素子接着フィルム、半導体素子をこの で積層し、熱圧着にて半導体素子と配線基 の仮接着を行う。この仮接着は、例えばダ ボンディング装置(AD898 ASM製)を用いて、80 ~150℃の温度、1N~20Nの荷重、0.1秒~5秒の時間 熱圧着することができる。この時、半導体 子の破壊を防止するため、低温、低荷重、 時間で熱圧着することが好ましく、この工 において配線基板上の凹凸を半導体素子接 フィルムで完全に充填させることは困難で り、配線基板と半導体素子接着フィルムと 間に空隙があっても構わない。
 最近では半導体装置の高密度化、高集積化 ため半導体素子を複数積層させることが一 的になっているが、上述の仮接着した半導 素子の上に新たに半導体素子を仮接着させ 場合にも本発明を用いることができる。

(ワイヤーボンディング工程)
 ワイヤーボンディング工程では、半導体素 の電極と、配線基板の電極とをボンディン ワイヤーで電気的に接続する。このボンデ ングワイヤーの接続は、例えば、ワイヤー ンディング装置(EAGLE60 ASM製)を用いて、150 ~200℃の温度で実施することができる。
 半導体素子が2段以上に積層される半導体装 置では、1段目の半導体素子のワイヤーボン ィング工程を行った後、2段目以降も先に仮 着、ワイヤーボンディングされた半導体素 上で同様に仮接着工程、さらにワイヤーボ ディング工程を繰り返し実施する。

(封止工程)
 封止工程では、半導体素子および半導体素 の電極と配線基板の電極とを接合している ンディングワイヤーを覆うように封止樹脂 封止する。これにより、絶縁性および防湿 を向上することができる。封止条件は、例 ばトランスファー成形機を用いて、150~200℃ 、50~100kg/mm 2 の高温、高圧で行われる。また、封止樹脂の 封止と同時に半導体素子接着フィルムを軟化 させ、配線基板上の凹凸に完全に充填させる 。
 従来の半導体素子接着フィルムでは、半導 素子が多段に積層され、ワイヤーボンディ グ工程で熱履歴が長くかかる場合に、半導 素子接着フィルムの硬化が進行し、フロー が低下するため、配線基板表面の凸凹を埋 込むことができないという不良を発生する 合があった。本発明の半導体素子接着フィ ムを適用すると、上記不良を抑制すること できる。

(硬化工程)
 硬化工程では、封止樹脂を硬化すると共に 半導体素子接着フィルムを硬化する。これ より、最終的な半導体装置を得ることがで る。硬化条件は、封止樹脂及び半導体素子 着フィルムが硬化する条件であれば特に限 されないが、例えば、温度:100~200℃、時間:5 ~300分の条件が好ましく、特に温度:120~180℃、 時間:30~240分の条件が好ましい。

 このような工程を経て、最終的に図15に示 ような半導体装置200を得ることができる。
 本発明の半導体装置200は、多段に積層され 半導体素子(第1半導体素子121、第2半導体素 122)と、多段に積層された半導体素子(第1半 体素子121、第2半導体素子122)が搭載される 板(配線基板120)と、半導体素子(第1半導体素 121)と半導体素子(第2半導体素子122)の間又は 半導体素子(第1半導体素子121)と基板(配線基 120)との間に設けられた接着層2と、を備える ものである。この接着層2は本発明の半導体 子接着フィルムまたは複合半導体素子接着 ィルムの硬化物である。
 さらに、本発明の半導体装置200は、第1ボン ディングワイヤー123、第2ボンディングワイ ー124、第1半導体素子機能面に形成された端 125、第2半導体素子機能面に形成された端子 126および、封止樹脂127を備えるものである。
 なお、基板としては、シリコン基板等を用 てもよい。本発明の半導体素子接着フィル または複合半導体素子接着フィルムは、半 体チップおよびリードフレームを接着させ こともできる。

図13は、ダイシング機能を有する半導体素子 着フィルムを使用した場合の、半導体装置 製造するフロー図の一例である。
 図13に示すように、半導体装置は、半導体 子が搭載された半導体ウエハに半導体素子 着フィルムを貼り付ける、半導体素子接着 ィルム貼り付け工程、半導体ウエハを半導 チップ毎に切断する、ダイシング工程、
半導体素子接着フィルム付き半導体チップを 拾い上げる、ピックアップ工程、半導体素子 接着フィルムの接着層を用いて半導体チップ と配線基板、または半導体チップ同士とを仮 接着する仮接着工程と、半導体チップと配線 基板とを電気的に接続するワイヤーボンディ ング工程と、半導体チップおよびボンディン グワイヤーを封止樹脂で封止する封止工程と 、封止樹脂と半導体素子接着フィルムを硬化 させる硬化工程とで製造される。

 以下、上述の各工程について詳細に説明 る。

(半導体ウエハ貼付け工程)
 半導体ウエハ貼付け工程では、図14-aに示す ように半導体素子が搭載された半導体ウエハ 11を、前述の複合半導体素子接着フィルムB100 の接着層2に貼り付ける工程である。この貼 付け工程は、半導体ウエハ11を個片化するダ イシング装置のダイサーテーブル上に接着層 2を上に向けた状態で、複合半導体素子接着 ィルムB100を載置する。次に、半導体ウエハ1 1の半導体素子が搭載された反対の面と前記 着層2が隣接するように置き、半導体ウエハ1 1を接着層2に貼り付ける。

(ダイシング工程)
 次に、図14-bに示すように接着層2の外周部 支持部材であるウエハリング13を貼付ける。 この時、ウエハリング13は第2粘着層8に固定 れる。その後、図14-cに示すようにダイシン 装置のブレードで半導体ウエハ11を半導体 エハ面側から個片に切断する。その際、第1 着層6の厚み方向の略半分まで切り込みを入 れる。

(ピックアップ工程)
 次に、図14-dに示すように個片化された半導 体チップ12をピックアップできるように、エ スパンド装置で半導体素子接着フィルムま はダイシングシート付き半導体素子接着フ ルムを引き伸ばし、半導体チップ12間を一 の間隔に開く。
その後、図14-eに示すように接着層2付き半導 チップ12をピックアップし、配線基板や半 体素子上に搭載する。

 仮接着工程以下の工程は、前述の半導体 子接着フィルムを使用した場合と同様であ 。

 本説明では、半導体素子接着フィルムと イシング機能を有する複合半導体素子接着 ィルムを使用した場合の半導体装置の製造 法の一例について説明したが、本発明の半 体素子接着フィルムを使用した半導体装置 製造方法は、特に制限されるものはなく、 えば、半導体素子接着フィルムの接着層を 導体ウエハに貼り付けて、ダイシング、ピ クアップし配線基板や半導体素子に搭載し も良い。

 なお、半導体装置の構成は、例示したも には限られず、半導体素子接着フィルムを いて半導体素子と被接着部材とを接着した 造を有するものであれば、どのような半導 装置であってもよい。

 以上、図面を参照して本発明の実施形態 ついて述べたが、これらは本発明の例示で り、上記以外の様々な構成を採用すること できる。例えば、本発明の半導体素子接着 ィルム形成用ワニスを、乾燥後に得られる 着フィルムの厚みが狙いの厚みとなるよう 基板や半導体ウエハに塗布し、乾燥させ溶 を除去することにより、半導体素子接着フ ルムを得る方法などを挙げることができる

 以下、本発明を実施例および比較例に基 いてさらに詳細に説明するが、本発明はこ に限定されるものではない。

 [実施例1]
(樹脂ワニスの調製)
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とし 、SG-708-6DR(エチルアクリレート/ブチルアク レート/アクリロニトリル/ヒドロキシエチル メタクリレート/アクリル酸共重合体=46.1mol%/1 6.6mol%/33.5mol%/1.3mol%/2.5mol%、ナガセケムテック 社製、Tg:6℃、重量平均分子量:500,000)100重量 部;
シリカ(B)として、オルガノシリカゾルPL-2L-MEK (比表面積換算粒子径16nmシリカ、メチルエチ ケトン(以下、MEKとも記載する。)20質量%溶 、扶桑化学工業社製)500重量部;
をMEKに溶解して、樹脂固形分20%の樹脂ワニス を得た。

(半導体素子接着フィルムの製造)
 上述の方法で得られた樹脂ワニスを、コン コーターを用いてダイシングシート付き半 体素子接着フィルムを作製した際に基材フ ルムとなるポリエチレンテレフタレートフ ルム(帝人デュポン社製、ピューレックスA54 、厚さ38μm)に塗布した後、150℃、3分間乾燥 て、厚さ25μmの半導体素子接着フィルムを得 た。

(第1粘着層積層体の製造および第1粘着層積層 体の製造)
 アクリル酸2-エチルヘキシル30質量%と酢酸 ニル70質量%とを共重合して得られた重量平 分子量300,000の共重合体(A)100重量部と、分子 が700の5官能アクリレートモノマー(日本化 株式会社製、カヤラッド D-310)45重量部と、2 ,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン5重 部と、トリレンジイソシアネート(コロネー T-100、日本ポリウレタン社製)3重量部と、を MEKに溶解して樹脂固形分20%の樹脂ワニスを得 た。コンマコーターを用いて上述の樹脂ワニ スを剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフ ルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗 し、80℃で5分間乾燥した。その後、紫外線 500mJ/cm 2 を照射し、基材フィルムIIと第1粘着層が積層 された第1粘着層積層体を得た。
 この第1粘着層積層体の粘着層と半導体素子 接着フィルムの接着層が隣接するように積層 し、第1積層体を得た。

(第2粘着層積層体の製造)
 基材フィルムIIIとして、ハイブラー60重量 、ポリプロピレン40重量部からなるクリアテ ックCT-H717(クラレ製)を、押し出し機で、厚み 100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理 した。次に、アクリル酸2-エチルヘキシル50 量部とアクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニ ル37重量部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチ 3重量部とを共重合して得られた重量平均分 量500,000の共重合体を剥離処理した厚38μmの リエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μm なるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、第2 着層を得た。その後、第2粘着層を基材フィ ルムIIIのコロナ処理面にラミネートして基材 フィルムIII、第2粘着層およびポリエステル ィルムがこの順に積層された第2粘着層積層 を得た。

(複合半導体素子接着フィルムの製造)
 第1積層体の基材フィルムIIを剥がし、次い 、貼付け予定の半導体ウエハの外径よりも きい大きさに第1粘着層側から基材フィルム Iの厚み方向の略半分の厚さまでリング状に ーフカットし、リング状の第1粘着層、接着 を剥離する。さらに、第2粘着層積層体から ポリエステルフィルムを剥離し、第2粘着層 第1粘着層とが隣接するように貼りあわせる 以上により、基材フィルムIII、第2粘着層、 第1粘着層、接着層および基材フィルムIがこ 順に構成されてなる複合半導体素子接着フ ルムを得ることができる。

(175℃での弾性率の測定方法)
 実施例1で作製した半導体素子接着フィルム の接着層をセイコーインスツルメント社製動 的粘弾性装置を用い、周波数10Hzで常温から 温5℃/minで加熱しながら温度依存測定モード で動的粘弾性を測定し、175℃での貯蔵弾性率 を測定した。

(ワイヤーボンディング性評価)
 実施例1で得られた半導体素子接着フィルム の接着層を、3.5mm×3.5mmの大きさの表面をアル ミ蒸着させたシリコンチップ(厚み100μm)とソ ダーレジスト(太陽インキ製造社製:商品名:A US308)がコーティングされたビスマレイミド- リアジン樹脂配線基板(回路段差5~10μm)との にはさんで、130℃、5N、1秒間で熱圧着し、 イヤーボンディング性の評価用サンプルを た。
上述のサンプルにASM社製ワイヤーボンダーに て175℃でワイヤーボンディングを行い、シリ コンチップ上に形成されるボールの形状を光 学顕微鏡にて、シリコンチップ上に形成され たボールのシリコンチップのアルミ表面への 接着強度をボールシェアテスターにて評価し た。各符号は、以下の通りである。
 ○:ボールが円形に形成され、かつボールシ ェア強度が7kgf/mm 2 以上
 ×:ボールの形状が円形でない、またはボー シェア強度が7kgf/mm 2 以下

(半導体装置の製造)
 以下の手順で、図15に示す半導体装置を製 した。

 実施例1で得られたダイシングシート付き 半導体素子接着フィルムの接着層と8インチ20 0μm半導体ウエハの裏面とを対向させ、60℃の 温度で貼り付けし、複合半導体素子接着フィ ルムが貼り付けられた半導体ウエハを得た。

 その後、この複合半導体素子接着フィル が貼り付けられた半導体ウエハを、ダイシ グ装置を用いて、スピンドル回転数30,000rpm 切断速度50mm/secで10mm×10mm角の半導体チップ サイズにダイシング(切断)した。次に、複 半導体素子接着フィルムの基材フィルムIII から突上げし、第1粘着層と半導体素子接着 ィルムとの間で剥離し接着層付き半導体チ プを得た。

 この接着層付き半導体チップ(10mm×10mm角、 子表面の回路段差1~5μm)を、ソルダーレジス (太陽インキ製造社製:商品名:AUS308)がコーテ ィングされたビスマレイミド-トリアジン樹 配線基板(基板表面の回路段差5~10μm)に、130 、5N、1.0秒の条件で圧着して、半導体チップ とビスマレイミド-トリアジン配線基板を仮 着した。この仮接着された半導体チップの に7mmx7mm角のサイズに同様に作製された接着 付きの半導体チップを130℃、5N、1.0秒の条 で圧着して、サイズの異なる2つの半導体チ プをビスマレイミド-トリアジン樹脂配線基 板に2段に積層した。
その後、半導体チップをさらに多段に積層し た際のワイヤーボンディング工程の熱履歴を 想定して、175℃で1時間の熱処理を行った。 に、低圧トランスファー成形機を用い、成 温度175℃、圧力70kg/cm 2 、硬化時間2分の条件で封止樹脂(住友ベーク イト(株)製、EME-G770)にて封止し、175℃で2時 熱処理を行い、封止樹脂を完全硬化させて1 0個の半導体装置を得た。

(配線基板段差充填性)
 配線基板段差充填性は、実施例1で得られた 半導体装置を、走査型超音波探傷機(SAT)によ 、配線基板の接着部分に接着層がボイド無 充填されている割合を下記式により算出し 。
  充填率(%)=(ボイド無く充填されている面積 )/(配線基板の接着面積)×100
各符号は、以下の通りであり、充填率が80%以 上であれば半導体装置の信頼性は問題ないレ ベルである。
 ○:充填率が、80%以上100%以下
 ×:充填率が、80%未満もしくは接着層内が全 ボイド状になったもの

(耐クラック性)
 耐クラック性は、実施例1で得られた半導体 装置を85℃/60%RH/168時間吸湿処理をした後、260 ℃のIRリフローを3回行い走査型超音波探傷機 (SAT)でクラックの有無を評価した。各符号は 以下の通りである。
 ○:発生したクラックが、10個中0個
 ×:発生したクラックが、10個中1個以上

 [実施例2]
 メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)として 、SG-708-6DR(エチルアクリレート-ブチルアクリ レート-アクリロニトリル-ヒドロキシエチル タクリレート-アクリル酸共重合体、ナガセ ケムテックス社製、Tg:6℃、重量平均分子量:5 00,000)100重量部の代わりに、(メタ)アクリル酸 エステル共重合体として、SG-P3DR(エチルアク レート/ブチルアクリレート/アクリロニト ル/グリシジルメタクリレート共重合体=25.5mo l%/24.6mol%/48.1mol%/1.8mol%、ナガセケムテックス 製、Tg:18℃、重量平均分子量:850,000)100重量部 を用いた以外は、複合半導体素子接着フィル ムの製造および各評価を実施例1と同様に行 た。

 [実施例3]
 シリカ(B)として、オルガノシリカゾルPL-2L-M EK(比表面積換算粒子径16nmシリカ、メチルエ ルケトン20質量%溶液、扶桑化学工業社製)の わりに、球状シリカNSS-5N(平均粒径70nm、ト ヤマ社製)100重量部を用いた以外は、複合半 体素子接着フィルムの製造および各評価を 施例1と同様に行った。

 [実施例4]
 熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂EOCN-1020-80( オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 )、エポキシ当量200g/eq、日本化薬社製)2重量 と、硬化剤としてフェノール樹脂PR-HF-3(水酸 基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)4重量 部を添加した以外は、実施例1と同様に複合 導体素子接着フィルムの製造および各評価 行った。なお、当該エポキシ樹脂およびフ ノール樹脂からなる熱硬化性樹脂成分は全 揮発分中の2.9質量%である。

 [実施例5]
 メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)として 、SG-708-6DR(エチルアクリレート-ブチルアクリ レート-アクリロニトリル-ヒドロキシエチル タクリレート-アクリル酸共重合体、ナガセ ケムテックス社製、Tg:6℃、重量平均分子量:5 00,000)100重量部の代わりに、(メタ)アクリル酸 エステル共重合体として、SG-80HDR(エチルアク リレート/アクリロニトリル/グリシジルメタ リレート/N,Nジメチルアクリルアミド共重合 体=63.0mol%/32.1mol%/0.6mol%/4.3mol%、ナガセケムテ クス社製、Tg:18℃、重量平均分子量:350,000)100 重量部を用いた以外は、複合半導体素子接着 フィルムの製造および各評価を実施例1と同 に行った。

 [比較例1]
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とし 、SG-708-6DR(エチルアクリレート-ブチルアク レート-アクリロニトリル-ヒドロキシエチル メタクリレート-アクリル酸共重合体、ナガ ケムテックス社製、Tg:6℃、重量平均分子量: 500,000)100重量部の代わりに、アクリル酸エス ル共重合体A(エチルアクリレート-ブチルア リレート-アクリロニトリル-ヒドロキシエ ルメタクリレート共重合体、ナガセケムテ クス社製、Tg:6℃、重量平均分子量:600,000)100 量部を用いた以外は、複合半導体素子接着 ィルムの製造および各評価を実施例1と同様 に行った。

 [比較例2]
 (メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)とし 、SG-708-6DR(エチルアクリレート-ブチルアク レート-アクリロニトリル-ヒドロキシエチル メタクリレート-アクリル酸共重合体、ナガ ケムテックス社製、Tg:6℃、重量平均分子量: 500,000)100重量部の代わりに、アクリル酸エス ル共重合体B(エチルアクリレート/ブチルア リレート/アクリロニトリル共重合体、ナガ セケムテックス社製、Tg:17℃、重量平均分子 :980,000)100重量部を用いた以外は、複合半導 素子接着フィルムおよび各評価を実施例1と 同様に行った。

 [比較例3]
 シリカ(B)として、球状シリカNSS-3N(平均粒径 130nm、トクヤマ社製)100重量部を用いた以外は 、半導体素子接着フィルムの製造および各評 価を実施例1と同様に行った。

 [比較例4]
 シリカ(B)として、シリカスラリーSC-1050-LC( 均粒径270nmシリカ、MEK75質量%溶液、アドマテ ックス社製)中のシリカ133.3重量部を用いた以 外は、複合半導体素子接着フィルムの製造お よび各評価を実施例1と同様に行った。

 [比較例5]
 熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂EOCN-1020-80( (オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹 )、エポキシ当量200g/eq、日本化薬社製)7重量 と、硬化剤としてフェノール樹脂PR-HF-3(水 基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)14重 部を添加した以外は、複合半導体素子接着 ィルムの製造および各評価を実施例1と同様 に行った。なお、当該エポキシ樹脂およびフ ェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂成分は全 不揮発分中の9.5質量%である。

 各実施例および比較例で得られた半導体 子接着フィルムの配合(重量部)と各評価結 を表1に示す。