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Patent Searching and Data


Title:
RUNNING VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060881
Kind Code:
A1
Abstract:
This aims to provide a running vehicle comprising a straight-running speed-changing device (25) for transmitting powers to right and left running units (2) supporting a running body (1), and a turning speed-changing device (28) for transmitting powers reversely to the running units, so that the operability for the straight and turning runs may be improved by a simple and small-sized mechanism. On a turning input shaft (72) to be turned by a turning operation member (10) for the turning the speed-changing device (28), a speed-changing control member (81) is enabled to turn freely on a speed-change axis (X) perpendicular to the turning input shaft (72), and a turning control member (82) is enabled to turn freely on a turning axis (Y) perpendicular to both the axis of the turning input shaft (72) and the speed-change axis (X). These two turning control members are so associated with a speed-changing operation tool (13) for the straight-running speed-changing device (25) as turn with inclinations on those individual axes, and the speed of the straight-running speed-changing device (25) is changed by the inclined turn of the speed-changing control member (81), so that the turning speed-changing device (28) is caused to change the speed by the turn of the turning control member (82) by the turning input shaft (72).

Inventors:
KIRIHATA TOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070163
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
YANMAR CO LTD (JP)
KIRIHATA TOSHINORI (JP)
International Classes:
B62D11/18; A01D69/00
Foreign References:
JP2007185984A2007-07-26
JP2002274421A2002-09-25
JP2000159144A2000-06-13
JPH09142333A1997-06-03
JPH0939828A1997-02-10
Attorney, Agent or Firm:
ISHII, Akeo et al. (Kita 1-21 Tenjinbashi 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 41, JP)
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Claims:
 左右の走行部にて支持される走行機体に,これに搭載したエンジンの動力を前記左右の走行部に無段変速して伝達する直進走行用変速装置と,前記エンジンの動力を前記左右の走行部に無段変速して伝達する旋回走行用変速装置を備えるとともに,前記直進走行用変速装置に対する変速用操作具と,前記旋回走行用変速装置に対する旋回用操作具を備えて成る走行車両において,
 前記旋回用操作具にて回転する旋回入力軸に変速制御体と旋回制御体とを,変速制御体が前記旋回入力軸の軸線に直交する変速軸線の回りに自在に回転し,旋回制御体が前記旋回入力軸の軸線及び前記変速軸線に直交する旋回軸線の回りに自在に回転するように設けて,これら変速制御体及び旋回制御体の両方を,前記変速用操作具に連動してその各々における軸線の回りに傾き回転するように構成し,更に,前記変速制御体におけるその変速軸線回りの傾き回転にて前記直進走行用変速装置を変速作動するように構成する一方,前記旋回制御体における前記旋回入力軸による回転にて前記旋回走行用変速装置を変速作動するように構成している,
走行車両。
 前記変速制御体における変速軸線及び前記旋回制御体における旋回軸線を,実質的に同一平面上に配設している,
請求項1に記載の走行車両。
 前記旋回入力軸に,当該旋回入力軸と一緒に回転するようにしたスライダーを摺動自在に設けて,このスライダーを,前記変速用操作具に,当該変速用操作具にて往復動するように連動する一方,前記スライダーに,前記変速制御体及び旋回制御体を,当該スライダーの往復動にてその各々における軸線を中心として傾き回転するように連結している,
請求項1又は2に記載の走行車両。
 前記旋回用操作具にて回転する旋回入力軸を内蔵するステアリングボックス内に,前記変速制御体と前記旋回制御体とを設けている,
請求項1に記載の走行車両。
 前記ステアリングボックスを,前記旋回入力軸の軸線と実質的に直角な平面において着脱自在に接合するようにした二つのケースに分割し,この両ケースを,同じ形状に構成している,
請求項4に記載の走行車両。
 前記ステアリングボックスを密閉にして,その内部に,走行車両における各種の油圧機器に使用する作動油が出入りする構成にしている,
請求項4又は5に記載の走行車両。
 前記ステアリングボックス内には,前記変速制御体及び前記旋回制御体を前記変速用操作具によりその各々における軸線の回りに傾き回転する主変速レバー入力軸を,その一端における入力部を前記ステアリングボックスにおける一つの側面に突出して設けるとともに,前記直進走行用変速装置を前記変速制御体におけるその変速軸線回りの傾き回転により変速作動する変速出力軸と,前記前記旋回走行用変速装置を前記旋回制御体の前記旋回入力軸による回転により変速作動する旋回出力軸とを,これら両軸の一端における出力部を前記ステアリングボックスにおける一つの側面に突出して設けている,
請求項4に記載の走行車両。
 前記ステアリングボックスにおける一つの側面が,前記走行機体の走行方向に延びる左右一対の側面のうち一方の側面である,
請求項7に記載の走行車両。
 前記ステアリングボックスにおける一つの側面が,前記走行機体の走行方向に延びる左右一対の側面のうち前記左右の走行部の間に位置する走行ミッションケース側の側面である,
請求項7又は8に記載の走行車両。
 前記変速制御体及び旋回制御体には,前記旋回入力軸の軸線方向から見て前記旋回入力軸を中心として円周方向に延びる円形カムを設け,前記変速制御体における円形カムに摺動自在に係合する変速用滑り子部材により前記直進走行用変速装置を変速作動するように構成する一方,前記旋回制御体における円形カムに摺動自在に係合する旋回用滑り子部材により前記旋回走行用変速装置を変速作動するように構成し,
 前記変速制御体及び前記旋回制御体における円形カムを,カム溝が円周方向に延びるように設けた構成とし,前記変速用滑り子部材及び前記旋回用滑り子部材を,前記円形カムにおけるカム溝内に嵌まる構成としている,
請求項1に記載の走行車両。
 前記変速用滑り子部材及び前記旋回用滑り子部材が,前記カム溝内に摺動自在に嵌まる球体を,回転自在に支持した構成である,
請求項10に記載の走行車両。
 前記変速用滑り子部材及び前記旋回用滑り子部材が,前記溝型カム内に嵌まるリング体を,その支持軸に,回転自在に且つ当該支持軸の軸線に対して任意の方向に自在に傾くことができるように被嵌した構成である,
請求項10に記載の走行車両。
Description:
走行車両

 本発明は,コンバイン等の農作業機やクレ ーン車等の特殊作業機のような走行車両に関 するものである。

 従来から,走行車両としてのコンバインに おいては,左右のクローラ等の走行部にて支 される走行機体に,これに搭載したエンジン 動力を前記左右の走行部に無段変速して伝 する直進走行用変速装置と,前記エンジンの 動力を前記左右の走行部に当該両走行部を互 いに逆転するとともに無段変速して伝達する 旋回走行用変速装置を備えて成る構成にされ ている。

 かかる構成のコンバインの一例が特許文 1及び2に開示されている。特許文献1及び2の コンバインでは,直進走行用変速装置の駆動 力量,すなわち走行機体の直進速度が主変速 バー等の変速用操作具における操作量に応 て調節される。主変速レバーが中立位置に れば,走行機体は直進しない。

 また,旋回走行用変速装置の駆動出力量, なわち走行機体の旋回方向及び旋回速度は, 縦部のうち運転座席の前方に配置された操 ハンドル等の旋回用操作具における回動方 及び回動操作量に応じて調節される。

 この場合,主変速レバー(変速用操作具)及び 向ハンドル(旋回用操作具)は,その両方を,ロ ッドやアーム,枢支ピン等を多用した機械的 動機構を介して,直進走行用変速装置と旋回 行用変速装置との両方に連動連結するとい 構成にすることにより,この機械的連動機構 の作用により,常に,前記主変速レバー(変速用 操作具)にて変速操作される前記直進走行用 速装置にて所定の直進走行速度を維持して るが,前記操向ハンドル(旋回用操作具)を操 すると,左右の両走行部の相互間に前記旋回 行用変速装置にて速度差が付与されて前記 向ハンドル(旋回用操作具)を操作する方向 旋回し,そして,この旋回に際しての前記旋回 走行用変速装置による速度差は,前記操向ハ ドル(旋回用操作具)の操作量に比例して増大 し旋回半径が小さくなるという作動を行うよ うに構成している。

特開2000-177619号公報

特開2001-26282号公報

 しかし,特許文献1及び2において,前記した 作動を行うようにした機械的連動機構は,そ 各々の公報に記載されているように,前記操 ハンドル(旋回用操作具)にて回転する旋回 力軸の先端に,自在継ぎ手を屈曲自在に連結 ,この自在継ぎ手に,前記旋回入力軸の軸線 対して直角の方向に延びる第1アームと,第2 ームとを,これら両アームが前記旋回入力軸 軸線方向から見て互いに直角になるように け,一方の第1アームには,他端を前記直進走 用変速装置に連結した変速用ロッド体の一 を,前記他方の第2アームには,他端を前記旋 走行用変速装置に連結した旋回用ロッド体 一端を,これら両ロッド体が前記旋回入力軸 の軸線方向に延びるように連結し,更に,前記 在継ぎ手を,前記旋回入力軸の軸線と直角の 方向に延びる変速入力軸を介して連動する前 記主変速レバー(変速用操作具)により,前記両 アームのうち第2アームの長手方向を軸線と その回りに回転して,前記主変速レバー(変速 用操作具)及び前記操向ハンドル(旋回用操作 )の操作により,前記両ロッド体を,その他端 中心として一端を前記旋回入力軸の軸線の りに回転しながら長手方向に往復動するこ により,前記直進走行用変速装置及び前記旋 回走行用変速装置の両方を作動するように構 成にしている。

 この従来における機械的連動機構は,ロッ ドやアーム,枢支ピン等を多用していて,かな 複雑な構造であることに加えて,前記直進走 行用変速装置及び前記旋回走行用変速装置の 両方に対するロッド体における一端を,前記 回入力軸の軸線の回りに,当該ロッド体にお る他端が前記旋回入力軸の軸線に沿って略 線的に移動するように,回転するという構成 であり,そのためには,前記両ロッド体を,前記 旋回入力軸の軸線方向に相当に長くしなけれ ばならず,従って,前記旋回入力軸の軸線方向 長さが大幅に増大するから,非常に大型化で あり,これをコンバイン等の走行車両に搭載 た場合に,大きな占有スペースを必要とする かりか,走行機体の重量が大幅に増大するの であり,しかも,当該機械的連動機構に要する 品コストが嵩む上に,製造ライン中での組み 付け工数も多くなるという問題があった。

 本発明は,これらの問題を解消した走行車 両を提供することを技術的課題とするもので ある。

 この技術的課題を解決するため,請求項1 発明は,左右の走行部にて支持される走行機 に,これに搭載したエンジンの動力を前記左 右の走行部に無段変速して伝達する直進走行 用変速装置と,前記エンジンの動力を前記左 の走行部に無段変速して伝達する旋回走行 変速装置を備えるとともに,前記直進走行用 速装置に対する変速用操作具と,前記旋回走 行用変速装置に対する旋回用操作具を備えて 成る走行車両において,前記旋回用操作具に 回転する旋回入力軸に変速制御体と旋回制 体とを,変速制御体が前記旋回入力軸の軸線 直交する変速軸線の回りに自在に回転し,旋 回制御体が前記旋回入力軸の軸線及び前記変 速軸線に直交する旋回軸線の回りに自在に回 転するように設けて,これら変速制御体及び 回制御体の両方を,前記変速用操作具に連動 てその各々における軸線の回りに傾き回転 るように構成し,更に,前記変速制御体にお るその変速軸線回りの傾き回転にて前記直 走行用変速装置を変速作動するように構成 る一方,前記旋回制御体における前記旋回入 軸による回転にて前記旋回走行用変速装置 変速作動するように構成しているというも である。

 請求項2の発明は,請求項1に記載の走行車 において,前記変速制御体における変速軸線 及び前記旋回制御体における旋回軸線を,実 的に同一平面上に配設しているというもの ある。

 請求項3の発明は,請求項1又は2に記載の走 行車両において,前記旋回入力軸に,当該旋回 力軸と一緒に回転するようにしたスライダ を摺動自在に設けて,このスライダーを,前 変速用操作具に,当該変速用操作具にて往復 するように連動する一方,前記スライダーに ,前記変速制御体及び旋回制御体を,当該スラ ダーの往復動にてその各々における軸線を 心として傾き回転するように連結している いうものである。

 請求項4の発明は,請求項1に記載の走行車 において,前記旋回用操作具にて回転する旋 回入力軸を内蔵するステアリングボックス内 に,前記変速制御体と前記旋回制御体とを設 ているというものである。

 請求項5の発明は,請求項4に記載の走行車 において,前記ステアリングボックスを,前 旋回入力軸の軸線と実質的に直角な平面に いて着脱自在に接合するようにした二つの ースに分割し,この両ケースを,同じ形状に構 成しているというものである。

 請求項6の発明は,請求項4又は5に記載の走 行車両において,前記ステアリングボックス 密閉にして,その内部に,走行車両における各 種の油圧機器に使用する作動油が出入りする 構成にしているというものである。

 請求項7の発明は,請求項4に記載の走行車 において,前記ステアリングボックス内には ,前記変速制御体及び前記旋回制御体を前記 速用操作具によりその各々における軸線の りに傾き回転する主変速レバー入力軸を,そ 一端における入力部を前記ステアリングボ クスにおける一つの側面に突出して設ける ともに,前記直進走行用変速装置を前記変速 制御体におけるその変速軸線回りの傾き回転 により変速作動する変速出力軸と,前記前記 回走行用変速装置を前記旋回制御体の前記 回入力軸による回転により変速作動する旋 出力軸とを,これら両軸の一端における出力 を前記ステアリングボックスにおける一つ 側面に突出して設けているというものであ 。

 請求項8の発明は,請求項7に記載の走行車 において,前記ステアリングボックスにおけ る一つの側面が,前記走行機体の走行方向に びる左右一対の側面のうち一方の側面であ というものである。

 請求項9の発明は,請求項7又は8に記載の走 行車両において,前記ステアリングボックス おける一つの側面が,前記走行機体の走行方 に延びる左右一対の側面のうち前記左右の 行部の間に位置する走行ミッションケース の側面であるというものである。

 請求項10の発明は,請求項1に記載の走行車 両において,前記変速制御体及び旋回制御体 は,前記旋回入力軸の軸線方向から見て前記 回入力軸を中心として円周方向に延びる円 カムを設け,前記変速制御体における円形カ ムに摺動自在に係合する変速用滑り子部材に より前記直進走行用変速装置を変速作動する ように構成する一方,前記旋回制御体におけ 円形カムに摺動自在に係合する旋回用滑り 部材により前記旋回走行用変速装置を変速 動するように構成し,前記変速制御体及び前 旋回制御体における円形カムが,カム溝を円 周方向に延びるように設けた構成であり,前 変速用滑り子部材及び前記旋回用滑り子部 が,前記円形カムにおけるカム溝内に嵌まる 成であるというものである。

 請求項11の発明は,請求項10に記載の走行 両において,前記変速用滑り子部材及び前記 回用滑り子部材が,前記カム溝内に摺動自在 に嵌まる球体を,回転自在に支持した構成で るというものである。

 請求項12の発明は,請求項10に記載の走行 両において,前記変速用滑り子部材及び前記 回用滑り子部材が,前記溝型カム内に嵌まる リング体を,その支持軸に,回転自在に且つ当 支持軸の軸線に対して任意の方向に自在に くことができるように被嵌した構成である いうものである。

 請求項1の発明において,先ず,操向ハンド (旋回用操作具)を,直進走行位置に維持した まで,変速用操作具(主変速レバー)を操作す と,これに連動して変速制御体がその変速軸 線回りに傾き回転するとともに,旋回制御体 その旋回軸線回りに傾き回転する。

 すると,直進走行用変速装置が,前記変速 御体におけるその変速軸線回りの傾き回転 て変速作動する一方,前記旋回制御体は傾き 転していても,前記操向ハンドル(旋回用操 具)を操作しない限りこの旋回制御体による 記旋回走行用変速装置の変速作動はなく,左 右の両走行部には同じ回転が伝達されるから ,走行機体は,前進又は後退方向に直進走行す 。

 この直進走行時における車両速度は,前記 直進走行用変速装置における変速作動量にて 決まり,この変速作動量は,前記変速制御体が き回転するときの角度,ひいては,前記変速 操作具(主変速レバー)における操作量にて増 減できるから,走行機体における直進走行時 おける車両速度を,前記変速用操作具の操作 基づいた所定値にすることができる。

 次に,前記した直進走行の状態で,旋回用 作具(操向ハンドル)を操作して旋回入力軸を 回転すると,前記旋回制御体が,その旋回軸線 りに傾き回転した状態のままで前記旋回入 軸と一緒に回転することにより,旋回走行用 変速装置が変速作動して,左右の走行部の相 間に前記旋回走行用変速装置による逆回転 達にて速度差が付与されるから,走行機体が 記旋回用操作具(操向ハンドル)を操作する 向に旋回する。

 そして,前記旋回走行用変速装置における 変速作動量は,前記旋回制御体がその旋回軸 回りに傾き回転した状態のままで旋回入力 にて回転することに基づいて,前記旋回用操 具の操作量に比例するから,前記旋回に際し ての前記旋回走行用変速装置による速度差は ,前記旋回用操作具の操作量に比例して増大 ,前記走行機体における旋回半径が小さくな 。

 つまり,請求項1の発明によると,
「常には,前記変速用操作具にて変速操作さ る前記直進走行用変速装置にて所定の直進 行速度を維持しているが,前記旋回用操作具 操作すると,左右の両走行部の相互間に前記 旋回走行用変速装置にて速度差が付与されて 前記旋回用操作具を操作する方向に旋回し, して,この旋回に際しての前記旋回走行用変 装置による速度差は,前記旋回用操作具の操 作量に比例して増大し旋回半径が小さくなる 。」
という作動を,前記したように,前記変速制御 を,前記旋回入力軸の軸線に直交する変速軸 線回りの傾き回転と,前記旋回制御体を,前記 回入力軸の軸線と前記変速軸線とに直交す 旋回軸線回りの傾き回転との両方にて行う のであることにより,前記旋回入力軸の軸線 に沿った寸法を,前記従来のように長尺の両 ッド体を使用する場合よりも大幅に短縮で る。

 従って,その構造を,前記特許文献1及び2に 比べて著しく簡単に,且つ,小型にでき,コンバ イン等の走行車両に搭載した場合に,占有ス ースは小さくなり,ひいては,その走行機体に おける小型化及び軽量化を図ることができる のであり,しかも,部品コスト及び製造ライン での組み付け工数の低減を達成できる。

 また,請求項2の発明によると,前記旋回入 軸における軸線に沿った寸法をより縮める とができるから,更なる小型化及び軽量化を 図ることができる。

 更にまた,請求項3の発明によると,前記変 制御体及び旋回制御体を変速用操作具にて 時に傾き回動することが簡単な機構に確実 実現できるから,小型化,軽量化及び低コス 化に一層寄与できる。

 請求項4の発明によると,前記変速制御体 前記旋回制御体とを,ステアリングボックス 内蔵することで,このステアリングボックス における前記旋回入力軸の軸線方向の高さ寸 法を小さくでき,薄型に構成できるから,コン イン等の走行車両に搭載した場合に,占有ス ペースは小さくなり,ひいては,その走行機体 小型化及び軽量化を達成できるとともに,走 行車両への組み付けの工程を低減でき,しか ,ステアリングボックスに内蔵したことで耐 性を向上できる。

 この場合に,前記ステアリングボックスを ,請求項5に記載のように,前記旋回入力軸の軸 線と実質的に直角な平面において着脱自在に 接合するようにした二つのケースに分割し, の両ケースを,同じ形状に構成することによ ,二つのケースを,同じ鋳造型にて鋳造する ,同じ金型にてダイキャストできるから,製造 コストを低減できる。

 請求項6の発明によると,前記ステアリン ボックスを密閉にして,その内部に,走行車両 における各種の油圧機器に使用する作動油が 出入りする構成にしているから,前記ステア ングボックスを,その内部を潤滑できるもの ありながら,各種油圧機器の作動油タンクと して利用できることになる。このため,走行 体における更なる小型化及び軽量化を達成 きる。

 請求項7の発明によると,前記ステアリン ボックスにおける一つの側面に,前記変速用 作具から前記主変速レバー入力軸への入力 ,前記変速制御体に連動する変速出力軸から 前記直進走行用変速装置への出力部,及び前 旋回制御体に連動する旋回出力軸から旋回 行用変速装置への出力部を配設したことに り,前記ステアリングボックスと,前記変速用 操作具,直進走行用変速装置及び旋回走行用 速装置の連結を,前記ステアリングボックス おける一つの側面に集中できるから,その連 結構成が簡単で短くなり,組み付け作業が容 になるとともに,遠隔的操作の感度を向上で る。

 特に,請求項8の発明によると,前記請求項7 に記載の連結構成を,直線状に近づけること できるから,前記した効果,すなわち,組み付 作業の容易性及び遠隔的操作の感度向上と う効果を助長できる。

 更に,請求項9の発明によると,前記請求項7 又は8に記載の連結構成を,より短く,且つより 直線状にすることができるから,前記した効 ,すなわち,組み付け作業の容易性及び遠隔的 操作の感度向上という効果をより一層助長で きる。

 請求項10の発明によると,前記変速制御体 び旋回制御体には,前記旋回入力軸の軸線方 向から見て前記旋回入力軸を中心として円周 方向に延びる円形カムを設け,前記変速制御 における円形カムに摺動自在に係合する変 用滑り子部材により前記直進走行用変速装 を変速作動するように構成する一方,前記旋 制御体における円形カムに摺動自在に係合 る旋回用滑り子部材により前記旋回走行用 速装置を変速作動するように構成し,前記変 速制御体及び前記旋回制御体における円形カ ムを,カム溝が円周方向に延びるように設け 構成とし,前記変速用滑り子部材及び前記旋 用滑り子部材を,前記円形カムにおけるカム 溝内に嵌まる構成としているから,前記変速 滑り子部材及び前記旋回用滑り子部材にお る剛性を,これらの滑り子部材を溝型にして, これを棒状断面の円形カムに被嵌するという ように構成した場合よりも向上できる。従っ て,前記各滑り子部材の耐久性を確保できる いう効果を奏する。

 また,請求項10に記載した構成にする場合 は,請求項11又は請求項12に記載した構成を 用することにより,カム溝と,その内部に嵌ま る球体又はリング体との相互間における摺動 摩擦抵抗を大幅に低減できるから,前記した 御の感応性と,これらの耐久性とを確実に向 できる利点がある。

コンバインの側面図である。 コンバインの平面図である。 コンバインの運転操作部を示す斜視図 ある。 走行駆動系統のスケルトン図である。 主変速レバー及び操向ハンドルの機械 連動機構を模式的に示す図である。 機械的連動機構を内蔵するステアリン ボックスの縦断正面図である。 図6のVII-VII視平断面図である。 図6のVIII-VIII視平断面図である。 図6のIX-IX視断面図である。 第1別例における機械的連動機構を模 的に示す図である。 機械的連動機構を内蔵するステアリン グボックスの縦断正面図である。 図11のXII-XII視平断面図である。 図11のXIII-XIII視平断面図である。 図11のXIV-XIV視断面図である。 図13及び図14のW-W,W″-W″視拡大断面図 ある。 前記機械的連動機構における滑り子部 材の第2別例を示す図である。 前記滑り子部材の第3別例を示す図で る。

符号の説明

X 変速軸線
Y 旋回軸線
1 走行機体
10 操向ハンドル(旋回用操作具)
13 主変速レバー(変速用操作具)
16 走行ミッションケース
19 ハンドル軸
20 ステアリングボックス
20″ ステアリングボックスにおける一つの 面
25 直進走行用HST式無段変速機構
25a 変速作動レバー
28 旋回走行用HST式無段変速機構
28a 変速作動レバー
71 機械的連動機構
72 第2旋回入力軸
72a 第2旋回入力軸の軸線
75 スライダー
81 変速制御体
81a 変速制御体の半円形カム
82 旋回制御体
82a 旋回制御体の半円形カム
81a″,82a″ カム溝
85 主変速レバー入力軸
86 変速出力軸
87 主変速アーム
88,90,108 連結手段
89 変速出力アーム
91 主変速フォークアーム
93,94 リンク
96 主変速リンク
97,106,197,206,197″,206″,197′,206′ 滑り子部材
98 変速出力リンク
100 非減速アーム
104 旋回出力軸
105 旋回リンク
107 旋回出力アーム

 以下に,本願発明を具体化した実施形態を ,走行車両としての多条刈りコンバインに適 した場合の図面(図1~図17)に基づいて説明す 。

 (1).コンバインの概略構造
 まず,図1,図2及び図3を参照しながら,前記多 刈りコンバインの概略構造について説明す 。

 実施形態における多条刈りのコンバイン ,左右の走行部としての左右一対の走行クロ ーラ2にて支持された走行機体1を備えている 走行機体1の前部には,圃場の植立穀稈(未刈 稈)を刈り取りながら取り込む刈取部3が図 しない油圧シリンダ等にて昇降調節可能に 着されている。

 走行機体1には,その前進方向に対して左 にフィードチェーン5付きの脱穀部4が,右側 脱穀後の穀粒を貯留するための穀粒タンク6 各々搭載されている。また,前記走行機体1 おける右側には,刈取部3と穀粒タンク6との には運転操縦部7及びエンジン8が前後方向に 並べて設けられている。

 前記操縦部7におけるステップ床部材9の 面には,走行機体1の進行(旋回)方向及び旋回 度を変更操作する旋回用操作具としての操 ハンドル10,オペレータが着座する操縦座席1 1等が配置されているほか,前記ステップ床部 9の上面のうち左側の部分には,サイドコラ 12が設けられ,このサイドコラム12には,変速 操作具としての主変速レバー13が設けられて いるほか,前記刈取部3及び脱穀部4等の断続操 作するための各種のクラッチレバー14,15が設 られている。

 前記主変速レバー13は,走行停止の中立位 を挟んで前方への前進走行と,後方への後退 走行とに操作できるように構成されている。

 前記エンジン8は,前記操縦部9の下方に配 され,このエンジン8の前方で,且つ,前記左右 の両走行クローラ2間の部位には,当該エンジ 8からの動力を適宜変速して左右の両走行ク ローラ2に伝達するための走行ミッションケ ス16が配置されている。

 前記操向ハンドル10は,図3に示すように, 記ステップ床部材9の上面にステアリングブ ケット17にて自在に倒れ回動するように枢 したステアリングパイプ18の上端に軸支して 成るというようにして,前後方向及び左右方 に動かすことができるチルト式の構成であ (なお,左右方向に動かす場合は,前記ステア ングブラケット17を,図3に実線で示す状態か 軸線回りに90度回転する),前記ステアリング パイプ18内には,上端に前記操向ハンドル10を 着したハンドル軸19が設けられ,このハンド 軸19の下端は,以下に詳しく説明するように, 前記ステップ床部材9の下面側に配設したス アリングボックス20への第1旋回入力軸21に, 在軸継ぎ手22を介して連結されている。

 前記ステアリングボックス20は,完全な密 構造であり,詳しくは後述するように,前記 変速レバー13及び操向ハンドル10に対する機 式連動機構を内蔵している。

 (2).コンバインの走行駆動系統
 次に,図4を参照しながら,コンバインの走行 動系統について説明する。

 エンジン8の前方に位置する走行ミッショ ンケース16には,第1油圧ポンプ23及び第1油圧 ータ24からなる直進走行用HST式無段変速機構 25を内蔵していることに加えて,第2油圧ポン 26及び第2油圧モータ27からなる旋回走行用HST 式無段変速機構28をも内蔵している。

 これら両HST式無段変速機構25,28のうち前 の直進走行用HST式無段変速機構25は,前記走 ミッションケース16の上面等の設けた直進用 変速作動レバー25aの回動にて変速作動され, 者の旋回走行用HST式無段変速機構28は,前記 行ミッションケース16の上面等の設けた旋回 用変速作動レバー28aの回動にて変速作動され る。

 また,前記両HST式無段変速機構25,28におい は,エンジン8の出力軸8aに,伝達ベルト30a,30b て,第1及び第2油圧ポンプ23,26の入力軸29a,29b 連動連結させ,各油圧ポンプ23,26を駆動する うに構成されている。

 第1油圧モータ24の出力軸31には,副変速機 32及び差動機構33を介して左右の走行クロー ラ2における各駆動輪34を連動連結させている 。

 差動機構33は左右対称状に配置された一 の遊星ギヤ機構35,35を有している。各遊星ギ ヤ機構35は,1つのサンギヤ36と,該サンギヤ36の 外周で噛合う3つのプラネタリギヤ37と,これ プラネタリギヤ37に噛合うリングギヤ38等に 形成されている。

 プラネタリギヤ37は,サンギヤ軸39と同軸 上に位置したキャリヤ軸40のキャリヤ41にそ ぞれ回転自在に軸支させ,左右のサンギヤ36, 36を挟んで左右のキャリヤ41を対向配置させ いる。リングギヤ38は,各プラネタリギヤ37に 噛み合う内歯38aを有していてキャリヤ軸40に 転自在に軸支されている。キャリヤ軸40は 右外向きに延びていて車軸を構成しており, の先端部に前記駆動輪34(図1及び図3参照)が り付けられている。

 直進走行用HST式無段変速機構25は,その直 用変速作動レバー25aの回動にて第1油圧ポン プ23の回転斜板の角度変更調節を行うことに り第1油圧モータ24の正逆回転と回転数の制 を行うものである。この場合,第1油圧モー 24の回転出力を,出力軸31の伝達ギヤ42から各 ヤ43,44,45及び副変速機構32を経由してサンギ ヤ軸39に固定したセンタギヤ46に伝達し,その 果,サンギヤ36を回転させるように構成され いる。

 副変速機構32は,ギヤ44を有する副変速軸47 と,ギヤ45を介してセンタギヤ46に噛合う(高速 用)ギヤ48を有する駐車ブレーキ軸49とを備え いる。副変速軸47とブレーキ軸49との間には ,各一対の低速用ギヤ50,51,中速用ギヤ52,53,高 用ギヤ54,48を設けており,低中速スライダ55及 び高速スライダ56のスライド操作にて副変速 低速・中速・高速の切換を行うように構成 ている。

 なお,低速・中速間及び中速・高速間には 中立(副変速の出力が0(零)になる位置)を有し いる。駐車ブレーキ軸49には駐車ブレーキ57 を設けている。また,刈取部3に回転力を伝達 る刈取PTO軸58には,ギヤ59,60及び一方向クラ チ61を介して副変速軸47を連結させており,刈 取部3を車速同調速度で駆動させ得るように 成されている。

 上記構成から分かるように,実施形態のコ ンバインは,センタギヤ46からサンギヤ軸39に 達された第1油圧モータ24の駆動力を,左右の 遊星ギヤ機構35を介して左右キャリヤ軸40に 達させると共に,左右キャリヤ軸40に伝達さ た回転動力を左右の駆動輪34にそれぞれ伝え ,左右走行クローラ2を駆動するように構成さ ている。

 つまり,これらにより,本発明において,「 ンジンの動力を前記左右の走行部に無段変 して伝達する直進走行用変速装置」を構成 ている。

 一方,旋回走行用HST式無段変速機構28は,そ の旋回用変速作動レバー28aの回動にて第2油 ポンプ26の回転斜板の角度変更調節を行うこ とにより第2油圧モータ27の正逆回転と回転数 の制御を行うものである。この場合,ミッシ ンケース13内には,操向出力ブレーキ62を有す るブレーキ軸63と,操向出力クラッチ64を有す クラッチ軸65と,前述した左右リングギヤ38 外歯38bに常時噛合させる左右入力ギヤ66,67と を備えている。

 第2油圧モータ27の出力軸68には,前記ブレ キ軸63及び操向出力クラッチ64を介して,ク ッチ軸65を連結させ,クラッチ軸65に,正転ギ 69を介して右入力ギヤ67を連結させている。 た,クラッチ軸65には正転ギヤ69及び逆転ギ 70を介して左入力ギヤ66を連結させている。

 低中速及び高速スライダ55,56を中立にし 操向出力ブレーキ62を入にし且つ操向出力ク ラッチ64を切にすることにより,第2油圧モー 27からの回転動力の伝達が阻止される。

 また,前記中立以外の副変速出力時に操向 出力ブレーキ62を切にし且つ操向出力クラッ 64を入にすることにより,第2油圧モータ27の 転動力は,正転ギヤ69を介して右側のリング ヤ38の外歯38bに伝達されると共に,正転ギヤ6 9及び逆転ギヤ70を介して左側のリングギヤ38 外歯38bに伝達される。その結果,第2油圧モ タ27の正転(逆転)時は,互いに逆方向の同一回 転数で,左リングギヤ38が逆転(正転)し,右リン グギヤ38が正転(逆転)する。

 つまり,これらにより,本発明において,「 記エンジンの動力を前記左右の走行部に当 両走行部を互いに逆転するとともに無段変 して伝達する旋回走行用変速装置」を構成 ている。

 而して,旋回用の第2油圧モータ27を停止さ せて左右リングギヤ38を静止固定させた状態 ,直進用の第1油圧モータ24を駆動すると,第1 圧モータ24からの回転出力はセンタギヤ46か ら左右のサンギヤ36に同一回転数で伝達され, 左右遊星ギヤ機構35のプラネタリギヤ37及び ャリヤ41を介して,左右の走行クローラ2が左 同一回転方向で同一回転数にて駆動し,走行 機体1の前後方向直進走行が行われる。

 一方,直進用の第1油圧モータ24を駆動させ ながら,旋回用の第2油圧モータ27を駆動させ と,左右の走行クローラ2の相互間には,前記 回走行用変速装置による逆回転にて速度差 付与されるから,走行機体1が左右に旋回して 進路が修正される。走行機体1の旋回半径は 2油圧モータ27の出力回転数によって決定さ る。

 (3).ステアリングボックス及び機械式連動機 構
 図5~図9に示すように,前記ステアリングボッ クス20には,前記主変速レバー13及び操向ハン ル10に応じて,前記直進走行用HST式無段変速 構25及び旋回走行用HST式無段変速機構28の両 方を前記したように作動するための機械的連 動機構71を内蔵している。

 この機械的連動機構71は,前記ステアリン ボックス20内に両端を軸支して設けた第2旋 入力軸72を備え,この第2旋回入力軸72の上端 ,前記ステアリングボックス20内において前 第1旋回入力軸21に,互いに噛合するギヤ73,74 介して連動し,前記操向ハンドル10にて回転 るように構成されている。

 また,前記第2旋回入力軸72における上部に はスライダー75が摺動自在に被嵌され,下部に はホルダー部材76を回転及び摺動不能に嵌着 れ,前記スライダー75は,前記第2旋回入力軸72 に対して,ボール型キー77にて自在に摺動でき る状態のもとで当該第2旋回入力軸72と一緒に 回転するように構成されている。

 更にまた,前記第2旋回入力軸72のうち前記 ホルダー部材76より下側の部分には巻きばね7 8が被嵌して設けられ,この巻きばね78におけ 始端78a及び終端78bの両方は,前記ステアリン ボックス20に固着したピン79と,前記ホルダ 部材76に固着したピン80との両方に係合する とで,前記操向ハンドル10を,この巻きばね78 て,当該操向ハンドル10を左右に回した位置 ら常時直進走行の位置に戻し付勢するよう 構成している。

 すなわち,前記操向ハンドル10における左 方向への回転操作は,前記巻きばね78におけ 弾性に抗して行われ,元の直進走行位置には 前記巻きばね78の弾性力にて戻すように構成 ている。

 前記操向ハンドル10は,図示しないが,当該 操向ハンドル10における直進走行位置から右 向及び左方向への回転操作角度を,図8に示 ように,左右の両方向への所定の最大切れ角 θ1,θ2(例えば,θ1=67.5度,θ2=67.5度)の範囲内に 制するように構成されている。

 前記ステアリングボックス20内の下部に いて,前記ホルダー部材76を挟んで左右両側 うち一方側の部分には変速制御体81が,他方 の部分には旋回制御体82が各々配設されてい る。

 前記変速制御体81の外周には,前記第2旋回 入力軸72の軸線72aの方向から見た平面視にお て,図8に示すように,丸棒状体を前記第2旋回 入力軸72の回転中心を中心とする半径Rの半円 形に曲げることで構成した半円形カム81aが設 けられ,この変速制御体81の両端部は,当該変 制御体81が前記第2旋回入力軸72の回転中心を 通って前記第2旋回入力軸72の軸線72aと直交す るように延びる変速軸線Xの回りに自在に回 するようにピン軸83にて枢着されている。

 一方,前記旋回制御体82の外周には,同様に ,前記第2旋回入力軸72の軸線72aの方向から見 平面視において,図8に示すように,棒状体を 記第2旋回入力軸72の回転中心を中心とする 径Rの半円形に曲げることで構成した半円形 ム82aが設けられ,この旋回制御体82の中央部 ,前記ホルダー部材76に対して,前記第2旋回 力軸72の軸線72aの方向から見て(図7),当該旋 制御体82が前記第2旋回入力軸72の回転中心を 通って前記第2旋回入力軸72の軸線72aと前記変 速軸線Xとの両方に直交するように延びる旋 軸線Yを中心として,この旋回軸線Yの回りに 端が上下動するように回転自在にピン軸84に て枢着されている。

 前記ステアリングボックス20内における 部において,前記第2旋回入力軸72を挟んで左 両側のうち一方側の部分には,前記第2旋回 力軸72の軸線72aの方向から見て(図7),前記第2 回入力軸72に対して直交するように延びる 変速レバー入力軸85が,他方側の部分には,同 く前記第2旋回入力軸72の軸線72aの方向から て(図7),前記第2旋回入力軸72に対して直交す るように延びる変速出力軸86が,その各々にお ける一端部が前記ステアリングボックス20に ける各側面のうち前記走行ミッションケー 16側における一つの側面(走行機体1の前進方 向に対して左側の側面)20″に突出するように 軸支されている。

 この両軸のうち主変速レバー入力軸85の 出端に固着した主変速アーム87には,図3及び 4に示すように,前記運転操縦部7における主 速操作レバー13が,当該主変速レバー13の回 操作にて前記主変速レバー入力軸85が回転す るようにロッド等の連動連結手段88にて連結 れている。

 一方,前記変速出力軸86の突出端に固着し 変速出力アーム89には,同じく図3及び図4に すように,前記走行ミッションケース16の直 走行用HST式無段変速機構25における直進用変 速作動レバー25aが,前記変速出力軸86の回転に よって変速作動するようにロッド等のような 連動連結手段90にて連結されている。

 前記主変速レバー入力軸85のうち前記ス アリングボックス20内の部分には,主変速フ ークアーム91が固着され,この主変速フォー アーム91の先端に設けたボールベアリング92 ,前記スライダー75の外周に設けた環状溝75a 嵌まり係合しており,これにより,前記スラ ダー75が,前記主変速レバー入力軸85の回転, いては,前記主変速レバー13の回動操作によ て前記第2旋回入力軸72に沿って上下摺動す ように構成している。

 すなわち,前記スライダー75は,前記主変速 レバー13を中立位置にしているとき,図6に実 で示す部位に位置しているが,前記主変速レ ー13の中立位置から前後への回動操作によ て上下動するように構成されている。

 また,前記スライダー75と前記変速制御体8 1との間,及び前記スライダー75と前記旋回制 体82との間の両方は,各々リンク93,94にて連結 されていて,前記主変速レバー13が中立位置に あるときには,前記スライダー75は上下動する ことなく,従って,前記変速制御体81及び前記 回制御体82の両方はいずれも中立位置の水平 姿勢のままで傾き回動しないが,前記主変速 バー13を,前記中立位置から前後に回動操作 ると,前記スライダー75が上下動することに り,前記変速制御体81が,図9に示すように,そ ピン軸83を中心として変速軸線Xの回りに,水 姿勢を挟んで上下方向に適宜角度α1,α2の範 囲内を傾き回動するとともに,前記旋回制御 82が,図6に示すように,そのピン軸84を中心と て旋回軸線Yの回りに,その両端が水平姿勢 挟んで上下方向に適宜角度β1,β2の範囲内に いに逆方向に天秤状に上下動するように傾 回動するように構成している。

 そして,前記ステアリングボックス20の側 のうち前記一つの側面20″と反対側におけ 他の側面20′には,前記変速出力軸86の略真下 の部位に前記変速出力軸86と平行に構成した 間軸95がステアリングボックス20内に突出す るように軸支され,この中間軸95の内端には, 変速リンク96が上下方向に自在に回動するよ うに設けられ,この主変速リンク96のうち前記 第2旋回入力軸72における軸線72aの方向から見 て(図8)前記旋回軸線Yの延長線上の部位には, 該部位において前記変速制御体81のうち半 形カム81aに嵌まり係合するように構成した 速用滑り子部材97が,前記旋回軸線Yの回りに 在に回転するように設けられている。

 前記主変速リンク96は,これに前記変速出 軸86に基端を回転自在に被嵌した変速出力 ンク98の先端がリンク99を介して連結されて ることにより,前記変速制御体81におけるそ 変速軸線Xの回りの傾き回動に連動して,前 変速出力リンク98が回動するように構成され ている。

 また,前記変速出力軸86には,非減速アーム 100の基端が回転自在に被嵌され,この非減速 ーム100は,その先端に穿設した長孔100aに前記 主変速フォークアーム91の先端におけるピン1 01が嵌まり係合することで,前記主変速フォー クアーム91における上下動に連動して回動す ように構成されている。

 更にまた,前記変速出力軸86には,前記変速 出力リンク98と,前記非減速アーム100との間に 部位に,前記変速出力軸86にスプライン係合又 は滑りキー等にて回転不能に構成される切り 換え部材102が,軸線方向に摺動自在に設けら ,この切り換え部材102をステアリングボック 20の外側から摺動操作することにより,図7に 示すように,そのピン103の前記変速出力リン 98への係合にて前記変速出力軸86と前記変速 力リンク98とを結合する減速状態と,そのピ 103の前記非減速アーム100への係合にて前記 速出力軸86と前記非減速アーム100とを結合 る非減速状態とに選択的に切り換えること できるように構成している。

 前記ステアリングボックス20の側面のう 前記一つの側面20″には,前記変速出力軸86の 略真下の部位に前記変速出力軸86と平行に構 した旋回出力軸104が,ステアリングボックス 20の内外に突出するように軸支されている。

 この旋回出力軸104のうちステアリングボ クス20内への内端には,旋回リンク105の基端 回転不能に固着され,この旋回リンク105のう ち前記第2旋回入力軸72における軸線72aの方向 から見て(図8)前記旋回軸線Yの延長線上の部 には,当該部位において前記旋回制御体82の ち半円形カム82aに嵌まり係合するように構 した旋回用滑り子部材106が,前記旋回軸線Yの 回りに自在に回転するように設けられていて ,これにより,前記旋回出力軸104が,前記旋回制 御体82がその旋回軸線Yの回りに天秤状に傾き 回動した状態で前記第2旋回入力軸72にて回転 することに連動して回転するように構成され ている一方,前記旋回出力軸104のうち外端に 着した旋回出力アーム107には,図3及び図4に すように,前記旋回出力軸104の回転によって 記走行ミッションケース16の旋回走行用HST 無段変速機構28における旋回用変速作動レバ ー28aが変速作動するようにロッド等の連動連 結手段108にて連結されている。

 なお,前記ステアリングボックス20におけ 前記主変速アーム87,変速出力アーム89及び 回出力アーム107と,その各々における主変速 バー13,直進用変速作動レバー25a及び旋回用 速作動レバー28aとを連結するロッド等の連 連結手段88,90,108には,その間における寸法誤 差等に対応するために,ターンバックル等の さ調節機構が設けられていることはいうま もない。

 前記機械式連動機構71を内蔵するステア ングボックス20は,前記第2旋回入力軸72にお る軸線72aと直角の平面Aで,ダイキャスト製の 上部ボックス体20aと,同じくダイキャスト製 下部ボックス体20aとの二つ割りで,この両者 その間にシール用のガスケット(図示せず) 挟んだ状態で,周囲に配設した複数本のボル (図示せず)にて着脱可能に結合し,その内部 は,コンバインにおける各種の油圧機器(例 ば,前記刈取部3を昇降動する油圧シリンダ) 使用される作動油,又は,前記直進走行用HST式 無段変速機構25及び/又は旋回走行用HST式無段 変速機構28に使用される作動油が出入りする 成であり,且つ,この出入りする作動油にて 記機械式連動機構71を潤滑するという構成に なっており,このステアリングボックス20には ,図示していないが,前記の作動油が出入りす ための入り口及び出口が設けられている。

 しかも,前記両ボックス体20a,20bの両方は, じ鋳物型にて同じ形状にして鋳造されるか, 或いは,同じ金型にて同じ形状にしてダイキ ストされる。

 すなわち,前記上部ブックス体20aには,前 第1旋回入力軸21を軸支するボス部109,前記第2 旋回入力軸72の上端を軸支するボス部110,前記 主変速レバー入力軸85の両端を軸支するボス 111,112,及び,前記変速出力軸86の両端を軸支 るボス部113,114を設けている。

 一方,前記下部ボックス20bを,前記上部ブ クス体20aにおける各ボス部109,110,111,112,113,114 の箇所に各々に,同じようにボス部109″,110″, 111″,112″,113″,114″を設けてダイキャストし ,これらボス部のうちボス部111″にて前記第2 回入力軸72の下端を,ボス部113″にて前記中 軸を,ボス部114″にて前記旋回出力軸104を各 々軸支し,その他のボス部109″,111″,112″を塞 いだままでダイキャストするか,前記上部ボ クス20Aと同じように機械加工したあとで軸 け孔を塞ぐという構成にすることにより,前 両ボックス体20a,20bを,同じ鋳造型にて鋳造 るか,或いは,同じ金型によってダイキャスト することができるから,製造コストを大幅に 減できる。

 また,前記ステアリングボックス20のうち 記第1旋回入力軸21,主変速レバー入力軸85,変 速出力軸86及び旋回出力軸104が貫通して突出 る部分には,内部の作動油のもれを阻止する ためのオイルシールが設けられていることは いうまでもない。

 (4).機械式連動機構の作動
 次に,図5~図9を参照しながら,主変速レバー73 や操向ハンドル10を操作したときの前記機械 連動機構71の作動について説明する。

 前記主変速レバー73が中立位置のときは, れに連動連結手段88,主変速アーム87,主変速 バー入力軸85,及び主変速フォークアーム91 介して連動するスライダー75は上下動するこ とはなく,前記変速制御体81及び前記旋回制御 体82の両方はいずれも中立位置の水平姿勢の まで傾き回動しないので,この状態では,操 ハンドル10を左右のいずれの方向に回動操作 しても,変速出力軸86及び旋回出力軸104の両方 といずれも回転することはないから,両方のHS T式無段変速機構25,28は駆動することはない。

 つまり,主変速レバー13を中立位置にセッ して走行機体1の直進を停止させた状態では ,オペレータの不用意な接触等にて操向ハン ル10を回動させたとしても,両方のHST式無段 速機構25,28は駆動することはなく,走行機体1 確実に停止状態に維持できる。

 従って,例えばメンテナンス作業等に際し ては,主変速レバー13を中立位置にセットして おけば,オペレータの意図に反して走行機体1 予想外の挙動をするおそれを確実に回避で ,安全性を十分に確保できる。

 次に,前記操向ハンドル10を直進走行位置 維持した状態のもとで,前記主変速レバー13 前記中立位置から回動操作をしたときは,こ れに連動して前記スライダー75が上下動する とにより,前記変速制御体81が,図9に二点鎖 で示すように,その変速軸線X回りに上下動す るように傾き回動して,当該変速制御体81にお ける半円形カム81aが上下動する一方,前記旋 制御体82が,図6に二点鎖線で示すように,その 旋回軸線Y回りに傾き回動して,当該旋回制御 82における半円形カム82aが天秤状に傾斜す 。

 このとき,前記変速出力軸86における切り え部材102におけるピン103を,変速出力リンク 98に係合することにより,前記変速出力リンク 98と前記変速出力軸86とが一体に回転するよ に連結しておく。

 すると,前記変速制御体81における傾き回 にてその半円形カム81aが上下動するとによ ,この半円形カム81aが嵌まり係合する変速用 滑り子部材97が上下動し,この変速用滑り子部 材97の上下動が,主変速リンク96,リンク99,変速 出力リンク98,切り換え部材102,変速主力軸86, 速出力アーム89及び連動連結手段90を介して, 前記直進走行用HST式無段変速機構25における 進用変速作動レバー25aに伝達することによ ,前記直進走行用HST式無段変速機構25が,前記 変速制御体81におけるその変速軸線X回りの傾 き回転にて中立位置から変速作動する一方, 記旋回制御体82は傾き回転していても,前記 向ハンドル10を操作しない限りこの旋回制御 体82による前記旋回走行用HST式無段変速機構2 8における中立位置からの変速作動はなく,左 の両走行クローラ2には,前記直進走行用HST 無段変速機構25にて同じ回転数が同時に伝達 されるから,走行機体1は,前進又は後退方向に 直進走行する。

 この直進走行時における車両速度は,前記 直進走行用HST式無段変速機構25における直進 変速作動レバー25aの中立位置からの変速作 量にて決まり,この中立位置からの変速作動 量は,前記変速制御体81が水平姿勢の中立位置 からの傾き回転するときの角度,ひいては,前 主変速レバー13における操作量にて増減で るから,走行機体1の直進走行時における車両 速度を,前記主変速レバー13の中立位置からの 操作に基づいた所定値にすることができる。

 次に,前記した直進走行の状態で,操向ハ ドル10を直進走行位置から右又は左方向に回 転操作して第2旋回入力軸72を回転すると,前 変速制御体81及び旋回制御体82の両方が,前記 したように傾き回転した状態のままで前記第 2旋回入力軸と一緒に回転する。

 この場合,前記旋回制御体82は,その半円形 カム82aが天秤状に傾斜したままで前記第2旋 入力軸72にて回転することにより,前記半円 カム82aが嵌まり係合している旋回用滑り子 材106が,前記第2旋回入力軸72による回転にて 下動し,この上下動が,旋回リンク105,旋回出 軸104,旋回出力アーム107及び連動連結手段108 を介して,前記旋回走行用HST式無段変速機構28 における旋回用変速作動レバー28aに伝達する ことにより,前記旋回走行用HST式無段変速機 28が中立位置から変速作動する。

 これにより,前記左右の走行クローラ2に ,この旋回走行用HST式無段変速機構28の中立 置からの変速作動にて互いに逆方向の回転 同時に伝達され,前記左右の走行クローラ2の 相互間には,速度差が付与されるから,走行機 1は,前記操向ハンドル10を操作する方向に旋 回する。

 そして,前記旋回走行用HST式無段変速機構 28における中立位置からの変速作動量は,前記 旋回制御体82がその旋回軸線Y回りに傾き回転 した状態のままで第2旋回入力軸72にて回転す ることに基づいて,前記操向ハンドル10におけ る直進走行位置からの回転操作角度,つまり, 作量に比例するから,前記旋回に際しての前 記旋回走行用HST式無段変速機構28による速度 は,前記操向ハンドル10における直進走行位 からの回転操作角度,つまり,操作量に比例 て増大し,走行機体1における旋回半径が小さ くなる。

 ところで,前記実施の形態において,前記 速制御体81の外周に設けた半円形カム81aが嵌 まり係合する変速用滑り子部材97を,前記変速 制御体81におけるその変速軸線X回りの傾き回 転にて上下動することによって,前記直進走 用HST式無段変速機構25を変速作動するように 構成した場合には,前記操向ハンドル10の回転 操作で走行機体1を旋回するときの旋回半径 ,前記の場合よりも更に小さくすることがで る。

 すなわち,前記操向ハンドル10を直進走行 置から回転操作すると,前記変速制御体81が 2旋回入力軸72にて回転することで,この変速 制御体81における半円形カム81aが嵌まり係合 る変速用滑り子部材97は,前記変速制御体81 第2旋回入力軸72による回転に伴って,前記半 形カム81aのうちその端部の部分に移行する とにより,この変速用滑り子部材97における 記半円形カム81aによる上下動の距離が,当該 変速用滑り子部材97が前記操向ハンドル10の 進走行位置で半円形カム81aにおける中央部 に位置している場合よりも小さくなり,ひい は,前記直進走行用HST式無段変速機構25の変 作動量が小さくなって,左右の走行クローラ 2への伝達回転数が減速され,前記左右の走行 ローラ2の相互間の速度差が大きくなるから ,走行機体1の旋回半径は小さくなる。

 しかし,このように走行機体1の旋回半径 より小さくすることは,湿田等のように,地面 が柔らかい地面の場合において,両走行クロ ラ2の地面へのめり込みが増大するになる。

 この場合には,前記機械的連動機構71の変 出力軸86における切り換え部材102を,当該切 換え部材102にて前記変速用滑り子部材97に 動する変速出力リンク98を前記変速出力軸85 結合する状態から,前記主変速フォークアー ム91に連動する非減速アーム100を当該切り換 部材102にて前記変速出力軸86に結合する状 に切り換え操作する。

 これにより,前記主変速レバー13の操作は, 前記操向ハンドル10の回転操作にかかわらず, そのまま,連結手段88,主変速アーム87,主変速 バー入力軸85,主変速フォークアーム91,非減 アーム100,変速出力軸86,変速出力アーム89及 連結手段88を介して前記直進走行用HST式無段 変速機構25における直進用変速作動レバー25a 伝達されることになって,前記操向ハンドル 10を回転操作したときにおける前記変速制御 81の半円形カム81aによる減速状態から解除 れ,走行機体1の旋回半径が所定値より小さく なることを規制できるから,柔らかい地面へ めり込みを抑制できるというように,コンバ ンを湿田仕様にできる。

 また,前記機械的連動機構71を内蔵するス アリングボックス20を,運転操作部7における ステップ床部材9の下面側に配設し,このステ リングボックス20のうち前記両走行クロー 2の間に位置する走行ミッションケース16側 おける一つの側面(前進方向に対して左側の 面)20″に,前記主変速レバー13から前記機械 連動機構71への入力部であるところの主変 アーム87を設けることに加えて,前記機械的 動機構71から走行ミッションケース16におけ 直進走行用HST式無段変速機構25への出力部 あるところの変速出力アーム89,及び,前記機 的連動機構71から走行ミッションケース16に おける旋回走行用HST式無段変速機構28への出 部であるところの旋回出力アーム107を設け という構成にしたことにより,前記機械的連 動機構71と,前記主変速レバー13及び前記走行 ッションケース16との連結手段88,90,108にお て,その構成を簡単化できるばかりか,長さを 短くできるとともに,遠隔的操作の感度を向 できる利点がある。

 (5).半円形カム及び滑り子部材の第1別例
 図10~図15には半円形カム及び滑り子部材の 1別例を示している。当該第1別例では,各半 形カム81a,82aの外周側に形成されたカム溝81a に,旋回軸線Y回りに回転可能となるように リンク96,105に設けられた滑り子部材197,206を 動可能に係合させている点において,先の実 施形態と相違している。その他の構成は先の 実施形態と同様である。

 すなわち,変速制御体81における半円形カ 81aの外周側には,カム溝81a″が円周方向に延 びるように設けられている一方,旋回制御体82 における半円形カム82aの外周側にも,カム溝82 a″が円周方向に延びるように設けられてい 。

 ステアリングボックス20内にある主変速 ンク96のうち前記第2旋回入力軸72における軸 線72aの方向から見て(図13)前記旋回軸線Yの延 線上の部位には,当該部位において前記変速 制御体81における半円形カム81aに摺動自在に 合する変速用滑り子部材197が,前記旋回軸線 Yの回りに自在に回転するように設けられて る。

 この変速用滑り子部材197は,図15に示すよ に,前記主変速リンク96に対してボールベア ング197bにて回転自在に軸支した軸部197aと, の軸部197aの先端に一体に設けた球体197cと よって構成され,その球体197cを,前記変速制 体81の半円形カム81aにおけるカム溝81a″内に ,摺動及び回転自在に挿入するという構成に っている。

 ステアリングボックス20内にある旋回リ ク105のうち前記第2旋回入力軸72における軸 72aの方向から見て(図13)前記旋回軸線Yの延長 線上の部位には,当該部位において前記旋回 御体82における半円形カム82aに摺動自在に係 合する旋回用滑り子部材206が,前記旋回軸線Y 回りに自在に回転するように設けられてい 。

 この旋回用滑り子部材106も,図15に示すよ に,前記旋回リンク105に対してボールベアリ ング206bにて回転自在に軸支した軸部206aと,こ の軸部206aの先端に一体に設けた球体206cとに って構成され,その球体206cを,前記旋回制御 82における半円形カム82aのカム溝82a″内に, 動及び回転自在に挿入するという構成にな ており,これにより,前記旋回制御体82がその 旋回軸線Yの回りに天秤状に傾き回動した状 で前記第2旋回入力軸72にて回転することに 動して,前記旋回出力軸104が回転するように 成されている。

 以上の構成において,主変速レバー73や操 ハンドル10を操作したときの前記機械式連 機構71の作動態様は,先の実施形態の場合と 様である。第1別例によると,変速制御体81及 旋回制御体82における半円形カム81a,82aを,カ ム溝81a″,82a″が円周方向に延びるように設 た構成とし,変速用滑り子部材197及び旋回用 り子部材206を,前記半円形カム81a,82aにおけ カム溝81a″,82a″内に嵌まる構成としている ら,各滑り子部材197,206の剛性を,これらを溝 にして棒状断面の半円形カムに被嵌すると う構成にした場合よりも向上できる。従っ ,前記各滑り子部材197,206の耐久性を確保で るという効果を奏する。

 また,第1別例では,前記変速用滑り子部材9 7及び旋回用滑り子部材106のうちその各々の 形カム81a,82aにおけるカム溝81a″,82a″内に摺 動自在に嵌まる球体97c,106cを,軸部97a,106aにて 転自在に支持するという構成にしたことに り,これらの相互間における摺動摩擦抵抗を 大幅に低減できるという利点もある。

 (6).その他の別例
 本願発明における変速用滑り子部材及び旋 用滑り子部材は,前記図示した構成の変速用 滑り子部材97,197及び旋回用滑り子部材106,206 することに限らず,図16又は図17に示すように ,前記溝型カム(半円形カムのカム溝)内に嵌ま るリング体を,その支持軸に,回転自在に且つ 該支持軸の軸線に対して任意の方向に自在 傾くことができるように被嵌した構成にす ことができる。

 図16は,変速用滑り子部材197″及び旋回用 り子部材206″のうちいずれか一方又は両方 ,前記円形カム81a,82aにおけるカム溝81a″,82 内に摺動自在に嵌めたリング体215と,変速出 アーム96及び/又は旋回出力アーム107に取付 た支持軸216とで構成して,前記リング体215を ,前記支持軸216に一体に設けた球体217に,回転 在に且つ当該支持軸の軸線に対して任意の 向に自在に傾くことができるように被嵌し 場合である。

 図17は,変速用滑り子部材197′及び旋回用 り子部材206′のうちいずれか一方又は両方 ,変速出力アーム96及び/又は旋回出力アーム 107に取付けた支持軸218と,この支持軸218に被 した自動調心玉軸受219とで構成し,前記自動 心玉軸受219を,前記円形カム81a,82aにおける ム溝81a″,82″内に摺動自在に嵌めることに り,当該自動調心玉軸受219の外側におけるリ グ体219aを,回転自在に且つ当該支持軸の軸 に対して任意の方向に自在に傾くことがで るようにした場合である。

 上記いずれの構成においても,これらの相 互間における摺動摩擦抵抗を大幅に低減でき る。

 なお,前記各実施形態は,コンバインに適 した場合であったが,本発明はこれに限らず, 走行機体が左右の走行クローラ等のような走 行部にて支持されているものであれば,田植 又はトラクタ等の各種の農作業とか,各種の 機又は各種のクレーン車等その他の走行車 にて適用できることは言うまでもない。