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Patent Searching and Data


Title:
SEALING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/130933
Kind Code:
A1
Abstract:
A sealing device (1) having an oil seal (10) mounted to non-rotatable housing (2) and also having a slinger (20) mounted to a rotating body (5) on the inner peripheral side of the oil seal (10) so as to be located on the axially outer side of the oil seal (10), the oil seal (10) having an oil-resistant seal lip (13) slidably in close contact with the outer peripheral surface of the rotating body (5), wherein a seal ring (30) axially opposed to the slinger (20) is provided outward of the oil-resistant seal lip (13), a gap (G3) being formed between the seal ring (30) and the slinger (20) so as to decrease to the outer diameter side. The construction prevents muddy water etc. from entering from the outside (A) into a slide section (S1) of the oil-resistant seal lip (13).

Inventors:
NAKAGAWA TAKEHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052464
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
February 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NOK CORP (JP)
NAKAGAWA TAKEHIRO (JP)
International Classes:
F16C33/78; F16C33/80; F16J15/3232; F16J15/3264
Foreign References:
JP2001510534A2001-07-31
JP2006083981A2006-03-30
JPS60108856U1985-07-24
JPH02113173A1990-04-25
JPH0583540U1993-11-12
JPH0680065U1994-11-08
JP2008032067A2008-02-14
JPS62102068U1987-06-29
Attorney, Agent or Firm:
NOMOTO, Yoichi (JP)
Yoichi Nomoto (JP)
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Claims:
 非回転のハウジングに取り付けられるオイルシールと、前記ハウジングの内周に挿通された回転体に前記オイルシールの軸方向外側に位置して取り付けられるスリンガとを備え、前記オイルシールに、前記回転体の外周面に摺動可能に密接される対油シールリップが形成された密封装置において、前記対油シールリップより外側に前記スリンガと軸方向に対向するシールリングが設けられ、このシールリングと前記スリンガとの間の隙間が、外径側へ向けて狭まるように形成されたことを特徴とする密封装置。
 シールリングが、オイルシールに一体に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
 シールリングが、ハウジングにオイルシールの外径側に位置して取り付けられ径方向に展開してスリンガと軸方向に対向する外径フランジに保持されると共に前記スリンガへ向けて弾性付勢されたことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
 シールリングが、ハウジングにオイルシールの外径側に位置して取り付けられ径方向に展開してスリンガと軸方向に対向する外径フランジからなり、前記スリンガと前記外径フランジのうち少なくとも一方に、このスリンガと外径フランジの対向面間の隙間を外径側ほど狭める円錐壁が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
 非回転のハウジングに取り付けられるオイルシールと、前記ハウジングの内周に挿通された回転体に前記オイルシールの軸方向外側に位置して取り付けられるスリンガと、前記ハウジングに前記オイルシールの外径側に位置して取り付けられ径方向に展開して前記スリンガと軸方向に対向する外径フランジとを備え、前記オイルシールが、前記回転体の外周面に摺動可能に密接される対油シールリップを有し、前記スリンガと外径フランジの互いの対向面のうち一方に、前記スリンガの回転により外径側へのポンプ力を生じる渦巻き溝又は渦巻き羽根が形成されたことを特徴とする密封装置。
 外径フランジの外径端部から、渦巻き溝又は渦巻き羽根の外周を覆うと共にスリンガの外径に近接される外径筒部が延在されたことを特徴とする請求項5に記載の密封装置。
 スリンガに、対油シールリップより外側でオイルシールの補強環と摺動可能に密接されるサイドリップが設けられ、このサイドリップが、遠心力によって前記補強環に対する締め代が低下する方向へ延びることを特徴とする請求項5に記載の密封装置。
Description:
密封装置

 本発明は、車両のトランスファー装置や 輪軸受等、外部からの泥水等に曝されやす 部分の軸周等を密封する密封装置であって 特に、対油シールリップの摺動部へ泥水等 侵入するのを防止した構造を備えるものに する。

 車両のトランスファー装置や車輪軸受装 等に用いられる密封装置は、外部から泥水 が飛来しやすいため、対油シールリップの 動部へ泥水等が侵入するのを極力抑制して 対油シールリップにおける密封性の低下を 及的に防止する必要がある。図9は、従来技 術によるこの種の密封装置の一例を、軸心O 通る平面で切断して示す装着状態の半断面 である。

 すなわち図9において、参照符号2はトラ スファー装置や車輪軸受装置等のハウジン 、参照符号3は前記ハウジング2に挿通され軸 受4を介して軸心Oの周りに回転可能な状態に 持された回転軸、参照符号5はこの回転軸3 外周にスプライン嵌合されると共にナット6 よって固定されたスリーブ、参照符号7は回 転軸3とスリーブ5との間を密封するパッキン ある。スリーブ5の端部に形成されたコンパ ニオンフランジ5aは、不図示のプロペラシャ ト等に結合される。

 密封装置100は、軸受4の軸方向外側に位置 してハウジング2の内周に取り付けられた非 転のオイルシール110と、このオイルシール11 0の軸方向外側に位置してスリーブ5の外周に り付けられ、回転軸3及びスリーブ5と一体 回転されるスリンガ120とを備える。

 詳しくは、オイルシール110は、軸受4側を 向いて延びる対油シールリップ111と、この対 油シールリップ111と反対側(外側)を向いて延 るサイドリップ112及びダストリップ113とを する。対油シールリップ111は、スリーブ5の 外周面に摺動可能に密接されることによって 、軸受4に供給される潤滑油の漏洩を防止す ものであり、サイドリップ112は、スリンガ12 0のシールフランジ部121に摺動可能に密接さ ることによって、またダストリップ113はス ーブ5の外周面に摺動可能に密接されること よって、泥水等が対油シールリップ111側へ 入するのを防止するものであり、スリンガ1 20自体も、そのシールフランジ部121に生じる 心力による振り切り作用を有し、更にその 径部122をハウジング2の端部に近接させ(例 ば下記の特許文献1~3参照)、あるいはスリン 120の外径端部に、先端が大径となる円錐筒 のダストリップを設けてハウジング2の外径 縁部に摺動可能に密接させることによって( えば下記の特許文献4参照)、泥水等の侵入に 対する防止効果の向上を図っている。

特開2006-9930号公報

実開平5-54871号公報

実開平3-67765号公報

実公平7-33017号公報

 しかしながら、従来の密封装置100によれ 、悪路走行時に密封装置が泥水中に水没し ような場合は、泥水の侵入を阻止すること できず、したがって耐泥水性が不足してい 。このため、耐泥水性を向上させるには、 イドリップ112やダストリップ113の枚数を増 すことが考えられるが、この場合、密封装 100の取付スペースが大きくなってしまい、 かも摺動トルクが増大して燃費が悪化する それがあった。

 また、特許文献4のように、スリンガ120の 外径端部に先端が大径となる円錐筒状のダス トリップを設けた密封装置は、ダストリップ の腹部がハウジング2の開口端部の外径縁に 接しており、ハウジング2は一般に鋳造によ 製作されるので寸法公差が大きく、このた ハウジング2に対するダストリップの締め代 のバラツキが大きく、しかも鋳造品からなる ハウジング2は表面粗さが粗いので、ダスト ップが早期に摩耗しやすいといった問題も 摘される。

 本発明は、以上のような点に鑑みてなさ たものであって、その技術的課題は、外部 らの泥水等に曝されやすい部分の軸周等を 封する密封装置において、オイルシールの 動部へ泥水等が侵入するのを極力防止し得 構造とすることにある。

 上述した技術的課題を有効に解決するた の手段として、請求項1の発明に係る密封装 置は、非回転のハウジングに取り付けられる オイルシールと、前記ハウジングの内周に挿 通された回転体に前記オイルシールの軸方向 外側に位置して取り付けられるスリンガとを 備え、前記オイルシールに、前記回転体の外 周面に摺動可能に密接される対油シールリッ プが形成された密封装置において、前記対油 シールリップより外側に前記スリンガと軸方 向に対向するシールリングが設けられ、この シールリングと前記スリンガとの間の隙間が 、外径側へ向けて狭まるように形成されたも のである。

 請求項2の発明に係る密封装置は、請求項 1に記載の構成において、シールリングが、 イルシールに一体に設けられたものである

 請求項3の発明に係る密封装置は、請求項 1に記載の構成において、シールリングが、 ウジングにオイルシールの外径側に位置し 取り付けられ径方向に展開してスリンガと 方向に対向する外径フランジに保持される 共に前記スリンガへ向けて弾性付勢された のである。

 請求項4の発明に係る密封装置は、請求項 1に記載の構成において、シールリングが、 ウジングにオイルシールの外径側に位置し 取り付けられ径方向に展開してスリンガと 方向に対向する外径フランジからなり、前 スリンガと前記外径フランジのうち少なく も一方に、このスリンガと外径フランジの 向面間の隙間を外径側ほど狭める円錐壁が 成されたものである。

 請求項5の発明に係る密封装置は、非回転 のハウジングに取り付けられるオイルシール と、前記ハウジングの内周に挿通された回転 体に前記オイルシールの軸方向外側に位置し て取り付けられるスリンガと、前記ハウジン グに前記オイルシールの外径側に位置して取 り付けられ径方向に展開して前記スリンガと 軸方向に対向する外径フランジとを備え、前 記オイルシールが、前記回転体の外周面に摺 動可能に密接される対油シールリップを有し 、前記スリンガと外径フランジの互いの対向 面のうち一方に、前記スリンガの回転により 外径側へのポンプ力を生じる渦巻き溝又は渦 巻き羽根が形成されたものである。

 請求項6の発明に係る密封装置は、請求項 5に記載の構成において、外径フランジの外 端部から、渦巻き溝又は渦巻き羽根の外周 覆うと共にスリンガの外径に近接される外 筒部が延在されたものである。

 請求項7の発明に係る密封装置は、請求項 5に記載の構成において、スリンガに、対油 ールリップより外側でオイルシールの補強 と摺動可能に密接されるサイドリップが設 られ、このサイドリップが、遠心力によっ 前記補強環に対する締め代が低下する方向 延びるものである。

 請求項1の発明に係る密封装置によれば、 対油シールリップより外側で互いに軸方向に 対向するスリンガとシールリングとの間の隙 間には、スリンガの回転によって振り切り作 用を生じると共に、ラビリンスシール作用と 、外径側へ向けて動圧によるクサビ効果を生 じ、回転速度が高速であるほど、侵入しよう とする泥水や異物に対する排除力が高まる。 このため外側から対油シールリップ側への泥 水の侵入を有効に防止することができる。

 請求項2の発明に係る密封装置によれば、 請求項1による効果に加え、シールリングが イルシールに一体に設けられたものである め部品数の増大や製造工程の増大を来たさ いといった効果が得られる。

 請求項3の発明に係る密封装置によれば、 請求項1による効果に加え、スリンガとオイ シールの取付誤差があってもスリンガとシ ルリングとの間の隙間のばらつきを生じな といった効果が得られる。

 請求項4の発明に係る密封装置によれば、 スリンガと外径フランジの互いの対向面間に は、請求項1と同様、スリンガの回転によっ 振り切り作用を生じると共に、ラビリンス ール作用と、外径側へ向けて動圧によるク ビ効果を生じるため、優れた対泥水シール 能を確保することができる。

 請求項5の発明に係る密封装置によれば、 スリンガと外径フランジの互いの対向面間に は、スリンガの回転によって振り切り作用を 生じるのに加え、スリンガと外径フランジの 互いの対向面のうち一方に形成された渦巻き 溝又は渦巻き羽根が、スリンガの回転により 外径側へのポンプ力を生じるので、スリンガ と外径フランジの間から対油シールリップの 摺動部側へ侵入しようとする泥水や異物を有 効に排除することができる。

 請求項6の発明に係る密封装置によれば、 外径フランジの外径端部から延在された外径 筒部が、渦巻き溝又は渦巻き羽根の外周を覆 うと共にスリンガの外径に近接されているの で、渦巻き溝又は渦巻き羽根による排出力に 対する堰き止め作用を生じる。このため、請 求項5による効果に加え、渦巻き溝又は渦巻 羽根の内周側が過度な負圧になるのを防止 ることができる。

 請求項7の発明に係る密封装置によれば、 請求項5による効果に加え、スリンガに設け れたサイドリップが、渦巻き溝又は渦巻き 根による排出力の低い低回転時には補強環 対する締め代を増大するので対泥水シール 能を高めることができ、高回転時には補強 に対する締め代が低下するのでトルクを低 することができる。

本発明に係る密封装置の第一の形態を 軸心Oを通る平面で切断して示す装着状態の 半断面図である。 本発明に係る密封装置の第二の形態を 軸心Oを通る平面で切断して示す装着状態の 半断面図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である 。 本発明に係る密封装置の第三の形態を 軸心を通る平面で切断して示す装着状態の 断面図である。 本発明に係る密封装置の第四の形態を 軸心を通る平面で切断して示す装着状態の 断面図である。 本発明に係る密封装置の好ましい第五 形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す装 着状態の半断面図である。 第五の形態におけるスリンガを図6にお ける右側から見た図である。 本発明に係る密封装置の好ましい第六 形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す装 着状態の半断面図である。 従来技術による密封装置の一例を、軸 Oを通る平面で切断して示す装着状態の半断 面図である。

符号の説明

1 密封装置
2 ハウジング
3 回転軸(回転体)
5 スリーブ(回転体)
10 オイルシール
11 補強環
11a 外径フランジ
11b 外径筒部
11d,22a 円錐壁
13 対油シールリップ
14 ダストリップ
15,23 サイドリップ
17 リップ状ばね
18 係止突条
19 環状体
20 スリンガ
22 シールフランジ部
22c,19a 渦巻き溝
30 シールリング
31 傾斜面
G 1  径方向隙間
G 2  軸方向隙間
G 3  絞り隙間

 以下、本発明に係る密封装置の好ましい 施の形態について、図面を参照しながら説 する。まず図1は、本発明に係る密封装置の 第一の形態を、軸心Oを通る平面で切断して す装着状態の半断面図である。

 この図1において、参照符号2は車両にお るトランスファー装置の非回転のハウジン 、参照符号3は前記ハウジング2内に挿通され 軸受4を介して軸心Oの周りに回転可能な状態 支持された回転軸、参照符号5は、ハウジン グ2の開口端部2aの内周側に位置して回転軸3 外挿されたスリーブである。なお、回転軸3 びスリーブ5は、請求項1に記載された回転 に相当する。

 スリーブ5は、その内周面に形成されたス プライン部5bが回転軸3の外周面に形成された スプライン部3aと互いに嵌合されると共に、 れより軸方向外側に位置して回転軸3の外周 面に形成された雄螺子部3bに螺合したナット6 によって、先端が軸受4の内輪4aに当接された 状態で軸方向に固定されている。回転軸3と リーブ5との間は、スプライン部3a,5bの嵌合 より軸方向外側に位置して介装されると共 前記ナット6によって抜け止めされたパッキ 7で密封されている。また、スリーブ5の外 部にはコンパニオンフランジ5aが形成されて おり、不図示のプロペラシャフト等に結合さ れる。

 参照符号1は、本発明に係る密封装置で、 ハウジング2の開口端部2aの内周面に取り付け られたオイルシール10と、回転軸3に外挿した スリーブ5の外周面に前記オイルシール10の軸 方向外側に位置して取り付けられたスリンガ 20と、ハウジング2の開口端部2aの外周に取り けられたシールリング30とを備える。

 オイルシール10は、金属板を打ち抜きプ ス成形することにより製作された補強環11に ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材 料で一体に成形したものであって、ハウジン グ2の開口端部2aの内周面に圧入嵌着される外 周シール部12と、前記補強環11の内径位置か 軸受4側へ延び、先端近傍の内周部がスリー 5の外周面に摺動可能に密接される対油シー ルリップ13と、前記補強環11の内径位置から 油シールリップ13と反対側へ延び、その先端 内周がスリーブ5の外周面に近接対向又は摺 可能に密接されるダストリップ14と、このダ ストリップ14の根元の外周側から対油シール ップ13と反対側へ先端が大径となるような 錐筒状をなして延びるサイドリップ15とを備 える。対油シールリップ13にはその緊迫力を 償するガータスプリング16が嵌着されてい 。

 オイルシール10の補強環11には、ハウジン グ2の開口端部2aの外側を外径方向へ円盤状に 展開する外径フランジ11aが延在され、更にこ の外径フランジ11aの外径端部からハウジング 2の開口端部2aと反対側を向いた円筒状の外径 筒部11bが延在されている。すなわち外径フラ ンジ11a(及び外径筒部11b)は、オイルシール10 補強環11に一体的に設けられることによりハ ウジング2に取り付けられている。

 スリンガ20は金属板を打ち抜きプレス成形 ることにより製作されたものであって、ス ーブ5の外周面に圧入嵌着される内径筒部21 、この内径筒部21から外径方向へ円盤状に展 開してオイルシール10のサイドリップ15の先 部と摺動可能に密接されるシールフランジ 22とを有する。このシールフランジ部22の外 端部は、オイルシール10の補強環11から延在 された外径筒部11bの先端内周面に、径方向隙 間G 1 を介して径方向に近接対向している。

 オイルシール10の補強環11から延在された 外径フランジ11aにおけるスリンガ20のシール ランジ部22との対向面には、シールリング30 が一体的に設けられている。このシールリン グ30は、オイルシール10におけるサイドリッ 15の根元から連続したゴム材料又はゴム状弾 性を有する合成樹脂材料で一体に成形された ものであって、スリンガ20のシールフランジ 22に軸方向に近接対向されている。

 シールリング30は、スリンガ20のシールフラ ンジ部22との対向面における内径部が、外径 ほどシールフランジ部22側へ張り出す傾斜 31をなしている。このためシールリング30と スリンガ20のシールフランジ部22との間の軸 方向隙間G 2 の内径側は、外径側ほど狭くなる絞り隙間G 3 となっている。

 以上のように構成された図1の形態の密封 装置1において、オイルシール10は、補強環11 埋設された外周シール部12を、補強環11の外 径フランジ11aがハウジング2の開口端部2aの端 面に当接するまでこの開口端部2aの内周面に 入することによって、ハウジング2に位置決 め固定する。一方、スリンガ20は、内径筒部2 1をスリーブ5の外周面に圧入嵌着すると共に のスリーブ5の外周面に形成された段差面5c 当接させることによって、スリーブ5に位置 決め固定してから、このスリーブ5を回転軸3 外挿して固定し、これによって図示の装着 態とする。

 オイルシール10の対油シールリップ13は、ス リーブ5の外周面との摺動部S 1 において、軸受4に供給される潤滑油がスリ ブ5の外周から外部Aへ漏洩するのを防止する ものである。また、オイルシール10のサイド ップ15は、回転軸3及びスリーブ5と一体に回 転されるスリンガ20のシールフランジ部22と 動部S 2 において密接摺動されることによって、かつ 遠心力によるシールフランジ部22の振り切り 用によって、内周側への異物や泥水の侵入 阻止するものであり、オイルシール10のダ トリップ14は、サイドリップ15の内周側で、 リーブ5の外周面に近接対向又は摺動可能に 密接されることによって、対油シールリップ 13の摺動部S 1 側へ異物や泥水が侵入するのを阻止するもの である。

 また、これら対油シールリップ13、ダスト ップ14及びサイドリップ15の摺動部より外側 は、スリンガ20のシールフランジ部22の外径 端部と非回転であるオイルシール10の補強環1 1から延在された外径筒部11bとの間の径方向 間G 1 、及び前記補強環11の外径フランジ11aに保持 れたシールリング30とスリンガ20のシールフ ランジ部22との間の軸方向隙間G 2 によってラビリンスシール作用を生じ、しか も軸方向隙間G 2 の内径部が外径側ほど狭くなる絞り隙間G 3 となっているので、遠心力によるシールフラ ンジ部22の振り切り作用によって生じる外径 への流れに動圧によるクサビ効果を生じる とになる。このため外部Aから飛来する異物 や泥水等は、隙間G 1 ~G 3 を通過してスリンガ20のシールフランジ部22 サイドリップ15との摺動部S 2 へ侵入することは著しく困難である。

 そして万一、隙間G 1 ~G 3 を通過する異物や泥水等があってもその量は 極めて僅かであり、しかもこのような異物や 泥水等は、サイドリップ15とシールフランジ 22の摺動部S 2 において、先に説明した振り切り作用によっ て内周側への侵入を阻止され、更にその内側 にもダストリップ14が存在しているため、対 シールリップ13とスリーブ5との摺動部への 水や異物の介入による早期摩耗を有効に防 し、優れた対油シール性を維持することが きる。

 また、シールリング30とスリンガ20のシー ルフランジ部22は非接触であるため、シール ング30による摺動抵抗の増大は来たさない

 しかも、シールリング30がオイルシール10 に一体に成形されたものであるため、部品数 の増大や製造工程の増大を来たさない。

 次に図2は、本発明に係る密封装置の第二 の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す 着状態の半断面図、図3は、図2の要部を拡大 して示す断面図である。

 この第二の形態による密封装置1において 、先に説明した図1に示される第一の形態と 成の異なる部分についてのみ説明すると、 ールリング30はPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)等 耐摩耗性に優れ低摩擦係数の合成樹脂材で 状に成形されたものであって、オイルシー 10の補強環11から延在された外径フランジ11a と、これに軸方向に対向するスリンガ20のシ ルフランジ部22との間に配置されている。

 図3に示されるように、オイルシール10の補 環11の外径フランジ11aにはリップ状ばね17が 、また前記補強環11の外径筒部11bの内周面に 係止突条18が、それぞれサイドリップ15の根 元から連続したゴム材料又はゴム状弾性を有 する合成樹脂材料で一体に成形されている。 そしてシールリング30は、係止突条18によっ 抜け止めされた状態で、リップ状ばね17によ ってスリンガ20のシールフランジ部22側へ向 て弾性付勢されており、これによって前記 径フランジ11a側に保持されると共に、スリ ガ20のシールフランジ部22に微小な軸方向隙 G 2 をもって摺動可能に接触されている。

 ここで、リップ状ばね17は、シールリン 30をスリンガ20のシールフランジ部22へ向け 弾性付勢する手段であると共に、このシー リング30に適当な面圧で密接することによっ てシールリング30との間を密封すると共にシ ルリング30を保持する手段としての機能を 有するものである。

 また、シールリング30は、スリンガ20のシー ルフランジ部22との対向面における内径部が 外径側ほどシールフランジ部22側へ張り出 傾斜面31をなしている。このため、上述した 微小な軸方向隙間G 2 の内径側には、外径側ほど狭まる絞り隙間G 3 が形成されている。

 なお、その他の部分は基本的に先に説明 た図1と同様に構成することができる。

 以上のように構成された第二の形態の密 装置1も、図2に示される装着状態において オイルシール10の対油シールリップ13、ダス リップ14、サイドリップ15及びスリンガ20な は、第一の形態と同様の機能を有するもの ある。

 そして対油シールリップ13、ダストリップ14 及びサイドリップ15の摺動部より外側では、 リンガ20のシールフランジ部22の外径端部と オイルシール10の補強環11の外径筒部11bとの の径方向隙間G 1 、及びシールリング30とスリンガ20のシール ランジ部22との間の微小な軸方向隙間G 2 によって、ラビリンスシール作用を生じ、し かも前記軸方向隙間G 2 の内径側の絞り隙間G 3 は外径側(軸方向隙間G 2 側)へ向けて狭まっているので、遠心力によ シールフランジ部22の振り切り作用によって 絞り隙間G 3 内に生じる外径側への流れに動圧によるクサ ビ効果を生じることになる。このため外部A ら飛来する異物や泥水等は、隙間G 1 ,G 2 及びG 3 を通過してスリンガ20のシールフランジ部22 サイドリップ15との摺動部S 2 へ侵入することは著しく困難である。

 また、オイルシール10とスリンガ20との間に 僅かに軸方向の取付誤差があっても、リップ 状ばね17によってシールリング30がスリンガ20 のシールフランジ部22へ向けて弾性付勢され ことにより、このシールリング30とシール ランジ部22との間の隙間G 2 ,G 3 のばらつきを生じないので、安定した密封性 能が確保される。

 次に図4は、本発明に係る密封装置の第三 の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す 着状態の半断面図である。

 この第三の形態による密封装置1において 、先に説明した各形態と構成の異なる部分に ついて説明すると、オイルシール10の補強環1 1の外径部には、外周シール部12から露出した 環状段差部11c、外径フランジ11a及び外径筒部 11bが延在されている。詳しくは、補強環11に ける環状段差部11cは、ハウジング2の開口端 部2aの先端面と当接されるものであり、外径 ランジ11aは、環状段差部11cから外径側へ略 盤状に展開しており、外径筒部11bは、外径 ランジ11aの外径端部から前記ハウジング2の 開口端部2aと反対側を向いた円筒状に形成さ ている。すなわち外径フランジ11a(及び外径 筒部11b)は、オイルシール10の補強環11に一体 に設けられることによりハウジング2に取り 付けられている。

 スリンガ20のシールフランジ部22は、外径側 がオイルシール10の補強環11における外径フ ンジ11aと互いに軸方向に対向しており、ま このシールフランジ部22の外径端部は、前記 外径フランジ11aから延在された外径筒部11bの 内周面に、狭い径方向隙間G 1 を介して近接対向している。

 オイルシール10の補強環11の外径フランジ11a における内径寄りの部分には、スリンガ20の ールフランジ部22側へ傾斜した円錐壁11dが 成され、この円錐壁11dによって、互いに軸 向に対向する前記シールフランジ部22との対 向面間は、外径側ほど狭くなる絞り隙間G 3 となっており、この絞り隙間G 3 と径方向隙間G 1 との間は狭い軸方向隙間G 2 となっている。なお、径方向隙間G 1 及び軸方向隙間G 2 は、有効なラビリンスシール機能を得るため に3mm以下とすることが好ましい。

 なお、その他の部分は基本的に先に説明 た各形態と同様に構成することができる。

 以上のように構成された第三の形態の密 装置1も、図4に示される装着状態において オイルシール10の対油シールリップ13、ダス リップ14、サイドリップ15及びスリンガ20な は、先に説明した各形態と同様の機能を有 るものである。

 そしてサイドリップ15の摺動部S 2 より外側では、スリンガ20のシールフランジ 22の外径端部とオイルシール10の補強環11に ける外径筒部11bとの間の径方向隙間G 1 と、前記補強環11の外径フランジ11aとスリン 20のシールフランジ部22との間の軸方向隙間 G 2 と、その内周側の円錐壁11dと前記シールフラ ンジ部22との間の絞り隙間G 3 によるラビリンスシール作用を生じ、しかも 絞り隙間G 3 が補強環11の円錐壁11dによって外径側ほど狭 なっているので、遠心力によるシールフラ ジ部22の振り切り作用によって隙間G 3 内に生じる外径側への流れに、動圧によるク サビ効果を生じることになる。また、その作 用は、回転が高速であるほど顕著である。こ のため、外部Aから飛来する異物や泥水等は 隙間G 1 ~G 3 を通過してスリンガ20のシールフランジ部22 サイドリップ15との摺動部S 2 へ侵入することが著しく困難となる。

 また、補強環11の円錐壁11dは、補強環11のプ レス成形に際して同時に成形されるため、上 述のような絞り隙間G 3 によってクサビ効果を得るための製造コスト の上昇が小さく抑えられる。

 次に図5は、本発明に係る密封装置の好ま しい第四の形態を、軸心Oを通る平面で切断 て示す装着状態の半断面図である。

 この第四の形態において、先に説明した第 の形態と異なるところは、オイルシール10 補強環11から延在された外径フランジ11aに円 錐壁を形成する代わりに、円盤状をなす外径 フランジ11aと対向するスリンガ20のシールフ ンジ部22に、前記外径フランジ11a側へ傾斜 た円錐壁22aを形成し、これによって、前記 ールフランジ部22との間に、外径側ほど狭く なる絞り隙間G 3 と、その外径側の狭い軸方向隙間G 2 が形成されている。その他の構成は、基本的 に、先に説明した図4と同様である。

 したがって、以上のように構成された第 の形態も、第三の形態と同様の機能を有す ものである。

 そして、スリンガ20の円錐壁22aは、スリン 20のプレス成形に際して同時に成形されるた め、上述のような絞り隙間G 3 によってクサビ効果を得るための製造コスト の上昇が小さく抑えられる。

 次に図6は、本発明に係る密封装置の好ま しい第五の形態を、軸心Oを通る平面で切断 て示す装着状態の半断面図、図7は、第五の 態におけるスリンガを図6における右側から 見た図である。

 この第五の形態による密封装置1を、先に 説明した各形態と構成の異なる部分について 説明すると、オイルシール10の補強環11の外 部には、ゴム又はゴム状弾性を有する合成 脂材料からなる外周シール部12から露出した 外径フランジ11a及び外径筒部11bが延在されて いる。詳しくは、補強環11の外径フランジ11a 、ハウジング2の開口端部2aの先端に沿って 径側へ延びており、外径筒部11bは、外径フ ンジ11aの外径端部から前記ハウジング2の開 口端部2aと反対側を向いた円筒状に形成され いる。すなわち外径フランジ11a(及び外径筒 部11b)は、オイルシール10の補強環11に一体的 設けられることによりハウジング2に取り付 けられている。

 スリンガ20のシールフランジ部22には、オイ ルシール10のサイドリップ15との摺動部S 2 より外径側の部分が軸方向内側へ突出するよ うに環状突部22bが形成されていて、補強環11 外径フランジ11aと軸方向に近接対向してお 、その対向面には、複数条の渦巻き溝22cが 成されている。この渦巻き溝22cは、図7に示 されるように、スリンガ20が図における反時 方向へ回転することにより外径側へのポン 力を生じる方向、すなわち時計方向へ向か ほど外径側となるような曲線状をなして延 ている。

 また、オイルシール10の補強環11と一体の 外径フランジ11aから延びる外径筒部11bは、渦 巻き溝22cが形成されたスリンガ20の環状突部2 2bの外周を覆うと共にスリンガ20(シールフラ ジ部22)の外径に近接対向されている。

 以上のように構成された第五の形態の密 装置1も、図6に示される装着状態において オイルシール10の対油シールリップ13、ダス リップ14、サイドリップ15及びスリンガ20な は、先に説明した各形態と同様の機能を有 るものである。

 そして対油シールリップ13、ダストリップ14 及びサイドリップ15の摺動部より外側では、 転軸3及びスリーブ5と共にスリンガ20が図7 おける反時計方向へ回転されると、それに る振り切り作用に加え、環状突部22bに形成 れた渦巻き溝22cによる外径側へのポンプ力 生じる。とくに、オイルシール10の補強環11 一体の外径フランジ11aから延びる外径筒部1 1bと、スリンガ20のシールフランジ部22の外径 縁が近接対向されているので、前記ポンプ力 によって、前記外径筒部11bとシールフランジ 部22との間の径方向隙間G 1 内が加圧されて外部Aより高圧になる。した って、外部Aから飛来する泥水等が前記径方 隙間G 1 を通ってサイドリップ15の摺動部S 2 へ侵入するのを有効に防止することができ、 例えば図6に示される部分全体が泥水中に没 した状態で車両が走行しているような場合 も、外部Aの泥水の侵入が有効に防止される したがってサイドリップ15が保護され、結 的に、密封装置1全体としてのダストシール (対泥水シール性)を向上することができる

 また、オイルシール10の補強環11と一体の外 径フランジ11aから延びる外径筒部11bと、スリ ンガ20のシールフランジ部22の外径縁が近接 向されていることによって、径方向隙間G 1 では、渦巻き溝22cに生じるポンプ力による排 出方向の流れが抑制される。このため、前記 渦巻き溝22cとサイドリップ15との間の空間Bが 過度な負圧になるのを防止することができる 。

 次に図8は、本発明に係る密封装置の好ま しい第六の形態を、軸心Oを通る平面で切断 て示す装着状態の半断面図である。

 この第六の形態において、先に説明した 五の形態と異なるところは、スリンガ20の 転により外径側へのポンプ力を生じる渦巻 溝が、オイルシール10の補強環11と一体の外 フランジ11a側に形成され、また、図6に示さ れるサイドリップ15の代わりに、スリンガ20 シールフランジ部22の内側面における内径部 近傍に、オイルシール10の対油シールリップ1 3及びダストリップ14より外側で補強環11と摺 可能に密接されるサイドリップ23が設けら たことにある。その他の構成は、基本的に 6と同様である。

 詳しくは、補強環11の外径フランジ11aに けるスリンガ20との対向面には、対油シール リップ13などと同材質のゴム又はゴム状弾性 有する合成樹脂材料からなる環状体19が一 に設けられており、この環状体19には、複数 条の渦巻き溝19aが形成されている。この渦巻 き溝19aは、スリンガ20の回転方向へ向かうほ 外径側となるような曲線状をなして延びて る。

 また、スリンガ20のシールフランジ部22に設 けられたサイドリップ23も、対油シールリッ 13などと同材質のゴム又はゴム状弾性を有 る合成樹脂材料からなるものであって、オ ルシール10側を向いた先端へ向けて漸次小径 となるような円錐筒状をなし、先端部の内径 が、オイルシール10の補強環11の内径部近傍 形成された円筒部11cの外周面に摺動可能に 接されることによって摺動部S 3 を形成している。

 以上のように構成された第六の形態も、 イルシール10の対油シールリップ13、ダスト リップ14などは、先に説明した各形態と同様 機能を有するものである。

 また、スリンガ20のシールフランジ部22に設 けられてこのスリンガ20と一体に回転される イドリップ23は、補強環11の円筒部11cとの摺 動部S 3 において、内周側への泥水等の侵入を阻止す るものである。

 そして、これら対油シールリップ13、ダス リップ14及びサイドリップ23の摺動部より外 では、回転軸3及びスリーブ5と共にスリン 20が回転されると、それによる振り切り作用 に加え、補強環11の外径フランジ11aに設けら た環状体19に形成された渦巻き溝19aによる 径側へのポンプ力を生じる。しかもこの形 でも、前記外径筒部11bと、スリンガ20のシー ルフランジ部22の外径縁が近接対向されてい ので、前記ポンプ力によって、前記外径筒 11bとシールフランジ部22との間の径方向隙 G 1 内が加圧されて外部Aより高圧になる。した って、外部Aから飛来する泥水等が前記径方 隙間G 1 を通ってサイドリップ23の摺動部S 3 へ侵入するのを有効に防止することができ、 例えば図8に示される部分全体が泥水中に没 した状態で車両が走行しているような場合 も、外部Aの泥水の侵入が有効に防止される したがってサイドリップ23が保護され、結 的に、密封装置1全体としてのダストシール (対泥水シール性)を向上することができる

 また、オイルシール10の補強環11と一体の外 径フランジ11aから延びる外径筒部11bと、スリ ンガ20のシールフランジ部22の外径縁が近接 向されているので、両者間の径方向隙間G 1 では、渦巻き溝19aに生じるポンプ力による排 出方向の流れが抑制される。このため、前記 渦巻き溝19aとサイドリップ23との間の空間Bが 過度な負圧になるのを防止することができる 。

 また、スリンガ20と共に回転するサイド ップ23は、渦巻き溝19aによる排出力の低い低 回転時には、補強環11の円筒部11cに対する締 代を増大するので対泥水シール機能を高め ことができ、高回転時には、渦巻き溝19aに る排出力及びサイドリップ23自体の遠心力 よって締め代が低下するので、トルクを低 することができる。

 なお、上述した第五及び第六の形態では 巻き溝22c又は渦巻き溝19aによってポンプ力 生じるものとしたが、渦巻き羽根によって ンプ力を生じるものとすることもできる。 してこの渦巻き羽根をスリンガ20側に設け 場合は、その方向性は図7の渦巻き溝22cと同 に設定すれば良く、外径フランジ11a側に設 る場合は、その方向性は第六の形態におけ 渦巻き溝19aと同様に設定すれば良い。