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Patent Searching and Data


Title:
SKIN-SUBSTITUTIVE MEMBRANE, METAL MOLD, AND METHOD OF EVALUATING AGENT FOR EXTERNAL APPLICATION ONTO SKIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150883
Kind Code:
A1
Abstract:
A skin-substitutive membrane includes one surface on which a groove-like recessed part having a cross section of chamfered V-shape and a flat surface part. The arithmetic average roughness (Sa) of the one surface is 10 to 50 μm, and the recessed parts is 50 to 500 μm in width, 30 to 150 μm in depth, and 50 to 100% in spectral transmissivity of a light having a wavelength of 290 to 400 nm.

Inventors:
MIURA YOSHIMASA (JP)
MIZUNO HIROKO (JP)
HATAO MASATO (JP)
OOGURI MOTOKI (JP)
HARA YUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055775
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
March 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHISEIDO CO LTD (JP)
MIURA YOSHIMASA (JP)
MIZUNO HIROKO (JP)
HATAO MASATO (JP)
OOGURI MOTOKI (JP)
HARA YUSUKE (JP)
International Classes:
G01N21/01; A61K9/06; G01N21/33; G01N33/50
Foreign References:
JP2008111834A2008-05-15
JP3337832B22002-10-28
JP2008096151A2008-04-24
JP2008111834A2008-05-15
JP2002048789A2002-02-15
JP2008155936A2008-07-10
Other References:
AKIRA ISHIKUBO ET AL.: "Shinki In Vitro Shigaisen Bogyosei Hyokaho no Kaihatsu", JOURNAL OF SCCJ, vol. 37, no. 1, 20 March 2003 (2003-03-20), pages 10 - 16, XP008147582
"COLIPA GUIDELINES, METHOD FOR THE IN VITRO DETERMINATION OF UVA PROTECTION PROVIDED BY SUNSCREEN PRODUCTS", 2007, pages: 2 - 20, XP008147673
FERRERO L. ET AL.: "Importance of Substrate Roughness for In vitro Sun Protection Assessment", IFSCC MAGAZINE, vol. 9, no. 2, June 2006 (2006-06-01), pages 97 - 108, XP009123570
See also references of EP 2287589A4
FERRERO, L. ET AL.: "Importance of Substrate Roughness for In Vitro Sun Protection Assessment", IFSCC MAGAZINE, vol. 9, no. 2, 2006, pages 97 - 108
"COLIPA GUIDELINES, METHOD FOR THE IN VITRO DETERMINATION OF UVA PROTECTION PROVIDED BY SUNSCREEN PRODUCTS", 2007
MIURA, Y. ET AL., PHOTOCHEMISTRY AND PHOTOBIOLOGY, vol. 84, 2008, pages 1569 - 1575
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, TADAHIKO (JP)
Tadahiko Ito (JP)
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Claims:
 片側の表面は、断面が面取りされているV字形状である溝状の凹部及び平面部が形成されており、算術平均粗さSaが10μm以上50μm以下であり、
 前記凹部は、幅が50μm以上500μm以下であり、深さが30μm以上150μm以下であり、
 波長が290nm以上400nm以下の光の分光透過率が50%以上100%以下であることを特徴とする皮膚代替膜。
 前記平面部は、算術平均粗さSaが0.1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚代替膜。
 表面の算術平均粗さSaが13μm以上30μm以下であり、
 波長が290nm以上400nm以下の光の分光透過率が50%以上100%以下であることを特徴とする皮膚代替膜。
 グリセリンを1mg/cm 2 塗布する前後における波長が300nmである光の分光透過率の差が5%未満であることを特徴とする請求項1又は3に記載の皮膚代替膜。
 ポリメタクリル酸メチルを含むことを特徴とする請求項1又は3に記載の皮膚代替膜。
 請求項1又は3に記載の皮膚代替膜を製造するために用いられることを特徴とする金型。
 請求項1又は3に記載の皮膚代替膜に皮膚外用剤を塗布する工程と、
 該皮膚外用剤が塗布された皮膚代替膜に紫外線を含む光を照射して該皮膚外用剤の紫外線の透過特性及び/又は反射特性を測定する工程を有することを特徴とする皮膚外用剤の評価方法。
 前記紫外線の透過特性及び/又は反射特性を、in vitro SPF評価法、in vitro UVA評価法、in vitro PPD法、in vitro PFA法、in vitro UVAPF法、Critical Wavelength法、UVA/UVB ratio法、Australian/New Zealand法、German DIN UVA balance法及びSPF/UVAPF(PPD)ratio法からなる群より選択される一種以上を用いて測定することを特徴とする請求項7に記載の皮膚外用剤の評価方法。
 前記皮膚外用剤の塗布量が1.20mg/cm 2 以上2.40mg/cm 2 以下であることを特徴とする請求項7に記載の皮膚外用剤の評価方法。
Description:
皮膚代替膜、金型及び皮膚外用 の評価方法

 本発明は、皮膚代替膜、金型及び皮膚外 剤の評価方法に関する。

 従来、紫外線による日焼けを防止するた のサンケア商品等の皮膚外用剤の紫外線防 効果を表す尺度として、in vivo SPF値が用い られている。in vivo SPF値は、紫外線による 焼けから肌を守り、日焼けを防ぐ効果を示 指数であり、皮膚外用剤を使用した場合に かすかに赤みを起こさせるために必要な紫 線量を、皮膚外用剤を使用しない場合に、 すかに赤みを起こさせるために必要な紫外 量で除した値により定義される。例えば、in  vivo SPF値が10のサンケア化粧品を使用する 、素肌の場合の10倍日焼けしにくい。

 in vivo SPF値は、太陽光に非常に近い人工 光(ソーラシミュレーター)を用いて、皮膚外 剤を塗布していない肌と塗布した肌に、そ ぞれ一定量の紫外線を照射し、翌日、日焼 (紅斑)を起こしたかどうかを調べることに り、測定することができる。

 in vivo SPF値を用いれば、皮膚外用剤の紫 外線防御効果の客観的な評価が可能となる。 しかしながら、in vivo SPF値を測定するため は、特定の肌タイプの多数の被験者の協力 不可欠であるので、多大な費用と日数を必 とする。

 そこで、特許文献1~3には、被験者を用い に、in vitro SPF予測値を測定するin vitro SPF 評価法が開示されている。また、in vitro SPF 価法に用いられる皮膚代替膜としては、ポ エチレンシート、ナイロン膜(特許文献4参 )、石英板、PMMA板(非特許文献1、2参照)等が られている。なお、特許文献4のナイロン膜 片側の表面には、短手方向における縦断面 V字型である皮溝に模した溝が設けられてお り、非皮溝部分にブラスト処理により凹凸が 設けられている。

 一方、非特許文献3には、in vivo SPF値を測 する際の皮膚外用剤の塗布量を2.00mg/cm 2 とする規定があるが、このような塗布量で皮 膚外用剤を均一に塗布することが可能な皮膚 代替膜は知られていない。既知の皮膚代替膜 を用いた場合、in vitro SPF予測値を測定する の皮膚外用剤の塗布量は、0.75~1.20mg/cm 2 程度である。

 また、皮膚外用剤に含まれる紫外線吸収剤 して、紫外線により劣化する材料を用いる 、in vivo SPF値の測定時に、紫外線吸収剤の 劣化が進行する。このような紫外線吸収剤を 含む皮膚外用剤のin vitro SPF予測値は、皮膚 用剤の塗布量がin vivo SPF値を測定する際と は異なるため、in vivo SPF値の測定条件が十 に再現されたものであるのか疑問視されて る。ここで、in vitro SPF予測値を測定する際 の皮膚外用剤の塗布量を、in vivo SPF値を測 する際と同様に2.00mg/cm 2 とすることは、紫外線により劣化する場合の 減衰のパターンの他に、皮膚外用剤の微視的 レベルでの塗布状態についても、in vivo SPF の測定条件を再現する上で重要である。

特許第3337832号公報

特開2008-96151号公報

特開2008-111834号公報

特開2002-48789号公報 Ferrero L.et al.,Importance of Substrate Roughnes s for In vitro Sun Protection Assessment,IFSCC Magazi ne,Vol.9,No.2,2-13(2006) COLIPA GUIDELINES,METHOD FOR THE IN VITRO DETERM INATION OF UVA PROTECTION PROVIDED BY SUNSCREEN PRODU CTS,Edition of 2007 International Sun Protection Factor Test Method,( C.O.L.I.P.A.-J.C.I.A.-C.T.F.A.S.A.-C.T.F.A.),May 2006

 本発明は、上記の従来技術が有する問題 鑑み、皮膚外用剤の紫外線の透過特性及び/ 又は反射特性を精度良く測定することが可能 な皮膚代替膜、該皮膚代替膜を製造するため に用いられる金型及び該皮膚代替膜を用いた 皮膚外用剤の評価方法を提供することを目的 とする。

 請求項1に記載の発明は、皮膚代替膜にお いて、片側の表面は、断面が面取りされてい るV字形状である溝状の凹部及び平面部が形 されており、算術平均粗さSaが10μm以上50μm 下であり、前記凹部は、幅が50μm以上500μm以 下であり、深さが30μm以上150μm以下であり、 長が290nm以上400nm以下の光の分光透過率が50% 以上100%以下であることを特徴とする。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 皮膚代替膜において、前記平面部は、算術 均粗さSaが0.1μm以上30μm以下であることを特 とする。

 請求項3に記載の発明は、皮膚代替膜にお いて、表面の算術平均粗さSaが13μm以上30μm以 下であり、波長が290nm以上400nm以下の光の分 透過率が50%以上100%以下であることを特徴と る。

 請求項4に記載の発明は、請求項1又は3に記 の皮膚代替膜において、グリセリンを1mg/cm 2 塗布する前後における波長が300nmである光の 光透過率の差が5%未満であることを特徴と る。

 請求項5に記載の発明は、請求項1又は3に 載の皮膚代替膜において、ポリメタクリル メチルを含むことを特徴とする。

 請求項6に記載の発明は、金型において、 請求項1又は3に記載の皮膚代替膜を製造する めに用いられることを特徴とする。

 請求項7に記載の発明は、皮膚外用剤の評 価方法において、請求項1又は3に記載の皮膚 替膜に皮膚外用剤を塗布する工程と、該皮 外用剤が塗布された皮膚代替膜に紫外線を む光を照射して該皮膚外用剤の紫外線の透 特性及び/又は反射特性を測定する工程を有 することを特徴とする。

 請求項8に記載の発明は、請求項7に記載 皮膚外用剤の評価方法において、前記紫外 の透過特性及び/又は反射特性を、in vitro SP F評価法、in vitro UVA評価法、in vitro PPD法、i n vitro PFA法、in vitro UVAPF法、Critical Wavelengt h法、UVA/UVB ratio法、Australian/New Zealand法、Germ an DIN UVA balance法及びSPF/UVAPF(PPD)ratio法から る群より選択される一種以上を用いて測定 ることを特徴とする。

 請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の 膚外用剤の評価方法において、前記皮膚外 剤の塗布量が1.20mg/cm 2 以上2.40mg/cm 2 以下であることを特徴とする。

 本発明によれば、皮膚外用剤の紫外線の 過特性及び/又は反射特性を精度良く測定す ることが可能な皮膚代替膜、該皮膚代替膜を 製造するために用いられる金型及び該皮膚代 替膜を用いた皮膚外用剤の評価方法を提供す ることができる。

波長が290~400nmである光の分光透過率を す図である。 表面に面取りされている粗さが付与さ ている金型の一例を示す断面図である。 表面に面取りされている粗さが付与さ ている皮膚代替膜の一例を示す断面図であ 。 本発明の第二の実施形態の皮膚代替膜 の一例を示す上面図である。 図4Aの皮膚代替膜の部分拡大図である 図4BのA-A方向の断面図である。 図4Aの皮膚代替膜を製造する際に用い れる金型を示す上面図である。 図5Aの金型の凹部の底面の部分拡大図 ある。 図5BのA-A方向の断面図である。 本発明の第三の実施形態で用いられる 膚外用剤の紫外線透過特性の評価装置の一 を示す図である。 実施例2の皮膚代替膜を用いてin vitro S PF予測値を測定した結果を示す図である。 実施例4で用いた第二の金型の裏面の写 真である。 実施例4の皮膚代替膜の共焦点顕微鏡写 真である。

符号の説明

 1  皮膚代替膜
 2  凹部
 3  平面部
 1’  凹部
 2’  凸部
 3’  平面部
 10  金型

 次に、本発明を実施するための最良の形 を図面と共に説明する。

 [第一の実施形態]
 本実施形態の皮膚代替膜の表面は、算術平 粗さSaが13~30μmであり、15~25μmが好ましい。 た、本実施形態の皮膚代替膜は、波長が290~ 400nmである光の分光透過率が50~100%であり、60~ 100%がさらに好ましい。これにより、皮膚外 剤の紫外線の透過特性及び/又は反射特性を 度良く測定することが可能な皮膚代替膜が られる。このような皮膚代替膜は、非特許 献3に規定されているin vivo SPF値を測定す 際の皮膚外用剤の塗布量である2.00mg/cm 2 を再現することができるため、紫外線により 劣化する皮膚外用剤のin vitro SPF予測値を評 する際に、特に有効である。

 このとき、皮膚代替膜の表面の算術平均粗 Saが13μm未満であると、皮膚外用剤を評価す る際の塗布量を2.00mg/cm 2 とすることが困難になる。一方、皮膚代替膜 の表面の算術平均粗さSaが30μmを超えると、 膚の表面の算術平均粗さSaとの差が大きくな るため、皮膚外用剤を評価する際の塗布量を 2.00mg/cm 2 としても、皮膚外用剤の微視的レベルでの塗 布状態や紫外線により劣化する場合の減衰の パターン等、in vivoで皮膚外用剤を評価する の条件を再現することが困難になる。

 また、皮膚代替膜の波長が290~400nmである の分光透過率が50%未満であると、皮膚外用 の紫外線の透過特性及び/又は反射特性の精 度が不十分となる。

 なお、本実施形態の皮膚代替膜は、通常 片側の表面の算術平均粗さSaが13~30μmである が、両側の表面の算術平均粗さSaが13~30μmで ってもよい。

 算術平均粗さSaは、二次元の算術平均粗 Raを三次元に拡張したものであり、表面形状 曲面と平均面で囲まれた部分の体積を測定面 積で割ったものである。平均面をxy面、縦方 をz軸とし、測定された表面形状曲線をz=f(x, y)とするとき、式

 
(式中、L x は、x方向の測定長であり、L y は、y方向の測定長である。)
で定義される。

 本実施形態の皮膚代替膜の表面を規定す ために、JIS規格で規定されている表面粗さR aよりも算術平均粗さSaを用いることが好まし い理由を以下に説明する。本実施形態の皮膚 代替膜の表面には、皮膚の表面と同様に、凹 部が散在するため、皮膚代替膜の表面の形状 を、測定箇所によらない表面粗さの代表値で 規定する必要がある。

 一方、このような表面は、凹部が存在す 箇所と、存在しない箇所があるため、測定 所によって、表面粗さRaが大きく異なる場 がある。したがって、表面粗さRaは、表面の 微視的形状によっては、測定毎のばらつきが 大きく、表面の形状を規定することが困難で ある場合がある。

 これに対して、表面粗さSaは、所定の領 内の三次元表面形状から求めるため、例え 、所定の間隔で表面に凹部が存在する場合 に、測定毎のばらつきが小さく、表面の形 を正確に規定することができる。

 本実施形態の皮膚代替膜を構成する材料 しては、波長が290~400nmである光の分光透過 が50~100%であれば、特に限定されず、ポリメ タクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、 イロン等の樹脂が挙げられるが、波長が290~4 00nmである光の分光透過率に優れることから PMMAが好ましい(図1参照)。なお、図1には、石 英及びVITRO-SKIN(登録商標)の結果も併記し、石 英、PMMA、PE及びナイロンの厚さは、それぞれ 3mm、3mm、0.2mm及び0.5mmである。このうち、石 は、紫外線透過特性に優れるものの、表面 親水性であるため、表面が疎水性である皮 を十分に再現できず、総合的に最適である は言えない。

 本実施形態の皮膚代替膜の厚さは、特に 定されないが、0.1~5mmであることが好ましく 、0.2~3mmがさらに好ましい。厚さが0.1mm未満で あると、脆く破損しやすいため、皮膚代替膜 を安定的に製造するのが困難になることがあ り、5mmを超えると、皮膚代替膜の波長が290~40 0nmである光の分光透過率が50%未満になること がある。

 本実施形態の皮膚代替膜を製造する際に 表面に粗さを付与する方法としては、表面 算術平均粗さSaを13~30μmとすることが可能で あれば、特に限定されないが、サンドブラス ト加工、モールド加工、レーザー加工等が挙 げられ、二種以上併用してもよい。

 サンドブラスト加工する際に用いるPMMA板 の市販品としては、スミペックス010(住友化 社製)、パラグラスUV00(クラレ社製)、アクリ イト000(三菱レイヨン社製)等が挙げられる また、モールド加工する際に用いる原料のPM MAの市販品としては、アクリペットVH000(三菱 イヨン社製)等が挙げられる。

 モールド加工する際に用いられる金型を 成する材料としては、特に限定されないが アルミニウム、ニッケル、銅等の金属;アク リル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂;金属粉末 樹脂の混合物(メタルレジン)等が挙げられる 。

 金型は、機械加工等を施すことにより作 されたマスターを用いて、作製することが きる。マスターを構成する材料としては、 に限定されないが、アルミニウム、ニッケ 、銅等の金属;アクリル樹脂、エポキシ樹脂 等の樹脂;金属粉末と樹脂の混合物(メタルレ ン)等が挙げられる。

 金型の表面に粗さを付与する方法として 、特に限定されないが、サンドブラスト加 することにより表面に粗さが付与されたマ ターを転写する方法、金型の表面に直接サ ドブラスト加工することにより粗さを付与 る方法等が挙げられる。

 なお、表面に面取りされている粗さが付与 れている金型(図2参照)を用いると、表面に 取りされている粗さが付与されている皮膚 替膜(図3参照)が得られる。このような皮膚 替膜は、波長が290~400nmである光の分光透過 が大きいが、グリセリンを1mg/cm 2 塗布する前後における波長が300nmである光の 光透過率の差が5%未満であることが好まし 。これにより、皮膚外用剤の紫外線の透過 性及び/又は反射特性を測定する際のばらつ が小さくなる。その結果、皮膚外用剤の紫 線の透過特性及び/又は反射特性をさらに精 度良く測定することができる。

 [第二の実施形態]
 本実施形態の皮膚代替膜の片側の表面は、 面が面取りされているV字形状である溝状の 凹部及び平面部が形成されており、算術平均 粗さSaが10~50μmであり、10~30μmが好ましい。ま た、凹部の幅は、50~500μmであり、200~400μmが ましい。さらに、凹部の深さは、30~150μmで り、50~100μmが好ましい。また、本実施形態 皮膚代替膜は、波長が290~400nmである光の分 透過率が50~100%であり、60~100%がさらに好まし い。これにより、皮膚外用剤の紫外線の透過 特性及び/又は反射特性を精度良く測定する とが可能な皮膚代替膜が得られる。このよ な皮膚代替膜は、非特許文献3に規定されて るin vivo SPF値を測定する際の皮膚外用剤の 塗布量である2.00mg/cm 2 を再現することができると共に、皮膚外用剤 を均一に塗布しやすい。このため、紫外線に より劣化する皮膚外用剤のin vitro SPF予測値 評価する際に、in vivo SPF値を測定する際の 皮膚上における現象を再現する上で、特に有 効である。

 このとき、皮膚代替膜の表面の算術平均粗 Saが10μm未満であると、皮膚外用剤を均一に 2.00mg/cm 2 塗布することが困難になる。一方、皮膚代替 膜の表面の算術平均粗さSaが50μmを超えると 皮膚の表面の形状との差が大きくなるため 皮膚外用剤を評価する際の塗布量を2.00mg/cm 2 としても、皮膚外用剤の微視的レベルでの塗 布状態や紫外線により劣化する場合の減衰の パターン等、in vivoで皮膚外用剤を評価する の条件を再現することが困難になる。

 また、凹部の幅が50μm未満であると、塗 する皮膚外用剤が凹部へ行き渡らず、500μm 超えると、塗布する皮膚外用剤が凹部に集 する。同様に、凹部の深さが30μm未満である と、塗布する皮膚外用剤が凹部へ行き渡らず 、150μmを超えると、塗布する皮膚外用剤が凹 部に集中する。

 さらに、皮膚代替膜の波長が290~400nmであ 光の分光透過率が50%未満であると、皮膚外 剤の紫外線の透過特性及び/又は反射特性の 精度が不十分となる。

 本実施形態の皮膚代替膜は、平面部の算 平均粗さSaが0.1~30μmであることが好ましい 平面部の算術平均粗さSaが0.1μm未満であると 、塗布する皮膚外用剤が平面部に付着しない ことがあり、30μmを超えると、塗布する皮膚 用剤が平面部に均一に付着しないことがあ 。

 本実施形態の皮膚代替膜は、凹部が面取り れているため、波長が290~400nmである光の分 透過率が大きいが、グリセリンを1mg/cm 2 塗布する前後における波長が300nmである光の 光透過率の差が5%未満であることが好まし 。これにより、皮膚外用剤の紫外線の透過 性及び/又は反射特性を測定する際のばらつ が小さくなる。その結果、皮膚外用剤の紫 線の透過特性及び/又は反射特性をさらに精 度良く測定することができる。

 本実施形態の皮膚代替膜を構成する材料 しては、波長が290~400nmである光の分光透過 が50~100%であれば、特に限定されず、ポリメ タクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、 イロン等の樹脂が挙げられるが、波長が290~4 00nmである光の分光透過率に優れることから PMMAが好ましい。

 PMMAの市販品としては、アクリペットVH000( 三菱レイヨン社製)等が挙げられる。

 本実施形態の皮膚代替膜の厚さは、特に 定されないが、0.1~5mmであることが好ましく 、2~3mmがさらに好ましい。厚さが0.1mm未満で ると、脆く破損しやすいため、皮膚代替膜 安定的に製造するのが困難になることがあ 、5mmを超えると、皮膚代替膜の波長が290~400n mである光の分光透過率が50%未満になること ある。

 本実施形態の皮膚代替膜を製造する方法 しては、特に限定されないが、モールド加 、モールド加工とサンドブラスト加工の組 合わせ等が挙げられる。

 モールド加工する際に用いられる金型は 片側の表面に、本実施形態の皮膚代替膜に 応する凹部が形成されている。また、金型 凹部の底面に、本実施形態の皮膚代替膜の 部に対応する断面が面取りされている逆V字 形状である凸部及び本実施形態の皮膚代替膜 の平面部に対応する平面部が形成されている 。このとき、金型の凹部の表面の算術平均粗 さSaは、本実施形態の皮膚代替膜の表面の算 平均粗さSaと略同一で、10~50μmであり、10~30 mが好ましい。また、金型の凸部の幅は、本 施形態の皮膚代替膜の凹部の幅と略同一で 50~500μmであり、200~400μmが好ましい。さらに 、金型の凸部の高さは、本実施形態の皮膚代 替膜の凹部の深さと略同一で、30~150μmであり 、50~100μmが好ましい。

 また、金型の平面部の算術平均粗さSaは 本実施形態の皮膚代替膜の平面部の算術平 粗さSaと略同一であり、0.1~30μmであることが 好ましい。

 金型を構成する材料としては、特に限定 れないが、ニッケル、アルミニウム、銅等 金属;アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂 ;金属粉末と樹脂の混合物(メタルレジン)等が 挙げられる。

 金型は、機械加工することにより作製さ たマスターを用いて、作製することができ 。マスターを構成する材料としては、特に 定されないが、ニッケル、アルミニウム、 等の金属;アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の 樹脂;金属粉末と樹脂の混合物(メタルレジン) 等が挙げられる。

 金型の平面部に粗さを付与する方法とし は、特に限定されないが、サンドブラスト 工することにより表面に粗さが付与された スターを用いる方法、サンドブラスト加工 ることにより金型の表面に粗さを付与する 法等が挙げられる。

 なお、平面部に粗さが付与されている金 を用いる代わりに、平面部に粗さが付与さ ていない金型を用いて、モールド加工した にサンドブラスト加工することにより、本 施形態の皮膚代替膜の平面部に粗さを付与 てもよい。

 図4Aに、本実施形態の皮膚代替膜の一例 示す。皮膚代替膜1の片側の表面は、図4B及 図4Cに示すように、断面が面取りされている V字形状である溝状の凹部2及び平面部3が形成 されており、算術平均粗さSaが10~50μmである 凹部2は、幅が50~500μmであり、深さが30~150μm ある。また、凹部2に交差する凹部2の頻度 、0.1~2本/mmである。さらに、平面部3は、算 平均粗さSaが0.1~30μmであり、面取りされてい る粗さが付与されている。なお、皮膚代替膜 1は、モールド加工することにより、形成さ ている。

 なお、皮膚代替膜1は、断面が面取りされて いるV字形状である溝状の凹部2が形成されて ると共に、平面部3に面取りされている粗さ が付与されているため、波長が290~400nmである 光の分光透過率が大きく、グリセリンを1mg/cm 2 塗布する前後における波長が300nmである光の 光透過率の差が5%未満である。これにより 皮膚外用剤の紫外線の透過特性及び/又は反 特性をさらに精度良く測定することができ 。

 なお、皮膚代替膜の凹部の断面の形状及 構造は、皮膚外用剤を均一に塗布すること 可能であれば、特に限定されない。

 図5Aに、皮膚代替膜1を製造する際に用い れる金型を示す。金型10は、片側の表面に 凹部1’が形成されている。また、凹部1’の 底面は、図5B及び図5Cに示すように、断面が 取りされている逆V字形状である凸部2’及び 平面部3’が形成されている。このとき、凹 1’の表面の算術平均粗さSaは、10~50μmである 。また、凸部2’は、幅が50~500μmであり、高 が30~150μmである。さらに、凸部2’に交差す 凸部2’の頻度は、0.1~2本/mmである。また、 面部3’の算術平均粗さSaは、0.1~30μmであり 面取りされている粗さが付与されている。

 なお、金型の凸部の断面の形状及び構造 、皮膚外用剤を均一に塗布することが可能 皮膚代替膜を製造することが可能であれば 特に限定されない。

 [第三の実施形態]
 本実施形態の皮膚外用剤の評価方法は、本 明の第一の実施形態又は第二の実施形態の 膚代替膜に皮膚外用剤を塗布する工程と、 膚外用剤が塗布された皮膚代替膜に紫外線 含む光を照射して皮膚外用剤の紫外線の透 特性及び/又は反射特性を評価する工程を有 する。

 このとき、皮膚外用剤の塗布量が1.20~2.40mg/c m 2 であることが好ましい。これにより、皮膚外 用剤の紫外線の透過特性及び/又は反射特性 精度良く測定することができる。

 皮膚外用剤としては、特に限定されない 、日焼け止め化粧品、メーキャップ化粧品 スキンケア化粧品、プレメーキャップ化粧 、ボディー化粧品等が挙げられる。また、 膚外用剤の形態としては、特に限定されな が、エマルジョン、ローション、固形、オ ル、スプレー等が挙げられる。

 また、皮膚代替膜に皮膚外用剤を塗布す 方法としては、特に限定されないが、in viv oで測定する際の規定に準じて、指で塗布す 方法、指サックをした指で塗布する方法等 挙げられる。

 皮膚外用剤の紫外線の透過特性及び/又は 反射特性の評価装置としては、特に限定され ないが、特開2008-96151号公報、特開2008-111834号 公報に開示されている評価装置を用いること ができる。

 図6に、本実施形態で用いられる皮膚外用 剤の紫外線透過特性の評価装置の一例を示す 。評価装置10は、光源11、フィルタ12、光チョ ッパ23、光ファイバ13、照射ポート14、皮膚外 用剤15が塗布された皮膚代替膜16、積分球29、 検出ポート17、光ファイバ18、分光器19、光検 出器20、電気信号処理・解析装置(電算機21)及 びロックインアンプ22からなる。なお、皮膚 替膜16は、必要に応じて、紫外線透過特性 優れる石英等の基板上に配置されていても い。

 光源11としては、特に限定されないが、 外線、可視光線及び赤外線を含む白色光の 源であるキセノンランプ等を用いることが きる。なお、キセノンランプから照射され 白色光は、擬似的な太陽光線として用いる とができる。

 フィルタ12は、光源11から照射される光の 進行方向の近傍にあり、光源11から照射され 光を紫外線(例えば、波長が290~400nmである紫 外線)に補正し、フィルタ12を透過した紫外線 は、光チョッパ23に照射される。フィルタ12 しては、特に限定されないが、WG320、UG11(SCHO TT社製)等が挙げられる。

 光チョッパ23は、フィルタ12を透過した紫 外線を断続的に透過させるシャッタであり、 紫外線をパルス照射する。パルス照射された 紫外線は、光ファイバ13に照射される。

 また、光チョッパ23は、ロックインアン 22と電気的に配線接続されており、パルス光 の同期信号を駆動回路22から取得して、光検 器20からの信号を同期解析する。

 光ファイバ13は、光チョッパ23から照射さ れた紫外線の進行方向の近傍にあり、紫外線 を照射ポート14に導く。照射ポート14に導か た紫外線は、皮膚外用剤15が塗布された皮膚 代替膜16に照射される。

 照射ポート14と検出ポート17が所定の間隔 を隔てて固定され、皮膚外用剤15が塗布され 皮膚代替膜16が、照射ポート14から一定の距 離を隔てて固定される。このとき、紫外線の 進行方向に対して、照射ポート14、皮膚外用 15、皮膚代替膜16及び積分球29の順に配置さ ている。

 積分球29は、皮膚外用剤15及び皮膚代替膜 16を透過した紫外線を受光して、集光し、空 的に積分して均一にする。なお、積分球29 、省略することができる。

 検出ポート17は、積分球29により均一にさ れた紫外線を受光し、光ファイバ18に導く。

 光ファイバ18は、検出ポート17から照射さ れた紫外線の進行方向の近傍にあり、検出ポ ート17により受光された紫外線を分光器19に く。

 分光器19は、光ファイバ18から照射された 紫外線を、波長が290~400nmの範囲で、1nm間隔で 分光する分光手段である。分光器19によって 光された紫外線は、光検出器20に照射され 。

 分光器19としては、紫外線に感度特性が 整されており、特に、波長が290~400nmの範囲 感度特性が優れた回折格子を用いることに り、分光性能を高感度とすることができる このような回折格子としては、特に限定さ ないが、凹面回折格子(型番10-015)(島津製作 社製)等が挙げられる。

 光検出器20は、分光器19により分光された 紫外線を、光センサーにより検出し、それぞ れの波長の光線の強度を電流又は電圧による 信号に変換する。この電流又は電圧による信 号は、電気的に配線接続されている電算機21 送信される。

 光検出器20としては、紫外線に感度特性 調整されており、特に、波長が290~400nmの範 で感度特性が優れた光電子増倍管を用いる とにより、紫外線を検出する感度を向上さ ることができる。このような光電子増倍管 しては、特に限定されないが、In、Ga、N、Al O、Cs等からなる光電面、具体的には、InGaN 電面を有するものが挙げられる。

 また、光検出器20としては、In、Ga、N、Al O等からなる半導体光検出器も用いることが できる。

 電算機21は、ロックインアンプ22と電気的 に配線接続されており、光検出器20から受信 る信号をロックインアンプ22で検出処理し 後のデータを受信し、評価装置10のユーザに わかりやすくするようにデータを処理し、結 果を画面に表示したり、結果を記録紙に打ち 出したり、結果を記憶媒体に保存したりでき るようにする。

 電算機21としては、汎用のパーソナルコ ピュータ等を用いることができ、入力手段 によるユーザからの指示等により、評価装 10の各機能を実行させることができる。

 ロックインアンプ22は、光検出器20、電算 機21及び光チョッパ23と電気的に配線接続さ ている。ロックインアンプ22は、光チョッパ 23が発するパルス光及び光検出器20から受信 る信号を同期させるように制御する。具体 には、ロックインアンプ22中にある位相検波 回路を用いて二つの信号を同期させる。

 なお、評価装置10内で、必要に応じて、 手段の配置を変更してもよい。

 皮膚外用剤の紫外線透過特性の評価方法 しては、特に限定されないが、特許第3337832 号公報、特開2008-111834号公報に開示されてい in vitro SPF評価法を用いることができる。 れにより、in vitro SPF予測値を測定すること ができる。

 また、これら以外の皮膚外用剤の紫外線 透過特性及び/又は反射特性の評価方法とし ては、in vitro UVA評価法、in vitro PPD法、in v itro PFA法、in vitro UVAPF法、Critical Wavelength法 、UVA/UVB ratio法、Australian/New Zealand法、German  DIN UVA balance法、SPF/UVAPF(PPD)ratio法等が挙げら れ、二種以上併用してもよい(Ferrero L.et al.,I mportance of Substrate Roughness for In vitro Sun Pr otection Assessment,IFSCC Magazine,Vol.9,No.2,2-13(2006) 照)。

 [実施例1-1]
 サンドブラスト装置PNEUMA BLASTER(不二製作所 社製)を用いて、PMMA板(住友化学社製)の表面 、白色溶融アルミナ質研磨材フジランダムWA 粒度#16(不二製作所社製)を吹き付けてサンド ラスト加工した後、50mm角に切断し、皮膚代 替膜を作製した。共焦点顕微鏡(レーザーテ ク社製)を用いて、皮膚代替膜の表面の算術 均粗さSaを測定したところ、15μmであった。

 [実施例1-2、1-3、比較例1~3]
 サンドブラスト加工する時間を変更した以 は、実施例1と同様にして、皮膚代替膜を作 製し、皮膚代替膜の表面の算術平均粗さSaを 定した(表1参照)。

 [参考例1]
 ヒトの背中の均質な部位から市販のレプリ 材を用いてレプリカを採取し、実施例1と同 様にして、レプリカの表面の算術平均粗さSa 測定した(表1参照)。

 なお、[皮膚外用剤の最適塗布量の選定] は、ヒトの背中の均質な部位の表面に皮膚 用剤を塗布した。

 [皮膚外用剤の最適塗布量]
 化粧品専門技術者10名により、実施例及び 較例の皮膚代替膜又は参考例の皮膚の表面 、皮膚外用剤を1分間指で塗り広げることに り所定量塗布した後に、25℃で15分間乾燥し 、外観上の均一性を評価した。なお、皮膚外 用剤としては、塗布ムラ等を判別しやすくす るために、酸化チタンを配合した製剤を用い た。また、外観上の均一性は、黒紙を下に敷 いた条件で、一定量の照明環境が準備された 部屋で評価した。評価結果を表1に示す。

なお、外観上の均一性は、外観が不均一であ るものを1、やや不均一であるものを2、どち でもないものを3、やや均一であるものを4 均一であるものを5として、スコア化し、平 値が1以上2未満であるものを×、2以上3未満 あるものを△、3以上4未満であるものを○ 4以上であるものを◎として、判定した。

 その結果、表面の算術平均粗さSaを皮膚に 似させた実施例の皮膚代替膜及び参考例の 膚は、皮膚外用剤の最適塗布量が2.00mg/cm 2 であることがわかる。これに対して、比較例 1~3の皮膚代替膜の最適塗布量は、それぞれ0.7 5、1.20、1.40であることがわかる。

 [in vitro SPF予測値とin vivo SPF値との相関]
 所定のIn vivo SPF値(図7参照)を有する十種の 皮膚外用剤を準備した。

 実施例2、比較例1、2の皮膚代替膜に、皮膚 用剤を指で1分間塗り広げることにより、最 適塗布量塗布した後、25℃で15分間乾燥した 次に、図6に示す紫外線透過特性の評価装置 用いて、特開2008-111834号公報の実施例1に開 されているin vitro SPF評価法により、in vitr o SPF予測値を測定し、in vivo SPF値との相関 数R 2 及び近似式の傾きaを求めた(図7参照)。その 果を表2に示す。

表2より、実施例2の皮膚代替膜を用いた場合 比較例1、2の皮膚代替膜を用いた場合と比 して、相関係数R 2 が1に近く、近似式の傾きaが1に近いことから 、in vitro SPF予測値がin vivo SPF値を高い精度 で再現していることがわかる。

 [実施例2-1]
 銅板(鋼材)を機械加工することにより、幅 300μmであり、深さが80μmであり、断面がV字 状である溝状の凹部を、縦方向に1本/2mm、横 方向に1本/1mm、斜め45°方向に2本/3mmとなるよ に形成し、50mm角の第一のマスターを作製し た。第一のマスターにニッケルで電鋳し、第 一の金型を作製した。第一の金型を用いて、 PMMAとしての、アクリペットVH000(三菱レイヨ 社製)を射出成形した。サンドブラスト装置P NEUMA BLASTER(不二製作所社製)を用いて、得ら た成形品の溝状の凹部が形成されている側 表面に、白色溶融アルミナ質研磨材フジラ ダムWA粒度#80(不二製作所社製)を吹き付けて サンドブラスト加工し、第二のマスターを 製した。第二のマスターを用いて、メタル ジンをモールド成形し、凸部が面取りされ いると共に、平面部に面取りされている粗 が付与されている第二の金型を作製した(図 8参照)。第二の金型を用いて、アクリペットV H000(三菱レイヨン社製)を射出成形し、皮膚代 替膜を作製した(図9参照)。

 [実施例2-2]
 第一のマスターの溝状の凹部の幅を250μm、 さを70μmとし、サンドブラスト加工する際 、白色溶融アルミナ質研磨材フジランダムWA 粒度#60(不二製作所社製)を用いた以外は、実 例2-1と同様にして、皮膚代替膜を作製した

 [実施例2-3]
 第一のマスターの溝状の凹部の幅を400μm、 さを100μmとし、サンドブラスト加工する際 、白色溶融アルミナ質研磨材フジランダムW A粒度#100(不二製作所社製)を用いた以外は、 施例2-1と同様にして、皮膚代替膜を作製し 。

 [実施例2-4]
 第一のマスターの溝状の凹部の幅を200μm、 さを60μmとし、サンドブラスト加工する際 、白色溶融アルミナ質研磨材フジランダムWA 粒度#30(不二製作所社製)を用いた以外は、実 例2-1と同様にして、皮膚代替膜を作製した

 [実施例2-5]
 銅板(鋼材)を機械加工することにより、幅 300μmであり、深さが80μmであり、断面がV字 状である溝状の凹部を、縦方向に1本/2mm、横 方向に1本/1mm、斜め45°方向に2本/3mmとなるよ に形成し、50mm角のマスターを作製した。マ スターにニッケルで電鋳した後、サンドブラ スト装置PNEUMA BLASTER(不二製作所社製)を用い 、凸部が形成されている側の表面に、白色 融アルミナ質研磨材フジランダムWA粒度#80( 二製作所社製)を吹き付けて、サンドブラス ト加工し、凸部が面取りされていると共に、 平面部に面取りされていない粗さが付与され ている金型を作製した。金型を用いて、アク リペットVH000(三菱レイヨン社製)を射出成形 、皮膚代替膜を作製した。

 [実施例2-6]
 銅板(鋼材)を機械加工することにより、幅 250μmであり、深さが80μmであり、断面がV字 状である溝状の凹部を、縦方向に1本/2mm、横 方向に1本/1mm、斜め45°方向に2本/3mmとなるよ に形成し、50mm角のマスターを作製した。マ スターにニッケルで電鋳し、凸部が面取りさ れている金型を作製した。金型を用いて、ア クリペットVH000(三菱レイヨン社製)を射出成 した。サンドブラスト装置PNEUMA BLASTER(不二 作所社製)を用いて、得られた成形品の溝状 の凹部が形成されている側の表面に、白色溶 融アルミナ質研磨材フジランダムWA粒度#80(不 二製作所社製)を吹き付けて、サンドブラス 加工し、皮膚代替膜を作製した。

 [実施例2-7]
 サンドブラスト加工する際に、白色溶融ア ミナ質研磨材フジランダムWA粒度#100(不二製 作所社製)を用いた以外は、実施例2-6と同様 して、皮膚代替膜を作製した。

 [実施例2-8]
 サンドブラスト加工しなかった以外は、実 例2-6と同様にして、皮膚代替膜を作製した

 [実施例1-4]
 サンドブラスト装置PNEUMA BLASTER(不二製作所 社製)を用いて、PMMA板としての、アクリライ 000(三菱レイヨン社製)の片側の表面に、白 溶融アルミナ質研磨材フジランダムWA粒度#16 (不二製作所社製)を吹き付けて、サンドブラ ト加工し、50mm角のマスターを作製した。マ スターにニッケルで電鋳し、表面に面取りさ れている粗さが付与されている金型を作製し た。金型を用いて、アクリペットVH000(三菱レ イヨン社製)を射出成形し、皮膚代替膜を作 した。

 [比較例4]
 サンドブラスト加工する際に、白色溶融ア ミナ質研磨材フジランダムWA粒度#100(不二製 作所社製)を用いた以外は、実施例1-4と同様 して、皮膚代替膜を作製した。

 [比較例5]
 サンドブラスト加工する際に、白色溶融ア ミナ質研磨材フジランダムWA粒度#60(不二製 所社製)を用いた以外は、実施例1-4と同様に して、皮膚代替膜を作製した。

 [実施例1-5]
 サンドブラスト装置PNEUMA BLASTER(不二製作所 社製)を用いて、銅板(鋼材)の片側の表面に、 白色溶融アルミナ質研磨材フジランダムWA粒 #16(不二製作所社製)を吹き付けて、サンド ラスト加工し、金型を作製した。金型を用 て、アクリペットVH000(三菱レイヨン社製)を 出成形した後、50mm角に切断し、皮膚代替膜 を作製した。

 [比較例6]
 サンドブラスト加工する際に、白色溶融ア ミナ質研磨材フジランダムWA粒度#100(不二製 作所社製)を用いた以外は、実施例1-5と同様 して、皮膚代替膜を作製した。

 [比較例7]
 皮膚代替膜として、Helioplate HD6(Helioscience社 製)を用いた。

 [実施例1-6]
 サンドブラスト装置PNEUMA BLASTER(不二製作所 社製)を用いて、アクリライト000(三菱レイヨ 社製)の片側の表面に、白色溶融アルミナ質 研磨材フジランダムWA粒度#16(不二製作所社製 )を吹き付けて、サンドブラスト加工した後 50mm角に切断し、皮膚代替膜を作製した。

 [比較例8]
 皮膚代替膜として、Plexiglas(Schoenberg社製)を いた。

 [比較例9]
 皮膚代替膜として、Helioplate(Helioscience社製) 用いた。

 表3に、実施例2-1~2-8、1-4~1-6、比較例4~9の 膚代替膜の特性を示す。

なお、皮膚代替膜の表面及び平面部の算術平 均粗さSaは、共焦点顕微鏡(レーザーテック社 製)を用いて、測定した。

 表4に、実施例2-1~2-8、1-4~1-6、比較例4~9の 膚代替膜の評価結果を示す。

グリセリン塗布前後の紫外線の分光透過率の 差から、実施例2-1~2-4、2-8の皮膚代替膜は、 状の凹部が面取りされているため、紫外線 分光透過率が高いことがわかる。なお、実 例2-5~2-7の皮膚代替膜は、溝状の凹部が面取 されているものの、平面部に面取りされて ない粗さが付与されているため、紫外線の 光透過率が若干低下している。一方、実施 1-4、比較例4、5の皮膚代替膜は、面取りさ ている粗さが付与されているため、紫外線 分光透過率が高いことがわかる。また、簡 in vitro SPF予測値の変動から、実施例2-1~2-8 皮膚代替膜は、溝状の凹部が形成されてい ため、皮膚外用剤の塗布の再現性が優れて ることがわかる。さらに、in vitro SPF予測値 とin vivo SPF値との相関から、実施例2-1~2-4の 膚代替膜は、溝状の凹部が面取りされてい と共に、平面部に面取りされている粗さが 与されているため、相関係数R 2 の平均値が大きいことがわかる。一方、実施 例1-4~1-6の皮膚代替膜は、表面の算術平均粗 Saが大きいため、相関係数R 2 の平均値が大きいことがわかる。

 皮膚代替膜の評価方法を以下に説明する

 [グリセリン塗布前後の紫外線の分光透過率 の差]
 分光光度計U-4100(日立製作所社製)を用いて 実施例2-1~2-8、1-4~1-6、比較例4~9の皮膚代替膜 の透過スペクトルを測定した。このとき、透 過スペクトルは、波長が290~400nmであり、波長 ステップが1nmである。また、各皮膚代替膜に つき、5枚測定し、1枚につき、中央付近及び 央と四隅の中点付近の5箇所測定した。

 次に、実施例4~7、比較例4~16の皮膚代替膜に 、指サックを付けた指でグリセリンを塗り広 げることにより、1.00mg/cm 2 塗布した後、上記と同様に、分光光度計U-4100 (日立製作所社製)を用いて、分光透過スペク ルを測定した。

 さらに、各皮膚代替膜の波長が300nmであ 光の分光透過率の平均値の、グリセリン塗 後とグリセリン塗布前の差を算出した。な 、この差がグリセリン塗布前の各皮膚代替 の波長が300nmである光の分光透過率の平均値 に対して、5%未満であるものを○、5%以上で るものを×として、判定した。

 [簡易in vitro SPF予測値の変動]
 分光光度計U-4100(日立製作所社製)を用いて 実施例2-1~2-8、1-4~1-6、比較例4~9の皮膚代替膜 の分光透過スペクトルを測定した。このとき 、分光透過スペクトルは、波長が290~400nmであ り、波長ステップが1nmである。また、各皮膚 代替膜につき、5枚測定し、1枚につき、中央 近及び中央と四隅の中点付近の5箇所測定し た。

 次に、10名の専門家が、実施例2-1~2-8、1-4~1-6 、比較例4~9の皮膚代替膜に、指サックを付け た指で標準サンプルP3(非特許文献3参照)を1分 間塗り広げることにより、2.00mg/cm 2 塗布し、25℃で15分間乾燥した後、上記と同 に、分光光度計U-4100(日立製作所社製)を用い て、透過スペクトルを測定した。このとき、 各専門家は、各皮膚代替膜5枚に標準サンプ P3(非特許文献3参照)を塗布した。

 さらに、キセノンアーク紫外線光源(非特 許文献3参照)のスペクトルに、標準サンプルP 3塗布前後の各皮膚代替膜の波長が290~400nmで る光の分光透過率を乗じ、紅斑係数(CIE 1987 照)で重み付けしたものを積分することによ り紅斑効果量を求めた。

 次に、標準サンプルP3塗布後の各皮膚代 膜の各箇所の紅斑効果量に対する標準サン ルP3塗布前の各皮膚代替膜の各箇所の紅斑効 果量の比、即ち、簡易in vitro SPF予測値を算 した。

 さらに、専門家毎に、各皮膚代替膜につ て、簡易in vitro SPF予測値の5箇所の平均値 算出し、その平均値を用いて、5枚の平均値 と標準偏差から変動係数CVを算出した。なお 10人の専門家の変動係数CVの平均値が15%未満 であるものを◎、15%以上20%未満であるものを ○、20%以上25%未満であるものを△、25%以上で あるものを×として、判定した。

 [in vitro SPF予測値とin vivo SPF値との相関]
 所定のIn vivo SPF値(図5参照)を有する十種の 皮膚外用剤を準備した。

 10名の専門家が、実施例2-1~2-8、1-4~1-6、比較 例4~9の皮膚代替膜に、指サックを付けた指で 皮膚外用剤を1分間塗り広げることにより、2. 00mg/cm 2 塗布した後、25℃で15分間乾燥した。このと 、各専門家は、各皮膚代替膜5枚に各皮膚外 剤を塗布した。

 次に、図4に示す紫外線透過特性の評価装置 を用いて、in vitro SPF評価法(Y.Miura et.al.,Photo chemistry and Photobiology,2008,84,1569-1575参照)によ 、in vitro SPF予測値を測定し、in vivo SPF値 の相関係数R 2 を求めた。なお、10人の専門家の相関係数R 2 の平均値が0.85以上であるものを◎、0.70以上0 .85未満であるものを○、0.60以上0.70未満であ ものを△、0.60未満であるものを×として、 定した。

 本国際出願は、2008年6月13日に出願された 日本国特許出願第2008-155936号に基づく優先権 主張するものであり、日本国特許出願第2008 -155936号の全内容を本国際出願に援用する。




 
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