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Title:
SOLID FUEL AND METHOD OF PRODUCING SOLID FUEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104311
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a solid fuel which is usable as a substitute fuel for living trees, petroleum and so on. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A method of producing a solid fuel which comprises the first step of heating beer lees under agitation and the second step of heating and compression-molding the beer lees, which have been agitated in the first step, into the shape of the solid fuel, characterized in that the beer lees are heated while preventing carbonization in the second step. According to this method, it is possible to produce a wood fuel which satisfies the industrial standards, is eco-friendly, has stable qualities and enables easy flame regulation. Since the solid fuel can be obtained merely by agitating, heating and compressing beer lees, the production process can be simplified. Moreover, the evolution of fire sparks or eye-irritative smoke can be avoided. Furthermore, it is possible to provide a sensorily favorable solid fuel releasing a spicy savor of barley.

Inventors:
KURIYAMA SHINSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069952
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KURIYAMA SHINSUKE (JP)
TAKAHASHI HIDEHISA (JP)
International Classes:
C10L5/44; B09B3/00
Foreign References:
JP2000033496A2000-02-02
JP2001241848A2001-09-07
JP2005140484A2005-06-02
JP2000033496A2000-02-02
Other References:
See also references of EP 2258816A4
SEARCH ON THE INTERNET, 30 October 2008 (2008-10-30), Retrieved from the Internet
Attorney, Agent or Firm:
MIZUNO, Katsufumi et al. (JP)
Katsufumi Mizuno (JP)
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Claims:
 炭化しないように加熱処理されたビール粕の粒子を含む固形燃料。
 ビール粕を攪拌しながら加熱する第1のステップと、
 前記第1のステップで攪拌されたビール粕を加熱しながら固形燃料の形状に圧縮成形する第2のステップとを含み、
 前記第2のステップにおいて、前記ビール粕を炭化させないように加熱することを特徴とする固形燃料の製造方法。
Description:
固形燃料及び固形燃料の製造方

 本発明は、火力発電設備、ボイラー、石 、燻製釜、薪ストーブ及び陶芸用登り窯な で使用可能な固形燃料及びその製造方法に する。

 固形燃料として知られている薪は、煮炊 あるいは暖をとるための燃料として利用さ ており、ピザ・パンを焼成するための石釜 薪ストーブにおいて、重要な燃料源となっ いる。

 また、窯業においては、伝統的な製法で る陶器・磁器・煉瓦の窯焼き工程で薪が使 れるており、不均一な温度で焼くことによ 微妙な色合いを出すために薪に拘る陶芸家 多い。

 薪の原料となる生木は、光合成の際に二 化炭素を取り込み、酸素を放出するため、 球環境を保護する上で、極めて重要な天然 源である。したがって、生木を利用した薪 使用は、可能な限り避けるべきである。

 また、薪の原料となる生木には、50%近く 水分を含まれており、薪として燃焼させる めには水分を15%前後まで乾燥させる必要が る。十分に乾燥していない薪を燃焼させる 、タールあるいはススが多く発生するなど 問題がある。また、規格管理においては、 を割り長さを揃える程度の管理しかされて らず、品質が不均一で、薪ごとのバラつき 非常に大きいため、火加減等の調整が難し 。

 一方、おがくずを原料として薪状の成形体 加工し、燃料等に利用する方法もある。こ らは、加工時に水分管理され、また、同じ イズの成形体が工業的に生産できるため、 として利用する際に、火加減等の調整が行 い易いという特徴がある。おがくずを原料 した薪もリサイクル商品ではあるが、おが ずは元々生木を原料としている。そのため CO 2 の削減に有用な樹木を伐採した後にしか得る ことが出来ない資源である。そのうえ燃焼さ せると、生木特有の揮発成分が、目に染みる 不快な煙を発生させる。また、薪として流通 させるだけのおがくずを集めるだけでもコス トが掛かる。ビール粕がビール工場で大量に ゴミとして発生しているのと比べ、大きな違 いである。

 なお、特許文献1には、ビール粕炭化用成形 装置が開示されているが、この成形装置から 得られるビール粕成形物は、炭材であって火 付きが悪いため、固形燃料として優れていな いことは明らかである。すなわち、この種の 炭材は、吸着剤、微生物を付着させてこれを 発育する機能において優れているが(非特許 献1)、燃焼性能が低いことは明らかである。

特開2000-33496号公報 [平成20年10月30日検索]、インターネット[ http://www.japan-hp.com/ksd_hako.html]

 したがって、生木、石炭、石油などの代 燃料となり得る固形燃料の開発が求められ いる。

 上記課題を解決するために、本願発明の 形燃料は、炭化しないように加熱処理され ビール粕の粒子を含むことを特徴とする。 の固形燃料は、ビール粕を攪拌しながら加 し、この攪拌されたビール粕を加熱しなが 固形燃料の形状に圧縮成形することにより 造することができる。

 本発明によれば、生木を乾燥させた薪等 代わり得る燃焼特性に優れた固形燃料を提 することができる。

 本発明は、固形燃料の材料としてビール粕 用いることを特徴とする。これまで固形燃 (薪)の原料として使用されてきた生木は、CO 2 削減の観点から、利用が大幅に制約されてお り、また、生木を原料としたおがくずでは、 薪として流通させるだけの量を確保すること ができない。

 これに対して、ビール粕はビールの製造後 出る廃棄物である。万国共通の飲み物であ ビールは世界中の国々にビール工場が設け れている。したがって、1ヶ所のビール工場 からでも日々大量のビール粕を調達すること が出来る。このことから輸送コストや輸送に 伴うCO 2 の排出量を大幅に削減することができる。石 油が中東などの一部の地域でのみ生産され、 供給に輸送が伴うのと比較して大きな違いで ある。

 さらに、寒冷地などでは、薪を燃焼させ ための暖炉を一家に少なくとも一台備えて る場合が多い。そのため、ビール粕からな 固形燃料を暖炉に直接装入して燃焼させる とで、暖を得ることができる。したがって 燃焼で得たエネルギーを電力等に変換する 要がなくなり、インフラの問題を少なくす ことができる。燃料電池が水素スタンドを 要とするのと比較して大きな違いである。

 このように、ビール粕からなる固形燃料 、従来のエネルギー源よりも優れた特性を 数有している。そして、下記に説明するよ に、ビール粕からなる固形燃料は、生木か なる固形燃料よりも燃焼性能に優れており 生木からなる固形燃料の代替物となり得る

 以下、ビール粕からなる固形燃料の製造 法を詳細に説明する。

 まず、図1、図2及び図3を参照しながら、 発明の固形燃料の製造方法について説明す 。ここで、図1は本製造方法を有効に実施す るための固形燃料の製造装置の概略図であり 、図2は固形燃料の製造装置の一部を構成す 攪拌成形部の断面図であり、図3は攪拌成形 の分解斜視図である。

 これらの図において、ホッパー部20は、 側にいくほど径寸法が漸減する絞り形状に 成されており、攪拌成形部10のハウジング本 体11に形成された投入口11aに接続されている

 図2に図示するように、攪拌成形部10のハ ジング本体11は筒型に形成されており、こ ハウジング本体11の水平方向(X軸方向)一端部 には、半球状の先端ハウジング12が締結ボル 13を介して固定されている。

 先端ハウジング12の内面には、複数(本実 例では10個)の捩れ角を有する内羽根12aが形 されており、先端ハウジング12の先端部に 、ビール粕を排出するための排出口12bが形 されている。先端ハウジング12の基端部は、 締結ボルト19によりハウジング本体11に固定 れている。

 先端ハウジング12の内部には、ロータ14が 回転可能に収容されており、このロータ14の 面には、捩れ角を有する外羽根14aが形成さ ている。このロータ14の外羽根14aは、先端 ウジング12の内羽根12aに対して、反対方向に 捩れている。

 ロータ14の回転軸14bは、X軸方向に延びて り、図1に図示するモータ40から伝達される 動力によって回転駆動される。ロータ14の 動機構については後述する。

 スリーブ15は筒状に形成され、X軸方向に びている。スリーブ15のX軸方向の一端部は 先端ハウジング12の先端部に取り付けられ フランジ部18に固定されている。

 ロータ14のX軸方向の一端部には、スリー 部15の内部に延出する先端スクリュー16が取 り付けられている。

 先端スクリュー16のスクリュー軸16aは、 ータ14の回転軸14bと同軸上に配置されており 、モータ40から伝達された駆動力によりロー 14及び先端スクリュー16が一体的に回転する 。

 スリーブ15の内径をR1、スクリュー軸16aの 外径をR2としたときに、R1-R2は好ましくは0.3~0 .5mmであり、より好ましくは0.3mmである。スリ ーブ15の外周面には、スリーブ15と同心円状 発熱筒17が設けられている。この発熱筒17は 不図示の熱源から伝熱する熱によって発熱 るようになっている。

 図1に図示するように、ギアボックス30に 、第1のギア31及びこの第1のギア31に係合す 第2のギア列32が収容されている。第2のギア 列32は、ロータ14の回転軸14bに接続されてお 、第2のギア列32の回転動作に応じてロータ14 が回転する構成になっている。

 モータ40の出力軸41には、出力ギア42が取 付けられており、この出力ギア42はギアボ クス30に収容された第1のギア31に接続されて いる。したがって、モータ40が駆動されると その駆動力が出力ギア42→第1のギア31→第2 ギア列32の順に伝達され、ロータ14を回転さ せることができる。

 次に、上記製造装置を用いた固形燃料の 造方法について説明する。ビール製造の最 の工程では、原料の大麦を発芽させた「麦 」を粉砕し、この粉砕物を煮込んだもろみ ら麦汁を抽出する。これを仕込工程と呼ん いる。本工程では、麦汁を抽出することに り残渣が発生し、これを一般的に「ビール 」と呼んでいる。

 このビール粕は、通常水分を60~75%含んで り、ホッパー20を介してハウジング11の内部 に装入される前に、水分が1~15%になるまで乾 又は脱水される。上限値を15%に設定した理 は、15%を超えると、加熱時にビール粕から 量の水蒸気が発生して、ハウジング11の内 が過剰に上昇するからである。また、下限 を1%に設定した理由は、1%に満たないと、ビ ル粕を圧縮成形した際に固まりにくくなり 固形燃料として使用できなくなるからであ 。

 乾燥処理されたビール粕は、ホッパー20 介してハウジング本体11の内部に装入される 。ここで、ハウジング本体11へのビール粕の 給速度は、好ましくは100kg/h以上であり、よ り好ましくは130kg/h以上である。供給速度が10 0kg/h以下の場合には、スリーブ15の内部に位 する固形燃料の加熱時間が長くなり、固形 料の表面が炭化するからである。なお、ビ ル粕の供給速度は、固形燃料の表面を炭化 せないという観点から、製造装置の装置構 に応じて適宜変更することができる。

 ハウジング本体11に供給されたビール粕 、ロータ14の回転作用により、ロータ14と先 ハウジング12との間に形成された隙間を通 て、先端ハウジング12の排出口12bに移送され る。この際、ビール粕の粒子が互いに接触し て、摩擦熱が生じるため、ビール粕の温度は 上昇する。

 ここで、ロータ14の外面には複数の外羽 14aが設けられているため、ロータ14の一回転 数あたりの移送量を大きくすることができる 。他方、スリーブ15の内径:R1、スクリュー軸1 6aの外径:R2を上記のように設定することによ 、先端ハウジング12からスリーブ15へのビー ル粕の供給量を制限することができる。

 これにより、先端ハウジング12内で移送 れるビール粕に対して十分な摩擦熱を付与 ることができる。その結果、ビール粕を、 端ハウジング12の排出口12aにおいて、成形に 適した材料温度に昇温させることができる。 ビール粕の成形に適した材料温度とは、概ね 90℃以上である。

 先端ハウジング12の排出口12aから排出さ たビール粕は、スクリュー16の回転作用によ り、スリーブ15内に押し出される。ここで、 熱筒17によるスリーブ15の加熱温度は、好ま しくは、250~330℃(予熱時390℃)である。250℃よ りも加熱温度が低いと固形燃料の表面のひび 割れが多くなり、固形燃料が折れやすくなる 。330℃よりも加熱温度が高いと固形燃料の表 面に薄皮状の焦げ(炭化物)が発生する。

 スリーブ15の加熱温度は、固形燃料の製 装置の装置構成に応じて、適宜変更するこ ができる。この場合、固形燃料にひび割れ 発生したこと、表面に薄皮状の焦げが発生 たことについては、目視による識別が可能 ある。したがって、スリーブ15から排出され た固形燃料の表面を目視により観察しながら 、スリーブ15の加熱温度を調節することによ 、最適な加熱温度を実験的に導くことがで る。

 また、スクリュー16によるスリーブ15への 押し込み作用により、スリーブ15内のビール は、スリーブ15の内面及びスクリュー16のス クリュー軸16aの外面に当接した状態で圧縮さ れながらスリーブ15の内部を移送され、固形 料として排出される。

 このように、ビール製造時の副産物である ール粕の粒子を原料として、環境に優しく 品質が安定し、火力調節が容易な工業規格 としての固形燃料を生産することができる また、ビール粕を攪拌して加熱圧縮するの で固形燃料が得られるため、製造工程を簡 化することができる。さらに、火の粉や目 しみるような煙の発生を抑制することがで る。さらにまた、麦の持つ香ばしい香りを つ官能的にも優れた固形燃料を提供するこ ができる。
(変形例)
 上述のビール粕とともに、コーヒー豆の焙 粕、役目の終えた酒造用樽(酒樽、ワイン樽 、ウィスキー樽、等)を粉砕した粒子、果汁 絞り粕(りんご、みかん等)、ビール醸造後の ホップ粕を攪拌成形部10に装入して、固形燃 に香り付けを行ってもよい。
(実施例)
 実施例を示して本発明を具体的に説明する

 表面が炭化処理されていないビール粕か なる固形燃料A(以下、実施例という)、樽材 らなる固形燃料(以下、比較例という)Bにつ てそれぞれ、燃料実験を行い、比較検討し 。具体的には、引火点、発熱量、IMO燃焼速 実験及び揮発成分を測定して、燃料性能を 価した。比較例として楢材を使用したのは 楢材からなる薪は、市場に多く出回ってお 、購入も容易であるため、ビール粕からな 固形燃料の燃焼特性を評価するための比較 象物として最適だからである。

 (引火点について)
 引火点については、消防法危険物確認試験 施マニュアルに準じて行った。具体的には 引火点測定器具としてセタ密閉式の測定器 を使用した。試験は、(株)住化分析センタ  愛媛事業所 安全工学研究室で行った。実 例の試験条件は、その温度が26℃、その湿 が58%、その気圧が1008hPa、その試験実施日が2 008年8月27日であった。比較例の試験条件は、 その温度が24℃、その湿度が51%、その気圧が1 010hPa、その試験実施日が2008年8月25日であっ 。実施例の試験結果を表1に示し、比較例の 験結果を表2に示した。

 実施例及び比較例の引火点はそれぞれ、2 17℃及び246℃であり、実施例は比較例よりも 火点が低く、着火しやすいことがわかった

 (発熱量について)
 発熱量については、JIS M 8814マニュアルに じて行った。試験は、(株)住化分析センタ  愛媛事業所 安全工学研究室で行った。試 条件は、温度が22℃、湿度が78%、気圧が1007h Paであった。実施例の試験結果を表3に示し、 比較例の試験結果を表4に示した。

 実施例及び比較例の発熱量はそれぞれ、1 9940(J/g)及び18540(J/g)であり、実施例は、比較 よりも発熱量が優れているということがわ った。

 (IMO燃焼速度実験)
 IMO燃焼速度は、(株)住化分析センター 愛媛 事業所 安全工学研究室で行った。試験条件 、温度が27℃、湿度が84%であった。判定方 については、下記の基準を採用した。すな ち、燃焼速度が2.0mm/sec以上である場合には 燃焼危険性を大と評価し、燃焼速度が0mm/sec りも大きく2.0mm/secよりも小さい場合には、 焼危険性を中と評価し、燃焼速度が0mm/secで ある場合には、燃焼危険性を小と評価した。 また、断熱板(厚さ10mm、0℃における熱伝導率 0.1W/m・K以下)上に、試験片を全長250mm、幅20mm 高さ10mmのプリズム型に堆積させ、その一端 を液化石油ガスの着火器具を用いて着火した 。そして、反応域が120mm進んだ後、そこから らに100mm燃焼が進行する時間を測定した。 験は、実施例及び比較例ともに、6回繰り返 た。実施例の試験結果を表5に示し、比較例 の試験結果を表6に示す。

 実施例は、比較例よりも燃焼速度が遅く、 焼危険性が低いということがわかった。す わち、実施例は、比較例よりも火持ちがよ て安全性が高く、取扱いに優れているとい ことがわかった。
(揮発成分について)
 実施例及び比較例の固形燃料をJIS K 7217の 焼装置で燃焼させ、燃焼時に発生したガス テドラーバックに捕集し、この捕集したガ をガスクロマトグラフ法(GC/TCD)で測定した 燃焼ガス発生装置として杉山元医理器製のPC T-1を使用した。温度は750℃に設定した。支燃 ガスとして空気を使用した。支燃ガス供給量 は0.5(L/min)に設定した。ガスクロマトグラフ して島津製作所のGC-14Bを使用した。その分 結果を表7及び表8に示す。表7は実施例のデ タであり、縦軸は成分量、横軸は時間を示 ている。表8は比較例のデータであり、縦軸 成分量、横軸は時間を示している。

 実施例では成分のピークが見られなかっ アルデヒト、フェノール誘導体が、比較例 は著しく検出された。アルデヒト、フェノ ル誘導体は目に入るとしみるとされる成分 ある。これらの結果から、固形燃料Aは、固 形燃料Bよりも燃焼性能が優れていることが かった。

本製造方法を有効に実施するための固 燃料の製造装置の概略図である。 固形燃料の製造装置の一部を構成する 拌成形部の断面図である。 攪拌成形部の分解斜視図である。

符号の説明

 10 攪拌成形部
 11 ハウジング本体
 12 先端ハウジング
 13 締結ボルト
 14 ロータ
 15 スリーブ
 16 先端スクリュー
 
  




 
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