HAYASHI HIDEO (JP)
SUMITA MASANOO (JP)
HAYASHI HIDEO (JP)
WO2006137194A1 | 2006-12-28 |
JP2003167358A | 2003-06-13 | |||
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JPS62132514A | 1987-06-15 |
レジスト剥離液の全量を100質量%とした場合に、有機化合物を80質量%以上含むレジスト剥離液でポジ型レジスト膜を剥離する第一工程と、レジスト成分を含有する剥離液を、細孔径が2~5nmで分画分子量が1000~4000のセラミックフィルタ-でクロスフロ-ろ過する第二工程とを備え、第二工程において阻止率70%以上の条件でレジスト成分が除去された処理剥離液を、第1工程で再使用することにより、第1工程におけるレジスト剥離液中のレジスト成分の濃度を2質量%以下に保つことを特徴とするレジスト剥離システム |
レジスト剥離液が、アミン又はアルカリを含まずpHが4以上9以下であることを特徴とする、請求項1のレジスト剥離システム。 |
第二工程で処理された処理剥離液に対し、レジストを含まない剥離液新液を追加して第一工程に供給する第三工程、及び第二工程においてレジスト成分が濃縮された濃縮剥離液を、第二項工程に再び供給する前に、一定時間毎に系外に抜き出す、又は一定流速で系外へ抜き出す第四工程、をさらに備える請求項1または2のレジスト剥離システム |
クロスフローろ過においてフィルター面に平行する方向の剥離液の流速が0.5m/s以上4m/s以下である請求項1~3のいずれかのレジスト剥離システム。 |
レジスト成分は、フェノールノボラック樹脂及び/又はクレゾールノボラック樹脂にナフトキノンジアジドを加えたポジ型フォトレジストが剥離液に溶解した成分である請求項1~4のいずれかに記載のレジスト剥離システム |
本発明は、半導体、液晶、プリント配線 板等の電子部品の製造過程で行われるレジ ト剥離工程に関し、レジスト成分を含むレ スト剥離液を処理しながらレジスト剥離を うシステムに関する。
半導体、液晶、プリント配線基板等の電子
品の製造工程には、Siウエハ-やガラス表面
半導体薄膜を積層した基板等の上にフォト
ジスト又は単にレジストと呼ばれる感光性
被膜を形成し、パタ-ンマスクを通して光等
を照射する照射工程と、現像液を用いて不要
のフォトレジストを溶解する現像工程を経た
後、残存するレジスト膜を剥離する剥離工程
が含まれており、上記剥離工程においては、
レジスト膜を剥離するためにレジスト剥離液
が用いられるのが一般的である。
近年の電子部品の微細化に伴い、レジスト
しては感光した部分が現像液に可溶化する
ジ型と呼ばれるタイプのものが一般的とな
ているが、その理由はネガ型よりも微細な
タ-ン形状に対応し易いからである。そして
、その剥離液としては、N-メチル-2-ピロリド
(NMP)やジメチルスルホキシド(DMSO)あるいは
ミン類のような限られた有機溶剤が一般的
用いられている。かかるレジスト剥離液を
いると、基板上に設けられたレジスト膜が
板から剥離されてレジスト剥離液中に移る
レジスト膜が溶解するメカニズムについて
諸説あり、剥離液によってレジスト膜が完
に低分子量成分に分かれて溶解する場合や
レジスト剥離液で膨潤されたレジスト膜が
片になって剥離液中に分散する場合などが
るが、以後、これらを総称してレジストの
離液への溶解と呼び、剥離液中に移ったレ
ストをレジスト成分と呼ぶ。
剥離液中のレジスト成分濃度は、通常0.1~5
量%ほどの少量でも新たなレジスト膜の剥離
度を著しく低下させることが知られている
そのため、一定量のレジスト剥離を行った
に剥離液の全液又は一部の液交換を行うこ
によって剥離速度を一定の範囲内に保つ事
一般的に行われている。しかし、この方法
は剥離液の交換の度に多量の廃液が発生し
また新液も多量に使用されるため、新液の
入や廃液の処分に多額のコストがかかり、
境にも悪影響を及ぼすという問題があった
剥離液の中でもモノエタノ-ルアミンなど の有機アミンを用いるアミン系と呼ばれる剥 離液に代表されるアルカリ性の剥離液では、 溶解したレジスト成分とアミンとが塩を形成 するため、レジスト成分の溶解量に対してレ ジスト剥離速度の低下が小さい傾向があるが 、アミンの臭気や、アミンが化学的に不安定 であるため剥離液自体の分解が速い問題があ った。このため最近ではアミンなどのアルカ リ成分を含まない非アミン系と呼ばれる剥離 剤が注目されている。しかし、非アミン系の 剥離液は剥離液に溶解したレジスト成分によ ってレジスト剥離速度が低下する傾向が著し いので、剥離速度を維持するためには液交換 のコストが特に大きいという問題があった。
以上の問題に対して、レジスト成分を含 レジスト剥離液を処理して再利用すること よって廃液の量を減少させることが試みら ている。例えば特許文献1には分画分子量100 ~1500のナノフィルトレ-ション膜によって、ア ルカノ-ルアミンを含む剥離液でレジストを 離した後の廃液中に溶解しているレジスト 分をろ過低減できることが開示されている このような分画分子量を持つナノフィルト -ション膜としては、特許文献1の具体例とし て列記されているように有機物質を主成分と する膜が普通であったが、有機系の膜の欠点 としては、耐圧が低いために加圧してろ過速 度を上げることが難しい、剥離液の成分によ って膨潤したり劣化したりしやすい、耐熱性 が低い、等が挙げられる。そもそも有機系の ナノフィルトレ-ション膜は人工透析や上水 浄化等に用いられる限外ろ過膜の派生物で り、水系においては十分な強度や安定性を っていても有機溶剤に対しては劣化などの 題が起きやすかった。
特許文献1の段落番号[0018]には、上記のナ ノフィルトレ-ション膜について分画分子量 1500を超える膜では剥離液中に溶解している ジストが除去できなくなることが開示され いる。また、特許文献2の段落番号[0012]には 、耐溶剤性フィルタ-として、約0.04~2μmの平 細孔寸法を有するアルミナ、ジルコニア、 化ケイ素、窒化ケイ素、炭素等の如きセラ ックフィルタ-、並びに約0.01~1μmの平均細孔 法を有するマットメタル(Mottmetal)の如き金 フィルタ-、更に、耐溶剤性重合体膜例えば ルオル重合体から作ったものなどが開示さ ているが、分画分子量が1500を下回るような 微細な分子を捕集できるほどの小さな細孔を 持ち、なおかつ十分な流出速度を持つものは 実用化されてはいなかった。
剥離液によるポジ型レジストの剥離にお ては、剥離液中のレジスト成分濃度が上昇 ると新たなレジスト膜の剥離速度に影響を えるため、レジスト剥離をする者は剥離液 頻繁に交換しなければならなかった。本発 が解決しようとする課題は、剥離液の交換 せずに長時間剥離を続けても、レジスト剥 に用いる剥離液中のレジスト成分の濃度を 定の濃度範囲内に収めるシステムを実現す ことである。
本発明者は剥離液によってポジ型レジス の剥離を行う時に、剥離液中に溶解したレ スト成分を特定のセラミックフィルタ-によ ってクロスフロ-ろ過を行うことによって減 させることができることを見出した。そし 剥離工程で発生したレジスト成分を含有す 剥離液をろ過工程で処理することによって 溶解したレジスト成分濃度が濃縮された濃 剥離液を適宜系外に抜き出し、レジスト成 が除去された処理剥離液に剥離液新液を適 加えた剥離液を再度剥離工程で使用するレ スト剥離システムを完成した。
本発明は液晶基板や半導体などのレジス 剥離に適用することにより、多量の新液の 用や多量の廃液を発生させることなく、長 間にわたって剥離液中に溶解したレジスト 分濃度を一定の範囲内に保ちながらレジス 剥離を行うことができる。このことにより 低コストで環境負荷が小さく、安定品質を 持したレジスト剥離が実現できる。
本発明で利用できる、全量を100質量%とし た場合に有機化合物を80質量%以上含むレジス ト剥離液は、アミン若しくはアルカリを含有 するアミン系と呼ばれるタイプ、又はアミン やアルカリを含まず、pH測定では9以下を示す 非アミン系と呼ばれるもののいずれかであり 、20質量%未満の水を含んでも良い。アミン系 としてはアルカノ-ルアミンを含有する一般 な有機系剥離液のいずれも使用することが きる。アルカノ-ルアミンの具体例としては モノエタノ-ルアミン、モノイソプロパノ- アミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノ-ル、N- チルエタノ-ルアミン等であり、特に好まし ものはモノエタノ-ルアミンである。1種類 るいは複数のアミンの混合物を単独である は他の有機溶剤や水などと混合して使用す ことができ、安定剤や腐食防止剤などを加 ても良い。有機溶剤とは、常温で液体であ て他の物質を溶解する能力のある有機化合 の総称である。
非アミン系剥離液としては、炭酸エステル
ジメチルスルホキシド、アルキルピロリド
、ジアルキルスルホン、アルキルアセトア
ド、スルホラン、アルキルブチロラクトン
といった非揮発性の極性溶媒を用いること
できる。ここで非揮発性とは25℃における
気圧が0.67kPa以下であることを言い、極性溶
とはSP値が8以上であることを言う。これら
うちで好ましいのは、N-メチル-2-ピロリド
、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキ
シドからなる群1のうちの1つを単独で用いる
合、又はN-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-
ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジ
チルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ
、γ-ブチロラクトン、スルホラン、炭酸エ
レン又は炭酸プロピレンからなる群2の中か
ら複数の化合物を選択して同時に用いる場合
であり、この混合剥離液として特に好ましい
物はN-メチル-2-ピロリドン若しくはN-エチル-2
-ピロリドンを20質量%以上含む混合剥離液で
る。なお、N-メチル-2-ピロリドンとN-エチル-
2-ピロリドンはいずれも環状アミドであり、
ミンではない。
これらの非アミン系剥離液としてはさらに
、アルキルアルコ-ル、アルカノ-ルエ-テル
らなる群3のうちの少なくとも1種と混合し
ものも好ましく用いることができ、その場
の群3の化合物の混合比率は40質量%以下が好
しいが、水に関しては全体の20質量%未満で
ることが好ましい。
剥離液のpHは、JIS-K8001「試薬試験方法通 」の5.5に準じ、剥離液10gを採って二酸化炭 を含まない水を加えて100mlとし、ガラス電極 を挿入して測定したものである。また、混合 液が2層に分離した場合は水層部にガラス電 を挿入してpHを測定する。アミン系の剥離液 のpHは9より大きくなる。非アミン系の剥離液 ではpHが9以下であることが必須であるが、あ まりpHが小さい物は金属の腐食をもたらすこ があるため、好ましくは4以上9以下であり さらに好ましくは5以上8.5以下である。
本発明で用いられるレジスト剥離液によっ
剥離できるレジストは、ポジ型レジストと
ばれるもので、基板上に膜状に形成された
、露光工程で感光した部分は現像液に接触
た時に溶けるように変化する種類の物であ
。感光しなかったレジスト膜は現像後の基
上に残り、現像に続く電子部品製造工程で
板表面を保護する働きをした後、剥離工程
よって基板上から剥離される。
ポジ型フォトレジストとしては、例えばア
カリ可溶性樹脂とポリヒドロキシベンゾフ
ノンのナフトキノンジアジドスルホン酸エ
テルからなる感光剤とを有機溶媒に溶解さ
ることにより製造されるものが例示できる
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばフェ
ールノボラック樹脂及び/又はクレゾールノ
ボラック樹脂を含むノボラック樹脂やポリビ
ニルフェノール等が、感光剤としては、1,2-
フトキノンジアジド-5-スルホン酸化合物や1,
2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸化合物
ポリヒドロキシ芳香族化合物から得られる
ステル等が挙げられる。有機溶媒としては
酢酸ブチルや乳酸エチル等のエステル類、
チレングリコールモノメチルエーテルアセ
ートやプロピレングリコールモノメチルエ
テルアセテート等のグリコールエーテルア
テート類、トルエンやキシレン等の芳香族
化水素、メチルエチルケトンやシクロヘキ
ノン等のケトン類などが挙げられる。該ポ
型フォトレジストは基板上にスピンコータ
やロールコーター等で適宜膜厚に塗布され
一般的にプリベークと呼ばれる事前加熱を
た後に露光・現像工程でパターニングされ
。プリベークの条件は、好ましくは80℃以
140℃未満の温度で2分以上30分以下の範囲で
熱することである。
これ以外にも一般的に知られている全ての
ジ型レジストについて本発明を実施するこ
ができる。
本発明の重要な構成であるフィルタ-につい
ては、セラミック成形体からなるセラミック
多孔体であって上記の剥離液を通過させるこ
とのできるものなら何でも使うことができる
。フィルターの平均細孔径が小さく、分画分
子量が小さすぎるものは阻止率が高いものの
、レジスト成分を含有する剥離液がフィルタ
-を通過し難くなるため十分なろ過速度が得
れない。また平均細孔径が大きく、分画分
量が大きすぎるものは阻止率が低くなるた
、フィルタ-を通過したろ液、即ち、処理剥
液中のレジスト成分濃度が高くなって処理
離液中のレジスト成分濃度を十分低くする
とができない。本発明では数1の式によって
定義される平均細孔径Dが3nm以上5nm以下、特
4nm以上5nm以下、分画分子量としては1500から4
000、特に2000から4000のものが、阻止率とろ過
度とのバランスと言う観点で特に優れてお
、アミン系の剥離液では平均細孔径Dが2nm以
上4nm以下、分画分子量としては1000から2000の
のが特に優れている。アミン系の剥離液で
レジスト成分の分子量がより小さくなるた
に、好ましい細孔径も非アミン系の場合に
べて小さくなる。
<数1> 平均細孔径D=4V/A
細孔を円筒形であると仮定して、全細孔容
(V=πD 2
L/4)を全細孔表面積(A=πDL)で除した値(D=4V/A)を
均細孔径と定義する。ここで、Vは全細孔の
容積の合計値、Lは平均細孔深さであり、い
れも水銀圧入式細孔分布形で測定できる。
分画分子量は、分子量既知のポリエチレン
リコ-ルを用いて、「その膜で90%以上阻止で
きるポリエチレングリコ-ル(水溶液)の最小分
子量」をダルトン表示したものであると定義
する。
上記フィルタ-の材質はアルミナ、ジルコニ
ア、チタニア、ムライト、コ-ディエライト
炭化珪素、シリカなど、一般的なセラミッ
であれば良く、これらのセラミックのいず
も使用できるが、中でも加工し易く、機械
強度や化学的安定性に優れていて好ましい
のはα-アルミナ、ジルコニア、チタニアな
である。これらのセラミックは単独でも、
た混合したり異種の骨格の表面にコ-ティン
したりしても良い。この用途に最も好まし
ものはα-アルミナの骨格にチタニアをコ-テ
ィングしたものである。この場合最表面がチ
タニアで覆われていればそのコ-ティング厚
にかかわりなく同様に好ましいものが得ら
る。
上記フィルタ-の形状は平板型、チュ-ブラ-
、スパイラル型などのいずれでも好ましく
用することができる。また、耐圧性を高め
ためにフィルタ-に他の材質のサポ-トを接
させても良い。フィルターでろ過を行うと
、特にフィルターの分画分子量が小さい場
などに差圧をかけてやることでろ過速度を
きくすることができる。本発明では0.1MPa以
3MPa以下の差圧を加えてろ過することが好ま
く、さらに好ましくは0.2MPa以上2MPa以下であ
る。尚、この「差圧」とはフィルターのろ過
面を挟んでろ過前の液(本発明ではレジスト
分を含有する剥離液)の側の圧力と。ろ過後
液(本発明では処理剥離液)の側の圧力との
を意味する。
フィルタ-を用いたろ過の方法には種々ある が、本発明ではクロスフロ-ろ過である。ク スフロ-ろ過では、フィルタ-面と平行方向に レジスト成分を含有する剥離液が流れるため に、フィルタ-上にろ過されないレジスト成 が析出・堆積して厚いケ-キとなることを防 ことができるという長所がある。この原理 ら、フィルター上を流れる剥離液はフィル ー面と平行方向に一定以上の流速を持つこ が望ましい。最適な流速は、剥離液に加え 圧力や剥離液の組成、温度などによって変 するが、本発明のシステムにおいてはフィ ター面に平行する方向の剥離液の流速とし 0.1m/s以上ないと目詰まりを起こし易く、あ り高速にすることはエネルギーのロスが大 くなるため上限は20m/sであり、さらに好ま くは0.5m/sから10m/sの間である。また、レジス ト成分を含有する剥離液がフィルターを通過 して流出する速度、すなわち、ろ液流出速度 は3L/h・m 2 以上が好ましい。さらに好ましくは6L/h・m 2 以上、より好ましくは11L/h・m 2 以上である。[単位はフィルターのろ過面積(m 2 )当たり1時間に通過する液量(リットル)を表 。]。ろ過流出速度が大きいほうが好ましい 由は、より少ない面積のフィルターでより 量の液を処理することができ、経済的だか である。
本発明によれば、上記のクロスフロ-ろ過に
よってフィルタ-による阻止率が70%以上のろ
(処理剥離液)が得られる。阻止率は数2の式
定義される。すなわち、例えば第一工程(レ
スト剥離工程)でレジスト成分が2質量%溶解
て第二工程に来た剥離液のレジスト成分濃
は、フィルタ-を通過した後はレジスト成分
濃度0.6%質量%以下の処理剥離液となり、その
残渣側の剥離液のレジスト成分濃度は高く
り、濃縮剥離液となる。
<数2> 阻止率=[(ろ過前の剥離液のレジス
成分濃度-フィルタ-を通過した剥離液のレ
スト成分濃度)/ろ過前の剥離液のレジスト成
分濃度]×100 (%)
剥離液の交換をせずに剥離-再生を繰り返せ
ば剥離液全体のレジスト成分濃度が高くなる
。フィルタ-を通過した剥離液、即ち、処理
離液のレジスト成分濃度が2質量%に達すると
き、阻止率が70%以上であれば数2の式によっ
ろ過前のレジスト成分を含有する剥離液の
ジスト成分濃度は約6.7質量%以上と高くなる
とになる。この場合、第三工程のように処
剥離液側に剥離液新液を加えてやり、また
第四工程のように。濃縮剥離液を、第二工
に再び供給する前に、一定時間毎に、又は
定流速で系外に抜き出してやることにより
レジスト剥離に連続して用いられる剥離液
のレジスト成分濃度を常に2質量%以下の濃
に抑えることができる。レジスト成分濃度
2質量%を超えるとレジスト剥離速度が低下し
過ぎ、一方レジスト成分濃度を0に近くする
めには多量の剥離液新液を加えなければな
ない。よって処理剥離液中の好ましいレジ
ト成分濃度は0.01質量%以上2質量%以下、さら
好ましくは0.05質量%以上1.0質量%以下である
なお、上記一定時間毎及び一定流速は、レ
スト剥離液中のレジスト成分の濃度が2質量
%以下になる限り特に限定されないが、例え
、一定時間は0.1時間~300時間、特に1時間~10時
間とすることができ、一定流速はシステムに
存在する全剥離液量の0.1%を1時間で抜き出す
速から同じく10%を1時間で抜き出す流速、特
には全剥離液量の0.5%を1時間で抜き出す流速
ら5%を1時間で抜き出す流速である。
剥離液中のレジスト成分濃度は、加熱乾 残分によって測定するのが一般的であるが 本発明のように連続装置でリアルタイムの 度を知る必要がある場合は、誘電率や電導 などの電気的測定や、屈折率や赤外線透過 などの光学的測定等が適宜応用できる。こ らの方法によって得られた剥離液中のレジ ト成分濃度を、システム中の剥離液新液の 加速度や濃縮剥離液の抜き出し速度、ろ過 力、クロスフロ-流速などに反映させてやる ことによって剥離液中のレジスト成分濃度を 上記の好ましい範囲に保ったまま連続してレ ジスト剥離を続けることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明
さらに詳しく説明するが、本発明はこれに
定されるものではない。なお、%は質量%で
り、ppmは質量ppmであり、部は質量部である
本発明の実施例は図1で示すレジスト剥離シ
ステムで実施することができる。図1は3つの
離槽タンクを用いてなる第一工程(レジスト
剥離工程)と、濃縮剥離液循環用タンクおよ
セラミックフィルターなどを用いてなる第
工程(ろ過工程)を備えるシステムである。レ
ジスト膜付基板は剥離槽タンク1のシャワ-部
供給され、続いて剥離槽タンク2と剥離槽タ
ンク3とに供給され、計3回、各剥離槽タンク
ら循環する剥離液のシャワ-散布を受けてレ
ジスト膜が剥離される。剥離槽タンク1~3で使
用されたレジスト剥離液は剥離槽タンク1~3の
各々に蓄積される。剥離槽タンク3に溜まっ
剥離液はオ-バ-フロ-により剥離槽タンク2へ
剥離槽タンク2に溜まった剥離液はオ-バ-フ
-により剥離槽タンク1へ、剥離槽タンク1に
まった剥離液はオ-バ-フロ-により濃縮剥離
循環用タンクへと順次移送される。濃縮剥
液循環用タンクへ送られた剥離液には比較
高濃度のレジスト成分が溶解しており、第
工程のセラミックフィルタ-を介するクロス
フロ-ろ過が行われる。セラミックフィルタ-
通過した処理剥離液はレジスト成分が阻止
に見合った分だけ除去された処理剥離液と
り、剥離槽タンク3へ直接供給される。こう
してレジスト剥離とクロスフロ-ろ過の循環
継続することにより、濃縮剥離液のレジス
成分濃度が高くなって行く。そして濃縮剥
液の抜き出し、レジスト剥離後の基板取り
しに随伴する系外への持出し、及び蒸発等
理由により、装置内の全剥離液量が減少す
ので、未使用のレジスト剥離液新液を適宜
理剥離液(実際には剥離槽タンク3の剥離液)
供給する第三工程と、一定の速度又は頻度
レジスト成分濃度の高い濃縮剥離液を、第
工程に再び供給する前に、系外に抜き出す
四工程と、によって全液量を調節し、且つ
剥離液中のレジスト成分の濃度を2質量%以下
にすることができる。なお、以下の実施例と
比較例において、運転開始時の全剥離液量は
900リットルとした。
<実施例1>
クレゾールノボラック樹脂100部に対してナ
トキノンジアジドを25部加えたポジ型フォ
レジストをガラス基板上に塗布し、乾燥し
5μm厚のレジスト膜付ガラス基板を作成した
図1のレジスト剥離装置に表1に示された組
のレジスト剥離液をセットし、フィルター
しては平均細孔径4nm、ポリエチレングリコ
ルで測定した分画分子量が2000のアルミナ骨
にチタニアコーティングを行った面積1.2m 2
のチューブラー型セラミックフィルターを用
いた。フィルター面上でのフィルター面と平
行する方向の濃縮剥離液の流速は2m/sとし、
過後の処理剥離液側の流速は制御せず自然
出に任せた。また、フィルタ-のレジスト成
を含有する剥離液側が処理剥離液側に対し
0.1MPaの加圧になるようにろ過工程へのポン
流入圧力を設定した。すなわち、差圧は0.1M
Paになる。そして、上記のレジスト膜付ガラ
基板を次々とレジスト剥離装置に投入して
温40℃でレジスト剥離を行った。このとき
図1におけるレジストを含有する剥離液と、
1における処理剥離液のレジスト成分濃度か
ら数2の式に従って阻止率を計算した。尚、
1のレジスト剥離液10gを採って二酸化炭素を
まない水を加えて100mlとしたところ均一な
合液となり、そのpHをガラス電極式pHメータ
で測定したところ8.0だった。
剥離液中のレジスト成分濃度は、図1の剥 離槽タンク1~3の剥離液をサンプリングして150 ℃で1時間真空乾燥し、乾燥残分を測定して 離液中のレジスト成分濃度とした。
レジスト膜付ガラス基板の処理量に基づ て計算した剥離液へのレジスト成分の溶入 度が1.39g/分、基板に付着して系外に持ち出 れる剥離液の実測値が56g/分、及び濃縮剥離 液の抜き出し速度が0.3kg/分の状態で、系内の 剥離液量の増減がないように剥離液新液を追 加しながら剥離プロセスを継続したとき、100 分後以降はレジスト成分を含有する剥離液の レジスト成分濃度が徐々に増加する傾向にあ るが、100分後~3000分までの間で剥離槽タンク1 ~3の全てのタンク内の値は表2のように2%以下 あった。なお、運転0分ではレジスト成分を 含有する剥離液と処理剥離液のレジスト成分 濃度が同じ0となるため、阻止率を計算しな った。
<実施例2>
フィルターとして、材質は同じだが平均細孔
径が2nmで分画分子量が1000のセラミックフィ
ターを使用した他は実施例1と同じ運転方法
レジスト剥離を行った。
100分後以降、レジスト成分を含有する剥 液のレジスト成分濃度は徐々に増加する傾 にあるが、100分後~3000分までの間で剥離槽 ンク1~3の全てのタンク内の値は表3のように2 %以下の範囲内であった。実施例1に比べて、 画分子量が小さくなったのでフィルターを 過するレジスト成分の絶対量は少なくなり クロスフロー運転では数2の式による阻止率 の値は大きくなる。また、フィルターでのろ 液流出速度は小さくなるものの、阻止率の値 が大きいため、レジスト成分を含有する剥離 液中のレジスト成分濃度は若干低くなったと 考えられる。
<実施例3>
フィルターとして、材質は同じだが平均細
径が5nmで分画分子量が4000のセラミックフィ
ルターを使用した他は実施例1と同じ運転方
でレジスト剥離を行なった。
100分後以降、レジスト成分を含有する剥 液のレジスト成分濃度はほぼ一定となり、1 00分後~3000分までの間で剥離槽タンク1~3の全 のタンク内の値は、表4のように実施例1に比 べて多量ではあるが、2%以下であった。実施 1に比べて、分画分子量が大きくなったので フィルターを通過するレジスト成分の絶対量 が多くなり、クロスフロー運転では数2の式 よる阻止率の値は小さくなる。また、フィ ターでのろ液流出速度は大きくなるものの 阻止率の値が小さいため、レジスト成分を 有する剥離液中のレジスト成分濃度が高く ったと考えられる。
<実施例4>
フィルター面上でのフィルターと平行する
向の剥離液の流速を8m/sとし、差圧を0.4MPaと
した他は実施例1と同じ運転方法でレジスト
離を行なった。
100分後以降、レジスト成分を含有する剥 液のレジスト成分濃度は徐々に増加する傾 にあるが、100分後~3000分までの間で剥離槽 ンク1~3の全てのタンク内の値は、表5のよう 実施例1とほぼ同じ値であり、2%以下であっ 。また、実施例1と同様のフィルターを用い たので、クロスフロー運転では数2の式によ 阻止率の値は実施例1とほぼ同じである。更 、実施例1に比べて、剥離液の流速を増加さ せ、差圧を大きくしたのでろ液流出速度が大 きくなるが、流速及び差圧がともに好ましい 範囲内であれば、レジスト成分を含有する剥 離液中のレジスト成分濃度には大きな影響は ないようである。
<実施例5>
レジスト剥離液の組成を表6のようにした他
は実施例1と同じ運転方法でレジスト剥離を
った。なお、剥離液10gを採って二酸化炭素
含まない水を加えて100mlとしたところ均一な
混合液となり、そのpHをガラス電極式pHメー
ーで測定したところ11.6だった。
実施例1に比べて阻止率が下がったが、阻 止率70%以上である。また、実施例1に比べて ジスト成分を含有する剥離液中のレジスト 分濃度が高いものの、2%以下の条件でレジス ト剥離を続けることができた。
<実施例6>
フィルターとして、材質は同じだが平均細
径が2nmで分画分子量が1000のセラミックフィ
ルターを使用した他は実施例5と同じ運転方
でレジスト剥離を行なった。
実施例5に比べて、分画分子量が小さくな ったのでフィルターを通過するレジスト成分 の絶対量は小さくなり、阻止率の値は大きく なった。また、フィルターでのろ液流出速度 は小さくなるものの、阻止率の値が大きいた め、レジスト成分を含有する剥離液中のレジ スト成分濃度は若干低くなったと考えられる 。
<実施例7>
実施例7では、剥離液に溶けたレジスト成分
の濃度によるレジスト剥離速度を試験した。
表1または6の組成のレジスト剥離液をタンク
40℃に保温し、実施例1で使用したレジスト
付ガラス基板を漬けて目視でレジスト膜が
える時間をレジスト膜の剥離時間とし、レ
スト膜厚から剥離速度を決めた。この試験
繰り返し、剥離液中のレジスト成分濃度に
する剥離速度を求めた結果を表9にまとめた
。
表1の非アミン系剥離液よりも表6のアミ 系剥離液の方が、溶解したレジスト成分の 響を受け難い傾向があるが、いずれも濃度 2%を超えるとレジスト剥離速度が急激に低下 することが示された。
<比較例1>
ナノフィルターとして、材質は同じだが平
細孔径が1nmで分画分子量が700のセラミック
ィルターを使用した他は実施例1と同じ運転
方法でレジスト剥離を行った。
分画分子量が発明の範囲外であり過小と ったため、実施例1に比べて阻止率の値は大 きくなった。しかし、ろ液流出速度が極めて 小さくなったためにレジスト成分を含有する 剥離液中のレジスト成分濃度は急速に高くな り、2%を超えたと考えられる。
<比較例2>
ナノフィルターとして、材質は同じだが平
細孔径が10nmで分画分子量が10000のセラミッ
ナノフィルターを使用した他は実施例1と同
じ運転方法でレジスト剥離を行った。
分画分子量が発明の範囲外であり過大と ったため、実施例1に比べてろ液流出速度は 大きくなったものの、阻止率は極めて小さく なり、レジスト成分を含有する剥離液中のレ ジスト成分濃度は2%を超えて高くなったと考 られる。
<比較例3>
ナノフィルターとして、分画分子量が2000の
ポリアミドフィルターを使用した他は実施例
1と同じ運転方法でレジスト剥離を行なった
しかし、有機系フィルターであるため運転
始後5分で、濃縮剥離液ラインと処理剥離液
ラインとの差圧を印加できなくなったため、
ナノフィルターを分解してみたところ、中空
糸が大きく膨れて破れており、ろ過機能を失
っているのを発見した。
本発明のレジスト剥離液の連続使用システ
により、半導体や液晶、プリント配線基板
の電子部品の製造過程における剥離液の交
頻度が減り、廃液量や剥離液新液の使用量
減るため、電子部品の製造効率を増加させ
製造コストを低減することができる。
1:剥離槽タンク1
2:剥離槽タンク2
3:剥離槽タンク3
4:濃縮剥離液の循環用タンク
5:ナノフィルター
6:レジスト膜付基板
7:レジスト膜付基板の投入方向
8:剥離液シャワーによるレジスト剥離
9:レジスト剥離後基板の取り出し
10:濃縮剥離液
11:処理剥離液
12:濃縮剥離液の一部抜き出し
13:剥離液新液の補充
Next Patent: FP RECEPTOR AGONIST