Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ULTRASONIC PROBE, AND ULTRASONIC DIAGNOSIS DEVICE USING THE PROBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069555
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an ultrasonic probe comprising a cMUT chip including a plurality of oscillating elements having electromechanical coupling coefficients or sensitivities varied according to a bias voltage, for transmitting/receiving ultrasonic waves, an acoustic lens mounted on the ultrasonic wave transmitting/receiving side of the cMUT chip, a backing layer mounted on the cMUT chip on the opposite side of the acoustic lens, and a substrate interposed between the backing layer and the cMUT chip. The ultrasonic probe further comprises thermal-stress suppressing means for suppressing the thermal stress which occurs due to the difference between the linear expansion coefficients of the substrate and the backing layer as the temperature changes.

Inventors:
SANO SHUZO (JP)
FUKADA MAKOTO (JP)
SAKO AKIFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071239
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 21, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
HITACHI MEDICAL CORP (JP)
SANO SHUZO (JP)
FUKADA MAKOTO (JP)
SAKO AKIFUMI (JP)
International Classes:
H04R19/00; A61B8/00; G01N29/24
Foreign References:
JP2007201753A2007-08-09
JPS62115197A1987-05-26
US5894452A1999-04-13
US6714484B22004-03-30
Other References:
See also references of EP 2227037A4
Download PDF:
Claims:
 バイアス電圧に応じて電気機械結合係数または感度が変化する複数の振動要素を有し超音波を送受波するcMUTチップと、
 前記cMUTチップの超音波送受信側に設けられる音響レンズと、
 前記cMUTチップの前記音響レンズの反対面に設けられるバッキング層と、
 前記バッキング層と前記cMUTチップとの間に設ける基板と、
 を備えた超音波探触子であって、
 前記基板と前記バッキング層の温度変化による線膨張係数の違いから生じる熱応力を抑制する熱応力抑制手段を備えたことを特徴とする超音波探触子。
 前記熱応力抑制手段は、前記バッキング層の線膨張係数と前記cMUTチップの線膨張係数が実質的に同じ材質であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
 前記熱応力抑制手段は、前記バッキング層を構成する金属及び樹脂とは異なる線膨張率を有する第三の材料であることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
 前記第三の材料は、二酸化珪素を主成分とする材質であることを特徴とする請求項3に記載の超音波探触子。
 前記第三の材料は、二酸化珪素を主成分とする繊維状の材質であることを特徴とする請求項3に記載の超音波探触子。
 前記金属は、タングステン、前記繊維はポリアミド系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の超音波探触子。
 前記バッキング層の線膨張率は、前記半導体基板の線膨張率に対して50~60ppm/℃であることを特徴とする請求項2に記載の超音波探触子。
 前記熱応力抑制手段は、前記cMUTチップと前記バッキング層の間に、前記線膨張率の違いを調整する調整層を備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
 前記調整層は、前記cMUTチップ及び/又は前記バッキング層より弾性率の小さい材質から成ることを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子。
 前記調整層は、前記cMUTチップを前記バッキング層に固定するための接着層で、前記cMUTチップ及び/又は前記バッキング層より弾性率の小さい材質から成ることを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子。
 前記接着層は、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、シリコン系接着剤系の接着剤であることを特徴とする請求項10に記載の超音波探触子。
 前記調整層は、硬化物がゴム弾性を有し、界面相互の材料と密着性を有する材料であることを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子。
 被検体に超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子から出力される超音波受信信号に基いて超音波画像を構成する画像処理部と、前記超音波画像を表示する表示部とを備える超音波診断装置であって、
 前記超音波探触子は、請求項1乃至12の何れか一項に記載の超音波探触子であることを特徴とする超音波診断装置。
Description:
超音波探触子及びこれを用いた 音波診断装置

 本発明は、cMUT(Capacitive Micromachined Ultrason ic Transducer)チップを用いた超音波探触子に係 り、特に超音波探触子の長期信頼性を確保す るための技術に関するものである。

 超音波診断装置は、超音波探触子から出 されるエコー信号とその反射信号に基づい 診断画像を撮像する装置である。超音波探 子には、複数の超音波振動子が配列される 超音波振動子は、駆動信号を超音波に変換 て超音波を被検体に送波すると伴に、被検 から発生した反射エコー信号を受波して電 信号に変換する。

 近年、cMUTチップを用いた広帯域の超音波 探触子が開発されている。cMUTチップは、半 体微細加工プロセスにより製造される超微 容量型超音波振動子である。(例えば特許文 1)。

 この種の超音波探触子のバッキング層の 造例は、cMUTチップ内のバッキング層側の電 極の無用な振動を抑制するために、バッキン グ層とcMUTチップの音響インピーダンスを整 させている。(例えば特許文献2)。

米国特許第5894452号公報

米国特許第6714484号公報

 しかしながら、cMUTチップを用いた超音波 探触子では、シリコンウエハからなるcMUTチ プとバッキング材との間に線膨張率の差が ると、温度変化により相互に熱応力が加わ ことで、各層間で剥離などを起こし、長期 の信頼性が損なわれる虞について未解決の 題を有していた。

 本発明の目的は、熱応力による影響を抑 可能な超音波探触子及びこれを用いた超音 診断装置を提供することにある。

 本発明の超音波探触子は、次の構成要素 有している。

 (1)バイアス電圧に応じて電気機械結合係 または感度が変化する複数の振動要素を有 超音波を送受波するcMUTチップと、前記cMUT ップの超音波送受信側に設けられる音響レ ズと、前記cMUTチップの前記音響レンズの反 面に設けられるバッキング層と、前記バッ ング層と前記cMUTチップとの間に設ける基板 と、を備えた超音波探触子であって、前記基 板と前記バッキング層の温度変化による線膨 張係数の違いから生じる熱応力を抑制する熱 応力抑制手段を備えることを特徴とする。

 (2)前記熱応力抑制手段は、前記バッキング の線膨張係数と前記cMUTチップの線膨張係数 が実質的に同じ材質であってもよい。 
 (3)前記熱応力抑制手段は、前記バッキング を構成する金属及び樹脂とは異なる線膨張 を有する第三の材料であってもよい。 
 (4)前記第三の材料は、二酸化珪素を主成分 する材質であってもよい。 
 (5)前記第三の材料は、二酸化珪素を主成分 する繊維状の材質であってもよい。 
 (6)前記金属は、タングステン、前記繊維は リアミド系樹脂であってもよい。 
 (7)前記バッキング層の線膨張率は、前記半 体基板の線膨張率に対して50~60ppm/℃であっ もよい。

 (8)前記熱応力抑制手段は、前記cMUTチップと 前記バッキング層の間に、前記線膨張率の違 いを調整する調整層を備えてもよい。 
 (9)前記調整層は、前記cMUTチップ及び/又は 記バッキング層より弾性率の小さい材質か 成ってもよい。 
 (10)前記調整層は、前記cMUTチップを前記バ キング層に固定するための接着層で、前記cM UTチップ及び/又は前記バッキング層より弾性 率の小さい材質から成ってもよい。 
 (11)前記接着層は、エポキシ系接着剤、ポリ ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤系の接 着剤であってもよい。 
 (12)前記調整層は、硬化物がゴム弾性を有し 、界面相互の材料と密着性を有する材料であ ってもよい。

 本発明の超音波診断装置は、被検体に超 波を送受信する超音波探触子と、前記超音 探触子から出力される超音波受信信号に基 て超音波画像を構成する画像処理部と、前 超音波画像を表示する表示部とを備える超 波診断装置であって、前記超音波探触子は 上記(1)~(12)の何れか一つに記載の超音波探 子であることを特徴とする。

 本発明によれば、熱応力による影響を抑 可能な超音波探触子及びこれを用いた超音 診断装置を提供することができる。

本発明の実施の形態の超音波診断装置 構成例を示す図。 図1に採用する超音波探触子の斜視図。 図2の振動子の構成例を示す図。 図3の振動要素の一個を側面から見た断 面図。 実施例1に係る超音波探触子を示す図。 超音波探触子2の配線を示す図。

符号の説明

 20 cMUTチップ、22 バッキング層、25 超音 波探触子カバー、26 音響レンズ、70,71 接着 、72 フレキシブル基板、86 ワイヤ、87 ワ ヤ封止樹脂、90 接着層

 以下添付図面を参照しながら、本発明に る超音波探触子及びこれを用いた超音波診 装置の好適な実施形態について詳細に説明 る。尚、以下の説明及び添付図面において 略同一の機能構成を有する構成要素につい は、同一の符号を付することにより重複説 を省略することにする。

 最初に、図1を参照しながら、超音波診断 装置1の構成について説明する。

 図1は、超音波診断装置1の構成図である。 
 本発明に係る超音波診断装置1は、超音波探 触子2と、送信手段3と、バイアス手段4と、受 信手段5と、整相加算手段6と、画像処理手段7 と、表示手段8と、制御手段9と、操作手段10 から構成される。

 超音波探触子2は、被検体に接触させて被 検体との間で超音波を送受波するものである 。超音波探触子2から超音波が被検体に射出 れ、被検体から発生した反射エコー信号が 音波探触子2により受波される。

 送信手段3及びバイアス手段4は、超音波 触子2内に相対して配置された電極にバイア 電圧を印加するとともに、駆動信号を重畳 て印加し、超音波を発信するためのもので る。

 受信手段5は、超音波探触子2への反射エコ 信号を受信するものである。 
 受信手段5は、さらに、受信した反射エコー 信号に対してアナログデジタル変換等の処理 も行う。

 整相加算手段6は、受信された反射エコー 信号を整相加算する装置である。

 画像処理手段7は、整相加算された反射エ コー信号に基づいて診断画像(例えば、断層 や血流像)を生成するする装置である。

 表示手段8は、画像処理手段7で生成され 診断画像を表示する表示装置である。

 制御手段9は、上述した各構成要素を制御 する装置である。

 操作手段10は、制御手段9に例えば、診断 始の合図等の指示を与える装置である。操 手段10は、例えば、トラックボールやキー ードやマウス等の入力機器である。

 次に、図2~図4を参照しながら、超音波探触 2について説明する。 
 図2は、超音波探触子2の構成図である。図2 、超音波探触子2の斜視図であり、一部に破 断面図となっている。ただし、図の向かって 上側が被検体に接触され、超音波が送信され る方向である。

 超音波探触子2は、cMUTチップ20を備える。 cMUTチップ20は、複数の振動子21-1、振動子21-2 ・・・が短柵状に配列された1次元アレイ型 の振動子群である。振動子21-1、振動子21-2、 ・・には、複数の振動要素28が配設される 尚、図2で示されたものはリニア型探触子で るが、2次元アレイ型やコンベックス型等の 他の形態の振動子群を用いてもよい。

 cMUTチップ20の背面側(図の向かって下側) は、バッキング層22が設けられる。cMUTチッ 20の超音波射出側には、音響レンズ26が設け れる。cMUTチップ20及びバッキング層22など 、超音波探触子カバー25に格納される。

 cMUTチップ20では、バイアス手段4によるバ イアス電圧が印加の基に、送信手段3からの 動信号が超音波に変換され、変換された超 波は被検体に送波される。

 受信手段5は、被検体から発生した超音波 を電気信号に変換して反射エコー信号として 受波する。

 バッキング層22は、cMUTチップ20から背面 に射出される超音波の伝搬を吸収して、余 な振動を抑制するための層である。

 音響レンズ26は、cMUTチップ20から送波さ る超音波ビームを収束させるレンズである 音響レンズ26は、所望の焦点距離に基づいて 曲率が定められる。

 尚、音響レンズ26とcMUTチップ20との間に ッチング層を設けてもよい。マッチング層 、cMUTチップ20及び被検体の音響インピーダ スを整合させて、超音波の伝送効率を向上 せる層である。

 図3は、図2における振動子21の構成図である 。 
 振動子21-1、21-2、・・・を構成する複数の 動要素28の被検体側には、上部電極46-1、46-2 ・・・が配置され、長軸方向Xに複数個に分 割されて振動子21毎に結線される。すなわち 上部電極46-1、上部電極46-2、・・・は、長 方向Xに並列配置される。

 振動子21を構成する複数の振動要素28の被 検体と反対側には下部電極(48-1~48-4)が配置さ 、短軸方向Yに複数個(図3では4列)に分割さ て結線される。すなわち、下部電極48-1、下 電極48-2、下部電極48-3、・・・は、短軸方 Yに並列配置される。

 図4は、図3における振動要素28一個を側面 から見た構成図(断面図)である。

 振動要素28は、基板40、膜体44、膜体45、 部電極46、枠体47、下部電極48から構成され 。振動要素28は、半導体プロセスによる微細 加工により形成される。尚、振動要素28は、c MUTの1素子分に相当する。

 基板40は、シリコンウエハ等の半導体基 であり、下部電極側に配置されている。

 膜体44及び枠体47は、シリコン化合物等の 半導体化合物から形成される。膜体44は、振 要素28の最も被検体側(超音波射出側)に設け られ、枠体47は膜体44の背面(被検体側と反対 )に配置される。膜体44と枠体47との間に上 電極46が設けられる。枠体47と基板40の間に 膜体45が設けられ、その内部に下部電極48が けられる。枠体47及び膜体45により区画され た内部空間50は、真空状態とされるか、ある は、所定のガスが充填される。

 上部電極46及び下部電極48は、それぞれ、 駆動信号としての交流高周波電圧を供給する 送信手段3と、バイアス電圧として直流電圧 印加するバイアス手段4とに接続される。

 超音波を送波する場合には、振動要素28 上部電極46及び下部電極48に、直流のバイア 電圧(Va)が印加され、バイアス電圧(Va)によ 電界が発生する。発生した電界により膜体44 に張力が発生して所定の電気機械結合係数(Sa )になる。送信手段3から上部電極46に駆動信 が供給されると、電気機械結合係数(Sa)に基 いた強度の超音波が膜体44から射出される

 また、振動要素28の上部電極46及び下部電 極48に、別の直流のバイアス電圧(Vb)が印加さ れると、バイアス電圧(Vb)により電界が発生 る。発生した電界により膜体44に張力が発生 して所定の電気機械結合係数(Sb)になる。送 手段3から上部電極46に駆動信号が供給され と、電気機械結合係数(Sb)に基づいた強度の 音波が膜体44から射出される。

 ここで、バイアス電圧が「Va<Vb」の場 には、電気機械結合係数は「Sa<Sb」となる 。

 一方、超音波を受波する場合には、被検 から発生した反射エコー信号により膜体44 励起されて内部空間50の容量が変化する。こ の内部空間50の変化の量が、電気信号として 部電極46を介して検出される。

 尚、振動要素28の電気機械結合係数は、 体44に負荷される張力により決定される。従 って、振動要素28に印加するバイアス電圧の きさを変えて膜体44の張力を制御すれば、 一振幅の駆動信号が入力される場合であっ も、振動要素28から射出される超音波の強度 (あるいは音圧、振幅)を変化させることがで る。

 次に、図5及び図6を参照しながら、本発明 実施例1について説明する。 
 図5は、実施例1に係る超音波探触子2を示す である。図5は、図2の超音波探触子2の平面A 断面図である。 
 図5によれば、音響レンズ26の背面(被検体の 配置される方向と反対側、バッキング層側) 、cMUTチップ20がその中に配置されるように 部を有している。この凹部には、cMUTチップ2 0とフレキシブル基板72との接続部分(ワイヤ 止樹脂88)が嵌合される。

 cMUTチップ20は、接着層70を介してバッキ グ層22の上面に接着される。バッキング層22 上面周縁から四方側面に渡って、フレキシ ル基板72(Flexible Printed Circuits: FPC)が設けら れる。フレキシブル基板72は、接着層71を介 てバッキング層22の上面周縁に接着される。

 接着層70及び接着層71は、例えば、エポキ シ樹脂からなる接着剤である。接着層70及び 着層71の層厚を任意に調整して、cMUTチップ2 0及びフレキシブル基板72の高さ方向位置を調 整することができる。

 フレキシブル基板72とcMUTチップ20とは、 イヤ86を介して電気的に接続される。ワイヤ 86は、ワイヤボンディング方式により接続さ る。ワイヤ86としては、Auワイヤ等を用いる ことができる。ワイヤ86の周囲には、ワイヤ 止樹脂88が充填される。

 音響レンズ26は、接着層90を介してcMUTチ プ20の上面に接着される。音響レンズ26の材 としては、例えば、シリコンゴムが用いら る。接着層90の材質に関しては、音響レン 26と類似の材質(例えば、シリコン)とするこ が望ましい。

 音響レンズ26の上面は、超音波が射出さ る領域である少なくとも領域23の範囲内にお いて、超音波照射方向に凸状である。cMUTチ プ20には、少なくとも領域23に対応する範囲 に、振動要素28が配置される。音響レンズ26 の超音波射出側(被検体側に)凸状の部分から 音波が照射される。

 超音波探触子カバー25は、超音波探触子2 四方側面に設けられる。超音波探触子カバ 25は、音響レンズ26の四方側面に固定される 。検者は、手で超音波探触子カバー25を把持 て超音波探触子2を操作する。

 図6は、超音波探触子2の配線を示す図であ 。 
 cMUTチップ20の基板40は、バッキング層22の上 面に固定される。フレキシブル基板72は、バ キング層22の上面周縁に固定される。

 フレキシブル基板72には、紙面上下で対 なる信号パターン38-1~信号パターン38-n及び 面左右で対になる信号パターン41-1~信号パタ ーン41-4が配設される。

 上部電極46-1~上部電極46-nは、信号パター 38-1~信号パターン38-nに接続される。下部電 48-1~下部電極48-4は、信号パターン41-1~信号 ターン41-4に接続される。隣接する下部電極4 8-1~下部電極48-4間は互いに、絶縁される。

 上部電極46及び下部電極48は、それぞれ、 ワイヤ86を介してワイヤボンディング方式に りフレキシブル基板72に接続される。

 尚、下部電極48-1~下部電極48-4の形状は、 動要素28の形状(例えば、六角形)に応じた形 状(例えば、波形)とすることが望ましい。こ により、各振動要素28を下部共通電極48-1~下 部共通電極48-4のいずれかのみに対応させて 置することができる。

 また、下部電極48-1~下部電極48-4が4個配設 されるが、数はこれに限られない。

 また、信号パターン38-1~信号パターン38-n 紙面上下に対にして設けられ、信号パター 48-1~信号パターン48-4は紙面左右に対にして けられるものとして説明したが、これに限 れず、対にせずに片方だけでもよい。

 また、信号パターンと上部電極又は下部 極とがワイヤボンディング方式により接続 れるものとして説明したが、これに限られ 、パッド同士で接続するフリップチップボ ディング方式を用いてもよい。

 先ず、本発明の実施例1を説明する。 
 本実施例では特に、cMUTチップ20から背面側 射出される超音波の伝搬を吸収して、余分 振動を抑制するためのバッキング層22が以 の特徴を持っている。

 先ず第1に、本実施例に係るバッキング層 では、線膨張率をcMUTチップ20の基板40(シリコ ンウエハ)に近づけるために低くしている。

 すなわち、従来はcMUTチップ20の基板40(例 ばシリコンウエハ)と、バッキング層との間 で線膨張率に違いがあると、温度上昇の度に 、接触面で不要な摩擦あるいは力が加わり、 接触面が磨耗して探触子の長期信頼性に問題 が生じるおそれがあった。例えば、シリコン ウエハは線膨張率が約3ppm/℃であり、従来の ッキング層は例えば、金属と樹脂のような 質から成っていたため、100ppm/℃オーダーで あったが、本実施例に係るバッキング層では 、線膨張率を例えば50ppm/℃としたので、温度 上昇の度に、接触面で不要な摩擦あるいは力 が加わり、接触面が磨耗して探触子の長期信 頼性に問題を解決できた。

 より具体的には、前記バッキング層とcMUTチ ップの基板が有する線膨張率の違いによる
熱影響を低減する熱影響低減手段としてバッ キング層の線膨張率を下げるためにバッキン グ層内に新たな材料を混合した。該新たな材 料とは、バッキング層を構成する金属(例え タングステン、その他フェライト、Pt、セラ ミックス微粒子等)と樹脂(例えばポリアミド 樹脂、エポキシ樹脂、塩ビ酢ビ共重合体、 ム等)とは異なる第三の材料である。第三の 材質は、シリカ(SiO2)を主成分とするガラスの ような材質から成り、例えばガラスファイバ ー等である。このような新たな材質は、線膨 張率として0.5ppm/℃(石英ガラスの場合)、ある いは9ppm/℃(一般ガラスの場合)程度の値を持 ので、バッキング層の線膨張率を全体とし 下げることができる。バッキング層の線膨 率を全体としての線膨張率は、cMUTチップ20 基板(例えば、シリコンウエハ)の線膨張率(3p pm/℃)に対して50~60ppm/℃と近くなる。前記バ キング層とcMUTチップの基板の線膨張率の差 、50~60ppm/℃の差の範囲内であれば良く、望 らくは一致させることが良い。

 本実施例に係るバッキング材は、例えば、 ングステン粒子(W粒子)、ポリアミド系樹脂 びガラスファイバーより成っている。 
 上記実施例により、cMUTチップ20の基板であ 、例えばシリコンウエハと、バッキング層 の間で線膨張率の違いが少なくなり、温度 昇の度に、接触面で不要な摩擦あるいは力 加わり、接触面が磨耗することがなくなり 探触子の長期信頼性を確保できる。

 このような材質でバッキング層を構成する とにより、バッキング材自身の音響インピ ダンスは7~20MRaylとなり、cMUTチップの基板の インピーダンス(例えば、20MRayl)と必ずしも一 致しないが、本発明者により得られた実験結 果より音響特性に大きな影響を与えない。一 方、本実施例による構造は、cMUTチップとバ キング材の間に中間の線膨張率を有する材 を組み入れる等の構造としなくても良いの 、製造が簡易になるという利点がある。 
 また、本発明で開示するところのバッキン 層では、熱変形温度が0.45MPaにおいて約210℃ であり、熱的な温度上昇が生じても熱変形が 生じにくくなった。

 次に、本発明の実施例2を説明する。 
 また、本実施例におけるcMUTチップとバッキ ング層との間に、前記バッキング層とcMUTチ プの基板が有する線膨張率の違いによる熱 響を低減する熱影響低減手段として、cMUTチ プとバッキング層との間の線膨張率の差を 収する吸収手段を設けた。吸収手段は、例 ば弾性率の小さい材質からなる。

 本実施例では、例えばcMUTチップとバッキ ング層との間を接合する接着剤が弾性率の小 さい材質より成っている。弾性率の小さい接 着剤を用いたので、cMUTチップとバッキング との間の線膨張率の差を吸収することが可 となり、温度上昇の度に、接触面で不要な 擦あるいは力が加わり、接触面が磨耗する とが少なくなることから、長期的に信頼性 ある超音波探触子を提供することが可能に る。

 より具体的に本実施例に係る吸収手段は cMUTチップを構成する基板とバッキング層の いずれか一方あるいは両方に対して、弾性率 が小さくなっている。例えば、吸収手段を構 成する素材としては、硬化物がゴム弾性(例 ば伸びが100%以上)を有し、界面相互の材料と 密着性を有する材料のようなものが考えられ 、吸収手段を構成する素材が接着剤である場 合には、低弾性のエポキシ系接着剤、ポリウ レタン系接着剤、シリコン系接着剤等が考え られる。

 上記本実施例により、cMUTチップを用いた 超音波探触子及びこれを用いた超音波診断装 置に関し、特に、cMUTチップから背面側に射 される超音波の伝播を吸収するためのバッ ング層の構造が熱応力による影響を抑制可 となった。

 以上、本発明に係る医用画像表示装置の 適な実施形態について説明したが、本発明 かかる例に限定されない。当業者であれば 本願で開示した技術的思想の範疇内におい 、各種の変更例または修正例に想到し得る とは明らかであり、それらについても当然 本発明の技術的範囲に属するものと了解さ る。




 
Previous Patent: GEAR

Next Patent: SHOT PEENING METHOD