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Patent Searching and Data


Title:
PHOTONIC CRYSTAL ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/087825
Kind Code:
A1
Abstract:
A waveguide stub is connected with a pillar-type tetragonal lattice photonic crystal waveguide. In the waveguide stub, the diameter is made larger than that of the defect of the original photonic crystal waveguide, thereby to reduce the group velocity of a guided light. The connection between the original waveguide and the waveguide is smoothly made through a taper. Because of the low group velocity in the waveguide stub, an FSR can be reduced to reduce the size of the waveguide stub.

Inventors:
TOKUSHIMA MASATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071328
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
November 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NEC CORP (JP)
TOKUSHIMA MASATOSHI (JP)
International Classes:
G02F1/01; G02B6/12
Foreign References:
JP2005509918A2005-04-14
JP2002365599A2002-12-18
Other References:
TAKAYAMA K. ET AL.: "Stub Tsuki Photonic Kessho Doharo no Denpan Tokusei to sono Filter eno Oyo", IEICE TECHNICAL REPORT, vol. 107, no. 124, 22 June 2007 (2007-06-22), pages 59 - 64
STOFFER R. ET AL.: "Numerical studies of 2D photonic crystals: Waveguides, coupling between waveguides and filters", OPTICAL AND QUANTUM ELECTRONICS, vol. 32, August 2000 (2000-08-01), pages 947 - 961
AHMAD RIFQI MD ZAIN ET AL.: "Taperd Photonic Crystal Microcavities Embedded in Photonic Wire Waveguides With Large Resonance Quality- Factor and High Transmission", IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, vol. 20, no. 1, 1 January 2008 (2008-01-01), pages 6 - 8
PALAMARU M. ET AL.: "Photonic crystal waveguides: Out-of-plane losses and adiabatic modal conversion", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol. 78, no. 11, 12 March 2001 (2001-03-12), pages 1466 - 1468
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Teruo et al. (16th Kowa Bldg.9-20, Akasaka 1-chome,Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
 フォトニック結晶と、
 前記フォトニック結晶のバンドギャップ内に周波数を有する光を導波可能な前記フォトニック結晶中の第1の導波路と、
 前記第1の導波路中の光を制御するために接続された導波路スタブとを含むフォトニック結晶体。
 請求項1に記載のフォトニック結晶体において、
 前記導波路スタブは、テーパ構造を含む導波路であるフォトニック結晶体。
 請求項1または請求項2に記載のフォトニック結晶体において、
 前記導波路スタブは、前記第1の導波路の側壁から直角に伸びているフォトニック結晶体。
 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記フォトニック結晶は、周期的な格子を備え、
 前記第1の導波路は、前記周期的な格子中に第1の欠陥を備え、
 前記導波路スタブは、前記周期的な格子中に少なくとも1つの第2の欠陥を備えているフォトニック結晶体。
 請求項4に記載のフォトニック結晶体において、
 前記フォトニック結晶の前記周期的な格子は、相対的に低屈折率の媒質中に配置された高屈折率の誘電体柱の格子であるフォトニック結晶体。
 請求項4または請求項5に記載のフォトニック結晶体において、
 前記フォトニック結晶の前記周期的な格子は正方格子であるフォトニック結晶体。
 請求項4乃至6のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記第1の欠陥は、断面積の小さい誘電体柱であるフォトニック結晶体。
 請求項4乃至6のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記第2の欠陥は、断面積の小さい誘電体柱であるフォトニック結晶体。
 請求項7または請求項8に記載のフォトニック結晶体において、
 前記テーパ構造を含む導波路の少なくとも一部において、前記第2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠ざかる向きに徐々に増加するフォトニック結晶体。
 請求項7または請求項8に記載のフォトニック結晶体において、
 前記テーパ構造を含む導波路の少なくとも一部において、前記第2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠ざかる向きに階段状に増加するフォトニック結晶体。
 請求項7または請求項8に記載のフォトニック結晶体において、
 前記テーパ構造を含む導波路の少なくとも一部において、前記第2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠ざかる向きに、徐々に増加する部分と階段状に増加する部分とを含むフォトニック結晶体。
 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記導波路スタブを構成する材料の屈折率又は吸収係数を調節するチューナを有するフォトニック結晶体。
 請求項12に記載のフォトニック結晶体において、
 前記チューナは、温度調節器であるフォトニック結晶体。
 請求項12に記載のフォトニック結晶体において、
 前記チューナは、電界強度調節器であるフォトニック結晶体。
 請求項12に記載のフォトニック結晶体において、
 前記チューナは、電流調節器であるフォトニック結晶体。
 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記テーパ構造を含む導波路の少なくとも一部において、前記第2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠ざかる向きに徐々に減少するフォトニック結晶体。
 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記テーパ構造を含む導波路の少なくとも一部において、前記第2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠ざかる向きに階段状に減少するフォトニック結晶体。
 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のフォトニック結晶体において、
 前記テーパ構造を含む導波路の少なくとも一部において、前記第2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠ざかる向きに、徐々に減少する部分と階段状に増加する部分とを含むフォトニック結晶体。
 請求項1に記載のフォトニック結晶体において、
 前記導波路スタブの一部又は全部が、前記導波路の導波帯域以外の周波数の光に対して共振する共振器として動作するフォトニック結晶体。
 請求項19に記載のフォトニック結晶体において、
 前記フォトニック結晶のバンドギャップ内に周波数を有する光を導波可能であって、かつ前記共振器の共振周波数の光を導波可能な第2の導波路を、前記共振器の近傍に備え、
 前記共振器と前記第2の導波路とは、光学的に結合しているフォトニック結晶体。
 請求項20に記載のフォトニック結晶体において、
 前記共振器を2つ以上含み、それらの個々の共振器に隣接するそれぞれの前記第2の導波路が同一であるか、又は互いに接続されているフォトニック結晶体。
Description:
フォトニック結晶体

 本発明は、フォトニック結晶体に関し、 に、導波路構造を有するフォトニック結晶 に関する。

 電子部品が集積されたトランジスタ集積 路のように、光部品が集積された光集積回 を実現する技術が望まれている。現在、光 イッチ、波長フィルタ、3dB結合器(光カプラ )などの光部品を光ファイバなどの光導波路 介して接続して光回路を組んでいる。

 しかし、複数の光部品を小さなチップの に集積化させることができれば、光回路の 積、消費電力、製造コストを飛躍的に低減 せることが可能である。

 光集積回路の実現を目指した技術はこれ でにも多々開発されており、その一つにフ トニック結晶技術がある。フォトニック結 体或いはフォトニック結晶とは、広義には 折率を周期的に変化させた構造体の総称で る。本明細書では、特に断らない限り、「 ォトニック結晶体」と「フォトニック結晶 とは、同義語として用いる。

 フォトニック結晶は、屈折率分布の周期 造に起因して種々の特殊な光学的特徴を有 る。最も代表的な特徴はフォトニック・バ ド・ギャップ(Photonic Band Gap:PBG)である。光 はフォトニック結晶中を透過することができ るが、フォトニック結晶中の周期的な屈折率 変化が十分に大きいと、ある特定の周波数帯 域の光はフォトニック結晶中を伝搬すること ができない。フォトニック結晶を透過するこ とができる光の周波数帯域(あるいは、波長 域)をフォトニック・バンド(Photonic Band)と呼 ぶ。それに対して、透過することができない 光の帯域は、フォトニック・バンドの間に存 在するギャップということで、フォトニック ・バンド・ギャップ(PBG)と呼ばれている。PBG 異なった周波数帯に複数存在することもあ 。PBGによって分断されたフォトニック・バ ドは、周波数の小さい方から、第1バンド、 第2バンド、第3バンド等と呼ばれることがあ 。

 フォトニック結晶中に、屈折率分布の周 構造(屈折率分布の周期性)を崩すような微 な欠陥が存在すると、PBG内の周波数の光は の微小欠陥に閉じ込められる。その場合、 陥の大きさに対応した周波数の光のみが閉 込められるので、フォトニック結晶が光共 器として働く。よって、このようなフォト ック結晶は、周波数(波長)フィルタとして利 用することができる。

 また、フォトニック結晶中に微小な欠陥 連続的に並んで列を成し、結晶中に線欠陥 形成されると、PBG内の周波数の光は、線欠 内に閉じ込められ、線欠陥に沿って伝搬す 。よって、このようなフォトニック結晶は 光導波路として利用することができる。フ トニック結晶中に形成されるこのような光 波路は、線欠陥導波路と呼ばれている。

 光フィルタや光導波路が形成されれば、 れらの一方又は組み合わせによって、光変 器や光スイッチ等の光機能素子を構成する とができる。フォトニック結晶中に主要な 機能素子を形成し、それら光機能素子を接 して光回路を構成することができる。この うな理由から、フォトニック結晶が光集積 路のプラットフォームとして期待されてい 。

 ここで、PBGの効果を互いに垂直なx、y、z 3方向で利用するためには、フォトニック結 晶の屈折率分布が3次元周期構造を有するこ が必要である。しかし、3次元周期構造は複 なため、製造コストが高くなる。そこで、 折率分布が2次元周期構造を有するフォトニ ック結晶(以下、「2次元フォトニック結晶」 呼ぶ場合もある。)が利用されることが多い 。具体的には、屈折率分布が基板面内では周 期性を有するが、厚み方向には周期性を有さ ない有限厚みの2次元フォトニック結晶が用 られる。その場合、基板の厚み方向におけ 光の閉じ込めは、PBGの効果ではなく、屈折 差に起因する全反射によって実現される。

 もっとも、有限厚みの2次元フォトニック 結晶の特性は、無限の厚みの2次元フォトニ ク結晶の特性と完全には一致しない。しか 、有限厚みの2次元フォトニック結晶の厚み 向における屈折率分布が、光が伝搬する領 において鏡映対称であれば、無限の厚みの2 次元フォトニック結晶の光学特性とほぼ一致 する。無限の厚みの2次元フォトニック結晶 よるデバイスの動作予測は、有限の厚みを 慮した動作予測に比べて格段に容易である そこで、屈折率分布が鏡映対称の2次元フォ ニック結晶を利用することができれば、そ を用いたデバイスの設計も容易になる。

 有限厚みの2次元フォトニック結晶として 、これまで実現された具体的な構造はいくつ かある。その中で柱(ピラー)型正方格子フォ ニック結晶は、線欠陥導波路における光の 搬速度が広い帯域で遅いという特徴を有す 。すなわち、低群速度である。一般に、伝 速度の遅い導波路を用いると、同じ機能の 回路を短い導波路長で作ることができる。 って、柱型正方格子フォトニック結晶を用 た線欠陥導波路は、光集積回路に適してい 。

 図1は、有限厚みの柱型正方格子フォトニ ック結晶の線欠陥導波路の構造を示す模式図 である。

 図1に示すように、柱型正方格子フォトニ ック結晶では、低誘電率材料3の中に、高誘 率材料でできた高さが有限の円柱1と、円柱1 よりも直径の小さな円柱2とが正方格子状に 置されている。これらの円柱が正方格子状 配置されている様子が、シリコンや水晶な の結晶中に原子が格子状に配置されている 子に似ており、光学用途であることから、 フォトニック結晶」と呼ばれるのである。 って、低誘電率材料3や円柱1や2の材料は結 である必要はなく、アモルファスでもよい

 図1に示すフォトニック結晶の場合、円柱 1が完全なフォトニック結晶の円柱であるの 対し、円柱2は円柱1よりも直径が小さい。そ こで、円柱2を完全結晶に導入された欠陥で ると見なす。以下の説明では、完全結晶の 柱と欠陥に相当する円柱とを区別するため 、前者を「非線欠陥柱」、後者を「欠陥柱 、「欠陥円柱」、又は「線欠陥柱」と呼ぶ 合がある。もっとも、線欠陥柱自体に特に 陥があるわけではないことに注意すべきで る。

 図1に示すフォトニック結晶の線欠陥柱2 、ある直線上に一列に並べられて列を成し おり、この線欠陥柱2の列とその周囲の非線 陥柱1によって線欠陥導波路が形成されてい る。図1に示した円柱型正方格子フォトニッ 結晶の線欠陥導波路は、線欠陥柱の列が、 ファイバなどの全反射閉じ込め型の導波路 おけるコアに相当し、その両側の非線欠陥 の格子や周囲の誘電体材料がクラッドに相 する。全反射閉じ込め型導波路の場合、コ とクラッドが存在して初めて導波路として くように、線欠陥導波路の場合も、線欠陥 その周囲の非線欠陥柱や誘電体材料が存在 て初めて導波路として動作する。

 さて、フォトニック結晶の導波路は、比 的単純な構造によって、フィルタ等の機能 発現させることができる。特許公開第2002‐ 365599号公報に開示されている「共振器スタブ チューナーを備えたスラブ型フォトニック結 晶導波路」は、そのような導波路構造の一種 である。直線の導波路に「接続チャネル」で ある短い導波路を接続し、更にその先に「共 振スタブ」が接続されている。共振スタブは 、直線導波路の透過帯域の中の特定の1つの 長でのみ共振する。共振波長以外の波長の の場合、直線導波路を伝搬してきた光は、 共振器スタブ」の中に光はほとんど入らず 、そのまま直進する。共振波長の光の場合 「共振器スタブ」の中に光が入って共鳴す ため、直線導波路を伝搬してきた光は、「 続チャネル」の接続されている位置で反射 れて元の方向に戻る。

 このように、直線の導波路の横に「共振 タブ」が接続された導波路は、狭帯域の波 選択フィルタとして用いることができる。

 しかしながら、上記「共振器スタブ」を いると、導波路の透過帯域の中で、特定の1 つの波長に対してのみ共振を起こして、フィ ルタとして動作するため、広帯域に複数の波 長の光に対してフィルタとして動作させたい ときに使用できないという問題点があった。

 本発明は、上記問題点に鑑みてなされた のであり、その目的の一例は、透過帯域の で複数の波長の光に対して狭帯域のフィル 特性を発現する導波路の構造を提供するこ である。

 上記の課題を解決するために本発明は、 ォトニック結晶と、前記フォトニック結晶 バンドギャップ内に周波数を有する光を導 可能な前記フォトニック結晶中の導波路と 前記導波路中の光を制御するために接続さ た導波路スタブとを含む。

 以上のように、本発明によれば、透過帯 の中で複数の波長の光に対して狭帯域のフ ルタ特性を発現する導波路が実現される。

線欠陥を含む正方格子ピラー型フォト ック結晶の立体図である。 第1実施形態に係るフォトニック結晶体 の模式的断面図である。 図2に示すフォトニック結晶体の第1の 造の透過スペクトルを示す図である。 図2に示すフォトニック結晶体の第2の 造の透過スペクトルを示す図である。 図2に示すフォトニック結晶体を透過す る光の電磁界分布を示す図である。 図2に示すフォトニック結晶体で反射さ れる光の電磁界分布を示す図である。 チューナを含むフォトニック結晶体の 式的断面図である。 第3実施形態に係るフォトニック結晶体 の模式的断面図である。

 次に、本発明に好適な実施の形態につい 、図面に基づいて説明する。

 図2は、本発明の第1実施形態を説明する 式図である。

 図2に示すように、本実施形態のフォトニ ック結晶体19は、多くの場合、任意のピラー( 柱)型正方格子フォトニック結晶に一部とし 含まれる。前記フォトニック結晶の前記周 的な格子は、相対的に低屈折率の媒質中に 置された高屈折率の誘電体柱の格子である

 前記フォトニック結晶のバンドギャップ に周波数を有する光を導波可能な前記フォ ニック結晶中の導波路5を含む。すなわち、 前記フォトニック結晶は、周期的な格子を備 える、前記導波路が前記周期的な格子中に、 断面積の小さい誘電体柱である第1の欠陥8を える。

 導波路5は、無欠陥のフォトニック結晶に 、1列の断面積の小さいピラーの列を導入し 構造を有する。線欠陥の部分がコアに相当 、その周囲のフォトニック結晶がクラッド 相当する。

 フォトニック結晶体19は、前記導波路中 光を制御するために接続された導波路スタ 18を含む。

 導波路スタブ18は、前記周期的な格子中 少なくとも1つの、断面積の小さい誘電体柱 ある第2の欠陥12及び15を備えている。導波 スタブ18は、テーパ構造13を含み、導波路5の 側壁から直角に伸びている。テーパ構造13を む導波路の少なくとも一部において、前記 2の欠陥を構成する誘電体柱の断面積が、前 記導波路から遠ざかる向きに、徐々に増加す ることを特徴とする。図2に示したフォトニ ク結晶体19の場合、テーパ構造13の部分の欠 15において、誘電体柱の断面積が、導波路5 ら遠ざかる向きに断面積が増加している。

 次に、第1実施形態の動作について説明す る。

 導波路5の左から導波可能な周波数の光を 入射すると、光は、導波路5と導波路スタブ の接続点17に達し、一部は導波路スタブ10に また、一部はそのまま導波路5の右側に抜け ていく。

 しかし、導波路スタブ10に入射した光は 他端で反射して接続点17に戻ってくる。戻っ てきた光は、左右に分かれるが、その時、右 側に分岐した光と先に直接導波路5を通り抜 た光が干渉を起こす。直接抜けた光と導波 スタブから戻ってきた光の位相が同位相の は、全ての光が導波路5の右側に抜け、位相 πだけ異なる場合は、接続点17の位置で全て の光が反射して、導波路5の左側に戻る。

 導波路5を直接抜ける光と、導波路スタブ 5から戻って来る光の位相差は、導波路スタ 10の中を光が往復する距離が、導波路内にお ける光の波長の整数倍からどれだけずれてい るかで決まる。

 導波路スタブ10にテーパ構造13を導入する ことによって、第2の欠陥15や12では、誘電体 14の断面積が導波路5から遠ざかる向きに徐 に大きくなる。図1のフォトニック結晶体の 図では、欠陥12の断面積は一定となっている ただし、ピラー型正方格子フォトニック結 の線欠陥導波路は、欠陥のピラーの断面積 大きいほど周波数の変化に対する導波路内 の波長の変化率が大きいという特性を有す 。そのため、たとえ導波路スタブ18が短く も、僅かな周波数の変化によって、導波路 で大きな波長の変化が起こり、接続点17での 光の位相差の変化が大きくなる。その結果、 狭い帯域のフィルタ特性を発現するようにな る。尚、欠陥のピラーの断面積が大きいほど 、導波光の群速度が小さい。

 なお、導波路5も、第1の欠陥8の誘電体柱7 の断面積を導波路スタブ18の欠陥の誘電体柱 同じく大きくしておくこともできるが、そ 場合、導波路5の光の伝搬速度が小さくなる という欠点があり、高速な光信号を処理する 光回路の部品としては不適当である。

 この欠点を回避するために、本発明の第1 実施形態では、テーパ構造13を介して、欠陥 断面積の小さい導波路5と欠陥の断面積の大 きい導波路スタブを接続している。テーパ構 造により、導波路構造が急激に変化する部分 で心配される無用な反射が生じない。

 図3は、導波路スタブがテーパ構造を含ま ない場合の、フォトニック結晶体の透過スペ クトルの計算結果である。また、図4は、導 路スタブがテーパ構造を含む場合の、フォ ニック結晶体の透過スペクトルである。

 両者のフォトニック結晶体の導波路スタ の長さは同じであるが、図3と図4の透過ス クトルを比較すると、導波路スタブを含む 合の図4の透過スペクトルの方が、他方に比 て、透過帯域の中間位置付近において、高 過率の波長(ただし、真空中の波長)の間隔 狭いことが分かる。すなわち、フリースペ トラルレンジ(Free Spectral Range:FSR)が小さい それに応じて、図4の透過スペクトルの方が 光パワーが半分以上透過する3dB透過帯域を くすることができている。

 テーパ導波路は、テーパ構造を含む導波 の少なくとも一部において、第2の欠陥を構 成する誘電体柱の断面積が、前記導波路から 遠ざかる向きに、階段状に増加していてもよ い。

 また、前記テーパ構造を含む導波路の少 くとも一部において、前記第2の欠陥を構成 する誘電体柱の断面積が、前記導波路から遠 ざかる向きに、徐々に増加する部分と階段状 に増加する部分とを含んでいてもよい。

 以上のように、本実施形態によれば、小 のフォトニック結晶体であっても、周波数 性を向上させることができる。よって、第1 実施形態を含む光回路は集積度が向上し、光 集積回路の高集積化や生産性の向上が実現さ れる。

 次に、本実施形態のフォトニック結晶体 製法について概説する。

 本実施形態のフォトニック結晶体は、SOI エハ(Silicon On Insulator Wafer)を基板として作 製することができる。SOIウエハとして、埋め 込み酸化膜の厚みが2.0μm、シリコン活性層の 厚みが1.0μmのものを使用する。シリコン活性 層はノン・ドープとする。

 初めに、電子線露光技術を使って、図2に 示すパターンを描画する。光通信用に導波光 の波長を1.55μmとする場合は、格子定数を0.4μ m、円柱の直径は、0.24μmとする。線欠陥柱の 径は、導波路部分において、0.16μmとし、ス タブ導波路部分において、導波路との接続点 から遠ざかる方向に0.22μmにまで徐々に増加 せる。導波路スタブの長さを15μmとする。

 次に、異方性ドライエッチングによって 描画されたレジスト・パターの通りにてシ コン活性層を垂直に加工する。

 その後、残ったレジストパターンをアセ ンで除去し、最後に埋め込み酸化膜と同じ1 .45の屈折率を有する紫外線硬化樹脂を塗布し 、紫外線で硬化させると完成する。

 図3と図4の透過スペクトルは、簡単のた 、上記の構造で厚み方向にシリコンのピラ が厚み方向に無限であると仮定した場合の 算結果である。

 また、図5は、光が透過する場合の電界分 布の計算結果であり、図6は、光が透過しな 場合の電界分布の計算結果である。

 なお、本発明のフォトニック結晶体の実 形態の一例について説明したが、本発明は 記実施形態に限定されるものではない。例 ば、フォトニック結晶体を構成している線 陥柱以外の円柱を変位させたり、その断面 を増減させたりすることもできる。更には 柱は必ずしも円柱である必要はなく、四角 や八角柱など、他の形状であってもよい。

 また、FSRの異なる本発明のフォトニック 晶体を2或いは3というように複数接続すれ 、透過帯域の重なった周波数の光だけが透 するようにすることができるため、例えば 導波路の透過帯域内で、1波だけ透過するよ にすることもできる。

 また、同じFSRの本発明のフォトニック結 体を複数接続すれば、透過帯域の透過スペ トルをフラットトップ化することや、阻止 長帯域をフラット化することもできる。

 次に、本発明の第2実施形態について説明 する。

 本発明のフォトニック結晶体は、FSRが小 いフィルタ特性を有するため、複数の波長 動作する1×1光スイッチ、あるいは光強度変 調器として動作させることができる。即ち、 本発明の第2実施形態は、導波路スタブを構 する材料の屈折率又は吸収係数を調節する ューナを有することを特徴とする。なお、 記チューナは、温度調節器、電界強度調節 、又は、電流調節器である。

 図7は、温度調節器としてヒータ33を装着 たフォトニック結晶体である。

 ヒータ33が加熱すると、導波路スタブ32の 屈折率が変化し、フォトニック結晶体の透過 スペクトルが長波長側、或いは短波長側にシ フトする。その結果、特定波長では、光の透 過率が変化し、1×1光スイッチや光強度変調 として動作する。なお、チューナが電界強 調節器や電流調節器である場合も同じよう 動作する。

 本実施形態のフォトニック結晶体は、FSR 小さく、かつ、導波路スタブが小さいため 省電力で小型の光スイッチや光強度変調器 なる。

 次に、本発明の第3実施形態について説明 する。

 第3実施形態では、導波路スタブが共振器 を含み、導波路スタブの屈折率のチューニン グをその共振器で共振した光で行う。

 図8は、本発明の第3実施形態を説明する めのフォトニック結晶体の模式図である。

 図8に示されたフォトニック結晶体は、導 波路スタブを成し、テーパ構造を含む導波路 の少なくとも一部において、テーパ構造を成 す導波路の欠陥を構成する誘電体柱の断面積 が、前記導波路から遠ざかる向きに、徐々に 減少する。

 具体的には、導波路スタブの一部である ーパ導波路48において、線欠陥50の誘電体柱 49の断面積が、導波路40から遠くなるにつれ 、小さくなっている。

 導波路45は、テーパ導波路48と構造が連続 している。導波路45の線欠陥47の誘電体柱46の 断面積は、導波路40の線欠陥43の誘電体柱42の 断面積に比べて小さい。そのため、導波路45 、導波路40の透過帯域の上限の周波数をf1と すると、周波数f1よりも高い周波数の光を導 することができる。導波路45の透過帯域の 限の周波数をf2とすると、導波路45の長さを 当に調節することによって、f1~f2の間の周 数、例えばf3の周波数を有する光が導波路45 で共振を起こす。

 周波数f3の光は、導波路40を透過すること ができないため、周波数f3を透過する導波路5 5を共振器となる導波路45の近傍に設置する。

 導波路55は、導波路45と同じか同程度の断 面積の誘電体柱の線欠陥56を有する。導波路5 5を伝搬して来た光が極僅かに導波路45に漏れ て入り、その光が導波路45の両端で反射され 同じ位相で重なり合うことによって、光の ネルギーが導波路45に蓄積される。即ち、 振が生じる。

 導波路45を導波路40や導波路55から適当に すことによって、共振器が光を閉じ込める さの目安であるQ(キュー)値を十分に大きく ることができる。即ち、導波路45に蓄積さ る光の強度を、導波路55を導波されてくる周 波数f3の光のQ倍とすることができる。Q値は 数千から数万以上にもすることができるの 、小さな強度の周波数f3の光を入射すれば、 高強度の光エネルギーが導波路45に蓄積され ことになる。

 強い光が導波路45に存在することになる 果、導波路45では、3次の非線形効果が大き なって無視できない程度に屈折率が変化す 。または、導波路45が光を僅かでも吸収する 場合には、導波路45に蓄積された高強度の光 エネルギーの一部が吸収されて熱に変わり 導波路45を加熱することによって、熱光学 果により屈折率が変化する。

 一方、導波路40の透過帯域の光は、導波 48や導波路45も透過するため、導波路45と導 路48がスタブとして動作し、導波路40は、図3 や図4の透過特性と同様の周期的な透過特性 示す。

 図8のフォトニック結晶体の場合、導波路 45の導波光は、導波路40の導波光に比べて、 速度が大きくなるため、第1実施形態の場合 ように、導波路スタブを小さくできる効果 利用できない。しかし、導波路55から入射 れた周波数f3の光によって、導波路45の屈折 を変調することにより、導波路40の透過特 を短波長側、又は長波長側にシフトさせる とができる。すなわち、図8のフォトニック 晶体は、光制御が可能な可変光フィルタと て動作させることができる。また、それを 用した光制御の光スイッチとして動作させ ことができる。

 導波路40の導波光は、導波路45まで侵入す るが、導波路48がテーパ導波路となっている め、接続部51や52で反射されることはない。 そのため、導波路40から導波路45にまで侵入 た光は、その端で反射されると、途中で反 されて戻ることなく、導波路40まで戻るので 、導波路45で共振を生じず、導波路45から導 路55への漏れ光の強度は、導波路40を透過す 光の強度の1/Q程度に止まる。

 なお、テーパ導波路48は、線欠陥50の欠陥 を構成する誘電体柱49の断面積が、導波路40 ら遠ざかる向きに、階段状に減少してもよ 。また、徐々に減少する部分と階段状に増 する部分とを含んでもよい。

 図8のフォトニック結晶体は、フォトニッ ク結晶を基本とした構造であるが、第3実施 態は、一般的に、フォトニック結晶体に限 ず、導波路スタブの一部又は全部が、前記 波路の導波帯域以外の周波数の光に対して 振する共振器として動作することを特徴と ているということができる。

 第3実施形態では、フォトニック結晶のバ ンドギャップ内に周波数を有する光を導波可 能であって、共振器の共振周波数の光を導波 可能な導波路を共振器の近傍に備え、その近 接する共振器と導波路とは、光学的に結合し ている。

 図8のフォトニック結晶体を2つ以上含み それらの個々のフォトニック結晶体に含ま るそれぞれの制御光用の導波路(図8の導波路 55に相当する導波路)が同一であるか、又は互 いに接続されているようにすることもできる 。

 このようにすると、同一波長の制御光で 数の導波路スタブの屈折率を変化させるこ ができる。

 また、各スタブの共振周波数を別々にし おけば、制御用の導波路に通す光の周波数 1つ又は複数選択することにより、屈折率を 変化させる導波路スタブを選択することがで きる。

 なお、図8のフォトニック結晶体では、導 波路スタブが、導波路40から遠くなるにつれ 断面積の減少する線欠陥誘電体柱の列のみ 含んでいるが、それに限らない。例えば、 波路45に続けて、導波路40から遠くなるにつ れて断面積の増加する線欠陥誘電体柱の列を 含むテーパ導波路を加えても良い。当該実施 形態は、第1実施形態と第3実施形態とを組み わせた場合の形態である。

 更に本発明は、上記各実施形態に限定さ るものではない。上記各実施形態は、例示 あり、本発明の特許請求の範囲に記載され 技術的思想と実質的に同一な構成を有し、 様な作用効果を奏するものは、いかなるも であっても本発明の技術的範囲に包含され 。

 以上、実施例を参照して本願発明を説明 たが、本願発明は上記実施例に限定される のではない。本願発明の構成や詳細には、 願発明のスコープ内で当業者が理解し得る 々な変更をすることができる。

 この出願は、2008年1月11日に出願された日 本出願特願2008-3856、並びに2008年6月12日に出 された日本出願特願2008-154136を基礎とする優 先権を主張し、その開示の全てをここに取り 込む。




 
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