KATSUKI KEIKO (JP)
OKADA AKIRA (JP)
KATSUKI KEIKO (JP)
WO1999001509A1 | 1999-01-14 |
JP2006131581A | 2006-05-25 |
下記式(1)で表される複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする制酸剤。 (Mg a Zn b ) 1-x Al X (OH) 2 (A n- ) x/n ・mH 2 O (1) 但し式中、A n- はCO 3 2- 、SO 4 2- またはCl - を示し、nは1または2を示し、x、a、b およびmはそれぞれ下記条件を満足する値を示す。 0.18≦x≦0.4、0.5≦a<1、0<b≦0.5、0≦m<1 |
前記式(1)中、A n- はCO 2 2- またはSO 4 2- である請求項1記載の制酸剤。 |
前記式(1)中、xは0.2≦x≦0.35を満足する請求項1記載の制酸剤。 |
前記式(1)中、bは0.0005≦b≦0.2を満足する請求項1記載の制酸剤。 |
前記式(1)中、aは0.6≦a≦0.9を満足する請求項1記載の制酸剤。 |
請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する制酸用錠剤。 |
請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする胃内壁保護剤。 |
請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の制酸剤としての使用。 |
請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子。 |
本発明は複合ハイドロタルサイト粒子を 効成分として含有する制酸剤に関するもの あり、より詳しくは、従来のハイドロタル イト粒子と同様な制酸効果を維持しつつ優 た胃内壁保護効果を持つ、亜鉛を含有する 合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とす 新規制酸剤に関する。
従来のハイドロタルサイト粒子は、医薬用
酸剤として、錠剤、顆粒剤またはカプセル
等の形態で製造販売されている。理想的制
剤の条件は、速効性であって、服用後胃液
pHを1分以内に3程度まで上昇せしめ、かつpH3
~5の間に長時間保つこと、過剰に服用しても
液をアルカリ性にしないこと、便秘、下痢
アルカロージスなどをおこさないこと、ペ
シンにより制酸性が阻害されないこと、水
や温度により制酸性が変化しないこと等が
げられるが、このような条件を満足させる
酸剤としてハイドロタルサイト粒子が開発
れた。
制酸剤としてのハイドロタルサイト粒子お
びその製造方法は、米国特許第3650704号明細
書および同第3539306号明細書に記載されてい
。制酸剤として有効なハイドロタルサイト
子は、代表的にはMg 6
Al 2
(OH) 16
CO 3
・4H 2
Oで表される。
しかし、この従来のハイドロタルサイト粒
は長期間の服用により胃内壁の粘膜を痛め
場合がある。
ハイドロタルサイト粒子は、制酸剤とし 優れているが、長期間の服用により胃内壁 粘膜を損傷する場合があり、胃内壁の保護 いう点から考えると更に改良が望まれる。 こで本発明の目的は、優れた胃内壁の保護 性、すなわち潰瘍防止効果を持つ制酸剤と て有用な改良されたハイドロタルサイト粒 を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために、
イドロタルサイト粒子を改質する研究を重
た。
その結果、ハイドロタルサイト粒子に微量
つ特定量のZnを固溶体として含有させた複
ハイドロタルサイト粒子は、胃粘膜を保護
、胃内壁の潰瘍予防効果に優れた制酸作用
有することを見出した。
すなわち、本発明者は、比較的安価で、し
も無毒性か、もしくは毒性が比較的少ない
鉛イオンの微量を、ハイドロタルサイト粒
に固溶させた下記式(1)である複合ハイドロ
ルサイト粒子が胃内壁保護、および制酸効
が優れた制酸剤として有効であること、す
わち、胃粘膜保護、および胃潰瘍防止に効
があることを見出し、本発明に到達した。
(Mg a
Zn b
) 1-x
Al X
(OH) 2
(A n-
) x/n
・mH 2
O (1)
但し式中、A n-
はCO 3 2-
、SO 4 2-
またはCl -
を示し、nは1または2を示し、x、a、bおよびm
それぞれ下記条件を満足する値を示す。
0.18≦x≦0.4、0.5≦a<1、0<b≦0.5、0≦m&l
t;1
本発明の式(1)で表される複合ハイドロタル
イト粒子は、本発明者が見出した新規な化
物であり、ハイドロタルサイト粒子に微量
亜鉛(Zn)が固溶体として含有したものである
。そのため、本発明の複合ハイドロタルサイ
ト粒子は、公知のハイドロタルサイト粒子と
同じ結晶構造を有する化合物であり、粉末X
回折法によれば、ハイドロタルサイト粒子
ほとんど同じ回折パターンを示す。さらに
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、
鉛がハイドロタルサイト中に固溶している
め、胃内壁および腸内壁を痛めることもな
。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、
記式(1)で表される化学構造を有している。
の式(1)について以下具体的に説明する。式(
1)中、A n-
はn価のアニオンであり、CO 3 2-
、SO 4 2-
またはCl -
であり、CO 3 2-
またはSO 4 2-
が好ましく、CO 3 2-
が最も好ましい。これらアニオンは2種、例
ばCO 3 2-
およびSO 4 2-
が同時に含まれてもよい。xは0.18≦x≦0.4を満
足するが、0.2≦x≦0.35が好ましく、0.24≦x≦0.
3がより好ましい。bは0<b≦0.5を満足するが
0.0005≦b≦0.2が好ましく、0.0006≦b≦0.1が特
好ましい。またaは、0.5≦a<1を満足するが
0.6≦a≦0.9が好ましい。mは結晶水の含有量
示し、0≦m<1を満足するが、0.1≦m≦1が好
しい。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の製
方法は、基本的には公知のハイドロタルサ
ト粒子の製造方法(例えば米国特許第3539306
明細書)と同様の方法である。その際、亜鉛(
Zn)が固溶体として含有されるように、マグネ
シウム塩および/またはアルミニウム塩と一
に原料中に添加される。亜鉛(Zn)は、その所
量を好ましくは、硝酸塩、硫酸塩または塩
物のような水溶性塩として原料中に添加す
ばよく、反応条件は、前記米国特許明細書
記載された範囲から選択される。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の製
方法は、例えば、Mg、ZnおよびAlの塩(硝酸塩
、塩化物、および硫酸塩)を目的のハイドロ
ルサイト粒子を構成する金属元素の比率で
む水溶液と炭酸ナトリウム水溶液(Na 2
CO 3
/Al=0.35~0.75)および水酸化ナトリウム水溶液と
接触させ、水酸化ナトリウム水溶液で反応
のpHを10~10.5に保持して共沈殿させる。反応
室温ないし100℃の温度で行う。また反応生
物をそのまままたは洗浄し、懸濁液(水系)
70~200℃の温度で0.5~24時間水熱反応を行うこ
も出来る。
なお、水洗浄量を増加することによって、
たは、10 -3
~10 -5
モル/Lの酸(塩酸・硝酸・酢酸等)水溶液(脱イ
ン水)を複合ハイドロタルサイト粒子の重量
の20~50倍量用い洗浄することにより、Na含有
を低減することができる。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、
にその形状は制限されないが、レーザー回
散乱法で測定された平均2次粒径は0.3~20μm、
好ましくは0.4~10μmであるのが有利であり、BET
比表面積は10~100m 2
/g、好ましくは10~50m 2
/gであるのが望ましい。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、
酸剤として使用する場合は、粉末状、顆粒
、錠剤、カプセル剤または、スラリー状の
ずれの形態でもよく、賦形剤、結合剤、崩
剤および滑沢剤等を必要に応じ添加するこ
が出来る。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、
酸剤として経口投与する場合、その投与量
びに方法は、従来のハイドロタルサイト粒
の場合と基本的には同じである。投与量は
人1人1日当たり、0.2~5g、好ましくは1~4gの範
が望ましい。
本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、
来のハイドロタルサイト粒子と同様に優れ
制酸剤として特性を有している。すなわち
効性であり、胃液のpHを3~5の間に長時間保
ことができ、過剰服用しても胃液をアルカ
性にせず、便秘、下痢、アルカロージスな
を起こさず、ペプシンにより制酸性が阻害
れることがない。本発明の複合ハイドロタ
サイト粒子は、前記した制酸剤としての利
の他に、服用によって胃内壁の粘膜の損傷
発生が抑制乃至防止される効果を有してい
。この効果は、後述する実験からも明らか
ように、従来のハイドロタルサイト粒子よ
も極めて優れた驚くべき効果である。この
著な効果は、前記式(1)で示すように、亜鉛(Z
n)が固溶体として微量含有していることによ
て発現されたものであると推察される。
従って、本発明の複合ハイドロタルサイト
子は、制酸剤として服用することによって
制酸剤としての効果と共に胃内壁や腸内壁
粘膜を保護する効果が同時に達成され、胃
壁や腸内壁の潰瘍の発生防止にも役立つこ
となる。
実施例に基づき、本発明を詳細に説明する
実施例において、複合ハイドロタルサイト
子の(a)Zn、Na、(b)制酸容量試験、(c)Rossett-Rice
試験は以下に記載する測定法によって測定さ
れた値を意味する。
(a)Zn、Na、の分析、
原子吸光法により測定した。
(b)制酸容量試験
200mgを0.1N-HCl 100mlに加え、37℃で1時間振盪し
後、その50mlについて、0.1N-NaOHで逆滴定して
制酸容量を求める。
(c)Rossett-Rice試験
0.1N-HCl 70mlと水30mlを400mlのビーカーに入れ、
れを37℃の恒温槽に浸し、約200r.p.mで攪拌し
つつ、このビーカーに、試料1.0gと0.1N-HClを毎
分4.0ml同時に加え、系のpHが3.0以下になるま
、連続的にpHを記録することにより、pH3に達
するまでの時間、pHの最大値、Rossett-Rice time
すなわち、pH3-5に緩衝した時間、Acid Rebound
time、すなわちpHが5以上になった時間を求め
。
(d)平均2次粒子径
MIKROTRACK粒度分布計SPAタイプ(LEEDS & NORTHRUP
P INSTRUMENTS社製)を用いて測定する。
試料粉末700mgを70mLの水に加えて、超音波(NIS
SEI社製、MODEL US-300、電流300μA)で3分間処理し
た後、その分散液の2~4mLを採って、250mLの脱
水を収容した上記粒度分布計の試料室に加
、分析計を作動させて8分間その懸濁液を循
した後、粒度分布を測定する。合計2回の測
定を行い、それぞれの測定について得られた
50%累積2次粒子径の算術平均値を算出して、
料の平均2次粒子径とする。
(e)BET法比表面積
液体窒素の吸着法により測定した。
(f)粉末X線回析測定法
CuK α
角度(2θ);5~65°、ステップ;0.02、
スキャンスピード;4°/分、管電圧;40KV、管理
流;20mV、
使用装置;RINT2200VX線回析システム(理学電機株
式会社製)
[実施例1]
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと3.61×10 -3
モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.752モル/L濃度の
硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液とする}
と0.40モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}
および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液
}を調製する。次に、A液、B液、およびC液を
量ポンプを用いて、A液:B液を1:1の容量比と
る流量で反応槽に注加し、C液で反応液のpH
を10~10.5の範囲に保持し、反応温度は40℃で
い沈殿物を生成させた。濾過、洗浄、110℃
一夜乾燥後、粉砕、篩過して次に示す組成
複合ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄
水洗後、10 -3
モル/Lの塩酸で洗浄した。この時の塩酸量は
合ハイドロタルサイト粒子重量の30倍とし
。
組成:Mg 0.665
Zn 0.0016
Al 0.333
(OH) 2
(CO 3
) 0.167
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例2]
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと2.01×10 -2
モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.76モル/L濃度の
酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.46モ
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3
.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調製
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い下記に示す組成の複合ハイドロタルサイ
粒子を得た。洗浄は水洗後、10 -3
モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の30倍量用い、洗浄した。
組成:Mg 0.6578
Zn 0.0088
Al 0.333
(OH) 2
(CO 3
) 0.167
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に示す。
[実施例3]
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと3.08×10 -3
モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.501モル/L濃度の
硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.30
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサ
ト粒子を得た。洗浄は水洗後、10 -3
モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の30倍量用い、洗浄した。
組成:Mg 0.7485
Zn 0.0015
Al 0.25
(OH) 2
(CO 3
) 0.125
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znお
びNaの分析結果および制酸容量の試験結果を
表1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例4]
1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと1.733×10 -2
モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.506モル/L濃度の
硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.304
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}およ
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
行い、得られた反応液を150℃で12時間水熱反
させた。冷却後、濾過、水洗後0.1モル/Lの
酸ナトリウム水溶液(0.03モル)で洗浄し、さ
に、水洗を行った。次に10 -4
モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の40倍量を用い、洗浄した。110℃で一夜
燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複
ハイドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg 0.7414
Zn 0.0086
Al 0.25
(OH) 2
(CO 3
) 0.125
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znお
びNaの分析結果および制酸容量の試験結果を
表1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例5]
1.50モル/L濃度の硫酸マグネシウムと2.9×10 -3
モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.1879モル/L濃度
硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.23
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}およ
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
行い、得られた反応液を濾過、水洗後、0.1モ
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し更
水洗を行った。次に、10 -4
モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の40倍量を用い、洗浄した。
110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過して下記に示
す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を得た
。
組成:Mg 0.7985
Zn 0.0015
Al 0.20
(OH) 2
(CO 3
) 0.0994
(SO 4
) 0.0006
・0.6H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に示す。
[実施例6]
1.50モル/L濃度の硫酸マグネシウムと1.627×10 -2
モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.1895モル/L濃度
硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.23
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}およ
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
行い、得られた反応液を濾過、水洗後、0.1モ
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄しさ
に水洗を行った。その後、10 -4
モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の40倍量用い、洗浄した。110℃で一夜乾
後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合
イドロタルサイト粒子を得た。
組成:Mg 0.7914
Zn 0.0086
Al 0.20
(OH) 2
(CO 3
) 0.0994
(SO 4
) 0.0006
・0.6H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例7]
1.50モル/L濃度の塩化マグネシウムと2.03×10 -2
モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.507モル/L濃度の
塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.30
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサ
ト粒子を得た。洗浄は水洗後、10 -4
モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の40倍量を用い、洗浄した。
組成:Mg 0.74
Zn 0.01
Al 0.25
(OH) 2
(CO 3
) 0.125
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znお
びNaの分析結果および制酸容量の試験結果を
表1に示す。
[実施例8]
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと1.13×10 -2
モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.404モル/L濃度の
塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.24
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系
)を120℃で15時間水熱反応させた。冷却後、濾
過、洗浄、110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過し
て下記組成の複合ハイドロタルサイト粒子を
得た。洗浄は水洗後、10 -4
モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の40倍量を用い、洗浄した。
組成:Mg 0.743
Zn 0.007
Al 0.25
(OH) 2
(CO 3
) 0.125
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例9]
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと4.82×10 -3
モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.402モル/L濃度の
塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.24
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系
)を140℃で3時間水熱反応させた。冷却後、濾
、洗浄、110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過し
下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト
子を得た。洗浄は水洗後、10 -4
モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の50倍量用い、洗浄した。
組成:Mg 0.747
Zn 0.003
Al 0.25
(OH) 2
(CO 3
) 0.125
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znお
びNaの分析結果および制酸容量の試験結果を
表1に示す。
[実施例10]
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと7.21×10 -3
モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.604モル/L濃度の
塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.36
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い、得られた反応液を90℃で8時間加熱反応
せた。冷却後、濾過、洗浄、110℃で一夜乾
後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合
イドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗
、10 -5
モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の50倍量用い、洗浄した。
組成:Mg 0.662
Zn 0.004
Al 0.333
(OH) 2
(CO 3
) 0.167
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znお
びNaの分析結果および制酸容量の試験結果を
表1に示す。
[実施例11]
1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと1.09×10 -2
モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.605モル/L濃度の
塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.36
ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および
3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調
する。次に、実施例1と同様の方法で反応を
い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系
)を130℃で4時間水熱反応させた。冷却後、濾
、洗浄し110℃で一夜乾燥後、粉砕して下記
示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を
た。洗浄は水洗後、10 -5
モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子
量の50倍量を用い、洗浄した。
組成:Mg 0.660
Zn 0.006
Al 0.333
(OH) 2
(CO 3
) 0.167
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Zn、Na
析結果および制酸容量の試験結果を表1に、R
ossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例12]
1L容器に3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液273ml
1.2モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液58mLを入れ
室温下攪拌しつつ1.2モル/Lの塩化アルミニウ
ム水溶液284mL、0.7モル/Lの硝酸亜鉛水溶液10mL
よび1モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液58mLと
の混合水溶液を注加する。1時間攪拌後、オ
トグレーブ装置に移して150℃で12時間水熱反
応させた。冷却後、水熱反応物を濾過、水洗
し、さらに炭酸ナトリウム水溶液400mL(0.03モ
)で洗浄後水洗し、110℃で一夜乾燥した。粉
、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロ
ルサイト粒子を得た。
組成:Mg 0.735
Zn 0.015
Al 0.25
(OH) 2
(CO 3
) 0.125
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の粉末X線
析法による回析パターンの特徴的ピークは
記の通りであった。
X線回析パターン
ピーク番号 2θ d値(Å) 相
強度(I/I 0
)
1 11.300 7.8240 1
00
2 22.760 3.9038 5
0
3 34.340 2.6093 1
6
4 38.420 2.3411 8
5 45.160 2.0061 6
6 60.360 1.5322 1
3
7 61.620 1.5039 1
4
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[実施例13]
0.2モル/L濃度の塩化マグネシウムと0.6モル/L
の硝酸亜鉛および0.2モル/Lの硫酸アルミニウ
の混合水溶液{A液とする}と0.24モル/Lの炭酸
トリウム水溶液{B液}および3.4Nの水酸化ナト
リウム水溶液{C液}を調整する。次に、A液、B
およびC液を定量ポンプを用いて、A液とB液
同一流量比で脱イオン水を入れた反応槽に
加し、C液で反応液のpH値を9.0~9.5の範囲に保
持して沈殿物を生成させた。反応温度は35℃
反応槽での反応液の滞留時間は30分で行っ
。濾過、洗浄し110℃で一夜乾燥後、粉砕・
過して次に示す組成のハイドロタルサイト
合物を得た。
組成:Mg 0.167
Zn 0.5
Al 0.333
(OH) 2
(CO 3
) 0.167
・0.5H 2
O
この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znおよ
Naの分析結果および制酸容量の試験結果を
1に、Rossett-Rice試験結果を表2に示す。
[比較例1]
協和化学工業株式会社製の制酸剤用のハイ ロタルサイト粒子(商標名アルカマック)を 用した。この“アルカマック”は化学式Mg 6 Al 2 (OH) 16 (CO 3 )・4H 2 Oで表されるハイドロタルサイト粒子である
雄ラット(SPF)を用いて実施例12で得られた複
合ハイドロタルサイト粒子を用い、エタノー
ル誘発胃粘膜損傷テストを行った。比較のた
め比較例1のハイドロタルサイト粒子(協和化
工業株式会社製商標名“アルカマック”)を
使用した。
(i)試験方法
試験群構成
対象群(媒体)
6匹
複合ハイドロタルサイト粒子 100
mg/Kg 6匹
ハイドロタルサイト粒子(アルカマック) 1
00mg/Kg 6匹
(ii)投与方法
投与経路:経口投与
投与容量:5ml/Kg
投与手段:ディスポーザブル注射筒および経
口投与用ゾンデを用いて投与する。
投与期間:胃粘膜損傷モデル作成の60分前に
与する。
約24時間断食後、エタノール(99.5%)1mL/ラット
経口投与する。エタノール投与1時間後にペ
トバルビタールナトリウム(40mg/Kg, i.p.)麻酔
下に脱血致死させ、胃を摘出する。摘出した
胃に1%ホルマリン液10mLを注入し、同液中に10
以上浸す。胃を大湾に沿って切開し、発生
ている損傷の長さを実体顕微鏡下で測定す
。1匹あたりの合計を損傷係数とする。結果
を表3に示す。この結果は、本発明の複合ハ
ドロタルサイト粒子は有効であることを示
ている。
[実施例15]
約24時間絶食、絶水後、インドメサシン30mg/
kgを皮下投与する他は、実施例14と同様の方
で胃粘膜損傷試験を行う。結果は表4に示す
この結果は、本発明の複合ハイドロタルサ
ト粒子は有効であることを示している。
[実施例16]
約24時間絶食後、アスピリン125mg/kgを2時 おきに2回経口投与する他は、実施例14と同 の方法で胃粘膜損傷試験を行う。その結果 参照例(無投与)および比較例(アルカマック 与)に比較して、本発明の複合ハイドロタル イト投与の場合、損傷係数(mm)が大幅に減少 した。