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Title:
4-(TRICHLOROMETHYLTHIO)ANILINE, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND METHOD FOR PRODUCING 4-(TRIFLUOROMETHYLTHIO)ANILINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008287
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a 4-(trichloromethylthio)aniline represented by the general formula (II) below, and a method for producing the same. (II) (In the formula, R1 represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1-3 carbon atoms; R2's independently represent a halogen atom, an alkyl group having 1-3 carbon atoms or a perfluoroalkyl group having 1-3 carbon atoms; R3 represents a formyl group, an acetyl group or a trifluoroacetyl group; and m represents an integer of 0-4.) Also disclosed is a method for producing a 4-(trifluoromethylthio)aniline using the 4-(trichloromethylthio)aniline compound. Consequently, a 4-(trifluoromethylthio)aniline can be produced from a commercially easily available raw material with high yield by using a general-purpose manufacturing system.

Inventors:
TOHYAMA YOSHITOMO (JP)
KANEMATSU KENGO (CN)
Application Number:
PCT/JP2008/061901
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO CHEMICAL CO (JP)
TOHYAMA YOSHITOMO (JP)
KANEMATSU KENGO (CN)
International Classes:
C07C319/20; C07C323/37; C07C323/41
Domestic Patent References:
WO2007046513A22007-04-26
WO2007066496A12007-06-14
Foreign References:
JPS63192772A1988-08-10
JPH06316518A1994-11-15
Other References:
LAURENT S.J. ET AL.: "Selective aliphatic fluorination by halogen exchange in mild conditions", JOURNAL OF FLUORINE CHEMISTRY, vol. 127, no. 1, 2006, pages 85 - 90, XP025184737
BARUFFINI A. ET AL.: "4-Aminothiophenol derivatives of antifungal activity", FARMACO EDIZIONE SCIENTIFICIA, vol. 13, 1958, pages 911 - 921, XP008129146
See also references of EP 2174929A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor,2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 05, JP)
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Claims:
 下記一般式(I):
(式中、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表わす。R 2 は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のパーフルオロアルキル基を表わす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフルオロアセチル基を表わす。mは、0~4の整数を表わす。)
で示される4-(メチルチオ)アニリン類を、塩化スルフリルと反応させる工程を備える、下記一般式(II):
(式中、R 1 、R 2 、R 3 およびmは、前記と同じ意味を表わす。)
で示される4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類の製造方法。
 前記一般式(I)におけるR 3 は、アセチル基である請求の範囲第1項に記載の方法。
 下記一般式(I):
(式中、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表わす。R 2 は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のパーフルオロアルキル基を表わす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフルオロアセチル基を表わす。mは、0~4の整数を表わす。)
で示される4-(メチルチオ)アニリン類を、塩化スルフリルと反応させることにより、下記一般式(II):
(式中、R 1 、R 2 、R 3 およびmは、前記と同じ意味を表わす。)
で示される4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類を得る工程と、
 前記一般式(II)で示される4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類を、フッ素化剤と反応させることにより、下記一般式(III):
(式中、R 1 、R 2 およびmは、前記と同じ意味を表わす。R 4 は、水素原子、ホルミル基、アセチル基またはトリフルオロアセチル基を表わす。)
で示される4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類を得る工程と、を含む4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類の製造方法。
 前記フッ素化剤は、フッ化水素および/またはフッ化水素-アミン錯体である請求の範囲第3項に記載の方法。
 前記一般式(II)におけるR 3 は、アセチル基である請求の範囲第3項に記載の方法。
 前記一般式(II)におけるR 3 は、アセチル基である請求の範囲第4項に記載の方法。
 下記一般式(II):
(式中、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表わす。R 2 は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のパーフルオロアルキル基を表わす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフルオロアセチル基を表わす。mは、0~4の整数を表わす。)
で示される4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類。
 前記一般式(II)におけるR 3 は、アセチル基である請求の範囲第7項に記載の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類。
Description:
4-(トリクロロメチルチオ)アニリ ン類およびその製造方法、ならびに4-(トリフ ルオロメチルチオ)アニリン類の製造方法

 本発明は、4-(トリフルオロメチルチオ)ア ニリン類の製造中間体として有用な4-(トリク ロロメチルチオ)アニリン類およびその製造 法に関する。また、本発明は、当該4-(トリ ロロメチルチオ)アニリン類を用いた4-(トリ ルオロメチルチオ)アニリン類の製造方法に 関する。

 4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類は 、たとえば国際公開第06/099957号パンフレット (特許文献1)、特開2004-182716号公報(特許文献2) および国際公開第07/046513号パンフレット(特 許文献3)に記載されるように、殺虫剤、殺ダ 剤等の農薬などの製造中間体として有用な 合物である。

 4-(トリフルオロメチルチオ)アニリンは、 アンモニアの存在下、4-アミノチオフェノー とトリフルオロヨードメタンとを、UV照射 行ないながら反応させることにより製造し る(欧州特許出願公開第0277091号明細書(特許 献4))。

 しかし、UV照射装置を用いた製造方法は、 造設備が煩雑であるため、必ずしも工業生 において有利な方法とはいえない。また、 リフルオロヨードメタンの沸点は非常に低 (-22.5℃)ため、安全の確保などのために煩雑 製造設備が必要となる。

国際公開第06/099957号パンフレット

特開2004-182716号公報

国際公開第07/046513号パンフレット

欧州特許出願公開第0277091号明細書

 本発明の目的は、工業的に入手が容易な 料を用い、汎用的な製造設備を用いて、4-( リフルオロメチルチオ)アニリン類を高収率 で製造することができる方法を提供すること である。

 本発明者らは、4-(トリクロロメチルチオ) アニリン類を、4-(トリフルオロメチルチオ) ニリン類の製造のための中間体とすること より、上記課題が解決されることを見出し 。また、4-(トリクロロメチルチオ)アニリン を高収率で工業的に製造するのに適した、 較的安全性の高い塩素化剤を用いた新規な 法を見出した。すなわち、本発明は以下の おりである。

 本発明は、下記一般式(I):

(式中、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を 表わす。R 2 は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1~3 のアルキル基または炭素数1~3のパーフルオロ アルキル基を表わす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフル オロアセチル基を表わす。mは、0~4の整数を わす。)で示される4-(メチルチオ)アニリン類 を、塩化スルフリルと反応させる工程を備え る、下記一般式(II):

(式中、R 1 、R 2 、R 3 およびmは、前記と同じ意味を表わす。)で示 れる4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類の 製造方法を提供する。

 また、本発明は、下記一般式(I):

(式中、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を 表わす。R 2 は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1~3 のアルキル基または炭素数1~3のパーフルオロ アルキル基を表わす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフル オロアセチル基を表わす。mは、0~4の整数を わす。)で示される4-(メチルチオ)アニリン類 を、塩化スルフリルと反応させることにより 、下記一般式(II):

(式中、R 1 、R 2 、R 3 およびmは、前記と同じ意味を表わす。)で示 れる4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類を 得る工程と、前記一般式(II)で示される4-(ト クロロメチルチオ)アニリン類を、フッ素化 と反応させることにより、下記一般式(III):

(式中、R 1 、R 2 およびmは、前記と同じ意味を表わす。R 4 は、水素原子、ホルミル基、アセチル基また はトリフルオロアセチル基を表わす。)で示 れる4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類 得る工程と、を含む4-(トリフルオロメチル オ)アニリン類の製造方法を提供する。フッ 素化剤としては、フッ化水素および/または ッ化水素-アミン錯体を好ましく用いること できる。

 さらに本発明は、下記一般式(II):

(式中、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基を 表わす。R 2 は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1~3 のアルキル基または炭素数1~3のパーフルオロ アルキル基を表わす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフル オロアセチル基を表わす。mは、0~4の整数を わす。)で示される4-(トリクロロメチルチオ) アニリン類を提供する。

 本発明において、上記一般式(I)および(II)に おけるR 3 は、アセチル基であることが好ましい。

 本発明によれば、4-(トリクロロメチルチ )アニリン類を、4-(トリフルオロメチルチオ )アニリン類の製造のための製造中間体とし いるため、工業的に入手が容易で、比較的 全性の高い試薬、および比較的簡便な設備 用いて4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン を高収率で製造することができる。4-(トリ ロロメチルチオ)アニリン類は、本発明によ り、工業生産に適した方法で、高収率で製造 することができる。

 <4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類>
 本発明の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン 類は、下記一般式(II):

で示される。本発明の4-(トリクロロメチル チオ)アニリン類を中間体として用いること より、比較的簡便な製造設備および方法で かつ高収率で4-(トリフルオロメチルチオ)ア リン類を得ることができる。

 上記一般式(II)において、R 1 は、水素原子または炭素数1~3のアルキル基で ある。炭素数1~3のアルキル基を具体的に示せ ば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イ プロピル基である。R 2 は、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基ま たは炭素数1~3のパーフルオロアルキル基を表 わす。ハロゲン原子の具体例を示せば、F、Cl 、Br、I原子である。炭素数1~3のアルキル基の 具体例を示せば、メチル基、エチル基、プロ ピル基、イソプロピル基である。炭素数1~3の パーフルオロアルキル基の具体例を示せば、 トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチ ル基等である。R 2 の数を示すmは0~4の整数である。R 2 は、ベンゼン骨格の2、3、5、6位から選択さ るいずれの位置に結合されていてもよい。 般式(II)で示される4-(トリクロロメチルチオ) アニリン類がR 2 を複数有する場合、これらのR 2 は、同じであってもよく、異なっていてもよ い。

 R 3 は、ホルミル基、アセチル基またはトリフル オロアセチル基を表わし、本発明の4-(トリク ロロメチルチオ)アニリン類の製造方法にお て、アミノ基またはアルキル置換アミノ基 保護基としての役割を果たす。R 3 は、ホルミル基、アセチル基およびトリフル オロアセチル基の中から選択されるいずれの 基であってもよいが、得られる4-(トリクロロ メチルチオ)アニリン類の収率および純度等 考慮すると、R 3 は、アセチル基またはホルミル基であること が好ましく、アセチル基であることがより好 ましい。また、4-(トリクロロメチルチオ)ア リン類から4-(トリフルオロメチルチオ)アニ ン類を調製する場合における、4-(トリフル ロメチルチオ)アニリン類の収率および純度 等を考慮すると、R 3 は、アセチル基またはトリフルオロアセチル 基であることが好ましく、アセチル基である ことがより好ましい。アミノ基またはアルキ ル置換アミノ基が、これらいずれの基によっ ても保護されていない場合および上記以外の 保護基で保護されている場合には、4-(トリク ロロメチルチオ)アニリン類はほとんど生成 ないか、たとえ生成しても、その収率およ 純度は著しく低い。

 次に、本発明の4-(トリクロロメチルチオ) アニリン類の製造方法について説明する。本 発明の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類 、いずれの方法により調製されてもよいが その製造には次に示す方法を好適に用いる とができる。すなわち、下記一般式(I):

で示される4-(メチルチオ)アニリン類を、塩 スルフリルを用いてクロロ化する方法であ 。ここで、上記一般式(I)におけるR 1 、R 2 、R 3 およびmは、上記一般式(II)の場合と同じ意味 表わす。以下、一般式(I)の4-(メチルチオ)ア ニリン類から、塩化スルフリルを用いて、一 般式(II)の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン を製造する方法について詳細に説明する。

 クロロ化反応における、塩化スルフリル 使用量は、理論的には、一般式(I)の4-(メチ チオ)アニリン類に対して3当量であるが、 応の状況に応じて適宜増減させてもよい。 体的には、塩化スルフリルの使用量は、一 式(I)の4-(メチルチオ)アニリン類1モルに対し て、通常3~10モルであり、好ましくは、3~4モ である。

 クロロ化反応は、溶媒を用いずに行なう とも可能であるが、通常、溶媒の存在下に 施する。溶媒としては、たとえば、トルエ 、キシレン等の芳香族炭化水素、クロロベ ゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ヘキ ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、クロロ ルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素、ジオ サン、テトラヒドロフラン等のエーテル、 酸エチル等のエステル、メチルイソブチル トン等のケトンなどを挙げることができる クロロ化反応の反応性等を考慮すると、溶 は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水 、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭 水素、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族 化水素などが好ましく、トルエン、キシレ 、クロロベンゼンなどがより好ましい。溶 の使用量は、特に制限されないが、たとえ 一般式(I)の4-(メチルチオ)アニリン類1質量 に対して、0.5~50質量部程度とすることがで 、好ましくは、1~20質量部、より好ましくは1 ~10質量部程度である。

 クロロ化反応の反応温度は、通常-20~100℃ であり、好ましくは0~80℃の範囲である。好 しい反応時間は、反応温度や塩化スルフリ の使用量等により異なるが、通常、瞬時~100 間であり、典型的には、1~24時間程度の範囲 である。

 反応の進行は、たとえば反応混合物を一 取り出し、薄層クロマトグラフィー、ガス ロマトグラフィー、高速液体クロマトグラ ィー等の分析手段を用いて、反応混合物中 存在する一般式(I)の4-(メチルチオ)アニリン 類および一般式(II)の4-(トリクロロメチルチ )アニリン類の量を定性的または定量的に分 することにより確認することができる。本 ロロ化反応においては、4-(メチルチオ)アニ リン類のモノクロロ体およびジクロロ体が中 間体として生成するが、上記分析手段により 、反応途中における、これらの中間体の量を 分析することもできる。

 本発明に従うクロロ化方法によれば、工業 に有利な手法で、高収率、高純度の一般式( II)の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類を ることができる。本発明のクロロ化方法に ると、ベンゼン環のクロロ化、およびR 2 がアルキル基である場合における該アルキル 基のクロロ化をほとんど起こすことなく、高 純度の一般式(II)の4-(トリクロロメチルチオ) ニリン類を製造することができる。

 反応終了後の反応混合物は、そのまま、次 4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類の調 製に供してもよいし、たとえば、次に示す後 処理工程を経て、一般式(II)の4-(トリクロロ チルチオ)アニリン類を単離してもよい。
(a)反応混合物から未反応の塩化スルフリルを 除去する工程。
(b)反応混合物を水、アルカリ性水溶液、飽和 食塩水等で洗浄する工程。
(c)4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類を単 する工程。

 上記工程(a)において、未反応の塩化スル リルを除去する方法としては、たとえば、1 )反応混合物に不活性ガス(たとえば、窒素、 ルゴン等)を吹き込む方法、2)反応混合物を 必要に応じて有機溶媒で希釈した後、部分 縮する方法、などを挙げることができる。 釈に用いられる有機溶媒としては、特に限 されないが、たとえば、トルエン、キシレ 等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン等の ロゲン化芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプ ン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム等の ロゲン化脂肪族炭化水素、ジオキサン、テ ラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エチル のエステル、メチルイソブチルケトン等の トン、およびそれらの混合物などが挙げら る。

 上記工程(b)において、反応混合物の洗浄 、たとえば、必要に応じて疎水性有機溶媒 希釈した後、水、アルカリ性水溶液、飽和 塩水などの洗浄水を用いて行なうことがで る。疎水性有機溶媒としては、たとえば、 酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、ヘキ ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、クロロ ルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、トル ン、キシレン等の芳香族炭化水素、クロロ ンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化 香族炭化水素、メチルイソブチルケトン等 ケトン、tert-ブチルメチルエーテル、ジイ プロピルエーテル、メチルシクロペンチル ーテル等のエーテル、4-メチル-2-ペンタノー ル、sec-ブタノールなどの水と分液するアル ール、およびそれらの混合物などが挙げら る。アルカリ性水溶液としては、たとえば 酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウ 水溶液等を挙げることができる。

 上記工程(c)において、4-(トリクロロメチ チオ)アニリン類を単離する方法としては、 たとえば1)洗浄後の有機層を蒸発、乾固させ 方法、2)洗浄後の有機層を必要に応じて部 濃縮した後、必要に応じて冷却して、生じ 固体を濾別する方法、3)洗浄後の有機層を必 要に応じて部分濃縮し、水と親水性有機溶媒 との任意の割合の混合物に注加した後、必要 に応じて冷却して、生じた固体を濾別する方 法、などを挙げることができる。親水性有機 溶媒としては、特に制限されないが、たとえ ば、メタノール、エタノール、イソプロピル アルコール、tert-ブチルアルコール等のアル ールなどを用いることができる。

 濾別した固体(4-(トリクロロメチルチオ) ニリン類)は、乾燥してもよいし、乾燥する となく、次工程の4-(トリフルオロメチルチ )アニリン類の調製に供してもよい。また、 単離した乾燥または未乾燥状態の固体は、た とえば、再結晶、カラムクロマトグラフィー 、水または貧溶媒等による洗浄等により、さ らに精製することができる。貧溶媒としては 、たとえば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族 炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭 化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン 等のハロゲン化芳香族炭化水素、tert-ブチル チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、 チルシクロペンチルエーテル等のエーテル およびそれらの混合物が挙げられる。

 なお、上記(a)~(c)の工程の1または2以上は 略されてもよい。たとえば、反応混合物へ 不活性ガスの吹き込み、部分濃縮を行なう となく、工程(b)を行ない、洗浄時における またはアルカリ性水溶液などとの接触によ 、未反応の塩化スルフリルを分解、除去し もよい。また、未反応の塩化スルフリルが 去された反応混合物を、工程(b)および(c)、 たは工程(c)を行なうことなく、次工程の4-( リフルオロメチルチオ)アニリン類の調製に 供してもよい。

 次に、上記一般式(I)で示される4-(メチル オ)アニリン類の製造方法について説明する 。一般式(I)で示される4-(メチルチオ)アニリ 類は、たとえば、以下に示す反応(A-1)~(A-2)お よび(B-1)~(B-2)に示される反応等により調製す ことができる。

 ここで、化合物(I-a)、(I-b)および(I-c)におけ R 1 、R 2 、R 3 およびmは、一般式(I)の場合と同じ意味を表 す。

 反応(A-1)は、一般式(I)のR 1 が水素原子である場合には行なわない。R 1 が炭素数1~3のアルキル基である場合における 反応(A-1)のアルキル化は、化合物(I-a)と下記 般式(IV):
 R 5 -Y      (IV)
で示される化合物(以下、化合物(IV)と称する) とを反応させることにより行なうことができ る。ここで、一般式(IV)におけるR 5 は、炭素数1~3のアルキル基であり、Yは、脱 基を表わす。

 脱離基Yとしては、たとえば、塩素原子、臭 素原子、ヨウ素原子、CH 3 SO 3 -、p-CH 3 C 6 H 4 SO 3 -、CH 3 OSO 3 -などを挙げることができる。化合物(IV)の具 例としては、たとえば、ジメチル硫酸、ヨ 化メチル、メタンスルホン酸エチル、臭化 チル、塩化イソプロピル、p-トルエンスル ン酸プロピル等を挙げることができる。

 反応(A-1)のアルキル化は、通常、塩基の 在下、溶媒中で行なわれる。溶媒としては たとえば、アセトン、メチルエチルケトン メチルイソブチルケトン等のケトン、ベン ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水 、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素 ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテ ル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1, 2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、 シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル 、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロ ベンゼン等のハロゲン化炭化水素、アセトニ トリル、プロピオニトリル等のニトリル、N,N -ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセト ミド、1-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル ミダゾリノン、ジメチルスルホキシド等の プロトン性極性溶媒、水、およびこれらの 合物が挙げられる。

 塩基としては、たとえば、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の 酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウ 、水素化カルシウム等のアルカリ金属もし はアルカリ土類金属の水素化物、炭酸ナト ウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属もし はアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウム チラート、ナトリウムメチラート等のアル リ金属のアルコラート、ノルマルブチルリ ウム、リチウムジイソプロピルアミド等の 機リチウム試薬およびトリエチルアミン、 リジン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウン セン等の有機塩基が挙げられる。

 化合物(IV)の使用量は特に限定されず、化 合物(IV)が反応条件下において液体である場 には、化合物(IV)を反応溶媒として用いるこ もできるが、通常は、化合物(I-a)1モルに対 て、1~10モル程度であり、好ましくは2~5モル 程度である。また、塩基の使用量も特に限定 されるものではなく、化合物(I-a)1モルに対し て、1~10モル程度であり、好ましくは2~5モル 度である。

 アルキル化の反応温度は、通常-78~150℃の 範囲であり、好ましくは0~100℃の範囲である 反応時間は、反応温度により異なるが、通 、瞬時~100時間の範囲である。

 反応終了後は、たとえば、反応混合物を に注加し、必要に応じて中和した後、有機 媒抽出してから、有機層を乾燥、濃縮する の、通常の後処理操作を行なうことにより 化合物(I-b)を単離することができる。単離 れた化合物(I-b)は再結晶、カラムクロマトグ ラフィー等により、さらに精製することがで きる。また、単離された化合物(I-b)は、精製 ることなく、次工程に使用することもでき 。あるいは、反応終了後の反応混合物につ ての後処理操作の一部または全部を行なう となく、次工程に進んでもよい。

 一般式(I)におけるR 3 がアセチル基またはトリフルオロアセチル基 である場合には、上記化合物(I-b)を、下記一 式(V):
 R 6 2 O      (V)
で示される化合物(以下、化合物(V)と称する) 反応させることにより、また、一般式(I)に けるR 3 がホルミル基である場合には、Tetrahedron Lette rs,23(33),3315(1982)に記載されている方法により 一般式(I)で示される4-(メチルチオ)アニリン 類を得ることができる(反応(A-2))。ここで、 般式(V)におけるR 6 は、アセチル基またはトリフルオロアセチル 基を表わす。

 反応(A-2)は、塩基の存在下または非存在 、溶媒中または溶媒の非存在下で行なうこ ができる。溶媒としては、たとえば、アセ ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ ケトン等のケトン、ベンゼン、トルエン、 シレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘ タン等の脂肪族炭化水素、ジエチルエーテ 、tert-ブチルメチルエーテル、テトラヒドロ フラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタ 、1,2-ジエトキシエタン、シクロペンチルメ チルエーテル等のエーテル、クロロホルム、 クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロ ゲン化炭化水素、アセトニトリル、プロピオ ニトリル等のニトリル、N,N-ジメチルホルム ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2 -ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリノン、 メチルスルホキシド等の非プロトン性極性 媒、水、およびこれらの混合物が挙げられ 。

 塩基としては、たとえば、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の 酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウ 、水素化カルシウム等のアルカリ金属もし はアルカリ土類金属の水素化物、炭酸ナト ウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属もし はアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウム チラート、ナトリウムメチラート等のアル リ金属のアルコラート、ノルマルブチルリ ウム、リチウムジイソプロピルアミド等の 機リチウム試薬およびトリエチルアミン、 リジン、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウン セン等の有機塩基が挙げられる。

 化合物(V)および塩基の使用量は特に限定 れず、通常は、化合物(I-b)1モルに対して、 れぞれ1~6モル程度である。反応温度は、通 -78~150℃の範囲であり、好ましくは0~100℃の 囲である。反応時間は、反応温度により異 るが、通常、瞬時~100時間の範囲である。

 反応終了後は、たとえば、反応混合物を に注加し、必要に応じて中和した後、有機 媒抽出してから、有機層を乾燥、濃縮する の、通常の後処理操作を行なうことにより 一般式(I)で示される4-(メチルチオ)アニリン 類を単離することができる。単離後に、再結 晶、カラムクロマトグラフィー等により、さ らに精製することができる。また、単離され た一般式(I)で示される4-(メチルチオ)アニリ 類は、精製することなく、次工程に使用す こともできる。あるいは、反応終了後の反 混合物についての後処理操作の一部または 部を行なうことなく、次工程に進んでもよ 。

 反応(B-1)及び(B-2)を経由する一般式(I)の4-(ト リクロロメチルチオ)アニリン類の製造は、 応(A-1)及び(A-2)を経由する場合と比較すると R 1 およびR 3 の導入順序が異なるのみで、基本的には同様 にして化合物(I-a)から一般式(I)の化合物を製 することができる。なお、反応(B-2)は、一 式(I)のR 1 が水素原子である場合には行なわない。

 化合物(I-a)は、特開昭55-129263号公報等に 載されている化合物であり、工業的に入手 能な化合物から容易に製造することができ 。たとえば、以下に示すように、1)メルカプ トアニリン類(化合物(I-d))と、ジメチル硫酸 たはヨウ化メチルとの反応(反応(C-1))および 2)アニリン類(化合物(I-e))とチオシアン酸塩 の反応により、チオシアノアニリン類(化合 物I-f)を得た後、アルカリ条件下等でチオシ ノ基をメチルチオ基に変換する方法(反応(D-1 ))、などを挙げることができる。

 <4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類&g t;
 本発明に係る4-(トリフルオロメチルチオ)ア ニリン類は、下記一般式(III):

で示される化合物である。この4-(トリフル オロメチルチオ)アニリン類は、上記本発明 一般式(II)の4-(トリクロロメチルチオ)アニリ ン類から、効率よく製造することができる。

 ここで、一般式(III)におけるR 1 、R 2 およびmは、一般式(II)の場合と同じ意味であ 。R 4 は、水素原子、ホルミル基、アセチル基また はトリフルオロアセチル基を表わす。一般式 (III)で示される4-(トリフルオロメチルチオ)ア ニリン類は、R 4 が水素原子である化合物と、R 4 がホルミル基、アセチル基またはトリフルオ ロアセチル基である化合物との混合物であっ てもよい。

 一般式(III)で示される4-(トリフルオロメ ルチオ)アニリン類は、上記した本発明の一 式(II)で示される4-(トリクロロメチルチオ) ニリン類から、従来公知のフッ素化剤を用 て製造することができる。一般式(II)で示さ る4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類とし ては、上記した本発明の製造方法により製造 したものを好適に用いることができる。

 フッ素化剤としては、特に制限されない 、たとえばHF(フッ化水素)、HF-アミン錯体、 およびこれらの混合物を用いることができる 。HF-アミン錯体としては、たとえば、ピリジ ン-HF、トリエチルアミン-HFなどを挙げること ができる。アミンとHFとの組成比は特に制限 れない。フッ素化剤の使用量は、理論的に 、一般式(II)の4-(トリクロロメチルチオ)ア リン類に対して3当量であるが、反応の状況 応じて適宜増減させてもよい。具体的には フッ素化剤がHFの場合、HFの使用量は、一般 式(II)の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類1 モルに対して、通常3~100モルである。過剰分 HFおよび/またはHF-アミン錯体は、回収、再 用することも可能である。

 フッ素化反応は、触媒や溶媒の存在下に なうことができる。触媒としては、たとえ フッ化アンチモン等のハロゲン金属が挙げ れ、その使用量は、一般式(II)の4-(トリクロ ロメチルチオ)アニリン類1モルに対して、触 量~過剰量(たとえば、0.001~10モル程度、好ま しくは、0.01~1モル程度)とすることができる

 溶媒としては、たとえば、トルエン、キ レン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン のハロゲン化芳香族炭化水素、ヘキサン、 プタン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム のハロゲン化脂肪族炭化水素、ジオキサン テトラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エ ル等のエステル、メチルイソブチルケトン のケトンなどを挙げることができる。フッ 化反応の反応性等を考慮すると、溶媒は、 ましくはトルエン、キシレン等の芳香族炭 水素、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香 炭化水素、クロロホルム等のハロゲン化脂 族炭化水素などであり、より好ましくはト エン、キシレン、クロロベンゼンなどであ 。溶媒の使用量は、特に制限されないが、 とえば一般式(II)の4-(トリクロロメチルチオ )アニリン類1質量部に対して、0.5~30質量部程 とすることができる。好ましくは、1~10質量 部程度である。

 フッ素化反応の反応温度は、フッ素化剤 HFの場合は、通常-20~100℃であり、フッ素化 がピリジン-HF錯体等のHF-アミン錯体である 合は、通常100~250℃の範囲である。好ましい 反応時間は、反応温度やフッ素化剤および触 媒の使用量等により異なるが、通常、瞬時~10 0時間であり、典型的には、1~24時間程度の範 である。フッ素化反応は、オートクレーブ の加圧反応装置を用いて加圧下で行なわれ もよい。

 反応の進行は、たとえば反応混合物を一 取り出し、薄層クロマトグラフィー、高速 体クロマトグラフィー等の分析手段を用い 、反応混合物中に存在する一般式(II)の4-(ト リクロロメチルチオ)アニリン類および一般 (III)の4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン の量を定性的または定量的に分析すること より確認することができる。本フッ素化反 においては、4-(トリクロロメチルチオ)アニ ン類のモノフルオロ体およびジフルオロ体 中間体として生成するが、上記分析手段に り、反応途中における、これらの中間体の を分析することもできる。なお、本フッ素 反応においては、フッ素反応の反応温度や ッ素化剤の量などの調整により、4-(トリク ロメチルチオ)アニリン類のモノフルオロ体 および/またはジフルオロ体を得ることもで る。また、本フッ素化反応においては、反 条件および後処理時の条件によっては、ア ノ基またはアルキル置換アミノ基の保護基( ルミル基、アセチル基またはトリフルオロ セチル基)が脱保護される場合があるが、こ の場合、一般式(III)の4-(トリフルオロメチル オ)アニリン類は、当該保護基を有するもの と、有しないものとの混合物として、もしく は保護基を有しないもの単独として得られる 。

 反応終了後の反応混合物は、そのまま、農 等の製造工程に供してもよいし、たとえば 次に示す後処理工程を経て、一般式(III)の4- (トリフルオロメチルチオ)アニリン類を単離 てもよい。
(i)反応混合物を水、アルカリ性水溶液、飽和 食塩水等で洗浄する工程。
(ii)4-(トリフルオロメチルチオ)アニリン類を 離する工程。

 上記工程(i)において、反応混合物の洗浄 、たとえば、必要に応じて疎水性有機溶媒 希釈した後、水、アルカリ性水溶液、飽和 塩水などの洗浄水を用いて行なうことがで る。疎水性有機溶媒としては、先に一般式( II)の4-(トリクロロメチルチオ)アニリン類に いて記載したものを用いることができる。

 上記工程(ii)において、4-(トリフルオロメ チルチオ)アニリン類を単離する方法として 、たとえば1)洗浄後の有機層を蒸発、乾固さ せる方法、2)洗浄後の有機層を必要に応じて 分濃縮した後、必要に応じて冷却して、生 た固体を濾別する方法、3)洗浄後の有機層 必要に応じて部分濃縮し、水と親水性有機 媒との任意の割合の混合物に注加した後、 要に応じて冷却して、生じた固体を濾別す 方法、4)洗浄後の有機層を濃縮し、濃縮物を 蒸留する方法、などを挙げることができる。 親水性有機溶媒としては、一般式(II)の4-(ト クロロメチルチオ)アニリン類について記載 たものを用いることができる。

 濾別した固体(4-(トリフルオロメチルチオ )アニリン類)は、乾燥してもよいし、乾燥す ことなく、農薬等の製造工程に供してもよ 。また、単離した乾燥または未乾燥状態の 体は、たとえば、再結晶、カラムクロマト ラフィー、水または貧溶媒等による洗浄等 より、さらに精製することができる。貧溶 としては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等 芳香族炭化水素、クロロベンゼン、ジクロ ベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、t ert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピル ーテル、メチルシクロペンチルエーテル等 エーテル、およびそれらの混合物が挙げら る。

 以下、実施例および比較例を挙げて本発 をより詳細に説明するが、本発明はこれら 限定されるものではない。

 (製造例1:2-フルオロ-4-メチルチオアニリ の合成-1)

 2-フルオロ-4-メルカプトアニリン59.79g、t- ブチルメチルエーテル167.01gおよびヨウ化メ ル59.79gの混合物に、内温を20~30℃に制御しな がら、トリエチルアミン43.72gを45分間かけて 下した。室温で2時間攪拌後、水150.16gを注 し、分液した。水層をt-ブチルメチルエーテ ル105gで2回抽出し、合わせた有機層を硫酸マ ネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し 2-フルオロ-4-メチルチオアニリン(化合物S-1) 57.88gを得た。

 得られた化合物S-1の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.43(s,3H)、3.6-3.8(br,2H)、6.66-6.73(m,1H) 6.93-7.02(m,2H)。

 (製造例2:N-アセチル-2-フルオロ-4-メチル オアニリンの合成)

 化合物S-1 40.41gに、氷冷下に攪拌下、無 酢酸26.24gを1.5時間かけて滴下した。室温で1 間攪拌後、tert-ブチルメチルエーテル40gを え、得られた混合物を内温20~25℃でさらに2 間攪拌した。反応混合物に、酢酸エチル400g よび水80gを加えた後、内温45~51℃で分液し 。有機層を飽和重曹水80gで2回洗浄した。有 層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した 残渣(49.02g)をヘキサン50gで2回洗浄後、乾燥 て、N-アセチル-2-フルオロ-4-メチルチオア リン(化合物S-2)48.60gを得た。

 得られた化合物S-2の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.21(s,3H)、2.46(s,3H)、6.98-7.03(m,2H)、7.3 4(br,1H)、8.16-8.21(m,1H)。

 (製造例3:N-アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4 -メチルチオアニリンの合成)

 化合物S-2 3.05g、アセトン8.97gおよび炭酸 リウム2.09gの混合物に、室温下、ジメチル 酸2.38gを滴下後、得られた混合物を54℃に昇 し、50時間攪拌した。途中、ジメチル硫酸2. 97g、炭酸カリウム2.08gおよびアセトン4.46gを 加した。混合物を室温に冷却し、水38gおよ 酢酸エチル20gを加え、分液した。水層を酢 エチル20gで抽出後、油層を合わせ、硫酸マ ネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮して、N- アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4-メチルチオア ニリン(化合物S-3)を含有する生成物3.32g得た 該生成物をガスクロマトグラフィー(以下、G C)にて分析したところ、化合物S-3のGC面積百 率は、97.9%であった。

 得られた化合物S-3の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):1.87(s,3H)、2.51(s,3H)、3.20(s,3H)、7.0-7.1( m,2H)、7.1-7.2(m,1H)。

 (製造例4:2-フルオロ-4-チオシアノアニリ の合成)

 チオシアン酸ナトリウム210.9gおよびメタ ール200.9gの混合液に、内温を-10~-6℃に制御 ながら、臭化ナトリウム60.2g、メタノール16 6.6gおよび臭素163.7gからなる溶液を90分間かけ て滴下した。その混合液に、内温-10~-5℃に制 御しながら、2-フルオロアニリン100.0gを50分 かけて滴下した。得られた混合物を同温度 3時間攪拌後、0℃に冷却された水784gへ注加 た。得られた混合物を炭酸ナトリウムで中 した後、クロロホルム196gで2回抽出し、有機 層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して、 2-フルオロ-4-チオシアノアニリン(化合物S-4)15 1.9gを得た。

 (製造例5:2-フルオロ-4-メチルチオアニリ の合成-2)

 化合物S-4 1.93gとメタノール5.68gとの混合 に、室温下、水酸化ナトリウム0.45gとメタ ール5.68gとの混合物を65分間かけて滴下後、 られた混合物を55-60℃に昇温し、2時間攪拌 た。得られた反応物を高速液体クロマトグ フィー(以下、HPLC)にて分析したところ、2- ルオロ-4-メチルチオアニリン(化合物S-1)のHPL C面積百分率は、75.9%であった。

 <実施例1:N-アセチル-2-フルオロ-4-トリ ロロメチルチオアニリンの合成-1)

 化合物S-2 3.03gとクロロホルム9.0gとの混 物に、室温下、塩化スルフリル6.34gとクロロ ホルム9.0gとの混合物を10分間かけて滴下した 。次に、得られた混合物を60℃に昇温して4時 間攪拌した。途中、クロロホルム3.05gおよび 化スルフリル0.46gを追加した。室温に冷却 た後、水17.9gに反応混合物を注加した。つい で、酢酸エチル36.8gおよび水10.1gを加えた後 分液した。水層をさらに酢酸エチル9gで2回 出した。有機層を合わせた後、飽和重曹水20 .8gおよび飽和食塩水20gで順に洗浄した。有機 層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して、 N-アセチル-2-フルオロ-4-トリクロロメチルチ アニリン(化合物E-1)を含有する生成物を得 (4.54g)。該生成物をGCにて分析したところ、 合物E-1のGC面積百分率は、97%であった。該生 成物をさらにシリカゲルカラムクロマトグラ フィーに付して精製物を得た。

 得られた化合物E-1の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.27(s,3H)、7.55(dd,1H,J=10.4,2.0Hz)、7.57(d, 1H,J=7.6Hz)、8.55(dd,1H,J=10.4,7.6Hz)。

 <実施例2:N-アセチル-2-フルオロ-4-トリ ロロメチルチオアニリンの合成-2)

 化合物S-2 3.02gとクロロベンゼン9.0gとの 合物に、室温下、塩化スルフリル6.75gとクロ ロベンゼン9.0gとの混合物を15分間かけて滴下 した。ついで、得られた混合物を60-65℃に昇 して、3時間攪拌した。途中、塩化スルフリ ル0.07gを追加した。次に、室温に冷却した後 酢酸エチル42.1gおよび水12gを加えた後、分 した。水層をさらに酢酸エチル9gで2回抽出 た。有機層を合わせた後、飽和重曹水9.0gお び飽和食塩水9.0gで順に洗浄した。有機層を 硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して、N-ア チル-2-フルオロ-4-トリクロロメチルチオア リン(化合物E-1)を含有する生成物を得た(4.49 g)。該生成物をGCにて分析したところ、化合 E-1のGC面積百分率は、99%であった。

 <参考例1:N-アセチル-2-フルオロ-4-トリ ロロメチルチオアニリンの合成-3)

 化合物S-2 30.2gとモノクロロベンゼン299g の混合物に、室温下、光照射した(光源:250W 圧水銀灯)。次に、前記混合物に攪拌下、塩 ガス45.4gを7.5時間で吹き込んだ。反応混合 に窒素ガスを吹き込んで系中のガスを窒素 換した後、酢酸エチル180gおよび水120gを加え 、5%水酸化ナトリウム水溶液を、水層のpHが6 なるまで加えた。分液後、有機層を硫酸マ ネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をジイ プロピルエーテル40gで3回洗浄して、N-アセ ル-2-フルオロ-4-トリクロロメチルチオアニ ン(化合物E-1)を含有する生成物31.8gを得た。 該生成物をGCにて分析したところ、化合物E-1 GC面積百分率は、90%であった。

 <実施例3:N-アセチル-N-メチル-2-フルオ -4-トリクロロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4-メチル オアニリン(化合物S-3)1.08gとクロロベンゼン3 .20gとの混合物に、室温下、塩化スルフリル2. 25gとクロロベンゼン3.20gとの混合物を35分間 けて滴下した。混合物を60-65℃に昇温して4 間攪拌した。塩化スルフリル0.11gを追加し、 混合物を同温度で2時間攪拌した。混合物を 温に冷却した後、水6.3gを加え、洗浄後、分 した。水層をさらにクロロベンゼン3.2gで2 抽出した。有機層を合わせた後、飽和重曹 6.3g、飽和食塩水12.4gで順に洗浄した。有機 を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、N-ア セチル-N-メチル-2-フルオロ-4-トリクロロメチ ルチオアニリン(化合物E-2)を含有する生成物1 .52gを得た。該生成物をGCにて分析したところ 、化合物E-2のGC面積百分率は、92%であった。 生成物をさらにシリカゲルカラムクロマト ラフィーに付して精製物を得た。

 得られた化合物E-2の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):1.92(bs,3H)、3.28(bs,3H)、7.3-7.5(m,1H)、7.6 -7.7(m,2H)。

 <参考例2:N-アセチル-N-メチル-2-フルオ -4-トリクロロメチルチオアニリンの合成-2)

 N-アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4-メチル オアニリン(化合物S-3)2.15gとクロロホルム21.3 gとの混合物に、室温下、光照射した(光源:250 W高圧水銀灯)。次に、前記混合物に攪拌下、 素ガス3.6gを2.5時間で吹き込んだ。反応混合 物に窒素ガスを吹き込んで系中のガスを窒素 置換した後、酢酸エチル12.8gおよび水8.5gを加 え、5%の水酸化ナトリウム水溶液を、水層のp Hが6になるまで加えた。分液後、有機層を硫 マグネシウムで乾燥後、濃縮し、N-アセチ -N-メチル-2-フルオロ-4-トリクロロメチルチ アニリン(化合物E-2)を含有する生成物を3.46g た。該生成物をGCにて分析したところ、化 物E-2のGC面積百分率は、49%、原料である化合 物S-3のGC面積百分率は、3.6%であった。

 <実施例4:N-トリフルオロアセチル-2-フ オロ-4-トリクロロメチルチオアニリンの合 )

 N-トリフルオロアセチル-2-フルオロ-4-メ ルチオアニリン3.07gとクロロベンゼン9.10gと 混合物に、室温下、塩化スルフリル5.40gと ロロベンゼン9.10gとの混合物を35分間かけて 下した。混合物を20-25℃にて20時間攪拌した 後、45℃に昇温して3時間攪拌した。塩化スル フリル0.82gを追加し、得られた混合物を同温 で2時間、さらに55℃に昇温して2時間攪拌し た。さらに塩化スルフリル0.82gを追加し、得 れた混合物を同温度で17時間攪拌した後、 化スルフリル1.63gを追加し、得られた混合物 を同温度で2時間攪拌後、さらに塩化スルフ ル1.63gを追加し、得られた混合物を65℃に昇 して2時間攪拌した。混合物を室温に冷却し た後、水18.2gを加え、洗浄後、分液した。水 をさらにクロロベンゼン9.4gで2回抽出した 有機層を合わせた後、飽和重曹水13.80gで洗 した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後 濃縮し、N-トリフルオロアセチル-2-フルオロ -4-トリクロロメチルチオアニリン(化合物E-3) 含有する生成物3.86gを得た。該生成物をGCに て分析したところ、化合物E-3のGC面積百分率 、77%であった。該生成物をさらにシリカゲ カラムクロマトグラフィーに付して精製物 得た。

 得られた化合物E-3の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):7.64-7.68(m,2H)、8.21(bs,1H)、8.49(dd,1H,J=8. 0,8.0Hz)。

 <実施例5:N-ホルミル-2-フルオロ-4-トリ ロロメチルチオアニリンの合成)

 N-ホルミル-2-フルオロ-4-メチルチオアニ ン1.15gとクロロベンゼン3.33gとの混合物に、 温下、塩化スルフリル2.67gとクロロベンゼ 3.33gとの混合物を18分間かけて滴下した。混 物を20-25℃にて1.5時間攪拌した後、60-65℃に 昇温して3時間攪拌した。混合物を室温に冷 した後、水6.7gに反応混合物を加え、次いで 酸エチル26.4gを加え、洗浄後、分液した。 層をさらに酢酸エチル5.0gで2回抽出した。有 機層を合わせた後、飽和重曹水5.0g、飽和食 水5.0gで順に洗浄した。有機層を硫酸マグネ ウムで乾燥後、濃縮し、N-ホルミル-2-フル ロ-4-トリクロロメチルチオアニリン(化合物E -4)を含有する生成物1.66gを得た。該生成物をG Cにて分析したところ、化合物E-4のGC面積百分 率は、97%であった。該生成物をさらにシリカ ゲルカラムクロマトグラフィーに付して精製 物1.54g(GC面積百分率100%)を得た。

 得られた化合物E-4の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):7.56-7.65(m,2H)、7.92(bs,1H)、8.53(s,1H)、8. 56(d,1H,J=8.4Hz)。

 <実施例6:N-アセチル-2-クロロ-4-トリク ロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-2-クロロ-4-メチルチオアニリ 4.31gとクロロベンゼン12.94gとの混合物に、室 温下、塩化スルフリル8.91gとクロロベンゼン1 2.94gとの混合物を80分間かけて滴下した。混 物を20-30℃にて2時間攪拌した後、40℃に昇温 して3時間攪拌した。さらに50℃に昇温して2 間攪拌した後、塩化スルフリル0.03gを追加し て、得られた混合物を同温度で1.5時間攪拌し 、さらに塩化スルフリル0.03gを追加して、得 れた混合物を同温度で1時間攪拌した。混合 物を室温に冷却し、水25.9gに反応混合物を加 、次いで酢酸エチル22.4gを加え、洗浄後、 液した。水層をさらに酢酸エチル12.9gで2回 出した。有機層を合わせた後、飽和重曹水29 .5g、飽和食塩水22.9gで順に洗浄した。有機層 硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、N-ア チル-2-クロロ-4-トリクロロメチルチオアニ ン(化合物E-5)を含有する生成物6.20gを得た。 生成物をGCにて分析したところ、化合物E-5 GC面積百分率は、99%であった。該生成物をさ らにシリカゲルカラムクロマトグラフィーに 付して精製物を得た。

 得られた化合物E-5の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.29(s,3H)、7.70(dd,1H,J=8.0,2.1Hz)、7.78(bs, 1H)、7.81(d,1H,J=2.7Hz)、8.60(d,1H,J=8.0Hz)。

 <実施例7:N-アセチル-2,3-ジメチル-4-トリ クロロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-2,3-ジメチル-4-メチルチオアニ リン1.68gとクロロベンゼン5.07gとの混合物に 室温下、塩化スルフリル3.57gとクロロベンゼ ン5.02gとの混合物を60分間かけて滴下した。 合物を20-30℃にて3時間攪拌した後、40℃に昇 温して2.5時間攪拌した。得られた混合物を、 さらに50℃に昇温して5.5時間攪拌した。混合 を室温に冷却し、水10.52gに反応混合物を加 、洗浄後、分液した。水層を酢酸エチル5.1g で2回抽出した。有機層を合わせた後、飽和 曹水10.0g、飽和食塩水7.5gで順に洗浄した。 機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し N-アセチル-2,3-ジメチル-4-トリクロロメチル オアニリン(化合物E-6)を含有する生成物2.48g を得た。該生成物をHPLCにて分析したところ 化合物E-6のHPLC面積百分率は、69%であった。 生成物をさらにシリカゲルカラムクロマト ラフィーに付して精製物を得た。

 得られた化合物E-6の 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.21(s,3H)、2.24(s,3H)、2.43(s,3H)、2.61(s,3 H)、7.39(d,1H,J=8.8Hz)、7.72(d,1H,J=8.8Hz)。

 <実施例8:N-アセチル-2-フルオロ-4-トリ ルオロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-2-フルオロ-4-トリクロロメチ チオアニリン(化合物E-1)0.38gとHF2.41gとの混合 物を、テフロン(登録商標)製反応容器に入れ 0℃で2時間、室温で20時間攪拌した。得られ た混合物を、予め0℃に冷却した水5.0gへ注加 次いで、酢酸エチル5.0gを加えた。飽和重曹 水を加えて混合物を中和した後、分液した。 酢酸エチル層を、水5.0gで2回洗浄して、N-ア チル-2-フルオロ-4-トリフルオロメチルチオ ニリン(化合物E-7a)を含有する酢酸エチル溶 を得た。化合物E-7aを含有する該酢酸エチル 液を、HPLCにて分析したところ、化合物E-7a HPLC面積百分率は、42%であった。

 前記酢酸エチル溶液の濃縮物を、濃塩酸 メタノールとの混合液(質量比1:10)に溶解し 該混合物を65℃で6時間攪拌する。該反応混 物を室温に冷却し、飽和重曹水に注加し、 酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネ ウムで乾燥後、減圧下に濃縮して2-フルオ -4-トリフルオロメチルチオアニリンを得る

 <実施例9:N-アセチル-2-フルオロ-4-トリ ルオロメチルチオアニリンの合成-2)

 N-アセチル-2-フルオロ-4-トリクロロメチ チオアニリン(化合物E-1)0.38gとピリジン-18HF 体2.63gとの混合物をオートクレーブに入れ、 90℃で2時間および120℃で3時間攪拌した。得 れた反応物を冷却し、水5.0gへ注加、次いで 酢酸エチル5.0gを加えた。飽和重曹水を加え て混合物を中和した後、分液した。酢酸エチ ル層を、水5.0gで2回洗浄し、硫酸マグネシウ で乾燥した後、減圧下、濃縮して、N-アセ ル-2-フルオロ-4-トリフルオロメチルチオア リン(化合物E-7a)および2-フルオロ-4-トリフル オロメチルチオアニリン(化合物E-7b;これは化 合物E-7aの脱アセチル体である)を含有する生 物を得た(0.24g)。化合物E-7aおよびE-7bを含有 る該生成物をHPLCにて分析したところ、化合 物E-7aのHPLC面積百分率は30.4%、化合物E-7bのHPLC 面積百分率は66.3%であった。

 前記酢酸エチル溶液の濃縮物を、濃塩酸 メタノールとの混合液(質量比1:10)に溶解し 該混合物を65℃で6時間攪拌する。該反応混 物を室温に冷却し、飽和重曹水に注加し、 酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネ ウムで乾燥後、減圧下に濃縮して2-フルオ -4-トリフルオロメチルチオアニリン(化合物E -7b)を得る。

 <実施例10:N-アセチル-N-メチル-2-フルオ -4-トリフルオロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4-トリク ロメチルチオアニリン(化合物E-2)0.33gとピリ ン-18HF錯体2.19gとの混合物を、オートクレー ブに入れ、90℃で2時間、120℃で2時間、150℃ 2時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却 、水5.0gへ注加、次いで、酢酸エチル5.0gを えた。飽和重曹水を加えて混合物を中和し 後、分液した。酢酸エチル層を、水5.0gで2回 洗浄し、N-アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4-ト フルオロメチルチオアニリン(化合物E-8a)お びN-メチル-2-フルオロ-4-トリフルオロメチ チオアニリン(化合物E-8b;これは化合物E-8aの アセチル体である)を含有する酢酸エチル溶 液を得た。化合物E-8aおよびE-8bを含有する酢 エチル溶液をHPLCにて分析したところ、化合 物E-8aのHPLC面積百分率は25.8%、化合物E-8bのHPLC 面積百分率は64.6%であった。

 前記酢酸エチル溶液の濃縮物を、濃塩酸 メタノールとの混合液(質量比1:10)に溶解し 該混合物を65℃で6時間攪拌する。該反応混 物を室温に冷却し、飽和重曹水に注加し、 酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネ ウムで乾燥後、減圧下に濃縮してN-メチル-2 -フルオロ-4-トリフルオロメチルチオアニリ (化合物E-8b)を得る。

 <実施例11:N-トリフルオロアセチル-2-フ オロ-4-トリフルオロメチルチオアニリンの 成)

 N-トリフルオロアセチル-2-フルオロ-4-ト クロロメチルチオアニリン(化合物E-3)0.29gと リジン-9HF錯体2.07gとの混合物を、オートク ーブに入れ、90℃で2時間、120℃で2時間、150 ℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物をHP LCにて分析したところ、N-トリフルオロアセ ル-2-フルオロ-4-トリフルオロメチルチオア リン(化合物E-9a)のHPLC面積百分率は11.1%、2-フ ルオロ-4-トリフルオロメチルチオアニリン( 合物E-7b;これは化合物E-9aの脱トリフルオロ セチル体である)のHPLC面積百分率は86.4%であ た。

 前記反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチル 抽出した。得られた有機層を水で洗浄後、 酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を 去した。得られた濃縮物を、濃塩酸とメタ ールとの混合液(質量比1:10)に溶解し、該混 物を65℃で6時間攪拌する。該反応混合物を 温に冷却し、飽和重曹水に注加し、酢酸エ ルで抽出する。有機層を硫酸マグネシウム 乾燥後、減圧下に濃縮して2-フルオロ-4-ト フルオロメチルチオアニリン(化合物E-7b)を る。

 <実施例12:N-ホルミル-2-フルオロ-4-トリ ルオロメチルチオアニリンの合成)

 N-ホルミル-2-フルオロ-4-トリクロロメチ チオアニリン(化合物E-4)0.37gとピリジン-9HF錯 体3.12gとの混合物を、オートクレーブに入れ 90℃で2時間、120℃で2時間、150℃で2時間攪 した。得られた反応混合物をHPLCにて分析し ところ、2-フルオロ-4-トリフルオロメチル オアニリン(化合物E-7b;これは化合物E-10aの脱 ホルミル体である)のHPLC面積百分率は97.8%で った。N-ホルミル-2-フルオロ-4-トリフルオロ メチルチオアニリン(化合物E-10a)は微量に存 するのみであった。

 上記の反応で得られた反応混合物を後処 に付した後、得られる生成物を、濃塩酸と タノールとの混合液(質量比1:10)に溶解し、 混合物を65℃で6時間攪拌する。該反応混合 を室温に冷却し、飽和重曹水に注加し、酢 エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネシ ムで乾燥後、減圧下に濃縮して2-フルオロ-4 -トリフルオロメチルチオアニリン(化合物E-7b )を得る。

 <実施例13:N-アセチル-2-クロロ-4-トリフ オロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-2-クロロ-4-トリクロロメチル オアニリン(化合物E-5)0.35gとピリジン-9HF錯体 2.60gとの混合物を、オートクレーブに入れ、9 0℃で3時間、120℃で3時間、150℃で2時間攪拌 た。得られた反応混合物をHPLCにて分析した ころ、N-アセチル-2-クロロ-4-トリフルオロ チルチオアニリン(化合物E-11a)のHPLC面積百分 率は13.5%、2-クロロ-4-トリフルオロメチルチ アニリン(化合物E-11b;これは化合物E-11aの脱 セチル体である)のHPLC面積百分率は84.4%であ た。

 得られた化合物E-11aおよび化合物E-11bの質量 分析データは次のとおりである。
E-11a:m/z=269(M) +
E-11b:m/z=227(M) +
 上記の反応で得られた反応混合物を水に注 、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重 水で中和し、水で洗浄した後、硫酸マグネ ウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。 縮物を、濃塩酸とメタノールとの混合液(質 量比1:10)に溶解し、該混合物を65℃で6時間攪 する。該反応混合物を室温に冷却し、飽和 曹水に注加し、酢酸エチルで抽出する。有 層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に 縮して2-クロロ-4-トリフルオロメチルチオ ニリン(化合物E-11b)を得る。

 <実施例14:N-アセチル-2,3-ジメチル-4-ト フルオロメチルチオアニリンの合成)

 N-アセチル-2,3-ジメチル-4-トリクロロメチ ルチオアニリン(化合物E-6)0.30gとピリジン-9HF 体2.23gとの混合物を、オートクレーブに入 、90℃で3時間攪拌した。得られた反応混合 をHPLCにて分析したところ、N-アセチル-2,3-ジ メチル-4-トリフルオロメチルチオアニリン( 合物E-12a)のHPLC面積百分率は33.1%、2,3-ジメチ -4-トリフルオロメチルチオアニリン(化合物 E-12b;これは化合物E-12aの脱アセチル体である) のHPLC面積百分率は49.3%であった。上記の反応 で得られた反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチ ルで抽出した。有機層を飽和重曹水で中和し 、水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥 し、減圧下に溶媒を留去した。濃縮物を、濃 塩酸とメタノールとの混合液(質量比1:10)に溶 解し、該混合物を65℃で6時間攪拌した。該反 応混合物を室温に冷却し、飽和重曹水に注加 し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マ グネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮して2,3- メチル-4-トリフルオロメチルチオアニリン( 合物E-12b)を得た。

 得られた化合物E-12bの 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.11(s,3H)、2.50(s,3H)、3.84(bs,2H)、6.55(d, 1H,J=8.0Hz)、7.36(d,1H,J=8.0Hz)。

 <実施例15:N-アセチル-N-メチル-2-フルオ -4-トリフルオロメチルチオアニリンの合成- 2)

 N-アセチル-N-メチル-2-フルオロ-4-トリク ロメチルチオアニリン(化合物E-2)0.32gとピリ ン-9HF錯体2.58gとの混合物を、オートクレー に入れ、90℃で1時間、120℃で2時間、150℃で 2時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却 、水3.2gへ注加、次いで、酢酸エチル4.0gを加 えた。飽和重曹水を加えて混合物を中和した 後、分液した。酢酸エチル層を、水5.0gで2回 浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減 下で濃縮して、N-アセチル-N-メチル-2-フル ロ-4-トリフルオロメチルチオアニリン(化合 E-8a)およびN-メチル-2-フルオロ-4-トリフルオ ロメチルチオアニリン(化合物E-8b;これは化合 物E-8aの脱アセチル体である)を含有する生成 0.20gを得た。化合物E-8aのHPLC面積百分率は21. 0%、化合物E-8bのHPLC面積百分率は72.2%であった 。次いで、得られた上記の生成物0.19gを、濃 酸0.2gとメタノール2.0gとの混合液に溶解し 該混合物を65℃で6時間攪拌した。該反応混 物を室温に冷却し、飽和重曹水25gおよび酢 エチル30gを加え抽出した。有機層を硫酸マ ネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮してN-メチ ル-2-フルオロ-4-トリフルオロメチルチオアニ リン(化合物E-8b)0.13gを得た。GC面積百分率は95 .5%であった。

 得られた化合物E-8bの 1 H-NMRデータは次のとおりである。
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.91(m,3H)、4.27(br,1H)、6.62-6.67(m,1H)、7. 23-7.33(m,2H)。

 <実施例16:N-アセチル-2-フルオロ-4-トリ ルオロメチルチオアニリンの合成-2)

 N-アセチル-2-フルオロ-4-トリクロロメチ チオアニリン(化合物E-1)0.48gとトリエチルア ン-3HF錯体2.10gとの混合物をオートクレーブ 入れ、60℃で1時間、ついで120℃で2時間、つ いで180℃で3時間攪拌した。得られた反応混 物を冷却し、水2.27gへ注加、次いで、酢酸エ チル4.60gで抽出した。酢酸エチル層を、水お び炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫 マグネシウムで乾燥した後、減圧下、濃縮 て、N-アセチル-2-フルオロ-4-トリフルオロ チルチオアニリン(化合物E-7a)および2-フルオ ロ-4-トリフルオロメチルチオアニリン(化合 E-7b;これは化合物E-7aの脱アセチル体である) 含有する生成物を得た(0.37g)。化合物E-7aのHP LC面積百分率は51%、化合物E-7bのHPLC面積百分 は29%であった。

 化合物E-7aおよびE-7bの 1 H-NMRデータは次のとおりである。
化合物E-7a;
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):2.25(s,3H)、7.3-7.4(m,3H)、8.46(t,1H)。
化合物E-7b;
1 H-NMR(CDCl 3 ,TMS)δ(ppm):3.8-4.2(br,2H)、6.75(t,1H)、7.2-7.3(m,2H)。

 <比較例1:2-フルオロ-4-トリクロロメチ チオアニリンの合成>

 2-フルオロ-4-メチルチオアニリン(化合物S -1)1.21gとクロロベンゼン3.49gとの混合物に、 温下、塩化スルフリル3.37gとクロロベンゼン 3.50gとの混合物を、30分間かけて滴下した。 応混合物を20-25℃にて1.5時間攪拌した後、60- 65℃に昇温して4時間攪拌した。得られた反応 物をGCにて分析したところ、2-フルオロ-4-ト クロロメチルメチルチオアニリン(化合物H-1) のGC面積百分率は、2.1%、原料である化合物S-1 のGC面積百分率は、3.7%であった。

 <比較例2:N-ベンゾイル-2-フルオロ-4-ト クロロメチルチオアニリンの合成>

 N-ベンゾイル-2-フルオロ-4-メチルチオア リン3.16gとクロロベンゼン9.40gとの混合物に 室温下、塩化スルフリル5.40gとクロロベン ン9.39gとの混合物を、40分間かけて滴下した 反応混合物を60-65℃に昇温して4時間攪拌し 。得られた反応物をGCにて分析したところ 多数の生成物のピークが検出され、N-ベンゾ イル-2-フルオロ-4-トリクロロメチルチオアニ リン(化合物H-2)のピークは同定困難であった

 なお、GCおよびHPLCの分析条件は、次のとお である。
(1)ガスクロマトグラフィー(GC)
 GC装置:島津GC-14A、インテグレーター:島津CR8 A、カラム:DB-5(膜厚1.5μm、長さ30m、内径0.53mm) カラム温度条件:50℃から5℃/minで70℃まで昇 温し、続いて10℃/minで250℃まで昇温し、続い て15℃/minで280℃まで昇温し、280℃にて10分間 持、インジェクション温度:280℃、ディテク ター温度:250℃、キャリヤガス:He 5ml/min。
(2)高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
 LC装置:日立LC-7100、インテグレーター:日立LC -7500、カラム:ODS L-Column 4.6mmφ×150mm、移動相: A液(0.1%リン酸水)、B液(アセトニトリル)、グ ジエント条件:A液/B液比を90/10から9/91まで27mi nで変化させ、9/91で10min保持、流量:1.0mL/min、 ラム温度:40℃、検出波長:254nm、注入量:10μL

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。