Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ADDITIVE MATERIAL FOR USE IN SHIELDING METHOD OR PIPE-JACKING METHOD, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND TUNNELING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/152811
Kind Code:
A1
Abstract:
An additive material for use in the shielding method or pipe-jacking method in the tunneling of a water-bearing sand gravel layer or sand layer. The additive material eliminates problems concerning the corrosion of apparatuses, etc. caused by the liquid properties of raw materials for the additive material and by liquid properties of the additive material produced. The additive material can be easily produced in a short time and can form a modified soil having high homogeneity. The additive material for use in the shielding method or pipe-jacking method is characterized by being a siliceous paste obtained by mixing sodium silicate, a bicarbonate, and water to obtain an aqueous siliceous gel and pulverizing the gel to form a sol. The additive material for use in the shielding method or pipe-jacking method may be characterized by being a siliceous paste obtained by mixing sodium silicate, a bicarbonate, a polymeric coagulant, and water to obtain an aqueous siliceous gel and pulverizing the gel to form a sol.

Inventors:
SAITO MASARU (JP)
MORI MASATSUGU (JP)
MORISHITA YASUNOBU (JP)
ISHII SABUROU (JP)
YASUMOTO GOU (JP)
ISHII HIROAKI (JP)
NAGAOKA KIYOHIRO (JP)
SAKURAI YASUTOMO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001504
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 12, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
ZENITAKA CORP (JP)
TACHIBANA MATERIAL CO LTD (JP)
SAITO MASARU (JP)
MORI MASATSUGU (JP)
MORISHITA YASUNOBU (JP)
ISHII SABUROU (JP)
YASUMOTO GOU (JP)
ISHII HIROAKI (JP)
NAGAOKA KIYOHIRO (JP)
SAKURAI YASUTOMO (JP)
International Classes:
E21D9/06; C09K17/02; C09K17/12; C09K17/18; C09K103/00
Foreign References:
JPH07102881A1995-04-18
JPH10324872A1998-12-08
JP2000186280A2000-07-04
Attorney, Agent or Firm:
ISHII, Hiroki (5-22 Kyobashi 2-chom, Chuo-ku Tokyo 31, JP)
Download PDF:
Claims:
 珪酸ソーダと、重炭酸塩と、水と、を混合してゲル化した珪酸質水性物を、粉砕してゾル化した珪酸質ペーストであることを特徴とする、シールド工法または推進工法に用いる添加材。
 珪酸ソーダと、重炭酸塩と、高分子凝集剤と、水と、を混合してゲル化した珪酸質水性物を、粉砕してゾル化した珪酸質ペーストであることを特徴とする、シールド工法または推進工法に用いる添加材。
 珪酸ソーダの水溶液と、
 重炭酸塩、または重炭酸塩と高分子凝集剤との混合物、の水溶液と、
 を混合し、ゲル化した珪酸質水性物を生成し、
 前記ゲル化した珪酸質水性物を、更に粉砕することによってゾル化させて珪酸質ペーストにすることを特徴とする、シールド工法または推進工法に用いる添加材の製造方法。
 回転する切羽カッター部と、土圧室と、前記土圧室内の掘削ずりを排出する排出手段と、を備えた掘削機を作動させ、切羽面に添加材を添加しながら地盤を掘進する、トンネル工法であって、
 前記添加材として、請求項1または2に記載の珪酸質ペーストの添加材を用いることを特徴とする、トンネル工法。
 回転する切羽カッター部と、土圧室と、前記土圧室内の掘削ずりを排出する排出手段と、を備えた掘削機を作動させ、切羽面に添加材を添加しながら地盤を掘進する、トンネル工法であって、
 前記添加材は、請求項1または2に記載の珪酸質ペーストの添加材であり、該添加材を前記切羽面に添加するに際して、当該添加材に希釈水を供給すると共に、該希釈水の供給量を調整することを特徴とする、トンネル工法。
 請求項4または5に記載されたトンネル工法において、
 珪酸ソーダの水溶液と、
 重炭酸塩、または重炭酸塩と高分子凝集剤との混合物、の水溶液と、
 の二液を個別のラインで切羽の近くまで送り、前記二液を混合して前記珪酸質ペーストの添加材にして前記切羽面に添加することを特徴とする、トンネル工法。
Description:
シールド工法または推進工法に いる添加材およびその製造方法、およびト ネル工法

 本発明は、滞水下での砂礫層あるいは砂 を掘削対象とするシールド工法または推進 法において用いる添加材、およびその製造 法に関するものである。また、シールド工 または推進工法を用いて、前記添加材を添 しながら行うトンネル工法に関するもので る。

 トンネル等の掘削に用いられる工法とし は、シールド工法や推進工法が挙げられる これらのトンネル工法は、掘削機の前頭部 隔壁で仕切られた土圧室を設け、カッター 掘削した土砂に作泥材(粘土、ベントナイト 、水等)を添加し、混練り翼で強力に練り混 ることによって、掘削土を不透水性と塑性 動性を有する泥土に改質し、その改質泥土 不透水性と塑性流動性によって切り羽土圧 地下水圧に対抗して掘削部の崩壊を防止す ように、掘削機の掘進量と排土量のバラン を計りながら掘進して行われる。

 しかし、この掘削機による掘削方法を滞 砂礫層に適用すると、前記作泥材を添加し 際に当該作泥材が逸出し易く、掘削土中に 泥材を十分に送り込むことができないため 掘削土と作泥材を混練して改質泥土を形成 せ、掘削部の崩壊を防止するのが非常に困 である。

 また、作泥材(粘土、ベントナイト、水等 )を滞水砂礫層や砂層で使用した場合には、 作泥材を切り羽へ添加後地下水に希釈され く、大幅な粘性低下となる場合が多い。す わち、掘削土を作泥材と混練しても、不透 性と塑性流動性を備えた泥土に改質するこ ができない。このことによって、以下のよ な問題が発生する。

 まず、切り羽土圧の安定化が図れないた 、地盤沈下、地盤隆起等の危険性が高まる 次に、掘削土の塑性流動性が得られないこ によって、掘削機のカッタートルクや推力 急激な上昇による推進低下を招く危険性が る。また、カッタービットの磨耗が早まる があり、推進低下を招く危険性がある。更 、掘削土の流動性不足により掘削機内にス ーズ且つ安全に導入することができないた 、排土管理が困難となる。

 上記問題を解決するために、本発明者ら 、均一性の高い改質土を形成することがで る添加材として珪酸質水性ゾルを用いる方 を提案している(特許文献1および特許文献2) 。また、前記珪酸質水性ゾルの添加材を製造 する方法としては、珪酸ソーダに硫酸、ポリ アクリル酸塩を加え、これを練り崩して製造 する方法が実用化されている。

特許第2724775号公報

特許第3085360号公報

 ここで、前記珪酸質水性ゾルの添加材は 強酸である硫酸を使用して製造されるため その製造設備には硫酸による酸性腐食を防 するための耐酸性が要求される。そのため 該製造設備が高コストとなる問題があった

 また、通常、前記珪酸質水性ゾルの添加材 、施工現場において珪酸ソーダ、硫酸、ポ アクリル酸塩を混合してゲル化させ、更に 砕してゾル化して調製(作液)される。この 合、原料を混合してからゲル化するまでに する時間は、作液水温や気温等により多少 違いはあるものの、平均25分程度である。例 えば、1m 3 の添加材調製装置を用いる場合には、添加材 として用いられる珪酸質水性ゾルを調製する ために約30分を要している。すなわち、前記 加材調製装置の作液能力は2m 3 /hである。

 一般的な工事においてシールド工法や推進 法を行う場合に必要な添加材の量は、使用 る掘削機の大きさや掘削部の土質等にもよ が、例えば下水道工事(直径3000mmシールド掘 削機、添加材添加率20vol%、掘削時間20分、1リ ング幅900mmの場合)においては4.2m 3 /h、地下鉄工事(直径6000mmシールド掘削機、添 加材添加率20vol%、掘削時間30分、1リング幅120 0mmの場合)においては13.8m 3 /hである。したがって、前述の原料を用いて 液する場合には、添加材調製装置を複数台 置する、もしくは添加材調製装置を大型化 る必要があり、その設置場所(スペース)の 保の問題があった。

 上記問題に鑑み、本発明の課題は、滞水 礫層や砂層におけるシールド工法または推 工法に用いる添加材の原料の液性および、 造された添加材の液性に基づく装置等の腐 の問題を解決するとともに、その製造が容 かつ短時間で行うことができる上、均一性 高い改質土を形成することができる添加材 提供することにある。

 上記課題を解決するため、本発明の第1の 態様に係るシールド工法または推進工法に用 いる添加材は、珪酸ソーダと、重炭酸塩と、 水と、を混合してゲル化した珪酸質水性物を 、粉砕してゾル化した珪酸質ペーストである ことを特徴とするものである。

 珪酸ソーダは、一般式Na 2 O・nSiO 2 ・xH 2 Oで表される化学物質であり、水に溶解して ルカリ性を示す。また、重炭酸塩は、水に 解してアルカリ性を示す。 
 本発明によれば、珪酸質ペーストの添加材 原料はアルカリ性であるので、該添加材を 造する製造装置等において、酸による腐食 問題が生じない。このことによって、珪酸 ペーストの添加材およびその原料を導入ま は導出する装置等の酸性腐食を低減するこ ができる。

 また、珪酸ソーダと重炭酸塩を水に溶解 せることによって進行するゲル化反応は、 来の珪酸ソーダと硫酸の反応よりも比較的 やかに進行する。したがって、ゲル化した 酸質水性物を生成させるまでの時間が短縮 れるので、珪酸質ペーストの添加材を短時 で製造することができる。

 そして、本態様の添加材は、シールド工法 たは推進工法に用いる添加材として高い性 を発揮する。すなわち、掘削ずりと混合さ て、掘削ずりの礫が均一に混合された状態 塑性化土に改質する(このような状態に改質 された土を改質土と称する場合がある)。本 様の添加材によって改質された改質土は粘 が高く均一性の高いので、切羽の止水性及 掘削ずりの保水性を確保することができる  
 また、珪酸質ペーストの添加材は、鉄分、 分等を多く含み、イオン性が高い地下水を む地盤や、風化花崗岩が堆積した地盤に対 ても有効である。

 本発明の第2の態様に係るシールド工法ま たは推進工法に用いる添加材は、珪酸ソーダ と、重炭酸塩と、高分子凝集剤と、水と、を 混合してゲル化した珪酸質水性物を、粉砕し てゾル化した珪酸質ペーストであることを特 徴とするものである。

 本態様によれば、珪酸ソーダ、重炭酸塩 よび水に加えて、高分子凝集剤を添加して 酸質ペーストを形成したことにより、添加 としての性能が更に向上する。高分子凝集 としては、例えばアクリル酸系ポリマーや クリルアミド系ポリマー等のポリマー類を いることができる。前記高分子凝集剤を添 して形成した珪酸質ペーストを添加材とし 用いると、高粘度で均一性が高い改質土を 成させることが可能となり、掘削ずりの保 性を向上させることができる。特に、掘削 りの礫が多い(礫率が高い)場合に、前記高 子凝集剤の添加量を増加させることによっ 、前記保水性を安定させることができる。

 前記掘削ずりの高い保水性によって、該掘 ずりは非常に絡まりの良好な性状となる。 のような性状改善により切羽から水が噴出 る恐れを確実に防ぐことができる。 
 その結果、砂層や礫率が低い(例えば70%以下 )砂礫層に用いられていた高分子凝集剤を含 しない珪酸質ペーストの添加材を、前記高 子凝集剤の添加によりそのまま高礫率(70%以 )の玉石混じり砂礫層の掘削に用いることが 可能となる。

 また、珪酸ソーダと重炭酸塩に加えて、 に高分子凝集剤を添加しても、これらを水 溶解させることによって進行するゲル化反 は速やかに進行するので、本態様に係る珪 質ペーストの添加材は第1の態様と同様に短 時間で製造可能である。

 本発明の第3の態様に係るシールド工法ま たは推進工法に用いる添加材の製造方法は、 珪酸ソーダの水溶液と、重炭酸塩、または重 炭酸塩と高分子凝集剤との混合物、の水溶液 と、を混合し、ゲル化した珪酸質水性物を生 成し、前記ゲル化した珪酸質水性物を、更に 粉砕することによってゾル化させて珪酸質ペ ーストにすることを特徴とするものである。

 また、珪酸ソーダの水溶液と重炭酸塩の水 液、または珪酸ソーダの水溶液と、重炭酸 と高分子凝集剤との混合物の水溶液を混合 ることによって進行するゲル化反応は速や に進行する。例えば、1m 3 の添加材を製造する場合には、前記ゲル化に 要する時間は1~2分で足りる。更にゲル化した 珪酸質水性物を粉砕してゾル化させて珪酸質 ペーストにするために要する時間は、3~4分程 度であり、4~5分の短時間で製造可能な添加材 とすることができる。

 すなわち、1時間あたり15~20m 3 の添加材を作製することが可能となり、従来 の硫酸を用いた添加材製造方法(2m 3 /h)よりも製造効率を飛躍的に向上させること ができる。このことによって、当該添加材製 造装置の小型化が可能となり、省スペース化 および低コスト化を図ることができる。製造 装置を小型化することによって、掘削現場近 く(例えばトンネル内)において添加材製造を うことも可能となる。

 本発明の第4の態様に係るトンネル工法は 、回転する切羽カッター部と、土圧室と、前 記土圧室内の掘削ずりを排出する排出手段と 、を備えた掘削機を作動させ、切羽面に添加 材を添加しながら地盤を掘進する、トンネル 工法であって、前記添加材として、第1の態 または第2の態様に記載の珪酸質ペーストの 加材を用いることを特徴とするものである

 本発明によれば、シールド工法または推 工法等によるトンネル工法を用いてトンネ を構築する際に、第1の態様または第2の態 に記載の珪酸質ペーストの添加材によって 掘削ずりを粘度が高く均一性が高い改質土 することができ、切羽の止水性及び掘削ず の保水性を向上させることができる。すな ち、掘削ずりは全体に絡まりが良好となり 切羽から水が噴出する恐れを確実に防ぐこ ができる。

 本発明の第5の態様に係るトンネル工法は 、回転する切羽カッター部と、土圧室と、前 記土圧室内の掘削ずりを排出する排出手段と 、を備えた掘削機を作動させ、切羽面に添加 材を添加しながら地盤を掘進する、トンネル 工法であって、前記添加材は、第1の態様ま は第2の態様に記載の珪酸質ペーストの添加 であり、該添加材を前記切羽面に添加する 際して、当該添加材に希釈水を供給すると に、該希釈水の供給量を調整することを特 とするものである。

 本発明によれば、地盤の掘削途中で該地 の性状(含水比、礫率等)が変わった場合に 珪酸質ペーストの添加材に希釈水を供給す と共に、該希釈水の供給量を調整すること よって、添加材の性状を地盤の性状変化に 応するように調整することができる。すな ち、珪酸質ペーストの添加材を希釈水によ て希釈して用いることによって、幅広い含 比、礫率の地盤に対して対応可能となり、 盤の土質の変化によって添加材を変更する となく掘進を行うことができる。

 本発明の第6の態様に係るトンネル工法は 、第4の態様または第5の態様に記載されたト ネル工法において、珪酸ソーダの水溶液と 重炭酸塩、または重炭酸塩と高分子凝集剤 の混合物、の水溶液と、の二液を個別のラ ンで切羽の近くまで送り、前記二液を混合 て前記珪酸質ペーストの添加材にして前記 羽面に添加することを特徴とするものであ 。

 珪酸ソーダの水溶液と重炭酸塩の水溶液 または珪酸ソーダの水溶液と重炭酸塩と高 子凝集剤との混合物の水溶液、の二液を混 することによって進行するゲル化反応は、 めて速やかに進行するため、混合する二液 個別のラインを用いて切羽の近くまで送り 前記二液を混合して珪酸質ペーストの添加 を形成させ、その添加材を切羽に添加して 進を行うことができる。

 このことによって、施工現場において二 を混合して添加材を製造するための混合撹 槽や、製造した添加材の貯槽が不要となり 省スペース化を図ることができる。更に、 酸ソーダの水溶液、重炭酸塩の水溶液、重 酸塩と高分子凝集剤との混合物の水溶液は いずれの水溶液も珪酸質ペーストよりも粘 が低いため圧送が容易であり、より長距離 圧送が可能となる。

 本発明によれば、珪酸ソーダと重炭酸塩 または珪酸ソーダと重炭酸塩と高分子凝集 、を水に溶解させることによって進行する ル化反応が速やかに進行し、ゲル化した珪 質水性物が短時間で生成するので、珪酸質 ーストの添加材を短時間で製造することが きる。

 また、本発明に係る珪酸質ペーストの添 材は、珪酸ソーダ、重炭酸塩等のアルカリ 化合物を原料として用いて形成されるので 当該添加材製造装置における酸性腐食の問 が少ない。したがって、該製造装置には硫 のような強酸に対する耐酸性をもたせる必 がなく、製造装置にかかるコストを低減す ことができる。

 シールド工法または推進工法において本 明に係る添加材を用いると、該添加材が掘 ずりと混合されて、粘性が高く均一性の高 改質土を形成するので、切羽の止水性及び 削ずりの保水性を確保することができる。

 本発明に係る珪酸質ペーストの添加材の 料となる珪酸ソーダ、重炭酸塩、および高 子凝集剤について説明する。

 (1)珪酸ソーダについて
 珪酸ソーダは、一般式Na 2 O・nSiO 2 ・xH 2 Oで表される化学物質であり、水に溶解して ルカリ性を示すものである。Na 2 OとSiO 2 の混合比率により、珪酸ソーダの性状は異な る。一般的には、水ガラスと呼ばれる水飴状 の粘性液体や、結晶状態のメタ珪酸ナトリウ ムおよびその水化物が知られており、掘削す る地盤の土質に応じて適した性状の珪酸ソー ダを選択することができる。SiO 2 の含有率は1~60重量%の範囲内であることが好 しく、より好ましくは3~30重量%の範囲内で る。特に、水飴状の珪酸ソーダは、滞水砂 層や砂層において使用する添加材の原料と て適している上、幅広い土質の地盤に対応 ることが可能であるため好ましい。

 (2)重炭酸塩について
 重炭酸塩としては、重炭酸ナトリウム、重 酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マ ネシウム等が挙げられる。これらは、それ れの化合物単体で用いても良く、各種重炭 塩の混合物として用いることもできる。特 、重炭酸ナトリウム、または重炭酸カリウ 、または重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウ の混合物を原料とすることが好ましい。重 酸塩は水に溶解してアルカリ性を示す。

 (3)高分子凝集剤について
 高分子凝集剤としては、アクリル酸系ポリ ーやアクリルアミド系ポリマー等の公知の 分子凝集剤を用いることができる。アクリ 酸系ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナ リウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリア リル酸アンモニウム等が挙げられる。また アクリルアミド系ポリマーとしては、ポリ クリルアミド(アクリル酸ナトリウム等とア クリルアミドの共重合物)等が挙げられる。 リアクリルアミドは、カチオン系、アニオ 系、ノニオン系のいずれのポリアクリルア ドでも良いが、特にアニオン系ポリアクリ アミドを用いることが好ましい、アクリル 系ポリマー、アクリルアミド系ポリマー等 ポリマーは水に溶解してアルカリ性を示す なお、高分子凝集剤の種類によっては、該 分子凝集剤が酸性である場合もあるが、一 的な高分子凝集剤は硫酸のような強酸では い。

 高分子凝集剤を添加することによって、 ールド掘進の対象地盤、すなわち地下水が 富な砂、砂礫、玉石層等の地盤に対して、 の含水比や礫率等の大きな変動があっても の性能の添加材に取り換える必要なく、そ まま掘削を続行することができ、作業効率 向上すると共にコストの低減も図ることが きる。

 また、高分子凝集剤の分子量は、通常200 ~3000万のものであれば、ほとんどの土質の 盤に対応することができる。特に、500万~2000 万の範囲であれば、シールド工法または推進 工法に用いる添加材として安定した性能を発 揮させることができる。

 前記添加材に添加する高分子凝集剤の量は 掘削する地盤の土質に応じて決められるが 0.01~10kg/m 3 であることが、添加材の性能、および添加材 製造時に原料を混合した際の反応性(ゲル化 間が短い)の点で好ましい。更に0.3~2kg/m 3 の範囲であることが好ましく、特に0.5~1kg/m 3 の範囲であれば添加材の性能が安定している 。

 <添加材の製造方法>
 次に、本発明に係る添加材の製造方法につ て説明する。図1は、添加材の製造方法を説 明するフロー図である。以下に、珪酸ソーダ として3号珪酸ソーダ(SiO 2 含有率:28.0~30.0重量%、JIS規格表
K1408)を用い、重炭酸塩として重炭酸カリウム を用い、高分子凝集剤としてアニオン系ポリ アクリルアミドを用いた場合について説明す る。

 3号珪酸ソーダを水に溶解させた珪酸ソーダ の水溶液と、重炭酸カリウムとアニオン系ポ リアクリルアミドの混合物を水に溶解させた 重炭酸塩と高分子凝集剤の混合物の水溶液を 調製する。 
 3号珪酸ソーダ、重炭酸カリウム、アニオン 系ポリアクリルアミドの添加量は掘削する地 盤の土質によって決定され、水溶液中におい てゲル化した珪酸質水性物を生成する任意の 割合で混合することができる。

 また、珪酸ソーダを溶解する水の量と、 炭酸塩と高分子凝集剤の混合物を溶解する の量は、調製する添加材の製造予定量に応 て設定することができる。3号珪酸ソーダは 、珪酸ナトリウムの濃厚水溶液であり、水飴 状の粘性液体であるため、水に溶解させず、 3号珪酸ソーダ自体を珪酸ソーダの水溶液と て用いることも可能であるが、水を加えて 度な流動性を持たせることが望ましい。特 、等量の二液を混合することによってゲル した珪酸質水性物が生成するように水の量 配分することが望ましい。例えば、トータ 1リットルの添加材を製造する場合には、3号 珪酸ソーダの水溶液および重炭酸カリウムと アニオン系ポリアクリルアミドの混合物の水 溶液がそれぞれ0.5リットルになるように調製 するのが良い。

 調製した3号珪酸ソーダの水溶液と重炭酸カ リウムとアニオン系ポリアクリルアミドの混 合物の水溶液とを混合すると、ゲル化した珪 酸質水性物が生成する。このゲル化反応は非 常に速やかに進行する。例えば、1m 3 の添加材を製造する場合には、前記ゲル化に 要する時間は通常1~2分である。このゲル化時 間は、3号珪酸ソーダの量に対する重炭酸カ ウムの量によって多少変化する。3号珪酸ソ ダに対して重炭酸カリウムが少ない場合は ゲル化に4~5分の時間を要することがあるが この時間は従来の珪酸ソーダと硫酸の反応( ゲル化時間25分/m 3 )に比して十分短時間である。なお、珪酸ソ ダに対して過剰な重炭酸カリウムを添加し もゲル化時間はほとんど変化しない。

 続いて、ゲル化した珪酸質水性物を、更 撹拌、粉砕してゾル化させることによって 珪酸質ペーストの添加材を形成する。撹拌 よる前記ゲル化した珪酸質水性物の粉砕は ホモジナイザー等による強制撹拌によって うことができる。この強制撹拌は、通常の 安としては、ゾルの粒径が約300μm以下のも を主とする微細粒子になるまで継続するの よい。このことによって、珪酸質ペースト 流動性が高められるので、掘削機に設けら た添加材導入手段による切羽への添加材の 加を円滑に行うことができる。

 なお、図2に示すように、ゲル化珪酸質水性 物が生成した後に水を加えてもよい。 
 前記ゲル化は、珪酸ソーダの水溶液および 重炭酸塩と高分子凝集剤の混合物の水溶液 濃度が高いほど速やかに進行する上、生成 るゲル化した珪酸質水性物は硬いゲルとし 形成される。

 すなわち、前記二液をやや高濃度に調製 ることによって、速やかにゲル化珪酸質水 物を生成させることができ、やや硬めに形 された当該ゲル化珪酸質水性物に対して水 加え、強制撹拌によってゾル化した珪酸質 ーストの流動性が得られるようにすること 、効率よく珪酸質ペーストの製造を行うこ ができる。

 前記ゲル化後に加える水の量は特に既定 ないが、添加材の製造予定量に応じて調整 ることが望ましい。例えば、添加材の製造 定量の2~4割程度の水をゲル化後に加えるよ に調製すると、速やかにゲル化珪酸質水性 を生成させることができる上、ゾル化のた の強制撹拌を効率よく行うことができるの 好ましい。

 前記ゲル化後に加える水は、前記ゲル化後 あれば、図2に示すように、強制撹拌前(1)、 強制撹拌中(2)、強制撹拌後(3)のいずれのタイ ミングにおいて加えても良い。 
 なお、強制撹拌後(3)に水を加える場合には 当該加えた水を均一化させるための撹拌が 要となる。 
 また、強制撹拌前(1)と強制撹拌中(2)、強制 拌中(2)と強制撹拌後(3)、または強制撹拌前( 1)と強制撹拌後(3)の二回に分けて加えること でき、強制撹拌前(1)、強制撹拌中(2)、強制 拌後(3)の3回に分けて加えることもできる。  
 特に、前記ゲル化後、且つ強制撹拌前(1)ま は強制撹拌中(2)に水を加えてゾル化を行い 一旦強制撹拌を停止し、そのゾル(珪酸質ペ ースト)の状態によって更に水を添加するか かを判断し、流動性を調整するとより好ま い。

 なお、前記ゲル化は1~2分で起こるが、二液 混合したことによる反応自体は20~30分の時 をかけて進行する。添加材としての性能を 揮する珪酸質ペーストを形成するためには1~ 2分のゲル化時間で足りるが、ゲル化時間を30 分程度とれば形成されたゲルはより安定な状 態となり、良好な性状の珪酸質ペーストを形 成することができる。 
 また、より硬くしっかりとしたゲル状の珪 質水性物を生成させた後に、ゾル化させた 酸質ペーストは、添加材として良好な性状 示す傾向がある。

 以上のように、3号珪酸ソーダの水溶液と重 炭酸カリウムと、アニオン系ポリアクリルア ミドの混合物の水溶液と、を混合してゲル化 した珪酸質水性物を生成するために要するゲ ル化時間が短く、1m 3 の添加材を製造する場合では1~2分であり、更 にゲル化した珪酸質水性物を撹拌、粉砕して ゾル化させる時間は、3~4分程度であり、トー タル4~5分の短時間で添加材を製造することが できる。

 すなわち、容量1m 3 の添加材製造装置を用いた場合には、1時間 たり15~20m 3 の添加材を作製することが可能となり、従来 の硫酸を用いた添加材製造方法(2m 3 /h)よりも製造効率を飛躍的に向上させること ができる。したがって、当該添加材製造装置 の小型化が可能となり、省スペース化および 低コスト化を図ることができる。製造装置を 小型化することによって、掘削現場近く(例 ばトンネル内)において添加材製造を行うこ も可能となる。

 [実施例1]
 次に、本発明の実施例に係るシールド工法 より、地下にトンネルを掘削する場合につ て説明する。 
 本実施例において用いられる掘削機は、従 から用いられているものでよく、その特徴 構造として、回転しながら地盤を掘削でき 切羽カッター部と、掘削した土を充満させ る土圧室と、土圧室内の掘削ずりを排出す 排出手段とを備えている。また、前記掘削 は、土圧室内の掘削ずりを撹拌する撹拌手 を備えている。

 切羽に添加材を添加する添加材導入手段 、添加ラインにより添加材供給プラントと 通されている。前記添加材供給プラントは 送ポンプを介して添加ラインと接続されて る。添加ラインには必要に応じて中継ポン を設けてもよい。

 ここで、添加材供給プラントは地上に配 し、長い添加ラインによって前記添加材導 手段と連通することもできるが、本発明に る添加材は前述の通り製造効率が良く、該 加材の貯留量を少なくすることができるの 、添加材供給プラントを小規模化し、地下 施工現場近くに配置することも可能である その場合には、掘削機と添加材供給プラン との距離が短くなり、添加ラインを短くす ことができる。また、圧送ポンプの容量も さくて足り、圧送ポンプの小型化を図るこ ができる。

 前記添加材導入手段によって切羽面に添 材を添加しながら、切羽カッターを回転さ て地盤を掘削する。添加材導入手段は、前 添加材を均一に添加しながら切羽カッター よる掘削を行うことができるように構成さ ていることが望ましい。例えば、切羽カッ ーが設けられている面板に、前記添加材の 給口を複数設けることができる。

 前記添加材を切羽面に添加しながら掘削 行うことによって、切羽面または土圧室内 おいて、掘削ずりの土粒子間および礫間に 該添加材が充填される。土圧室内に充満さ た掘削ずりと添加材とを撹拌手段によって 一に混合すると、土圧室内に対抗土圧が発 し、これによって切羽土圧及び地下水土圧 抑制され、切羽から水が噴出する恐れを確 に防ぐことができる。

 切羽面への添加材の添加量は、地盤の有 間隙率または間隙率を目安に行い、排出土 の礫が均一に混合された状態の塑性化土に 質されるように調節される(以下、改質土と 称する)。

 土圧室内の改質土は、スクリューコンベ またはリボンスクリュー等の排出手段によ て排出される。その際、スクリューの回転 御によって排出手段のスクリュー内にも前 改質土を充満させ、土圧を制御しながら排 ゲートから排出する。これらを連続的に行 ことによって掘進が行われる。

 切羽面への添加材の添加によって、掘削 りを粘度が高く均一性が高い改質土とする とができ、切羽の止水性及び掘削ずりの保 性を向上させることができる。すなわち、 削ずりは全体に絡まりが良好となり、切羽 ら水が噴出する恐れを確実に防ぐことがで る。

 [実施例2]
 次に、本発明の実施例に係るシールド工法 より、地下にトンネルを掘削する場合につ て、他の例を挙げて説明する。本実施例は 実施例1に説明したようなシールド工法によ って掘削を行う際に、掘削途中で地盤の土質 変化があった場合に、添加材を希釈水によっ て希釈しながら掘削を行う方法である。 
 本実施例において用いられる掘削機の基本 な構成は、実施例1と同様であるため、その 説明は省略する。

 掘削機による掘進を行うと途中で土質(含 水比、礫率等)が変化する場合がある。切羽 添加する添加材は、その土質に応じて変更 る必要があるが、本実施例では、前記希釈 を添加材に供給し、その供給量を調整する とよって、該添加材の性状をコントロール る。

 添加材への希釈水の供給は、例えば図3に 示すように、添加材貯留タンク3と、希釈水 留タンク4とをラインで繋ぎ、供給量を流量 整バルブ5、6によって調整しながら添加材1 希釈水2とを合流させ、合流した添加材1と 釈水2とがラインミキサー7により均一に混合 されて切羽に添加できるように構成するとよ い。

 珪酸質ペーストの添加材1は、予想される 地盤の土質に基づいて、高濃度の珪酸質ペー ストを調製しておき、その高濃度珪酸質ペー ストを添加材1として用いながら、土質の変 に応じて希釈水2を供給し、該希釈水2の供給 量を増減させる。このことによって幅広い範 囲の含水率、礫率の地盤に対して対応可能と なり、土質の変化によって添加材を変更する ことなく連続的に掘削を行うことができる。

 [実施例3]
 次に、本発明の実施例に係るシールド工法 より、地下にトンネルを掘削する場合につ て、更に他の例を挙げて説明する。本実施 は、混合することによって添加材を形成す 二液を個別のラインを用いて切羽の近くま 圧送し、該切羽直前で二液を混合して添加 を形成させ、その添加材を切羽に添加して 削を行うシールド工法の例である。 
 本実施例において用いられる掘削機の基本 な構成は、実施例1と同様であるため、その 説明は省略する。

 本実施例において前記添加材は、珪酸ソ ダの水溶液と重炭酸塩の水溶液、または珪 ソーダの水溶液と重炭酸塩と高分子凝集剤 混合物の水溶液、の二液を個別のラインで 羽の近くまで送り、該切羽の近くで前記二 を混合して珪酸質ペーストを形成させたも である。切羽の近くで形成させた当該珪酸 ペーストの添加材を切羽面に添加して掘削 による掘進を行う。

 珪酸ソーダの水溶液と重炭酸塩の水溶液の 液を混合して、珪酸質ペーストを形成させ 場合を例に挙げて説明する。 
 珪酸ソーダの水溶液と重炭酸塩の水溶液は それぞれ別のプラントに貯留されている。 酸ソーダの水溶液を貯留するプラントと、 炭酸塩の水溶液を貯留するプラントに、そ ぞれ圧送ポンプを介してラインが接続され 二液が切羽の近くまで圧送される。各ライ には必要に応じて中継ポンプを設けてもよ 。

 個別のラインで切羽の近くまで送られた 記二液は、そのラインの端部(先端)におい 混合される。例えば、二重管、またはY字管 用いて合流させ、ラインミキサーによって 拌して二液を混合することができるように 成することができる。

 前記二液を混合すると速やかにゲル化し 珪酸質水性物が生成し、該ゲル化した珪酸 水性物を更に強制撹拌することによってゾ 化した珪酸質ペーストが形成される。形成 れた珪酸質ペーストを添加材として切羽に 加し、掘削機による掘進を行う。

 すなわち、珪酸ソーダの水溶液と、重炭酸 の水溶液を混合することによって進行する ル化反応は、極めて速やかに進行するため 切羽に添加する直前に二液を混合して珪酸 ペーストの添加材を形成させ、その添加材 切羽に添加して掘削を行うことができる。
 このことによって、施工現場において前記 液を混合し添加材を製造するための、二液 合撹拌槽や、製造した添加材の貯槽が不要 なり、省スペース化を図ることができる。

 前記重炭酸塩の水溶液の代わりに、重炭 塩と高分子凝集剤との混合物の水溶液を用 ることによって、珪酸ソーダの水溶液と重 酸塩と高分子凝集剤との混合物の水溶液か なる珪酸質ペーストを形成させることがで る。

 更に、珪酸ソーダの水溶液、重炭酸塩の 溶液、重炭酸塩と高分子凝集剤との混合物 水溶液は、いずれの水溶液も添加材(珪酸質 ペースト)より粘性が低いため圧送が容易で り、より長距離の圧送が可能となる。更に 添加材を切羽面に添加するに際して、当該 加材に希釈水を供給し、該希釈水の供給量 調整するように構成することによって、幅 い範囲の含水率、礫率の地盤に対して対応 ることができる。

 [添加材の性能評価試験]
 本発明に係る添加材の性能評価のための試 (スランプ試験)を行った。本試験は、礫率70 %以上の礫率の高い地盤を対象とするもので る。

 <珪酸ソーダの水溶液(水溶液A)の調製>
 3号珪酸ソーダ126gを清水に溶解し、0.5リッ ルの珪酸ソーダ水溶液(以下、この水溶液を 溶液Aと称する場合がある)を調製した。

 <重炭酸塩とアクリルアミド系ポリマーの 混合物の水溶液(水溶液B)の調製>
 礫率70%以上の地盤を対象とするため、重炭 塩と高分子凝集剤の混合物の水溶液を用い 。重炭酸塩として重炭酸カリウム、高分子 集剤としてアニオン系ポリアクリルアミド 用い、高分子凝集剤(アニオン系ポリアクリ ルアミド)の添加量の異なる二種類の重炭酸 と高分子凝集剤の混合物の水溶液(以下、水 液B1および水溶液B2と称する場合がある)を 製した。
[水溶液B1]:重炭酸カリウム38.5g、アニオン系 リアクリルアミド1.5gを清水に溶解し、0.5リ トルの重炭酸塩と高分子凝集剤の混合物の 溶液とした。
[水溶液B2]:重炭酸カリウム38.5g、アニオン系 リアクリルアミド1.0gを清水に溶解し、0.5リ トルの重炭酸塩と高分子凝集剤の混合物の 溶液とした。

 <被検地盤>
 添加材を添加する被検地盤としては、礫率 高い二種類の地盤[モデルII(礫率70%)および デルIII(礫率85%)]を用いた。モデルIIおよびモ デルIIIの粒径加積曲線を図4に、モデルIIおよ びモデルIIIの地盤の性状を表1に示す。モデ IIおよびモデルIIIの地盤の含水率は、それぞ れのモデルについて含水率5%および含水率8% 条件のものを用意した。

 <添加材>
 添加材としては、前記水溶液Aと前記水溶液 B(水溶液B1および水溶液B2)を下記の割合で配 した4種類のについて試験を行った。

 タイプ1:水溶液A+水溶液B1(50:50)
 タイプ2:水溶液A+水溶液B2(50:50)
 タイプ3:水溶液A+水溶液B1+清水(40:40:20)
 タイプ4:水溶液A+水溶液B2+清水(40:40:20)

 <スランプ試験>
 スランプ試験は、JIS-A1101に準じて行った。 ち、上端内径10cm、下端内径20cm、高さ30cmの 筒状のスランプコーン(試験器)に、地盤に して添加材を加えた試料(改質土)を入れ、静 かにスランプコーンを引き上げた後、引き上 げる前のコーン上部からのさがり距離を測定 しこれをスランプ(cm)とした。 
 各被検地盤に対して、タイプ1~タイプ4の添 材を15vol%または20vol%の添加率で加えて試験1 ~試験9を行った。その結果を表2に示す。

 試験1~試験6は、同条件の被検地盤(礫率70% 、含水率5%)に対して行ったものである。タイ プ1の添加材を添加すると、添加率15vol%(試験1 )では、改質土の粘性が高く糸を引く状態で り、保水性は優れているものの流動性が不 していた。添加率20vol%(試験2)では、添加材 添加量が増えたことによりスランプは大き なった(9.0cm)が、改質土の流動性はまだ不十 であった。タイプ1の添加材を水で希釈した 添加材であるタイプ3の添加材を用いた場合( 験3および試験4)も、試験1および試験2とほ んど同じような結果となった。

 タイプ1よりも高分子凝集剤の添加量が少 ないタイプ2の添加材を添加率20vol%で添加し 場合(試験5)では、スランプが良好(8.0cm)であ とともに、高分子凝集剤の添加量が多い試 2の場合に比して改質土の粘性が低下し、流 動性が改善された。更に、タイプ2の添加材 水で希釈した添加材であるタイプ4の添加材 用いた場合(試験6)では、適度なスランプの を示し、更に改質土の絡まり状態がよく、 動性も確保され、特に良好な改質土の状態 あった。

 試験7および試験8は、試験1~6と同じモデルII の地盤であるが、含水率が高い被検地盤(礫 70%、含水率8%)について試験を行ったもので る。 
 タイプ4の添加材を用い、添加率15vol%に設定 した試験7では、適度なスランプの値を示し が、改質土としては糸を引く状態で、全体 絡まりがやや不十分であった。 
 試験7と同じタイプ4の添加材を用い、添加 を20vol%に増加した試験8は、全体的に改質土 絡まりが良い状態であり、流動性も確保さ 、特に良好な改質土の状態であった。

 試験9は、礫率の高いモデルIII(礫率85%)を いた試験である。タイプ4の添加材を添加率 20vol%で添加することによって、スランプの値 が大きくばらけ易いが、改質土の絡まりは良 い状態であった。

 以上のように、本発明に係る添加材は、 率70%以上の地盤に対して良好な改質土を形 させることが可能であるとともに、礫率お び含水比が変化した場合でも、該添加材を 釈水によって希釈して用いたり、高分子凝 剤の含有量を調整したりすることによって 改質土の性状(土性値)を容易に調整するこ ができる。

 特に、本発明に係る添加材は、礫率85%(細粒 分0%)という高礫率の地盤に対して用いた場合 (試験9)においても良好な改質土を形成するこ とでき、多様な地盤性状に対応することが可 能であると言える。 
 このように、添加材の添加量を調整するこ によって、改質土の保水性を確保するとと に、ポンプによる圧送を行うことができる 動性をもたせることができる。このことに って、礫率85%のような高礫率の地盤におい も掘削した土砂(改質土)を圧送により排出 ることが可能となり、作業効率を大幅に向 させることができる。

 更に、地盤の含水比が高い(8%など)の場合で も、土性値は変わることなく改良が可能であ り、地下水の量による影響を受けにくいと考 えられる。 
 なお、図4および表1に示すモデルI(礫率52%) ような、礫率の低い地盤に対しては、高分 凝集剤を添加しない添加材を用いることも 能である。

 本発明によれば、掘削機による掘削の対 地盤、すなわち地下水が豊富な砂、砂礫、 石層等の地盤において、その含水比や礫率 の大きな変動があっても、添加材の添加率 増減、希釈水の添加、高分子凝集剤の含有 の調整等によって、改質土の性状(土性値) 容易に調整することができるので、他の性 の添加材に取り換える必要なくそのまま掘 を続行することができ、作業効率が向上す と共にコストの低減も図ることができる。

 本発明は、切羽面に添加材を添加しなが 地盤を掘進するシールド工法または推進工 によってトンネルを構築するトンネル工法 利用可能である。また、前記シールド工法 たは前記推進工法において用いる添加材、 よびその製造方法として有効である。

本発明に係る添加材の製造方法の一例 示すフロー図である。 本発明に係る添加材の製造方法の他の を示すフロー図である。 実施例2における添加材への希釈水供給 方法の一例を説明する図である。 被検地盤(モデルI~モデルIII)の粒径加積 曲線を示す図である。