HIYOSHI SATOSHI
NAKAYAMA SHINGO
KISHIMOTO SHIGEHISA
ISOGAI YUKIHIRO
HIYOSHI SATOSHI
NAKAYAMA SHINGO
KISHIMOTO SHIGEHISA
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式(I) mは0または1を表し、 R 1 およびR 2 は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1 とR 2 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になってベンゼン環またはナフタレン環を形成し、 XおよびYは、同一または異なって、アルキル、アルケニル、または 式(II) |
XおよびYの少なくとも一方が、式(II)である請求項1に記載の油類用添加剤。 |
XまたはYの一方が、アルキルまたはアルケニルであり、他方が式(II)である請求項1に記載の油類用添加剤。 |
XおよびYが、同一または異なって、式(II)である請求項1に記載の油類用添加剤。 |
XおよびYが、同一または異なって、アルキルまたはアルケニルである請求項1に記載の油類用添加剤。 |
請求項1~5のいずれかに記載の油類用添加剤と、潤滑油基油とを含有する潤滑油。 |
潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィン、脂肪酸エステル、芳香族エステル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体、植物油および獣油からなる群より選ばれる1種以上である請求項6に記載の潤滑油。 |
式(Ia) mは0または1を表し、 R 1 およびR 2 は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1 とR 2 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になってベンゼン環またはナフタレン環を形成し、 X a およびY a は、同一または異なって、アルキル、アルケニル、または 式(IIa) X a およびY a の少なくとも一方が式(IIa)を表す}で表されるジエステル化合物。 |
X a およびY a の一方が、アルキルまたはアルケニルであり、他方が式(IIa)である請求項8に記載のジエステル化合物。 |
X a およびY a が、同一または異なって、式(IIa)である請求項8に記載のジエステル化合物。 |
本発明は、潤滑油基油や燃料油などに用 る油類用添加剤などに関する。
潤滑油は、一般に、潤滑油基油と潤滑油添
剤とを含有する。金属分やリン分は環境に
影響を及ぼすので、金属分やリン分を含有
ない潤滑油添加剤が求められている。(「潤
滑経済」、2005年、7月号、p.7、または「月刊
ライボロジー」、2005年、12月号、p.36参照)
潤滑油には様々な特性が求められ、その中
耐摩耗特性および耐摩擦特性がある。潤滑
基油に耐摩耗特性または耐摩擦特性を付与
るための添加剤が検討されている(特許第256
3295号公報など参照)。
グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミ
酸のアルキルエステルと油類とを含有する
化性錆止め油が知られている(特許文献1)。
2-フタルイミドペンタン二酸のジメチルエ
テルなどが、サリドマイドの原料などとし
有用であることが知られている(非特許文献1
)
本発明の目的は、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供することにある。
本発明は、以下の(1)~(10)を提供する。
(1)式(I)
{式(I)中、
mは0または1を表し、
R 1
およびR 2
は、同一または異なって、水素原子、置換基
を有していてもよいアルキル、または置換基
を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1
とR 2
とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって
ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、
XおよびYは、同一または異なって、アルキル
アルケニル、または
式(II)
[式(II)中、R 3
およびR 4
は、同一または異なって、水素原子、置換基
を有していてもよいアルキル、または置換基
を有していてもよいアルケニルを表すか、R 3
とR 4
とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって
ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、L
アルキレンを表す]を表す}で表される化合物
を含有する油類用添加剤。
(2)XおよびYの少なくとも一方が、式(II)である
(1)に記載の油類用添加剤。
(3)XまたはYの一方が、アルキルまたはアルケ
ルであり、他方が式(II)である(1)に記載の油
類用添加剤。
(4)XおよびYが、同一または異なって、式(II)で
ある(1)に記載の油類用添加剤。
(5)XおよびYが、同一または異なって、アルキ
またはアルケニルである(1)に記載の油類用
加剤。
(6)(1)~(5)のいずれかに記載の油類用添加剤と
潤滑油基油とを含有する潤滑油。
(7) 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィ
ン、脂肪酸エステル、芳香族エステル、ポリ
アルキレングリコール、リン酸エステル、シ
リコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエ
ーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、
ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、
オン液体、植物油および獣油からなる群よ
選ばれる1種以上である(6)に記載の潤滑油。
(8)式(Ia)
{式(Ia)中、mは0または1を表し、R 1
およびR 2
は、同一または異なって、水素原子、置換基
を有していてもよいアルキル、または置換基
を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1
とR 2
とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって
ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、
X a
およびY a
は、同一または異なって、アルキル、アルケ
ニル、または
式(IIa)
[式(IIa)中、R 3a
およびR 4a
は、同一または異なって、水素原子、置換基
を有していてもよいアルキル、または置換基
を有していてもよいアルケニルを表すか、R 3a
とR 4a
とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって
ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、L a
はアルキレンを表す]を表し、X a
およびY a
の少なくとも一方が式(IIa)を表す}で表される
ジエステル化合物。
(9)X a
およびY a
の一方が、アルキルまたはアルケニルであり
、他方が式(IIa)である(8)に記載のジエステル
合物。
(10)X a
およびY a
が、同一または異なって、式(IIa)である(8)に
載のジエステル化合物。
本発明によれば、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供できる。
本発明の油類用添加剤は、潤滑油基油や燃
油などの油類に添加され、潤滑油基油や燃
油などの油類に耐摩耗特性または耐摩擦特
を付与するものであって、式(I)で表される
合物を含有する。以下、この化合物のこと
化合物(I)という場合もある。
アルキルとしては、例えば、直鎖状または
岐状のものが挙げられ、中でも炭素数1~30の
ものが好ましい。
直鎖状のアルキルとしては、例えば、メチ
、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、
トラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル
エイコシル、ペンタコシル、トリコンチル
どが挙げられる。
分岐状のアルキルとしては、例えば、イソ
ロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
、ネオペンチル、ブチルオクチル、ブチル
シル、ヘキシルオクチル、ヘキシルデシル
オクチルデシル、ヘキシルドデシル、オク
ルドデシル、イソオクタデシル、デシルテ
ラデシル、ドデシルヘキサデシルなどが挙
られる。
アルケニルとしては、例えば、直鎖状また
分岐状のものが挙げられ、中でも炭素数2~30
のものが好ましい。
直鎖状のアルケニルとしては、例えば、ビ
ル、アリル、ブテニル、ペンテニル、オク
ニル、ドデセニル、オクタデセニル、イコ
ニル、トリコンテニルなどが挙げられる。
分岐状のアルケニルとしては、例えば、イ
プロペニル、イソブテニル、2-メチルプロ
ニル、ブチルオクテニル、オクチルブテニ
、イソドデセニル、ブチルデセニル、ヘキ
ルオクテニル、ヘキシルデセニル、デシル
クテニル、ドデシルヘキセニル、オクチル
デセニル、イソオクタデセニル、デシルテ
ラデセニル、ドデシルヘキサデセニル、ド
シルオクタデセニルなどが挙げられる。
アルキレンとしては、例えば、直鎖状また
分岐状のアルキレンなどが挙げられ、炭素
2~10のものが好ましい。アルキレンの具体例
としては、エチレン、プロピレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、
オクタメチレン、2-エチルヘキシレン、デカ
チレンなどが挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル、およ
置換基を有していてもよいアルケニルにお
る置換基としては、例えば、それぞれ、置
数1~5のアルコキシ、アルキルチオ、アルキ
ジチオ、メルカプト、カルバモイル、アゾ
ニトロ、シアノ、ハロゲン原子などが挙げ
れる。ここで、アルコキシ、アルキルチオ
およびアルキルジチオのアルキル部分は、
れぞれ前記のアルキルと同義である。ハロ
ン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨ
素が挙げられる。
式(I)において、
mが1であるのが好ましい。
R 1
およびR 2
としては、R 1
とR 2
とがそれぞれが隣接するC-Cと一緒になってベ
ンゼン環を形成するか、R 1
およびR 2
のうち、一方が水素原子であり、他方が置換
基を有していてもよいアルキルまたは置換基
を有していてもよいアルケニルであるのが好
ましい。R 1
およびR 2
が置換基を有していてもよいアルキルまたは
置換基を有していてもよいアルケニルである
とき、該アルキルまたは該アルケニルの炭素
数は8~18であるのがより好ましい。
XおよびYが、同一または異なって、式(II)で
るのが好ましい。
化合物(I)としては、上記で示した好ましいR
1
、R 2
、X、およびYの基、ならびに好ましいmの値を
それぞれ組み合わせたものが好ましい。
XおよびYの少なくとも一方が式(II)であると
、式(II)におけるR 3
とR 4
とがそれぞれが隣接するC-Cと一緒になってベ
ンゼン環を形成するか、式(II)におけるR 3
およびR 4
のうち、一方が水素原子であり、他方が置換
基を有していてもよいアルキルまたは置換基
を有していてもよいアルケニルであるのが好
ましい。R 3
またはR 4
が置換基を有していてもよいアルキルまたは
置換基を有していてもよいアルケニルである
とき、該アルキルまたは該アルケニルの炭素
数は8~20であるのがより好ましく、さらには12
~18であるのが好ましい。
XおよびYが、同一または異なって、アルキ
またはアルケニルであるとき、該アルキル
たは該アルケニルの炭素数は8~20であるのが
り好ましく、さらには12~18であるのが好ま
い。
次に、化合物(I)の製造方法について、例を
げて説明する。
化合物(I)の原料である化合物Aおよび化合物
Fは、市販品として入手するか、または公知
方法、例えばジャーナル・オブ・アメリカ
・ケミカル・ソサエティー(Journal of American
Chemical Society)、1955年、第77巻、p.2843に記載
方法などに準じて、製造することにより得
ことができる。
(式中、m、R 1
、およびR 2
は、それぞれ前記と同義である)
化合物Dと化合物Eとを20~200℃で0.2~24時間反
させた後、得られた反応生成物を1~10倍モル
無水酢酸で20~200℃で0.2~24時間処理すること
より、化合物Fを製造することができる。
化合物Dは、市販品として入手できる。
化合物Eは、市販品として入手するか、公知
の方法、例えば米国特許第5512685号明細書に
載の方法などに準じて、製造することによ
得ることができる。
化合物Dに対して、化合物Eを0.8~10倍モル使
するのが好ましい。
化合物Dに対して、無水酢酸を1~10倍モル使
するのが好ましい。
反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし
はヘキサン、デカン、テトラデカン、トル
ン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジブ
ルエーテル、メトキシベンゼン、ジフェニ
エーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロ
タン、塩化メチレン、クロロホルム、クロ
ベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲ
系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ
チルアセトアミドなどのアミド系溶媒、ジ
チルスルホキシドなどの含硫黄系溶媒など
挙げられる。
反応後、必要に応じて、化合物Fを有機合成
化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ
フィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製し
もよい。
化合物Fと水とを20~100℃で0.5~24時間反応させ
ることにより、化合物Aを製造することがで
る。
化合物Fに対し水を1~100倍モル使用するのが
ましく、1~20倍モル使用するのがより好まし
い。
反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし
は、酢酸、化合物Fを製造する際に使用する
ことができる溶媒として前記に例示したもの
などが挙げられる。
反応後、必要に応じて、化合物Aを有機合成
化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ
フィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製し
もよい。
化合物(I)の原料であるX-OHのうち、Xが置換
てもよいアルキルまたは置換してもよいア
ケニルであるものは、市販品として入手す
か、例えば、特開2000-344695号公報、特開2001-8
9403号公報などに記載の方法に準じて製造す
ことにより得ることができる。ここで、ア
キルおよびアルケニルは、それぞれ、前記
同義である
化合物(I)の原料であるX-OHのうち、Xが式(II)
あるもの(化合物J)は、公知の方法、例えば
開昭61-235498号公報に記載の方法などに準じ
、製造することにより得ることができる。
(式中、R 3
、R 4
、およびLは、それぞれ前記と同義である)
化合物Gは、前述の化合物Eと同様に入手す
ことができる。
化合物Hは、市販品として入手するか、例え
ば特開昭61-43146号公報、ヘミッシェ・ベリヒ
(Chemische Berichte)、1897年、第30巻、p.914など
記載の方法で製造することにより得ること
できる。
化合物(I)の原料であるY-OHは、X-OHと同様な
法で、入手することができる。ここで、Xお
びYは、それぞれ前記と同義である。
化合物(I)のうち、XとYとが同一である化合
(Ib)は、例えば、工程1に従って、製造するこ
とができる。
(工程1)
(式中、m、R 1
、R 2
、およびXは、それぞれ前記と同義である)
化合物(Ib)は、化合物AとX-OHとを、縮合剤の
在下、0~100℃で1~24時間反応させることによ
、製造することができる。
工程1を行う際、化合物Aに対し、X-OHを1.6~6
モル使用するのが好ましい。
縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボ
イミド、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド、ベンゾトリアゾー
-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホ
ウム塩、4-トリフルオロメチル安息香酸無
物、p-ニトロ安息香酸無水物などが挙げられ
る。
化合物Aに対し、縮合剤を1~20倍モル使用す
のが好ましく、1~10倍モル使用するのがより
ましい。
反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし
は、化合物Fを製造する際に使用することが
できる溶媒として前記に例示したものなどが
挙げられる。
反応後、必要に応じて、化合物(Ib)を有機合
成化学で通常用いられる方法(各種クロマト
ラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製
てもよい。
化合物(I)のその他の製造法として、例えば
工程2~3に従って、化合物(I)を製造する方法
挙げることができる。
(工程2)
(工程3)
(式中、m、R 1
、R 2
、XおよびYは、それぞれ前記と同義である)
(工程2)
化合物Tは、例えば、化合物FとX-OH(式中、X
前記と同義である)とを、50~150℃で1~24時間反
応させることにより、製造することができる
。
工程2を行う際、化合物Fに対して、化合物X-
OHを0.8~3倍モル使用するのが好ましい。
反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし
は、化合物Fを製造する際に使用することが
できる溶媒として前記に例示したものなどが
挙げられる。
反応後、化合物Tを有機合成化学で通常用い
られる方法(各種クロマトグラフィー法、再
晶法、蒸留法など)により精製して、化合物T
1
または化合物T 2
を得ることができる。化合物Tから化合物T 1
または化合物T 2
を得る方法としては、例えば、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーなどが好ましい。
(工程3)
工程2で得た化合物T 1
と、Y-OH(式中、Yは前記と同義である)とを、
合剤の存在下、0~100℃で1~24時間反応させる
とにより、化合物(I)を製造することができ
。
化合物T 1
に対し、化合物Y-OHを0.8~3倍モル使用すること
が好ましい。
縮合剤としては、前記に示した工程1で使用
される縮合剤が使用できる。
化合物T 1
に対し、縮合剤を1~10倍モル使用するのが好
しく、1~5倍モル使用することがより好まし
。
反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし
は、化合物Fを製造する際に使用することが
できる溶媒として前記に例示したものなどが
挙げられる。
反応後、必要に応じて、化合物(I)を有機合
化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ
ラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製
てもよい。
工程2以外の化合物T 1
または化合物T 2
の入手法として、1分子の化合物Dと1分子のX-O
H(式中、Xは前記と同義である)とを縮合させ
得られるモノエステルを化合物Hの代わりに
用する以外は前記の化合物Jの製造方法と同
様な条件で反応させて、化合物T 1
または化合物T 2
を製造する方法などがあげられる。ここで、
該モノエステルは市販品として入手すること
もできる。
化合物T 1
の代わりに化合物Tまたは化合物T 2
を使用する以外は、工程3と同様な条件で反
させて、化合物(I)を製造することもできる
式(Ia)で表されるジエステル化合物は、化合
物(I)と同様にして、製造することができる。
化合物(I)の好ましい具体例を、式(I-1)~(I-11)
示す。
化合物(I-1)
化合物(I-2)
式中のn-オクタデセニル(n-C 18
H 35
)の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ)
特に限定しない。
本発明で化合物(I-2)を使用する場合、n-オク
タデセニルの違いにより生じる異性体(例え
、二重結合の位置が異なる異性体、幾何異
体など)の混合物を使用してもよく、単一の
合物を使用してもよい。
化合物(I-3)
式中のイソオクタデセニル(iso-C 18
H 35
)は炭素数18の分岐状のアルケニルであって、
その分岐の位置、二重結合の位置、および幾
何異性(EまたはZ)は特に限定しない。
本発明で化合物(I-3)を使用する場合、イソ
クタデセニルの違いにより生じる異性体(例
ば、二重結合の位置が異なる異性体、分岐
位置が異なる異性体、幾何異性体など)の混
合物を使用してもよく、単一の化合物を使用
してもよい。
化合物(I-4)
化合物(I-5)
化合物(I-5)には、化合物(I-5a)および化合物(I
-5b)の2種類の異性体が存在する。本発明で化
物(I-5)を使用する場合、化合物(I-5a)および
合物(I-5b)の混合物であってもよいし、化合
(I-5a)または化合物(I-5b)、それぞれ単一の化
物でもよい。
化合物(I-6)
式中のn-オクタデセニル(n-C 18
H 35
)の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ)
特に限定しない。
本発明で化合物(I-6)を使用する場合、n-オク
タデセニルの違いにより生じる異性体(例え
、二重結合の位置が異なる異性体、幾何異
体など)の混合物を使用してもよく、単一の
合物を使用してもよい。
化合物(I-7)
式中のn-オクタデセニル(n-C 18
H 35
)の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ)
特に限定しない。
本発明で化合物(I-7)を使用する場合、n-オク
タデセニルの違いにより生じる異性体(例え
、二重結合の位置が異なる異性体、幾何異
体など)の混合物を使用してもよく、単一の
合物を使用してもよい。
化合物(I-8)
化合物(I-9)
式中のn-ドデセニル(n-C 12
H 23
)の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ)
特に限定しない。
本発明で化合物(I-9)を使用する場合、n-ドデ
セニルの違いにより生じる異性体(例えば、
重結合の位置が異なる異性体、幾何異性体
ど)の混合物を使用してもよく、単一の化合
を使用してもよい。
化合物(I-10)
式中のイソドデセニル(iso-C 12
H 23
)は炭素数12の分岐状のアルケニルであって、
その分岐の位置、二重結合の位置、および幾
何異性(EまたはZ)は特に限定しない。
本発明で化合物(I-10)を使用する場合、イソ
デセニルの違いにより生じる異性体(例えば
、二重結合の位置が異なる異性体、分岐の位
置が異なる異性体、幾何異性体など)の混合
を使用してもよく、単一の化合物を使用し
もよい。
化合物(I-11)
本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤
、化合物(I)の他に、公知の油類用添加剤に
いられる化合物などを含有してもよい。
本発明の潤滑油は、潤滑油基油と、化合物(
I)を含有する油類用添加剤とを含有する。潤
油中における化合物(I)の含有量は、潤滑油1
kg中0.001~300ミリモルであるのが好ましく、0.01
~200ミリモルであるのがより好ましく、さら
は0.1~100ミリモルであるのが好ましい。該含
量が前記の好ましい範囲内であると、より
れた耐摩耗特性またはより優れた耐摩擦特
を潤滑油基油に付与することができる。
潤滑油基油としては、例えば、天然基油、
成基油などの潤滑油基油を使用できる。
天然基油としては、鉱物油、植物油、獣油
どが挙げられる。
鉱物油としては、例えば、パラフィン基系
油、中間基系原油、ナフテン基系原油など
挙げられる。また、これらを蒸留などによ
精製して得られる精製油も使用可能である
合成基油としては、ポリ-α-オレフィン( リブテン、ポリプロピレン、炭素数8~14のα- レフィンオリゴマーなど)、脂肪酸エステル (脂肪酸モノエステル、多価アルコールの脂 酸エステル、脂肪族多塩基酸エステルなど) 芳香族エステル(芳香族モノエステル、多価 アルコールの芳香族エステル、芳香族多塩基 酸エステルなど)、ポリアルキレングリコー 、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エ テル、ポリフェニルエーテル、アルキルベ ゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL) 、フルオロカーボン、イオン液体などが挙げ られる。
潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィ ン、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコ ール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸 エステル、ポリフェニルエーテル、アルキル ベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド (GTL)および植物油からなる群から選ばれる1種 類以上であるのが好ましく、ポリ-α-オレフ ンおよび/または脂肪酸エステルであるのが り好ましく、さらには、ポリ-α-オレフィン であるのが好ましい。
本発明の潤滑油は、潤滑油基油と化合物( I)を含有する油類用添加剤の他に、任意成分 して、清浄分散剤、酸化防止剤、摩耗低減 (耐摩耗剤、焼付き防止剤、極圧剤など)、 擦調整剤、油性剤、防錆剤、気相防錆剤、 動点降下剤、粘度指数向上剤、増粘剤、防 剤、消泡剤、抗乳化剤、染料、香料などの 通常潤滑油添加剤として用いられているも を含有してもよい。これらの添加剤の含有 は、潤滑油中、それぞれ、0.001~5重量%である のが好ましい。
本発明の潤滑油は、例えば、エンジン油、
ェットエンジン油、自動変速機油、無段変
機油、ギヤ油、パワーステアリング油、シ
ックアブソーバ油、タービン油、作動油、
凍機油、圧延油、軸受油、金属加工用潤滑
、摺動面油、グリース、生体潤滑剤などに
用することができる。
なお、本発明の化合物(I)を含有する油類用
加剤は、潤滑油基油以外の油類、例えば、
料油などの油類にも使用できる。
燃料油としては、バイオディーゼル燃料な
が挙げられる。燃料油中の化合物(I)の含有
は、0.00001~10質量%であるのが好ましく、0.000
01~1質量%であるのがより好ましい。該含有量
前記の好ましい範囲内であると、より優れ
耐摩耗特性またはより優れた耐摩擦特性を
料油に付与することができる。
また、上記燃料油は、本発明の化合物(I)を
有する油類用添加剤の他、各種の添加剤を
有してもよい。
本発明の化合物(I)を含有する油類用添加 は、摺動部材用固体潤滑剤、保護被覆剤、 学フイルムなどとしても使用できる。ここ 、摺動部材としては、プラスチック製歯車 ベアリング、カムなどが挙げられる。該保 被覆剤は、感熱記録媒体、磁気記録媒体、 写媒体、平版印刷版原版、受像シート、ト ー、電子感光体、光・電子デバイス、加工 材、加工具、航空・宇宙用機器、生体材料 どの表面を保護するためなどに使用できる
以下、実施例により、本発明をさらに具体
に説明する。
実施例中の測定データは、以下の測定機器
測定手法により得た。
(1)核磁気共鳴スペクトル( 1
H-NMR;テトラメチルシランを標準物として使用
):GSX-400(400MHz)(日本電子社製)
(2)動摩擦係数の測定(耐摩擦特性の評価):曽田
式振子型摩擦試験機(神鋼造機社製)
(3)摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価):シェル
式四球摩擦試験機(高千穂精機社製)
(製造例1)化合物F 1
グルタミン酸(東京化成工業社製)110.0gおよ
無水フタル酸(新日鉄化学社製)110.7gを155℃で
0.5時間反応させた。135℃まで冷却し、無水酢
酸(和光純薬工業社製)を229.6g滴下し、反応液
120℃で0.8時間加熱した。得られた反応混合
を110℃まで冷却し、キシレンを300mL添加し
溶液を5℃まで冷却した。析出した結晶を濾
し、得られた結晶をキシレン150mLで洗浄後
減圧下60℃で乾燥させ、化合物F 1
を124.3g(収率56.4%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);2.19(m,1H),2.78-2.98(m,2H),3.17(m,1H),5.11(m,1H),7.7
9(m,2H),7.91(m,2H)
(製造例2)化合物J 1
オクタデシルコハク酸無水物(東京化成工業
社製)17.6gおよびエタノールアミン(東京化成
業社製)3.1gを窒素雰囲気下、160℃で4時間反
させた。得られた反応生成物をシリカゲル
ラムクロマトグラフィーにより精製し(展開
:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 1
を10.6g(収率54%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,32H),1.51(m,1H),1.92(m,1H),2.19(t,
1H),2.42(dd,1H),2.83(m,1H),2.87(dd,1H),3.73(m,2H),3.78(m,2H)
(製造例3)化合物J 2
オクタデセニルコハク酸無水物(東京化成工 業社製;2-オクタデセニルコハク酸無水物を90% 以上含む)35.1gおよびエタノールアミン(東京 成工業社製)6.1gを窒素雰囲気下、110℃で6時 反応させた。得られた反応生成物をシリカ ルカラムクロマトグラフィーにより精製し( 開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 2 を29.6g(収率75.3%)得た。ここで得られた化合物 J 2 は、n-オクタデセニルの違いにより生じる異 体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,26H),1.98(dt,2H),2.18(t,1H),2.33(m
,1H),2.49(dd,1H),2.54(m,1H),2.79(dd,1H),2.91(m,1H),3.72(m,2H
),3.76(m,2H),5.28(m,1H),5.55(m,1H)
(製造例4)化合物J 3
イソオクタデセニルコハク酸無水物(東京化 成工業社製、90%以上)17.5gおよびエタノールア ミン(東京化成工業社製)3.1gを窒素雰囲気下、 110℃で3時間反応させた。得られた反応生成 をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに り精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化 物J 3 を12.5g(収率63.0%)得た。ここで得られた化合物 J 3 は、イソオクタデセニルの違いにより生じる 異性体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.87(m,6H),1.25(m,22H),1.65(m,2H),1.95(m,2H),2.23(t,
1H),2.35-2.80(m,2H),2.90(m,1H),3.70(m,4H),5.05(m,1H),5.50(m,
1H)
(製造例5)化合物J 4
オクタデシルコハク酸無水物(東京化成工業
社製)63.2gおよび6-アミノ-1-ヘキサノール(東京
化成工業社製)21.0gを窒素雰囲気下、110℃で4
間反応させた。得られた反応生成物をシリ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 4
を55.87g(収率69.0%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,3H),1.18-1.62(m,42H),1.90(m,1H),2.35(m,1H),2.
80(m,2H),3.49(t,2H),3.63(m,2H)
(製造例6)化合物J 5
6-アミノ-1-ヘキサノール(東京化成工業社製)
25.35gおよび無水フタル酸(新日鉄化学社製)32.0
5gを、キシレン100ml中、窒素雰囲気下、128℃
6時間反応させた。反応液を室温まで冷却後
溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物
シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)、
合物J 5
を50.71g (収率94.8%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm):1.29(t,1H),1.35-1.47(m,4H),1.53-1.60(m,2H),1.67-1.73
(m,2H),3.63(q,2H),3.69(t,2H),7.70-7.72(m,2H),7.83-7.85(m,2H)
(製造例7)化合物T 1a
オクタデセニルコハク酸無水物(東京化成工
業社製;2-オクタデセニルコハク酸無水物を90%
以上含む)50.0gおよび2-アミノペンタン二酸水
=5-メチル(東京化成工業社製)34.5gを、トルエ
ン300ml中、窒素雰囲気下、反応により生成し
水をディーン・シュターク分水管で反応系
に除去しながら、120℃で5時間反応させた。
反応液を室温まで冷却後、溶媒を除去し、粗
生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し(展開液:ヘ
サン/酢酸エチル)、化合物T 1a
を14.93g(収率25.3%)得た。ここで得られた化合
T 1a
は、n-オクタデセニルの違いにより生じる異
体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,3H),1.18-1.40(m,26H),1.99(m,2H),2.25-2.96(m,9
H),3.68(s,3H),4.80(dd,1H),5.30(m,1H),5.57(m,1H),9.40(br,1H)
(製造例8)化合物T 1b
2-オクテニルコハク酸無水物(東京化成工業 製)26.1gおよび2-アミノペンタン二酸水素=5- チル(東京化成工業社製)30.0gを、トルエン200m l中、窒素雰囲気下、反応により生成した水 ディーン・シュターク分水管で反応系外に 去しながら、120℃で8時間反応させた。反応 を室温まで冷却後、溶媒を除去し、粗生成 を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロ トグラフィーにより精製し(展開液:ヘキサ /酢酸エチル)、化合物T 1b を10.52g(収率24.0%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,3H),1.18-1.40(m,6H),1.99(m,2H),2.28-3.00(m,9H
),3.69(s,3H),4.80(dd,1H),5.30(m,1H),5.57(m,1H),9.80(br,1H)
(製造例9)化合物J 6
ドデセニルコハク酸無水物(和光純薬工業社
製)55.3gおよびエタノールアミン(東京化成工
社製)13.9gを窒素雰囲気下、130℃で4時間反応
せた。得られた反応生成物をシリカゲルカ
ムクロマトグラフィーにより精製し(展開液
:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 6
を10.6g(収率54%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,14H),1.99(m,2H),2.28-2.63(m,4H),2.
79(dd,1H),2.92(m,1H),3.71(m,2H),3.76(m,2H),5.28(m,1H),5.55(m
,1H)
(製造例10)化合物J 7
無水マレイン酸15.0g(キシダ化学社製)および 分子式がC 12 H 24 である異性体混合物35.1g(ブテンの3量体を蒸 して得たもの。沸点:190-200℃)をオートクレ ブ中で窒素雰囲気下、225℃で5時間反応させ 。得られた反応生成物を減圧濃縮して粗生 物を得た。粗生成物35.2gおよびエタノール ミン(東京化成工業社製)8.1gを150℃で5.5時間 応させた。得られた反応生成物をシリカゲ カラムクロマトグラフィーにより精製し(展 液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 7 を31.8g(収率69%)得た。ここで得られた化合物J 7 は、イソドデセニルの違いにより生じる異性 体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.60-1.65(m,18H),2.00(m,2H),2.20-3.30(m,5H),3.71(m,4
H),4.70-5.62(m,1H)
(潤滑油基油および潤滑油基油を含有する組
物)
潤滑油基油A 0
;ポリ-α-オレフィン(DURASYN164;イネオスオリゴ
ーズジャパン社製)
組成物A 1
;ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーシ
ン社製)0.5重量部と、IRGANOX L57(チバ・スペ
ャルティ・ケミカルズ社製)0.5重量部と、潤
油基油A 0
99.0重量部とを混合して組成物A 1
を得た。
潤滑油基油B 0
;アジピン酸ビス(3,5,5-トリメチルヘキシル)
組成物B 1
;ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーシ
ン社製)0.5重量部と潤滑油基油B 0
99.5重量部とを混合して組成物B 1
を得た。
化合物(I-1)
化合物J 1
5.7g、2-フタルイミドペンタン二酸(関東化学
製)2.0g、塩化メチレン(キシダ化学社製)50mL、
および4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社
製)1.8gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N
-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
酸塩(アイバイツ社製)3.0gを室温で加え、反
液を室温で1時間攪拌した後、40℃で8時間攪
した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ
ネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を
去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精
し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-1
)を6.25g(収率91.0%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,6H),1.25(m,66H),1.85(m,2H),2.36(m,5H),2.53(m,
1H),2.80(m,4H),3.73(m,4H),4.16(m,2H),4.30(m,2H),4.90(m,1H),7
.75(m,2H),7.85(m,2H)
(1)動摩擦係数の測定(耐摩擦特性の評価)
化合物(I-1)を、組成物A 1
または組成物B 1
のそれぞれに10mmol/kgとなるように加え、潤滑
油の試作油を調製した。
ついで、これらの試作油の40℃、80℃、120℃
、150℃における動摩擦係数を曽田式振子型摩
擦試験機(神鋼造機社製)を用いて測定した。
摩擦係数は振子の初期振幅、振動させた時
振幅、振動回数から算出した。結果を表1に
示す。
(2)摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価)
化合物(I-1)を、潤滑油基油A 0
または潤滑油基油B 0
のそれぞれに10mmol/kgとなるように加え、潤滑
油の試作油を調製した。
ついで、(ASTM D4172)規定の方法(荷重;40kgf 回転数;1200rpm、時間;60分、温度;75℃)に準じ れらの試作油の試験を行い、試験後の摩耗 径を測定した。試験機には、シェル式四球 擦試験機(高千穂精機社製)を用いた。摩耗痕 径は3つの固定球の垂直方向、水平方向全て 平均値とした。結果を表2に示す。
化合物(I-2)
化合物J 2
15.7g、2-フタルイミドペンタン二酸(関東化学
製)5.5g、塩化メチレン(キシダ化学社製)120mL
および4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学
製)4.9gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,
N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩(アイバイツ社製)8.4gを室温で加え、反
応液を室温で1時間攪拌した後、40℃で4時間
拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩
酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
蒸留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を
留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I
-2)を11.2g(収率54.6%)得た。ここで得られた化合
物(I-2)は、n-オクタデセニルの違いにより生
る異性体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,6H),1.25(m,52H),1.97(m,4H),2.23(m,2H),2.31-2.
62(m,8H),2.77-2.93(m,4H),3.74(m,4H),4.16(m,2H),4.30(m,2H),4.
90(m,1H),5.25(m,2H),5.52(m,2H),7.75(m,2H),7.85(m,2H)
実施例1に記載の方法に従い、化合物(I-2)を
潤滑油基油A 0
、組成物A 1
、または組成物B 1
のそれぞれに加えて、試作油を調製した。組
成物A 1
または組成物B 1
を用いた試作油の耐摩擦特性および潤滑油基
油A 0
を用いた試作油の耐摩耗特性を、実施例1に
載の方法により評価した。結果を表1および
2に示す。
化合物(I-3)
化合物J 3
12.5g、2-フタルイミドペンタン二酸(関東化学
製)4.4g、塩化メチレン(キシダ化学社製)100mL
および4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学
製)3.9gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,
N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩(アイバイツ社製)6.7gを室温で加え、反
応液を室温で2時間攪拌した後、40℃で2時間
拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩
酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
蒸留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を
留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I
-3)を12.2g(収率74.8%)得た。ここで得られた化合
物(I-3)は、イソオクタデセニルの違いにより
じる異性体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.90(m,12H),1.25(m,48H),1.94(m,4H),2.28-2.93(m,12H),
3.70(m,4H),4.14(m,2H),4.27(m,2H),4.90(m,1H),5.05(m,2H),5.47(
m,2H),7.75(m,2H),7.85(m,2H)
実施例1に記載の方法に従い、化合物(I-3)を
滑油基油A 0
または組成物A 1
のそれぞれに加えて、試作油を調製した。組
成物A 1
を用いた試作油の耐摩擦特性および潤滑油基
油A 0
を用いた試作油の耐摩耗特性を、実施例1に
載の方法により評価した。結果を表1および
2に示す。
化合物(I-4)
化合物J 4
40.0gおよび化合物F 1
23.0gを窒素雰囲気下、125℃で4時間反応させた
。得られた反応生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより精製し(展開液:ヘキ
ン/酢酸エチル)、2-フタルイミドペンタン二
酸水素=5-[6-(3-オクタデシルスクシンイミド)
キシル]を27.1g(白色固体、収率43.1%)得た。
2-フタルイミドペンタン二酸水素=5-[6-(3-オ
タデシルスクシンイミド)ヘキシル]15.0g、化
物J 4
9.5g、塩化メチレン(キシダ化学社製)140mL、お
び4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)
2.6gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N’-
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
塩(アイバイツ社製)4.45gを室温で加え、反応
を40℃で7時間攪拌した。反応液を室温まで
却し、0.5mol/l塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、蒸留水で順次洗浄した。有機
層を無水硫酸マグネシウムで脱水後、濾過し
、母液の溶媒を留去し、粗生成物を得た。こ
の粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エ
チル)、化合物(I-4)を18.3g(収率75.6%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,6H),1.08-1.61(m,82H),1.89(m,2H),2.30-2.84(m,1
0H),3.44(m,4H),3.99(m,2H),4.15(m,2H),4.91(m,1H),7.75(m,2H),7
.85(m,2H)
化合物(I-4)を油類用添加剤とした以外は実
例1と同様にして試作油を調製し、実施例1に
記載の方法により評価した。結果を表1およ
表2に示す。
化合物(I-5a)
化合物J 5
30.0 gおよび化合物F 1
31.53gを窒素雰囲気下、120℃で3時間反応させ
た。反応液を室温まで冷却し、粗生成物を得
た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)
より精製し、2-フタルイミド-ペンタン二酸
素=5-(6-フタルイミドヘキシル)を6.79g(収率11.1
%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm):1.34-1.36(m,4H),1.55-1.61(m,2H),1.63-1.70(m,2H),2.34
-2.44(m,2H),2.46-2.55(m,1H),2.58-2.67(m、1H),3.67(t,2H),4.0
1(t,2H),4.99(dd,1H),7.69-7.75(m,4H),7.82-7.87(m,4H)
2-フタルイミド-ペンタン二酸水素=5-(6-フタ
イミドヘキシル)3.28g、化合物J 4
2.68g、および塩化メチレン(キシダ化学社製)30
mlを混合して得た溶液に、4-ジメチルアミノ
リジン0.91g、および1-エチル-3-(N,N’-ジメチ
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(アイ
バイツ社製)1.38gを加え、反応液を室温で3時
攪拌した。反応液を0.5mol/l塩酸水溶液、飽和
炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水後
、濾過し、母液の溶媒を除去し、粗生成物を
得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し(展開液:クロロ
ルム/メタノール=50/1)、化合物(I-5a)を2.89g(収
率50.4%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm):0.88(t,3H),1.25-1.35(m,40H),1.43-1.68(m,9H),1.85-1.9
4(m,1H),2.33-2.39(m,3H),2.43-2.53(m,1H),2.57-2.66(m,1H),2.72
-2.84(m,2H),3.43(t,2H),3.67(t,2H),3.94-4.04(m,2H),4.07-4.18(
m,2H),4.91(dd,1H),7.69-7.72(m,2H),7.74-7.76(m,2H),7.82-7.84(
m,2H),7.86-7.88(m,2H)
化合物(I-5a)を油類用添加剤とした以外は実
例1と同様にして試作油を調製し、実施例1
同様に評価した。結果を表1および表2に示す
。
化合物(I-6)
化合物J 2
4.0g、化合物T 1a
5.0g、塩化メチレン(キシダ化学社製)50mL、お
び4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)1
.4gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N’-
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
(アイバイツ社製)2.1gを室温で加え、反応液
室温で3.5時間攪拌した後、さらに反応液に4
-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)0.1g
および1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロ
ル)カルボジイミド塩酸塩(アイバイツ社製)0
.2gを室温で加え、反応液を室温で0.7時間攪拌
した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩酸
溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸
水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグ
シウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留
し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-6)
1.4g(収率16.0%)得た。ここで得られた化合物(I
-6)は、n-オクタデセニルの違いにより生じる
性体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(m,6H),1.25(m,52H),1.97(m,4H),2.20-2.60(m,10H),2
.70-2.89(m,3H),3.01(m,1H),3.68(s,3H),3.74(m,2H),4.10-4.45(m,
2H),4.68(m,1H),5.27(m,2H),5.55(m,2H)
化合物(I-6)を油類用添加剤とした以外は実
例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と
同様に評価した。結果を表1および表2に示す
化合物(I-7)
化合物J 2
10.0g、化合物T 1b
9.0g、塩化メチレン(キシダ化学社製)90mL、お
び4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)3
.4gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N’-
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
(アイバイツ社製)5.4gを室温で加え、反応液
室温で0.5時間攪拌した後、40℃で2.5時間攪
した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩酸
水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸
留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留
去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-7)
を6.2g(収率33.1%)得た。ここで得られた化合物(
I-7)は、n-オクタデセニルの違いにより生じる
異性体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(m,6H),1.28(m,32H),2.01(m,4H),2.20-2.57(m,10H),2
.72-2.93(m,3H),3.01(m,1H),3.67(s,3H),3.73(m,2H),4.20(m,1H),4
.35(m,1H),4.68(m,1H),5.27(m,2H),5.55(m,2H)
化合物(I-7)を油類用添加剤とした以外は実
例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と
同様に評価した。結果を表1および表2に示す
化合物(I-8)
2-フタルイミドペンタン二酸5.5g(東京化成工
業社製)、4-ジメチルアミノピリジン4.9g(和光
薬工業社製)、(Z)-9-オクタデセン-1-オール10.
7g(和光純薬工業社製)、および塩化メチレン50
mL(和光純薬工業社製)を混合して得た溶液に
1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(アイバイツ社製)8.4gを加え、反
応液を室温で1時間攪拌した後、40℃で5時間
拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの
塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で
順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去し、
化合物(I-8)14.7g(収率:94%)を得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,6H),1.27(m,44H),1.50-1.65(m,4H),1.90-2.08(m,8
H),2.39(t,2H),2.42-2.57(m,1H),2.60-2.68(m,1H),4.01(t,2H),4.1
4(m,2H),4.92(dd,1H),5.35(m,4H),7.75(d,2H),7.86(d,2H)
化合物(I-8)を油類用添加剤とした以外は実
例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と
同様に評価した。結果を表1および表2に示す
化合物(I-9)
化合物J 6
9.9g、2-フタルイミドペンタン二酸4.4g(東京化
工業社製)、4-ジメチルアミノピリジン3.9g(
光純薬工業社製)、および塩化メチレン50mL(
光純薬工業社製)を混合して得た溶液に、1-
チル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カル
ジイミド(アイバイツ社製)6.8gを加え、反応
を室温で1.5時間攪拌した後、40℃で3.5時間攪
拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの
酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で
次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ
で脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去し、
生成物を得た。この粗生成物をシリカゲル
ラムクロマトグラフィーにより精製し(展開
液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-9)を7.4g(
率54.1%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.88(t,6H),1.26(m,28H),1.90-2.08(m,4H),2.24(m,2H),2.
32-2.60(m,8H),2.67-2.95(m,4H),3.73(m,4H),4.15(m,2H),4.30(m,2
H),4.90(m,1H),5.25(m,2H),5.52(m,2H),7.75(m,2H),7.86(m,2H)
化合物(I-9)を油類用添加剤とした以外は実
例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と
同様に評価した。結果を表1および表2に示す
化合物(I-10)
化合物J 7
8.5g、2-フタルイミドペンタン二酸3.8g(東京化
工業社製)、4-ジメチルアミノピリジン3.4g(
光純薬工業社製)、および塩化メチレン85mL(
光純薬工業社製)を混合して得た溶液に、1-
チル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カル
ジイミド(アイバイツ社製)5.8gを加え、反応
を室温で0.5時間攪拌した後、40℃で6.5時間攪
拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの
酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩
で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ
ウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去
、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し(
展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-10)を
3.2g(収率27.0%)得た。ここで得られた化合物(I-1
0)は、イソドデセニルの違いにより生じる異
体の混合物である。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.60-2.13(m,42H),2.19-3.31(m,12H),3.73(m,4H),4.00-4.
45(m,4H),4.70-5.60(m,3H),7.75(m,2H),7.85(m,2H)
化合物(I-10)を油類用添加剤とした以外は実
例3と同様にして試作油を調製し、実施例3
同様に評価した。結果を表1および表2に示す
。
化合物(I-11)
2-フタルイミドペンタン二酸5.5g(東京化成工
業社製)、4-ジメチルアミノピリジン4.9g(和光
薬工業社製)、オクタデシルアルコール10.8g(
東京化成工業社製)、および塩化メチレン50mL(
和光純薬工業社製)を混合して得た溶液に、1-
エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(アイバイツ社製)8.4gを加え、反応
液を室温で1時間攪拌した後、40℃で5時間攪
した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの塩
酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で順
次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム
で脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去し、粗
生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し(展開
:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-12)を11.3g(
率72.0%)得た。
1
H-NMR(CDCl 3
,δppm);0.83(t,6H),1.25(m,60H),1.58(m,4H),2.38(m,2H),2.50(m,
1H),2.62(m,1H)4.01(t,2H),4.14(m,2H),4.92(dd,1H),7.75(m,2H),7
.86(m,2H)
このようにして得られた化合物(I-11)を油類
添加剤とした以外は実施例3と同様にして試
作油を調製し、実施例3と同様に評価した。
果を表1および表2に示す。
(比較例1)
東京化成工業社製のジベンジルジスルフィ
(DBDS)を油類用添加剤とした以外は実施例1と
同様にして試作油を調製し、実施例1と同様
評価した。結果を表1および表2に示す。
表1において、動摩擦係数の値が小さいも の程、試作油の耐摩擦特性が優れていること を表す。また、表2において、摩耗痕径の値 小さいもの程、試作油の耐摩耗特性が優れ いることを表す。化合物(I)を油類用添加剤 使用することにより、耐摩耗特性または耐 擦特性が優れた試料油を提供することがで た。
本発明によれば、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供できる。