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Title:
ADDITIVE FOR OIL AND LUBRICANT CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139433
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an additive for oils, which contains a compound represented by formula (I).  [In formula (I), m represents 0 or 1; R1 and R2 may be the same or different and each represents a hydrogen atom, an optionally substituted alkyl or the like; and X and Y may be the same or different and each represents a group represented by formula (II) or the like.  [In formula (II), R3 and R4 each represents a hydrogen atom, an optionally substituted alkyl group or the like.]]  The additive for oils contains a compound which is capable of providing oils such as lubricant base oils or fuel oils with excellent abrasion resistance characteristics or excellent friction resistance characteristics.

Inventors:
ISOGAI YUKIHIRO
HIYOSHI SATOSHI
NAKAYAMA SHINGO
KISHIMOTO SHIGEHISA
Application Number:
PCT/JP2009/058972
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 14, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KYOWA HAKKO CHEMICAL CO LTD (JP)
ISOGAI YUKIHIRO
HIYOSHI SATOSHI
NAKAYAMA SHINGO
KISHIMOTO SHIGEHISA
International Classes:
C10M133/16; C10M101/02; C10M101/04; C10M105/04; C10M105/06; C10M105/18; C10M105/32; C10M105/74; C10M107/02; C10M107/50; C10N30/06; C10N40/00; C10N40/02; C10N40/04; C10N40/06; C10N40/08; C10N40/20; C10N40/25; C10N40/30
Domestic Patent References:
WO2008072740A12008-06-19
WO2008139992A12008-11-20
Foreign References:
JP2002528559A2002-09-03
JPH04114097A1992-04-15
JPS58171488A1983-10-08
JPH06200268A1994-07-19
JPH10279983A1998-10-20
JPS62125079A1987-06-06
JPS4637338B1
Other References:
SORITSU 50 SHUNEN KINEN KOKUSAI SYMPOSIUM DAI 38 KAI SEKIYU · SEKIYU KAGAKU TORONKAI, 5 November 2008 (2008-11-05), pages 189 - 190
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Claims:
 式(I)
{式(I)中、
mは0または1を表し、
R 1 およびR 2 は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1 とR 2 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になってベンゼン環またはナフタレン環を形成し、
XおよびYは、同一または異なって、アルキル、アルケニル、または
式(II)
[式(II)中、R 3 およびR 4 は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、R 3 とR 4 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になってベンゼン環またはナフタレン環を形成し、Lはアルキレンを表す]を表す}で表される化合物を含有する油類用添加剤。
 XおよびYの少なくとも一方が、式(II)である請求項1に記載の油類用添加剤。
 XまたはYの一方が、アルキルまたはアルケニルであり、他方が式(II)である請求項1に記載の油類用添加剤。
 XおよびYが、同一または異なって、式(II)である請求項1に記載の油類用添加剤。
 XおよびYが、同一または異なって、アルキルまたはアルケニルである請求項1に記載の油類用添加剤。
 請求項1~5のいずれかに記載の油類用添加剤と、潤滑油基油とを含有する潤滑油。
 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィン、脂肪酸エステル、芳香族エステル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、イオン液体、植物油および獣油からなる群より選ばれる1種以上である請求項6に記載の潤滑油。
 式(Ia)
{式(Ia)中、
mは0または1を表し、
R 1 およびR 2 は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1 とR 2 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になってベンゼン環またはナフタレン環を形成し、
X a およびY a は、同一または異なって、アルキル、アルケニル、または
式(IIa)
[式(IIa)中、R 3a およびR 4a は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル、または置換基を有していてもよいアルケニルを表すか、R 3a とR 4a とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になってベンゼン環またはナフタレン環を形成し、L a はアルキレンを表す]を表し、
X a およびY a の少なくとも一方が式(IIa)を表す}で表されるジエステル化合物。
 X a およびY a の一方が、アルキルまたはアルケニルであり、他方が式(IIa)である請求項8に記載のジエステル化合物。
 X a およびY a が、同一または異なって、式(IIa)である請求項8に記載のジエステル化合物。
Description:
油類用添加剤およびこれを含有 る潤滑油

 本発明は、潤滑油基油や燃料油などに用 る油類用添加剤などに関する。

 潤滑油は、一般に、潤滑油基油と潤滑油添 剤とを含有する。金属分やリン分は環境に 影響を及ぼすので、金属分やリン分を含有 ない潤滑油添加剤が求められている。(「潤 滑経済」、2005年、7月号、p.7、または「月刊 ライボロジー」、2005年、12月号、p.36参照)
 潤滑油には様々な特性が求められ、その中 耐摩耗特性および耐摩擦特性がある。潤滑 基油に耐摩耗特性または耐摩擦特性を付与 るための添加剤が検討されている(特許第256 3295号公報など参照)。

 グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミ 酸のアルキルエステルと油類とを含有する 化性錆止め油が知られている(特許文献1)。
 2-フタルイミドペンタン二酸のジメチルエ テルなどが、サリドマイドの原料などとし 有用であることが知られている(非特許文献1 )

特開昭56-26995号公報

「オーガニック・プロセス・リサーチ・ アンド・ディベロップメント(Organic Process Re search & Development)」、2005年、第9巻、p.853

 本発明の目的は、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供することにある。

 本発明は、以下の(1)~(10)を提供する。
(1)式(I)

{式(I)中、
mは0または1を表し、
R 1 およびR 2 は、同一または異なって、水素原子、置換基 を有していてもよいアルキル、または置換基 を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1 とR 2 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、
XおよびYは、同一または異なって、アルキル アルケニル、または
式(II)

[式(II)中、R 3 およびR 4 は、同一または異なって、水素原子、置換基 を有していてもよいアルキル、または置換基 を有していてもよいアルケニルを表すか、R 3 とR 4 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、L アルキレンを表す]を表す}で表される化合物 を含有する油類用添加剤。
(2)XおよびYの少なくとも一方が、式(II)である (1)に記載の油類用添加剤。
(3)XまたはYの一方が、アルキルまたはアルケ ルであり、他方が式(II)である(1)に記載の油 類用添加剤。
(4)XおよびYが、同一または異なって、式(II)で ある(1)に記載の油類用添加剤。
(5)XおよびYが、同一または異なって、アルキ またはアルケニルである(1)に記載の油類用 加剤。
(6)(1)~(5)のいずれかに記載の油類用添加剤と 潤滑油基油とを含有する潤滑油。
(7) 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィ ン、脂肪酸エステル、芳香族エステル、ポリ アルキレングリコール、リン酸エステル、シ リコーン、ケイ酸エステル、ポリフェニルエ ーテル、アルキルベンゼン、合成ナフテン、 ガスツーリキッド(GTL)、フルオロカーボン、 オン液体、植物油および獣油からなる群よ 選ばれる1種以上である(6)に記載の潤滑油。
(8)式(Ia)

{式(Ia)中、mは0または1を表し、R 1 およびR 2 は、同一または異なって、水素原子、置換基 を有していてもよいアルキル、または置換基 を有していてもよいアルケニルを表すか、R 1 とR 2 とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、
X a およびY a は、同一または異なって、アルキル、アルケ ニル、または
式(IIa)

[式(IIa)中、R 3a およびR 4a は、同一または異なって、水素原子、置換基 を有していてもよいアルキル、または置換基 を有していてもよいアルケニルを表すか、R 3a とR 4a とが、それぞれが隣接するC-Cと一緒になって ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、L a はアルキレンを表す]を表し、X a およびY a の少なくとも一方が式(IIa)を表す}で表される ジエステル化合物。
(9)X a およびY a の一方が、アルキルまたはアルケニルであり 、他方が式(IIa)である(8)に記載のジエステル 合物。
(10)X a およびY a が、同一または異なって、式(IIa)である(8)に 載のジエステル化合物。

 本発明によれば、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供できる。

 本発明の油類用添加剤は、潤滑油基油や燃 油などの油類に添加され、潤滑油基油や燃 油などの油類に耐摩耗特性または耐摩擦特 を付与するものであって、式(I)で表される 合物を含有する。以下、この化合物のこと 化合物(I)という場合もある。
 アルキルとしては、例えば、直鎖状または 岐状のものが挙げられ、中でも炭素数1~30の ものが好ましい。

 直鎖状のアルキルとしては、例えば、メチ 、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、 キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、 トラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル エイコシル、ペンタコシル、トリコンチル どが挙げられる。
 分岐状のアルキルとしては、例えば、イソ ロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチ 、ネオペンチル、ブチルオクチル、ブチル シル、ヘキシルオクチル、ヘキシルデシル オクチルデシル、ヘキシルドデシル、オク ルドデシル、イソオクタデシル、デシルテ ラデシル、ドデシルヘキサデシルなどが挙 られる。

 アルケニルとしては、例えば、直鎖状また 分岐状のものが挙げられ、中でも炭素数2~30 のものが好ましい。
 直鎖状のアルケニルとしては、例えば、ビ ル、アリル、ブテニル、ペンテニル、オク ニル、ドデセニル、オクタデセニル、イコ ニル、トリコンテニルなどが挙げられる。
 分岐状のアルケニルとしては、例えば、イ プロペニル、イソブテニル、2-メチルプロ ニル、ブチルオクテニル、オクチルブテニ 、イソドデセニル、ブチルデセニル、ヘキ ルオクテニル、ヘキシルデセニル、デシル クテニル、ドデシルヘキセニル、オクチル デセニル、イソオクタデセニル、デシルテ ラデセニル、ドデシルヘキサデセニル、ド シルオクタデセニルなどが挙げられる。

 アルキレンとしては、例えば、直鎖状また 分岐状のアルキレンなどが挙げられ、炭素 2~10のものが好ましい。アルキレンの具体例 としては、エチレン、プロピレン、テトラメ チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、 オクタメチレン、2-エチルヘキシレン、デカ チレンなどが挙げられる。
 置換基を有していてもよいアルキル、およ 置換基を有していてもよいアルケニルにお る置換基としては、例えば、それぞれ、置 数1~5のアルコキシ、アルキルチオ、アルキ ジチオ、メルカプト、カルバモイル、アゾ ニトロ、シアノ、ハロゲン原子などが挙げ れる。ここで、アルコキシ、アルキルチオ およびアルキルジチオのアルキル部分は、 れぞれ前記のアルキルと同義である。ハロ ン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨ 素が挙げられる。

 式(I)において、
 mが1であるのが好ましい。
 R 1 およびR 2 としては、R 1 とR 2 とがそれぞれが隣接するC-Cと一緒になってベ ンゼン環を形成するか、R 1 およびR 2 のうち、一方が水素原子であり、他方が置換 基を有していてもよいアルキルまたは置換基 を有していてもよいアルケニルであるのが好 ましい。R 1 およびR 2 が置換基を有していてもよいアルキルまたは 置換基を有していてもよいアルケニルである とき、該アルキルまたは該アルケニルの炭素 数は8~18であるのがより好ましい。

 XおよびYが、同一または異なって、式(II)で るのが好ましい。
 化合物(I)としては、上記で示した好ましいR 1 、R 2 、X、およびYの基、ならびに好ましいmの値を それぞれ組み合わせたものが好ましい。
 XおよびYの少なくとも一方が式(II)であると 、式(II)におけるR 3 とR 4 とがそれぞれが隣接するC-Cと一緒になってベ ンゼン環を形成するか、式(II)におけるR 3 およびR 4 のうち、一方が水素原子であり、他方が置換 基を有していてもよいアルキルまたは置換基 を有していてもよいアルケニルであるのが好 ましい。R 3 またはR 4 が置換基を有していてもよいアルキルまたは 置換基を有していてもよいアルケニルである とき、該アルキルまたは該アルケニルの炭素 数は8~20であるのがより好ましく、さらには12 ~18であるのが好ましい。

 XおよびYが、同一または異なって、アルキ またはアルケニルであるとき、該アルキル たは該アルケニルの炭素数は8~20であるのが り好ましく、さらには12~18であるのが好ま い。
 次に、化合物(I)の製造方法について、例を げて説明する。
 化合物(I)の原料である化合物Aおよび化合物 Fは、市販品として入手するか、または公知 方法、例えばジャーナル・オブ・アメリカ ・ケミカル・ソサエティー(Journal of American Chemical Society)、1955年、第77巻、p.2843に記載 方法などに準じて、製造することにより得 ことができる。

(式中、m、R 1 、およびR 2 は、それぞれ前記と同義である)
 化合物Dと化合物Eとを20~200℃で0.2~24時間反 させた後、得られた反応生成物を1~10倍モル 無水酢酸で20~200℃で0.2~24時間処理すること より、化合物Fを製造することができる。
 化合物Dは、市販品として入手できる。

 化合物Eは、市販品として入手するか、公知 の方法、例えば米国特許第5512685号明細書に 載の方法などに準じて、製造することによ 得ることができる。
 化合物Dに対して、化合物Eを0.8~10倍モル使 するのが好ましい。
 化合物Dに対して、無水酢酸を1~10倍モル使 するのが好ましい。
 反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし はヘキサン、デカン、テトラデカン、トル ン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジブ ルエーテル、メトキシベンゼン、ジフェニ エーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロ タン、塩化メチレン、クロロホルム、クロ ベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲ 系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ チルアセトアミドなどのアミド系溶媒、ジ チルスルホキシドなどの含硫黄系溶媒など 挙げられる。

 反応後、必要に応じて、化合物Fを有機合成 化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ フィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製し もよい。
 化合物Fと水とを20~100℃で0.5~24時間反応させ ることにより、化合物Aを製造することがで る。
 化合物Fに対し水を1~100倍モル使用するのが ましく、1~20倍モル使用するのがより好まし い。

 反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし は、酢酸、化合物Fを製造する際に使用する ことができる溶媒として前記に例示したもの などが挙げられる。
 反応後、必要に応じて、化合物Aを有機合成 化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ フィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製し もよい。
 化合物(I)の原料であるX-OHのうち、Xが置換 てもよいアルキルまたは置換してもよいア ケニルであるものは、市販品として入手す か、例えば、特開2000-344695号公報、特開2001-8 9403号公報などに記載の方法に準じて製造す ことにより得ることができる。ここで、ア キルおよびアルケニルは、それぞれ、前記 同義である
 化合物(I)の原料であるX-OHのうち、Xが式(II) あるもの(化合物J)は、公知の方法、例えば 開昭61-235498号公報に記載の方法などに準じ 、製造することにより得ることができる。

(式中、R 3 、R 4 、およびLは、それぞれ前記と同義である)
 化合物Gは、前述の化合物Eと同様に入手す ことができる。
 化合物Hは、市販品として入手するか、例え ば特開昭61-43146号公報、ヘミッシェ・ベリヒ (Chemische Berichte)、1897年、第30巻、p.914など 記載の方法で製造することにより得ること できる。

 化合物(I)の原料であるY-OHは、X-OHと同様な 法で、入手することができる。ここで、Xお びYは、それぞれ前記と同義である。
 化合物(I)のうち、XとYとが同一である化合 (Ib)は、例えば、工程1に従って、製造するこ とができる。
(工程1)

(式中、m、R 1 、R 2 、およびXは、それぞれ前記と同義である)
 化合物(Ib)は、化合物AとX-OHとを、縮合剤の 在下、0~100℃で1~24時間反応させることによ 、製造することができる。
 工程1を行う際、化合物Aに対し、X-OHを1.6~6 モル使用するのが好ましい。

 縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボ イミド、1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプ ロピル)カルボジイミド、ベンゾトリアゾー -1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホ ウム塩、4-トリフルオロメチル安息香酸無 物、p-ニトロ安息香酸無水物などが挙げられ る。
 化合物Aに対し、縮合剤を1~20倍モル使用す のが好ましく、1~10倍モル使用するのがより ましい。

 反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし は、化合物Fを製造する際に使用することが できる溶媒として前記に例示したものなどが 挙げられる。
 反応後、必要に応じて、化合物(Ib)を有機合 成化学で通常用いられる方法(各種クロマト ラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製 てもよい。
 化合物(I)のその他の製造法として、例えば 工程2~3に従って、化合物(I)を製造する方法 挙げることができる。
(工程2)

(工程3)

(式中、m、R 1 、R 2 、XおよびYは、それぞれ前記と同義である)
(工程2)
 化合物Tは、例えば、化合物FとX-OH(式中、X 前記と同義である)とを、50~150℃で1~24時間反 応させることにより、製造することができる 。
 工程2を行う際、化合物Fに対して、化合物X- OHを0.8~3倍モル使用するのが好ましい。

 反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし は、化合物Fを製造する際に使用することが できる溶媒として前記に例示したものなどが 挙げられる。
 反応後、化合物Tを有機合成化学で通常用い られる方法(各種クロマトグラフィー法、再 晶法、蒸留法など)により精製して、化合物T 1 または化合物T 2 を得ることができる。化合物Tから化合物T 1 または化合物T 2 を得る方法としては、例えば、シリカゲルカ ラムクロマトグラフィーなどが好ましい。
(工程3)
 工程2で得た化合物T 1 と、Y-OH(式中、Yは前記と同義である)とを、 合剤の存在下、0~100℃で1~24時間反応させる とにより、化合物(I)を製造することができ 。

 化合物T 1 に対し、化合物Y-OHを0.8~3倍モル使用すること が好ましい。
 縮合剤としては、前記に示した工程1で使用 される縮合剤が使用できる。
 化合物T 1 に対し、縮合剤を1~10倍モル使用するのが好 しく、1~5倍モル使用することがより好まし 。
 反応には溶媒を使用してもよく、溶媒とし は、化合物Fを製造する際に使用することが できる溶媒として前記に例示したものなどが 挙げられる。

 反応後、必要に応じて、化合物(I)を有機合 化学で通常用いられる方法(各種クロマトグ ラフィー法、再結晶法、蒸留法など)で精製 てもよい。
 工程2以外の化合物T 1 または化合物T 2 の入手法として、1分子の化合物Dと1分子のX-O H(式中、Xは前記と同義である)とを縮合させ 得られるモノエステルを化合物Hの代わりに 用する以外は前記の化合物Jの製造方法と同 様な条件で反応させて、化合物T 1 または化合物T 2 を製造する方法などがあげられる。ここで、 該モノエステルは市販品として入手すること もできる。

 化合物T 1 の代わりに化合物Tまたは化合物T 2 を使用する以外は、工程3と同様な条件で反 させて、化合物(I)を製造することもできる
 式(Ia)で表されるジエステル化合物は、化合 物(I)と同様にして、製造することができる。
 化合物(I)の好ましい具体例を、式(I-1)~(I-11) 示す。

 化合物(I-1)

 化合物(I-2)

 式中のn-オクタデセニル(n-C 18 H 35 )の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ) 特に限定しない。
 本発明で化合物(I-2)を使用する場合、n-オク タデセニルの違いにより生じる異性体(例え 、二重結合の位置が異なる異性体、幾何異 体など)の混合物を使用してもよく、単一の 合物を使用してもよい。

 化合物(I-3)

 式中のイソオクタデセニル(iso-C 18 H 35 )は炭素数18の分岐状のアルケニルであって、 その分岐の位置、二重結合の位置、および幾 何異性(EまたはZ)は特に限定しない。
 本発明で化合物(I-3)を使用する場合、イソ クタデセニルの違いにより生じる異性体(例 ば、二重結合の位置が異なる異性体、分岐 位置が異なる異性体、幾何異性体など)の混 合物を使用してもよく、単一の化合物を使用 してもよい。

 化合物(I-4)

 化合物(I-5)

 化合物(I-5)には、化合物(I-5a)および化合物(I -5b)の2種類の異性体が存在する。本発明で化 物(I-5)を使用する場合、化合物(I-5a)および 合物(I-5b)の混合物であってもよいし、化合 (I-5a)または化合物(I-5b)、それぞれ単一の化 物でもよい。
 化合物(I-6)

 式中のn-オクタデセニル(n-C 18 H 35 )の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ) 特に限定しない。
 本発明で化合物(I-6)を使用する場合、n-オク タデセニルの違いにより生じる異性体(例え 、二重結合の位置が異なる異性体、幾何異 体など)の混合物を使用してもよく、単一の 合物を使用してもよい。

 化合物(I-7)

 式中のn-オクタデセニル(n-C 18 H 35 )の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ) 特に限定しない。
 本発明で化合物(I-7)を使用する場合、n-オク タデセニルの違いにより生じる異性体(例え 、二重結合の位置が異なる異性体、幾何異 体など)の混合物を使用してもよく、単一の 合物を使用してもよい。

 化合物(I-8)

 化合物(I-9)

 式中のn-ドデセニル(n-C 12 H 23 )の二重結合の位置および幾何異性(EまたはZ) 特に限定しない。
 本発明で化合物(I-9)を使用する場合、n-ドデ セニルの違いにより生じる異性体(例えば、 重結合の位置が異なる異性体、幾何異性体 ど)の混合物を使用してもよく、単一の化合 を使用してもよい。

 化合物(I-10)

 式中のイソドデセニル(iso-C 12 H 23 )は炭素数12の分岐状のアルケニルであって、 その分岐の位置、二重結合の位置、および幾 何異性(EまたはZ)は特に限定しない。
 本発明で化合物(I-10)を使用する場合、イソ デセニルの違いにより生じる異性体(例えば 、二重結合の位置が異なる異性体、分岐の位 置が異なる異性体、幾何異性体など)の混合 を使用してもよく、単一の化合物を使用し もよい。

 化合物(I-11)

 本発明の化合物(I)を含有する油類用添加剤 、化合物(I)の他に、公知の油類用添加剤に いられる化合物などを含有してもよい。
 本発明の潤滑油は、潤滑油基油と、化合物( I)を含有する油類用添加剤とを含有する。潤 油中における化合物(I)の含有量は、潤滑油1 kg中0.001~300ミリモルであるのが好ましく、0.01 ~200ミリモルであるのがより好ましく、さら は0.1~100ミリモルであるのが好ましい。該含 量が前記の好ましい範囲内であると、より れた耐摩耗特性またはより優れた耐摩擦特 を潤滑油基油に付与することができる。

 潤滑油基油としては、例えば、天然基油、 成基油などの潤滑油基油を使用できる。
 天然基油としては、鉱物油、植物油、獣油 どが挙げられる。
 鉱物油としては、例えば、パラフィン基系 油、中間基系原油、ナフテン基系原油など 挙げられる。また、これらを蒸留などによ 精製して得られる精製油も使用可能である

 合成基油としては、ポリ-α-オレフィン( リブテン、ポリプロピレン、炭素数8~14のα- レフィンオリゴマーなど)、脂肪酸エステル (脂肪酸モノエステル、多価アルコールの脂 酸エステル、脂肪族多塩基酸エステルなど) 芳香族エステル(芳香族モノエステル、多価 アルコールの芳香族エステル、芳香族多塩基 酸エステルなど)、ポリアルキレングリコー 、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸エ テル、ポリフェニルエーテル、アルキルベ ゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド(GTL) 、フルオロカーボン、イオン液体などが挙げ られる。

 潤滑油基油が、鉱物油、ポリ-α-オレフィ ン、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコ ール、リン酸エステル、シリコーン、ケイ酸 エステル、ポリフェニルエーテル、アルキル ベンゼン、合成ナフテン、ガスツーリキッド (GTL)および植物油からなる群から選ばれる1種 類以上であるのが好ましく、ポリ-α-オレフ ンおよび/または脂肪酸エステルであるのが り好ましく、さらには、ポリ-α-オレフィン であるのが好ましい。

 本発明の潤滑油は、潤滑油基油と化合物( I)を含有する油類用添加剤の他に、任意成分 して、清浄分散剤、酸化防止剤、摩耗低減 (耐摩耗剤、焼付き防止剤、極圧剤など)、 擦調整剤、油性剤、防錆剤、気相防錆剤、 動点降下剤、粘度指数向上剤、増粘剤、防 剤、消泡剤、抗乳化剤、染料、香料などの 通常潤滑油添加剤として用いられているも を含有してもよい。これらの添加剤の含有 は、潤滑油中、それぞれ、0.001~5重量%である のが好ましい。

 本発明の潤滑油は、例えば、エンジン油、 ェットエンジン油、自動変速機油、無段変 機油、ギヤ油、パワーステアリング油、シ ックアブソーバ油、タービン油、作動油、 凍機油、圧延油、軸受油、金属加工用潤滑 、摺動面油、グリース、生体潤滑剤などに 用することができる。
 なお、本発明の化合物(I)を含有する油類用 加剤は、潤滑油基油以外の油類、例えば、 料油などの油類にも使用できる。

 燃料油としては、バイオディーゼル燃料な が挙げられる。燃料油中の化合物(I)の含有 は、0.00001~10質量%であるのが好ましく、0.000 01~1質量%であるのがより好ましい。該含有量 前記の好ましい範囲内であると、より優れ 耐摩耗特性またはより優れた耐摩擦特性を 料油に付与することができる。
 また、上記燃料油は、本発明の化合物(I)を 有する油類用添加剤の他、各種の添加剤を 有してもよい。

 本発明の化合物(I)を含有する油類用添加 は、摺動部材用固体潤滑剤、保護被覆剤、 学フイルムなどとしても使用できる。ここ 、摺動部材としては、プラスチック製歯車 ベアリング、カムなどが挙げられる。該保 被覆剤は、感熱記録媒体、磁気記録媒体、 写媒体、平版印刷版原版、受像シート、ト ー、電子感光体、光・電子デバイス、加工 材、加工具、航空・宇宙用機器、生体材料 どの表面を保護するためなどに使用できる

 以下、実施例により、本発明をさらに具体 に説明する。
 実施例中の測定データは、以下の測定機器 測定手法により得た。
(1)核磁気共鳴スペクトル( 1 H-NMR;テトラメチルシランを標準物として使用 ):GSX-400(400MHz)(日本電子社製)
(2)動摩擦係数の測定(耐摩擦特性の評価):曽田 式振子型摩擦試験機(神鋼造機社製)
(3)摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価):シェル 式四球摩擦試験機(高千穂精機社製)
(製造例1)化合物F 1

 グルタミン酸(東京化成工業社製)110.0gおよ 無水フタル酸(新日鉄化学社製)110.7gを155℃で 0.5時間反応させた。135℃まで冷却し、無水酢 酸(和光純薬工業社製)を229.6g滴下し、反応液 120℃で0.8時間加熱した。得られた反応混合 を110℃まで冷却し、キシレンを300mL添加し 溶液を5℃まで冷却した。析出した結晶を濾 し、得られた結晶をキシレン150mLで洗浄後 減圧下60℃で乾燥させ、化合物F 1 を124.3g(収率56.4%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);2.19(m,1H),2.78-2.98(m,2H),3.17(m,1H),5.11(m,1H),7.7 9(m,2H),7.91(m,2H)
(製造例2)化合物J 1

 オクタデシルコハク酸無水物(東京化成工業 社製)17.6gおよびエタノールアミン(東京化成 業社製)3.1gを窒素雰囲気下、160℃で4時間反 させた。得られた反応生成物をシリカゲル ラムクロマトグラフィーにより精製し(展開 :ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 1 を10.6g(収率54%)得た。
  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,32H),1.51(m,1H),1.92(m,1H),2.19(t, 1H),2.42(dd,1H),2.83(m,1H),2.87(dd,1H),3.73(m,2H),3.78(m,2H)
(製造例3)化合物J 2

 オクタデセニルコハク酸無水物(東京化成工 業社製;2-オクタデセニルコハク酸無水物を90% 以上含む)35.1gおよびエタノールアミン(東京 成工業社製)6.1gを窒素雰囲気下、110℃で6時 反応させた。得られた反応生成物をシリカ ルカラムクロマトグラフィーにより精製し( 開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 2 を29.6g(収率75.3%)得た。ここで得られた化合物 J 2 は、n-オクタデセニルの違いにより生じる異 体の混合物である。

  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,26H),1.98(dt,2H),2.18(t,1H),2.33(m ,1H),2.49(dd,1H),2.54(m,1H),2.79(dd,1H),2.91(m,1H),3.72(m,2H ),3.76(m,2H),5.28(m,1H),5.55(m,1H)
(製造例4)化合物J 3

 イソオクタデセニルコハク酸無水物(東京化 成工業社製、90%以上)17.5gおよびエタノールア ミン(東京化成工業社製)3.1gを窒素雰囲気下、 110℃で3時間反応させた。得られた反応生成 をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに り精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化 物J 3 を12.5g(収率63.0%)得た。ここで得られた化合物 J 3 は、イソオクタデセニルの違いにより生じる 異性体の混合物である。

  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.87(m,6H),1.25(m,22H),1.65(m,2H),1.95(m,2H),2.23(t, 1H),2.35-2.80(m,2H),2.90(m,1H),3.70(m,4H),5.05(m,1H),5.50(m, 1H)
(製造例5)化合物J 4

 オクタデシルコハク酸無水物(東京化成工業 社製)63.2gおよび6-アミノ-1-ヘキサノール(東京 化成工業社製)21.0gを窒素雰囲気下、110℃で4 間反応させた。得られた反応生成物をシリ ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製 (展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 4 を55.87g(収率69.0%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.18-1.62(m,42H),1.90(m,1H),2.35(m,1H),2. 80(m,2H),3.49(t,2H),3.63(m,2H)
(製造例6)化合物J 5

 6-アミノ-1-ヘキサノール(東京化成工業社製) 25.35gおよび無水フタル酸(新日鉄化学社製)32.0 5gを、キシレン100ml中、窒素雰囲気下、128℃ 6時間反応させた。反応液を室温まで冷却後 溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物 シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ 精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)、 合物J 5 を50.71g (収率94.8%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm):1.29(t,1H),1.35-1.47(m,4H),1.53-1.60(m,2H),1.67-1.73 (m,2H),3.63(q,2H),3.69(t,2H),7.70-7.72(m,2H),7.83-7.85(m,2H)
(製造例7)化合物T 1a

 オクタデセニルコハク酸無水物(東京化成工 業社製;2-オクタデセニルコハク酸無水物を90% 以上含む)50.0gおよび2-アミノペンタン二酸水 =5-メチル(東京化成工業社製)34.5gを、トルエ ン300ml中、窒素雰囲気下、反応により生成し 水をディーン・シュターク分水管で反応系 に除去しながら、120℃で5時間反応させた。 反応液を室温まで冷却後、溶媒を除去し、粗 生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム クロマトグラフィーにより精製し(展開液:ヘ サン/酢酸エチル)、化合物T 1a を14.93g(収率25.3%)得た。ここで得られた化合 T 1a は、n-オクタデセニルの違いにより生じる異 体の混合物である。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.18-1.40(m,26H),1.99(m,2H),2.25-2.96(m,9 H),3.68(s,3H),4.80(dd,1H),5.30(m,1H),5.57(m,1H),9.40(br,1H)
(製造例8)化合物T 1b

 2-オクテニルコハク酸無水物(東京化成工業 製)26.1gおよび2-アミノペンタン二酸水素=5- チル(東京化成工業社製)30.0gを、トルエン200m l中、窒素雰囲気下、反応により生成した水 ディーン・シュターク分水管で反応系外に 去しながら、120℃で8時間反応させた。反応 を室温まで冷却後、溶媒を除去し、粗生成 を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロ トグラフィーにより精製し(展開液:ヘキサ /酢酸エチル)、化合物T 1b を10.52g(収率24.0%)得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.18-1.40(m,6H),1.99(m,2H),2.28-3.00(m,9H ),3.69(s,3H),4.80(dd,1H),5.30(m,1H),5.57(m,1H),9.80(br,1H)
(製造例9)化合物J 6

 ドデセニルコハク酸無水物(和光純薬工業社 製)55.3gおよびエタノールアミン(東京化成工 社製)13.9gを窒素雰囲気下、130℃で4時間反応 せた。得られた反応生成物をシリカゲルカ ムクロマトグラフィーにより精製し(展開液 :ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 6 を10.6g(収率54%)得た。
  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,3H),1.26(m,14H),1.99(m,2H),2.28-2.63(m,4H),2. 79(dd,1H),2.92(m,1H),3.71(m,2H),3.76(m,2H),5.28(m,1H),5.55(m ,1H)
(製造例10)化合物J 7

 無水マレイン酸15.0g(キシダ化学社製)および 分子式がC 12 H 24 である異性体混合物35.1g(ブテンの3量体を蒸 して得たもの。沸点:190-200℃)をオートクレ ブ中で窒素雰囲気下、225℃で5時間反応させ 。得られた反応生成物を減圧濃縮して粗生 物を得た。粗生成物35.2gおよびエタノール ミン(東京化成工業社製)8.1gを150℃で5.5時間 応させた。得られた反応生成物をシリカゲ カラムクロマトグラフィーにより精製し(展 液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物J 7 を31.8g(収率69%)得た。ここで得られた化合物J 7 は、イソドデセニルの違いにより生じる異性 体の混合物である。

  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.60-1.65(m,18H),2.00(m,2H),2.20-3.30(m,5H),3.71(m,4 H),4.70-5.62(m,1H)
(潤滑油基油および潤滑油基油を含有する組 物)
 潤滑油基油A 0 ;ポリ-α-オレフィン(DURASYN164;イネオスオリゴ ーズジャパン社製)
 組成物A 1 ;ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーシ ン社製)0.5重量部と、IRGANOX L57(チバ・スペ ャルティ・ケミカルズ社製)0.5重量部と、潤 油基油A 0 99.0重量部とを混合して組成物A 1 を得た。

 潤滑油基油B 0 ;アジピン酸ビス(3,5,5-トリメチルヘキシル)
 組成物B 1 ;ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーシ ン社製)0.5重量部と潤滑油基油B 0 99.5重量部とを混合して組成物B 1 を得た。

 化合物(I-1)
 化合物J 1 5.7g、2-フタルイミドペンタン二酸(関東化学 製)2.0g、塩化メチレン(キシダ化学社製)50mL、 および4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社 製)1.8gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N -ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 酸塩(アイバイツ社製)3.0gを室温で加え、反 液を室温で1時間攪拌した後、40℃で8時間攪 した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩 水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ ネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を 去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシ カゲルカラムクロマトグラフィーにより精 し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-1 )を6.25g(収率91.0%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.25(m,66H),1.85(m,2H),2.36(m,5H),2.53(m, 1H),2.80(m,4H),3.73(m,4H),4.16(m,2H),4.30(m,2H),4.90(m,1H),7 .75(m,2H),7.85(m,2H)
(1)動摩擦係数の測定(耐摩擦特性の評価)
 化合物(I-1)を、組成物A 1 または組成物B 1 のそれぞれに10mmol/kgとなるように加え、潤滑 油の試作油を調製した。

 ついで、これらの試作油の40℃、80℃、120℃ 、150℃における動摩擦係数を曽田式振子型摩 擦試験機(神鋼造機社製)を用いて測定した。 摩擦係数は振子の初期振幅、振動させた時 振幅、振動回数から算出した。結果を表1に 示す。
(2)摩耗痕径の測定(耐摩耗特性の評価)
 化合物(I-1)を、潤滑油基油A 0 または潤滑油基油B 0 のそれぞれに10mmol/kgとなるように加え、潤滑 油の試作油を調製した。

 ついで、(ASTM D4172)規定の方法(荷重;40kgf 回転数;1200rpm、時間;60分、温度;75℃)に準じ れらの試作油の試験を行い、試験後の摩耗 径を測定した。試験機には、シェル式四球 擦試験機(高千穂精機社製)を用いた。摩耗痕 径は3つの固定球の垂直方向、水平方向全て 平均値とした。結果を表2に示す。

 化合物(I-2)
 化合物J 2 15.7g、2-フタルイミドペンタン二酸(関東化学 製)5.5g、塩化メチレン(キシダ化学社製)120mL および4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学 製)4.9gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N, N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(アイバイツ社製)8.4gを室温で加え、反 応液を室温で1時間攪拌した後、40℃で4時間 拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩 酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 蒸留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ グネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を 留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシ リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精 製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I -2)を11.2g(収率54.6%)得た。ここで得られた化合 物(I-2)は、n-オクタデセニルの違いにより生 る異性体の混合物である。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.25(m,52H),1.97(m,4H),2.23(m,2H),2.31-2. 62(m,8H),2.77-2.93(m,4H),3.74(m,4H),4.16(m,2H),4.30(m,2H),4. 90(m,1H),5.25(m,2H),5.52(m,2H),7.75(m,2H),7.85(m,2H)
 実施例1に記載の方法に従い、化合物(I-2)を 潤滑油基油A 0 、組成物A 1 、または組成物B 1 のそれぞれに加えて、試作油を調製した。組 成物A 1 または組成物B 1 を用いた試作油の耐摩擦特性および潤滑油基 油A 0 を用いた試作油の耐摩耗特性を、実施例1に 載の方法により評価した。結果を表1および 2に示す。

 化合物(I-3)
 化合物J 3 12.5g、2-フタルイミドペンタン二酸(関東化学 製)4.4g、塩化メチレン(キシダ化学社製)100mL および4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学 製)3.9gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N, N’-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(アイバイツ社製)6.7gを室温で加え、反 応液を室温で2時間攪拌した後、40℃で2時間 拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩 酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 蒸留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ グネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を 留去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシ リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精 製し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I -3)を12.2g(収率74.8%)得た。ここで得られた化合 物(I-3)は、イソオクタデセニルの違いにより じる異性体の混合物である。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.90(m,12H),1.25(m,48H),1.94(m,4H),2.28-2.93(m,12H), 3.70(m,4H),4.14(m,2H),4.27(m,2H),4.90(m,1H),5.05(m,2H),5.47( m,2H),7.75(m,2H),7.85(m,2H)
 実施例1に記載の方法に従い、化合物(I-3)を 滑油基油A 0 または組成物A 1 のそれぞれに加えて、試作油を調製した。組 成物A 1 を用いた試作油の耐摩擦特性および潤滑油基 油A 0 を用いた試作油の耐摩耗特性を、実施例1に 載の方法により評価した。結果を表1および 2に示す。

 化合物(I-4)
 化合物J 4 40.0gおよび化合物F 1 23.0gを窒素雰囲気下、125℃で4時間反応させた 。得られた反応生成物をシリカゲルカラムク ロマトグラフィーにより精製し(展開液:ヘキ ン/酢酸エチル)、2-フタルイミドペンタン二 酸水素=5-[6-(3-オクタデシルスクシンイミド) キシル]を27.1g(白色固体、収率43.1%)得た。

 2-フタルイミドペンタン二酸水素=5-[6-(3-オ タデシルスクシンイミド)ヘキシル]15.0g、化 物J 4 9.5g、塩化メチレン(キシダ化学社製)140mL、お び4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製) 2.6gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N’- メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸 塩(アイバイツ社製)4.45gを室温で加え、反応 を40℃で7時間攪拌した。反応液を室温まで 却し、0.5mol/l塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナト リウム水溶液、蒸留水で順次洗浄した。有機 層を無水硫酸マグネシウムで脱水後、濾過し 、母液の溶媒を留去し、粗生成物を得た。こ の粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ フィーにより精製し(展開液:ヘキサン/酢酸エ チル)、化合物(I-4)を18.3g(収率75.6%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.08-1.61(m,82H),1.89(m,2H),2.30-2.84(m,1 0H),3.44(m,4H),3.99(m,2H),4.15(m,2H),4.91(m,1H),7.75(m,2H),7 .85(m,2H)
 化合物(I-4)を油類用添加剤とした以外は実 例1と同様にして試作油を調製し、実施例1に 記載の方法により評価した。結果を表1およ 表2に示す。

 化合物(I-5a)
 化合物J 5 30.0 gおよび化合物F 1  31.53gを窒素雰囲気下、120℃で3時間反応させ た。反応液を室温まで冷却し、粗生成物を得 た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマ トグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル) より精製し、2-フタルイミド-ペンタン二酸 素=5-(6-フタルイミドヘキシル)を6.79g(収率11.1 %)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm):1.34-1.36(m,4H),1.55-1.61(m,2H),1.63-1.70(m,2H),2.34 -2.44(m,2H),2.46-2.55(m,1H),2.58-2.67(m、1H),3.67(t,2H),4.0 1(t,2H),4.99(dd,1H),7.69-7.75(m,4H),7.82-7.87(m,4H)
 2-フタルイミド-ペンタン二酸水素=5-(6-フタ イミドヘキシル)3.28g、化合物J 4 2.68g、および塩化メチレン(キシダ化学社製)30 mlを混合して得た溶液に、4-ジメチルアミノ リジン0.91g、および1-エチル-3-(N,N’-ジメチ アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(アイ バイツ社製)1.38gを加え、反応液を室温で3時 攪拌した。反応液を0.5mol/l塩酸水溶液、飽和 炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で順次洗浄し た。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水後 、濾過し、母液の溶媒を除去し、粗生成物を 得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロ マトグラフィーにより精製し(展開液:クロロ ルム/メタノール=50/1)、化合物(I-5a)を2.89g(収 率50.4%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm):0.88(t,3H),1.25-1.35(m,40H),1.43-1.68(m,9H),1.85-1.9 4(m,1H),2.33-2.39(m,3H),2.43-2.53(m,1H),2.57-2.66(m,1H),2.72 -2.84(m,2H),3.43(t,2H),3.67(t,2H),3.94-4.04(m,2H),4.07-4.18( m,2H),4.91(dd,1H),7.69-7.72(m,2H),7.74-7.76(m,2H),7.82-7.84( m,2H),7.86-7.88(m,2H)
 化合物(I-5a)を油類用添加剤とした以外は実 例1と同様にして試作油を調製し、実施例1 同様に評価した。結果を表1および表2に示す 。

 化合物(I-6)
 化合物J 2 4.0g、化合物T 1a 5.0g、塩化メチレン(キシダ化学社製)50mL、お び4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)1 .4gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N’- メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸 (アイバイツ社製)2.1gを室温で加え、反応液 室温で3.5時間攪拌した後、さらに反応液に4 -ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)0.1g および1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロ ル)カルボジイミド塩酸塩(アイバイツ社製)0 .2gを室温で加え、反応液を室温で0.7時間攪拌 した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩酸 溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸 水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグ シウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留 し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリ ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製 (展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-6) 1.4g(収率16.0%)得た。ここで得られた化合物(I -6)は、n-オクタデセニルの違いにより生じる 性体の混合物である。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(m,6H),1.25(m,52H),1.97(m,4H),2.20-2.60(m,10H),2 .70-2.89(m,3H),3.01(m,1H),3.68(s,3H),3.74(m,2H),4.10-4.45(m, 2H),4.68(m,1H),5.27(m,2H),5.55(m,2H)
 化合物(I-6)を油類用添加剤とした以外は実 例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と 同様に評価した。結果を表1および表2に示す

 化合物(I-7)
 化合物J 2 10.0g、化合物T 1b 9.0g、塩化メチレン(キシダ化学社製)90mL、お び4-ジメチルアミノピリジン(広栄化学社製)3 .4gを混合して得た溶液に、1-エチル-3-(N,N’- メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸 (アイバイツ社製)5.4gを室温で加え、反応液 室温で0.5時間攪拌した後、40℃で2.5時間攪 した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/l塩酸 水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸 留水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグ ネシウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留 去し、粗生成物を得た。この粗生成物をシリ カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製 し(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-7) を6.2g(収率33.1%)得た。ここで得られた化合物( I-7)は、n-オクタデセニルの違いにより生じる 異性体の混合物である。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(m,6H),1.28(m,32H),2.01(m,4H),2.20-2.57(m,10H),2 .72-2.93(m,3H),3.01(m,1H),3.67(s,3H),3.73(m,2H),4.20(m,1H),4 .35(m,1H),4.68(m,1H),5.27(m,2H),5.55(m,2H)
 化合物(I-7)を油類用添加剤とした以外は実 例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と 同様に評価した。結果を表1および表2に示す

 化合物(I-8)
 2-フタルイミドペンタン二酸5.5g(東京化成工 業社製)、4-ジメチルアミノピリジン4.9g(和光 薬工業社製)、(Z)-9-オクタデセン-1-オール10. 7g(和光純薬工業社製)、および塩化メチレン50 mL(和光純薬工業社製)を混合して得た溶液に 1-エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カ ルボジイミド(アイバイツ社製)8.4gを加え、反 応液を室温で1時間攪拌した後、40℃で5時間 拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの 塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で 順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ ムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去し、 化合物(I-8)14.7g(収率:94%)を得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.27(m,44H),1.50-1.65(m,4H),1.90-2.08(m,8 H),2.39(t,2H),2.42-2.57(m,1H),2.60-2.68(m,1H),4.01(t,2H),4.1 4(m,2H),4.92(dd,1H),5.35(m,4H),7.75(d,2H),7.86(d,2H)
 化合物(I-8)を油類用添加剤とした以外は実 例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と 同様に評価した。結果を表1および表2に示す

 化合物(I-9)
 化合物J 6 9.9g、2-フタルイミドペンタン二酸4.4g(東京化 工業社製)、4-ジメチルアミノピリジン3.9g( 光純薬工業社製)、および塩化メチレン50mL( 光純薬工業社製)を混合して得た溶液に、1- チル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カル ジイミド(アイバイツ社製)6.8gを加え、反応 を室温で1.5時間攪拌した後、40℃で3.5時間攪 拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの 酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で 次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウ で脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去し、 生成物を得た。この粗生成物をシリカゲル ラムクロマトグラフィーにより精製し(展開 液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-9)を7.4g( 率54.1%)得た。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.88(t,6H),1.26(m,28H),1.90-2.08(m,4H),2.24(m,2H),2. 32-2.60(m,8H),2.67-2.95(m,4H),3.73(m,4H),4.15(m,2H),4.30(m,2 H),4.90(m,1H),5.25(m,2H),5.52(m,2H),7.75(m,2H),7.86(m,2H)
 化合物(I-9)を油類用添加剤とした以外は実 例3と同様にして試作油を調製し、実施例3と 同様に評価した。結果を表1および表2に示す

 化合物(I-10)
 化合物J 7 8.5g、2-フタルイミドペンタン二酸3.8g(東京化 工業社製)、4-ジメチルアミノピリジン3.4g( 光純薬工業社製)、および塩化メチレン85mL( 光純薬工業社製)を混合して得た溶液に、1- チル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カル ジイミド(アイバイツ社製)5.8gを加え、反応 を室温で0.5時間攪拌した後、40℃で6.5時間攪 拌した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの 酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩 で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ ウムで脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去 、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカ ルカラムクロマトグラフィーにより精製し( 展開液:ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-10)を 3.2g(収率27.0%)得た。ここで得られた化合物(I-1 0)は、イソドデセニルの違いにより生じる異 体の混合物である。
1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.60-2.13(m,42H),2.19-3.31(m,12H),3.73(m,4H),4.00-4. 45(m,4H),4.70-5.60(m,3H),7.75(m,2H),7.85(m,2H)
 化合物(I-10)を油類用添加剤とした以外は実 例3と同様にして試作油を調製し、実施例3 同様に評価した。結果を表1および表2に示す 。

 化合物(I-11)
 2-フタルイミドペンタン二酸5.5g(東京化成工 業社製)、4-ジメチルアミノピリジン4.9g(和光 薬工業社製)、オクタデシルアルコール10.8g( 東京化成工業社製)、および塩化メチレン50mL( 和光純薬工業社製)を混合して得た溶液に、1- エチル-3-(N,N’-ジメチルアミノプロピル)カル ボジイミド(アイバイツ社製)8.4gを加え、反応 液を室温で1時間攪拌した後、40℃で5時間攪 した。反応液を室温まで冷却し、0.5mol/Lの塩 酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、蒸留水で順 次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム で脱水後、濾過し、母液の溶媒を留去し、粗 生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカ ラムクロマトグラフィーにより精製し(展開 :ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(I-12)を11.3g( 率72.0%)得た。

  1 H-NMR(CDCl 3 ,δppm);0.83(t,6H),1.25(m,60H),1.58(m,4H),2.38(m,2H),2.50(m, 1H),2.62(m,1H)4.01(t,2H),4.14(m,2H),4.92(dd,1H),7.75(m,2H),7 .86(m,2H)
 このようにして得られた化合物(I-11)を油類 添加剤とした以外は実施例3と同様にして試 作油を調製し、実施例3と同様に評価した。 果を表1および表2に示す。
(比較例1)
 東京化成工業社製のジベンジルジスルフィ (DBDS)を油類用添加剤とした以外は実施例1と 同様にして試作油を調製し、実施例1と同様 評価した。結果を表1および表2に示す。

 表1において、動摩擦係数の値が小さいも の程、試作油の耐摩擦特性が優れていること を表す。また、表2において、摩耗痕径の値 小さいもの程、試作油の耐摩耗特性が優れ いることを表す。化合物(I)を油類用添加剤 使用することにより、耐摩耗特性または耐 擦特性が優れた試料油を提供することがで た。

 本発明によれば、潤滑油基油や燃料油な の油類に対して優れた耐摩耗特性または優 た耐摩擦特性を付与できる化合物を含有す 油類用添加剤などを提供できる。