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Title:
ADSORBENT FOR MAIN CIGARETTE SMOKE COMPONENTS AND CIGARETTE FILTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116417
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an adsorbent for main cigarette smoke components which comprises an active carbon particle (12) and a glucan film (14) that is carried on the active carbon particle (12). Also provided is a cigarette filter which contains the adsorbent for main cigarette smoke components as described above.

Inventors:
CHIDA MASAHIRO (JP)
NAKAGAWA YASUHIRO (JP)
MISAWA KATSUHITO (JP)
KASAKURA YAYOI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054472
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN TOBACCO INC (JP)
CHIDA MASAHIRO (JP)
NAKAGAWA YASUHIRO (JP)
MISAWA KATSUHITO (JP)
KASAKURA YAYOI (JP)
International Classes:
A24D3/16; A24D3/14; B01J20/20; C01B31/08
Domestic Patent References:
WO2008072627A12008-06-19
WO2006070662A12006-07-06
WO2006082748A12006-08-10
Foreign References:
JPS5121595A1976-02-20
JPH02277545A1990-11-14
JP2005263610A2005-09-29
JPH0928366A1997-02-04
JPH03229605A1991-10-11
JPS53133697A1978-11-21
JP3744953B22006-02-15
Other References:
See also references of EP 2253232A4
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (JP)
Takehiko Suzue (JP)
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Claims:
 活性炭粒子と、前記活性炭粒子に支持されたグルカン膜を備えることを特徴とするシガレット主流煙成分吸着剤。
 前記グルカン膜が、プルランにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のシガレット主流煙成分吸着剤。
 前記グルカン膜が、黒色着色料以外の着色料を含有することを特徴とする請求項1に記載のシガレット主流煙成分吸着剤。
 前記グルカン膜が、香料フリーである請求項1に記載のシガレット主流煙成分吸着剤。
 請求項1に記載のシガレット主流煙成分吸着剤を含むことを特徴とするシガレット用フィルタ。
Description:
シガレット主流煙成分吸着剤お びシガレット用フィルタ

 本発明は、シガレット主流煙成分吸着剤 よびこれを含むシガレット用フィルタに関 る。

 シガレットに用いる葉タバコ刻には、香 味を調整するために香料が添加されている このような香料には、ケーシングソースと ての第1香料と、トップフレーバーとしての 第2香料が含まれる。第2香料の成分は比較的 発性が高く、また熱分解を受けやすい。し がって、第2香料を有するシガレットは、そ の保管中に第2香料が揮散し、喫煙時の香喫 が減少する。これに加えて、シガレット主 煙成分を吸着するチャコール(活性炭)フィル タを備えたシガレットにおいては、第2香料 チャコールに移行・吸着されて一部香喫味 減少する。第2香料を吸着したチャコールは タバコの主流煙中の成分除去能が低下する

 特許第3744953号明細書は、活性炭のような 脱臭剤を含有するカプセルを含むタバコフィ ルタを開示している。このカプセルは、タバ コを消した時に外的力で破壊して初めて脱臭 剤をフィルタ内で放出させ、煙臭を除去する ものである。しかし、このタバコフィルタで は、脱臭剤がカプセル内に封じ込められてお り、喫煙後タバコを消した時に外的力でカプ セルを破壊して脱臭剤をフィルタ内で放出さ せるものであるから、シガレットの喫煙中に は脱臭剤はその機能を発揮し得ない。

 本発明は、非喫煙時には香料の吸着を抑 でき、喫煙時には、シガレット主流煙成分 吸着することができる吸着剤およびシガレ ト用フィルタを提供することを目的とする

 本発明の1つの側面によると、活性炭粒子 と、前記活性炭粒子に支持されたグルカン膜 を備えることを特徴とするシガレット主流煙 成分吸着剤が提供される。

 また、本発明の他の側面によると、本発 のシガレット主流煙成分吸着剤を含むシガ ット用フィルタが提供される。

図1は、本発明の1つの態様に係るシガ ット主流煙成分吸着剤の拡大概略断面図で る。 図2は、本発明の1つの態様に係るシガ ット主流煙成分吸着剤の一部を拡大して示 概略断面図である。 図3は、本発明の1つの態様に係るフィ タを備えたシガレットの概略縦断面図であ 。 図4は、本発明の他の態様に係るフィル タを備えたシガレットの概略縦断面図である 。 図5は、本発明の吸着剤の香料吸着特性 を比較例とともに示すグラフである。 図6は、本発明の吸着剤入りフィルタ付 きシガレットの保存後の香料吸着特性を比較 例とともに示すグラフである。

 以下、添付の図面を適宜参照しながら、 発明をより詳しく説明する。全図にわたり 同様の要素には同様の符号を付しおり、繰 返しの詳しい説明を省略することがある。

 本発明のシガレット主流煙成分吸着剤は 活性炭粒子と、活性炭粒子に支持されたグ カン膜を備えるものである。

 本発明に使用される活性炭は、その由来に に制限はなく、石炭やヤシ殻等の天然材料 原料として、高温でガスや薬品と反応させ 作られる微細孔(直径10~200Å)を持つ球状、 末状のものを用いることができる。活性炭 子は、平均粒径が75~1000μmのものを好適に使 することができる。活性炭の比表面積は、B ET法で測定して、好ましくは800~2000m 2 /gであり、より好ましくは1000~1200m 2 /gである。

 グルカン膜は、例えば、プルラン、マル デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロ スなどにより構成され、水溶性である。グ カン膜には、グルカン膜を柔軟にさせるた に、ゼラチン等の蛋白質、カラギーナン、 ェランガム、ローストビーンガム、アラビ ガム等のガム質糖類、単糖、糖アルコール セルロース誘導体、グリセリン、ポリエチ ングリコール等のポリオールを含有するこ ができる。そのような膜柔軟化剤は、グル ンの重量の0.1%~3%の量で用いることができる 。さらに、グルカン膜は、活性炭の黒色を隠 蔽し、吸着剤の美観を向上させるために、黒 色着色料以外の着色料を含有することができ る。そのような着色料の例を挙げると、アナ トー色素等の水溶性色素や炭酸カルシウム等 である。着色料は、グルカンを当該着色料の 色に着色するに十分な量で用いられ、例えば 、グルカンの重量の0.1%~1%の割合で用いるこ ができる。

 1つの態様において、本発明のシガレット 主流煙成分吸着剤は、香料フリーである(例 ば、活性炭粒子にも、グルカン膜にも香料 含まない)。

 図1は、本発明の1つの態様に係るシガレ ト主流煙成分吸着剤10の拡大概略断面図であ る。この吸着剤10は、活性炭粒子(担体)12の表 面全体をグルカン膜(例えばプルラン膜)14が 接覆っているものである。

 グルカン膜14の厚さに特に制限はないが 喫煙時のグルカン膜の崩壊性の観点から、 終吸着剤の重量の0.1%~10%に相当する量のグル カンを用いてグルカン膜14を形成することが ましい。

 図1に示すタイプの吸着剤は、場合に応じ て膜柔軟化剤および/または着色料を含有す グルカンの水溶液または水分散液等から形 することができる。例えば、活性炭粒子を 流動造粒乾燥機に入れ、例えば80℃以下の温 風を吹き込みながら、場合に応じて膜柔軟化 剤および/または着色料を含有するグルカン 溶液または水分散液を連続的または間欠的 活性炭粒子の表面に噴霧し、乾燥させる。 の場合、グルカン水溶液または水分散液の 成によっては速やかに冷却させる。こうし 、活性炭粒子の表面に、グルカン膜が形成 れる。

 ここで、グルカン膜14は、活性炭粒子12の 二次細孔、三次細孔にまで浸入してそれら細 孔を塞いでいるものではない。その様子を図 2に示す。図2に示すように、グルカン膜14は 活性炭12の表面全体を覆っているが、二次細 孔、三次細孔12a内には侵入していない。

 本発明のシガレット用フィルタは、本発 のシガレット主流煙成分吸着剤を含む。

 図3は、本発明の1つの態様に係るシガレ ト用フィルタを備えたシガレット(フィルタ きシガレット)20の概略断面図である。フィ タ付きシガレット20は、タバコ刻等のタバ 充填材221をシガレット巻紙222で巻装したシ レット22を備える。シガレット22は、通常の ガレットと同様のものである。シガレット2 2の一端には、フィルタ24が付設されている。 フィルタ24はシガレット22の一端に直接接し 設けられた本発明の吸着剤入りフィルタセ ション241を備える。主流煙の流れ方向に対 フィルタセクション241の下流側端には、プ ーンフィルタセクション242を設けることが きる。

 吸着剤入りフィルタセクション241は、本 明の吸着剤粒子AAPを分散させた例えばセル ースアセテート繊維241aをフィルタ巻取紙241 bで巻装したものであり、通常のチャコール ィルタにおいてチャコール(活性炭)の代わり に本発明の吸着剤を用いたものと同様のもの である。

 プレーンフィルタセクション242は、例え セルロースアセテート繊維242aのトウをフィ ルタ巻取紙242bで巻装して構成することがで る。プレーンフィルタセクション242には、 流煙のガス成分を吸着する吸着剤は実質的 含まれていない。

 フィルタセクション241および242からなる ィルタ24は、チップペーパ26によりシガレッ ト22に取り付けられている。

 図4は、本発明の別の態様に係るシガレッ ト用フィルタを備えたシガレット(フィルタ きシガレット)30の概略断面図である。この ィルタ付きシガレット30において、シガレッ ト22にチップペーパ26により取り付けられた ィルタ32は、シガレット22の一端に直接取り けられた第1のプレーンフィルタセクション 321と、この第1のプレーンフィルタフィルタ クション321と間隔を空けて設けられた第2の レーンフィルタセクション322を備え、その 体が、フィルタ巻取紙36により巻装されて る。第1のプレーンフィルタセクション321お び第2のプレーンフィルタセクション322は、 それぞれ、例えばセルロースアセテート繊維 321aおよび322aのトウからなることができる。 1のフィルタセクション321と第2のプレーン ィルタセクション322との間の空洞(キャビテ )34には、本発明の吸着剤粒子AAPが充填され いる。

 本発明のフィルタ付きシガレットにおい 、本発明のシガレット主流煙成分吸着剤は シガレットの非喫煙時(保管中等)には、活 炭が気密性の高いグルカン膜により被覆さ ているため、シガレット等に含まれる香料 吸着を抑制できる。その結果、喫煙前にシ レット中にデリバリ可能な香料成分の総量 減少しないために、主流煙に香料を比較的 い割合でデリバリすることが可能となる。 して、例えば繰り返される喫煙動作時に発 したタバコ主流煙と接触した際に、初めて タバコ主流煙中の主に高極性成分(水分等)に よりグルカン膜が一部溶解・剥離し、活性炭 の本来の吸着機能が発揮され、シガレット主 流煙中のガス成分が吸着される。

 実施例
 以下、本発明を実施例により説明する。い までもなく、本発明は、それら実施例によ 限定されるものではない。

 実施例1
 5重量%濃度のプルラン水分散液を調製した 平均粒径250μmの活性炭(通常のチャコールフ ルタに用いられているヤシ殻活性炭;比表面 積:1000m 2 /g)15kgを転動流動造粒乾燥機(フロイント産業( 株)製SFC-15型)に入れ、攪拌翼を約200rpmで回転 せ、70~80℃の温風を1.0~2.0m/秒の流速で吹き み、活性炭粒子の流動層を形成した。攪拌 続け、流動層を維持しながら、そこに、プ ラン水分散液を130~150g/分で噴霧した。こう て、合計15kgのプルラン水分散液を活性炭粒 表面に噴霧し、乾燥した。その後、活性炭 子を50~70℃の温風により3~5分間乾燥し、所 の吸着剤14.7kgを得た。得られた吸着剤につ て、活性炭の表面に塗布されたプルランを 量したところ、4.5重量%のプルラン膜を有す ことがわかった。

 実施例2
 5重量%濃度のプルラン水分散液を調製した 実施例1と同じヤシ殻活性炭5kgを流動造粒乾 機(大川原製作所製MGD-05型)に入れ、初期流 を補助するために攪拌翼を約20rpmで回転させ ながら、75℃の温風を0.6m/秒の流速で吹き込 、活性炭粒子の流動層を形成した。この流 層に、プルラン水分散液を65g/分で1分間噴霧 し、3分間噴霧停止するという間欠噴霧を繰 返すことにより、合計2kgのプルラン水分散 を活性炭粒子表面に噴霧し、乾燥した。そ 後、速やかに温風温度を室温まで下げ、0.4m/ 秒の流速で流して冷却を行い、所望の吸着剤 を得た。

 実施例3
 10重量%濃度のヒドロキシプロピルメチルセ ロース水分散液を調製した。実施例1と同じ ヤシ殻活性炭150gを流動造粒乾燥機(ヤマト科 社製GB-22型)に入れ、攪拌翼を約20rpmで回転 せながら、80℃の温風を0.6m/秒の流速で吹き み、活性炭粒子の流動層を形成した。この 動層に、ヒドロキシプロピルメチルセルロ ス水分散液を連続的に噴霧することにより 合計15gのヒドロキシプロピルメチルセルロ ス水分散液を活性炭粒子表面に噴霧し、乾 した。その後、速やかに温風温度を室温ま 下げ、0.4m/秒の流速で流して冷却を行い、 望の吸着剤を得た。

 実施例4
 プルラン5重量%濃度、ゼラチン5重量%濃度お よびカルボキシメチルセルロース1重量%濃度 グルカン水分散液を調製した。実施例1とヤ シ殻活性炭150gを転動流動造粒機に入れ、底 回転目皿盤を約300rpmで、造粒防止用攪拌翼 約320rpmで回転させ、75℃の温風を0.6m/秒の流 で吹き込み、活性炭粒子の流動層を形成し 。この流動層に、上記グルカン水分散液を5 0℃に保温しながら連続的に噴霧することに り、合計15gのグルカン水分散液を活性炭粒 表面に噴霧し、乾燥した。その後、速やか 温風温度を室温まで下げ、0.4m/秒の流速で流 して冷却を行い、所望の吸着剤を得た。

 実施例5
 実施例1~4で得られた吸着剤をそれぞれ用い 、チャコールフィルタを製造する通常の方 により吸着剤入りセルロースアセテートフ ルタを作製した。得られたフィルタをそれ れ用いて、図3に示すフィルタ付きシガレッ トを作製した。吸着剤入りフィルタセクショ ン241に添加した吸着剤の量は、フィルタ長10m mあたり、最大80mgであった。各シガレットは 保管時において葉タバコの香気成分および 2香料の香気の著しい減少が観察されなかっ た。しかしながら、各シガレットを喫煙する と、チャコールフィルタを有するシガレット に特有のマイルドな香喫味を味わうことがで きた。

 実施例6
 (A)
 実施例1で得た吸着剤20mgを、ガラスチュー に充填した。このガラスチューブ内に、25℃ で、リナロール蒸気を240cc/分、飽和水蒸気を 480cc/分および窒素ガスを80cc/分の流量で同時 4時間流した後、吸着剤に吸着されたリナロ ールを定量した。

 また、実施例1で得た吸着剤の代わりに、 実施例1の吸着剤の製造に使用したヤシ殻活 炭(比較例)を用いて同様にリナロールの定量 を行った。

 (B)
 実施例1で得た吸着剤20mgを、ガラスチュー に充填した。吸着剤の吸着機能を発現させ ことを確実にするために、このガラスチュ ブ内に、25℃で、飽和水蒸気を0.5時間流した 。しかる後、このガラスチューブ内に、上記 (A)と同様にリナロール、飽和水蒸気および窒 素ガスを流した後、吸着剤に吸着されたリナ ロールを定量した。

 結果を図5に示す。図5に示す結果から明 かなように、本発明の吸着剤は、グルカン が溶解しない条件(上記(A))では、リナロール を、通常の活性炭のリナロール吸着量の約10% しか吸着しなかったが、グルカン膜が溶解す る条件(上記(B))では、リナロールを、通常の 性炭のリナロール吸着量の約90%吸着した。

 実施例7
 実施例1で得られた本発明の吸着剤48mgおよ 実施例1で用いた通常のヤシ殻活性炭40mgをそ れぞれ用いて、チャコールフィルタを製造す る通常の方法により吸着剤入りセルロースア セテートフィルタを作製した。本発明の吸着 剤48mgとヤシ殻活性炭40mgは、活性炭の量にお て等しい。

 得られたフィルタをそれぞれ用いて、図3 に示すフィルタ付きシガレットを作製した。 これらフィルタ付きシガレットにおいて、メ ントールをタバコ刻に対して1.3重量%添加し 。

 得られたフィルタ付きシガレットを、22 、相対湿度60%の雰囲気下に蔵置した。蔵置 始から1日経過後、7日経過後、20日経過後お び57日経過後にシガレットを自動喫煙器で 煙させ、その主流煙中のメントール量を常 により定量した。結果を図6に示す。図6にお いて、線aは、本発明の吸着剤入りフィルタ きシガレットについての結果を、線bは、通 のヤシ殻活性炭入りフィルタ付きシガレッ についての結果を示す。

 図6に示す結果から明らかなように、本発 明の吸着剤入りフィルタ付きシガレットでは 、通常の活性炭入りフィルタ付きシガレット に対し、主流煙中のメントール量が、保存7 経過後では約46%増加しており、保存20日経過 後では約48%増加しており、保存57日後では約4 6%増加している。