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Title:
ANISOTROPIC CONDUCTIVE FILM AND CONNECTION STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133253
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an anisotropic conductive film composed of a thermosetting acrylic resin composition. The thermosetting acrylic resin composition contains at least a thermal curing agent (A), a thermosetting component (B), an acrylic rubber (C) containing a hydroxy group, an organic fine particle (D) and a conductive particle (E). The thermosetting component (B) contains a phosphorus-containing acrylate (b1); the acrylic rubber (C) containing a hydroxy group has a weight average molecular weight of not less than 1,000,000; and the organic fine particle (D) contains a polybutadiene fine particle (d1).

Inventors:
AKUTSU YASUSHI (JP)
SATO DAISUKE (JP)
HAYASHI SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057780
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
AKUTSU YASUSHI (JP)
SATO DAISUKE (JP)
HAYASHI SHINICHI (JP)
International Classes:
H01R11/01; C09J7/00; C09J9/02; C09J133/14; C09J171/10; H01B1/22
Foreign References:
JP2003268346A2003-09-25
JP2000040418A2000-02-08
JP2005325161A2005-11-24
Attorney, Agent or Firm:
KOIKE, Akira et al. (Yamato Seimei Bldg.1-7, Uchisaiwai-cho 1-chom, Chiyoda-ku Tokyo, JP)
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Claims:
1.熱硬化型アクリル樹脂組成物からなる異方導電性フィルムにおいて、当該組成物が、少なくとも(A)熱硬化剤、(B)熱硬化性成分、(C)水酸基を含有するアクリルゴム、(D)有機微粒子、及び(E)導電性粒子を含み、
 上記(B)熱硬化性成分には、(b1)リン含有アクリル酸エステルを含み、
 上記(C)水酸基を含有するアクリルゴムの重量平均分子量が100万以上であり、
 上記(D)有機微粒子には、(d1)ポリブタジエン系微粒子を含む異方導電性フィルム。
2.上記(C)水酸基を含有するアクリルゴム、上記(b1)リン含有アクリル酸エステル、及び上記(d1)ポリブタジエン系微粒子の重量を、それぞれX,Y,及びZとした場合に、それら3成分の重量比が、X:Y:Z=2:0.05:10~8:0.05:16である請求の範囲第1項記載の異方導電性フィルム。
3.さらに、(F)フェノキシ樹脂を含む請求の範囲第1項記載の異方導電性フィルム。
4.請求の範囲第1項乃至第3項いずれか1項記載の異方導電性フィルムにより、電極パターンが形成された基板と、電子部品とを接続してなる接続構造体。
Description:
異方導電性フィルム及び接続構 体

 本発明は、熱硬化型のアクリル樹脂組成物 導電性粒子を分散させてなる高い接着強度 有する異方導電性フィルム及びこれを用い 接続構造体に関する。
 本出願は、日本国において2007年4月25日に出 願された日本特許出願番号2007-115929を基礎と て優先権を主張するものであり、この出願 参照することにより、本出願に援用される

 実装技術の分野において、異方導電性フィ ムが、接続工程の簡素化、及び鉛フリーの 点から急速に普及している。この異方導電 フィルムとして、接続信頼性、及び耐熱性 観点から熱硬化型のエポキシ樹脂組成物か なる異方導電性フィルムが使用されていた 、最近になって、接続時間の短縮化、及び 温化の要求から、熱硬化型のアクリル樹脂 成物からなる異方導電性フィルムが着目さ ている。
 このタイプの異方導電性フィルムは、硬化 であるアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤の ち分解及び活性化温度が低い品種を選択し 用いることができ、その結果「140~160℃で10 以内」程度の比較的低温で短時間の加熱加 による実装作業を可能とする。
 ところで、アクリル樹脂組成物からなる異 導電性フィルムと、エポキシ樹脂組成物か なる異方導電性フィルムとを対比すると、 者には、接続自体の不良や、接続後の導通 頼性が低いという、接着強度に起因した問 があった。
 このような問題を解決するために、例えば 許第3587859号公報にも記載のように、アクリ ル樹脂組成物中に分子量が10000以上の水酸基 有樹脂を配合するとともに、アクリル成分( 熱硬化性成分)としてリン含有アクリル酸エ テルを選択した異方導電性フィルムが検討 れている。
 このように、特許第3587859号公報に記載され た異方導電性フィルムは、水酸基の存在によ り電子基板等の被着体に対して接着強度を高 めることが期待できるが、実際の実装作業に おいては、被着体にかかる応力を緩和させた 状態で、すなわち、そりを発生させない状態 で、接着強度を高めることが求められるため 、応力を緩和させた状態で接着強度を高める という相反する問題を解決できない。
 すなわち、この相反する問題を解決するた には、硬化収縮を発生させる成分(硬化性成 分)以外の樹脂材料については、できるだけ い分子量を有するポリマー成分を配合する とが必要であると考えられるが、特許文献1 記載された異方導電性フィルムは、十分に い分子量を有するものではなかった。すな ち、特許文献1には、重量平均分子量が100万 以上を有するポリマーは、その混和性が低下 して配合することが困難であると記載されて いた。また、特許文献1には、アクリルゴム 配合させて応力を緩和させるとともに、接 剤の凝集力を高めることの記載もあるが、 該アクリルゴムの分子量は20万程度のもので あった。
 このように、従来の熱硬化型アクリル樹脂 成物からなる異方導電性フィルムでは、応 を緩和させた状態で、接着強度を高めるこ が困難であった。

 本発明の目的は、応力を緩和させた状態で 接着強度を高めることが可能な異方導電性 ィルム及びこれを用いた接続構造体を提供 ることにある。
 本発明に係る異方導電性フィルムは、熱硬 型アクリル樹脂組成物からなる異方導電性 ィルムにおいて、当該組成物が、少なくと (A)熱硬化剤、(B)熱硬化性成分、(C)水酸基を 有するアクリルゴム、(D)有機微粒子、及び( E)導電性粒子を含み、上記(B)熱硬化性成分に 、(b1)リン含有アクリル酸エステルを含み、 上記(C)水酸基を含有するアクリルゴムの重量 平均分子量が100万以上であり、上記(D)有機微 粒子には、(d1)ポリブタジエン系微粒子を含 ものである。
 また、本発明に係る異方導電性フィルムを 成する上記(C)水酸基を含有するアクリルゴ 、上記(b1)リン含有アクリル酸エステル、及 び上記(d1)ポリブタジエン系微粒子は、それ れの重量をX,Y,及びZとした場合に、それら3 分の重量比が、X:Y:Z=2:0.05:10~8:0.05:16であるよ に構成してもよい。
 さらに、本発明に係る異方導電性フィルム 、さらに、(F)フェノキシ樹脂を含むように 成してもよい。
 本発明に係る接続構造体は、電極パターン 形成された基板と、電子部品とを上述の異 導電性フィルムにより接続してなる。
 本発明に係る異方導電性フィルムは、熱硬 型アクリル樹脂組成物からなる異方導電性 ィルムにおいて、(B)熱硬化性成分として(b1) リン含有アクリル酸エステルを含むとともに 、(D)有機微粒子として、(d1)ポリブタジエン 微粒子を含むことにより、アクリル樹脂組 物内において、高分子量のアクリルゴムを 和させることができ、すなわちこれにより アクリル樹脂組成物内に重量平均分子量100 以上の(C)水酸基を含有するアクリルゴムを 有することを可能として、この重量平均分 量100万以上の(C)水酸基を含有するアクリル ムを含有することで、応力を緩和させた状 で、高い接着強度を得ることを可能とする
 また、本発明に係る異方導電性フィルムは (b1)リン含有アクリル酸エステル、(C)水酸基 を含有するアクリルゴム、及び(d1)ポリブタ エン系微粒子の3成分の重量比を適切なもの することにより、応力が緩和された状態で 6N/cm以上の高い接着強度を得ることを可能 する。
 また、本発明に係る異方導電性フィルムは さらに(F)フェノキシ樹脂を含むようにする とにより、異方導電性フィルムの成膜性を らに向上させることを可能とする。
 本発明に係る接続構造体は、電極パターン 形成された基板と、電子部品とが、応力を 和させた状態で高い接着強度を得ることが きる上述の異方導電性フィルムにより接続 れていることにより、基板と電子部品との 続の信頼性を高めることができ、製品間の らつきをなくすことを可能とする。
 本発明のさらに他の目的、本発明によって られる利点は、以下において図面を参照し 説明される実施の形態から一層明らかにさ るであろう。

図1は、本発明を適用した異方導電性フ ィルムを用いた接続構造体の断面図である。

 以下、本発明を適用した異方導電性フィル 及びこれを用いた接続構造体について詳細 説明する。本発明を適用した異方導電性フ ルムは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)からな 電極パターンが形成された基板及び電子部 等を接続するために用いられるものであり 具体的には応力を緩和させた状態で、接着 度を高めることが可能な、異方導電性フィ ムである。
 以下に、本異方導電性フィルムを構成する 成分について詳細に記述する。尚、各成分 ついては、これらの記載に限定されるもの はない。
 この異方導電性フィルムは、これを構成す 各成分として、(A)熱硬化剤、(B)熱硬化性成 、(C)水酸基を含有するアクリルゴム、(D)有 微粒子、(E)導電性粒子、及び(F)フェノキシ 脂を含むものである。当該(B)熱硬化性成分 は、(b1)リン含有アクリル酸エステルを含み 、当該(C)水酸基を含有するアクリルゴムの重 量平均分子量が100万以上であり、(D)有機微粒 子には、(d1)ポリブタジエン系微粒子を含む
 尚、ここで、(F)フェノキシ樹脂は、本発明 異方導電性フィルムの必須の構成要素では いが、(F)フェノキシ樹脂を含むように構成 ることで、異方導電性フィルムの成膜性を 善することが可能となる。
 (A)熱硬化剤としては、アゾ系開始剤、過酸 物系開始剤のうち分解及び活性化温度が低 品種が例示される。低温短時間圧着を考慮 ると過酸化物系開始剤が好ましい。過酸化 系開始剤としては、ジベンゾイルパーオキ イド、ジトルオイルパーオキサイド、ジ-(4- メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ(3,5,5- リメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジ イソブチルパーオキサイド等のパーオキサイ ド類が例示される。これらは、単独又は2種 上使用してもよい。
 (B)熱硬化性成分は、液状(メタ)アクリル酸 ステルを主原料として構成される。液状(メ )アクリル酸エステルとしては、アルキル変 性2又は3官能(メタ)アクリル酸エステル、エ レングリコール変性2又は3官能(メタ)アクリ 酸エステル、ポリエステル変性2又は3官能( タ)アクリル酸エステル等に例示される多官 能(メタ)アクリル酸エステル、メチル(メタ) クリル酸エステル、エチル(メタ)アクリル酸 エステル、アダマンチル(メタ)アクリル酸エ テル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸 ステル等の単官能(メタ)アクリル酸エステル が例示される。これらの中で、エチレングリ コール変性2又は3官能(メタ)アクリル酸エス ルを用いることが特に好ましい。これら多 能(メタ)アクリル酸エステル、単官能(メタ) クリル酸エステルは単独で用いても2種以上 混合して用いても差し支えない。
 (b1)リン含有アクリル酸エステルとしては、 モノ(2-アクリロイルオキシエチル)アッシド スフェート、モノ(2-アクリロイルオキシプ ピル)アッシドホスフェート、モノ(2-アクリ イルオキシエブチル)アッシドホスフェート 等が例示される。リン含有アクリル酸エステ ルは、配合することにより、金属等の無機物 表面での接着量が向上するという優れた面を もっている。配合量としては、膜成分を構成 する樹脂及び液状(メタ)アクリル酸エステル 合計60重量部に対して0.01~0.5重量部であるこ とが好ましく、さらに好ましくは0.03~0.1重量 である。0.01重量部より少ないと、水酸基を 含有するアクリルゴムの溶解性が十分ではな くなり、0.5重量部より多いと接着強度が低下 してしまう。
 (C)水酸基を含有するアクリルゴムは、アル ール水酸基含有アクリル酸エステル、カル キシル基含有アクリル酸エステルを原料と て構成される。分子量としては、GPC(ゲルパ ーミエーションクロマトグラフィー)による 定において、重量平均分子量が100万以上で り、さらに好ましくは120万以上である。重 平均分子量が100万以下の場合、十分な接着 度が得られないことがある。配合量として 、膜成分を構成する樹脂及び液状(メタ)アク リル酸エステルの合計60重量部に対し1~10重量 部、さらに好ましくは2~8重量部である。1重 部より少ないと接着強度が得られない場合 あり、10重量部より多いと液状(メタ)アクリ 酸エステルに不溶化することがある。
 (D)有機微粒子としては、ポリブタジエン系 粒子、ポリスチレン系微粒子、ポリアクリ ート系微粒子、ポリオレフィン系微粒子等 例示される。その中で(d1)ポリブタジエン系 微粒子が最も好ましい。
 (E)導電性粒子としては、従来より、異方導 性フィルムにおいて用いられている導電性 子を使用することができる。例えば、ニッ ル粒子、金粒子、半田粒子、これらの金属 被覆された樹脂粒子等が挙げられる。これ の表面を絶縁被覆してもよい。これらの導 性粒子の粒子径は、通常、2~10μm、好ましく は3~5μmである。また、導電性粒子の配合量と しては、(この導電性粒子を含めた)異方導電 フィルムの全体の体積を100%としたときの、 この導電性粒子の体積が1~50%、好ましくは1~30 %である。1体積%よりも少ないと導電性が得ら れず、50体積%よりも多いと接続端子間の絶縁 性を維持できないことがある。
 (F)フェノキシ樹脂としては、重量平均分子 10,000から120,000のものが使用できるが、その 中で重量平均分子量40,000から60,000のものが最 も好ましい。
 本発明を適用した異方導電性フィルムの熱 化型アクリル樹脂組成物には、金属に対す 密着性向上のために、シランカップリング を含有させることもできる。シランカップ ング剤の含有量は、樹脂組成物中の(A)熱硬 剤、(B)熱硬化性成分及び(C)水酸基を含有す アクリルゴムを重合して硬化した全成分35 量部に対し、少なすぎると所定の効果が得 れず、多すぎると塗布性が低下するので、 ましくは0.5~5重量部、より好ましくは1~3重量 部である。
 (C)水酸基を含有するアクリルゴム、(b1)リン 含有アクリル酸エステル、及び(d1)ポリブタ エン系微粒子の重量を、それぞれX,Y,及びZと した場合に、それら3成分の重量比を、X:Y:Z=2: 0.05:10~8:0.05:16とすることにより、高い接着強 (6N/cm以上)を得ることができ、上述のように 構成され3成分の重量比を適切に調整された 方導電性フィルムは、応力が緩和された状 で、6N/cm以上の高い接着強度を得ることがで きる。
 以上のように構成された本発明を適用した 方導電性フィルムは、熱硬化型アクリル樹 組成物からなる異方導電性フィルムであっ 、当該組成物が、少なくとも(A)熱硬化剤、( B)熱硬化性成分、(C)水酸基を含有するアクリ ゴム、(D)有機微粒子、及び(E)導電性粒子を み、(B)熱硬化性成分には、(b1)リン含有アク リル酸エステルを含み、(C)水酸基を含有する アクリルゴムの重量平均分子量が100万以上で あり、(D)有機微粒子には、(d1)ポリブタジエ 系微粒子を含むことにより、応力を緩和さ た状態で、高い接着強度を得ることを可能 する。
 すなわち、本発明は、熱硬化型のアクリル 脂組成物からなる異方導電性フィルムにお て、従来、熱硬化性成分の混和性(相溶性) 考慮して重量平均分子量100万以上の水酸基 含有するアクリルゴムを配合することを試 たが、他の成分との混和性が十分ではなか たことに鑑みて、鋭意研究の結果、熱硬化 成分としてリン含有アクリル酸エステルを 合させ、次いで、微粒子状態のポリブタジ ンゴムを混合させることにより、アクリル 脂組成物内において、高分子量のアクリル ムを混和させることを可能とすることを見 し、これにより、上述のような応力を緩和 せた状態で、高い接着強度を得ることがで るという効果を有する異方導電性フィルム 提供することを可能とするものである。
 また、本発明を適用した異方導電性フィル は、(C)水酸基を含有するアクリルゴム、(b1) リン含有アクリル酸エステル、及び(d1)ポリ タジエン系微粒子の重量を、それぞれX,Y,及 Zとした場合に、それら3成分の重量比が、X: Y:Z=2:0.05:10~8:0.05:16であるように構成すること より、応力が緩和された状態で、高い接着 度(6N/cm以上)を得ることを可能とする。
 さらに、本発明を適用した異方導電性フィ ムは、さらに、(F)フェノキシ樹脂を配合す ことにより、異方導電性フィルムの成膜性 改善することを可能とする。
 また、本発明を適用した接続構造体2は、図 1に示すように、上述のように構成された異 導電性フィルム1により、電極パターンが形 された基板3と、電子部品4とを接続して構 されている。
 このように、本発明を適用した接続構造体 、上述したように、応力を緩和させた状態 、高い接着強度を得る異方導電性フィルム より、ITOからなる電極パターンが形成され 基板と、電子部品とを接続してなることに り、基板と電子部品との良好な接続性を確 でき、長期間にわたり接続の信頼性を高め ことを可能とする。
<実施例>
 以下、本発明の異方導電性フィルムを実施 により具体的に説明する。ここでは、表1に 示すように、本発明の実施例とともに、これ と比較するための比較例として比較例1~5を用 いて説明する。
 実施例では、溶剤としてメチルエチルケト (MEK)を用い、この溶剤の100重量部に対して 表1に示す割合(重量部)でフェノキシ樹脂、 状アクリル酸エステル、過酸化物系開始剤 水酸基を含有するアクリルゴム、リン含有 クリル酸エステル、ポリブタジエン系微粒 、シランカップリング剤及び導電性粒子を えて混合機を用いて混合し、その組成物を さ50μmの剥離処理済みポリエチレンテレフタ レートフィルムにバーコータを用いて塗布し 、80℃で5分乾燥し、20μm厚の異方導電性フィ ムを作製した。また、比較例1~5では、実施 に対して表1に示すように組成物を変更して 用いたことを除いて、実施例と同様として作 製した。実施例及び比較例1~5において、配合 物の相溶性、接着強度は以下のようにして測 定した。

(1)相溶性
 表1により配合した組成物を目視で評価した 。水酸基を含有するアクリルゴムが溶解し、 完全に分散された状態を○、水酸基を含有す るアクリルゴムが一部溶解しない場合を△、 水酸基を含有するアクリルゴムが不溶の場合 を×とした。
 実施例、比較例3及び4において明らかなよ に、重量平均分子量100万以上の水酸基を含 するアクリルゴムを相溶させるためには、 ン含有アクリル酸エステル及び有機微粒子 存在が不可欠である。表1に記載のように、 量平均分子量100万以上の水酸基を含有する クリルゴムを相溶させるためには、リン含 アクリル酸エステル、有機微粒子が所定量 合されていることが必要である。リン含有 クリル酸エステル、有機微粒子の一方が存 しない場合には、重量平均分子量100万以上 水酸基を含有するアクリルゴムを相溶させ ことはできなかった(比較例3,4)。
 比較例5では、有機微粒子を実施例の1/2とし たが、水酸基を含有するアクリルゴムは完全 には相溶しなかった。よって、有機微粒子は 、水酸基を含有するアクリルゴム5重量部に し10重量部以上必要であることが分かった。 実施例では、水酸基を含有するアクリルゴム 5重量部に対し有機微粒子を10重量部用いるこ とにより、水酸基を含有するアクリルゴムが 相溶することを確認できた。
(2)接着強度
 表1の配合比からなる異方導電性フィルムを 各々0.7mm厚のガラスにITO膜を付けたITOガラス 仮設置した。続けて50μmピッチのFPC(フレキ ブルプリント配線板)と上述のITOガラスを、 異方導電性フィルムを介して接着させ、加熱 ・加圧圧着させた(ツール温度:160℃、圧力:4MP a、圧着時間:4秒)。圧着させたFPCを幅10mmに切 し、FPCの端部をITOガラス面に対して90°方向 に引張り試験機(テンシオロン、オリエンテ ク社製)を用いて引き上げ、接着強度を測定 た。接着強度については、表1に示す。
 比較例1,2では、実施例に比べて水酸基を含 するアクリルゴムの分子量が低い例を示す 分子量が低いと、被着体界面と異方導電性 ィルムとの分子間における凝集力が低下し 着強度が低下したものと考えられる。分子 が低い水酸基を含有するアクリルゴムを用 ると異方導電性フィルム内における水酸基 含有するアクリルゴムのネットワークが短 なることも原因と考えられる。尚、水酸基 含有するアクリルゴムとして実施例等で用 られるテイサンレジンSG-600LBの分子量Mwは、 120万であり、比較例1で用いられるテイサン ジンSG-280の分子量Mwは、90万であり、比較例2 で用いられるテイサンレジンSG-790の分子量Mw 、52万である。
 一方、表1により水酸基を含有するアクリル ゴムの分子量が増すに従って接着力が増加し ていることが分かる(実施例、比較例1、比較 2)。水酸基を含有するアクリルゴムの分子 が増加することにより、異方導電性フィル 内における水酸基を含有するアクリルゴム ネットワークが発達し、被着体と異方導電 フィルム間の凝集力が増加したと考えられ 。結果として、水酸基を含有するアクリル ムの重量平均分子量が100万以上になると高 接着力を示したと考えられる。異方導電性 ィルムにおける接着力の実用的な値が6N/cm以 上であることから、6N/cm以上を得るには水酸 を含有するアクリルゴムの分子量が100万以 必要であることがわかる。
 比較例3~5については、水酸基を含有するア リルゴムが完全には相溶せず異方導電性フ ルムとならず、接着強度を測定するには至 なかった。
 以上のように、本発明の実施例の異方導電 フィルムは、熱硬化性成分としてリン含有 クリル酸エステルを含むとともに、微粒子 態のポリブタジエンゴムを含むことにより クリル樹脂組成物内において、高分子量の クリルゴムを混和させることを可能とし、 れにより、重量平均分子量100万以上の水酸 を含有するアクリルゴムを含有させること 可能として、応力を緩和させた状態で、高 接着強度を得ることを可能とする。
 上述のように、本発明によれば、従来溶解 難であった分子量100万以上の水酸基を含有 るアクリルゴムを溶解させる手法を見出し 異方導電性フィルムを製作するに至った。
 本発明に係る異方導電性フィルムは、応力 緩和させた状態で、接着強度を高めること 可能であり、各種電気・電子用の回路接続 料として用いることができる。
 尚、本発明は、図面を参照して説明した上 の実施例に限定されるものではなく、添付 請求の範囲及びその主旨を逸脱することな 、様々な変更、置換又はその同等のものを うことができることは当業者にとって明ら である。