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Patent Searching and Data


Title:
ANNULAR CONCENTRICALLY-TWISTED BEAD CORD, AND VEHICULAR TIRE USING THE BEAD CORD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054346
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are an annular concentrically-twisted bead cord, which is reduced in weight while retaining satisfactory manufacturing and handling properties, and a vehicular tire employing the bead cord. The annular concentrically-twisted bead cord (2) has a sheath layer (13) formed by winding side wires (12) helically around a metallic annular core (11). The side wires (12) are constituted by wrapping a pair of steel wires (22) around a side wire body (21) made of aramid fibers.

Inventors:
WAKAHARA HITOSHI (JP)
OKAMOTO KENICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068969
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO SEI STEEL WIRE CORP (JP)
SUMITOMO ELECTRIC TOCHIGI CO (JP)
WAKAHARA HITOSHI (JP)
OKAMOTO KENICHI (JP)
International Classes:
B60C15/04; B60C9/00
Foreign References:
JP2001301430A2001-10-31
JP2006044643A2006-02-16
JPS5823980A1983-02-12
JP2000225817A2000-08-15
Other References:
See also references of EP 2179869A4
Attorney, Agent or Firm:
NAITO, Teruo (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 金属製の環状コアの周りに側線を螺旋状に巻き付けて1層または複数層のシース層とした環状同芯撚りビードコードであって、
 前記側線がアラミド繊維からなることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項1に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記側線は、前記アラミド繊維に、予めゴムとの接着性を有する樹脂によってディップ処理が施されていることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項1または2に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記側線は、前記アラミド繊維からなる側線本体の周囲に、複数のスチールワイヤが異なる方向にラッピングされていることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項3に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記スチールワイヤは、異なる方向に各方向同数ずつラッピングされていることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項3または4に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記環状コアへの側線の巻き付けピッチをA、前記アラミド繊維の側線本体にラッピングされた前記スチールワイヤの撚りピッチをBとしたときに、0.12A≧Bとなることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項3から5の何れか一項に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記スチールワイヤの直径が、0.13mm以上0.25mm以下であることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項1に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記側線は、前記アラミド繊維の一部に硬化樹脂を含浸させたものであることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項1から7の何れか一項に記載の環状同芯撚りビードコードであって、
 前記環状コアは、0.08~0.27質量%の炭素(C)、0.30~2.00質量%のケイ素(Si)、0.50~2.00質量%のマンガン(Mn)及び0.20~2.00質量%のクロム(Cr)を含み、かつ、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)及びバナジウム(V)がそれぞれ0.001~0.10質量%の範囲で少なくとも1種以上含有し、残部が鉄(Fe)及び不可避的に混入してくる不純物からなる合金鋼からなることを特徴とする環状同芯撚りビードコード。
 請求項1から8の何れか一項に記載の環状同芯撚りビードコードが埋め込まれていることを特徴とする車両用タイヤ。
Description:
環状同芯撚りビードコード及び れを使用した車両用タイヤ

 この発明は、空気入りタイヤのビード部 に埋め込まれる環状同芯撚りビードコード びそれを使用した車両用タイヤに関するも である。

 空気入りタイヤのビード部分に埋め込ま るビードコードは、軟鋼線の環状コア線の 囲に、コアよりも細い鋼線からなる側線を き付けたシース層を有するものが一般的で るが、強度を確保しつつ軽量化を図るため 同一径のめっき付き硬鋼線を複数層に撚り わせたものや(例えば、特許文献1参照)、環 コア線を合成樹脂とし、その周囲に鋼線か なるシース線を螺旋状に巻き付けたものが られている(例えば、特許文献2参照)。

日本公開特許:特開平5-163686号公報

日本公開特許:特開平11-321247号公報

 ところで、特許文献1のビードコードは、 環状コア線を用いず、同一径の硬鋼線を複数 層に撚り合わせた構造であるので、形状が不 安定であり、製造の自動化が困難である。ま た、環状コア線が細径の硬鋼線に代わること による軽量化程度しか望めなかった。しかも 、環状コアは両端を突き合わせて溶接してい るが、硬鋼線だと溶接部が硬くて脆い焼き入 れ組織になり易く、このため、折損を防ぐた め焼鈍処理が必要となり、処理部におけるバ リ取り作業も要する。

 また、特許文献2のビードコードでは、合 成樹脂からなる環状コア線の剛性が低いため 、この合成樹脂製の環状コア線の形状を保持 することが難しく、周囲にシース線を巻き付 けてビードコードとする際の設備化が困難で あり、しかも、ビードコード自体の剛性も低 いため、その取り扱い性も良くなかった。

 そこで、本発明の目的は、良好な製造性 取り扱い性を確保しつつ軽量化が図られた 状同芯撚りビードコード及びそれを使用し 車両用タイヤを提供することにある。

 上記課題を解決することのできる本発明 環状同芯撚りビードコードは、金属製の環 コアの周りに側線を螺旋状に巻き付けて1層 または複数層のシース層とした環状同芯撚り ビードコードであって、側線がアラミド繊維 からなることを特徴とする。

 このように、環状コアに巻き付けてシー 層を構成する側線として、鋼線に比べて比 が非常に小さく、かつ強度が高くしかも伸 の小さいアラミド繊維からなるものを用い ことにより、ある程度の剛性を維持しつつ 量化を図ることができる。これにより、良 な製造性、取り扱い性を確保しつつ軽量化 図られた環状同芯撚りビードコードとする とができる。

 好ましくは、側線は、アラミド繊維に、 めゴムとの接着性を有する樹脂によってデ ップ処理が施されている。これにより、例 ば、環状同芯撚りビードコードをゴム製の イヤのビード部の補強として用いる場合に タイヤのゴムと良好に一体化させることが きる。

 好ましくは、側線は、アラミド繊維から る側線本体の周囲に、複数のスチールワイ が異なる方向にラッピングされている。こ により、剛性が低く、可撓性に優れたアラ ド繊維を、異なる方向にラッピングしたス ールワイヤによって不安定な断面形状を円 に近い形状に保持しつつ、適度な剛性及び 撓性を保有させることができ、取り扱い性 さらに高めることができる。

 また、スチールワイヤは、異なる方向に 方向同数ずつラッピングされていることが ましい。ラッピングする各方向の数を同数 することで、側線の残留捩れを生じにくく て、側線を環状コアに巻き付ける時の成形 容易さや、巻き付け後の環状同芯撚りビー コードの環状形状(環状形状が一平面に沿っ ている)に悪影響を及ぼすことを防止できる

 好ましくは、環状コアへの側線の巻き付 ピッチをA、アラミド繊維の側線本体にラッ ピングされたスチールワイヤの撚りピッチを Bとしたときに、0.12A≧Bとなる。これにより アラミド繊維の剛性不足による腰折れを防 ことができ、環状コアへの側線の巻き付け ラの発生頻度を大幅に抑制することができ 。

 好ましくは、スチールワイヤの直径が、0 .13mm以上0.25mm以下である。これにより、摩擦 よる断線などを防ぎつつアラミド繊維に適 な剛性及び可撓性を保有させることができ 。なお、スチールワイヤの直径が0.25mmを超 ても、ラッピングによる上記効果は維持で るが、スチールワイヤが作る節の高さが大 くなる(側線の径方向の部分的な突出が大き くなる)ため、環状コアへの巻き付けの際、 抗が大きくなり、巻き付け性の低下を増幅 てしまう。

 また、側線は、スチールワイヤをラッピ グせずに、アラミド繊維の一部に硬化樹脂 含浸させたものであってもよい。硬化樹脂 含浸させることにより側線に剛性を持たせ 断面形状を円形に近い形状に保持して取り い性を高め、側線を環状コアに巻き付ける の成形性を向上させることができる。

 好ましくは、環状コアは、0.08~0.27質量%の 炭素(C)、0.30~2.00質量%のケイ素(Si)、0.50~2.00質 %のマンガン(Mn)及び0.20~2.00質量%のクロム(Cr) を含み、かつ、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb) チタン(Ti)及びバナジウム(V)がそれぞれ0.001~ 0.10質量%の範囲で少なくとも1種以上含有し、 残部が鉄(Fe)及び不可避的に混入してくる不 物からなる合金鋼からなる。これにより、 状とする際の両端の溶接部における延性低 を抑制する効果を得ることができる。

 また、本発明の車両用タイヤは、上記の 状同芯撚りビードコードが埋め込まれてい ことを特徴とする。

 このように、良好な製造性、取り扱い性 確保しつつ軽量化が図られた環状同芯撚り ードコードを用いるので、製造性に優れ、 かも軽量化されたタイヤを実現することが きる。

 本発明によれば、良好な製造性、取り扱 性を確保しつつ軽量化が図られた環状同芯 りビードコード及びそれを使用した車両用 イヤを提供することができる。

車両用タイヤの断面図である。 (a)はビードコードの全体図、(b)はビー コードの部分を示す斜視図である。 ビードコードの断面図である。 側線の側面図である。 他の側線の例を示す断面図である。 環状コアを振り子運動させる環状同芯 りビードコードの製造装置を示す概念図で る。 図6の装置の振り子運動の状態を示す概 念図である。

符号の説明

1:車両用タイヤ、2:環状同芯撚りビードコ ド、11:環状コア、12,12a,12b:側線、13:シース層 、21:側線本体、22:スチールワイヤ、A:環状コ への巻き付けピッチ、B:側線本体へのラッ ングピッチ

 以下、本発明に係る環状同芯撚りビードコ ド及びそれを使用した車両用タイヤの実施 態について図面を参照して説明する。
 図1は、車両用タイヤの断面図、図2(a)はビ ドコードの全体図、図2(b)はビードコードの 分を示す斜視図、図3はビードコードの断面 図、図4は側線の側面図である。

 図1に示すように、車両用タイヤ1は、乗用 用の空気入りタイヤであって、ビードコー 2が通る両側のビード部3と各ビード部3から イヤ半径方向外向きにのびるサイドウォー 部4と、その上端間を継ぐトレッド部5とを備 える。
 また、ビード部3間にカーカス6が架け渡さ るとともに、このカーカス6の外側かつトレ ド部5の内方にはベルト層7が周方向に巻装 れている。

 上記の車両用タイヤ1のビード部3に通さ たビードコード2は、図2(a)、(b)及び図3に示 ように、環状コア11の周囲に、複数(本例で 6本)の側線12からなるシース層13を設けたも であり、側線12を、環状コア11の輪の外側か 輪の中を通し、再び輪の外側から輪の中を すことにより、環状コア11に側線12が、所定 の巻き付けピッチAにて螺旋状に巻き付けら ている。なお、本例では、1層のシース層13 有する場合を例示している。

 環状コア11は、合金鋼ワイヤからなるも で、その材質は、0.08~0.27質量%の炭素(C)、0.30 ~2.00質量%のケイ素(Si)、0.50~2.00質量%のマンガ (Mn)及び0.20~2.00質量%のクロム(Cr)を含み、か 、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti) びバナジウム(V)がそれぞれ0.001~0.10質量%の 囲で少なくとも1種以上含有し、残部が鉄(Fe) 及び不可避的に混入してくる不純物からなる 合金鋼である。

 図4にも示すように、側線12は、アラミド 維からなる側線本体21と、この側線本体21の 周囲に、異なる方向にラッピングされた1対 極細スチールワイヤ22とを有している。

 側線本体21は、アラミド繊維(芳香族ポリア ド繊維)の素フィラメントを複数本束ねてS 向(一方向)に撚り合わせたものである。
 側線本体21として用いられるアラミド繊維 しては、繊度1670dtex(デシテックス)、破断強 356N、初期弾性率461cN/dtex、破断伸度3.70%のも のを好適に用いることができる。

 そして、この側線本体21は、車両用タイ 1を形成するゴムとの接着性を付与するため 、撚り合わせた後に、ディップ処理(レゾル シン・フォルマリン・ラテックス処理)が施 れている。これにより、撚り合わせたアラ ド繊維はゴムとの接着性が保有され、側線 体21に供せられる。

 このように構成された側線本体21の外周 は、その撚り方向であるS方向と反対方向で るZ方向(他方向)に1本目のスチールワイヤ22 ラッピングされ、さらにその外周側に、1本 目とは逆方向であるS方向(一方向)に2本目の チールワイヤ22がラッピングされている。こ のようにラッピングすると、それぞれのスチ ールワイヤ22によって側線本体21のアラミド 維の撚りの戻りによる解れをなくすことが きる。なお、スチールワイヤ22は、予め1本 たは複数のピンからなるパスラインを通す となどによって所定のラッピングピッチ相 のくせ付けをしておくと、軟質の側線本体21 にくい込むことが少なくなり、ラッピングの 巻き付け性が良好である。

 また、スチールワイヤ22は、異なる方向 各方向同数ずつラッピングされている。図3 び図4の例では、S方向とZ方向にそれぞれ1本 ずつスチールワイヤ22がラッピングされてい が、これを各方向2本ずつ、あるいはそれ以 上の本数ずつラッピングするようにしてもよ い。ラッピングする各方向の数が異なる場合 には、スチールワイヤ22を側線本体21の周囲 巻き付けてラッピングする際にスチールワ ヤ22に発生する残留捩れの影響を受けて、柔 軟な側線12に残留捩れが内在しやすくなり、 の側線12を環状コア11に巻き付ける時にスム ースに成形できなかったり、巻き付け後の環 状同芯撚りビードコード2の環状形状が、本 一平面に沿っている状態から歪んでしまう とがある。スチールワイヤ22を異なる方向に 各方向同数ずつラッピングすることで、この ような不具合の発生を防止できる。

 これらスチールワイヤ22は、その直径が0. 13mm以上0.25mm以下とされている。また、これ スチールワイヤ22の側線本体21への撚りピッ Bは、環状コア11への側線12の巻き付けピッ Aとの間において、比率が0.12A≧Bとされてい 。また、側線本体21に対して複数本ラッピ グしたスチールワイヤ22のうち、上層に対し て下層のスチールワイヤ22の撚りピッチを僅 に小さくすることで、側線12の内部応力が 一になりやすくなる。

 また、側線本体21にスチールワイヤ22をラ ッピングしない形態も採用できる。例えば、 図5に示すように、撚り合わせたアラミド繊 23(図5(a)参照)を硬化樹脂(フェノール樹脂ま はエポキシ樹脂)で硬化させて硬化アラミド 維23aとし(図5(b)参照)、これをコアとして、 り合わせたアラミド繊維23をさらに側線と て撚り合わせて外装する(図5(c)参照)。この 態でゴムとの接着性を保有させるためディ プ処理すれば(図5(d)参照)、適度に剛性を持 せた側線12a,12bとすることができる。なお、 5(c),(d)では、硬化アラミド繊維23aに対して り合わせたアラミド繊維23を側線として6本 り合わせた例とストランドとして3本、追加 て撚り合わせた例を示している。スチール イヤ22がなくても側線本体21に剛性を持たせ ることで、断面形状を円形に近い形状に保持 して取り扱い性を高め、側線を環状コアに巻 き付ける時の成形性を向上させることができ る。なお、この場合は、スチールワイヤがな い分だけ側線が太径となるようにし、なおか つその断面が円形に近い形状にしておくこと が好ましい。

 次に、上記の環状同芯撚りビードコードを 造する方法について説明する。
 図6は環状コアを振り子運動させる環状同芯 撚りビードコードの製造装置を示す概念図、 図7は図6の装置の振り子運動の状態を示す概 図である。

 図6及び図7に示す製造装置は、環状コア1 周方向に回転させるドライビングユニット3 0と、リール33に巻かれた側線12を環状コア11 巻き付け部に供給する側線12のサプライ部41 を有する。

 ドライビングユニット30は、弓形の保持 ーム31に設置され、駆動モータと連結された 、環状コア11を周方向に回転させる2つのピン チローラ32a,32bを有する。

 上記保持アーム31には、側線12の供給側に 、クランプユニット40を設けている。このク ンプユニット40は、2個のローラ40a,40bからな り、環状コア11の横方向の振れを防止し、安 した周方向回転を維持し、側線12の巻き付 点の位置決めを行い、高い巻き付け性を得 いる。なお、この例では環状コア11を垂直に して横振れを抑えて、周方向に回転させてい る。

 保持アーム31は、クランプユニット40の部 分を支点にして、回転円盤42とクランクシャ ト43からなる揺動機構50によって振り子運動 するように、スタンド44に揺動可能に設置さ ている。

 保持アーム31に保持された環状コア11は、 振り子運動の周期の一端で、リール33が、環 コア11の輪の外に位置し、環状コア11の振り 子運動の周期の他端で、環状コア11の輪の中 位置するようにスイングする。

 側線12のサプライ部41には、前後一対の対 向するカセットスタンド52が、保持アーム31 保持された環状コア11の振り子運動を妨げな い距離をおいて水平に設置され、カセットス タンド52の先端に、環状コア11の面を挟んで 向するリール受け渡し機構が設けられてい 。

 サプライ部41は、側線12を巻き取ったリー ル33と、このリール33の外径より少し大きい で、且つ少なくともリール内幅に相当する 筒形状の外周壁を有するカセット53とからな る。リール33は、側線12の巻き面全体を被う うにカセット53内に回転可能に収容され、所 謂カートリッジ化されている。

 上記のように構成された装置を用いてビー コードを製造する場合、まず、側線12の始 を、車両用タイヤ1のゴムと同材質の未加硫 ゴムシートによって、保持アーム31に設置 た環状コア11に仮止めする。
 そして、サプライ部41のリール33を、所定位 置で環状コア11を含む平面であるコア面を横 往復させ、環状コア11を、側線12の巻き付け 点となるクランプユニット40を支点にして、 り子運動させる。

 これにより、リール33から側線12の巻き付け 点までの距離をほぼ一定に保ち、巻き付けの 際に、リール33から引き出される側線12が緩 だりせず、一定の張力で側線12が環状コア11 螺旋状に巻き付けられる。
 そして、連続して所定回数巻き付けたら、 状コア11に仮止めしていた始端を外し、始 と終端とを接着剤によって連結固定する。

 このようにすると、環状コア11の周囲に、 線12が螺旋状に巻き付けられたシース層13を するビードコード2が得られる。
 なお、始端と終端とは、例えば、真鍮製ま は軽量素材製(プラスチック、フッ素樹脂等 )のスリーブによって連結固定しても良い。

 以上、説明したように、上記実施形態の 状同芯撚りビードコードによれば、環状コ 11に巻き付けてシース層13を構成する側線12 して、鋼線に比べて比重が非常に小さく、 つ強度が高くしかも伸びの小さいアラミド 維からなるものを用いることにより、ある 度の剛性を維持しつつ軽量化を図ることが きる。これにより、良好な製造性、取り扱 性を確保しつつ軽量化が図られた環状同芯 りビードコード2とすることができる。

 そして、この環状同芯撚りビードコード 使用した車両用タイヤによれば、良好な製 性、取り扱い性を確保しつつ軽量化が図ら た環状同芯撚りビードコードを用いるので 製造性に優れ、しかも軽量化されたタイヤ1 を実現することができる。

 また、側線12は、アラミド繊維からなる 線本体21に、予めゴムとの接着性を有する樹 脂によってディップ処理が施されている。こ れにより、ビードコード2をゴム製のタイヤ1 ビード部3の補強として用いる場合に、タイ ヤ1のゴムと良好に一体化させることができ 。

 また、側線12は、アラミド繊維からなる 線本体21の周囲に、複数のスチールワイヤ22 異なる方向にラッピングされている。これ より、剛性が低く、可撓性に優れたアラミ 繊維を、異なる方向にラッピングしたスチ ルワイヤ22によって不安定な断面形状を円 に近い形状に保持しつつ、適度な剛性及び 撓性を保有させることができ、取り扱い性 さらに高めることができる。

 また、環状コア11への側線12の巻き付けピ ッチをA、アラミド繊維の側線本体21にラッピ ングされたスチールワイヤ22の撚りピッチをB としたときに、0.12A≧Bとなる。これにより、 側線12の剛性不足による腰折れを防ぐことが き、環状コア11への側線12の巻き付けムラの 発生頻度を大幅に抑制することができる。

 また、スチールワイヤ22の直径が、0.13mm 上0.25mm以下である。これにより、摩擦によ 断線などを防ぎつつアラミド繊維からなる 線本体21に適度な剛性及び可撓性を保有させ ることができる。

 また、環状コア11は、0.08~0.27質量%の炭素(C) 0.30~2.00質量%のケイ素(Si)、0.50~2.00質量%のマ ガン(Mn)及び0.20~2.00質量%のクロム(Cr)を含み かつ、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、チタ (Ti)及びバナジウム(V)がそれぞれ0.001~0.10質量 %の範囲で少なくとも1種以上含有し、残部が (Fe)及び不可避的に混入してくる不純物から なる合金鋼からなる。これにより、合金製ワ イヤを環状に形成して環状コア11とする際の 端の溶接部における延性低下抑制効果を得 ことができる。
 なお、上記実施形態では、環状コア11の周 に、1層のシース層13を設けたが、シース層13 を複数層設けても良い。

 種々の条件で実際にビードコードを作製し そのときの側線の巻き付け性及び製品の軽 化率の評価を行った。
 ビードコードの構造を下記に示す。
撚り構造…環状コア×1本+側線×6本
環状コアピッチ円…436.6mm
側線の巻き付け回数…13回/周(巻き付けピッ 105mm)

 また、各例の各部材質を下記に示す。
(比較例1)
環状コア…鋼線(中炭素鋼:0.52質量%の炭素(C) 含有)
側線…鋼線(硬鋼線:0.82質量%の炭素(C)を含有)
(比較例2)
環状コア…アラミド繊維(繊度1670dtexのアラミ ド繊維を複数撚りし、エポキシ樹脂で固化し たもの)
側線…鋼線(硬鋼線:0.82質量%の炭素(C)を含有)
(実施例1~10)
環状コア…鋼線(中炭素鋼:0.52質量%の炭素(C) 含有)
側線…アラミド繊維(繊度1670dtexのアラミド繊 維を複数撚りし、ゴムとの接着用樹脂によっ てディップ処理を施したもの)
 なお、アラミド繊維は、商品名ケブラー(登 録商標)を使用した。

 表1にその結果を示す。

 なお、表1の評価項目は次の方法によって評 価を行った。
(1)巻き付け性
 環状コアへの側線の巻き付けの乱れを目視 評価した。試料数nは20本である。
◎:20本とも乱れがない。
○:乱れのないものが18本以上ある。
△:乱れのないものが10本以上且つ、18本未満 ある。
×:乱れのないものが10本未満である。
(2)軽量化率
 環状コア及び側線を鋼線とした比較例1を基 準とした。

 表1から解るように、環状コアをアラミド樹 脂、側線を鋼線とした比較例2は、環状コア び側線を鋼線とした比較例1に対して軽量化 図ることができるが、側線の巻き付け性が 常に悪かった。
 これに対して、環状コアを鋼線とし、側線 アラミド繊維とした実施例1~10では、環状コ ア及び側線を鋼線とした比較例1に対して大 に軽量化を図ることができ、また、側線の き付け性も確保できた。特に、側線12の巻き 付けピッチAに対して、スチールワイヤ22の撚 りピッチBが、0.12A≧Bを満たす実施例3~10では 側線の巻き付け性も十分に確保できた。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参 して説明したが、本発明の精神と範囲を逸 することなく様々な変更や修正を加えるこ ができることは当業者にとって明らかであ 。本出願は2007年10月26日出願の日本特許出 (特願2007-278897)、2008年3月17日出願の日本特許 出願(特願2008-067469)および2008年10月15日出願の 日本特許出願(特願2008-265935)に基づくもので り、それらの内容はここに参照として取り まれる。