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Patent Searching and Data


Title:
VIDEO SCALABLE ENCODING METHOD, VIDEO SCALABLE DECODING METHOD, DEVICES THEREFOR, PROGRAMS THEREFOR, AND RECORDING MEDIUM WHERE PROGRAM IS RECORDED
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054347
Kind Code:
A1
Abstract:
A video scalable encoding method in which a weight coefficient composed of a proportional coefficient and an offset coefficient and indicating a variation of the brightness between an image region to be encoded in an upper layer and an image region to be referenced is calculated, a motion vector is calculated by estimating a motion by operation of the weight coefficient and the image signal of the image region to be referenced which is a search object, motion compensation is carried out by operation of a decoded signal of the image region to be referenced and indicated by the motion vector and the weight coefficient, and thereby a prediction signal is generated. The data structure of the weight coefficient is determined on the basis of the encoding information on the immediately-below image region present in spatially the same position as that of the image region to be encoded in the immediately-below layer. When the immediately-below image region has performed frame-to-frame prediction in the immediately-below layer, the immediately-below layer image region to be referenced which is used as the reference of motion prediction performed by the immediately-below image region is identified. Assuming that the result of operation of the DC component of the image region in the upper layer present in spatially the same position as that of the immediately-below layer image region to be referenced and the weight coefficient used for weighted motion prediction by the immediately-below image region as the DC component of the immediately-below image region, the weight coefficient is calculated.

Inventors:
HAYASE KAZUYA (JP)
BANDOH YUKIHIRO (JP)
TAKAMURA SEISHI (JP)
KAMIKURA KAZUTO (JP)
YASHIMA YOSHIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068971
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON TELEGRAPH & TELEPHONE (JP)
HAYASE KAZUYA (JP)
BANDOH YUKIHIRO (JP)
TAKAMURA SEISHI (JP)
KAMIKURA KAZUTO (JP)
YASHIMA YOSHIYUKI (JP)
International Classes:
H04N7/32
Domestic Patent References:
WO2007018669A12007-02-15
WO2007018670A12007-02-15
Foreign References:
JP2007277224A2007-10-25
JPH1032824A1998-02-03
JP2007174161A2007-07-05
Other References:
HAYASE K. ET AL.: "Kukan Scalable Fugoka ni Okeru Layer-kan Sokan o Riyo shita Omomi Tsuki Yosoku Hoshiki", DAI 6 KAI FORUM ON INFORMATION TECHNOLOGY (FIT2007) KOEN RONBUNSHU, 22 August 2007 (2007-08-22), pages 253 - 256
"Advanced video coding for generic audiovisual services", ITU-T REC. H., vol. 264, May 2003 (2003-05-01), pages 129 - 132
T.WIEGAND; G.SULLIVAN; J.REICHEL; H.SCHWARZ; M.WIEN: "Joint Draft 8 of SVC Amendment", ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 AND ITU-T SG16 Q.6, JVT-U201, October 2006 (2006-10-01), pages 166 - 170
J.REICHEL; H.SCHWARZ; M.WIEN: "Joint Scalable Video Model JSVM-8", ISO/IEC JTCL/SC29/WGL1 AND ITU-T SG16 Q.6, JVT-U202, October 2006 (2006-10-01)
KAZUYA HAYASE; YUKIHIRO BANDOH; SEISHI TAKAMURA; KAZUTO KAMIKURA; YOSHIYUKI YASHIMA: "Weighted Prediction of Spatial Scalable Video Coding using Inter-Layer Correlation", FIT 2007, SIXTH FORUM ON INFORMATION SCIENCE AND TECHNOLOGY, September 2007 (2007-09-01), pages 253 - 256
See also references of EP 2202984A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 動画像スケーラブル符号化で用いられて、上位レイヤの符号化対象画像領域と被参照画像領域との間の明るさの変化を示す比例係数とオフセット係数からなる重み係数を算出して、その重み係数を探索対象となる被参照画像領域の画像信号に演算して動きの推定を行うことで動きベクトルを算出し、その動きベクトルの指す被参照画像領域の復号信号にその重み係数を演算して動き補償を行うことで予測信号を生成する動画像スケーラブル符号化方法であって、
 直下レイヤにおいて符号化対象画像領域と空間的同位置に存在する直下画像領域の符号化情報に基づいて、前記重み係数のデータ構造を決定するステップと、
 直下画像領域が直下レイヤにおいて画面間予測を行っていた場合に、直下画像領域が動き予測の予測参照先とした直下レイヤ被参照画像領域を同定し、その直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものを直下画像領域の直流成分とみなして、前記重み係数を算出するステップとを有することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化方法。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定するステップで、被参照画像領域が1つである場合に、比例係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との比を用いることを決定し、オフセット係数として、ゼロを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化方法。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定するステップで、被参照画像領域が1つである場合に、オフセット係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との差を用いることを決定し、比例係数として、1を用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化方法。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定するステップで、被参照画像領域が2つである場合に、比例係数として、符号化対象画像領域と各被参照画像領域との間のフレーム間距離に応じて算出されるものを用いることを決定し、オフセット係数として、2つの被参照画像領域の直流成分に対してその比例係数を乗算した値を、前記直下画像領域の直流成分から減算することで算出されるものを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化方法。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法において、
 前記重み係数を算出するステップでは、直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものに、さらに直下画像領域において発生した動き予測の予測残差信号の直流成分を加算したものを直下画像領域の直流成分とみなすことを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化方法。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法において、
 前記重み係数を算出するステップでは、直下画像領域がより細かい小領域単位で動き予測が行われていた場合には、その小領域ごとに前記直流成分とみなす直流成分を算出して、それらの算出した直流成分と各小領域の面積とに基づいて、前記直流成分とみなす直流成分を算出することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化方法。
 動画像スケーラブル復号で用いられて、上位レイヤの復号対象画像領域と復号した動きベクトルの指す被参照画像領域との間の明るさの変化を示す比例係数とオフセット係数からなる重み係数を算出して、復号した動きベクトルの指す被参照画像領域の復号信号にその重み係数を演算して動き補償を行うことで予測信号を生成する動画像スケーラブル復号方法であって、
 直下レイヤにおいて符号化対象画像領域と空間的同位置に存在する直下画像領域の符号化情報に基づいて、前記重み係数のデータ構造を決定するステップと、
 直下画像領域が直下レイヤにおいて画面間予測を行っていた場合に、直下画像領域が動き予測の予測参照先とした直下レイヤ被参照画像領域を同定し、その直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものを直下画像領域の直流成分とみなして、前記重み係数を算出するステップとを有することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号方法。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定するステップで、被参照画像領域が1つである場合に、比例係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との比を用いることを決定し、オフセット係数として、ゼロを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号方法。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定するステップで、被参照画像領域が1つである場合に、オフセット係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との差を用いることを決定し、比例係数として、1を用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号方法。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定するステップで、被参照画像領域が2つである場合に、比例係数として、符号化対象画像領域と各被参照画像領域との間のフレーム間距離に応じて算出されるものを用いることを決定し、オフセット係数として、2つの被参照画像領域の直流成分に対してその比例係数を乗算した値を、前記直下画像領域の直流成分から減算することで算出されるものを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号方法。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法において、
 前記重み係数を算出するステップでは、直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものに、さらに直下画像領域において発生した動き予測の予測残差信号の直流成分を加算したものを直下画像領域の直流成分とみなすことを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号方法。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法において、
 前記重み係数を算出するステップでは、直下画像領域がより細かい小領域単位で動き予測が行われていた場合には、その小領域ごとに前記直流成分とみなす直流成分を算出して、それらの算出した直流成分と各小領域の面積とに基づいて、前記直流成分とみなす直流成分を算出することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号方法。
 動画像スケーラブル符号化で用いられて、上位レイヤの符号化対象画像領域と被参照画像領域との間の明るさの変化を示す比例係数とオフセット係数からなる重み係数を算出して、その重み係数を探索対象となる被参照画像領域の画像信号に演算して動きの推定を行うことで動きベクトルを算出し、その動きベクトルの指す被参照画像領域の復号信号にその重み係数を演算して動き補償を行うことで予測信号を生成する動画像スケーラブル符号化装置であって、
 直下レイヤにおいて符号化対象画像領域と空間的同位置に存在する直下画像領域の符号化情報に基づいて、前記重み係数のデータ構造を決定する手段と、
 直下画像領域が直下レイヤにおいて画面間予測を行っていた場合に、直下画像領域が動き予測の予測参照先とした直下レイヤ被参照画像領域を同定し、その直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものを直下画像領域の直流成分とみなして、前記重み係数を算出する手段とを有することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化装置。
 請求項13に記載の動画像スケーラブル符号化装置において、
 前記重み係数のデータ構造を決定する手段は、被参照画像領域が1つである場合に、比例係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との比を用いることを決定し、オフセット係数として、ゼロを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化装置。
 請求項13に記載の動画像スケーラブル符号化装置において、
 前記重み係数のデータ構造を決定する手段は、被参照画像領域が1つである場合に、オフセット係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との差を用いることを決定し、比例係数として、1を用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化装置。
 請求項13に記載の動画像スケーラブル符号化方法において、
 前記重み係数のデータ構造を決定する手段は、被参照画像領域が2つである場合に、比例係数として、符号化対象画像領域と各被参照画像領域との間のフレーム間距離に応じて算出されるものを用いることを決定し、オフセット係数として、2つの被参照画像領域の直流成分に対してその比例係数を乗算した値を、前記直下画像領域の直流成分から減算することで算出されるものを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化装置。
 請求項13に記載の動画像スケーラブル符号化装置において、
 前記重み係数を算出する手段は、直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものに、さらに直下画像領域において発生した動き予測の予測残差信号の直流成分を加算したものを直下画像領域の直流成分とみなすことを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化装置。
 請求項13に記載の動画像スケーラブル符号化装置において、
 前記重み係数を算出する手段は、直下画像領域がより細かい小領域単位で動き予測が行われていた場合には、その小領域ごとに前記直流成分とみなす直流成分を算出して、それらの算出した直流成分と各小領域の面積とに基づいて、前記直流成分とみなす直流成分を算出することを、
 特徴とする動画像スケーラブル符号化装置。
 動画像スケーラブル復号で用いられて、上位レイヤの復号対象画像領域と復号した動きベクトルの指す被参照画像領域との間の明るさの変化を示す比例係数とオフセット係数からなる重み係数を算出して、復号した動きベクトルの指す被参照画像領域の復号信号にその重み係数を演算して動き補償を行うことで予測信号を生成する動画像スケーラブル復号装置であって、
 直下レイヤにおいて符号化対象画像領域と空間的同位置に存在する直下画像領域の符号化情報に基づいて、前記重み係数のデータ構造を決定する手段と、
 直下画像領域が直下レイヤにおいて画面間予測を行っていた場合に、直下画像領域が動き予測の予測参照先とした直下レイヤ被参照画像領域を同定し、その直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものを直下画像領域の直流成分とみなして、前記重み係数を算出する手段とを有することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号装置。
 請求項19に記載の動画像スケーラブル復号装置において、
 前記重み係数のデータ構造を決定する手段は、被参照画像領域が1つである場合に、比例係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との比を用いることを決定し、オフセット係数として、ゼロを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号装置。
 請求項19に記載の動画像スケーラブル復号装置において、
 前記重み係数のデータ構造を決定する手段は、被参照画像領域が1つである場合に、オフセット係数として、被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領域の直流成分との差を用いることを決定し、比例係数として、1を用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号装置。
 請求項19に記載の動画像スケーラブル復号装置において、
 前記重み係数のデータ構造を決定する手段は、被参照画像領域が2つである場合に、比例係数として、符号化対象画像領域と各被参照画像領域との間のフレーム間距離に応じて算出されるものを用いることを決定し、オフセット係数として、2つの被参照画像領域の直流成分に対してその比例係数を乗算した値を、前記直下画像領域の直流成分から減算することで算出されるものを用いることを決定することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号装置。
 請求項19に記載の動画像スケーラブル復号装置において、
 前記重み係数を算出する手段は、直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に対して、直下画像領域が重み付き動き予測の際に利用した重み係数を演算したものに、さらに直下画像領域において発生した動き予測の予測残差信号の直流成分を加算したものを直下画像領域の直流成分とみなすことを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号装置。
 請求項19に記載の動画像スケーラブル復号装置において、
 前記重み係数を算出する手段は、直下画像領域がより細かい小領域単位で動き予測が行われていた場合には、その小領域ごとに前記直流成分とみなす直流成分を算出して、それらの算出した直流成分と各小領域の面積とに基づいて、前記直流成分とみなす直流成分を算出することを、
 特徴とする動画像スケーラブル復号装置。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法をコンピュータに実行させるための動画像スケーラブル符号化プログラム。
 請求項1に記載の動画像スケーラブル符号化方法をコンピュータに実行させるための動画像スケーラブル符号化プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法をコンピュータに実行させるための動画像スケーラブル復号プログラム。
 請求項7に記載の動画像スケーラブル復号方法をコンピュータに実行させるための動画像スケーラブル復号プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Description:
動画像スケーラブル符号化方法 び復号方法、それらの装置、それらのプロ ラム並びにプログラムを記録した記録媒体

 本発明は、明るさが時間的に変化する動画 をスケーラブルに符号化する動画像スケー ブル符号化方法およびその装置と、その動 像スケーラブル符号化により符号化された 号化データを復号する動画像スケーラブル 号方法およびその装置と、その動画像スケ ラブル符号化方法の実現に用いられる動画 スケーラブル符号化プログラムおよびその ログラムを記録したコンピュータ読み取り 能な記録媒体と、その動画像スケーラブル 号方法の実現に用いられる動画像スケーラ ル復号プログラムおよびそのプログラムを 録したコンピュータ読み取り可能な記録媒 とに関する。
 本願は、2007年10月25日に出願された特願2007- 277224号に基づき優先権を主張し、その内容を ここに援用する。

 一般的な動画像符号化方式では、フレー 間の画素値差分最小化に基づいたブロック ッチングにより動き予測を行い、符号化性 の向上を図っている。しかしながら、フェ ドのような明るさが時間的に変化する画像 は、明るさ変化の分だけ動き予測の予測残 が拡大し、符号化性能が低下してしまう。

 そこで、非特許文献1に示すH.264/AVCでは、 動き予測の参照ピクチャに適応的に重み係数 を掛ける重み付き動き予測を行っている。こ の重み付き動き予測により、時間的な明るさ 変化を補正した予測参照信号を構成し、符号 化性能を向上させている。

 H.264/AVCでは、明るさの補正に用いる重み 数を符号化して伝送するExplicitモードと、 み係数を伝送せずにエンコーダとデコーダ 同じ重み係数を参照フレームの情報から間 的に生成するImplicitモードの2つの重み付き き予測の方法を備えている。表1に、Pスライ スおよびBスライスにおける重み付き動き予 の種類と予測方法を示す。

 この表1で、zは重み付き動き予測信号、r ,r は重み付き動き予測参照信号、w ,w ,d ,d は重み係数を指している。重み付き動き予測 のスイッチングと重み係数伝送モードの選択 は、スライス単位で実行される。

 図20は、H.264/AVCにおける重み付き動き予測(I mplicitモード)を説明する図である。Implicitモ ドは、Bスライスの双予測の場合にのみ用い れる。符号化対象フレームと2枚の被参照フ レームに渡る明るさ変化が線形であると仮定 し、比例係数w ,w を被参照フレームからの距離に応じて算出す る。オフセット係数dは0とする。

 なお、図20では参照フレームからの距離 応じた内分による比例係数算出の例を示し いるが、外分の場合も同様に行うことがで る。

 現在、非特許文献2に示すISOとITU-Tの合同 体であるJVTで取り組まれているH.264/AVCのス ーラブル拡張方式JSVCにおいても、前記に示 したH.264/AVCと同じ重み付き動き予測が取り入 れられている。また、非特許文献3に示すJSVC 参照エンコーダJSVMにおいても、表1に示し 重み付き動き予測を行っている。

 また、動画像の大局的な輝度変化を検出し 輝度補償を行う技術として、特許文献1に記 載された技術が知られている。この特許文献 1に記載の技術では、画面全体の大局的な輝 変化量と、小領域ごとに輝度変化の補償を るか否かの判定を示すフラグとを用いるこ で、明るさの変化が画面内で一様でない場 に対応している。
ITU-T: "Advanced video coding for generic audiov isual services", ITU-T Rec. H.264, pp. 129-132, May, 2003. T.Wiegand, G.Sullivan, J.Reichel, H.Schwarz and M .Wien: "Joint Draft 8 of SVC Amendment", ISO/IEC JTC 1/SC29/WG11 and ITU-T SG16 Q.6, JVT-U201, pp. 166-170 , October, 2006. J.Reichel, H.Schwarz and M.Wien: "Joint Scalable Video Model JSVM-8", ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 and ITU-T  SG16 Q.6, JVT-U202, October, 2006.

特開平10-32824号公報

 H.264/AVCの重み付き動き予測はスライス単 で実行される。したがって、スライス内の 部に明るさ変化が発生する場合や、スライ 内の明るさ変化が一様でない場合には、重 付き動き予測の予測性能は低下してしまう 移動物体の影などによって発生する明るさ 化などが、前記に該当する。JSVCもH.264/AVCの 重み付き動き予測を継承しているため、前述 と同じ問題に直面する。

 仮に、スライスより細かいマクロブロッ などの単位で重み係数を算出し、重み付き き予測を実行しようとすると、Explicitモー では重み係数に要する符号量が甚大となっ しまう。そのような場合には、Implicitモード で重み係数を算出することが望ましい。しか しながら、前述の通り、H.264/AVCの重み付き動 き予測のImplicitモードの実装は、双予測を行 Bスライスのみに限られている。

 また、この重み付き動き予測のImplicitモー で算出される重み係数は、符号化対象フレ ムと2枚の被参照フレームにわたる明るさ変 が線形であるという仮定に基づくものであ ため、それら3フレームにわたる明るさの時 間的変化が非線形の場合には、適切な重み係 数が算出されず、予測性能は低下してしまう 。非線形に明るさが変化するフェード画像や 、フラッシュを含む画像などが、前記に該当 する。
 JSVCにおける重み付き動き予測は、H.264/AVCの 重み付き動き予測がそのまま実装されている ので前述と同じ問題に直面する。

 また、前記特許文献1に記載されている技 術では、小領域ごとにフラグの情報を伝送す る必要があるので、符号化性能が低下すると いう問題、当該小領域の輝度変化量が大きく 、かつ、大局的な輝度変化量と乖離する場合 においても、当該小領域における輝度変化を 補償できないため、その点においても符号化 性能が低下するという問題があった。

 本発明はかかる事情に鑑みてなされたも であって、最も低い空間解像度を有する基 レイヤと、それより高い空間解像度を有す 一つ以上の拡張レイヤによって構成される 間スケーラブル符号化において、動き予測 被参照フレームの復号信号と符号化対象フ ームの直下レイヤの復号信号との間の時間 な明るさ変化の情報に基づいた重み付き動 予測の重み係数を生成し、重み係数の情報 伝送することなく符号化器および復号器で じ重み係数を用いた重み付き動き予測を行 スケーラブル符号化器および復号器の設計 法を確立することを目的とする。

 〔1〕本発明の動画像スケーラブル符号化装 置の構成
 前記の目的を達成するために、本発明の動 像スケーラブル符号化装置は、上位レイヤ 符号化対象画像領域と被参照画像領域との の明るさの変化を示す比例係数とオフセッ 係数からなる重み係数を算出して、その重 係数を探索対象となる被参照画像領域の画 信号に演算して動きの推定を行うことで動 ベクトルを算出し、その動きベクトルの指 被参照画像領域の復号信号にその重み係数 演算して動き補償を行うことで予測信号を 成するという構成を採るときにあって、(i) 下レイヤにおいて符号化対象画像領域と空 的同位置に存在する直下画像領域の符号化 報に基づいて、前記重み係数のデータ構造 決定する手段と、(ii)直下画像領域が直下レ イヤにおいて画面間予測を行っていた場合に 、直下画像領域が動き予測の予測参照先とし た直下レイヤ被参照画像領域を同定し、その 直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に 存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に 対して、直下画像領域が重み付き動き予測の 際に利用した重み係数を演算したものを直下 画像領域の直流成分とみなして、前記重み係 数を算出する算出手段とを備えるように構成 する。

 ここで、決定手段は、被参照画像領域が1 つである場合に、比例係数補正の重み係数算 出方法を用いる場合には、比例係数として、 被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領 域の直流成分との比を用いることを決定し、 オフセット係数として、ゼロを用いることを 決定することで、重み係数のデータ構造を決 定することがある。

 また、決定手段は、被参照画像領域が1つ である場合に、オフセット係数補正の重み係 数算出方法を用いる場合には、オフセット係 数として、被参照画像領域の直流成分と前記 直下画像領域の直流成分との差を用いること を決定し、比例係数として、1を用いること 決定することで、重み係数のデータ構造を 定することがある。

 また、決定手段は、被参照画像領域が2つ である場合には、比例係数として、符号化対 象画像領域と各被参照画像領域との間のフレ ーム間距離に応じて算出されるものを用いる ことを決定し、オフセット係数として、2つ 被参照画像領域の直流成分に対してその比 係数を乗算した値を、前記直下画像領域の 流成分から減算することで算出されるもの 用いることを決定することで、重み係数の ータ構造を決定することがある。

 この構成を採るときに、算出手段は、直 画像領域において発生した動き予測の予測 差信号についても考慮することで精度の向 を図る場合には、直下レイヤ被参照画像領 と空間的同位置に存在する上位レイヤの画 領域の直流成分に対して、直下画像領域が み付き動き予測の際に利用した重み係数を 算したものに、さらに直下画像領域におい 発生した動き予測の予測残差信号の直流成 を加算したものを直下画像領域の直流成分 みなすようにしても良い。

 また、この構成を採るときに、算出手段 、直下画像領域がより細かい小領域単位で き予測が行われていた場合には、その小領 ごとに直流成分とみなす直流成分を算出し 、それらの算出した直流成分と各小領域の 積とに基づいて、直流成分とみなす直流成 を算出するようにしても良い。

 以上の各処理手段が動作することで実現 れる本発明の動画像スケーラブル符号化方 はコンピュータプログラムでも実現できる のであり、このコンピュータプログラムは 適当なコンピュータ読み取り可能な記録媒 に記録して提供されたり、ネットワークを して提供され、本発明を実施する際にイン トールされてCPUなどの制御手段上で動作す ことにより本発明を実現することになる。

 〔2〕本発明の動画像スケーラブル復号装置 の構成
 前記の目的を達成するために、本発明の動 像スケーラブル復号装置は、上位レイヤの 号対象画像領域と復号した動きベクトルの す被参照画像領域との間の明るさの変化を す比例係数とオフセット係数からなる重み 数を算出して、復号した動きベクトルの指 被参照画像領域の復号信号にその重み係数 演算して動き補償を行うことで予測信号を 成するという構成を採るときにあって、(i) 下レイヤにおいて符号化対象画像領域と空 的同位置に存在する直下画像領域の符号化 報に基づいて、前記重み係数のデータ構造 決定する手段と、(ii)直下画像領域が直下レ イヤにおいて画面間予測を行っていた場合に 、直下画像領域が動き予測の予測参照先とし た直下レイヤ被参照画像領域を同定し、その 直下レイヤ被参照画像領域と空間的同位置に 存在する上位レイヤの画像領域の直流成分に 対して、直下画像領域が重み付き動き予測の 際に利用した重み係数を演算したものを直下 画像領域の直流成分とみなして、前記重み係 数を算出する算出手段とを備えるように構成 する。

 ここで、決定手段は、被参照画像領域が1 つである場合に、比例係数補正の重み係数算 出方法を用いる場合には、比例係数として、 被参照画像領域の直流成分と前記直下画像領 域の直流成分との比を用いることを決定し、 オフセット係数として、ゼロを用いることを 決定することで、重み係数のデータ構造を決 定することがある。

 また、決定手段は、被参照画像領域が1つ である場合に、オフセット係数補正の重み係 数算出方法を用いる場合には、オフセット係 数として、被参照画像領域の直流成分と前記 直下画像領域の直流成分との差を用いること を決定し、比例係数として、1を用いること 決定することで、重み係数のデータ構造を 定することがある。

 また、決定手段は、被参照画像領域が2つ である場合には、比例係数として、符号化対 象画像領域と各被参照画像領域との間のフレ ーム間距離に応じて算出されるものを用いる ことを決定し、オフセット係数として、2つ 被参照画像領域の直流成分に対してその比 係数を乗算した値を、前記直下画像領域の 流成分から減算することで算出されるもの 用いることを決定することで、重み係数の ータ構造を決定することがある。

 この構成を採るときに、算出手段は、直 画像領域において発生した動き予測の予測 差信号についても考慮することで精度の向 を図る場合には、直下レイヤ被参照画像領 と空間的同位置に存在する上位レイヤの画 領域の直流成分に対して、直下画像領域が み付き動き予測の際に利用した重み係数を 算したものに、さらに直下画像領域におい 発生した動き予測の予測残差信号の直流成 を加算したものを直下画像領域の直流成分 みなすようにしても良い。

 また、この構成を採るときに、算出手段 、直下画像領域がより細かい小領域単位で き予測が行われていた場合には、その小領 ごとに直流成分とみなす直流成分を算出し 、それらの算出した直流成分と各小領域の 積とに基づいて、直流成分とみなす直流成 を算出するようにしても良い。

 以上の各処理手段が動作することで実現 れる本発明の動画像スケーラブル復号方法 コンピュータプログラムでも実現できるも であり、このコンピュータプログラムは、 当なコンピュータ読み取り可能な記録媒体 記録して提供されたり、ネットワークを介 て提供され、本発明を実施する際にインス ールされてCPUなどの制御手段上で動作する とにより本発明を実現することになる。

 本発明によれば、移動物体の影などによ て画像内の一部の明るさが変化するような 合においても、復号処理に必要とするメモ と計算時間を節約しながら、重み係数を伝 しないImplicitモードによって精度の高い重 付き動き予測を実行することができるよう なる。

 そして、本発明によれば、従来Explicitモ ドしかとることができなかったPスライスお びBスライスのL0/L1予測といった片方向予測 場合においても、復号処理に必要とするメ リと計算時間を節約しながら、重み係数を 送しないImplicitモードによって精度の高い み付き動き予測を実行することができるよ になる。

 そして、本発明によれば、フラッシュを む画像や非線形変化のフェード画像のよう 符号化/復号処理対象フレームと複数の予測 参照フレームとの間の明るさ変化が非線形の 画像においても、復号処理に必要とするメモ リと計算時間を節約しながら、重み係数を伝 送しないImplicitモードで精度の高い重み付き き予測を実行することができるようになる

 以上のような重み付き動き予測の性能向 により、本発明によれば、符号化効率の向 が見込める。

フレーム間の明るさの変化を説明する 図である。 予測性能が劣化する例を示す図である 。 本発明の概念を説明する図である。 補正対象フレームおよび被補正フレー の説明図である。 特願2007-174161の発明における重み係数 算出方法の説明図である。 特願2007-174161の発明における重み係数 算出方法の説明図である。 同様に、特願2007-174161の発明における み係数の算出方法の説明図である。 同様に、特願2007-174161の発明における み係数の算出方法の説明図である。 本発明の概念を説明する図である。 同様に、本発明の概念を説明する図で る。 本発明の有効性を検証するために行っ 実験の実験結果の説明図である。 本発明による符号化処理の実施例のフ ーチャートである。 本発明による復号処理の実施例のフロ チャートである。 本発明による重み付き動き推定処理の 実施例のフローチャートである。 本発明による重み付き動き補償処理の 実施例のフローチャートである。 本発明による重み係数算出処理の実施 例のフローチャートである。 本発明による直下ブロック直流成分推 定処理の実施例のフローチャートである。 本発明による符号化装置の実施例の構 成図である。 本発明による復号装置の実施例の構成 図である。 本発明による重み付き動き推定部の実 施例の構成図である。 本発明による重み付き動き補償部の実 施例の構成図である。 本発明による重み係数算出部の実施例 の構成図である。 本発明による直下ブロック直流成分推 定部の実施例の構成図である。 H.264/AVCにおける重み付き動き予測の説 明図である。

符号の説明

 101 予測方法判定部
 102 画面内予測部
 103 重み無し動き予測部
 104 レイヤ間予測部
 105 重み付き動き推定部
 106 重み付き動き補償部
 107 予測残差信号生成部
 108 予測残差信号符号化部
 109 復号部
 110 当該拡張レイヤ復号信号記憶部
 111 直下レイヤ符号化情報記憶部
 201 予測モード復号部
 202 予測モード記憶部
 203 予測方法判定部
 204 画面内予測部
 205 重み無し動き予測部
 206 レイヤ間予測部
 207 動きベクトル情報復号部
 208 動きベクトル情報記憶部
 209 重み付き動き補償部
 210 直下レイヤ符号化情報記憶部
 211 残差信号復号部
 212 残差信号記憶部
 213 復号信号生成部
 214 当該拡張レイヤ復号信号記憶部

 まず、本発明の概要について説明する。
 ここでの説明では、説明の便宜上、画像領 に相当するものをブロックと記載し、画像 域の直流成分に相当するものを平均値と記 して説明する。

 Implicitモードは、重み付き動き予測で必 となる重み係数を間接的に算出することで 余分な符号化情報を伝送しない方式である したがって、算出される重み係数が明るさ 変化を十分に反映するものであるならば、 常に効果的な手法となるが、それらが乖離 ると予測性能が低下することになる。

 非線形のフェード画像やフラッシュ画像で 、フレーム間の明るさの変化が図1Aに示す うに非線形となる。
 このような場合に、予測参照信号に対して み係数のみによる線形予測を行うと、図1B 示すように予測性能が劣化する。

 そこで、双予測における重み付き動き予 では、オフセット係数dを設けているが、前 述したJSVCのImplicitモードでは、このオフセッ ト係数dがゼロにセットされるため、乖離量 そのまま予測残差として表れてしまう。

 一方、M×Nサイズの符号化対象ブロックの座 標(m,n)における原信号をs mn と表し、双予測における2つの被参照ブロッ の座標(m,n)における復号信号をy mn ,y mn  と表し、符号化対象ブロックに重み係数(w 0, w 1, d)を割り当てると、重み係数(w 0, w 1, d)により算出される重み付き予測信号と原信 の誤差eは、
    e mn =s mn -(w y mn +w y mn +d)
となるので、符号化対象ブロックにおける予 測誤差e mn の総エネルギーEは、
    E=σ σ (s mn -(w y mn +w y mn +d))
となる。

 w 0, w が図20と同じように与えられるとすると、こ 総エネルギーEを最小化するオフセット係数 dは、「∂E/∂d=0」を解くことで、
    d=<s>-w <y >-w <y >
           <s>  : 符号化対象ブロ クの原信号の平均値
           <y > : 被参照ブロックの復号信号の平均値
           <y > : 被参照ブロックの復号信号の平均値
と求まる。

 しかし、復号器では原信号を参照できない そこで、本発明では、レイヤ間の平均値の 存性に着目して、図1Cに示すように、原信 の平均値<s>の代わりに、直下レイヤに ける符号化対象ブロックと空間的同位置に 在するブロック(直下ブロック)の復号信号の 平均値<x>を用いて、オフセット係数dを
    d≒<x>-w <y >-w <y >
と求めるようにする。

 しかるに、直下レイヤにおける符号化対 ブロックと空間的同位置に存在する直下ブ ックの復号信号の平均値<x>を求めるに 、直下レイヤの復号信号をすべて復号する 要があり、大きな容量のメモリが必要にな とともに、長い計算時間が必要になる。

 そこで、本発明では、双予測における重み き動き予測において、
    d≒<x>-w <y >-w <y >
という算出式に従ってオフセット量を求める ときに、直下ブロックが動き予測の予測参照 先とした直下レイヤ被参照ブロックを同定し 、その直下レイヤ被参照ブロックと空間的同 位置に存在する上位レイヤのブロックの復号 信号の平均値に対して、直下ブロックが重み 付き動き予測の際に利用した重み係数を演算 したものを直下ブロックの復号信号の平均値 とみなすことで、<x>を求めるようにして いる。

 直下ブロックが動き予測の予測参照先と た直下レイヤ被参照ブロックについては、 下レイヤのすべての信号を復号しなくても きベクトルなどの一部の情報を復号するこ で特定可能であることから、本発明によれ 、「大きな容量のメモリが必要になるとと に、長い計算時間が必要になる」という問 も起こらない。

 また、重み係数w 0, w については、符号化対象ブロックと各被参照 ブロックとの間のフレーム間距離に応じて算 出されるものとなることで復号側でも求める ことができるものであり、さらに、オフセッ ト係数dについても、復号信号で算出できる うになることから復号側でも求めることが きることになり、これにより、本発明によ ば、重み係数を復号側に伝送する必要がな 。

 したがって、本発明によれば、双予測に ける重み付き動き予測において、Implicitモ ドを実現しつつ、フレーム間の明るさが非 形に変化するような場合にも、高精度の重 付き動き予測を、少ないメモリ容量で、か 、短時間に実行することができるようにな 。

 なお、この本発明の技術思想は、片方向 測における重み付き動き予測にも適用でき ものである。

 すなわち、片方向予測における重み付き動 予測では、
(i)比例係数として、被参照ブロックの復号信 号の平均値と符号化対象ブロックの原信号の 平均値との比を用いるとともに、オフセット 係数としてゼロを用いる、あるいは、
(ii)オフセット係数として、被参照ブロック 復号信号の平均値と符号化対象ブロックの 号信号の平均値との差を用いるとともに、 例係数として1を用いる
 ことになる。

 しかし、復号器では原信号を参照できな 。そこで、本発明では、レイヤ間の平均値 保存性に着目して、符号化対象ブロックの 信号の平均値の代わりに、直下ブロックの 号信号の平均値を用いて、上述の比や差を めるようにする。

 しかるに、直下ブロックの復号信号の平 値を求めるには、直下レイヤの復号信号を べて復号する必要があり、大きな容量のメ リが必要になるとともに、長い計算時間が 要になる。

 そこで、本発明では、片方向予測におけ 重み付き動き予測において、直下ブロック 動き予測の予測参照先とした直下レイヤ被 照ブロックを同定し、その直下レイヤ被参 ブロックと空間的同位置に存在する上位レ ヤのブロックの復号信号の平均値に対して 直下ブロックが重み付き動き予測の際に利 した重み係数を演算したものを直下ブロッ の復号信号の平均値とみなすことで、前述 比や差を求めるようにする。

 直下ブロックが動き予測の予測参照先と た直下レイヤ被参照ブロックについては、 下レイヤの復号信号をすべて復号しなくて 動きベクトルなどの一部の情報を復号する とで特定可能であることから、本発明によ ば、「大きな容量のメモリが必要になると もに、長い計算時間が必要になる」という 題も起こらない。

 また、重み係数については、復号信号で 出できるようになることから復号側でも求 ることができるようになり、これにより、 発明によれば、重み係数を復号側に伝送す 必要がない。

 したがって、本発明によれば、片方向予測 おける重み付き動き予測においても、Implici tモードを実現しつつ、フレーム間の明るさ 非線形に変化するような場合にも、高精度 重み付き動き予測を、少ないメモリ容量で かつ、短時間に実行することができるよう なる。
 以下、実施の形態に従って本発明を詳細に 明する。

 前述したように、H.264/AVCの重み付き動き 測はスライス単位で実行される。したがっ 、スライス内の一部に明るさ変化が発生す 場合や、スライス内の明るさ変化が一様で い場合には、重み付き動き予測の予測性能 低下してしまう。移動物体の影などによっ 発生する明るさ変化などが、前記に該当す 。JSVCもH.264/AVCの重み付き動き予測を継承し ているため、前述と同じ問題に直面する。

 仮に、スライスより細かいマクロブロッ などの単位で重み係数を算出し、重み付き き予測を実行しようとすると、Explicitモー では重み係数に要する符号量が甚大となっ しまう。そのような場合には、Implicitモード で重み係数を算出することが望ましい。しか しながら、前述の通り、H.264/AVCの重み付き動 き予測のImplicitモードの実装は、双予測を行 Bスライスのみに限られている。

 また、この重み付き動き予測のImplicitモ ドで算出される重み係数は、符号化対象フ ームと2枚の被参照フレームにわたる明るさ 化が線形であるという仮定に基づくもので るため、それら3フレームにわたる明るさの 時間的変化が非線形の場合には、適切な重み 係数が算出されず、予測性能は低下してしま う。非線形に明るさが変化するフェード画像 や、フラッシュを含む画像などが、前記に該 当する。JSVCにおける重み付き動き予測は、H. 264/AVCの重み付き動き予測がそのまま実装さ ているので前述と同じ問題に直面する。

 このような事情に鑑みて、本発明者は、 に出願した特願2007-174161(平成19年7月2日出願 )で、これらの問題を解決できるようにする たな発明を出願した。

 この特願2007-174161 で出願した発明では、 符号化対象フレームの直下レイヤの復号信号 を利用して重み係数を算出する。

 次に、特願2007-174161 で出願した発明で導 出した重み係数の算出方法について説明する 。

 特願2007-174161 で出願した発明では、以下の 手順により、スケーラブル符号化の重み付き 動き推定および重み付き動き補償に用いる重 み係数を算出する。
 従来のImplicitモードでは、一つのレイヤ内 閉じて、時間的な明るさの変化を被参照フ ームからの距離に応じた内挿または外挿に って推定し、重み係数を算出している。
 本発明(特願2007-174161)では、その時間的な明 るさの変化の推定に、符号化/復号対象のレ ヤの直下レイヤの復号信号の情報を用いる とにより、その推定精度を向上させる。

 手順の説明にあたり、説明に使用する記号 整理する。
 当該拡張レイヤの符号化/復号処理対象フレ ーム(以降、補正対象フレーム)をf、Pスライ またはBスライスにおけるL0予測の重み付き き推定/補償被参照フレーム(以降、被補正フ レーム)をf 、BスライスにおけるL1予測の被補正フレーム をf とおく。また、補正対象フレームfと同時刻 直下レイヤのフレームをgとおく。

 また、フレームfにおける符号化/復号処理 象ブロック(以降、補正対象ブロック)の座標 (i,j)に代入される予測信号値をz(i,j)、また、 レームf における重み付き動き推定/補償被参照ブロ ク(以降、被補正ブロック)の座標(i,j)におけ 復号信号値をy (i,j)とおく。また、フレームgにおけるフレー ムfの補正対象ブロックと空間的同位置に位 するブロックの座標(i,j)における復号信号値 をx(i,j)とおく。

 以上を図2に図示する。図2は、当該拡張 イヤと直下レイヤの解像度比が、縦横とも 2:1の場合の図である。なお、解像度比が2:1 外の場合にも、同様の処理が可能である。

 また、フレームf における被補正ブロックの直流成分値をY 、また、フレームgにおけるフレームfの補正 象ブロックと空間的同位置に位置するブロ クの直流成分値をXとする。これらは、図2 場合、次のように算出される。

 《PスライスおよびL0/L1予測Bスライスにおけ る重み係数の算出方法》
 PスライスおよびL0/L1予測を行うBスライスの ような単一フレームの予測の場合、予測信号 値z(i,j)は以下のようにして算出される。

  ・PスライスまたはL0予測Bスライスの場合
    z(i,j)=w ・y (i,j)+d
  ・L1予測Bスライスの場合
    z(i,j)=w ・y (i,j)+d  ・・・・ (3)式
 本発明(特願2007-174161)では、この重み係数w とd 、またはw とd の算出方法を2つ列挙する。
 以降に記す算出方法の説明は、Pスライスま たはL0予測Bスライスの場合を例にとっている 。L1予測Bスライスの場合には、フレームf およびg に関わる要素をフレームf およびg に関わる要素に変更すればよい。

 2つの算出方法は、以下の仮定に基づいてい る。フレームfとフレームgは同時刻の情報で るため、信号の明るさは近いと予想される そこで、既知のフレームgの明るさ情報を利 用し、被補正フレームf から補正対象フレームfの明るさ変化を間接 に予測する。

 〔方法1-1〕単一フレーム予測における直流 分を用いた比例係数補正
 本方法では、以下のように重み係数を算出 る。

   w =X/Y  ・・・・ (4)式
   d =0    ・・・・ (5)式
 〔方法1-2〕単一フレーム予測における直流 分を用いたオフセット係数補正
 本方法では、以下のように重み係数を算出 る。

   w =1    ・・・・ (6)式
   d =X-Y  ・・・・ (7)式
 《双予測Bスライスにおける重み係数の算出 方法》
 双予測を行うBスライスでは、予測信号値z(i ,j)は、以下のようにして算出される。

z(i,j)=w ・y (i,j)+w ・y (i,j)+d ・・(8)式
 本発明(特願2007-174161)では、この重み係数w 、w 、dを以下のように算出する。
 なお、この算出方法は、以下の仮定に基づ ている。フレームfとフレームgは同時刻の 報であるため、信号の明るさは近いと予想 れる。そこで、既知のフレームgの明るさ情 を利用し、被補正フレームf およびf から補正対象フレームfの明るさ変化を間接 に予測する。

 〔方法2-1〕双予測における直流成分ブロッ を用いた重み係数補正
 本方法では、以下のように重み係数を算出 る。

   w =1-w          ・・・・  (9)式
   w =t /t                ・・・・ (10)式
   d=X-w ・Y -w ・Y  ・・・・ (11)式
 ここで、t は、被補正フレームf から補正対象フレームまでのフレーム間距離 、t は、被補正フレームf から被補正フレームf までのフレーム間距離を示している。

 以上に説明した特願2007-174161 で出願した 発明で導出した重み係数の算出方法について まとめると、以下のようになる。

 図3に示すように、当該レイヤlにおける時 tのフレームの当該ブロックをBとし、その被 参照ブロックをそれぞれB 、B とする。B 、B はそれぞれ当該レイヤlにおける時刻t-T のフレーム、および当該レイヤlにおける時 t+T のフレームに属する。
 ここで、片方向予測の場合の被参照フレー は時刻t-T のフレームのみとする。
 また、直下レイヤl-1における当該ブロックB と空間的同位置にある時刻tのフレームのブ ックをB とする。以降、このB を直下ブロックと呼ぶ。

 ここで、被参照ブロックB 内の復号信号の直流成分をR(l,t-T ,B )、被参照ブロックB 内の復号信号の直流成分をR(l,t+T ,B )、直下ブロックB 内の復号信号の直流成分R(l-1,t,B )とする。
 各ブロックの直流成分は、ブロック内の画 集合に対して2次元FFTや2次元DCTなどを適用 生成する。

 このとき、特願2007-174161 で出願した発明で は、重み係数(w ,d )、もしくは(w ,w ,d)を以下のように定めている。

 (片方向予測の場合)
  *比例係数補正:前述の(4)(5)式による補正方 法
   w =R(l-1,t,B )/R(l,t-T ,B )
   d =0                     ・・・(12)式
または、
  *オフセット係数補正:前述の(6)(7)式による 補正方法
  w =1
  d =R(l-1,t,B )-R(l,t-T ,B )・・・(13)式
 (双予測の場合)
  *前述の(9)式~(11)式による補正方法
   w =1-w
   w =T /(T +T )
   d=R(l-1,t,B )-w ・R(l,t-T ,B )
             -w ・R(l,t+T ,B ) ・・(14)式
 これにより、重み係数の情報を伝送しないI mplicitモードの重み付き動き予測が片方向予 で実現される。片方向予測における重み係 算出の方法には、(12)式に挙げた比例係数補 方法と、(13)式に挙げたオフセット係数補正 方法の2種類がある。
 さらに、H.264/AVCの双予測のImplicitモードの 測性能も、(14)式のようにして改善される。

 なお、本発明者は、この(14)式に係る発明 については、「早瀬和也,坂東幸浩,高村誠之, 上倉一人,八島由幸:“空間スケーラブル符号 におけるレイヤ間相関を利用した重み付き 測方式, ”FIT2007、第6回情報科学技術フォ ラム, pp. 253-256, Sep. 2007.」で発表した。

 (12)式に従って重み係数(w ,d )を求める片方向予測の比例係数補正につい 簡単に説明するならば、図4Aに示すように、 重み係数w が、レイヤlの時刻t-T における復号信号の直流成分αとレイヤlの時 刻tにおける原信号の直流成分βとの比で求め られるものを、この内のレイヤlの時刻tにお る原信号の直流成分βを、レイヤl-1の時刻t おける復号信号の直流成分β’で置き換え ものにするということを意味している。
 ここで、この重み係数w については復号信号により算出することがで きることから、復号側に伝送する必要がない という特徴がある。

 また、(13)式に従って重み係数(w ,d )を求める片方向予測のオフセット係数補正 ついて簡単に説明するならば、図4Bに示すよ うに、オフセット係数d が、レイヤlの時刻tにおける原信号の直流成 βとレイヤlの時刻t-T における復号信号の直流成分αとの差分で求 られるものを、この内のレイヤlの時刻tに ける原信号の直流成分βを、レイヤl-1の時刻 tにおける復号信号の直流成分β’で置き換え たものにするということを意味している。
 ここで、このオフセット係数d については復号信号により算出することがで きることから、復号側に伝送する必要がない という特徴がある。

 また、(14)式に従って重み係数(w ,d )を求める双予測のオフセット係数補正につ て簡単に説明するならば、図4Cに示すように 、レイヤlの時刻t-T における復号信号の直流成分をα、レイヤlの 時刻tにおける原信号の直流成分をβ、レイヤ lの時刻t+T における復号信号の直流成分をγと表すなら 、オフセット係数dが、“d=β-w ・α-w ・γ”で求められるものを、この内のレイヤl の時刻tにおける原信号の直流成分βを、レイ ヤl-1の時刻tにおける復号信号の直流成分β’ で置き換えたものにするということを意味し ている。
 ここで、このオフセット係数dについては復 号信号により算出することができることから 、復号側に伝送する必要がないという特徴が ある。

 一方、JSVCのようなマルチレイヤを成す符 号化処理の復号の種類には、下位レイヤにお いて逆動き補償を必要とするmulti-loop decoding と、下位レイヤにおいて逆動き補償を必要 しないsingle-loop decodingがある。一般的に、 号処理は簡便である必要がある。したがっ 、高負荷の逆動き補償は極力避けられるべ 処理であり、single-loop decodingが求められる

 ここで、本明細書で言う逆動き補償とは 動きベクトルの指すブロックの復号信号を 定するまでの処理を言う。

 しかるに、特願2007-174161 で出願した発明で は、(2)式に示したように、直下レイヤの復号 信号をすべて作成した上で、直下ブロックB 内の復号信号の直流成分R(l-1,t,B )を算出する。したがって、復号処理はmulti-lo op decoding となってしまい、改善の余地が残 れている。

 本発明は、このような事情に鑑みて、基 レイヤと一つ以上の拡張レイヤによって構 される空間スケーラブル符号化において、 号化対象フレームの直下レイヤの復号信号 直流成分を、動き予測の被参照フレームの 号信号と直下レイヤにおける動き補償に関 る符号化情報のみから推定し、算出された 号化対象フレームの直下レイヤの復号信号 直流成分と動き予測の被参照フレームの復 信号の直流成分との間の関係性より重み付 動き予測の重み係数を生成することで、重 係数の情報を伝送することなく符号化器お び復号器で同じ重み係数を用いた重み付き き予測を行う新たなスケーラブル符号化器 よび復号器の設計方法の確立を目的とする

 本発明における重み付き動き予測の手順 以下に記す。

 重み付き動き予測は、重み付き動き推定と み付き動き補償の2つのステップにより構成 される。
 重み付き動き推定とは、処理対象フレーム 動き予測参照フレームとの間の明るさ変化 補正しながら両フレーム間の動きを探索し 探索により検出された動き情報を動きベク ルとして出力する処理を指す。
 重み付き動き補償とは、動きベクトル情報 読み込み、その動きベクトルの指す先の信 値に対して明るさ変化の補正を行い、補正 れた信号値を処理対象フレームにおける予 信号として出力する処理を指す。

 符号化処理では、重み付き動き推定により きベクトルを検出し、その動きベクトルを み込み、重み付き動き補償を実行する。
 一方、復号処理では、符号化情報を復号し 動きベクトルを読み込み、重み付き動き補 を実行する。

 重み係数の算出は、任意の画像領域単位で うことができる。例としては、フレーム単 、スライス単位、マクロブロック単位、マ ロブロックをさらに細かく分割した小ブロ ク単位、などが挙げられる。
 本発明では当該レイヤについては重み係数 伝送が不要なため、重み付き動き予測に要 るオーバヘッドは、どの画像領域単位であ ても変わらない。したがって、小さい画像 域単位で重み係数の算出を行うほど、重み き動き予測の予測性能は向上する。

 ここでは、マクロブロック単位で重み係数 算出を行う場合を例に挙げて説明を進める マクロブロック単位以外であっても、同様 処理により重み付き動き予測が可能である
 また、対象となる信号にも依らず、輝度信 であっても色差信号であっても同様に処理 ることが可能である。

 〔重み付き動き推定〕
 重み付き動き推定では、符号化対象フレー のマクロブロックごとに、推定被参照フレ ム内で整合するマクロブロックを探索する
 この探索の際、探索対象マクロブロックが 更されるたびに、両フレームの当該ブロッ 間の明るさ変化を示す重み係数を算出し、 の重み係数で探索対象マクロブロックの復 信号を補正したものを整合判定のための比 信号として活用する。
 そして、整合すると判定されたマクロブロ クが、動きベクトルの参照先となり、動き 償における被参照マクロブロックとなる。
 整合の判定手段の一例としては、非特許文 1にあげた符号量と符号化歪み間のラグラン ジュコスト最小化による判定手段が挙げられ る。

 〔重み付き動き補償〕
 重み付き動き補償では、まず、符号化/復号 対象マクロブロックごとに、そのマクロブロ ックが有する動きベクトル情報を読み込む。
 次に、その動きベクトルの指す先の被参照 クロブロックと符号化/復号対象マクロブロ ックとの間の明るさ変化を示す重み係数を算 出する。
 そして、その重み係数で被参照マクロブロ クの復号信号を補正したものを、符号化/復 号対象マクロブロックにおける予測信号とし て活用する。

 〔重み係数の算出処理〕
 典型的には、以下の手順により、スケーラ ル符号化の重み付き動き推定および重み付 動き補償に用いる重み係数を算出する。

 重み係数の算出式は、特願2007-174161 で出願 した発明と同じく、当該ブロックが片方向予 測の場合は前述した(12)式または式(13)式によ て算出し、双予測の場合は前述した(14)式に よって算出する。
 ただし、各式に含まれる直下ブロックの復 信号直流成分R(l-1,t,B )の求め方が本発明と特願2007-174161 で出願し 発明との間で異なる。

 すなわち、特願2007-174161 で出願した発明で は、直下レイヤをすべて復号し直交変換によ り直流成分を得ていたのに対し、本発明では 、直下レイヤの復号を部分復号(画像信号を 号するまでの復号ではなくて、一部の符号 情報を復号するレベルの復号)にとどめ、そ 部分復号情報と当該レイヤの参照フレーム 復号信号とから間接的に推定することによ て得る。
 部分復号にとどめることで逆動き補償を行 必要がなくなり、復号時間を削減できる。

 具体的な手順の説明にあたり、説明に使用 る記号を整理する。
 図5に示すように、当該レイヤlにおける時 tのフレームの当該ブロックをBとする。また 、直下レイヤl-1における当該ブロックBの直 ブロックをB とする。
 また、直下ブロックB の動き予測の被参照ブロックを、それぞれB b0 、B b1 とする。B b0 、B b1 は、それぞれ当該レイヤlにおける時刻t-T のフレーム、および当該レイヤlにおける時 t+T のフレームに属すると仮定する。

 直下レイヤl-1の被参照ブロックB b0 、B b1 の位置は、直下ブロックB が持つ参照フレームインデクスと動きベクト ルの符号化情報を復号することで得られる。
 また、その直下レイヤl-1の被参照ブロックB b0 、B b1 と空間的同位置にある当該レイヤlにおける ロックを、それぞれB c0 、B c1 とする。以降、これらB c0 、B c1 を直上ブロックと呼ぶ。

 ここで、ブロックB 、B b0 、B b1 、B c0 、B c1 内の復号信号の直流成分を、それぞれR(l-1,t,B )、R(l-1,t-T ,B b0 )、R(l-1,t+T ,B b1 )、R(l,t-T ,B c0 )、R(l,t+T 、B c1 )とする。
 また、直下ブロックB に含まれる予測残差信号の直流成分をE(l-1,t,B )とする。予測残差信号の直流成分E(l-1,t,B )は、直下ブロックB が持つ予測残差信号の直流成分の符号化情報 を復号することで得られる。
 また、直下レイヤにおいて重み付き動き予 が行われている場合、直下ブロックB と被参照ブロックB b0 の間の重み係数を(w 0 ',d 0 ')、直下ブロックB と被参照ブロックB b1 の間の重み係数を(w 1 ',d 1 ')とする。
 これらの重み係数(w 0 ',d 0 ')、(w 1 ',d 1 ')は、直下ブロックB が持つ重み係数の符号化情報を復号すること で得られる。

 なお、本発明では、当該レイヤlについては 重み係数を符号化する必要はないが、その直 下レイヤl-1で重み係数を符号化する必要がな いかどうかは、さらに、その下にレイヤがあ るのか否かに依存する。
 ここでは、説明の便宜上、重み係数(w 0 ',d 0 ')、(w 1 ',d 1 ')は、直下ブロックB が持つ重み係数の符号化情報を復号すること で得られるものとする。

 次に、直下ブロックB a の予測方式について、画面内予測の場合、画 面間予測であり片方向予測の場合、画面間予 測であり双予測の場合、画面間予測でありブ ロック内に片方向予測領域と双予測領域が混 在する場合の4つに分けて、直下ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )の求め方の違いを説明する。

 (1)直下ブロックB が画面内予測の場合
 直下ブロックB が画面内予測であり、かつその予測がConstrain ed Intra Predictionによるものである場合、直下 ブロックB 内の復号信号は逆動き補償を行うことなくす べて再構成できる。
 ここで、Constrained Intra Predictionとは、非特 文献1に挙げたH.264および非特許文献2に挙げ たJSVCで用いられる、隣接ブロックに画面内 測モードが存在しないときは当該ブロック 画面内予測モードをとることができないと う制約が加えられた画面内予測方式の1種で る。
 この方式をとれば、画面内予測モードをと たブロックは当該フレーム内に閉じてブロ ク内の復号信号を再構成できるため、逆動 補償が必要なくなる。

 したがって、直下ブロックB が画面内予測であり、かつその予測がConstrain ed Intra Predictionの場合は、単純に直下ブロッ クB 内の復号信号をすべて再構成し、その各信号 値をもとに直流成分を算出すればよい。もし 、Constrained Intra Predictionでない画面内予測の 場合は、本発明は実施されない。

 (2)直下ブロックB が画面間予測であり、かつ片方向予測の場合
 直下ブロックB が片方向予測の場合、直下ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )を次のように推定することができる。

  R(l-1,t,B )≒w 0 '・R(l-1,t-T ,B b0 )
             +d 0 '+E(l-1,t,B ) ・・(15)式
 しかし、R(l-1,t-T ,B b0 )の情報は、直下レイヤの復号信号をすべて 構成せずには得ることができない。

 そこで、
R(l-1,t-T ,B b0 )≒R(l,t-T ,B c0 ) ・・・・(16)式
 と仮定して、当該レイヤ内のブロックB b0 の直上ブロックB c0 の復号信号直流成分R(l,t-T ,B c0 )で代用する。
 当該レイヤおよび直下レイヤの復号信号直 成分に含まれる量子化歪みが大きくなけれ 、この(16)式の仮定は一般的に成立する。

 ブロックB c0 の復号信号は、レイヤlのフレームt-T が当該フレームtの被参照フレームであれば 動き予測のためにバッファに保持されてい 。
 したがって、(16)式により推定された値を、 直下ブロックB の復号信号直流成分の算出に用いることで、 直下レイヤにおいて逆動き補償を行うことな く重み係数を算出できる。

 これから、本発明では、次式のようにしてR (l-1,t,B )を推定する。

  R(l-1,t,B )≒w 0 '・R(l,t-T ,B c0 )
             +d 0 '+E(l-1,t,B ) ・・(17)式
 ここで、直下ブロックB 内が複数の小ブロックで構成され、複数の動 きベクトルを含んでいる場合がありうる。例 えば、当該ブロックBが16×16サイズである場 は、直下ブロックB は8×8サイズになる。JSVCでは、とりうるブロ クサイズとして、4×4、4×8、8×4、8×8、8×16 16×8、16×16の7種類が用意されている。
 これから、直下ブロックB が8×8サイズの場合、最大4個の小ブロックを む。

 小ブロックを複数含む場合は、その各小ブ ックの面積に応じて各小ブロック内の復号 号直流成分値を重み付けし、その総和を直 ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )とする。

 複数の小ブロックで構成される場合の具体 な算出手順の一例を以下に記す。
 図6に示すように、当該ブロックBが16×16サ ズであり、直下ブロックB に、4×4サイズの小ブロックが2つ、4×8サイズ の小ブロックが1つ含まれると仮定する。こ で、各小ブロックを、B 、B (それぞれ4×4サイズ)、B (4×8サイズ)とおく。
 また、小ブロックB 、B 、B の動き予測の被参照ブロックをそれぞれB b0 、B b0 、B b0 とし、その各被参照ブロックと空間的同位置 にある当該レイヤにおける直上ブロックをB c0 、B c0 、B c0 とする。
 また、小ブロックB 、B 、B に割り当てられる重み係数をそれぞれ、(w 0 0 ' ,d 0 0 ' )、(w 0 1 ' ,d 0 1 ' )、(w 0 2 ' ,d 0 2 ' )とする。

  このとき、ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )は、以下のように算出する。

  R(l-1,t,B )=(1/4)・〔w 0 0 ' ・R(l,t-T ,B c0 )
                   +d 0 0 ' +E(l-1,t,B )〕
            +(1/4)・〔w 0 1 ' ・R(l,t-T ,B c0 )
                   +d 0 1 ' +E(l-1,t,B )〕
            +(1/2)・〔w 0 2 ' ・R(l,t-T ,B c0 )
                   +d 0 2 ' +E(l-1,t,B )〕
                           ・・ ・・(18)式
 (3)直下ブロックB が画面間予測であり、かつ双予測の場合
 直下ブロックB が双予測の場合、直下ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )は次のように推定することができる。

  R(l-1,t,B )≒w 0 '・R(l-1,t-T ,B b0 )
             +w 1 '・R(l-1,t+T ,B b1 )
          +(1/2)・(d 0 '+d 1 ')+E(l-1,t,B )
                           ・・ ・・(19)式
 しかし、片方向予測の場合と同様に、R(l-1,t -T ,B b0 )およびR(l-1,t+T ,B b1 )の情報は、直下レイヤの復号信号すべてを 号せずには得ることができない。

 そこで、
R(l-1,t-T ,B b0 )≒R(l,t-T ,B c0 )           
R(l-1,t+T ,B b1 )≒R(l,t+T ,B c1 ) ・・・・(20)式
 と仮定して、当該レイヤ内のブロックB b0 、B b1 の直上ブロックB c0 、B c1 の復号信号直流成分R(l,t-T ,B c0 )およびR(l,t+T ,B c1 )で代用する。
 当該レイヤおよび直下レイヤの復号信号直 成分に含まれる量子化歪みが大きくなけれ 、この(20)式の仮定は一般的に成立する。

 これから、本発明では、次式のようにしてR (l-1,t,B )を推定する。

  R(l-1,t,B )≒w 0 '・R(l,t-T ,B c0 )
             +w 1 '・R(l,t+T ,B c1 )
          +(1/2)・(d 0 '+d 1 ')+E(l-1,t,B )
                           ・・ ・・(21)式
 ここで、片方向予測の場合と同様に、ブロ クB 内が複数の小ブロックで構成され、複数の動 きベクトルを含んでいる場合がありうる。
 このときは、片方向予測の場合と同様に、 小ブロックの面積に応じて各小ブロック内 直流成分値を重み付けし、その総和を直下 ロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )とする。

 例えば、当該ブロックBが16×16サイズであり 、直下ブロックB に、4×4サイズの小ブロックが2つ、4×8サイズ の小ブロックが1つ含まれると仮定する。こ で、各小ブロックを、B 、B 、B とおく。
 また、小ブロックB 、B 、B の双予測の被参照ブロックをそれぞれB b0 、B b0 、B b0 、B b1 、B b1 、B b1 とし、その各被参照ブロックと空間的同位置 にある当該レイヤにおける直上ブロックをB c0 、B c0 、B c0 、B c1 、B c1 、B c1 とする。
 また、小ブロックB 、B 、B に割り当てられる重み係数をそれぞれ、(w 0 0 ' ,d 0 0 ' )、(w 1 0 ' ,d 1 0 ' )、(w 0 1 ' ,d 0 1 ' )、(w 1 1 ' ,d 1 1 ' )、(w 0 2 ' ,d 0 2 ' )、(w 1 2 ' ,d 1 2 ' )とする。

 このとき、ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )は、以下のように算出する。

 (4)直下ブロックB に片方向予測と双予測が混在する場合
 ブロックB 内の複数の小ブロック(例:4×4)は、それぞれ 立に片方向予測か双予測をとることが可能 ある。このときは、(2)および(3)と同様の手 で、各小ブロックの面積に応じて直流成分 を重み付けし、その総和をブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )とする。

 以下、(2)および(3)と同様、当該ブロックBが 16×16サイズであり、直下ブロックB に、4×4サイズの小ブロックが2つ(B 、B )、4×8サイズの小ブロックが1つ(B )含まれると仮定する。
 ここで、B およびB は片方向予測、B は双予測とする。そして、小ブロックB 、B の片方向予測の被参照ブロックをそれぞれB b0 、B b0 とし、小ブロックB の双予測の被参照ブロックをそれぞれB b0 、B b1 とする。
 その各被参照ブロックと空間的同位置にあ 当該レイヤにおける直上ブロックをB c0 、B c0 、B c0 、B c1 とする。
 また、小ブロックB 、B 、B に割り当てられる重み係数をそれぞれ、(w 0 0 ' ,d 0 0 ' )、(w 0 1 ' ,d 0 1 ' )、(w 1 1 ' ,d 1 1 ' )、(w 0 2 ' ,d 0 2 ' )とする。

 このとき、ブロックB の復号信号直流成分R(l-1,t,B )は、以下のように算出する。

 上述のように、本発明は、直下ブロックB が画面内予測であり、かつその予測がConstrain ed Intra Predictionを利用していない場合には実 施されない。また、予測参照ブロックB b0 、B b1 の直上ブロックB c0 、B c1 の復号信号が動き予測のためのバッファに格 納されていない場合にも、実施されない。
 本発明が実施されない場合は、その他の予 方式を用いて符号化を行う。例えば、JSVCの 重み付き動き予測、重みなしの通常の動き予 測、画面内予測、がこれにあたる。

 また、直下レイヤが画面間予測を行ってい 場合において、直下レイヤにおける重み付 動き予測が非常に高性能であれば、直下ブ ックB の予測残差信号の直流成分E(l-1,t,B )は、ほぼゼロになる。

 このような場合には、この予測残差信号 直流成分を考慮する必要はない。考慮しな れば、予測残差信号の直流成分の復号は省 できるため、さらに復号に使用するメモリ よび計算量を節約できる。したがって、メ リと計算量の削減を重視する場合には、予 残差信号の直流成分の加算は行わなくても い。

 次に、JSVCの参照エンコーダJSVM8.0に本発 を実装し、片方向予測における本発明によ 比例係数補正を行うWP(Weighted Prediction)とオ セット係数補正を行うWPの符号化性能を検証 した実験について説明する。

 この実験では、基本レイヤはJSVMのWPを用い 符号化し、拡張レイヤに本発明のWPを適用 ることで行った。性能検証は、拡張レイヤ JSVMのWPを適用した場合と、本発明のWPを適用 した場合のレート歪み特性によって評価した 。
 JSVC標準画像のCity,Soccer,Foremanの3映像を用い 各映像の先頭33フレームに白の線形フェー を混合した。
 フェードの種類はフェードイン/アウトの2 類を実験対象とし、このフェード混合部分 33フレームを符号化対象フレームとした。
 基本レイヤに30fps のQCIF(176×144画素の画像 イズ)画像、拡張レイヤに30fps のCIF(352×288画 素の画像サイズ)画像を入力し、ピクチャタ プはIPPP形式とした。
 量子化パラメータは21,24,27,30の4種類を試し 基本レイヤと拡張レイヤで同じ値を適用し 。
 動き探索は整数精度のみとし、全検索を行 た。

 表2に、JSVMのWPに対する、本発明を適用し たことによる符号量の削減結果を示す。最大 6.38%の符号量削減を実現している。全体的に フェードアウト映像において削減効果が大 いことが分かる。

 図7に、最大削減率を実現したCity のフェ ードアウト映像における、各手法のそれぞれ についてPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)およびビ ットレートを求めて、それらを比較した(“Y- PSNR”は、輝度信号のPSNRを示す)。

 この図より、本発明の手法がレートによら 符号量の削減を実現できていることが分か 。
 比例係数補正とオフセット係数補正を比較 ると、フェードイン映像ではほとんど両者 差がみられないが(図示略)、フェードアウ 映像ではオフセット係数補正の方が効果が きいことが分かる。
 上記性能検証において、フェードアウト映 においてオフセット係数補正によるWPは、 均4.39%の符号量削減率を実現した。

 本実験は、片方向予測における符号化特 を示したものであるが、双予測においても 様の性能向上が見込める。

 次に、実施例に従って本発明を詳細に説 する。

 〔処理の流れ〕
 〔符号化処理の実施例〕
 本発明による符号化処理の実施例について 図8を参照して説明する。
 説明する実施例は、一つのマクロブロック 対する符号化処理である。これをすべての クロブロックに対して実施することによっ 、全体の符号化情報が構成される。

 ステップS101:当該拡張レイヤの当該マク ブロックが、重み付き動き予測の対象マク ブロックであるか否かの判定処理を行い、 の場合はステップS103の処理を行い、偽の場 はステップS102の処理を行う。

 ステップS102:ステップS101の処理で出力され 当該マクロブロックの予測モード情報にし がって予測信号の生成を行う。
 ここでの予測方式には、画面内予測、重み しの通常の動き予測、およびレイヤ間予測 挙げられる。各方式の予測方法の一例とし は、非特許文献3に挙げたJSVMにおける予測 法が挙げられる。

 ステップS103:当該マクロブロックに対し 、当該マクロブロックの原信号、(被参照フ ーム内の)探索対象マクロブロックの復号信 号および直下レイヤの符号化情報を読み込み 、重み付き動き推定を行い、動きベクトル情 報を出力する。本処理の詳細は図10に示す(後 述)。

 ステップS104:ステップS103の処理で出力さ た動きベクトル情報および直下レイヤの符 化情報を読み込み、重み付き動き補償を行 、重み付き動き予測信号を出力する。本処 の詳細は図11に示す(後述)。

 ステップS105:ステップS102またはステップS104 の処理によって出力された予測信号を読み込 み、当該マクロブロックの原信号との差分信 号を生成し、その差分信号の符号化を行う。
 この差分信号の符号化処理の一例としては 非特許文献3に挙げたJSVMにおける符号化処 が挙げられる。

 〔復号処理の実施例〕
 本発明による復号処理の実施例について、 9を参照して説明する。
 説明する実施例は、一つのマクロブロック 対する復号処理である。これをすべてのマ ロブロックに対して実施することによって 全体の復号信号が構成される。

 ステップS201:当該拡張レイヤの当該マク ブロックの予測モードに関する符号化情報 読み込み、復号処理を行い、予測モード情 を出力する。

 ステップS202:当該拡張レイヤの当該マク ブロックが、重み付き動き予測の対象マク ブロックであるか否かの判定処理を行い、 の場合はステップS204の処理を行い、偽の場 はステップS203の処理を行う。

 ステップS203:ステップS201の処理で出力さ た当該マクロブロックの予測モード情報に たがって予測信号の生成を行う。ここでの 測方式には、画面内予測、重み無しの通常 動き予測、およびレイヤ間予測が挙げられ 。

 ステップS204:当該マクロブロックの動き クトルに関する符号化情報を読み込み、復 処理を行い、動きベクトル情報を出力する

 ステップS205:ステップS204の処理で出力さ た動きベクトル情報および直下レイヤの符 化情報を読み込み、重み付き動き補償を行 、重み付き動き予測信号を出力する。本処 の詳細は図11に示す(後述)。

 ステップS206:ステップS203またはステップS 205の処理によって出力された予測信号を読み 込み、復号された予測残差信号と加算して復 号信号を構成し、出力する。

 〔ステップS103の処理の詳細〕
 本発明による重み付き動き推定処理(ステッ プS103の処理)の実施例について、図10を参照 て説明する。

 ステップS301:直下レイヤの符号化情報お び現在の探索対象マクロブロックの復号信 を読み込み、探索対象マクロブロックに施 重み係数を算出し、出力する。本処理の詳 は図12に示す(後述)。

 ステップS302:ステップS301の処理によって 力された重み係数情報を読み込み、現在の 索対象マクロブロックの復号信号をその重 係数によって重み付けし、その重み付けさ た信号値を出力する。

 ステップS303:ステップS302の処理によって出 された信号値と当該マクロブロックの原信 との間の、符号量と符号化歪み量とによっ 構成される符号化コストを算出し、出力す 。
 この符号化コストの一例には、非特許文献3 に挙げたJSVMにおける、符号量と二乗誤差に る符号化歪みとの間のラグランジュコスト 挙げられる。

 ステップS304:探索すべき全てのマクロブ ックに対して探索を行ったかどうかの判定 理を行い、真の場合はステップS306の処理を い、偽の場合はステップS305の処理を行う。

 ステップS305:次の探索対象マクロブロッ に処理対象を移す。

 ステップS306:ステップS303の処理によって 力された符号化コストの情報を読み込み、 索したマクロブロックの中で符号化コスト 最小となるマクロブロックを選定し、その クロブロックと当該マクロブロックとの座 位置の差分を動きベクトルとして出力する

 〔ステップS104,ステップS205の処理の詳細〕
 本発明による重み付き動き補償処理(ステッ プS104,ステップS205の処理)の実施例について 図11を参照して説明する。

 ステップS401:当該マクロブロックの動き クトル情報を読み込み、出力する。この動 ベクトル情報は、符号化処理における重み き動き補償の場合には、重み付き動き推定 出力から読み込まれ、復号処理における重 付き動き補償の場合には、動きベクトルの 号処理の出力から読み込まれる。

 ステップS402:直下レイヤの符号化情報お びステップS401の処理によって出力された動 ベクトル情報を読み込み、動きベクトルの す被参照マクロブロックに施す重み係数を 出し、出力する。本処理の詳細は図12に示 (後述)。

 ステップS403:ステップS402の処理によって 力された重み係数情報を読み込み、被参照 クロブロックの復号信号をその重み係数に って重み付けし、その重み付けされた信号 を出力する。

 〔ステップS301,ステップS402の処理の詳細〕
 本発明による重み係数算出処理(ステップS30 1,ステップS402の処理)の実施例について、図12 を参照して説明する。

 ステップS501:直下レイヤの符号化情報を み込み、当該マクロブロックの直下ブロッ の予測モードが画面内予測であるか否かの 定処理を行い、真の場合はステップS504の処 を行い、偽の場合はステップS502の処理を行 う。

 ステップS502:直下ブロックが動き予測で 照した被参照ブロックの直上ブロックの復 信号が、動き予測のためにバッファに格納 れているか否かの判定処理を行い、真の場 はステップS503の処理を行い、偽の場合はス ップS512の処理を行う。

 ステップS503:直下レイヤの符号化情報お び当該レイヤの被参照フレームの復号信号 読み込み、直下ブロックの直流成分の値を 定し、出力する。本処理の詳細は図13に示す (後述)。

 ステップS504:直下レイヤの符号化情報を み込み、当該マクロブロックの直下ブロッ の画面内予測がConstrained Intra Predictionであ か否かの判定処理を行い、真の場合はステ プS505の処理を行い、偽の場合はステップS512 の処理を行う。

 ステップS505:直下レイヤの符号化情報を み込み、直下ブロックの復号処理を行い、 ロック内のすべての信号を再構成し、バッ ァに出力する。

 ステップS506:バッファより直下ブロック の復号信号を読み込み、直下ブロックの復 信号の直流成分を算出し、レジスタに出力 る。

 ステップS507:当該マクロブロックの予測 ード情報を読み込み、予測モードが片方向 測であるか否かの判定処理を行い、真の場 はステップS508の処理を行い、偽の場合はス ップS511の処理を行う。

 ステップS508:外部より指定される重み係 算出方法が比例係数補正型であるか否かの 定処理を行い、真の場合はステップS509の処 を行い、偽の場合はステップS510の処理を行 う。

 ここで、比例係数補正型とは、前述の(12)式 にしたがって実施される重み係数の算出方法 を指す。
 一般的に、比例係数補正型は、白フェード ン映像や黒フェードアウト映像で主に効果 発揮し、これに対して、前述の(13)式にした がって実施される重み係数の算出方法である オフセット係数補正型は、白フェードアウト 映像や黒フェードイン映像で主に効果を発揮 する。
 したがって、外部からの重み係数算出方法 指定情報は、フェードタイプの判定結果に たがって定められるのが望ましい。

 ステップS509:ステップS503の処理より推定 れた直下ブロックの直流成分または、ステ プS506の処理より算出された直下ブロックの 直流成分のいずれかの値を読み込み、その直 流成分値と被参照ブロックの直流成分値との 比を比例係数として定め、オフセット係数を 0に定め、出力する。本処理は、前述の(12)式 したがう。

 ステップS510:ステップS503の処理より推定 れた直下ブロックの直流成分または、ステ プS506の処理より算出された直下ブロックの 直流成分のいずれかの値を読み込み、その直 流成分値と被参照ブロックの直流成分値との 差をオフセット係数として定め、比例係数を 1に定め、出力する。本処理は、前述の(13)式 したがう。

 ステップS511:被参照ブロックと当該ブロ クとのフレーム間距離の情報を読み込み、 れらの比を比例係数として定め、ステップS5 03の処理より推定された直下ブロックの直流 分または、ステップS506の処理より算出され た直下ブロックの直流成分のいずれかの値を 読み込み、その直流成分値と2つの被参照ブ ックの直流成分値に対して前述の比例係数 演算した値との差をオフセット係数として め、出力する。本処理は、前述の(14)式にし がう。

 ステップS512:直下ブロックの推定直流成分 参照しない重み係数算出方法を実施する。
 例としては、非特許文献3に挙げたJSVMにお るImplicitモードもしくはExplicitモードによる み係数の算出方法が考えられる。

 〔ステップS503の処理の詳細〕
 本発明による直下ブロック直流成分の推定 理(ステップS503の処理)の実施例について、 13を参照して説明する。

 ステップS601:当該直下ブロックの小ブロ クの分割情報に関する符号化情報を読み込 、その復号を行い、当該直下ブロックの小 ロックの分割構造を同定する。

 ステップS602:当該小ブロックの参照フレ ムインデクスに関する符号化情報を読み込 、その復号を行い、レジスタに書き込む。

 ステップS603:当該小ブロックの動きベク ルに関する符号化情報を読み込み、その復 を行い、レジスタに書き込む。

 ステップS604:当該小ブロックの重み係数 関する符号化情報を読み込み、その復号を い、レジスタに書き込む。

 ステップS605:当該小ブロックの予測残差 号の直流成分に関する符号化情報を読み込 、その復号を行い、レジスタに書き込む。

 ステップS606:ステップS602の処理およびス ップS603の処理より出力された参照フレーム インデクスおよび動きベクトルの情報をレジ スタより読み込み、当該小ブロックの動き予 測の被参照ブロックの位置を同定する。

 ステップS607:ステップS606の処理において 定された被参照ブロックの直上ブロックの 号信号を読み込み、その復号信号の直流成 を算出し、その直流成分値をレジスタに書 込む。

 ステップS608:ステップS607の処理において 出された直流成分値をレジスタより読み込 、それにステップS604の処理より算出された 重み係数を用いて重み付けを行い、その値を レジスタに書き込む。

 ステップS609:ステップS608の処理において 出された重み付けされた直流成分値をレジ タより読み込み、それにステップS605の処理 より算出された予測残差信号の直流成分値を 加算し、その値を当該小ブロックの直流成分 の推定値としてみなし、レジスタに書き込む 。

 ステップS610:すべての小ブロックに対し 直流成分の推定処理を完了したか否かの判 処理を行い、真の場合はステップS611の処理 行い、偽の場合はステップS612の処理を行う 。

 ステップS611:ステップS609の処理において 出された各小ブロックの推定直流成分値を み込み、当該直下ブロックにおける各小ブ ックの面積比に応じて各小ブロックの推定 流成分値を重み付けし、その重み付け和を 該直下ブロックの直流成分の推定値として なし、出力する。

 ステップS612:次の直流成分の推定対象小 ロックに処理対象を移す。

 〔処理装置〕
 〔符号化装置の実施例〕
 本発明による符号化装置の実施例について 図14を参照して説明する。図14は、一つのマ クロブロックに対する符号化を行う装置の図 である。

 予測方法判定部101:当該マクロブロックの予 測方式の指定情報を読み込み、その指定情報 にしたがって、各予測部での処理に移る。
 指定された予測方式が画面内予測であれば 面内予測部102の処理に、重みを付けない通 の動き予測であれば重み無し動き予測部103 処理に、レイヤ間予測であればレイヤ間予 部104の処理に、重み付き動き予測であれば み付き動き推定部105の処理に移る。

 画面内予測部102:符号化対象フレームの、対 象となる原信号および復号信号を読み込み、 画面内予測を実行し予測信号を作成し、その 予測信号を予測残差信号生成部107に出力する 。
 画面内予測の方法の一例としては、非特許 献3にあげたJSVMの画面内予測が挙げられる

 重み無し動き予測部103:符号化対象フレーム の対象となる原信号および被参照フレームの 対象となる復号信号を読み込み、重みを付け ない通常の動き予測を実行し予測信号を作成 し、その予測信号を予測残差信号生成部107に 出力する。
 重み無しの通常の動き予測の方法の一例と ては、非特許文献3にあげたJSVMの重み無し 通常の動き予測が挙げられる。

 レイヤ間予測部104:符号化対象フレームの、 対象となる原信号および直下レイヤの符号化 情報を読み込み、レイヤ間予測を実行し予測 信号を作成し、その予測信号を予測残差信号 生成部107に出力する。
 レイヤ間予測の方法の一例としては、非特 文献3にあげたJSVMのレイヤ間予測が挙げら る。

 重み付き動き推定部105:符号化対象フレー ムの、対象となる原信号、当該拡張レイヤ復 号信号記憶部110から出力される被参照フレー ムの復号信号、および、直下レイヤ符号化情 報記憶部111から出力される直下レイヤの符号 化情報を読み込み、重み付き動き推定を実行 し、動きベクトルを生成し、その動きベクト ル情報を重み付き動き補償部106に出力する。 重み付き動き推定部105の詳細構成は図16に示 (後述)。

 重み付き動き補償部106:当該拡張レイヤ復 号信号記憶部110から出力される被参照フレー ムの復号信号、および、直下レイヤ符号化情 報記憶部111から出力される直下レイヤの符号 化情報を読み込み、重み付き動き補償を実行 し、予測信号を生成し、その予測信号を予測 残差信号生成部107に出力する。重み付き動き 補償部106の詳細構成は図17に示す(後述)。

 予測残差信号生成部107:符号化対象フレー ムの対象となる原信号、および、画面内予測 部102または、重み無し動き予測部103または、 レイヤ間予測部104または、重み付き動き補償 部106より出力された予測信号を読み込み、原 信号と予測信号の差分信号を生成し、予測残 差信号符号化部108に出力する。

 予測残差信号符号化部108:予測残差信号生成 部107より出力された予測残差信号を読み込み 、符号化処理を行い、符号化情報として出力 する。
 また、同時に、その符号化情報は復号部109 の入力のために、バッファに出力しておく
 この予測残差信号の符号化処理の一例とし は、非特許文献3にあげたJSVMの直交変換、 子化、可変長符号化の一連のプロセスの適 が挙げられる。

 復号部109:当該バッファより符号化情報を読 み込み、復号処理を行い、得られた復号信号 を当該拡張レイヤ復号信号記憶部110に出力す る。
 この復号処理には、本発明による復号処理 適用する。復号部109として機能する復号装 の詳細構成は図15に示す(後述)。

 直下レイヤ符号化情報記憶部111:直下レイ ヤの符号化情報を読み込み、バッファに出力 する。

 〔復号装置の実施例〕
 本発明による復号装置の実施例について、 15を参照して説明する。図15は、当該拡張レ イヤにおける一つのマクロブロックに対する 復号を行う装置の図である。

 予測モード復号部201:当該マクロブロック の予測モードに関する符号化情報を読み込み 、その復号処理を行い、予測モード情報を予 測モード記憶部202に出力する。

 予測方法判定部203:予測モード記憶部202より 予測モード情報を読み込み、その指定情報に したがって、各予測部での処理に移る。
 指定された予測方式が画面内予測であれば 面内予測部204の処理に、重みを付けない通 の動き予測であれば重み無し動き予測部205 処理に、レイヤ間予測であればレイヤ間予 部206の処理に、重み付き動き予測であれば きベクトル情報復号部207の処理に移る。

 画面内予測部204:符号化対象フレームの、 対象となる原信号および復号信号を読み込み 、画面内予測を実行し予測信号を作成し、そ の予測信号を復号信号生成部213に出力する。

 重み無し動き予測部205:符号化対象フレー ムの対象となる原信号および被参照フレーム の対象となる復号信号を読み込み、重みを付 けない通常の動き予測を実行し予測信号を作 成し、その予測信号を復号信号生成部213に出 力する。

 レイヤ間予測部206:符号化対象フレームの 、対象となる原信号および直下レイヤの符号 化情報を読み込み、レイヤ間予測を実行し予 測信号を作成し、その予測信号を復号信号生 成部213に出力する。

 動きベクトル情報復号部207:当該マクロブ ロックの動きベクトルに関する符号化情報を 読み込み、その復号処理を行い、動きベクト ル情報を動きベクトル情報記憶部208に出力す る。

 重み付き動き補償部209:当該拡張レイヤ復 号信号記憶部214から出力される被参照フレー ムの復号信号、および、直下レイヤ符号化情 報記憶部210から出力される直下レイヤの符号 化情報を読み込み、重み付き動き補償を実行 し、予測信号を生成し、その予測信号を復号 信号生成部213に出力する。重み付き動き補償 部209の詳細構成は図17に示す(後述)。

 直下レイヤ符号化情報記憶部210:直下レイ ヤの符号化情報を読み込み、バッファに出力 する。

 残差信号復号部211:当該マクロブロックの 残差信号に関する符号化情報を読み込み、そ の復号処理を行い、残差信号を残差信号記憶 部212に出力する。

 復号信号生成部213:画面内予測部204または、 重み無し動き予測部205または、レイヤ間予測 部206または、重み付き動き補償部209より出力 された予測信号を読み込み、それらと残差信 号記憶部212より読み込まれる残差信号とを合 成し、復号信号を生成し、出力する。
 また、同時に、その復号信号を当該拡張レ ヤ復号信号記憶部214に書き込む。

 〔重み付き動き推定部105の構成の詳細〕
 本発明による重み付き動き推定部105の実施 について、図16を参照して説明する。図16は 、当該拡張レイヤにおける一つのマクロブロ ックに対して重み付き動き推定を行う装置の 図である。

 探索対象ブロック設置部301:当該拡張レイ ヤの被参照フレームの復号信号を読み込み、 動き推定の探索対象となるマクロブロックを 同定し、そのマクロブロックの復号信号を重 み係数算出部302に出力する。

 重み係数算出部302:探索対象ブロック設置 部301より出力された探索対象マクロブロック の復号信号、および、直下レイヤの符号化情 報を読み込み、探索対象マクロブロックに施 す重み係数を算出し、重み係数記憶部303に出 力する。

 重み付き動き推定信号生成部304:重み係数 記憶部303より重み係数を読み込み、当該探索 対象マクロブロックの復号信号を重み係数に よって重み付けし、その重み付けされた信号 を重み付き動き推定信号記憶部305に出力する 。

 符号化コスト算出部306:当該マクロブロック の原信号をバッファより読み込み、重み付き 動き推定信号記憶部305より重み付き動き推定 信号を読み込み、当該マクロブロックの原信 号との間の、符号量と符号化歪み量によって 構成される符号化コストを算出し、その符号 化コストを符号化コスト記憶部307に出力し、 探索完了判定部308の処理に移る。
 この符号化コストの一例には、非特許文献3 に挙げたJSVMにおける、符号量と二乗誤差に る符号化歪みとの間のラグランジュコスト 挙げられる。

 探索完了判定部308:当該マクロブロックに おける被参照フレーム内での重み付き動き推 定の探索が、指定されたすべての探索範囲内 の候補について行われた否かの判定処理を行 い、真の場合には被参照ブロック決定部309の 処理に移り、偽の場合には探索対象ブロック 設置部301の処理に移る。

 被参照ブロック決定部309:符号化コスト記 憶部307よりすべての探索対象マクロブロック についての符号化コストデータ群を読み込み 、符号化コストを最小とする探索対象マクロ ブロックを被参照ブロックとして決定し、そ の被参照ブロックと当該マクロブロックの座 標位置の差分を動きベクトル情報として出力 する。

 〔重み付き動き補償部106,209の構成の詳細〕
 本発明による重み付き動き補償部106,209の実 施例について、図17を参照して説明する。図1 7は、当該拡張レイヤにおける一つのマクロ ロックに対して重み付き動き補償を行う装 の図である。

 被参照ブロック信号設置部401:被参照フレー ムの復号信号および動きベクトル情報を読み 込み、被参照マクロブロックを同定し、その マクロブロックの復号信号を重み係数算出部 402に出力する。
 この動きベクトル情報は、本重み付き動き 償部が符号化装置内に設置されている場合( すなわち、重み付き動き補償部106の場合)に 重み付き動き推定部105より与えられ、本重 付き動き補償部部が復号装置内に設置され いる場合(すなわち、重み付き動き補償部209 場合)には動きベクトル情報復号部207より与 えられる。

 重み係数算出部402:被参照ブロック信号設 置部401より出力された被参照マクロブロック の復号信号、および、直下レイヤの符号化情 報を読み込み、被参照マクロブロックに施す 重み係数を算出し、重み係数記憶部403に出力 する。

 重み付き動き予測信号生成部404:重み係数 記憶部403より重み係数を読み込み、被参照ブ ロックの復号信号を重み係数によって重み付 けし、その重み付けされた信号を重み付き動 き予測信号記憶部405に出力する。

 〔重み係数算出部302,402の構成の詳細〕
 上述の重み係数算出部302,402の実施例につい て、図18を参照して説明する。図18は、当該 張レイヤにおける一つのマクロブロックに して重み係数を算出する装置の図である。

 直下ブロック予測モード判定部501:直下レ イヤの符号化情報を読み込み、当該マクロブ ロックの直下ブロックの予測モードの判定処 理を行い、(i) 同予測モードが画面内予測で り、かつその予測がConstrained Intra Prediction ある場合には、直下ブロック内信号復号部5 05の処理に移り、(ii) 同予測モードが画面内 測であり、かつその予測がConstrained Intra Pr edictionでない場合には、直下ブロック推定直 成分非参照重み係数算出部512の処理に移り (iii) 同予測モードが画面間予測の場合には 、直下ブロック予測参照先直上復号信号バッ ファリング判定部502の処理に移る。

 直下ブロック予測参照先直上復号信号バ ファリング判定部502:直下ブロックが参照す る予測参照ブロックの直上ブロックの復号信 号がバッファリングされているか否かの判定 処理を行い、真の場合は直下ブロック直流成 分推定部503の処理に移り、偽の場合は直下ブ ロック推定直流成分非参照重み係数算出部512 の処理に移る。

 直下ブロック直流成分推定部503:直下レイ ヤの符号化情報および当該レイヤの被参照フ レームの復号信号を読み込み、直下ブロック の直流成分の値を推定し、直下ブロック推定 直流成分記憶部504に出力する。直下ブロック 直流成分推定部503の詳細構成は図19に示す(後 述)。

 直下ブロック内信号復号部505:直下レイヤ の符号化情報を読み込み、直下ブロック内の 復号信号をすべて再構成し、その復号信号を 直下ブロック直流成分算出部506に出力する。

 直下ブロック直流成分算出部506:直下ブロ ック内信号復号部505より直下ブロック内の復 号信号を読み込み、直下ブロック内の復号信 号の直流成分を算出し、当該マクロブロック 予測モード判定部507に移る。

 当該マクロブロック予測モード判定部507: 当該マクロブロックの予測モード情報を読み 込み、予測モードが片方向予測であるか否か の判定処理を行い、真の場合は重み係数算出 方法判定部508の処理に移り、偽の場合は双予 測重み係数算出部509の処理に移る。

 重み係数算出方法判定部508:外部より指定 される重み係数算出方法が比例係数補正型で あるか否かの判定処理を行い、真の場合は片 方向予測比例係数補正型重み係数算出部510の 処理に移り、偽の場合は片方向予測オフセッ ト係数補正型重み係数算出部511の処理を行う 。

 ここで、比例係数補正型とは、前述の(12)式 にしたがって実施される重み係数の算出方法 を指す。
 一般的に、比例係数補正型は、白フェード ン映像や黒フェードアウト映像で主に効果 発揮し、これに対して、前述の(13)式にした がって実施される重み係数の算出方法である オフセット係数補正型は、白フェードアウト 映像や黒フェードイン映像で主に効果を発揮 する。
 したがって、外部からの重み係数算出方法 指定情報は、フェードタイプの判定結果に たがって定められるのが望ましい。

 双予測重み係数算出部509:被参照ブロック と当該ブロックとのフレーム間距離の情報を 読み込み、それらの比を比例係数として定め 、直下ブロック推定直流成分記憶部504または 、直下ブロック直流成分算出部506より直下ブ ロックの直流成分の値を読み込み、その直流 成分値と2つの被参照ブロックの直流成分値 対して前述の比例係数を演算した値との差 オフセット係数として定め、出力する。本 理は、前述の(14)式にしたがう。

 片方向予測比例係数補正型重み係数算出 510:直下ブロック推定直流成分記憶部504また は、直下ブロック直流成分算出部506より直下 ブロックの直流成分の値を読み込み、その直 流成分値と被参照ブロックの直流成分値との 比を比例係数として定め、オフセット係数を 0に定め、出力する。本処理は、前述の(12)式 したがう。

 片方向予測オフセット係数補正型重み係 算出部511:直下ブロック推定直流成分記憶部 504または、直下ブロック直流成分算出部506よ り直下ブロックの直流成分の値を読み込み、 その直流成分値と被参照ブロックの直流成分 値との差をオフセット係数として定め、比例 係数を1に定め、出力する。本処理は、前述 (13)式にしたがう。

 直下ブロック推定直流成分非参照重み係数 出部512:直下ブロックの直流成分を使用しな い重み係数の算出方法を行い、出力する。
 本処理の例としては、非特許文献3に挙げた JSVMにおけるExplicitモードもしくはImplicitモー による重み係数の算出方法が適用可能であ 。

 〔直下ブロック直流成分推定部503の構成の 細〕
 本発明による直下ブロック直流成分推定部5 03の実施例について、図19を参照して説明す 。図19は、当該拡張レイヤにおける一つのマ クロブロックに対して直下ブロック直流成分 の推定を行う装置の図である。

 小ブロック分割情報復号部601:当該直下ブ ロックの小ブロックの分割情報に関する符号 化情報を読み込み、その復号を行い、復号さ れた小ブロックの分割情報を小ブロック分割 情報記憶部602に出力する。

 参照フレームインデクス情報復号部603:当 該小ブロックの参照フレームインデクスに関 する符号化情報を読み込み、その復号を行い 、復号された参照フレームインデクス情報を 参照フレームインデクス情報記憶部604に出力 する。

 動きベクトル情報復号部605:当該小ブロッ クの動きベクトルに関する符号化情報を読み 込み、その復号を行い、復号された動きベク トル情報を動きベクトル情報記憶部606に出力 する。

 重み係数情報復号部607:当該小ブロックの 重み係数に関する符号化情報を読み込み、そ の復号を行い、復号された重み係数情報を重 み係数情報記憶部608に出力する。

 予測残差信号直流成分情報復号部609:当該 小ブロックの予測残差信号の直流成分に関す る符号化情報を読み込み、その復号を行い、 復号された予測残差信号の直流成分情報を予 測残差信号直流成分情報記憶部610に出力する 。

 当該小ブロック予測参照位置同定部611:参 照フレームインデクス情報記憶部604および動 きベクトル情報記憶部606より、復号された参 照フレームインデクスおよび動きベクトルの 情報をそれぞれ読み込み、当該小ブロックの 動き予測の被参照ブロックの位置を同定する 。

 直上ブロック復号信号直流成分算出部612: 当該小ブロック予測参照位置同定部611におい て同定された被参照ブロックの直上ブロック の復号信号を読み込み、その復号信号の直流 成分を算出し、直上ブロック復号信号直流成 分記憶部613に出力する。

 重み係数演算部614:直上ブロック復号信号 直流成分記憶部613より被参照ブロックの直上 ブロックの復号信号の直流成分を読み込み、 また、重み係数情報記憶部608より当該小ブロ ックに割り当てられた重み係数を読み込み、 直上ブロックの復号信号の直流成分に重み係 数を用いて重み付けを行い、重み付けされた 直流成分を予測残差信号直流成分加算部615に 出力する。

 予測残差信号直流成分加算部615:重み係数 演算部614より出力された重み付けされた直上 ブロックの復号信号の直流成分の値を読み込 み、また、予測残差信号直流成分情報記憶部 610より復号された予測残差信号の直流成分を 読み込み、両者を加算し、その値を当該小ブ ロック推定直流成分記憶部616に出力する。

 小ブロック直流成分推定処理判定部617:す べての小ブロックに対して直流成分の推定処 理を完了したか否かの判定処理を行い、真の 場合は当該直下ブロック推定直流成分算出部 618に移り、真の場合は推定対象小ブロック更 新部619に移る。

 当該直下ブロック推定直流成分算出部618: 当該小ブロック推定直流成分記憶部616より各 小ブロックの推定直流成分を読み込み、当該 直下ブロックにおける各小ブロックの面積比 に応じて各小ブロックの推定直流成分を重み 付けし、その重み付け和を当該直下ブロック の直流成分の推定値としてみなし、出力する 。

 推定対象小ブロック更新部619:次の直流成 分の推定対象小ブロックに処理対象を移す。

 本発明は、動画像スケーラブル符号化に 用できるものであり、本発明によれば、重 係数を伝送せずに精度の高い重み付き動き 測を実行することができるようになる。