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Title:
ANTI-NOROVIRUS AGENT, ANTI-INFLUENZA-VIRUS AGENT, AND ANTI-VIRAL TREATMENT METHOD USING EACH OF THE AGENTS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078447
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an anti-viral agent comprising an extract from a grapefruit seed as an active ingredient, which is safe and has a potent anti-norovirus activity and a potent anti-influenza-virus activity.

Inventors:
ARIKI HIROTAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073003
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ADEPT CO LTD (JP)
SAKURA FOODS CORP (JP)
ARIKI HIROTAKA (JP)
International Classes:
A61K36/75; A01N65/36; A01P3/00; A23L1/30; A23L2/00; A23L17/40; A61K9/12; A61K36/00; A61K47/10; A61K47/12; A61P31/12
Foreign References:
JP2007320924A2007-12-13
US20070148262A12007-06-28
JP2002020305A2002-01-23
Other References:
KENJI YAMAZAKI ET AL.: "Grapefruit Shushi Chushutsubutsu no Neko Calicivirus ni Taisuru Fukatsuka Sayo", FOOD CHEMICALS, vol. 23, no. 10, 1 October 2007 (2007-10-01), pages 57 - 60
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (Kyobashi-NisshokuBldg., 8-7, Kyobashi 1-chome,Chuo-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 グレープフルーツ種子抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ノロウイルス剤。
 グレープフルーツ種子抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗インフルエンザウイルス剤。
 塩化ベンザルコニウムを含有しないことを特徴とする請求項1または2に記載の抗ウイルス剤。
 有機酸を含有しないことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
 噴霧剤であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。 
 前記グレープフルーツ種子抽出物が、グレープフルーツ種子をアルコールで抽出した抽出物であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
 前記グレープフルーツ種子抽出物が、グレープフルーツ種子をウルトラフリーズして粉砕した後にアルコールで抽出した抽出物であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
 前記グレープフルーツ種子抽出物が、グレープフルーツ種子をエタノールで抽出した抽出物であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
 アルコール、水、乳酸、乳酸ナトリウム、ハトムギエキス、L-アスコルビン酸、ソルビトール、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ベタイン、砂糖、食品素材、食塩、還元澱粉糖化物、アジピン酸、キトサンおよびカゼインからなる群より選択される1以上の成分をさらに含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
 請求項1~9のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤を対象物に適用することにより前記対象物に抗ノロウイルス機能または抗インフルエンザウイルス機能を付与する工程を含むことを特徴とする抗ウイルス処理方法。
 前記対象物が食品または飲料であることを特徴とする請求項10に記載の抗ウイルス処理方法。
 前記対象物が不織布またはプラスチックであることを特徴とする請求項10に記載の抗ウイルス処理方法。
 前記抗ウイルス剤を含有する液体中に前記対象物を浸漬する工程を含むことを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の抗ウイルス処理方法。
 前記対象物が生牡蠣であることを特徴とする請求項13に記載の抗ウイルス処理方法。
 前記抗ウイルス剤を含有する液体を前記対象物に噴霧する工程を含むことを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の抗ウイルス処理方法。
 前記抗ウイルス剤を前記対象物中に練り込む工程を含むことを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の抗ウイルス処理方法。
Description:
抗ノロウイルス剤、抗インフル ンザウイルス剤、およびこれらを用いた抗 イルス処理方法

 本発明は、抗ノロウイルス剤および抗イ フルエンザウイルス剤に関する。また本発 は、これらの抗ウイルス剤を対象物に適用 ることにより当該対象物に抗ウイルス機能 付与する方法にも関する。

 従来、病原体として多種多様なウイルス 存在することが知られている。例えばノロ イルスは、ヒロカリシウイルス科ノロウイ ス属に分類される小型球形ウイルス(Small Ro und Structured Virus, SRSV)とも呼ばれるウイルス であり、直径約30nmのエンベロープを有しな RNAウイルスとして知られている。ノロウイ スは少量で感染し、腹痛、下痢、嘔吐、発 などの症状を伴う食中毒を引き起こす。感 は、生牡蠣などの食品や水などの飲料を経 摂取することにより起こり、ウイルスに汚 した人や調理用具等の物品を介して感染が 大する。ノロウイルスの感染力は非常に強 、また消毒剤や熱に対する耐性も強い。こ ため、塩化ベンザルコニウムやアルコール どでは十分な不活化ができず、次亜塩素酸 トリウムなどの強力な化学物質を使用する とが推奨されている。

 一方、本発明が着目しているグレープフル ツ種子抽出物については、従来から抗菌剤 しての用途が知られている。例えば、特許 献1には、40~90%のエタノールと、1~20%のグリ リンと、0.1~5%のグレープフルーツ種子抽出 とからなることを特徴とする殺菌剤水溶液 開示されている。また、特許文献2には、pH1 1以上の強アルカリ電解水とグレープフルー 種子抽出物とを含有することを特徴とする 菌用組成物が開示されている。さらに、特 文献3には、グレープフルーツ種子抽出物と ウソウチク茎表皮抽出物を含む除菌用組成 が開示されている。しかしながら、これら 特許文献には、グレープフルーツ種子抽出 が抗ウイルス作用を有するか否かについて 記載されていない。

特開2007-186505号公報

特開2007-31608号公報

特開2005-6529号公報

 上記のように、ノロウイルスなどの強力な 染力と耐性を有するウイルスを不活化する めに、これまでは次亜塩素酸ナトリウム等 使用されてきたが、次亜塩素酸ナトリウム の化学物質が人体へ及ぼす悪影響を懸念す 声が高まっている。
 本発明者らは、このような従来技術の課題 踏まえたうえで、安全で強力な抗ウイルス を提供することを本発明の目的として検討 進めた。

 上記の目的を達成するために鋭意検討を なった結果、本発明者らは、安全なグレー フルーツ種子抽出物に優れた抗ノロウイル 作用と抗インフルエンザウイルス作用があ ことを見出して、以下に記載される本発明 完成するに至った。

[1] グレープフルーツ種子抽出物を有効成分 して含有することを特徴とする抗ノロウイ ス剤。
[2] グレープフルーツ種子抽出物を有効成分 して含有することを特徴とする抗インフル ンザウイルス剤。
[3] 塩化ベンザルコニウムを含有しないこと 特徴とする[1]または[2]に記載の抗ウイルス 。
[4] 有機酸を含有しないことを特徴とする[1]~ [3]のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
[5] 噴霧剤であることを特徴とする[1]~[4]のい ずれか一項に記載の抗ウイルス剤。
[6] 前記グレープフルーツ種子抽出物が、グ ープフルーツ種子をアルコールで抽出した 出物であることを特徴とする[1]~[5]のいずれ か一項に記載の抗ウイルス剤。
[7] 前記グレープフルーツ種子抽出物が、グ ープフルーツ種子をウルトラフリーズして 砕した後にアルコールで抽出した抽出物で ることを特徴とする[1]~[5]のいずれか一項に 記載の抗ウイルス剤。
[8] 前記グレープフルーツ種子抽出物が、グ ープフルーツ種子をエタノールで抽出した 出物であることを特徴とする[1]~[7]のいずれ か一項に記載の抗ウイルス剤。
[9] アルコール、水、乳酸、乳酸ナトリウム ハトムギエキス、L-アスコルビン酸、ソル トール(例えばD-ソルビットなど)、コハク酸 クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリセリ 、グリセリン脂肪酸エステル、ベタイン、 糖、食品素材、食塩、還元澱粉糖化物、ア ピン酸、キトサンおよびカゼインからなる より選択される1以上の成分をさらに含むこ とを特徴とする[1]~[8]のいずれか一項に記載 抗ウイルス剤。

[10] [1]~[9]のいずれか一項に記載の抗ウイル 剤を対象物に適用することにより前記対象 に抗ノロウイルス機能または抗インフルエ ザウイルス機能を付与する工程を含むこと 特徴とする抗ウイルス処理方法。
[11] 前記対象物が食品または飲料であること を特徴とする[10]に記載の抗ウイルス処理方 。
[12] 前記対象物が不織布またはプラスチック であることを特徴とする[10]に記載の抗ウイ ス処理方法。
[13] 前記抗ウイルス剤を含有する液体中に前 記対象物を浸漬する工程を含むことを特徴と する[10]~[12]のいずれか一項に記載の抗ウイル ス処理方法。
[14] 前記対象物が生牡蠣であることを特徴と する[13]に記載の抗ウイルス処理方法。
[15] 前記抗ウイルス剤を含有する液体を前記 対象物に噴霧する工程を含むことを特徴とす る[10]~[12]のいずれか一項に記載の抗ウイルス 処理方法。
[16] 前記抗ウイルス剤を前記対象物中に練り 込む工程を含むことを特徴とする[10]~[12]のい ずれか一項に記載の抗ウイルス処理方法。

 本発明の抗ウイルス剤は、強力な抗ノロ イルス作用や抗インフルエンザウイルス作 を有していながら、人体に対する悪影響が なくて安全である。また、本発明の抗ウイ ス処理方法は、処理対象物に対して簡便な 法で抗ノロウイルス機能や抗インフルエン ウイルス機能を付与することができる。

抗ノロウイルス活性を示す電気泳動写 である。 抗インフルエンザウイルス活性を示す 相差顕微鏡写真である。

発明の実施するための最良の形態

 以下において、本発明の抗ウイルス剤お び抗ウイルス処理方法について詳細に説明 る。以下に記載する構成要件の説明は、本 明の代表的な実施態様に基づいてなされる とがあるが、本発明はそのような実施態様 限定されるものではない。なお、本明細書 おいて「~」を用いて表される数値範囲は、 「~」の前後に記載される数値を下限値およ 上限値として含む範囲を意味する。

 本発明の抗ウイルス剤は、グレープフルー 種子抽出物を含有することを特徴とする。
 グレープフルーツの種子から抽出物を得る には、まずグレープフルーツの果実を収穫 て種子を採取し、採取した種子を粉砕して ら抽出するのが典型的である。粉砕した種 は直ちに抽出してもよいし、いったん凍結 燥してから抽出してもよい。凍結乾燥して ら抽出する場合は、特にウルトラフリーズ てから抽出することがより高い抗ウイルス 性を得ることができるため好ましい。

 ウルトラフリーズとは、グレープフルー の種子にエネルギー(例えば電磁波)を与え ことにより種子中の水分子を振動させなが 凍結乾燥することをいう。種子中の水分子 振動させることにより、細胞内において氷 結晶が成長するのを抑制することができ、 胞壁の破壊を防止することができる。した って、細胞内の水を失うことなく凍結乾燥 ることができる。

 グレープフルーツの種子から抽出物を得 際に用いる溶媒は、水またはアルコールで り、中でもアルコールで抽出することが好 しい。抽出用の溶媒として用いることがで るアルコールとしては、炭素数1~10のアルコ ールが好ましく、炭素数1~6のアルコールがよ り好ましく、炭素数1~4のアルコールがさらに 好ましく、炭素数1~2のアルコールがさらによ り好ましく、エタノールが最も好ましい。抽 出は10~35℃で行うことができるが、35~50℃に 温して抽出しても構わない。遠心分離や濾 などの方法によりグレープフルーツ種子抽 液を取得した後は、適宜希釈したり、濃縮 たり、乾燥したりして所望の形態にするこ ができる。

 グレープフルーツ種子抽出物の中には、 々な成分が含まれている。典型的なグレー フルーツ種子抽出物の主成分は、脂肪酸と ラボノイドである。

 本発明の抗ウイルス剤は、グレープフル ツ種子抽出物以外に溶媒を含んでいてもよ 。抗ウイルス剤を構成する溶媒は、抽出時 用いた溶媒と同一であっても異なっていて よい。好ましいのは、水やアルコールであ 。アルコールの中ではエタノールが好まし 。また、本発明の抗ウイルス剤は、さらに 加剤を含んでいてもよい。添加剤は、本発 の抗ウイルス剤の使用目的や使用態様に応 て適宜選択することができる。例えば、ア コール、水、乳酸、乳酸ナトリウム、ハト ギエキス、L-アスコルビン酸、ソルビトー (例えばD-ソルビットなど)、コハク酸、クエ 酸、クエン酸ナトリウム、グリセリン、グ セリン脂肪酸エステル、ベタイン、砂糖、 品素材、食塩、還元澱粉糖化物、アジピン 、キトサンおよびカゼインからなる群より 択される1以上の成分を好ましく例示するこ とができる。

 本発明の抗ウイルス剤は、塩化ベンザル ニウムを含有しないものであることが好ま い。また、安息香酸やとトリクロ酸などの 機酸を含有しないものであることが好まし 。本発明の抗ウイルス剤は、これらの化合 を含まなくても強い抗ウイルス作用を示し ノロウイルスなどを分解し消滅させること できる。その強度は、100~200ppmの次亜塩素酸 ナトリウムと同等のレベルに達していながら 、人に対する悪影響がなくて安全であり、ま た鉄さびなどを引き起こす心配もないため適 用対象物を損傷する心配もない。さらに、カ キシブのように変色することもないため、本 発明の抗ウイルス剤は利用しやすいという利 点もある。

 本発明の抗ウイルス剤におけるグレープ ルーツ種子抽出物の重量割合は、抗ウイル 剤の使用目的や使用態様によって適宜調整 ることができる。本発明の抗ウイルス剤は レープフルーツ種子抽出物のみからなる乾 済み粉末であってもよいし、溶媒に溶解さ た液体であってもよい。液体である場合の レープフルーツ種子抽出物の固形分は、通 0.0001~50%であり、好ましくは0.001~20%であり、 さらに好ましくは0.01~10%である。

 本発明の抗ウイルス剤は、その使用目的に じて様々な形態で使用することができる。
 たとえば、本発明の抗ウイルス剤を医薬品 して使用する場合には、その投与経路によ て様々な剤型を選択することができる。本 明の抗ウイルス剤は、経口的または非経口 に投与することができる。例えば、直腸投 、鼻内投与、舌下投与、吸入投与を行なう とが可能である。中でも、本発明の抗ウイ ス剤は、経口投与、直腸投与、吸入投与す のが好ましく、経口投与することが特に好 しい。

 経口投与に適した製剤として、錠剤、カ セル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、シ ップ剤などを挙げることができ、非経口投 に適した製剤として、坐剤、吸入剤、経粘 吸収剤、貼付剤、軟膏剤などを挙げること できる。本発明の抗ウイルス剤は、特に経 用製剤、坐剤、吸入剤、貼付剤、軟膏剤の ずれかであるのが好ましい。

 本発明の抗ウイルス剤を医薬品として用 る場合には、必要に応じて薬理学的および 剤学的に許容しうる添加物を添加すること できる。例えば、賦形剤、崩壊剤または崩 補助剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、コ ティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤 たは溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安 化剤、噴射剤、粘着剤、湿潤剤などを使用 ることができる。また、他の生理有効成分( えば、他の抗ウイルス剤や抗菌剤など)を添 加してもよい。これらの添加剤を適宜組み合 わせて使用することによって、本発明の抗ウ イルス剤にさまざまな付加的機能を持たせる ことができる。

 上記賦形剤としては、デンプン、コーン ターチ、白糖、乳糖、マンニット、カルボ シメチルセルロース、無機塩類等が具体例 して挙げられる。

 上記崩壊剤または崩壊補助剤としては、 ムギデンプン、コメデンプン、トウモロコ デンプン、バレイショデンプン、部分アル ァー化デンプン、ヒドロキシプロピルスタ チ、カルボキシメチルスターチナトリウム トラガント、結晶セルロース、メチルセル ース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ ス、カルメロース、カルメロースカルシウ 、カルメロースナトリウム、クロスカルメ ースナトリウムが具体例として挙げられる

 上記結合剤としては、寒天、ゼラチン、 ムギデンプン、コメデンプン、トウモロコ デンプン、バレイショデンプン、デキスト ン、アルファー化デンプン、部分アルファ 化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ 結晶セルロース、結晶セルロース・カルメ ースナトリウム、メチルセルロース、ヒド キシプロピルセルロース、低置換度ヒドロ シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ ルセルロースフタレート、ヒドロキシプロ ルメチルセルロースアセテートサクシネー 、カルメロースナトリウム、エチルセルロ ス、カルボキシメチルエチルセルロース、 ドロキシエチルセルロース、プルラン、ポ ビニルピロリドン、アミノアルキルメタク レートコポリマー、メタクリル酸コポリマ 、ポリビニルアセタールジエチルアミノア テート、ポリビニルアルコール、アラビア ム、アラビアゴム末、白色セラック、トラ ント、精製白糖、マクロゴールが具体例と て挙げられる。

 上記滑沢剤としては、コムギデンプン、 メデンプン、トウモロコシデンプン、ショ 脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリ 酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム 含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成 イ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウ ゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグ シウム、リン酸水素カルシウム、無水リン 水素カルシウム、ロウ類、水素添加油、ポ エチレングリコールが具体例として挙げら る。

 上記界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸 ステル、大豆レシチン、ステアリン酸ポリ キシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン リコール、セスキオレイン酸ソルビタン、 リオレイン酸ソルビタン、モノステアリン ソルビタン、モノステアリン酸グリセリン モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリ 酸ソルビタン、ポリソルベート、ラウリル 酸ナトリウム、ラウロマクロゴールが具体 として挙げられる。

 また、本発明の抗ウイルス剤は、必要に じて有効成分が徐放されるように設計する とができる。また、体内の必要な個所にお て有効成分が集中的に放出されるように設 することもできる。このような徐放性製剤 ドラッグデリバリーシステムは、製剤業界 おいて周知の方法にしたがって設計のうえ 造することができる。

 本発明の抗ウイルス剤を医薬品として用 る場合には、グレープフルーツ種子抽出物 0.0001~100重量%の範囲内で使用することがで る。

 本発明の抗ウイルス剤の投与量は、治療 たは予防の目的、患者の性別、体重、年齢 疾患の種類や程度、剤型、投与経路、投与 数などの種々の条件に応じて適宜決定する 例えば、経口投与する場合には、0.1μg~300g( 効成分乾燥重量)/kg体重/日で、一日一回か 数回に分けて投与することができるが、投 量はこの範囲に限定されるものではない。

 本発明の抗ウイルス剤は、必ずしも医薬 の形態をとる必要はない。例えば、本発明 抗ウイルス剤は各種食品や飲料に含ませる とによって、機能性食品や機能性飲料とし も安全かつ有効に使用することができる。 に、抗ウイルス剤作用を有する旨を表示し 食品や飲料として有効に使用することがで る。

 具体的には、生野菜(キュウリ、レタス、 キャベツ、ニンジン、ダイコンなど)、漬物( 漬けなど)、魚介(アジ、サバ、イワシ、サ 、イカ、エビ、タコ、サザエ、ホタテ、牡 など)、肉(牛肉、豚肉、鶏肉、ソフトサラミ 、ソーセージなど)、米飯(炊飯米、餅など)、 菓子(大福、生あん、生菓子、だんご、生ク ーム、カスダードクリーム、あめなど)、調 液(つゆ、たれなど)、麺類(生うどんなど)、 ところてん、飲料(清涼飲料水、ジュース、 本茶、紅茶、中国茶、コーヒー、ココアな )、シリアル、スープ等に使用することがで るが、使用形態はこれらの具体例に限定さ るものではない。グレープフルーツ種子抽 物の添加量(固形分)は、約0.001~20重量%の範 内に設定することが好ましい。また、必要 応じて、ゲル化剤などを添加して食感を改 してもよい。

 また、本発明の抗ウイルス剤は、人が口か 摂取するもののみならず、それ以外の物品 も適用することができる。例えば、入歯、 歯、コンタクトレンズ、化粧品、クリーム( リップクリームなど)などの、人の体に直接 用するものについても好ましく適用するこ ができる。また、人の手や指を洗浄したり ドアノブや手すりなどの人が触れる箇所を 浄したりするための洗浄剤としても好まし 用いることができる。さらに、入歯洗浄剤 入歯接着剤、歯磨粉、うがい液、コンタク レンズ洗浄液、コンタクトレンズ保存液、 げそり用クリーム、綿棒、脱脂綿、ティッ ュ、シャンプー、リンス、ひげそり、カミ リなどの、使用時に人の粘膜に触れるもの その可能性があるものについても好ましく 用することができる。また、衣類(下着、シ ツなど)、手袋、帽子、マフラー、履物、耳 あて、マスク、包帯、マウスピース、補聴器 、耳栓、眼鏡、アイマスク、かつら、装飾品 (ピアス、イアリング、ネックレスなど)など 、人が身につけるものについても適用する とができる。さらに、調理機具(チョッパー など)、調理用具(まないた、包丁、パットな )、食器、食品保管庫(冷蔵庫、貯蔵庫、食 庫、ショーケースなど)、人が口にする食品 どを加工したり調理したりする際に用いる のについても適用することができる。その 、機械工具、機械器具、キッチン用具、キ チン設備、空気清浄機、エアコン(特にフィ ルター)、加湿器、洗剤携帯電話、手帳、鞄 パソコン、インク、塗料などの、人が触れ ものについても広く適用することができる
 本発明の抗ウイルス剤の適用対象となる材 は、繊維(不織布など)、金属、プラスチッ など特に制限されない。

 本発明の抗ウイルス剤は、さまざまな場 各目的に適した態様で使用することができ 。例えば、食堂・レストラン、食品工場、 生用品工場、医薬品工場、養殖場などよう 、人が口にする物や人に直接用いる物を扱 たり加工したりする場で用いることができ 。また、商品卸・販売店、商品運送車両、 テル、保育園、幼稚園、学校、病院、老人 ーム、ホール、図書館、浴場、プール、タ シー、バス、電車、航空機などのように、 特定多数の人が利用する場で広く用いるこ ができる。

 本発明の抗ウイルス剤を適用する方法は 適用対象物の種類や適用目的に応じて種々 択することができる。典型的な適用態様と て、本発明の抗ウイルス剤を対象物に噴霧 る方法や、本発明の抗ウイルス剤の中に対 物を浸漬する方法や、本発明の抗ウイルス を対象物に練り込んだりする方法を挙げる とができる。その具体的な態様については 後記の実施例を参考にすることができる。

 以下に製造例と試験例と実施例を挙げて 発明の特徴をさらに具体的に説明する。以 の製造例と実施例に示す材料、使用量、割 、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨 逸脱しない限り適宜変更することができる したがって、本発明の範囲は以下に示す具 例により限定的に解釈されるべきものでは い。

(製造例1)
 グレープフルーツの果実の種子を採取して ルトラフリーズした。ウルトラフリーズし 種子を粉砕して25℃のエタノール中で攪拌 た後、遠心分離することによりエタノール 液を得て、さらにエタノールを気化させる とによりグレープフルーツ種子抽出物を得 。この抽出物に対して1.67重量倍のグリセリ を混合して混合液を得た。その後、混合液 80℃で30分間加熱殺菌した後、120メッシュで 濾過することにより抗ウイルス剤1を製造し 。

(製造例2)
 製造例1の製造工程において、エタノール溶 液とグリセリンの混合物を得た後、その混合 物に対して9重量倍の水を添加した点を除い 、その他は製造例1と同じ工程を実施するこ により抗ウイルス剤2を製造した。

(製造例3)
 製造例2で得られた抗ウイルス剤2を精製水 200倍に希釈して抗ウイルス剤3を製造した。

(製造例4)
 製造例2で得られた抗ウイルス剤2を精製水 100倍に希釈して抗ウイルス剤4を製造した。

(製造例5)
 製造例2で得られた抗ウイルス剤2をエタノ ルで100倍に希釈して抗ウイルス剤5を製造し 。

(製造例6)
 水に対して、製造例2で得られた抗ウイルス 剤2を0.5重量%とクエン酸を0.2重量%添加して抗 ウイルス剤6を製造した。

(製造例7)
 エタノールに対して、製造例2で得られた抗 ウイルス剤2を0.5重量%とクエン酸を0.2重量%添 加して抗ウイルス剤7を製造した。

(製造例8)
 150倍に希釈した中性洗剤に対して、製造例2 で得られた抗ウイルス剤2を0.5重量%添加して ウイルス剤8を製造した。

(製造例9)
 水に対して、製造例2で得られた抗ウイルス 剤2を0.5重量%とフィチン酸を0.2重量%添加して 抗ウイルス剤9を製造した。

(試験例1)
 抗ノロウイルス活性を以下の手順で試験し 。
 表1に示す組成を有する試験液500μlを用意し てよく攪拌した後、10分間静置してRNAを抽出 た。DNA加水分解酵素で処理した後に逆転写 素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を行い、PCR 行った後に2.5%アガロースゲル電気泳動を行 った。電気泳動写真を図1に示し、評価結果 表1に示す。ノロウイルス遺伝子が検出され ものを陽性(+)と判定し、ノロウイルス遺伝 が検出されなかったものを陰性(-)と判定し 。試験液C~Eは次亜塩素酸ナトリウム150ppmと 等の抗ウイルス活性レベルであった。

 抗ウイルス剤1~9にはいずれも抗ノロウイ ス活性が認められ、抗ウイルス剤1~8には上 試験例と同等の特に高い抗ノロウイルス活 が認められる。

(試験例2)
 抗インフルエンザウイルス活性を以下の手 で試験した。
 インフルエンザウイルス懸濁液[A型インフ エンザウイルス(Puerto Rico/8/34, H1N1)摂取受精 鶏卵漿尿液]600μlに抗ウイルス剤4を200μlを混 して氷上で5分間インキュベーションした。 その後、5倍濃厚リン酸緩衝化生理食塩水を50 μl混合して、遠心上清142μlを分取し、さらに ハンクス液(Sigma,CO,USA)858μlを混合して試料3と した。これとは別に、試料3の作製手順にお て、抗ウイルス剤4を200μl混合する代わりに 留水を200μl混合することにより試料2を用意 した。さらにハンクス液そのものを試料1と て用意した。
 各試料1mlを、それぞれ単層集密化MDCK(NBL2)細 胞(理研ジーンバンク細胞銀行)に接種し、培 [90%イーグル最小必須培地/10%非動化ウシ胎 血清、100units/mlペニシリンGナトリウム、100μ g/mlストレプトマイシン硫酸塩(いずれもGibcoBR L,MD,USA)]にて37℃で24時間インキュベーション た後、位相差顕微鏡下で観察した。

 結果を図2に示す。インフルエンザウイルス を含まないハンクス液(試料1)を接種したとき は、MDCK(NBL2)細胞は集密した状態で培養基質 付着していたが、蒸留水を添加したインフ エンザウイルス懸濁液(試料2)を接種したと は、培養基質から遊離し、球形化した変性 胞が無数に観察された。これに対して、本 明の抗ウイルス剤を添加したインフルエン ウイルス懸濁液(試料3)を接種したときは、 のような変性細胞は観察されなかった。
 抗ウイルス剤1~9にはいずれも同程度の抗イ フルエンザウイルス活性が認められる。ま 、A型インフルエンザウイルス(H3N2)、B型イ フルエンザウイルスにも抗ウイルス活性が められる。

(実施例1)
 調理場で使用済みのまな板と包丁を水でよ 洗浄した後に乾燥させた。乾燥したまな板 よび包丁の表面に抗ウイルス剤6を均等に噴 霧した後によく乾燥させて、抗ウイルス処理 済みのまな板と包丁を得た。
 抗ウイルス剤6の代わりに抗ウイルス剤7を いて同じ処理を行った。

(実施例2)
 調理場で使用済みのたわしとブラシを水で く洗浄した後に乾燥させた。乾燥したたわ とブラシを抗ウイルス剤6の中に25℃で30分 浸漬した。その後、たわしとブラシを乾燥 せて、抗ウイルス処理済みのたわしとブラ を得た。
 抗ウイルス剤6の代わりに抗ウイルス剤7を いて同じ処理を行った。

(実施例3)
 調理場で使用済みのざるとかごを150倍に希 した中性洗剤でよく洗浄した後に乾燥させ 。乾燥させたざるとかごを抗ウイルス剤5の 中に25℃で10分間浸漬した。その後、ざると ごを乾燥させて、抗ウイルス処理済みのざ とかごを得た。

(実施例4)
 調理場のシンクに抗ウイルス剤8を一様に噴 霧して布で拭き取った。これによって、抗ウ イルス処理済みのシンクを得た。

(実施例5)
 調理場および食堂で使用済みの食器と調理 を水でよく洗浄した後に乾燥させた。乾燥 た食器と調理具を抗ウイルス剤8の中に50℃ 10分間浸漬した後、50℃のお湯でよく洗浄し て乾燥させた。これによって、抗ウイルス処 理済みの食器と調理具を得た。

(実施例6)
 使用済みのスライサー、チョッパーおよび ッターの表面を水でよく洗浄した後に乾燥 せた。乾燥したスライサー、チョッパーお びカッターの表面に抗ウイルス剤8を噴霧し て、布で拭き取った。さらに清浄な水で湿ら せた布で拭き取ることにより、抗ウイルス処 理済みのスライサー、チョッパーおよびカッ ターを得た。
 抗ウイルス剤8の代わりに抗ウイルス剤5を いて同じ処理を行った。

(実施例7)
 人の手およびドアノブに、抗ウイルス剤6を 噴霧して布で拭き取ることにより抗ウイルス 処理を行った。
 抗ウイルス剤6の代わりに抗ウイルス剤7を いて同じ処理を行った。

(実施例8)
 生野菜(キュウリ、レタス、キャベツ、ニン ジン、ダイコン)を水でよく洗った後、抗ウ ルス剤6の中に25℃で10分間浸漬した。その後 、生野菜を取り出して水切りすることにより 、抗ウイルス処理済みの生野菜を得た。

(実施例9)
 魚(アジ、サバ、イワシ、サケ、イカ、エビ 、タコ)を水でよく洗った後、抗ウイルス剤6 中に25℃で15分間浸漬した。その後、魚を取 り出して水切りすることにより、抗ウイルス 処理済みの魚を得た。

(実施例10)
 生牡蠣、サザエおよびホタテを水でよく洗 た後、抗ウイルス剤6の中に25℃で60分間浸 した。その後、生牡蠣、サザエおよびホタ を取り出して水切りすることにより、抗ウ ルス処理済みの生牡蠣、サザエおよびホタ を得た。

(実施例11)
 肉(牛肉、豚肉、鶏肉)に抗ウイルス剤6を一 に噴霧することにより、抗ウイルス処理済 の肉および肉加工品を得た。

(実施例12)
 冷凍肉(冷凍ブロイラー)を抗ウイルス剤4の に25℃で12時間浸漬することにより解凍し、 その後、水切りを行うことにより、抗ウイル ス処理済みの肉を得た。

(実施例13)
 ソフトサラミソーセージの練り肉に抗ウイ ス剤6を練り込んで加工することにより、抗 ウイルス処理済みのソフトサラミソーセージ を得た。

(実施例14)
 米を水で4回水で浸漬洗いした後、抗ウイル ス剤9中に25℃で10分間浸漬洗いをして水切り した。これによって、抗ウイルス処理済み 米を得た。

(実施例15)
 木綿豆腐を抗ウイルス剤6に浸漬した状態で パッキングすることにより、抗ウイルス処理 済みの木綿豆腐パックを製造した。

(実施例16)
 うどん原料に対して、抗ウイルス剤2が0.5% 度となるように練り込んで、抗ウイルス処 済みの生うどんを製造した。

(実施例17)
 調味液とタレに対して、抗ウイルス剤2が0.5 %濃度となるように添加して、均等になるよ に十分に攪拌して抗ウイルス処理済みの調 液とタレを製造した。

(実施例18)
 抗ウイルス剤6を製造直後の弁当内容物に上 から噴霧した後、蓋をすることにより抗ウイ ルス処理した弁当を製造した。

(実施例19)
 長方形の不織布に抗ウイルス剤2を噴霧した 後、乾燥し、マスク内に内包させた。これに よって、抗ウイルスマスクを製造した。

(実施例20)
 セラミドと抗ウイルス剤2を混合して、抗ウ イルス剤2の濃度が1%の感染防御剤とした。こ れを包帯に染みこませて感染防御包帯を製造 した。

(実施例21)
 抗ウイルス剤1をうがい液とした。

(実施例22)
 抗ウイルス剤4を加湿器中に入れることによ り、加湿用液とした。

(実施例23)
 プールの水に対して抗ウイルス剤2が0.5%濃 となるように添加して、プールを抗ウイル 処理した。