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Title:
APPROXIMATELY SYNCHRONIZED CDMA TRANSMITTER/RECEIVER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108294
Kind Code:
A1
Abstract:
An approximately synchronized CDMA transmitter/receiver enabling high-efficiency code division multi-dimensional connection at low cost by carrying out approximate synchronization control by using a ZCZ code. A transmitter/receiver uses an approximately synchronized CDMA communication scheme including transmission/reception code sets each composed of first and second spreading codes and a despreading code constituting a ZCZ code. This transmitter/receiver comprises a synchronization receiving section (46) for receiving synchronization control signal, a code set selection control section (42) for outputting a selection control signal for selecting a transmission/reception code set used for spreading from the transmission/reception code sets, a spreading section (43) for spreading transmission data with the first and second spreading codes of the transmission/reception code set selected according to the selection control signal and outputting the spread transmission data as a transmission sequence at a timing determined according to the synchronization control signal, a modulating section (44) for modulating the carrier wave with the transmission sequence, and a transmission output section (45) for transmitting the modulated carrier wave.

Inventors:
MATSUFUJI SHINYA (JP)
MATSUMOTO TAKAHIRO (JP)
KUROYANAGI NORIYOSHI (JP)
SUEHIRO NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053627
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
February 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV YAMAGUCHI (JP)
MATSUFUJI SHINYA (JP)
MATSUMOTO TAKAHIRO (JP)
KUROYANAGI NORIYOSHI (JP)
SUEHIRO NAOKI (JP)
International Classes:
H04B1/707; H04B5/02; H04J13/00
Foreign References:
JP2007049688A2007-02-22
JPH1188232A1999-03-30
JP2002536870A2002-10-29
Attorney, Agent or Firm:
TOMISAKI, Motonari et al. (Toranomon-yoshiara Bldg.6-13, Nishishimbashi 1-chom, Minato-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:
 2値送信データの情報ビット0に対応する第1拡散符号、送信データの情報ビット1に対応する第2拡散符号および逆拡散符号からなる送受信符号セットを複数組備え、
 複数組の前記送受信符号セットは、同じ前記送受信符号セットに属する前記第1拡散符号、前記第2拡散符号および前記逆拡散符号は、前記第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関数が同期点において正または負のピーク値となるとともに同期点の近傍の零相関領域における同期点以外では0値となり、異なる前記送受信符号セット間の前記第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関数は同期点を含む零相関領域で0値となるZCZ符号であり、
 前記送信データに前記第1および第2拡散符号による拡散処理を施して送信し、受信したデータは前記逆拡散符号による逆拡散処理を施して復調する近似同期CDMA通信方式を利用した近似同期CDMA送受信装置であって、
 同期制御信号を受信する同期受信部(46)と、
 複数組の前記送受信符号セットの中から拡散処理を行うべき前記送受信符号セットを選択するための選択制御信号を出力する符号セット選択制御部(42)と、
 前記選択制御信号に基づいて選択した前記送受信符号セットの前記第1および第2拡散符号により前記送信データに拡散処理を施し、前記同期制御信号に基づくタイミングにより送信系列として出力する拡散処理部(43)と、
 前記送信系列により搬送波を変調する変調部(44)と、
 前記変調部によって変調された搬送波を送信する送信出力部(45)と、
 受信波を検波する検波部(51,61~64)と、
 前記検波部(51,61~64)の検波出力に対して前記逆拡散符号による逆拡散処理を施して前記送信データを復調する逆拡散処理部(52,65,67)とを有する近似同期CDMA送受信装置。
 2値送信データの情報ビット0に対応する第1拡散符号、前記送信データの情報ビット1に対応する第2拡散符号および逆拡散符号からなる送受信符号セットを複数組備え、
 複数組の前記送受信符号セットは、同じ前記送受信符号セットに属する前記第1拡散符号、前記第2拡散符号および前記逆拡散符号は、前記第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関数が同期点において正または負のピーク値となるとともに同期点の近傍の零相関領域における同期点以外では0値となり、異なる前記送受信符号セット間の前記第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関数は同期点を含む零相関領域で0値となるZCZ符号であり、
 前記送信データに前記第1および第2拡散符号による拡散処理を施して送信し、受信したデータは前記逆拡散符号による逆拡散処理を施して復調する近似同期CDMA通信方式を利用した近似同期CDMA送信装置であって、
 同期制御信号を受信する同期受信部(46)と、
 複数組の前記送受信符号セットの中から拡散処理を行うべき前記送受信符号セットを選択するための選択制御信号を出力する符号セット選択制御部(42)と、
 前記選択制御信号に基づいて選択した前記送受信符号セットの前記第1および第2拡散符号により前記送信データに拡散処理を施し、前記同期制御信号に基づくタイミングにより送信系列として出力する拡散処理部(43)と、
 前記送信系列により搬送波を変調する変調部(44)と、
 前記変調部によって変調された搬送波を送信する送信出力部(45)とを有する近似同期CDMA送信装置。
 請求項2に記載した近似同期CDMA送信装置であって、
 前記同期制御信号から前記送信データの各ビットごとの送信タイミングを示す信号を作成するビット同期信号作成部(47)を有する近似同期CDMA送信装置。
 請求項2,3のいずれか1項に記載した近似同期CDMA送信装置であって、
 前記第1および第2拡散符号は、原符号の所定長さの末尾部分をガードチップとして先頭に付加するとともに、前記原符号の所定長さの先頭部分をガードチップとして末尾に付加したものである近似同期CDMA送信装置。
 2値送信データの情報ビット0に対応する第1拡散符号、前記送信データの情報ビット1に対応する第2拡散符号および逆拡散符号からなる送受信符号セットを複数組備え、
 複数組の前記送受信符号セットは、同じ前記送受信符号セットに属する前記第1拡散符号、前記第2拡散符号および前記逆拡散符号は、前記第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関数が同期点において正または負のピーク値となるとともに同期点の近傍の零相関領域における同期点以外では0値となり、異なる前記送受信符号セット間の前記第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関数は同期点を含む零相関領域で0値となるZCZ符号であり、
 前記送信データに前記第1および第2拡散符号による拡散処理を施して送信し、受信したデータは前記逆拡散符号による逆拡散処理を施して復調する近似同期CDMA通信方式を利用した近似同期CDMA受信装置であって、
 受信波を検波する検波部(51,61~64)と、
 同期制御信号を受信する同期受信部(52,65)と、
 前記検波部(51,61~64)の検波出力に対して前記逆拡散符号による逆拡散処理を施して前記送信データを復調する逆拡散処理部(52,65,67)とを有する近似同期CDMA受信装置。
 請求項5に記載した近似同期CDMA受信装置であって、
 前記検波部(51)は、受信波の自乗検波を行うものである近似同期CDMA受信装置。
 請求項5に記載した近似同期CDMA受信装置であって、
 前記検波部(61~64)は、位相が互いに90度異なる2つの参照波と受信波との混合出力をI成分およびQ成分として別々に出力するものである近似同期CDMA受信装置。
 請求項7に記載した近似同期CDMA受信装置であって、
 前記逆拡散処理部(65,67)は、前記I成分と前記逆拡散符号との相関出力と、前記Q成分と前記逆拡散符号との相関出力とにより、前記送信データを判定するビット判定部(67)を有するものである近似同期CDMA受信装置。
 請求項5~8のいずれか1項に記載した近似同期CDMA受信装置であって、
 前記同期制御信号から前記送信データの各ビットごとの送信タイミングを示す信号を作成するビット同期信号作成部(53,66)を有する近似同期CDMA受信装置。
Description:
近似同期CDMA送受信装置

 本発明は、他局間干渉を除去して伝送効 を向上させることができる近似同期CDMA通信 方式を利用した近似同期CDMA送受信装置に関 る。さらに詳しくは、ZCZ符号を使用して同 点に許容範囲を設けることができ、近似同 (準同期)制御を行うことにより低コストかつ 高効率の符号分割多元接続(CDMA)を実施するこ とのできる近似同期CDMA送受信装置に関する

 近年、近距離無線通信の分野では数多く 規格化・商品化がなされ、近距離無線通信 より身近な通信手段として様々な応用分野 利用されている。例えば、無線LAN(IEEE802.11 格)、ICタグ通信(RFIDシステム)、パーソナル エリア・ネットワークに分類されるBluetooth,U WB,Zigbeeなどが挙げられる。これらにおいては 、デジタル変調方式として、PSK(Phase Shift Key ing)、ASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、OOK(ON-OFF Keying)、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)、 ペクトル拡散技術(直接拡散や周波数ホッピ グ方式)などの諸技術が通信の用途・目的に 応じて適用されている。また、それらの多重 アクセス方式は、キャリアセンスにより送信 信号の衝突回避を行い、通信路上には一つの 送信信号のみしか伝送しないCSMA(搬送波感知 重アクセス)やFDMA(周波数分割多元接続)、あ るいはTDMA(時分割多元接続)が使用されている 。

 もし、フェージング等に対する耐性があ 、周波数利用効率が高く、さらに同時刻通 可能な多元接続方式が低コストで提供でき ば、近距離無線通信の適用範囲が広がりさ なる発展が期待できる。符号分割多元接続( CDMA)方式は、ユーザ数や通信路環境が定まっ いない近距離無線通信において、同時刻多 通信ができ、周波数利用効率や電力効率はF DMA,TDMAに比べ高く、近距離無線通信に適して ると考えられる。また、CSMAやTDMAは、同時 多重によるリアルタイム通信が困難である しかしながら、CDMA方式は、受信電力の異な 送信信号が多重化されて受信されるので、 期・復調処理が複雑となり、送信フレーム 含めてシステム全体が複雑になり、システ 全体のコストも高くなる傾向がある。それ え、携帯電話のような大規模な通信分野へ 適用に限られ、近距離無線通信への適用は 遠されている。

 一方、光通信の分野では、下記の特許文献1 により、ZCZ符号を使用して高効率の符号分割 多元接続(CDMA)を実施することのできる光近似 同期CDMA方式が提案されている。電波領域の 信の分野においても、下記の特許文献2によ 、ZCZ符号を使用して高効率の符号分割多元 続を実施することのできる近似同期CDMA通信 方式が提案されている。これらの特許文献1 特許文献2は本発明の発明者等によって提案 れたものである。

特開2005-175849号公報

特開2007-49688号公報

 以上のように、近距離無線通信にうまく 用できるCDMA方式が求められていたのである が、特許文献1,2のような近似同期CDMA方式を 用した送受信装置は未だ実現されていなか た。すなわち、前述のような近似同期CDMA方 において、搬送波を考慮した復調方式や送 信装置は検討されておらず、また、近似同 CDMA方式を適用した高効率かつ低コストで多 様な近距離無線通信を実現する送受信モジュ ールは議論されていなかった。

 そこで、本発明は、ZCZ符号を使用して同 点に許容範囲を設けるようにし、近似同期( 準同期)制御を行うことにより低コストかつ 効率の符号分割多元接続(CDMA)を実施するこ のできる近似同期CDMA送受信装置を提供する とを目的とする。この近似同期CDMA送受信装 置の変調方式はOOK、ASK、FSKも含むものである 。また、PSKにも適用可能である。

 上記目的を達成するために、本発明の近 同期CDMA送受信装置は、2値送信データの情 ビット0に対応する第1拡散符号、送信データ の情報ビット1に対応する第2拡散符号および 拡散符号からなる送受信符号セットを複数 備え、複数組の前記送受信符号セットは、 じ前記送受信符号セットに属する前記第1拡 散符号、前記第2拡散符号および前記逆拡散 号は、前記第1または第2拡散符号と前記逆拡 散符号の周期相関関数が同期点において正ま たは負のピーク値となるとともに同期点の近 傍の零相関領域における同期点以外では0値 なり、異なる前記送受信符号セット間の前 第1または第2拡散符号と前記逆拡散符号の周 期相関関数は同期点を含む零相関領域で0値 なるZCZ符号であり、前記送信データに前記 1および第2拡散符号による拡散処理を施して 送信し、受信したデータは前記逆拡散符号に よる逆拡散処理を施して復調する近似同期CDM A通信方式を利用した近似同期CDMA送受信装置 あって、同期制御信号を受信する同期受信 と、複数組の前記送受信符号セットの中か 拡散処理を行うべき前記送受信符号セット 選択するための選択制御信号を出力する符 セット選択制御部と、前記選択制御信号に づいて選択した前記送受信符号セットの前 第1および第2拡散符号により前記送信デー に拡散処理を施し、前記同期制御信号に基 くタイミングにより送信系列として出力す 拡散処理部と、前記送信系列により搬送波 変調する変調部と、前記変調部によって変 された搬送波を送信する送信出力部と、受 波を検波する検波部と、前記検波部の検波 力に対して前記逆拡散符号による逆拡散処 を施して前記送信データを復調する逆拡散 理部とを有するものである。

 また、本発明の近似同期CDMA送信装置は、 2値送信データの情報ビット0に対応する第1拡 散符号、前記送信データの情報ビット1に対 する第2拡散符号および逆拡散符号からなる 受信符号セットを複数組備え、複数組の前 送受信符号セットは、同じ前記送受信符号 ットに属する前記第1拡散符号、前記第2拡 符号および前記逆拡散符号は、前記第1また 第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関 数が同期点において正または負のピーク値と なるとともに同期点の近傍の零相関領域にお ける同期点以外では0値となり、異なる前記 受信符号セット間の前記第1または第2拡散符 号と前記逆拡散符号の周期相関関数は同期点 を含む零相関領域で0値となるZCZ符号であり 前記送信データに前記第1および第2拡散符号 による拡散処理を施して送信し、受信したデ ータは前記逆拡散符号による逆拡散処理を施 して復調する近似同期CDMA通信方式を利用し 近似同期CDMA送信装置であって、同期制御信 を受信する同期受信部と、複数組の前記送 信符号セットの中から拡散処理を行うべき 記送受信符号セットを選択するための選択 御信号を出力する符号セット選択制御部と 前記選択制御信号に基づいて選択した前記 受信符号セットの前記第1および第2拡散符 により前記送信データに拡散処理を施し、 記同期制御信号に基づくタイミングにより 信系列として出力する拡散処理部と、前記 信系列により搬送波を変調する変調部と、 記変調部によって変調された搬送波を送信 る送信出力部とを有するものである。

 また、上記の近似同期CDMA送信装置におい て、前記同期制御信号から前記送信データの 各ビットごとの送信タイミングを示す信号を 作成するビット同期信号作成部を有すること が好ましい。

 また、上記の近似同期CDMA送信装置におい て、前記第1および第2拡散符号は、原符号の 定長さの末尾部分をガードチップとして先 に付加するとともに、前記原符号の所定長 の先頭部分をガードチップとして末尾に付 したものであることが好ましい。

 また、本発明の近似同期CDMA受信装置は、 2値送信データの情報ビット0に対応する第1拡 散符号、前記送信データの情報ビット1に対 する第2拡散符号および逆拡散符号からなる 受信符号セットを複数組備え、複数組の前 送受信符号セットは、同じ前記送受信符号 ットに属する前記第1拡散符号、前記第2拡 符号および前記逆拡散符号は、前記第1また 第2拡散符号と前記逆拡散符号の周期相関関 数が同期点において正または負のピーク値と なるとともに同期点の近傍の零相関領域にお ける同期点以外では0値となり、異なる前記 受信符号セット間の前記第1または第2拡散符 号と前記逆拡散符号の周期相関関数は同期点 を含む零相関領域で0値となるZCZ符号であり 前記送信データに前記第1および第2拡散符号 による拡散処理を施して送信し、受信したデ ータは前記逆拡散符号による逆拡散処理を施 して復調する近似同期CDMA通信方式を利用し 近似同期CDMA受信装置であって、受信波を検 する検波部と、同期制御信号を受信する同 受信部と、前記検波部の検波出力に対して 記逆拡散符号による逆拡散処理を施して前 送信データを復調する逆拡散処理部とを有 るものである。

 また、上記の近似同期CDMA受信装置におい て、前記検波部は、受信波の自乗検波を行う ものとすることができる。この場合、他局間 干渉の影響が現れるので、多重化しないで、 FDMA、CSMA、TDMAなどを用いて多元接続すること が望まれる。

 また、上記の近似同期CDMA受信装置におい て、前記検波部は、位相が互いに90度異なる2 つの参照波と受信波との混合出力をI成分お びQ成分として別々に出力する準同期検波と ることができる。

 また、上記の近似同期CDMA受信装置におい て、前記逆拡散処理部は、前記I成分と前記 拡散符号との相関出力と、前記Q成分と前記 拡散符号との相関出力とにより、前記送信 ータを判定するビット判定部を有するもの あることが好ましい。

 また、上記の近似同期CDMA受信装置におい て、前記同期制御信号から前記送信データの 各ビットごとの送信タイミングを示す信号を 作成するビット同期信号作成部を有すること が好ましい。

 本発明は、以上のように構成されている で、以下のような効果を奏する。

 ZCZ符号を使用した近似同期CDMA通信方式を 利用しているので、厳密な同期制御を行うこ となく、近似的な同期制御を行うことで、他 局間干渉やマルチパスによる干渉を完全に除 去、あるいは低減できることから、伝送効率 の高い通信システムが構築できる。また、送 信機だけでなく受信機でも同期制御信号を活 用することにより、同期点(系列の先頭)をほ 識別できるので、系列との相関を取るマッ ドフィルターの回路構成が、一般的な方法 比べ複雑とならない。さらに、フレーム信 の先頭を判別できるので、システムの構築 容易となる。それゆえ、複数の送信局によ 同時通信が可能であるので、リアルタイム に優れており、即座に受信し、高速応答で る。しかも、比較的低コストで実現可能な で、近距離無線通信にうまく適用できる。

 送信装置は複数の送受信符号セットを持 、それらを選択することによって、単独の 号セットによる基本的な通信や、複数の符 セットによる複数ビット同時送信などを自 に切り換えることができ、多様な通信シス ムに対応可能である。受信装置は、全ての 信局からの送信データを同時に復調するこ ができる。

 受信波を自乗検波あるいは包絡線検波に って検波するものでは、各々の送信装置の 送波周波数が完全に一致しなくても、簡単 受信装置で復調できる。ただし、多重数が えるたびに他局間干渉の影響を受け、情報 りが増加する。この受信装置は、単一通信 基本とした広帯域無線(UWB)や光領域でのOOK 調の通信に適用できる。

 IQ分離検波による受信装置では、送信局 数が最大値まで完全に他局間干渉を除去で る。これにより、低コストで信頼性が高く 伝送効率も高い通信が可能となる。ただし 受信信号の搬送波周波数(あるいは中間周波 )が受信機側と異なると情報誤りが増加する ので、搬送波周波数同期制御を必要とする場 合がある。

 送信データの各ビットごとの送信タイミ グを示す信号を作成するビット同期信号作 部を有するものでは、送受信装置の近似同 制御を効率的に実現することができる。送 装置では、ビット同期信号によって容易に 信タイミングを制御できる。受信装置では ビット同期信号を相関処理の基準タイミン として利用することにより、情報フレーム 同期点を検出する処理を軽減することがで 、全て送信データの同時復調の処理が容易 なる。

従来のCDMA通信方式の全体構成を示す概 略図である。 CDMA通信方式での同期方式を示す図であ る。 CDMA通信方式での非同期方式を示す図で ある。 CDMA通信方式での相関特性を示す図であ る。 CDMA通信方式でのZCZ符号における相関関 数を示す図である。 本発明におけるCDMA通信方式の全体構成 を示す概略図である。 ZCZ符号を使用した近似同期方式を示す である。 情報フレーム中のガードビットを示す である。 ZCZ符号における符号a 1 と拡張符号B 1 の相関特性を示す図である。 ZCZ符号における符号a 1 と拡張符号^B 1 の相関特性を示す図である。 希望局の信号の受信強度が他局よりも 小さい場合の通信システムを示す図である。 本発明の送受信装置を使用した通信シ ステムを示す概略図である。 同期制御信号と送信データの送信タイ ミングの関係を示す図である。 本発明の送信装置4の構成を示すブロ ク図である。 受信装置5の構成を示すブロック図で る。 他の形態の受信装置6の構成を示すブ ック図である。

符号の説明

 1 送信部
 2 受信部
 3 空間伝送路
 4 送信装置
 5,6 受信装置
 7 同期制御信号送信装置
 10 ZCZ符号を用いたCDMA通信システム
 20 受信強度に違いがある場合の通信システ ム
 41 送信データ作成部
 42 符号セット選択制御部
 43 拡散処理部
 44 変調部
 45 送信出力部
 46 同期受信部
 47 ビット同期信号作成部
 51 自乗検波部
 52 相関処理部
 53 ビット同期信号作成部
 61 局部発振器
 62 移相器
 63,64 混合器
 65 相関処理部
 66 ビット同期信号作成部
 67 ビット判定部

 図1は、従来の一般的なCDMA通信方式の全 構成を示す概略図である。なお、図1では簡 化のために送信側を1つだけ示しているが、 実際には複数の送信局が多元接続を行うもの である。この方式は、送信側でユーザ毎に割 り当てられた拡散符号を用いて情報信号に拡 散処理を行い、拡散処理後の情報フレームに より搬送波を変調する。搬送波はUHF帯(300MHz~3 GHz)などの電波が使用され、変調はPSK(Phase Shi ft Keying)が利用される。受信側では、受信波 参照搬送波とにより検波を行い、その検波 力に送信側と対応する逆拡散符号を用いて 拡散処理(相関処理)を行うことにより情報 号を復調する。逆拡散符号は、通常、送信 が使用した拡散符号と同じ符号が用いられ 。

 CDMA通信方式は、スペクトル拡散技術を応 用した通信方式であり、ユーザごとに異なる 拡散符号を使用することにより、多元接続が 可能となる。次に、CDMA通信方式の特徴を述 る。

 送信側での拡散変調より、情報信号は広 周波数帯域に分散した電力密度の小さい電 信号となり伝送路に送られるので、他の狭 域通信に対して妨害を与えにくい。伝送路 は、目的の電波信号に他局からの信号や局 的な雑音(有色雑音)が加わるが、受信側で 逆拡散により、希望信号に対しては拡散符 長に相当する処理利得を得ることができ、 色雑音に対しては白色雑音化されるため情 信号の復調が容易に行える。すなわち、TDMA( 時分割多元接続)などの他の多元接続方式に べて有色雑音に対する耐性が強い。

 また、ユーザ数の増加に対して通信情報 誤り率が緩やかに増大するため、回線数の 限が緩やかである。さらに、拡散符号が分 らなければ復調できない、あるいは、周波 に対する電力密度が小さいことよりどの周 数帯が使用されているのか分かりにくいの 、秘匿性・秘話性に優れている。

 CDMA通信方式での同期制御は、同期方式と 非同期方式に大別できる。同期方式は、図2 示すように、各局の情報フレームの先頭チ プを同じタイミングで受信する方式である この方式では、同期点での相関値が自己相 はピークをとり、相互相関は0値となるよう 符号が用いられるため高い処理利得を得る とができる。しかし、この同期方式は、1つ の送信局(例えば、基地局)から複数の受信局 一斉に送信する場合は使用可能であるが、 の逆方向の通信に対しては使用が難しい。 ぜならば、各送信局からの情報フレームの 頭チップが受信局に同時に到達するように 期制御を行うことは困難であるからである

 上記のような厳密な同期制御が困難な場 には非同期方式が用いられる。非同期方式 、図3に示すように、同期制御を特に行わず 各送信局からの情報フレームの先頭チップが ばらばらに受信される方式である。複数局か らの信号到達時が不定であるため、拡散符号 にも制限を受け、多重数(回線数)が減少した 、他局間干渉が増大するという問題点があ 。また、他局間干渉を減少させるためには 基地局での受信強度をほぼ一定にするため 、基地局への距離に応じて送信電力を調整 る電力制御を行う必要が出てくる。

 本発明は、厳密な同期制御を行う必要も く、上記のような非同期方式における種々 問題点も解決することのできる、近似同期 式を適用したCDMA通信方式を利用したもので ある。近似同期方式は、各送信局からの情報 フレームの先頭チップが所定の時間幅領域に 収まるように受信できれば、上記の同期方式 と同様の利点を得ることができるものである 。

 本発明におけるCDMA通信方式は、拡散符号 および逆拡散符号としてZCZ(Zero Correlation Zone :零相関領域)符号を利用することにより、他 間干渉の無い近似同期CDMA方式を実現したも のである。すなわち、他局間干渉の除去によ り高い伝送効率を実現することができる。ま ず、ZCZ符号の定義を示す。ZCZ符号は、数値1,0 の並びからなる2値系列の第1符号(拡散符号) 数値1,-1からなる2相系列の第2符号(逆拡散符 )の符号対の集合からなる新しい符号である 。

 第1符号および第2符号の相関関数とは、 1符号と第2符号の対応する成分同士(同期点 フトに相当するインデックスずれも考慮す )の積をすべて加算したものである。第1符号 と第2符号をベクトルと考えれば、第1符号と 2符号の内積である。ここでは、互いに対を なす第1符号および第2符号の相関関数を便宜 に自己相関関数と呼び、対をなさない第1符 号および第2符号の相関関数を相互相関関数 呼ぶ。ZCZ符号においては、自己相関関数が 同期点でピーク値をとり、その両側の所定 の領域で0値をとる。その所定幅の領域を零 関領域と言う。相互相関関数は、同期点と の両側の零相関領域で0値をとる。

 送信側から送られた情報フレームの先頭 ップが同期点シフト分だけずれるので、受 側における逆拡散処理(相関処理)の出力(相 出力)は、拡散符号の成分を同期点シフト分 だけシフトさせて逆拡散符号と内積を求める ことで得られる。理想的な相関出力の特性は 図4のようになる。希望局との相関出力(自己 関)は、同期点(同期点シフト0)で大きなピー ク値をとり、その他ではピーク値に比べて十 分小さい値をとる。一方、他局との相関出力 (相互相関)は、同期点を含めた全ての同期点 フトで十分小さい値をとる。このような相 出力特性により、他局間干渉やマルチパス の影響を除去することができ、情報を正確 復調できる。

 相関の定式について以下に記載する。長さN の符号xをx=(x 0 ,…,x i ,…,x N-1 )と表す。ただし、符号xの各要素x i は数値である。符号yも同様であるとする。 関関数R xy (τ)は、2つの符号x,yを同期点シフトに対応す 要素数τだけシフトさせた内積である。符 を周期的なものとするか否かで、相関関数 周期相関関数と非周期相関関数とが考えら る。これらの相関関数において、一般的に 、x=yの場合を自己相関関数、x≠yの場合を相 互相関関数とする。そして自己相関関数は同 じ符号の内積で表せるので、同期点τ=0で最 値を得る。また、相互相関関数が大きな値 ならないように符号の集合が選択される。

 ZCZ符号の定義を以下に説明する。長さNの符 号からなる系列対(a j ,b j )のM個の集合を式(1)とする。ただし、符号a j は数値1,-1のN個の並びからなる2相系列、符号 b j は数値1,0のN個の並びからなる2値系列とする ここで、符号a j と符号b j の周期相関関数を式(2)と定義する。ただし、 式(2)において、(n mod N)は整数nをNで割った り(剰余)を表す。

 この時、周期相関関数が、式(3)を満たすな ば、集合Sを零相関領域Zczを有するZCZ符号と 呼び、S(N,M,Zcz,ω)と表す。ただし、|ω|は系列b j の要素1の数に等しく、|ω|<Nである。

 また、本発明においては、式(2)、式(3)の相 関数を、同じ系列対すなわちj=kの場合を自 相関関数と定義し、異なる系列対すなわちj ≠kの場合を相互相関関数と定義する。式(3) 図に表すと図5のようになる。零相関領域は1 ≦|τ|≦Zczの領域で示される。自己相関関数 、同期点τ=0で最大値となり、零相関領域で0 となる。相互相関関数は同期点および零相関 領域で0となる。

 ZCZ符号の具体的な構成法は数多く存在す が、その中でも系列数の点で有利なものと て、次の2種類の構成法が考えられている。 第1の構成法は、M系列またはルジャンドル系 と平衡アダマール系列とを複合させてZCZ符 を構成するものである。第2の構成法は、ア ダマール行列(例えば、シルベスター型アダ ール行列)を利用してZCZ符号を構成するもの ある。

 ここで、ZCZ符号の系列数の上界を説明する 系列数M,系列長N,零相関領域ZczのZCZ符号S(N,M, Zcz,ω)においては、符号の直交性から、系列 Mの上界が次式(3.1)で表されることが分かる
  M≦N/(Zcz+1)       ・・・(3.1)
 また、前述の第1の構成法または第2の構成 によって作成したZCZ符号Sに関しては、系列 Mの上界が式(3.1)よりも高々1個、あるいは2 少ない値であり、数学的な上界にほぼ到達 ていることが分かる。

 第1の構成法から構成したZCZ符号は、零相 関領域Zczが、Zcz=2,6,10,…と複数種類の領域幅 可能である。ここで、式(3.1)から、零相関 域Zczの大きなZCZ符号は系列数Mが減少するこ が分かる。すなわち、この構成法で与えら るZCZ符号は、零相関領域Zczが2の場合に最も 系列数が多くなる。第2の構成法から構成し ZCZ符号は、零相関領域Zcz=1となる。したがっ て、第2の構成法によるZCZ符号では、第1の構 法のZCZ符号よりも系列数Mを多くできる。ま た、実際のシステム構築を考慮するとZcz=1ま は2が適していると考えられる。

 次に、他局間干渉の除去の原理を説明する 上記のZCZ符号において、2値系列b j を拡散符号として送信系列を送ることを考え る。また、それに対応する2相系列a j を逆拡散符号として相関処理を行い復調を行 うものとする。図6は、本発明のZCZ符号を用 たCDMA通信システムの全体構成を示す概略図 ある。

 CDMA通信システム10は、送信部1と受信部2 空間伝送路3とからなる。送信部1では、数値 0,1からなる情報信号に対して2値系列の拡散 号による拡散処理を施して送信系列とし、 らにその送信系列により搬送波を変調して 間伝送路3に送信する。搬送波の変調方式は ASK(振幅)が適しているが、他の変調方式(FSK( 周波数)、PSK(位相)など)が使用できる場合に 、それを使用してもよい。なお、ここでは 変調方式のASKは、主に光領域で用いられるOO K(ON-OFF Keying)を含むものとする。

 受信部2では、受信電波と参照搬送波とに より検波を行い、受信信号の検波出力に対し て2相系列の逆拡散符号による相関処理を行 て情報信号を復調する。なお、ここでは受 部2が参照搬送波を使用した同期検波(コヒー レント検波)を行うように説明したが、必ず も同期検波による必要はない。送信部1がASK 調によって変調送信している場合は、受信 2は包絡線検波等の非同期検波(ノンコヒー ント検波)によって検波することができる。 の場合には参照搬送波は不要である。ただ 、非同期検波の場合、多重化(CDMA)すると他 間干渉の影響が現れるので、FDMA、CSMA、TDMA どを用いて多ユーザが通信できるようにす ことが望まれる。

 図7は、CDMA通信方式において、ZCZ符号を 用した近似同期方式を示す図である。図7に いて、零相関領域Zczが同期点の前後両側に 置され、この零相関領域Zczが許容時間に相 している。複数の送信局からの信号A,B,Cに 、それぞれハッチングで示したガードチッ 区間が配置されている。図7に示すように、 ての送信信号が零相関領域(許容時間)の区 内で受信できるように同期制御ができるの あれば、すなわち、各送信局からの信号A,B,C の情報フレームの先頭チップが許容時間内に 受信されるならば、他局間干渉を完全に除去 できることになる。

 図8は、情報フレームにおけるガードチップ の配置を示す図である。図8に示すように、 ーザjに割り当てられた長さNの拡散符号b j の前後に、零相関領域Zczに対応するチップ数 のガードチップを配置して、長さL=N+2Zczの拡 拡散符号B j とする。すなわち、原符号b j の末尾のZczチップ分の部分を原符号の先頭部 の前に配置し、原符号b j の先頭のZczチップ分の部分を原符号の末尾部 の後に配置する。拡張拡散符号B j は次の式(4)で表される。

 このように拡張した拡張拡散符号B j では循環性を持つため、同期点がシフトして も式(2)で示した周期相関関数が正常に計算で きる。

 実際には、情報信号の各情報ビット1,0の2値 情報に対応した拡散符号b j と^b j とを与えることができる。ここで、本明細書 の本文中では、上部に記号^が付された符号 を、その符号名の前に記号^を付することに り代替表示している。一つの構成法では、 号^b j は符号b j の反転を表している。拡散符号^b j は、逆拡散符号a j との相関関数が同期点τ=0において負のピー 値を持つものである。符号a j と符号^b j の組は、ZCZ符号^S(N,M,Zcz,-ω)を構成する。

 送信部1では、2値情報(1,0)の一方(例えば、1) に対して、符号b j に基づく拡張符号B j を送信し、他方(例えば、0)に対して、符号^b j に基づく拡張符号^B j を送信する。受信部2では、受信信号の検波 力に対して、各送信局に割り当てられた拡 符号b j に対応する逆拡散符号a j による相関処理により情報信号を復調する。 このとき、零相関領域Zczの大きさは同期点の ばらつきを吸収可能であるように設定されて いるので、理論上は他局間干渉を完全に除去 できる。

 ZCZ符号の構成をもって干渉無く情報を復 できる方式を以下に説明する。長さN1=3のM 列(平方剰余系列)の符号mをm=(-++)とする。ま 、長さN2=8のM系列型アダマール符号(M系列を 1つずつシストして構成した符号)Hを式(5)とす る。ここで、全ての要素が1の行は除かれて る。なお、符号m,Hの要素+,-は要素1,-1を省略 て表したものである。

 第1の構成法により長さN1・N2=24、系列数M=N2- 1=7のZCZ符号S(24,7,2,8)が構成できる。これは式( 6)で表される。

 図9に符号a 1 と符号B 1 の相関特性を示し、図10に符号a 1 と符号^B 1 の相関特性を示す。符号B 1 、符号^B 1 は、後述の式(7)で示される。ここで、図9と 10では、相関関数の同期点τ=0におけるピー 値が正負逆方向に現れていることが分かる

 したがって、情報1を符号B 1 で送り、情報0を符号^B 1 で送れば、情報を確実に識別できる。ここで 、零相関領域Zcz=2の区間において、同期点が フトしたときに零相関領域の利点を保つた には、周期相関関数が式(2)として計算でき ければならない。そのために、以下のガー チップを付加した長さL=N+2Zcz=28の符号B 1 、符号^B 1 を式(7)のように拡張して構成する。

 拡張された符号B 1 ,^B 1 と符号a 1 との自己相関関数の値は、同期点τ=0におい はピーク値±ωとなり、同期点以外の零相関 域では自己相関関数および相互相関関数の ずれも0となるので他局間干渉やマルチパス 干渉を除去して情報を復調できる。

 すなわち、送信側は2値情報(1,0)を送るため 、それらに対応して異なった2値系列(符号B 1 ,^B 1 )を選択して送信し、受信側では同じ2相系列( 符号a 1 )との相関を計算してピーク値が正または負 なることより情報を復調できる。

 各送信局では2値情報の各ビットの1と0に対 させて、自局に割り当てられた2値系列(拡 拡散符号B 1 ,^B 1 )のどちらかを選択し、情報フレームの先頭 同期点にほぼ一致して受信されるように近 的な同期制御をして情報フレームを送信す 。受信局では情報を復調したい希望局に対 する2相系列(逆拡散符号a 1 )を用いて受信信号との相関処理を行い、正 たは負のピーク値によって2値情報を復調す 。

 図11は、受信強度に違いがある場合の通 システム20を示す図である。希望局(送信機A) の信号が他局(送信機B)の信号よりも小さい場 合は、一般的には希望局の信号を誤り無く復 調するのは困難である。このため従来のCDMA 信方式では、受信局での受信強度が同程度 なるように送信局側の送信電力を調整する 力制御が行われていた。本発明の場合は、 11に示すように、希望局(送信機A)の信号が他 局(送信機B)の信号よりも小さくても、問題な く希望局の信号を復調できる。

 これは、同期許容範囲(零相関領域)では 他局からの干渉信号を完全に除去できるの 、他局からの信号の受信強度が大きくても 題が生じないためである。これにより、本 明では電力制御を行わずに通信距離の遠近 題を解決することができる。このため、通 システムのトータルコストを低減させると もに、信頼性の高い通信を行うことができ 。

 前述のように、ZCZ符号の系列数に対する 学的上界を示し、ZCZ符号の具体的な2つの構 成法を示した。これらのZCZ符号は、系列数が 数学的上界にほぼ到達しており、伝送効率の 高いシステムが構築可能である。また、それ ぞれのZCZ符号は異なる性質を有するので、そ れぞれの特徴を生かしたシステムへの適用が 考えられる。

 例えば、第1の構成法によるZCZ符号は零相 関領域の幅を選択することができるので、シ ステムの同期許容時間に相当する零相関領域 を有する符号を用いることで信頼性の高いシ ステムを構築することができる。第2の構成 によるZCZ符号は系列長の半分のピーク値を り、系列数も系列長の約半分と多いため、 送効率の高いシステムが構築可能である。 た、零相関領域はZcz=1と固定であるが、伝送 速度(チップ幅)を変えることで同期許容時間 変更することもできる。このように、多様 システムが考えられる。

 以上のように、ZCZ符号を使用することに り、零相関領域での相互相関値が0となる符 号の集合が構築できる。これらの符号を利用 した通信システムでは、厳密な同期制御を行 うことなく、近似的な同期制御を行うだけで 、他局間干渉やマルチパスによる干渉を完全 に除去できる。このため、本発明によれば、 低コストで信頼性が高く、伝送効率も高い通 信システムが構築でき、近距離無線通信にも 有効に適用できる。

 その他にも次のような利点がある。同期 号を全ての送信側に送信すれば、複数の送 局がその同期信号に基づいて送信開始する とにより近似同期制御できるので、近似同 制御に対するハードウエアのコストは非同 の場合とほとんど変わらず、低コストで実 可能である。最も情報誤りの要因となる他 間干渉は原理的には完全除去できるので、 送効率が飛躍的に向上する。受信強度によ ず干渉除去できるので、原理的には送信側 レベルを電力制御する必要がない。送信側 複数の拡散符号を用いることより、情報伝 速度を可変できるような通信システムが容 に構築できる。送信側では2値情報に対して 送信系列のうちの1つを同期信号に合わせてAS K送信し、受信側では受信信号のレベルを検 (ノンコヒーレント検波)し、受信系列との相 関より正か負のピーク値を検出して情報復調 できるので、送受信のための回路が簡単であ る。

 次に、以上のような近似同期CDMA通信方式 を利用した本発明の送信装置、受信装置およ び送受信装置の構成について図面を参照して 説明する。図12は、本発明の送受信装置を使 した通信システムを示す概略図である。通 領域内には同期制御信号送信装置7が少なく とも1つ存在し、一定時間間隔で同期制御信 を発信している。複数の送信装置4,4,…と受 装置6は、その同期制御信号を受信して近似 同期制御に利用するのである。送信側は複数 の送信局が同時に送信可能である。図12ではM 個の送信装置4(送信1,送信2,…,送信j,…,送信M) が示されている。

 M個の送信局は、各送信局に割り当てられた 互いに異なる送受信符号セットを持っている 。例えば、送信jは、情報(1,0)を送るための拡 散処理用の符号B j ,^B j と、逆拡散処理用の符号a j の送受信符号セットを持っている。この送受 信符号セットはZCZ符号を構成するものであり 、近似同期制御によって他局間干渉すること なくCDMA通信を行うことが可能である。これ より、送信1,…,送信Mと受信装置6とは他局間 干渉を排除して同時に通信することができる 。受信装置6は、受信を希望する任意の送信 (送信j)を選択的に受信することができ、ま 、送信1,…,送信Mの全ての送信情報を互いに 渉することなく同時に受信することもでき 。

 図13は、同期制御信号と送信データの送 タイミングの関係を示す図である。送信デ タは各ビットが拡散処理された情報フレー の集合として送信される。すなわち、送信 ータは所定ビット数、所定フォーマットの 信データ群(フレーム)に構成されている。図 示のように、同期制御信号は、送信データ群 と重ならないように、専用の同期時間領域Ts で送信することが好ましい。

 また、この場合、同期制御信号は1つの情 報フレーム(送信データ1ビット)と同じ時間幅 を持っているが、同期制御信号の両側にそれ ぞれ情報フレーム1つ分の空白時間を設ける とが好ましい。すなわち、同期時間領域Tsは 情報フレーム3個分の時間幅を持っており、 の同期時間領域Tsでは送信データを送信しな いようにする。このようにすることで、同期 点の検出を正確に誤りなく行うことができる 。

 同期制御信号には、自己相関性の鋭い符 が適用され、変調された同期制御信号が同 制御信号送信装置7から送信される。同期制 御信号は、非周期自己相関特性の鋭い系列や それを繰り返した系列、あるいは、周期自己 相関関数の鋭い系列を繰り返した系列を送信 する。同期制御信号として非周期自己相関性 の鋭いZCZ符号を使用すれば、ハードウエアコ ストを低減することができる。それは、ZCZ符 号を同期信号として使用すると、送信装置は 同期制御信号発生器と兼用でき、また、復調 装置で同期制御受信を行なえるからである。

 このように、同期制御信号は、ZCZ符号や 己相関性の鋭い符号を使用することが好ま いが、それ以外のものも使用できる。また 同期制御信号は、送信データの搬送波とは なる周波数領域を使用することもできる。 らに、同期制御信号の前あるいは後に搬送 のみを一定時間送出するようにすることも きる。その場合、各送信装置、受信装置は その搬送波信号を利用して搬送波周波数が 化しないように発振回路の周波数を修正す ことができる。

 図14は、本発明の送信装置4の構成を示すブ ック図である。送信装置4は、前述のように 、近似同期CDMA通信方式により送信データを 信するものであり、他の送信装置と重複し いように割り当てられた送受信符号セット 記憶している。なお、送信のみの利用であ ば、拡散処理用の符号(B j ,^B j )のみを記憶し、逆拡散処理用の符号(a j )はなくてもよい。

 送信装置4は、使用可能なM個の送受信符 セットの全部または一部を記憶しておき、 の中から通信時に使用する送受信符号セッ を選択する。送受信符号セットの割り当て 、予め固定的に割り当てておいてもよく、 たは、通信時に基地局や同期局などからの 御信号によって動的に割り当てるようにし もよい。通信時に使用する送受信符号セッ は1つだけとは限らず、複数の送受信符号セ トを使用することもできる。複数の送受信 号セットを使用すれば、同時に複数ビット 送信データを送ることができる。

 例えば、8個の送受信符号セットを用意す れば、その内のどの送受信符号セットを送信 するかで8種類(=3ビット)の情報を送信するこ ができる。この送信形態はM-ary方式と呼ば ている。また、複数の送受信符号セットを 時に使用して送信することにより、組み合 せの数に相当する種類の互いに区別可能な 報を送信することができる。このように、 数の送受信符号セットを使用して、同時に 数ビットの送信データを送ることができる

 送信データは送信データ作成部41で所定 ット数、所定フォーマットの送信データ群( レーム)に構成されて拡散処理部43に送られ 。符号セット選択制御部42は、拡散処理に 用する符号セットを拡散処理部43に指示し、 また、符号の使用形態(M-ary、組み合わせ等) 指定する。拡散処理部43には使用可能な複数 の送受信符号セットが記憶されている。拡散 処理部43は、符号セット選択制御部42からの 御信号により、使用する送受信符号セット 使用形態を決定し、送信データの各ビット 拡散処理を施して情報フレームを作成し、 調部44に出力する。

 一方、同期制御信号送信装置7から送信さ れた同期制御信号は、同期受信部46によって 信される。同期制御信号は、ZCZ符号や自己 関性の鋭いその他の符号として送信される 同期受信部46においては、受信信号と所定 号(同期制御信号用逆拡散符号)との相関処理 によって同期制御信号の同期点を検出する。 そして、同期受信部46はその同期点を示す信 をビット同期信号作成部47に出力する。

 ビット同期信号作成部47では、その同期 を示す信号と内蔵クロックとによりビット 期信号を作成する。ビット同期信号は、送 データの各ビットに対応する情報フレーム 先頭チップの出力タイミングを示す信号で る。また、ビット同期信号は同期時間領域Ts (図13参照)では出力しないように制御されて り、同期時間領域Ts以外の時間領域で出力さ れる。拡散処理部43は、ビット同期信号に従 て情報フレームを変調部44に出力する。変 部44では搬送波が情報フレームの系列によっ てASK変調され、その変調波はさらに送信出力 部45を介して伝送空間(伝送路)に送信される

 なお、図14では、送信出力部45と同期受信 部46のそれぞれにアンテナが設けられている 、1つのアンテナを送信出力部45および同期 信部46で共用することができる。

 図15は、本発明の受信装置5の構成を示す ロック図である。この受信装置5は、受信波 を自乗検波(包絡線検波)によって検波するも であり、装置の構成が簡単化されるため低 ストで製造できる。この受信装置5は、光領 域でのOOK変調の通信にも適用できる。自乗検 波部51では受信信号の自乗検波を行い、検波 号はさらにローパスフィルタを介して低域 分が相関処理部52に送られる。

 相関処理部52は、受信信号と所定符号(同期 御信号用の逆拡散符号)との相関処理によっ て同期制御信号の同期点を検出する。そして 、相関処理部52はその同期点を示す信号をビ ト同期信号作成部53に出力する。ビット同 信号作成部53では、その同期点を示す信号と 内蔵クロックとによりビット同期信号を作成 する。ビット同期信号は相関処理部52に送ら る。また、相関処理部52は、受信信号とデ タ復調用の逆拡散符号との相関処理を行い 送信データの復調を行う。相関処理部52には 、M個の送受信符号セットの逆拡散符号(a 1 ,…,a M )が記憶されている。

 送信データの復調は、複数の送信局に対 する複数の逆拡散符号に対する相関処理を 時に行うことができ、全ての送信局からの 信データを同時に復調することができる。 た、ビット同期信号を相関処理の基準タイ ングとして利用することにより、情報フレ ムの同期点を検出する処理を軽減すること でき、全ての送信データの同時復調の処理 容易となる。

 実際には、受信信号は、中間周波数に変 され、それらをデジタル化して、絶対値(ま たは二乗値)を取り、受信符号との相関処理 り情報復調する。この相関処理部52は、マッ チドフィルターを使用して、全ZCZ系列と相関 処理可能とすることができ、回路素子も少な くすることができる。

 一般に、非同期CDMA方式では、自乗検波に よる復調方式を使用すると他局間干渉が増大 して多重化できないが、本発明の場合、ZCZ符 号を使用しているので、他局間干渉を完全に 除去するには至らずとも低く抑えることが可 能となる。ただし、自乗検波による復調方式 を使用した場合、CDMAによる多元接続通信の 途には他局間干渉が現れるので不向きであ 。それでも、単一通信の用途においては、 局のマルチパスによる影響を低減すること 可能である。

 また一般に、各送信信号の搬送波を完全 一致させることは困難であり、さらに送信 や受信局の移動によるドプラー効果から搬 波周波数が変化してしまう。そのため、搬 波の差を補正する必要があり回路が複雑と る。FDMA、TDMAあるいはCSMAによる多元接続方 を使用する場合、本発明の自乗検波による 信装置5は、そのような不具合が生じること はなく、低コストで提供できる。

 図16は、本発明の他の形態の受信装置6の 成を示すブロック図である。この受信装置6 は、受信波を位相が互いに90度異なる2つの参 照波によって検波するものであり、自乗検波 による受信装置よりも復調データの誤り率を 低減させることができる。ここでは、この検 波方式をIQ分離検波と呼ぶことにする。IQ分 検波の検波部は、局部発振器61、移相器62、 合器63,64によって構成されている。

 局部発振器61からは、通信に使用される 送波と同一周波数の参照波が発生される。 方の混合器63では、受信波と参照波がそのま ま混合され、ローパスフィルタを介してその 低域成分が相関処理部65に送られる。混合器6 3から相関処理部65への入力信号をI成分とす 。他方の混合器64では、移相器62によって位 を90度変化させた参照波と受信波とが混合 れ、ローパスフィルタを介してその低域成 が相関処理部65に送られる。混合器64から相 処理部65への入力信号をQ成分とする。

 送信局jが拡散処理用の符号(B j ,^B j )を使用するとして、逆拡散処理用の符号a j とI成分との相関処理結果をIjとし、符号a j とQ成分との相関処理結果をQjとする。送信デ ータ群の最初からk番目(k=0,1,2,…)の1ビットの データをd(k)とし、データd(k)に対する相関処 結果をIj(k),Qj(k)とする。ここで、先頭ビッ のデータ:d(0)=0と仮定すると、次の式(8)が成 立つ。

 (-1) d(k) ={Ij(k)+Qj(k)}/{Ij(0)+Qj(0)} ・・・(8)
 すなわち、先頭ビットのデータを0に固定す れば、この式(8)によってデータd(k)を復調す ことができる。式(8)は、右辺の値が1または- 1となることを示しており、さらに、右辺の が1であればd(k)=0となり、右辺の値が-1であ ばd(k)=1となることを表している。同様に、 頭ビットのデータを1に固定してもデータd(k) を復調することができるが、その場合はd(k) 値が逆になる。

 なお、実際には、式(8)のようなIQ成分の和 けでなく、次の式(9)のようにIQ成分の差も計 算し、和と差の各々の絶対値が大きい方の式 を適用することにより、雑音の影響を小さく 抑えることができる。
 (-1) d(k) ={Ij(k)-Qj(k)}/{Ij(0)-Qj(0)} ・・・(9)

 相関処理部65では、I成分およびQ成分と符号 a j との相関処理が行われ、その結果をビット判 定部67に送る。相関処理部65には、M個の送受 符号セットの逆拡散符号(a 1 ,…,a M )が記憶されている。ビット判定部67では式(8) などによりデータd(k)を復調する。

 また、相関処理部65は、受信信号(I成分お よびQ成分)と所定符号(同期制御信号用の逆拡 散符号)との相関処理によって同期制御信号 同期点を検出する。そして、相関処理部65は その同期点を示す信号をビット同期信号作成 部66に出力する。ビット同期信号作成部66で 、その同期点を示す信号と内蔵クロックと よりビット同期信号を作成する。ビット同 信号は相関処理部65およびビット判定部67に られる。相関処理部65はビット同期信号を 準として相関処理を行い、ビット判定部67は ビット同期信号に基づいて式(8)などにより各 ビットデータd(k)を復調する。

 送信データの復調は、複数の送信局に対 する複数の逆拡散符号に対する相関処理を 時に行うことができ、全ての送信局からの 信データを同時に復調することができる。 た、ビット同期信号を相関処理の基準タイ ングとして利用することにより、情報フレ ムの同期点を検出する処理を軽減すること でき、全ての送信データの同時復調の処理 容易となる。

 このIQ分離検波による受信装置6は、送信 の数が最大値Mまで完全に他局間干渉を除去 できるという特徴がある。なお、図16におい は、2つの混合器を設けているが、受信信号 のデジタル処理によってIQ分離検波を行う場 には、混合器(乗算器)は1つだけでよく、デ タル処理によってI成分、Q成分を演算する とが可能である。

 以上では、送信装置4、受信装置5および 信装置6について説明したが、双方向通信を う場合には、送信装置と受信装置の両者を み込んだ送受信装置として構成する。受信 置としては、用途や通信環境に応じて受信 置5または受信装置6の適切な方を選択する とができる。また、送受信装置の内部の送 装置と受信装置のアンテナは1つを共用する とができる。

 また、同期制御信号送信装置7としては専 用の装置でもよいが、送信装置4を流用する ともできる。同期制御信号送信装置7として 作する送信装置4では、同期受信部46を動作 せず、ビット同期信号作成部47の内蔵クロ クによって、図13に示すようなタイミングで 同期制御信号と送信データを送信すればよい 。複数の送信装置や送受信装置によって通信 する場合、そのいずれか1つを同期制御信号 信装置としても動作させることにより、低 ストで図12に示すような通信システムを実施 することができる。

 以上のように、本発明の送信装置、受信 置、送受信装置を使用することにより、低 ストでCDMA通信システムを構築することがで き、多元接続通信を利用することができる。 本発明では複数の送信局による同時通信が可 能でありリアルタイム性に優れている。送信 装置は複数の送受信符号セットを持ち、それ らを選択することによって、単独の符号セッ トによる基本的な通信や、複数の符号セット による複数ビット同時送信などを自由に切り 換えることができ、多様な通信システムに対 応可能である。

 特に、近距離無線通信分野において種々 応用形態が可能となる。例えば、種々の家 製品の遠隔操作機(リモコン)を1つに集約す ことが可能となる。家電製品ごとに異なる 受信符号セットを割り当てるようにすれば 意図しない家電製品の誤動作を防止するこ ができる。また、ビデオゲーム機などにお るコントローラの多種類の入出力信号をゲ ム機本体との間で送受信することも可能で る。ワイヤレスの多点センサや操作自由度 大幅に増加したコントローラが実現でき、 実感の優れたゲームが可能となる。ワイヤ スの多点センサはスポーツ分野や健康分野 も利用できる。

 その他、ICタグ、ICカード、電子名刺など への応用も可能である。また、電子回路中の 情報伝送は、従来はプリント基板等の配線に よってなされているが、回路の複雑化により 多層基板等の配線設計がますます困難になっ ている。このような電子回路中の情報伝送を 、本発明の送受信装置によって行うようにす れば、配線パターンの設計が容易になる。ま た、もちろんコンピュータや情報機器間のワ イヤレスLANやその他の無線情報伝送にも利用 できる。アクセスポイントとの間のインフラ ストラクチャー・モード通信や端末間のアド ホック・モード通信にも対応でき、自由度が 大きく応用範囲の広い通信が可能となる。

 なお、以上の送信装置、受信装置、送受 装置において、変調方式はASK,OOKとしている が、PSKやFSKなどの他の変調方式も利用できる 。

 本発明の送信装置、受信装置、送受信装 を使用することにより、低コストでCDMA通信 システムを構築することができ、多元接続通 信を利用することができる。特に、近距離無 線通信分野において種々の応用形態が可能と なる。