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Title:
AQUEOUS INK COMPOSITION FOR BALLPOINT PEN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096645
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an aqueous ink composition for a ballpoint pen, which comprises a dye, water, a water-soluble organic solvent, and ι-carrageenan. When used in a ballpoint pen, the ink composition satisfies a drooling property and desiccation resistance which are mutually contradictory properties and has excellent marking performance in spite of containing a dye as a coloring agent. For practical use, the ink composition (C) is charged into an ink-reservoir (18), a backflow-preventing material (20) is further charged over the ink composition (C) to form an ink cartridge (12), and the ink cartridge (12) is included in a ballpoint pen (10) which is adapted so that a pen tip can be retracted and extruded from the front opening of a tubular body (21).

Inventors:
ASAMI HIDEAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051345
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
January 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PILOT INK CO LTD (JP)
ASAMI HIDEAKI (JP)
International Classes:
C09D11/18; B43K7/12
Foreign References:
JP2003531267A2003-10-21
JP2002226759A2002-08-14
JPS5412924A1979-01-31
JPS5945372A1984-03-14
Other References:
See also references of EP 2123724A4
Attorney, Agent or Firm:
IIDA, Akio et al. (Marunouchi 2-chomeNaka-ku, Nagoya-shi, Aichi 02, JP)
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Claims:
染料と水と水溶性有機溶剤とに加えて、ι-カラギーナンを粘性特性調節剤の必須成分として含有するボールペン用水性インキ組成物。
前記インキ組成物が、粘度[円錐円盤形回転式粘度計(EL型;20℃)]:1以上20mPa・s未満において、下記実験式から求める剪断減粘指数(n;20℃):約0.4~0.9を示すものである請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  実験式 T=Kj n
  〔T:ずり応力(dyne/cm 2 )、K:定数、j:ずり速度(s -1 )、n:剪断減粘指数〕
前記ι-カラギーナンをインキ組成物全量中約0.05~1.0%含有する請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
さらに、ナフタレン系染料中間体を含有する請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
前記ナフタレン系染料中間体が、(A)下記構造式で示される(1)ナフタレンスルホン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基、及び、(B)下記構造式(2)ナフタレンカルボン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むものから1種又は2種以上選択されるものである請求項4記載のボールペン用水性インキ組成物。
  (1)
 (式中、m:1~3の整数、R 1 、R 2 :H、OH又はNH 2 )
  (2)
 (式中、m:1~4の整数、R 3 、R 4 :H、OH又はNH 2 )
 但し、N一置換体(NHR´)のR´:アルキル(炭素数1~9)、アルキルアシル(炭素数1~9)、ベンゾイル、又はベンゼンスルホニル。
前記ナフタレン系染料中間体が、前記構造式(1)で示されるナフタレンスルホン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むものから1種又は2種以上選択されものである請求項5記載のボールペン用水性インキ組成物。
前記ナフタレンスルホン酸類が、アミノナフトールスルホン酸類である請求項6記載のボールペン用水性インキ組成物。
前記アミノナフトールスルホン酸類が、下記構造式(3)で示されるN-アシルJ酸類(アシル炭素数:2~4)の酸残基を含むものから選択される請求項7記載のボールペン用水性インキ組成物。
前記ナフタレン系中間体をインキ組成物全量中約0.1~5%含有する請求4記載のボールペン用水性インキ組成物。
請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物が充填されてなるボールペン用替え芯。
請求項10記載のボールペン用替え芯の筆記先端部が、ボールペン軸筒の前端開口部から出没可能に組み付けられていることを特徴とする出没式ボールペン。

                                                                        
Description:
ボールペン用水性インキ組成物

 本発明は、ボールペン用水性インキ組成 、並びに、それらを収納したボールペン用 え芯(refill)及び出没式ボールペンに関する 本発明のボールペン用水性インキ組成物は 特に、ペン先を外気に長期間晒しても、ペ 先の乾燥に起因するカスレや筆記不能の発 を抑えるような耐ドライアップ性(耐乾燥性) とともに、垂れ下がり防止性能に優れている 。

 なお、本明細書及び特許請求の範囲にお る、「%」等の配合単位は、特に断らない限 り質量単位である。

 また、「酸残基(acid residue)」とは、ナフ レンスルホン酸類やナフタレンカルボン酸 において、スルホン酸基やカルボン酸基の 素(H)や水酸基(OH)を除いた残りの部分をいう 。

 ボールペン用水性インキを収容管に充填 、該インキの充填部後端にインキ逆流防止 を備えたボールペンレフィルを軸筒に収容 たキャップを要しない出没式ボールペンが 数市場に出回っている。出没式ボールペン おいては、収容されるインキが比較的高い 度であればペン先からのインキの垂れ下が をある程度防止できるものの、低粘度のイ キを用いると垂れ下がりを生じ易くなる。

 また、ボールペン用水性インキはペン先 露出した状態における耐乾燥性が重要であ 、ペン先乾燥防止剤として尿素やその誘導 の増量等が試みられてきた(例えば、特許文 献1参照)。

 しかし、尿素やその誘導体は吸水性能の さが耐乾燥性を発現させるため、これらを 剰に添加したインキは高湿度条件下で放置 た際、ペン先で局部的に水分を吸収するこ になる。そのため、水分吸収によりペン先 分のインキ粘度が低下し、インキがペン先 分に溜まる「垂れ下がり」、或いは溜まっ インキが落下する「ボタ落ち」現象が発生 易くなる。特に、着色剤のうち顔料は粒子 態でインキ中に分散されるため垂れ下がり ボタ落ちが生じ難いのに対して、染料を用 た場合、特に低粘度インキにおいては垂れ がりやボタ落ちを抑制し難いという問題が る。

 前述のように、インキ組成物の耐ドライア プ性を向上させる手段は存在するものの、 れ下がりやボタ落ちといった他の筆記性能 十分に満足させるものではなく、特に、出 式ボールペンに使用する場合、耐ドライア プ性能を有すると共に、垂れ下がりやボタ ちを生じないことは重要な要件となる。

特開昭59-45372号公報

 本発明は、ボールペンに適用した場合、 色剤として染料が含まれていても、垂れ下 りと耐乾燥性(耐ドライアップ性)の相反す 機能を満足させることができる水性インキ 成物を提供することを目的(課題)とする。す なわち、本発明のインキ組成物は、ボールペ ンに適用した場合、初期は勿論、長期間不使 用後の書き出しも良好であると共に、筆跡の かすれや垂れ下がりといった不具合を生じる ことがない(安定した筆記性能を持続させる とができ、継続して良好な筆跡が得られる )。

 このため、本発明のインキ組成物は、非 記時に先端の筆記部(ボールペンチップ)が に大気中に開放された構造の、キャップを しない構成の出没式ボールペンに好適なも である。

 本発明のボールペン用水性インキ組成物 、染料と水と水溶性有機溶剤とに加えて、 -カラギーナンを粘性特性調節剤の必須成分 して含有するものである。

 該インキ組成物は、粘度[円錐円盤形回転 式粘度計(EL型;20℃)]:1以上20mPa・s未満におい 、実験式(T=Kjn)から求められる剪断減粘指数( n;20℃):約0.4~0.9を示すものであることが望ま い。

 該インキ組成物中に、ナフタレン系染料 間体を含有することが望ましい。

 該ナフタレン系染料中間体は、(A)下記構 式で示される(1)ナフタレンスルホン酸類(N 置換体を含む。)の酸残基、及び、(B)下記構 式(2)ナフタレンカルボン酸類(N一置換体を む。)の酸残基を含むものから1種又は2種以 選択することが望ましい。

  (1)

 (式中、m:1~3の整数、R 1 、R 2 :H、OH又はNH 2 )
  (2)

 (式中、m:1~4の整数、R 3 、R 4 :H、OH又はNH 2 )
 但し、N一置換体(NHR´)のR´:アルキル(炭素数 1~9)、アルキルアシル(炭素数1~9)、ベンゾイル 又はベンゼンスルホニル。

 そして、上記ナフタレン系染料中間体の ち、上記構造式(1)の酸残基を含むものから 択することが望ましい。ここで、ナフタレ スルホン酸類としては、アミノナフトール ルホン酸類がより望ましい。

 該アミノナフトールスルホン酸類として 、下記構造式(3)で示されるN-アシルJ酸(アシ ル炭素数:2~4)の酸残基を含むものから選択す ことが望ましい。

  (3)

 また、本発明の望ましい態様には、上記 ールペン用水性インキ組成物が充填されて るボールペン用替え芯、さらには、ボール ン用替え芯の筆記先端部が、ボールペン軸 の前端開口部から出没可能に組み付けられ いるものが、含まれる。

実施例のインキ組成物を適用した出没 ボールペンの一例を示す縦断面図である。

 以下、本発明の望ましいボールペン用イ キ組成物の態様(具体的構成)について説明 る。

 1)水性インキ組成物は、染料と水と水溶 有機溶剤とに加えて、ι-カラギーナンとを 性特性調節剤の必須成分として含有する。

 ι-カラギーナンは、インキ中で安定的に 在すると共に、垂れ下がり防止性能に優れ 。

 なお、カラギーナンは、通常、その分子 のアンヒドロ基と硫酸基の違いから、ゲル 性やタンパク質反応性の強いKappa(κ-)、増粘 製に富んだIota(ι―)、及び冷水可溶性でゲル しないLambda(λ-)の3つのタイプに分類される

 また、前記ι-カラギーナンは尿素のよう 耐乾燥性を妨げることもなく、更に、λ-カ ギーナン等と比べて、特に染料系インキに いて高い垂れ下がり防止性能を発現するも である。尚、κ-カラギーナンはインキ中で 解して増粘することがなく、ゲル化してし うため、ボールペン用インキに配合するこ は困難である。

 前記ι-カラギーナンの含有量は、インキ 成物全量中約0.05~1.0%、さらには約0.1~0.6%、 り更には約0.1~0.3%が望ましい。ι-カラギーナ ンが少ないと、垂れ下がり防止効果を得られ 難くなる。逆に、多いと、インキの粘度が上 昇して泣き出し(blobbing)やボテ(dotting)の原因 なったり、追従性を妨げたりし易くなり、 らには、耐乾燥性に悪影響を与えるおそれ ある。

 特に、前記ι-カラギーナンと共にナフタ ン系染料中間体を併用することにより、経 的に、チップ先端の損傷や紙片の噛み込み で、ボール26と、ボールペンチップ14の小口 (ボール保持部)14aとの間に筆記時以外でもイ キ通過隙間が形成されるようになった場合 あっても、効果的に垂れ下がりを防止でき ものとなる(図1参照)。

 ナフタレン系染料中間体の含有量は、イ キ組成物全量中約0.1~5%、更には約0.5~4%、よ 更には約0.5~2%が望ましい。

 ナフタレン系染料中間体が少ないと垂れ がり防止効果を得難くなる。逆に、5%近く ると垂れ下がり防止効果の更なる向上を期 できず、更には、他の特性に悪影響(例えば キャップオフ性やインキ安定性の低下)をも たらすおそれがある。ここで、キャップオフ 性とは、ボールペンのキャップを外して、空 気中に晒した状態で長時間放置後、筆記した 際に筆記かすれや筆記不良が生じるのを抑制 する性能をいう。また、インキ安定性とは、 経時により析出物が発生して、各種性能の低 下やインキ詰まり等を生じることがない性能 をいう。

 前記ナフタレン系染料中間体として、(A) 記構造式で示される(1)ナフタレンスルホン 類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むもの 及び、(B)下記構造式で示される(2)ナフタレ カルボン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基 含むものを挙げることができる。

  (1)

 (式中、m:1~3の整数、R 1 、R 2 :H、OH又はNH 2 )
  (2)

 (式中、m:1~4の整数、R 3 、R 4 :H、OH又はNH 2 )
 上記において、N一置換体(NHR´)のR´は、ア キル(炭素数1~9)、アルキルアシル(炭素数1~9) ベンゾイル又はベンゼンスルホニルである

 より具体的には、下記の通りである。な 、各括弧内の数字は、特に断らない限り、 ルホン酸基(SO3H)又はカルボキシル基(COOH)に ける置換位置を示す。

 上記酸残基を含むもの(インキ原料)とし は、通常、水溶解性の見地からアルカリ金 塩の形態のものを使用するが、他の金属塩 アンモニウム塩、酸アミド等の形態のもの 使用可能である。

 なお、これらのインキ原料の溶解性が不 分な場合は、水溶性有機溶剤を併用するこ により使用可能とすることができる。

 <ナフタレンスルホン酸系>
 1)ナフタレンスルホン酸類・・・
  モノスルホン酸(1又は2)、ジスルホン酸(1,5 、2,6又は2,7)、トリスルホン酸(1,3,6)
 2)ナフトールスルホン酸類・・・
  1-ナフトールモノスルホン酸(2、3、4、5、6 、7又は8)、2-ナフトールモノスルホン酸(1、3 4、5、6、7又は8)、1-ナフトールジスルホン (2,4;2,5;2,7;3,6;3,7;3,8(ε酸);4,7;4,8又は6,8)、2-ナ トールジスルホン酸(1,4、1,5、1,6、1,7、3,6-3,7 、4,8、又は6,8)、1-ナフトールトリスルホン酸 (2,4,7、2,4,8又は3,6,8)
 3)ナフチルアミンスルホン酸類・・・
  1-ナフチルアミンモノスルホン酸(2、3、4 5、6、7又は8(ぺリ酸))、
  2-ナフチルアミンモノスルホン酸(1、4、5 6、7又は8)、
  1-ナフチルアミンジスルホン酸(2,4、2,5、2, 7、2,8、3,5、3,6、3,7、3,8、4,6、4,7、5,7又は5,8 換体)、
  2-ナフチルアミンジスルホン酸(1,6;1,7;3,6;3, 7;4,7;4,8;5,7又は6,8)、
  1-ナフチルアミントリスルホン酸(2,4,6;2,4,7 ;2,5,7;3,6,8又は4,6,8)、
  2-ナフチルアミンー3,6,8-トリスルホン酸、
 4)ジヒドロキシナフタレンスルホン酸類・ ・
  1,6-ジヒドロキシナフタレン-3-スルホン酸
  1,7―ジヒドロキシナフタレン-3-スルホン 、
  1,8ージヒドロキシナフタレンー4-スルホン 酸、
  1,3-ジヒドロキシナフタレン-5,7-ジスルホ 酸、
  1,2-ジヒドロキシナフタレン-3,6-ジスルホ 酸、
  1,5-ジヒドロキシナフタレン-2,4-ジスルホ 酸、
  1,8-ジヒドロキシナフタレン-3,5-ジスルホ 酸、
  1,8-ジヒドロキシナフタレン-3,6-ジスルホ 酸(クロモトロープ酸)、
  2,7-ジヒドロキシナフタレン-3,6-ジスルホ 酸
 5)アミノナフトールスルホン酸類・・・
  1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸、
  1-アミノ-2-ナフトール-6-スルホン酸、
  1-アミノ-7-ナフトール-3-スルホン酸、
  1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸(S酸)、
  2-アミノ-3-ナフトール-6-スルホン酸、
  2-アミノ-5-ナフトール-7-スルホン酸(J酸)、
  2-アミノ-8-ナフトール-6-スルホン酸(γ酸)
  5-アミノ-1-ナフトール-2-スルホン酸、
  8-アミノ-1-ナフトール-4-スルホン酸、
  1-アミノ-2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸(H )、
  1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸(K )、
  1-アミノ-8-ナフトール-3,5-ジスルホン酸、
  1-アミノ-8-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、
  1-アミノ-8-ナフトール-4,6-ジスルホン酸、
  1-アミノ-8-ナフトール-5,7-ジスルホン酸、
  2-アミノ-1-ナフトール-4,8-ジスルホン酸、
  2-アミノ-8-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、
 6)ナフチレンジアミンスルホン酸類・・・
  ・1,2-ナフチレンジアミンモノスルホン酸( 3、4、5、6又は7)、
  ・1,3-ナフチレンジアミンモノスルホン酸( 5又は6)、
  ・1,4-ナフチレンジアミンモノスルホン酸( 2、5又は6)、
  ・1,5-ナフチレンジアミンモノスルホン酸( 2又は4)、
  ・1,6-ナフチレンジアミン-4-スルホン酸、
  ・1,8-ナフチレンジアミン-4-スルホン酸、
  ・1,8-ナフチレンジアミンジスルホン酸(3,6 又は4,5)、
 7)スルホン酸類の誘導体・・・
  ・ぺリ酸誘導体:N-p-トリルペリ酸、フェニ ルペリ酸、フェニルペリ酸インドフェノール 、
  ・2-(2,4-ジアミノフェノキシ)ナフタレン-6- スルホン酸、
  ・エトキシクロモトロープ酸、
  ・エトキシクレーブ酸、
  ・o-ベンゼンスルホニルH酸、
  ・6-クレーブ酸インドフェノール、
  ・7-クレーブ酸インドフェノール、
  ・ジフェニルε酸、
  ・1-ジアゾ-6-ニトロ-2-ナフトール-4-スルホ ン酸、
  ・4-ニトロソ-3-ナフトール-2,7-ジスルホン 、
  ・J酸N置換誘導体:N-フェニルJ酸、N-メチル J酸、N-アセチルJ酸、N-ベンゾイルJ酸、カル ミンJ酸
  ・J酸ベンゾイル置換誘導体:P-ニトロベン イルJ酸、p-ニトロベンゾイルJ酸、m-ニトロ ンゾイルJ酸、p-アミノベンゾイルJ酸、m-ア ノベンゾイルJ酸、
  ・γ酸・S酸・H酸・K酸のN置換誘導体:N-フ ニルγ酸、N-ジメチルγ酸、N-p-カルボキシフ ニルγ酸、N-ベンゾイルS酸、N-アセチルH酸 N-ベンゾイルH酸、N-ベンゼンスルホニルH酸 N-ベンゾイルK酸、
 <ナフタレンカルボン酸系>
 1)ナフタレンモノカルボン酸類(1(1-ナフトエ 酸)又は2(2-ナフトエ酸))、
 2)ナフタレンジカルボン酸類(1,2;1,3;1,4;1,5;1,6 ;1,7;1,8;2,3;2,6;2,7)、
 3)ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸、
 4)ナフトエ酸誘導体
  ヒドロキシ-1-ナフトエ酸類(OH置換位置:2、 3、4、5、6、7又は8)
  2-ヒドロキシ1-ナフトエ酸、
  ヒドロキシ-2-ナフトエ酸類(OH置換位置:1、 3、4、5、6、7又は8)
 前記ナフタレン系染料中間体のうち、上記 造式(1)で示されるナフタレンスルホン酸系 特に、アミノナフトールスルホン酸類及び れらのN置換誘導体の群から選択することが 望ましい。さらには、インキ安定性、垂れ下 がり防止性の見地から下記構造式(3)で示され る、N-アシルJ酸の酸残基を含むものから選択 することが望ましい。

 (3)

 前記染料としては、水性媒体に溶解もし は分散可能なものが全て使用可能であり、 の具体例を以下に例示する。

 酸性染料としては、
 ニューコクシン(C.I.16255)、
 タートラジン(C.I.19140)、
 アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
 ギニアグリーン(C.I.42085)、
 ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
 アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、
 ソルブルブルー(C.I.42755)、
 ナフタレングリーン(C.I.44025)、
 エオシン(C.I.45380)、
 フロキシン(C.I.45410)、
 エリスロシン(C.I.45430)、
 ニグロシン(C.I.50420)、
 アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる

 塩基性染料としては、
 クリソイジン(C.I.11270)、
 メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
 クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
 マラカイトグリーン(C.I.42000)、
 ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
 ローダミンB(C.I.45170)、
 アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
 メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。

 直接染料としては、
 コンゴーレッド(C.I.22120)、
 ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
 バイオレットBB(C.I.27905)、
 ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
 カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
 ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
 フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いら る。

 染料を着色剤として用いる場合、キャッ を要しないノック式のボールペンに適用す 系ではドライアップが顕著であるため、耐 ライアップ性能は重要な要件となる。

 前記染料は一種又は二種以上を適宜混合 て使用することができる。染料のインキ組 物全量中の含有量は、約1~25%、更には約2~15% が望ましい。

 更に、前記染料と併用して、各種顔料を 合することもできる。

 前記顔料としては、カーボンブラック、群 などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予 界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に 媒体中に分散された水分散顔料製品等が用 られ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:San dye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素(株)製 、
 C.I.Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、 顔料分21.5%、山陽色素(株)製〕、
 C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料 約30%、大日精化工業(株)製〕、
 C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分 約35%、大日精化工業(株)製〕等を挙げること できる。

 また、水溶性樹脂を用いた水分散顔料とし は、
 C.I.Pigment Black 7〔商品名:WA color Black A25、 顔料分15%、大日精化工業(株)製〕、
 C.I.Pigment Green 7〔商品名:WA-S color Green、顔 料分8%、大日精化工業(株)製〕、
 C.I.Pigment Violet 23〔商品名:マイクロピグモ WMVT-5、顔料分20%、オリエント化学工業(株)製 〕、
 C.I.Pigment Yellow 83〔商品名:エマコールNSイ ロー4618、顔料分30%、山陽色素(株)製〕が挙 られる。

 更に、蛍光顔料として、各種蛍光染料を 脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂 細粒子状の蛍光顔料が使用できる。その他 金属光沢顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、可 熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、 料や香料を内包したカプセル顔料等を例示 きる。

 前記金属光沢顔料としては、アルミニウ や真鍮等の金属粉、芯物質として天然雲母 合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フ ルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物 被覆したパール顔料、金属蒸着膜の片面又 両面に透明又は着色透明フィルムを設けた 属光沢フィルム片を細かく裁断したもの、 明性樹脂層を複数積層した虹彩性フィルム 細かく裁断したものを例示できる。

 なお、前記アルミニウムや真鍮等の金属 を用いる場合、前記金属粉の表面を透明性 脂や着色透明性樹脂で被覆したものが好適 用いられ、インキ組成物中での安定性に優 る。

 また、顔料を併用する場合、必要に応じ 顔料分散剤を添加できる。

 前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニ ン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチ ンアクリル酸等のアニオン性高分子、ポリ ニルピロリドン、ポリビニルアルコール等 非イオン性高分子等が用いられる。

 前記水溶性有機溶剤(極性溶剤)としては 例えば、エタノール、プロパノール、ブタ ール、グリセリン、ソルビトール、トリエ ノールアミン、ジエタノールアミン、モノ タノールアミン、エチレングリコール、ジ チレングリコール、チオジエチレングリコ ル、ヘキシレングリコール、1,3-ブタンジオ ル、ネオプレングリコール、ポリエチレン リコール、プロピレングリコール、ブチレ グリコール、エチレングリコールモノメチ エーテル、エチレングリコールモノエチル ーテル、エチレングリコールモノブチルエ テル、ジエチレングリコールモノメチルエ テル、ジエチレングリコールモノエチルエ テル、ジエチレングリコールモノブチルエ テル、プロピレングリコールモノメチルエ テル、プロピレングリコールモノエチルエ テル、プロピレングリコールモノブチルエ テル、エチレングリコールモノメチルエー ルアセテート、スルフォラン、2-ピロリド 、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。

 前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上 併用することもできる。

 更に、前記成分以外に、粘性特性調節剤 して、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ス レンマレイン酸共重合物、セルロース誘導 、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル ール、λ-カラジーナン、メチルセルロース カルボキシメチルセルロース、カルボキシ チルセルロースのアルカリ金属塩等の水溶 高分子を一種又は二種以上添加することが きる。

 その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤 防腐剤或いは防黴剤、潤滑剤、湿潤剤を添 することができる。

 前記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢 ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミ やジエタノールアミン等の水溶性のアミン 合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる

 前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾー 及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジ クロヘキシルアンモニウムナイトライト、 イソプロピルアンモニウムナイトライト、 オ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢 塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙 られる。

 前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭 、1、2-ベンズイソチアゾリン-3-オンのナト ウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢 ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオ シ安息香酸プロピル、2,3,5,6-テトラクロロ-4 -(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられ る。

 前記潤滑剤としては、オレイン酸等の高 脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン 界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン イル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニ ルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコ シカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐 酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキ ルエーテル又はポリオキシエチレンアルキル アリールエーテルのリン酸モノエステル、ポ リオキシエチレンアルキルエーテル又はポリ オキシエチレンアルキルアリールエーテルの リン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩 、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノール アミン塩等が挙げられる。

 前記湿潤剤としては、尿素、ノニオン系 面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ 、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピ リン酸ナトリウム等が挙げられる。

 その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ 系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチ ン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン の消泡剤を添加することもできる。

 前記インキ組成物をインキ収容管内に内 し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆 防止体を配設するタイプのボールペンに用 る場合、インキ中に気体が混入していると 経時により気体が集まって気泡が発生し、 記時のインキ出に悪影響を与えると共に、 記先端部に気泡が存在すると筆記不能にな 虞があるため、アスコルビン酸、アスコル ン酸誘導体、エリソルビン酸、エルソルビ 酸誘導体、α-トコフェロール、カテキン、 テキン誘導体、合成ポリフェノール、コウ 酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシ 誘導体、α-グルコシルルチン、ホスホン酸 、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシ 酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸 チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、 ルタチオン等を添加して化学的に気泡を除 することが好ましい。

 本発明の水性インキ組成物には、所望に り剪断減粘性付与剤、例えば、水に可溶乃 分散性の、キサンタンガム、ウェランガム 構成単糖がグルコースとガラクトースの有 酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカ (平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、 ーカストビーンガム及びその誘導体、ヒド キシエチルセルロース、アルギン酸アルキ エステル類、メタクリル酸のアルキルエス ルを主成分とする分子量10万~15万の重合体、 グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻 より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類 、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデ ンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性 アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリ セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレング リコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ ンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレン アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル キルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB 値が8~12のノニオン系界面活性剤、ジアルキ 又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等 例示でき、単独或いは混合して使用するこ もできる。

 更に、N-アルキル-2-ピロリドンとアニオ 系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコ ルとアクリル系樹脂の混合物を用いること できる。

 インキの剪断減粘性とは静止状態あるい 応力の低い時は高粘度で流動し難い性質を し、応力が増大すると低粘度化して良流動 を示すレオロジー特性を言うものであり、 クソトロピー性あるいは擬似可塑性とも呼 れる液性を意味している。

 本発明のインキの粘性特性としては、粘 計での測定粘度(円錐円盤形回転式粘度計(EL 型);20℃、20rpm、以下同じ):約1以上20mPa・s未満 において、下記実験式から求める剪断減粘指 数(n):約0.4~0.9であることが望ましい。

  実験式 T=Kjn
  〔T:ずり応力(dyne/cm2)、K:定数、j:ずり速度( 76.80s-1)、n:剪断減粘指数〕
 更には、粘度:約5以上20mPa・s未満において 剪断減粘指数(n):約0.4~0.7であることが望まし い。

 前記粘度の上限を20mPa・s未満としたのは 本発明のインキ組成物は、ゲルインキの範 (粘度20mPa・s以上;JIS 6061(2005))に入らないた である。なお、20mPa・s近くになると、筆記 よるインキの追従性を満足させ難く、特に 速で筆記した際の筆跡にかすれを生じ易く る。また、20mPa・s未満であることは、垂れ がりが発生し易い低粘度インキを意味し、 発明の効果が顕著となる。

 また、剪断減粘指数が低いと、筆記感に ると共に、初期の書き出し時にはインキが ールに転移し難い。更に、筆跡が乾き難く 指触や紙同士の擦過によって被筆記面の空 部分に転移して汚染し易くなる。

 前記した粘度及び剪断減粘指数を満たす とにより、垂れ下がりと耐乾燥性を満足さ る他、筆記性能、即ち、筆記感、初期書き し、筆跡の乾燥性や良好な筆跡の形成を満 させることができる。

 次に、本発明の上記水性インキ組成物を 用するボールペンの構成について説明する

 本発明の水性インキ組成物は、出没式ボ ルペン(図1参照)に適用することが好適であ 。筆記先端部(ボールペンチップ)が外気に に晒され、本発明のインキ組成物の効果が 著となるためである。

 なお、出没式の構成は、図1に示すような ノック式に限られず、回転式、スライド式で あってもよく、軸筒内に複数の替え芯を収容 してなる複合式のボールペンであってもよい 。

 また、本発明の水性インキ組成物は、上 出没式に限られること無く、キャップ式ボ ルペン、さらには、替え芯を介さずに、ボ ルペンの軸筒に直接充填する使い捨てボー ペン等、種々のタイプに適用可能である。

 以下に、本発明の効果を確認するために 較例とともに行った実施例について説明す が、本発明はこれらの実施例に限定される のではない。

 <インキ組成物の調製>
 各実施例・比較例の水性インキ組成物は、 1・2に示す組成処方とした。計量混合物を 室温で分散混練機(dispersion mixer)を用いて3000 rpmで1時間攪拌後、濾して調製した。

 なお、各実施例、比較例のインキ粘度は 円錐円盤形回転式粘度計(EL型、東京計器(株 )製)を用いて、20℃×20rpm(比較例2のみ10rpm)の 件で、粘度計目盛読み取り値θに換算乗数と して0.30(取り扱い説明書参照)を乗じて求めた ものである。

 そして、剪断減粘指数(n)は、同じく円錐 盤形回転式粘度計(20℃)を用いて、複数の回 転速度(例えば、20rpm、10rpm、5rpm)のそれぞれ ついて粘度計目盛読み取り値θを下記実験式 に代入して慣用の方法で求めた。

 実験式 T=Kjn
 〔但し、T:ずり応力(dyne/cm2)、K:定数、j:ずり 速度(s-1)、n:剪断減粘指数〕
 例えば、実施例1では、
  20rpmでのインキ粘度:9mP・s
  10rpmでのインキ粘度:12.3mP・s
  5rpmでのインキ粘度:16.8mP・s
を用いて、実験式 T=Kjnと、以下の粘度測定 により算出した。

  T=3M/2πR3
  M=t×θ/100
〔T:ずり応力(dyne/cm2)、M:粘性抵抗トルク(dyne cm)、R:ロータ半径(2.4cm)、t:フルスケールトル ク(674dyne・cm)、θ:目盛読み取り値〕

 なお、表中の原料の内容は下記の通りで る。各番号は表中の番号に対応する。

  (1)オリエント化学工業(株)製、C.I.50420、商 品名:ウォーターブラックR510
  (2)アイゼン保土谷(株)製、C.I.45410、商品名 :フロキシン
  (3)ダイワ化成(株)製、C.I.45380、商品名:エ シン
  (4)住友化学工業(株)製、C.I.42655、商品名: シッドブルーPG
  (5)中央フーズマテリアル(株)製、商品名:NE WGELIN GJ500
  (6)スガイ化学工業(株)製、商品名:N-アセチ ルJ酸
  (7)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサ フAL、ポリオキシエチレンジスチレン化フェ ニルエーテルリン酸モノエステル及びジエス テル混合物
  (8)1,2-ベンズチアゾリン-3-オン、アビシア( 株)製、商品名:プロキセルXL-2
  (9)大日製薬(株)製、商品名:エコーガム
  (10)三栄源(株)製、商品名:カラギニンCSL-2
 <ボールペン(試料)の作製>
 上記で調製した各インキ組成物を使用して ボールペンを作製した。

 適用したボールペン10の構造を図1に示す

 替え芯12は、ボールペンチップ14が接続管 16を介して固着されたインキ収納管18にイン 組成物Cが充填されたものである。インキ組 物Cを充填後、充填高さ位置に高粘度流動体 からなる逆流防止体20が配される。替え芯(レ フィル)12が軸筒21内に収納され、軸筒21の後 部にノック部22を備え、該ノック部22の押圧 より、替え芯12の筆記先端部を、軸筒21の前 端開口部から出没用コイルばね24を利用して 没させる機構を有する。

 なお、ボールペンチップ14の先端筆記部 なる小口14aに押圧ばね26で付勢されてボール 27が保持されている。押圧ばね26は、ボール27 を先端で押圧する押圧ロッド28aを備えた円盤 先ばね座28と、接続管16のチップ保持穴の底 部で形成される元ばね座16aで保持されてい 。こうして、常態時は、ばね付勢されたボ ル27で小口14aが閉じ、筆記時は、ボール27が 圧で後退して、小口14aとボール32とでイン 通過隙間が形成されて筆記可能となる。な 、インキ逆流防止体20として、基油にポリブ テン、増粘剤に脂肪酸アマイドをそれぞれ用 いたものを使用した。

 こうして作成した各ボールペン(試料)に り以下の試験を行った。

 <垂れ下がり試験A>
 各ボールペンを用いて、ボールペンチップ 軸筒から露出させてチップを下向きで保持 、温度20℃、相対湿度55%の雰囲気下に20時間 放置した後、チップ先端の外観を目視で観察 した。そして、下記基準で評価した。

   ○:インキの漏れだし(垂れ下がり)が認 められない。

   △:チップ先端にインキの小滴が認め れる。

   ×:チップ先端に、大きいインキ滴が認 められる、或いはチップ先端から漏れたイン キが落下している。

 <垂れ下がり試験B>
 筆記部を上側にした各ボールペンのボール 3~5μm程度押し下げて、小口の内壁に押圧傷 付けたものについて、温度20℃、相対湿度55 %の雰囲気下に20時間放置し、チップ先端の外 観を目視で観察し、上記垂れ下がり試験Aと 一基準で評価した。

 <耐乾燥性試験>
 各ボールペンを用いて、ボールペンチップ 軸筒から露出させて横置き状態で保持し、 度20℃及び50℃で、それぞれ60日間放置した 、JIS P3201筆記用紙Aに手書きで丸(径約16mm) 一行に12個連続で筆記し、何個目から正常に 筆記可かを目視により観察した。そして、下 記基準で評価した。

   ○:1個目の丸で筆記可。

   △:2個目以降の丸で一行以内で筆記可

   ×:一行丸を筆記しても筆記不可。

 <試験結果及び考察>
 上記、試験結果を示す表3・4から、本発明 インキ組成物は、優れた特性を示すことが かる。

 すなわち、ι-カラギーナンを添加するこ で、ペン先を露出した状態で長時間放置し もインキの垂れ下がりを抑制できる、実用 を備えたボールペン用インキが得られた。 た、ι-カラギーナンと共にナフタレン系染 中間体を添加することで、チップ先端の損 等でインキ吐出部分が大きくなる等のより 酷な状況であっても、インキの垂れ下がり 抑制できる、より実用性の高いボールペン インキ(実施例5~7)となった。