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Title:
AQUEOUS POLYURETHANE RESIN, HYDROPHILIC RESIN AND FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072561
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an aqueous polyurethane resin which is obtained by reacting a prepolymer having a terminal isocyanate group and a chain extender containing a polyamine. The prepolymer having a terminal isocyanate group is obtained by reacting at least a polyisocyanate, a polyoxyethylene polyol and a polyoxyethylene side chain-containing active compound. The polyisocyanate contains not less than 50% by weight of a polyisocyanate which does not have a plurality of rings, namely a polyisocyanate having no aromatic ring and no aliphatic ring or a polyisocyanate having one aromatic ring or one aliphatic ring. The polyoxyethylene side chain-containing active compound has two or more hydroxy groups or isocyanate groups an end of the molecule, while having a polyoxyethylene group in a side chain.

Inventors:
ISOBE MASAHIRO (JP)
IMAI AKIHIRO (JP)
TACHIBANA ATSUKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072053
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS POLYURETHANES (JP)
ISOBE MASAHIRO (JP)
IMAI AKIHIRO (JP)
TACHIBANA ATSUKO (JP)
International Classes:
C08G18/10; C08G18/48; C08G18/72; C08J5/18
Domestic Patent References:
WO2006062165A12006-06-15
WO2006062165A12006-06-15
Foreign References:
JPH11106733A1999-04-20
JPH01104612A1989-04-21
JP2006335951A2006-12-14
JP2006335950A2006-12-14
JP2005060690A2005-03-10
JP2006335950A2006-12-14
Other References:
See also references of EP 2218741A4
Attorney, Agent or Firm:
OKAMOTO, Hiroyuki (Sun Mullion NBF Tower 21st Floor, 6-12, Minamihommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 54, JP)
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Claims:
  芳香環および脂環を含有しないか、または、芳香環または脂環を1つ含有する複数環不含ポリイソシアネートを、50重量%以上含有するポリイソシアネート、
  ポリオキシエチレンポリオール、および、
  水酸基またはイソシアネート基を分子末端に2つ以上有し、ポリオキシエチレン基を側鎖に有するポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物を、
 少なくとも反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、
 ポリアミンを含む鎖伸長剤と
の反応により得られることを特徴とする、水性ポリウレタン樹脂。
 ポリオキシエチレン基が、50~85重量%含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 ポリオキシエチレンポリオールの数平均分子量が、600~6000であることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 ポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物において、ポリオキシエチレン基の数平均分子量が、600~6000であることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 ポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物は、ウレア基、ウレタン基およびアロファネート基から選択される少なくとも1種の化学結合を有していることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 ポリアミンが、ポリオキシエチレン基含有ポリアミンであることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 ポリアミンが、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 鎖伸長剤が、モノアミンを含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 モノアミンが、モノアミノアルコールであることを特徴とする、請求項8に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 親水性改質剤として用いることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
 第1水性樹脂として、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂と、第2水性樹脂とを含有することを特徴とする、親水性樹脂。
 第2水性樹脂は、原料として、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびアルキレン基の炭素数が3~10のポリオキシアルキレンポリオールからなる群から選択される少なくとも1種の疎水性マクロポリオールを含み、
 疎水性マクロポリオールが、第2水性樹脂の原料総量に対して50重量%以上含まれていることを特徴とする、請求項11に記載の親水性樹脂。
 第2水性樹脂は、原料として、さらに、ポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物を含んでいることを特徴とする、請求項12に記載の親水性樹脂。
 ポリオキシエチレン基が、10~70重量%含有されていることを特徴とする、請求項12に記載の親水性樹脂。
 透湿防水加工のためのコーティング剤として用いられることを特徴とする、請求項11に記載の親水性樹脂。
 請求項11に記載の親水性樹脂から得られることを特徴とする、フィルム。
Description:
水性ポリウレタン樹脂、親水性 脂およびフィルム

 本発明は、水性ポリウレタン樹脂、その 性ポリウレタン樹脂(第1水性樹脂)および第2 水性樹脂を含む親水性樹脂、および、その親 水性樹脂から得られるフィルムに関する。

 水膨潤性ポリマーは、吸水性ポリマーとも ばれ、ポリマー自身が有する親水性と架橋 ットワークとにより、高い保水性を保持し 単独あるいはその他の樹脂と併用して、透 性や透湿性をはじめ、保水性、水膨潤性、 電防止など、親水性が求められる各種の分 において、使用されている。
 一方、毒性や大気汚染性の観点から、有機 剤の使用を低減することが望まれており、 種樹脂では、有機溶剤溶液として調製され 有機溶剤系樹脂から、水分散液として調製 れる水性樹脂への転換が種々検討されてい 。

 そのため、水性樹脂に容易に配合するこ ができ、また、高い親水性を付与すること できる水膨潤性ポリマーが要望されており 例えば、アニオン性基を有するウレタンプ ポリマーとポリオキシエチレン基含有ポリ ミンとの反応により得られるポリウレタン 脂が、水性樹脂に対して、優れた相溶性を し、優れた親水性を付与できることが提案 れている(例えば、下記特許文献1参照。)。

 また、繊維には、雨水を通さないが、発汗 どの湿気(水蒸気)を通すために、透湿防水 工することが知られている。
 このような透湿防水加工のためのコーティ グ剤についても、有機溶剤系樹脂から水性 脂への転換が種々検討されている。
 例えば、疎水性マクロポリオールを含むポ ウレタン樹脂と、ポリオキシエチレン基を5 0重量%以上有する親水性マクロポリオールを むポリウレタン樹脂とが、鎖伸長剤を介し 部分的に化学結合している水性ポリウレタ 樹脂が提案されている(例えば、下記特許文 献2参照。)。

 また、例えば、アルキレン基の炭素数が3~10 のポリオキシアルキレンポリオールおよび/ たはポリエステルポリオールからなる疎水 マクロポリオールと、少なくとも4、4´-メチ レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を むポリイソシアネートと、2つ以上の活性水 素基または2つ以上のイソシアネート基を含 、側鎖にポリオキシエチレン基を有するノ オン性内部乳化剤と、少なくともポリアミ を含む鎖伸長剤とを反応させて得られるポ ウレタン樹脂が、水中に分散または溶解さ ている水性ポリウレタン樹脂が提案されて る(例えば、下記特許文献3参照。)。

特開2005-060690号公報

国際公開パンフレットWO2006/062165 A1

特開2006-335950号公報

 しかし、上記特許文献1に記載されるポリウ レタン樹脂は、アニオン性であるため、ノニ オン性樹脂やカチオン性樹脂と混合した場合 、特にカチオン性樹脂と混合した場合には、 ウレタン樹脂が水中で安定して分散しない場 合がある。
 また、上記特許文献2に記載される水性ポリ ウレタン樹脂は、各ポリウレタン樹脂を、ア ニオン系の内部乳化剤、具体的には、ジアル カノール脂肪酸のアミン塩により、水中に分 散させている。そのため、アミン(トリエチ アミンなど)が、成膜乾燥時に、VOC成分とし 遊離する。また、上記特許文献2に記載され る水性ポリウレタン樹脂は、粘度が高く、ハ ンドリング性が不良となる場合があり、また 、得られる水性ポリウレタン樹脂の固形分濃 度を低くすることが必要となる場合がある。

 上記特許文献3に記載される水性ポリウレタ ン樹脂は、ノニオン性であり、上記不具合を 解消できる一方、4,4’-メチレンビス(シクロ キシルイソシアネート)を必須成分としてお り、そのため、フィルムの初期モジュラスが 高く、柔軟な風合いを得ることが困難である 。
 本発明の目的は、アニオン性樹脂、カチオ 性樹脂およびノニオン性樹脂のいずれの樹 に混合しても、安定した水分散を確保する とができ、成膜乾燥時に、VOC成分が遊離す ことを低減でき、さらには、柔軟な風合い 得ることができ、透湿性に優れるフィルム 得ることができる、水性ポリウレタン樹脂 その水性ポリウレタン樹脂(第1水性樹脂)お び第2水性樹脂を含む親水性樹脂、その親水 性樹脂から得られるフィルムを提供すること にある。

 上記目的を達成するため、本発明の水性 リウレタン樹脂は、芳香環および脂環を含 しないか、または、芳香環または脂環を1つ 含有する複数環不含ポリイソシアネートを、 50重量%以上含有するポリイソシアネート、ポ リオキシエチレンポリオール、および、水酸 基またはイソシアネート基を分子末端に2つ 上有し、ポリオキシエチレン基を側鎖に有 るポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物 、少なくとも反応させることにより得られ イソシアネート基末端プレポリマーと、ポ アミンを含む鎖伸長剤との反応により得ら ることを特徴としている。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、ポリオ シエチレン基が、50~85重量%含有されている とが好適である。
 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、ポリ キシエチレンポリオールの数平均分子量が 600~6000であることが好適である。
 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、ポリ キシエチレン側鎖含有活性化合物において ポリオキシエチレン基の数平均分子量が、6 00~6000であることが好適である。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、ポリ キシエチレン側鎖含有活性化合物は、ウレ 基、ウレタン基およびアロファネート基か 選択される少なくとも1種の化学結合を有し ていることが好適である。
 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、ポリ ミンが、ポリオキシエチレン基含有ポリア ンであることが好適である。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、ポリ ミンが、第1級アミノ基、または、第1級ア ノ基および第2級アミノ基を有するアルコキ シリル化合物を含んでいることが好適であ 。
 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、鎖伸 剤が、モノアミンを含んでいることが好適 ある。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂では、モノ ミンが、モノアミノアルコールであること 好適である。
 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、親水性 質剤として用いることが好適である。
 本発明の親水性樹脂は、第1水性樹脂として 、上記水性ポリウレタン樹脂と、第2水性樹 とを含有することを特徴としている。

 本発明の親水性樹脂では、第2水性樹脂は 、原料として、ポリエステルポリオール、ポ リカーボネートポリオールおよびアルキレン 基の炭素数が3~10のポリオキシアルキレンポ オールからなる群から選択される少なくと 1種の疎水性マクロポリオールを含み、疎水 マクロポリオールが、第2水性樹脂の原料総 量に対して50重量%以上含まれていることが好 適である。

 本発明の親水性樹脂では、第2水性樹脂は、 原料として、さらに、ポリオキシエチレン側 鎖含有活性化合物を含んでいることが好適で ある。
 本発明の親水性樹脂は、ポリオキシエチレ 基が、10~70重量%含有されていることが好適 ある。
 本発明の親水性樹脂は、透湿防水加工のた のコーティング剤として用いられることが 適である。

 本発明のフィルムは、親水性樹脂から得 れていることを特徴としている。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、それ 含まれるポリオキシエチレンポリオールお びポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物 、すべてノニオン性であるため、アニオン 樹脂、カチオン性樹脂およびノニオン性樹 のいずれの樹脂に混合しても、安定した水 散を確保することができる。また、成膜乾 時に、アミンの遊離がなく、VOC成分を低減 ることができる。さらに、本発明の水性ポ ウレタン樹脂は、比較的低粘度であり、ハ ドリング性の向上を図ることができる。さ にまた、本発明の水性ポリウレタン樹脂で 、ポリイソシアネートとして、複数環不含 リイソシアネートを50重量%以上含有するの 、柔軟な風合いを得ることができる。

 よって、本発明の水性ポリウレタン樹脂は 親水性改質剤として好適に用いることがで る。
 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂が含 れる、本発明の親水性樹脂は、透湿防水加 のためのコーティング剤として、好適に用 ることができる。
 そして、本発明の親水性樹脂から得られる 本発明のフィルムは、優れた透湿防水性能 有する。

発明の実施形態

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、イソシ ネート基末端プレポリマーと、鎖伸長剤と 反応により得ることができ、イソシアネー 基末端プレポリマーは、ポリイソシアネー 、ポリオキシエチレンポリオール、および ポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物を 少なくとも反応させることにより、得るこ ができる。
 本発明において、ポリイソシアネートは、 数環不含ポリイソシアネートを、50重量%以 、好ましくは、60重量%以上、より好ましく 、70重量%以上含有する。複数環不含ポリイ シアネートの配合割合が上記下限未満であ と、イソシアネート基末端プレポリマーと 伸長剤とを反応させたときに、ゲル化して 水性ポリウレタン樹脂の水分散液を得るこ が困難となる。

 複数環不含ポリイソシアネートは、1分子 内において、芳香環および脂環を含有しない か、または、芳香環または脂環を1つ含有す ポリイソシアネートであって、例えば、芳 環および脂環を含有しない脂肪族ジイソシ ネート、例えば、芳香環を1つ含有する単芳 環含有ジイソシアネート、例えば、脂環を1 つ含有する単脂環含有ジイソシアネートなど が挙げられる。

 脂肪族ジイソシアネートとしては、例え 、トリメチレンジイソシアネート、テトラ チレンジイソシアネート、ヘキサメチレン イソシアネート(略号:HDI)、ペンタメチレン イソシアネート、1,2-プロピレンジイソシア ネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3- チレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイ ソシアネート、2,4,4-または2,2,4-トリメチルヘ キサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソ アナトメチルカプロエートなどが挙げられ 。

 単芳香環含有ジイソシアネートとしては、 えば、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネ トもしくはその混合物(略号:TDI)、4,4'-トルイ ジンジイソシアネート、1,3-または1,4-キシリ ンジイソシアネートもしくはその混合物(略 号:XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシア ートなどが挙げられる。
 単脂環含有ジイソシアネートとしては、例 ば、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、 1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シ ロヘキサンジイソシアネート、3-イソシア トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイ シアネート(イソホロンジイソシアネート、 略号:IPDI)、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソ アネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイ シアネート、1,3-または1,4-ビス(イソシアナ メチル)シクロヘキサンもしくはその混合物( 略号:H 6 XDI)などが挙げられる。

 また、ポリイソシアネートとして、例え 、上記した複数環不含ポリイソシアネート( すなわち、脂肪族ジイソシアネート、単芳香 環含有ジイソシアネートおよび単脂環含有ジ イソシアネート)の多量体(例えば、二量体、 量体(例えば、イソシアヌレート変性体など )、五量体、七量体など)、アロファネート変 体(例えば、複数環不含ポリイソシアネート と、アルコール類との反応より生成するアロ ファネート変性体など)、ビウレット変性体( えば、複数環不含ポリイソシアネートと、 やアミン類との反応により生成するビウレ ト変性体など)、ウレア変性体(例えば、複 環不含ポリイソシアネートとジアミンとの 応により生成するウレア変性体など)、オキ ジアジントリオン(例えば、複数環不含ポリ イソシアネートと炭酸ガスとの反応により生 成するオキサジアジントリオンなど)、カル ジイミド変性体(複数環不含ポリイソシアネ トの脱炭酸縮合反応により生成するカルボ イミド変性体など)などを使用することもで きる。

 複数環不含ポリイソシアネートは、単独使 または2種以上併用することができる。強度 、黄変および風合いの観点から、好ましくは 、単脂環含有ジイソシアネートが挙げられ、 さらに好ましくは、IPDI、H 6 XDIが挙げられる。
 ポリイソシアネートとして、複数環不含ポ イソシアネートを上記割合で含有していれ 、複数環含有ポリイソシアネートを併用す こともできる。

 複数環含有ポリイソシアネートは、1分子内 において、芳香環および/または脂環を2つ以 含有するポリイソシアネートであって、例 ば、芳香環を2つ以上含有する複数芳香環含 有ジイソシアネート、例えば、脂環を2つ以 含有する複数脂環含有ジイソシアネートな が挙げられる。
 複数芳香環含有ジイソシアネートとしては 例えば、m-フェニレンジイソシアネート、p- フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニ ジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシ アネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシア ート(略号:MDI)、4,4'-ジフェニルエーテルジ ソシアネートなどが挙げられる。

 複数脂環含有ジイソシアネートとしては、 えば、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイ シアネート)(略号:H 12 MDI)、2,5(2,6)-ビス(イソシアナトメチル)ビシク ロ[2.2.1]ヘプタンなどが挙げられる。
 さらに、例えば、上記した複数環含有ポリ ソシアネート(すなわち、複数芳香環含有ジ イソシアネートおよび複数脂環含有ジイソシ アネート)の多量体、アロファネート変性体 ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサ アジントリオン、カルボジイミド変性体な を使用することもできる。

 複数環含有ジイソシアネートは、単独使用 たは2種以上併用することができる。
 本発明において、ポリオキシエチレンポリ ールは、例えば、低分子量ポリオール(後述 )を開始剤とするエチレンオキサイドの付加 合により得ることができる。好ましくは、 リエチレングリコールが挙げられる。
 ポリオキシエチレンポリオールの数平均分 量は、例えば、600~6000、好ましくは、600~3000 である。ポリオキシエチレンポリオールの数 平均分子量が上記下限未満であると、水性ポ リウレタン樹脂の粘度が高くなる場合や、得 られるフィルムの柔軟性が低下する場合があ り、一方、上記上限を超過すると、水性ポリ ウレタン樹脂の水分散性の低下を生じる場合 がある。

 なお、水性ポリウレタン樹脂の各原料の数 均分子量は、原料の水酸基当量(JIS K 1557-1( 2007)から求められる。)および官能基数から算 出することができる。
 また、ポリオキシエチレンポリオールは、 リオキシエチレン側鎖含有活性化合物、お び、必要により配合される、後述するポリ ロピレンポリエチレングリコールなどのオ シエチレン基を含む高分子量ポリオールと 総量において、水性ポリウレタン樹脂中の リオキシエチレン基が、例えば、50~85重量% 好ましくは、55~85重量%、さらに好ましくは 60~80重量%となるように、配合される。水性 リウレタン樹脂中のポリオキシエチレン基 上記範囲とすることで、フィルムの透湿性 向上を図ることができる。

 また、水性ポリウレタン樹脂中のポリオキ エチレン基を上記範囲にできれば、ポリオ シエチレンポリオールとともに、高分子量 リオールや低分子量ポリオールを併用する とができる。
 高分子量ポリオールは、例えば、ポリオキ プロピレンポリオール(例えば、ポリプロピ レングリコール、ポリプロピレンポリエチレ ングリコール(ポリプロピレンオキサイドお びポリエチレンオキサイドのランダムまた ブロック共重合体)など)、ポリオキシブチレ ンポリオール(例えば、ポリテトラメチレン ーテルグリコールなど)、ポリエステルポリ ール(例えば、アルキレン(エチレンおよび/ たはブチレン)アジペート、ポリカプロラク トンポリオールなど)、ポリカーボネートポ オール(例えば、ポリカーボネートジオール ど)などが挙げられる。

 高分子量ポリオールの数平均分子量は、例 ば、400~6000であり、その配合割合は、水性 リウレタン樹脂の原料総量(仕込み総量)に対 して、例えば、0.5~15重量%である。
 低分子量ポリオールは、数平均分子量400未 のポリオールであり、例えば、エチレング コール、プロピレングリコール、1,4-ブチレ ングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2- チレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、 ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタン オール、ジメチロールヘプタン、アルカン( 炭素数7~22)ジオール、ジエチレングリコール トリエチレングリコール、ジプロピレング コール、シクロヘキサンジメタノール、ア カン-1,2-ジオール(炭素数17~20)、水素化ビス ェノールA、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、2,6- メチル-1-オクテン-3,8-ジオール、ビスヒド キシエトキシベンゼン、キシレングリコー 、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート どの低分子量ジオール、例えば、グリセリ 、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパン オール、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチ ルペンタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,1,1- トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2-ビス (ヒドロキシメチル)-3-ブタノールなどの低分 量トリオールなどが挙げられる。

 低分子量ポリオールの配合割合は、水性ポ ウレタン樹脂の原料総量(仕込み総量)に対 て、例えば、0.01~5重量%である。
 本発明において、ポリオキシエチレン側鎖 有活性化合物は、水酸基またはイソシアネ ト基を分子末端に2つ以上有し、ポリオキシ エチレン基を側鎖に有する化合物であり、例 えば、水酸基を分子末端に2つ以上有し、ポ オキシエチレン基を側鎖に有するポリオキ エチレン側鎖含有ポリオール、例えば、イ シアネート基を分子末端に2つ以上有し、ポ オキシエチレン基を側鎖に有するポリオキ エチレン側鎖含有ポリイソシアネートなど 挙げられる。

 ポリオキシエチレン側鎖含有ポリオール 、例えば、まず、ジイソシアネート(上記し たジイソシアネート)と片末端封鎖ポリオキ エチレングリコール(C1~20のアルキル基で片 端封止したアルコキシエチレングリコール) を、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコ ルの水酸基に対してジイソシアネートのイ シアネート基が過剰となる割合でウレタン 反応させた後、必要により、未反応のジイ シアネートを除去することにより、ポリオ シエチレン鎖含有モノイソシアネートを合 し、次いで、ポリオキシエチレン鎖含有モ イソシアネートと、ジアルカノールアミン( C1~20のジアルカノールアミン)とをウレア化反 応させることにより、得ることができる。

 なお、ポリオキシエチレン側鎖含有ポリオ ルの調製において、片末端封鎖ポリオキシ チレングリコールとして、好ましくは、メ キシエチレングリコールが挙げられ、ジイ シアネートとして、好ましくは、脂肪族ジ ソシアネート(例えば、HDI)が挙げられ、ジ ルカノールアミンとして、ジエタノールア ンが挙げられる。
 このようにして得られるポリオキシエチレ 側鎖含有ポリオールは、例えば、ウレタン およびウレア基を有し、次式(1)で示される

(式中、X 1 は、ジイソシアネート残基(ジイソシアネー のイソシアネート基以外の部分)、X 2 は、炭素数1~20のアルキル基、X 3 は、炭素数1~20のアルキレン基、nは、13~140の 数を示す。)
 ポリオキシエチレン側鎖含有ポリオールの 合割合は、水性ポリウレタン樹脂の原料総 (仕込み総量)に対して、例えば、5~40重量%で ある。

 ポリオキシエチレン側鎖含有ポリイソシ ネートは、例えば、まず、ジイソシアネー (上記したジイソシアネート)と片末端封鎖 リオキシエチレングリコール(C1~20のアルキ 基で片末端封止したアルコキシエチレング コール)とを、片末端封鎖ポリオキシエチレ グリコールのヒドロキシル基に対してジイ シアネートのイソシアネート基が過剰とな 割合でウレタン化反応させた後、必要によ 、未反応のジイソシアネートを除去するこ により、ポリオキシエチレン鎖含有モノイ シアネートを合成し、次いで、ポリオキシ チレン鎖含有モノイソシアネートと、ジイ シアネートとをアロファネート化反応させ ことにより、得ることができる。

 なお、ポリオキシエチレン側鎖含有ポリイ シアネートの調製において、片末端封鎖ポ オキシエチレングリコールとして、好まし は、メトキシエチレングリコールが挙げら 、ジイソシアネートとして、好ましくは、 肪族ジイソシアネート(例えば、HDI)が挙げ れる。
 このようにして得られるポリオキシエチレ 側鎖含有ポリイソシアネートは、例えば、 レタン基およびアロファネート基を有し、 式(2)で示される。

(式中、X 1 およびX 4 は、互いに同一または相異なって、ジイソシ アネート残基(ジイソシアネートのイソシア ート基以外の部分)、X 2 は、炭素数1~20のアルキル基、nは、13~140の整 を示す。)
 ポリオキシエチレン側鎖含有ポリイソシア ートの配合割合は、水性ポリウレタン樹脂 原料総量(仕込み総量)に対して、例えば、5~ 40重量%である。

 また、ポリオキシエチレン側鎖含有活性化 物において、ポリオキシエチレン基は、例 ば、50重量%以上、好ましくは、60~90重量%含 されており、ポリオキシエチレン基の数平 分子量は、例えば、600~6000、好ましくは、60 0~3000、さらに好ましくは、800~2500である。
 ポリオキシエチレン側鎖含有活性化合物に いて、ポリオキシエチレン基の数平均分子 が上記下限未満であると、水性ポリウレタ 樹脂の水分散性の低下を生じる場合があり 一方、上記上限を超過しても、やはり、水 ポリウレタン樹脂の水分散性の低下を生じ 場合がある。

 そして、ポリイソシアネート、ポリオール 分(必須成分として、ポリオキシエチレンポ リオールが含まれ、任意成分として、高分子 量ポリオールおよび低分子量ポリオールが含 まれる。)、および、ポリオキシエチレン側 含有活性化合物を、反応させることにより イソシアネート基末端プレポリマーを得る
 この反応では、上記成分を、水酸基に対す イソシアネート基の当量比(NCO/OH)において 1を越える割合、好ましくは、1.1~10の割合で 合する。そして、バルク重合や溶液重合な の公知の重合方法、好ましくは、反応性お び粘度の調整がより容易な溶液重合によっ 、上記成分を反応させる。

 バルク重合では、例えば、窒素雰囲気下、 記成分を配合して、反応温度75~85℃で、1~20 間程度反応させる。
 溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、有 溶媒に、上記成分を配合して、反応温度20~8 0℃で、1~20時間程度反応させる。
 有機溶媒としては、イソシアネート基に対 て不活性で、かつ、親水性に富む、例えば アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチ 、テトラヒドロフラン、アセトニトリルな が挙げられる。

 また、上記重合では、必要に応じて、例え 、アミン系、スズ系、鉛系などの反応触媒 添加してもよく、また、得られるイソシア ート基末端プレポリマーから未反応ポリイ シアネートを、例えば、蒸留や抽出などの 知の方法により、除去することもできる。
 そして、本発明の水性ポリウレタン樹脂を るには、次いで、イソシアネート基末端プ ポリマーと鎖伸長剤とを、水中で反応させ 分散させる。

 本発明において、鎖伸長剤としては、ポリ ミンが挙げられる。ポリアミンとしては、 えば、ポリアミン類、ポリオキシエチレン 含有ポリアミン、第1級アミノ基または第1 アミノ基および第2級アミノ基を有するアル キシシリル化合物(以下、アミノ基含有アル コキシシリル化合物とする。)などが挙げら る。
 ポリアミン類としては、例えば、エチレン アミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタン アミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-シ クロヘキサンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5- トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロ ジアミン)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジ ミン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2. 2.1]ヘプタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロ キサン、ヒドラジン、N-(2-アミノエチル)エ ノールアミンなどのジアミン類、例えば、 エチレントリアミン、トリエチレンテトラ ン、テトラエチレンペンタミンなどのトリ ミン類、テトラアミン類およびペンタアミ 類などが挙げられる。

 ポリオキシエチレン基含有ポリアミンは、 えば、下記式(3)で示されるポリオキシエチ ンエーテルジアミン、下記式(4)で示される リオキシアルキレンエーテルジアミン、下 式(5)で示されるポリオキシエチレンエーテ ジアミン、下記式(6)で示されるポリオキシ チレンエーテルポリアミンが挙げられる。
 具体的には、例えば、日本油脂社のPEG#1000 アミン(式(3)相当)や、ハンツマン社のジェフ ァーミンED―2003(式(4)相当)、EDR-148(式(5)相当) XTJ-512(式(6)相当)などが挙げられる。

 ポリオキシエチレン基含有ポリアミンの 平均分子量は、例えば、100~20000であり、好 しくは、140~10000である。

(式中、nは、重合度を示す。)

(式中、n、m、lは、重合度を示す。)

(式中、nは、重合度を示す。)

(式中、m、nは、重合度を示す。)
 アミノ基含有アルコキシシリル化合物とし は、例えは、γ-アミノプロピルトリエトキ シラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリ トキシシランなどのアルコキシシリル基含 モノアミン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプ ピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチ )γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン どが挙げられる。アミノ基含有アルコキシ リル化合物を、鎖伸長剤として用いること より、得られるフィルムの強度を向上させ ことができる。

 これらポリアミンは、単独使用または併 することができ、好ましくは、ポリオキシ チレン基含有ポリアミンと、アミノ基含有 ルコキシシリル化合物とを併用する。それ を併用する場合の配合割合は、水性ポリウ タン樹脂の原料総量(仕込み総量)に対して ポリオキシエチレン基含有ポリアミンが、 えば、1~15重量%であり、アミノ基含有アルコ キシシリル化合物が、例えば、0.05~2重量%で る。

 さらに、鎖伸長剤には、上記したポリアミ とともに、モノアミンを併用することがで る。モノアミンを併用することによって、 られる水性ポリウレタン樹脂の粘度を低く ることができる。
 モノアミンとしては、例えば、2-エチルヘ シルアミン、シクロヘキシルアミンなどの ルキルアミン、例えば、ジエチルアミン、 プロピルアミン、ジブチルアミンなどのジ ルキルアミン、例えば、モノエタノールア ン、ジエタノールアミンなどのモノアミノ ルコールなどが挙げられる。

 これらモノアミンは、単独使用または併用 ることができ、好ましくは、モノアミノア コールが挙げられる。モノアミンを併用す 場合の配合割合は、水性ポリウレタン樹脂 原料総量(仕込み総量)に対して、例えば、0. 01~1重量%である。
 さらに、鎖伸長剤には、上記したポリアミ とともに、上記した低分子量ポリオールを 用することができる。低分子量ポリオール 、その目的および用途により、ポリアミン 対して適宜の配合割合で用いられる。

 鎖伸長剤としては、好ましくは、ポリアミ とモノアミンとを併用し、さらに好ましく 、ポリオキシエチレン基含有ポリアミンと アミノ基含有アルコキシシリル化合物と、 ノアミンとを併用する。これらを併用する とにより、水性ポリウレタン樹脂の水分散 の向上、および、得られるフィルムの強度 向上を図ることができる。
 イソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸 剤とを水中で反応させるには、例えば、ま 、イソシアネート基末端プレポリマーを水 に添加して、水分散させ、次いで、それに 伸長剤を添加して、イソシアネート基末端 レポリマーを鎖伸長剤により鎖伸長する。

 イソシアネート基末端プレポリマーを水分 させるには、イソシアネート基末端プレポ マー100重量部に対して、水20~500重量部の割 において、攪拌下、水中にイソシアネート 末端プレポリマーを添加する。
 その後、鎖伸長剤を、イソシアネート基末 プレポリマーが水分散された水中に、攪拌 、イソシアネート基末端プレポリマーのイ シアネート基に対する鎖伸長剤の活性水素 (アミノ基および水酸基)の当量比(活性水素 /イソシアネート基)が、例えば、0.8~1.2の割 となるように、滴下する。

 鎖伸長剤は、好ましくは、35℃以下の温 で滴下し、滴下終了後は、さらに撹拌しつ 、例えば、常温にて反応を完結させる。こ によって、本発明の水性ポリウレタン樹脂 、水分散液(固形分濃度が、例えば、10~60重 %、好ましくは、20~50重量%の水分散液、さら 好ましくは、25~45重量%の水分散液)として得 ることができる。

 なお、上記とは逆に、イソシアネート基末 プレポリマーに水を添加することにより、 ソシアネート基末端プレポリマーを水分散 せ、次いで、それに鎖伸長剤を添加して、 ソシアネート基末端プレポリマーを鎖伸長 により鎖伸長することもできる。
 なお、反応終了後、イソシアネート基末端 レポリマーが溶液重合により得られている 合には、有機溶媒を、例えば、減圧下にお て、適宜の温度で加熱することにより、除 する。

 上記により得られる水性ポリウレタン樹 においては、水性ポリウレタン樹脂(つまり 、水分散液の固形分)中には、ポリオキシエ レン基が、50~85重量%、好ましくは、55~85重量 %、さらに好ましくは、60~80重量%含まれてい 。ポリウレタン樹脂中のポリオキシエチレ 基の割合が、上記下限未満であると、フィ ムの透湿性が低下する場合があり、上記上 を超過すると、フィルムの強度が低下する 合がある。

 また、水性ポリウレタン樹脂の水分散液の 度は、例えば、20000mPa・s(25℃)以下、好まし くは、12000mPa・s(25℃)以下、さらに好ましく 、9000mPa・s(25℃)以下である。なお、粘度は B型粘度計により測定することができる。
 そして、本発明の水性ポリウレタン樹脂は それに含まれるポリオキシエチレンポリオ ルおよびポリオキシエチレン側鎖含有活性 合物が、すべてノニオン性であるため、ア オン性樹脂、カチオン性樹脂およびノニオ 性樹脂のいずれの樹脂に混合しても、安定 た水分散を確保することができる。また、 膜乾燥時に、アミンの遊離がなく、VOC成分 低減することができる。さらに、本発明の 性ポリウレタン樹脂は、比較的低粘度であ 、ハンドリング性の向上を図ることができ 。さらにまた、本発明の水性ポリウレタン 脂では、ポリイソシアネートとして、複数 不含ポリイソシアネートを50重量%以上含有 るので、柔軟な風合いを得ることができる

 そのため、本発明の水性ポリウレタン樹脂 、高い親水性から優れた水膨潤性を示し、 定性が高く、他の水性樹脂との相溶性に優 る。そして、この水性ポリウレタン樹脂を 親水性改質剤として、他の水性樹脂に配合 れば、その水性樹脂の透水性、透湿性、保 性、水膨潤性、帯電防止性などの親水性を 顕著に改質することができる。
 そして、この水性ポリウレタン樹脂を第1水 性樹脂とし、他の水性樹脂を第2水性樹脂と て、第1水性樹脂と第2水性樹脂とを配合すれ ば、透湿防水性に優れる親水性樹脂からなる フィルムを得ることができる。

 第2水性樹脂としては、特に制限されない が、任意の割合で配合できるように、例えば 、第2水性樹脂のエマルションや水溶液とし 調製されており、具体的には、酢酸ビニル マルション、アクリルエマルション、ポリ レタンエマルション、ポリエステルエマル ョン、ポリオレフィンエマルションなどの 性エマルションや、その他、ポリビニルア コール水溶液やポリビニルピロリドン水溶 、ポリビニルアセタール水溶液などの合成 脂水溶液、例えば、デンプン、ゼラチンな の天然高分子水溶液などが挙げられる。

 第2水性樹脂としては、好ましくは、第1水 樹脂と比較して疎水性の高い水性ポリウレ ン樹脂(以下、第2水性ポリウレタン樹脂とす る。)が挙げられる。
 そのような第2水性ポリウレタン樹脂は、例 えば、原料として、ポリイソシアネート、疎 水性マクロポリオール、および、親水性基含 有活性化合物を、少なくとも反応させること により、イソシアネート基末端プレポリマー を合成し、次いで、そのイソシアネート基末 端プレポリマーと、原料として、鎖伸長剤と を反応させることにより、得ることができる 。

 ポリイソシアネートとしては、上記した複 環不含ポリイソシアネートおよび複数環含 ポリイソシアネートの両方を、特に制限な 用いることができる。好ましくは、複数環 有ポリイソシアネート、さらに好ましくは 複数脂環含有ジイソシアネートが挙げられ 。
 疎水性マクロポリオールとしては、例えば ポリエステルポリオール、ポリカーボネー ポリオール、アルキレン基の炭素数が3~10の ポリオキシポリアルキレンポリオールなどが 挙げられる。

 ポリエステルポリオールは、例えば、上 した低分子量ポリオールの1種または2種以 と、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハ 酸、アジピン酸、アゼライン酸、酒石酸、 メリン酸、セバチン酸、シュウ酸、テレフ ル酸、イソフタル酸、マレイン酸、無水マ イン酸、フマル酸、ダイマー酸、トリメリ ト酸などの多価カルボン酸またはその誘導 との反応により生成するポリエステルポリ ール、例えば、ε―カプロラクトンなどの開 環重合により生成するポリカプロラクトンポ リオールなどが挙げられる。

 ポリカーボネートポリオールとしては、例 ば、上記した低分子量ポリオールの1種また は2種以上と、例えば、ジメチルカーボネー 、ジフェニルカーボネート、エチレンカー ネート、ホスゲンなどのカーボネート類と 反応させることにより生成するポリカーボ ートポリオールなどが挙げられる。
 アルキレン基の炭素数が3~10のポリオキシア ルキレンポリオールとしては、例えば、プロ ピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒド ロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エ ーテル類を、例えば、上記した低分子量ポリ オールを開始剤として、開環付加重合させる ことにより生成するポリオキシアルキレンポ リオールなどが挙げられる。例えば、ポリオ キシプロピレンポリオールやポリテトラメチ レンエーテルポリオールなどが挙げられる。 好ましくは、アルキレン基の炭素数が3~7のポ リオキシアルキレンポリオールが挙げられ、 さらに好ましくは、炭素数4~6のポリオキシア ルキレンポリオールが挙げられる。

 これら疎水性マクロポリオールの数平均分 量は、例えば、300~10000、好ましくは、500~500 0である。
 また、疎水性マクロポリオールは、好まし は、第2水性ポリウレタン樹脂の原料総量( 込み総量)に対して、50重量%以上、好ましく 、60重量%以上含まれるように配合する。疎 性マクロポリオールが、50重量%以上含まれ ことにより、親水性樹脂の機械強度を向上 せることができる。

 なお、第2水性ポリウレタン樹脂の合成にお いては、疎水性マクロポリオールとともに、 上記した低分子量ポリオールを、原料として 併用することもできる。低分子量ポリオール を併用する場合には、その配合割合は、第2 性ポリウレタン樹脂の原料総量(仕込み総量) に対して、例えば、0.01~5重量%以下である。
 親水性基含有活性化合物としては、例えば ノニオン性基含有活性化合物、イオン性基 有活性化合物が挙げられる。

 ノニオン性基含有活性水素化合物としては 例えば、ポリオキシエチレングリコールや 記したポリオキシエチレン側鎖含有活性化 物が挙げられる。なお、ノニオン性基含有 性水素化合物において、ノニオン性基、す わち、ポリオキシエチレン基の数平均分子 は、例えば、600~6000である。
 イオン性基含有活性化合物は、例えば、カ ボン酸などのアニオン性基や、4級アミンな どのカチオン性基と、2つ以上の水酸基また アミノ基などの活性水素基とを併有する化 物であって、好ましくは、アニオン性基と2 以上の水酸基とを併有する化合物、より好 しくは、カルボン酸と2つの水酸基とを併有 する化合物が挙げられる。そのような化合物 として、例えば、ジメチロールプロピオン酸 、ジメチロールブタン酸などが挙げられる。

 これら親水性基含有活性化合物として、好 しくは、ポリオキシエチレン側鎖含有活性 合物、さらに好ましくは、ポリオキシエチ ン側鎖含有ポリオールが挙げられる。
 また、親水性基含有活性化合物の配合割合 、第2水性ポリウレタン樹脂の原料総量(仕 み総量)に対して、ノニオン性基含有活性化 物の場合、例えば、5~25重量%であり、イオ 性基含有活性化合物の場合、1.5~8重量%であ 。

 そして、イソシアネート基末端プレポリマ を得るには、上記成分を、水酸基に対する ソシアネート基の当量比(NCO/OH)において、1 超える割合、好ましくは、1.05~4.0の割合で 合し、上記と同様の方法により、上記成分 反応させる。
 なお、イオン性基含有活性化合物が配合さ る場合には、反応後、中和剤(例えば、アニ オン性基の場合には、トリエチルアミンなど の3級アミンなど)を添加して、イオン性基を 和する。

 なお、イソシアネート基末端プレポリマー 、親水性基含有活性化合物を配合せずに、 えば、ポリイソシアネート、疎水性マクロ リオール、および、必要により低分子量ポ オールを反応させた後、乳化剤を添加する とにより、調製することもできる。
 その後、イソシアネート基末端プレポリマ と、鎖伸長剤とを、上記と同様の方法によ 、水中で反応させて、第2水性ポリウレタン 樹脂を得る。

 鎖伸長剤としては、例えば、上記した鎖伸 剤と同様のものを例示することができ、好 しくは、ポリアミン類が挙げられる。
 これによって、第2水性ポリウレタン樹脂を 、水分散液(固形分濃度が、例えば、10~60重量 %、好ましくは、20~50重量%の水分散液)として ることができる。
 また、第2水性樹脂は、それをキャスティン グしたとき(例えば、幅10mm、厚さ0.1mmでキャ ティングしたとき)の機械強度として、引張 強度が、例えば、6MPa以上、さらには、8MPa 上、とりわけ、10MPa以上であり、伸び率が、 例えば、200%以上、さらには、300%以上、とり け、400%以上であることが好適である。また 、同様にキャスティングしたときの水膨潤率 が、例えば、20%以下、さらには、10%以下、と りわけ、5%以下であることが好適である。

 そして、このような第2水性樹脂に、上記し た水性ポリウレタン樹脂を第1水性樹脂とし 配合することにより、透湿防水性に優れる 水性樹脂からなるフィルムを得ることがで る。
 なお、第1水性樹脂と、第2水性樹脂との配 においては、N-メチルピロリドン、N,N-ジメ ルホルムアミドなどの相溶化剤や、ブロッ イソシアネート(例えば、トリレンジイソシ ネート系のブロックイソシアネートなど)な どの硬化剤を、これらとともに配合すること もできる。

 第1水性樹脂と第2水性樹脂との配合割合 、例えば、第1水性樹脂(第1水性樹脂の水分 液の固形分)および第2水性樹脂(第2水性樹脂 水分散液の固形分)の総量に対して、第1水 樹脂が、例えば、20~80重量%、好ましくは、30 ~70重量%である。第1水性樹脂の配合割合が、2 0重量%未満であると、キャスティングして得 れるフィルムの透湿性能が低下する場合が り、80重量%を超過すると、キャスティング て得られるフィルムの強度が低下する場合 ある。

 そして、本発明の親水性樹脂は、キャステ ングすることにより、透湿防水性能を有し フィルムとして得ることができる。なお、 ィルムは、微多孔質または無孔質のいずれ フィルムとしてでも、キャスティングする とができる。
 特に、基布にキャスティングすることによ 、基布を透湿防水加工することができ、例 ば、衣料などに用いられる透湿防水素材を ることができる。

 基布としては、例えば、ポリエステル、ナ ロン、綿などの繊維からなる織物、編物、 織布などが挙げられる。
 親水性樹脂の基布に対するキャスティング 、例えば、ラミネート法、ダイレクトコー 法などの方法が用いられ、その用途によっ 適宜選択される。
 ラミネート法では、例えば、親水性樹脂を 型紙などの表面に塗布して熱処理し、その 、その離型紙を布帛に積層して、熱融着す 方法が挙げられる。

 ダイレクトコート法では、基布表面や離型 表面に、通常のコーティング法、例えば、 イフコーターなどを用いて、直接塗布する 法が挙げられる。
 そして、このようなキャスティングにより 基布の表面が、親水性樹脂からなる透湿防 性を有するフィルムによって被覆され、そ によって、基布の表面が、透湿防水加工さ る。透湿防水加工された基布は、透湿防水 材として、衣料などに用いられる。

 なお、透湿防水性とは、フィルムが、雨や の他の水を通さないが、湿気(水蒸気)を通 性能であり、例えば、衣料に用いられる透 防水素材では、身体からの発汗による水蒸 を衣服外へ放出し、かつ、雨が衣服内に浸 することを防止する性能である。
 また、本発明の親水性樹脂は、基布への追 性能、耐磨耗性能、耐破れ性能などを十分 確保する必要がある。そのため、本発明の 水性樹脂のキャスティングしたフィルムの 械強度としては、引張り強度が、例えば、3 MPa以上、さらには、4MPa以上、さらには、6MPa 上が好適であり、伸び率が、例えば、200%以 上、さらには、300%以上、さらには、400%以上 好適である。

 さらに、本発明の親水性樹脂の透湿性能と ては、キャスティング後のフィルムの厚み0 .02mmにおいて、透湿性試験A-1法(JIS L1099(2006) 準拠)における透湿性能が、3000(g/m 2 ・24hrs)以上、好ましくは、4000(g/m 2 ・24hrs)以上であることが好適である。
 なお、水性ポリウレタン樹脂、第2水性ポリ ウレタン樹脂、および、親水性樹脂には、上 記した本発明の優れた効果を阻害しない範囲 において、硬化触媒や種々の添加剤、例えば 、可塑剤、消泡剤、レベリング剤、防カビ剤 、防錆剤、艶消し剤、難燃剤、揺変剤、粘着 付与剤、増粘剤、滑剤、帯電防止剤、界面活 性剤、反応遅延剤、酸化防止剤、紫外線吸収 剤、加水分解防止剤、耐候安定剤、染料、無 機顔料、有機顔料、体質顔料、硬化剤、タッ ク防止剤などを適宜配合することができる。

 なお、硬化剤としては、例えば、イソシア ート系硬化剤などが挙げられ、好ましくは 例えば、水分散性ポリイソシアネート系硬 剤などが挙げられる。
 また、タック防止剤としては、無機粉末が げられ、好ましくは、二酸化ケイ素粉末な が挙げられる。
 各種の添加剤の配合割合は、その目的およ 用途により適宜選択される。

 また、本発明の水性ポリウレタン樹脂お び親水性樹脂は、上記した衣料分野に限ら 、例えば、自動車、電子機器、建材、人工 革、フィルム処理などの各種産業分野に、 く用いることができる。

 以下に、合成例、実施例および比較例を参 して、本発明をさらに具体的に説明するが これらは、本発明を何ら限定するものでは い。なお、「部」および「%」は、特に言及 がない限り、重量基準である。
  合成例1(ポリオキシエチレン側鎖含有ポリ オールAの合成)
 温度計、窒素ガス導入管および攪拌機を備 た反応器中で、窒素ガスを導入しながら、 キサメチレンジイソシアネート(タケネート 700、三井化学ポリウレタン社製)627.1部、50℃ 加温した数平均分子量1000のメトキシポリエ チレングリコール(MPEG-1000、東邦化学社製)372. 9部を仕込み、80℃で6時間反応させた。所定 イソシアネート基含有量に到達した後、ス ス式薄膜蒸留器にて未反応のヘキサメチレ ジイソシアネートを除去し、ポリオキシエ レン鎖含有モノイソシアネートを得た。こ ポリオキシエチレン鎖含有モノイソシアネ トの計算上の数平均分子量は、1168g/モルで った。

 次いで、温度計、窒素ガス導入管、攪拌 を備えた反応器中で、室温下、窒素ガスを 入しながら、ジエタノールアミン83.9部を仕 込んだ。冷却しながら、ポリオキシエチレン 鎖含有モノイソシアネートA916.1部を添加し、 60℃で3時間反応させた。赤外スペクトルにて 尿素結合の生成を確認し、ポリオキシエチレ ン側鎖含有ポリオールAを得た。このポリオ シエチレン側鎖含有ポリオールAは、78.5重量 %のポリオキシエチレン基を含有し、その計 上の数平均分子量は、1275g/モルであった。

  実施例1(水性ポリウレタン樹脂Aの合成)
 還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機 備えた4つ口フラスコ中に、1,3-(ビスイソシ ナトメチル)シクロヘキサン(商品名:タケネ ト600、三井化学ポリウレタン社製)52.5gと、 平均分子量1000のポリエチレングリコール( 品名:PEG-1000、東邦化学社製)177.9gと、ポリオ シエチレン側鎖含有ポリオールA41.7gと、ア トニトリル120gとを仕込み、窒素雰囲気下で 、反応液温度を75~78℃に調整して、オクチル 第1錫(反応触媒、商品名:スタノクト、APIコ ポレーション社製)を微量加え、7時間で反 率99%以上まで反応させた。次いで、これを30 ℃まで冷却し、イソシアネート基末端プレポ リマーを得た。

 次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備 た反応容器に、水900gを添加して、25℃に調 して、2000min -1 で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端 プレポリマーを添加して水分散した。
 その後、数平均分子量1000のポリオキシエチ レンジアミン(商品名:PEG#1000ジアミン、日本 脂社製)25.1gと、N-β(アミノエチル)γ-アミノ ロピルメチルジメトキシシラン(アミン価544 商品名:KBM602、信越化学工業社製)1.7gと、モ エタノールアミン1gとを加え、30~35℃にて3 間攪拌した。その後、減圧下で、アセトニ リルおよび水の一部を除去することにより 水性ポリウレタン樹脂Aの水分散液1000gを調 した。

 得られた水性ポリウレタン樹脂Aについて、 配合処方に基づく計算上のポリオキシエチレ ン基の含有量(EO含量(重量%))、水分散液の固 分(重量%)および粘度(mPa・s)を表1に示す。
  実施例2、3(水性ポリウレタン樹脂B、Cの合 成)
 下記の表1に示す配合処方に基づいて、実施 例1と同様の方法により、水性ポリウレタン 脂Bの水分散液(実施例2)、および、水性ポリ レタン樹脂Cの水分散液(実施例3)を、それぞ れ調製した。

 また、実施例1と同様に、得られた水性ポリ ウレタン樹脂B、Cについて、配合処方に基づ 計算上のポリオキシエチレン基の含有量(EO 量(重量%))、水分散液の固形分(重量%)および 粘度(mPa・s)を表1に示す。
  比較例1(水性ポリウレタン樹脂Dの合成)
 下記の表1に示す配合処方に基づいて、実施 例1と同様の方法により、水性ポリウレタン 脂Dの水分散液を調製した。しかし、鎖伸長 を添加した2分後に水分散液の粘度が高くな り始め、5分後にゲル化した。

  比較例2(水性ポリウレタン樹脂Eの合成)
 還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機 備えた4つ口フラスコ中に、1,3-(ビスイソシ ナトメチル)シクロヘキサン(商品名:タケネ ト600、三井化学ポリウレタン社製)38.2gと、4 ,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシア ート)(商品名:デスモジュールW、バイエル社 )25.8gと、数平均分子量1000のポリエチレング リコール(商品名:PEG-1000、東邦化学社製)124.8g 、ジメチロールプロピオン酸(商品名:Bis-MPA パーストープ社製)13.6gと、アセトニトリル1 00gとを仕込み、窒素雰囲気下で、反応液温度 を75~78℃に調整して、オクチル酸第1錫(反応 媒、商品名:スタノクト、APIコーポレーショ 社製)を微量加え、7時間で反応率99%以上ま 反応させた。次いで、これを30℃まで冷却し 、トリエチルアミン10.2gを加えて、十分に撹 して中和し、イソシアネート基末端プレポ マーを得た。

 次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備 た反応容器に、水900gを添加して、25℃に調 して、2000min -1 で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端 プレポリマーを添加して水分散した。
 その後、数平均分子量1000のポリオキシエチ レンジアミン(商品名:PEG#1000ジアミン、日本 脂社製)33.7gと、N-β(アミノエチル)γ-アミノ ロピルメチルジメトキシシラン(アミン価544 商品名:KBM602、信越化学工業社製)2.3gと、モ エタノールアミン1.4gとを加え、30~35℃にて3 時間攪拌した。その後、減圧下で、アセトニ トリルおよび水の一部を除去することにより 、水性ポリウレタン樹脂Eの水分散液1000gを調 製した。

 得られた水性ポリウレタン樹脂Eについて 、配合処方に基づく計算上のポリオキシエチ レン基の含有量(EO含量(重量%))、水分散液の 形分(重量%)および粘度(mPa・s)を表1に示す。

 なお、表1中の略号は、下記の通りである。
H 6 XDI:1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ ン、商品名タケネート600、三井化学ポリウ タン社製
IPDI:イソホロンジイソシアネート、エボニッ デグサ社製
H 12 MDI:4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイソシ ネート)、商品名デスモジュールW、バイエ 社製
PEG-1000:数平均分子量1000のポリエチレングリ ール、東邦化学社製
POE側鎖ポリオールA:ポリオキシエチレン側鎖 有ポリオールA
PEG#1000ジアミン:数平均分子量1000のポリオキ エチレンジアミン、日本油脂社製
KBM602:N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメ ルジメトキシシラン(アミン価544)、信越化学 工業社製
  合成例2(第2水性ポリウレタン樹脂Aの合成)
 還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機 備えた4つ口フラスコ中に、4,4’-メチレン ス(シクロヘキシルイソシアネート)(商品名: スモジュールW、バイエル社製)81.8gと、数平 均分子量2000のポリカプロラクトンジオール( 品名:プラクセル220、ダイセル化学社製)217.2 gと、エチレングリコール5.1gと、ポリオキシ チレン側鎖含有ポリオールA41.5gと、アセト トリル350gとを仕込み、窒素雰囲気下で、反 応液温度を75~78℃に調整して、オクチル酸第1 錫(反応触媒、商品名:スタノクト、APIコーポ ーション社製)を微量加え、7時間で反応率99 %以上まで反応させた。次いで、これを30℃ま で冷却し、イソシアネート基末端プレポリマ ーを得た。

 そして、25℃の水700gを徐々に添加して、水 散した。その後、イソホロンジアミン14.4g 加え、30~35℃にて3時間攪拌した。その後、 圧下で、アセトニトリルおよび水の一部を 去することにより、第2水性ポリウレタン樹 Aの水分散液1000gを調製した。
 得られた第2水性ポリウレタン樹脂Aについ 、配合処方に基づく計算上のポリオキシエ レン基の含有量(EO含量(重量%))、水分散液の 形分(重量%)および粘度(mPa・s)を表2に示す。

 合成例3、4(第2水性ポリウレタン樹脂B、Cの 成)
 下記の表2に示す配合処方に基づいて、合成 例2と同様の方法により、第2水性ポリウレタ 樹脂Bの水分散液(合成例3)、および、第2水 ポリウレタン樹脂Cの水分散液(合成例4)を、 れぞれ調製した。
 また、合成例2と同様に、得られた第2水性 リウレタン樹脂B、Cについて、配合処方に基 づく計算上のポリオキシエチレン基の含有量 (EO含量(重量%))、水分散液の固形分(重量%)お び粘度(mPa・s)を表2に示す。

  合成例5(第2水性ポリウレタン樹脂Dの合成)
 還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機 備えた4つ口フラスコ中に、4,4’-メチレン ス(シクロヘキシルイソシアネート)(商品名: スモジュールW、バイエル社製)74.4gと、数平 均分子量2000のポリテトラメチレンエーテル リコール(商品名:PTG2000SN、東邦化学社製)152.8 gと、エチレングリコール3.6gと、ジメチロー プロピオン酸(商品名:Bis-MPA、パーストープ 製)9.2gと、アセトニトリル250gとを仕込み、 素雰囲気下で、反応液温度を75~78℃に調整 て、オクチル酸第1錫(反応触媒、商品名:ス ノクト、APIコーポレーション社製)を微量加 、7時間で反応率99%以上まで反応させた。次 いで、これを30℃まで冷却し、トリエチルア ン7gを加えて、十分に撹拌して中和し、イ シアネート基末端プレポリマーを得た。

 次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備 た反応容器に、水950gを添加して、25℃に調 して、2000min -1 で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端 プレポリマーを添加して水分散した。
 その後、イソホロンジアミン13.1gを加え、30 ~35℃にて3時間攪拌した。その後、減圧下で アセトニトリルおよび水の一部を除去する とにより、第2水性ポリウレタン樹脂Dの水分 散液1000gを調製した。

 得られた第2水性ポリウレタン樹脂Dにつ て、配合処方に基づく計算上のポリオキシ チレン基の含有量(EO含量(重量%))、水分散液 固形分(重量%)および粘度(mPa・s)を表2に示す 。

 なお、表2中の略号は、下記の通りである。
H 12 MDI:4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイソシ ネート)、商品名デスモジュールW、バイエ 社製
プラクセル220:数平均分子量2000のポリカプロ クトンジオール、商品名ダイセル化学社製
PTG2000SN:数平均分子量2000のポリテトラメチレ エーテルグリコール、保土谷化学社製
UH-200:数平均分子量2000のポリカーボネートジ ール、宇部興産社製
POE側鎖ポリオールA:ポリオキシエチレン側鎖 有ポリオールA
  実施例4(親水性樹脂Aの合成)
 高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反 容器に、水性ポリウレタン樹脂Aの水分散液 320gと、第2水性ポリウレタン樹脂Aの水分散液 500gとを加え、2000min -1 で10分間攪拌混合した。その後、減圧下で脱 し、親水性樹脂Aの水分散液を得た。

 得られた親水性樹脂Aについて、配合処方に 基づく計算上のポリオキシエチレン基の含有 量(EO含量(重量%))、水分散液の固形分(重量%) よび粘度(mPa・s)を表3に示す。
  実施例5~9および比較例3(親水性樹脂B~Gの合 成)
 表3に示す配合処方に基づいて、実施例4と 様の方法により、親水性樹脂B~Gの水分散液 調製した。なお、実施例9では,攪拌混合後に 減圧下に脱水して、固形分濃度を調整した。

 得られた親水性樹脂B~Gについて、配合処 に基づく計算上のポリオキシエチレン基の 有量(EO含量(重量%))、水分散液の固形分(重 %)および粘度(mPa・s)を表3に示す。

  実施例10(水性ポリウレタン樹脂Fの合成)
 還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機 備えた4つ口フラスコ中に、1,3-(ビスイソシ ナトメチル)シクロヘキサン(商品名:タケネ ト600、三井化学ポリウレタン社製)67.6gと、 平均分子量1000のポリエチレングリコール( 品名:PEG-1000、東邦化学社製)243.3gと、ポリオ シエチレン側鎖含有ポリオールA39.1gと、ア トニトリル150gとを仕込み、窒素雰囲気下で 、反応液温度を75~78℃に調整して、7時間で反 応率99%以上まで反応させた。次いで、これを 30℃まで冷却し、イソシアネート基末端プレ リマーを得た。

 次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備 た反応容器に、水958.5gを添加して、25℃に 整して、2000min -1 で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端 プレポリマーを添加して水分散した。
 その後、エチレンジアミン2.1gと、N-β(アミ エチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシ シラン(アミン価544、商品名:KBM602、信越化学 業社製)1.5gと、モノエタノールアミン0.9gと 加え、30~35℃にて3時間攪拌した。その後、 圧下で、アセトニトリルおよび水の一部を 去することにより、水性ポリウレタン樹脂F の水分散液1100gを調製した。

 得られた水性ポリウレタン樹脂Fについて、 配合処方に基づく計算上のポリオキシエチレ ン基の含有量(EO含量(重量%))、水分散液の固 分(重量%)および粘度(mPa・s)を表4に示す。
  実施例11~13(水性ポリウレタン樹脂G~Iの合 )
 下記の表4に示す配合処方に基づいて、実施 例10と同様の方法により、水性ポリウレタン 脂Gの水分散液(実施例11)、水性ポリウレタ 樹脂Hの水分散液(実施例12)、および、水性ポ リウレタン樹脂Iの水分散液(実施例13)を、そ ぞれ調製した。

 また、実施例10と同様に、得られた水性 リウレタン樹脂G~Iについて、配合処方に基 く計算上のポリオキシエチレン基の含有量(E O含量(重量%))、水分散液の固形分(重量%)およ 粘度(mPa・s)を表4に示す。

 なお、表4中の略号は、下記の通りである。
H 6 XDI:1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキ ン、商品名タケネート600、三井化学ポリウ タン社製
PEG-1000:数平均分子量1000のポリエチレングリ ール、東邦化学社製
POE側鎖ポリオールA:ポリオキシエチレン側鎖 有ポリオールA
KBM602:N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメ ルジメトキシシラン(アミン価544)、信越化学 工業社製
アミノアルコールEA:N-(2-アミノエチル)エタノ ールアミン、日本乳化剤社製
 合成例6(第2水性ポリウレタン樹脂Eの合成)
 還流冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機 備えた4つ口フラスコ中に、4,4’-メチレン ス(シクロヘキシルイソシアネート)(商品名: スモジュールW、バイエル社製)86.4gと、数平 均分子量2000のポリテトラメチレンエーテル リコール(商品名:PTHF2000、BASFジャパン社製)22 6.6gと、エチレングリコール2.5gと、ジメチロ ルプロピオン酸(商品名:Bis-MPA、パーストー 社製)11gと、アセトニトリル143.5gと、アセト ン79.7gとを仕込み、窒素雰囲気下で、反応液 度を75~78℃に調整して、7時間で反応率99%以 まで反応させた。次いで、これを30℃まで 却し、トリエチルアミン8.3gを加えて、十分 撹拌して中和し、イソシアネート基末端プ ポリマーを得た。

 次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備 た反応容器に、水1050gを添加して、25℃に調 整して、2000min -1 で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端 プレポリマーを添加して水分散した。
 その後、イソホロンジアミン15.2gを加え、30 ~35℃にて3時間攪拌した。その後、減圧下で アセトニトリルおよび水の一部を除去する とにより、第2水性ポリウレタン樹脂Eの水分 散液1000gを調製した。

 得られた第2水性ポリウレタン樹脂Eにつ て、配合処方に基づく計算上のポリオキシ チレン基の含有量(EO含量(重量%))、水分散液 固形分(重量%)および粘度(mPa・s)を表5に示す 。

 なお、表5中の略号は、下記の通りである。
H 12 MDI:4,4´-メチレンビス(シクロヘキシルイソシ ネート)、商品名デスモジュールW、バイエ 社製
PTHF2000:数平均分子量2000のポリテトラメチレ エーテルグリコール、BASFジャパン社製
  実施例14(親水性樹脂Hの合成)
 高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反 容器に、水性ポリウレタン樹脂Fの水分散液 476gと、第2水性ポリウレタン樹脂Eの水分散液 400gとを加え、さらに、トリレンジイソシア ート系のブロックイソシアネート(商品名:タ ケネートWB-700、三井化学ポリウレタン社製) 、水性ポリウレタン樹脂Fの水分散液と第2水 性ポリウレタン樹脂Eの水分散液との総量100 量部に対して、5重量部の割合で配合し、2000 min -1 で10分間攪拌混合した。その後、減圧下で脱 し、親水性樹脂Hの水分散液を得た。

 得られた親水性樹脂Hについて、ブロックイ ソシアネートの配合量を除いた、配合処方に 基づく計算上のポリオキシエチレン基の含有 量(EO含量(重量%))、水分散液の固形分(重量%) よび粘度(mPa・s)を表6に示す。
  実施例15~18(親水性樹脂I~Lの合成)
 表6に示す配合処方に基づいて、実施例14と 様の方法により、親水性樹脂I~Lの水分散液 調製した。なお、実施例17および18において は、水性ポリウレタン樹脂の水分散液および 第2水性ポリウレタン樹脂の水分散液ととも 、水を配合した。

 得られた親水性樹脂I~Lについて、ブロッ イソシアネートの配合量を除いた、配合処 に基づく計算上のポリオキシエチレン基の 有量(EO含量(重量%))、水分散液の固形分(重 %)および粘度(mPa・s)を表6に示す。

 なお、表6中の略号は、下記の通りである。
WB700:硬化剤、トリレンジイソシアネート系の ブロックポリイソシアネート、商品名:タケ ートWB-700、固形分濃度44重量%、三井化学ポ ウレタン社製
 また、表6においては、硬化剤の配合処方を 、水性ポリウレタン樹脂の水分散液と、第2 性ポリウレタン樹脂の水分散液と、必要に り配合される水との総量100重量部に対する 合量(単位:重量部)として表記している。

  評価
透湿性試験(透湿性試験A-1法)
 各実施例および各比較例の親水性樹脂の水 散液を、キャスティングして、膜厚0.02mmの 燥透明フィルムを形成した。その後、この ィルムを、JIS L1099(2006)A-1法(塩化カルシウ 法)に準拠して透湿性を評価した。その結果 表3および表6に示す。
機械強度試験
 各実施例および各比較例の親水性樹脂の水 散液を、キャスティングして、膜厚0.1mmの 燥透明フィルムを形成した。その後、この ィルムを1cmの短冊状に切断し、引張速度200mm /分の条件で引張試験し、破断時の応力(引張 度(MPa))、伸び率(%)および100%モジュラス(MPa) 測定した。その結果を表3および表6に示す

 なお、上記透湿性試験および機械強度試験 おいて、親水性樹脂Gの水分散液は、アニオ ン性の水性ポリウレタン樹脂Eおよび第2水性 リウレタン樹脂Dが配合されているため、親 水性樹脂Gの水分散液の粘度が高く、親水性 脂A~Fに比べ、ハンドリング性が不良であっ 。
 なお、上記説明は、本発明の例示の実施形 として提供したが、これは単なる例示にす ず、限定的に解釈してはならない。当該技 分野の当業者によって明らかな本発明の変 例は、後記の特許請求の範囲に含まれるも である。

 本発明の水性ポリウレタン樹脂は、親水 改質剤として好適に用いられる。また、本 明の水性ポリウレタン樹脂が含まれる、本 明の親水性樹脂は、透湿防水加工のための ーティング剤として、好適に用いられる。 して、本発明の親水性樹脂から得られる、 発明のフィルムは、優れた透湿防水性能を するため、透湿防水加工に好適に用いられ 。