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Title:
BRAKE CONTROLLER OF ELECTRIC VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146369
Kind Code:
A1
Abstract:
A brake controller of an electric vehicle is prevented from becoming a state of excessive braking power or a state of insufficient braking power. An electric braking power command controlling portion (15) generates an electric braking power command (14) for each motor. A comparison pattern generating portion (5) generates an electric braking power comparison pattern (10) for a falling advance announcement signal which is an electric braking power comparison pattern (9) for falling shifted by a predetermined frequency in a direction of increasing the motor frequency. The electric braking power comparison pattern (9) for falling is used for switching electric braking power to mechanical braking power, while reducing the electric braking power to zero when terminating the electric brake. A comparing portion (7) outputs a smaller signal among the electric braking power command (14) and electric braking power comparison pattern (9) for falling as an electric braking power pattern (11) to a motor controlling portion (31). A comparing portion (8) outputs a signal which is output in the timing that the electric braking power comparison pattern (10) for a falling advance announcement signal becomes the electric braking power command (14) or below as a falling advance announcement signal (4) to a mechanical brake controller (2).

Inventors:
HARADA RYOTARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/060977
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 30, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
HARADA RYOTARO (JP)
International Classes:
B60T13/66; B61H11/00; B60T13/74
Foreign References:
JPH0314760A1991-01-23
JPH1159400A1999-03-02
JPH01233152A1989-09-18
JPS639477Y21988-03-22
JPH08164857A1996-06-25
Other References:
See also references of EP 2151363A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 19, JP)
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Claims:
 電気車を駆動する1または複数のモータを制御するためのモータ制御信号を出力するモータ制御部と、前記各モータに生ずる実際の電気ブレーキ力を表す信号である実電気ブレーキ力信号および電気ブレーキが立下がることを一定時間前に通知するための立下げ予告信号を生成する電気ブレーキ制御部と、前記電気ブレーキ制御部から出力される実電気ブレーキ力信号および立下げ予告信号に基づき、電気ブレーキ力と機械ブレーキ力とによる総合的なブレーキ力を制御する機械ブレーキ制御装置と、を備えた電気車のブレーキ制御装置において、
 前記電気ブレーキ制御部は、
 前記各モータに対する電気ブレーキ力指令を生成する電気ブレーキ力指令制御部と、
 電気ブレーキの終速時に電気ブレーキ力を0に減少させつつ、機械ブレーキ力に切り替えるための指令値パターンである立下げ用電気ブレーキ力比較パターンおよび、該立下げ用電気ブレーキ力比較パターンをモータ周波数の増加する側に所定周波数だけシフトさせた立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パターンを生成する比較パターン生成部と、
 前記電気ブレーキ力指令と前記立下げ用電気ブレーキ力比較パターンとの大小を比較し、これらの信号のうちの小さい方の信号を電気ブレーキ力パターンとして前記モータ制御部に出力する第1の比較部と、
 前記電気ブレーキ力指令と前記立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パターンとの大小を比較し、該立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パターンが該電気ブレーキ力指令以下となるタイミングで出力される信号を前記立下げ予告信号として前記機械ブレーキ制御装置に出力する第2の比較部と、
 を備えたことを特徴とする電気車のブレーキ制御装置。
[規則91に基づく訂正 04.06.2007]
 前記立下げ用電気ブレーキ力比較パターンに対する所定周波数分のシフト量が、電気車の主幹制御器であるマスターコントローラの選択ポジションに応じて算出されることを特徴とする請求項1に記載の電気車のブレーキ制御装置。
 前記比較パターン生成部は、
 前記モータの運転周波数に応ずる該モータの電気ブレーキ力を算出するための参照テーブルである第1の参照テーブルと、
 前記立下げ用電気ブレーキ力比較パターンに対する所定周波数分のシフト量を、前記マスターコントローラの選択ポジションに応ずる電気ブレーキ力の変化量として算出するための第2の参照テーブルと、
 を備え、
 前記第1の参照テーブルの出力から前記第2の参照テーブルの出力を差し引いた信号を前記立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パターンとして前記第2の比較部に出力することを特徴とする請求項1に記載の電気車のブレーキ制御装置。
Description:
電気車のブレーキ制御装置

 本発明は、電気車のブレーキ制御装置に するものであり、特に、電気車における電 ブレーキと空気ブレーキを含む機械ブレー との間のブレンディング制御技術に関する のである。

 近年、電動機を動力とする鉄道車両(以下 「電気車」という)において、電気車の速度 低下させる制動手段として、電気ブレーキ 併用するブレーキシステムの採用が多くな ている。電気ブレーキを併用する場合、車 の停止前に電気ブレーキの立下げを行いつ 、機械ブレーキを立上げることにより、電 ブレーキから機械ブレーキに切り替えるブ ンディング制御が必要になっている。

 一般的に、電気ブレーキの制御は主変換 置が行い、機械ブレーキの制御は機械ブレ キ制御装置が行うが、ブレンディング制御 は、機械ブレーキ制御装置が電気ブレーキ を監視するとともに、電気ブレーキ力と機 ブレーキ力とのトータルブレーキ力が一定 なるように機械ブレーキを立上げることが われる。このとき、機械ブレーキの応答が い場合には、機械ブレーキ力の立ち上がり 遅れによってトータルブレーキ力が一定に らないため、減速度が一定とならず、乗り 地が悪化するという問題が発生することが った。

 この種の問題の解決策の一つとして、電 ブレーキの立下げ速度より少し高い速度で 電気ブレーキの立下げ開始を予告するため 立下げ予告信号を主変換装置から機械ブレ キ制御装置に対して出力する制御手法を開 した文献が存在する(例えば、下記特許文献 1)。

 この特許文献1に示される手法では、機械 ブレーキ装置は、この立下げ予告信号を監視 して機械ブレーキの立上げ指令を早めること により、機械ブレーキ力の立上げを電気ブレ ーキ力の立下げに合わせるようにしている。 すなわち、この従来手法では、電気ブレーキ を立下げる速度より少し高い速度になった時 点で立下げ予告信号を出力し、その後、電気 ブレーキを立下げる速度になった時点で電気 ブレーキの立下げを開始することが行われる 。

特開平8-164857号公報

 しかしながら、立下げ予告信号を出力す 従来手法では、前述のように、電気ブレー の立下げ速度より少し高い速度になった時 で立下げ予告信号を出力し、その後、電気 レーキの立下げ速度になった時点で電気ブ ーキの立下げを開始する制御が行われるた 、以下に示すような問題点があった。

 まず、電気ブレーキを立下げるタイミン と立下げ予告信号を出力するタイミングと 時間差が一定にならない場合があり、ブレ キ力過多、あるいはブレーキ力不足の状態 生じさせる原因となっていた。

 また、電気ブレーキの立下げ開始速度を 変としない場合、電気ブレーキから空気ブ ーキに切替わるタイミングが早くなると、 気ブレーキを使用する量が減り、機械ブレ キを使用する量が増える。電気ブレーキは モータからの電気エネルギーを回生するた 、使用量が増えるほど省エネ/少コストにな る。また、機械ブレーキの使用量が減るほど 、ブレーキシューの磨耗が減るので、メンテ ナンスコストが減少することになる。すなわ ち、従来手法では、電気ブレーキを使用する 量が減少するとともに、機械ブレーキの使用 量も増大するため、省エネ効果が小さくなり 、かつ、コストが増大するという問題点があ った。

 一方、電気ブレーキの立下げ開始速度を 変とした場合であっても、減速度の減速率 決定づけるマスターコントローラのポジシ ンが変化した場合には、電気ブレーキを立 げるタイミングと立下げ予告信号を出力す タイミングとの時間差が一定にならず、空 ブレーキを込めるタイミングが早すぎたり 遅すぎたりして、ブレーキ力過多、あるい ブレーキ力不足の状態を生じさせる原因と り、車輪の不要な磨耗や乗り心地の悪化を き起こすという問題点があった。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、電気ブレーキの立下げ開始速度に応 た立下げ予告信号を出力することにより、 レーキ力過多あるいはブレーキ力不足の状 になることを抑止し、省エネ効果を高め、 ストの増大を抑制するようにした電気車の レーキ制御装置を提供することを目的とす 。

 また、本発明は、マスターコントローラ ポジションを変化させた場合であっても、 レーキ力過多あるいはブレーキ力不足の状 になることを抑止し、省エネ効果を高め、 ストの増大を抑制するようにした電気車の レーキ制御装置を提供することを目的とす 。

 上述した課題を解決し、目的を達成する め、本発明にかかる電気車のブレーキ制御 置は、電気車を駆動する1または複数のモー タを制御するためのモータ制御信号を出力す るモータ制御部と、前記各モータに生ずる実 際の電気ブレーキ力を表す信号である実電気 ブレーキ力信号および電気ブレーキが立下が ることを一定時間前に通知するための立下げ 予告信号を生成する電気ブレーキ制御部と、 前記電気ブレーキ制御部から出力される実電 気ブレーキ力信号および立下げ予告信号に基 づき、電気ブレーキ力と機械ブレーキ力とに よる総合的なブレーキ力を制御する機械ブレ ーキ制御装置と、を備えた電気車のブレーキ 制御装置において、前記電気ブレーキ制御部 は、前記各モータに対する電気ブレーキ力指 令を生成する電気ブレーキ力指令制御部と、 電気ブレーキの終速時に電気ブレーキ力を0 減少させつつ、機械ブレーキ力に切り替え ための指令値パターンである立下げ用電気 レーキ力比較パターンおよび、該立下げ用 気ブレーキ力比較パターンをモータ周波数 増加する側に所定周波数だけシフトさせた 下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パター を生成する比較パターン生成部と、前記電 ブレーキ力指令と前記立下げ用電気ブレー 力比較パターンとの大小を比較し、これら 信号のうちの小さい方の信号を電気ブレー 力パターンとして前記モータ制御部に出力 る第1の比較部と、前記電気ブレーキ力指令 前記立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較 ターンとの大小を比較し、該立下げ予告信 用電気ブレーキ力比較パターンが該電気ブ ーキ力指令以下となるタイミングで出力さ る信号を前記立下げ予告信号として前記機 ブレーキ制御装置に出力する第2の比較部と 、を備えたことを特徴とする。

 本発明にかかる電気車のブレーキ制御装 によれば、電気ブレーキ制御部には、電気 レーキ力指令制御部、比較パターン生成部 第1の比較部、および第2の比較部が具備さ 、これらの各部において、電気ブレーキ力 令制御部は、各モータに対する電気ブレー 力指令を生成し、比較パターン生成部は、 気ブレーキの終速時に電気ブレーキ力を0に 少させつつ、機械ブレーキ力に切り替える めの立下げ用電気ブレーキ力比較パターン 生成するとともに、立下げ用電気ブレーキ 比較パターンをモータ周波数の増加する側 所定周波数だけシフトさせた立下げ予告信 用電気ブレーキ力比較パターンを生成し、 1の比較部は、電気ブレーキ力指令と立下げ 用電気ブレーキ力比較パターンのうちの小さ い方の信号を電気ブレーキ力パターンとして モータ制御部に出力し、第2の比較部は、立 げ予告信号用電気ブレーキ力比較パターン 電気ブレーキ力指令以下となるタイミング 出力される信号を立下げ予告信号として機 ブレーキ制御装置に出力するようにしてい ので、電気ブレーキの立下げ開始速度に応 た立下げ予告信号を出力することができ、 レーキ力過多あるいはブレーキ力不足の状 を生じさせることなく、省エネ効果を高め コストの増大を抑制することができるとい 効果を奏する。

図1は、本発明の好適な実施にかかる電 気車のブレーキ制御装置の概略構成を示す図 である。 図2は、主変換装置内に具備される電気 ブレーキ制御部の制御系の構成を示す図であ る。 図3は、主変換装置内に具備される比較 パターン生成部の制御系の構成を示す図であ る。 図4は、比較パターン生成部内に具備さ れる電気ブレーキ立下げテーブルの概略特性 を示す図である。 図5は、比較パターン生成部内に具備さ れる引き込みテーブルの概略特性を示す図で ある。 図6は、マスコン率に応じて変動する引 き込み電気ブレーキ力の概念を示す図である 。 図7は、従来技術にかかる立下げ予告信 号の概念を説明するための図である。 図8は、本実施の形態にかかる立下げ予 告信号の概念を説明するための図である。

符号の説明

 1 主変換装置
 2 機械ブレーキ制御装置
 3 実電気ブレーキ力信号
 4 立下げ予告信号
 5 比較パターン生成部
 6 実電気ブレーキ力演算部
 7,8 比較部
 9 立下げ用電気ブレーキ力比較パターン
 10 立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パ ターン
 11 電気ブレーキ力パターン
 12 電気ブレーキ立下げテーブル
 13 引き込みテーブル
 14 電気ブレーキ力指令
 15 電気ブレーキ力指令制御部
 16 立下げ速度可変型立下げ予告信号生成部
 17 引き込み電気ブレーキ力
 18 減算器
 31 モータ制御部
 32 モータ群
 33 機械ブレーキ
 34 電気ブレーキ制御部
 S1,S2 信号線

 以下に、本発明の好適な実施にかかる電 車のブレーキ制御装置を図面に基づいて詳 に説明する。なお、以下の実施の形態によ 本発明が限定されるものではない。

(ブレーキ制御装置の構成)
 図1は、本発明の好適な実施にかかる電気車 のブレーキ制御装置を含むブレーキ制御系の 概略構成を示す図である。同図に示すブレー キ制御系では、モータ群32を構成する1以上の モータ(32 1 …32 n )を制御する主変換装置1、および空気ブレー 等を含む機械ブレーキ33を制御する機械ブ ーキ制御装置2が構成されるとともに、主変 装置1は、モータ(32 1 …32 n )を直接的に制御するモータ制御部31およびモ ータ制御部31を通じてモータ(32 1 …32 n )に制動信号(電気ブレーキ信号)を付与する電 気ブレーキ制御部34を備え、この電気ブレー 制御部34と機械ブレーキ制御装置2との間が 号線S1,S2を通じて接続されている。なお、 実施の形態にかかるブレーキ制御装置は、 ータ制御部31、電気ブレーキ制御部34および 械ブレーキ制御装置2によって構成される。

(ブレーキ制御装置の全体機能)
 図1において、主変換装置1のモータ制御部31 は、PWM(Pulse Width Moduration)制御等によって所 電圧、所定周波数の交流電圧を出力してモ タ群32を構成する各モータ(32 1 …32 n )の回転を制御する。電気ブレーキ制御部34は 、実際の電気ブレーキ力を表す信号である実 電気ブレーキ力信号および電気ブレーキが立 下がることを一定時間前に通知するための立 下げ予告信号4を生成して機械ブレーキ制御 置2に出力する。機械ブレーキ制御装置2は、 信号線S1を通じて入力される実電気ブレーキ 信号3および信号線S2を通じて入力される立 げ予告信号4に基づき、空気ブレーキ力等の 機械ブレーキ力を決定して機械ブレーキ力信 号37を出力する。

(ブレーキ制御装置の全体動作)
 図1において、モータ制御部31および電気ブ ーキ制御部34を備えた主変換装置1は、電気 レーキを働かせる際に各モータを回生させ 所定の電気ブレーキ力を得るとともに、各 ータを発電機として動作させて所定の電力 架線に戻すか、あるいは消費装置(図示省略 )で消費させる。また、主変換装置1は、前述 た実電気ブレーキ力信号3および立下げ予告 信号4を出力する。一方、機械ブレーキ制御 置2は、トータルブレーキ力と機械ブレーキ とを制御するが、この際、主変換装置1の電 気ブレーキ制御部34から出力される実電気ブ ーキ力信号3に基づいて所要のトータルブレ ーキ力を保持するに必要な不足ブレーキ力を 演算するとともに、当該不足ブレーキ力を機 械ブレーキ力で補うように制御する。また、 機械ブレーキ制御装置2は、主変換装置1の電 ブレーキ制御部34から出力される立下げ予 信号4に基づき、電気ブレーキが所定時間後 立下がることを知り、機械ブレーキ力を立 げる制御を行うが、この際、電気ブレーキ と機械ブレーキ力とによるトータルブレー 力を一定に保持し、減速度を変化させない うに制御する。

(電気ブレーキ制御部の構成)
 図2は、主変換装置1内に具備される電気ブ ーキ制御部34の構成を中心として示す図であ る。同図に示すように、主変換装置1内に構 される電気ブレーキ制御部34は、実電気ブレ ーキ力演算部6、電気ブレーキ力指令制御部15 および立ち下げ速度可変型立下げ予告信号生 成部16を備えるとともに、電気ブレーキ力指 制御部15は、比較パターン生成部5、比較部7 ,8を備えている。

(電気ブレーキ制御部の動作)
 図2において、電気ブレーキ力指令制御部15 、電気ブレーキ力指令14を生成して第1の比 部である比較部7に出力する。比較パターン 生成部5は、立下げ用電気ブレーキ力比較パ ーン9を生成して比較部7に出力するとともに 、立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パタ ーン10を生成して第2の比較部である比較部8 出力する。実電気ブレーキ力演算部6は、前 の実電気ブレーキ力信号3を生成して機械ブ レーキ制御装置2に出力する。

 比較部7は、入力された電気ブレーキ力指 令14と立下げ用電気ブレーキ力比較パターン9 とを比較し、これらの信号のうちの小さい方 の信号を電気ブレーキ力パターン11として生 してモータ制御部31に出力する。なお、モ タ群32の各モータに付与する電気ブレーキ力 は、この電気ブレーキ力パターン11に従って 御される。

 比較部8は、入力された電気ブレーキ力指 令14と立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較 ターン10とを比較し、立下げ予告信号用電 ブレーキ力比較パターン10が電気ブレーキ力 指令14以下となったタイミング時に出力され 立下げ予告信号4を生成して機械ブレーキ制 御装置2に出力する。

 また、実電気ブレーキ力演算部6は、電気 ブレーキ力を電気ブレーキ力パターン11に追 させる制御を行わせるため、実電気ブレー 力信号3を演算して機械ブレーキ制御装置2 出力する。

(比較パターン生成部5の制御系の構成)
 図3は、立ち下げ速度可変型立下げ予告信号 生成部16内に構成される比較パターン生成部5 の構成を示す図である。また、図4は、比較 ターン生成部5内に具備される電気ブレーキ 下げテーブル12の概略特性を示す図であり 図5は、比較パターン生成部5内に具備される 引き込みテーブル13の概略特性を示す図であ 。図3に示すように、主変換装置1内に構成 れる比較パターン生成部5は、第1の参照テー ブルである電気ブレーキ立下げテーブル12、 2の参照テーブルである引き込みテーブル13 よび電気ブレーキ立下げテーブル12の出力 ら引き込みテーブル13の出力を減算するため の減算器18を備えるとともに、これらの出力 基づいて、立下げ用電気ブレーキ力比較パ ーン9および立下げ予告信号用電気ブレーキ 力比較パターン10を生成する。

(比較パターン生成部5の動作)
 つぎに、比較パターン生成部5の動作につい て図3~図5を参照して説明する。

 まず、比較パターン生成部5に具備される 電気ブレーキ立下げテーブル12について説明 る。この電気ブレーキ立下げテーブル12は 図4に示すように、横軸がモータ周波数(FM[Hz] )、縦軸が電気ブレーキ力(T[Nm])で表されてお 、これらの両者間には、次式の関係がある

 T=a×FM+b   …(1)

 上記(1)式において、aは直線の傾きを表す 定数であり、bは縦軸との交点を表す定数(切 )である。なお、現実には、モータ周波数が ある一定以下になると電気ブレーキ力を生じ なくなり、このときの周波数をC[Hz]として図4 に示している。

 図4において、比較パターン生成部5は、 ータ周波数FMを入力変数とし、当該モータ周 波数の大きさに応じた値を上記(1)式の特性曲 線に用いて生成し、その生成値を立下げ用電 気ブレーキ力比較パターン9として比較部7に 力する。また、その出力は、減算器18にも 力される。なお、図4の制御系では、電気ブ ーキ立下げテーブル12への入力信号をモー 周波数としているが、モータの回転速度を す速度信号であっても構わない。

 つぎに、比較パターン生成部5に具備され る引き込みテーブル13について説明する。こ 引き込みテーブル13は、図5に示すような直 となる。図5において、横軸はマスターコン トローラポジションの情報を表すマスコン率 であり、縦軸は引き込み電気ブレーキ力[Nm] 表している。

 ここで、マスコン率とは、主幹制御器で るマスターコントローラのポジションを0~1 での間でリニアに割り振った数字として表 たものである。例えば、ブレーキ最小ポジ ョン(あるいは、だ行ポジション)のときは 0”で表され、ブレーキ最大ポジションのと は“1”で表される。

 電気車において、鉄道車両の減速度は、 スコン率によって決定される。いま、最大 速度がα[km/h/s]だと仮定するとマスターコン トローラがブレーキ最大ポジションのときは 、減速度がα×1=αとなり、マスターコントロ ラがブレーキの50%のポジションのときは、 速度がα×0.5=0.5αとなり、マスターコントロ ーラがブレーキの0%のポジションのときは、 速度がα×0=0となる。

 図3に戻り、マスターコントローラのポジ ション情報は、マスコン率として引き込みテ ーブル13に入力される。比較パターン生成部5 は、引き込みテーブル13を用いて入力された スコン率に応ずる出力値(電気ブレーキ力の 変化量)を引き込み電気ブレーキ力17として減 算器18に出力する。減算器18は、立下げ用電 ブレーキ力比較パターン9と引き込み電気ブ ーキ力17との出力差信号を立下げ予告信号 電気ブレーキ力比較パターン10として比較部 8に出力する。

 つぎに、マスコン率に応ずる立下げ予告 号4を、電気ブレーキを立下げる一定時間前 に出力するための引き込みテーブル13の算出 領を図4~図6を参照して説明する。なお、図6 は、マスコン率に応じて変動する引き込み電 気ブレーキ力の概念を示す図である。

 いま、最大減速度をαとするとき、電気 レーキが現実に立ち下がる時間の一定時間 (t秒前)に立下げ予告信号4を出力する場合に いて考える。

 まず、最大減速度α[km/h/s]をモータ周波数 FM[Hz]に換算し、かつ、t[s]あたりの周波数変 量δFMに換算する。このとき、モータ速度か モータ周波数への換算比をKとすると、この 換算比Kは、[K]=[Hz]/[km/h/s]=[Hz・h・s/km]のディ ンジョンを有しているので、周波数変化量δ FMは、次式に示すようなディメンジョンを有 ることになる。

 [δFM]=[K×α/t]
    =[Hz・h・s/km]×[km/h/s]/[s]
    =[Hz/s]                  …(2)

 ここで、“K×α”を“β”で置き換えると 、t[s]あたりの周波数変化量δβは、δβ=β/t=(K α)/tで表される。

 また、図4に示すように、立下げ用電気ブ レーキ力比較パターン9の傾きは“a”である よって、マスコン率が1のとき、立下げ用電 気ブレーキ力比較パターン9と、立下げ予告 号用電気ブレーキ力比較パターン10との差( レーキ力の差)、すなわち比較部8の出力(図2 照)が“a×(β/t)”であれば、t秒前に立下げ 告信号4を出力できることになる。

 この関係は、マスコン率が0~1までの間でリ アに変動する。図6において、直線Pはマス ン率γ=0のときの立下げ用電気ブレーキ力(図 4の特性曲線に相当)である。同様に、直線Qは マスコン率γ=γ 0 (0<γ<1)のときの立下げ用電気ブレーキ力 示し、直線Rはマスコン率γ=1のときの立下 用電気ブレーキ力を示している。すなわち マスコン率=γのときは、立下げ用電気ブレ キ力比較パターン9と、立下げ予告信号用電 ブレーキ力比較パターン10との差、すなわ 比較部8の出力を“(a×β/t)×γ”とすれば、t 前に立下げ予告信号4を出力できることにな 。

 上記のような立下げ予告信号4を出力するた めには、マスコン率γに対する“a×β/t”の関 係を規定する参照テーブルが準備されていれ ばよく、このために設けられたテーブルが、 図5に示す引き込みテーブルである。図5に示 直線の傾きはa×(β/t)であり、マスコン率γ=1 のときは“a×(β/t)”の値が引き込み電気ブレ ーキ力17として減算器18に出力される。また マスコン率γ=γ 0 のときは“a×(β/t)×γ 0 ”の値が引き込み電気ブレーキ力17として減 器18に出力される。

 図7は、従来技術にかかる立下げ予告信号 (上記特許文献1における電気ブレーキ力失効 告信号)の概念を説明するための図であり、 図8は、本実施の形態にかかる立下げ予告信 の概念を説明するための図である。

 図7において、直線Lは図4に示した立ち上げ ブレーキ力に相当する波形であり、また、 軸(モータ周波数軸)と平行に縦軸に向かっ 延びる直線d 1 および直線d 2 は、電気ブレーキ力指令制御部15から出力さ る電気ブレーキ力指令を表している。すな ち、直線Lと直線d 1 の部分を含む太実線で示される波形M 1 は、電気ブレーキ力指令14が大きいときの電 ブレーキ力パターン11を示し、直線Lと直線d 2 の部分を含む一点鎖線で示される波形M 2 は、電気ブレーキ力指令14が小さいときの電 ブレーキ力パターン11を示している。図7に すように、電気ブレーキ制御の終速時にお ては、電気ブレーキ力を、ある速度(直線L 直線d 1 ,d 2 の各交点)までは一定値を保持し、その後リ アに0[Nm]に下げるような制御が行われるとと もに、電気ブレーキ力を立下げる直前のある 速度(C 0 )の時点で、立下げ予告信号を出力する処理 行われる。

 また、図8において、直線Lは電気ブレー 力立下げテーブル12から出力される立下げ用 電気ブレーキ力比較パターン9の出力に相当 、直線L’は減算器18から出力される立下げ 告信号用電気ブレーキ力比較パターン10の出 力に相当する。なお、減算器18の出力は、立 げ用電気ブレーキ力比較パターン9の出力か ら引き込みテーブル13の出力である“a×(β/t) (マスコン率γ=1の場合)を引くことになり、 線L’は直線Lの下方向に移動するが、この とは等価的に“β/t”だけ右方向に移動した とになる。

 ここで、従来技術では、前述のように、電 ブレーキの立下げ速度より少し高い速度に った時点で立下げ予告信号を出力するよう しているので、立下げ予告信号の出力タイ ングが一定とならず(q 0 ≠q 1 )、ブレーキ力過多、あるいはブレーキ力不 の状態を生じさせる原因となっていた。

 一方、本実施の形態では、図8に示すよう に、立下げ予告信号の出力タイミングは、電 気ブレーキ力指令の大小に依存せず、理論的 に一定のタイミングを維持することが可能と なる。なお、マスコン率が変化した場合には 、上述のように、減算器18に入力される引き み電気ブレーキ力の大きさが調整されるの 、マスコン率に依存せず一定のタイミング 立下げ予告信号を出力することができる。

 以上説明したように、本実施の形態にか る電気車のブレーキ制御装置では、電気ブ ーキ力指令制御部15は、各モータに対する 気ブレーキ力指令14を生成し、比較パターン 生成部5は、電気ブレーキの終速時に電気ブ ーキ力を0に減少させつつ、機械ブレーキ力 切り替えるための立下げ用電気ブレーキ力 較パターン9を生成するとともに、立下げ用 電気ブレーキ力比較パターン9をモータ周波 の増加する側に所定周波数だけシフトさせ 立下げ予告信号用電気ブレーキ力比較パタ ン10を生成し、比較部7は、電気ブレーキ力 令14と立下げ用電気ブレーキ力比較パターン 9のうちの小さい方の信号を電気ブレーキ力 ターン11としてモータ制御部31に出力し、比 部8は、立下げ予告信号用電気ブレーキ力比 較パターン10が電気ブレーキ力指令14以下と るタイミングで出力される信号を立下げ予 信号4として機械ブレーキ制御装置2に出力す るようにしているので、電気ブレーキを立下 げるタイミングと立下げ予告信号を出力する タイミングとの時間差を略一定とすることが でき、ブレーキ力過多、あるいはブレーキ力 不足の状態を抑止することが可能となる。

 また、本実施の形態にかかる電気車のブ ーキ制御装置では、立下げ用電気ブレーキ 比較パターン9をモータ周波数の増加する側 にシフトさせる際の周波数シフト量を、電気 車の主幹制御器であるマスターコントローラ の選択ポジションに応じて算出するようにし ているので、マスコン率に依存せず一定のタ イミングで立下げ予告信号を出力することが でき、マスターコントローラのポジションを 変化させた場合であっても、ブレーキ力過多 あるいはブレーキ力不足の状態を回避するこ とが可能となる。

 以上のように、本発明にかかる電気車の レーキ制御装置は、ブレーキ力過多あるい ブレーキ力不足の状態を生じさせることな 、省エネ効果を高め、コストの増大を抑制 ることができる発明として有用である。