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Title:
BRIGHT INK COMPOSITION FOR PRINTING, PAPER CONTAINER MATERIAL MADE WITH THE BRIGHT INK COMPOSITION, AND HEAT-INSULATING PAPER FOAM CONTAINER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123124
Kind Code:
A1
Abstract:
A bright ink composition for printing is provided. When used in producing a heat-insulating paper foam container through the foaming of a low-melting film in a heat treatment, such as a heat-insulating paper foam cup, the ink composition conforms to the foaming without cracking during the foaming and gives a foamed-container surface which has an extremely small difference in level between a bright print area and other print areas. With the ink composition, a heat-insulating paper foam container is possible which has an almost smooth surface and is excellent in appearance and attractiveness and in heat resistance and print quality. This bright ink composition comprises a bright material imparting a bright feeling, silicon dioxide, a binder resin, and a solvent. This composition is used for forming a print layer of a paper container material for use in producing a heat-insulating paper foam container.

Inventors:
MATSUZAKI MANABU
TSUKAWAKI HIROSHI
HIRATA MITSUAKI
SUGIURA SHINYA
KAWASHIMA HIROYUKI
Application Number:
PCT/JP2009/056513
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NISSIN FOODS HOLDINGS CO LTD (JP)
TOYO INK MFG CO (JP)
MATSUZAKI MANABU
TSUKAWAKI HIROSHI
HIRATA MITSUAKI
SUGIURA SHINYA
KAWASHIMA HIROYUKI
International Classes:
B65D3/22; B65D81/34; B65D81/38; C09D11/02; C09D11/033; C09D11/037
Foreign References:
JP2006168770A2006-06-29
JP2004323731A2004-11-18
JP2002105373A2002-04-10
JP2004346197A2004-12-09
JP2006168080A2006-06-29
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (JP)
Hidekazu Miyoshi (JP)
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Claims:
 原紙と、前記原紙の一方の面を被覆する第1の熱可塑性合成樹脂フィルムと、前記原紙の他面を被覆し、前記第1の熱可塑性合成樹脂フィルムよりも低い融点を有し、加熱処理によって発泡して断熱層を形成する第2の熱可塑性合成樹脂フィルムとを有する断熱性発泡紙製容器材料の前記第2の熱可塑性合成樹脂フィルム表面に印刷層を形成するための輝度インキ組成物であって、
 前記インキ組成物は、輝度材料、二酸化珪素、バインダー樹脂および溶剤を含む、輝度インキ組成物。
 前記輝度材料がアルミニウム材料、パール顔料、ガラス材料から選ばれる1種又は2種以上の材料である、請求項1に記載の輝度インキ組成物。
 前記輝度材料の固形含有量が、前記輝度インキ組成物の全重量を基準として、2~30重量%である、請求項1~3のいずれかに記載の輝度インキ組成物。
 前記アルミニウム材料が、5~40μmの粒子径を有し、かつ脂肪酸によって表面処理されたノンリーフィングタイプのアルミニウムペーストである、請求項2又は3に記載の輝度インキ組成物。
 前記二酸化珪素が2~20μmの粒子径を有し、かつ前記輝度インキ組成物の全重量を基準として、前記二酸化珪素の含有量が0.2~5重量%である、請求項1~4のいずれかに記載の輝度インキ組成物。
 前記バインダー樹脂が、ポリウレタン樹脂とビニル系重合物とを含有する成分であり、前記成分における前記ポリウレタン樹脂:前記ビニル系重合物の配合比が、固形分重量換算で、95:5~5:95である、請求項1~5のいずれかに記載の輝度インキ組成物。
 さらに着色剤を含有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の輝度インキ組成物。
 原紙と、
 前記原紙の一方の面を被覆する第1の熱可塑性合成樹脂フィルムと、
 前記原紙の他面を被覆し、前記第1の熱可塑性合成樹脂フィルムよりも低い融点を有し、加熱処理によって発泡して断熱層を形成する第2の熱可塑性合成樹脂フィルムと、
 前記第2の熱可塑性合成樹脂フィルム表面の少なくとも一部に設けられた印刷層とを含み、
 前記印刷層が、請求項1~7のいずれかに記載の輝度インキ組成物からなる少なくとも1つの印刷パターンを含む、断熱性発泡紙製容器材料。
 請求項8に記載の断熱性発泡紙製容器材料から形成される容器胴体部材を、前記第1の熱可塑性合成樹脂フィルムが内壁面を形成し、前記第2の熱可塑性合成樹脂フィルムが外壁面を形成するように底板部材と組み合わせて容器を成形し、前記容器を加熱処理することによって前記第2の熱可塑性合成樹脂フィルムを発泡させて得られる、断熱性発泡紙製容器。
Description:
印刷用輝度インキ組成物、該輝 インキ組成物を用いた紙製容器材料および 熱性発泡紙製容器

 本発明は、断熱性発泡容器の表面に意匠 および美称性を付与する印刷層をグラビア 刷によって形成するための輝度インキ組成 、それを使用した紙製容器材料および断熱 発泡紙製容器に関する。本発明は、より詳 には、断熱性発泡紙製容器の製造時の加熱 理によって発泡して断熱層を形成する熱可 性合成樹脂フィルムを有する紙製容器材料 上記フィルム上に、発泡追随性に優れ、凹 が少なく、かつインキ皮膜のクラックが抑 され滑らかな表面を提供する印刷層を形成 るための輝度インキ組成物、それを使用し 紙製容器材料および断熱性発泡紙製容器に する。本発明の輝度インキ組成物からなる 刷層を有する断熱性発泡紙製容器は、平滑 平面を有し、優れた断熱性を示すため、高 又は低温の液体を含む食品を収容するため 容器として好適に使用できる。例えば、本 明による断熱性発泡紙製容器は、スープ、 汁粉、味噌汁、および麺等の食品用のカッ 又はどんぶり等の容器として好適に使用で る。

 近年、包装容器の多様化に伴い、インキ よび印刷業界に対する要望は非常に多岐に っている。例えば、容器に適量の熱湯を注 、数分後に食すことができる、ラーメン類 うどんおよび蕎麦といった、一般的に「カ プ麺」と称される食品用に使用されるカッ 等の容器の分野では、コストおよび断熱性 観点から、主にポリスチレン製カップが使 されてきた。

 しかし、発泡ポリスチレン製カップの場 、カップへの印刷は、カップの成形後に個 に実施せざるを得ない。そのため印刷方法 、曲面印刷機やスタンプ印刷機を用いる方 に限られ、印刷スピードおよび印刷品質に るという課題があった。また、最近の石油 値上がりに伴ってポリスチレン価格が上昇 ていること、さらに容器包装リサイクル法 施行によって、リサイクル費用を食品メー ーが負担しなければならないこと等の理由 ら、近年、ポリスチレン製カップから紙製 ップへの移行が促進されている。

 紙製容器の代表的な構造の1つとして、紙 と紙をフルートで貼り合わせることによって 形成される断熱空気層を有する二重カップが 知られている。しかし、二重カップは、高重 量および高コストである点で課題がある。そ のため、近年、断熱性発泡紙製容器が注目さ れている。

 断熱性発泡紙製容器は、一般的に、容器 造時の加熱処理によって発泡し、断熱層を 成する熱可塑性合成樹脂フィルムを有する 製容器材料を用いて製造される。より詳細 は、紙製容器材料は、例えば、原紙の一面( 容器の内側)に約130℃~135℃の融点を有する高 点ポリエチレンフィルム、および上記原紙 他面(容器の外側)に約105℃~110℃の融点を有 る低融点ポリエチレンフィルム(以下、「低 Mpフィルム」と称す)をそれぞれラミネートし た構造を有し、上記低Mpフィルムの表面には 装飾模様、社名、バーコードなどの印刷パ ーンを含む印刷層が形成されている。

 上記断熱性発泡紙製容器の製造工程では 予め印刷層を形成した紙製容器材料を所定 形状に打ち抜き、これをカップの胴体部材 して用いてカップを成形し、次いで上記低M pフィルムの融点付近で加熱処理を行うこと よって上記低Mpフィルムを発泡させる。発泡 は、加熱処理時に原紙中の水分が蒸発して、 軟化状態になった上記低Mpフィルム側に押し され、それに伴って上記低Mpフィルムが外 に向かって膨むことによって起こる。この うに発泡した低Mpフィルムは断熱層として機 能し、紙製容器に断熱性を付与するものとな る。このような断熱性発泡紙製容器は、例え ば、特開平9-95368号公報(特許文献1)、特開平7- 232774号公報(特許文献2)および特開平11-189279号 公報(特許文献3)に開示されている。

 上記断熱性発泡紙製容器用の材料の上記 Mpフィルム表面への印刷層の形成は、通常 グラビア印刷による表刷りの方法によって 施される。グラビア印刷の表刷りの分野に いては、種々な原紙およびプラスチック製 装容器等の被印刷物の表面にインキが塗布 れる。そのため、グラビア印刷用インキに 、被印刷物に対する印刷適性だけでなく、 記原紙又はプラスチック材料に対する接着 、印刷後に印刷物同士が接着しないための ブロッキング性、および容器成形時に必要 なる耐摩擦性や耐熱性といった各種耐性が 求される。

 また、グラビア印刷用インキは、バイン ー樹脂の溶解性と乾燥性との両立を図るた に、通常、主要溶剤としてトルエン等の芳 族溶剤を含んでいる。しかし、近年、印刷 業現場の環境を向上させるために、芳香族 剤を含まない印刷インキを使用する傾向が まっている。

 さらに、断熱性発泡紙製容器としての商 価値を考慮すると、容器の印刷層を形成す ためのグラビア印刷用インキは、インキ皮 が、断熱層を構成する低Mpフィルムの発泡 妨げずに追従し、それによって凹凸の少な 容器表面を提供できること、さらにインキ 膜におけるクラックの発生が少なく滑らか 印刷面を提供できることが望ましい。

 断熱性発泡紙製容器の印刷層を形成する めの上記グラビア印刷用インキとして、従 から、バインダー成分としてポリアミド樹 とセルロース誘導体とを含むインキが知ら ている。しかし、バインダー成分の主成分 してポリアミド樹脂を含むインキの場合、 ンキ皮膜が長時間にわたって熱や光に曝さ ると、ポリアミド樹脂中に含まれる油脂等 低分子量成分が、アセトアルデヒド類に酸 分解することによって、脂系臭気が発生す という課題がある。また、発生した脂系臭 によって、容器中の内容物が味覚変化を起 す可能性があるため、重大な問題となって る。

 さらに、上記印刷用インキを、アルミニ ム材料などの輝度材料を含有する輝度イン として調製し、それを使用して印刷層を形 した場合、インキ皮膜は低Mpフィルムの発 を著しく抑制する傾向がある。したがって 輝度インキから形成される印刷層を低Mpフィ ルム上に直接設けた場合には、印刷部と非印 刷部とにおいて、明らかな凹凸が生じ、平滑 な印刷面を得ることは困難である。そのため 、輝度インキを用いて印刷層を形成する場合 、通常は、上記低Mpフィルム上に白インキの 地層が設けられる。しかし、輝度インキは 白インキと比較して、低Mpフィルムの発泡 対する抑制力が大きい。そのため、白イン を下地層とし、その上に輝度インキを重ね りした場合であっても、発泡後の低Mpフィル ムの厚さを均一にすることは困難である。

 また、そのような印刷層を有する容器の 面は、白インキ/輝度インキの重ね刷り印刷 部が白インキの印刷部と比べて明らかに凹み 、明らかな段差となる。そのため、断熱性発 泡紙製容器は、滑らかな手触り感が得られず 、商品性が損なわれる、又はバーコードが読 み取れない等の課題がある。また、低Mpフィ ムの発泡が抑制されることで十分な厚さの 熱層が得られず、容器にお湯を入れた時に 器が熱くなる等、断熱性においても課題が る。

 一方、特開2006-218708号公報(特許文献4)では グラビア印刷に適用可能な、きらめき感が り、高光輝性および意匠性に優れた着色イ キを開示している。開示された着色インキ 、輝度材料としてパール顔料およびシリカ 含有し、主に、建築材等の内装材に適用さ る光輝性化粧紙の下地層を形成するために 用されている。

特開平9-95368号公報

特開平7-232774号公報

特開平11-189279号公報

特開2006-218708号公報

 断熱性発泡紙製容器における印刷層の凹 を改善するために、特許文献3では、低Mpフ ルムの表面に、上記低Mpフィルムの発泡を 害せずに同調することができるインキを使 して下地層を形成する技術を提案している しかし、そのような下地層の上に輝度イン を用いて印刷層を形成した場合であっても 依然として凹凸が生じ、手触り感、意匠性 および断熱性といった諸特性において満足 きるものではなく、さらなる改善が望まれ いる。また、特許文献4は、輝度材料を含む 色インキを開示しているが、上記着色イン を使用して、凹凸の少ない印刷層を有する 熱性発泡紙製容器を提供する技術について 何ら記載も示唆もしていない。しかし、上 のように、輝度材料を含むインキは、低Mp ィルムの発泡に対する抑制力が大きいため 上記着色インキからなる印刷層においても 刷面に凹凸が生じる可能性が高い。そのた 、断熱性発泡紙製容器といった特定の用途 好適に使用できる、発泡追随性に優れた輝 インキが必要とされている。

 したがって、本発明は、断熱性発泡紙製 器に向けた印刷インキの分野における従来 らの課題を解決するために、以下に挙げる 項を目的とする。

 本発明の目的は、断熱性発泡紙製容器の 刷層を形成するための輝度インキに向けて 容器製造時の加熱処理による上記低Mpフィ ムの発泡に対して優れた発泡追随性を示す ともに、インキ皮膜のクラックの発生が少 い輝度インキ組成物を提供することである なお、本明細書において「発泡追随性に優 る」とは、加熱処理によって発泡する低Mpフ ィルムの表面に形成された印刷層の平滑なイ ンキ皮膜が、上記フィルムの発泡を大きく阻 害することなく、フィルムの均一な膨張によ って形成される断熱層の表面に凹凸が極力小 さい状態で保持されることを意図している。

 また、本発明の他の目的は、上記特性に え、耐熱性および耐光性を有し、インキ皮 が長時間にわたって熱や光に曝された場合 あっても臭気の発生がなく、耐摩擦性、耐 ロッキング性、および基材となる低Mpフィ ムへの接着性に優れた輝度インキ組成物を 供することである。

 また、本発明の他の目的は、芳香族系溶 を使用せずに、上記諸特性に優れた輝度イ キ組成物を提供することである。

 また、本発明の他の目的は、上記諸特性 優れた輝度インキ組成物から形成される印 層を、加熱処理によって発泡し断熱層を形 する低Mpフィルム上に有する断熱性発泡紙 容器材料を提供することである。

 また、本発明の他の目的は、上記諸特性 優れた輝度インキ組成物から形成される印 層を有する上記容器材料を用いて、容器表 の凹凸が少なく、印刷層表面が滑らかであ 、すなわち表面が平滑であり、かつ外観に れた断熱性発泡紙製容器を提供することで る。

 本発明者らは、断熱性発泡紙製容器の印 層における従来からの課題を解決すべく、 度インキについて鋭意検討を行った。その 果、アルミニウム材料等の輝度材料と二酸 珪素とを含有する輝度インキ組成物を使用 て印刷層を形成した場合、インキ皮膜が低M pフィルムの発泡に対して優れた追随性を示 、かつインキ皮膜におけるインキ割れ(クラ ク)の発生が抑制されることを見出した。す なわち、上記輝度インキ組成物を使用するこ とによって、加熱処理によって得られる断熱 性発泡紙製容器表面において、輝度インキに よる印刷部分とその他の印刷部分との段差を 効果的に低減することができること、そのこ とにより、平滑性、意匠性および美称性とい った印刷品質に優れ、さらに断熱性に優れる 断熱性発泡紙製容器を実現できることを見出 した。本発明は、以上のような知見に基づい ており、以下に記載の事項に関する。

 本発明の第1の側面は、原紙と、上記原紙 の一方の面を被覆する第1の熱可塑性合成樹 フィルムと、上記原紙の他面を被覆し、上 第1の熱可塑性合成樹脂フィルムよりも低い 点を有し、加熱処理によって発泡して断熱 を形成する第2の熱可塑性合成樹脂フィルム とを有する断熱性発泡紙製容器材料の上記第 2の熱可塑性合成樹脂フィルム表面に印刷層 形成するための輝度インキ組成物であって 上記インキ組成物は、輝度材料、二酸化珪 、バインダー樹脂および溶剤を含む輝度イ キ組成物に関する。輝度インキ組成物は、 要に応じて着色剤を含むことが好ましい。

 ここで、上記輝度材料は、アルミニウム 料、パール顔料、ガラス材料から選ばれる1 種又は2種以上の材料であることが好ましい また、上記輝度材料の固形含有量は、上記 度インキ組成物の全重量を基準として、2~30 量%であることが好ましい。上記アルミニウ ム材料は、5~40μmの粒子径を有し、かつ脂肪 によって表面処理されたノンリーフィング イプのアルミニウムペーストであることが ましい。

 上記二酸化珪素は2~20μmの粒子径を有し、 かつ上記輝度インキ組成物の全重量を基準と して、上記二酸化珪素の含有量は0.2~5重量%で あることが好ましい。

 上記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹 とビニル系重合物とを含有する成分である とが好ましい。また、上記成分において、 記ポリウレタン樹脂:上記ビニル系重合物の 配合比は、固形分重量換算で、95:5~5:95である ことが好ましい。

 本発明の第2の側面は、原紙と、上記原紙 の一方の面を被覆する第1の熱可塑性合成樹 フィルムと、上記原紙の他面を被覆し、上 第1の熱可塑性合成樹脂フィルムよりも低い 点を有し、加熱処理によって発泡して断熱 を形成する第2の熱可塑性合成樹脂フィルム と、上記第2の熱可塑性合成樹脂フィルム表 の少なくとも一部に設けられた印刷層とを み、上記印刷層が、本発明の第1の側面であ 輝度インキ組成物からなる少なくとも1つの 印刷パターンを含む、断熱性発泡紙製容器材 料に関する。

 本発明の第3の側面は、本発明の第2の側 である断熱性発泡紙製容器材料から形成さ る容器胴体部材を、上記第1の熱可塑性合成 脂フィルムが内壁面を形成し、上記第2の熱 可塑性合成樹脂フィルムが外壁面を形成する ように底板部材と組み合わせて容器を成形し 、上記容器を加熱処理することによって上記 第2の熱可塑性合成樹脂フィルムを発泡させ 得られる、断熱性発泡紙製容器に関する。

 なお、本出願は、同出願人によって2008年 3月31日に出願された特願2008-092239号に基づく 先権主張を伴うものであって、この明細書 参照することにより、本明細書の一部に組 込むものとする。

 本発明によれば、断熱性発泡紙製容器の 刷層における従来からの課題を改善し、平 かつ外観に優れた断熱性発泡紙製容器を実 するとともに、インキに必要とされる諸耐 および印刷品質に優れた輝度インキ組成物 提供することができる。また、そのような ンキ組成物を使用することにより、印刷層 白インキ上に輝度インキを重ね刷りした構 とした場合であっても、表面に凹凸が少な 、印刷面が滑らかであり、すなわち平滑な 面を有し、かつ意匠性、美称性および耐熱 に優れる断熱性発泡紙製容器を提供するこ ができる。

図1は、本発明による紙製容器材料の一 実施形態を示す模式的断面図である。 図2は、図1に示した紙製容器材料の加 処理後の状態を示す模式的断面図である。 図3は、本発明による紙製容器材料の一 実施形態を示す模式的断面図である。 図4は、本発明による紙製容器材料の一 実施形態を示す模式的断面図である。 図5は、本発明による断熱性発泡紙製容 器の一実施形態を示す斜視図である。 図6は、図5に示した断熱性発泡紙製容 のVI部分を拡大して示す模式的断面図である 。

(符号の説明)
 10 原紙
 20 第1の熱可塑性合成樹脂フィルム(高Mp樹 フィルム)
 30 第2の熱可塑性合成樹脂フィルム(低Mp樹 フィルム)
 30’断熱層(発泡後の第2の熱可塑性合成樹脂 フィルム) 
 40 印刷層
 42 印刷パターン
 42a 第1の印刷部
 42b 第2の印刷部
 44 下地層
 50 容器胴体
 50a 容器内壁面
 50b 容器外壁面
 60 容器底板

 以下、本発明についてより詳細に説明する
(輝度インキ組成物)
 本発明の輝度インキ組成物は、原紙と、上 原紙の一方の面を被覆する第1の熱可塑性合 成樹脂フィルムと、上記原紙の他面を被覆し 、上記第1の熱可塑性合成樹脂フィルムより 低い融点を有し、加熱処理によって発泡し 断熱層を形成する第2の熱可塑性合成樹脂フ ルムとを有する断熱性発泡紙製容器材料の 記第2の熱可塑性合成樹脂フィルム表面にグ ラビア印刷による印刷層を形成するための輝 度インキ組成物であり、輝度材料、二酸化珪 素、バインダー樹脂、溶剤、および必要に応 じて着色剤を含むことを特徴とする。なお、 以降の記載では、上記第1の熱可塑性合成樹 フィルムを「高Mp樹脂フィルム」、上記第2 熱可塑性合成樹脂フィルムを「低Mp樹脂フィ ルム」とそれぞれ略記する。

 本発明の輝度インキ組成物に使用される 度材料は、インキ皮膜に、例えばメタクリ ク調の輝度感を付与し、視覚を通して、製 全体の意匠性および美称性を高めることが きる材料であればよい。一般的に、インキ 膜の輝度感は、輝度材料固有の色調に加え 、インキ皮膜中又はインキ皮膜表面近傍で 上記輝度材料の配列および配向といった構 因子、さらにインキ皮膜表面における平滑 に由来する表面因子等が相俟って、視覚を して、付与される色彩感覚の1つである。

 本発明において、上記輝度材料の使用に ってインキ皮膜に好ましい輝度感を付与す ためには、上記輝度材料の性状、例えば、 面処理方法、粒子径、又は使用濃度を適性 する必要がある。また、断熱性発泡紙製容 への適用を考慮すると、上記輝度材料を含 インキ皮膜が、上記低Mp樹脂フィルムの発 時に、フィルムの発泡を大きく阻害するも であってはならない。

 本発明において使用できる輝度材料の一 として アルミニウム材料、パール顔料、 よびガラス材料が挙げられる。本発明では これら輝度材料の1種又は2種以上を組み合わ せて使用することができる。

 上記アルミニウム材料の具体例として、 ルミニウム粉末、アルミニウムペースト、 よびアルミニウムフレークが挙げられる。 記アルミニウム粉末は、溶剤成分を含まな メタリック顔料であり、アルミニウム粒子 アクリル系樹脂などの樹脂をコーティング たタイプの材料も含まれる。また、上記ア ミニウムペーストは、アルミニウムの鱗片 微細粒子を表面処理し、有機溶剤等でペー ト状にした材料である。さらに、上記アル ニウムフレークの一例として、アルミニウ 蒸着膜を顔料化したタイプの材料がある。

 上記パール顔料の一例として、雲母を微 末化して表面処理を施したホワイトパール 挙げられる。また上記ガラス材料の一例と て、鱗片状ガラスフレーク、又はそのフレ クをさらに金属や金属酸化物でコートした 輝性顔料タイプの材料が挙げられる。

 本発明の輝度インキ組成物に使用する輝 材料は、特に限定するものではないが、ア ミニウム材料が好ましい。輝度インキ組成 中での分散性および安定性を考慮すると、 ルミニウムペーストが最も好ましい。

 上記アルミニウムペーストは、一般的に アルミニウムの素材をボールミルや他の粉 機によって、フレーク状(鱗片状)に潰しな ら、脂肪酸で表面処理を行うことで製造さ る。そして、製造時に使用する脂肪酸の種 によって、リーフィングタイプとノンリー ィングタイプとの2種類に大別される。

 この2つのタイプは、表面処理剤の違いに より、印刷時にインキ塗膜層でのアルミニウ ム粒子の配列が異なってくる。

 より具体的には、リーフィングタイプは 表面処理剤としてステアリン酸を使用して る。このステアリン酸は、疎油性皮膜とし 働くため、表面張力の関係で、アルミニウ 粒子はインキ塗膜層の中間層から表面に浮 出る性質を持っている。

 これに対して、ノンリーフィングタイプ 、表面処理剤としてオレイン酸を使用して る。このオイレイン酸は、ステアリン酸に べて表面張力を低下させる効果が少ない。 たがって、印刷後はインキ塗膜層の主に中 に、アルミニウム粒子が平行配列するため インキ塗膜はキラキラしたメタリック調の 観を呈する。

 リーフィングタイプのアルミニウムペー トを使用して輝度インキを調製した場合、 ンキ皮膜は優れた発泡追随性を示す。しか 、耐摩擦性および接着性については、ノン ーフィングタイプのものを使用した場合よ もやや劣る傾向がある。そのため、本発明 一実施形態では、輝度材料として、ノンリ フィングタイプのアルミニウムペーストを 用することが好ましい。

 本発明において使用されるノンリーフィ グタイプのアルミニウムペーストは、アル ニウム粒子の表面をオレイン酸で処理した のであり、処理後の粒子径が5~40μmの範囲に あるものが好ましい。さらに好ましくは8~25μ mの範囲である。粒子径が5μm以下の場合は、 られる輝度インキの粘度が高くなり、イン 状態が悪くなる傾向がある。一方、粒子径 40μm以上の場合は、インキ塗膜の隠蔽力が くなる傾向がある。

 アルミニウムペーストにおけるアルミニ ム粒子は、一般に鱗片状の形状を有し、そ 形状は粒子径と厚みによって表される。粒 径は、粒子の大きな面をなす側の平均粒子 であり、光散乱による粒度分布測定装置、 は電子顕微鏡による直接観察によって測定 れる。本発明においては、光散乱法によっ 測定した粒子径のD50値(累積重量50%粒子径) 平均粒子径とした。

 本発明の輝度インキ組成物中のアルミニ ムペーストの固形含有量は、輝度インキ組 物の全重量を基準として、2~30重量%が好ま い。さらに好ましくは5~20重量%の範囲である 。固形含有量が2重量%以下の場合、インキ皮 の隠蔽力および輝度感が低下する傾向にあ 、また発泡追随性も低下する傾向にある。 方、固形含有量が30重量%以上の場合、輝度 ンキの粘度が高くなり、インキ流動性が低 する傾向にある。

 本発明の輝度インキ組成物では、上述の ルミニウムペーストにかえて、他の輝度材 を使用してもよい。但し、パール顔料を使 した場合、ノンリーフィングタイプのアル ニウムペーストを使用した場合と比較して 発泡追随性がやや劣る傾向がある。また、 ルミフレークやガラスフレークを使用した 合、優れた発泡追随性が得られるが、それ は非常に高価であるため、本発明で意図す 用途での使用はコスト面で適切でない。

 本発明において使用できる二酸化珪素は 例えば、既知の方法で製造される「合成シ カ」として知られる化合物であってよい。 成シリカの代表的な製造法は、高純度珪砂 原料とした珪酸ソーダと酸を反応させるこ によって超微粉含水ケイ酸を生成する湿式 、又は四塩化珪素を気相中で燃焼加水分解 ることによる乾式法がある。

 本発明で使用する二酸化珪素は、合成法 よって特に制限されるものではない。例え 、シリコンWAXや有機シリコン化合物を処理 として表面変性した処理シリカ、もしくは 処理の二酸化珪素(未処理シリカ)など、い れでもよい。本発明で使用する二酸化珪素 粒子径は、2~20μmの範囲が好ましい。粒子径 2μm以下の二酸化珪素を使用した場合、得ら れるインキ組成物の粘度が高くなり、インキ 状態を低下させる傾向がある。一方、粒子径 が20μm以上の二酸化珪素を使用した場合、容 製造時の加熱処理時に低融点樹脂フィルム 発泡に対するインキ皮膜の発泡追随性が劣 てくる傾向がある。本発明では、さらに好 しくは、3~10μmの範囲の粒子径を有する二酸 化珪素を使用する。

 なお、二酸化珪素の粒子径は、一般に、 気抵抗変化を利用したコールターカウンタ 法、光散乱を利用したレーザー法等の方法 よって測定される。本発明においては、レ ザー法を利用した測定によって得られる平 粒子径を意味している。

 本発明の輝度インキ組成物における二酸 珪素の含有量は、インキ組成物の全質量を 準として、0.2~5重量%の範囲とすることが好 しい。二酸化珪素の含有量が0.2重量%以下の 場合では、インキ塗膜の発泡追随性の十分な 改善効果が得られない傾向がある。また、上 記含有量が5重量%以上の場合では、インキの 度が高くなり、インキ状態が低下する傾向 あり、更には耐摩擦性が低下する傾向があ 。インキの状態と発泡追随性の点から、上 含有量は、さらに好ましくは0.5~3.5重量%の 囲とすることが好ましい。

 通常、輝度材料または有色顔料を含む着 インキの場合、低Mp樹脂フィルムの発泡に する追随性が乏しく、発泡後の容器表面の 刷部は他の印刷部よりも凹み、段差が生じ しまう。特に、輝度材料を含む輝度インキ 場合には、印刷面における段差は大きく、 器の外観を著しく損ねるものとなっていた しかし、本発明によれば、輝度感を付与す ための輝度材料と二酸化珪素を同時に使用 ることによって、インキ皮膜の発泡追随性 改善され、輝度材料を含む印刷部の印刷面 おける凹凸の形成を効果的に抑制すること 可能である。

 また、本発明によれば、上記輝度材料と 酸化珪素を併用することによって、低Mp樹 フィルムが発泡する際に印刷層のインキ皮 のインキ割れ(クラック)の発生が抑制される ため、発泡追随性を改善するとともに、滑ら かな印刷面を提供することが可能となる。

 通常、インキ組成物に二酸化珪素を添加 た場合、インキ皮膜は、艶消しとなり、マ ト感が付与され、輝度感が低下する。しか 、本発明の輝度インキによれば、通常予測 れる二酸化珪素による効果とは異なり、イ キ皮膜は輝度感を維持し、優れた意匠性お び美称性を提供することができる。理論に って拘束するものではないが、本発明では 二酸化珪素の添加によって、インキ皮膜に けるクラックの発生を抑えつつ、発泡に対 る追随性が向上し、インキ皮膜の均一性お び等方性が保持されたものと解される。

 本発明で使用できるバインダー樹脂は、 刷インキ用のバインダー樹脂として従来か 周知の樹脂を使用することができる。この うな樹脂の一例として、ウレタン樹脂、ビ ル系共重合体、硝化綿、塩素化ポリオレフ ン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂、ニ ロセルロースが挙げられる。

 特に限定するものではないが、上述の樹 の中では、発泡時のインキの発泡追随性お び官能臭気の観点、さらにインキの耐光性 耐熱性、耐摩擦性および耐ブロッキング性 の各種耐性、基材となる低Mp樹脂フィルム 対する接着性を考慮すると、少なくともウ タン樹脂を使用することが好ましい。バイ ダー樹脂としてウレタン樹脂又はウレタン 脂を主成分とする樹脂混合物を使用するこ によって、長期に亘り熱や光が加わる環境 で保存した場合にも、紙カップなどの紙製 器胴体部に施される印刷部から発生する臭 をほとんどなくすことができる。また、イ キ皮膜の耐摩擦性、耐ブロッキング性、基 となる低Mp樹脂フィルムに対する接着性とい った各種特性において良好な結果を得ること ができる。

 本発明において使用する用語「ウレタン 脂」は、従来から当技術分野で使用される 般的なウレタン樹脂又はウレタンウレア樹 等の変性ウレタン樹脂を含む広義のウレタ 樹脂を意図している。また、本発明におい 使用するウレタン樹脂は、その製造方法に って、特に限定されるものではなく、ウレ ン樹脂に関する公知又は周知の方法を適用 て得られる様々なウレタン樹脂であってよ 。特に限定するものではないが、本発明に いて、ウレタン樹脂の好ましい一実施形態 して、ポリオール化合物と有機ジイソシア ートとを反応させて得られるウレタン樹脂 挙げられる。また、別の実施形態として、 レタン樹脂のプレポリマーをアミン化合物 はアミド化合物によって変性して得られる 変性ウレタン樹脂が挙げられる。以下、各 のウレタン樹脂について説明する。

 上記ウレタン樹脂の製造に用いることので る上記ポリオール化合物の一例を具体的に 示すると、以下に示すような公知の各種ポ オールが挙げられる。
(1)酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒ ドロフランなどの重合体又は共重合体などの ポリエーテルポリオール類;
(2)エチレングリコール、1,2-プロパンジオー 、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール 、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコ ル、ペンタジオール、メチルペンタジオー 、ヘキサジオール、オクタンジオール、ノ ンジオール、メチルノナンジオール、ジエ レングリコール、トリエチレングリコール ジプロピレングリコールなどの飽和および 飽和の低分子グリコール類と、n-ブチルグリ シジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジ エーテル等のアルキルグリシジルエーテル 、バーサティック酸グリシジルエステル等 モノカルボン酸グリシジルエステルと、ア ピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ ル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、 ゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン 、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸 どの二塩基酸もしくはこれらの無水物とを 水縮合せしめて得られるポリエステルポリ ール類;
(3)その他ポリカーボネートジオール類、ポリ ブタジエングリコール類、ビスフェノールA 化エチレン又は酸化プロピレンを付加して られるグリコール類;
(4)ダイマージオール類。これらの各種ポリオ ールは、単独で用いても、2種以上を併用し も良い。

 本発明において、先に(2)として例示した リオールを使用する場合には、グリコール の配合量の5モル%までをその他の各種ポリ ールに置換することができる。すなわち、 えば、グリセリン、トリメチロールプロパ 、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサント オール、1,2,4-ブタントリオール、ペンタエ スリトール等のポリオールで置換してもよ 。

 上記ポリオールの数平均分子量は、反応 成物として得られるウレタン樹脂の溶解性 乾燥性、および耐ブロッキング性等の特性 考慮して適宜決定される。特に限定するも ではないが、通常、500~10,000の範囲が好適で あり、さらに500~6,000の範囲がより好ましい。 数平均分子量が500未満になると、溶解性の低 下に伴って、印刷適性が低下する傾向にある 。また、数平均分子量が10,000を超えると、乾 燥性および耐ブロッキング性が低下する傾向 にある。

 一方、本発明においてウレタン樹脂の製 に使用できる有機ジイソシアネート化合物 、芳香族、脂肪族又は脂環族の各種公知の イソシアネート類であってよい。具体的に 、例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート 、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート 4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシア ート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、ジ アルキルジフェニルメタンジイソシアネート 、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシ アネート、1,3-フェニレンジイソシアネート 1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレン イソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネ ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ プロピレンジイソシアネート、メチレンジ ソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチ ンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジ イソシアネート、キシリレンジイソシアネー ト、イソホロンジイソシアネート、リジンジ イソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4 4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネ ートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロ キサンジイソシアネート、ノルボルナンジ ソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジ イソシアネートやダイマー酸のカルボキシル 基をイソシアネート基に転化したダイマージ イソシアネートが挙げられる。

 上記ウレタン樹脂の製造方法は、従来か 公知又は周知の方法であってよく、特に制 されない。例えば、ポリオール化合物と有 ジイソシアネートとを反応させる場合には 上記有機ジイソシアネートを上記ポリオー 化合物に対して過剰に使用することを除き その他の条件については限定されない。本 明におけるウレタン樹脂製造の好ましい一 施形態では、イソシアネート基/水酸基のモ ル当量比を1.2/1~3/1の範囲内にすることが望ま しい。イソシアネート基/水酸基のモル当量 が1.2/1以下であると、得られるウレタン樹脂 が脆弱である傾向がある。脆弱なウレタン樹 脂を印刷インキ用のバインダー樹脂として使 用すると、ブロッキングが発生し易くなる。 一方、イソシアネート基/水酸基のモル当量 が3/1以上であると、ウレタン樹脂製造時に 度が増し、反応中にゲル化が起こり易くな 。ウレタン樹脂製造におけるポリウレタン 反応は、通常、80℃~200℃の範囲、好ましく 90℃~150℃の範囲の反応温度で実施される。

 上記ポリウレタン化反応は、溶剤中で実 しても、又は無溶剤雰囲気下で実施しても い。溶剤を使用する場合は、反応温度およ 粘度、副反応を制御する観点で、後に例示 る溶剤を適宜選択することができる。また 無溶剤雰囲気下で上記ポリウレタン化反応 する場合には、均一なウレタン樹脂を得る めに、十分な攪拌ができる程度に温度を上 て粘度を下げて実施することが望ましい。 記ポリウレタン化反応の反応時間は、10分~5 時間とすることが望ましい。反応の終点は、 粘度測定、IR測定によるNCOピークの確認、滴 によるNCO%測定等の方法によって判断するこ とができる。

 本発明において変性ウレタン樹脂の一例 して、ポリウレタンウレア樹脂が挙げられ 。本発明において使用できる好適なポリウ タンウレア樹脂は、先に例示したポリオー 化合物と有機ジイソシアネートとを反応さ て末端にイソシアネート基を有するウレタ 樹脂のプレポリマーを合成した後に、アミ 化合物又はアミド化合物を鎖延長剤および 応停止剤として使用して上記ウレタン樹脂 プレポリマー中に尿素結合を導入すること よって得られる樹脂である。本発明では、 レタン樹脂の中でも、上記ポリウレタンウ ア樹脂を使用することによって、インキ皮 の各種特性をさらに高めることができる。

 尿素結合を導入するために使用できる上 鎖延長剤の一例として、各種公知のアミン を使用することができる。例えば、エチレ ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメ レンジアミン、トリエチレンテトラミン、 エチレントリアミン、イソホロンジアミン ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンが げられる。その他の例として、2-ヒドロキシ エチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチ プロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチ エチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチル ロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピル チレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピル チレンジアミン等の分子内に水酸基を有す ジアミン類、およびダイマー酸のカルボキ ル基をアミノ基に転化したダイマージアミ 等が挙げられる。

 また、本発明において上記反応停止剤と 用できる化合物の一例として、C8以上C22以 の長鎖アルキル基を有する脂肪族アミン化 物又は脂肪酸アミド化合物が挙げられる。 記脂肪族アミン化合物は、オクチルアミン ラウリルアミン、ココナットアミン、ミリ チルアミン、ステアリルアミン、オレイル ミン、パルミチルアミン、ジブチルアミン であってよく、それらは単独で又は2種以上 混合して使用できる。上記脂肪酸アミド化 物は、オクタン酸アミド、デカン酸アミド ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、 ルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、 ヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ アミド、リノール酸アミド、リノレン酸ア ド等であってよく、それらは単独で又は2種 以上を混合して使用できる。

 上記C8以上C22以下の長鎖アルキル基を有 る脂肪族アミン又は脂肪族アミド化合物を 上記ウレタン樹脂のプレポリマーの末端に 入することによって、インキ皮膜の耐ブロ キング性を向上することができる。理論に って拘束するものではないが、上記長鎖ア キル基は、表面活性な性質を示すため、そ らが塗膜形成過程で塗膜表面に配向するこ によって、ウレタン樹脂の耐ブロッキング を改善していると考えられる。これらの脂 酸アミン又は脂肪酸アミドをウレタン樹脂 導入することによって、塗膜表面の光沢低 といった不具合は起こらない。

 なお、ウレタン樹脂のプレポリマー中に 素結合を導入する製造方法は、特に限定さ ない。例えば、ポリオール化合物と有機ジ ソシアネート化合物とをイソシアネート基 過剰となる割合で反応させ、ポリオールの 端にイソシアネート基を有するプレポリマ を調製し、次いで、このプレポリマーを、 媒中で鎖延長剤および反応停止剤と反応さ る二段法が挙げられる。この二段法は、均 な重合体溶液を得ることがより容易になる で好ましい。特に限定するものではないが 上記プレポリマーの両末端に存在する遊離 ソシアネート基の数を1とした場合、使用す る鎖延長剤および反応停止剤におけるアミノ 基の合計数が0.5~1.3の範囲内とすることが好 しい。上記アミノ基の合計数が0.5未満の場 、乾燥性、耐ブロッキング性、および塗膜 度の向上効果が十分に得られない傾向があ 。一方、上記アミノ基の合計数が1.3よりも 剰になると、鎖延長剤および反応停止剤が 反応のまま残存し、印刷層に臭気が残りや い傾向がある。

 上記ウレタン樹脂および上記ポリウレタ ウレア樹脂の各製造で使用する溶剤は、通 、印刷インキ用の溶剤として使用できる周 の化合物であってよい。例えば、メタノー 、エタノール、イソプロパノール、n-プロ ノール、n-ブタノール等のアルコール系溶剤 ;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ ブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル 酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系 剤;、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ ヘキサン等の非芳香族炭化水素系溶剤が挙げ られる。これらの溶剤を単独で又は2種類以 の混合物で用いることができる。なお、上 製造時に、上記ケトン系溶剤を使用した場 には、ケトンと鎖延長剤として使用したア ンとの間でケチミンが生じ、反応が円滑に 行するのを阻害することになる。そのため ケチミンの発生を抑え、反応を円滑に進行 せるために、少量の水を併用することが望 しい。

 本発明において、バインダー樹脂として 用するウレタン樹脂の数平均分子量は、5,00 0~100,000の範囲内であることが好ましい。数平 均分子量が5,000未満のウレタン樹脂を使用し 印刷用インキ組成物を調製した場合、イン 組成物の乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜 度、および耐油性等の特性が低下しやすい 向がある。一方、100,000を超えるウレタン樹 脂を使用した場合は、印刷インキの粘度が高 くなり、印刷インキ皮膜の光沢が低下する傾 向がある。

 本発明によるインキ組成物の一実施形態 は、先に説明したウレタン樹脂に加えて、 ニル系共重合体およびニトロセルロースな の他のバインダー樹脂を適宜組み合わせて 用することが好ましい。ウレタン樹脂と他 樹脂とを組み合わせた場合、各種特性の改 に加えて、発泡外観性を向上することがで る傾向がある。理論によって拘束するもの はないが、ウレタン樹脂の伸長率と異なる 分が加わることによって、加熱処理によっ ウレタン成分が膨張した後に発泡層を形成 る際に、それら成分が一種の結合剤として 用すると思われる。

 本発明で使用できるニトロセルロースは 従来から印刷インキで使用されている周知 ニトロセルロース化合物であればよい。一 、ビニル系共重合体としては、塩化ビニル ノマー、脂肪酸ビニルモノマーおよび各種 ニルモノマーと、一分子中に不飽和炭素-炭 素二重結合を有し、かつ必要に応じて官能基 を有するその他の重合性モノマーとを共重合 反応させて得られる共重合体を使用すること ができる。発泡外観性を向上する観点からは 、ウレタン樹脂とビニル系共重合体とを組み 合わせて使用することが好ましい。以下、本 発明において使用できるビニル系共重合体の 具体例を説明する。

 上記ビニル系共重合体を製造するための ノマーとして使用可能な脂肪酸ビニルモノ ーの一例として、酢酸ビニル、プロピオン ビニル、モノクロロ酸ビニル、バーサキッ 酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン ビニル、および安息香酸ビニルが挙げられ 。

 また、上記一分子中に炭素-炭素不飽和二 重結合を有し、かつ必要に応じて、官能基を 有するその他の重合性モノマーにおける官能 基の一例として、ヒドロキシル基、カルボキ シル基、イソシアノ基、およびエポキシ基が 挙げられる。

 例えば、ヒドロキシル基を有する上記モ マーの一例として、ビニルアルコール、2- ドロキシエチル(メタ)アクリレート、1-ヒド キシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロ キシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロ シブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレン グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート ヒドロキシスチレン、およびN-メチロールア クリルアミドが挙げられる。

 カルボキシル基を有する上記モノマーの 例として、(メタ)アクリル酸、イタコン酸 イソ吉草酸、マレイン酸、フマル酸および の誘導体が挙げられる。上記誘導体の一例 して、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク ル酸塩、メチル(メタ)アクリレート、ブチ (メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ) クリレート、ステアリル(メタ)アクリレー 等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル (メタ)アクリレートが挙げられる。

 イソシアノ基を有する上記モノマーの一 として、(メタ)アクリロイルオキシエチル ソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプ ロピルイソシアネート等の他、2-ヒドロキシ チル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチ ル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ (メタ)アクリレートを、トルエンジイソシ ネート、イソホロンジイソシアネート等の リイソシアネートと反応させて得られる反 物が挙げられる。

 エポキシ基を有する上記モノマーの一例 して、グリシジルメタクリレート、グリシ ルシンナメート、グリシジルアリルエーテ 、グリシジルビニルエーテル、ビニルシク ヘキサンモノエポキサイド、1、3-ブタジエ モノエポキサイドが挙げられる。

 本発明では、インキ組成物に対して要求 れる各種性能に応じて、上述のモノマー化 物の中から1種又は2種以上を適宜選択して いることができる。本発明において好まし バインダー樹脂の一実施形態として、塩化 ニル/酢酸ビニル共重合体と、ウレタン樹脂 の併用が挙げられる。

 本発明において使用するビニル系共重合 の製造は特に限定されるものではなく、従 からの公知の方法を適用して実施すること できる。例えば、重合器内に水と分散剤と 合開始剤とを仕込み、脱気した後、塩化ビ ルモノマーの一部と脂肪酸ビニルモノマー を圧入して反応を開始し、次いで残りの塩 ビニルモノマーを反応中に圧入しながら重 反応を実施する、いわゆる、懸濁重合法を 用することができる。このようにして得ら るビニル系共重合体は、市販品としても入 できる。例えば、本発明では、塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体として、日信化学(株)の 品名「ニッシンビニル」を使用することが きる。

 ビニル系共重合体の製造に使用する上記 合開始剤は、当技術分野で代表的な過酸化 又はアゾ化合物であってよい。例えば、過 化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニト ル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ-t-ブ ルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエー 、t-ブチルペルオクトエート、クメンヒドロ キシペルオキシド等を使用することができる 。重合温度は50~140℃、好ましくは70~140℃であ る。得られるビニル系共重合体の好ましい数 平均分子量は、5,000~100,000である。

 上記重合の際には、例えば非芳香族系溶 が使用される。例えば、アセトン、メチル チルケトン、メチルイソブチルケトン、シ ロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフ ラン、ジオキサン、エチレングリコールジメ チルエーテル、ジエチレングリコールジメチ ルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢 ブチルなどのエステル類が挙げられる。溶 は2種類以上の混合物として使用してもよい

 本発明において、バインダー樹脂として レタン樹脂とビニル系共重合体とを併用す 場合、ウレタン樹脂とビニル系共重合体と 含有比率(固形重量比)は、95:5~5:95の範囲が ましい。さらに、原紙への接着性、耐ブロ キング性、インキの分散性、耐摩擦性、発 時のインキ追随性の観点からは、50:50~90:10の 範囲がより好ましい。

 本発明の輝度インキ組成物においてバイ ダー樹脂の全含有量は、インキ組成物の全 量を基準として、30%重量以下とすることが ましく、5~25重量%の範囲とすることがより ましい。バインダー樹脂の使用量を上記範 内にすることで、適度なインキ粘度が得や く、インキ製造および印刷時の作業効率を めることができる。

 本発明のインキ組成物で使用する溶剤の 体例として、主に、メタノール、エタノー 、n-プロパノール、イソプロパノール、ブ ノールなどのアルコール系有機溶剤;アセト 、メチルエチルケトン、メチルイソブチル トンなどのケトン系有機溶剤;酢酸メチル、 酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなど のエステル系有機溶剤;n-ヘキサン、n-ヘプタ 、n-オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機 剤;およびシクロヘキサン、メチルシクロヘ サン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプ ン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素 有機溶剤が挙げられる。バインダー樹脂の 解性や乾燥性などを考慮すると、上述の各 溶剤を混合して利用することが好ましい。 れら有機溶剤の使用量としては、通常のイ キ組成物では、30重量%以上の割合で配合さ る。このように、本発明では、非芳香族系 溶剤を使用することができることから、印 時の環境の悪化を防止することができる。

 本発明の輝度インキ組成物は、必要に応 て、着色剤を含んでもよい。本発明で使用 る着色剤は、一般に印刷インキや塗料で使 される無機顔料および有機顔料であってよ 。例えば、酸化チタンおよびカーボンブラ ク等の無機顔料、溶性アゾ顔料、不溶性ア 顔料、アゾキレート顔料、縮合アゾ顔料、 フタロシアニン顔料および縮合多環顔料等 有機顔料が挙げられる。先に説明した各種 分を含む輝度インキ組成物に着色剤を追加 ることによって、様々な輝度感を付与する とができ、印刷の意匠性および美称性をさ に高めることができる。

 また、本発明の輝度インキ組成物は、必 に応じて、各種ハードレジンを含んでもよ 。ハードレジンの一例として、ダイマー酸 樹脂、マレイン酸系樹脂、石油樹脂、テル ン樹脂、ケトン樹脂、ダンマー樹脂、コー ル樹脂、塩素化ポリプロピレンが挙げられ 。輝度インキ組成物にハードレジンを添加 ることによって、基材に対するインキ皮膜 接着性を向上する効果が期待できる。その め、特に、表面処理を行っていないプラス ックフィルムを上に印刷層を形成するよう 場合に効果的である。

 さらに、本発明の輝度インキ組成物は、 熱性、耐油性や耐摩擦性の向上を目的とし 、必要に応じて、架橋剤やワックス成分を んでもよい。

 架橋剤の一例として、アルキルチタネー 系、イソシアネート系などの架橋剤が挙げ れる。より具体的には、アルキルチタネー 系の架橋剤の一例として、テトライソプロ キシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テ ラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、テ トラステアリルオキシチタン、トリイソプロ ポキシチタンモノステアレート、トリ-n-ブト キシチタンモノステアレート、ジイソプロポ キシチタンジステアレート、ジ-n-ブトキシチ タンジステアレートなどが挙げられる。また 、イソシアネート系の架橋剤の一例として、 脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポ リイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイ ソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネ ート、および、各種ビュレット化合物やイソ シアネレート化合物などが挙げられる。これ らの中でも、耐熱性の観点からは、アルコキ シチタンセテアレート系化合物がより好適で あり、フィルムに対する接着性を向上する観 点からはイソシアネート系架橋剤等も有効で ある。

 一方、上記ワックスとしては、ポリオレ ィンワックス、パラフィンワックスなどの 知の各種ワックスを使用することができる

 さらに、本発明のインキ組成物には、必 に応じて、顔料分散剤、レベリング剤、界 活性剤、可塑剤等の各種インキ用添加剤を 加してもよい。

 本発明の輝度インキ組成物は、周知の技 を適用し、上述の各種成分を混合すること よって製造することができる。より具体的 は、まず、輝度材料、バインダー樹脂、有 溶剤、および必要に応じて顔料分散剤、界 活性剤などを攪拌混合した後に、例えば、 ーズミル、ボールミル、サンドミル、アト イター、ロールミル、パールミル等の各種 肉機を利用して練肉し、さらに残りの材料 添加混合する方法が挙げられる。

(断熱性発泡紙製容器材料)
 本発明による断熱性発泡紙製容器材料は、 熱性発泡紙製容器を製造するための材料で り、先に説明した本発明による輝度インキ 成物を使用して構成されることを特徴とす 。より詳細には、本発明の断熱性発泡紙製 器材料(以下、「紙製容器材料」と略記する )は、図1に示すように、原紙10と、上記原紙10 の一方の面を被覆する第1の熱可塑性合成樹 フィルム20と、上記原紙の他面を被覆し、上 記第1の熱可塑性合成樹脂フィルムよりも低 融点を有し、加熱処理によって発泡して断 層を形成する第2の熱可塑性合成樹脂フィル 30と、上記フィルム30の表面の少なくとも一 部に設けられた印刷層40とを含み、上記印刷 40が、本発明によるインキ組成物から形成 れる少なくとも1つの印刷パターン42を含む とを特徴とする。

 本発明の紙製容器材料を製造するために使 される原紙は、特に限定されない。しかし 容器重量の観点から、80g/m 2 ~400g/m 2 の範囲の坪量を有する原紙が好ましい。また 、この原紙は、容器製造時の発泡性の観点か ら、約5~10重量%の範囲内の含水率を有するこ が好ましい。

 原紙にラミネートされる第1の熱可塑性合 成樹脂フィルム(高Mp樹脂フィルム)および第2 熱可塑性合成樹脂フィルム(低Mp樹脂フィル )は、従来から容器材料として周知の樹脂材 料からなるフィルムであってよい。例えば、 ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸お よび無延伸ポリオレフィン、ポリエステル、 ナイロン、セロファン、ビニロンなどの熱可 塑性合成樹脂からなるフィルムから適宜選択 して使用することができる。但し、本発明の 上記容器材料から容器を製造する場合、上記 低Mp樹脂フィルムが容器胴部の外壁面を構成 るように、上記容器材料を使用する。その め、上記低Mp樹脂フィルムの融点は、容器 部の内壁面を形成する上記高Mp樹脂フィルム の融点よりも低くなければならない。例えば 、従来技術において先に説明したように、約 130℃~135℃の融点を有する高融点ポリエチレ フィルムを、第1の熱可塑性合成樹脂フィル として使用することができる。また、約105 ~110℃の融点を有する低融点ポリエチレンフ ィルムを、上記低Mp樹脂フィルムとして使用 ることができる。

 しかし、本発明において使用可能な各々 熱可塑性合成樹脂フィルムは融点が異なる リエチレンフィルムの組み合わせに限定さ るものではなく、その他の樹脂材料からな フィルムを適宜選択して使用することがで る。本発明において、高Mp樹脂フィルムは 低Mp樹脂フィルムが加熱処理によって発泡す る際に、溶融又は軟化しなければよい。すな わち、高融点および低融点といった記載は相 対的な観点で記載したものであり、各々の樹 脂フィルムを具体的な融点によって限定する ものではない。しかし、通常、カップ麺など の食品を収容する断熱性発泡紙製容器には熱 湯が注がれるため、低Mp樹脂フィルムとして 用する樹脂フィルムの融点は100℃以上でな ればならない。

 例えば、容器の胴部内壁面および胴部外 面をそれぞれポリエチレンフィルムから構 する場合、原紙の一方の面(容器の内壁面) 中密度又は高密度ポリエチレンフィルムで ミネートし、他方の面(容器の外壁面)は低密 度ポリエチレンフィルムでラミネートしなけ ればならない。原紙にラミネートする各フィ ルムの厚さは、特に限定されない。しかし、 容器胴部の外壁面を構成する低Mp樹脂フィル の厚さは、フィルムを発泡させた場合に、 泡後のフィルム層が断熱層として機能する に十分な厚みとなるように適宜設定される とが好ましい。

 例えば、容器胴部の外壁面を低密度ポリ チレンフィルムで構成する場合、原紙にラ ネートするフィルムの厚さは25~80μmであっ よい。一方、容器胴部の内壁面を中密度又 高密度ポリエチレンフィルムで構成する場 、原紙にラミネートするフィルムの厚さは 特に限定されない。しかし、断熱性発泡紙 容器とした場合に内容物の耐浸透性が確保 れるように、フィルムの厚さを適宜設定さ ることが好ましい。原紙にラミネートする ィルムの厚さは、使用するフィルムの樹脂 料によって異なるため、樹脂材料の特性を 慮して、当業者が適切に設定することが望 しい。

 上述のように構成される紙製容器材料に ける印刷層は、本発明による輝度インキ組 物を使用し、容器の外壁面を構成する低Mp 脂フィルム上へ表刷りグラビア印刷を実施 ることによって形成される。印刷層の構成 特に限定されるものではなく、周知の技術 適用すればよい。図1は、紙製容器材料の一 施形態を示す模式的断面図である。図1に示 した実施形態において、印刷層40は、低Mp樹 フィルム30の上に、本発明の輝度インキ組成 物から形成される装飾模様などの印刷パター ン42を含む。

 従来、低Mp樹脂フィルム上に、着色イン を使用して、図1に示したような印刷層を形 した場合、印刷層が低Mp樹脂フィルムの発 を阻害し、発泡後のフィルムの厚さは均一 ならずに印刷部が凹み、非印刷部と著しい 差が生じる傾向がある。しかし、本発明に れば、低Mp樹脂フィルム発泡後の印刷面での 凹みの発生を効果的に抑制することができる 。図2は、図1に示した本発明の紙製容器材料 加熱処理して発泡させた後の状態を示す模 的断面図である。図2に示したように、本発 明によれば、印刷層が発泡追随性に優れてい るため、加熱処理によって発泡した低Mp樹脂 ィルム(断熱層30’)の厚さは均一となる。そ のことにより、印刷層40の表面は、非印刷部 おけるフィルムの発泡面)と均一となり、凹 凸の形成が抑制される。

 図3は、本発明による紙製容器材料の別の 実施形態を示す模式的断面図である。図3に した紙製容器材料の印刷層40は、低Mp樹脂フ ルム30の上に形成された下地層44と、その下 地層44の上に形成された印刷パターン42とか 構成される。このような印刷層の形成は、 えば、最初に、白インキを上記フィルム30の 全面に印刷した後に、輝度インキをパターン 印刷することによって実施することができる 。このような構成を有する紙製容器材料にお いて、従来の輝度インキを使用して印刷パタ ーンを形成した場合、白インキの下地層を設 けたとしても、依然として輝度インキの印刷 部は凹み、印刷面に段差が形成されやすい。 しかし、本発明によれば、印刷層の印刷パタ ーンを特定の輝度インキを用いて形成するこ とによって、そのインキ皮膜は上記低Mp樹脂 ィルムの発泡を大きく阻害することはない そのため、加熱処理によって上記低Mp樹脂 ィルムが発泡することで形成される断熱層 均一の厚みとなり、凹凸の少ない印刷面が 易に得られる。

 図4は、本発明による紙製容器材料の別の 実施形態を示す模式的断面図である。図4に した紙製容器材料の印刷層は、フィルム30の 上に形成された下地層44、およびその下地層4 4の上に形成された第1の印刷部42aと第2の印刷 部42bとからなるパターン42から構成される。 のような印刷層の形成は、最初に下地層44 して、1層目に白インキを上記フィルムの全 に印刷する。次いで、2層目の白インキをパ ターン印刷して第1の印刷部42aを形成し、さ に2層目の白インキによる第1の印刷部42a以外 の非印刷領域に輝度インキを印刷して第2の 刷部42bを形成する。このようにして、下地 44の上に第1および第2の印刷部42aおよび42bか なる印刷パターン42が形成された2層構成(例 えば、白インキ/白インキおよび白インキ/輝 インキ)の印刷層を形成することができる。 2層目の第1および第2の印刷パターンを形成す る白インキおよび輝度インキの印刷の順序は 特に限定されない。

 図4に示すような構成を有する本発明の紙 製容器材料は、図3に関連して先に説明した うに、凹凸の少ない印刷面が容易に得られ ことに加えて、低Mp樹脂フィルム上に形成さ れる印刷層の厚さが同一となることで、加熱 処理による上記低Mp樹脂フィルムの発泡後も 凸の少ない印刷面を得ることがより容易に る点で好ましい。

 本発明において、図3および図4に示した うな重ね刷りの印刷層を形成する場合、下 層などを形成するために使用する白インキ 、特に限定されない。しかし、白インキは 上記低Mp樹脂フィルムの発泡を大きく阻害し ない組成を有することが好ましい。本発明の 一実施形態において、白インキは、バインダ ー樹脂、白色顔料および溶剤を含む。隠蔽性 および耐光性等の観点から、白色顔料として 二酸化チタンを使用することが好ましい。ま た、バインダー樹脂および溶剤は、本発明の 輝度インキ組成物の構成成分として先に例示 したバインダー樹脂および溶剤から選択する ことができる。本発明の一実施形態では、白 インキ中のバインダー樹脂として、ウレタン 樹脂とビニル系共重合体とを併用することが 好ましく、ウレタン樹脂の中でも、ウレタン ウレア樹脂を使用することがより好ましい。 ウレタン樹脂/ビニル系共重合体の混合比(固 分)は、特に限定されるものではないが、好 ましい一実施形態として、90/10の混合比が挙 られる。白インキ中のバインダー樹脂の含 量(固形分)は、インキの全重量を基準とし 、30重量%以下とすることが好ましい。

 本発明において印刷層を形成するための ンキ組成物の印刷は、特に限定されるもの はなく、周知の技術を適用すればよい。例 ば、下地層を形成するために白インキなど 上記フィルムの全面に印刷する場合には、 ーコーター、ロールコーター、リバースロ ルコーターなどのコーターを使用してもよ 。

(断熱性発泡紙製容器)
 本発明による断熱性発泡紙製容器は、容器 体部材と底板部材とから構成され、容器胴 部材が本発明による紙製容器材料から形成 れることを特徴とする。より具体的には、 発明の断熱性発泡紙製容器は、図5に示すよ うに、本発明の紙製容器材料から形成される 容器胴体50を有し、上記紙製容器材料におけ 高Mp樹脂フィルムが容器の内壁面50aを形成 、上記低Mp樹脂フィルム上の印刷層が容器の 外壁面50bを形成するように底板60と組み合わ て容器を成形し、上記容器を加熱処理する とによって上記低Mp樹脂フィルムを発泡さ ることによって得られる。

 本発明の断熱性発泡紙製容器の成形加工 周知の技術を適用して実施することができ 。例えば、最初に本発明の断熱性発泡紙製 器材料を型にそって所定の形状に打ち抜い 得た容器胴体部材と、同様に底板材料を所 の形状に打ち抜いて得た底板部材とを、常 の容器製造装置を用いて容器の形状に組み て成形する。容器製造装置による容器の組 立て成形は、容器胴体部材の上記高Mp樹脂 ィルムが内壁面を形成し、上記低Mp樹脂フィ ルムが外壁面を形成し、さらに底板部材のラ ミネート面が内側となるようにして実施され る。このように容器製造装置によって容器を 組み立て成形した後、加熱処理を行うことに よって、低Mp樹脂フィルムが発泡し、断熱層 形成し断熱性発泡紙容器が得られる。

 断熱層を形成するための加熱処理におけ 加熱温度や加熱時間は、使用する原紙や熱 塑性合成樹脂フィルムの特性に依存して変 する。当業者であれば、使用するフィルム 対する最適な加熱温度と加熱時間の組み合 せ条件を適宣決定することができる。特に 定するものではないが、一般的には、容器 成形工程において実施する加熱処理は、加 温度約100℃~約200℃であり、加熱時間約20秒~ 約10分間である。低密度ポリエチレン(厚さ70 m)を用いる場合、加熱温度は100℃~130℃、加 時間は約5分~6分が好ましい。加熱手段とし 、熱風、電熱、電子線など任意の手段を使 できる。コンベヤによる搬送手段を備えた ンネル内で熱風又は電熱などにより加熱す ば、安価に大量の断熱性発泡紙カップを生 することが可能である。

 図5は、容器の組み立て成形後に加熱処理 を実施することによって得られる断熱性発泡 紙製容器の構造を示す斜視図である。図中、 参照符号50は容器胴体、および参照符号60は 板である。図6は図5に示した断熱性発泡紙製 容器の容器胴体の参照符号VI部分を拡大して す模式的断面図である。容器胴体は、容器 外壁面50bから順に印刷層40、低Mp樹脂フィル ムからなる断熱層30’、原紙10、および容器 内壁面を形成する高Mp樹脂フィルム20から構 される。なお、図6で示した容器の容器胴体 部材の層構成は、図3で示した紙製容器材料 発泡させた構造に対応している。

 図6から分かるように、図5に示した容器 面を形成する印刷層40は、上記断熱層30’全 に設けられた白インキからなる下地層44、 よびその上に形成された輝度インキからな 印刷パターン42から構成されている。このよ うに、本発明によれば、容器胴体の外壁面を 形成する印刷層40が、発泡追随性に優れたイ キ組成物から構成されるため、上記低Mp樹 フィルム(図3、参照符号30)上の印刷層(図3、 照符号40)がフィルムの発泡を阻害せず、上 低Mp樹脂フィルムは加熱処理によって均一 断熱層30’を形成する。また、上記低Mp樹脂 ィルムの発泡において印刷層は、発泡追随 に優れるため容器表面に凹凸の発生が抑制 れ、およびインキ皮膜にクラックの発生が 制される。以上のように、本発明によるイ キ組成物を適用して断熱性発泡容器を構成 ることによって、断熱性に優れ、平滑な容 表面を実現することが可能となる。

 以下、実施例によって本発明をより具体 に説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。なお、特に断りの い限り、本実施例において「部」および「% 」は「重量部」および「重量%」を表す。

(調製例1:ポリウレタン樹脂ワニスの調製)
 撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガ 導入管を備えた四ツ口フラスコに、数平均 子量2,000のポリプロピレングリコール313部 イソホロンジイソシアネート63部および酢酸 エチル60部を仕込み、窒素気流下に90℃で6時 反応させることによってプレポリマーを得 。次いで、このプレポリマーを、イソホロ ジアミン21部、酢酸エチル360部、およびイ プロピルアルコール180部の混合物に滴下し 鎖長延長することによって、ポリウレタン 脂ワニス(PUワニス)を得た。このポリウレタ 樹脂ワニス(PUワニス)は、固形分40%、25℃に ける粘度200mPaS、重量平均分子量9,000であっ 。分子量の測定はUV検出器、屈折率計を備 た(Shodex DS-4、昭和電工社製)を使用した。

(調製例2:塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体ワ スの調製)
 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(ソルバイ TA5R 日信化学(株)製)25部を、酢酸エチル75部 混合溶解させて、試験用の塩化ビニル-酢酸 ビニル共重合体ワニス(PVC-PVAcワニス)を得た

(実施例1)
1.輝度インキの調製 
 調製例1で得たポリウレタン樹脂ワニス45部 調製例2で得た塩化ビニル-酢酸ビニル共重 体ワニス(PVC-PVAcワニス)8部、ノンリーフィン グアルミペースト(東洋アルミニウム(株)製  ルペースト1100TA 固形分 65% 粒子径12μm)15 、および未処理シリカ(富士シリシア(株)製  サイリシア450 粒子径5.2μm)2.5部、メチルシク ロヘキサン:イソプロピルアルコール:酢酸エ ル=40:40:20(重量比)からなる混合溶剤29.5部を 合した後、ディスパーで20分にわたって攪 することによって輝度インキを得た。

2.白インキの調製
 調製例1で得たポリウレタン樹脂ワニス12部 および調製例2で得た塩化ビニル-酢酸ビニ 共重合体ワニス(PVC-PVAcワニス)19.2部、酸化チ タン(チタニックスJR800(テイカ(株)製)40部、お よびメチルシクロヘキサン:イソプロピルア コール:酢酸エチル=40:40:20(重量比)からなる 合溶剤28.8部を配合した後、サンドミルで分 混練することによって、下地用の白インキ 得た。

3.印刷層の形成
 予め原紙の一方の面に高融点ポリエチレン ィルム(融点133℃)がラミネートされ、原紙 他方の面に低融点ポリエチレンフィルム(融 106℃)がラミネートされた紙製容器材料の上 記低融点フィルム上に、先に調製した白イン キおよび輝度インキをそれぞれ使用して、グ ラビア校正機により、図3に示したような印 層の構成を有する白インキ/輝度インキの重 刷り印刷層を形成した。

4.評価
 最初に、上述のように印刷層を形成した紙 容器材料について、印刷層の接着性、耐熱 、および耐摩擦性について下記評価方法に って評価した。結果を表1に示す。

(接着性の評価)
 紙製容器材料の印刷面にセロテープ(登録商 標)を貼り付け、指で5回圧着した後、テープ 剥離した。テープを貼り付けた面積と、イ キ皮膜が原紙(ラミネート層上)から剥離し 面積との比較から、原紙に対する接着性を 価した。
 A:インキ皮膜が全く剥離しなかった。
 B:インキ皮膜が原紙もしくは白インキ組成 から剥離した面積がテープ接着面積の20~50%
 C:インキ皮膜が原紙もしくは白インキ組成 から剥離した面積がテープ接着面積の50%を える。

(耐熱性の評価)
 印刷物と同じ大きさに切ったアルミニウム と印刷面とを重ね合わせ、ヒートシール試 機を用いて2kg/cm 2 の圧力で1秒間アルミニウム箔を押圧し、輝 インキがアルミニウム箔に転移する最低温 から耐熱性を評価した。
 A:最低温度が160℃以上
 B:最低温度が140℃以上、160℃未満。
 C:最低温度が140℃未満。

(耐摩擦性)
 学振型耐摩擦試験機を用いて、輝度インキ 印刷面上を2.5N/cm 2 の荷重をかけて上質紙で擦り、印刷面が全体 の20%以上取られたときの回数で評価した。
 A:100回以上
 B:50回以上100回未満
 C:50回未満

 次に、上記のように印刷層を形成した紙 容器材料を、120℃で、5分間にわたって加熱 処理して、上記低融点フィルムを発泡させた 後、印刷層の発泡追随性、発泡外観の評価、 および官能臭気試験を下記の方法に従って実 施した。結果を表2に示す。

(発泡追随性の評価)
 低融点フィルム発泡後の印刷表面について 白インキ印刷部と輝度インキ印刷部との段 を指触し、輝度インキ印刷部の凹み度合い 評価する。
 A:白インキ印刷部との段差をほとんど感じ い。
 B:白インキ印刷部との段差をわずかに感じ 。
 C:白インキ印刷部との段差を明らかに感じ 。

(発泡外観の評価)
 低融点フィルム発泡後の輝度インキ印刷面 外観状態を目視にて観察し、インキ割れ(ク ラック)の発生の程度を印刷面全体に占める ラック部分の面積割合から評価した。
 A:インキ割れの発生なし
 B:インキ割れの全面積が印刷面の50%で発生
 C:インキ割れの全面積が印刷面の80%以上で 生

(官能臭気試験)
 低融点フィルム発泡後の輝度インキ印刷物0 .2m 2 を三角フラスコ500ml内に仕込み、密栓し官能 気サンプルを作製した。日光暴露下で10日 放置後、フラスコ内の臭気を官能評価した 評価結果を表1に示す。
 A:フラスコ内の臭気を官能しない。
 B:フラスコ内の臭気をわずかに官能する。
 C:フラスコ内の臭気を強く官能する。

(実施例2~19、比較例1~4)
 表1~3に示すように各成分を配合し、実施例1 と同様の攪拌方法および調製手順に従って輝 度インキを調製した。次に、各々の輝度イン キを使用し、実施例1と同様の方法に従って 紙製容器材料の低融点フィルム上に印刷層 形成した。なお、下地層の形成は、実施例1 使用した白インキと同じものを使用して実 した。

 表1~3について、実施例2~19および比較例1~4で 使用した輝度材料の詳細は以下の通りである 。
 リーフィングアルミニウムペースト:アルト ップ18TH(旭化成(株)製、固形分80%、粒子径7μm)
 ノンリーフィングアルミペースト(東洋アル ミニウム(株)製、アルペースト1100TA、固形分6 5%、粒子径12μm)
 アルミニウムフレーク:メタシーンKM100(東洋 アルミニウム(株)製、粒子径12μm)
 パール顔料:イリオジン120BS(メルクジャパン (株)製、粒子径5~25μm)
 処理シリカ:サイロホービック200(富士シリ ア(株)、粒子径3.9μm)
 未処理シリカ(富士シリシア(株)製、サイリ ア450、粒子径5.2μm)

 次に、実施例1と同様にして、実施例2~19 よび比較例1~4で作製した重ね刷り印刷層を する紙製容器材料を使用し、各印刷層の接 性、耐熱性、および耐摩擦性について評価 た。さらに、実施例1と同様にして、上記印 層を有する紙製容器材料を、120℃で、5分間 にわたって加熱処理して、上記低融点フィル ムを発泡させた後に、印刷層の発泡追随性、 発泡外観の評価、および官能臭気試験を実施 した。これらの評価結果を表1~3に示す。

 表1~3から明らかなように、アルミニウム の輝度材料と二酸化珪素を含む本発明の輝 インキ組成物は、インキ皮膜が低Mp樹脂フ ルムの発泡を大きく阻害することなく追随 、かつインキ皮膜の割れ(クラック)が発生し ないため、断熱性発泡紙製容器の印刷層を形 成するためのインキとして好適である。また 、低Mp樹脂フィルム発泡後の印刷面において 輝度インキ印刷部分と他の印刷部分との段 は少なく、ほぼ平滑な印刷面が得られるこ から、容器の意匠性および美称性を向上で る。さらに、輝度インキ印刷部分によって Mp樹脂フィルムの発泡が大きく阻害されな ため、発泡によって均一な断熱層が形成さ 、優れた耐熱性が得られる。本発明による 製容器材料を容器胴体部材として使用して 実際に容器を成形加工したところ、同様の 果が得られることが分かった。なお、比較 1~4では、発泡外観の評価について優れた結 が得られている。しかし、発泡追随性の評 では、印刷表面に明らかな段差が感じられ 発泡追随性に劣る結果となっている。すな ち、比較例1~4における優れた発泡外観の結 は、インキ皮膜が低融点フィルムの発泡を り大きく阻害していることに起因している 解釈すべきである。

 以上の説明からして、本発明の精神と範 に反することなしに、広範に異なる実施態 を構成することができることは明白であり 本発明は請求の範囲において限定した以外 、その特定の実施態様によって制約される のではない。




 
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