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Patent Searching and Data


Title:
CERAMIC POWDER MOLDING, CERAMIC BURNING PRODUCT, AND PROCESS FOR PRODUCING CERAMIC POWDER MOLDING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016698
Kind Code:
A1
Abstract:
A ceramic powder molding (10) which contains a conductor powder molding (12) embedded therein. The ceramic powder molding (10) is obtained by molding a conductor paste (14) comprising a resin and a powder of at least one metal selected among silver (Ag)-, gold (Au)-, and copper (Cu)-based metals into a given shape, curing it, subsequently disposing the cured shape in a casting mold (16), pouring a slurry (18) comprising a thermosetting resin, a ceramic powder, and a solvent into the casting mold (16), and then curing the slurry. The resin to be used in the conductor paste (14) preferably is a thermosetting resin. This thermosetting resin may be a phenolic resin or a self-reactive resorcinol resin. The thermosetting resin to be used in the slurry (18) preferably is a polyurethane resin.

Inventors:
NAMERIKAWA MASAHIKO (JP)
TAKEUCHI YUKIHISA (JP)
YANO SHINSUKE (JP)
ABE MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/064781
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
NAMERIKAWA MASAHIKO (JP)
TAKEUCHI YUKIHISA (JP)
YANO SHINSUKE (JP)
ABE MASAHIRO (JP)
International Classes:
B28B1/14; B28B11/02; C04B35/00; H05K3/46
Foreign References:
JPH11300727A1999-11-02
JP2006203157A2006-08-03
JPH11268961A1999-10-05
JPH06191925A1994-07-12
Attorney, Agent or Firm:
CHIBA, Yoshihiro et al. (1-1 Yoyogi 2-chome, Shibuya-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト(14)を所定の形状に成形硬化した導体粉末成形体(12)が、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラリー(18)を成形硬化することにより得られるセラミック粉末成形体(10)に埋設されたセラミック粉末成形体。
 樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト(14)を所定の形状に成形硬化した後に、鋳込み型(16)内に設置し、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラリー(18)を前記鋳込み型(16)内に鋳込んだ後に、硬化することによって得られる、導体粉末成形体(12)を埋設したセラミック粉末成形体。
 請求項2記載のセラミック粉末成形体において、
 前記導体ペースト(14)に使用される前記樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項3記載のセラミック粉末成形体において、
 前記熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項3記載のセラミック粉末成形体において、
 前記熱硬化性樹脂が自己反応性のレゾール樹脂であることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項2記載のセラミック粉末成形体において、
 前記スラリー(18)に使用される熱硬化性樹脂がポリウレタン樹脂であることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項2記載のセラミック粉末成形体において、
 前記導体粉末成形体(12)は、前記導体ペースト(14)を印刷法によってパターン形成することによって得られることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項2記載のセラミック粉末成形体において、
 前記導体粉末成形体(12)は、フィルム(20)上に前記導体ペースト(14)を印刷法によってパターン形成した後に、前記鋳込み型(16)内に設置し、前記スラリー(18)を前記鋳込み型(16)内に鋳込んだ後に、硬化することによって得られることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項2記載のセラミック粉末成形体において、
 全体の形状がテープ状であることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 請求項9記載のセラミック粉末成形体(10)が複数積層され、複数の前記導体粉末成形体(12)が三次元構造に埋設されたセラミック粉末成形体。
 請求項10記載のセラミック粉末成形体において、
 複数の前記セラミック粉末成形体(10)は、前記スラリー(18)に含まれる溶剤の一部が残存していることを特徴とするセラミック粉末成形体。
 樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト(14)を所定の形状に成形硬化した導体粉末成形体(12)が、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラリー(18)を成形硬化することによって得られるセラミック粉末成形体(10)に埋設されたセラミック粉末成形体(10)を、焼成することによって得られるセラミック焼成体。
 樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト(14)を所定の形状に成形硬化した後に、鋳込み型(16)内に設置し、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラリー(18)を前記鋳込み型(16)内に鋳込んだ後に、硬化することによって得られる、導体粉末成形体(12)を埋設したセラミック粉末成形体(10)を、焼成することによって得られる、導体を埋設したセラミック焼成体。
 熱硬化性樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト(14)を所定の形状に成形硬化した後に、鋳込み型(16)内に設置し、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラリー(18)を前記鋳込み型(16)内に鋳込んだ後に、硬化することによって得られる、導体粉末成形体(12)を埋設したセラミック粉末成形体(10)を、焼成することによって得られる、導体を埋設したセラミック焼成体。
 樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト(14)をフィルム(20)上に形成する第1工程と、
 前記導体ペースト(14)を形成した前記フィルム(20)を鋳込み型(16)内に設置する第2工程と、
 熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラリー(18)を前記鋳込み型(16)内に鋳込んで硬化する第3工程とを有し、
 導体粉末成形体(12)を埋設したセラミック粉末成形体(10)を製造することを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
 請求項15記載のセラミック粉末成形体の製造方法において、
 前記導体ペースト(14)に使用される前記樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
 請求項15記載のセラミック粉末成形体の製造方法において、
 前記第2工程は、前記フィルム(20)を前記鋳込み型(16)内に設置する際に、
 前記フィルム(20)と他のフィルム(22)とを前記導体ペースト(14)が形成された面と前記他のフィルム(22)とを対向させ、さらに、前記フィルム(20)と前記他のフィルム(22)の間にスペーサ(24)を挟んで設置し、
 前記第3工程は、前記スペーサ(24)にて形成される空間(26)内に前記スラリー(18)を流し込むことを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
 請求項17記載のセラミック粉末成形体の製造方法において、
 前記フィルム(20)の表面に塗布された剥離剤の剥離力と、前記他のフィルム(22)の表面に塗布された剥離剤の剥離力とが異なることを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
 請求項15記載のセラミック粉末成形体の製造方法において、
 製造されるセラミック粉末成形体(10)の全体の形状がテープ状であることを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
 請求項19記載のセラミック粉末成形体の製造方法において、
 テープ状の前記セラミック粉末成形体(10)を複数積層する第4工程とを有し、
 複数の前記導体粉末成形体(12)が三次元構造に埋設されたセラミック粉末成形体(10)を製造することを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
 請求項20記載のセラミック粉末成形体の製造方法において、
 前記第3工程は、前記スラリー(18)に含まれる溶剤の一部を残存させて硬化し、その状態で第4工程に投入することを特徴とするセラミック粉末成形体の製造方法。
Description:
セラミック粉末成形体、セラミ ク焼成体及びセラミック粉末成形体の製造 法

 本発明は、内部に導体が埋設されたセラ ック粉末成形体、セラミック焼成体及びセ ミック粉末成形体の製造方法に関し、例え 高周波特性に優れた受動部品等を構成する とができるセラミック粉末成形体、セラミ ク焼成体及びセラミック粉末成形体の製造 法に関する。

 誘電体基板を用いた受動部品等を作製す 場合、セラミック粉末と樹脂を含むグリー シート上に導体パターンを印刷によって形 したものを積層一体化した後に、成形加工 た後、焼成するようにしている(例えば特許 文献1、2参照)。

 この場合、導体パターンがグリーンシー 上において凸形状に形成されるため、グリ ンシートを積層する際に、導体パターンの 縁近傍に圧力がかからず、積層した後に、 がれが生じたり、導体パターンの端部がつ れてしまい、導体パターンの電気的特性を 化させる。また、これらの問題のために、 体パターンの厚みを厚くできないため、抵 値を下げるのに限界があり、また、高周波 性の向上にも限界があった。

 そこで、従来では、上述の欠点を解決す ために、樹脂フィルムのような基体上に、 体ペーストを印刷形成した後、セラミック 末と樹脂からなるスラリーを塗布し、その 、カチオン性凝固浴に浸漬して前記スラリ をゲル化したグリーンシートにすることで 導体パターンをグリーンシート内に埋設す 方法が提案されている(例えば特許文献3参 )。

 また、他の従来例では、導体パターンの 形を抑制するために、導体ペーストに熱可 性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化 樹脂を混入させる方法が提案されている(例 えば特許文献4参照)。

 他の従来例では、鋳込み型内にコイル形 の金属線を設置し、さらに、鋳込み型内に ラミックスラリーを充填して、セラミック ラリーで金属線を内包させる。その後、乾 することによって、セラミック成形体内に 属線によるコイルが内包された電子部品を るようにしている(例えば特許文献5参照)。

特公昭40-19975号公報

特開平2-58816号公報

特開2005-1279号公報

特開平8-167537号公報

特開平11-126724号公報

 ところで、特許文献3及び4に記載された 案例において、セラミック粉末と熱可塑性 脂を含むスラリーと、熱可塑性樹脂を含む 体ペーストとを使用した場合、スラリーが 燥する際に生ずる大きな収縮により、セラ ック成形体のうち、導体近傍に亀裂が発生 たりして、セラミック成形体と導体との一 化に問題が生じたり、導体の凸形状の影響 グリーンシートが凸形状になったりする。 た、導体ペーストに含まれる熱可塑性樹脂 溶剤に溶解し易いため、セラミック成形体 する際に、導体がセラミック中に溶けて導 のパターン形状が崩れるという問題がある

 また、特許文献3では、グリーンシート上 への導体パターンの形成、スラリーの塗布、 カチオン性凝固浴への浸漬、乾燥を1層ごと 行う必要があり、導体パターンの多層化に って工数が増加するという問題がある。

 特許文献4では、グリーンシート上に導体 パターンを印刷によって形成したものを積層 一体化した後に、プレス加工するようにして いるため、特許文献1や2と同様に、導体パタ ンの周縁近傍に圧力がかからず、積層した に、剥がれが生じるおそれがある。

 なお、特許文献5に記載された提案例は、 抵抗やコイル等の素子をセラミック成形体に 埋設するには好都合であるが、導体パターン の多層化には適用することができないという 問題がある。

 本発明はこのような課題を考慮してなさ たものであり、導体パターンの剥がれや崩 がなく、しかも、導体パターンの厚みを厚 でき、抵抗値の低減化、高周波特性の向上 容易に図ることができるセラミック粉末成 体、セラミック焼成体及びセラミック粉末 形体の製造方法を提供することを目的とす 。

 第1の本発明に係るセラミック粉末成形体 は、樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少 なくとも1種類の粉末を含む導体ペーストを 定の形状に成形硬化した導体粉末成形体が 熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含 スラリーを成形硬化することにより得られ セラミック粉末成形体に埋設されたことを 徴とする。

 第2の本発明に係るセラミック粉末成形体 は、樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の少 なくとも1種類の粉末を含む導体ペーストを 定の形状に成形硬化した後に、鋳込み型内 設置し、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と 媒を含むスラリーを前記鋳込み型内に鋳込 だ後に、硬化することによって得られる、 体粉末成形体を埋設したことを特徴とする

 そして、第2の本発明において、前記導体 ペーストに使用される前記樹脂が熱硬化性樹 脂であることが好ましい。この場合、前記熱 硬化性樹脂がフェノール樹脂であってもよく 、前記熱硬化性樹脂が自己反応性のレゾール 樹脂であることが好ましい。

 第2の本発明において、前記スラリーに使 用される熱硬化性樹脂は、得られた成形体が 柔軟性を得易いという観点でポリウレタン樹 脂であることが好ましい。

 第2の本発明において、前記導体粉末成形 体は、前記導体ペーストを印刷法によってパ ターン形成することによって得られる。ある いは、前記導体粉末成形体は、フィルム上、 もしくは鋳込み型の内表面の一部に直接前記 導体ペーストを印刷法によってパターン形成 した後に、前記鋳込み型内に設置し、前記ス ラリーを前記鋳込み型内に鋳込んだ後に、硬 化することによって得られる。あるいは、導 体のパターンをフィルム上に形成後スラリー を塗布することにより、鋳込み型を省略して もよい。

 第2の本発明において、全体の形状がテー プ状であってもよい。この場合、セラミック 粉末成形体が複数積層され、複数の前記導体 粉末成形体が三次元構造に埋設されていても よい。また、複数の前記セラミック粉末成形 体は、前記スラリーに含まれる溶剤の一部が 残存していてもよい。

 次に、第3の本発明に係るセラミック焼成 体は、樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の 少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト 所定の形状に成形硬化した導体粉末成形体 、熱硬化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を むスラリーを成形硬化することによって得 れるセラミック粉末成形体に埋設されたセ ミック粉末成形体を、焼成することによっ 得られることを特徴とする。

 次に、第4の本発明に係るセラミック焼成 体は、樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金属の 少なくとも1種類の粉末を含む導体ペースト 所定の形状に成形硬化した後に、鋳込み型 に設置し、熱硬化性樹脂とセラミック粉末 溶媒を含むスラリーを前記鋳込み型内に鋳 んだ後に、硬化することによって得られる 導体粉末成形体を埋設したセラミック粉末 形体を、焼成することによって得られ、導 を埋設したことを特徴とする。

 次に、第5の本発明に係るセラミック焼成 体は、熱硬化性樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系 の金属の少なくとも1種類の粉末を含む導体 ーストを所定の形状に成形硬化した後に、 込み型内に設置し、熱硬化性樹脂とセラミ ク粉末と溶媒を含むスラリーを前記鋳込み 内に鋳込んだ後に、硬化することによって られる、導体粉末成形体を埋設したセラミ ク粉末成形体を、焼成することによって得 れ、導体を埋設したことを特徴とする。

 次に、第6の本発明に係るセラミック粉末 成形体の製造方法は、樹脂と銀(Ag)、金(Au)、 (Cu)系の金属の少なくとも1種類の粉末を含 導体ペーストをフィルム上に形成する第1工 と、前記導体ペーストを形成した前記フィ ムを鋳込み型内に設置する第2工程と、熱硬 化性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラ リーを前記鋳込み型内に鋳込んで硬化する第 3工程とを有し、導体粉末成形体を埋設した ラミック粉末成形体を製造することを特徴 する。

 そして、第6の本発明において、前記導体 ペーストに使用される前記樹脂が熱硬化性樹 脂であることが好ましい。

 第6の本発明において、前記第2工程は、 記フィルムを前記鋳込み型内に設置する際 、前記フィルムと他のフィルムとを前記導 ペーストが形成された面と前記他のフィル とを対向させ、さらに、前記フィルムと前 他のフィルムの間にスペーサを挟んで設置 、前記第3工程は、前記スペーサにて形成さ る空間内に前記スラリーを流し込むように てもよい。

 第6の本発明において、前記フィルムの表 面に塗布された剥離剤の剥離力と、前記他の フィルムの表面に塗布された剥離剤の剥離力 とが異なるようにしてもよい。

 第6の本発明において、製造されるセラミ ック粉末成形体の全体の形状がテープ状であ ってもよい。

 第6の本発明において、テープ状の前記セ ラミック粉末成形体を複数積層する第4工程 を有し、複数の前記導体粉末成形体が三次 構造に埋設されたセラミック粉末成形体を 造するようにしてもよい。

 第6の本発明において、前記第3工程は、 記スラリーに含まれる溶剤の一部を残存さ て硬化し、その状態で第4工程に投入するよ にしてもよい。

 以上説明したように、本発明に係るセラ ック粉末成形体、セラミック焼成体及びセ ミック粉末成形体の製造方法によれば、導 パターンの剥がれや崩れがなく、しかも、 体パターンの厚みを厚くでき、抵抗値の低 化、高周波特性の向上を容易に図ることが きる。

図1は、本実施の形態に係るセラミック 粉末成形体を示す断面図である。 図2Aは導体ペーストによるパターンを す断面図であり、図2Bは鋳込み型内にパター ンを設置した状態を示す断面図であり、図2C 鋳込み型内にスラリーを注入して硬化した 態を示す断面図である。 図3Aはフィルム上に導体ペーストによ パターンを形成した状態を示す断面図であ 、図3Bは鋳込み型内にフィルムを設置した状 態を示す断面図であり、図3Cは鋳込み型内に ラリーを注入して硬化した状態を示す断面 である。 図4Aは鋳込み型からセラミック粉末成 体をフィルムごと離型した状態を示す断面 であり、図4Bはフィルムからセラミック粉末 成形体を離型した状態を示す断面図である。 図5は、セラミック粉末成形体が複数積 層した状態を一部省略して示す断面図である 。 図6Aはフィルム上に導体ペーストによ パターンを形成した状態を示す断面図であ 、図6Bは鋳込み型内にフィルムを他のフィル ム及びスペーサと共に設置した状態を示す断 面図であり、図6Cは鋳込み型内にスラリーを 入して硬化した状態を示す断面図である。 図7Aは鋳込み型からセラミック粉末成 体をフィルム、他のフィルム及びスペーサ と離型した状態を示す断面図であり、図7Bは フィルム、他のフィルム及びスペーサからセ ラミック粉末成形体を離型した状態を示す断 面図である。 実施例に係るセラミック粉末成形体を 製する場合に使用される鋳込み型を示す分 斜視図である。 実施例に係るセラミック粉末成形体及 セラミック焼成体を作製する手順を示す工 ブロック図である。 図9のステップS6~ステップS10までの手 を示す説明図である。

 以下、本発明に係るセラミック粉末成形 及びセラミック焼成体の実施の形態例を図1 ~図10を参照しながら説明する。

 先ず、本実施の形態に係るセラミック粉 成形体10は、図1に示すように、導体粉末成 体12が埋設されて構成されている。

 このセラミック粉末成形体10は、図2Aに示 すように、樹脂と銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)系の金 属の少なくとも1種類の粉末を含む導体ペー ト14を所定の形状に成形硬化した後に、図2B 示すように、鋳込み型16内に設置し、熱硬 性樹脂とセラミック粉末と溶媒を含むスラ ー18を鋳込み型16内に鋳込んだ後に、硬化す ことによって得られる(図2C参照)。なお、鋳 込み型16は断面で示す構造の一部が開放され いてもスラリー18の漏洩がなければ問題な 。

 導体ペースト14に使用される樹脂は、熱 化性樹脂であることが好ましい。この場合 熱硬化性樹脂は、自己反応性のレゾール型 ェノール樹脂であることがこのましい。

 スラリー18に使用される熱硬化性樹脂は ポリウレタン樹脂であることが好ましい。

 導体粉末成形体12は、導体ペースト14を印 刷法によってパターン形成することによって 得られる。例えば図3Aに示すように、フィル 20上に導体ペースト14を印刷法によってパタ ーン形成した後に、図3Bに示すように、フィ ム20を鋳込み型16内に設置し、スラリー18を 込み型16内に鋳込んだ後に、硬化すること よって得られる(図3C参照)。この場合、図4A 示すように、フィルム20上にセラミック粉末 成形体10(導体粉末成形体12が埋設されている) が設置された状態になっているため、セラミ ック粉末成形体10をフィルム20から離型する とによって、図4Bに示すように、導体粉末成 形体12が埋設されたセラミック粉末成形体10 得られる。

 本実施の形態に係るセラミック粉末成形 10は、全体の形状がテープ状であってもよ 。この場合、図5に示すように、セラミック 末成形体10が複数積層され、複数の導体粉 成形体12が三次元構造に埋設されていてもよ い。

 また、複数のセラミック粉末成形体10は スラリー18に含まれる溶剤の一部が残存して いてもよい。この場合、硬化後のセラミック 粉末成形体10は柔軟性を有する。従って、一 に硬くて脆い熱硬化性樹脂をバインダに使 しても、柔軟性のあるテープ成形体として 程間を搬送させることができ、複数のセラ ック粉末成形体10を積層しても、積層間に 隙が生じる等の不具合は生じない(積層性の 上)。なお、積層の際の圧力、温度は、デラ ミネーションや積層体の変形、積層ズレを勘 案して適宜設定される。

 セラミック粉末成形体10の鋳込み型から 離型性を良好にするために、図6A~図7Bに示す ようにしてもよい。すなわち、図6Aに示すよ に、フィルム20上に導体ペースト14を印刷法 によってパターン形成した後に、図6Bに示す うに、フィルム20を鋳込み型16内に設置する 際に、フィルム20と他のフィルム22とを導体 ースト14が形成された面と他のフィルム22と 対向させ、さらに、フィルム20と他のフィ ム22の間にスペーサ24を挟んで設置する。そ て、スペーサ24にて形成される空間26内にス ラリー18を流し込んだ後に、硬化することに って得るようにしてもよい(図6C参照)。この 場合、図7Aに示すように、セラミック粉末成 体10がフィルム20、他のフィルム22及びスペ サ24にて囲まれた状態となっているため、 ラミック粉末成形体10が鋳込み型16に不要に 着することなく、簡単に鋳込み型16から離 することができる。

 さらに、導体ペースト14が形成されるフ ルム20の表面に塗布された剥離剤の剥離力と 、他のフィルム22の表面に塗布された剥離剤 剥離力とを異なるようにすれば、必ずどち かのフィルム20(又は22)が剥がれ易くなり、 ィルム20(又は22)からの離型も容易になる。

 本実施の形態に係る導体埋設セラミック 成体は、上述したセラミック粉末成形体10 乾燥し、その後、焼成することによって得 ことができる。

 上述した本実施の形態に係るセラミック 末成形体10及び導体埋設セラミック焼成体 、導体ペーストによるパターン(電極パター 等)の剥がれや崩れがなく、しかも、電極パ ターン等の厚みを厚くでき、抵抗値の低減化 、高周波特性の向上を容易に図ることができ る。

 ここで、熱可塑性樹脂を用いた従来のセ ミック粉末成形体の問題点と、本実施の形 に係るセラミック粉末成形体10による問題 決について説明する。

 従来においては、熱可塑性樹脂を含むス リーの乾燥収縮時に導体成形体との界面で 間やクラックが発生する。

 一方、本実施の形態では、スラリー18に 硬化性樹脂を含ませて、乾燥時に熱硬化性 脂を硬化させて三次元網目構造を生成させ 収縮を小さくすることで前記問題は解決さ る。

 この場合、スラリー18に使用する溶剤に 熱硬化性樹脂が硬化する温度での蒸気圧が さいものを選定し、熱硬化時の溶剤乾燥に る収縮を小さくすることが望ましい。室温 硬化する樹脂を用いた場合は、特に作業や 置が簡単になる。

 ポリウレタン樹脂は、硬化後の弾性を制 し易く、柔軟な成形体も可能となる等の利 を有する。後工程での取り扱いを考えると あまり硬い成形体は適さない場合があり、 硬化性樹脂は三次元網目構造をとるので一 に硬いが、ポリウレタン樹脂は、柔軟性の る成形体も可能で、特にテープ状の成形体 、柔軟性が要求される場合が多いため望ま い。また、スラリー性状の制御のため、熱 塑性樹脂を含ませてもよい。

 従来においては、熱可塑性樹脂を含む導 ペーストが、スラリーを塗布する際に、ス リーの溶剤に溶解して、パターン形状が崩 る。

 一方、本実施の形態においては、導体ペ スト14に熱硬化性樹脂を含ませているため 耐溶剤性が向上し、パターン形状の崩れは じない。

 熱硬化性樹脂は、硬化後は三次元の網目 造となり、元に戻らないため、硬化後は、 剤への再溶解性がなくなり、一般に、熱可 性樹脂よりも耐溶剤性が高い。

 熱硬化性樹脂の中では、フェノール樹脂 エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が硬化前 レポリマーの分子量の制御ができ、ペース 性状のコントロールが可能なため、好適で る。なお、熱可塑性樹脂をペースト性状の 御のために、熱硬化性樹脂と一緒に含める うにしてもよい。

 特に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂は 硬化剤が必要なく、加熱するだけで硬化す タイプがあり、導体ペースト14の効率的な 用に適する。つまり、硬化剤の添加が必要 他の熱硬化性樹脂は、導体ペースト14を印刷 する前に、硬化剤を混合する必要があるが、 混合すると保存がきかない。従って、印刷後 に残った導体ペースト14を回収して保存する 要のある印刷法によって導体ペースト14を 刷する場合は、硬化剤を混合する必要がな 熱硬化型エポキシ樹脂、熱硬化型フェノー 樹脂が好適である。

 従来において、熱可塑性樹脂をバインダ するセラミック粉末成形体は、成形体の密 のばらつきが発生し易く、そのために、焼 後のセラミック焼成体の寸法のばらつきが きく、埋設された導体粉末成形体の焼成寸 のばらつきも大きくなる。電子部品には、 体の寸法が部品の特性、性能を決めるもの 多い。例えば導体内蔵のストリップライン ィルタは、その共振電極の寸法でフィルタ 中心周波数が決まる。

 一方、本実施の形態においては、熱硬化 樹脂をバインダに使用して導体粉末成形体1 2を埋設したセラミック粉末成形体10を得るこ とにより、焼成のばらつきを小さくすること ができる。

 セラミック粉末成形体10の焼成後の寸法 、該セラミック粉末成形体10の生密度により 主に決まる。これは焼成体の構造は空隙が非 常に少ないのに対し、粉末成形体は空隙が多 いため、その空隙量の多少が、焼成中の収縮 量を決めるからである。

 熱可塑性樹脂をバインダとして含むスラ ー18は、溶媒を乾燥して成形体を得るが、 燥する際の塗工比(スラリー体積と成形後の 形体体積の比)が大きく、この大きな塗工比 が成形体密度のばらつきの原因となる。

 しかし、本実施の形態のように、熱硬化 樹脂をバインダとして使用した場合は、溶 を含んだままでも硬化するため、塗工比を さくすることができ、生密度のばらつきを さくすることができる。その結果、焼成後 寸法のばらつきが小さくなり、埋設した導 粉末成形体の寸法のばらつきも小さくする とができる。

 次に、上述した本実施の形態に係るセラ ック粉末成形体10及び導体埋設セラミック 成体並びにセラミック粉末成形体10の製造方 法の実施例について図8~図10を参照しながら 明する。

 この実施例では、図8に示す鋳込み型16が 用される。

 鋳込み型16は、一度に複数枚(例えば3枚) セラミック粉末成形体10を作製することがで きるようになっている。

 鋳込み型16は、図8に示すように、1つの基 台30と、基台30上に載置される複数枚の板部 (第1板部材32a~第4板部材32d)と、第4板部材32d に載置される上板34とを有する。

 さらに、基台30は、その上面のうち、第1 面に近接する部分と第2側面(第1側面と対向 る側面)に近接する部分にそれぞれ数本(例 ば3本)の棒部材36が設けられている。各棒部 36は、軸方向が基台30の上面の法線方向とな るように基台30の上面に設けられている。

 第1板部材32a~第4板部材32d並びに上板34は 基台30の棒部材36と対応する部分にそれぞれ 置決め用の貫通孔(以下、位置決め孔38と記 )が設けられ、第1板部材32a~第4板部材32d並び に上板34を基台30上に順番に載置した際に、 位置決め孔38を通じて基台30の棒部材36が挿 されるようになっている。

 そして、第1板部材32aと第2板部材32b間、 2板部材32bと第3板部材32c間、第3板部材32cと 4板部材32d間に、第1フィルム20と、スペーサ2 4と、第2フィルム22の積層体が挿入される。 1フィルム20には、その上面に導体ペースト14 によって複数の電極パターン40が形成されて る。

 これら第1フィルム20、第2フィルム22及び ペーサ24は、鋳込み型16内で作製されたセラ ミック粉末成形体10が鋳込み型16の第1板部材3 2a~第4板部材32d等に不要に付着するのを防止 るためのものであり、特に、第1フィルム20 、作製されるセラミック粉末成形体10の下面 の形状を決定づけ、第2フィルム22は、作製さ れるセラミック粉末成形体10の上面の形状を 定づけるようになっている。スペーサ24は 開口部を有するほぼ枠状に形成され、セラ ック粉末成形体10の面積と高さを決定づける 。図8の例では、第1フィルム20上に形成され 電極パターン40の群を三方から囲むようにほ ぼ枠状に形成されている。このスペーサ24は 例えば第1フィルム20や第2フィルム22と同様 材質で構成してもよい。また、これら第1フ ィルム20、第2フィルム22及びスペーサ24は、 表面に、離型剤がコートされており、作製 れたセラミック粉末成形体10が容易に離れる ようになっている。

 これら第1フィルム20、第2フィルム22及び ペーサ24には、基台30の棒部材36と対応する 分にそれぞれ位置決め孔42、44及び46が設け れている。

 さらに、上板34には、スラリー18を注入す るためのU字状の切欠き48が形成され、第2板 材32b~第4板部材32dにも、それぞれU字状の切 き48に対応した部分に、スラリー18を注入す ための貫通孔(以下、注入孔50と記す)が形成 されている。

 第1フィルム20、第2フィルム22及びスペー 24にも、第2板部材32b~第4板部材32dの注入孔50 に対応した部分にそれぞれ切欠き52や注入孔( 図示せず)が形成されている。

 従って、鋳込み型16を組み立てる場合は 例えば以下のようにして行われる。

 先ず、基台30の上面に第1板部材32aを載置 る。このとき、基台30の棒部材36を第1板部 32aの位置決め孔38にそれぞれ挿通させて載置 する。その後、第1板部材32a上に第1フィルム2 0、スペーサ24、第2フィルム22を重ねて載置す る。このとき、第1フィルム20、スペーサ24、 2フィルム22の各位置決め孔42、44及び46にそ ぞれ基台30の棒部材36を挿通させて載置する 。以下、同様に、第2板部材32bを載置し、該 2板部材32b上に、第1フィルム20、スペーサ24 第2フィルム22を重ねて載置し、さらに、第3 部材32cを載置し、該第3板部材32c上に、第1 ィルム20、スペーサ24、第2フィルム22を重ね 載置し、さらに、第4板部材32dを載置し、そ して、最後に上板34を載置する。これによっ 、鋳込み型16が完成する。

 鋳込み型16内には、第1板部材32aと第2板部 材32b間、第2板部材32bと第3板部材32c間、第3板 部材32cと第4板部材32d間に、それぞれ第1フィ ム20、スペーサ24及び第2フィルム22によって 囲まれた中空部が形成される。

 次に、鋳込み型16を使用して実施例に係 セラミック粉末成形体並びにセラミック焼 体を作製する方法について図9及び図10を参 しながら説明する。

 先ず、図9のステップS1において、第1フィ ルム20上に導体ペースト14を印刷して複数の 極パターン40を形成する。

 具体的には、第1フィルム20は、表面にシ コーン離型剤がコートされたPET(ポリエチレ ンテレフタレート)である。導体ペースト14の 加熱硬化時における収縮、歪を抑制するため に、予め第1フィルム20に温度150℃で10分以上 アニール処理を施す。

 その後、鋳込み型16への積層時の位置決 を行えるように、第1フィルム20に位置決め 42を形成する。次いで、第1フィルム20の上面 のうち、位置決め孔42を基準した所定領域に 体ペースト14を印刷して、複数の電極パタ ン40を形成する。この導体ペースト14は、例 ばレゾール型フェノール樹脂を含有した熱 化型の銀(Ag)ペーストである。導体ペースト 14中のAg粉末は、誘電体との同時焼成の際の 成収縮温度特性を近づけるため、粒度調整 れた粉末を使用している。

 次に、図9のステップS2において、第1フィ ルム20上に形成された電極パターン40を加熱 化する。すなわち、熱硬化型のAgペーストを 硬化させるために、120℃×1時間の熱処理を施 す。

 その後、図9のステップS3において、鋳込 型16を組み立てて、電極パターン40が形成さ れた第1フィルム20を第2フィルム22及びスペー サ24と共に鋳込み型16内に設置する。図8の鋳 み型16では、第1板部材32aと第2板部材32b間、 第2板部材32bと第3板部材32c間、第3板部材32cと 第4板部材32d間にそれぞれ第1フィルム20が設 される。もちろん、スペーサ24及び第2フィ ム22も第1フィルム20上に積層されて設置され る。

 一方、図9のステップS4及びステップS5に いて、鋳込み型16に注入されるスラリー18を 製する。

 先ず、ステップS4において、セラミック ラリーを調製する。セラミックスラリーは 酸化チタン、酸化バリウム系粉末と焼結助 としてのボロシリケートガラスとを混合し セラミック粉末を有する。すなわち、セラ ックスラリーは、上述のセラミック粉末を10 0重量部と、脂肪族二塩基酸エステルを27重量 部、トリアセチンを3重量部及びポリカルボ 酸共重合体を3重量部からなる有機分散媒(ポ リカルボン酸は有機分散剤として作用)との 合物からなる。

 その後、ステップS5において、上述のセ ミックスラリーに、ゲル化剤としてポリメ レンポリフェニルポリイソシアネートの変 物1~10重量部とエチレングリコール0.05~2.7重 部、反応触媒として6-ジメチルアミノ-1-ヘキ サノールを0.03~0.3重量部添加した後、攪拌し 、スラリー18、すなわち、ゲルキャスト用 ラリーを調製する。

 次に、ステップS6において、鋳込み型16内 にスラリー18を注入(注型)する。具体的には 鋳込み型16における上板34のU字状の切欠き48 ら露出する第4板部材32dの注入孔50(図8、図10 参照)を介してスラリー18を注入する。この注 入によって、鋳込み型16内の複数の中空部に ラリー18がそれぞれ充填される。スラリー18 は、ゲルキャストスラリーであることから、 中空部に充填された状態でそのまま硬化され る。これによって、鋳込み型16内に例えば3つ のセラミック粉末成形体10が作製されること なる。

 その後、ステップS7において、鋳込み型16 を分解し、第1フィルム20、スペーサ24及び第2 フィルム22からセラミック粉末成形体10を剥 す。これによって、実施例に係るセラミッ 粉末成形体10、すなわち、導体粉末成形体12 埋設したセラミック粉末成形体10(セラミッ テープ10とも記す)が完成する(図10参照)。

 次に、図9のステップS8において、複数枚の ラミックテープ10を積層して積層体60を作製 する(図10参照)。このとき、セラミックテー 10の反応性官能基が完全に反応しない状態( 温において、注型後、1時間~48時間経過後)で 、5~100kgf/cm 2 の圧力で加圧積層する。加圧力は、セラミッ クテープ10の強度と許容される積層ずれに応 て適宜選択される。

 積層時の加圧力が小さい場合は、積層ずれ 小さいものの、積層時の接着不良による焼 体のデラミネーションが発生し易くなる一 、積層時の加圧力が大きい場合は、上述の ラミネーションの発生を抑制できるものの セラミックテープ10の積層圧力による変形 び破損が発生し易くなる。しかし、上述し 加圧力の範囲であれば、積層ずれとデラミ ーションを抑制することができ、好ましい また、必要に応じて、上記5~100kgf/cm 2 の加圧に引き続き、50~400kgf/cm 2 の加圧力で一体性を高めてもよい。

 また、この際、隣り合うセラミックテー 10中の未反応の反応硬化物同士を反応させ ことにより、セラミックテープ10間の接着力 が得られるが、より短時間で反応硬化させる ために、60℃~80℃に加温しながら積層するこ が好ましい。

 より低圧で十分な積層体60を得るために 、積層時に各テープ界面に接着層として上 反応硬化スラリーのうち、反応触媒を除い ものを塗布、印刷することが好ましい。反 触媒を添加しなくても、セラミックテープ10 に残存する反応触媒の影響で、実用的な時間 で反応硬化が進行する。

 あるいは、セラミックテープ10を十分に 化したものや、さらに乾燥した後に、セラ ックテープ10と同一の無機粉末、ブチラール 樹脂、アクリル樹脂、ブチルカルビトールア セテート溶剤及び/又は脂肪族二塩基酸エス ル等の有機溶剤を混合した接着ペーストを ラミックテープ10上に塗布又は印刷した後、 積層することも好ましい。

 このようにすることで、セラミックテー 10相互の接着性が向上し、上述のデラミネ ションを抑制することができる。なお、接 ペーストを使用する場合は、反応硬化テー 中の溶剤が残っていてもよいし、60℃~100℃ 温度で予め溶剤を乾燥させてもよい。溶剤 乾燥させた反応硬化テープは可塑性が著し 低下し、ハンドリングに困難をきたすため 乾燥後のセラミックテープ10に可塑性を付与 する目的で、反応硬化前のスラリーに可塑剤 (DOPあるいはDBP)を1~10重量部添加することがさ らに好ましい。

 次に、図9のステップS9において、積層体6 0を乾燥した後、ステップS10において、積層 を複数のチップ62に分割する(図10参照)。

 その後、ステップS11において、各チップ6 2の表面や側面に端子電極を印刷により形成 る。

 そして、ステップS12において、各チップ6 2を焼成することで、実施例に係る導体埋設 ラミック焼成体が完成する。

 ここで、各構成部材の好ましい態様につ て説明する。

[導体ペースト14]
 導体ペースト14としては、バインダとして ポキシ、フェノール等の未硬化物を含有す ものが好ましいが、とりわけ、レゾール型 ェノール樹脂を含有するものが好ましい。 た、金属粉末については、Ag、Pd、Au、Pt、Cu Ni、Rhといった金属の単体又は合金、金属間 化合物を用いることができるが、同時焼成さ れるセラミック部材に要求される特性、すな わち、焼成時の酸素分圧、温度、焼成収縮温 度特性を考慮し、適宜選択される。焼成収縮 温度特性については金属粉末組成だけではな く、金属粉末の粒径、比表面積、凝集度によ っても適宜制御される。導体ペースト14中の インダ分量については、例えば、Ag粉末の 合、金属粉末重量の1%~10%の範囲を使用する 、セラミック部材の焼成収縮率、スクリー 印刷時の印刷性を考慮し、3~6%の範囲が好ま い。

 導体ペースト14は、印刷後、加熱硬化さ る。硬化条件は、硬化剤の種類により異な が、例えば、本実施例で使用するレゾール フェノール樹脂の場合、120℃で10分~60分硬化 させる。

 導体ペースト14による電極パターン40を硬 化した後、硬化した電極パターン40が形成さ ている第1フィルム20(この場合、PETフィルム )は、鋳込み型16に設置される。PETフィルムを 鋳込み型に設置する際、PETフィルムのうねり を抑制するため、所望の平行度、平坦度を有 する型板(第1板部材32a~第3板部材32c)に真空吸 、糊付け、静電吸着等の手段により吸着さ る。

[鋳込み型16(金型)]
 型板(第1板部材32a~第3板部材32c)は、吸着手 に応じた板部材を使用する。例えば真空吸 の場合は、金属、セラミック、樹脂等の材 は関係なく、多孔質板や吸着用孔を多数あ た板を使用し、糊付けの場合は、糊との反 性がなく、後に溶剤等で糊を拭き取る際に 変質を起こさない材質の板を使用し、静電 着の場合は、PETと静電吸着し易い材料でで た板を使用することが好ましい。

 鋳込み型16は、内部にスラリー18が流通す る経路を有し、鋳込み硬化後のスラリー18が 望の厚みの板状となるように、型板間に、 極パターン40が形成された第1フィルム20、 2フィルム22(電極パターンが形成されていて 、されていなくてもよい)及びスペーサ24を 置して、第1フィルム20及び第2フィルム22を 行に対向した形態を有し、かつ、第1フィル ム20と第2フィルム22との間に適当な間隔が設 されるようにすることが好ましい。

 第1フィルム20、第2フィルム22、スペーサ2 4は、PETフィルム、離型剤をコートした金属 ・セラミック板、あるいはテフロン(登録商 )樹脂板等を用いることができる。

 そして、この鋳込み型16に、反応硬化す 樹脂を含有するスラリー18を流し込み、硬化 させる。

[スラリー18]
 スラリー18は、用途に応じ、アルミナ、安 化ジルコニア、各種圧電セラミック材料、 種誘電セラミック材料、といった酸化物セ ミックスをはじめ、シリコンナイトライド アルミナイトライドといった窒化物セラミ クス、シリコンカーバイド、タングステン ーバイドといった炭化物セラミックス粉末 バインダとしてのガラス成分を含んだセラ ックス粉末を無機成分と、例えば分散剤と ル化剤もしくはゲル化剤相互の化学反応、 誘起される有機化合物とからなる。

 このスラリー18は、無機成分粉末の他、 機分散媒、ゲル化剤を含み、粘性や固化反 調整のための分散剤、触媒を含んでもよい 有機分散媒は反応性官能基を有していてよ 、あるいは有していなくともよい。しかし この有機分散媒は、反応性官能基を有する とが特に好ましい。

 反応性官能基を有する有機分散媒として 、以下を例示することができる。

 すなわち、反応性官能基を有する有機分 媒は、ゲル化剤と化学結合し、スラリー18 固化可能な液状物質であること、及び鋳込 が容易な高流動性のスラリー18を形成できる 液状物質であること、の2つを満足する必要 ある。

 ゲル化剤と化学結合し、スラリー18を固 するためには、反応性官能基、すなわち、 酸基、カルボキシル基、アミノ基のような ル化剤と化学結合を形成しうる官能基を分 内に有していることが必要である。分散媒 少なくとも1の反応性官能基を有するもので れば足りるが、より十分な固化状態を得る めには、2以上の反応性官能基を有する有機 分散媒を使用することが好ましい。2以上の 応性官能基を有する液状物質としては、例 ば多価アルコール、多塩基酸が考えられる なお、分子内の反応性官能基は必ずしも同 の官能基である必要はなく、異なる官能基 あってもよい。また、反応性官能基はポリ リセリンのように多数あってもよい。

 一方、注型が容易な高流動性のスラリー1 8を形成するためには、可能な限り粘性の低 液状物質を使用することが好ましく、特に 20℃における粘度が20cps以下の物質を使用す ことが好ましい。既述の多価アルコールや 塩基酸は水素結合の形成により粘性が高い 合があるため、たとえスラリー18を固化す ことが可能であっても反応性分散媒として ましくない場合がある。従って、多塩基酸 ステル、多価アルコールの酸エステル等の2 上のエステル基を有するエステル類を前記 機分散媒として使用することが好ましい。 た、多価アルコールや多塩基酸も、スラリ 18を大きく増粘させない程度の量であれば 強度補強のために使用することは有効であ 。エステル類は比較的安定ではあるものの 反応性が高いゲル化剤とであれば十分反応 能であり、粘性も低いため、上記2条件を満 すからである。特に、全体の炭素数が20以 のエステルは低粘性であるため、反応性分 媒として好適に用いることができる。

 スラリー18に含有されていてもよい反応 官能基を有する有機分散媒としては、具体 には、エステル系ノニオン、アルコールエ レンオキサイド、アミン縮合物、ノニオン 特殊アミド化合物、変性ポリエステル系化 物、カルボキシル基含有ポリマー、マレイ 系ポリアニオン、ポリカルボン酸エステル 多鎖型高分子非イオン系、リン酸エステル ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルベン ンスルホン酸Na、マレイン酸系化合物を例示 できる。また、非反応性分散媒としては、炭 化水素、エーテル、トルエン等を例示できる 。

[ゲル化剤]
 スラリー18中に含有されるゲル化剤は、分 媒に含まれる反応性官能基と反応して固化 応を引き起こすものであり、以下を例示す ことができる。

 すなわち、ゲル化剤の20℃における粘度 3000cps以下であることが好ましい。具体的に 、2以上のエステル基を有する有機分散媒と 、イソシアナート基、及び/又はイソチオシ ナート基を有するゲル化剤とを化学結合さ ることによりスラリー18を固化することが好 ましい。

 具体的には、この反応性のゲル化剤は、 散媒と化学結合し、スラリー18を固化可能 物質である。従って、ゲル化剤は、分子内 、分散媒と化学反応し得る反応性官能基を するものであればよく、例えば、モノマー オリゴマー、架橋剤の添加により三次元的 架橋するプレポリマー(例えば、ポリビニル ルコール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂 )等のいずれであってもよい。

 但し、反応性ゲル化剤は、スラリー18の 動性を確保する観点から、粘性が低いもの 具体的には20℃における粘度が3000cps以下の 質を使用することが好ましい。

 一般に、平均分子量が大きなプレポリマ 及びポリマーは、粘性が高いため、本実施 では、これらより分子量が小さいもの、具 的には平均分子量(GPC法による)が2000以下の ノマー又はオリゴマーを使用することが好 しい。なお、ここでの「粘度」とは、ゲル 剤自体の粘度(ゲル化剤が100%の時の粘度)を 味し、市販のゲル化剤希釈溶液(例えば、ゲ ル化剤の水溶液等)の粘度を意味するもので ない。

 ゲル化剤の反応性官能基は、反応性分散 との反応性を考慮して適宜選択することが ましい。例えば反応性分散媒として比較的 応性が低いエステル類を用いる場合は、反 性が高いイソシアナート基(-N=C=O)、及び/又 イソチオシアナート基(-N=C=S)を有するゲル 剤を選択することが好ましい。

 イソシアナート類は、ジオール類やジア ン類と反応させることが一般的であるが、 オール類は既述の如く高粘性のものが多く ジアミン類は反応性が高すぎて注型前にス リー18が固化してしまう場合がある。

 このような観点からも、エステルからな 反応性分散媒と、イソシアナート基及び/又 はイソチオシアナート基を有するゲル化剤と の反応によりスラリー18を固化することが好 しく、より充分な固化状態を得るためには 2以上のエステル基を有する反応性分散媒と 、イソシアナート基、及び/又はイソチオシ ナート基を有するゲル化剤との反応により ラリー18を固化することが好ましい。また、 ジオール類、ジアミン類も、スラリー18を大 く増粘させない程度の量であれば、強度補 のために使用することは有効である。

 イソシアナート基及び/又はイソチオシア ナート基を有するゲル化剤としては、例えば 、MDI(4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナー )系イソシアナート(樹脂)、HDI(ヘキサメチレ ンジイソシアナート)系イソシアネート(樹脂) 、TDI(トリレンジイソシアナート)系イソシア ート(樹脂)、IPDI(イソホロンジイソシアナー ト)系イソシアナート(樹脂)、イソチオシアナ ート(樹脂)等を挙げることができる。

 また、反応性分散媒との相溶性等の化学 特性を考慮して、前述した基本化学構造中 他の官能基を導入することが好ましい。例 ば、エステルからなる反応性分散媒と反応 せる場合には、エステルとの相溶性を高め 、混合時の均質性を向上させる点から、親 性の官能基を導入することが好ましい。

 なお、ゲル化剤分子内に、イソシアナー 基又はイソチオシアナート基以外の反応性 能基を含有させてもよく、イソシアナート とイソチオシアナート基が混在してもよい さらには、ポリイソシアナートのように、 応性官能基が多数存在してもよい。

 第1及び第2の無機粉末成形体の材料及び 合面に塗布されるスラリー18には、上述した 成分以外に、消泡剤、界面活性剤、焼結助剤 、触媒、可塑剤、特性向上剤等の各種添加剤 を添加してもよい。

 上述したスラリー18は、以下のように作 することができる。

(1)分散媒に無機物粉体を分散してスラリー 18とした後、ゲル化剤を添加する。

(2)分散媒に無機物粉体及びゲル化剤を同時 に添加して分散することによりスラリー18を 造する。

 注型時及び塗布時の作業性を考慮すると 20℃におけるスラリー18の粘度は30000cps以下 あることが好ましく、20000cps以下であるこ がより好ましい。スラリー18の粘度は、既述 した反応性分散媒やゲル化剤の粘度の他、粉 体の種類、分散剤の量、スラリー18の濃度(ス ラリー18全体の体積に対する粉体体積%)によ ても調整することができる。

 但し、スラリー18の濃度は、通常は、25~75 体積%のものが好ましく、乾燥収縮によるク ックを少なくすることを考慮すると、35~75体 積%のものがさらに好ましい。有機成分とし 分散媒、分散剤、反応硬化物、反応触媒を する。このうち、例えば分散媒とゲル化剤 しくはゲル化剤相互の化学反応により固化 る。

 なお、本発明に係るセラミック粉末成形 、セラミック焼成体及びセラミック粉末成 体の製造方法は、上述の実施の形態に限ら 、本発明の要旨を逸脱することなく、種々 構成を採り得ることはもちろんである。