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Patent Searching and Data


Title:
CHIP STOP MECHANISM, PUMP TYPE PRODUCT WITH CHIP STOP MECHANISM, AND AEROSOL TYPE PRODUCT WITH CHIP STOP MECHANISM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072203
Kind Code:
A1
Abstract:
Malfunction caused by the user unconsciously touching the periphery of an operation member when he tries to perform a contents discharge operation is prevented to stabilize the contents discharge operation in a chip stop mechanism provided in a pump type product and an aerosol type product. In order to prevent the periphery (upper end face 1c, 3a) of the operation member from being pushed downward by carelessness of the user who tries to operate the operation member (operation button 4), the operation member is formed in such a shape (top plate portion 4a, flange portion 4c) as to cover an area above the periphery of the operation member.

Inventors:
KANNO HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073575
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 06, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITANI VALVE CO LTD (JP)
KANNO HIROSHI (JP)
International Classes:
B05B9/04; B65D83/00; B05B11/00; B65D83/40; B65D83/76
Domestic Patent References:
WO2007060759A12007-05-31
Foreign References:
JP2005103424A2005-04-21
JP2001171764A2001-06-26
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Haruyuki (Shinagawa station building 4F 3-3, Nishishinjuku 1-chome, Shinjuku-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 外部空間への内容物の放出孔が、弾性力の作用で閉状態に初期設定されるとともに、利用者の内容物放出操作に基づいてそれまでの閉状態から開状態へと移行するチップストップ機構において、
 前記放出孔にいたる下流側通路を構成する下流筒状部、容器本体側の出力部から続く上流側通路を構成する上流筒状部および、上側開放域を少なくとも備えた筐体部と、
 前記下流側通路に移動可能な形で設けられて前記放出孔に対する開閉動作を行う弁部材と、
 前記弁部材を、前記放出孔が閉状態となる前方向に付勢する弾性部材と、
 前記筐体部の上側開放域に配されて、かつ、作動モード設定操作にともなって前記弁部材との間のカム部分が作用することにより当該弁部材を後方向に移動させて前記放出孔を開状態に設定する操作部材と、を備え、
 前記操作部材は、
前記上側開放域と、前記筐体部の上端面の上方域との全体を覆う形状のものである、
 ことを特徴とするチップストップ機構。
 前記操作部材は、
前記筐体部に対して上下動するタイプのものである、
 ことを特徴とする請求項1記載のチップストップ機構。
 前記操作部材は、
前記筐体部に対して上下動するタイプのものであり、
 前記筐体部は、
前記下流筒状部,前記上流筒状部,前記上側開放域および、当該上側開放域から続く後側開放域を有するスパウトと、
前記後側開放域に取り付けられるカバー体とからなり、
 前記弾性部材は、
前記弁部材と前記カバー体との間に設けられたコイルスプリングである、
 ことを特徴とする請求項1記載チップストップ機構。
 請求項1乃至3の何れかに記載のチップストップ機構を備え、かつ、容器本体内部に内容物を収容した、
 ことを特徴とするポンプ式製品。
 請求項1乃至3の何れかに記載のチップストップ機構を備え、かつ、容器本体内部に放出用ガスおよび内容物を収容した、
 ことを特徴とするエアゾール式製品。
Description:
チップストップ機構,チップスト ップ機構を備えたポンプ式製品および、チッ プストップ機構を備えたエアゾール式製品

 本発明は、容器本体の内容物の放出操作 了時に外部空間への放出孔を閉塞して、そ 近くの通路域に残留する内容物が当該放出 から外部空間の方に漏出しないようにした すなわちポンプ式容器におけるたれ(固化) エアゾール式容器におけるアウタードロー どを防止するチップストップ機構や、この ップストップ機構を持つポンプ式製品およ エアゾール式製品に関する。

 本明細書においてはスパウトの内容物放 孔側を「前」と記し、当該放出孔とは反対 のカバー体側を「後」と記す。

 適用対象の内容物には、例えば液状また クリーム状の石けん,シャンプー,リンス,化 品,乳液や、発泡性のシェービングフォーム ,ヘアスタイリングフォームをはじめとして 後述のように各種のものがある。

 内容物のたれ防止やアウタードロー対策 積極的に図ったチップストップ機構として 、例えば下記の特許文献で開示のものがあ 。

 このチップストップ機構は、概略、
・放出孔と、当該放出孔にいたる下流側通路 を構成する下流筒状部と、容器本体側のステ ムと一体化されて上流側通路を構成する上流 筒状部と、上側および後側の開放域とを備え た内容物通過用のスパウト
・当該下流筒状部の内部空間に配設された弁 部材
・当該弁部材を当該放出孔の閉塞方向(前方) 付勢する弾性部材,
・当該上側の開放域に設けられた操作ボタン ,
・当該後側の開放域に取り付けられたカバー 体,
などの構成要素からなっている。なお、操作 ボタンには弁部材に対するカム作用片部が形 成されている。

 ここでは、スパウトの上面部分および後 周壁部分のそれぞれを開口させた(上側およ び後側の)開放域を形成するとともに、当該 パウトの下流筒状部における弁部材の後側 分を露出させて、この露出部分が、前方へ 弾性力を受けた状態でカバー体に保持され ことになる。

 すなわち、後側開放域にカバー体を取り けない状態で、スパウトの下流筒状部にそ 背面側から弁部材が組み込まれ、さらには 動モード設定用の操作ボタンもスパウトの 側開放域に取り付けられる形になっている

 内容物の放出操作にともない弁部材が弾 体部材の付勢力に抗しながら後方向に移動 ることにより、内容物放出孔が開放状態に 定される。この放出孔の開放後、周知のよ に、スパウトおよびステムがステム付勢用 弾性力に抗する形で下動してその弁作用部 開くことにより作動モードに移行する。

 内容物の放出操作を終了すると、同じく周 のように、先ずスパウトおよびステムがス ム付勢用の弾性力で上動してその弁作用部 閉じ、続いて弁部材が弾性部材の付勢力に って初期状態の内容物放出孔を塞いだ状態 戻ることにより静止モードに復帰する。

国際公開第2007/060759号パンフレット

 このように、従来のチップストップ機構 その組み立て作業の効率化・簡単化を図る で優れた機構になっている。

 ただ、利用者の操作対象となる操作ボタ の上面部分がスパウトおよびカバー体の上 面で囲まれた形になっている。

 そのため利用者が操作ボタンを押圧しよ として無意識にその回りのスパウトまたは バー体の上端面を押してしまうことがあり る。

 頻度的には少ないと考えられるものの、 のような上端面に対する誤操作が行われる 、本来操作ボタンのみが先ず下動してその きのカム作用により弁部材を後退させて内 物放出孔を閉状態から開状態に変更する、 いったチップストップ機構の動作原理が担 されなくなる。

 すなわち、内容物放出孔の「閉」状態の まスパウトおよびステムが下動して当該ス ムの弁作用部が「開」に設定され、その結 、容器本体の内容物が当該弁作用部,ステム 内部通路およびスパウト内部通路を経て「閉 」状態の放出孔に流れて内容物放出動作の不 安定化を招き、この点で改善の余地を残した ものになっている。

 そこで本発明では、チップストップ機構 操作部材を、作動モード設定操作時の利用 が無意識に当該操作部材の上面の代わりに の近くのスパウト上端面などに触れてしま といった事態が生じにくい形状のものにし 、チップストップ機構における作動モード 定の誤操作を防止し、当該機構の本来の初 動作である放出孔開動作の確実化を図るこ を目的とする。

 本発明はこれらの課題を次のようにして解 する。
(1)外部空間への内容物の放出孔(例えば後述 放出孔1e)が、弾性力(例えば後述のコイルス リング6の弾性力)の作用で閉状態に初期設 されるとともに、利用者の内容物放出操作 基づいてそれまでの閉状態から開状態へと 行するチップストップ機構において、
前記放出孔にいたる下流側通路を構成する下 流筒状部(例えば後述の横筒状部1a)、容器本 側の出力部(例えば後述のステム5)から続く 流側通路を構成する上流筒状部(例えば後述 内側縦筒状部1d)および、上側開放域(例えば 後述の開放域1nの一部)を少なくとも備えた筐 体部(例えば後述のスパウト1)と、
前記下流側通路に移動可能な形で設けられて 前記放出孔に対する開閉動作を行う弁部材( えば後述の出力弁部材2)と、
前記弁部材を、前記放出孔が閉状態となる前 方向に付勢する弾性部材(例えば後述のコイ スプリング6)と、
前記筐体部の上側開放域に配されて、かつ、 作動モード設定操作にともなって前記弁部材 との間のカム部分(例えば後述のフォロア部 2d,カム面4g)が作用することにより当該弁部 を後方向に移動させて前記放出孔を開状態 設定する操作部材(例えば後述の操作ボタン4 )と、を備え、
前記操作部材は、
前記上側開放域と、前記筐体部の上端面の上 方域との全体を覆う形状(例えば後述の天板 4a,鍔部分4c)のものである。
(2)上記(1)において、
前記操作部材は、
前記筐体部に対して上下動するタイプのもの である。
(3)上記(1)において
前記操作部材は、
前記筐体部に対して上下動するタイプのもの であり、
前記筐体部は、
前記下流筒状部,前記上流筒状部,前記上側開 域および、当該上側開放域から続く後側開 域(例えば後述の開放域1nの一部)を有するス パウト(例えば後述のスパウト1)と、
前記後側開放域に取り付けられるカバー体( えば後述のカバー体3)とからなり、
前記弾性部材は、
前記弁部材と前記カバー体との間に設けられ たコイルスプリング(例えば後述のコイルス リング6)である。

 本発明は、このような構成からなるチッ ストップ機構,当該チップストップ機構を備 えたポンプ式製品および、当該チップストッ プ機構を備えたエアゾール式製品を対象とし ている。

 本発明は、上述のようにチップストップ 構の操作部材の形状を、利用者が無意識に 該操作部材の上面の代わりにその近くのス ウト上端面などに触れてしまうことを防止 きる態様のものにしているので、チップス ップ機構における作動モード設定の誤操作 防止し、当該機構の本来の初期動作である 出孔開動作の確実化を図ることができる。

 また、図示されるように、放出孔に対す 弁部材(出力弁部材)をその長手方向の中心 に対して対称な鞘形状としているので、当 弁部材をスパウトに挿入して取り付ける際 この両者間の周方向の位置合わせが不要で り、チップストップ機構の組立作業の簡単 ,効率化を図ることができる。

図1は、本発明のチップストップ機構の 操作ボタンが押圧されていない静止モードを 示す説明図である。 図2は、図1のチップストップ機構の操 ボタンが押圧された作動モードを示す説明 である。 図3は、操作ボタンのカム面と(これに う)出力弁部材のフォロア部分との静止モー から作動モードへの相対的な位置変化を示 説明図である。 図4は、静止モードにおける操作ボタン のカム面と出力弁部材のフォロア部分との当 接状態を示す説明図である。 図5は、作動モードにおける操作ボタン のカム面と出力弁部材のフォロア部分との当 接状態を示す説明図である。 図6は、組立後のチップストップ機構の 操作ボタンを取外して上方からみた状態を示 す説明図である。 図7は、図1のチップストップ機構のカ ー体の斜視状態を示す説明図である。

符号の説明

 以下のアルファベット付き参照番号の構 要素(例えば横筒状部1a)は、それぞれアルフ ァベットなし参照番号の構成要素(例えばス ウト1)の一部であることを示している。

 図示のチップストップ機構は、後述のよ にスパウト1,鞘状の出力弁部材2,周壁後部の カバー体3,押下げタイプの操作ボタン4,容器 体側のステム5および、出力弁部材付勢用の イルスプリング6の各構成部材からなってい る。なお、スパウト1およびカバー体3は筐体 を構成している。

 外部空間への内容物放出孔を備えたスパウ に関し、
1はステム5と嵌合したスパウト,
1aはその内部空間域に出力弁部材2が取り付け られる横斜め方向(放出孔が下側となる態様) 横筒状部,
1bは当該横筒状部と一体化された縦方向の外 縦筒状部,
1cは当該外側縦筒状部の上端面,
1dは横筒状部1aの後下側部分と一体化されて テム5の嵌合相手となる縦方向の内側縦筒状 ,
1eは横筒状部1aの前端部分に形成された放出 ,
1fは当該放出孔に続く内周面部分の前後方向 形成された複数のリブ,
1gは横筒状部1aの後側部分(外側縦筒状部1bの 部域)の外周面に形成されて、操作ボタン4の 当該横筒状部に対する下限位置、すなわちス パウト1および操作ボタン4の下動開始位置を 定するための一対の翼状部分,
1hは当該翼状部分の水平上面,
1jは外側縦筒状部1bの上側内周面部分の周方 に形成されて、操作ボタン4の張出部4jとの 合作用により当該操作ボタンがスパウト1か 抜けることを防止するための一対の水平状 部,
1kは内側縦筒状部1dの内部に形成されて、ス ウト1の内容物通過用空間域の上流側を構成 る上下方向通路,
1mは横筒状部1aの内周面と出力弁部材2の外周 との間に形成されて、当該上下方向通路に く下流側を構成する前後方向通路(ノズル相 当部分),
1nは外側縦筒状部1bの上側空間から後側空間 かけて形成された凹状の開放域,
1pは水平状段部1jの各後端側部分であって組 後のカバー体3の被係合部3cがそれぞれ保持 れる一対の垂下状段部(図6参照),
をそれぞれ示している。

 チップストップ作用を呈する弁部材に関し
2は放出孔1eに対する鞘状の出力弁部材,
2aは前後方向通路1mの内周面に密接して当該 路の内容物が後方側に漏れるのを防止する めの環状シール部(スカート部),
2bは出力弁部材2の後端側に形成された円筒状 の囲み部,
2cは当該囲み部の内側に設定される環状の凹 部,
2dは囲み部2bの前側端面の外縁域であって操 ボタン4のカム面4gに倣う略線状のフォロア 分,
2eはコイルスプリング6を受けるための後端側 段部,
2fは凹状部2cの外側内周面の前後方向に形成 れて横筒状部1aの後端側外周面を受ける複数 のリブ,
をそれぞれ示している。

 スパウト後部側のカバー体に関し、
3はスパウト1の開放域1nの後側部分に取り付 られる周壁後部のカバー体,
3aは当該カバー体の上端面
3bはコイルスプリング6を受けるための凹状部 ,
3cはスパウト1に取り付けられたときにその一 部(図示省略)と係合する一対の被係合部(図6, 7参照),
をそれぞれ示している。

 スパウトに対して上下動可能な操作ボタン 関し、
4は押下げタイプの操作ボタン,
4aは利用者が押圧する天板部,
4bは当該天板部から垂下する態様で、外側縦 状部1bおよび(これと一体化した)カバー体3 内部空間に設定される胴部,
4cは当該天板部における当該胴部よりも外側 張り出している部分であって、外側縦筒状 1bおよびカバー体3の各上端面1c,3aの上方域 で延びる環状の鍔部分,
4dは天板部4aの天井面(下面)から下側に、また 、胴部4bの内周面から内側にそれぞれ延びて 向する態様で形成された一対の角筒状部,
4eは当該角筒状部の対向面,
4fは当該対向面の上端から下端前方まで続く 心側の大垂直面部分,
4gは当該大垂直面部分から下方後端側に続き 出力弁部材2のフォロア部分2dとの接触部分( 図3~図5参照)が円弧状となる形状のカム面,
4hは当該カム面から下方後端側に続く奥側の 垂直面部分,
4jは胴部4bの外周面の周方向に形成されて、 パウト1の外側縦筒状部1aにその上方から操 ボタン4を入れて取り付ける際に当該縦筒状 の内周面と当接して図示上側に少しだけ弾 変形するテーパ状の下面および、最終的に スパウト1の段部1jと係合可能な対向状態に 行する上面を備えた抜け防止用の一対の張 部,
4kは横筒状部1aをいわば跨ぐための前側切欠 ,
4mは被操作時にコイルスプリング6などとぶつ かるのを避けるための後側切欠部,
をそれぞれ示している。

 その他の構成要素に関し、
5はスパウト1の内側縦筒状部1dと嵌合して容 本体側に対する周知の弁機構要素(例えばポ プ式製品の場合は吐出弁、エアゾール式製 の場合は静止モードにおいて環状ラバーに り閉塞される内容物通過用孔部)を備えたス テム,
6は出力弁部材2の後端側段部2eとカバー体3の 状部3bとの間に配されて当該出力弁部材を 方向に付勢するコイルスプリング
をそれぞれ示している。

 ここで、スパウト1,出力弁部材2,カバー体 3,操作ボタン4およびステム5などは例えばポ プロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール, イロン,ポリブチレンテレフタレートなどか なるプラスチック製のものであり、コイル プリング6は金属製またはプラスチック製の ものである。

 図示のチップストップ機構の基本的特徴 、スパウト1の外側縦筒状部1bの上端面1cお び(スパウト1と一体の)カバー体3の上端面3a 上方域が、利用者の押圧操作対象である天 部4aの鍔部分4cによって覆われていることで る。

 この上端面1c,3aに対する天板部4aの覆い作 用により、利用者が、静止モードの当該天板 部を押圧して作動モードを設定する際にいわ ば無意識にスパウト1またはカバー体3の当該 端面の部分を押圧してしまう、ことを防止 ている。

 すなわち、図1の静止モードから図2の作 モードへの移行開始時における本来の初期 作である、出力弁部材2の後方向への移動(= 出孔1eの開放動作)が、操作ボタン4の下動に もなう当該出力弁部材との間のカム作用に り確実に行われるようにしている。

 上述したように利用者が、操作ボタン4の 天板部4aではなく、スパウト1の上端面1cまた カバー体3の上端面3aを押圧してしまうと、 力弁部材2で放出孔1eを閉じたままの状態で パウト1が押し下げられることになる。

 本発明では天板部4aに鍔部分4cを形成する ことにより、利用者のいわば不注意でこの上 端面1c,3aが下方に押圧されないようにしてい 。

 図示のチップストップ機構は、概略、
(11)スパウト1の内側縦筒状部1dにステム5が嵌 し、
(12)鞘状の出力弁部材2がスパウト1の横筒状部 1aに取り付けられ、
(13)この取付け状態の出力弁部材2の後端側段 2eとカバー体3の凹状部3bとの間にコイルス リング6が設けられ、
(14)カバー体3の被係合部3cがスパウト1の垂下 段部1pと係合し、
(15)操作ボタン4がスパウト1の開放域1nに取り けられた、
形態になっている。

 ここで出力弁部材2は、
(21)その前端側外周面の部分が横筒状部1aのリ ブ1fに、後端側のリブ2fが横筒状部1aの後端側 外周面にそれぞれ案内され、
(22)その凹状部2cの中に横筒状部1aの後端側部 が入り込み、
(23)その囲み部2bのフォロア部分2dが操作ボタ 4のカム面4gに倣い、
(24)その全体がコイルスプリング6の弾性作用 より前方向に付勢されている。

 図1の静止モードの操作ボタン4が押圧操 されて下方への移動を開始すると、先ず出 弁部材2が、そのフォロア部分2dと操作ボタ 4のカム面4gとのカム作用に基づいてコイル プリング6の弾性力に抗しながら後方に移動 る(図3~図5参照)。

 この移動の結果、横筒状部1aの放出孔1eは 図1の「閉」状態から「開」状態へと変化し 最終的には図2の作動モードに移行する。

 なお、ステム5およびスパウト1は周知の うに、上下方向に移動可能な形で容器本体 に取り付けられ、また、コイルスプリング どの弾性部材(図示省略)の作用により上方向 に付勢されている。

 また、静止モードにおける操作ボタン4が 押圧操作されたときの初期段階で実質的に、 スパウト1およびステム5が下動せずに、出力 部材2が後方向に移動するのは、当該出力弁 部材の前方向付勢用部材であるコイルスプリ ング6の弾性力が当該ステムの上方向付勢用 弾性部材のそれよりも小さいからである。

 操作ボタン4が押圧操作されたときのチップ ストップ機構の動作変化は概略、次のように なる。
(31)上述のように先ず操作ボタン4が外側縦筒 部1bに対して下動し、すなわちスパウト1お びこれと一体のステム5は静止モードの位置 のままで下動せずに、
(32)操作ボタン4の下動開始にともない、出力 部材2がコイルスプリング6の弾性力に抗し がら図1の静止モード位置から後方へ移動し 放出孔1eが開いた状態となり、
(33)出力弁部材2は、操作ボタン4の角筒状部4d 下端面がスパウト1の翼状部分1gにおける水 上面と当接する段階まで後方に移動し、
(34)この当接後は、スパウト1およびステム5が 操作ボタン4とともに周知の弾性部材の弾性 に抗しながら下動し、
(35)このスパウト1などの一体的な下動にとも ってステム5の上述の弁機構要素が開き、図 2の作動モードに移行する。

 上記(32)のように出力弁部材2が後退する は、操作ボタン4の下動開始(図5のA方向)にと もない、もともと横筒状部1aに案内されなが 図示の前後斜め方向にしか移動できない出 弁部材2のフォロア部分2dと、当該操作ボタ のカム面4gとの当接位置が、順次後側(図5の B方向)へと変化するからである。

 図1,図2のチップストップ機構の組立て手順 例えば次のようになる。
(41)後端側段部2eにコイルスプリング6が取り けられた出力弁部材2をスパウト1の横筒状部 1aに後方から装填する。コイルスプリング6は 次の(42)で取り付けるようにしてもよい。
(42)次に、カバー体3を、その凹状部3bにコイ スプリング6が保持される態様でスパウト1の 開放域1nに後方から入れて、その被係合部3c 当該スパウトの外側縦筒状部1bの垂下状段部 1pに係合させる。
(43)次に、操作レバー4をスパウト1の外側縦筒 状部1bおよびカバー体3の開放域に上方から入 れて、当該操作レバーの張出部4jを当該スパ トの水平状段部1jに対向させる。このとき 作ボタンのカム面4gが出力弁部材2のフォロ 部分2dに当接する。
(44)次に、スパウト1をステム5に嵌合させる。

 ここで、カバー体3をスパウト1の開放域1n に入れる際、当該カバー体の被係合部3cはそ テーパ状面が外側縦筒状部1bの当該開放域 後側端面部分に当接して自らの弾性力に抗 る形で内側に少し変位しながら前方向に進 。そして、当該テーパ状面の後側被係合部 が外側縦筒状部1bの垂下状段部1pまで移動す と、それまでの内側への変位状態から弾性 帰して当該垂下状段部に被係合部3cが係止 れる。

 また、操作レバー4を外側縦筒状部1bなど 入れる際も同様に、当該操作レバーの張出 4jのテーパ状下面が当該外側縦筒状部の内 面に当接して上側に少し変位しながら下方 に進む。そして、当該テーパ状下面に続く 面が水平状段部1jまで移動するとそれまでの 上側への変位部分が弾性復帰する。

 この弾性復帰後の操作レバー4は、そのカ ム面4gと、コイルスプリング6の弾性作用によ り前方向に付勢されて放出孔1eを閉塞した出 弁部材2のフォロア部分2dとが当接した所定 態(=図1の静止モード)で停止する。

 図1の静止モードでは、スパウト1の水平 段部1jと操作ボタン4の張出部4jとは離間した 対向状態になっている。

 例えば図1のチップストップ機構を備えた エアゾール式製品を上下逆にしても、操作ボ タン4がスパウト1から抜けることはない。そ は、上下逆となった方向操作ボタン4の張出 部4jがスパウト1の水平状段部1jと当接して、 こで止められるからである。

 上記(41)~(44)の各作業の順番は、出力弁部 2の装填作業(41)が終ってからカバー体3の取 け作業(42)を行うという制約の下で、任意で ある。

 図1(静止モード)の操作ボタン4が押圧され ると、上述したように先ず出力弁部材2が当 操作ボタンとのカム作用により後退して放 孔1eが開く。

 続いて当該操作ボタンの各筒状部4dの下 面がスパウト1(横筒状部1a)の翼状部分1gに当 した後は、スパウト1およびステム5が操作 タン4といわば一体になってスパウト付勢用 コイルスプリング(図示省略)の弾性力に抗 る形で下動する。その結果、ステム5の周知 弁機構要素が開状態となって、図2の作動モ ードに移行する。

 作動モードへの移行により、容器本体の 容物は「ステム弁機構要素-ステム内部通路 -上下方向通路1k-前後方向通路1m-放出孔1e」を 経て外部空間に流出する。

 作動モードへの移行設定手段としては周 の機構、例えばポンプ式製品の場合は上流 の下方弁(吸込弁)を閉じて下流側の上方弁( 出弁)を開く機構、またエアゾール式製品の 場合はステムガスケットに対するステム孔部 の位置をずらして当該孔部を連通状態にする 機構を用いればよい。また、ステム付勢用の コイルスプリングも周知である。

 利用者が操作ボタン4の押圧をやめると、 ステム5,スパウト1および(当該スパウトの翼 部分1gに当接したままの)当該操作レバーの 体が、ステム付勢用のコイルスプリング(図 省略)の作用により所定位置まで上動して当 該ステムの弁作用部は閉状態となる。すなわ ち容器内容物の放出動作が終了する。

 この所定位置は、ステム5の静止モード位 置であって、可動のステム側と固定の容器側 との関連構造により一意に決まる。

 このステム5の静止モード位置への復帰動 作とともに、コイルスプリング6の復元作用 よる出力弁部材2の前方向への復帰動作も行 れる。すなわち操作ボタン4の押下げ操作で 後退していた出力弁部材2はコイルスプリン 6の弾性力で前方向に駆動される。

 その結果、出力弁部材2の先端部分で放出 孔1eが閉塞されるとともに、当該出力弁部材 復帰動作時のフォロア部分2dとカム面4gとの カム作用により操作ボタン4がスパウト1に対 て上動する。すなわち図1の静止モードへ完 全に移行する。

 なお、この静止モードへの移行時のカム 用は、出力弁部材2のフォロア部分2dと操作 タン4のカム面4gとの当接位置が順次前側へ 変化することに基づいている。

 このように操作ボタン4の押圧解除により 、スパウト1およびステム4の第1の復帰動作と 出力弁部材2の第2の復帰動作が行われる。

 この第1および第2の各復帰動作には時間 な前後関係がある。すなわち、ステム付勢 のコイルスプリングの弾性力と出力弁部材 勢用のコイルスプリング6のそれとの上述し 強弱関係に基づき、第1の復帰動作が第2の 帰動作に先行する。

 本発明は、以上の説明にかかるチップスト プ機構に限定されないことは勿論であって えば、
(51)胴部が外側縦筒状部の外周面側に位置す 形の操作ボタンを用いる、
(52)回動タイプの操作ボタンを用いる、
(53)カム面を出力弁部材に形成してフォロア 分を操作ボタンに形成する、
(54)カム面およびそのフォロア部分からなる ムとして周知の各種カムを用いる、
(55)出力弁部材の静止モード位置への付勢用 材として板バネを用いる、
ようにしてもよい。

 本発明が適用されるポンプ式製品やエア ール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗 ,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘ トリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シ ェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタ ミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤, 忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり, ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤など の各種用途のものがある。

 容器本体に収納する内容物は、液状,クリ ーム状,ゲル状など種々の形態のものを用い ことができ、内容物に配合される成分とし は例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界 活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成 分,水などが挙げられる。

 粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉 末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク ,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライ (アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀 ,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これ らの混合物などを用いる。

 油成分としては、シリコーン油,パーム油 ,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油, ラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ス アリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用 る。

 アルコール類としては、エタノールなど 1価の低級アルコール,ラウリルアルコール どの1価の高級アルコール,エチレングリコー ル,グリセリン,1,3-ブチレングリコールなどの 多価アルコールなどを用いる。

 界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナト ウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオ シエチレンオレイルエーテルなどの非イオ 性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢 ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アル ルトリメチルアンモニウムなどのカチオン 界面活性剤などを用いる。

  高分子化合物としては、メチルセルロ ス,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシ チルセルロース,キサンタンガム,カルボキ ビニルポリマーなどを用いる。

 各用途に応じた有効成分としては、サリ ル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛 剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの 菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドな の害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カ フル,メントールなどの清涼剤、エフェドリ ン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロ ス,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ 脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェ ニレンジアミン,アミノフェノールなどの染 ,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリ ウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。

 さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外 線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イ オン封鎖剤なども用いることができる。

 エアゾール式製品における内容物放出用 スとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気, 素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧 ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フ ロロカーボンなどの液化ガスを用いる。