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Title:
COATING COMPOSITION AND METHOD FOR FORMING COATING FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047195
Kind Code:
A1
Abstract:
A coating composition which is capable of forming a cured coating film having excellent abrasion resistance, acid resistance, contamination resistance and finish appearance. The coating composition is characterized by containing (A) a hydroxyl group-containing resin having a hydroxyl number of 80-200 mgKOH/g and a weight average molecular weight of 2,500-40,000, (B) a polyisocyanate compound and (C) an alkoxysilyl group-containing reaction product which is obtained by a reaction of a polycarbonate diol and an alkoxysilane compound, and has a hydroxyl number of 0-50 mgKOH/g and a number average molecular weight of 500-5,000.

Inventors:
HANAOKA TOSHIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/065929
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
September 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KANSAI PAINT CO LTD (JP)
HANAOKA TOSHIYUKI (JP)
International Classes:
C09D175/04; B05D7/24; C09D133/14; C09D169/00; C09D183/04
Domestic Patent References:
WO2007119305A12007-10-25
Foreign References:
JP2002226775A2002-08-14
JP2002541281A2002-12-03
JP2007190739A2007-08-02
JP2003089712A2003-03-28
JP2003089723A2003-03-28
JP2000190415A2000-07-11
JPH09278850A1997-10-28
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA & PARTNERS (JP)
Patent business corporation 3 Edakuni [Hajime] patent firm (JP)
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Claims:
水酸基価が80~200mgKOH/g、重量平均分子量が2500~40000である水酸基含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びポリカーボネートジオールとアルコキシシラン化合物との反応により得られるアルコキシシリル基を有する水酸基価0~50mgKOH/g、数平均分子量500~5000の反応生成物(C)を含有することを特徴とする塗料組成物。
水酸基含有樹脂(A)が水酸基含有アクリル樹脂である請求項1に記載の塗料組成物。
ポリイソシアネート化合物(B)として、脂肪族ジイソシアネート又はこれらの誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
反応生成物(C)が、ポリカーボネートジオールと、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物との反応により得られたものである請求項1に記載の塗料組成物。
反応生成物(C)が、ポリカーボネートジオールと、トリアルコキシシラン化合物との反応により得られたものである請求項1に記載の塗料組成物。
さらに、着色顔料を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
被塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート塗料を塗装することにより複層塗膜を形成する方法であって、最上層のクリヤコート塗料として請求項1に記載の塗料組成物を塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
 請求項7に記載の複層塗膜形成方法によって得られた塗装物品。
Description:
塗料組成物及び塗膜形成方法

 本発明は、耐擦り傷性、耐酸性及び耐汚 性に優れる塗料組成物に関する。

 自動車車体等の被塗物に塗装される塗料 は、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染性、仕上 性等の塗膜性能に優れることが要求されて る。

 従来、上記被塗物用の塗料として、メラ ン架橋系塗料が汎用されている。メラミン 橋系塗料は、水酸基含有樹脂及び架橋剤で るメラミン樹脂を含有する塗料であり、加 硬化時の架橋密度が高く、耐擦り傷性、仕 り性等の塗膜性能に優れている。しかし、 の塗料には、メラミン架橋結合が酸性雨に り加水分解され易く、塗膜の耐酸性が劣る いう問題がある。

 特開平6-220397号は、水酸基含有アクリル 脂、水酸基含有オリゴエステル及びイソシ ネートプレポリマーからなる二液型ウレタ 架橋系塗料組成物を開示している。この塗 は、ウレタン架橋結合が加水分解され難い め塗膜の耐酸性に優れる。しかし、塗膜の 擦り傷性は不十分である。

特開平6-220397号公報

 本発明の目的は、耐擦り傷性、耐酸性、 汚染性及び仕上り性のいずれにも優れる硬 塗膜を形成することができる塗料組成物を 供することにある。

本発明者らは、上記課題を解決するため鋭 意研究を行なった結果、特定の水酸基価及び 平均分子量を有する水酸基含有樹脂及びポリ イソシアネート化合物、並びにポリカーボネ ートジオールとアルコキシシラン化合物との 反応により得られるアルコキシシリル基を有 する特定範囲の水酸基価及び数平均分子量の 反応生成物を含有することを特徴とする塗料 組成物により上記の目的を達成できることを 見出し、本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明は、水酸基価が80~200mgKOH/g、 重量平均分子量が2500~40000である水酸基含有 脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及び リカーボネートジオールとアルコキシシラ 化合物との反応により得られるアルコキシ リル基を有する水酸基価0~50mgKOH/g、数平均分 子量500~5000の反応生成物(C)を含有することを 徴とする塗料組成物を提供するものである

 また、本発明は、被塗物に順次、少なく も1層の着色ベースコート塗料及び少なくと も1層のクリヤコート塗料を塗装することに り複層塗膜を形成する方法であって、最上 のクリヤコート塗料として上記記載の塗料 成物を塗装することを特徴とする複層塗膜 成方法を提供するものである。

 さらに、本発明は、上記複層塗膜形成方 によって得られた塗装物品を提供する。

 特定の水酸基含有樹脂及びポリイソシア ート化合物並びに特定のポリカーボネート オールとアルコキシシラン化合物との反応 より得られる特定のアルコキシシリル基を する反応生成物を含有する本発明の塗料組 物によれば、ポリカーボネートジオールと ルコキシシラン化合物との反応により得ら る特定のアルコキシシリル基を有する反応 成物が、水酸基含有樹脂及びポリイソシア ート化合物との相溶性が良好であることか 、仕上り性の良好な塗膜を得ることができ 。

 また、該アルコキシシリル基を有する反 生成物により機械的強度等の塗膜物性を向 させることができ、水酸基含有樹脂とポリ ソシアネート化合物の反応によるウレタン 橋結合、アルコキシシリル基を有する反応 成物のアルコキシシリル基と水酸基の架橋 合、アルコキシシリル基同士の縮合結合及 該アルコキシシリル基を有する反応生成物 カーボネート結合が酸による耐加水分解性 優れることから、耐擦り傷性、耐酸性、耐 染性等のいずれにも優れた硬化塗膜を形成 ることができるという効果を奏することが きる。

 以下、本発明の塗料組成物(以下、「本塗 料」ということがある。)及び複層塗膜形成 法について詳細に説明する。

 本発明の塗料組成物は、水酸基価が80~200m gKOH/g、重量平均分子量が2500~40000である水酸 含有樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B) 及びポリカーボネートジオールとアルコキ シラン化合物との反応により得られるアル キシシリル基を有する水酸基価0~50mgKOH/g、数 平均分子量500~5000の反応生成物(C)を含有する とを特徴とする塗料組成物である。

  水酸基含有樹脂(A)
 本発明の塗料組成物に含まれる水酸基含有 脂(A)は、水酸基価が80~200mgKOH/g、重量平均分 子量が2500~40000の水酸基含有樹脂である。

 水酸基含有樹脂(A)は水酸基価が80~200mgKOH/g 、重量平均分子量が2500~40000の範囲内であれ 特に限定されるものではなく、具体的には 例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂 ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂等を げることができ、好ましいものとして、水 基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエス ル樹脂及び水酸基含有ポリウレタン樹脂、 り好ましくは水酸基含有アクリル樹脂をあ ることができる。

 本発明の好ましい実施形態において、水 基含有アクリル樹脂は、水酸基含有不飽和 量体(M-1)及びその他の共重合可能な不飽和 量体(M-2)を常法により共重合せしめることに よって製造することができる。

 水酸基含有不飽和単量体(M-1)は、1分子中 水酸基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する 化合物であり、この水酸基は主として架橋剤 と反応する官能基として作用するものである 。該単量体としては、具体的には、アクリル 酸又はメタクリル酸と炭素数2~10の2価アルコ ルとのモノエステル化物が好適であり、例 ば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート 、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロ キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペ チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシ ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘプチル( メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メ )アクリレート、ヒドロキシノニル(メタ)ア リレート、ヒドロキシデシル(メタ)アクリ ート等、より好ましくは2-ヒドロキシエチル (メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルア リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アク レート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー ト等を挙げることができる。また、上記多価 アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸と のモノエステル化物としては他にε-カプロラ クトンを開環縮合させた化合物、例えば、「 プラクセルFA-1」、「プラクセルFA-2」、「プ クセルFA-3」、「プラクセルFA-4」、「プラ セルFA-5」、「プラクセルFM-1」、「プラクセ ルFM-2」、「プラクセルFM-3」、「プラクセルF M-4」、「プラクセルFM-5」(以上、いずれもダ セル化学(株)製、商品名)等を挙げることが きる。

 水酸基含有不飽和単量体(M-1)の配合割合 、単量体混合物全量に基づいて20~50質量%、 に、25~45質量%の範囲内であるのが好ましい

 水酸基含有不飽和単量体(M-1)の配合割合 上記範囲とすることによって、硬化塗膜が 分に架橋されることにより所定の耐擦り傷 が得られ、かつその他の共重合可能な不飽 単量体(M-2)との相溶性、さらに得られた水酸 基含有アクリル樹脂とその他成分(ポリイソ アネート化合物(B)及び反応生成物(C))との相 性が充分に高いので塗膜の仕上り外観も良 であるため好ましい。

 なお、本明細書において、「(メタ)アク レート」は「アクリレート又はメタアクリ ート」を意味する。

 その他の共重合可能な不飽和単量体(M-2) 、上記水酸基含有不飽和単量体(M-1)以外の1 子中に1個の不飽和結合を有する化合物であ 、その具体例を以下(1)~(8)に列挙する。

 (1)酸基含有不飽和単量体:1分子中に1個以 の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物 で、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸 イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン 等の如きカルボキシル基含有不飽和単量体; ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アク レート等の如きスルホン酸基含有不飽和単 体;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシ ドホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキ プロピルアシッドホスフェート、2-(メタ)ア クリロイルオキシ-3-クロロプロピルアシッド ホスフェート、2-メタクロイルオキシエチル ェニルリン酸等の酸性リン酸エステル系不 和単量体等を挙げることができる。これら 1種で又は2種以上を組み合わせて使用する とができる。上記酸基含有不飽和単量体は(A )成分が架橋剤と架橋反応する時の内部触媒 しても作用することができるものであり、 の使用量は水酸基含有アクリル樹脂を構成 るモノマー混合物全量に基づいて、0~5質量% 特に、0.1~3質量%の範囲内で使用することが ましい。

 (2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1 ~20の1価アルコールとのモノエステル化物:例 ば、メチル(メタ)アクリレート、エチルア リレート、エチル(メタ)クリレート、プロピ ル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリ レート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert- チル(メタ)アクリレート,2-エチルヘキシル( タ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アク レート、イソミリスチル(メタ)アクリレー 、イソステアリルアクリレート(大阪有機化 工業社製、商品名)、シクロヘキシル(メタ) クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシク ロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチ (メタ)アクリレート、3,5-ジメチルアダマン ル(メタ)アクリレート、3-テトラシクロドデ シルメタアクリレート、トリデシル(メタ)ア リレート、ステアリル(メタ)アクリレート 4-メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ ート、4-エチルシクロヘキシルメチル(メタ) アクリレート、4-メトキシシクロヘキシルメ ル(メタ)アクリレート、tert-ブチルシクロヘ キシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル( メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)ア クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ) クリレート等。

 単量体(2)を構成成分とする場合、その配 割合は、単量体混合物全量に基づいて3~50質 量%、特に、10~40質量%の範囲内であるのが好 しい。

(3)アルコキシシラン基含有不飽和単量体: えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニル リエトキシシラン、アクリロキシエチルト メトキシシラン、メタクリロキシエチルト メトキシシラン、アクリロキシプロピルト メトキシシラン、メタクリロキシプロピル リメトキシシラン、アクリロキシプロピル リエトキシシラン、メタクリロキシプロピ トリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メト シエトキシ)シラン等。これらのうち好まし いアルコキシシラン基含有不飽和単量体とし て、ビニルトリメトキシシラン、γ-アクリロ キシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタク リロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙 げることができる。

 アルコキシシラン基含有不飽和単量体を構 成分とすることにより、水酸基とイソシア ート基との架橋結合に加え、アルコキシシ ン基同士の縮合反応及びアルコキシシラン と水酸基の反応による架橋結合を生成する とができる。それにより、得られる塗膜の 橋密度が向上することから、耐酸性、耐汚 性の向上の効果を得ることができる。
アルコキシシラン基含有不飽和単量体を構成 成分とする場合、その配合割合は、単量体混 合物全量に基づいて3~50質量%、特に、5~35質量 %の範囲内であるのが好ましい。

 (4)芳香族系不飽和単量体:例えば、スチレン 、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等
 芳香族系不飽和単量体を構成成分とするこ により、得られる樹脂のTgが上昇し、また 高屈折率で疎水性の塗膜を得ることができ ことから、塗膜の光沢向上による仕上り性 向上、耐水性及び耐酸性の向上という効果 得ることができる。

 芳香族系不飽和単量体を構成成分とする 合、その配合割合は、単量体混合物全量に づいて3~50質量%、特に、5~40質量%の範囲内で あるのが好ましい。

 (5)グリシジル基含有不飽和単量体:1分子 にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1 有する化合物で、具体的には、グリシジル クリレート、グリシジルメタクリレート等

 (6)窒素含有不飽和単量体:例えば、(メタ) クリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N ,N-ジメチルプロピルアクリルアミド、N-ブト シメチルアクリルアミド、N-メチロールア リルアミド、N-メチロールメタクリルアミド 、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチル ミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリ ジン、ビニルイミダゾール等。

 (7)その他のビニル化合物:例えば酢酸ビニ ル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バー サティック酸ビニルエステルであるベオバ9 ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。

 (8)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例え ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル 等。

 これらのその他のビニルモノマー(M-2)は 1種又は2種以上を用いることができる。

 上記単量体(M-1)及び(M-2)からなる単量体混 合物を共重合して水酸基含有アクリル樹脂を 得ることができる。

 耐擦り傷性、耐酸性及び耐汚染性といっ 塗膜性能と塗膜の仕上り性とのいずれにも れた塗料組成物とするための水酸基含有ア リル樹脂として、以下の組成の単量体(M-1) び(M-2)からなる単量体混合物を共重合して得 られる水酸基含有アクリル樹脂を特に好まし いものとしてあげることができる。

 (イ)水酸基含有不飽和単量体20~50質量%、( )アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1~20 1価アルコールとのモノエステル化物0~60質量 %、及び(ハ)芳香族系不飽和単量体0~40質量%か なる単量体混合物を共重合してなる水酸基 有アクリル樹脂。

 上記単量体混合物を共重合して水酸基含 アクリル樹脂を得るための共重合方法は、 に限定されるものではなく、それ自体既知 共重合方法を用いることができるが、なか も有機溶剤中にて、重合開始剤の存在下で 合を行なう溶液重合法を好適に使用するこ ができる。

 上記溶液重合法に際して使用される有機 剤としては、例えば、トルエン、キシレン スワゾール1000(コスモ石油社製、商品名、 沸点石油系溶剤)等の芳香族系溶剤;酢酸エチ ル、3-メトキシブチルアセテート、エチレン リコールエチルエーテルアセテート、プロ レングリコールメチルエーテルアセテート のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メ チルイソブチルケトン、メチルアミルケトン 等のケトン系溶剤、プロピルプロピオネート 、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプ ロピオネート等を挙げることができる。

 これらの有機溶剤は、1種で又は2種以上 組合せて使用することができるが、本塗料 使用される水酸基含有アクリル樹脂は高い 酸基価を有するため、樹脂の溶解性の点か 高沸点のエステル系溶剤、ケトン系溶剤を 用することが好ましい。また、さらに高沸 の芳香族系溶剤を好適に組合せて使用する ともできる。

 水酸基含有アクリル樹脂の共重合に際し 使用できる重合開始剤としては、例えば、2 ,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイ ルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ ド、ジ-t-アミルパーオキサイド、t-ブチルパ オクトエート、2,2’-アゾビス(2-メチルブチ ロニトリル)等のそれ自体既知のラジカル重 開始剤を挙げることができる。

 水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は80~2 00mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましくは90~ 190mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mgKOH/g 満であると、架橋密度が低いために耐擦り 性が不十分な場合がある。また、200mgKOH/gを えると塗膜の耐水性が低下する場合がある

 水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子 は2500~40000の範囲内であり、さらに好ましく は5000~30000の範囲内である。重量平均分子量 上記範囲にある水酸基含有アクリル樹脂を いることによって、耐酸性等の塗膜性能が く、かつ塗膜の平滑性が高く仕上り性が良 なため、好ましい。

 なお、本明細書において、重量平均分子 は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ( 東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平 分子量をポリスチレンの重量平均分子量を 準にして換算した値である。カラムは、「T SKgel G-4000H×L」、「TSKgel G-3000H×L」、「TSKgel G-2500H×L」、「TSKgel G-2000H×L」(いずれも東ソ ー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テ ラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/ 、検出器;RIの条件で行ったものである。数 均分子量も上記と同様の条件で測定を行な た値である。

 水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温 は-40℃~85℃、特に-30℃~80℃の範囲内である が好ましい。ガラス転移温度が-40℃未満で ると塗膜硬度が不十分な場合があり、また 85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低下す 場合がある。

 水酸基含有樹脂(A)として用い得る水酸基 有ポリエステル樹脂は、常法により、例え 、多塩基酸と多価アルコールとのエステル 反応によって製造することができる。該多 基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル を有する化合物であり、例えば、フタル酸 イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、 ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テ ラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸 マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリ リット酸、ピロメリット酸及びこれらの無 物等が挙げられ、また、該多価アルコ-ルは 1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物 あり、例えば、エチレングリコール、プロ レングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4- ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6- キサンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパン オール、ネオペンチルグリコール、1,9-ノナ ンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、 ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー エステル、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジ ール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4- トリメチルペンタンジオール、水素化ビスフ ェノールA等のジオール類、及びトリメチロ ルプロパン、トリメチロールエタン、グリ リン、ペンタエリスリトール等の三価以上 ポリオール成分、並びに、2,2-ジメチロール ロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2 -ジメチロールペンタン酸、2,2-ジメチロール キサン酸、2,2-ジメチロールオクタン酸等の ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。

 また、プロピレンオキサイド及びブチレ オキサイド等のα-オレフィンエポキシド、 ージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、 商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジル エステ)等のモノエポキシ化合物等を酸と反 させて、これらの化合物をポリエステル樹 に導入しても良い。

 ポリエステル樹脂へカルボキシル基を導 する場合、例えば、水酸基含有ポリエステ に無水酸を付加し、ハーフエステル化する とで導入することもできる。

水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は 80~200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましく 100~170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価を上記 範囲とすることにより、充分に高い耐擦り傷 性が得られ、かつ塗膜の耐水性が高いため好 ましい。

 水酸基含有ポリエステル樹脂の重量平均 子量は2500~40000の範囲内であり、さらに好ま しくは5000~30000の範囲内である。

 重量平均分子量が上記範囲内にある水酸 含有ポリエステル樹脂を用いることによっ 、耐酸性等の塗膜性能及び塗膜の塗面平滑 が共に高い塗料を得られるため好ましい。

 水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転 温度は-40℃~85℃、特に-30℃~80℃の範囲内で るのが好ましい。ガラス転移温度が上記範 内にある水酸基含有ポリエステル樹脂を用 ることによって、充分に高い塗膜硬度及び 膜の塗面平滑性が得られるため好ましい。

また、水酸基含有樹脂(A)には、いわゆるウ レタン変性アクリル樹脂及びウレタン変性ポ リエステル樹脂も包含される。

 水酸基含有ポリウレタン樹脂としては、 リオールとポリイソシアネートとを反応さ ることにより得られる水酸基含有ポリウレ ン樹脂をあげることができる。

 ポリオールとしては、例えば、低分子量 ものとして、エチレングリコール、ジエチ ングリコール、プロピレングリコール、ブ レングリコール、ヘキサメチレングリコー 等の2価のアルコール、トリメチロールプロ パン、グリセリン、ペンタエリスリトール、 ソルビトール等の3価以上のアルコール等を げることができる。高分子量のものとして ポリエーテルポリオール、ポリエステルポ オール、アクリルポリオール、エポキシポ オール等をあげることができる。ポリエー ルポリオールとしてはポリエチレングリコ ル、ポリプロピレングリコール、ポリテト メチレングリコール等があげられる。ポリ ステルポリオールとしては前記の2価のアル ール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタン ジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペン ルグリコール等のアルコールとアジピン酸 アゼライン酸、セバチン酸等の2塩基酸との 縮合物、ポリカプロラクトン等のラクトン 開環重合体ポリオール、ポリカーボネート オール等をあげることができる。また、例 ば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジ チロールブタン酸等のカルボキシル基含有 リオールも使用することができる。

 上記のポリオールと反応させるポリイソ アネートとしては、例えば、ヘキサメチレ ジイソシアネ-ト、トリメチルヘキサメチレ ンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシア ネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族 ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイ シアネートのビューレットタイプ付加物、 ソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソ アネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキ ルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン- 2,4-(又は-2,6-)ジイソシアネート、1,3-(又は1,4-) ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4- シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シク ペンタンジイソシアネート、1,2-シクロヘキ ンジイソシアネート等の脂環族ジイソシア ート類;及びこれらのポリイソシアネートの ビューレットタイプ付加物、イソシアヌレー ト環付加物;キシリレンジイソシアネート、 タキシリレンジイソシアネート、テトラメ ルキシリレンジイソシアネート、トリレン イソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジ ソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネ ート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、4,4- ルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニ ルエーテルジイソシアネート、(m-又はp-)フェ ニレンジイソシアネート、4,4’-ビフェニレ ジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビ ェニレンジイソシアネート、ビス(4-イソシ ナトフェニル)スルホン、イソプロピリデン ス(4-フェニルイソシアネート)等の芳香族ジ イソシアネート化合物;及びこれらのポリイ シアネートのビューレットタイプ付加物、 ソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタ -4,4’,4”-トリイソシアネート、1,3,5-トリイ ソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナト トルエン、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2 ,2’,5,5’-テトライソシアネート等の1分子中 3個以上のイソシアネート基を有するポリイ ソシアネート類;及びこれらのポリイソシア ートのビューレットタイプ付加物、イソシ ヌレート環付加物;等を挙げることができる

 水酸基含有ポリウレタン樹脂の水酸基価 80~200mgKOH/gの範囲内であり、さらに好ましく は100~170mgKOH/gの範囲内である。水酸基価が80mg KOH/g未満であると、耐擦り傷性が不十分な場 が、また、200mgKOH/gを越えると塗膜の耐水性 が低下する場合がある。

 水酸基含有ポリウレタン樹脂の重量平均 子量は2500~40000の範囲内であり、さらに好ま しくは5000~30000の範囲内である。重量平均分 量が2500未満であると耐酸性等の塗膜性能が 下する場合があり、また、40000を越えると 膜の塗面平滑性が低下する場合がある。

 水酸基含有ポリウレタン樹脂のガラス転 温度は-40℃~85℃、特に-30℃~80℃の範囲内で るのが好ましい。ガラス転移温度が-40℃未 であると塗膜硬度が不十分な場合があり、 た、85℃を越えると塗膜の塗面平滑性が低 する場合がある。水酸基含有樹脂(A)は単独 又は2種以上を併用して使用することができ 水酸基含有樹脂(A)としては、水酸基含有ア リル樹脂又は水酸基含有ポリエステル樹脂 好適に使用することができる。

  ポリイソシアネート化合物(B)
 本発明の塗料組成物のポリイソシアネート 合物(B)は、1分子中に遊離のイソシアネート 基を2個以上有する化合物であり、従来から リウレタンの製造に使用されているものを 用することができる。例えば、脂肪族ポリ ソシアネート、脂環族ポリイソシアネート 芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポ イソシアネート及びこれらポリイソシアネ トの誘導体等をあげることができる。

 脂肪族ポリイソシアネートとしては、例 ば、炭素数3~8の直鎖又は分子鎖状の飽和又 不飽和、脂肪族炭化水素又は脂肪酸を骨格 して有し、2~3個のイソシアネート基を有す 化合物等を挙げることができる。より具体 には、例えば、トリメチレンジイソシアネ ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘ サメチレンジイソシアネート、ペンタメチ ンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソ シアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート 2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレン ジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチル ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイ シアナトメチルカプロエート等の脂肪族ジ ソシアネート、リジンエステルトリイソシ ネート、1,4,8-トリイソシアナトオクタン、1, 6,11-トリイソシアナトウンデカン、1,8-ジイソ シアナト-4-イソシアナトメチルオクタン、1,3 ,6-トリイソシアナトヘキサン、2,5,7-トリメチ ル-1,8-ジイソシアナト-5-イソシアナトメチル クタン等の脂肪族トリイソシアネート等を げることができる。

 脂環族ポリイソシアネートとしては、例 ば、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、 1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シ ロヘキサンジイソシアネート、3-イソシア トメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイ シアネート(慣用名:イソホロンジイソシア ート)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシル ソシアネート)、メチル-2,4-シクロヘキサン イソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサン ジイソシアネート、1,3-又は1,4-ビス(イソシア ナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシ リレンジイソシアネート)もしくはその混合 、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環 ジイソシアネート、例えば、1,3,5-トリイソ アナトシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルイ シアナトシクロヘキサン、2-(3-イソシアナト プロピル)-2,5-ジ(イソシアナトメチル)-ビシク ロ(2.2.1)ヘプタン、2-(3-イソシアナトプロピル )-2,6-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2.2.1) プタン、3-(3-イソシアナトプロピル)-2,5-ジ( ソシアナトメチル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン 5-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメ ル-3-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2.2.1 )ヘプタン、6-(2-イソシアナトエチル)-2-イソ アナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-ビ シクロ(2.2.1)ヘプタン、5-(2-イソシアナトエチ ル)-2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナト ロピル)-ビシクロ(2.2.1)-ヘプタン、6-(2-イソ アナトエチル)-2-イソシアナトメチル-2-(3-イ シアナトプロピル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン の脂環族トリイソシアネート等をあげるこ ができる。

 芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては 例えば、1,3-もしくは1,4-キシリレンジイソ アネート又はその混合物、ω,ω’-ジイソシ ナト-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス( 1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン(慣 名:テトラメチルキシリレンジイソシアネー )もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソ シアネート、例えば、1,3,5-トリイソシアナト メチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシア ネート等をあげることができる。

 芳香族ポリイソシアネートとしては、例 ば、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェ ニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル イソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシア ート、2,4’-又は4,4’-ジフェニルメタンジ ソシアネートもしくはその混合物、2,4-又は2 ,6-トリレンジイソシアネートもしくはその混 合物、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4, 4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート等 芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフ ニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、 1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイ ソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシア ネート、例えば、4,4’-ジフェニルメタン-2,2 ,5,5’-テトライソシアネート等の芳香族テ ライソシアネート等をあげることができる

 また、ポリイソシアネートの誘導体とし は、例えば、上記したポリイソシアネート 合物のダイマー、トリマー、ビュウレット アロファネート、カルボジイミド、ウレト オン、ウレトイミン、イソシアヌレート、 キサジアジントリオン、ポリメチレンポリ ェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポ リメリックMDI)及びクルードTDI等をあげるこ ができる。

 これらポリイソシアネート化合物は、単 で用いてもよく、また、2種以上併用しても よい。また、これらポリイソシアネート化合 物のうち、耐擦り傷性、耐候性等の観点から 、脂肪族ジイソシアネート及びこれらの誘導 体を好適に使用することができる。

また、ポリイソシアネート化合物として、 上記した1分子中に2個以上の遊離のイソシア ート基を有するポリイソシアネート化合物 イソシアネート基をブロック剤でブロック た化合物であるブロック化ポリイソシアネ ト化合物を使用することもできる。

 ブロック剤は、遊離のイソシアネート基 封鎖するものであり、例えば、100℃以上、 ましくは130℃以上に加熱することにより、 ソシアネート基が再生し、水酸基と容易に 応することができる。かかるブロック剤と ては、例えば、フェノール、クレゾール、 シレノール、ニトロフェノール、エチルフ ノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフ ノール、イソプロピルフェノール、ノニル ェノール、オクチルフェノール、ヒドロキ 安息香酸メチル等のフェノール系;ε-カプロ ラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラク タム、β-プロピオラクタム等のラクタム系; タノール、エタノール、プロピルアルコー 、ブチルアルコール、アミルアルコール、 ウリルアルコール等の脂肪族アルコール系; チレングリコールモノメチルエーテル、エ レングリコールモノエチルエーテル、エチ ングリコールモノブチルエーテル、ジエチ ングリコールモノメチルエーテル、ジエチ ングリコールモノエチルエーテル、プロピ ングリコールモノメチルエーテル、メトキ メタノール等のエーテル系;ベンジルアルコ ール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グ コール酸エチル、グリコール酸ブチル等の リコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳 酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル;メ ロール尿素、メチロールメラミン、ジアセ ンアルコール、2-ヒドロキシエチルアクリレ ート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等 アルコール系;ホルムアミドオキシム、アセ トアミドオキシム、アセトオキシム、メチル エチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシ ム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサ ンオキシム等のオキシム系;マロン酸ジメチ 、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、 セト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活 メチレン系;ブチルメルカプタン、t-ブチル ルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t-ドデ シルメルカプタン、2-メルカプトベンゾチア ール、チオフェノール、メチルチオフェノ ル、エチルチオフェノール等のメルカプタ 系;アセトアニリド、アセトアニシジド、ア セトトルイド、アクリルアミド、メタクリル アミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、 ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミ 、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等の ミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチ アミン、キシリジン、N-フェニルキシリジ 、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミ 、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチル ェニルアミン等アミン系;イミダゾール、2- チルイミダゾール等のイミダゾール系;3,5-ジ メチルピラゾール等のピラゾール系;尿素、 オ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素 ジフェニル尿素等の尿素系;N-フェニルカル ミン酸フェニル等のカルバミン酸エステル ;エチレンイミン、プロピレンイミン等のイ ン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリ等の亜 硫酸塩系等のブロック剤を挙げることができ る。

 ブロック化を行なう(ブロック剤を反応さ せる)にあたっては、必要に応じて溶剤を添 して行なうことができる。ブロック化反応 用いる溶剤としてはイソシアネート基に対 て反応性でないものが良く、例えば、アセ ン、メチルエチルケトンのようなケトン類 酢酸エチルのようなエステル類、N-メチルピ ロリドン(NMP)のような溶剤をあげることがで る。

 ポリイソシアネート化合物(B)は、単独で は2種以上を組合せて使用することができる 。

  反応生成物(C)
 本塗料の反応生成物(C)は、ポリカーボネー ジオールとアルコキシシラン化合物との反 により得られるアルコキシシリル基を有す 水酸基価0~50mgKOH/g、数平均分子量500~5000の反 応生成物である。

 反応生成物(C)の水酸基価は、水酸基含有 脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との 溶性、得られる塗料組成物の硬化性及び得 れる塗膜の耐酸性、耐擦り傷性の点から、0 ~50mgKOH/g、好ましくは0~30mgKOH/gである。

反応生成物(C)は、ポリカーボネートジオー ルと、アルコキシシラン化合物とを反応させ ることにより合成することができる。

 ポリカーボネートジオールは、通常、ジ ールとカルボニル化剤とを重縮合反応させ ことにより得られる化合物である。

 反応生成物(C)の合成に用いられるポリカ ボネートジオールのジオール成分としては 炭素数が2~10、特に4~8の2価のアルコールが ましい。具体的には、例えば、1,2-プロパン オール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタン オール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジ オール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタン オール、1,8-オクタンジオール、2-エチル-1,6 -ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジ ール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオ ペンチルグリコール等の脂肪族系;1,3-シクロ キサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオー ル、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂 式系;p-キシレンジオール、p-テトラクロロキ シレンジオール等の芳香族系;ジエチレング コール、ジプロピレングリコール等のジオ ルをあげることができる。これらのジオー は、単独で又は2種以上を組合せて使用する とができる。

 反応生成物(C)の合成に用いられるポリカ ボネートジオールとしては、耐久性及び硬 の観点から、1,6-ヘキサンジオールを含有す るジオール成分とカルボニル化剤とを重縮合 させてなるものが好ましい。

 また、特に好ましいものとして、1,6-ヘキ サンジオールを必須ジオール成分としてジオ ール成分を2種以上組合せて使用するもので って、1,6-ヘキサンジオールと1,5-ペンタンジ オールの組合せ、1,6-ヘキサンジオールと1,4- タンジオールの組合せ、又は1,6-ヘキサンジ オールと1,4-シクロヘキサンジメタノールの 合せ等のジオール成分とカルボニル化剤と 重縮合させて得られるポリカーボネートジ ールをあげることができる。

 カルボニル化剤としては、例えば、通常 いられるアルキレンカーボネート、ジアル ルカーボネート、ジアリルカーボネート及 ホスゲン等の1種又は2種以上を組合せて使 することができる。これらのうち好ましい のとして、エチレンカーボネート、プロピ ンカーボネート、ジメチルカーボネート、 エチルカーボネート、ジブチルカーボネー 、ジフェニルカーボネート等をあげること できる。

 反応生成物(C)の合成に用いられるポリカ ボネートジオールとしては、50℃における 度が10000mPa・s以下であるものを使用するの 好ましい。50℃における粘度が10000mPa・sを超 えると取り扱いが困難となる場合があり、ま た、得られる反応生成物(C)が、水酸基含有樹 脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)との相 溶性が不良となるため、塗膜の光沢低下又は 白濁等が生じることにより塗膜の仕上り性が 不良となる場合がある。

 反応生成物(C)の合成に用いられるポリカ ボネートジオールの粘度は50℃において、10 000mPa・s以下であるのが好ましく、より好ま くは8000mPa・s以下、さらに好ましくは5000mPa s以下である。なお、粘度は50℃でB型粘度計 用いて6rpmの条件で測定した値である。

 反応生成物(C)の合成に用いられるポリカ ボネートジオールの数平均分子量は、塗膜 耐酸性及び耐擦り傷性の点から、好ましく 300~2000、より好ましくは500~1800、さらに好ま しくは700~1500である。

 なお、本明細書において、数平均分子量 、ゲルパーミエーションクロマトグラフで 定したクロマトグラムから標準ポリスチレ の分子量を基準にして算出した値である。 ルパーミエーションクロマトグラフは、「H LC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムと ては、「TSKgel G-4000HXL」、「TSKgel G-3000HXL」 、「TSKgel G-2500HXL」、「TSKgel G-2000HXL」(いず も東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移 動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、 速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。

 反応生成物(C)の合成に用いられるポリカ ボネートジオールとしては、市販品を使用 ることができる。市販品としては、例えば 旭化成ケミカルズ社製のT-5650J(ジオール成 :1,6-ヘキサンジオール及び1,5-ペンタンジオ ル)、T-4671(ジオール成分:1,6-ヘキサンジオー 及び1,4-ブタンジオール);宇部興産社製のUM-9 0(ジオール成分:1,6-ヘキサンジオール及び1,4- クロヘキサンジメタノール)等をあげること ができる。

 反応生成物(C)の合成に用いられるアルコキ シラン化合物としては、例えば、ジアルコ シシラン、トリアルコキシシラン、テトラ ルコキシシラン、イソシアネート基含有ト アルコキシシラン、アルコキシシランオリ マー等をあげることができる。
ジアルコキシシランとしては、ジメチルジエ トキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン 、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジエ トキシシラン;トリアルコキシシランとして 、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルト メトキシシラン、デシルトリメトキシシラ 、フェニルトリメトキシシラン、メチルト エトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシ ン、デシルトリエトキシシラン、フェニル リエトキシシラン等をあげることができる
イソシアネート基含有トリアルコキシシラン としては、γ-イソシアネートプロピルトリエ トキシシラン、γ-イソシアネートプロピルト リメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピ ルトリブトキシシラン;テトラアルコキシシ ンとしては、テトラメトキシシラン、テト エトキシシラン、テトラプロポキシシラン テトラブトキシシラン等をあげることがで る。

 これらのうち、仕上り性、及び塗膜の耐 り傷性等の点から、γ-イソシアネートプロ ルトリエトキシシランを好適に用いること できる。

これらのアルコキシラン化合物は、必要に 応じて単独でもしくは2種以上を適宜選択し 使用することができる。

 反応生成物(C)は、通常、ポリカーボネー ジオールの末端がアルコキシシラン化合物 より変性された構造の化合物が得られるよ な条件で合成される。

反応温度は主として用いるアルコキシシラ ン化合物により最適温度は異なるが、例えば 、アルコキシシラン化合物として、メチルト リメトキシランを使用する場合は100~150℃程 である。

 上記ポリカーボネートジオールとアルコ シラン化合物は、当量比(アルコキシシラン 化合物のアルコキシ基/ポリカーボネートジ ールの水酸基)が5.0以下の条件で縮合反応さ ることにより合成することができる。該当 比は、塗料組成物としたときの硬化性及び られる塗膜の耐酸性・耐汚染性等の点から 好ましくは2.0~4.0、より好ましくは2.3~3.5、 らに好ましくは2.5~3.0である。

 該当量比が低いほどポリカーボネートジ ールの片末端のみがアルコキシシラン化合 に変性された構造の化合物の生成割合が多 反応生成物(C)が得られ、該当量比が高いほ ポリカーボネートジオールの両末端がアル キシシラン化合物に変性された構造の化合 の生成割合が多い反応生成物(C)が得られる

 また、該当量比が低いほど反応生成物(C) に未反応のポリカーボネートジオールが残 することになるが本発明においては、通常 未反応のポリカーボネートジオールを分離 ることなく、残存ポリカーボネートジオー を含んだ反応生成物(C)を使用することがで る。

 上記のアルコキシシラン化合物のうち、 に、イソシアネート基含有トリアルコキシ ランを用いる場合、ポリカーボネートジオ ルの水酸基に、イソシアネート基含有トリ ルコキシシランのイソシアネート基を優先 に反応させることにより、反応生成物(C)を 成することができる。

 反応温度は例えば、イソシアネート基含 トリアルコキシシランとして、γ-イソシア ートプロピルトリエトキシシランを使用す 場合は60~100℃程度である。

上記ポリカーボネートジオールとイソシア ネート基含有トリアルコキシランは、当量比 (イソシアネート基含有トリアルコキシラン イソシアネート基/ポリカーボネートジオー の水酸基)が1.05以下の条件でウレタン化反 させることにより合成することができる。 当量比は、塗料組成物としたときの硬化性 び得られる塗膜の耐酸性、耐汚染性等の点 ら、好ましくは0.85~1.03、より好ましくは0・9 ~1.02、さらに好ましくは0.95~1.00である。

 該当量比が低いほどポリカーボネートジ ールの片末端のみがアルコキシシラン化合 に変性された構造の化合物の生成割合が多 反応生成物(C)が得られ、該当量比が高いほ ポリカーボネートジオールの両末端がアル キシシラン化合物に変性された構造の化合 の生成割合が多い反応生成物(C)が得られる

また、該当量比が低いほど反応生成物(C)中 に未反応のポリカーボネートジオールが残存 することになるが本発明においては、通常、 未反応のポリカーボネートジオールを分離す ることなく、残存ポリカーボネートジオール を含んだ反応生成物(C)を使用することができ る。

 反応生成物(C)の水酸基価は、塗料組成物 したときの硬化性及び得られる塗膜の耐汚 性等の点から、0~50mgKOH/g、好ましくは0~40mgKO H/g、より好ましくは0~30mgKOH/gである。

 反応生成物(C)の数平均分子量は、水酸基 有樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B) の相溶性、得られる塗膜の耐擦り傷性、硬 、耐候性等の点から、500~5000、好ましくは60 0~3000、より好ましくは700~1500である。

なお、本発明において、上記水酸基価及び 数平均分子量は、未反応の残存ポリカーボネ ートジオールも含んだ反応生成物(C)としての 値である。

本発明の塗料組成物において、塗膜の硬化 性や耐擦り傷性等の観点から、水酸基含有樹 脂(A)及び反応生成物(C)の水酸基とポリイソシ アネート化合物(B)のイソシアネート基の当量 比(NCO/OH)は好ましくは0.5~2.0、さらに好ましく は0.8~1.5の範囲内である。

 本発明の塗料組成物中の水酸基含有樹脂( A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び反応生 物(C)の量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の 形分合計100質量部を基準として、不揮発分 して、水酸基含有樹脂(A)が30~75質量%、好ま くは40~65質量%、ポリイソシアネート化合物( B)が20~65質量%、好ましくは30~55質量%、反応生 物(C)が3~30質量%、好ましくは5~25質量%、さら に好ましくは10~20質量%の範囲内であるのが適 している。

  その他の成分
 本塗料は、前記水酸基含有樹脂(A)、ポリイ シアネート化合物(B)及び反応生成物(C)を必 成分とする塗料組成物であって、通常、有 溶剤を含有し、さらに必要に応じて、その の硬化触媒、顔料、顔料分散剤、レベリン 剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、表 調整剤等、通常、塗料の分野で用いられる 料用添加剤を含有することができる。

 上記硬化触媒としては、例えば、オクチ 酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキサノエー )、ジオクチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート )、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫 ラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオ チル錫オキサイド、2-エチルヘキサン酸鉛等 の有機金属触媒、第三級アミン等を挙げるこ とができる。

 硬化触媒として上記したこれらの化合物 単独で又は2種以上の混合物として用いても よい。硬化触媒の量はその種類により異なる が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分合計 100質量部に対し、通常、5質量部以下、好ま くは0.1~4質量部程度である。

 顔料としては、例えば、酸化チタン、亜 華、カーボンブラック、カドミウムレッド モリブデンレッド、クロムエロー、酸化ク ム、プルシアンブルー、コバルトブルー、 ゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリド 顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料 ペリレン顔料等の着色顔料(D);タルク、クレ ー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸 バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミ ナホワイト等の体質顔料;アルミニウム粉末 雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末 のメタリック顔料等をあげることができる

 上記したこれらの顔料は単独で又は2種以 上使用することができる。顔料の含有量はそ の種類により異なるが、(A)成分、(B)成分及び (C)成分の固形分合計100質量部に対し、通常、 200質量部以下、好ましくは1~100質量部程度で る。

また、着色顔料の含有量はその種類により 異なるが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形 分合計100質量部に対し、通常、150質量部以下 、好ましくは1~100質量部程度である。

 紫外線吸収剤としては、従来から公知の のが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾー 系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル 誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤 の紫外線吸収剤をあげることができる。

 紫外線吸収剤の塗料組成物中の含有量と ては、通常、樹脂固形分総合計量100質量部 対して10質量部以下、特に0.2~5質量部、さら に特に0.3~2質量部の範囲内であるのが耐侯性 耐黄変性の面から好ましい。

 光安定剤としては、従来から公知のもの 使用でき、例えば、ヒンダードアミン系光 定剤をあげることができる。

 光安定剤の塗料組成物中の含有量として 、通常、樹脂固形分総合計量100質量部に対 て0~10質量部、特に0.2~5質量部、さらに特に0 .3~2質量部の範囲内であるのが耐侯性、耐黄 性の面から好ましい。

 本発明の塗料組成物は(B)成分であるポリ ソシアネート化合物のイソシアネート基が ロック化されていないものである場合には 貯蔵安定性から、水酸基含有樹脂(A)及び反 生成物(C)と、ポリイソシアネート化合物(B) が分離した2液型塗料であり、使用直前に両 者を混合して使用することが好適である。

  塗料組成物の塗装方法
 本塗料を適用する被塗物としては、特に限 されるものではないが、例えば、自動車、 輪車、コンテナ等の各種車両の車体である が好ましい。また、これら車体を形成する 延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ 板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼 、アルミニウム板、アルミニウム合金板等 金属基材;各種プラスチック素材等であって もよい。

 また、被塗物としては、上記車体や金属 材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメー 処理、複合酸化物処理等の表面処理が施さ たものであってもよい。更に、被塗物とし は、上記車体、金属基材等に、各種電着塗 等の下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成 されたものであってもよい。

 本塗料の塗装方法としては、特に限定さ ないが、例えば、エアスプレー塗装、エア ススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテン ート塗装等の塗装方法でウエット塗膜を形 することができる。これらの塗装方法は、 要に応じて、静電印加してもよい。このう エアスプレー塗装が特に好ましい。本塗料 塗布量は、通常、硬化膜厚として、10~50μm 度となる量とするのが好ましい。

 また、エアスプレー塗装、エアレススプ ー塗装及び回転霧化塗装する場合には、本 料の粘度を、該塗装に適した粘度範囲、通 、フォードカップNo.4粘度計において、20℃ 15~60秒程度の粘度範囲となるように、有機 剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておく とが好ましい。

 被塗物に本塗料を塗装してなるウエット 膜の硬化は、加熱することにより行われ、 熱は公知の加熱手段により行うことができ 例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱 等の乾燥炉を適用できる。加熱温度は、60~1 80℃、好ましくは90~150℃の範囲内にあること 適している。加熱時間は、特に制限される のではないが15~30分間の範囲内であるのが 適である。

 本塗料は、耐擦り傷性、耐酸性、耐汚染 及び仕上り性のいずれにも優れる硬化塗膜 得ることができることから、上塗りトップ リヤコート塗料として好適に用いることが きる。本塗料は、自動車用塗料として特に 適に用いることができる。

  複層塗膜形成方法
 上塗りトップクリヤコート塗料として、本 料が塗装される複層塗膜形成方法として、 塗物に順次、少なくとも1層の着色ベースコ ート塗料及び少なくとも1層のクリヤコート 料を塗装することにより複層塗膜を形成す 方法であって、最上層のクリヤコート塗料 して本発明の塗料組成物を塗装することを 徴とする複層塗膜形成方法をあげることが きる。

 具体的には、例えば、電着塗装及び/又は 中塗り塗装が施された被塗物上に、溶剤型又 は水性のベースコート塗料を塗装し、該塗膜 を硬化させることなく、必要に応じてベース コート塗料中の溶媒の揮散を促進させるため に例えば、40~90℃で3~30分間程度のプレヒート を行なった後、その未硬化のベースコート塗 膜上にクリヤコート塗料として本塗料の塗装 を行った後、ベースコートとクリヤコートを 一緒に硬化させる2コート1ベーク方式の複層 膜形成方法をあげることができる。

 また、3コート2ベーク方式又は3コート1ベ ーク方式の上塗り塗装におけるトップクリヤ コート塗料としても好適に使用することがで きる。

 上記で用いられるベースコート塗料とし は、従来から公知の通常の熱硬化型ベース ート塗料を使用することができ、具体的に 、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹 、アルキド樹脂、ウレタン樹脂系等の基体 脂にアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合 、ブロックポリイソシアネート化合物等の 化剤を基体樹脂が含有する反応性官能基と 宜組合せてなる塗料を使用することができ 。

 また、ベースコート塗料としては、環境 題、省資源等の観点から、有機溶剤の使用 の少ないハイソリッド型のものが望ましく 更に水性塗料又は粉体塗料を用いることも きる。

 複層塗膜形成方法において、クリヤコー を2層以上塗装する場合、本塗料以外に、ク リヤコート塗料として、従来から公知の通常 の熱硬化型クリヤコート塗料を使用すること ができる。

 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発 をより具体的に説明する。ただし、本発明 以下の実施例に限定されるものではない。 お、以下、「部」及び「%」はいずれも質量 基準によるものとし、また、塗膜の膜厚はい ずれも硬化塗膜に基づくものである。

  水酸基含有樹脂(A)の製造例
 製造例1~9
 撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素ガス導 口を備えた四ツ口フラスコにエトキシエチ プロピオネート31部を仕込み、窒素ガス通 下で155℃に昇温した。155℃に達した後、窒 ガスの通気を止め、下記表1に示すモノマー 重合開始剤からなる組成配合の滴下モノマ 混合物を4時間かけて滴下した。155℃で窒素 ガスを通気しながら2時間熟成させた後、100 まで冷却し、酢酸ブチル32.5部で希釈するこ により、固形分60%の塗料用樹脂を得た。得 れた塗料用樹脂の質量固形分濃度(%)及び樹 性状値を下記表1に示す。

 なお、表1における水酸基価の測定は、JISK-0 070(1992)に準拠して行った。具体的には、試料 にアセチル化試薬(無水酢酸25gにピリジンを えて全体が100mlになるように調整した無水酢 酸ピリジン溶液)を5ml加えてグリセリン浴中 加熱させた後、水酸化カリウム溶液でフェ ールフタレインを指示薬として滴定し、下 式により算出した。
水酸基価(mgKOH/g)=〔V×56.1×C/m〕+D
V:滴定量(ml)、C:滴定液の濃度(mol/l)、m:試料の 形分重量(g)、D:試料の酸価(mgKOH/g)

 ここで、酸価の測定は、JISK-5601-2-1(1999)に準 拠して行った。具体的には、試料をトルエン /エタノール=2/1体積比の混合溶剤で溶解し、 ェノールフタレインを指示薬として水酸化 リウム溶液で滴定し、下記式により算出し 。
酸価(mgKOH/g)=56.1×V×C/m
V:滴定量(ml)、C:滴定液の濃度(mol/l)、m:試料の 形分重量(g)

 表1におけるガラス転移温度(℃)は、下記式 よって算出した。
1/Tg(K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・・・
Tg(℃)=Tg(K)-273
各式中、W1、W2、・・は共重合に使用された ノマーのそれぞれの質量分率、T1、T2、・・ それぞれの単量体のホモポリマ-のTg(K)を表 す。なお、T1、T2、・・は、Polymer Handbook(Sec ond Edition,J.Brandup・E.H.Immergut編)による値であ 。

  アルコキシシリル基を有する反応 生成物(C)の製造例
 製造例10~23
 撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素ガス導 口を備えた四ツ口フラスコに、下記表2に示 すポリカーボネートジオール及びスワゾール 1000(コスモ石油社製、商品名、炭化水素系溶 )を仕込み、窒素雰囲気下で下記表2に示す 度(反応温度)に昇温した。所定の温度に達し た後、下記表2に示すアルコキシシラン化合 を加え、5時間反応させることにより、各反 生成物(C)の溶液No.1~14を得た。得られた各反 応生成物溶液の質量固形分濃度(%)及び特数値 も併せて下記表2に示す。なお、水酸基価に き、1>とあるのは、水酸基価が1未満であ ことを示す。

 表2における(*1)~(*6)は、それぞれ下記の意味 を有し、また、ポリカーボネートジオールの 粘度は50℃でB型粘度計(ローター番号:No.4)を いて6rpmの条件で測定した値である。
(*1)T-5650J:旭化成ケミカルズ社製、1,6-ヘキサ ジオール及び1,5-ペンタンジオールをジオー 成分とするポリカーボネートジオール、数 均分子量800、粘度860mPa・s、水酸基価140mgKOH/ g、固形分100%。
(*2)T-4671:旭化成ケミカルズ社製、1,6-ヘキサン ジオール及び1,4-ブタンジオールをジオール 分とするポリカーボネートジオール、数平 分子量1000、粘度2400mPa・s、水酸基価112mgKOH/g 固形分100%。
(*3)UM-90:宇部興産社製、1,6-ヘキサンジオール び1,4-シクロヘキサンジメタノールをジオー ル成分とするポリカーボネートジオール、数 平均分子量900、粘度7000mPa・s、水酸基価124mgKO H/g、固形分100%。
(*4)PC-M:ジオール成分として1,6-ヘキサンジオ ル及び3-メチルペンタンジオール、カルボニ ル化剤としてジフェニルカーボネートを用い て合成したポリカーボネートジオール、数平 均分子量2000、粘度7000mPa・s、水酸基価56mgKOH/g 、固形分100%。
(*5)PC-N:ジオール成分として1,6-ヘキサンジオ ル及び3-メチルペンタンジオール、カルボニ ル化剤としてジフェニルカーボネートを用い て合成したポリカーボネートジオール、数平 均分子量380、粘度120mPa・s、水酸基価260mgKOH/g 固形分100%。
(*6)KR510:信越化学工業社製、メチル/フェニル イプのアルコキシシランオリゴマー

表2中、各ポリカーボネートジオール及び ルコキシシラン化合物の配合量についての 値は、質量部を示す。

塗料組成物の製造
 実施例1~15及び比較例1~9
上記製造例で得られた化合物、樹脂及び後記 表3記載の原材料を用いて、後記表3に示す配 にてディスパーを用いて攪拌して混合し、 料化を行い各塗料組成物No.1~24を得た。なお 、表3に示す塗料組成物の配合は各成分の固 分質量比である。表3における(*7)~(*10)は、そ れぞれ下記の意味を有する。
(*7)N-3300:住化バイエルウレタン社製、ヘキサ チレンジイソシアネート、固形分100%、NCO含 有率21.8%。
(*8)UV1164:チバガイギー社製、紫外線吸収剤。
(*9)HALS292:チバガイギー社製、光安定剤。
(*10)BYK-300:商品名、ビックケミー社製、表面 整剤。

 上記実施例1~15及び比較例1~9で得られた各 塗料組成物No.1~24は、酢酸ブチルを添加して ォードカップ#No.4を用いて20℃で25秒の粘度 調整した。

  試験板の作成
 実施例1~15及び比較例1~9で得られた上記各塗 料組成物No.1~24の粘度調整したものを使用し 、それぞれについて以下の様にして試験板 作製した。

 リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmの ル鋼板上に、エレクロンGT-10(関西ペイント 製、商品名、熱硬化性エポキシ樹脂系カチ ン電着塗料)を膜厚が20μmになるように電着 装し、170℃で30分間加熱し硬化させ、その上 にアミラックTP-65-2(関西ペイント社製、商品 、ポリエステル・メラミン樹脂系自動車中 り塗料)を膜厚35μmとなるようにエアスプレ 塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。該 膜上に水性メタリックベースコートWBC713T#202 (関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹 系自動車用上塗ベースコート塗料、黒塗色) 膜厚15μmとなるように塗装し、室温で5分間 置してから、80℃で10分間プレヒートを行な った後、未硬化の該塗膜上に上記実施例及び 比較例にて製造・粘度調整した各塗料組成物 を膜厚35μmとなるように塗装し、室温で10分 放置してから、140℃で20分間加熱してこの両 塗膜を一緒に硬化させることにより試験板を 得た。得られた各試験板を常温で7日間放置 てから下記塗膜性能試験を行なった。

  性能試験結果
 耐擦り傷性:ルーフにニチバン社製耐水テー プにて試験板を貼りつけた自動車を、20℃±5 の条件下、洗車機で15回洗車を行なった後 試験板の20度鏡面反射率(20°光沢値)を測定し 、試験前の20°光沢値に対する光沢保持率(%) より評価した。該光沢保持率が高いほど耐 り傷性が良好であることを表わし、通常、 動車車体等に塗装される塗料として用いる めには、85%以上が必要となる。洗車機は、 スイ産業社製「PO20 FWRC」を用いた。

 耐酸性:40%硫酸を各試験板の塗膜上に0.4cc 下し、60℃に加熱したホットプレート上で15 分間加熱した後、試験板を水洗した。硫酸滴 下箇所のエッチング深さ(μm)を表面粗度計(東 京精密社製、表面粗さ形状測定機 『サーフ ム570A』)を用いて、カットオフ0.8mm(走査速 0.3mm/sec、倍率5000倍)の条件で測定することに より耐酸性の評価を行なった。エッチング深 さが小さいほど耐酸性が良好であることを表 わし、通常、自動車車体等に塗装される塗料 として用いるためには、0.6μm以下であること が必要となる。

 仕上り性(光沢):試験板の20度鏡面反射率(2 0°光沢値)を測定して評価した。反射率が高 ほど仕上がり性は良好であり、通常、自動 車体等に塗装される塗料として用いるため は、83以上であることが必要となる。

 耐汚染性:各試験塗板をサンシャインウエザ オメーター(スガ試験機社製、促進耐侯性試 機)中で600時間試験後、各試験塗板に、泥土 カーボンブラック、鉱油及びクレーの混合 からなる汚染物質をネルに付着させて各試 塗板の塗面に軽くこすりつけた。これを20 で75%RHの恒温恒湿室中に24時間放置後、塗面 流水で洗浄し、塗膜の汚染度を塗板の明度 (δL)により下記の基準により評価した。δL が小さいほど耐汚染性は良好である。δLは 下の式で求めた。
δL=(耐汚染性試験前のL値)-(耐汚染性試験後の L値)
L値はCR-200(ミノルタカメラ社製の色差計)を用 いて測定した。
◎:δL<0.2、○:0.2≦δL<1、△:1≦δL<2、×: 2≦δL。

 なお、耐汚染性の試験においては、リン酸 鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上 、エレクロンGT-10(関西ペイント社製、商品 、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗 )を膜厚が20μmになるように電着塗装し、170 で30分間加熱し硬化させ、その上にアミラッ クTP-65-2(関西ペイント社製、商品名、ポリエ テル・メラミン樹脂系自動車中塗り塗料、 塗色)を膜厚35μmとなるようにエアスプレー 装し、140℃で30分間加熱硬化させた塗膜上 、上記実施例及び比較例にて製造・粘度調 した各塗料組成物を膜厚35μmとなるように塗 装し、室温で10分間放置してから、140℃で20 間加熱して硬化させることにより得られた 験板を使用し、同様にそれぞれの試験板を 温で7日間放置してから耐汚染性の試験を行 った。
上記性能試験結果を併せて表3に示す。

 上記表3に示されるように、塗料組成物No. 1~15(実施例1~15)は、高い耐擦り傷性、耐酸性 耐汚染性及び塗膜の仕上り性の全てを兼ね えている。これに対し、塗料組成物No.16~24は 、これらの特性のいずれかが著しく劣ってい る。