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Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITION CONTAINING CRYSTALLINE CELLULOSE COMPOSITE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/151018
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition containing 100 parts by mass of a pigment, 0.01-50 parts by mass of a cellulose composite and water.  The composition has a solid content of more than 25% by mass, and a viscosity of not less than 30 mPa·S.  The cellulose composite contains 0.5-50% by mass of a hydrophilic polymer having an acid value of not less than 2.0 and a weight average molecular weight of from 1 × 103 to 1 × 107 and 50-99.5% by mass of a crystalline cellulose.  The cellulose composite has an average particle diameter of not more than 10 μm.

Inventors:
HAYASHI YUJI (JP)
YAMAWAKI YUKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060428
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI CHEMICALS CORP (JP)
HAYASHI YUJI (JP)
YAMAWAKI YUKIO (JP)
International Classes:
C08L1/00; B05D7/24; C08J3/03; C08L61/28; C08L67/00; C09D5/02; C09D7/12; C09D101/02; C09D161/28; C09D167/00; C09D201/00
Foreign References:
JP2008038056A2008-02-21
JP2007197520A2007-08-09
JPH06136693A1994-05-17
JP2006111699A2006-04-27
JPH05163445A1993-06-29
JP2006045248A2006-02-16
JPS63137967A1988-06-09
JP2006111699A2006-04-27
JPH05132644A1993-05-28
JPH05163445A1993-06-29
JP2006045248A2006-02-16
JP2006296302A2006-11-02
Other References:
See also references of EP 2287245A4
Attorney, Agent or Firm:
ASAMURA Kiyoshi et al. (JP)
Hiroshi Asamura (JP)
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Claims:
 顔料100質量部、セルロース複合体0.01~50質量部、及び水を含む組成物であって、該組成物の固形分が25質量%を超えて、かつ粘度が30mPa・S以上であり、並びに該セルロース複合体は、酸価2.0以上で且つ重量平均分子量が1×10 3 ~1×10 7 の親水性高分子0.5~50質量%及び結晶性セルロース50~99.5質量%を含み、該セルロース複合体の平均粒径が10μm以下である、上記組成物。
 さらに合成樹脂及び硬化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
 前記合成樹脂がアニオン型合成樹脂である、請求項2に記載の組成物。
 前記合成樹脂がポリエステル樹脂、前記硬化剤がメラミン樹脂である、請求項2に記載の組成物。
 請求項1記載のセルロース複合体の平均粒径が、半径4cmの4枚パドル翼を取り付けたプロペラ攪拌機を用いて25℃、500rpmで20分間、水に分散させた固形分濃度1%の水分散液として測定した場合に10μm以下であり、且つ、該セルロース複合体のチクソトロピーインデックス(TI値)が固形分濃度を2%にした以外は上記と同様の条件で分散させた水分散液として測定した場合に4以上である、請求項1記載の組成物。
 セルロース複合体100質量部に対して分散助剤を50~3000質量部含む、請求項5に記載の組成物。
 さらに合成樹脂及び添加剤を含む、請求項6記載の組成物。
 前記合成樹脂が造膜性樹脂である、請求項7記載の組成物。
 ウエットオンウエットで多層塗装し、焼き付けをする塗装方法であって、請求項1~8のいずれかに記載の組成物を下層及び/又は上層に用いる、上記塗装方法。
 前記塗装方法が3コート1ベーク塗装である、請求項9に記載の塗装方法。
 セルロース複合体の平均粒径が、半径4cmの4枚パドル翼を取り付けたプロペラ攪拌機を用いて25℃、500rpmで20分間、水に分散させた固形分濃度1%の水分散液を測定した場合に10μm以下であり、且つ、該セルロース複合体のチクソトロピーインデックス(TI値)が、固形分濃度を2%にした以外は上記と同様の条件で分散させた水分散液として測定した場合に4以上である、上記セルロース複合体を含む塗料用の添加剤。
Description:
結晶性セルロース複合体を含む 成物

 本発明は安定性が高く、塗料として使用 た場合に、スプレー塗装・焼付を行っても レ・ワキも生じにくく、ウエットオンウエ ト塗装時に界面制御が良好な組成物に関す 。

 従来から塗料やインキなどの顔料の水分 液における水不溶物(主に顔料)の沈降、固 、分離は問題とされてきた。また、近年の 境問題、VOC規制の観点から、塗料も有機溶 の一部又は全部を水に変えた低公害化を計 た水性塗料化が進んでいる。しかし、水系 は使用できる安定剤の制限があるため、溶 系に比べて安定性が悪いという問題があっ 。上記の問題を解消するために増粘剤を用 て高粘度とすることは一般的であるが、塗 性と平滑性を両立するためには極めて精密 粘度制御が必要であった。一方、比較的低 度で顔料の沈降防止、固着防止、再分散性 与ができるものとして、セルロースやセル ース複合体を用いた技術が既に知られてい 。例えば、特許文献1には、セルロース複合 を用いた電着塗料用顔料分散ペーストと、 れを利用した電着塗料組成物が記載されて る。特許文献2では、微結晶セルロースを用 いて無機顔料の放置安定性を向上させること が開示されている。特許文献3には微粒化セ ロースを含み、吹き付け塗装が可能な水性 脂塗料が開示されている。特許文献4ではイ キ組成物において、結晶セルロースを顔料 沈降防止の目的で使用する技術が開示され いる。

特開2006-111699

特開平5-132644

特開平5-163445

特開2006-45248

 これまでの技術で、セルロース複合体を いて顔料の分散安定性を付与できることは 示されている。しかし、電着塗装や、刷毛 り、自然乾燥する塗料での使用であり、ス レー塗装し焼付けを行う方法での塗装につ ては報告されていない。該塗装方法ではワ やタレを防止するという課題がある。すな ち、電着塗装の場合、固形分が20質量%程度 希薄な塗料の電着浴に対象物を浸漬し、電 を加えることにより電着塗膜をあらかじめ 成させる。そして、その電着塗膜を焼付に り強化するという手法をとる。あらかじめ 着塗膜を形成させるために、スプレー塗装 て焼き付けを行う塗料では問題となるタレ ワキ、特にタレはほとんど問題とはならな った。また、室温乾燥する場合は、通常の 粘剤で十分に安定化できており、タレ、ワ は大きな問題ではなかったが、焼き付け塗 をする場合、増粘剤は高温では粘度が下が ため、タレ、ワキを防止するためには作業 が悪化しない程度に高粘度化するという制 が必要であった。顔料の分散安定性を付与 つつ、スプレー塗装、焼付を行ってもタレ ワキを起こしにくい組成物をより容易に得 ことは課題であったが、該課題を結晶性セ ロース複合体により解決できるかどうか、 決できるとしてどのような結晶性セルロー 複合体が良いのかについての知見は、これ でには全く示されていなかった。というの 、中塗り、上塗りは平滑性が非常に重要で り、結晶性セルロースのように平均粒径が1 0μm程度もあるようなものはあまり好ましく いと考えるのが一般的であった。しかも不 性粒子のためスプレーガンの詰まりも懸念 れ、さらにコストアップの可能性もあり、 述のように粘度の制御は必要なものの、増 剤を使用することにより十分に顔料の沈降 止やタレ、ワキも防ぐことはできている。 のため新たな処方検討が必要であり、上記 マイナス点も懸念される結晶性セルロース 合体をわざわざ中塗り・上塗り塗料へ使用 るということは当業者であれば、避けるの 普通であった。

 一方で、例えば自動車等、長期にわたり 定性が要求される用途では多層塗装が行わ るのが一般的である。この場合、地金を錆 難くするためにまず、電着塗装を行う。し し、電着塗装は地金の凹凸がそのまま出て まい平滑性がない。また、電着塗装のみで 塗膜が剥がれてそこから錆びる危険性が高 。そこで、平滑性及び耐チッピング性をだ ために、さらに中塗り塗装を行う。さらに 塗りの上に意匠性及び、耐候性付与の目的 上塗り(ベースコート及びトップコートの2 が通常である。)が行われる。これまでの塗 方法では中塗りを行い、一旦焼き付けして 膜を完成させ、さらに、上塗りのベースコ ト、トップコートを塗装してさらに焼き付 るという3コート2ベーク塗装方式が普通で る。しかし、近年の環境意識の高まりによ 、中塗り層の焼き付けを行わずに上塗りを い、一度に焼き付けるという方法が提案さ ている。すなわちウエットオンウエット塗 による3コート1ベーク(3WET)塗装方式がより環 境にやさしいとされている。しかしウエット オンウエット塗装した場合、中塗りと上塗り が界面で混合し、仕上がり外観が悪化したり 、耐チッピング性が悪くなるという新しい課 題が発生している。特に水性塗料は水の潜熱 が高く、塗料の乾燥に時間がかかるため、よ り困難とされてきた。

 すなわち、本発明は安定性が高く、水性 料として使用した場合に、スプレー塗装・ き付けを行ってもタレ・ワキも生じにくく しかも驚くべきことに、ウエットオンウエ ト塗装した場合の界面での混合を抑えるこ のできる組成物を提供することを目的とす 。

 本発明者らは、前記課題を解決するために 意検討した結果、特定の親水性高分子と結 性セルロースからなるセルロース複合体を いることにより、顔料の分散安定性の高い 成物が得られ、合成樹脂、硬化剤を含み組 物中の固形分が25質量%を超え、粘度が30mPa s以上の塗料とすることにより、塗料の貯蔵 定性に優れ、スプレー塗装時及び焼付時の レ、ワキも生じにくいだけでなく、驚くべ ことに、ウエットオンウエット塗装した場 の界面での混合を抑え、良好な外観と耐チ ピング性を発揮できることを見出した。そ に加えて、セルロース複合体を易分散化セ ロース複合体とすることにより、より容易 塗料やインキを製造しうることを見出し、 発明を成すに至った。すなわち本発明は下 の通りである。
(1)顔料100質量部、セルロース複合体0.01~50質 部、及び水を含む組成物であって、該組成 の固形分が25質量%を超えて、かつ粘度が30mPa ・S以上であり、並びに該セルロース複合体 、酸価2.0以上で且つ重量平均分子量が1×10 3 ~1×10 7 の親水性高分子0.5~50質量%及び結晶性セルロ ス50~99.5質量%を含み、該セルロース複合体の 平均粒径が10μm以下である、上記組成物。
(2)さらに合成樹脂及び硬化剤を含む、(1)に記 載の組成物。
(3)前記合成樹脂がアニオン型合成樹脂である 、(2)に記載の組成物。
(4)前記合成樹脂がポリエステル樹脂、前記硬 化剤がメラミン樹脂である、(2)に記載の組成 物。
(5)(1)記載のセルロース複合体の平均粒径が、 半径4cmの4枚パドル翼を取り付けたプロペラ 拌機を用いて25℃、500rpmで20分間、水に分散 せた固形分濃度1%の水分散液として測定し 場合に10μm以下であり、且つ、該セルロース 複合体のチクソトロピーインデックス(TI値) 固形分濃度を2%にした以外は上記と同様の条 件で分散させた水分散液として測定した場合 に4以上である、分散助剤(1)記載の組成物。
(6)セルロース複合体100質量部に対して分散助 剤を50~3000質量部含む、(5)に記載の組成物。
(7)さらに合成樹脂及び添加剤を含む、(6)記載 の組成物。
(8)前記合成樹脂が造膜性樹脂である、(7)記載 の組成物。
(9)ウエットオンウエットで多層塗装し、焼き 付けをする塗装方法であって、(1)~(8)のいず かに記載の組成物を下層及び/又は上層に用 る、上記塗装方法。
(10)前記塗装方法が3コート1ベーク塗装である 、(9)に記載の塗装方法。
(11)前記セルロース複合体の平均粒径が、半 4cmの4枚パドル翼を取り付けたプロペラ攪拌 を用いて25℃、500rpmで20分間、水に分散させ た固形分濃度1%の水分散液を測定した場合に1 0μm以下であり、且つ、該セルロース複合体 チクソトロピーインデックス(TI値)が、固形 濃度を2%にした以外は上記と同様の条件で 散させた水分散液として測定した場合に4以 である、上記セルロース複合体を含む塗料 の添加剤。

 本発明により安定性が高く、水性塗料と て使用した場合に、スプレー塗装・焼き付 を行ってもタレ・ワキも生じにくく、ウエ トオンウエット塗装時に界面制御が良好な 成物、加えて易分散性セルロース複合体を いることにより、さらに容易に上記の組成 を提供できる。

 以下、本発明につき詳しく説明する。本発 の組成物は、酸価2.0以上でかつ、重量平均 子量が1×10 3 ~1×10 7 の親水性高分子0.5~50質量%及び、結晶性セル ース50~99.5質量%からなる、平均粒径が10μm以 のセルロース複合体、顔料並びに水を含み 該組成物の固形分が25質量%を超え、粘度が3 0mPa・s以上であるものである。

 また、本発明の組成物は、さらに合成樹 、硬化剤を含み、塗料として使用すること 好ましい。本発明の組成物は、熱を加える とにより硬化を促進させる焼き付け工程に り塗膜形成させるクッキータイプの塗料に 適に使用できる。該塗料の焼き付け温度は 使用する樹脂や添加剤によって適宜調整さ るものであるが、十分な塗膜物性を得るた には通常、100~200℃で焼付け処理を行うのが 好ましい。より好ましくは110~180℃、最も好 しくは120~160℃である。焼き付け時間は焼き け温度により適宜調整されるものであるが 十分な塗膜物性を得るためには5分以上が好 ましい。上限に特に制限はないが、硬化反応 の時間及び焼付にかかるエネルギーの観点か ら通常60分以下である。塗膜形成を形成させ ために加熱時間が長くかかる場合は、当然 タレやワキが生じやすくなるが、本発明の 成物は5分を越える加熱時間においても、タ レ、ワキの発生を抑制できるという大きな効 果を有する。

 本発明の組成物は粘度が30mPa・s以上である 粘度が30mPa・s未満ではスプレー塗装時にタ が生じやすい。好ましくは60mPa・s以上、よ 好ましくは100mPa・s以上である。上限は特に 制限はないが、通常は10 5 mPa・s以下である。ここでいう粘度は、B形粘 計で塗料によって適切なローターを用いて6 0rpmで測定した時の粘度である。

 本発明の親水性高分子は、酸価が2.0以上で つ重量平均分子量が1×10 3 ~1×10 7 であることが好ましい。酸価が2.0未満では顔 料の分散安定性が悪化する。また、塗料にお いても安定性が悪化し、更にはタレ・ワキを 生じやすく、ウエットオンウエット塗装した 際の界面制御も悪化する傾向にある。親水性 高分子の酸価は、より好ましくは5以上、さ に好ましくは9以上である。上限に特に制限 ないが、100以下が好ましい。酸価が100以下 あれば、組成物を塗料用途に用いた場合、 料組成物中の樹脂成分と凝集を起こしにく 。ここでいう酸価とは親水性高分子1g中の を中和するのに要するKOHのmg量で表される。 また、本発明の親水性高分子の重量平均分子 量は1×10 3 ~1×10 7 が好ましい。1×10 3 未満であると、ウエットオンウエット塗装時 の2層が界面で混ざりやすくなる傾向がある また、1×10 7 を超えると、塗膜の表面平滑性が損なわれる 場合がある。より好ましくは5×10 4 ~9×10 6 である。親水性高分子の分子量はGFC等の通常 の方法で求めることができる。

 親水性高分子としては例えば、カルボキ メチルセルロース及びその塩、キサンタン ム、カラヤガム、カラギーナン、アラビア ム、グルコマンナン、ジェランガム、アル ン酸及びその塩や、アルギン酸プロピレン リコールエステルのようなエステル体など 挙げられる。

 本発明の結晶性セルロースは、例えば木 パルプ、精製リンターなどのセルロース系 材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵 分解などにより解重合処理して得られる平 重合度30~400、結晶性部分が10%を超えるもの いう。

 本発明のセルロース複合体は、親水性高 子0.5~50質量%及び結晶性セルロース50~99.5質 %からなる。本発明のセルロース複合体は、 えば、結晶性セルロースと親水性高分子を 記割合内で混合し、湿式磨砕して、乾燥・ 砕することにより得られる。本発明のセル ース複合体とは、純水に、試料の濃度が1質 量%になるようにエクセルオートホモジナイ ー(日本精機株式会社製、ED-7型)で、15000rpmで 5分間分散し、レーザー回折散乱装置(堀場製 所製 LA-910)により積算体積が50%になる値を み取り平均粒径とした場合の、平均粒径が1 0μm以下となり、かつ、上記、分散液を30分間 放置しても明らかな沈殿を生じることのない ものをいう。例えば、単純に上記の各成分を 粉混合した場合には、上記分散方法でも十分 に水に分散できず、沈殿物を生じたり、平均 粒径が10μmを越える。このような場合は、セ ロース複合体ではなく、単なる結晶性セル ースと親水性高分子の混合物である。本発 のセルロース複合体は上記のように分散さ た場合の、上記測定方法での平均粒径が10μ m以下となるものであるが、塗料とした場合 塗膜の平滑性を考えた場合に平均粒径が10μm 以下となることが必要である。一方、平均粒 径が小さいほど、塗料のスプレー時のタレ防 止効果が高く、塗膜の平滑性も向上する傾向 はあるが、ウエットオンウエット塗装する場 合の界面制御のためには、セルロース複合体 の平均粒径はあまり小さくないほうがよく、 すなわち4μm以上であることが好ましく、よ 好ましくは7μm以上である。

 親水性高分子が0.5質量%未満では、組成物 の分散安定性が悪化する傾向になる。また、 50質量%を超えると逆に塗料でのワキを生じや すくなる可能性がある。より好ましくは1~30 量%、最も好ましくは5~20質量%である。

 また、本発明のセルロース複合体には、 水性高分子及び結晶性セルロース以外の成 を含んでいても構わない。例えば、焙焼デ ストリン、加水分解澱粉、プルラン等のデ ストリン類、キシロース、グルコース、フ クトース、スクロース、トレハロース、セ オリゴ糖、キシロオリゴ糖、フラクトオリ 糖、ガラクトオリゴ糖、ラフィノースなど 糖類、キシリトール、マンニトール、エリ リトールなどの糖アルコール類の水溶性分 5~30質量%含んでも構わない。デキストリン などの、親水性高分子及び結晶性セルロー 以外の成分の混合方法は、後述する易分散 セルロース複合体のように、高圧ホモジナ ザーや高速攪拌機などで一旦、均一化する 要はなく、粉混ぜでも構わない。

 さらにプロペラ攪拌機で分散可能なレベ まで分散性を向上させた易分散性セルロー 複合体は、結晶性セルロース複合体100質量 に対して、さらに分散助剤を50~3000質量部、 好ましくは100~2000質量部、より好ましくは200~ 1000質量部含んでもよい。

 易分散性セルロース複合体を製造する場 、セルロース複合体を予め製造しても、セ ロース複合体の各成分と、分散助剤を混合 て製造しても構わない。各成分の混合は、 成分を同時に混合してもよいし、1成分ずつ 混合していっても構わない。親水性高分子と 結晶性セルロースの割合は前述したとおりで あるが、易分散性セルロースに用いるセルロ ース複合体は、水溶性高分子が多めの方が好 ましい。具体的には親水性高分子5質量%以上 含むセルロース複合体が好ましい。また、 散助剤が50質量部以上であれば、十分な分 性が得られ、3000質量部以下であれば、機能 発揮するためには多大な添加量を必要とす こともない。

 ここでいう分散助剤とは水に易溶性のも であれば特に制限はないが、例えば、焙焼 キストリン、加水分解澱粉等のデキストリ 類、キシロース、グルコース、フルクトー 、スクロース、トレハロース、セロオリゴ 、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、 フィノースなどの糖類、キシリトール、マ ニトール、エリスリトールなどの糖アルコ ル、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシ 、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、ア ニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、 リン、トレオニン、システイン、メチオニ 、アスパラギン、グルタミン、プロリン、 ェニルアラニン、チロシン、トリプトファ などのアミノ酸、クエン酸塩、塩化ナトリ ムなどの水溶性の塩が挙げられる。中でも 溶性糖類が好ましく、特にDE(デンプンの糖 度)5~40のデキストリンが安全性、生産性の から好ましい。これらの一種類若しくは複 の混合物を分散助剤として使用できる。た し、各成分の混合は粉混ぜするだけでは易 散を達成できない。本発明において易分散 達成するには3成分を均一に混合することが 要であり、各成分を水に分散して高圧ホモ ナイザーや高速攪拌機、又は各種ミルを用 て、水の存在下で均一に混合することが好 しい。例えば、結晶性セルロースと親水性 分子とをミル等で湿式磨砕混合し、そのウ ットケークを水に分散して、そこに分散助 を加えて高圧ホモジナイザーで均質化して られる懸濁液をスプレードライヤー等で乾 する製造方法が好ましい。また、一般に入 可能な結晶性セルロース複合体(例えば、セ オラスRC-N30(商品名)(旭化成ケミカルズ社製) どを購入して、上記方法で分散助剤と混合 て易分散性セルロース複合体としてもよい

 ここでいう高圧ホモジナイザーとは、原 (液体又は液体及び固体)を加圧して、間隙( リット)を通り抜ける際のせん断力を利用し て粉砕・分散・乳化を行う装置であり、例え ば、ナノマイザー(商品名)(ナノマイザー(株) )、マイクロフルイダイザー(商品名)(マイク ロフルイディスク社製)、アリート(商品名)( ロソアビ社)、APVホモジナイザー(商品名)(APV )等の装置が挙げられる。

 本願の易分散性セルロース複合体は、上 に定義されるセルロース複合体であって、 つ下記に示す分散方法で平均粒径が10μm以 であり、且つ、チクソトロピーインデック (TI値)が4以上であるものをいう。前記平均粒 径は、セルロース換算1質量%の分散液となる うに一般的な1~2Lのステンレスビーカーに、 セルロース複合体及び脱イオン水を攪拌が十 分できる量、例えば、1Lビーカーに700mlを仕 み、半径4cmの4枚パドル翼を取り付けたプロ ラ攪拌機を用いて25℃、500rpmで20分間、水に 分散させた場合の平均粒径で定義され、10μm 下、好ましくは8μm以下、より好ましくは6μ m以下である。平均粒径が10μmを越える場合は 、結晶性セルロース複合体の分散が十分では ないため、顔料の分散安定性や再分散性が十 分でない場合があり、また、セルロース複合 体自体の沈降が生じる場合がある。下限は特 に制限はないが、前述のような弱い分散では 1μm以上が好ましい。ここで用いるパドル翼 半径は4cmから多少大きさが違っていても構 ない。例えばマゼラ(商品名)NZ-1000シリーズ 翼径80mmの4枚翼角度付ファンやスリーワンモ ーターの汎用攪拌翼かい十字(半径35mm)が挙げ られる。

 本発明でいうチクソトロピーインデック (TI値)とは、分散濃度がセルロース換算2質 %の分散液とすること以外は前述と同様の方 、すなわち、1~2L容器にセルロース複合体及 び脱イオン水を仕込み、半径4cmの4枚パドル を取り付けたプロペラ攪拌機を用いて25℃、 500rpmで20分間、水に分散した分散液を、B形粘 度計、ローターNo.1を用いて、25℃の条件下で の、3時間後の6rpmと60rpmでの静置粘度の比で り、TI値=6rpmの粘度/60rpmの粘度で定義される この際、測定はサンプルをあらかじめ2つ用 意し、それぞれで6rpm、60rpmの粘度を測定する ことが好ましい。TI値が高いほど、構造粘性 強く、タレにくく、保存安定性の優れた組 物となる。本発明の易分散性セルロース複 体の前述操作で得られる分散液のTI値は4以 が好ましい。より好ましくは5以上であり、 最も好ましくは6以上である。TI値が4以上で れば、貯蔵安定性が悪化する場合もない。 限は特に制限はないが、通常のセルロース 合体のTI値は20以下である。

 本発明の組成物には通常のセルロース複 体も易分散性セルロース複合体のどちらも 用可能であるが、分散設備が整備されてい 場合は通常のセルロース複合体を用いたほ がコストパフォーマンスに優れる。一方、 ん断力の弱い分散機器しかない場合は易分 性セルロース複合体を用いるべきである。 後、「(易分散性)セルロース複合体」とは 常のセルロース複合体及び、易分散性セル ース複合体の両者を指すものとする。

 本発明の(易分散性)セルロース複合体の ータ電位の絶対値は30mV以上が好ましい。こ でいうゼータ電位は、結晶性セルロース複 体を純水にセルロース換算で0.5%分散液とし 、該分散液のゼータ電位をゼータ電位計(ELSZ 大塚電子社製)により、pH2~12の範囲で測定し 、最も絶対値の大きい点の値のことをいう。 通常はpH5~8の範囲で最大となる。(易分散性) ルロース複合体のゼータ電位の絶対値は、 ましくは30mV以上、より好ましくは50mV以上、 さらに好ましくは60mV以上である。本発明の( 分散性)セルロース複合体は通常、マイナス 電荷を示す。ゼータ電位の絶対値が30mV以上 あれば、本発明の効果が十分に得られる。

 本発明で用いる顔料は特に制限はなく、 の顔料の形状も板状、球状、鱗片状など特 限定されず使用できる。例えば、クロム酸 鉛、クロム酸鉛、亜鉛丹、リン酸亜鉛、リ 酸バナジウム、リン酸カルシウム、リンモ ブデンアルミニウム、モリブデン酸カルシ ム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化ビ マス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマ 、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、ハイド タルサイト、亜鉛末、雲母状酸化鉄などの 錆顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、 ルミナホワイト、シリカ、ケイソウ土、カ リン、タルク、クレー、マイカ、バリタ、 機ベントナイト、ホワイトカーボン等の体 顔料、二酸化チタン、亜鉛華、酸化アンチ ン、リトポン、鉛白、カーボンブラック、 黒、複合金属酸化物ブラック、ペリレンブ ック、モリブデン赤、カドミウムレッド、 ンガラ、硫化セリウム、黄鉛、カドミウム エロー、黄色酸化鉄、黄土、ビスマスイエ ー、シェナ、アンバー、緑土、マルスバイ レット、群青、紺青、塩基性硫酸鉛、塩基 ケイ酸鉛、硫化亜鉛、三酸化アンチモン、 ルシウム複合物、フタロシアニンブルー、 タロシアニングリーン、オーカなどの着色 料、アルミニウム粉、銅粉、真鍮粉、ステ レス粉などの金属粉顔料、酸化チタン被覆 母、酸化鉄被覆雲母のような金属酸化物被 雲母などの真珠光沢様顔料、亜鉛酸化銅、 粒子、アナターゼ型酸化チタン、酸化鉄系 成顔料、導電性金属粉、電磁波吸収フェラ トなどの特殊機能顔料の単独若しくは2種類 以上の混合物が挙げられる。顔料の一次平均 粒径は10μm以下が好ましい。より好ましくは5 μm以下である。10μm以下であれば、分散安定 が低下したり、塗膜の平滑性が損なわれる 能性はない。下限に特に制限はないが、一 的に入手可能な超微粒子顔料は10nm程度であ る。本願の塗料として特に好ましい顔料とし てはカーボンブラックやチタンホワイト、二 酸化チタン、タルク、クレー、カオリンなど が挙げられる。

 本発明の組成物を水性塗料に用いる場合 全ての原料を同時に混合して作成してもよ が、あらかじめ顔料と(易分散性)セルロー 複合体を混合して、顔料分散ペーストを作 するのが好ましい。

 顔料とセルロース複合体の混合は水の存 下でSGミル、ボールミル、アトライターな 磨砕力のかかる分散機にて混合することが ましい。前記のような磨砕力のかかる分散 を用いることにより顔料の2次凝集を解きな ら効率的に機能を付与することができるの 好ましい。顔料とセルロース複合体の混合 は、顔料100質量部に対してセルロース複合 は0.01~50質量部が好ましい。磨砕力のかかる 分散機が使用できない場合は、易分散性セル ロール複合体を用いる。顔料に対しての易分 散性セルロース複合体の添加量は、セルロー ス複合体に換算して、通常のセルロース複合 体と同様である。すなわち分散助剤を含む場 合は、分散助剤の分だけ、易分散性セルロー ス複合体の必要量は多くなる。また、この場 合は顔料をあらかじめ分散したものを用いる のが好ましい。(易分散性)セルロース複合体 0.01質量部未満では、顔料分散の安定性付与 が不十分であり、該組成物を用いた塗料の貯 蔵安定性の悪化、スプレー時のタレ・ワキ抑 制効果、ウエットオンウエットでの界面制御 機能も得られにくい。50質量部を越えても、 発明の効果は向上しない傾向であり、無駄 生じる可能性がある。より好ましくは0.1~40 量部、さらに好ましくは0.3~30質量部である

 また、混合時は全固形分に対して、水を1 0質量%以上、75質量%未満含むことが好ましい より好ましくは20~60質量%である。水を10質 %以上で混合した場合には、顔料の2次凝集を 十分に解くことができ、塗膜にムラを生じる 可能性もない。また、75質量%以上であると、 生産性が低下するため好ましくない。上記、 操作の際には、必要に応じて顔料分散剤、界 面活性剤、硬化剤、消泡剤、有機溶剤、揺変 剤、樹脂、光輝材等の添加剤が一種類若しく は複数含まれていても構わない。特に疎水性 の強い有機顔料を用いる場合は、界面活性剤 等の分散剤を併用することが好ましい。

 本発明の組成物が塗料である場合は、塗 全量に対して、顔料の含有量(固形分合計) 好ましくは0.5~50質量%、より好ましくは1~45質 量%、さらに好ましくは2~40質量%になるように 顔料を分散した組成物と、合成樹脂及び硬化 剤及び必要に応じて水やその他の添加剤を混 合する。顔料が0.5質量%以上であれば十分な 存安定性、塗膜の平滑性、隠ぺい力が得ら る。50質量%以下であれば相対的に樹脂、水 量が減ることもなく成膜性や流動性が悪化 る可能性もない。また、あらかじめ、(易分 性)セルロース複合体及び/又は顔料を分散 た組成物を作成せず、結晶性セルロースと 水性高分子及び/又は(易分散性)セルロース 合体、合成樹脂、硬化剤、水、必要に応じ その他の添加剤を混合して、(易分散性)セル ロース複合体及び/又は顔料分散ペーストを るのと同時に塗料としても構わない。

 本発明の塗料に用いる合成樹脂としては 例えば、水性アクリル樹脂、変性アクリル 脂、水性ウレタン樹脂、水性アクリルウレ ン樹脂、水性塩化ビニル樹脂、水性酢酸ビ ル樹脂、水性エポキシ樹脂、水性ポリエス ル樹脂、水性アルキド樹脂、水性ポリアミ 樹脂が使用できる。

 また、合成樹脂として合成重合体エマルシ ンを用いることができる。合成重合体エマ ションの例としては、スチレン-ブタジエン 系共重合体ラテックス、ポリスチレン系重合 体ラテックス、ポリブタジエン系重合体ラテ ックス、アクリロニトリル-ブタジエン系共 合体ラテックス、ポリウレタン系重合体ラ ックス、ポリメチルメタクリレート系重合 ラテックス、メチルメタクリレート-ブタジ ン系共重合体ラテックス、ポリアクリレー 系重合体ラテックス、塩化ビニル系重合体 テックス、酢酸ビニル系重合体エマルショ 、酢酸ビニル-エチレン系共重合体エマルシ ョン、ポリエチレンエマルション、カルボキ シ変性スチレンブタジエン共重合樹脂エマル ション、アクリル樹脂エマルションなどが挙 げられる
 特に、本発明の合成樹脂としては、アニオ 型の合成樹脂が好ましい。カチオン型の合 樹脂の場合、ブツが発生しやすくなる場合 ある。アニオン型合成樹脂の中でも、水性 リエステル樹脂又は水性アルキド樹脂を用 ることが好ましい。これらの樹脂はもちろ 変性したもので構わない。

 本発明に用いる硬化剤としては、例えば アミノ樹脂(メラミン樹脂)、ブロックポリ ソシアネート化合物が挙げられる。これら 樹脂はもちろん変性したもので構わない。

 本発明の塗料では、これらの硬化剤の少 くとも1種類以上を用いる。特に、合成樹脂 としてポリエステル樹脂、硬化剤としてメラ ミン樹脂を用いることが塗膜物性の点から好 ましい。

 前記の樹脂を構成する単量体としては、 えば、ブタジエン、イソプレン、2-クロル-1 、3-ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、ス レン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン どの芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メ ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ ルなどのメタクリル酸アルキルエステル類 アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア リル酸2-エチルヘキシルなどのアクリル酸 ルキルエステル類、アクリロニトリル、メ クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合 、また酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニ デン、ウレタン、エチレンなどが挙げられ 。さらにその他共重合可能な単量体として 必要に応じ、アクリル酸2-ヒドロキシエチル 、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタク ル酸グリシル、N-メチロールアクリルアミ 、N-ブトキシメチルアクリルアミド、アクリ ルアミド、スチレンスルホン酸ソーダ及びイ タコン酸、フマール酸、アクリル酸、メタク リル酸、クロトン酸などのエチレン系不飽和 カルボン酸が使用される。

 塗料中の(合計)合成樹脂量は、塗料中の 料の(合計)固形分を100質量部に対し、好まし くは80~500質量部、より好ましくは150~450質量 、最も好ましくは200~400質量部が望ましい。 成樹脂の質量比が80質量部以上であれば、 動性や成膜性に悪影響を及ぼす可能性もな 。また500質量部以下であれば色ムラなどが じる場合もない。

 また、本発明の組成物には必要に応じて に添加剤を含んでいても構わない。添加剤 しては、例えば3級アミン型などのアミノ基 含有エポキシ樹脂、4級アンモニウム塩型エ キシ樹脂、4級アンモニウム塩型樹脂、界面 性剤などの顔料分散剤、ポリジメチルシロ サン、変性シリコーン化合物、脂肪酸エス ルなどの消泡剤、ポリアクリル酸ポリマー ポリアミド、有機クレー、ヒドロキシエチ セルロース、カルボキシメチルセルロース どの増粘剤、ジブチル錫ラウレート、ジブ ル錫オキシド、ジブチル錫オキサイド、ジ クチル錫オキシド、ジブチル錫ジベンゾエ トなどの有機錫化合物、N-メチルモルホリ などのアミン類、酢酸鉛、ストロンチウム 銅、コバルトなどの金属塩などの硬化触媒 有機銅、有機錫、有機ハロゲン、フェノー 、アミン化合物などの防腐剤、ベンゾフェ ン、ベンゾチリアゾール、シュウ酸アニリ 、ヒンダードアミン化合物、フェノール化 物、チオエーテル化合物などの耐光性向上 ・紫外線吸収剤、アニオン系界面活性剤、 チオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性 、導電性カーボン、導電性金属粉などの帯 防止剤、アミン化合物(アミノ樹脂系塗料)、 ハイドロキノン(酸化重合、ラジカル硬化塗 )などの反応抑制剤、ラクタム系化合物、オ シム系化合物、脂肪族アルコール類、芳香 アルキルアルコール類、エーテルアルコー 系化合物などのブロック剤、水酸化ナトリ ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ジ タノールアミン、トリエタノールアミン、N -メチルアミノエタノール、2-アミノ-2-メチル プロパノール、N,N-ジメチルアミノエタノー 、ギ酸、酢酸、乳酸などの中和剤、ハロゲ 、有機リン、アンチモン系化合物、水酸化 グネシウムなどの難燃剤、微粉シリカ、尿 、ウレタン、アクリルなどのポリマービー などのつや消し剤、ポリエチレンワックス パラフィンワックス、フッ素系ワックスな の擦り傷防止・非粘着化剤、シリコーンオ ルなどの色分け防止剤、界面活性剤、アル ルリン酸エステル、ポリアミドなどの湿潤 、アルコール類などの有機溶剤が挙げられ 。必要な場合は、これらから選ばれる1種類 しくは2種類以上の組み合わせからなる添加 剤を目的とする用途・機能に応じて適切な量 を使用する。

 前述の有機溶剤のより具体的な例として 、炭化水素類、アルコール類、多価アルコ ル類、多価アルコール類の誘導体、ケトン 、エステル類、カーボネート類から選ばれ 1種又は2種以上の組み合わせからなる溶剤 挙げられる。

 炭化水素類としては、キシレン、トルエ 、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルス リット、テレビン油、ソルベンナフサ等が げられる。アルコール類としては、メタノ ル、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノ ール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘ プタノール、n-オクタノール、n-ノニルアル ール、n-デカノール、n-ウンデカノール又は これらの異性体、シクロペンタノール、シ ロヘキサノール等が挙げられる。好ましく 、アルキル炭素数が1~6個を有するアルコー 類である。

 多価アルコール類としては、エチレング コール、プロピレングリコール、1,3-ブチレ ングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5- ンタンジオール、ネオペンチルグリコール 1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサン オール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタン ジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジ オール、グリセリン、ペンタエリスリトール 等が挙げられる。

 多価アルコールの誘導体類としては、エ レングリコールモノメチルエーテル、エチ ングリコールモノエチルエーテル、エチレ グリコールモノプロピルエーテル、エチレ グリコールイソプロピルエーテル、エチレ グリコールモノブチルエーテル、エチレン リコールイソブチルエーテル、プロピレン リコールモノメチルエーテル、プロピレン リコールモノエチルエーテル、プロピレン リコールモノプロピルエーテル、プロピレ グリコールモノブチルエーテル、酢酸セロ ルブ等が挙げられる。

 ケトン類としては、アセトン、メチルエ ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイ ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シ ロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げ れる。

 エステル類としては、酢酸メチル、酢酸 チル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、 酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、 酸エステル、酪酸エステル、ジブチルフタ ート、ジオクチルフタレート、及び、ε-カ ロラクトン、ε-カプロラクタム等の環状エ テル類が挙げられる。

 エーテル類としては、ジエチルエーテル イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン 1,4-ジオキサン等が挙げられる。

 カーボネート類としては、ジメチルカー ネート、ジエチルカーボネート、エチルメ ルカーボネート、エチレンカーボネート等 挙げられる。

 本発明の組成物はスプレー塗装を行う塗 として好適に使用されるものであり、固形 は25質量%を超えたものである。より好まし は30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以 である。固形分が25質量%以下では、スプレ 後のタレが生じやすく、また、揮発成分が いため乾燥に時間がかかる。上限はスプレ 作業性から85質量%未満が好ましい。

 本発明の塗装は様々な方法で可能ではあ が、特にスプレー塗装が、本発明の効果を 確にするという点で好ましい。スプレー塗 の方式には特に制限はなく、例えば、エア スプレー塗装、エアレススプレー塗装、静 スプレー塗装を挙げる事ができる。使用す スプレー装置も特に制限は無く、例えば、 圧スプレーガン、自動スプレーガン、エア ラシ、長首スプレーガン、乱糸スプレーガ 、ベル型塗装機、ディスク型塗装機などが げられる。また、シャワー塗装もスプレー 装と同じく、タレが問題となることが多く 本発明においては同義である。塗装する基 は、建築、建材、構造物、船舶、魚網、自 車、電子部品、金属、プラスチック、機械 鉄道、航空機、木工、家庭用、路面表示、 革用途等、その用途にて選択される。例え 金属、木、樹脂、ガラス、セメント、アス ァルト、土等が挙げられる。本発明の組成 は建築・建材用水性塗料、自動車用水性塗 、船舶鋼板用水性塗料、缶用水性塗料、PCM 塗料、有機表面処理用塗料として好ましく いられる。特に自動車の水性中塗塗料に好 に使用することができる。

 さらに本発明の組成物はウエットオンウ ット塗装し、焼き付けを行う工程に特に適 ている。ウエットオンウエット塗装とは2層 以上の多層塗装する際に下層の焼き付け工程 を省略してウエットの状態のまま、上層を塗 装する方法のことをいう。焼き付け工程を減 らすことができるため環境負荷、エネルギー 削減の効果があるが、ウエット界面に対する 界面制御力の向上が必要となる。本願の組成 物をウエットオンウエット塗装する下層及び /又は上層に用いることにより、界面での混 が抑制、すなわち界面を制御することがで る。ウエットオンウエットで塗装する層の は特に制限はないが、3コート1ベーク塗装工 程が一般的であり、該工程で用いることが好 ましい。

 また、塗料やインキ業界のなかでも建材 途の塗料メーカーは、通常、高速インペラ- 攪拌機などを使用しているため、通常のセル ロース複合体では分散が困難である。しかし 、前記、易分散性セルロース複合体を定義す る分散条件である半径4cmの4枚パドル翼を取 付けたプロペラ攪拌機を用いて25℃、500rpmで 20分間分散するという条件で分散可能(すなわ ち易分散性セルロース複合体の平均粒径10μm 下でかつ、TI値4以上)であれば、ほとんどの 建材用途塗料メーカーや、インキメーカーに おいても使用可能である。すなわち、通常の セルロース複合体では使用困難な用途での使 用が可能である。

 本発明の組成物をインキ用途で使用する 合、該組成物は易分散性セルロース複合体 用いた顔料分散組成物と、造膜性樹脂、添 剤からなる。前記、インキに用いる顔料も 特に制限はなく、無機系及び有機系顔料の から任意のものを使用することができ、更 は、無機蛍光顔料及び有機蛍光顔料も使用 ることができる。無機系顔料としては、例 ば、カーボンブラック、酸化チタン、ベン ラ、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、 化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン カドミウムイエロー、朱、カドミウムレッ 、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンクク メート、ストロンチウムクロメート、ホワ トカーボン、クレー、タルク、群青、炭酸 ルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレ トなどが挙げられる。有機系顔料としては 例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、フ ロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔 、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料 染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料な が挙げられる。

 具体的には、フタロシアニンブルー(C.I.74 160)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、ハン ザイエロー3G(C.I.11670)、ジスアゾイエローGR(C. I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、ブリ リアントカーミン6B(C.I.15850)、キナクリドン ッド(C.I.46500)などが使用できる。また、無機 蛍光顔料としては、例えば、硫化亜鉛などの 重金属塩又はアルカリ土類金属の硫化物を原 料とし、これらの高純度のものに微量の銅、 銀、マンガンなどの活性化剤を添加し、高温 焼成したものが挙げられる。有機蛍光顔料と しては、例えば、蛍光染料を合成樹脂のビヒ クルに溶解した固溶体あるいは乳化重合、懸 濁重合等により得られた樹脂微粒子の分散体 に蛍光染料を染着したものが挙げられ、合成 樹脂としては塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂 、アルカリ樹脂などがあり、蛍光染料はC.I. シッドイエロー7、C.I.ベイシックレッド1な が使用できる。これらの顔料は、単独で用 るか、少なくとも2種類以上を組み合わせて いることができる。顔料の平均粒径は10μm 下が好ましい。さらに好ましくは5μm以下、 も好ましくは3μm以下である。10μm以下であ ば、分散安定性の低下や、詰まりの原因と ることもない。下限に特に制限はないが、 般的に入手可能な超微粒子顔料は10nm程度で ある。また、顔料の(合計)含有量が、インキ 量に対して、好ましくは0.5~30質量%、より好 ましくは2~30質量%、更に好ましくは、5~15質量 %の範囲となるように、本発明の顔料分散組 物、樹脂及び添加剤及び必要に応じて水を 合して作成することが望ましい。0.5質量%以 であれば、印字の濃度が不足する可能性も く、30質量%以下であれば、書き心地が著し 重くなる傾向もない。また、あらかじめ顔 分散組成物を作成せず、顔料、易分散性セ ロース複合体、樹脂、添加剤、水を混合し 、顔料分散組成物を得るのと同時に本発明 インキとしても構わない。

 本発明のインキに用いる造膜性樹脂とし は、例えば、スチレンブタジエン樹脂、ア リルニトリルブタジエン樹脂、カルボキシ 性スチレンブタジエン共重合樹脂、アクリ 樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン 性アルキド樹脂が挙げられる。

 また、本発明のインキに用いる造膜性樹 としては、インキ粘度などの調整しやすさ 点から樹脂エマルションを用いることが好 しい。樹脂エマルションとしては、例えば スチレンブタジエン樹脂エマルション、ア リルニトリルブタジエン樹脂エマルション カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合 脂エマルション、アクリル樹脂エマルショ などが挙げられる。これらの樹脂の1種類若 しくは2種類以上の混合物を用いることがで る。これらの樹脂の固形分の(合計)含量は、 インキ全量に対して、好ましくは10~50質量%、 より好ましくは15~35質量%、さらに好ましくは 20~30質量%である。造膜性樹脂の含有量が10質 %以上であれば、造膜性が劣ることもなく、 明瞭な印字とならない場合もない。一方で50 量%以下であれば、インキの安定性が悪化す る傾向もない。

 本発明のインキに用いる添加剤としては 例えば、レシチン、ソルビタン脂肪酸エス ル、アルキルアミン脂肪酸塩などの濡れ特 向上剤、高級アルコール、有機溶剤、表面 性剤、ゲル化剤などの流動性調整剤、防菌 、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、有 溶剤などが挙げられる。これらの添加剤の1 種類若しくは2種類以上の混合物を用いるこ ができる。

 前述の有機溶剤のより具体的な例として 、炭化水素類、アルコール類、多価アルコ ル類、多価アルコール類の誘導体、ケトン 、エステル類、カーボネート類から選ばれ 1種又は2種以上の組み合わせからなる溶剤 挙げられる。特に多価アルコール類が安全 や機能の面から好ましい。

 多価アルコール類としては、エチレング コール、プロピレングリコール、1,3-ブチレ ングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,5- ンタンジオール、ネオペンチルグリコール 1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサン オール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタン ジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジ オール、グリセリン、ペンタエリスリトール 等が挙げられる。

 炭化水素類としては、キシレン、トルエ 、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルス リット、テレビン油、ソルベンナフサ等が げられる。

 アルコール類としては、メタノール、エ ノール、n-プロパノール、n-ブタノール、n- ンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノー ル、n-オクタノール、n-ノニルアルコール、n- デカノール、n-ウンデカノール又は、これら 異性体、シクロペンタノール、シクロヘキ ノール等が挙げられる。好ましくは、アル ル炭素数が1~6個を有するアルコール類であ 。

 多価アルコールの誘導体類としては、エ レングリコールモノメチルエーテル、エチ ングリコールモノエチルエーテル、エチレ グリコールモノプロピルエーテル、エチレ グリコールイソプロピルエーテル、エチレ グリコールモノブチルエーテル、エチレン リコールイソブチルエーテル、プロピレン リコールモノメチルエーテル、プロピレン リコールモノエチルエーテル、プロピレン リコールモノプロピルエーテル、プロピレ グリコールモノブチルエーテル、酢酸セロ ルブ等が挙げられる。

 ケトン類としては、アセトン、メチルエ ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイ ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シ ロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げ れる。

 エステル類としては、酢酸メチル、酢酸 チル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、 酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、 酸エステル、酪酸エステル、ジブチルフタ ート、ジオクチルフタレート、及び、ε-カ ロラクトン、ε-カプロラクタム等の環状エ テル類が挙げられる。

 エーテル類としては、ジエチルエーテル、 ソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル、 トラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1, 4-ジオキサン等が挙げられる。
 カーボネート類としては、ジメチルカーボ ート、ジエチルカーボネート、エチルメチ カーボネート、エチレンカーボネート等が げられる。

 本発明のインキは、優れた貯蔵安定性を しており、万年筆、ボールペン、サインペ などの筆記用具やインクジェット用のイン として有用である。

 実施例により本発明をさらに具体的に説明 るが、これらによって本発明は何ら制限さ るものではない。なお、測定及び評価は以 の通りに行った。
<セルロース複合体の平均粒径>
(1)試料の濃度1質量%になるようにエクセルオ トホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED- 7型)で、15000rpmで5分間分散した。
(2)レーザー回折散乱装置(堀場製作所製 LA-910 )により積算体積が50%になる値を読み取り平 粒径とした。
<酸価の測定>
 試料1g(固形分換算)を精密にはかりとり、水 約200mlを加えて溶かした。これに0.05mol/l硫酸5 mlをピペットで加え、10分間、95℃で加熱した のち、室温まで冷却して、フェノールフタレ イン指示薬を加え、0.1mol/l水酸化カリウムで 定した。同時に空試験も行いその差から酸 分を中和に必要な水酸化カリウム量(mg)とし て算出した。
<平均分子量>
 GFCカラムを用いて常法により分析した。
<顔料分散組成物及び塗料組成物の評価方 >
・貯蔵安定性
 試作サンプル50gをガラス製サンプル瓶に秤 取り、このサンプルを25℃、50℃の恒温室に 7日間放置後、サンプル瓶を静かに取り出し 、下記評価基準により経時安定性を評価し 。
 ◎(優):沈降分離が見られず、初期と変化が られない。
 ○(良):若干沈降分離が見られるが、初期と とんど変化が見られない。
 △(可):沈降分離により上澄みが確認される 、嵩高い沈降となっている。
 ×(不可):沈降分離により完全に上澄みが確 でき、完全に沈降している。
・再分散性
 上記、7日間放置後のサンプルをおよそ10cm 振り幅で2回/秒のスピードで振ったあとの状 態を観察した。

 ◎(優):すぐに(10秒以内)貯蔵前の状態に戻る 。
 ○(良):11秒~60秒振れば貯蔵前の状態に戻る
 △(可):60秒振っても、壁面への固着は取れ が、わずかに凝集物が残る。
 ×(不可):60秒振っても、壁面への固着が残る 、若しくは明らかに凝集物が残る。
・色別れ防止
 上記の放置後のサンプルを再分散性評価時 同様の条件で2回振った後の色別れの状態を 目視で観察した。

 ○(良):色別れがほとんどない。
 △(可):若干色別れしている。
 ×(不可):完全に色別れしている。
・タレ(塗工性)
 水性塗料組成物をスプレーガンにより、み き鋼板に塗装し、焼付を行い、その塗膜の 況をみてタレを評価した。

 ◎(優):吹き付け時、焼付時共にタレは全く られない。
 ○(良):吹き付け時には全くタレはなく、焼 時に極僅かにタレが見られる。
 △(可):吹きつけ時に若干タレる。
 ×(不可):完全にタレを生じて塗膜にムラが きる。
・ワキ(平滑性)
 各実施例の条件にて塗膜化した塗膜を以下 基準で目視評価した。

 ○(良):良好である
 △(可):やや劣る(ラウンドあり)
 ×(不可):不良(肌荒れ、オレンジピール)
・仕上がり外観
 ウエットオンウエット塗装した場合と、各 焼き付けした場合を目視で比較した。

 ○(良):どちらの塗装方法も同じに見える。
 △(可):若干、塗膜に違いがあるように見え 。
 ×(不可):明らかに両塗装方法の塗膜が違う
・耐塩性
 試験塗板を塗面上にカッターでクロスカッ キズを入れてJIS-Z-2371(orJIS-K5600)の塩水噴霧 験に192時間(1000hr)放置し、錆の発生状況を観 察した。

 ○(良):錆の発生なし
 △(可):部分的に錆が発生
 ×(不可):全面的に錆が発生
・耐候性試験
 JIS K5600に準じて、耐候性を1000時間実施し 。試験後には、下記の評価試験を行った。
A)鉛筆硬度試験
 JIS K5600に準じて、塗膜面に鉛筆を押し当て て、塗膜の硬度を調査した。

 ○(良):試験前と比較して、硬度に変化が認 られない。
 △(可):試験前と比較して、硬度に1ランクの 変化が認められる。
 ×(不可):試験前と比較して、硬度に2ランク 上の変化が認められる。
 *1ランクとは例えば硬度がHから2Hに変化す ことである。
B)付着力試験
 ASTM D-3359に準じて、塗膜に碁盤目を入れ粘 テープを密着させ直ぐ剥がしたときの付着 を調査した。

 ○(良):剥離が認められない。
 △(可):部分的に剥離が認められる。
 ×(不可):全面的に剥離が認められる。

<インキの評価方法>
〔経時安定性の評価方法〕
 得られた各インキを蓋付き透明容器(30ml)に 容して、50℃の恒温槽に保管して2週間放置 、静かに容器を取り出して、下記評価基準 より経時安定性を評価した。
評価基準:
 ◎(優):沈降分離が見られず、初期と変化が られない。
 ○(良):若干沈降分離が見られるが、初期と とんど変化が見られない。
 △(可):沈降分離により上澄が確認されるが 嵩高い沈降となっている。
 ×(不可):沈降分離により完全に上澄が確認 き、完全に沈降している。
〔粘度経時安定性の評価方法〕
 各インキを室温(25℃)以下に3時間以上放置 て室温(25℃)まで冷却し、B形粘度計を用いて 25℃における60rpmの粘度を測定し、下記評価 準で評価した。なお、初期インキ粘度も同 (25℃、60rpm)にして測定したものである。
評価基準:
 ◎(優):初期からの粘度変化が±2%未満
 ○(良):初期からの粘度変化が±2%以上~5%未満
 △(可):初期からの粘度変化が±5%以上~10%未
 ×(不可):初期からの粘度変化が±10%以上
<チクソトロピーインデックス(TI値)>
(1)固形分濃度が2%、総量1300~1700mlの水分散液 なるようにサンプルと純水を2Lステンビーカ ーに量り取り、汎用攪拌翼かい十字(半径35mm) を取り付けたプロペラ攪拌機(スリーワンモ ターHEIDON(商品名)BL-600)を用いて25℃、500rpmで 20分間分散した。
(2)25℃の雰囲気中に3時間静置した。
(3)回転粘度計(株式会社トキメック製、B形粘 計、ローターNo.1)をセットし、セット後30秒 後にローターの回転を開始し、それから30秒 の指示置より粘度を算出した。ローター回 数は6rpm、60rpmの順番で測定した。この時得 れた、6rpmでの粘度の値を、60rpmでの粘度の で割ったものがチクソトロピーインデック (TI値)である。
<易分散性セルロース複合体の平均粒径>
(1)試料の濃度1質量%にてTI値を求める際と同 に分散液を調製した。
(2)レーザー回折散乱装置(堀場製作所製 LA-910 )により積算体積が50%になる値(メジアン径)を 読み取り平均粒径とした。

 以下、実施例及び比較例により本発明を具 的に例示する。
(実施例1及び比較例1、2)
 エチレングリコール20.5質量部、トリメチロ ールプロパン12.9質量部、無水フタル酸51.7質 部を加え、180℃で5時間エステル化反応を行 い、さらに無水トリメリット酸14.9質量部を えて180℃で1時間反応させて、ポリエステル 脂を得た。これにメラミン樹脂(サイメル254 、三井サイテック(株)製)をポリエステル樹脂 /メラミン樹脂=70/30(固形分比)となるように添 加した。60℃で一時間攪拌し、トリエチルア ンにて中和した。そのまま60℃で15分攪拌し 、固形分が40質量%になるように脱イオン水を ゆっくりと添加し、水性ワニスAを得た。

 市販のDPパルプをシュレッダーにて裁断し 1質量%塩酸下において、105℃で60分間、加水 解処理を行った。得られた酸不溶性残渣を 水にて濾過洗浄を行い、結晶性セルロース ウエットケークを得た。このウエットケー の固形分に対して、酸価28.6、重量平均分子 量が9×10 6 である水溶性高分子のカラヤガムと、デキス トリンを、結晶性セルロース/カラヤガム/デ ストリンの比率が80/10/10(固形分質量比)とな るように加えて、ニーダーにて混練・磨砕を 行い、乾燥、粉砕して、セルロース複合体A 得た。

 さらに、前記の水性ワニスAの固形分100質 量部に対して、二酸化チタン29質量部、カー ンブラック2質量部、硫酸バリウム10質量部 タルク5質量部、セルロース複合体A1質量部 SGミルにて分散・混合し、顔料分散組成物A 得た。

 この顔料分散組成物Aに、顔料分散組成物 Aの固形分/樹脂揮発成分=24質量%、主樹脂/硬 剤比が70/30質量比になるように水性ワニスA ブロックイソシアネート樹脂(TPA-B80E、固形 80質量%、旭化成ケミカルズ(株)社製)を加え 、水性焼付塗料組成物A(総固形分49%)を得た

 また、酸化チタン/水性ワニスAの固形分=18 量%、主樹脂/硬化剤比が70/30質量比になるよ に上記ブロックイソシアネート樹脂を添加 て、水性ベース塗料Aを得た。水性焼付塗料 組成物Aを市販の試験鋼板に乾燥膜厚が30μm程 度になるようにスプレー塗装し、ウエットオ ンウエットで水性ベース塗料Aを乾燥膜厚が15 μm程度になるように同様に塗装し、約10分間 ッティングし、100℃で10分間予備加熱した と、160℃で30分間焼き付けて塗膜を得た。比 較として、同条件で水性焼付塗料組成物Aを き付けした後に、水性ベース塗料Aを塗装し 焼き付けを実施した。その後、水性焼付塗 組成物A及び、その塗膜を評価した。評価結 果を表1に示す。比較例1ではセルロース複合 A作成の際の、カラヤガムを結晶性セルロー スに置き換えたものを用いて、他は実施例1 同様に実施した。比較例2では、実施例1の塗 料を固形分が20質量%となるように純水で希釈 して、同様に評価した。
(実施例2及び比較例3、4)
 市販のDPパルプを裁断し、0.6質量%塩酸下に いて、121℃で60分間、加水分解処理を行っ 。得られた酸不溶性残渣を純水にて濾過洗 を行い、結晶性セルロースのウエットケー を得た。このウエットケークの固形分に対 て、酸価9.5、数平均分子量が2×10 6 である水溶性高分子のキサンタンガムと、デ キストリンを、結晶性セルロース/キサンタ ガム/デキストリンの比率が75/5/20(固形分質 比)となるように加えて、ニーダーにて混練 磨砕を行い、乾燥、粉砕して、セルロース 合体Bを得た。

 実施例1で得た水性ワニスAの固形分100質 部に対して、二酸化チタン42質量部、炭酸カ ルシウム10質量部、セルロース複合体B0.26質 部をボールミルで十分に混合して、顔料分 組成物Bを得た。

 この顔料分散組成物Bに、顔料分散組成物B 固形分/樹脂揮発成分=18質量%、主樹脂/硬化 比が70/30質量比になるように水性ワニスA、 ラミン樹脂(マイコート212、三井サイテック 製)を加えて、水性焼付塗料組成物B(総固形 40質量%)を得た。水性焼付塗料組成物Bを電 塗膜が塗布されている市販の試験板に乾燥 厚が20μm程度になるようにエアースプレー塗 装し、ウエットオンウエットで水性ベース塗 料Aを乾燥膜厚が15μm程度になるように同様に 塗装した後、8分間セッティングし、80℃で10 間予備加熱したあと、130℃で40分間焼き付 て塗膜を得た。比較として、同条件で水性 付塗料組成物Bを焼き付けした後に、水性ベ ス塗料Aを塗装して焼き付けを実施した。水 性焼付塗料組成物B及び、その塗膜を評価し 。評価結果を表1に示す。比較例2ではセルロ ース複合体Bのキサンタンガムを、酸価0、重 平均分子量5.9×10 5 のカードランに置き換えた以外は実施例2と 様に行った。比較例3では、塗料の固形分が2 3質量%になるように純水で希釈して、同様に 価した。
(実施例3及び比較例5)
 市販のDPパルプを裁断し、0.5質量%塩酸下に いて、115℃で60分間、加水分解処理を行っ 。得られた酸不溶性残渣を純水にて濾過洗 を行い、結晶性セルロースのウエットケー を得た。このウエットケークの固形分に対 て、酸価2、重量平均分子量が5×10 4 である水溶性高分子のカルボキシメチルセル ロースナトリウムを、結晶性セルロース/カ ボキシメチルセルロースナトリウムの比率 89/11(固形分質量比)となるように加えて、ニ ダーにて混練・磨砕を行い、乾燥、粉砕し 、セルロース複合体Cを得た。このセルロー ス複合体C0.5質量部、赤色酸化鉄40質量部、脱 イオン水59部を混合し、SGミルで分散・混合 、顔料分散組成物C(固形分41質量%)を得た。

 容器にアクリル樹脂を59質量部、ブロッ イソシアネート(スミジュール、旭化成ケミ ルズ(株)製)20質量部、THF100質量部を混合し これを顔料分散組成物C20質量部、脱イオン 80質量部の混合液に添加したあと、ディスパ ーサーで混合した。混合後、減圧にて揮発分 がおよそ100gになるまで脱溶剤し、トリエチ ンジアミン0.1質量部を加え、水性焼付塗料 成物C(総固形分49質量%)を得た。

 水性焼付塗料組成物Cを電着塗膜が塗布され ている市販の試験板に乾燥膜厚が40μm程度に るようにスプレー塗装し、ウエットオンウ ットで水性ベース塗料Aを乾燥膜厚が10μm程 になるように同様に塗装した後、60℃で10分 間予備加熱し、その後150℃で20分間焼き付け 燥して塗膜を得た。比較として、同条件で 性焼付塗料組成物Cを焼き付けした後に、水 性ベース塗料Aを塗装して焼き付けを実施し 。水性焼付塗料組成物C及び、その塗膜を評 した。評価結果を表1に示す。比較例5では 晶性セルロースをカルボキシメチルセルロ スナトリウムに置き換えた以外は同様に行 た。
(実施例4及び比較例6)
 市販のDPパルプを裁断し、0.65質量%塩酸下に おいて、126℃で60分間、加水分解処理を行っ 。得られた酸不溶性残渣を純水にて濾過洗 を行い、結晶性セルロースのウエットケー を得た。このウエットケークの固形分に対 て、酸価2、重量平均分子量が5×10 4 である水溶性高分子のカルボキシメチルセル ロースナトリウムと、酸価9.5、数平均分子量 が2×10 6 である水溶性高分子のキサンタンガムとデキ ストリン及び食用油脂(菜種油)を、結晶性セ ロース/カルボキシメチルセルロースナトリ ウム/キサンタンガム/デキストリン/食用油脂 (菜種油)の比率が73/5/2.8/19/0.2(固形分質量比) なるように加えて、ニーダーにて混練・磨 を行い、乾燥、粉砕してセルロース複合体D 得た。そして、水系アルキッド樹脂(アクア ブル48E、固形分50質量%、昭和ワニス(株)製)21. 6質量部、二酸化チタン60.0質量部、脱イオン 9.9質量部、ジメチルエタノールアミン0.1質 部、セルロース複合体D0.3質量部をボールミ ルにて1時間分散し顔料分散組成物D(固形分85 量%)を得た。

 前記、顔料分散組成物D50質量部、水系ア キッド樹脂(アクアブル48E、固形分50質量%、 昭和ワニス(株)製)40.2質量部、ジエチルエタ ールアミン0.1質量部、メラミン樹脂(サイメ 254、三井サイテック(株)製)5.6質量部をペイ トシェイカーにて混合して水性焼付塗料組 物D(総固形分71質量%)を得た。

 水性焼付塗料組成物Dを電着塗膜が塗布さ れている市販の試験板に乾燥膜厚が20μm程度 なるようにスプレー塗装し、ウエットオン エットで水性ベース塗料Aを乾燥膜厚が15μm 度になるように同様に塗装し、80℃で10分間 予備加熱したあと、140℃で20分間焼き付け乾 して塗膜を得た。比較として、同条件で水 焼付塗料組成物Dを焼き付けした後に、水性 ベース塗料Aを塗装して焼き付けを実施した 水性焼付塗料組成物D及び、その塗膜を評価 た。評価結果を表1に示す。比較例6では、 成分をニーダーで混練・摩砕せずに混合し 粉末を用いた。すなわち、結晶セルロース ウエットケークを乾燥・粉砕して粉末化し 各成分の粉末及び食用油脂を上記の混合比 でビニール袋に入れてよく振って混合した 末を用いた。


(製造例1)
 市販のDPパルプ(平均重合度850)を裁断し、1% 酸下において、110℃、60分間、加水分解処 を行い、得られた酸不溶性残渣を純水にて 過洗浄を行い、結晶性セルロースのウエッ ケークを得た。このウエットケークの固形 に対して、セルロース/キサンタンガム/デキ ストリンの比率が75/5/20(固形分質量比)となる ようにキサンタンガム、デキストリンを加え て、ニーダーにて混練・磨砕を行った。得ら れたセルロース複合体のウエットケークを80 の温水に、固形分濃度が15質量%になるよう 加え、分散させた。該分散液に、セルロー /トレハロースの比率が60/40(固形分質量比) なるようにトレハロースを加え、さらに20分 間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナ イザー(APV社製)を用いて15MPaの圧力で1パスし 磨砕処理したのち、スプレードライヤーを いて入り口温度が90~100℃、出口温度が70~80 の条件で噴霧乾燥して、易分散性セルロー 複合体αを得た。易分散性セルロース複合体 αの分散液の平均粒径は7μmであり、TI値は4.2 あった。
(製造例2)
 60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら 結晶性セルロース80質量%とカラヤガム10質 %とデキストリン10質量%からなる乾燥状態の ルロース複合体(セオラスRC-N81(商品名)、旭 成ケミカルズ(株)製)を0.5kg加えた後、デキ トリン(パインデックス#3(商品名)、松谷化学 工業(株)製)3kgを加え、さらに20分間攪拌した この分散溶解液を高圧ホモジナイザー(APV社 製)を用いて20MPaの圧力で1パスして磨砕処理 たのち、スプレードライヤーを用いて入り 温度が90~100℃、出口温度が70~80℃の条件で噴 霧乾燥して、易分散性セルロース複合体βを た。易分散性セルロース複合体βの分散液 平均粒径は9μmであり、TI値は6.0であった。
(製造例3)
 60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら 結晶性セルロース80質量%とカラヤガム10質 %とデキストリン10質量%からなる乾燥状態の ルロース複合体(セオラスRC-N81(商品名)、旭 成ケミカルズ(株)製)を1.37kg加えた後、デキ トリン(パインデックス#3(商品名)、松谷化 工業(株)製)1.13kgを加え、さらに20分間攪拌し た。この分散溶解液を高圧ホモジナイザー(AP V社製)を用いて15MPaの圧力で2パスして磨砕処 したのち、スプレードライヤーを用いて入 口温度が90~100℃、出口温度が70~80℃の条件 噴霧乾燥して、易分散性セルロース複合体γ を得た。易分散性セルロース複合体γの分散 の平均粒径は8μmであり、TI値は6.1であった
(製造例4)
 市販のDPパルプ(平均重合度850)を裁断し、1% 酸下において、110℃、60分間、加水分解処 を行い、得られた酸不溶性残渣を純水にて 過洗浄を行い、結晶性セルロースのウエッ ケークを得た。このウエットケークの固形 に対して、セルロース/カルボキシメチルセ ロースナトリウムの比率が89/11(固形分質量 )となるようにカルボキシメチルセルロース ナトリウムを加えて、ニーダーにて混練・磨 砕を行った。得られたセルロース複合体のウ エットケークを80℃の温水に、固形分濃度が1 5質量%になるように加え、分散させた。該分 液に、セルロース/デキストリンの比率が60/ 40(固形分質量比)になるようにデキストリン 加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解 液を高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて15MP aの圧力で1パスして磨砕処理したのち、スプ ードライヤーを用いて入り口温度が90~100℃ 出口温度が70~80℃の条件で噴霧乾燥して、 分散性セルロース複合体δを得た。易分散性 セルロース複合体δの分散液の平均粒径は6μm であり、TI値は8.5であった。
<顔料分散組成物の調整>
(実施例5~8及び比較例7~10)
 製造例1~4で得られた易分散性セルロース複 体及び、セルロース複合体α(セオラスRC-591( 商品名)、旭化成ケミカルズ(株)製、本発明測 定条件での平均粒径21μm、TI値2.9)、セルロー 複合体β(セオラスRC-N81(商品名)、旭化成ケ カルズ(株)製、本発明測定条件での平均粒径 38μm、TI値1.8)及び、セルロース複合体γ(特開2 006-296302(文献8)の実施例1に開示されたセルロ ス複合体の易分散安定剤、平均粒径11μm、TI 値3.9)を用いて顔料分散組成物を作成した。

 ステンレス容器に脱イオン水を入れ、そ ぞれ表2の配合組成質量比になるように各組 成を添加して、高速インペラ-攪拌機(高速デ スパーサー)で1000rpm、30分間攪拌し、顔料分 散組成物J1、J2、J3、J4、H1、H2、H3を得た。比 例8ではセルロース複合体δを、あらかじめ クセルオートホモジナイザー(日本精機株式 会社製、ED-7型)15,000rpmで5分間予備分散、その 分散液を用いて、顔料等を高速インペラ-攪 機(高速ディスパーサー)にて分散してH4を得 。


 これらの顔料分散組成物の評価を表3に示す 。


 J1~J4の顔料分散組成物は、貯蔵安定性、再 散性ともに良好であった。一方でH1~H3はいず れも顔料の沈降・分離が生じた。H3は食品分 においては十分な沈降安定性を与え得る易 散性はあるため、H1、H2よりは貯蔵安定性・ 再分散性は良好であったが、完全に保存前の 状態に戻ることはなかった。H1、H2、H3はセル ロース複合体を用いてはいるが、分散装置が 高速インペラ-攪拌機では十分に分散できな ため、機能を十分に発揮できなかった。H4で は予備分散をしているため、貯蔵安定性は、 本発明の易分散性セルロース複合体を用いた ものと同等であったが、若干、色別れ防止機 能が悪く色ムラを生じた。
(実施例9及び比較例11)
 実施例8で得られた顔料分散組成物J4を用い 、下記の組成で水性塗料組成物を作製し評 した。塗膜の評価は、硅酸カルシウム板の 験板にアプリケーターにて塗布し110℃のオ ブンで1時間乾燥して得られた塗膜について 行った。各成分の混合は、高速インペラ-攪 機で1000rpmで30分攪拌することにより行った 比較例11では顔料分散組成物J4を顔料分散組 物H1に置き換えて、他は同様の水性塗料を 製し評価した。その結果を表4に示す。

 J4又はH1(顔料分散組成物)            6 0質量部
 アクリル樹脂エマルション(合成樹脂;固形 40%) 100質量部
〔E410(旭化成ケミカルズ社製)〕
 B.B.P(可塑剤)                  2質 部
 テキサノール(造膜助剤)                 5質量部


 実施例9に比べ、比較例11は、用いた顔料分 組成物と同じく貯蔵安定性、再分散性が悪 だけではなく、塗工性等までが悪化した。
(実施例10及び比較例12)
 下記の組成で水性塗料を作製した。各成分 混合は、高速インペラ-攪拌機により1000rpm 30分攪拌した。比較例12は、実施例10の易分 性セルロース複合体γを、セルロース複合体 β(セオラスRCN-81(商品名)、旭化成ケミカルズ( 株)製、本発明測定条件での平均粒径38μm、TI 1.8)に置き換えて同様に実施した。塗膜の評 価は、得られた塗料組成物を市販の試験板に 塗布し、140℃で20分処理したものを用いて行 た。その評価結果を表5に示す。

 ポリエステル樹脂エマルション(固形分30質 %)  93質量部
 〔エリーテルKZA-1734(ユニチカ社製)〕
 顔料分散ペースト                   13質量部
 〔SF611 ホワイト(東洋インク社製)、固形分 73%〕
 硬化剤 (固形分80質量%)            15 量部
 〔ポリアミン系硬化剤(アンカマイド502)〕
 易分散性セルロース複合体γ               1質量部


 実施例10に比べ、比較例12は、用いた顔料分 散ペーストと同じく貯蔵安定性、再分散性が 悪いだけではなく、ブツが発生した。
(実施例11)
 下記配合成分を下記方法により製造してイ キを得た。

 顔料:ピンク色樹脂粒子の水分散液 8質量%
 〔SW -17(シンロイヒ社製)、固形分量42%〕
 造膜性樹脂:アクリロニトリル・ブタジエン 共重合体の水分散液60質量%
 〔Nipol LX517A(日本ゼオン社製)、固形分量40%
 尿素 18 重量%
 分散安定剤:易分散性セルロース複合体β 2 量%
 水(精製水)14質量%
 上記配合成分をタンク内に撹拌しながら順 添加し、均一になるまで、高速インペラ-攪 拌機1500rpmで混合撹拌した後に1μmのバグフィ ターで濾過することによりインキを製造し 。
(実施例12)
 下記配合成分を下記方法により製造してイ キを得た。

 顔料:橙色樹脂粒子の水分散液 4質量%
 〔SW-14(シンロイヒ社製、固形分量42%)〕
 造膜性樹脂:スチレンブタジエン共重合樹脂 の水分散体60質量%
 〔Nipol LX438C(日本ゼオン社製)、固形分量45%
 分散安定剤:易分散性セルロース複合体γ 1 量%
 尿素 15質量%
 水(精製水)20質量%
 上記配合成分を、タンク内に撹拌しながら 次添加し、均一になるまで、高速インペラ- 攪拌機1500rpmで混合撹拌した後、1μmのバグフ ルターで濾過することによりインキを製造 た。
(比較例13)
 実施例12の易分散性セルロース複合体γをセ ルロース複合体αセオラスRC-591(商品名)、旭 成ケミカルズ(株)製、本発明測定条件での平 均粒径21μm、TI値2.9)に置き換えて、他は同じ 方でインクを作成した。比較例13ではバグ ィルターに多量の残渣が生じた。以上によ 得られたインクを前述の方法で評価した。 の結果を表6に示す。


 実施例11、12は、比較例13に比べて、経時安 性、粘度経時安定性ともに優れていた。こ は比較例13ではセルロース複合体が十分に 散できずにバグフィルターに残ってしまう め機能が発現できないためである。

 本発明の組成物は、貯蔵安定性が良好で 塗料として用いた場合、スプレー塗装可能 ありタレ・ワキが少なく、ウエットオンウ ット塗装に適しているため塗料用途、特に 動車上中塗り塗料に好適に利用できる。




 
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