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Patent Searching and Data


Title:
COMPOSITION FOR PROMOTION OF REDUCTION IN SIZE OF ADIPOCYTE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/005115
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition which can inhibit the accumulation of a fat in an adipocyte to thereby prevent the hypertrophy of the adipocyte, has no concern about adverse side effects, is highly safe, can be ingested in a simple manner, and can be ingested continuously over a long period. Specifically disclosed are: a composition for inhibiting the accumulation of a fat in an adipocyte; a composition for promoting the reduction in the size of an adipocyte; a composition for inhibiting the differentiation of an adipocyte; and a composition for preventing and/or ameliorating obesity and/or metabolic syndrome, each of which comprises at least one plant selected from a plant belonging to the family Compositae, the genus Tragopogon and a plant belonging to the family Compositae, the genus Scorzonera or an extract from the plant as an active ingredient.

Inventors:
HIRAMOTO SHIGERU (JP)
SASAKI SATOMI (JP)
MAEJIMA KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062044
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
July 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NISSHIN PHARMA INC (JP)
NIPPON SHINYAKU CO LTD (JP)
HIRAMOTO SHIGERU (JP)
SASAKI SATOMI (JP)
MAEJIMA KAZUHIRO (JP)
International Classes:
A61K36/28; A23L1/30; A61K8/97; A61P3/00; A61P3/04; A61Q19/06
Other References:
DATABASE CAPLUS [online] Database accession no. (2007:317226)
DATABASE CAPLUS [online] DUMONT J.: "Diet in diabetes", accession no. STN Database accession no. (1922:24932)
Attorney, Agent or Firm:
HIRAKI, Yusuke et al. (3-20 Toranomon 4-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する植物から選択される少なくとも1種の植物、または該植物の抽出物を含有することを特徴とする、脂肪細胞の小型化促進用組成物。
 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する植物から選択される少なくとも1種の植物、または該植物の抽出物を含有することを特徴とする、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制用組成物。
 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する植物から選択される少なくとも1種の植物、または該植物の抽出物を含有することを特徴とする、脂肪細胞の分化抑制用組成物。
 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する植物から選択される少なくとも1種の植物、または該植物の抽出物を含有することを特徴とする、肥満を予防および/または改善するための組成物。
 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する植物から選択される少なくとも1種の植物、または該植物の抽出物を含有することを特徴とする、メタボリックシンドロームを予防および/または改善するための組成物。
 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する植物が、バラモンジン(Tragopogon porrifolius L)およびキバナムギナデシコ(Tragopogon pratensis L.)から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
 キク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する植物が、キクゴボウ(Scorzonera hispanica L.)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
Description:
脂肪細胞の小型化促進用組成物

 本発明は、脂肪細胞の小型化促進用組成 、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制用組成物、脂肪 胞の分化抑制用組成物、ならびに肥満およ メタボリックシンドロームを予防および/ま たは改善するための組成物に関する。

 近年、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾 の発症に関連する、インスリン抵抗性、高 血症、高血圧などの病態の上流に、内臓脂 の蓄積が大きく関与することが指摘されて る。

 脂肪細胞が脂肪を蓄積すると、細胞が肥 化するとともに、当該細胞が分泌するアデ ポサイトカインが変化し、インスリン抵抗 を改善するアディポネクチンの分泌量が低 し、逆にインスリン抵抗性を惹起するTNF-α 脂肪酸の分泌量が増加する。インスリン抵 性が亢進すると、耐糖能異常、脂質代謝異 、血圧異常などを合併し、メタボリックシ ドロームへ進展するといわれている。さら 、そのまま放置しておくと、糖尿病や動脈 化へと進展するといわれている。なお、メ ボリックシンドロームとは、単なる内蔵脂 型肥満をさすこともあるが、内臓脂肪の過 蓄積に加えて、高トリグリセリド血症、低H DLコレステロール血症、高血圧および高血糖 うちいずれか2つ以上を伴った症状と定義さ れる。

 したがって、メタボリックシンドローム 、その後発症し得る糖尿病、高血圧、高脂 症、動脈硬化などの疾患を予防および改善 るためには、アディポネクチンを正常に分 し、TNF-αや脂肪酸を過剰分泌しないような 型脂肪細胞の比率を増やすことが重要であ 。医薬品である抗糖尿病薬や高脂血症治療 は強い小型脂肪細胞の増加作用を有してい が、これらの医薬品には強い副作用があり 継続的な使用には問題がある。そのため、 大した脂肪細胞を減らし、小型の脂肪細胞 増加させるような作用を有する素材を、日 簡便に、安全な食品として摂取することが 要と考えられる。

 食品素材としてそのような観点から研究 れた例として、コショウ科コショウ属に属 る南米原産の植物マティコの抽出物が、前 脂肪細胞から脂肪細胞への分化促進作用お び肥大化脂肪細胞から小型脂肪細胞への分 促進作用を有することが報告されている(特 許文献1)。また、これまで、種々の物質を有 成分とする痩身剤や糖代謝改善剤などが開 されている。例えば、キク科の植物にα-グ コシダーゼ阻害作用があることが報告され これらを含有する抗肥満剤が提案されてい (特許文献2)。

 しかしながら、これらの成分の作用は、 肪の燃焼や糖質の吸収抑制に関するもので り、腸間膜を中心とした内臓脂肪において 脂肪細胞が肥大化してアディポサイトカイ 分泌が変化することを直接的に抑制するも ではないため、メタボリックシンドローム 改善しないか、改善するとしても長期間を し、継続が非常に困難であるなどの問題が る。

 したがって、脂肪細胞への分化を抑制し、 型脂肪細胞が脂肪を蓄積して肥大化脂肪細 になるのを抑制し得る組成物に対する要望 高い。そして、かかる組成物は、副作用の 配がなく安全性が高い上に、簡便に摂取可 かつ長期間の継続的摂取が容易であること 望ましい。

特開2006-28049号公報

特開2000-229875号公報

 本発明は、脂肪細胞が脂肪を蓄積して肥 化するのを抑制でき、かつ副作用の心配が く安全性が高い上に、簡便に摂取可能かつ 期間の継続的摂取が容易である組成物を提 することを課題とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究を重ねた結果、キク科バラモンジン属 属する植物やキク科フタナミソウ属に属す 植物が、優れた脂肪細胞の脂肪蓄積抑制作 、脂肪細胞の小型化促進作用および脂肪細 の脂肪滴小型化作用を兼ね備えることを見 し、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は以下の発明を包含す 。

(1)キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に 属する植物から選択される少なくとも1種の 物、または該植物の抽出物を含有すること 特徴とする、脂肪細胞の小型化促進用組成 。

(2)キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に 属する植物から選択される少なくとも1種の 物、または該植物の抽出物を含有すること 特徴とする、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制用組 物。

(3)キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に 属する植物から選択される少なくとも1種の 物、または該植物の抽出物を含有すること 特徴とする、脂肪細胞の分化抑制用組成物

(4)キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に 属する植物から選択される少なくとも1種の 物、または該植物の抽出物を含有すること 特徴とする、肥満を予防および/または改善 るための組成物。

(5)キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 植物およびキク科フタナミソウ属(Scorzonera)に 属する植物から選択される少なくとも1種の 物、または該植物の抽出物を含有すること 特徴とする、メタボリックシンドロームを 防および/または改善するための組成物。

(6)キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 植物が、バラモンジン(Tragopogon porrifolius L) よびキバナムギナデシコ(Tragopogon pratensis L. )から選択される、(1)~(5)のいずれかに記載の 成物。

(7)キク科フタナミソウ属(Scorzonera)に属する 植物が、キクゴボウ(Scorzonera hispanica L.)であ る、(1)~(6)のいずれかに記載の組成物。

 本発明により、脂肪細胞が脂肪を蓄積し 肥大化するのを抑制でき、かつ副作用の心 がなく安全性が高い上に、簡便に摂取可能 つ長期間の継続的摂取が容易である組成物 提供することができる。

 本明細書は、本願の優先権の基礎である 願2007-175339号の特許請求の範囲および明細 に記載された内容を包含する。

 本発明は、キク科バラモンジン属(Tragopogo n)に属する植物およびキク科フタナミソウ属( Scorzonera)に属する植物から選択される少なく も1種の植物、またはその抽出物を有効成分 として含む、脂肪細胞の小型化促進用組成物 、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制用組成物、脂肪細 胞の分化抑制用組成物、ならびに肥満および /またはメタボリックシンドロームを予防お び/または改善するための組成物に関する。 下、これらをまとめて本発明の組成物とし 記載する。

 キク科バラモンジン属(Tragopogon)に属する 物としては、例えば、バラモンジン(Tragopogo n porrifolius L;別名、サルシファイ、セイヨウ ゴボウ、ムギナデシコとも呼ばれる)、キバ ムギナデシコ(Tragopogon pratensis L.;別名、バ モンギク、キバナノバラモンジンとも呼ば る)、トラゴポゴン・ドゥビウス(Tragopogon dub ius Scop.)およびトラゴポゴン・オリエンタリ (Tragopogon orientalis L)を挙げることができる これらの中で、バラモンジンおよびキバナ ギナデシコが好ましい。

 キク科フタナミソウ属に属する植物とし は、例えば、キクゴボウ(Scorzonera hispanica L .;別名、キバナバラモンジン、ブラックサル ファイとも呼ばれる)、フタナミソウ(Scorzone ra rebunensis Tatew. et Kitam.)、ヤナギババラモ ジン(Scorzonera albicaulis Bunge)、スコルゾネラ ・デリシオサ(Scorzonera deliciosa DC.)、スコル ネラ・モリス(Scorzonera mollis Bieb.)およびス ルゾネラ・タウサギス(Scorzonera tau-saghyz Lips ch. et Bosse)を挙げることができる。これらの 中で、キクゴボウが好ましい。

 本発明の組成物の調製には、上記のうち 1種の植物を用いてもよく、同じ属に属する 複数種の植物を用いてもよく、異なる属に属 する複数種の植物を用いてもよい。植物は、 全植物体でもよく、花、花柄、茎および葉な どの地上部、ならびに種子および根など地下 部など各部位でもよい。これらの各部位は、 単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ 用いてもよい。植物は、植物の破砕物、小 に切断したもの、乾燥物、乾燥させた後で 砕や粉砕したものなどの植物処理物でもよ 。また、植物の抽出物を用いることもでき 。好ましくは、植物の地上部の抽出物を用 る。本発明の組成物は、植物と植物抽出物 双方を含んでいてもよい。

 以下、本発明に用いられるキク科バラモ ジン属に属する植物およびキク科フタナミ ウ属に属する植物の抽出物の製造方法につ て詳細に説明する。

 抽出に用いる溶媒は特に制限されないが 好ましくは有機溶媒、具体的には、室温で 体であるアルコール、例えば、メタノール エタノール、n-プロパノール、イソプロパ ール、n-ブタノール等の低級アルコール、お よび1,3-ブチレングリコール、プロピレング コール、グリセリン等の多価アルコールな ;ジエチルエーテル、プロピルエーテル等の ーテル;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステ ル;アセトン、エチルメチルケトン等のケト ;ヘキサン;ならびにクロロホルム等を挙げる ことができる。これらを単独で用いてもよい し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 記の有機溶媒の中で、操作性や環境への影 の点から、例えば、炭素原子数1~4の低級ア コールが好ましく、残留溶媒による安全性 観点からはエタノールがより好ましい。

 抽出に用いる溶媒として、有機溶媒にさ に水性成分が含まれている含水有機溶媒を いてもよい。抽出効率を高く保持する観点 らは、上記含水有機溶媒中の水性成分の含 量は、通常80体積%以下、好ましくは65体積% 下、より好ましくは50体積%以下である。含 有機溶媒としては、好ましくは上記のよう アルコールにさらに水性成分が含まれてい 含水アルコール、より好ましくは含水エタ ールを挙げることができる。

 抽出操作は、植物、例えば、葉や茎など 地上部をそのまま、またはその処理物、例 ば、小片に切断したもの、乾燥物、乾燥し 水や熱水を用いて戻したもの、破砕または 砕などの処理により粉末化したものなどを 上述した抽出溶媒と一緒に用いて行うこと できる。具体的な抽出方法としては、植物 たは上記のような植物処理物を、常圧また 加圧下で、室温または加温した溶媒中に加 、浸漬および攪拌しながら抽出する方法、 媒中で還流しながら抽出する方法などが挙 られる。また、二酸化炭素などを用いる超 界流体抽出法により抽出操作を実施するこ もできる。

 ついで、抽出液および残渣を含む混合物 、必要に応じて濾過または遠心分離などに し、残渣である固形成分を除去して抽出液 得る。なお、除去した固形成分を再度、抽 操作に供することもでき、さらにこの操作 何回か繰り返してもよい。

 このようにして得られた抽出液をそのま 抽出物として用いてもよく、さらに必要に じて、乾燥して粉末化したものを、抽出物 して用いてもよい。

 抽出液を乾燥する具体的な方法は、抽出 に含まれる有効成分が変性や熱分解を起こ ない条件下で行いうるのであれば、どのよ な方法でもよく、例えば、濾過、遠心分離 遠心濾過、濃縮、エバポレーション、スプ ードライ、スプレークール、ドラムドライ 真空乾燥、凍結乾燥等の方法が挙げられ、 要に応じて賦形剤を添加して乾燥を行って よい。これらの方法は、単独でまたは組み わせて採用することができる。

 さらにこの粗抽出物を分配クロマトグラ ィー、薄層クロマトグラフィー、カラムク マトグラフィー、HPLCなどの各種クロマトグ ラフィーなどで段階的に精製して得られる精 製物を用いることもできる。

 脂肪細胞は、組織間に散在するか、また 疎性結合組織の一つとして毛細血管の走行 沿う集団として脂肪組織を形成する多量の 肪を含む細胞をさし、主に褐色脂肪細胞と 色脂肪細胞に分類され、好ましくは白色脂 細胞をさす。

 本発明において、脂肪細胞の小型化促進 用とは、主として、脂肪細胞の肥大化を抑 する作用および/または肥大化脂肪細胞を減 少させる作用をさす。脂肪細胞の小型化とは 、後述する試験例1の培養条件で、0.1%DMSOを用 いて培養した3T3-L1細胞(マウス線維芽細胞)由 の脂肪細胞に比べて、細胞の大きさ(直径) 平均値が85%以下、好ましくは80%以下である 合をさす。

 脂肪細胞の小型化促進作用は、培養脂肪 胞を用いて、両親媒性の溶媒であるDMSOに被 験物質を溶解して細胞培養液に添加した場合 と、被験物質を含まないDMSOを細胞培養液に 加した場合の間において、培養脂肪細胞の きさを比較することにより評価することが きる。また、脂肪細胞の小型化促進作用は 脂肪細胞の分化抑制作用や、脂肪細胞内の 肪滴の小型化を見ることによっても評価す ことができる。脂肪細胞の分化抑制作用の 価方法や脂肪細胞内の脂肪滴の小型化の評 方法については、後述する。

 脂肪細胞の脂肪蓄積が抑制されると、脂 細胞が小型化してアディポネクチン分泌が 進される上に、脂肪細胞からの脂肪酸分泌 低下するため、肥満、脂肪蓄積、メタボリ クシンドローム、高脂血症、動脈硬化に対 て、改善効果が得られる。

 本発明において、脂肪細胞の脂肪蓄積抑 作用とは、主として脂肪細胞が脂肪を細胞 器官である脂肪滴に蓄積して肥大化するの 抑制する作用をさす。脂肪細胞の脂肪蓄積 抑制することにより、肥大化脂肪細胞を減 し、小型脂肪細胞の数、または肥大化脂肪 胞数に対する小型脂肪細胞の比率を増加さ ることができる。脂肪細胞の脂肪蓄積抑制 用は、換言すれば、脂肪細胞の肥大化抑制 用、または脂肪細胞の小型化促進作用であ 。

 脂肪細胞における脂肪蓄積抑制作用は、 肪細胞の脂肪含量を測定することにより評 することができる。脂肪細胞の脂肪含量を 定する方法としては、脂肪細胞を顕微鏡で 察し、個々の細胞の細胞質に脂肪が蓄積さ て生ずる脂肪滴の多少を目視で判断する方 、脂肪滴の大きさ(直径)と数を測定する方 、細胞内脂質を抽出しトリグリセリドを測 する方法、細胞内の脂肪を酵素分解し生じ グリセロールを定量することにより脂肪含 を測定する方法、または脂肪細胞をオイル ッドOで染色した後、細胞を溶解し、溶解液 のオイルレッドOの量を分光光度計等で定量 することにより該細胞の脂肪含量を測定する 方法など公知の方法を挙げることができる。

 一実施形態において本発明における脂肪 胞の脂肪蓄積抑制作用および脂肪細胞の小 化促進作用は、脂肪細胞に含まれる脂肪滴 肥大化を抑制すること、換言すれば脂肪細 の脂肪滴を小型化することに基づくもので る。従って、本発明の組成物は、脂肪細胞 脂肪滴小型化用組成物として用いることも きる。脂肪細胞の脂肪滴小型化とは、例え 、後述する試験例1の培養条件で、脂肪細胞 に含まれる脂肪滴の大きさ(直径)の平均値が 0.1%DMSOを用いて培養した3T3-L1細胞(マウス線 芽細胞)由来の脂肪細胞に比べて、60%以下、 好ましくは55%以下である場合をさす。

 脂肪細胞の脂肪滴小型化作用は、培養脂 細胞を用いて、両親媒性の溶媒であるDMSOに 被験物質を溶解して細胞培養液に添加した場 合と、被験物質を含まないDMSOだけを細胞培 液に添加した場合において、培養脂肪細胞 の脂肪滴の大きさを比較することにより評 することができる。また、脂肪細胞の脂肪 小型化作用は、脂肪細胞の分化を抑制する 用を見ることによっても評価することがで る。脂肪細胞の分化抑制作用の評価方法に いては、後述する。

 一実施形態において本発明における脂肪 胞の脂肪蓄積抑制作用および脂肪細胞の小 化促進作用は、脂肪細胞の分化抑制に基づ ものである。従って、本発明の組成物は、 肪細胞の分化抑制用組成物として用いるこ もできる。脂肪細胞の分化抑制とは、未分 の脂肪細胞(前駆脂肪細胞)の脂肪細胞、す わち成熟脂肪細胞への分化を抑制すること さす。脂肪細胞は間葉系細胞から発生し、 肪前駆細胞から分化誘導されて形成される そして、脂肪細胞に脂肪が蓄積されること より脂肪細胞が肥大化する。従って、脂肪 胞の分化を抑制することは、脂肪細胞の脂 蓄積抑制および脂肪細胞の肥大化の抑制に ながる。

 脂肪細胞の分化抑制は、細胞分化マーカー あるGPDH(グリセロール-3-リン酸脱水素酵素) 性を測定することにより評価することがで る。また、酢酸( 14 C-CH 3 COOH)の取り込み活性、グルコース( 14 C-2-デオキシグルコース)取り込み活性を測定 る方法で評価することもできる。mRNAレベル の検出においては、aP2遺伝子をはじめとした 脂肪細胞分化マーカーの検出を行うことによ っても評価することが可能である。

 本発明の組成物は、脂肪細胞に含まれる 肪滴を小型化し、脂肪細胞が脂肪を蓄積し 肥大化するのを抑制し、小型脂肪細胞の比 を増加させるため、脂肪細胞の過剰な脂肪 積に起因する疾患もしくは症状、および脂 細胞の肥大化に起因する疾患もしくは症状 、予防および/または改善するために用いる ことができる。

 脂肪細胞の過剰な脂肪蓄積に起因する疾 もしくは症状、および脂肪細胞の肥大化に 因する疾患もしくは症状は、換言すれば、 肪細胞の脂肪蓄積抑制、脂肪細胞の小型化 脂肪細胞の脂肪滴小型化および/または脂肪 細胞の分化抑制により予防および/または改 することができる疾患または症状である。

 脂肪細胞の過剰な脂肪蓄積に起因する疾 もしくは症状、および脂肪細胞の肥大化に 因する疾患もしくは症状の具体例として、 満(特に脂質代謝異常を伴う肥満)、メタボ ックシンドローム(特に脂質代謝異常を伴う タボリックシンドローム)、内臓脂肪の蓄積 、高脂血症、高トリグリセリド血症、高血圧 、冠動脈疾患、閉塞性動脈硬化、脂肪肝、蜂 巣炎、脂質代謝異常、脂質蓄積症が挙げられ るが、これらに限定されない。本発明の組成 物は、脂肪細胞の脂肪蓄積を抑制し、脂肪細 胞の肥大化を直接的に抑制するため、肥満の 病態の上流に位置する脂肪細胞に直接作用す るものであり、これらの疾患に対して特に有 効である。従って、本発明の組成物は、上記 疾患または症状のうち、特に、血糖値に関連 しない疾患または症状、糖質吸収に関連しな い疾患または症状、ならびにα-グルコシダー ゼ活性に関連しない疾患または症状の予防お よび/または改善に特に好適に用いられる。 糖値に関連する疾患または症状、糖質吸収 関連する疾患または症状、ならびにα-グル シダーゼ活性に関連する疾患または症状と ては、例えば、過(高)血糖に由来する肥満、 耐糖能異常を伴う肥満、2型糖尿病、脂肪肝 高血圧、糖尿病を伴う肥満、食後高血糖等 挙げられることから、本発明の組成物は、 れらの疾患または症状を除く、脂肪細胞の 剰な脂肪蓄積に起因する疾患もしくは症状 および脂肪細胞の肥大化に起因する疾患も くは症状の予防および/または改善に好適に いられる。また、脂肪細胞の過剰な脂肪蓄 に起因する疾患もしくは症状、および脂肪 胞の肥大化に起因する疾患もしくは症状の ち、血糖値、糖質吸収またはα-グルコシダ ゼ活性に関連しない疾患もしくは症状とし 、例えば、脂肪細胞の量的異常による肥満 脂質代謝異常による肥満、脂質代謝異常を う高トリグリセリド血症、脂質代謝異常を う高コレステロール血症、脂質代謝異常を う低HDLコレステロール血症、高トリグリセ ド血症を伴うメタボリックシンドローム、 コレステロール血症を伴うメタボリックシ ドローム、低HDLコレステロール血症を伴う タボリックシンドローム、肥満に伴う脂質 謝異常、肥満に伴う高血圧、脂肪細胞の量 異常による肥満症に伴う睡眠時無呼吸症候 、脂肪細胞の量的異常による肥満症に伴う 関節疾患、脂肪細胞の量的異常による肥満 に伴う月経異常等が挙げられることから、 発明の組成物は、これらの疾患または症状 予防および/または改善に特に好適に用いら れる。

 本発明において疾患または症状の予防に 、発症を抑えることおよび遅延させること 含まれ、再発に対する予防も含まれる。本 明において疾患または症状の改善には、治 することおよび進行を抑えることが含まれ 。

 本発明の組成物は、前記植物抽出物の乾 質量を基準として、通常、成人1日当たり0.0 1~50gの範囲内、好ましくは0.05~20gの範囲内、 らに好ましくは0.1~10gの範囲内で摂取される 植物抽出物は安全性の高いものであるため その摂取量をさらに増やすこともできる。1 日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよい 、数回に分けて摂取してもよい。

 本発明の組成物の投与対象は、好ましく 、哺乳動物である。本明細書において哺乳 物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒト よびサルなどの霊長類、マウス、ラットお びウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコな の愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブ などの家畜が挙げられる。本発明の組成物 、霊長類、特にヒトへの投与に好適である

 本発明の組成物は、特に制限されないが 例えば、医薬組成物、食品組成物および化 料組成物として調製することができる。

 本発明の組成物を医薬組成物として調製 る場合は、上記植物、その処理物または抽 物をそのまま単独で医薬組成物としてもよ が、通常、上記植物、その処理物または抽 物と好ましくは薬学的に許容される担体と 含む製剤として調製する。医薬組成物は、 口により、非経口により、例えば、皮膚に 皮下に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、 腔内に、および鼻腔内に投与される。本発 の効果を阻害しない限り、添加剤や、他の 知の脂肪細胞分化抑制剤、脂肪細胞分化促 剤および脂肪蓄積抑制剤などを配合しても い。

 本発明の組成物を医薬組成物として調製 る場合の剤型としては、例えば、錠剤、カ セル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、ドラ シロップ剤、液剤、懸濁剤などの経口剤、 入剤、坐剤などの経腸製剤、軟膏、クリー 剤、ゲル剤、貼付剤などの皮膚外用剤、点 剤、注射剤などが挙げられる。これらのう では、経口剤が好ましい。

 このような剤型の医薬組成物は、有効成 である植物、その処理物または抽出物に、 用される添加剤、例えば、賦形剤、崩壊剤 結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール 水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味 等を剤型に応じて配合し、常法に従って製 することができる。なお、液剤、懸濁剤等 液体製剤は、服用直前に水または他の適当 媒体に溶解または懸濁する形であってもよ 、また錠剤、顆粒剤の場合には周知の方法 その表面をコーティングしてもよい。

 医薬組成物における有効成分の含有量は その剤型により異なるが、植物抽出物を基 として、乾燥質量に基づいて、通常、0.001~9 9質量%の範囲内、好ましくは0.01~80質量%の範 内であり、上述した成人1日当たりの摂取量 達成できるよう、1日当たりの投与量が管理 できる形にすることが望ましい。

 本発明の組成物を食品組成物として調製 る場合、その形態は特に制限されず、飲料 包含される。健康食品、機能性食品および 定保健用食品も包含される。健康食品、機 性食品および特定保健用食品は、具体的に 、細粒剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル 、チュアブル錠、粉剤、ドリンク剤、シロ プ剤、液剤、経管経腸栄養剤などの流動食 の各種製剤形態とすることができる。製剤 態の食品組成物は、医薬製剤と同様に製造 ることができ、例えば、適当な賦形剤(例え ば、でん粉、加工でん粉、乳糖、ブドウ糖、 水等)を加えた後、慣用の手段を用いて製造 ることができる。さらに、食品組成物は、 茶、ウーロン茶、紅茶などの茶飲料、清涼 料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、乳飲料、 酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、発酵乳飲 、粉末飲料、ココア飲料、精製水などの飲 ;バター、ジャム、ふりかけ、マーガリンな のスプレッド類;マヨネーズ、ショートニン グ、カスタードクリーム、ドレッシング類、 パン類、米飯類、麺類、パスタ、味噌汁、豆 腐、牛乳、ヨーグルト、スープまたはソース 類、菓子(例えば、ビスケット、クッキー、 ョコレート、キャンディ、ケーキ、アイス リーム、チューインガム、タブレット)など して調製してもよい。

 食品組成物には、さらに、食品や飼料の 造に用いられる他の食品素材、各種栄養素 各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、各種 脂、食物繊維、種々の添加剤(例えば、呈味 成分、甘味料、有機酸等の酸味料、界面活性 剤、pH調整剤、安定剤、酸化防止剤、色素、 レーバー)などを配合してよい。

 食品組成物における有効成分の含有量は 食品の形態により異なるが、植物抽出物を 準として、乾燥質量に基づいて、通常、0.00 1~80質量%の範囲内、好ましくは0.01~50質量%の 囲内、より好ましくは20~50質量%の範囲内で る。1日当たりの摂取量は、1回で摂取しても よいが、数回に分けて摂取してもよい。上述 した、成人1日当たりの摂取量を達成できる う、1日当たりの摂取量が管理できる形にす のが好ましい。

 食品組成物は、ヒト用に限られず、家畜 よび競走馬などの飼料、ペットフードなど 包含する。飼料は、対象が動物であること 除いて、食品とほぼ等しいことから、上記 品に関する記載は、飼料についても同様に てはめることができる。

 本発明の組成物は、安全性が高いため、 粧料組成物として調製することもできる。 発明に係る化粧料組成物は、継続的に適用 ることができ、特に、蜂巣炎を予防および/ または改善するために有効である。

 本発明の組成物を化粧料組成物として調 する場合、その形態は特に制限されず、溶 、乳液、粉末、水-油二層系、水-油-粉末三 系、ゲル、エアゾール、ミストおよびカプ ル等任意の形態とすることができる。また 化粧料組成物の製品形態も任意であり、例 ば、フェイス用およびボディ用の乳液、化 液、クリーム、ローション、エッセンス、 ックおよびシート;ファンデーション、おし ろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライ ナー、マスカラおよびサンスクリーン等のメ ーキャップ用化粧料;メーク落とし、洗顔料 よびボディーシャンプー等の皮膚洗浄料;ヘ ーリンスおよびシャンプー等の毛髪化粧料; 浴用剤、軟膏、医薬部外品、あぶら取り紙、 芳香化粧料等が挙げられる。

 化粧料組成物は、化粧品、医薬部外品お び医薬品等に慣用される他の成分、例えば 粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭 水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エス ル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カ オン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオ 界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘 、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖 、低級アルコール、多価アルコール、糖、 ミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防 剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応 て配合し、常法により製造することができ 。

 化粧料組成物における有効成分の含有量 、その形態により異なるが、植物抽出物を 準として、乾燥質量に基づいて、通常、0.00 1~80質量%の範囲内、好ましくは0.01~50質量%の 囲内である。

 さらに本発明の組成物には、他の機能性 分として、上記したもの以外に、例えば、 役リノール酸、タウリン、グルタチオン、 ルニチン、クレアチン、コエンザイムQ、グ ルクロン酸、グルクロノラクトン、トウガラ シエキス、ショウガエキス、カカオエキス、 ガラナエキス、ガルシニアエキス、テアニン 、γ-アミノ酪酸、カプサイシン、カプシエイ ト、各種有機酸、フラボノイド類、ポリフェ ノール類、カテキン類、キサンチン誘導体、 フラクトオリゴ糖などの難消化性オリゴ糖、 ポリビニルピロリドン等を配合してもよい。 これら機能性成分の配合量は、成分の種類と 所望すべき摂取量に応じて適宜決められるが 、本発明の組成物中、通常、0.01~70質量%の範 内であり、好ましくは0.1~50質量%の範囲内で ある。

 本発明によれば、脂肪細胞が肥大化して インスリン抵抗性を惹起するTNF-αや脂肪酸 どを過剰に分泌することを抑制し、小型脂 細胞の比率を増加させることにより、イン リン抵抗性を改善するアディポネクチンの 泌を増加させることができる。そして、肥 、脂肪蓄積またはメタボリックシンドロー に対し、優れた予防または改善作用が期待 きる。さらに、本発明の組成物は、副作用 心配がなく安全性が高い上に、風味がよく 便に摂取可能で長期間の継続的摂取が容易 ある。

 以下、実施例に基づいて本発明をさらに 体的に説明するが、本発明はこれらの実施 に限定されるものではない。

実施例1~8 メタノールを用いた植 抽出物の調製
 表1に示す植物の各部位をとりわけ、水を用 いて洗浄した後、風乾した。さらに60℃の高 で乾燥させた後、ハンマーミルを用いて粉 した。1kgの粉砕物を10Lのガラス容器に入れ 粉砕物乾燥質量の5倍量(w/w)のメタノールを えて1週間、時々攪拌しながら抽出した。抽 出後に固形分を濾過により除去し、液体分を 濃縮乾燥してそれぞれ、88g~175gの植物抽出物 得た。

 なお、実施例3、11のバラモンジンと実施 4、12のバラモンジンは、植物としては同一 あるが、産地が異なるものである。

実施例9~16 80%エタノールを用いた 植物抽出物の調製
 表1に示す植物の各部位をとりわけ、水を用 いて洗浄した後、風乾した。さらに60℃の高 で乾燥させた後、ハンマーミルを用いて粉 した。1kgの粉砕物を10Lのガラス容器に入れ 粉砕物乾燥質量の8倍量(w/w)の水:エタノール =20:80(v/v)溶液を加えて48時間、振とうしなが 抽出した。抽出後に固形分を濾過により除 し、液体分を濃縮乾燥してそれぞれ112g~330g 植物抽出物を得た。

比較例1~2 メタノールを用いたキ 科植物抽出物の調製
 表2に示す植物の全草を、水を用いて洗浄し た後、風乾した。さらに60℃の高温で乾燥さ た後、ハンマーミルを用いて粉砕した。1kg 粉砕物を10Lのガラス容器に入れ、粉砕物乾 質量の5倍量(w/w)のメタノールを加えて1週間 、時々攪拌しながら抽出した。抽出後に固形 分を濾過により除去し、液体分を濃縮乾燥し てそれぞれの植物抽出物を得た。

試験例1 脂肪細胞の観察
(1)脂肪細胞への分化・培養
 3T3-L1細胞(マウス、繊維芽様細胞)を、24ウェ ルプレートに播種し、分化誘導培地(0.5mM 1- チル-3-イソブチルキサンチン、0.25μM デキ メタゾン、10μg/mL インスリンを含む10%FCS添 DMEM培地)で2日間培養し、脂肪細胞に分化誘 した。その後、成熟促進培地(5μg/mL インス リンを含む10%FCS添加DMEM培地)に変えて7日間培 養した。この際、上記分化誘導培地および成 熟促進培地に、実施例4、6または8および比較 例1または2の植物抽出物を10μg/mLの濃度で添 した。

(2)オイルレッドO染色液の調製
 脂肪細胞の脂肪滴は、オイルレッドO染色液 により染色し、測定した。オイルレッドO染 液原液は、オイルレッドO染色液粉末0.5gを2- ロパノール100mLに溶解し、3,000rpmで5分程度 心し、上清を0.5~1.0μmのシリンジフィルター 濾過することにより調製した。オイルレッ O染色液は、測定時にこの原液6mLに水4mLを加 え、1時間静置後、0.5~1.0μmのシリンジフィル ーで濾過して使用した。

(3)脂肪細胞の測定
 合計9日間の培養終了後、24ウェルプレート ら培養液を除去し、10%ホルマリン溶液500μL 添加して、4℃ 1時間で細胞をウェル上に固 定した。ホルマリン除去後、PBS(-)で洗浄し、 オイルレッドO染色液300μLをウェルに添加し 室温で30分間静置して細胞内の脂肪を染色し た。染色液除去後、PBS(-)で洗浄し、各実施例 および対照群について同じ倍率で顕微鏡写真 を撮影した。顕微鏡写真の一定範囲内におい て、脂肪細胞5個を選択し、細胞の直径の平 を測定した。さらに上記範囲内の脂肪細胞 の脂肪滴数および、脂肪細胞内の脂肪滴の 径の平均を測定した。また、脂肪含量を、 肪滴数に脂肪滴直径を三乗することにより 出した。結果は、植物抽出物を添加せず培 した対照群を100%としたときの相対値で表3に 示す。

 表3の結果から、本発明の組成物は、比較 例および対照群(100%)に比べて脂肪細胞を小型 化し、脂肪細胞内の脂肪滴の大きさを小型化 することがわかる。また、本発明の組成物は 、脂肪滴数を増加させるが、それ以上に脂肪 滴を小型化するため、結果として脂肪蓄積を 抑制することがわかる。

試験例2 分化抑制作用の測定
(1)脂肪細胞への分化・培養
 試験例1と同様にして24ウェルプレートを用 て3T3-L1細胞を培養した。この際、分化誘導 地および成熟促進培地に、実施例3~8の植物 出物を1μg/mL、10μg/mLまたは100μg/mLとなるよ に添加した。培養終了後、GPDH(グリセロー -3-リン酸脱水素酵素)活性の測定を、GPDH測定 キット(株式会社ホクドー製)を用いて行った 対照群として、植物抽出物を添加しない培 で培養したものを使用した。

(2)GPDH活性の測定
 培養終了後、ウェルを0.5mLのPBS(-)で3回洗浄 、その後、酵素抽出液を0.5mL加え、ピペッ ィングにより、細胞をウェル底から剥がし 。ついで、剥がした細胞をサンプリングチ ーブに酵素抽出液ごと入れ、このサンプリ グチューブを液体窒素に数分間浸し、内容 を凍結させた。その後、このサンプリング ューブを37℃に設定したウォーターバスに浸 し、内容物を融解させた。この凍結融解を計 3回繰り返して行い、細胞を破砕させ、得ら た破砕液を15,000G、4℃で、5分間、遠心分離 、上清を回収した。回収した上清を検体と て用いた。

 反応基質溶液100μLを96ウェルプレートに れ、25℃で約5分間加温した。ついで、この96 ウェルプレートに上記検体50μLを入れ、かる 撹拌した後、340nmでの吸光度の減少を経時 に(1分置きに10分間)測定し、1分間当たりの 光度の変化量を求めた。

 求めた吸光度の変化量を、下記式に当て めGPDH活性を決定した。

[数1]
GPDH活性(U/mL)=δO.D.(340nm)/分×0.482
 式中δO.D.(340nm)/分は、340nmでの1分間当たり 吸光度の変化量(減少量)を示す。

 結果を、対照群を100%としたときの相対値で 表4に示す。

 表4の結果から、本発明の組成物が、対照 群(100%)に比べてGPDH活性を抑制し、細胞分化 制活性を有することがわかる。

試験例3 脂肪蓄積抑制活性の測定
(1)脂肪細胞への分化・培養
 試験例1と同様にして96ウェルプレートを用 て3T3-L1細胞を培養した。ただし、成熟促進 地で5日間培養した。この際、分化誘導培地 および成熟促進培地に、実施例1~8および比較 例1~2の植物抽出物を10μg/mLまたは100μg/mLの濃 で添加して、培養終了後、細胞中に蓄積さ ている脂肪量の測定を行った。対照群とし 、植物抽出物を添加しない培地で培養した のを使用した。

(2)脂肪量の測定
 合計7日間の培養終了後、96ウェルプレート ら培養液を除去し、50μLのPBS(-)で3回洗浄し 水気をよく切ったあと、100μLの2-プロパノ ルを各ウェルに加えた。20分間プレートシェ ーカーで振とうし、中性脂肪を抽出した(ト グリセライド抽出液)。トリグリセライド測 キット(トリグリセライド E-テストワコー: 光純薬工業株式会社製)の発色試薬を200μLず つ別の96ウェルプレートに入れておき、ここ トリグリセライド抽出液をそれぞれ40μLず 添加し、37℃のウォーターバスで1時間発色 せた後、プレートリーダーを用いて吸光度 測定した(600nm~700nm)。

 結果を、対照群の中性脂肪量を100%としたと きの相対値で表5に示す。

 表5の結果から、本発明組成物は、対照群 (100%)に比べて脂肪細胞の脂肪量を低下させる ことがわかる。

実施例17 錠剤の製造
 実施例4で得られた植物抽出物20g、結晶セル ロース(旭化成)73.8gおよびポリビニルピロリ ン(BASF)5gを混合し、これにエタノール30mLを 加して、湿式法により常法にしたがって顆 を製造する。この顆粒を乾燥した後、ステ リン酸マグネシウム1.2gを加えて打錠用顆粒 とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が1gの錠 100個を製造する。

実施例18 顆粒剤の製造
 実施例6で得られた植物抽出物20g、乳糖(DMV)1 60gおよび結晶セルロース(旭化成)60gを混合し これにエタノール130mLを添加し、練合機を いて通常の方法で5分間練合する。練合終了 、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で 乾燥する。乾燥後、整粒し、顆粒剤240gを得 。

実施例19 シロップ剤の製造
 精製水400gを煮沸し、これをかき混ぜながら 、白糖750gおよび実施例6で得られた植物抽出 10gを加えて溶解し、熱時に布ごしし、これ 精製水を加えて全量1000mLとし、シロップ剤 製造する。

実施例20 クリーム剤の製造
 下記の組成に従い、クリーム剤を製造する

 本明細書中で引用した全ての刊行物、特 及び特許出願をそのまま参考として本明細 中にとり入れるものとする。