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Title:
COMPOSITION, TRANSFER SHEET, MELAMINE DECORATIVE BOARD, AND METHOD FOR PRODUCING MELAMINE DECORATIVE BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008224
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a composition containing a siloxane grafted polymer obtained by combining an organosilica sol, a fluororesin or acrylic resin, and a siloxane, and/or a room temperature glass coating agent. Also disclosed is a melamine decorative board having a surface provided with a low-refractive-index layer which is composed of a cured product of the composition.

Inventors:
TANIMOTO NAOSHI (JP)
YAMAMOTO TOMOHIRO (JP)
ITO TAKAHARU (JP)
HONMA KATSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059565
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
May 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AICA KOGYO CO LTD (JP)
TANIMOTO NAOSHI (JP)
YAMAMOTO TOMOHIRO (JP)
ITO TAKAHARU (JP)
HONMA KATSUMI (JP)
International Classes:
B29C43/18; C08L55/00; B32B27/00; B32B33/00; C08J7/04; C08K3/36; C08L83/10
Foreign References:
JP2006169328A2006-06-29
JP2006348061A2006-12-28
JP2003048280A2003-02-18
JP2004291262A2004-10-21
Other References:
See also references of EP 2172519A4
Attorney, Agent or Firm:
NAGOYA INTERNATIONAL PATENT FIRM (20-19 Nishiki 1-chome, Naka-ku, Nagoya-sh, Aichi 03, JP)
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Claims:
 (a)オルガノシリカゾルと、
 (b1)フッ素樹脂又はアクリル樹脂と、シロキサンとが複合化されたシロキサングラフト型ポリマー、及び/又は(b2)常温ガラスコーティング剤と、
 を含む組成物。
 基材と、前記基材上に配置された請求項1記載の組成物とからなる転写シート。
 請求項1記載の組成物の硬化物からなる低屈折率層が表面に形成されたメラミン化粧板。
 前記低屈折率層の屈折率が1.5以下であることを特徴とする請求項3記載のメラミン化粧板。
 請求項2に記載の転写シート、メラミン樹脂含浸紙、及びコア材を積層して熱圧成形し、前記基材を除去することを特徴とするメラミン化粧板の製造方法。
Description:
組成物、転写シート、メラミン 粧板、及びメラミン化粧板の製造方法

 本発明は、組成物、転写シート、メラミ 化粧板、及びメラミン化粧板の製造方法に する。

 メラミン化粧板は、表面硬度、耐熱性、耐 耗性等の諸物性に優れることから、カウン ー、机などの水平面用途に用いられている このメラミン化粧板は、一般に、化粧板用 ターン原紙にメラミン-ホルムアルデヒド樹 脂を主な成分とする樹脂液を含浸、乾燥させ たメラミン樹脂含浸パターン紙と、クラフト 紙にフェノール-ホルムアルデヒド樹脂を主 成分とする樹脂液を含浸、乾燥させたフェ ール樹脂含浸コア紙とを積層し、平板プレ 機で加熱加圧することにより得られる(特許 献1~3参照)。

特開平6-199528号公報

特開2005-199495号公報

特開2005-146272号公報

 メラミン化粧板は、その樹脂の特徴から 面硬度、耐熱性、耐摩耗性等に優れる一方 、指紋等の皮脂膜(以下、指紋と表記)等の 汚れが目立ちやすいという欠点があった。 らに、メラミン樹脂層での光の照り返しや ボケにより、印刷紙の絵柄が鮮明に表現で ないという欠点があった。

 本発明はかかる従来の欠点を解消するた になされたものであり、指紋等が目立ちに く、印刷紙の絵柄が鮮明に表現できるメラ ン化粧板の製造に使用できる組成物、転写 ート、メラミン化粧板、及びメラミン化粧 の製造方法を提供することを目的とする。

 本発明の組成物は、
 (a)オルガノシリカゾルと、
 (b1)フッ素樹脂又はアクリル樹脂と、シロキ サンとが複合化されたシロキサングラフト型 ポリマー、及び/又は(b2)常温ガラスコーティ グ剤と、
 を含むことを特徴とする。

 すなわち、本発明の組成物には、上記(a) 分と上記(b1)成分を含むもの、上記(a)成分と 上記(b2)成分を含むもの、及び、上記(a)成分 上記(b1)成分と上記(b2)成分を含むものがある 。

 本発明の組成物は、例えば、メラミン化 板の表面に、本発明の組成物の硬化物から る低屈折率層を形成する用途に用いること できる。本発明の組成物の硬化物からなる 屈折率層が表面に形成されたメラミン化粧 は、指紋が目立ちにくい。これは、低屈折 層は、メラミン樹脂層よりも屈折率が低い で、指紋と低屈折率層との屈折率差は、指 とメラミン樹脂層との屈折率差よりも小さ なるためである。さらに、低屈折率層は、 反射率・低屈折率であるため、光の照り返 、白ボケが改善され、メラミン化粧板に用 られる印刷紙の絵柄が鮮明になり、意匠性 高い。

 本発明の化粧板は、上述した組成物の硬 物からなる低屈折率層が表面に形成されて るため、指紋が目立ちにくく、印刷紙の絵 が鮮明になり、意匠性が高い。低屈折率層 屈折率は、1.5以下であることが好ましい。 折率が1.5以下であることにより、指紋が一 目立ちにくく、印刷紙の絵柄が一層鮮明に る。

 本発明の転写シートは、基材と、前記基 上に配置された、上述した組成物とからな 。この転写シートは、メラミン化粧板の表 に低屈折率層を形成するために用いること できる。この転写シートを用いれば、低屈 率層を容易に形成することができる。

 本発明のメラミン化粧板の製造方法は、 述した転写シート、メラミン樹脂含浸紙、 びコア材を積層して熱圧成形し、転写シー の基材を除去する方法である。この製造方 によれば、表面に低屈折率層を有するメラ ン化粧板を容易に製造することができる。 圧成形における温度条件は、110~180℃の範囲 が好適であり、加圧条件は5~10MPaの範囲が好 である。

メラミン化粧板の製造方法を表す説明 である。 メラミン化粧板の構成を表す側断面図 ある。 メラミン化粧板の表面における鮮明性 表す写真であり、右半分は実施例1のメラミ ン化粧板に対応し、左半分は比較例1のメラ ン化粧板に対応する。 メラミン化粧板の表面における指紋の 着度合いを表す写真であり、右半分は実施 1のメラミン化粧板に対応し、左半分は比較 例1のメラミン化粧板に対応する。

符号の説明

1、11・・・転写シート、1a・・・OPPフィルム
1b・・・乾燥膜、2・・・メラミン樹脂含浸オ ーバーレイ紙、
3・・・メラミン樹脂含浸化粧紙、4・・・フ ノール樹脂含浸コア紙、
5・・・メラミン化粧板、6・・・低屈折率層

 以下、本発明について詳細に説明する。本 明の組成物で用いるシロキサングラフト型 リマー((b1)成分)は、フッ素樹脂又はアクリ 樹脂と、シロキサンとが複合化されたもの ある。具体的には、(A)ウレタン結合を介し ラジカル重合性不飽和結合部分を有する有 溶剤可溶性フッ素樹脂2~70重量%、(B)下記化 式1(化学式1中、R 1 は水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基 あり、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、及びR 6 は互いに同一でも異なっていてもよい水素原 子又は炭素原子数1~10の炭化水素基であり、n 2以上の整数である)で示される片末端ラジ ル重合性ポリシロキサン及び/又は下記化学 2(化学式2中、R 7 は水素原子又は炭素原子数1~10の炭化水素基 あり、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 、及びR 12 は互いに同一でも異なっていてもよい水素原 子又は炭素原子数1~10の炭化水素基であり、p 0~10の整数であり、qは2以上の整数である)で 示される片末端ラジカル重合性ポリシロキサ ン4~40重量%、及び(C)ラジカル重合反応条件下 おいて、上記(A)成分と、二重結合による重 反応以外には反応しないラジカル重合性単 体15~94重量%を共重合することにより得るこ ができる。

 また、他の、フッ素樹脂又はアクリル樹脂 シロキサンとが複合化されたシロキサング フト型ポリマーとしては、(A)ウレタン結合 介してラジカル重合性不飽和結合部分を有 る有機溶剤可溶性フッ素樹脂2~70重量%、(B) 記化学式1で示される片末端ラジカル重合性 リシロキサン及び/又は上記化学式2で示さ る片末端ラジカル重合性ポリシロキサン5~55 量%、(C)アルコキシシリル基を有する単量体 5~55重量%、(D)水酸基を有する単量体15~50重量% 及び(E)上記(A)~(D)成分とラジカル重合以外に 反応しない官能基を有する単量体0~73重量%を 重合させて得られるものが挙げられる。

 また、他の、フッ素樹脂又はアクリル樹 とシロキサンとが複合化されたシロキサン ラフト型ポリマーとしては、上述した各シ キサングラフト型ポリマーにおいて、上記( A)成分の代わりに、ウレタン結合を介してラ カル重合性不飽和結合部分を有し、かつ有 溶剤に可溶なる硬化性基含有アクリル系(共 )重合体を用いたものが挙げられる。

 フッ素樹脂又はアクリル樹脂と、シロキ ンとが複合化されたシロキサングラフト型 リマーの市販例としては、ZX-007C、ZX-001、ZX- 022、ZX-022H,ZX-028R、ZX-036(いずれも富士化成工 株式会社製)等が挙げられる。

 本発明の組成物で用いる常温ガラスコー ィング剤((b2)成分)としては、アルコール可 型有機ケイ素化合物を、水や有機溶媒など らなる溶液中でイオン化し、触媒としてハ ゲン、ホウ素を添加したものがある。

 B 3+ イオンの役割は、F - イオンと反応することで、SiF 6 の生成・揮発によるSiO 2 量の減少を防ぐことにある。B 3+ イオンはF - イオンと反応することでBF 4 - 錯イオンを生成し、Si(OR)nのSiと極めて容易に 交換してSiF - n+1 錯イオンとなり、下式の加水分解、脱水縮合 が促進される結果、常温領域で金属酸化物ガ ラスが得られる。残存するB 3+ イオンはメタノール(CH 3 + )の存在によりB(OCH 3 ) 3 として気化消失し、F - イオンは基材等に含まれるOH - 基等と接触反応しHFとして気化消失する。こ で、Rはアルキル基、Mは金属、Xはハロゲン ある。

 B 3+ +4X -   → BX 4 -
 M(OR) n  +BX 4 - +n/2H 2 O → MX - n+1 +nROH+B 3+
 MX - n+1  +nH 2 O → M(OH) n  + (n+1)X -
 M(OH) n  → 金属酸化物ガラス + H 2 O
 ホウ素イオンB 3+ を与える化合物としては、例えば、トリアル コキシボランB(OR) 3 が挙げられる。中でもトリエトキシボランB(O Et) 3 が好ましい。反応液中のB 3+ イオン濃度は、1.0~10.0モル/リットルの範囲が 好ましい。また、ハロゲンイオンとしては、 F - 、Cl - 、又はこれらの混合物が好ましい。ハロゲン イオン源として用いる化合物は、上記反応液 中でF - イオンやCl - イオンを生ずるものであればよい。F - イオン源としては、例えば、フッ化水素アン モニウムNH 4 F・HF、フッ化ナトリウムNaF等が好ましい。Cl - イオン源としては、例えば、塩化アンモニウ ムNH 4 Cl等が好ましい。

 常温ガラスコーティング剤の市販例とし は、シラグシタールA6200、シラグシタールB4 373(BN)(いずれも墨東化成工業株式会社製)等が 挙げられる。

 本発明の組成物で用いるオルガノシリカ ルとしては、例えば、粒径1~40nm(さらに好ま しくは粒径7~30nm)のコロイダルシリカを有機 媒に安定的に分散させたコロイド溶液が挙 られる。シリカ濃度は1~50重量%の範囲が好ま しく、ゲル化防止のために40重量%以下のもの がより好ましい。

 オルガノシリカゾルの市販品としては、 産化学工業株式会社製のIPA-ST、IPA-ST-ZL、メ ノールシリカゾル、NPC-ST-30、EG-ST、DMAC-ST等 、触媒化成工業株式会社製のOSCAL、扶桑化 工業株式会社製のクォートロン(登録商標)、 クラリアントジャパン株式会社製のHighlink(登 録商標)OGシリカ オルガノゾル等が挙げられ 。

 本発明の組成物で用いるオルガノシリカ ルとしては、水性シリカゾルをアルコール の親水性溶媒で置換したものが好ましい。 性シリカゾルを原料としたオルガノシリカ ルでは、シリカ表面の水酸基量が十分とな ため、本発明の組成物を用いてメラミン化 板の低屈折率層を形成した場合、低屈折率 とメラミン層の密着性が良く、メラミン化 板の表面耐久性が向上する。疎水性溶媒に 散させる際、ゾルを安定化させるため表面 疎水化処理したオルガノシリカゾルでは、 リカ表面の水酸基量が不十分であり、低屈 率層とメラミン層の密着性が劣りやすくな 。

 ここで、親水性(極性)溶媒とは、水との 和性を有する溶媒であり、例えば、分子内 水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等 親水基を有する親水性有機溶媒である。親 性(極性)溶媒としては、プロトン性極性溶媒 や非プロトン性極性溶媒が挙げられる。プロ トン性極性溶媒の具体例として、メチルアル コール、エチルアルコール、イソプロピルア ルコール、エチレンジアルコール、プロパノ ール等のアルコール系溶媒や、メチルセロソ ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ 、n-プロピルセロソルブなどのセロソルブ系 媒が挙げられる。非プロトン性極性溶媒と ては、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMS O)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン が挙げられる。

 本発明の組成物において、上記(a)成分と 上記(b1)成分との配合割合は、上記(b1)成分1 量部(固形分換算)に対して、上記(a)成分4~18 量部(固形分換算)とすることが好ましい。 記(a)成分が4重量部以上であることにより、 リカ表面の水酸基量が十分となり、低屈折 層とメラミンとの密着性が良く、メラミン 粧板の表面耐久性が向上する。また、18重 部以下であることにより、上記(b1)成分の量 低すぎることがなく、メラミン化粧板にお て、指紋が一層目立ちにくく、印刷紙の絵 が一層鮮明になる。

 本発明の組成物において、上記(a)成分と 上記(b2)成分との配合割合は、上記(b2)成分1 量部(固形分換算)に対して、上記(a)成分4~18 量部(固形分換算)とすることが好ましい。 記(a)成分が4重量部以上であることにより、 リカ表面の水酸基量が十分となり、低屈折 層とメラミンとの密着性が良く、メラミン 粧板の表面耐久性が向上する。また、18重 部以下であることにより、上記(b2)成分の量 低すぎることがなく、メラミン化粧板にお て、指紋が一層目立ちにくく、印刷紙の絵 が一層鮮明になる。

 本発明の転写シートに用いる基材として 、例えば、プラスチックフィルムや金属箔 挙げられる。プラスチックフィルムとして 、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエ レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、 ロファン、ジアセチルセルロースフィルム トリアセチルセルロースフィルム、アセチ セルロースブチレートフィルム、ポリ塩化 ニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル 、ポリビニルアルコールフィルム、エチレ ビニルアルコールフィルム、ポリスチレン ィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ チルペンテンフィルム、ポリスルフォンフ ルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリ ーテルスルフォンフィルム、ポリエーテル ミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ 樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリ フィルム等を使用することができる。

 金属箔としては、例えば、金箔、銀箔、 箔、亜鉛箔、インジウム箔、アルミニウム 、錫箔、鉄(ステンレス(SUS)箔を含む)箔、チ タン箔等を使用することができる。

 本発明の転写シートは、例えば、基材に 成物を塗布する方法で製造できる。塗布方 としては、公知の方法、例えば、スプレー ート法、グラビアコート法、バーコート法 ナイフコート法、ロールコート法、ブレー コート法、ダイコート法、カーテンコート 、リバースコート法、コンマコート法等を いることができる。このような方法で得ら た転写シートは、メラミン樹脂含浸紙(例え ばメラミン樹脂含浸パターン紙、メラミン樹 脂含浸オーバーレイ紙)の上に組成物の塗布 が当接するように積層され、コア材ととも 熱圧成型される。

 本発明の組成物を用いて形成された低屈 率層の厚み(乾燥時)は、上記(a)成分及び上 (b1)成分から成る組成物の場合は、0.5~15μmの 囲が好ましい。厚みがこの範囲内であるこ により、低屈折率層の屈折率を1.5以下にす ことが容易になる。また、膜厚を0.5μm以上 することにより、メラミン化粧板において 指紋が一層目立ちにくく、印刷紙の絵柄が 層鮮明になる。また、膜厚が15μm以下であ ことにより、低屈折率層の白化が起こりに く、メラミン化粧板の外観が良好になる。

 本発明の組成物を用いて形成された低屈 率層の厚み(乾燥時)は、上記(a)成分及び上 (b2)成分から成る組成物の場合は、0.5~15μmの 囲が好ましい。厚みがこの範囲内であるこ により、低屈折率層の屈折率を1.5以下にす ことが容易になる。また、膜厚を0.5μm以上 することにより、メラミン化粧板において 指紋が一層目立ちにくく、印刷紙の絵柄が 層鮮明になる。また、膜厚が15μm以下であ ことにより、低屈折率層の白化が起こりに く、メラミン化粧板の外観が良好になる。

 本発明のメラミン化粧板、及び本発明のメ ミン化粧板の製造方法では、例えば、化粧 用の化粧紙に、メラミン-ホルムアルデヒド 樹脂を主成分とする樹脂液を含浸し、乾燥さ せて得たメラミン樹脂含浸紙(メラミン樹脂 浸パターン紙)を用いることができる。化粧 用の化粧紙の坪量は、例えば、80~140g/m 2 程度の範囲が好ましい。また、数式1で定義 れる樹脂液の含浸率は、例えば、70~160%の範 が好ましい。

 本発明のメラミン化粧板、及び本発明のメ ミン化粧板の製造方法では、メラミン化粧 の表面における耐摩耗性を向上させる目的 、オーバーレイ原紙にメラミン-ホルムアル デヒド樹脂を主成分とする樹脂液を含浸した メラミン樹脂含浸オーバーレイ紙を最上層( し、低屈折率層を除く)に積層して熱圧成形 てもよい。メラミン樹脂含浸オーバーレイ は、例えば、坪量20~60g/m 2 程度のオーバーレイ原紙に、メラミン-ホル アルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を200~4 00%の含浸率で含浸し、乾燥させて得ることが できる。

 本発明のメラミン化粧板、及び本発明のメ ミン化粧板の製造方法では、例えば、クラ ト紙に、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂 を主成分とする樹脂液を含浸し、乾燥させて 得られたコア材を用いることができる。クラ フト紙の坪量は、例えば、150~300g/m 2 程度の範囲が好ましい。また、上記数式1で 義される樹脂液の含浸率は、例えば、30~80% 範囲が好ましい。

 以下、本発明を実施例、比較例により説 するが、本発明は以下に示される例に何ら 定されるものではない。

 1.組成物の製造
 シロキサングラフト型ポリマー1重量部(固 分換算)と、オルガノシリカゾル10重量部(固 分換算)とを混合した。シロキサングラフト 型ポリマーとしては、フッ素樹脂とシロキサ ンとが複合化されたZX-022H(水酸基価120、酸価0 、溶剤種;キシレン/酢酸ブチル/イソプロパノ ール、富士化成工業株式会社製)を用いた。 た、オルガノシリカゾルとしては、IPA-ST(イ プロパノール分散シリカゾル、平均粒径10~2 0nm、SiO 2 30重量%、日産化学工業株式会社製)を用いた なお、IPA-STは、親水性溶媒(イソプロパノー )を用いたオルガノシリカゾルである。

 上記の混合物を、イソプロパノールにて 固形分が20重量%となるように希釈して組成 を得た。

 2.転写シートの製造
 上記の組成物を、厚み30μmのOPPフィルムに 乾燥膜厚が3μmとなるようにバーコート法で 一に塗布し、乾燥して、転写シート1を得た 。転写シート1では、OPPフィルム上に、上記 成物の乾燥物からなる層が形成されている

 3.メラミン化粧板の製造
 坪量40g/m 2 の化粧板用のオーバーレイ紙に、メラミン- ルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液 、上記数1で定義される算出方法で、含浸率 300%となるように含浸し、乾燥して、メラミ ン樹脂含浸オーバーレイ紙2を得た。

 坪量100g/m 2 の黒色の化粧板用の化粧紙に、メラミン-ホ ムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を 上記数1で定義される算出方法で、含浸率が1 00%となるように含浸し、乾燥して、メラミン 樹脂含浸化粧紙3を得た。

 坪量200g/m 2 のクラフト紙に、フェノール-ホルムアルデ ド樹脂を主成分とする樹脂液を、上記数1で 義される算出方法で、含浸率が50%となるよ に含浸し、乾燥して、フェノール樹脂含浸 ア紙4を得た。

 図1に示すように、フェノール樹脂含浸コ ア紙4を5枚、メラミン樹脂含浸化粧紙3を1枚 メラミン樹脂含浸オーバーレイ紙2を1枚、転 写シート1を1枚、順次積層した。なお、転写 ート1は、OPPフィルム1aと、組成物の乾燥膜1 bとからなるが、積層するときにおける転写 ート1の向きは、乾燥膜1bがメラミン樹脂含 オーバーレイ紙2に当接する向きとした。積 物を、温度135℃、圧力8MPa、時間80分で熱圧 形し、その後、図2に示すように、OPPフィル ム1aを除去して、メラミン化粧板5を得た。こ のメラミン化粧板5の表面には、上記組成物 硬化物からなる低屈折率層6が形成されてい 。低屈折率層6は、組成物の乾燥膜1bから生 た層である。

 転写シートにおける組成物の乾燥膜の厚 (低屈折率層の厚み)を0.5μmとした点以外は 前記実施例1と同様にして、転写シートを製 した。また、その転写シートを用いる点以 は、前記実施例1と同様にして、表面に低屈 折率層が形成されたメラミン化粧板を製造し た。

 転写シートにおける組成物の乾燥膜の厚 (低屈折率層の厚み)を15μmとした点以外は、 前記実施例1と同様にして、転写シートを製 した。また、その転写シートを用いる点以 は、前記実施例1と同様にして、表面に低屈 率層が形成されたメラミン化粧板を製造し 。

 シロキサングラフト型ポリマーとオルガノ リカゾルとの配合比を、
  シロキサングラフト型ポリマー:1重量部( 形分換算)
  オルガノシリカゾル:4重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例1と同様にして 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例1と同様にして、転写シート、及び表 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとオルガノ リカゾルとの配合比を、
  シロキサングラフト型ポリマー:1重量部( 形分換算)
  オルガノシリカゾル:6重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例1と同様にして 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例1と同様にして、転写シート、及び表 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとオルガノ リカゾルとの配合比を、
  シロキサングラフト型ポリマー:1重量部( 形分換算)
  オルガノシリカゾル:14重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例1と同様にして 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例1と同様にして、転写シート、及び表 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとオルガノ リカゾルとの配合比を、
  シロキサングラフト型ポリマー:1重量部( 形分換算)
  オルガノシリカゾル:18重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例1と同様にして 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例1と同様にして、転写シート、及び表 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 を製造した。

 オルガノシリカゾルとして、IPA-STの代わり 、同量のメタノールシリカゾル(メタノール 分散シリカゾル、平均粒径10~20nm、SiO 2 30%、日産化学工業株式会社製)を用いた点以 は前記実施例1と同様にして、組成物を製造 た。なお、メタノールシリカゾルは、親水 溶媒(メタノール)を用いたオルガノシリカ ルである。

 また、上記の組成物を用いる点以外は、 記実施例1と同様にして、転写シート、及び 表面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 板を製造した。

 オルガノシリカゾルとして、IPA-STの代わり 、同量のNPC-ST―30(平均粒径10~20nm、n-プロピ セロソルブ分散シリカゾル、SiO 2 30%、日産化学工業株式会社製)を用いた点以 は前記実施例1と同様にして、組成物を製造 た。なお、NPC-ST―30は、親水性溶媒(n-プロ ルセロソルブ)を用いたオルガノシリカゾル ある。

 また、上記の組成物を用いる点以外は、 記実施例1と同様にして、転写シート、及び 表面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 板を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとして、Z X-022Hの代わりに、同量の、フッ素樹脂とシロ キサンとが複合化されたシロキサングラフト 型ポリマーZX-007C(水酸基価58、酸価5、溶剤種; キシレン/酢酸ブチル、富士化成工業株式会 製)を用いた点以外は前記実施例1と同様にし て、組成物を製造した。また、その組成物を 用いる点以外は、前記実施例1と同様にして 転写シート、及び表面に低屈折率層が形成 れたメラミン化粧板を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとして、Z X-022Hの代わりに、同量の、フッ素樹脂とシロ キサンとが複合化されたシロキサングラフト 型ポリマーZX-001(水酸基価94、酸価0、溶剤種; シレン/イソブタノール、富士化成工業株式 会社製)を用いた点以外は前記実施例1と同様 して、組成物を製造した。また、その組成 を用いる点以外は、前記実施例1と同様にし て、転写シート、及び表面に低屈折率層が形 成されたメラミン化粧板を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとして、Z X-022Hの代わりに、同量の、フッ素樹脂とシロ キサンとが複合化されたシロキサングラフト 型ポリマーZX-022(水酸基価120、酸価5、溶剤種; キシレン/酢酸ブチル、富士化成工業株式会 製)を用いた点以外は前記実施例1と同様にし て、組成物を製造した。また、その組成物を 用いる点以外は、前記実施例1と同様にして 転写シート、及び表面に低屈折率層が形成 れたメラミン化粧板を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとして、Z X-022Hの代わりに、同量の、アクリル樹脂とシ ロキサンとが複合化されたシロキサングラフ ト型ポリマーZX-028-R(水酸基価100,酸価5、溶剤  酢酸ブチル、富士化成工業株式会社製)を いた点以外は前記実施例1と同様にして、組 成物を製造した。また、その組成物を用いる 点以外は、前記実施例1と同様にして、転写 ート、及び表面に低屈折率層が形成された ラミン化粧板を製造した。

 シロキサングラフト型ポリマーとして、Z X-022Hの代わりに、同量の、アクリル樹脂とシ ロキサンとが複合化されたシロキサングラフ ト型ポリマーZX-036(水酸基価119,溶剤種 酢酸 チル/2-プロパノール、富士化成工業株式会 製)を用いた点以外は前記実施例1と同様にし て、組成物を製造した。また、その組成物を 用いる点以外は、前記実施例1と同様にして 転写シート、及び表面に低屈折率層が形成 れたメラミン化粧板を製造した。

 1.組成物の製造
 常温ガラスコーティング剤1重量部(固形分 算)と、オルガノシリカゾル10重量部(固形分 算)とを混合した。常温ガラスコーティング 剤としては、1液型のコーティング剤(商品名 ラグシタールA6200 墨東化成工業株式会社製 )を用いた。この常温ガラスコーティング剤 、アルコール可溶型有機ケイ素化合物(Si(OR) 4 )と、アルコール類(イソプロパノ-ル)とを混 し、さらに、触媒としてホウ素イオンB 3+ とハロゲンイオンF - を添加し、pHを4.5~5.0に調整したものである。 また、オルガノシリカゾルとしては、IPA-ST( ソプロパノール分散シリカゾル、平均粒径10 ~20nm、SiO 2 30%、日産化学工業株式会社製)を用いた。

 上記の混合物を、イソプロパノールにて 固形分が20重量%となるように希釈して組成 を得た。

 2.転写シートの製造
 上記の組成物を、厚み30μmのOPPフィルムに 乾燥膜厚が3μmとなるようにバーコート法で 布し、乾燥して、転写シート11を得た。

 3.メラミン化粧板の製造
 上記転写シート11を用い、前記実施例1と同 にして(図1参照)、表面に低屈折率層が形成 れたメラミン化粧板を得た。

 転写シートにおける組成物の乾燥膜の厚 (低屈折率層の厚み)を0.5μmとした点以外は 前記実施例15と同様にして、転写シートを製 造した。また、その転写シートを用いる点以 外は、前記実施例15と同様にして、表面に低 折率層が形成されたメラミン化粧板を製造 た。

 転写シートにおける組成物の乾燥膜の厚 (低屈折率層の厚み)を15μmとした点以外は、 前記実施例15と同様にして、転写シートを製 した。また、その転写シートを用いる点以 は、前記実施例15と同様にして、表面に低 折率層が形成されたメラミン化粧板を製造 た。

 常温ガラスコーティング剤とオルガノシリ ゾルとの配合比を、
  常温ガラスコーティング剤:1重量部(固形 換算)
  オルガノシリカゾル:4重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例15と同様にし 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例15と同様にして、転写シート、及び 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 を製造した。

 常温ガラスコーティング剤とオルガノシリ ゾルとの配合比を、
  常温ガラスコーティング剤:1重量部(固形 換算)
  オルガノシリカゾル:6重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例15と同様にし 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例15と同様にして、転写シート、及び 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 を製造した。

 常温ガラスコーティング剤とオルガノシリ ゾルとの配合比を、
  常温ガラスコーティング剤:1重量部(固形 換算)
  オルガノシリカゾル:14重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例15と同様にし 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例15と同様にして、転写シート、及び 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 を製造した。

 常温ガラスコーティング剤とオルガノシリ ゾルとの配合比を、
  常温ガラスコーティング剤:1重量部(固形 換算)
  オルガノシリカゾル:18重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例15と同様にし 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前 実施例15と同様にして、転写シート、及び 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 を製造した。

 オルガノシリカゾルとして、IPA-STの代わ に、同量のメタノールシリカゾル(メタノー ル分散シリカゾル、日産化学工業株式会社製 )を用いた点以外は前記実施例15と同様にして 、組成物を製造した。また、その組成物を用 いる点以外は、前記実施例15と同様にして、 写シート、及び表面に低屈折率層が形成さ たメラミン化粧板を製造した。

 オルガノシリカゾルとして、IPA-STの代わ に、同量のNPC-ST―30(n-プロピルセロソルブ 散シリカゾル、日産化学工業株式会社製)を いた点以外は前記実施例15と同様にして、 成物を製造した。また、その組成物を用い 点以外は、前記実施例15と同様にして、転写 シート、及び表面に低屈折率層が形成された メラミン化粧板を製造した。

 常温ガラスコーティング剤として、シラグ タールA6200の代わりに、同量の、シラグシ ールB4373(BN)(墨東化成工業株式会社製)を用い た点以外は前記実施例1と同様にして、組成 を製造した。このシラグシタールB4373(BN)は アルコール可溶型有機ケイ素化合物(Si(OR) 4 )を主剤とし、ホウ素イオンB 3+ とハロゲンイオンX - を触媒とする2液型のコーティング剤である 主剤と触媒は、主剤:触媒=10重量部:1重量部 割合で混合し、希釈溶剤で任意の濃度に希 して用いる。

 また、上記の組成物を用いる点以外は、前 実施例15と同様にして、転写シート、及び 面に低屈折率層が形成されたメラミン化粧 を製造した。
(実験例1)
 シロキサングラフト型ポリマーとオルガノ リカゾルとの配合比を、
  シロキサングラフト型ポリマー:1重量部( 形分換算)
  オルガノシリカゾル:3重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例1と同様にして 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前記 施例1と同様にして、転写シート、及び表面 に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板を 製造した。
(実験例2)
 シロキサングラフト型ポリマーとオルガノ リカゾルとの配合比を、
  シロキサングラフト型ポリマー:1重量部( 形分換算)
  オルガノシリカゾル:20重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例1と同様にして 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前記 施例1と同様にして、転写シート、及び表面 に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板を 製造した。
(実験例3)
 オルガノシリカゾルとして、IPA-STの代わり 、同量の、nBAC-ST(酢酸ブチル分散シリカゾ 、日産化学工業株式会社製)を用いた点以外 前記実施例1と同様にして、組成物を製造し た。このnBAC-STは、溶媒種が疎水性であるオ ガノシリカゾルである。

 また、上記組成物を用いる点以外は、前記 施例1と同様にして、転写シート、及び表面 に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板を 製造した。
(実験例4)
 常温ガラスコーティング剤とオルガノシリ ゾルとの配合比を、
  常温ガラスコーティング剤:1重量部(固形 換算)
  オルガノシリカゾル:3重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例15と同様にし 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前記 施例15と同様にして、転写シート、及び表 に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 製造した。
(実験例5)
 常温ガラスコーティング剤とオルガノシリ ゾルとの配合比を、
  常温ガラスコーティング剤:1重量部(固形 換算)
  オルガノシリカゾル:20重量部(固形分換算)
 とした点以外は、前記実施例15と同様にし 、組成物を製造した。

 また、その組成物を用いる点以外は、前記 施例15と同様にして、転写シート、及び表 に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 製造した。
(実験例6)
 オルガノシリカゾルとして、IPA-STの代わり 、同量の、nBAC-ST(酢酸ブチル分散シリカゾ 、日産化学工業株式会社製)を用いた点以外 前記実施例15と同様にして、組成物を製造 た。このnBAC-STは、溶媒種が疎水性であるオ ガノシリカゾルである。

 また、上記組成物を用いる点以外は、前記 施例15と同様にして、転写シート、及び表 に低屈折率層が形成されたメラミン化粧板 製造した。
(比較例1)
 フェノール樹脂含浸コア紙を5枚、メラミン 樹脂含浸化粧紙を1枚、メラミン樹脂含浸オ バーレイ紙を1枚積層し、温度135℃、圧力8MPa 、時間80分で熱圧成形し、メラミン化粧板を た。フェノール樹脂含浸コア紙、メラミン 脂含浸化粧紙、及びメラミン樹脂含浸オー ーレイ紙はそれぞれ、前記実施例1と同様の ものである。

 次に、実施例1~24、実験例1~6、及び比較例1 製造したメラミン化粧板の評価を行った。
(評価方法)
(i)実指紋による耐指紋性の評価
 メラミン化粧板の表面に実際に指紋を付着 せ、目視にて指紋がどれだけ目立つかを評 した。評価の基準は以下のとおりとした。

  ○:指紋が目立たない。

  △:指紋が若干目立つ。

  ×:指紋が目立つ。

 (ii)鮮明性
 メラミン化粧板の化粧紙の鮮明性について 斜光にて目視で観察した。評価の基準は以 のとおりとした。

  ○:化粧紙が鮮明に確認できる。

  △:若干光の照り返し・白ボケがある。
(iii)表面耐久性(その1)
 メラミン化粧板の表面を、乾燥した綿ウエ により、約300g/cm 2 の荷重で100往復払拭し、表面の艶の変化を目 視で評価した。評価の基準は以下のとおりと した。

  ○:艶の変化無し。

  △:若干艶の変化有り。

  ×:艶の変化有り。
(iv)表面耐久性2(その2)
 メラミン化粧板の表面を乾燥した綿ウエス より、約1kg/cm 2 の荷重で往復払拭し、表面の艶の変化を目視 で評価した。評価の基準は以下のとおりとし た。

  5:500往復以内で艶の変化無し。

  4:400往復以内で艶の変化有り。

  3:300往復以内で艶の変化有り。

  2:200往復以内で艶の変化有り。

  1:100往復以内で艶の変化有り。
(v)屈折率
 多波長アッベ屈折計(DR-M2、株式会社アタゴ )により、メラミン化粧板表面の屈折率を測 定した。測定波長は589nmとした。
(vi)表面硬度
 JIS K 5600;1999(塗料一般試験方法)に基づき、 荷重1kgにて、メラミン化粧板の表面硬度を測 定した。
(vii)耐摩耗性
 JIS K 6902;1998(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験 法)に基づいて、メラミン化粧板の表面にお ける耐摩耗性を測定した。
(評価結果)
 評価結果を表1、2に示す。なお、表1におけ 「(b1):(a)」は、シロキサングラフト型ポリ ー(b1)と、オルガノシリカゾル(a)との重量比( 固形分換算)である。また、表2における「(b2) :(a)」は、常温ガラスコーティング剤(b2)と、 ルガノシリカゾル(a)との重量比(固形分換算 )である。

 表1、表2に示すように、実施例1~24のメラミ 化粧板は、指紋が目立ちにくく、印刷柄の 明性が高かった。また、実施例1~24のメラミ ン化粧板は、表面耐久性、表面硬度、耐摩耗 性が高かった。それに対し、比較例1のメラ ン化粧板では、指紋が目立ち、化粧紙の鮮 性が低かった。

 実施例1と比較例1のメラミン化粧板につ ては、図3の写真に、メラミン化粧板の表面 態を表す。写真の右半分は実施例1のメラミ ン化粧板に対応し、左半分は比較例1のメラ ン化粧板に対応する。この写真から明らか とおり、実施例1のメラミン化粧板は、化粧 の鮮明性が高かったが、比較例1のメラミン 化粧板は白っぽく、化粧紙の鮮明性が低かっ た。

 また、実施例1と比較例1のメラミン化粧 については、上記実指紋による耐指紋性の 価の際にメラミン化粧板の表面に付着した 紋を、図4の写真に示す。写真の右半分は実 例1のメラミン化粧板に対応し、左半分は比 較例1のメラミン化粧板に対応する。この写 から明らかなとおり、実施例1のメラミン化 板は、比較例1のメラミン化粧板よりも、表 面の指紋が遙かに目立ちにくかった。これは 、実施例1のメラミン化粧板が低屈折率層6を するためであると考えられる。

 実験例1、3のメラミン化粧板は、表面耐 性が実施例1~24に比較してやや劣る結果であ た。

 実験例2のメラミン化粧板では、耐指紋性 、鮮明性が実施例1~24に比較してやや劣る結 であった。

 実験例4、6のメラミン化粧板では、表面 久性、表面硬度が実施例1~24に比較してやや る結果であった。

 実験例5のメラミン化粧板では、耐指紋性 、鮮明性が実施例1~24に比較してやや劣る結 であった。