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Patent Searching and Data


Title:
CURRENCY HANDLING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/152685
Kind Code:
A1
Abstract:
A currency handling device has a currency receiving chamber that receives currency on a denomination by denomination basis, currency conveyance means that conveys currency toward a currency discharge section, and conveyance start means that causes the currency conveyance means to start conveyance of currency received in the currency receiving chamber. Upon receiving a currency discharge instruction, the currency handling device performs currency discharge processing in which, among the amount of currency in the currency receiving chamber, only the amount of currency that must be discharged is conveyed to the currency discharge section, and also performs currency discharge limiting processing in which currency that is not permitted to be discharged is prevented from the conveyance. The currency discharge processing includes a first step that starts conveyance of the amount of currency corresponding to the currency discharge instruction, and also includes a second step that, after the completion of the first step, conveys currency from the currency receiving section to the current discharge section so that insufficient currency discharge caused by the currency discharge limit processing is supplemented. By this, discharge of currency that is not permitted to be discharged is avoided, the amount of currency exactly corresponding to the currency discharge instruction can be discharged, and the currency discharge processing can be more quickly performed.

Inventors:
MIZUSHIMA YOSHIKATSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/061736
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 11, 2007
Export Citation:
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Assignee:
GLORY KOGYO KK (JP)
MIZUSHIMA YOSHIKATSU (JP)
International Classes:
G07D9/00
Foreign References:
JPH07237784A1995-09-12
JP2001236548A2001-08-31
JP2000357257A2000-12-26
Attorney, Agent or Firm:
SANO, Shizuo (2-6 Tenmabashi-Kyomachi,Chuo-Ku, Osaka-Sh, Osaka 32, JP)
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Claims:
 貨幣を処理する貨幣処理機であって、
 複数の収納庫を有し、各々の収納庫に金種別に貨幣を収納する金種別収納庫と、
 所定の出金部に向かって貨幣を搬送する貨幣搬送手段と、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣に対し、前記貨幣搬送手段による搬送を開始させる搬送開始手段と、を備え、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣のうち出金すべき量のものを、前記搬送を通じて前記出金部に到達させることで出金させる、出金処理を少なくとも実行するものであり、
 前記搬送がなされている状態の各貨幣に対して、出金制限処理を実行する出金制限部を更に備えており、
 該出金制限処理は、
 所定条件に基づいて前記出金の許否を判定するとともに、該出金が許されない貨幣については、前記搬送が完遂されないようにすることで該出金を阻止する処理であり、
 前記出金処理は、
 前記出金すべき量の貨幣に対して、前記搬送開始手段によって前記搬送を開始させる第1ステップと、
 該第1ステップの完了後、前記出金制限処理がなされたことによる出金の不足分を補充するように、前記金種別収納庫から前記出金部に貨幣を搬送する第2ステップと、
 を含むことを特徴とする貨幣処理機。
 貨幣を処理する貨幣処理機であって、
 複数の収納庫を有し、各々の収納庫に金種別に貨幣を収納する金種別収納庫と、
 所定の出金部に向かって貨幣を搬送する貨幣搬送手段と、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣に対し、前記貨幣搬送手段による搬送を開始させる搬送開始手段と、を備え、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣のうち出金すべき量のものを、前記搬送を通じて前記出金部に到達させることで出金させる、出金処理を少なくとも実行するものであり、
 前記搬送がなされている状態の各貨幣に対して、出金制限処理を実行する出金制限部を更に備えており、
 該出金制限処理は、
 所定条件に基づいて前記出金の許否を判定するとともに、該出金が許されない貨幣については、前記搬送が完遂されないようにすることで該出金を阻止する処理であり、
 前記出金処理は、
 前記出金すべき量の全ての貨幣について前記搬送が開始された後に、
 前記出金制限処理がなされたことによる出金の不足分を補充するように、前記金種別収納庫から前記出金部に貨幣を搬送する処理であることを特徴とする貨幣処理機。
 前記貨幣搬送手段は、
 前記出金部に貨幣を移動させる流れを生じさせる、搬送ラインを有しており、
 前記搬送開始手段は、
 貨幣を該搬送ラインの流れに乗せることで、前記搬送を開始させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貨幣処理機。
 複数金種の貨幣が前記出金処理の対象になっている場合においては、該出金処理として、第1処理と第2処理の何れかを選択して実行可能であり、
 該第1処理は、
 前記第1ステップおよび第2ステップを含む処理である一方、
 該第2処理は、
 前記出金すべき量の貨幣のうち、ある金種の貨幣について、前記貨幣搬送手段によって搬送されるようにする第3ステップと、
 該金種について、前記出金制限処理がなされたことによる出金の不足分がある場合には、該不足分がなくなるまで、該金種の貨幣の搬送を行う第4ステップと、
 該第3ステップと第4ステップの処理を、前記複数金種の各々について順に実行する第5ステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理機。
 前記第1処理および第2処理の何れを実行させるかについて、ユーザにより選択可能であることを特徴とする請求項4に記載の貨幣処理機。
 外部機器との通信を可能とする通信インターフェースを備え、
 前記第1処理と第2処理の何れが選択されるかについては、前記外部機器から送られてきた情報に基づいて定まることを特徴とする請求項4に記載の貨幣処理機。
 前記出金部は、
 前記金種別収納庫から搬送されてくる貨幣を金種別に収集する機構を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貨幣処理機。
 前記搬送開始手段は、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣を、前記収納庫ごとに予め定められた前記搬送ライン上の搬送開始位置に移動させることで、前記搬送ラインの流れに乗せるものであり、
 前記出金処理は、
 複数金種の貨幣を前記出金部に搬送させる場合、
 前記搬送ラインにおける前記出金部と前記搬送開始位置との距離が長い前記収納庫に収納されている貨幣から順に、前記搬送を開始させることを特徴とする請求項3に記載の貨幣処理機。
 複数の収納庫を有し、各々の収納庫に金種別に貨幣を収納する金種別収納庫を備えた貨幣処理機に対して、前記金種別収納庫に収納されている貨幣のうち、出金すべき量のものを所定の出金部に搬送させる出金処理を行わせるための制御方法であって、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣のうち、出金すべき量の全ての貨幣に対して、前記出金部に向かった搬送を開始させる第6ステップと、
 該第6ステップにおける搬送がなされている状態の貨幣に対して出金処理の許否を判定し、該出金処理が許されない貨幣については、前記搬送が完遂されないようにする出金制限処理を行う第7ステップと、
 前記第6ステップの完了後、前記出金制限処理がなされたことによる出金の不足分を補充するように、前記金種別収納庫から前記出金部に貨幣を搬送させる第8ステップと、
 を含むことを特徴とする制御方法。
Description:
貨幣処理機

 本発明は、紙幣等の貨幣に対して出金等 処理を実行する、貨幣処理機に関する。

 金融機関等の窓口などにおいては、例え 特許文献1に示すような、入金処理や出金処 理などを実行する貨幣処理機が使用されてい る。かかる貨幣処理機では、例えば出金処理 については、収納庫に収納されている貨幣の うち出金指示に応じた量のものが、順に搬送 ラインに載置される。そして搬送ラインの流 れに乗って、貨幣が所定の出金口に搬送され ることで出金処理が実現される。

 一方、出金処理においては、出金不可で る貨幣(例えば損傷の激しい貨幣など)が収 庫に紛れている可能性も考慮し、このよう 貨幣が誤って出金されないよう配慮されて る。具体的には、収納庫から出金口に向け 搬送中の貨幣に対して出金の許否を判断し 出金不可の貨幣に対しては、出金口とは別 場所に搬送する等の処理(出金制限処理)を行 うようにしている。

 ここで上述の出金制限処理がなされると、 の分だけ出金口に到達する貨幣が減ること なるから、そのままでは出金の不足分が発 することになる。そのため、この不足分を うように追加搬送を実行することで、出金 示に応じた額の出金が達成されるようにし いる。なお複数金種の貨幣が出金される場 には、金種ごとに貨幣が纏めて搬送される が通常である。そのため、ある金種の搬送 に不足分が生じた場合は、その不足分を追 搬送により補った後に、次金種の搬送が開 される。

特開2004-145600号公報

特開2003-30717号公報

 上述したような貨幣処理機によれば、出 不可の貨幣が出金されないようにしながら 、出金指示に応じた額の貨幣を過不足なく 金させることが可能となっている。しかし ある金種の貨幣についての不足分が解消す まで次金種の搬送が開始されない貨幣処理 では、不足分の有無が判別されるまで、次 種の搬送に移行して良いかどうかの判断が 難である。つまり、不足分が有れば現金種 追加搬送が必要であり、不足分が無ければ 金種の搬送が可能であるところ、何れとな かは、現金種の最後の貨幣についての出金 否の判断がなされるまでは不明である。

 そのため現金種の最後の貨幣について搬 が開始されてから出金許否の判断がなされ まで(搬送開始の位置から判断処理がなされ る位置に移動するまでの間)は、搬送ライン よって何れの貨幣も搬送されない空白期間 発生する。その結果、空白期間が発生しな 場合に比べて出金処理が遅延し、出金処理 より多くの時間が必要となる。このことは 出金取引の迅速化が求められている現状に いて深刻な問題となり得る。

 そこで本発明は上記の問題点に鑑み、出 不可の貨幣が出金されることを回避しなが も、出金指示に応じた額の貨幣を過不足な 出金させることが可能であるとともに、出 処理をより迅速に行うことが可能な貨幣処 機の提供を目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明に係る 幣処理機は、貨幣を処理する貨幣処理機で って、複数の収納庫を有し、各々の収納庫 金種別に貨幣を収納する金種別収納庫と、 定の出金部に向かって貨幣を搬送する貨幣 送手段と、前記金種別収納庫に収納されて る貨幣に対し、前記貨幣搬送手段による搬 を開始させる搬送開始手段と、を備え、前 金種別収納庫に収納されている貨幣のうち 金すべき量のものを、前記搬送を通じて前 出金部に到達させることで出金させる、出 処理を少なくとも実行するものであり、前 搬送がなされている状態の各貨幣に対して 出金制限処理を実行する出金制限部を更に えており、該出金制限処理は、所定条件に づいて前記出金の許否を判定するとともに 該出金が許されない貨幣については、前記 送が完遂されないようにすることで該出金 阻止する処理であり、前記出金処理は、前 出金すべき量の貨幣に対して、前記搬送開 手段によって前記搬送を開始させる第1ステ ップと、該第1ステップの完了後、前記出金 限処理がなされたことによる出金の不足分 補充するように、前記金種別収納庫から前 出金部に貨幣を搬送する第2ステップと、を む構成(第1の構成)とする。

 本構成によれば、貨幣搬送手段による貨 の搬送を通じて、出金部に貨幣を搬送する とが可能である。また出金制限部を備えて ることにより、出金不可である貨幣が出金 れることを回避することが可能である。

 そして更に出金処理では、上述の第1ステ ップと第2ステップの処理がなされることに り、ある金種の出金ごとに出金の不足分を 認し、不足分が解消するまでその金種の出 を継続する(他金種の出金に移行しない)内容 の出金処理に比べて、処理の迅速化を図るこ とが可能となる。

 また本発明に係る貨幣処理機は、貨幣を 理する貨幣処理機であって、複数の収納庫 有し、各々の収納庫に金種別に貨幣を収納 る金種別収納庫と、所定の出金部に向かっ 貨幣を搬送する貨幣搬送手段と、前記金種 収納庫に収納されている貨幣に対し、前記 幣搬送手段による搬送を開始させる搬送開 手段と、を備え、前記金種別収納庫に収納 れている貨幣のうち出金すべき量のものを 前記搬送を通じて前記出金部に到達させる とで出金させる、出金処理を少なくとも実 するものであり、前記搬送がなされている 態の各貨幣に対して、出金制限処理を実行 る出金制限部を更に備えており、該出金制 処理は、所定条件に基づいて前記出金の許 を判定するとともに、該出金が許されない 幣については、前記搬送が完遂されないよ にすることで該出金を阻止する処理であり 前記出金処理は、前記出金すべき量の全て 貨幣について前記搬送が開始された後に、 記出金制限処理がなされたことによる出金 不足分を補充するように、前記金種別収納 から前記出金部に貨幣を搬送する処理であ 構成(第2の構成)とする。

 本構成によれば、貨幣搬送手段による貨 の搬送を通じて、出金部に貨幣を搬送する とが可能である。また出金制限部を備えて ることにより、出金不可である貨幣が出金 れることを回避することが可能である。

 そして更に出金処理では、出金指示に応 た量の貨幣の全てについて搬送が開始され までは出金の不足分を補充しないため、あ 金種の出金ごとに出金の不足分を確認し、 足分が解消するまでその金種の出金を継続 る(他金種の出金に移行しない)内容の出金 理に比べて、処理の迅速化を図ることが可 となる。

 また上記第1または第2の構成において、 記貨幣搬送手段は、前記出金部に貨幣を移 させる流れを生じさせる、搬送ラインを有 ており、前記搬送開始手段は、貨幣を該搬 ラインの流れに乗せることで、前記搬送を 始させる構成(第3の構成)としても良い。

 本構成によれば、所定の流れを生じさせ (例えばベルトコンベヤ式の)搬送ラインを 備しておくことにより、この搬送ラインの れに貨幣を乗せるだけで、貨幣の搬送が実 可能である。そのため、該搬送を効率的に 現させることが可能である。

 また上記第1の構成において、複数金種の 貨幣が前記出金処理の対象になっている場合 においては、該出金処理として、第1処理と 2処理の何れかを選択して実行可能であり、 第1処理は、前記第1ステップおよび第2ステ プを含む処理である一方、該第2処理は、前 記出金すべき量の貨幣のうち、ある金種の貨 幣について、前記貨幣搬送手段によって搬送 されるようにする第3ステップと、該金種に いて、前記出金制限処理がなされたことに る出金の不足分がある場合には、該不足分 なくなるまで、該金種の貨幣の搬送を行う 4ステップと、該第3ステップと第4ステップ 処理を、前記複数金種の各々について順に 行する第5ステップと、を含む構成(第4の構 )としても良い。

 本構成によれば、第1処理と第2処理の何 かを選択して実行可能であるから、より状 に適応した出金処理を実行させることが容 となる。

 また上記第4の構成において、前記第1処 および第2処理の何れを実行させるかについ 、ユーザにより選択可能である構成(第5の 成)としても良い。本構成によれば、ユーザ 判断に応じた出金処理を実行させることが 能となる。

 また上記第4の構成において、外部機器と の通信を可能とする通信インターフェースを 備え、前記第1処理と第2処理の何れが選択さ るかについては、前記外部機器から送られ きた情報に基づいて定まる構成(第6の構成) しても良い。

 本構成によれば、通信端末などの外部機 を用いて、第1処理と第2処理の何れかを選 することが可能となる。そのためテラー等 とって、出金処理の制御をより容易に実行 ることが可能となる。

 また上記第1または第2の構成において、 記出金部は、前記金種別収納庫から搬送さ てくる貨幣を金種別に収集する機構を有し いる構成(第7の構成)としても良い。

 本構成によれば、出金される貨幣を金種 に収集することが可能となるため、テラー にとって、出金された貨幣を金種別に仕分 る作業が省略可能となる。そのため、出金 引の労力削減および時間短縮を図ることが 能となる。

 また上記第3の構成において、前記搬送開 始手段は、前記金種別収納庫に収納されてい る貨幣を、前記収納庫ごとに予め定められた 前記搬送ライン上の搬送開始位置に移動させ ることで、前記搬送ラインの流れに乗せるも のであり、前記出金処理は、複数金種の貨幣 を前記出金部に搬送させる場合、前記搬送ラ インにおける前記出金部と前記搬送開始位置 との距離が長い前記収納庫に収納されている 貨幣から順に、前記搬送を開始させる構成( 8の構成)としても良い。

 本構成によれば、搬送ラインによる貨幣 搬送において、前金種における最終貨幣の 送に続いて、極力間をあけずに次金種の搬 を開始させることが容易となる。そのため 送の空白期間が極力抑えられ、出金処理の 間短縮を図ることが容易となる。

 また、複数の収納庫を有し、各々の収納庫 金種別に貨幣を収納する金種別収納庫を備 た貨幣処理機に対して、前記金種別収納庫 収納されている貨幣のうち、出金すべき量 ものを所定の出金部に搬送させる出金処理 行わせるための制御方法であって、
 前記金種別収納庫に収納されている貨幣の ち、出金すべき量の全ての貨幣に対して、 記出金部に向かった搬送を開始させる第6ス テップと、該第6ステップにおける搬送がな れている状態の貨幣に対して出金処理の許 を判定し、該出金処理が許されない貨幣に いては、前記搬送が完遂されないようにす 出金制限処理を行う第7ステップと、前記第6 ステップの完了後、前記出金制限処理がなさ れたことによる出金の不足分を補充するよう に、前記金種別収納庫から前記出金部に貨幣 を搬送させる第8ステップと、を含む方法(第9 の方法)も有用である。

 本発明に係る貨幣処理機によると、貨幣 送手段による貨幣の搬送を通じて、出金部 貨幣を搬送することが可能である。また出 制限部を備えていることにより、出金不可 ある貨幣が出金されることを回避すること 可能である。

 そして更に出金処理では、上述した第1ス テップと第2ステップの処理がなされる(或い 、出金指示に応じた量の貨幣の全てについ 搬送が開始されるまでは出金の不足分を補 しない)ようになっている。そのため、ある 金種の出金ごとに出金の不足分を確認し、不 足分が解消するまでその金種の出金を継続す る(他金種の出金に移行しない)内容の出金処 に比べて、処理の迅速化を図ることが可能 なる。

本発明の実施形態に係る循環式紙幣入 金機の外観図である。 本発明の実施形態に係る循環式紙幣入 金機の断面図である。 循環式紙幣入出金機と上位端末の制御 系を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る出金処理の流 図である。 本発明の実施形態に係る出金処理を説 するための説明図である。 出金紙幣を金種別に収集する機構に係 説明図である。 従来の紙幣繰出し機構の一例に係る説 図である。 本発明の実施形態に係る紙幣繰出し機 の説明図である。

符号の説明

   11    循環式紙幣入出金機(貨幣処理機)
   12、13 上位端末(外部機器)
   22    紙幣出金口
   23    紙幣入金口
   32    紙幣出金部
   24    占有ボタン
   34    透明シャッタ
   35    入金紙幣一時保留部
   36    前面扉
   40    上部ユニット側紙幣搬送部
   50    紙幣識別部
   82    リジェクトボックス
   83    金種別紙幣収納部
   85    下部ユニット側紙幣搬送部
  201    搬送ライン
  203    記憶部
  204    制御部
  210    移動式紙幣収納器

[実施例1]
 以下、本発明の一実施の形態について図面 参照しながら説明する。まず本実施形態に る循環式紙幣入出金機(以下、「紙幣入出金 機」と称する)の構成について説明する。

 図1に、循環式紙幣入出金機(以下、単に 紙幣入出金機」と称する)11の外観図を、ま 図2に、同じく紙幣入出金機11の断面図を、 れぞれ示す。この紙幣入出金機11は、例えば 銀行などの金融機関のカウンターに、このカ ウンターの内側に居る2人のテラー間に設置 れ、紙幣入出金機11の左右の一方または両方 に居るテラーのいずれからも使用可能となっ ている。

 紙幣入出金機11には通信インターフェー が設けられており、ここには、左右の2人の ラーが操作する上位端末12,13がそれぞれ接 されている。これにより、上位端末12,13と紙 幣収入出金器11との双方向通信が可能となっ いる。そしてこれら上位端末12,13のいずれ 一方のみで紙幣入出金機11を使用する場合、 両方で紙幣入出金機11を使用する場合の3通り の使用方法が可能である。

 紙幣入出金機11は機体14を有し、この機体 14は、テラーが操作する操作面側を前面14aと 、この前面14aと反対側つまりカウンターの 側の顧客側を後面14bとした場合、左右方向 横幅が狭く、前後方向の奥行きが長いとと に上下方向の高さが高い縦型に構成されて る。

 また機体14には、上部ユニット15および下 部ユニット16が機体14の前面側からそれぞれ 出可能に設けられている。

 上部ユニット15の上面前側および前面上 には、操作部としての上面操作部17および前 面操作部18がそれぞれ配置され、上面操作部1 7は機体14の上面14cより上方に突出され、この 上面操作部17の後方の機体14の上面域にカウ ターが嵌合する嵌合段部19が形成され、この 嵌合段部19から機体14の後面14bまでの幅寸法 カウンターが機体14の上面14cに嵌合配置され 、上面操作部17の上面がカウンターの上面と 同じぐらいの高さ位置に配置される。

 上部ユニット15の上面操作部17には、すな わち機体14の上面前側には、前側から順に、 方へ向けて下降傾斜する傾斜面20および略 平な水平面21が形成され、この水平面21には 前側から順に、紙幣を出金する紙幣出金口2 2、および紙幣を入金する紙幣入金口23が形成 され、これら紙幣出金口22および紙幣入金口2 3の設置域の左右両側域に左右いずれのテラ で入金処理または出金処理を占有するかを 示する占有指示部としての占有ボタン24がそ れぞれ配置され、紙幣出金口22および紙幣入 口23の設置域の一側すなわち左側に紙幣の まり箇所や紙幣の残量などを表示する表示 25が配置されている。各占有ボタン24は、そ ぞれランプを内蔵しており、操作されて占 状態となることで点灯表示する。

 上部ユニット15の前面操作部18には、入金 処理時に入金紙幣の一時保留後の入金非承認 によって返却することになった紙幣を取り出 すための開口部26が形成され、前面扉36で閉 される。また、上部ユニット15を機体14に収 した状態で施錠解錠するテラー操作用の上 ユニット錠27が設けられている。そして、 の上部ユニット錠27の解錠によって上部ユニ ット15が機体14から引き出せる。

 機体14の前面下部域には扉体28が開閉可能 に取り付けられ、この扉体28に下部ユニット1 6を機体14に収納して扉体28を閉じた状態で施 解錠する金融機関の上位管理者または警備 障会社の社員しか操作できない下部ユニッ 錠29が設けられており、扉体28を解錠して開 放することで下部ユニット16を機体14内から 方へ引き出し可能としている。なお、下部 ニット錠29はテラーには解錠できない。

 また、上部ユニット15の紙幣出金口22およ び紙幣入金口23の下部には、紙幣を立位姿勢 かつ長方形の紙幣の短手方向を上下方向と て収納するボックス状の紙幣出金部32およ 紙幣入金部33がそれぞれ配置されている。紙 幣出金口22には、出金中に紙幣出金口22を閉 るとともに出金終了時に開く透明シャッタ34 が開閉可能に配置され、出金中においては閉 じている透明シャッタ34を透過して紙幣出金 32に出金される紙幣を視認可能としている

 上部ユニット15の前面の開口部26の内側に は、すなわち機体14の前側域には、正規と識 された入金紙幣つまり入金正規紙幣を受収 て金種混合状態で一括して一時保留する入 紙幣一時保留部35が配置されている。この 金紙幣一時保留部35の前面には閉鎖状態で図 示しない電磁ロックによってロックされる透 明な前面扉36が開閉可能に配置され、一時保 紙幣の返却時に電磁ロックが解除され、前 扉36に設けられている取手37を持って開口部 26から前方へ開くことにより、開口部26を通 て入金紙幣一時保留部35内の入金非承認時の 一時保留紙幣を一括取出可能としている。

 上部ユニット15内には、紙幣出金部32、紙 幣入金部33および入金紙幣一時保留部35に接 されて紙幣を搬送する上部ユニット側紙幣 送部40が配設されている。この上部ユニット 側紙幣搬送部40は、紙幣出金部32に紙幣を搬 する出金搬送路部41、紙幣入金部33から繰り される紙幣を搬送する入金搬送路部42、出 搬送路部41の途中に接続されて入金紙幣一時 保留部35との間で紙幣を搬送する保留搬送路 43、後方から前方へ折り返す略U字形で上側 一端が入金搬送路部42に接続された識別搬 路部44、識別搬送路部44の上側の一端と下側 他端とを接続するバイパス搬送路部45、出 搬送路部41と識別搬送路部44の上側の一端(パ イパス搬送通路45の上端)との間に接続された 保留出金搬送路部46、保留出金搬送路部46に 続されて前方へ延設されたリジェクト紙幣 送路部47、識別搬送路部44の下側の他端(パイ パス搬送通路45の下端)に接続されて前方へ延 設され前端がリジェクト紙幣搬送路部47に接 された収納出金搬送路部48を有している。

 少なくとも出金搬送路部41、保留搬送路 43、識別搬送路部44、保留出金搬送路部46お び収納出金搬送路部48は、紙幣の搬送方向を 正逆に反転させることができる。各搬送路部 41~48間の接続部分には紙幣の進行方向を切り える切換部材49がそれぞれ配置されている 識別搬送路部44には搬送する紙幣の金種、真 偽、および正損などを識別する紙幣識別部50 配設されている。なお「金種」とは貨幣の 類のことであり、「真偽」とは貨幣が偽造 れたものであるか否か(本物か偽者か)を示 ものであり、「正損」は所定の判断基準(例 ば、汚れ度合や損傷の度合に関する基準)に 照らして適正な貨幣であるか否かを示すもの である。

 紙幣出金部32には、出金搬送路部41で搬送 してくる紙幣を立位姿勢で紙幣出金部32内に1 枚ずつ繰り込む羽根ローラ53、この羽根ロー 53で繰り込まれる紙幣を立位姿勢で受け入 るとともに紙幣を受け入れる位置を一定に て紙幣の立位姿勢を保ちながら前方へ整列 積するために受け入れた紙幣量に応じて移 するトレイ54がそれぞれ配設されている。

 紙幣入金部33には、入金紙幣を立位姿勢 受け入れるトレイ57、入金処理の開始時に移 動するトレイ57で押し付けられる立位姿勢で 列集積される紙幣を1枚ずつ下方へ繰り出す キックローラ58、このキックローラ58で繰り される紙幣を挟持して入金搬送路部42へ送り 込むフィードローラ59とゲートローラ60がそ ぞれ配設されている。

 入金紙幣一時保留部35は、その後面上側 保留搬送路部43が接続され、その後面上側が 後方へ向けて下り傾斜されており、入金紙幣 一時保留部35における保留空間部35aの周囲を む前面扉36である前面壁63と後面壁64との間 入金紙幣一時保留部35内を昇降する集積台65 上に紙幣の紙面を上下方向に向けて集積する 。

 入金紙幣一時保留部35には、保留搬送路 43から入金紙幣一時保留部35に入金紙幣を1枚 ずつ繰り込むとともに入金承認時に一時保留 紙幣を保留搬送路部43へ1枚ずつ繰り出す繰込 繰出手段66が配設されている。この繰込繰出 段66は、紙幣を載せて昇降する集積台65と連 動して動作するもので、保留搬送路部43から 金紙幣一時保留部35に紙幣を繰り込むとと に入金紙幣一時保留部35から保留搬送路部43 紙幣を繰り出す軸方向に複数のフィードロ ラ67およびゲートローラ68、紙幣繰出時に集 積台65上の一時保留紙幣を1枚ずつフィードロ ーラ67とゲートローラ68との間に繰り出すキ クローラ72などを備えている。

 また下部ユニット16には、機体14の前側域 に、商品券などを収納する着脱ボックス81が 脱可能に配置されているとともに、リジェ ト紙幣を収納するリジェクトボックス82が 定的に配置されている。

 さらにリジェクトボックス82の後部域に 、金種別に紙幣を収納する金種別紙幣収納 83が、図2の(A)~(E)で示すように前後方向に並 で固定的に配置されている。これら各金種 紙幣収納部83の上部には、紙幣の受収およ 1枚ずつの繰り出しをする紙幣受収繰出部84 配置され、金種別紙幣収納部83の上方域に各 紙幣受収繰出部84に接続して紙幣を搬送する 部ユニット側紙幣搬送部85が配置されてい 。なお下部ユニット16の最後部には、図2の(F )で示すように、必要に応じて金種別紙幣収 部83を増設可能とする増設スペース86が形成 れている。

 リジェクトボックス82には、このリジェ トボックス82の上部から紙幣を1枚ずつ繰込 能とする繰込手段87が配置されている。

 各金種別紙幣収納部83には、集積台88が昇 降可能に配置され、この集積台88上に紙幣の 面を上下方向に向けて集積する。

 下部ユニット側紙幣搬送部85は、金種別 幣収納部83の上方域に沿って前後方向に配置 された主搬送路部89、この主搬送路部89から 金種別紙幣収納部83に繰り込む紙幣を搬送す る繰込搬送路部90、各金種別紙幣収納部83か 繰り出される紙幣を主搬送路部89に搬送する 繰出搬送路部91を備え、各搬送路部89~91の接 部分には紙幣の進行方向を切り換える切換 材92がそれぞれ配置されている。下部ユニッ ト側紙幣搬送部85の主搬送路部89は、紙幣の 送方向を正逆に反転させることができる。

 紙幣受収繰出部84は、紙幣を載せて昇降 る集積台88と連動して動作するもので、紙幣 収納時に繰込搬送路部90からの紙幣を集積台8 8上に繰り込む繰込ローラ93,94、紙幣繰出時に 集積台88上の紙幣を1枚ずつ繰り出すキックロ ーラ95、このキックローラ95で繰り出される 幣を繰出搬送路部91に繰り出す繰出ローラ96 よびゲートローラ97を備えている。

 そして、金種別紙幣収納部83への紙幣繰 時には、集積台88上に紙幣を集積収納する毎 に紙幣の上面高さが高くなるため、集積台88 順次下降させて紙幣を受け入れて集積収納 る上面高さを一定の範囲内に保つようにす 。また、金種別紙幣収納部83からの紙幣繰 時には、集積台88を上昇させて紙幣をキック ローラ95に押し付け、キックローラ95の回転 より、紙幣を1枚ずつ繰り出す。

 また、機体14には、上部ユニット15と下部 ユニット16との間において、機体14に収納し 下部ユニット16の上面を閉塞状態に覆う板状 の被覆部材100が固定されている。この被覆部 材100には前端側に第1の開口部101および第2の 口部102がそれぞれ形成され、第1の開口部101 には上部ユニット側紙幣搬送部40の収納出金 送路部48の前端側と下部ユニット側紙幣搬 部85の前端側とを接続して紙幣を搬送する第 1の接続通路部103が配置され、第2の開口部102 は上部ユニット側紙幣搬送部40のリジェク 紙幣搬送路部47とリジェクトボックス82とを 続して紙幣を搬送する第2の接続通路部104が それぞれ配置されている。

 これら第1の接続通路部103および第2の接 通路部104は、機体14側に固定された被覆部材 100の第1の開口部101および第2の開口部102を通 て、機体14に対してそれぞれ引出可能とし 上部ユニット15および下部ユニット16を機体1 4に収納した状態で接続されて上部ユニット15 と下部ユニット16との間で紙幣の搬送が可能 なる。さらに、第1の接続通路部103および第 2の接続通路部104は、紙幣の搬送方向を正逆 反転させることができる。

 次に紙幣入出金機11および上位端末12,13か らなるシステムの制御体系について、図3を 照しながら説明する。本図に示すように紙 入出金機11は、先述したものの他、搬送ライ ン201、記憶部203、および制御部204をも有して いる。

 搬送ライン201は、先述した上部ユニット 紙幣搬送部40や下部ユニット側紙幣搬送部85 などにより構成されている、紙幣を搬送させ る経路(ライン)全体を指す。特に出金処理で 、金種別紙幣収納部83から、紙幣出金口22ま たはリジェクトボックス82に向けて紙幣を搬 させるものを表す。

 なお搬送ライン201は、機能的に見れば、 幣出金口22またはリジェクトボックス82に、 紙幣を順次移動させるための流れを生じさせ る機構ともいえる。つまり、各金種別紙幣収 納部83に収納されている紙幣は、紙幣受収繰 部84等によって、金種別収納部83ごとに対応 している搬送ライン201上の所定位置(搬送開 位置)に繰出される。これにより、紙幣が搬 ライン201の流れに乗せられることで、紙幣 金口22またはリジェクトボックス82に搬送さ れる。

 記憶部203は、例えばフラッシュメモリの うに書換え可能な記憶装置からなっており 出金指示のあった金額や、紙幣識別部50に り出金不許可と判断された金種ごとの紙幣 枚数など、種々の情報を記憶する。また制 部204は、紙幣入出金機11においてなされる入 金処理や出金処理などを全体的に制御する。 制御にあたっては、上位端末12,13、紙幣識別 50、および記憶部203などから取得される各 情報が用いられることになる。

 以上に示した構成の紙幣入出金機11によ ば、紙幣の入金処理(受取った紙幣を所定箇 に収納する処理)や出金処理(収納されてい 紙幣から、指定された金額分を取り出す処 )などを実行することが可能である。次に、 幣入出金機11における出金処理の内容につ て、図4のフローチャートを参照しながら説 する。

 紙幣入出金機11を例えば左側のテラーが 用する場合には、左側の占有ボタン24を操作 することにより、左側のテラー側の占有モー ドとなる。そして金融機関のカウンターにお いて、顧客からの出金要求に応じた金額など の出金情報が、左側のテラーの上位端末12に 力され、出金指示の操作がなされることに り、出金処理が開始される(ステップS11のY) このとき、どの金種の紙幣を何枚だけ紙幣 金口22に搬送(出金)させるべきかを示す情報 が、紙幣入出金機11に入力される。

 この出金指示を受けて、紙幣入出金機11 、この指示された分の紙幣の搬送を開始す 。このとき1種類の紙幣を出金する場合には 該当する金種の金種別紙幣収納部83のみか 1枚ずつ紙幣を順に繰り出すこととする。一 、複数金種の紙幣を出金する場合には、ま 搬送ライン201において、対応する搬送開始 置が紙幣出金口22に最も遠い(最も搬送経路 長い)金種別紙幣収納部83から、同様にして 幣の搬送を開始させる(ステップS12)。

 つまり本紙幣入出金機11では、図2での右 の金種別紙幣収納部83ほど、対応する搬送 始位置が紙幣出金口22から遠くなっているの で、出金が必要な金種のうち、右側の金種別 紙幣収納部83に収納されているものから順に 紙幣の搬送を開始させることとする。なお 搬送の開始」は、具体的には、紙幣受収繰 部84等によって搬送ライン201の流れに乗せ ことを指す。

 なお金種別紙幣収納部83から繰り出され 紙幣は、繰出搬送路部91および主搬送路部89 ら第1の接続通路部103を通じて上部ユニット 側紙幣搬送部40の収納出金搬送路部48および 別搬送路部44に搬送される。そして紙幣識別 部50にて、出金の許否が判断されることにな 。

 この出金の許否は、紙幣の真偽や正損に する所定の判断基準によって判断される。 の判断の結果、出金が許容された紙幣は、 別搬送路部44から保留出金搬送路部46および 出金搬送路部41を通じて紙幣出金口22に繰り まれて立位姿勢で集積される。一方、出金 許容されなかった紙幣は、識別搬送路部44か ら保留出金搬送路部46、リジェクト紙幣搬送 部47から第2の接続通路部104を通じて下部ユ ット16のリジェクトボックス82に繰り込まれ て収納されることになる。これにより、出金 不許可の紙幣については、紙幣出金口22への 送が完遂されないようにする処理(出金制限 処理)が実現される。

 このようにして、ある金種について出金 示分の全ての紙幣搬送を開始させ終えたら 次に、対応する搬送開始位置が紙幣出金口2 2からその次に遠くなっている金種別紙幣収 部83から、対応金種に係る出金指示分の全て の紙幣についての搬送を順次開始させる(ス ップS14)。そして、このようにして出金指示 含まれる各金種の全てについて搬送を開始 せ終えた後、(ステップS13のY)、出金の不足 を補充するための追加搬送が必要でなけれ (ステップS15のN)、出金処理はその目的が果 されて終了する。その後、テラーによって 幣出金口22から出金紙幣が取り出され、顧 に受け渡されることになる。

 一方、出金の不足分を補充するための追 搬送が必要であれば(ステップS15のY)、引き いて、不足分を補うための紙幣搬送を実施 る(ステップS16)。つまり、リジェクトボッ ス82に収納された分と同等の紙幣を、金種別 紙幣収納部83から紙幣出金口22に向けて再搬 させる。再搬送後も不足分が生じた場合に 再々搬送を行うようにし、出金指示分の全 の紙幣が紙幣出金口22に到達するまで、同様 の処理を繰り返す。

 ここで出金の不足分は、出金不許可の紙 がリジェクトボックス82に搬送された結果 その分だけ紙幣出金口22に到達する紙幣が減 少することにより生ずる。そのため、出金の 不足分を補充するための追加搬送の要否なら びに追加搬送すべき枚数は、紙幣識別部50に る各紙幣に対する出金許否の判断処理につ て、不許可の発生数をカウントしておくこ 等により判別可能である。

 上述した一連の処理により、出金指示に じた出金が実現されることとなる。ここで 該出金処理をより理解容易とするため、出 処理の具体的な事例を挙げて、以下に説明 る。なお図5に、当該事例の状況を模式的に 示す。ここで、金種別紙幣収納部83に割り当 られる金種は、以下の順以外でも構わず、 意に設定できるものとしても良い。しかし 般的には、低額金種の出金頻度が比較的高 、また複数金種の出金処理では、高額金種 ら順に出金することで、紙幣出金口22にお る集積状態がバランス良くなるため、以下 ような金種割り当てとする。

 当該事例では図5に示すように、金種別紙 幣収納部83は、紙幣出金口22に近い方から順 、$1、$5、$10、$20、$50、および$100の紙幣を収 納するよう設定されており、各金種別紙幣収 納部83には十分な枚数の紙幣が収納されてい ものとする。またこれら各金種の紙幣は、 幣受収繰出部84等によって、金種別紙幣収 部83の各々に対応している搬送開始位置(図5 P1~P6に示されている位置)に繰出されること 、搬送が開始される。

 そして$10の金種別紙幣収納部83に1枚だけ 金の許容されない紙幣が混入している状態 、上位端末から、$5の紙幣を30枚、$10の紙幣 を50枚、および$50の紙幣を20枚出金すべき旨 出金指示(ステップS11)がなされた状況を想定 する。この場合、$5紙幣、$10紙幣、および$50 幣の各々が、出金に必要な金種となる。

 かかる出金指示により紙幣入出金機11は 対応する搬送開始位置が紙幣出金口22に最も 遠い$50の金種別紙幣収納部83から、紙幣を1枚 ずつ繰り出して搬送ラインに乗せることで、 紙幣の搬送を開始させる(ステップS12)。そし $50の紙幣20枚分について搬送を開始させ終 たら、次に、対応する搬送開始位置が2番目 紙幣出金口22から遠い$10の金種別紙幣収納 83について、同様に紙幣の搬送を開始させる (ステップS14)。

 このとき、20枚目の$50紙幣が、$10に係る 種別紙幣収納部83に対応する搬送開始位置( 5のP3)を通過した直後のタイミングで、$10紙 の1枚目の搬送が開始される。これにより、 搬送ライン201において、$50の最後の紙幣と$10 の最初の紙幣との間隔が大きくなり過ぎるこ とを防ぎ、搬送の空白期間を極力抑えること としている。

 またこのように、ある金種の最後の紙幣 次金種の最初の紙幣との間隔が大きくなり ぎないようにすることは、本実施形態のよ に、紙幣の搬送が、対応する搬送開始位置 紙幣出金口22に最も遠い金種別紙幣収納部83 から順に実行されることで容易となっている 。なお、仮に$10紙幣の搬送の後に$50紙幣の搬 送を行うようにしていると、かかる間隔を抑 えるためには、最後の$10紙幣の搬送開始より も前に、最初の$50紙幣の搬送を開始させると いったことが必要となる。この場合、$10紙幣 と$50紙幣との重なり等が生じ易く、ひいては 搬送のトラブルが生じ易くなるおそれがある 。

 そして50枚目の$10紙幣の搬送が開始され ら、同様にして30枚分の$5紙幣についての搬 を1枚ずつ順に開始させる。なお$10紙幣の搬 送中、紙幣識別部50によって出金不許可と判 され、リジェクトボックスに搬送される紙 が出現することになるが、この段階では、 金不許可と判断された分の追加搬送は実行 れない。

 30枚目の$5紙幣の搬送が開始されたら、出 金指示分の全ての紙幣搬送が開始されたこと になる(ステップS13のY)。その後、出金の不足 分として$10紙幣1枚分が存在するから(ステッ S15のY)、その分の追加搬送を開始させるこ とする(ステップS16)。そしてこの1枚分の$10 幣が、出金許可と判断されて紙幣出金口22に 到達した段階で、出金処理は完了する。

 上述した本実施形態の出金処理(以下、「 第1処理」と称する)によれば、例えばある金 の出金搬送中に出金不許可が発生した場合 、その不足分を追加搬送により補充した上 、他金種の搬送を開始させる出金処理(以下 、「第2処理」と称する)に比べて、処理時間 短縮を図ることが可能である。この理由を 明するため、先述した事例と同等の出金処 が仮に第2処理で実行された場合の状況につ いて、以下に説明する。

 先ず、例えば$50紙幣20枚について、1枚ず 搬送が開始される。$50紙幣については出金 可となる紙幣はないため、続いて$10紙幣50 についての搬送が開始されることになるが この開始がなされるのは、$50紙幣の20枚目の 紙幣が紙幣識別部50に到着して出金許可と判 された後となる。$50紙幣の1枚目~19枚目まで が出金許可となっていても、最後の20枚目の 金許可が判別されるまでは、次に$50紙幣の 加搬送を行うべきか、次金種である$10紙幣 搬送に移行するべきかが不明なためである

 そして$10紙幣の搬送に移行すると、この 種の紙幣50枚が紙幣出金口22に到達するよう に、1枚ずつ搬送が開始される。ここで$10紙 の搬送では、出金不許可が1枚分発生するた 、結果として51枚分の紙幣について搬送が 始されることとなる。その後、同様に$5紙幣 についても搬送が実行され、出金処理が完了 する。

 このように第2処理では、ある金種につい ての出金許可の枚数が、出金指示で指定され た枚数分だけ確保できたことが確定するまで は、次の金種の搬送が開始されない。また紙 幣の出金許否の判断は、その紙幣が、搬送ラ インの途中(搬送開始地点よりも下流)に位置 る紙幣識別部50に到達するまでなされない そのため、現金種の搬送から次金種の搬送 移行する段階においては、現金種の最後の 幣が搬送開始位置から紙幣識別部50に搬送さ れるまでの間、必然的に何れの紙幣も搬送さ れない状態(搬送の空白期間)が生じることに る。かかる空白期間が発生すると、その分 け紙幣の搬送は停滞するため出金処理は遅 することになる。

 一方、第1処理によれば、出金指示に基づ いて、搬送が開始されるべき金種と枚数が予 め分かっている(不足分の紙幣搬送について 、出金指示分の搬送開始が全てなされた後 実行される)。そのため上述したように、あ 金種の最後の紙幣について搬送が開始され 後、この紙幣に係る出金許否の判断を待た して、次金種の搬送を開始させることが可 である。

 このように本実施形態の出金処理では、 来処理に比べて迅速に出金を行うことが可 となっている。特に出金不許可の発生頻度 稀である場合(例えば、全く発生しないこと が多いような場合)には、本実施形態の出金 理によれば、従来処理に比べて格段に迅速 処理が可能であるとともに、万一出金不許 の紙幣が検出された場合にも適切な対処が 能となっている。

 つまり第2処理によれば、「第1金種の搬 (不足分の追加搬送を含む)」→「搬送の空白 期間」→「第2金種の搬送(不足分の追加搬送 含む)」→「搬送の空白期間」→・・・→「 搬送の空白期間」→「最終金種の搬送(不足 の追加搬送を含む)」という流れになる一方 第1処理によれば、「第1金種の搬送」→「 2金種の搬送」→・・・→「最終金種の搬送 →「不足分の追加搬送(不足分が無い場合は 省略)」という流れになるため、「搬送の空 期間」が削減される分、より迅速な出金処 が達成される。

 なお本実施形態の紙幣入出金機11では、 金処理として上述の第1処理を実行するもの しているが、その他に、第1処理と第2処理 選択可能に実行するものとしても良い。こ 場合、例えばテラーが上位端末12,13を操作す るとともに、上位端末12,13がこの操作状況に じて、第1処理と第2処理の何れを実行すべ かを示す情報を紙幣入出金機11に出力するよ うにしておけば良い。これにより、第1処理 第2処理の何れを実行させるかについては、 ラー(ユーザ)によって自在に選択可能とな 。このようにしておくことで、出金処理の れを状況に応じて変更することができ、よ 汎用性の高い紙幣入出金機が実現される。

 また紙幣出金部32においては、金種別紙 収納部83の各々から搬送されてくる紙幣を、 金種別に収集する機構を備えるようにしても 良い。このような機構の一例について、図6 参照しながら以下に説明する。

 図6に示すように紙幣出金部32は、移動式 幣収納器210を備えている。この移動式紙幣 納器210は、金種別紙幣収納部83の各々に対 した紙幣の収納スペースが設けられており それぞれの収納スペースは仕切られている また制御部204の指示に応じて図6の矢印方向 移動可能となっており、これにより、搬送 イン201に対応する(紙幣が搬送されてくる) 納スペースを変更可能となっている。なお 6に示す状態では、(B)で示す収納スペースが 送ライン201に対応している。

 このような機構によれば、複数金種の紙 を出金させるにあたり、紙幣出金部32に到 する紙幣の金種に応じて、移動式紙幣収納 210を適宜移動させるようにすれば、出金紙 を金種別に収集することが可能となる。そ ためテラーにとっては、出金された貨幣を 種別に仕分ける作業を省略することができ 出金取引の労力削減および時間短縮を図る とが可能となる。

[実施例2]
 次に実施例2について説明する。上述した紙 幣入出金機(貨幣処理機)では、金種別紙幣収 部83の各々には予め限界容量が定められて り、それ以上紙幣が収納されることを未然 防ぐようにしている。このようにする具体 方法としては、例えば、ある金種の金種別 幣収納部83の収納状況が限界容量に達すると 、一律に入金処理を受け付けないようにする 方法が採用されていた。

 この方法によると、容量の限界に達した 種以外の紙幣を入金しようとした場合、こ 金種の紙幣については実質的には(収納部の 容量としては)入金が可能であるにも関わら 、容量の限界に達した紙幣が途中収集され (人の手などによって、収納部から紙幣が取 出される)までは、入金処理が受け付けられ ないという問題があった。このことは、入金 業務の中断を頻発させることにも繋がり、好 ましいとはいえない。

 そこである金種に係る金種別紙幣収納部8 3が容量の限界に達したことを検出した場合 その金種のみについて新たな入金処理を禁 するソフトウェア処理を実行させることと ても良い。例えば入金処理のために紙幣入 口23に投入された紙幣のうち、容量の限界に 達している金種については、紙幣出金口22に 送させる一方、それ以外の金種については 金種別紙幣収納部83もしくは入金紙幣一時 留部35に搬送させるようにする。

 このようにすることで、全金種の収納部 容量の限界となるまでは入金を行うことが 能となる。また、収納部が容量の限界とな たことで紙幣出金口22に搬送された紙幣を テラーが手で数えて紙幣入出金機(貨幣処理 )とは別の場所で管理しておくことで通常通 りの業務を行うことができる。

[実施例3]
 次に実施例3について説明する。上述した金 種別紙幣収納部83や入金紙幣一時保留部35に いては、一旦収納された紙幣を外部に繰り すための機構(繰出し機構)が設けられている 。ここで従来における繰出し機構の具体的な 動作内容について、以下に説明する。

 この繰出し機構は、繰出ローラ(フィード ローラとそれに連結されたキックローラ)の1 転で、1枚の紙幣を繰り出す構造となってい る。紙幣は紙幣平面サイズより若干大きな集 積スペースに、規則性を持たずに重ねて収納 されている。特に紙幣短手方向に寸法差があ る紙幣を取り扱う装置では、ユニットの標準 化を図るため、紙幣に対して集積スペースが 従来機種より広い状態で運用せざるを得ない 場合がある。

 1枚目の紙幣は、集積スペースの遊び寸法 に加えて、集積スペース端面から分離ローラ 噛み込み点までの寸法(これらを合わせて「 間移動分」とする)を移動して、分離ローラ 到達する。n枚目以降は、n-1枚目との紙幣間 摩擦によって、概ね分離ローラまで引き寄せ られているため、空間移動分が極めて少なく なっている。またキックローラのゴム部分は 、1枚目の紙幣から有効キックゴム長さ全部 紙幣に接触できるよう、予め紙幣集積面に して反対側(裏側)に待機している。

 1枚目の紙幣は、2枚目以降の紙幣に対し 空間移動分だけ移動量が多いため、1枚目の 幣と2枚目の紙幣の間隔が狭くなり、連鎖繰 り出しを引き起こす可能性がある。そこで1 目繰り出し検知後、繰り出しモータを一定 間停止させることにより、2枚目との間隔を げている。なおこのような従来の繰出し機 における動作の流れを、図7に示す。

 なお図7の(3)では、1枚目と2枚目の間隔制 のため、繰出モータはスローダウンした後 停止している。ここでスローダウン時には 高速搬送ローラの噛込点に紙幣先端の一方 グリップすることがあり、分離ローラの噛 点を支点にして紙幣が回転し斜行すること ある。また図7の(4)では、キックゴムが無い 部分でも、フィードローラ横に配置された低 速ローラが紙幣をグリップして、進行方向へ 送り出すことになる。このとき、紙幣の斜行 は更に助長される。

 しかしこのような繰出し機構では、1枚目 の紙幣とn枚目の紙幣では、同じキックゴム 紙幣を前進させるところ、1枚目の紙幣は空 移動分だけ相対的な送り量が少なくなって まい、繰出ローラ1回転で1枚目が完全に繰 しできず、2回転目で繰出されることがある

 このように1回転で紙幣が完全に繰出され ない場合、分離ローラ付近で滞留した紙幣先 端の一部が高速搬送ローラに噛み込むと、噛 み込んだ方が引き抜かれて先行しようとし、 噛み込んでいない方は分離ローラによって止 められようとする。そのため紙幣は大きく斜 行し、2回転目で斜行状態のまま繰出される とになる。

 このような問題は、1枚目の紙幣を繰出す 際に、分離ローラまでの空間移動分が存在す ることに原因がある。そこで1回転目で、1枚 の紙幣を空間移動分だけ確実に進めるため 紙幣を蹴り出す有効キックゴム長さの一部 を使って空振りさせることで、1枚目紙幣の 位置を制御するものとすれば良い。このよう にした繰出し機構における動作の流れを、図 8に示す。

 なお図8の(2)では、キックローラの有効キ ックゴム長さは、ゴム全体の半分しかないた め、キックローラにより蹴られた1枚目の紙 は分離ローラ噛込点で停止する。また図8の( 3)では、低速ローラの噛込点まで紙幣は達し いため、紙幣は停止したままとなる。

 このようにして繰出しローラの1回転目で 1枚目の紙幣を空間移動分だけ確実に進める とで、2枚目以降と同じ状態となるよう紙幣 置が制御され、安定した繰出し状態となる そのため繰出し部での過大斜行の発生頻度 減少し、ジャムの発生による処理休止の低 を図ることが可能となる。また1枚目の紙幣 が安定して繰出されるため、軽度の斜行が減 少することも期待でき、紙幣の通過率向上に より装置内紙幣の有効活用を図ることが可能 となる。

 なおかかる繰出し機構は、紙幣入出金機 限らず、収納庫から集積された紙葉類(紙幣 、証書、投票用紙、カード等)を繰出させる めの機構について、一般的に適用可能であ 。またプリンターなど、紙に対して平行に 字させたい場合に、あえて空振りさせて紙 先端位置を合わせ、かつ先端合わせとする とにより斜行補正がし易くなる。これによ 印刷精度の向上が期待できる。

 本発明は、金融機関で使用される貨幣処 機などの分野において利用可能である。