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Title:
CUTTING TOOL, AND CUTTING METHOD USING THE TOOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123375
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a cutting tool comprising a cutting insert having an upper face, a lower face, side faces and cutting blades formed at the intersecting portions between the upper face and the side faces. Further comprised is a holder having a plurality of insert mounting seat portions formed on the leading end side of a body portion for mounting the cutting insert. The cutting insert has a recessed first sign formed on the lower face and indicating such one of the insert mounting seat portions of the holder as to mount the cutting insert. The insert mounting seat portions of the holder have flat abutment faces for abutting against the lower face of the cutting insert, and the flat abutment faces are made to have a lower hardness than that of the lower face of the cutting insert. Also provided is a cutting method for using the cutting tool.

Inventors:
ISHIDA TAKUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055947
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
ISHIDA TAKUYA (JP)
International Classes:
B23C5/20; B23C5/06; B23C5/10; B23C5/22
Foreign References:
JP2000254812A2000-09-19
JPH0957519A1997-03-04
JP2005342871A2005-12-15
JP2003326413A2003-11-18
JPH09136210A1997-05-27
JP2000288823A2000-10-17
Attorney, Agent or Firm:
FUKAI, Toshikazu (7-31 Otemae,1-chome, Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 91, JP)
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Claims:
 上面と、下面と、側面と、前記上面と前記側面との交差部に形成された切刃と、を備えた切削インサートと、
 本体部の先端側に前記切削インサートが装着されるインサート装着座部を複数有するホルダと、を備えてなり、
 前記切削インサートは、前記下面に、前記ホルダの複数のインサート装着座部のうち、該切削インサートを装着すべきインサート装着座部を示す凹状の第1標識を有し、
 前記ホルダのインサート装着座部は、前記切削インサートの下面と当接する平坦な当接面を有し、
 前記ホルダの当接面が、前記切削インサートの下面よりも低硬度であることを特徴とする切削工具。
 前記第1標識の内壁面と前記切削インサートの下面との交差部は、面取りがなされていない請求項1に記載の切削工具。
 前記第1標識の内壁面と前記切削インサートの下面とのなす角が鈍角である請求項2に記載の切削工具。
 前記第1標識の幅は、前記切削インサートの下面から遠ざかるにつれて減少している請求項1~3のいずれかに記載の切削工具。
 前記第1標識の内壁面の断面形状が円弧である請求項4に記載の切削工具。
 前記切削インサートは、前記第1標識を除いた下面に凹部を有している請求項1~5のいずれかに記載の切削工具。
 さらに前記切削インサートと前記ホルダのインサート装着座部との間に配設されるシート部材を少なくとも1つ備えてなり、
 前記シート部材は、前記切削インサートの下面と当接する平坦な当接面を有し、
 前記シート部材の当接面が、前記切削インサートの下面よりも低硬度である請求項1~6のいずれかに記載の切削工具。
 前記第1標識は、鏡文字である請求項1~7のいずれかに記載の切削工具。
 前記第1標識は、前記切刃に近接する位置に配置されている請求項1~8のいずれかに記載の切削工具。
 前記第1標識は、複数設けられるとともに、該複数の第1標識は、前記切削インサートの下面の中央に対して対称に配置されている請求項1~9のいずれかに記載の切削工具。
 前記切削インサートの側面には、該側面から前記上面に亘り前記切刃を分断する溝部が複数形成されている請求項1~10のいずれかに記載の切削工具。
 前記第1標識は、前記溝部の数を表す請求項11に記載の切削工具。
 切削時の負荷によって前記切削インサートの第1標識を前記ホルダの当接面または前記シート部材の当接面に転写するようにした請求項1~12のいずれかに記載の切削工具。
 前記ホルダは、前記インサート装着座部に連通して形成されるチップポケットを有してなり、
 前記ホルダの本体部は、装着される前記切削インサートを示す第2標識を有し、
 前記第2標識は、前記ホルダのチップポケットに位置している請求項1~13のいずれかに記載の切削工具。
 請求項1~14のいずれかに記載の切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、
 前記切削工具または前記被削材の少なくとも一方を回転させ、前記被削材に前記切削工具を近接させる工程と、
 前記切削インサートの切刃を前記被削材の表面に接触させ、前記被削材を切削する工程と、
 前記被削材から前記切削工具を離間させる工程と、
を備えることを特徴とする切削方法。
Description:
切削工具およびそれを用いた切 方法

 本発明は、切削インサートと、この切削 ンサートが複数装着されるホルダとを備え 切削工具およびそれを用いた切削方法に関 る。

 金属材料等の切削加工に使用される切削 具は、切削インサートと、この切削インサ トが複数装着されるホルダと、を備えてい 。前記切削インサートは、上面と側面との 差部に形成された切刃を有している。前記 面には、溝部(ニック)が所定の数および配 で複数形成されている。この溝部は、前記 面から前記上面に亘り前記切刃を分断する う形成されている。

 一方、前記ホルダは、複数のチップポケ トを有している。前記複数のチップポケッ は、前記ホルダの軸線方向の先端外周側に 周方向に所定の間隔を空けて設けられてい 。各チップポケットにおける回転方向下流 には、切削インサートが装着されるインサ ト装着座部(以下、座部とも言う。)が軸線 向に複数設けられている。すなわちホルダ 、座部と、この座部に連通して形成される ップポケットとを複数備えている。そして 前記切削インサートが前記座部に着脱自在 装着される。

 このとき、例えば溝部配置の異なる2つの 切削インサートを、ホルダの同一円周上に形 成された複数の座部に、交互に装着する場合 がある。この場合、誤って溝部配置の同じ切 削インサートがホルダの同一円周上に連続し て装着されるのを防止する上で、座部が形成 されているチップポケットの見やすい壁面位 置に、該座部に取付けるべき切削インサート の種別を示す識別標識が刻印されている(例 ば、特許文献1参照)。

 しかしながら、切削により生成する切屑 前記識別標識の表示されたチップポケット 壁面を通過することにより、識別標識の表 部が切屑の熱的影響によって変色したり、 屑の摩擦や衝突によって変形することがあ 。その結果、識別標識が識別できなくなり 切削インサートの装着時に作業性が低下す という問題があった。

 このような問題を解決するため、切屑と 接触がない座部のうち切削インサートの下 と当接する当接面に、識別標識が刻印され いる切削工具がある(例えば、特許文献2参 )。

 しかしながら、この場合には識別標識を い領域に形成しなければならない。ホルダ 作製は、一般に、後加工によってチップポ ットや座部を加工する。したがって、当該 い領域に識別標識を形成することは困難で るとともに、作業コストが高くつく。また 使用を重ねるうちに、識別標識の角部に亀 が入り、座部の当接面が変形するという問 もある。

実開平5-70822号公報

実開平5-41606号公報

 本発明の課題は、切削インサートを所定 インサート装着座部に効率よく装着するこ ができる切削工具およびそれを用いた切削 法を提供することである。

 本発明の切削工具は、上面と、下面と、 面と、前記上面と前記側面との交差部に形 された切刃と、を備えた切削インサートと 本体部の先端側に前記切削インサートが装 されるインサート装着座部を複数有するホ ダと、を備えてなる。前記切削インサート 、前記下面に、前記ホルダの複数のインサ ト装着座部のうち、該切削インサートを装 すべきインサート装着座部を示す凹状の第1 標識を有している。前記ホルダのインサート 装着座部は、前記切削インサートの下面と当 接する平坦な当接面を有している。前記ホル ダの当接面が、前記切削インサートの下面よ りも低硬度である。

 本発明の切削方法は、以下の(i)~(iii)の工程 備える。
(i)前記切削工具または前記被削材の少なくと も一方を回転させ、前記被削材に前記切削工 具を近接させる工程。
(ii)前記切削インサートの切刃を前記被削材 表面に接触させ、前記被削材を切削する工 。
(iii)前記被削材から前記切削工具を離間させ 工程。

 本発明によれば、切削時の負荷によって 切削インサート下面の第1標識をホルダの当 接面に転写することができる。この転写され た識別標識に基づいて切削インサートを装着 することができるので、切削インサートを所 定のインサート装着座部に効率よくかつ装着 ミスを抑制しつつ装着することができる。

本発明の一実施形態にかかる切削工具 示す斜視図である。 (a)は、本発明の一実施形態にかかる切 インサートを示す斜視図であり、(b)は、そ 底面図である。 (a)は、本発明の一実施形態にかかる切 インサートを示す斜視図であり、(b)は、そ 底面図である。 本発明の一実施形態にかかるホルダを す斜視図である。 (a)は、図2に示す切削インサートの第1 識が転写されたホルダの当接面を示す部分 大図であり、(b)は、図3に示す切削インサー の第1標識が転写されたホルダの当接面を示 す部分拡大図である。 本発明の一実施形態にかかる切削イン ートの底面付近における第1標識を示す部分 拡大断面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態にかかる 削インサートを示す斜視図であり、(b)は、 の底面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態にかかる 削インサートを示す斜視図であり、(b)は、 の底面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる 削インサートの底面を示す斜視図である。 (a)~(c)は、本発明の一実施形態にかか 切削方法を示す概略説明図である。

 以下、本発明の切削工具にかかる一実施 態について図1~図6を参照して詳細に説明す 。図1に示すように、本実施形態の切削工具 50は正面フライスの転削工具であり、切削イ サート10,20と、ホルダ80とを備えている。

 切削インサート10,20は、図2,図3に示すよ に、それぞれ上面1,下面2,複数の側面3,上面1 側面3との交差部に形成された切刃4を備え いる。前記複数の側面3のうち長手方向に位 する各側面3には、該側面3から上面1に亘り 刃4を分断する溝部6(ニック)が切削インサー ト10には2つ、切削インサート20には3つ形成さ れている。

 切削インサート10,20の各上面1の中央部に 貫通穴5が形成されている。この貫通穴5は 切削インサート10,20をホルダ80に固定する図1 に示す固定ネジ51を挿通するためのものであ 。切削インサート10,20は、貫通穴5の中心軸 対して180度回転対称な形状である。これに り、使用している一方の切刃が摩耗した際 は、切削インサート10,20を180度回転させ、 用していない他方の切刃を用いることがで るので経済的である。

 一方、ホルダ80は、図4に示すように、複 のチップポケット82を有している。該複数 チップポケット82は、ホルダ80の軸線81方向 先端外周側に、周方向に所定の間隔を空け 設けられている。各チップポケット82におけ る回転方向(図4中の矢印A方向)下流側には、 削インサート10,20が装着されるインサート装 着座部83(以下、座部83と言う。)が軸線81方向 複数設けられている。すなわちホルダ80は 座部83と、この座部83に連通して形成される ップポケット82とを複数備えている。

 そして、切削インサート10,20の各貫通穴5 固定ネジ51がそれぞれ挿通する。各固定ネ 51の先端側は、座部83のうち切削インサート 下面2と当接する当接面84に形成されたネジ 85と螺合する。これにより、切削インサー 10,20を座部83に着脱自在に装着する。

 切削インサート10,20を装着した切削工具50 は、図1に示すように、ホルダ80の軸線81を中 に矢印A方向に回転して、切削インサート10, 20の各切刃4にて切削加工を行う。切削インサ ート10,20の各側面3には複数の溝部6が形成さ ている。そのため、この切削インサート10,20 にて切削加工を行うと、溝部6に対応する位 の被削材は切削されず、この切削しない分 け切削抵抗を低減することができる。この うな切削インサートは、主として重切削加 における切削抵抗の低減や、被削材への食 き性の改善を目的として用いられる。

 このような切削インサートは、一方の切 インサートのみによる切削では、溝部6での 切削が行われない。そのため、被削材の加工 壁面に帯状の削り残し部が生じる。そこで、 ホルダ80の同一円周上に位置する座部83に、 部6の配置が互いに異なる切削インサート、 なわち切削インサート10,20を交互に装着し 、一方の切削インサートの削り残し部を他 の切削インサートで切削するという構成を る(図1参照)。

 切刃4が摩耗した際には、固定ネジ51を外 て切削インサート10,20を座部83から取り外す 。そして、切削インサート10,20を、貫通穴5を 中心にして180度回転させ、使用していない他 方の切刃4を用いるよう装着し直す。または 切削インサート10,20を、座部83から取り外し 新しい切刃4を有する切削インサート10,20に 換する。

 ここで、図2(b),図3(b)に示すように、切削 ンサート10,20の各下面2に、ホルダ80の複数 座部83のうち、該切削インサートを装着すべ き座部83を示す凹状の第1標識11,21がそれぞれ 成されている。

 ホルダ80の座部83における当接面84は、切 インサート10,20の下面2と当接する平坦な面 ある。そして、この当接面84は切削インサ ト10,20の各下面2よりも低硬度である。これ より、切削インサート10,20を座部83にそれぞ 装着し、切削インサート10,20にて切削加工 行うと、切削時の負荷によって第1標識11,21 ホルダ80の当接面84にそれぞれ転写すること できる。したがって、摩耗した切削インサ ト10,20を新しい切削インサート10,20に交換す る際には、図5(a),(b)に示すような転写された 別標識11a,21aに基づいて切削インサート10,20 装着することができる。そのため、切削イ サート10,20を所定の座部83に効率よく装着す ることができ、かつ、装着ミスを抑制するこ とができる。

 当接面84は、切削インサート10,20の各下面 2を安定して固定することができ、かつ切削 の負荷によって第1標識11,21が該当接面84に転 写される程度の硬度を有していればよい。こ のような当接面84を含むホルダ80を構成する 料としては、例えばクロム・モリブデン鋼 ニッケル・クロム鋼、ニッケル・クロム・ リブデン鋼等の合金鋼が挙げられる。合金 の例としては、鉄に炭素、珪素、マンガン リンおよび硫黄を添加した炭素合金鋼をベ スとし、クロム、タングステン、マンガン モリブデン、バナジウム等を添加した合金 等が挙げられる。切削インサート10,20の母材 を構成する材料としては、例えばアルミナ質 焼結体、窒化珪素質焼結体、サーメット、超 硬合金、立方晶窒化ホウ素質焼結体、ダイヤ モンド焼結体等が挙げられる。例示したこれ らの材料を用いて当接面84を切削インサート1 0,20の各下面2よりも低硬度に構成するのが好 しい。

 ここで、当接面84および切削インサート10 ,20の各下面2の硬度は、ビッカース硬さやロ クウェル硬さ等で示される。例えばビッカ ス硬さはJIS Z 2244の規格に、ロックウェル さはJIS Z 2245の規格に準じて測定される。

 第1標識11,21は、例えば成形により形成す ことができる。第1標識11,21は、切削インサ ト10,20の各側面3に形成された溝部6の数を表 示している。なお、本発明にかかる第1標識 これに限定されるものではなく、所望の標 を採用することができる。例えば、切削工 に異なる大きさのコーナR切刃を有してなる 削インサートを複数装着する場合には、該 ーナR切刃の半径を示す第1標識を切削イン ートの各下面に形成することができる。

 第1標識11,21の内壁面7と、切削インサート 10,20の下面2との交差部(すなわち第1標識11,21 縁部)は、図6に示すように、面取りがなされ ていない。これにより、切削時に第1標識11,21 が当接面84に転写されやすくなる。前記交差 を面取りがなされていない状態とするには 例えば下面2に第1標識11,21を刻印等により形 成した後、第1標識11,21の内壁面7と、下面2と 交差部がシャープエッジの状態になるまで 下面2を研磨加工すればよい。なお、ここで いう第1標識11,21の内壁面7とは、図6に示すよ に凹状をなす第1標識11,21の表面を意味する

 第1標識11,21の内壁面7と下面2とのなす角α は鈍角である。これにより、第1標識11,21の内 壁面7と、下面2との交差部における強度が確 され、該交差部における欠損を抑制するこ ができる。また、前記角αを鈍角にすると 新しい切削インサートに交換等する際に、 切削インサートの第1標識11,21と、図5(a),(b)に 示す識別標識11a,21aとが嵌合されやすくなる つまり、各切削インサート間において第1標 の形状にバラツキがあっても、切削インサ ト10,20の第1標識11,21が当接面84に転写された 識別標識11a,21aと嵌合される。前記角αとして は、100°~120°が好ましい。

 第1標識11,21の幅は、下面2から遠ざかるに つれて減少している。また、第1標識11,21の内 壁面7の断面形状は円弧である。このような 状の第1標識は、形成しやすく、かつ欠損し い。第1標識11,21の幅や深さは、切削インサ ト10,20の強度を低下させない範囲であり、 つ転写された識別標識11a,21aが識別可能にな 範囲で任意に選定することができる。

 なお、ここでいう第1標識11,21の幅とは、 6に示すように、下面2に略垂直な断面にお て、下面2に平行な方向における第1標識11,21 最大寸法Wのことである。また、第1標識11,21 の深さとは、図6に示すように、前記断面に いて、下面2に垂直な方向における第1標識11, 21の最大寸法Dのことである。

 第1標識11,21は、鏡文字で構成されている これにより、転写された識別標識11a,21aが解 読できる識別標識となり、より効率よく切削 インサート10,20を所定の座部83に装着するこ ができる。

 第1標識11,21は、切刃4に近接する位置に配 置されている。より具体的には、コーナ部4a 位置する切刃4に近接する位置に配設されて いる。これにより、切削時に大きな力がかか る切刃4の近傍位置に第1標識11,21が配置され ことになる。したがって、当接面84に第1標 11,21を簡単に転写することができる。

 第1標識11,21は、複数設けられている。そ て、該複数の第1標識11,21は、切削インサー 10,20の各下面2の中央(貫通穴5)に対して対称 配置されている。前記した通り、切削イン ート10,20は、貫通穴5の中心軸に対して180度 転対称な形状である。したがって、切刃4も 180度回転対称となる位置に形成されている。 そのため、第1標識11,21が貫通穴5に対して対 、具体的には180度回転対称となるよう、か 切刃4に近接するよう配置されることで、切 時に大きな力がかかる位置に対応して第1標 識11,21が形成されることになる。その結果、 1標識11、21が当接面84に転写されやすくなり 、かつ切削インサート10,20を安定してホルダ8 0に固定することができる。

 一方、ホルダ80の本体部は、装着される 削インサート10,20を示す第2標識を有してい 。この第2標識は、ホルダ80のチップポケッ 82に位置している。これにより、切削インサ ート10,20を装着する座部83に近い位置に識別 識である第2標識が配置されることになる。 のため、インサート装着時に第2標識を確認 しやすく、切削インサート10,20の装着ミスを 果的に抑制することができる。前記第2標識 としては、特に限定されるものではなく、例 えば凹状および/または凸状で構成されたも の他、マーカ等のマーキング手段にてマー ングしたもの等であってもよい。

 次に、本発明の切削工具にかかる他の実 形態について図7および図8を参照して詳細 説明する。なお、図7および図8において、前 述した図1~図6と同一の構成部分には同一の符 号を付して説明は省略する。

 図7,図8に示すように、本実施形態の切削 具にかかる切削インサート30,35は、それぞ 上面41,下面42,複数の側面43,上面41と側面43と 交差部に形成された切刃44を備えている。 た、切削インサート30,35が有する各側面43に 、該側面43から上面41に亘り切刃44を分断す 溝部46(ニック)が切削インサート30には2つ、 切削インサート35には3つ形成されている。

 各上面41の中央部には貫通穴5が形成され いる。切削インサート30,35は、貫通穴5の中 軸に対して90度回転対称な形状である。こ により、使用している切刃が摩耗した際に 、切削インサート30,35を90度回転させ、摩耗 た切刃に隣接する使用していない別の切刃 用いることができる。すなわち、切削イン ート30,35は、貫通穴5を中心にして90度ずつ 転させることにより、4つの切刃を順次切削 使用することができるよう構成されている

 ここで、切削インサート30,35は、前記し 一実施形態にかかる切削インサート10,20と同 様に、各下面42に、ホルダ80の複数の座部83の うち、該切削インサートを装着すべき座部83 示す凹状の第1標識31,36がそれぞれ形成され いる。そして、ホルダ80の座部83における当 接面84が、切削インサート30,35の各下面42と当 接する平坦な面である。この当接面84は切削 ンサート30,35の各下面42よりも低硬度である 。これにより、上記のような構成を有する切 削インサート30,35を用いた場合であっても、 記した一実施形態にかかる切削工具と同様 効果を奏することができる。

 また、本実施形態では、前記した一実施 態にかかる切削工具と同様の理由から、切 インサート30,35の第1標識31,36は鏡文字であ 。第1標識31,36は、切刃44に近接する位置に配 置されている。より具体的には、コーナ部44a に位置する切刃44に近接する位置に配設され いる。

 切削インサート30,35の第1標識31,36は、複 設けられるとともに、該複数の第1標識31,36 、切削インサート30,35の各下面31の中央(貫通 穴5)に対して対称に配置されている。より具 的には、本実施形態においては4つの切刃44 有し、各切刃に近接する位置に各々第1標識 31,36が形成されている。すなわち、切削イン ート30,35には、各々4つの第1標識31,36が形成 れている。その他の構成は、前記した一実 形態にかかる切削工具と同様であるので、 明を省略する。

 次に、本発明の切削工具にかかるさらに の実施形態について図9を参照して詳細に説 明する。なお、図9において、前述した図1~図 8と同一の構成部分には同一の符号を付して 明は省略する。

 図9に示すように、本実施形態の切削工具 にかかる切削インサート35’は、第1標識36を いた下面42に凹部37を有している。凹部37は 複数設けられている。そして、該複数の凹 37は、下面42の中央(貫通穴5)に対して対称に 配置されている。

 より具体的には、隣接する第1標識36,36間 位置するように4つの凹部37が形成されてい 。隣接する凹部37,37同士は、貫通穴5側で連 している。このような凹部37を有すると、 面42と当接面84との接触面積が減少するので 切削時に第1標識36にかかる負荷が大きくな 。したがって、第1標識36が当接面84に転写 れやすくなる。また、凹部37を形成する分、 切削インサート35’の母材を構成する材料を 減することができ、製造コストの低減を図 ことができる。

 凹部37は、例えば成形により形成するこ ができる。凹部37の幅や深さは、切削インサ ート35’の強度を低下させない範囲で任意に 定することができる。その他の構成は、前 した一実施形態にかかる切削工具と同様で るので、説明を省略する。

 次に、本発明の切削工具にかかるさらに の実施形態について説明する。本実施形態 かかる切削工具は、切削インサートとホル のインサート装着座部との間に配設される ート部材を少なくとも1つ備えてなる。シー ト部材を備えると、切削インサートの衝突等 によりインサート装着座部が損傷することを 抑制することができる。すなわち、切削イン サートとインサート装着座部との間にシート 部材を介在させておくと、切削インサートが 欠損した部分に対応するシート部材が欠損す ることになる。したがって、ホルダを交換せ ずにシート部材のみの交換で切削性能の改善 が図れる。シート部材のみの交換は、ホルダ の交換よりもコストおよび作業効率に優れる 。シート部材の材質としては、シート部材そ のものの体積が小さいため、ホルダの硬度よ りも高硬度の材質(すなわち摩耗・欠損しに い材質)を採用しても低コストで済む。

 ここで、本実施形態にかかるシート部材 、切削インサートの下面と当接する平坦な 接面を有している。そして、この当接面は 削インサートの下面よりも低硬度である。 たがって、このシート部材を介して切削イ サートをインサート装着座部に装着して切 加工を行うと、切削時の負荷によって第1標 識をシート部材の当接面に転写することがで きる。これにより、前記した一実施形態にか かる切削工具と同様に、転写された識別標識 に基づいて、切削インサートを所定のインサ ート装着座部に効率よくシート部材を介して 装着することができ、かつ、装着ミスを抑制 することができる。

 前記当接面を含むシート部材を構成する 料としては、例えば超硬合金、焼入れ鋼等 硬質材料等が挙げられる。例示した材料を いて前記当接面を切削インサートの下面よ も低硬度に構成するのが好ましい。

 配設するシート部材の個数としては、少 くとも1つであればよい。例えば、シート部 材は、全ての切削インサートとインサート装 着座部との間に配設してもよく、切削時に負 荷がかかりやすい特定の切削インサートとイ ンサート装着座部との間にのみ配設してもよ い。その他の構成は、前記した一実施形態に かかる切削工具と同様であるので、説明を省 略する。

 次に、本発明の切削方法にかかる一実施 態について、前記した切削インサート10,20 備えた切削工具50を用いた場合を例に挙げ、 図10(a)~(c)を参照して詳細に説明する。

 本実施形態にかかる被削材の切削方法は、 下の(i)~(iii)の工程を備える。
(i)図10(a)に示すように、切削工具50をホルダ80 の軸線81を中心に矢印A方向に回転させ、矢印 B方向に動かし、被削材100に切削工具50を近接 させる工程。
(ii)図10(b)に示すように、切削インサート10,20 各切刃4を被削材100の表面に接触させ、矢印 C方向に動かし、被削材100を切削する工程。
(iii)図10(c)に示すように、切削工具50を矢印D 向に動かし、被削材100から切削工具50を離間 させる工程。

 ここで、切削工具50は、切削時の負荷に って切削インサート10,20の第1標識11,21をホル ダ80の当接面84にそれぞれ転写するので、当 面84に識別標識の加工を施す必要がない。し たがって、繰り返し使用しても当接面84に亀 が入ったり、変形したりすることを抑制す ことができる。その結果、より厳しい切削 件や難易度の高い被削材に対しても良好な 上げ面を得ることができるとともに、長期 わたり安定した加工が可能となる。

 なお、前記(i)の工程では、切削工具50お び被削材100の少なくとも一方を回転させれ よい。また、切削工具50と被削材100とは相対 的に近づけばよく、例えば被削材100を切削工 具50に近づけてもよい。これと同様に、前記( iii)の工程では、被削材100と切削工具50とは相 対的に遠ざかればよく、例えば被削材100を切 削工具50から遠ざけてもよい。切削加工を継 する場合には、切削工具50および/または被 材100を回転させた状態を保持して、被削材1 00の異なる箇所に切削インサート10,20の各切 4を接触させる工程を繰り返せばよい。使用 ている切刃が摩耗した際には、切削インサ ト10,20を貫通穴5の中心軸に対して180度回転 せ、未使用の切刃を用いればよい。切削工 50に代えて、前記した他の各実施形態にか る切削工具を用いても、同様の効果を奏す ことができる。

 以上、本発明にかかるいくつかの実施形 について示したが、本発明は上述した実施 態に限定されるものではなく、本発明の要 を逸脱しない範囲で変更や改良したものに 適用できることは言うまでもない。例えば 記した実施形態にかかる切削インサートで 、その側面に溝部が形成された場合につい 説明したが、本発明にかかる切削インサー は溝部が形成されていない構成であっても い。

 また、溝部については、その数が2つまた は3つである場合について説明したが、切削 ンサートの強度を低下させず、かつ切削抵 を低減する上で、通常、2~6つ程度、好まし は2~4つの範囲で任意に選定することができ 。

 前記した実施形態では、溝部の形状は略 形状で構成され、切刃に略等間隔で形成さ ているが、用途に応じて溝部の形状や形成 る間隔を異ならせてもよい。溝部は、上面 ら下面に亘り形成されているが、溝部は側 から上面に亘り切刃を分断するような形状 あればよい。したがって、溝部は下面に亘 て形成されていなくてもよい。

 また、切削インサートに複数の切刃が形 され、切刃の数と同じ数の第1標識が形成さ れた実施例を例示したが、これに限らず1つ 切刃のみが形成されたものであっても良い 第1標識は、少なくとも1つ形成されていれば よく、切削インサートに形成される切刃と第 1標識の数が異なるものであっても構わない

 また、凹部が複数設けられる場合につい 説明したが、凹部の数は1つであってもよい 。複数の凹部が切削インサートの下面の中央 に対して対称に配置され、隣接する凹部同士 が連続している場合について説明したが、各 凹部は、それぞれ独立して所望の配置に形成 されていてもよい。

 前記した切削工具では、溝部の個数が異 る切削インサートを組み合わせて構成した 合について説明したが、例えば溝部の個数 同一の切削インサートを用いて切削工具を 成してもよい。この場合には、一方の切削 ンサートの削り残し部を他方の切削インサ トで切削することができるような配置に、 部の個数が同一の切削インサートをホルダ 方向に交互に装着すればよい。

 また、前記した切削工具では、ホルダの 体部に第2標識が形成された形態について説 明したが、第2標識が形成されていない形態 あっても構わない。

 また、正面フライスの転削工具の場合に いて説明したが、本発明は異なる形状や型 の切削インサートを装着して用いられるそ 他の転削工具についても好適に適用するこ ができる。例えば、形状の異なる内刃用切 インサートおよび外刃用切削インサートを 々装着するドリル工具や、形状の異なる先 刃用切削インサートおよび側面刃用切削イ サートを各々装着するボールエンドミル等 ついても好適に適用することができる。