Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DECISION DEVICE WITH MINIMUM POWER TRANSMISSION LOSS SYSTEM, METHOD, AND PROGRAM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142011
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a decision device with a minimum power transmission loss system, a method, and a program which can determine having lower power transmission losses than branch switching during a practical computation period. A “closed” open/close mechanism selection means (12) selects the set of the unselected n (n ³ 2) open/close mechanisms in the “open” state which should be in the “closed” state so that the mesh systems become one in the current system, and changes the mechanisms to the “closed” state. A flow calculation means (13) calculates the power flow of the mesh system created by changing to the “closed” state. An “open” open/close mechanism selection means (14) sequentially selects an open/close mechanism in the “closed” state where the transmitted current value becomes the minimum to be an open/close mechanism which should be in the “open” state in the power flow of the mesh system calculated by the flow calculation means (13), and changes the mechanism to the “open” state.

Inventors:
MURAI MASAHIKO (JP)
KOSAKA YOKO (JP)
KOBAYASHI TAKENORI (JP)
KOSAKADA YUMIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002224
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 20, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOSHIBA KK (JP)
MURAI MASAHIKO (JP)
KOSAKA YOKO (JP)
KOBAYASHI TAKENORI (JP)
KOSAKADA YUMIKO (JP)
International Classes:
H02J3/00; H02J3/04
Foreign References:
JPH04210735A1992-07-31
JPH05130736A1993-05-25
JPH05344651A1993-12-24
JPS63316637A1988-12-23
JPH08308110A1996-11-22
JPH1056737A1998-02-24
Attorney, Agent or Firm:
KIUCHI, MITSUHARU (JP)
Mitsuharu Kiuchi (JP)
Download PDF:
Claims:
 開閉器の開閉状態が変更された系統構成のうち、送電損失が最小となる最小送電損失系統構成を決定する最小送電損失系統構成の決定装置であって、
 前記系統構成内で1つのメッシュ状系統を作成するように、複数の開閉器から2個以上の開状態にある開閉器を閉状態にすべく選択する「閉」開閉器選択手段と、
 前記「閉」開閉器選択手段により選択された開閉器数と同数の閉状態にある開閉器を、放射状の系統構成が得られるように、開状態にすべく選択する「開」開閉器選択手段と、
 前記「閉」開閉器選択手段により選択された開状態にある開閉器を閉状態に変更し、かつ、前記「開」開閉器選択手段により選択された閉状態にある開閉器を開状態に変更した結果として得られる各系統構成の送電損失を計算する送電損失計算手段と、
 前記送電損失計算手段により新たに計算された特定の系統構成の送電損失が、先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減しているかを判定する低減判定手段と、
 前記低減判定手段により前記特定の系統構成の送電損失が低減していると判定された場合に、当該特定の系統構成を最小送電損失系統候補として更新する更新手段と、
 最小送電損失系統候補から最小送電損失系統構成を決定する決定手段と、
 を備え、
 前記決定手段は、前記低減判定手段が、前記送電損失計算手段により計算された各系統構成の送電損失のいずれもが、最新の更新結果である前記最小送電損失系統候補の送電損失よりも低減していないと判定した場合に、当該最小送電損失系統候補を最小送電損失系統構成として決定することを特徴とする最小送電損失系統構成の決定装置。
 前記「開」開閉器選択手段は、前記メッシュ状系統内の開閉器のうち、通過電流が最小の閉状態にある開閉器を逐次選択することを特徴とする請求項1に記載の最小送電損失系統構成の決定装置。
 前記「開」開閉器選択手段は、系統の送電線の容量制約のもとで、通過電流が最小の閉状態にある開閉器を逐次選択することを特徴とする請求項2に記載の最小送電損失系統構成の決定装置。
 前記「閉」開閉器選択手段により選択される開状態にある開閉器の選択個数を制限する制限手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の最小送電損失系統構成の決定装置。
 開閉器の開閉状態が変更された系統構成のうち、送電損失が最小となる最小送電損失系統構成を決定する最小送電損失系統構成の決定装置であって、
 前記系統構成内で1つのメッシュ状系統を作成するように、複数の開閉器から開状態にある開閉器を閉状態にすべく選択する「閉」開閉器選択手段と、
 前記「閉」開閉器選択手段により選択される開閉器数を変更する開閉器数変更手段と、
 前記「閉」開閉器選択手段により選択された開閉器数と同数の閉状態にある開閉器を、放射状の系統構成が得られるように、開状態にすべく選択する「開」開閉器選択手段と、
 前記「閉」開閉器選択手段により選択された開状態にある開閉器を閉状態に変更し、かつ、前記「開」開閉器選択手段により選択された閉状態にある開閉器を開状態に変更した結果として得られる各系統構成の送電損失を計算する送電損失計算手段と、
 前記送電損失計算手段により新たに計算された特定の系統構成の送電損失が、先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減しているかを判定する低減判定手段と、
 前記低減判定手段により前記特定の系統構成の送電損失が低減していると判定された場合に、当該特定の系統構成を最小送電損失系統候補として更新する更新手段と、
 最小送電損失系統候補から最小送電損失系統構成を決定する決定手段と、
 を備え、
 前記決定手段は、前記低減判定手段が、前記送電損失計算手段により計算された各系統構成の送電損失のいずれもが、最新の更新結果である前記最小送電損失系統候補の送電損失よりも低減していないと判定した場合に、当該最小送電損失系統候補を最小送電損失系統構成として決定することを特徴とする最小送電損失系統構成の決定装置。
 前記開閉器数変更手段は、前記低減判定手段により前記特定の系統構成の送電損失が先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減していないと判定された場合に、前記「閉」開閉器選択手段が選択する開閉器数を増加させることを特徴とする請求項5に記載の最小送電損失系統構成の決定装置。
 ランダムに開閉器の開閉状態を変更することにより複数の初期系統を生成する初期系統生成手段を備え、
 前記「閉」開閉器選択手段は、前記初期系統生成手段により生成された各初期系統内で1つのメッシュ状系統を作成するように、開状態にある開閉器を選択することを特徴とする請求項1又は5に記載の最小送電損失系統構成の決定装置。
 開閉器の開閉状態が変更された系統構成のうち、送電損失が最小となる最小送電損失系統構成を決定する最小送電損失系統構成の決定方法であって、
 前記系統構成内で1つのメッシュ状系統を作成するように、複数の開閉器から2個以上の開状態にある開閉器を閉状態にすべく選択する「閉」開閉器選択ステップと、
 前記「閉」開閉器選択ステップにより選択された開閉器数と同数の閉状態にある開閉器を、放射状の系統構成が得られるように、開状態にすべく選択する「開」開閉器選択ステップと、
 前記「閉」開閉器選択ステップにより選択された開状態にある開閉器を閉状態に変更し、かつ、前記「開」開閉器選択ステップにより選択された閉状態にある開閉器を開状態に変更した結果として得られる各系統構成の送電損失を計算する送電損失計算ステップと、
 前記送電損失計算ステップにより新たに計算された特定の系統構成の送電損失が、先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減しているかを判定する低減判定ステップと、
 前記低減判定ステップにより前記特定の系統構成の送電損失が低減していると判定された場合に、当該特定の系統構成を最小送電損失系統候補として更新する更新ステップと、
 最小送電損失系統候補から最小送電損失系統構成を決定する決定ステップと、
 を含み、
 前記決定ステップは、前記低減判定ステップで、前記送電損失計算ステップにより計算された各系統構成の送電損失のいずれもが、最新の更新結果である前記最小送電損失系統候補の送電損失よりも低減していないと判定した場合に、当該最小送電損失系統候補を最小送電損失系統構成として決定することを特徴とする最小送電損失系統構成の決定方法。
 前記「開」開閉器選択ステップは、前記メッシュ状系統内の開閉器のうち、通過電流が最小の閉状態にある開閉器を逐次選択することを特徴とする請求項8に記載の最小送電損失系統構成の決定方法。
 開閉器の開閉状態が変更された系統構成のうち、送電損失が最小となる最小送電損失系統構成を決定する最小送電損失系統構成の決定方法であって、
 前記系統構成内で1つのメッシュ状系統を作成するように、複数の開閉器から開状態にある開閉器を閉状態にすべく選択する「閉」開閉器選択ステップと、
 前記「閉」開閉器選択ステップにより選択される開閉器数を変更する開閉器数変更ステップと、
 前記「閉」開閉器選択ステップにより選択された開閉器数と同数の閉状態にある開閉器を、放射状の系統構成が得られるように、開状態にすべく選択する「開」開閉器選択ステップと、
 前記「閉」開閉器選択ステップにより選択された開状態にある開閉器を閉状態に変更し、かつ、前記「開」開閉器選択ステップにより選択された閉状態にある開閉器を開状態に変更した結果として得られる各系統構成の送電損失を計算する送電損失計算ステップと、
 前記送電損失計算ステップにより新たに計算された特定の系統構成の送電損失が、先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減しているかを判定する低減判定ステップと、
 前記低減判定ステップにより前記特定の系統構成の送電損失が低減していると判定された場合に、当該特定の系統構成を最小送電損失系統候補として更新する更新ステップと、
 最小送電損失系統候補から最小送電損失系統構成を決定する決定ステップと、
 を含み、
 前記決定ステップは、前記低減判定ステップで、前記送電損失計算ステップにより計算された各系統構成の送電損失のいずれもが、最新の更新結果である前記最小送電損失系統候補の送電損失よりも低減していないと判定した場合に、当該最小送電損失系統候補を最小送電損失系統構成として決定することを特徴とする最小送電損失系統構成の決定方法。
 前記開閉器数変更ステップは、前記低減判定ステップにより前記特定の系統構成の送電損失が先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減していないと判定された場合に、前記「閉」開閉器選択ステップで選択する開閉器数を増加させることを特徴とする請求項10に記載の最小送電損失系統構成の決定方法。
 ランダムに開閉器の開閉状態を変更することにより複数の初期系統を生成する初期系統生成ステップを含み、
 前記「閉」開閉器選択ステップは、前記初期系統生成ステップにより生成された各初期系統内で1つのメッシュ状系統を作成するように、開状態にある開閉器を選択することを特徴とする請求項8又は10に記載の最小送電損失系統構成の決定方法。
 コンピュータに、開閉器の開閉状態が変更された系統構成のうち、送電損失が最小となる最小送電損失系統構成を決定させる最小送電損失系統構成の決定プログラムであって、
 前記コンピュータに、
 前記系統構成内で1つのメッシュ状系統を作成するように、複数の開閉器から2個以上の開状態にある開閉器を閉状態にすべく選択する「閉」開閉器選択処理と、
 前記「閉」開閉器選択処理により選択された開閉器数と同数の閉状態にある開閉器を、放射状の系統構成が得られるように、開状態にすべく選択する「開」開閉器選択処理と、
 前記「閉」開閉器選択処理により選択された開状態にある開閉器を閉状態に変更し、かつ、前記「開」開閉器選択処理により選択された閉状態にある開閉器を開状態に変更した結果として得られる各系統構成の送電損失を計算する送電損失計算処理と、
 前記送電損失計算処理により新たに計算された特定の系統構成の送電損失が、先に計算された別の系統構成の送電損失よりも低減しているかを判定する低減判定処理と、
 前記低減判定処理により前記特定の系統構成の送電損失が低減していると判定された場合に、当該特定の系統構成を最小送電損失系統候補として更新する更新処理と、
 最小送電損失系統候補から最小送電損失系統構成を決定する決定処理と、
 を実行させ、
 前記決定処理は、前記低減判定処理で、前記送電損失計算処理により計算された各系統構成の送電損失のいずれもが、最新の更新結果である前記最小送電損失系統候補の送電損失よりも低減していないと判定した場合に、当該最小送電損失系統候補を最小送電損失系統構成として決定することを特徴とする最小送電損失系統構成の決定プログラム。
Description:
最小送電損失系統構成の決定装 、方法及びプログラム

 本発明は、配電系統の送電損失を決定す 装置に係り、特に、実用的な計算時間で、 電損失が最小となる系統構成を決定可能な 小送電損失系統構成の決定装置、方法及び ログラムに関する。

 一般的に、配電系統の送電損失を最小化 る系統構成を決定する方法としては、「配 系統が放射状に構成され、かつ、系統内の ィーダーや開閉器の容量制約がある」とい た条件の下で、送電損失が最小となるよう 、配電系統に設けられた開閉器の開閉状態 決定する方法が知られている。下記に、こ ような配電系統の送電損失を最小とする配 系統構成の決定方法の一例を、図9~13を参照 して説明する。

 図9(a)は、5台の開閉器91~95が放射状に配設 された配電系統の接続構成例を示す図であり 、開閉器を示すブロックのうち、「開」状態 のブロックを空欄で、「閉」状態のブロック をハッチングでそれぞれ示している。すなわ ち、図9(a)中においては、開閉器91、94が「開 状態、開閉器92、93、95が「閉」状態となっ いる。また、図9(b)は、図9(a)における配電 統の区間番号9a~9gに対応させた当該区間の負 荷、及び区間のインピーダンスを示している 。ここで、図9(a)の配電系統の接続構成例に いて、区間負荷が区間内で一様に分布する のとすると、各区間の送電損失は、下記の (1)により表される。

 すなわち、図9(a)の放射状に構成された配 電系統の各区間の送電損失は、式(1)に対して 図9(b)の負荷及びインピーダンスを代入する とにより、図10のように算出することができ る。なお、図9(a)の配電系統の接続構成例に いて送電損失が最小となる系統構成を決定 るためには、この配電系統が放射状態を保 ように、すべての開閉器91~95の開閉状態に対 して送電損失を計算し、全体の損失が最小と なるように開閉器91~95の開閉状態を決定する

 ここで、図11は、このような放射状に構 された配電系統における開閉器の開閉状態 すべての組み合わせを示す図である。すな ち、図11の(a)~(h)は、開閉器の開閉状態の異 る8つの系統構成をそれぞれ示している。図1 2は、図11の各系統構成(a)~(h)に対応する送電 失を算出した結果である。図12によれば、送 電損失の最小値は系統構成(f)の送電損失値「 56.267W」であり、この系統構成(f)が送電損失 小となる系統構成であることがわかる。

 しかしながら、実際の大規模な配電系統 おいて、すべての開閉器の開閉状態の組み わせに対して送電損失を計算するこのよう 方法を適用すると、当該組み合わせは膨大 なり、実用的な計算時間で送電損失が最小 なる配電系統の構成を決定することは不可 であった。そのため、すべての組み合わせ 計算を行う上記方法以外にも、種々の方法 採用して送電損失を最小とする系統構成を める決定方法が提案されている。

 このような配電系統の送電損失の最小化 図る系統構成の決定方法の一つとして、例 ば、ブランチ交換法が提案されている(非特 許文献1参照)。このブランチ交換法は、放射 の配電系統において、ある「開」状態の開 器を「閉」状態に変更して1つのループを作 成し、作成したループの電力潮流計算を行う ことで、開閉器のうち通過電流が最小となる 開閉器を「開」状態とした系統構成を求める ものである。そして、このようなループ作成 と潮流計算により系統構成を求める処理を、 すべての「開」状態の開閉器について繰り返 し実施することにより、求めた系統構成のう ち、送電損失が最小となる系統構成を抽出す る方法である。

S.Civanlar et.al,“Distribution Feeder Reconfigura tion for Loss Reduction”,IEEE Trans.Power Delivery,Vo l.3,No.3,1988

 以下には、上述したようなブランチ交換 による、送電損失を最小化する系統構成の 定方法の一例を、図9、13、14を参照して説 する。

 まず、図9の配電系統に対してブランチ交 換法を適用すると、「開」状態にある開閉器 91を閉じることでループを作成し、このルー 内の電力潮流計算を行うことで、各開閉器9 1~93、95を通過する電流を算出する。「閉」状 態を維持している各開閉器92~93、95の通過電 は、開閉器91が「開」状態にある図9の系統 成の通過電流に対して、開閉器91を閉じるこ とで当該開閉器91に流れる電流を加えること より算出する。

 また、開閉器91の通過電流は、図9におい 「開」状態にある開閉器91の両端の電位差 ら、テブナンの法則を用いて算出すること できる。なお、開閉器91の両端の電位差は、 各区間の電圧降下Vd[V]を次式(2)により計算す ことで求めることができる。

 また、開閉器91を閉じることで開閉器91に 流れる電流は、テブナンの法則を利用して、 次式(3)により算出することができる。

 ここで、図13は、図9の系統構成の各開閉器9 1~95に対して上記の計算によって求めた通過 流と各区間の電圧降下を示している。すな ち、開閉器91の電位差は、図13中に示された 区間の電圧降下Vd[V]から、
δV = -0.42-(-0.05-0.125-0.225-0.35) = 0.33
となる。そして、得られたこの電位差と式(3) から、開閉器91を閉じることで生じる電流変 は、
δI = 0.33/(0.028+0.01+0.01+0.01+0.01+0.01) = 4.853[A]
となる。従って、開閉器91を閉じた後の開閉 91~93、95の通過電流は図14のようになる。

 ブランチ交換法では、次に、ループ内に いて通過電流が最小となる開閉器を開くこ で、新しく構成された放射状の配電系統の 電損失を計算する。つまり、図14によれば 通過電流が最小となる開閉器は開閉器91であ るため、この開閉器91を「開」状態にする操 では配電系統の系統構成は同じであり、送 損失は変化しない。

 また、開閉器94に対して同様の処理、す わち「開」状態にある開閉器94を閉じること でループを作成し、このループ内の電力潮流 計算を行うことで、各開閉器92~95を通過する 流を算出する操作を行うと、ループ系統の 過電流は図15のように算出される。ここで 図15によれば、通過電流が最小の開閉器は、 やはり開閉器94となるので、配電系統の系統 成は同じであり、送電損失は変化しない。

 以上のことから分るように、図9の配電系 統に対してブランチ交換法を適用すると、「 開」状態の開閉器を一度に1つだけ「閉」状 としてループを作成し、ループ内の電力潮 計算を行わなければならないので、送電損 が最小となる配電系統の系統構成を決定す のに多くの反復計算を要する。また、「開 状態の開閉器が一度に1つずつ入れ替わる狭 範囲を近傍として探索する局所探索法であ 、探索する近傍の範囲が狭いので、算出結 が局所解(local minimum)に陥り易い。そのため 、図11(f)のような、送電損失が真の最小値と る系統構成を求めることができなかった。

 本発明は、以上のような課題を解消する めに提案されたものであって、その目的は 実用的な計算時間で、かつ、ブランチ交換 より送電損失の小さい系統構成を決定可能 、最小送電損失系統構成の決定装置、方法 びプログラムを提供することにある。

 上述した目的を達成するために、本発明 、開閉器の開閉状態が変更された系統構成 うち、送電損失が最小となる最小送電損失 統構成を決定する最小送電損失系統構成の 定装置であって、次のような技術的特徴を するものである。すなわち、本発明の最小 電損失系統構成決定装置は、まず、「閉」 閉器選択手段、「開」開閉器選択手段、送 損失計算手段、低減判定手段、更新手段、 定手段を備える。ここで、「閉」開閉器選 手段は、前記系統構成内で1つのメッシュ状 系統を作成するように、複数の開閉器から2 以上の開状態にある開閉器を閉状態にすべ 選択する手段である。「開」開閉器選択手 は、前記「閉」開閉器選択手段により選択 れた開閉器数と同数の閉状態にある開閉器 、放射状の系統構成が得られるように、開 態にすべく選択する手段である。送電損失 算手段は、前記「閉」開閉器選択手段によ 選択された開状態にある開閉器を閉状態に 更し、かつ、前記「開」開閉器選択手段に り選択された閉状態にある開閉器を開状態 変更した結果として得られる各系統構成の 電損失を計算する手段である。低減判定手 は、前記送電損失計算手段により新たに計 された特定の系統構成の送電損失が、先に 算された別の系統構成の送電損失よりも低 しているかを判定する手段である。更新手 は、前記低減判定手段により前記特定の系 構成の送電損失が低減していると判定され 場合に、当該特定の系統構成を最小送電損 系統候補として更新する手段である。決定 段は、最小送電損失系統候補から最小送電 失系統構成を決定する手段である。この決 手段は、前記低減判定手段が、前記送電損 計算手段により計算された各系統構成の送 損失のいずれもが、最新の更新結果である 記最小送電損失系統候補の送電損失よりも 減していないと判定した場合に、当該最小 電損失系統候補を最小送電損失系統構成と て決定する。

 また、前記「開」開閉器選択手段は、前 メッシュ状系統内の開閉器のうち、通過電 が最小の閉状態にある開閉器を逐次選択す ことを特徴とする点も本発明の一態様であ 。

 なお、前記「閉」開閉器選択手段は、複 の開状態にある開閉器を閉状態にすべく選 するだけでなく、開状態にある単数の開閉 を選択することも可能である。さらに、前 「閉」開閉器選択手段により選択される開 器数を変更する開閉器数変更手段を備える とで、この選択される開閉器数を可変なも とする構成も本発明の一態様である。

 また、ランダムに開閉器の開閉状態を変 することにより複数の初期系統を生成する 期系統生成手段を備え、前記「閉」開閉器 択手段は、前記初期系統生成手段により生 された各初期系統内で1つのメッシュ状系統 を作成するように、開状態にある開閉器を選 択する構成も本発明の一態様として包含する 。

 以上のような本発明によれば、複数の「 」状態の開閉器を一度に「閉」状態に変更 、それと同数の開閉器を「開」状態とする とにより、前述したブランチ交換法に比べ 広い範囲での探索が可能となるので、送電 失のより小さい系統構成を決定することが 能な最小送電損失系統構成の決定装置、方 及びプログラムを提供することができる。

本発明の第1の実施形態に係る最小送電 損失系統構成の決定装置のブロック構成図。 本発明の第1の実施形態に係る最小送電 損失系統構成の決定装置の処理フローを示す 図。 本発明による最小送電損失系統構成の 定過程を説明する図(1)。 本発明による最小送電損失系統構成の 定過程を説明する図(2)。 本発明の第2の実施形態に係る最小送電 損失系統構成の決定装置のブロック構成図。 本発明の第2の実施形態に係る最小送電 損失系統構成の決定装置の処理フローを示す 図。 本発明の第3の実施形態に係る最小送電 損失系統構成の決定装置のブロック構成図。 本発明の第3の実施形態に係る最小送電 損失系統構成の決定装置の処理フローを示す 図。 配電系統の一例を示す図。 配電系統の送電損失の計算の一例を示 す図。 配電系統の開閉器の開閉状態に基づく 複数の系統構成を示す図。 配電系統の開閉器の開閉状態に基づく 複数の系統構成の送電損失のを示す図。 従来技術であるブランチ交換法による 配電系統の最小送電損失決定過程を示す図(1) 。 従来技術であるブランチ交換法による 配電系統の最小送電損失決定過程を示す図(2) 。 従来技術であるブランチ交換法による 配電系統の最小送電損失決定過程を示す図(3) 。

[第1の実施形態]
[構成]
 次に、本発明の第1の実施形態に係る配電系 統の送電損失が最小となる最小送電損失系統 構成の決定装置の構成について、図1~4を参照 して以下に説明する。なお、図1は、第1の実 形態に係る最小送電損失系統構成の決定装 の構成を示すブロック図である。

 この最小送電損失系統構成の決定装置は 図1の通り、演算手段1、入力手段2、記憶手 3、表示手段4、I/F手段5から構成されている なお、I/F手段5は、配電系統監視制御装置6 介して、配電系統7に接続されている。

 ここで、演算手段1は、具体的には、コン ピュータのメインメモリ、それに記憶された プログラム、そのプログラムによって制御さ れるCPU等により実現され、後述するような処 理手段10~17を有している。入力手段2は、ユー ザの操作に応じた信号をコンピュータに入力 するマウスやキーボード等の入力装置である 。

 記憶手段3は、演算手段1における処理に 要な配電系統の各種の系統情報データを予 記憶すると共に、演算手段1による算出結果 記憶するものであり、コンピュータの各種 モリや補助記憶装置等により実現される。 お、配電系統の系統情報データは、例えば 配電線の接続情報(配電系統の接続構成)、 ンピーダンス、開閉器の開閉状態や負荷等 情報である。

 表示手段4は、入力手段2を通じて入力さ たデータや、記憶手段3に記憶されたデータ 及び演算手段1により処理された算出結果を 、ユーザに対して表示するディスプレイ等の 表示装置である。I/F手段5は、配電系統監視 御装置6を介して配電系統7の系統情報データ 及び制御データを送受信する通信用のインタ フェースであり、受信した系統情報データは 記憶手段3に記憶される。配電系統監視制御 置6は、配電系統7の監視制御を行う装置であ り、配電系統7の計画、運用、制御に関する 種データを保持している。

 なお、上記演算手段1は、データ読出手段 10、送電損失計算手段11、「閉」開閉器選択 段12、潮流計算手段13、「開」開閉器選択手 14、送電損失低減判定手段15、初期系統対比 手段16、損失最小化構成更新手段17を備えて る。

 データ読出手段10は、記憶手段3から系統 報データ、すなわち、配電系統の接続構成 当該系統に設けられた開閉器の開閉状態、 び負荷やインピーダンスに関するデータ等 読み出す手段である。なお、本明細書中に いて、決定対象となる「系統構成」すなわ 「配電系統の系統構成」は、開閉器の開閉 態を含む配電系統の構成を意味しており、 配電系統の接続構成」は、開閉器の開閉状 を含まない配電系統の設備的な接続構成を 味している。

 送電損失計算手段11は、配電系統7に設け れた開閉器が開閉することにより変更した 統構成における送電損失を計算する。「閉 開閉器選択手段12は、配電系統7を構成する 閉器のうち「開」状態にある複数の開閉器 ら、「閉」状態に変更するn(n≧2)個の開閉 を選択する。

 潮流計算手段13は、「閉」開閉器選択手 12により選択されたn個の開閉器を「閉」状 に変更することで作成されるメッシュ状系 の電力潮流を計算する手段である。

 「開」開閉器選択手段14は、「閉」開閉 選択手段12により選択されたn個の開閉器を 閉」状態に変更することにより作成された ッシュ状系統において、当該メッシュ状系 を構成する「閉」状態の開閉器のうち「開 状態に変更すべきn個の開閉器を選択する。 お、この「開」開閉器選択手段14は、一例 して、潮流計算手段13で計算したメッシュ状 系統の電力潮流により、通過する電流値が最 小の開閉器を「開」状態にすべき開閉器とし て逐次選択する。

 送電損失低減判定手段15は、開閉器の開 状態を変更した新たな系統構成に対して、 れ以前の系統構成より送電損失が低減して るかを判定する手段である。例えば、送電 失計算手段11により計算された現時点の送電 損失が、逐次更新される解候補と比較して低 減しているかを判定する。

 なお、この送電損失低減判定手段15は、 時点の送電損失が解候補より低減している 判定する場合に、当該現時点の送電損失を たな解候補として記憶手段3に記憶する。初 系統対比手段16は、解候補の送電損失が初 系統の送電損失より低減しているかを判定 る手段である。

 損失最小化構成更新手段17は、初期系統 比手段16により、解候補の送電損失が初期系 統の送電損失より低減していると判定された 場合に、この解候補の送電損失、及び当該送 電損失を生じる系統構成を、最小送電損失及 び系統構成として更新し、記憶手段3に記憶 る手段である。

[作用]
 次に、図1の構成を有する最小送電損失系統 構成の決定装置において、送電損失が最小と なる系統構成の決定手順を、図2のフローチ ートを参照して以下に説明する。

 図2によれば、まず、STEP201で、データ読 手段10が、記憶手段3から配電系統の接続構 、当該系統に設けられた開閉器の開閉状態 及び負荷やインピーダンスに関するデータ の系統情報データを読み出し、これ以降の 理において利用するデータを準備する。こ で、初期段階で使用する系統構成を初期系 構成とし、これを解候補とする。なお、送 損失の最小化の対象となる配電系統は放射 の構成を有するため、初期系統構成は放射 の構成を有するものとなる。

 ここで、STEP201では、初期化処理として、 送電損失計算手段11により初期系統である解 補の送電損失を計算し、初期送電損失とし 記憶手段3に記憶する。この記憶手段3に記 された初期系統構成とその初期送電損失は 現在の配電系統における系統構成として採 され、後述する系統構成の更新処理を行う での基準となる。

 STEP202では、「閉」開閉器選択手段12によ 、現在の系統構成において、「閉」状態と べき、まだ選択されていない(未選択の)n(n 2)個の「開」状態の開閉器の組み合わせを選 択する。ここで、「閉」開閉器選択手段12に り選択するn個の開閉器の組は、開閉器を閉 じることによって作成されるメッシュ状系統 が1つとなるように選択される。

 なお、送電損失を最小化する上で対象と る配電系統の規模が大きい場合には、当該 電系統におけるn個の「開」状態の開閉器の 組み合わせが増加するので、計算時間の増大 が懸念される。このような場合には、「閉」 開閉器選択手段12は、選択するn個の開閉器の 組数を制限する制限手段を備え、この制限手 段により、例えば、開閉器両端の電位差が大 きい当該開閉器を含む順に開閉器の組数を制 限することができる。

 ここで、この「閉」開閉器選択手段12がn の「開」開閉器を選択すると、モデル上、 該「開」開閉器を「閉」状態に変更し、STEP 203では、この「閉」状態に変更された場合に 作成されるメッシュ状系統の電力潮流が潮流 計算手段13により計算される。

 STEP204では、「開」開閉器選択手段14が、 成されたメッシュ状系統の「閉」状態の開 器のうち「開」状態とすべき開閉器を一つ 択する。具体的には、STEP203で潮流計算手段 13により計算されたメッシュ状系統の電力潮 において、通過する電流値が最小となる「 」状態の開閉器を「開」状態とすべき開閉 として選択する。特に、送電線の容量制約 基づいて通過電流が最小となる「閉」状態 開閉器が「開」状態とすべき開閉器として 択される。

 なお、この「開」開閉器選択手段14が、n の「閉」開閉器を選択すると、モデル上、 該「閉」開閉器を「開」状態に変更し、STEP 205では、この「開」状態に変更された場合に 作成される新たなメッシュ状系統の電力潮流 が潮流計算手段13により再度計算される。

 ここで、STEP205にて、新たに計算される電 力潮流に基づいて、「開」開閉器選択手段14 より通過電流値が最小となる「閉」状態の 閉器を選択し、当該選択された開閉器を「 」状態に変更し、新たに作成されるメッシ 状系統の電力潮流が潮流計算手段13により 算されるといった処理が、n回繰り返される

 すなわち、作成されたメッシュ状系統の 閉」状態の開閉器のうち、「開」開閉器選 手段14は、n個の「閉」状態にある開閉器を1 つずつ選択し、また、潮流計算手段13は、当 選択された開閉器を「開」状態に変更し、 ったメッシュ状系統に対して電力潮流をn回 計算する。

 STEP206では、送電損失計算手段11が、n回繰 り返されたSTEP204、205の処理により再構成さ た放射状系統の送電損失を計算する。STEP207 は、送電損失低減判定手段15が、送電損失 算手段11により計算された放射状系統の現時 点の送電損失が、解候補の送電損失よりも低 減しているかどうかを判定する。

 現時点の系統構成の送電損失が解候補の 電損失より低減している場合は(STEP207のYES) STEP208において、送電損失低減判定手段15に り、現時点の系統構成及び送電損失が新た 解候補並びにその送電損失として記憶手段3 に記憶される。一方、現時点の系統構成の送 電損失が解候補の送電損失より低減していな い場合は(STEP207のNO)、現時点の系統構成は解 補として記憶されることなく、STEP209の処理 に移行する。

 STEP209では、「閉」開閉器選択手段12が、n 回繰り返されたSTEP204、205の処理により構成 れた系統構成の「開」状態の開閉器の配置 は別の配置にあるn個の「開」状態の開閉器 組が存在するかを判定する。すなわち、他 まだ選択されていないn個の「開」状態の開 閉器の組が存在するかが判定される。

 このようなn個の「開」状態の開閉器の組 が他に存在する場合には(STEP209のYES)、STEP202 戻り、新たなn個の「開」開閉器の組が「閉 開閉器選択手段12により選択され、それ以 の処理が繰り返される。一方、n個の「開」 態の開閉器の組が他になかった場合には(STE P209のNO)、初期系統対比手段16により、STEP208 おける上記解候補の送電損失が初期系統の 電損失より低減しているかが判定される(STEP 210)。

 初期送電損失よりも小さいと判定された 合には(STEP210のYES)、この解候補及びその送 損失を初期系統構成及び初期送電損失とし 、損失最小化構成更新手段17により、記憶 段3に記憶されている初期系統構成とその初 送電損失を更新する(STEP211)。損失最小化構 更新手段17により初期系統構成及び初期送 損失が更新されると、更新された初期系統 成及び初期送電損失を基準に、STEP202以降の 理が繰り返される。

 これに対し、解候補の送電損失が初期送 損失より小さいと判定されない場合、すな ち、解候補の送電損失が初期送電損失と同 またはそれ以上である場合には(STEP210のNO) 損失最小化構成更新手段17により、現在の初 期系統構成及び初期送電損失を最小送電損失 系統構成及び最小送電損失として決定して、 決定した最小送電損失系統構成及び最小送電 損失を、表示手段4及びI/F手段5を通じて出力 (STEP212)、処理を終了する。このように、本 施形態において、損失最小化構成更新手段1 7は、本発明における決定手段として機能す 。

[実施例]
 次に、放射状の配電系統の一例を示す図9、 11を再び参照し、図2~4に基づいて、第1の実施 形態の具体的な実施例について以下に説明す る。なお、図2の通り、図9(a)には、2つの「開 」状態の開閉器しか存在しないため、n=2とす る。

 STEP201では、データ読出手段10により、記 手段3から図9(a)のような配電系統の構成(初 系統構成)、及び図9(b)のような系統情報デ タを読み出し、初期化処理として、送電損 計算手段11により図9の初期系統構成である 候補の送電損失を計算し、図10に示すような 57.567[W]を得る。なお、この送電損失を初期送 電損失として記憶手段3に記憶する。

 STEP202では、「閉」開閉器選択手段12によ 、図9(a)の系統構成において、「閉」状態と すべき2個の「開」状態の開閉器の組み合わ が選択され、モデル上、当該2個の「開」開 器が「閉」状態に変更される。そして、STEP 203において、図3の通り、潮流計算手段13が、 この「閉」状態に変更された場合に作成され るメッシュ状系統の電力潮流を計算する。

 STEP204では、「開」開閉器選択手段14によ 、通過電流が最小となる開閉器92が選択さ 、モデル上、当該開閉器92を「開」状態に変 更することで図4のような系統構成が得られ 。そして、STEP205では、この「開」状態に変 された場合に作成される図4の新たなメッシ ュ状系統の電力潮流を潮流計算手段13が計算 る。

 このようなSTEP204、205の処理が、計2回(n=2 ので)繰り返されることにより、図4の系統 成において、通過電流値が最小となる開閉 95が「開」状態に変更され、図11(f)のような ッシュ状系統が作成され、潮流計算手段13 よりこの作成された系統構成の電力潮流が 算される。

 STEP206では、送電損失計算手段11が、この たに構成された系統構成の送電損失を計算 ることで、図12に示すように、図11(f)の系統 構成に対応する送電損失56.267[A]を得る。

 STEP207では、送電損失低減判定手段15が、 電損失計算手段11により計算された図11(f)の 系統構成に対応する送電損失が、解候補の送 電損失よりも低減しているかどうかを判定す る。具体的には、送電損失低減判定手段15は この系統構成の送電損失56.267[W]と、STEP201の 初期化処理において送電損失計算手段11が算 した初期送電損失57.567[W](図10参照)とを対比 することにより、現時点の送電損失が解候補 の送電損失より低減していると判定する。な お、図12に示す通り、この送電損失56.267[W]よ 送電損失を低減可能な系統構成は存在しな ので、他の「開」状態の開閉器の組が選択 れた場合においても、この図11(f)の系統構 の送電損失を下回る系統構成は存在しない

 続いて、現時点の送電損失が解候補の送 損失より低減しているので(STEP207のYES)、STEP 208において、送電損失低減判定手段15は、こ 系統構成及び送電損失56.267[W]を新たな解候 並びにその送電損失として記憶手段3に記憶 する。

 STEP209では、「閉」開閉器選択手段12によ 、この図11(f)の系統構成に対して、別の配 を有する2個の「開」状態の開閉器の組が存 するかが判断される。このような2個の「開 」状態の開閉器の組が他に存在する場合には (STEP209のYES)、STEP202へ戻り、新たな2個の「開 状態の開閉器の組が「閉」開閉器選択手段1 2により選択され、それ以降の処理が繰り返 れる。

 一方、2個の「開」状態の開閉器の組が他 に存在しない場合には(STEP209のNO)、初期系統 比手段16により、STEP208における上記解候補 送電損失が初期系統の送電損失より低減し いるかが判定される(STEP210)。

 初期送電損失よりも小さいと判定された 合には(STEP210のYES)、損失最小化構成更新手 17により、この解候補及びその送電損失を 期系統構成及び初期送電損失として、記憶 段3に記憶されている初期系統構成とその初 送電損失を更新する(STEP211)。損失最小化構 更新手段17により初期系統構成及び初期送 損失が更新されると、更新された初期系統 成及び初期送電損失を基準に、STEP202以降の 理が繰り返される。

 これに対し、解候補の送電損失が初期送 損失より小さいと判定されない場合、すな ち、解候補の送電損失が初期送電損失と同 またはそれ以上である場合には(STEP210のNO) 損失最小化構成更新手段17により、現在の初 期系統構成及び初期送電損失を最小送電損失 系統構成及び最小送電損失として決定して、 決定した最小送電損失系統構成及び最小送電 損失を、表示手段4及びI/F手段5を通じて出力 (STEP212)、処理を終了する。すなわち、図11(f )の系統構成が、送電損失の最小となる最小 電系統構成として出力される。

[効果]
 以上のような第1の実施形態によれば、複数 の「開」状態の開閉器を一度に「閉」状態に 変更し同数の開閉器を「開」状態とすること で探索範囲を広くすることが可能となり、送 電損失をより小さくする系統構成を決定可能 で、かつ系統構成の決定に要する時間を短縮 可能な最小送電損失系統構成の決定装置、方 法及びプログラムを提供することができる。

 なお、上記実施形態において、「開」開 器選択手段14は、「開」状態とすべき「閉 状態にある開閉器を1つずつ選択しているが 本発明は、この態様に限定するものではな 。すなわち、一度にn個の「閉」状態にある 開閉器を選択し、「開」状態に変更する実施 形態も本発明は包含する。

[第2の実施形態]
[構成]
 次に、本発明の第2の実施形態に係る配電系 統の送電損失が最小となる最小送電損失系統 構成の決定装置の構成について、図5を参照 て以下に説明する。なお、図5は、送電損失 最小化を図るための第2の実施形態に係る最 小送電損失系統構成の決定装置の構成を示す ブロック図である。ここで、図5において、 1と同じ構成には同じ符号を用い、説明は省 する。

 第2の実施形態では、第1の実施形態にお る図1の構成に加え、開閉器数変更手段18を えている。この開閉器数変更手段18は、「閉 」開閉器選択手段12により一度に選択させる 閉器の数を変更するものである。特に、こ 開閉器数変更手段18は、選択される開閉器 が予め設定された所定の開閉器数であるn個 等しいかを判定し、選択される開閉器数がn 個に満たない場合には、一度に選択させる開 閉器数をn個まで1つずつ増加させる。

[作用]
 次に、図5の構成を有する最小送電損失系統 構成の決定装置において、送電損失が最小と なる系統構成の決定手順を、図6のフローチ ートを参照して以下に説明する。なお、図6 、第2の実施形態に係り、送電損失が最小と なる系統構成の決定フローを示す図である。

 まず、STEP601では、第1の実施形態と同様 、STEP201で、データ読出手段10が、記憶手段3 ら配電系統の接続構成、当該系統に設けら た開閉器の開閉状態、及び負荷やインピー ンスに関するデータ等の系統情報データを み出し、これ以降の処理において利用する ータを準備する。ここで、初期段階で使用 る系統構成を初期系統構成とし、これを解 補とする。

 また、初期化処理として、送電損失計算 段11により初期系統である解候補の送電損 を計算し、初期送電損失として記憶手段3に 憶する。この記憶手段3に記憶された初期送 電系統とその初期送電損失は、現在の配電系 統における系統構成として採用され、後述す る系統構成の更新処理を行う上での基準とな る。

 ここで、STEP602において「閉」開閉器選択 手段12が「閉」状態とすべき、まだ選択され いないn(n≧1)個の「開」状態の開閉器を選 するにあたり、nの初期値をn=1としておく。 して、第1の実施形態と同様に、「閉」開閉 器選択手段12により、「閉」状態とすべき、 だ選択されていない1個(始めは、n=1)の「開 状態の開閉器を選択する。

 なお、第1の実施形態と同様に、送電損失 を最小化する上で対象とする配電系統の規模 が大きいと、現在の系統構成におけるn個の 開」状態の開閉器の組が増加するので、計 時間の増大が懸念される。このような場合 は、「閉」開閉器選択手段12は、選択するn の開閉器の組数を制限する制限手段を備え この制限手段により、例えば、開閉器両端 電位差が大きい当該開閉器を含む順に組数 制限することができる。

 そして、この「閉」開閉器選択手段12が 1個の「開」開閉器(始めは、n=1)を選択する 、モデル上、当該「開」開閉器が「閉」状 に変更され、STEP603では、この「閉」状態に 更された場合に作成されるメッシュ状系統 電力潮流が潮流計算手段13により計算され 。

 STEP604では、作成されたメッシュ状系統の 「閉」状態の開閉器のうち、「開」開閉器選 択手段14により「開」状態とすべき開閉器を1 つ選択する。具体的には、STEP603で潮流計算 段13により計算されたメッシュ状系統の電力 潮流において、通過する電流値が最小となる 「閉」状態の開閉器を「開」状態とすべき開 閉器として選択する。特に、送電線の容量制 約に基づいて通過電流が最小となる「閉」状 態の開閉器が「開」状態とすべき開閉器とし て選択される。

 なお、この「開」開閉器選択手段14が、1 の「閉」開閉器を選択すると、モデル上、 該「閉」開閉器を「開」状態に変更し、STEP 605では、この「開」状態に変更された場合に 作成される新たなメッシュ状系統の電力潮流 が潮流計算手段13により計算される。STEP606で は、送電損失計算手段11が、再構成された放 状系統の送電損失を計算し、STEP607において 、送電損失低減判定手段15が、送電損失計算 段11により計算された放射状系統の現時点 送電損失が、解候補の送電損失よりも低減 ているかどうかを判定する。

 現時点の系統構成の送電損失が解候補の 電損失より低減している場合は(STEP607のYES) STEP608において、送電損失低減判定手段15に り、現時点の系統構成及び送電損失が新た 解候補並びにその送電損失として記憶手段3 に記憶される。一方、現時点の系統構成の送 電損失が解候補の送電損失より低減していな い場合は(STEP607のNO)、現時点の系統構成は解 補として記憶されることなく、STEP609の処理 に移行する。

 STEP609では、「閉」開閉器選択手段12が、 成された系統構成の「開」状態の開閉器の 置とは別の配置にある1個の「開」状態の開 閉器の組が存在するかを判定する。すなわち 、他にまだ選択されていない1個の「開」状 の開閉器の組が存在するかが判定される。 お、STEP609において、n≧2の場合には、「閉 開閉器選択手段12は、STEP604、605の処理がn回 り返されることで構成された系統構成のn個 の「開」状態の開閉器の配置と別の配置にあ るn個の「開」状態の開閉器の組が存在する を判定する。

 このような1個の「開」状態の開閉器の組 が他に存在する場合には(STEP609のYES)、STEP602 戻り、新たな1個の「開」開閉器の組が「閉 開閉器選択手段12により選択され、それ以 の処理が繰り返される。一方、1個の「開」 態の開閉器の組が他になかった場合には(STE P609のNO)、初期系統対比手段16により、STEP608 おける上記解候補の送電損失が初期系統の 電損失より低減しているかが判定される(STEP 610)。

 初期送電損失よりも小さいと判定された 合には(STEP610のYES)、この解候補及びその送 損失を初期系統構成及び初期送電損失とし 、損失最小化構成更新手段17により、記憶 段3に記憶されている初期系統構成とその初 送電損失を更新する(STEP611)。損失最小化構 更新手段17により初期系統構成及び初期送 損失が更新されると、更新された初期系統 成及び初期送電損失を基準に、STEP602以降の 理が繰り返される。

 これに対し、解候補の送電損失が初期送 損失より小さいと判定されない場合、すな ち、解候補の送電損失が初期送電損失と同 またはそれ以上である場合には(STEP610のNO) STEP612で、開閉器数変更手段18が、「閉」開 器選択手段12により選択される開閉器の数が 予め設定されたn個(予め設定した所定の開閉 数)に等しいかを判定する。

 この予め設定されたn個に満たない場合、 例えばn≧2に設定されている場合には(STEP612 NO)、開閉器数変更手段18により、n=1から1つ 加させ、再びSTEP602に戻りそれ以降の処理を り返す。つまり、予め設定された「閉」開 器選択手段12により選択される「開」状態 ある開閉器数のn個まで、1から順にn回、上 STEP602~611の処理が繰り返される。

 なお、n≧2の場合のSTEP604、605の処理にお ては、第1の実施形態と同様に、計算された 電力潮流に基づいて「開」開閉器選択手段14 より通過電流値が最小となる「閉」状態の 閉器が選択されることで「開」状態に変更 、潮流計算手段13が新たに作成されるメッ ュ状系統の電力潮流を計算するといった処 がn回繰り返される。

 STEP612において、開閉器数変更手段18が、 閉」開閉器選択手段12により選択される開 器の数が予め設定されたn個に等しいと判定 る場合には(STEP612のYES)、損失最小化構成更 手段17により、現在の初期系統構成及び初 送電損失を最小送電損失系統構成及び最小 電損失として決定して、決定した最小送電 失系統構成及び最小送電損失を、表示手段4 びI/F手段5を通じて出力し(STEP613)、処理を終 了する。

[効果]
 以上のような第2の実施形態によれば、一度 に「開」状態から「閉」状態に変更する開閉 器の数を1から順に増加させることができる で探索範囲が拡大する。その結果、計算時 が実質的に大きくなる問題に対して、変更 べき開閉器の数が少ない初期段階において 最小となる送電損失を高速に算出でき、変 すべき開閉器の数が増加した段階において 徐々に送電損失の最小化の程度を向上させ ことが可能となる。 

 なお、上記実施形態における開閉器数変 手段18は、「閉」開閉器選択手段12により選 択される開閉器の数が予め設定されたn個に しいかを判定し、この予め設定されたn個に たない場合に開閉器数を増加させているが 本発明は、これに限定されるものではない

 具体的には、本発明は、送電損失計算手 11により計算された系統構成の送電損失が 送電損失低減判定手段15により解候補の送電 損失より低減していないと判定された場合、 あるいは初期系統対比手段16により初期送電 失より低減していないと判定された場合に この開閉器数変更手段18が、「閉」開閉器 択手段12により選択させる開閉数を1つずつ 加させる実施形態を包含する。すなわち、 閉」開閉器選択手段12により選択される所定 個の開閉器数において、送電損失計算手段11 より計算される送電損失が低減しなくなる 合には、当該「閉」開閉器選択手段12によ 選択される開閉器数を増加させることで、 り小さい送電損失を探索することが可能と る。

[第3の実施形態]
[構成]
 次に、本発明の第3の実施形態に係る最小送 電損失系統構成の決定装置の構成について、 図7を参照して以下に説明する。なお、図7は 送電損失の最小化を図るための第3の実施形 態に係る最小送電損失系統構成の決定装置を 示すブロック図である。ここで、図7におい 、図1と同じ構成には同じ符号を用い、説明 省略する。

 第3の実施形態では、第1の実施形態にお る図1の構成に加え、初期系統生成手段19、 期系統選択手段20、最小化構成選択手段21を えている。

 この初期系統生成手段19は、ある初期系 から、系統構成の異なる複数の初期系統構 を生成する手段である。また、初期系統選 手段20は、複数の初期系統からまだ選択され ていない初期系統を選択する手段であり、最 小化構成選択手段21は、初期系統構成毎に送 損失を最小化する解候補として得られたす ての系統構成の中から、送電損失が最小の のを選択する手段である。

[作用]
 次に、図7の構成を有する最小送電損失系統 構成の決定装置において、送電損失が最小と なる系統構成の決定手順を、図8のフローチ ートを参照して以下に説明する。なお、図8 、第3の実施形態に係り、送電損失が最小と なる系統構成の決定フローを示す図である。 ここで、図2のフローチャートと同じ処理に いては説明を省略する。

 まず、STEP801では、第1の実施形態と同様 、データ読出手段10が、記憶手段3から配電 統の接続構成、当該系統に設けられた開閉 の開閉状態、及び負荷やインピーダンスに するデータ等の系統情報データを読み出し これ以降の処理において利用するデータを 備する。ここで、初期段階で使用する系統 成を初期系統構成とし、これを解候補とす 。

 また、初期化処理として、送電損失計算 段11により、初期系統である解候補の送電 失が計算され、初期送電損失として記憶手 3に記憶される。この記憶手段3に記憶された 初期送電系統とその初期送電損失は、現在の 配電系統における系統構成として採用され、 後述する系統構成の更新処理を行う上での基 準となる。

 そして、STEP802では、読み出した初期系統 に対して、初期系統生成手段19が複数の構成 異なる系統構成を作成し、送電損失計算手 11により当該系統構成毎に初期送電損失を 出する。なお、初期系統生成手段19により作 成される複数の初期系統構成は、例えば、初 期系統に対して、ランダムに選択した「開」 状態の開閉器を閉じ、構成されたメッシュ状 系統の中で、ランダムに選択した開閉器を開 く、といった方法で作成される。

 STEP803では、初期系統選択手段20が、初期 統生成手段19により作成された複数の初期 統構成のうち、まだ選択されていない新た 系統構成を選択する。それ以降は、第1の実 形態における図2のSTEP202~211の処理と同様の 理を実行することで、選択された初期系統 成に基づいて算出された最小送電損失及び 小送電損失系統構成を導き出すことができ (STEP804~813)。

 STEP814では、初期系統選択手段20により、 電損失の最小化処理をまだ行っていない他 初期系統構成が存在するかが判定され、存 する場合には(STEP814のYES)、STEP803に移行する ことで新たな初期系統構成が選択される。

 初期系統選択手段20により、他の初期系 構成が存在しないと判定された場合には(STEP 814のNO)、STEP815において、最小化構成選択手 21が、初期系統構成毎に送電損失を最小化す る解候補として得られたすべての系統構成の 中から、送電損失が最小となる系統構成を選 択し、選択した系統構成及びその送電損失を 最小送電損失系統構成及び最小送電損失とし て決定して、表示手段4及びI/F手段5を通じて 力し、処理を終了する。

[効果]
 以上のような本実施形態によれば、予め複 の初期系統構成を作成することができるの 、各初期系統構成に対して最小となる送電 失を算出することが可能となり、送電損失 算出処理が局所解に陥ることを回避するこ ができる。そのため、広範囲を探索の対象 することができ、より送電損失の小さい系 構成を決定することが可能となる。

[他の実施形態]
 なお、本発明は、この第3の実施形態に係る 、系統構成の異なる複数の初期系統を生成す る初期系統生成手段19と、複数の初期系統構 からまだ選択されていない初期系統構成を 択する初期系統選択手段20と、すべての初 系統構成に基づいて算出された送電損失が 小となる系統構成のうち送電損失が最小の のを選択する最小化構成選択手段21と、を第 2の実施形態に対して適用した実施形態も包 する。

 具体的には、第2の実施形態において、STE P601で、データ読出手段10が、記憶手段3から 電系統の構成、当該系統に設けられた開閉 の開閉状態、及び負荷やインピーダンスに するデータ等の系統情報データを読み出し 初期化処理として、初期系統生成手段19が複 数の構成が異なる系統構成を作成し、送電損 失計算手段11により当該系統構成毎に初期送 損失を算出する。

 そして、初期系統選択手段20が、初期系 生成手段19により作成された複数の初期系統 構成のうち、まだ選択されていない新たな系 統構成を選択し、当該初期系統構成に基づい てSTEP602~612までの処理が実行される。STEP612に おいて、開閉器数変更手段18が、「閉」開閉 選択手段12により選択される開閉器の数が め設定されたn(所定の閾値)に等しいと判定 る場合には(STEP612のYES)、初期系統選択手段20 により、送電損失の最小化処理を行っていな い他の初期系統構成が存在するかが判定され る。

 初期系統選択手段20により、送電損失の 小化処理を行っていない他の初期系統構成 存在すると判定された場合には、初期系統 択手段20が、初期系統生成手段19により作成 れた複数の初期系統構成のうち、選択され いない新たな系統構成を選択することで、S TEP602~612までの処理が繰り返される。

 初期系統選択手段20により、他の初期系 構成が存在しないと判定された場合には、ST EP613において、最小化構成選択手段21が、初 系統構成毎に送電損失を最小化する解候補 して得られたすべての系統構成の中から、 電損失が最小となる系統構成を選択し、選 した系統構成及びその送電損失を最小送電 失系統構成及び最小送電損失として決定し 、表示手段4及びI/F手段5を通じて出力し、処 理を終了する。

1…演算手段
2…入力手段
3…記憶手段
4…表示手段
5…I/F手段
6…配電系統監視制御装置
7…配電系統 
9a~9g…区間番号
10…データ読出手段
11…送電損失計算手段
12…「閉」開閉器選択手段
13…潮流計算手段
14…「開」開閉器選択手段
15…送電損失低減判定手段
16…初期系統対比手段
17…損失最小化構成更新手段
18…開閉器数変更手段
19…初期系統生成手段
20…初期系統選択手段
21…最小化構成選択手段
91~95…開閉器