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Title:
DENTAL PROSTHESIS PRODUCTION METHOD AND DENTAL PROSTHESIS PRODUCTION SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142781
Kind Code:
A1
Abstract:
It is possible to reproduce the color of the original tooth as the color of a dental prosthesis. Color data on the tooth obtained by imaging it before treatment is stored in an information processor. When the dental prosthesis produced to treat is colored, the stored color data on the tooth before the treatment is transmitted from the information processor to a printer, and the printer prints color corresponding to the color data directly or indirectly on the dental prosthesis. As the indirect printing by the printer, the color corresponding to the color data is printed on a predetermined transfer paper, and the printed transfer paper is pasted to the dental prosthesis.

Inventors:
TAKANASHI TOMOHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/060480
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 23, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MEDIA CORP (JP)
TAKANASHI TOMOHIRO (JP)
International Classes:
A61C5/77; A61C13/08
Foreign References:
JP2004520142A2004-07-08
JPH0390146A1991-04-16
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kihei (26 Kanda Suda-cho 1-chome, Chiyoda-k, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 歯科用補綴物の色彩として元の歯の色彩を再現する歯科用補綴物の製作方法であって、
 治療前に撮影して得られた歯の色彩データを、情報処理装置に保存しておき、
 前記歯の治療に際して製作された歯科用補綴物に色彩を施すにあたり、前記保存された治療前の歯の色彩データを前記情報処理装置から印刷機に送信し、
 前記印刷機により前記色彩データに対応する色彩を直接又は間接的に前記歯科用補綴物に印刷する
 ことを特徴とする歯科用補綴物の製作方法。
 前記印刷機による前記間接的な印刷として、
 前記色彩データに対応する色彩を、所定の転写紙に印刷し、
 印刷された前記転写紙を前記歯科用補綴物に貼付する
 ことを特徴とする請求項1記載の歯科用補綴物の製作方法。
 前記保存された治療前の歯の色彩データが、歯が健康であるときの色彩データ、及び歯の治療直前の色彩データを備え、
 前記情報処理装置から前記印刷機に、前記歯が健康であるときの色彩データ又は前記歯の治療直前の色彩データのいずれかを送信する
 ことを特徴とする請求項1又は2記載の歯科用補綴物の製作方法。
 前記情報処理装置が、前記歯が健康であるときの色彩データ及び前記歯の治療直前の色彩データにもとづいて、これらの中間の色彩を示す一又は二以上の色彩データを生成し、これらのいずれかを、前記印刷機に送信する
 ことを特徴とする請求項3記載の歯科用補綴物の製作方法。
 前記情報処理装置が、前記色彩データを表示手段に出力して、この表示手段に前記色彩データを選択可能に表示させ、選択された色彩データを、前記印刷機に送信する
 ことを特徴とする請求項3又は4記載の歯科用補綴物の製作方法。
 歯科用補綴物の色彩として元の歯の色彩を再現する歯科用補綴物の製作システムであって、
 治療前に撮影して得られた歯の色彩データを入力して記憶手段に記憶させ、前記歯の治療に際して製作された歯科用補綴物に色彩を施すにあたり、所定の入力情報にもとづき前記記憶手段に記憶された治療前の歯の色彩データを印刷機に送信する情報処理装置と、
 前記情報処理装置から受信した前記色彩データに対応する色彩を直接又は間接的に前記歯科用補綴物に印刷する印刷機と、を備えた
 ことを特徴とする歯科用補綴物の製作システム。
 前記印刷機による前記間接的な印刷として、
 前記色彩データに対応する色彩を、所定の転写紙に印刷し、
 印刷された前記転写紙を前記歯科用補綴物に貼付する
 ことを特徴とする請求項6記載の歯科用補綴物の製作システム。
 請求項6又は7記載の歯科用補綴物の製作システムが、
 前記色彩データに対応する色彩を直接又は間接的に印刷された歯科用補綴物を焼成する炉を備えたことを特徴とする歯科用補綴物の製作システム。
 前記記憶手段に記憶された治療前の歯の色彩データが、歯が健康であるときの色彩データ、及び歯の治療直前の色彩データを備え、
 前記情報処理装置が、前記歯が健康であるときの色彩データ又は前記歯の治療直前の色彩データのいずれかを前記印刷機に送信する
 ことを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載の歯科用補綴物の製作システム。
 前記情報処理装置が、前記歯が健康であるときの色彩データ及び前記歯の治療直前の色彩データにもとづいて、これらの中間の色彩を示す一又は二以上の色彩データを生成し、これらのいずれかを、前記印刷機に送信する
 ことを特徴とする請求項9記載の歯科用補綴物の製作システム。
 前記情報処理装置が、前記色彩データを表示手段に出力して、この表示手段に前記色彩データを選択可能に表示させ、選択された色彩データを、前記印刷機に送信する
 ことを特徴とする請求項9又は10記載の歯科用補綴物の製作システム。
Description:
歯科用補綴物の製作方法、及び 科用補綴物の製作システム

 本発明は、歯の治療に用いる歯科用補綴 の製作に関し、特に歯科用補綴物の色彩と て元の歯の色彩を再現可能とすることで、 者に対して自分の歯がよみがえる喜びを与 ることのできる歯科用補綴物の製作方法、 び歯科用補綴物の製作システムに関する。

 従来、歯の治療において、歯科用補綴物と てオールセラミックスクラウンを製作する 合は、一般に次のような手順で行われてい 。
(1)患者の歯の治療にあたり、支台歯を形成す る。
(2)患者の歯型の印象を採取し、その印象に石 膏材を流して、石膏模型を製作する。
(3)歯牙が分割できる石膏作業模型を製作する 。
(4)上下の模型を合わせて噛み合わせを確認す る。

(5)交哈器に固定した状態で、石膏作業模型上 の支台歯と対合歯との空間に、形成前の歯の 形状に戻るように、ワックス材やセラミック ス材を支台歯の上に盛り上げて、歯モデルを 形成する。
(6)セラミックス材を用いて形成した歯モデル は、炉で焼成して焼き固めることで、オール セラミックスクラウンとして製作される。ま た、ワックス材を用いて製作した歯モデルは 、鋳型材に埋没した後、熱を加えてワックス 原型を溶かし出し、ワックスが流れ出た後に できた原型の形をした空洞に、溶解したセラ ミックスを流し込んで固めることで、オール セラミックスクラウンとして製作される。

(7)製作されたオールセラミックスクラウンに 、個々の患者の歯に合わせて、手作業により ステイン(色付け)を行い、再び炉に入れて焼 、焼き付けを行う。
(8)色付け作業終了後、表面につや出しコーテ ィングを行い、再び炉に入れて焼成し、オー ルセラミックスクラウンを歯科用補綴物とし て完成させる。

 この従来の歯科用補綴物の製作方法では、 モデルの形成にあたって、形成前の歯の形 に戻るように、ワックス材等が支台歯の上 盛り上げ形成されている。
 しかし、このような方法によれば、得られ 歯モデルとして、治療前の歯を正確に再現 ることは極めて困難であり、その形状はあ 程度推測によらなければならないという問 があった。また、歯科技工士の力量によっ 、完成する歯科用補綴物の品質に差が生じ 適切な歯科用補綴物が得られない場合があ という問題もあった。

 一方、患者の多くは、自分の歯が元の状態 よみがえることを希望しているため、でき だけ元の歯の形態に近い歯科用補綴物を、 ールセラミックスクラウンなどで再製する とができれば大変好ましい。
 このような問題の解決に関連する技術とし は、例えば特許文献1に記載の歯科用補綴物 の作製方法がある。
 この歯科用補綴物の作製方法では、歯科用 綴物を設計するにあたり、治療に際して計 された歯の形状情報と、予め保存しておい 患者の健康時の歯の形状情報を三次元グラ ィック表示することで、歯科用補綴物を健 時の形状と同一に設計し、これにもとづい 歯科用補綴物を自動的に作製することによ 、患者の元の歯を再製可能としている。

 しかしながら、この歯科用補綴物の作製方 によれば、患者の元の歯の形状を再現する とはできるが、元の歯の色彩をよみがえら ることはできなかった。
 ここで、歯の色彩の再現に関する先行技術 献に記載の発明としては、例えば特許文献2 の人工歯製造システムや、特許文献3の歯科 観察装置の色調補正機構などが存在してい 。

特開2002-224143号公報

特開平11-128248号公報

特開平8-229057号公報

 特許文献2の人工歯製造システムは、患者 の歯の色のデータを取得する歯色データ取得 手段と、取得された歯の色のデータを遠隔地 に送信する歯色データ送信手段と、送信され た歯の色のデータに基づいて、人工歯の表面 の色を調整するための人工歯色調整手段とを 備えた構成としてある。そして、患者の歯の 色データ等を、歯科技工所側に送信すること で、歯科技工所において、そのデータに基づ いて、人工歯の色合い等を調整可能としてい る。

 この人工歯製造システムによれば、歯科技 士は、患者の歯の色データを参照しつつ、 科用補綴物の色付けを行うことができるた 、歯科用補綴物の色彩を元の歯の色により づけることが可能となる。
 しかしながら、このシステムによれば、色 けは手作業で行われることから、製作され 歯科用補綴物の色彩は、歯科技工士ごとに 妙に異なることとなり、必ずしも元の歯の が適切に再現されるとは限らないという問 があった。

 また、特許文献3の歯科用観察装置の色調 補正機構は、歯牙、歯茎、歯牙修復物等の被 写体の正確な色調を表示装置に再現する手段 として、被写体と表示装置に表示された映像 の両方の色情報を測定できる色調測定手段と 、その色情報が一致するように表示内容の色 調を補正制御する色調補正制御手段からなる 構成としてある。

 これによって、従来は歯科観察装置等で撮 される歯牙、歯茎、歯牙修復物等の画像は 撮影カメラ、信号処理装置、表示装置等の -ドの違いによって、それぞれ色調が異なる ため、正確な色調を表示することができず、 結局再現される画像の色調は目安にすぎない という問題があったが、この歯科用観察装置 の色調補正機構によれば、撮影される歯牙等 の色調と表示されるその色調を一致させるこ とができるため、歯科技工士は、より正確に 元の歯の色を再現することが可能となる。
 しかしながら、この機構でも、色付けは手 業で行われ、必ずしも元の歯の色が適切に 現されるとは限らなかった。

 本発明は、上記の事情にかんがみなされ ものであり、治療前の歯の色彩データを情 処理装置に保存しておき、歯の治療に際し 歯科用補綴物に色彩を施すにあたり、保存 れた治療前の歯の色彩データに対応する色 を直接又は間接的に歯科用補綴物に印刷す ことで、歯科用補綴物の色彩として元の歯 色彩を再現可能とし、患者に対して自分の がよみがえる喜びを与えることのできる歯 用補綴物の製作方法、及び歯科用補綴物の 作システムの提供を目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明の歯科 補綴物の製作方法は、歯科用補綴物の色彩 して元の歯の色彩を再現する歯科用補綴物 製作方法であって、治療前に撮影して得ら た歯の色彩データを、情報処理装置に保存 ておき、歯の治療に際して製作された歯科 補綴物に色彩を施すにあたり、保存された 療前の歯の色彩データを情報処理装置から 刷機に送信し、印刷機により色彩データに 応する色彩を直接又は間接的に歯科用補綴 に印刷する方法としてある。

 歯科用補綴物の製作方法をこのような方法 すれば、治療前に撮影して情報処理装置に め記憶された歯の色彩データを用いて、印 機により歯科用補綴物に直接又は間接的に 彩を印刷することができる。
 このように、本発明によれば、歯科技工士 よる手作業ではなく、印刷機を用いて、ま 、予め記憶された歯の色彩データを用いて 歯科用補綴物に元の歯の色を極めて正確に 現することができるため、患者の歯を適切 再製することが可能となる。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作方法 、印刷機による間接的な印刷として、色彩 ータに対応する色彩を、所定の転写紙に印 し、印刷された転写紙を歯科用補綴物に貼 する方法としてある。

 歯科用補綴物の製作方法をこのような方法 すれば、治療前の歯の色彩データを用いて 印刷機により水張り転写紙などに色彩を印 し、これを歯科用補綴物に貼付して焼成す ことで、歯科用補綴物への色付けを行うこ ができる。
 このため、歯科用補綴物の色づけを正確か 容易に行うことが可能となる。
 なお、予め種々の色彩を水張り転写紙にプ ントしておき、この水張り転写紙を必要に じて歯科用補綴物に貼付するようにすれば 誰もが安定した色づけを行うことが可能と る。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作方法 、保存された治療前の歯の色彩データが、 が健康であるときの色彩データ、及び歯の 療直前の色彩データを備え、情報処理装置 ら印刷機に、歯が健康であるときの色彩デ タ又は歯の治療直前の色彩データのいずれ を送信する方法としてある。

 歯科用補綴物の製作方法をこのような方法 すれば、歯科用補綴物に色彩を印刷するに たり、患者の好みに応じて、歯が健康であ とき、又は歯の治療直前の色彩データのい れでも用いることができる。
 このため、患者が治療対象でない他の歯の 彩とのバランスの良い色彩を求める場合に 治療直前の色彩データを用い、他の歯の色 とのバランスを優先するよりも、きれいな 彩を求める場合には歯が健康であるときの 彩データを用いることなどが可能となる。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作方法 、情報処理装置が、歯が健康であるときの 彩データ及び歯の治療直前の色彩データに とづいて、これらの中間の色彩を示す一又 二以上の色彩データを生成し、これらのい れかを、印刷機に送信する方法としてある

 歯科用補綴物の製作方法をこのような方法 すれば、健康であるときから歯の治療直前 での種々の中間の色彩を歯科用補綴物に印 することができる。
 このため、患者は、歯科用補綴物に印刷す 色彩として、より広範囲な色彩から求める 彩を選択することが可能となる。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作方法 、情報処理装置が、色彩データを表示手段 出力して、この表示手段に色彩データを選 可能に表示させ、選択された色彩データを 印刷機に送信する方法としてある。

 歯科用補綴物の製作方法をこのような方 にすれば、医師や患者等は、表示手段に表 された色彩を見ながら、容易に歯科用補綴 に印刷する色彩を選択することが可能とな 。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作シス ムは、歯科用補綴物の色彩として元の歯の 彩を再現する歯科用補綴物の製作システム あって、治療前に撮影して得られた歯の色 データを入力して記憶手段に記憶させ、歯 治療に際して製作された歯科用補綴物に色 を施すにあたり、所定の入力情報にもとづ 記憶手段に記憶された治療前の歯の色彩デ タを印刷機に送信する情報処理装置と、情 処理装置から受信した色彩データに対応す 色彩を直接又は間接的に歯科用補綴物に印 する印刷機とを備えた構成としてある。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作システ は、印刷機による間接的な印刷として、色 データに対応する色彩を、所定の転写紙に 刷し、印刷された転写紙を歯科用補綴物に 付する構成としてある。
 また、本発明の歯科用補綴物の製作システ は、色彩データに対応する色彩を直接又は 接的に印刷された歯科用補綴物を焼成する を備えた構成としてある。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作シス ムは、記憶手段に記憶された治療前の歯の 彩データが、歯が健康であるときの色彩デ タ、及び歯の治療直前の色彩データを備え 情報処理装置が、歯が健康であるときの色 データ又は歯の治療直前の色彩データのい れかを印刷機に送信する構成としてある。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作シス ムは、情報処理装置が、歯が健康であると の色彩データ及び歯の治療直前の色彩デー にもとづいて、これらの中間の色彩を示す 又は二以上の色彩データを生成し、これら いずれかを、印刷機に送信する構成として る。

 また、本発明の歯科用補綴物の製作シス ムは、情報処理装置が、色彩データを表示 段に出力して、この表示手段に色彩データ 選択可能に表示させ、選択された色彩デー を、印刷機に送信する構成としてある。

 歯科用補綴物の製作システムをこれらのよ な構成にすれば、印刷機を用いて、予め記 された歯の色彩データにもとづき歯科用補 物に元の歯の色を極めて正確に再現するこ ができる。
 このため、患者の歯を適切に再製すること 可能となる。

 本発明によれば、治療前の歯の色彩データ 用いて、これに対応する色彩を所定の転写 に印刷し、歯科用補綴物にこの転写紙を貼 することができる。また、治療前の歯の色 データに対応する色彩を直接歯科用補綴物 印刷することもできる。
 これによって、歯科用補綴物の色彩として の歯の色彩を再現することができる。
 このため、患者に対して、自分の歯が元の うによみがえる喜びを与えることが可能と る。

本発明の実施形態の歯科用補綴物の製 システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態の歯科用補綴物 製作システムによる製作方法を示す図であ 。 本発明の第一実施形態の歯科用補綴物 製作システムにおける色彩選択画面を示す ある。 本発明の第二実施形態の歯科用補綴物 製作方法を示す図である。

[第一実施形態]
 まず、本発明の第一実施形態の構成につい 、図1を参照して説明する。同図は、本実施 形態の歯科用補綴物の製作システムの構成を 示すブロック図である。
 図1に示すように、本実施形態の歯科用補綴 物の製作システムは、情報処理装置10、加工 20、印刷機30、及び炉40を有している。

[情報処理装置10]
 本実施形態の歯科用補綴物の製作システム おける情報処理装置10は、加工機20に歯科用 補綴物の設計データを送信するとともに、印 刷機30に色彩データを送信する。
 この情報処理装置10としては、例えばパー ナルコンピュータなどの情報処理装置を用 ることができる。
 この情報処理装置10は、図1に示すように、 ータ入力手段11、記憶手段12、設計手段13、 示手段14、色彩データ選択手段15、及び色彩 データ送信手段16を備えている。

 データ入力手段11は、歯の形態データを情 処理装置10に入力して、記憶手段12に記憶さ る。
 この歯の形態データとしては、全顎形状デ タ、歯牙形状データ、全顎色彩データ、及 歯牙色彩データを挙げることができる。

 全顎形状データは、例えば、上下顎から印 材により全顎印象を採取し、この印象に石 材を流して石膏模型を製作し、この石膏模 を所定の全顎模型計測システムにより計測 ることで、得ることができる。また、この 顎模型計測システムにより、得られた全顎 状データから1本ずつの歯牙形状データを作 成することもできる。
 この全顎模型計測システムとしては、メデ ア株式会社のDECSY(R)におけるシステムなど 好適に用いることができる。

 データ入力手段11は、この全顎模型計測シ テムから歯の形態データを受け取って、こ を情報処理装置10に入力する。
 なお、模型を製作せずに、直接患者口腔内 カメラで撮影して、全顎形状データなどの 次元データを情報処理装置10に入力する方 とすることも可能である。

 全顎色彩データは、所定の歯牙色彩認識シ テムによって、歯牙を直接撮影することで 得ることができる。
 また、この歯牙色彩認識システムにより、 られた全顎色彩データから1本ずつの歯牙色 彩データを作成することもできる。
 この歯牙色彩認識システムとしては、特に 定されるものではなく、従来公知の一般的 色彩認識システムを用いることが可能であ 。

 これらの全顎形状データ、歯牙形状データ 全顎色彩データ、歯牙色彩データの入力タ ミングとしては、歯が健康であるとき、及 歯の治療直前の両方とすることが好ましい
 治療直前の歯の形態データを入力して保存 ておくことで、歯科用補綴物として、治療 前の状態のものを製作することが可能とな 。
 また、歯が健康であるときの歯の形態デー を入力して保存しておくことで、歯科用補 物として、健康時の歯を再製することが可 となる。
 なお、歯が健康であるときとしては、例え 永久歯が生えそろい、顎の成長が止まった きなどとすることが好ましい。

 記憶手段12は、データ入力手段11により情 報処理装置10に入力された健康時及び治療直 の全顎形状データ、歯牙形状データ、全顎 彩データ、及び歯牙色彩データ等の歯の形 データを、患者の識別情報ごとに記憶する

 設計手段13は、記憶手段12に記憶された全 顎形状データ及び歯牙形状データを用いて、 歯科用補綴物を設計する。この設計方法とし ては、従来公知の方法を用いることができ、 本願発明の特徴部分ではないため、詳細につ いては省略するが、以下のような手順で行う ことができる。

 まず、設計手段13は、記憶手段12に記憶され た治療直前の全顎形状データ及び歯牙形状デ ータを用いて、表示手段14に上下顎模型を表 する。
 そして、図示しない顎運動計測システムと 携し、最新の噛み合わせ位置や顎運動デー を算出する。
 また、設計手段13は、表示手段14に表示した 模型支台歯に、記憶手段12に記憶された健康 の全顎形状データ、歯牙形状データを重ね わせる。

 このとき、一般に健康時の歯牙形状デー 等と治療直前の歯牙形状データ等とは、噛 合わせによる摩耗や歯の移動によって、一 位置や形状が変化しているが、顎運動計測 ステムにより算出された最新の噛み合わせ 置や顎運動データを用いて、上記歯牙形状 ータ等の重ね合わせ位置を調整することに り、一番患者に適した歯牙形状のクラウン 設計することが可能となっている。

 設計手段13は、クラウンの設計データを作 すると、この設計データを加工機20に送信す る。
 加工機20に適切なセラミックスブロックを り付け、この加工機20により上記設計データ にもとづいて、歯科用補綴物としてオールセ ラミックスクラウンを研削加工する。
 これによって、人の技術に左右されない安 したオールセラミックスクラウンを加工す ことが可能となっている。

 表示手段14は、情報処理装置10におけるデ ィスプレイやモニタなどの表示装置であり、 設計手段13や色彩データ選択手段15から入力 た各種データを画面上に出力して表示する

 色彩データ選択手段15は、記憶手段12に記 憶されている健康時及び治療直前の全顎色彩 データ、歯牙色彩データを用いて、歯科用補 綴物に色づけする色彩を選択可能に表示手段 14に表示させる。

 このとき、治療対象の歯牙についての健康 及び治療直前の色彩データのみならず、こ らの色彩の中間色の色彩データを表示可能 することも好ましい。
 なお、健康時及び治療直前の色彩データに とづいて、その中間色の色彩データを作成 る方法については、従来公知の一般的な中 色の作成方法を用いることができる。

 色彩データ選択手段15は、選択された色彩 ータを色彩データ送信手段16に出力する。
 このとき、選択する色彩としては、患者の 腔内に取り付ける歯科用補綴物に最適な理 の色彩を選択することが好ましい。
 色彩データ送信手段16は、入力した色彩デ タを印刷機30に送信する。

[加工機20]
 加工機20は、情報処理装置10から受信した歯 科用補綴物の設計データにもとづいて、セラ ミックスブロックなどの素材を自動的に研削 加工し、歯科用補綴物を製作する。
 この加工機20としては、メディア株式会社 DECSY(R)などを好適に用いることができる。

[印刷機30]
 印刷機30は、情報処理装置10から受信した色 彩データにもとづいて、これに対応する色彩 を転写紙に印刷する。
 この印刷機30としては、セラミックス用の テイン材をインクとして使用することがで るものであれば、特に限定されるものでは く、紙を印刷することが可能な一般的なプ ンター等を用いることが可能である。

 また、このとき用いるステイン材としては 素材とするセラミックスと同程度の熱膨張 数を備えたものが好ましい。これらの熱膨 係数が大きく異なる場合には、色付け後焼 して、その温度を室温にまで下げる際に、 科用補綴物が破折する場合があるためであ 。
 また、ステイン材としては、セラミックス ラウン表面のみならず、その少し内側にま 浸透して固定するものが好ましく、その種 は用いるセラミックスの種類に合わせた専 のものとすることが好ましい。

 本発明で使用するセラミックスブロックと ては、特に制限されないが、例えばイボク ール ビバデント社(Ivoclar Vivadent社)の「プ キャド(ProCAD)セラミックスブロック」を用 ることができる。
 また、本発明で使用するステイン材として 、特に制限されないが、例えば同社の「プ キャドステインキット」を用いることがで る。

 本発明で使用する転写紙は、特に限定され ものではないが、セラミックスクラウンに 色を行うために適切なものとすることが好 しい。
 すなわち、凹凸のある様々な形状のクラウ の表面上に、隙間無く着色することができ ものであることが好ましい。

 このような観点から、水張り転写紙(水転 写紙)を使用することが好ましい。水張り転 紙は、紙やセロファンなどのフィルムに水 性のバインダーをコートしたものである。 の水溶性のバインダー上にセラミックスク ウンに着ける色とカバーコートを印刷して に浸すと、紙やフィルム側から水が染み込 でバインダーが溶け、色をセラミックスク ウンに転写することができる。もちろん、 め様々な色を印刷しておいた水張り転写紙 用いることも可能である。

 そして、色を転写したセラミックスクラウ を、例えば800~1200℃で焼成し、色をセラミ クスクラウンに固定する。
 水張り転写紙を用いる場合、その転写紙の さは特に限定されるものではないが、例え 0.2mm程度のものを用いることができる。

 また、転写紙として、熱転写紙を用いる とも可能である。この場合、転写紙は、凹 のあるセラミックスクラウンに隙間無く貼 付けることができるように、薄いものであ ことが望ましい。具体的には、0.5mm以下の のを用いることが好ましく、0.01~0.2mm以下の のを用いることがより好ましい。

[炉40]
 炉40は、セラミックスクラウンなどの歯科 補綴物を焼成する装置である。本実施形態 は、印刷を行った転写紙を歯科用補綴物に 付した後、炉40を用いて焼成を行う。
 これによって、歯科用補綴物にステイン材 固定し、色付けを行っている。
 この炉40としては、イボクラール ビバデン ト社のプログラマットP200などを好適に用い ことが可能である。

[歯科用補綴物の製作方法]
 次に、本実施形態の歯科用補綴物の製作方 について、図2を参照して説明する。同図は 、本実施形態の歯科用補綴物の製作システム による歯科用補綴物の製作方法を示す図であ る。

 まず、予め患者の歯が健康な状態であると に、この健康な歯の形態データを情報処理 置10に入力して、記憶手段12に記憶させてお く(ステップ10)。
 歯の形態データとしては、上述したように 全顎形状データ、歯牙形状データ、全顎色 データ、歯牙色彩データ等とすることがで る。

 次に、患者が歯の治療に訪れた際等に、そ 患者の治療直前の歯の形態データを情報処 装置10に入力して、記憶手段12に記憶させる (ステップ11)。
 そして、設計手段13により、記憶手段12に記 憶された健康時及び治療直前の歯の形状デー タにもとづいて、セラミックスクラウンの設 計処理が行われ、設計データが生成される( テップ12)。
 次に、この設計データが加工機20に送信さ 、加工機20によりセラミックスブロックが研 削され、セラミックスクラウンが製作される (ステップ13)。

 また、セラミックスクラウンへの色付けを うため、セラミックスクラウンに着色する 彩の選択を行う。
 このとき、色彩データ選択手段15は、記憶 段12に記憶されている健康時及び治療直前の 全顎色彩データ、歯牙色彩データを用いて、 治療対象である歯についての健康時又は治療 直前の色彩のいずれかを選択することができ る画面を表示手段14に表示させる(ステップ14) 。

 さらに、色彩データ選択手段15は、健康 及び治療直前の全顎色彩データ、歯牙色彩 ータを用いて、治療対象である歯の色彩デ タの候補として、健康時から治療直前まで 間色を示す色彩データを生成し、これらの 彩を健康時又は治療直前の色彩とともに画 上に表示して、そのいずれかを選択可能に ることもできる。

 図3は、このようにして表示手段14により表 された色彩選択画面の例を示すものである
 同図において、ある色彩が選択され、これ 対応するチェックボックスにチェックの入 が行われて、OKボタンが押下されると、こ 選択された色彩データが、色彩データ選択 段15から色彩データ送信手段16に出力され、 彩データ送信手段16により印刷機30に送信さ れる(ステップ15)。

 なお、色彩選択画面の表示にあたり、健 時、治療直前の歯の色彩データとして、全 色彩データ、歯牙色彩データにおけるどの 牙の色彩データを用いるか等の詳細な事項 ついては、適宜設計することができるが、 えば、健康時の歯の色彩データとしては、 療対象である歯牙の色彩データを用い、治 直前の歯の色彩データとしては、治療対象 ある歯牙の両隣(隣の歯がない場合や用いる のに不適切な歯である場合は、さらに隣のも の等)の色彩データの中間色を用いることな が可能である。

 印刷機30は、受信した色彩データに対応す 色彩のステイン材を用いて、転写紙に印刷 行う(ステップ16)。
 なお、事前に決められた色彩を転写紙にプ ントしておき、必要なときにこのプリント た転写紙をステッカーのように用いて歯科 補綴物に貼付するようにすれば、誰もが安 した色づけを行うことが可能となる。

 そして、この転写紙をセラミックスクラウ に貼付して(ステップ17)、この転写紙を貼付 したセラミックスクラウンを炉40により焼成 る(ステップ18)。
 これによって、本発明に係るオールセラミ クスクラウンなどの歯科用補綴物を製作す ことができる。

 以上説明したように、本実施形態の歯科用 綴物の製作システムによれば、予め保存さ た治療前の歯の色彩データに対応する色彩 転写紙に印刷し、この転写紙を歯科用補綴 に貼付して焼成することで、歯科用補綴物 色彩として元の歯の色彩を再現することが きる。
 このため、患者に自分の歯がよみがえる喜 を与えることが可能となる。

[第二実施形態]
 次に、本発明の第二実施形態について、図4 を参照して説明する。同図は、本実施形態の 歯科用補綴物の製作システムによる歯科用補 綴物の製作方法を示す図である。
 本実施形態は、選択された色彩を転写紙に 刷してこれを歯科用補綴物に貼付するので なく、選択された色彩を歯科用補綴物に直 印刷する点で第一実施形態と異なる。その の点については、第一実施形態と同様であ 、本実施形態のブロック図も図1と同様のも のとすることができる。

 ただし、本実施形態における印刷機30は、 を印刷することが可能な一般的なプリンタ ではなく、歯科用補綴物に直接ステイン材 噴射して印刷を行うものである。
 この印刷機30としては、上述した種類のス イン材をクラウンに直接印刷することがで るものであれば、特に限定されない。

 まず、健康な歯の形態データを保存する工 から色彩データを選択する工程までは(ステ ップ30~ステップ35)、第一実施形態における工 程(ステップ10~ステップ15)と同様である。
 次に、印刷機30は、情報処理装置10から受信 した色彩データにもとづいて、セラミックス クラウンに色彩を直接印刷する(ステップ36)
 そして、色彩を印刷したセラミックスクラ ンを焼成し、色づけしたオールセラミック クラウンを完成させる(ステップ37)。

 以上説明したように、本実施形態の歯科用 綴物の製作システムによれば、転写紙を用 て、セラミックスクラウンに色彩を間接的 印刷するのではなく、セラミックスクラウ に色彩を直接印刷することができる。
 このため、より簡便にセラミックスクラウ への色付けを行うことが可能となる。

 本発明は、以上の実施形態に限定されるも ではなく、本発明の範囲内において、種々 変更実施が可能であることは言うまでもな 。
 例えば、セラミックスクラウンに色彩のみ らず、模様などを印刷する場合などにも適 することが可能である。
 また、歯科用補綴物の材料として、例えば ジンやプラスチックなどを用いることも可 である。
 さらに、歯科用補綴物に色彩を印刷した後 、焼成することなく、例えば光を照射する とで、色彩を歯科用補綴物に固定するなど 宜変更することが可能である。

 本発明は、歯の治療にあたり、歯科用補 物の色彩として元の歯の色彩をより正確に 現したものを簡易に製作する場合などに、 適に利用することが可能である。