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Title:
DIAMOND DICE AND METHOD FOR PRODUCING WIRE USING DIAMOND DICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111215
Kind Code:
A1
Abstract:
A diamond dice has a bearing region touching a wire inserted via an inlet, a reduction region arranged on the inlet side continuously to the bearing region, and a sidewall defining a hole extending from the inlet to the outlet along the axis so as to penetrate the bearing region and the reduction region. A wire inserted into the hole via the inlet is drawn out from the outlet via the bearing region. Assuming the inside diameter of the hole is D in the bearing region, a line connecting a first point on the sidewall located closer to the inlet side by a length of 1.0D in the axial direction of the hole than the boundary portion between the bearing region and the reduction region, and a second point on the sidewall located closer to the inlet side by a length of 3.0D in the axial direction of the hole than the boundary portion between the bearing region and the reduction region makes an angle θ1 of 15-30 degrees with respect to the axial direction on a cross-section appearing when the diamond dice is cut on a plane parallel with the axis and including the axis. The boundary portion between the bearing region and the reduction region has a curved surface.

Inventors:
YUKAWA MAKOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/055252
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 15, 2007
Export Citation:
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Assignee:
ALMT CORP (JP)
YUKAWA MAKOTO (JP)
International Classes:
B21C3/02
Foreign References:
JP2005177806A2005-07-07
JP2002102917A2002-04-09
JPH08108211A1996-04-30
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 入口(11)から挿入された線材(100)と接触するベアリング領域(1d)と、
 前記ベアリング領域(1d)に連なり、前記ベアリング領域(1d)よりも前記入口(11)側に配置されるリダクション領域(1c)と、
 前記ベアリング領域(1d)および前記リダクション領域(1c)を貫通するように軸(15)に沿って入口(11)から出口(12)まで延びる孔(14)を規定する側壁(13)とを備えた、ダイヤモンドダイス(1)であって、
 前記ベアリング領域(1d)での孔(14)の内径をDとし、前記軸(15)を含み前記軸(15)と平行な面で前記ダイヤモンドダイスを切断したときに現われる断面において、前記ベアリング領域(1d)と前記リダクション領域(1c)との境界部(17)より前記孔(14)の軸方向に1.0Dの長さだけ入口(11)側にある側壁(13)の第一点(131)と、前記ベアリング領域(1d)と前記リダクション領域(1c)との境界部(17)より前記孔(14)の軸方向に3.0Dの長さだけ入口(11)側にある側壁(13)の第二点(132)とを結ぶ直線(135)が、前記孔(14)の軸(15)方向に対して15度以上30度以下の角度θ1をなし、前記ベアリング領域(1d)と前記リダクション領域(1c)との境界部(17)は曲面とされる、ダイヤモンドダイス。
 前記境界部(17)から前記第二点(132)までの間が滑らかに湾曲する曲面である、請求の範囲1に記載のダイヤモンドダイス。
 前記境界部(17)と前記第一点(131)とを結ぶ線(134)と前記軸(15)とのなす角度θ2は4から7度である、請求の範囲1に記載のダイヤモンドダイス。
 前記境界部(17)を構成する曲面は半径Rが50μm以上の球面である、請求の範囲1に記載のダイヤモンドダイス。
 線材(100)を準備する工程と、
 線材(100)を請求の範囲1に記載のダイヤモンドダイスの入口(11)から挿入して出口(12)から引抜くことで前記ベアリング部(1d)で伸線加工を行なう工程とを備えた、線材の製造方法。
 前記線材(100)はタングステン線であり、前記伸線加工を行なう工程は熱間で伸線加工を行なう工程を含む、請求の範囲5に記載の線材の製造方法。
 前記線材(100)はステンレス線または銅線であり、前記伸線加工を行なう工程は冷間で伸線加工を行なう工程を含む、請求の範囲5に記載の線材の製造方法。
Description:
ダイヤモンドダイスおよびそれ 用いた線材の製造方法

 本発明は、線材の伸線加工を行なうため ダイヤモンドダイスに関し、より特定的に 、タングステン線などの熱間伸線加工を行 うのに適したダイヤモンドダイスに関する のである。

 従来、線材の伸線加工を行なう工具とし 、天然ダイヤモンド、人造単結晶ダイヤモ ド、および焼結ダイヤモンドを使用したダ ヤモンドダイスが知られている。これらの イヤモンドダイスは、ダイヤモンドからな ダイス本体がステンレス鋼などの金属製の ースに一体に保持され、ダイヤモンドの部 には線材を通し伸線加工するための孔が形 されている。このようなダイヤモンドダイ の例として、たとえば図5で示すような形状 の孔を有するものがある。孔の加工方法とし て、レーザにより孔を開け、研磨針を用いて この孔の超音波研磨を行なう方法があり、こ れにより孔の内面を所定の形状に仕上げるこ とができる。

 ダイヤモンドダイスに要求される品質と て、伸線加工時の抵抗が小さく、線材が断 しないことが挙げられる。また、伸線加工 の線材の品質すなわち表面粗さが小さく、 留応力やカールが少ないことが要求される カールとは、線材をダイスにより伸線した に線材に付く曲げ癖のことである。伸線加 時の抵抗や断線については、リダクション ベアリングの形状が影響するが、伸線加工 の径が50μm以下のものは、より断線しやす という問題があり、さらに、ステンレス線 タングステンなどの硬質線材においては、 の伸線加工時の抵抗によりベアリングの部 が欠けるという問題も発生するおそれがあ 。

 線材の品質については、孔の形状や面粗 などが影響する。線材の面粗さは、リダク ョンやベアリング部分の面粗さが影響し、 材のカールはリダクションやベアリングの 状の精度が影響する。孔の加工について、 述のような孔開けおよび研磨を行なっても リダクションやベアリングの形状は孔の中 線に対して完全な対称形にすることは困難 あり、わずかに非対称になる傾向がある。 対称に仕上がった場合には、伸線加工を行 った際に加工した線材がカールする原因と り、伸線された線材の真直度が悪くなる。

 このような問題を解決するものとして、 5で示すような形状のダイヤモンドダイスで ベアリングの内径Dを50μm以下とし、エグジッ ト領域1fは凹型の曲面で形成され、リダクシ ン領域1cの角度が10度以上16度以下であり、 アリング領域1dの長さが0.2D以上1.0D以下、バ ックリリーフ領域1eの長さが0.2D以上0.7D以下 バックリリーフ領域1eの角度が10度以上20度 下のダイヤモンドダイスが、たとえば特開20 02-102917号公報(特許文献1)に開示されている。

 このダイヤモンドダイスは、容易に加工で る孔の形状とし、伸線時の真直度および線 の品質を向上させるとともに伸線加工時の 抗を軽減して、断線しにくく、ダイヤモン の欠けが発生しにくいダイスにできる。

特開2002-102917号公報

 ところで、タングステン線などの熱間伸 加工では、潤滑材として固体のカーボンを むものが使用される。このような潤滑材を 用する伸線加工においては、特許文献1のダ イヤモンドダイスでは潤滑効果が不足し、ダ イヤモンドダイスの寿命が短くなるおそれが ある。また、単純に潤滑材が供給されやすい 形状とするだけでは、伸線加工時の真直度が 悪くなったり線材の歪みが発生して品質を低 下させるおそれがある。このようなことから 、本発明は固体のカーボンを含んだような潤 滑材を使用した場合でも十分な潤滑効果が得 られ、寿命も向上させることができ、伸線加 工時の真直度や線材の品質を向上させること ができるダイヤモンドダイスを提供すること を目的とする。

 この発明に従ったダイヤモンドダイスは 入口から挿入された線材と接触するベアリ グ領域と、ベアリング領域に連なり、ベア ング領域よりも入口側に配置されるリダク ョン領域と、ベアリング領域およびリダク ョン領域を貫通するように軸に沿って入口 ら出口まで延びる孔を規定する側壁とを備 る。ベアリング領域での孔の内径をDとし、 軸を含み軸と平行な面でダイヤモンドダイス を切断したときに現われる断面において、ベ アリング領域とリダクション領域との境界部 より孔の軸方向に1.0Dの長さだけ入口側にあ 側壁の第一点と、ベアリング領域とリダク ョン領域との境界部より孔の軸方向に3.0Dの さだけ入口側にある側壁の第二点とを結ぶ 線が、孔の軸方向に対して15度以上30度以下 の角度をなし、ベアリングとリダクション領 域との境界部は曲面とされる。

 このように構成されたダイヤモンドダイ では、入口側であるリダクション領域の傾 を大きくしているため、潤滑材の十分な潤 効果を得ることができる。

 好ましくは、境界部分から第二点までの間 滑らかに湾曲する曲面である。
 好ましくは、境界部分と第一点とを結ぶ線 軸とのなす角度は4から7度である。

 好ましくは、境界部分を構成する曲面は半 Rが50μm以上の球面である。
 この発明に従った線材の製造方法は、線材 準備する工程と、線材を上記のダイヤモン ダイスの入口から挿入して出口から引抜く とでベアリング部で伸線加工を行なう工程 を備える。

 好ましくは、線材はタングステン線であ 、伸線加工を行なう工程は熱間で伸線加工 行なう工程を含む。

 好ましくは、線材はステンレス線または 線であり、伸線加工を行なう工程は冷間で 線加工を行なう工程を含む。

この発明の実施の形態に従ったダイヤ ンドダイスの平面図である。 図1中のII-II線に沿った断面図である。 図2中のダイヤモンドを拡大して示す断 面図である。 線材が挿入されたダイヤモンドダイス 断面図である。 従来のダイヤモンドダイスの断面図で る。

符号の説明

1c リダクション領域、1d ベアリング領域 4 ダイヤモンドダイス、11 入口、12 出口 13 側壁、14 孔、15 軸、100 線材。

 以下、この発明の実施の形態について、 面を参照して説明する。なお、以下の実施 形態では同一または相当する部分について 同一の参照符号を付し、その説明について 繰返さない。

 図1は、この発明の実施の形態に従ったダ イヤモンドダイスの平面図である。図2は、 1中のII-II線に沿った断面図である。図1およ 図2を参照して、ダイヤモンドダイス4は、 心に位置するダイヤモンド1と、ダイヤモン 1の周りに設けられたダイヤモンド1を保持 る焼結合金2と、焼結合金2を保持するケース 3とを有する。

 ダイヤモンド1は焼結合金2に嵌め合わさ ている。ダイヤモンド1は、単結晶ダイヤモ ドまたは多結晶ダイヤモンドのいずれであ てもよい。また、ダイヤモンド1は天然ダイ ヤモンドまたは人造ダイヤモンドのいずれで あってもよい。

 図3は、図2中のダイヤモンドを拡大して す断面図である。図3を参照して、ダイヤモ ド1は入口11および出口12を有し、入口11側か ら線材が挿入され、線材は出口12側から排出 れる。ダイヤモンド1は、入口11側からベル 域1a、アプローチ領域1b、リダクション領域 1c、ベアリング領域1d、バックリリーフ領域1e およびエグジット領域1fを有する。

 また、合成ダイヤモンドの合成方法とし 、高温高圧でダイヤモンドを合成する方法 採用することもできる。さらに、ダイヤモ ドを合成する方法として気相成長によりダ ヤモンドを合成する方法も採用することが きる。

 入口11から出口12まで連なる孔14がダイヤ ンド1に設けられており、孔14は側壁13によ 規定される。側壁13の傾斜は中心軸としての 軸15に対して徐々に変化している。なお、図3 で示す断面では、孔14は軸15に対して対称な 状に構成されている。ベアリング領域1dに近 づくにつれて孔の直径は小さくなる。さらに 、孔14を規定する側壁13の傾きはベアリング 域1dに近づくにつれて小さくなり、ベアリン グ領域1dに近づくにつれて側壁13と軸15とのな す角が小さくなる。ベアリング領域1dとリダ ション領域1cとの境界部17を構成する曲面は 、滑らかな球面であり、その半径Rは50μm以上 とされる。

 図3および図4を参照して、ダイヤモンド イス4は、入口11から挿入された線材100と接 するベアリング領域1dと、ベアリング領域1d 連なり、入口11側に配置されるリダクショ 領域1cと、ベアリング領域1dおよびリダクシ ン領域1cを貫通するように軸15に沿って入口 11から出口12まで延びる孔14を規定する側壁13 を備える。入口11から孔14に挿入された線材 100がベアリング領域1dを経由して出口12から 抜かれる。ベアリング領域1dでの孔14の内径 Dとし、軸15を含む軸15と平行な面でダイヤ ンドダイス4を切断したときに現われる断面( 図2から4の断面)において、ベアリング領域1d リダクション領域1cとの境界部17より孔14の 15方向に1.0Dの長さだけ入口11側にある側壁13 の第一点131と、ベアリング領域1dとリダクシ ン領域1cとの境界部17より孔14の軸15方向に3. 0Dの長さだけ入口11側にある側壁13の第二点132 とを結ぶ直線135が、孔14の軸15方向に対して15 度以上30度以下の角度θ1をなし、ベアリング 域1dとリダクション領域1cとの境界部17は曲 とされている。境界部17から第二点132まで 間が滑らかに湾曲する面である。

 境界部17と第一点131とを結ぶ直線134と軸15 とのなす角度θ2は4度以上7度以下である。こ 発明に従った線材の製造方法は、線材100を 備する工程と、線材100を上記のダイヤモン ダイス4に入口11から挿入して出口12で引抜 ことでベアリング領域1dで伸線加工を行なう 工程を備える。

 本発明および従来のダイヤモンドダイス ついて、図1から4(本発明)および図5(従来例) で示す孔形状を有するダイヤモンドダイスを 作製した。線径φは15μm、30μm、50μmの3種類の ものを作製した。また、ダイヤモンド1の厚 (軸方向長さ)は1.0mmのものを使用した。

 これらのダイヤモンドダイスを用いて、 ングステン線、ステンレス線、銅線の3種類 の線材についてそれぞれ伸線加工を行なった 。本発明および比較例のダイヤモンドダイス の仕様と試験結果を、線材、線径、ダイヤモ ンドの結晶方位の違いごとに表1から表12に示 す。

 結晶方位は、孔の軸15に対して垂直な方 の面、すなわちダイヤモンドの上面と下面 結晶方位を示す。仕様については、上記の 径、線材および結晶方位の違い以外に、100 ら300%Dの角度の違い、滑らかな面の位置の違 いも含めて仕様を決めた。

 なお、100%-300%Dの角度θ1が35度以上のもの 孔14の入口11の径が大きくなりすぎて、上面 の平坦な部分がほとんどなくなってしまうた め作製できなかった。角度が35度のものを作 するには、ダイヤモンドの直径を大きくす ことで可能とはなるが材料を大きくする必 があり無駄が生じるため製造不可とした。

 リダクション角度θ2(0%-100%Dの角度)につい ては、減面率を極力同じにするために、線径 φ=15μmのものはすべて4度とし、線径φ=30μmの のは6度とし、線径φ=50μmのものは7度とした 。

 伸線加工を行なうに当たり、上記各仕様 ダイヤモンドダイスを伸線加工装置へ取付 て線材がカールしなくなるまでダイヤモン ダイスの伸線加工装置への取付角度などの 整を行なった上で、伸線加工を行なった。 ングステン線は潤滑材として固体カーボン 使用した熱間伸線加工を行なった。ステン ス線と銅線に対しては、潤滑材として水溶 油剤を用いた冷間伸線加工を行なった。熱 伸線加工とは、材料の焼きなまし温度を超 てワイヤを伸線加工することをいい、タン ステンの場合は温度750度以上の加工をいう 冷間伸線加工とは、常温程度で伸線加工を なうことをいう。

 寿命については、ベアリング領域が摩耗 て線材の直径が所定の公差から外れた時点 伸線距離を寿命と判断した。各線径および 材で100%-300%Dの角度が22.5度、滑らかな面の 置がベアリング上端から300%Dまでのものを寿 命指数が100として、これを基準に他の仕様の ダイスの寿命指数を算出した。その結果を表 1から表12に示す。

 表1から12において「滑らかな面の位置」 は、100%D付近に形成された滑らかな面から の入口側の方へ面を見ていったときに、急 に面の半径Rの大きさが変わるか、直線があ われる位置をいう。すなわち、「滑らかな の位置」からベアリング領域側では、側壁1 3が滑らかな曲面で構成される。

 伸線加工の結果概要については以下に説明 る。
 (1) 100%-300%Dの角度の違いについて、タング テン線では本発明1から3と従来例1とを比較 ると、本発明のものはいずれも寿命が安定 て長いのに対し、角度の小さいものは寿命 短くなり断線することも増える。この傾向 、線径が大きくなっても同じ傾向である。 体的には、本発明6から8と従来例7、本発明9 から11と従来例8を比較すればわかる。結晶方 位が異なっても同じ傾向である。この点は本 発明12から14と従来例9を比較すればわかる。 お、線径が小さいほど寿命が短くなる傾向 顕著に見られる。

 以上の傾向は、ステンレス線や銅線でも同 ように見られる。
 (2) 滑らかな面の位置の違いについて、タ グステン線では本発明1、4、5と従来例4とを 較すると、本発明のものはいずれも寿命が 定して長いのに対し、従来のものでは寿命 短くなり断線しやすくなる傾向にある。こ は潤滑材の流れが悪くなるためであると思 れる。従来品では、100%-300%Dの角度を変えて もこの傾向は変わらない。これは従来例4か 6で見られる。100%-300%Dの角度θ1が重要と思わ れる。

 以上の傾向は、ステンレス線や銅線でも られるが、固体潤滑材を使用するタングス ン線で顕著に見られ、水溶性油剤を使用す ステンレス線や銅線では潤滑材が流れやす ため顕著な差は見られにくい。

 以上の結果より、本発明のダイヤモンド イスは、潤滑材の流れが向上し、潤滑性を 上させるとともに断線を防止でき、線材の 質を向上させることができる。特に、タン ステン線のような硬質線材の熱間伸線加工 固体潤滑材を使用する場合にも、十分な潤 効果が得られ、顕著な効果が得られる。