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Title:
DIAMOND ELECTRODE, TREATMENT DEVICE, AND METHOD FOR PRODUCING DIAMOND ELECTRODE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054295
Kind Code:
A1
Abstract:
In a waste water treatment or functional water production using electrolysis, energy efficiency is improved furthermore without contaminating the solution nor discharging a toxic substance. Furthermore, a diamond electrode excellent in durability and durable against long term use without damage, a treatment device employing the electrode and a method for producing such an electrode are provided. A diamond electrode (1a) has a conductive diamond film (3) covering one side of a substrate (2) and assuming the thickness of the substrate (2) is T (μm) and the thickness of the conductive diamond film (3) is t1 (μm), their ratio satisfies the following relation: 0.0010 ≤ t1/T ≤ 0.022 and 10 ≤ t1 ≤ 70.

Inventors:
YOSHIDA SHIGERU (JP)
TAKAHASHI TOSHIYA (JP)
SEKI YUICHIRO (JP)
YOSHIDA KATSUHITO (JP)
HIGUCHI FUMINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068656
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELEC HARDMETAL CORP (JP)
YOSHIDA SHIGERU (JP)
TAKAHASHI TOSHIYA (JP)
SEKI YUICHIRO (JP)
YOSHIDA KATSUHITO (JP)
HIGUCHI FUMINORI (JP)
International Classes:
C02F1/461; C01B31/06; C25B11/12
Foreign References:
JP2004344806A2004-12-09
JP2004195346A2004-07-15
JP2003511555A2003-03-25
JP2003145162A2003-05-20
Other References:
See also references of EP 2206685A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 シリコン基板(2)と、
 前記シリコン基板(2)の一方の主面に形成された導電性ダイヤモンド膜(3)とを備え、
 前記シリコン基板(2)の厚みをT(μm)、前記導電性ダイヤモンド膜(3)の厚みをt 1 (μm)とした場合に、
0.0010≦ t 1 /T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t 1 ≦70
という関係式を満足する、ダイヤモンド電極(1a、1b)。
 前記シリコン基板(2)の前記一方の主面と反対側に位置する他の主面に形成された他の導電性ダイヤモンド膜(3)をさらに備え、
 前記他の導電性ダイヤモンド膜(3)の厚みをt 2 (μm)とした場合に、
0.0010≦ t 2 /T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t 2 ≦70
という関係式を満足する、請求の範囲1に記載のダイヤモンド電極(1b)。
 請求の範囲1に記載のダイヤモンド電極(1a、1b)と、
 前記ダイヤモンド電極(3)を内部に配置する処理槽と、
 前記ダイヤモンド電極(3)に電圧を印加する電源部とを備える処理装置(5)。
 請求の範囲1に記載のダイヤモンド電極(1a、1b)の製造方法であって、
 シリコン基板(2)を準備する工程と、
 前記シリコン基板(2)の一方の主面に導電性ダイヤモンド膜(3)を形成する工程とを備え、
 前記導電性ダイヤモンド膜(3)を形成する工程では、前記シリコン基板(2)の厚みをT(μm)、導電性ダイヤモンド膜(1a、1b)の厚みをt 1 (μm)とした場合に、
0.0010≦ t 1 /T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t 1 ≦70
という関係式を満足するように導電性ダイヤモンド膜(3)を形成する、ダイヤモンド電極(1a、1b)の製造方法。
 前記シリコン基板(2)の前記一方の主面と反対側に位置する他の主面に、他の導電性ダイヤモンド膜(3)を形成する工程をさらに備え、
 前記他の導電性ダイヤモンド膜(3)を形成する工程では、前記シリコン基板(2)の厚みをT(μm)、前記他の導電性ダイヤモンド膜(3)の厚みをt 2 (μm)とした場合に、
0.0010≦ t 2 /T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t 2 ≦70
という関係式を満足するように前記他の導電性ダイヤモンド膜(3)を形成する、請求の範囲2に記載のダイヤモンド電極(1b)の製造方法。
Description:
ダイヤモンド電極、処理装置、 よびダイヤモンド電極の製造方法

 この発明は、ダイヤモンド電極、処理装 、およびダイヤモンド電極の製造方法に関 、より特定的には過酷な条件下で使用して 長寿命を実現できるダイヤモンド電極およ 上記電極を用いた処理装置、さらに上記電 の製造方法に関する。

 近年急速な鉱工業の発展に伴って、様々 環境汚染物質を含む工業廃水が大量に排出 れるようになり、特に有害化学物質、有機 合物、重金属、難分解性物質やその他の被 化性種を含む工場廃水による汚染が深刻化 ている。

 廃水など所定溶液中の望ましくない有機 合物および他の被酸化性種の量を、処理施 への排出が許容されるレベルまで低減する めの都合のよい技法として、廃水中溶質を 気分解により酸化する方法が考えられる。 の廃液の電解酸化が、化学的処理または熱 理より有利な点は、より効率的にCODの分解 どの処理ができること、操作が容易である と、デザインの簡潔性および比較的小さい 置スペースを必要とすること、および操作 るのが比較的安全であることである。

 しかしながら、多くの既知の、廃水中溶質 電気分解酸化法には、以下の各問題が発生 ることが危惧される。
1.電気分解に用いられる陽極を構成する特定 料は、大部分が、電気分解酸化において、 しい化学的環境において使用する間に徐々 腐蝕され、有毒性材料が環境へ排出される とになる。
2.電極として用いられる白金などの非回収性 属資源が消費されるため、イオン交換など 金属回収方式が、溶液から白金を除去する に必要となるが、これはさらに方式が複雑 なって全コストがより高くなるので、電気 解酸化処理法の有用性が著しく限定される とが予想される。
3.たとえば電極として用いられる白金は、陽 の作用面上への吸着残渣層の形成により、 種の溶質の電気分解酸化の際、汚染される 向がある。
4.大抵の電気分解酸化法は、エネルギー効率 悪い。
以上の結果陽極の効率が低下し、その有効寿 命が短縮し、その結果、処理時間が長引き、 手待ち時間が増加、電気分解法の全体費用が 高くなる。

 そこで、用いられる陽極それ自身が、溶液 汚染や、有毒物質の放出をせず、さらにエ ルギー効率を良好にする効果的な廃液処理 法として、近年、ホウ素等の不純物を添加 ることによって導電性を持たせたダイヤモ ドを各種溶液の電気化学的な処理を行なう めの電極として利用する試みが行なわれて る。このような用途に使用される電極では 大面積の材料が必要とされることから、従 の技術では、ダイヤモンドはメタン等の炭 含有ガスを主原料とする化学気相合成(CVD) によって製造されている。CVD法とは、IC等の 製造工程で、基板上にシリコンなどの薄膜を 作る工業的手法である。CVDの原理は、原料物 質を含むガスに、熱や光によってエネルギー を与えたり、高周波でプラズマ化したりする ことにより、原料物質がラジカル化して反応 性に富むようになり、基板上に吸着されて堆 積する。CVD法では、ダイヤモンドを合成する 際に、通常は基板材料の上にダイヤモンドを 膜状に堆積させる。基板材料としては、たと えばシリコンのほか、ニオブ、チタン、ジル コニウムといった金属が使用され、得られる ダイヤモンド膜は一般的に多結晶体である。 このような導電性ダイヤモンドを水溶液中物 質の電気分解用電極として溶液中の物質を処 理する方法は、たとえば特開平7-299467号公報( 特許文献1)に示されている。

特開平7-299467号公報

 上述したとおり、ダイヤモンド膜は汚水 どの廃液中の物質を電気分解するための電 として、コンパクトな電解処理装置にて高 エネルギー効率での溶液処理を可能にする ど、非常に優れた特性をもつことがわかっ いるが、一方で産業上その利用が広がって ないのが現状である。その理由は、ダイヤ ンド膜の成膜時に基板とダイヤモンド膜と 熱膨張係数の相違により生じる熱応力や、 気分解により発生したイオンが基板に与え ダメージを原因として、使用中に短時間で イヤモンド膜が剥離することによる短寿命 ある。このため、CVDにより形成したダイヤ ンド電極を産業用有益なものとするために 、最低でも1500時間以上の長時間使用に耐え うる電極素材が求められている。

 そこで、本発明の目的は、電気分解を用 た汚水処理や機能水生成において、溶液の 染や、有毒物質の放出をせず、さらにエネ ギー効率を良好にするとともに、耐久性に れ、長期間損傷なく使用に耐えうるダイヤ ンド電極および上述の電極を用いた処理装 、さらに上述の電極の製造方法を提供する とにある。

 本発明においては、汚水処理や機能水生 に用いる電解処理装置の電極に関し、過酷 条件下で使用しても長寿命を実現できるダ ヤモンド電極および上述の電極を用いた処 装置、さらに上述の電極の製造方法を見出 ている。

 すなわち、本発明の電解処理装置の電極 は、シリコン基板と、シリコン基板の一方 主面、もしくは一方の主面とその反対側に 置する他の主面との両面に形成された導電 ダイヤモンド膜とを備える。また、その電 は、硫酸ナトリウム水溶液もしくは、電気 解により有利に処理される写真処理溶液等 中に浸して配置される。さらに、この電極 電圧を印加する電源部を備え、写真処理溶 等の廃液を電気分解処理できる処理装置を 成する。

 シリコン基板の一方の主面のみに導電性ダ ヤモンド膜が形成されている場合、シリコ 基板の厚みをT(μm)、導電性ダイヤモンド膜 厚みをt 1 (μm)とすると、
0.0010≦ t 1 /T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t 1 ≦70
であることを特徴とする。
なお、更に好ましくは、上記の比率は
0.0020≦ t 1 /T ≦0.018
であり、かつ、
10≦t 1 ≦70
である。

 シリコン基板の一方の主面と、その反対側 位置する他の主面との両面に導電性ダイヤ ンド膜が形成されている場合、シリコン基 の厚みをT(μm)、上述の他の主面に形成され いる導電性ダイヤモンド膜の厚みをt 2 (μm)とすると、
0.0010≦ t 2 /T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t 2 ≦70
であることを特徴とする。
なお、更に好ましくは、上記の比率は
0.0020≦ t 2 /T ≦0.018
であり、かつ、
10≦t 2 ≦70
である。

 本発明者らは、電極が使用中に短時間で 離する主な原因は、成膜時に生じるダイヤ ンド膜と基板の熱膨張差を起因とする応力 あることを見出した。熱膨張率は物質固有 値であるため、それから起因する応力を完 に取り除くことは難しいが低減させること 可能である。本発明者らは、ダイヤモンド 膜厚と基板の厚みの比率、およびダイヤモ ドの膜厚の絶対値が上述の数式にあてはま ように成膜させることにより、内部応力を 減でき、ダイヤモンド膜を長寿命化させ、 極の品質を向上させることが可能であるこ を見出した。また、膜厚を厚くすることで オンの到達を防ぐことができる。ただし、 厚を厚くしすぎると製造時間が長くなり、 済的に好ましくない。膜厚は10~70μmでも充 の長寿命を実現できる。

 本発明のシリコン基板にダイヤモンド膜 被覆させた電極は、耐久性が高く、過酷な 件下で使用しても、従来のダイヤモンド膜 比べて大幅な長寿命を実現することができ 。

本発明の実施の形態1におけるダイヤモ ンド電極の構成を概略的に示した模式図であ る。 本発明の実施の形態1における電極の製 造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2におけるダイヤモ ンド電極の構成を概略的に示した模式図であ る。 本発明の実施の形態2における電極の製 造方法を示すフローチャートである。 0.1mol/リットルの硫酸ナトリウム水溶液 を、陽極と陰極の両方にダイヤモンド電極を 用いた電解処理装置に供給した状態を概略的 に示した模式図である。

符号の説明

 1a,1b 電極、2 基板、3 ダイヤモンド膜、 4 0.1mol/l硫酸ナトリウム水溶液、5 電解処理 置。

 以下、図面に基づいて本発明の実施の形 を説明する。なお、以下の図面において同 または相当する部分には同一の参照符号を し、その説明は繰り返さない。

 (実施の形態1)
 図1は、本発明の実施の形態1におけるダイ モンド電極の構成を概略的に示した模式図 ある。図1に示すように、本実施の形態にお る電極1aは、基板2と、基板2の1面に被覆さ た、導電性のダイヤモンド膜3とを備えてい 。なお、基板2としては、たとえば単結晶シ リコンウエハーを用いることができる。また 、基板2として多結晶シリコンを用いてもよ 。

 図2は、本発明の実施の形態1における電 の製造方法を示すフローチャートである。 いて、本実施の形態における電極1aの製造方 法について、図2を用いて説明する。

 図2に示すように、まず、基板を種付け処 理する工程(S10)を実施する。具体的には、基 の表面に対して#5000のダイヤモンド粉末で 付け処理をする。その後、洗浄、乾燥工程(S 20)を実施する。乾燥が終わった後、導電性の ダイヤモンド膜を成膜する工程(S30)を実施す 。ダイヤモンド膜の成膜が可能でさえあれ 、成膜方法は特に限定されない。

 工程(S10)において、種付け処理とは、洗 前にシリコン基板の表面に細かい砥粒を衝 させて多数の傷を作り、その傷を核にしてCV D処理による成膜を促進するためのものであ 。

 次に、工程(S20)において、洗浄は、アル ールやアセトンなどの有機溶剤を用い、1~5 間の超音波洗浄を施すことにより行なう。 お、超音波洗浄の周波数は、洗浄槽の大き により異なる。

 次に、導電性のダイヤモンド膜を成膜す 工程(S30)を実施する。具体的には、洗浄を ませた基板2の1面または複数面の上に、熱フ ィラメントCVD法で導電性のダイヤモンド膜を 成膜する。合成条件としては、合成圧力:60Tor r、水素流量:3000sccm、メタン流量:90sccmといっ 条件を用いることができる。また、ホウ素 にはジボランガスを用いて、ジボランガス 流量は、メタンに対して0.3%の濃度となるよ うに設定する。基板の温度は900℃とする。な お、ダイヤモンドの膜厚は合成時間を変化さ せることによって制御する。上述した工程(S3 0)におけるダイヤモンド膜の成膜の方法とし は、必ずしも以上の方法に限定されず、他 一般公知の方法を採用することができる。

 なお、上記工程(S30)においてダイヤモン 膜を合成するためのCVD法では、熱フィラメ ト法、マイクロ波プラズマCVD法ECRジェット などの方法を用いることができる。特に、 質のダイヤモンド膜を電極に形成するため は、熱フィラメント法とマイクロ波プラズ CVD法を用いることが好ましい。熱フィラメ トCVD法が好ましい理由は、大面積の合成に 熱フィラメントCVD法が適しているためであ 。また、大面積の成膜には不向きだが、た えば不純物濃度の低い高品質ダイヤモンド を合成するためにはマイクロ波プラズマCVD を用いることが望ましい。そこで、本発明 おいても、熱フィラメントCVD法を成膜方法 して用いることが好ましい。

 CVD法で用いるガスは、水素ガスと炭素含 ガス、たとえば、上述したメタンやアセト などである。ダイヤモンド膜に導電性を付 するためのドーピング元素としては、ホウ がもっとも効果的であるが、リンを用いて よい場合もある。ホウ素原料は、上述した ボランガスや硼酸などのホウ素含有物質を いる。そこで、本発明の形態においても、 ボランガスを用いて硼素を供給し、ダイヤ ンド膜に導電性を付加する。

 発明者は、ダイヤモンド膜の成膜条件に いて検討するため、原料ガスであるメタン スの水素ガスに対する濃度を変更した条件 ダイヤモンド膜の形成実験を行なった。そ 結果を表1に示す。

 表1においては、メタンを用いて熱フィラ メントCVD法にてダイヤモンド膜の形成を行な い、各メタン濃度でシリコン基板上に40時間 イヤモンドを合成した場合の、合成された イヤモンド膜の「厚み」と「酸素発生電位 を示す。

 表1の結果より、メタン濃度が0.2%以下だ 極端にダイヤモンド膜の合成速度が遅く、10 μm以上の膜厚にするには、成膜に時間がかか り過ぎてしまい実用的ではない。また、メタ ン濃度が3%を超えるとダイヤモンドの品質が 化するために酸素発生電位が低い、つまり 解用電極としての性能が不十分であること 伺える。

 したがって、たとえば、炭素含有ガスと てメタンを用いた場合、水素ガスに対する 素含有ガス(メタンガス)の割合は、1%~3%の範 囲であることが好ましい。

 (実施の形態2)
 図3は、本発明の実施の形態2におけるダイ モンド電極の構成を概略的に示した模式図 ある。図3に示すように、本実施の形態にお る電極1bは、基板2の主面およびその裏面の2 面に被覆させた、導電性のダイヤモンド膜3 を備えている点においてのみ、実施の形態1 異なる。

 基板2の主面およびその裏面の両面にダイ ヤモンド膜3を備えるのは、電極が2組以上の イブリッド構造の電解装置を形成する場合 ある。電極1bを構成する部材の膜厚や膜質 どの条件は、実施の形態1と同じである。ま 、基板2の裏面に形成されたダイヤモンド膜 3の膜厚や膜質は、基板2の表面に形成された イヤモンド膜3の膜厚および膜質と同様であ る。

 図4は、本発明の実施の形態2における電 の製造方法を示すフローチャートである。 板を種付け処理する工程(S10)から基板の主面 にダイヤモンド膜を成膜する工程(S30)までは 図2に示す実施の形態1における電極の製造 法と同じであるが、その後、基板の裏面に 同様にダイヤモンド膜を成膜する工程(S40)が 加わる点においてのみ、実施の形態1と異な ている。

 以下は実施例により本発明を更に具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。

 本実施例では、基板として使用する、面 位が(100)で直径6インチの単結晶シリコンウ ハーの厚みを表2のとおり種々変えて準備す る。上述した製造方法の具体例と同様に、各 々の単結晶シリコンの表面を#5000のダイヤモ ド粉末で種付け処理した後、洗浄、乾燥を す。このようにして準備した基板の一方の 面に熱フィラメントCVD法にて導電性のダイ モンド膜を成膜する。ダイヤモンドの膜厚 、合成時間を変化させることによって制御 る。

 (比較例)
 比較例として、上記と同一条件でダイヤモ ド膜の厚みが10μmに満たないもの(比較例1) ダイヤモンド膜の厚みが70μmを越えるもの( 較例2)、ダイヤモンド膜と基板の厚み比率が 特許請求の範囲外のもの(比較例3~6)を作成し 較評価する。

 (測定方法)
 以上の方法で作成したダイヤモンド電極を いて電解処理実験を行ない、それぞれの電 の耐久性確認実験を行なう。電解処理は、 5のように、循環させた0.1mol/リットルの硫 ナトリウム水溶液4を、陽極と陰極の両方に イヤモンド電極を用いた電解処理装置5に供 給した状態で行なう。電極間隔は10mmで電流 度は0.3A/cm 2 となるように保持する。耐久性は、100時間ご とに電解実験を停止して、ダイヤモンド膜の 状態の観察を行ない、異常がなければ、更に 100時間という具合に試験時間を延長する。そ のような試験を行なうことにより、ダイヤモ ンド膜が剥離するまでに実験を継続すること が可能な時間を記録した。その結果を表2に す。

 (測定結果)
 表2に示すように、電極として用いている基 板厚みとダイヤモンドの膜厚に関して、上述 した特許請求の範囲に示す数式を満たす条件 で作成した電極については、ダイヤモンド膜 が1500時間~5000時間余りの時間耐久しており、 膜の寿命が長いのに対し、比較例1~6に示す、 上述した特許請求の範囲外の条件でダイヤモ ンド膜を作成した電極については、わずか500 ~700時間の試験で剥離に至り、膜の寿命が短 なっていることがわかる。

 以上より、本実施例によれば、シリコン基 の厚みをT(μm)、シリコン基板の一方の主面 形成する導電性ダイヤモンド膜の厚さをt(μ m)とすると、それらの比率が
0.0010≦ t/T ≦0.022
であり、かつ、
10≦t≦70
であるように形成した電極については、長時 間ダイヤモンド膜が剥離することなく、動作 させることができ、実用に供することが期待 できることが確認できた。
更に実施例の結果を細かく観察すると、上述 の数式に示す比率の中でも、好ましくは、
0.0015≦ t/T ≦0.020
のとき、更に好ましくは、
0.0020≦ t/T ≦0.018
のときにダイヤモンド電極は更に長時間、剥 離を生じることなく使用に耐えうることを見 出した。

 逆に、上記の数式条件外の条件で形成し 電極については、短時間でダイヤモンド膜 剥離に至り、安定した品質を保証できない いえる。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した実施の形態ではなくて請求の範 によって示され、請求の範囲と均等の意味 よび範囲内でのすべての変更が含まれるこ が意図される。

 本発明のダイヤモンド電極は、電気分解 用いた汚水処理や機能水生成に使用する電 に関連する技術として特に適している。