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Patent Searching and Data


Title:
DRAWING PLUG OF PIPE MATERIAL AND DRAWING METHOD EMPLOYING THE PLUG
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/098808
Kind Code:
A1
Abstract:
A drawing plug which is inserted into the inner surface of a pipe material when a thick unprocessed pipe is cold-drwan and has an outer surface having a straight portion, a first tapered portion and a second tapered portion formed sequentially from the tip of the plug, wherein the straight portion has a cylindrical outer surface, the first tapered portion is provided with a taper angle θ1 so that the diameter thereof increases from the straight portion toward the second tapered portion, and the second tapered portion is provided with a taper angle θ2 so that the diameter thereof increases from the second tapered portion toward the rear end. Damage to the plug and occurrence of chattering defect can be prevented by using a plug providing the taper angles θ1 and θ2 that satisfy the relation θ1>θ2>0.

Inventors:
UCHIDA KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070400
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
November 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
UCHIDA KAZUHIRO (JP)
International Classes:
B21C3/16
Foreign References:
JPH11300411A1999-11-02
JPS6292009U1987-06-12
JPS6172311U1986-05-16
JPS6027414A1985-02-12
Attorney, Agent or Firm:
MORI, Michio (17-23Higashinaniwa-cho 5-chom, Amagasaki-shi Hyogo 92, JP)
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Claims:
 管材の内面に挿入する引抜加工用プラグであって、プラグの先端から順にストレート部、第1テーパ部および第2テーパ部で連続的に形成された外面を有し、
 前記ストレート部の外面は円柱面状であり、前記第1テーパ部にはその径がストレート部から第2テーパ部に向かって大きくなるようにテーパ角θ1が付与され、前記第2テーパ部にはその径が前記第2テーパ部から後端に向かって大きくなるようにテーパ角θ2が形成され、
 テーパ角θ1とθ2が下記(1)式の関係を満足することを特徴とする管材の引抜加工用プラグ。
  θ1>θ2>0(ゼロ)    ・・・   (1)
 前記第1テーパ部のテーパ角θ1が10~18degであり、第1テーパ部の軸方向長さL1および第2テーパ部の軸方向長さL2とした場合に、それぞれの関係が下記(2)式および(3)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の管材の引抜加工用プラグ。
  L1≧5mm        ・・・    (2)
  L1+L2≦20mm    ・・・    (3)
 前記管材の引抜加工前の外径Dに対する肉厚Tの比(T/D)が20%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の管材の引抜加工用プラグ。
 所定のベアリング部内径を有するダイスと、請求項1~3のいずれかに記載の引抜加工用プラグとを用いて、管材を縮径および減肉加工することを特徴とする管材の引抜加工方法。
Description:
管材の引抜加工用プラグおよび れを用いた引抜加工方法

 本発明は、冷間加工による管材の引抜加 用プラグおよびそれを用いた引抜加工方法 関し、さらに詳しくは、厚肉の素管を冷間 抜加工する場合であっても、プラグ破損や ビリ欠陥を発生することがない引抜性能に れる引抜加工用プラグおよびそれを用いた 材の引抜加工方法に関するものである。

 管材の引抜加工は、潤滑処理が行われた 管を治具としてのプラグおよびダイスを介 て引抜くことにより縮径および減肉加工し 寸法精度や表面平滑に優れる管材を得る加 方法である。加工された管材は表面精度が いことから、主に自動車用の管部品として 用されており、最近における自動車用部品 対する更なる高品質、高精度の要求の高ま とともに、一層の需要が予測されている。

 図1は、使用するプラグが異なる2種類の 抜加工を説明する図である。図1(a)は外径が 定の円柱面状の円筒プラグ1を用いる引抜加 工を示し、円筒プラグ1の後端は支持マンド ル5に連結され、ダイス4に対して同心状とな るように素管6の内面に挿入される。円筒プ グ1を用いる引抜加工は、比較的大径の管材 製造する場合に用いられる。図中の白抜き 印は引抜方向を示している。

 図1(b)はテーパプラグ2を用いる引抜加工 示し、同様に、テーパプラグ2の後端は支持 ンドレル5に連結され、ダイス4に対して同 状となるように素管6の内面に挿入される。 管6は、ダイス4の円錐面状のテーパ部とプ グ2の円錐面状のテーパ部とに沿って変形し つ、ダイス4のベアリング部とプラグ2の円 面状のストレート部との間に導かれダイス4 ベアリング部内径を外径とし、プラグ2のス トレート部外径を内径とする加工管7に加工 れる。同様に、図中の白抜き矢印は引抜方 を示している。

 テーパプラグ2のテーパ部にはテーパ角θ 形成される。このため、テーパプラグ2に作 用する力として、引抜方向への摩擦力の他に 、プラグ2のテーパ部に引抜方向と逆方向に 戻し力が付加され、摩擦力と押戻し力が相 される。このため、テーパプラグ2を用いる 抜加工では、引抜過程でテーパプラグ2がフ ローティング状態となり、支持マンドレル5 不要になることもある。また、支持マンド ル5を連結したとしても、支持マンドレル5に 作用する力は低減される。

 このようなことから、図1(b)に示すテーパ プラグ2は、セミ・フローティングプラグ(SF ラグ)と呼ばれ、上述した引抜特性を有して ることから、比較的小径の管材の引抜加工 用いられている。以下、必要に応じ、図1(b) に示すテーパプラグ2を「SFプラグ」という。

 図2は、管材の引抜加工に用いられるダイ ス形状を説明する図である。引抜加工用のダ イス4は、素管の加工外径を決定する出口側 ベアリング部4bと、素管をベアリング部4bに 内するための入口側に向かって内径が拡大 るアプローチ部4aとを有している。

 図2に示すダイス形状では、アプローチ部 4aは直線で形成されており、所定のダイス面 αを有している。通常、ダイス面角αは、前 記図1(b)に示すテーパプラグのテーパ角θより 大きく、20~25degとされる。

 ところで、自動車用の管部品に適用され 機械構造用鋼管の最近の需要動向は、多種 わたる外径サイズの要望に加え厚肉サイズ 需要が増加している。厚肉の素管を引抜加 する場合には、プラグ加工面と素管との接 面積が増加する。このため、円筒プラグを いる引抜加工ではプラグが引抜方向に引き まれ易くなり、ビビリ振動を起し、その振 に対応する痕跡であるビビリ欠陥を発生す ことがある。

 一方、SFプラグを用いる引抜加工では、 ラグのストレート部およびテーパ部と素管 の接触面積が増加するのにともない、プラ に作用する引抜方向または逆方向への押し し力が増加するため、プラグがフローティ グ状態から外れたり、適正位置からずれて 抜加工が行われることも予測される。この うに適正位置からずれて引抜加工が行われ と、加工管の寸法精度に影響を与えるだけ なく、プラグが破損するおそれがある。

 このため、管材の引抜加工に際し、素管 肉厚サイズに拘わらず、加工管にビビリ欠 や寸法精度を低下させることなく、同時に ラグを破損させない、引抜性能に優れる引 加工用プラグの開発が要請されている。

 従来から、引抜加工用プラグに関し、種 の提案がなされている。例えば、特開平09-2 25522号公報では、テーパ部(同文献でアプロー チ部と表記)とストレート部(同文献でベアリ グ部と表記)とがくびれ部(同文献でV字溝と 記)を介して連設されているフローティング プラグを提案している。そして、同文献に提 案されるプラグによれば、くびれ部により、 引抜方向への付勢力が得られるため、素管の 肉厚サイズに拘わらず、フローティングプラ グが適正な位置でバランスを保つことができ るとしている。

 また、特開2003-112218号公報では、テーパ とストレート部(同文献で仕上げ部と表記)と が凹部を介して連設されるフローティングプ ラグを提案し、ディーゼル機関の燃料噴射管 等に用いられる厚肉細径管の引抜加工に好適 であるとしている。

 前述の通り、冷間加工による加工製品の 留まりを向上させ、工具寿命の延長を図る めに、種々の引抜加工用プラグが提案され いるが、いずれも引抜加工用プラグの引抜 能を適切に改善するものではない。

 特開平09-225522号公報で提案のフローティ グプラグは、プラグに作用する引抜方向へ 力と、引抜方向と逆方向に作用する力との ランスを保つために、テーパ部とストレー 部との間にくびれ部を設けているが、厚肉 素管を引抜加工する場合に発生し易いビビ 欠陥やプラグ破損の防止について検討され いない。

 また、特開2003-112218号公報に記載のフロ ティングプラグは、内削時に生じたバイト 等を除去し、引抜加工後の管の内周面を高 滑度にするため、テーパ部とストレート部 の間に所定の位置関係で凹部を設けている 、厚肉の素管を引抜加工する場合に発生し いビビリ欠陥やプラグ破損の防止について 討されていない。

 本発明は、上述した引抜加工での問題点 鑑みてなされたものであり、厚肉の素管を 間引抜加工する場合であっても、プラグ破 やビビリ欠陥の発生、さらに寸法精度の低 を有効に防止し、引抜性能に優れる管材の 抜加工用プラグおよびそれを用いた引抜加 方法を提供することを目的としている。

 本発明者は、上記の課題を解決するため 種々の引抜加工用プラグを用いて、引抜加 における被加工管材の変形挙動を観察した

 図3は、厚肉の素管を円筒プラグを用いて 引抜加工する場合の変形挙動を説明する図で ある。前述の通り、厚肉の素管6を引抜加工 る場合には、円筒プラグ1と素管6内面との接 触面積が増加するため、円筒プラグ1が引抜 向に引き込まれ易くなり、プラグ面での引 込まれと回復を繰り返す自励振動を誘引し ビビリ欠陥を発生することになる。ビビリ 陥が発生すると、加工管7の内面に微小な痕 が軸長方向に発生する。

 図4は、厚肉の素管をSFプラグを用いて引 加工する場合の変形挙動の一例を説明する である。SFプラグ2は、そのストレート部2s ダイス4のベアリング部4bと同心状に位置す ように、素管6の内面に挿入される。

 引抜加工の進行にともない、素管6は、ダ イス4のアプローチ部4aとSFプラグ2のテーパ部 2tの形状に沿って変形しつつ、ダイス4のベア リング部4bとSFプラグ2のストレート部4bとの へ導かれ、縮径および減肉加工されて加工 7が得られる。

 通常、引抜加工の変形挙動の初期におい 、素管6は、ダイス4のアプローチ部4aに拘束 され、そのテーパ形状に沿って縮径変形しつ つ増肉変形をする。このとき、素管6が厚肉 あると、素管の増肉変形が顕著になり、ダ ス4のアプローチ部4aとSFプラグ2のテーパ部2t との間隔を超えて、素管6の内面がテーパ部2t の後端に当接するようになる。このような事 態になると、引抜加工の進行にともなって、 プラグが破損する。

 また、厚肉の素管をSFプラグを用いて引 加工する場合には、SFプラグ2の加工面と素 6との接触面積が増加することから、SFプラ 2に作用する力が増加し、SFプラグ2が引抜方 と逆方向へ外れ、フローティングしなかっ り、適正位置からずれる事態もある。この うな事態を防止するには、SFプラグ2のスト ート部2sおよびテーパ部2tの軸方向長さを適 切にする必要がある。

 本発明は、上述した知見に基づいて完成 れたものであり、下記(1)、(2)の引抜加工用 ラグ、および(3)の引抜加工方法を要旨とし いる。

 (1)プラグの先端から順にストレート部、第1 テーパ部および第2テーパ部で連続的に形成 れた外面を有し、前記ストレート部の外面 円柱面状であり、前記第1テーパ部にはその がストレート部から第2テーパ部に向かって 大きくなるようにテーパ角θ1が付与され、前 記第2テーパ部にはその径が前記第2テーパ部 ら後端に向かって大きくなるようにテーパ θ2が形成され、テーパ角θ1とθ2が下記(1)式 関係を満足することを特徴とする管材の引 加工用プラグである。
   θ1>θ2>0(ゼロ)    ・・・   (1)

 (2)上記(1)の管材の引抜加工用プラグは、さ に、前記第1テーパ部のテーパ角θ1が10~18deg あり、第1テーパ部の軸方向長さL1および第2 テーパ部の軸方向長さL2とした場合に、それ れの関係が下記(2)式および(3)式を満足する とを特徴とする。
   L1≧5mm        ・・・    (2)
   L1+L2≦20mm    ・・・    (3)

 (3)所定のベアリング部内径を有するダイ と、上記(1)または(2)のいずれかに記載の引 加工用プラグとを用いて、管材を縮径およ 減肉加工することを特徴とする管材の引抜 工方法である。

 本発明の引抜加工用プラグは、管材が厚 である場合に最適であるが、本発明におけ 厚肉とは、外径Dに対する肉厚Tの比(T/D)が20% 以上であることをいう。

 本発明の管材の引抜加工用プラグによれ 、厚肉の素管を用いて冷間引抜加工する場 であっても、プラグ破損やビビリ欠陥の発 、さらに寸法精度の低下を有効に防止し、 具寿命の延長を図ることができる。このプ グを用いた引抜加工方法では、引抜性能に れ、プラグに起因する製品不良を減少し、 工管の製品歩留まりを向上させることがで る。

 図1は、使用するプラグが異なる2種類の引 加工を説明する図であり、(a)は外径が一定 円柱面状で構成される円筒プラグ1を用いる 抜加工を、(b)はテーパプラグ2を用いる引抜 加工を示している。
 図2は、管材の引抜加工に用いられるダイス 形状を説明する図である。
 図3は、厚肉の素管を円筒プラグを用いて引 抜加工する場合の変形挙動を説明する図であ る。
 図4は、厚肉の素管をSFプラグを用いて引抜 工する場合の変形挙動の一例を説明する図 ある。
 図5は、本発明の引抜加工用プラグの形状お よびこれを用いて引抜加工する場合の変形挙 動を説明する図である。

 本発明の管材の引抜加工用プラグは、プ グの先端から順にストレート部、第1テーパ 部および第2テーパ部で連続的に形成された 面を有し、前記ストレート部の外面は円柱 状であり、前記第1テーパ部にはその径がス レート部から第2テーパ部に向かって大きく なるようにテーパ角θ1が付与され、前記第2 ーパ部にはその径が前記第2テーパ部から後 に向かって大きくなるようにテーパ角θ2が 成され、テーパ角θ1とθ2がθ1>θ2>0(ゼロ )の関係を満足することを特徴とする。

 図5は、本発明の引抜加工用プラグの形状 およびこれを用いて引抜加工する場合の変形 挙動を説明する図である。前記図4に示すよ に、厚肉の素管をSFプラグを用いて引抜加工 する場合には、引抜加工の初期において、素 管がダイスのアプローチ部で縮径変形し増肉 変形をするため、増肉した素管の内面がプラ グのテーパ部後端と当接するようになる。

 このような素管の内面とプラグのテーパ 後端との当接を防止するため、本発明の引 加工用プラグ3は、円柱面状のストレート部 3sから引抜方向と逆方向へ向けてテーパ角θ1 有する円錐面状の第1テーパ部3t1と、さらに テーパ角θ2を有する円錐面状の第2テーパ部3t 2とを連設する。

 そして、本発明の引抜加工用プラグ3は、 第1テーパ部3t1および第2テーパ部3t2のテーパ の関係をθ1>θ2>0(ゼロ)としているため 素管6の内面がプラグのテーパ部3tを外れて 接することを防止できるとともに、当接し 素管内面をテーパ部3tの形状に沿って逃がす ことができる。

 以下の説明において、必要に応じて、本 明の引抜加工用プラグを、単に「2段テーパ プラグ」ということがある。

 具体的には、図5に示す変形挙動から分か るように、引抜加工の初期において、素管6 ダイス4のアプローチ部4aで縮径され増肉変 したとしても、増肉した素管6の内面が2段テ ーパプラグ3の第1テーパ部3t1または第2テーパ 部3t2のいずれかと当接するようになる。その 後の引抜加工においても、素管6は、ダイス4 アプローチ部4aと2段テーパプラグ3のテーパ 部3tの形状に沿って変形し、ダイス4のダイス ベアリング部4bと2段テーパプラグ3のストレ ト部3sとの間へ導かれ、縮径および減肉加工 される。

 本発明の引抜加工用プラグは、ストレー 部3sからテーパ角θ1を有する第1テーパ部3t1 、テーパ角θ2を有する第2テーパ部3t2とを連 設し、素管6が増肉変形した場合でも、素管6 内面が第1テーパ部3t1または第2テーパ部3t2 いずれかに当接するようにしている。

 そして、第1テーパ部3t1および第2テーパ 3t2のテーパ角の関係をθ1>θ2>0(ゼロ)とす ることにより、素管の内面が第1テーパ部3t1 たは第2テーパ部3t2に当接した場合に、当接 を2段テーパプラグ3のテーパ部3tの形状に沿 って逃がし、素管6の変形を継続することが きる。

 本発明の引抜加工用プラグは、第1テーパ 部のテーパ角θ1を10~18degにするのが、引抜加 の過程でフローティング状態を確保するた に望ましい。第1テーパ部は、本質的にプラ グに作用する引抜方向と逆方向への押し戻し 力を受けることから、テーパ角θ1が10deg未満 はフローティングに必要な引抜方向と逆方 に作用する押戻し力が十分得られないため プラグが引き込まれ易くなりフローティン を維持できない。一方、テーパ角θ1が18deg 超えるようになると、素管の内面がテーパ の後端に当接し、プラグの破損を招くこと なる。

 本発明の引抜加工用プラグは、第1テーパ 部の軸方向長さL1を5mm以上にするのが望まし 。引抜加工の過程でフローティング状態を 保するためであり、軸方向長さL1が5mm未満 あると、フローティングに必要な引抜方向 逆方向に作用する押戻し力が十分得られな ため、プラグが引き込まれ易くなる。

 本発明の引抜加工用プラグは、第1テーパ 部の軸方向長さL1および第2テーパ部の軸方向 長さL2の全長さを20mm以下にするのが望ましい 。プラグ破損を防止するためであり、プラグ のテーパ部の軸方向長さL1、L2の全長さが20mm 超えると、引抜加工の過程でプラグが破損 易くなる。

 本発明の引抜加工方法は、所定のベアリン 部内径を有するダイスと、上述した引抜加 用プラグとを用いて、被加工管材に縮径お び減肉加工を施す方法である。厚肉サイズ 被加工管材を用いて引抜加工する場合であ ても、プラグ破損やビビリ欠陥の発生を有 に防止でき、工具寿命の延長を図ることが きるとともに、プラグに起因する製品不良 減少し、製品歩留まりを向上させることが きる。
 以下、本発明の効果を実施例に基づいて、 体的に説明する。

 供試素管として、鋼種が機械構造用炭素 管であるJIS G4051で規定するS45C(0.44C-0.75Mn-0.1 5Cr-0.1Ti鋼材)からなる管材を準備し、各種の ラグを用いて引抜加工を行い、このときの 工状況を評価した。引抜加工は、準備した 管寸法に応じて、表1にSch.1~5で示す5種の冷 加工スケジュールとした。

 表1に示す断面減少率Rd(%)は、下記(4)式によ 算出される。
  Rd={(D 0 -D 1 )/D 0 }×100(%)  ・・・  (4)
  ただし、D 0 :加工前断面積(mm 2 ) D 1 :加工後断面積(mm 2 )

 引抜加工に使用したプラグは、前記図3に 示す円筒プラグ、前記図4に示すSFプラグ、お よび前記図5に示す2段テーパプラグとした。 時に使用したダイスは、そのアプローチ部 テーパ面角αを20degとした。使用したプラグ の寸法および引抜加工時の評価結果を表2に す。

 表2中における評価結果として、×印は引 加工ができなかった場合を示し、○印は引 加工ができた場合を示し、さらに◎印は引 加工が安定してできた場合を示している。

 円筒プラグを使用した引抜加工では、い れも不安定な引抜加工であったが、特に、 験No.2、3のように厚肉素管になるとビビリ 陥の発生が顕著となり安定して加工を行う とができなかった。

 SFプラグを使用した引抜加工では、試験No .4のように通常のT/Dの素管を用いる場合は引 加工を行うことができたが、試験No.5、6の うに厚肉素管になるとプラグ破損が発生し 抜加工を行うことができなかった。

 本発明の2段テーパプラグを使用した引抜 加工では、試験No.7~13のいずれも安定した引 加工を行うことができた。特に、L1およびL2 望ましい範囲に該当する試験No.9、12、13の 合には、優れた加工特性を発揮することが きた。

 本発明の管材の引抜加工用プラグによれ 、厚肉の素管を用いて冷間引抜加工する場 であっても、プラグ破損やビビリ欠陥の発 、さらに寸法精度の低下を有効に防止し、 具寿命の延長を図ることができる。このプ グを用いた引抜加工方法では、引抜性能に れ、プラグに起因する製品不良を減少し、 工管の製品歩留まりを向上させることがで ることから、機械構造用炭素鋼管の製造方 として広く適用できる。