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Title:
ELECTROCHEMICAL DEVICE AND ITS ELECTRODE PRODUCING PROCESS AND APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114481
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing an electrode for electrochemical device, comprising the step A of providing an active material layer on a collector and the step B of doping the active material layer with lithium. The steps A and B are carried out in continuous space.

Inventors:
TAKEZAWA HIDEHARU
SATO TOSHITADA
HONDA KAZUYOSHI
Application Number:
PCT/JP2007/075093
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
December 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
TAKEZAWA HIDEHARU
SATO TOSHITADA
HONDA KAZUYOSHI
International Classes:
H01G11/06; H01G11/22; H01G11/50; H01G11/86; H01G13/00; H01M4/139
Foreign References:
JP2001011611A2001-01-16
JP2003277920A2003-10-02
JP2005038720A2005-02-10
JP2002100346A2002-04-05
JPH10233209A1998-09-02
JP2007122992A2007-05-17
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006, Oaza Kadom, Kadoma-shi Osaka 01, JP)
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Claims:
集電体上に活物質層を設けるAステップと、
前記活物質層にリチウムを付与するBステップと、を備え、
連続した空間中で前記Aステップと前記Bステップを実施する、
リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な電気化学素子用電極の製造方法。
少なくとも、前記集電体と前記活物質層の供給源となる材料とを含む空間を減圧し、前記材料を加熱する、
請求項1記載の電気化学素子用電極の製造方法。
前記空間中に前記材料と反応する気体を導入し、前記材料と前記気体との反応生成物を前記集電体上に堆積させて前記活物質層を作製する、
請求項2記載の電気化学素子用電極の製造方法。
前記活物質層を作製する空間と前記活物質層にリチウムを付与する空間とを分割し、前記気体が前記活物質層にリチウムを付与する空間に移動するのを抑制する、
請求項3記載の電気化学素子用電極の製造方法。
前記活物質層を作製する空間の側から減圧する、
請求項4記載の電気化学素子用電極の製造方法。
前記活物質層を設けた前記集電体とリチウムとを含む空間を減圧し、前記リチウムを加熱することでリチウム蒸気を用いて前記活物質層にリチウムを付与する、
請求項1記載の電気化学素子用電極の製造方法。
請求項1記載の電気化学素子用の電極の製造方法により製造した第1電極と、
リチウムを吸蔵・放出可能な第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在する電解質と、を備えた、
電気化学素子。
集電体上に活物質層を設ける活物質層作製部と、
前記活物質層にリチウムを付与するリチウム付与部と、
前記活物質層作製部と前記リチウム付与部とを連続した空間に収納する容器と、を備えた、
リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な電気化学素子用電極の製造装置。
前記活物質層作製部は、少なくとも、前記集電体と前記活物質層の供給源となる材料とを含む空間を減圧する真空ポンプと、
前記材料を加熱する第1加熱部と、を有する、
請求項8記載の電気化学素子用電極の製造装置。
前記活物質層作製部は、前記容器の中に前記材料と反応する気体を導入する気体導入部をさらに有し、
前記活物質層作製部は、前記材料と前記気体との反応生成物を前記集電体上に堆積させて前記活物質層を作製する、
請求項9記載の電気化学素子用電極の製造装置。
前記容器は、前記活物質層を作製する空間と前記活物質層にリチウムを付与する空間とに分割され、
前記活物質層を作製する空間と前記活物質層にリチウムを付与する空間とを連結し前記気体が前記活物質層にリチウムを付与する空間に移動するのを抑制する通路をさらに設けた、
請求項10記載の電気化学素子用電極の製造装置。
前記活物質層を作製する空間の側に接続されて前記活物質層を作製する空間の側から減圧する真空ポンプをさらに備えた、
請求項11記載の電気化学素子用電極の製造装置。
前記リチウム付与部は、前記容器の内部を減圧する真空ポンプと、前記容器の内部に配置されたリチウムを加熱する第2加熱部とを有し、リチウム蒸気を用いて前記活物質層にリチウムを付与する、
請求項8記載の電気化学素子用電極の製造装置。
Description:
電気化学素子とその電極の製造 法、製造装置

 本発明は、電気化学素子の電極の活物質 にリチウムを付与する処理を含む製造方法 製造装置、ならびにそれを用いて製造した 極を用いた電気化学素子に関する。より詳 くは、非水電解質二次電池用の負極にリチ ムを付与する処理を含む製造方法と製造装 、それを用いて製造した負極を用いた非水 解質二次電池に関する。

 近年、電子機器のポータブル化、コード ス化が急速に進んでおり、これらの駆動用 源として、小型かつ軽量で、高エネルギー 度を有する二次電池への要望も高まってい 。また、小型民生用途のみならず、電力貯 用や電気自動車といった長期に渡る耐久性 安全性が要求される大型の二次電池に対す 技術展開も加速してきている。このような 点から、高電圧であり、かつ高エネルギー 度を有する非水電解質二次電池、特にリチ ム二次電池が電子機器用、電力貯蔵用、あ いは電気自動車の電源として期待されてい 。

 非水電解質二次電池は、正極と負極と、そ らの間に介在するセパレータと非水電解質 を有する。セパレータは主としてポリオレ ィン製の微多孔膜から構成される。非水電 質には、LiBF 4 、LiPF 6 などのリチウム塩を非プロトン性の有機溶媒 に溶解した液状の非水電解質液(非水電解液) 用いられている。また正極の活物質として 、リチウムに対する電位が高く、安全性に れ、比較的合成が容易であるリチウムコバ ト酸化物(例えばLiCoO 2 )が用いられている。負極の活物質としては 黒鉛などの種々の炭素材料が用いられてい 。このような構成の非水電解質二次電池が 用化されている。

 負極の活物質として用いられている黒鉛 、理論上、炭素原子6個に対してリチウム原 子1個を吸蔵できるため黒鉛の理論容量密度 372mAh/gである。しかしながら不可逆容量によ る容量ロスなどのため、実際の放電容量密度 は310~330mAh/g程度に低下する。そのため基本的 には、この容量密度以上でリチウムイオンを 吸蔵・放出できる炭素材料を得ることは困難 である。

 そこで、さらに高エネルギー密度の電池 求められる中、理論容量密度の大きい負極 物質として、リチウムと合金化するケイ素( Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)やこれらの酸 物、合金などが期待されている。中でも特 安価なSiおよびその酸化物は幅広く検討さ ている。

 しかし、Si、Sn、Geや、これらの酸化物も くは合金は、リチウムイオンを吸蔵すると に結晶構造が変化し、その体積が増加する 充電時に活物質が大きく膨張すると、活物 と集電体との間に接触不良が生じるため、 放電サイクル寿命が短くなる。そこで、以 のような提案がなされている。

 例えば膨張による活物質と集電体との接 不良を改良する観点から、集電体表面に活 質を薄膜状に成膜する方法が提案されてい (例えば、特許文献1)。さらには集電体表面 柱状かつ傾斜した状態で活物質を成膜する 法が提案されている(例えば、特許文献2)。 れらの提案によれば、活物質を集電体と強 結合させることで安定な集電が確保される 特に後者では柱状の活物質の周囲に膨張を 収するのに必要十分な空間を有する。その め活物質の膨張・収縮による負極自体の破 を防止し、かつ接するセパレータや正極へ 圧迫応力を削減することにより、特に充放 サイクル特性を向上することができる。

 しかしながら、ケイ素酸化物(SiO x (0<x<2))を活物質に用いた場合、初回の充 で発生する不可逆容量は非常に大きい。そ ためそのまま正極と組み合わせた場合は正 の可逆容量の多くを不可逆容量として費や てしまう。そのためケイ素酸化物を活物質 して負極に用いて高容量な電池を実現する めには正極以外からリチウムを補填するこ が必要である。

 そこでリチウムを補填するために、負極 に金属リチウムを付与し、固相反応によっ 吸蔵させる方法が数多く提案されている。 えば負極表面上にリチウムを蒸着させる工 、さらに保存する工程を備える方法が提案 れている(例えば、特許文献3)。

 しかしながら、特許文献1、2に記されるよ な方法で活物質を成膜した後、一旦その負 を大気中に戻してから特許文献3に記される うに負極表面上にリチウムを蒸着させる場 、リチウムを蒸着する前に活物質が大気中 水分や酸素と反応してしまう。これにより 物質の酸化度が変化し、目標とする酸化度 らずれてしまう。極端な場合には、活物質 発熱して取り扱いが困難になる。また水分 活物質表面に吸着するとリチウムを蒸着し も活物質中にリチウムが拡散しにくい。そ ため蒸着したリチウムが不可逆容量の補填 効率的に利用されない場合がある。

特開2002-83594号公報

特開2005-196970号公報

特開2005-38720号公報

 本発明は、これらの問題点を解決し、か 目標とする活物質組成と効率的なリチウム 与により高容量な電気化学素子用の電極の 造方法を提供するものである。

 本発明による電気化学素子用の電極の製 方法では、集電体上に活物質層を設けると もに、連続した空間中で活物質層にリチウ を付与する。このように活物質層の作製と チウム付与とを同一空間中で連続して行う とにより目標とする組成の活物質を作製で るとともに効率的にリチウムを付与するこ ができる。そのためその電極に起因する不 逆容量を均一に補填された高容量な電気化 素子を提供することができる。

図1は本発明の実施の形態による非水電 解質二次電池の縦断面図である。 図2は本発明の実施の形態における非水 電解質二次電池用負極の製造装置の全体構成 図である。 図3は図2に示す製造装置における活物 層作製部の概略構成図である。 図4は図2に示す製造装置におけるリチ ム付与部の概略構成図である。 図5は図4に示すリチウム付与部におけ 要部拡大断面図である。 図6は本発明の実施の形態による非水電 解質二次電池用負極の製造装置の他の活物質 層作製部の概略構成図である。 図7は図6に示す活物質層作製部を用い 作製した非水電解質二次電池用負極の概略 面図である。 図8は本発明の実施の形態による非水電 解質二次電池用負極の製造装置のさらに他の 活物質層作製部の概略構成図である。 図9は図8に示す活物質層作製部を用い 作製した非水電解質二次電池用負極の概略 面図である。

符号の説明

1  ケース
2  封口板
3  ガスケット
5  正極
5A  正極リード
6  負極
6A  負極リード
7  セパレータ
8A  上部絶縁板
8B  下部絶縁板
9  電極群
11,11A  集電体
20  活物質層作製部
21,51  巻き出しロール
22A,22B,52A,52B,52C,52D  マスク
23A,23B,53A,53B  蒸着ユニット
24A,24B  成膜ロール
25  中継ロール
26A,26B  容器
26C  通路
27  真空ポンプ
28A,28B,58A,58B,58C,58D  ノズル
30  リチウム付与部
31  リチウム
32A,32B  冷却CAN
33,36  ロッドヒータ
34A,34B  銅坩堝
35A,35B  リチウム蒸着ノズル
38  熱電対
39  巻き取りロール
41,41A,41B  負極前駆体
42,61  活物質塊
43,62  活物質層
44  突起
54A,54B,55A,55B,55C  支点ロール
61A  第1柱状体
61B  第2柱状体
61C  第3柱状体

 以下、本発明の実施の形態について、電 化学素子として非水電解質二次電池を例に その電極として負極を例にして、図面を参 しながら説明する。なお、本発明は、本明 書に記載された基本的な特徴に基づく限り 以下に記載の内容に限定されるものではな 。すなわち、非水電解質二次電池の正極に 発明を適用したり、非水電解質二次電池以 に、電気化学キャパシタの電極に本発明を 用したりしてもよい。

 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態による非水電解 質二次電池の縦断面図である。ここでは円筒 形電池を一例として説明する。この非水電解 質二次電池は、金属製のケース1とケース1内 収容された電極群9とを含む。ケース1はス ンレス鋼やニッケルめっきした鉄から作製 れている。電極群9は第1電極である負極6と 2電極である正極5とをセパレータ7を介して 巻状に捲回することにより構成されている 電極群9の上部には上部絶縁板8Aが、下部に 下部絶縁板8Bが配置されている。ケース1の 口端部は、ガスケット3を介して封口板2に対 しケース1をかしめることにより封口されて る。また、正極5にはアルミニウム製の正極 ード5Aの一端が取り付けられている。正極 ード5Aの他端は、正極端子を兼ねる封口板2 接続されている。負極6にはニッケル製の負 リード6Aの一端が取り付けられている。負 リード6Aの他端は、負極端子を兼ねるケース 1に接続されている。また電極群9には電解質 ある図示しない非水電解質が含浸している すなわち、正極5と負極6との間には非水電 質が介在している。

 正極5は、通常、正極集電体とそれに担持 された正極合剤から構成されている。正極合 剤は、正極活物質の他に、結着剤、導電剤な どを含むことができる。正極5は、例えば、 極活物質と任意成分からなる正極合剤を液 成分と混合して正極合剤スラリーを調製し 得られたスラリーを正極集電体に塗布し、 燥させて作製する。

 非水電解質二次電池の正極活物質としては リチウム複合金属酸化物を用いることがで る。例えば、Li x CoO 2 、Li x NiO 2 、Li x MnO 2 、Li x Co y M 1-y O z 、Li x Ni 1-y M y O z 、Li x Mn 2 O 4 、Li x Mn 2-z M z O 4 、LiMPO 4 、Li 2 MPO 4 Fが挙げられる。ここでMはNa、Mg、Sc、Y、Mn、F e、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少な くとも1種であり、0≦x≦1.2、0≦y≦0.9、0≦z 1.9である。なお、リチウムのモル比を示すx は、活物質作製直後の値であり、充放電に り増減する。さらにこれら含リチウム化合 の一部を異種元素で置換してもよい。金属 化物、リチウム酸化物、導電剤などで表面 理してもよく、表面を疎水化処理してもよ 。

 正極合剤の結着剤には、例えばポリビニ デンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオ エチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、 リアミドイミド、ポリアクリロニトリル、 リアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポ アクリル酸エチル、ポリアクリル酸ヘキシ 、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メ ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタク ル酸ヘキシル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニ ピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテル ルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチ セルロースなどが使用可能である。また、 トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエ レン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフ オロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニ デン、クロロトリフルオロエチレン、エチ ン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレ 、フルオロメチルビニルエーテル、アクリ 酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の 材料の共重合体を用いてもよい。またこれら のうちから選択された2種以上を混合して用 てもよい。

 また導電剤には、例えば、天然黒鉛や人 黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラッ 、ケッチェンブラック、チャンネルブラッ 、ファーネスブラック、ランプブラック、 ーマルブラックなどのカーボンブラック類 炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類、 ルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛や タン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類 酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェ レン誘導体などの有機導電性材料などを用 ることができる。

 正極活物質、導電剤および結着剤の配合 合は、それぞれ、正極活物質を80~97重量%、 電剤を1~20%、結着剤を2~7%の範囲とすること 望ましい。

 正極集電体には、長尺の多孔性構造の導 性基板か、あるいは無孔の導電性基板が使 される。導電性基板に用いられる材料とし は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、 タンなどが用いられる。集電体の厚さは、 に限定されないが、1~500μmが好ましく、5~20 mがより望ましい。集電体厚さを上記範囲と ることにより、極板の強度を保持しつつ軽 化することができる。

 セパレータ7としては、大きなイオン透過 度を持ち、所定の機械的強度と、絶縁性とを 兼ね備えた微多孔薄膜、織布、不織布などが 用いられる。セパレータ7の材質としては、 えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど ポリオレフィンが耐久性に優れ、かつシャ トダウン機能を有しているため、非水電解 二次電池の安全性の観点から好ましい。セ レータ7の厚さは、一般的に10~300μmであるが 40μm以下とすることが望ましい。また、5~30 mの範囲とするのがより好ましく、さらに好 しくは10~25μmである。さらに微多孔フィル は、1種の材料からなる単層膜であってもよ 、2種以上の材料からなる複合膜または多層 膜であってもよい。また、セパレータ7の空 率は、30~70%の範囲であることが好ましい。 こで空孔率とは、セパレータ7の表面積に占 る孔部の面積比を示す。セパレータ7の空孔 率のより好ましい範囲は35~60%である。

 非水電解質としては、液状、ゲル状また 固体(高分子固体電解質)状の物質を使用す ことができる。液状の非水電解質(非水電解 )は、非水溶媒に電解質(例えば、リチウム )を溶解させることにより得られる。また、 ル状非水電解質は、液状の非水電解質と、 の液状の非水電解質を保持する高分子材料 を含む。高分子材料としては、例えば、PVDF 、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキ サイド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート 、ポリビニリデンフルオライドヘキサフルオ ロプロピレンなどが好適に使用される。

 非水溶媒としては、公知の非水溶媒を使 することが可能である。この非水溶媒の種 は特に限定されない。例えば、環状炭酸エ テル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸 ステルなどが用いられる。環状炭酸エステ としては、プロピレンカーボネート(PC)、エ チレンカーボネート(EC)などが挙げられる。 状炭酸エステルとしては、ジエチルカーボ ート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、 メチルカーボネート(DMC)などが挙げられる 環状カルボン酸エステルとしては、γ-ブチ ラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン(GVL)などが げられる。非水溶媒は、1種を単独で用いて もよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ 。

 非水溶媒に溶解させる溶質には、例えばLiCl O 4 、LiBF 4 、LiPF 6 、LiAlCl 4 、LiSbF 6 、LiSCN、LiCF 3 SO 3 、LiCF 3 CO 2 、LiAsF 6 、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類、 ミド塩類などを用いることができる。ホウ 塩類としては、ビス(1,2-ベンゼンジオレー (2-)-O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3-ナフタレ ンジオレート(2-)-O,O’)ホウ酸リチウム、ビス (2,2’-ビフェニルジオレート(2-)-O,O’)ホウ酸 チウム、ビス(5-フルオロ-2-オレート-1-ベン ンスルホン酸-O,O’)ホウ酸リチウムなどが げられる。イミド塩類としては、ビストリ ルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF 3 SO 2 ) 2 NLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフ オロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF 3 SO 2 )(C 4 F 9 SO 2 ))、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イ ドリチウム((C 2 F 5 SO 2 ) 2 NLi)などが挙げられる。溶質は、1種を単独で いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて もよい。

 また非水電解質には、添加剤として負極6 上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被 膜を形成し、充放電効率を高くすることがで きる材料を含んでいてもよい。このような機 能を持つ添加剤としては、例えば、ビニレン カーボネート、4-メチルビニレンカーボネー 、4,5-ジメチルビニレンカーボネート、4-エ ルビニレンカーボネート、4,5-ジエチルビニ レンカーボネート、4-プロピルビニレンカー ネート、4,5-ジプロピルビニレンカーボネー ト、4-フェニルビニレンカーボネート、4,5-ジ フェニルビニレンカーボネート、ビニルエチ レンカーボネート、ジビニルエチレンカーボ ネートなどが挙げられる。これらは単独で用 いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて よい。これらのうちでは、ビニレンカーボ ート、ビニルエチレンカーボネート、およ ジビニルエチレンカーボネートよりなる群 ら選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお 上記化合物は、その水素原子の一部がフッ 原子で置換されていてもよい。非水電解液 対する溶解量は、0.1重量%以上15重量%以下の 範囲内とすることが望ましい。

 さらに、非水電解質には、過充電時に分 して正極5上に被膜を形成し、電池を不活性 化する公知のベンゼン誘導体を含有させても よい。このようなベンゼン誘導体としては、 フェニル基およびこのフェニル基に隣接する 環状化合物基を有するものが好ましい。環状 化合物基としては、フェニル基、環状エーテ ル基、環状エステル基、シクロアルキル基、 フェノキシ基などが好ましい。ベンゼン誘導 体の具体例としては、シクロヘキシルベンゼ ン、ビフェニル、ジフェニルエーテルなどが 挙げられる。これらは単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただ 、ベンゼン誘導体の含有量は、非水溶媒全 の10体積%以下であることが好ましい。

 次に負極6とその製造方法について説明する 。負極6は集電体とその表面に設けられたリ ウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能 活物質層とを有する。特に活物質層には炭 材料以外に、ケイ素(Si)やスズ(Sn)などのよう にリチウムイオンを大量に吸蔵・放出可能な 材料を用いることができる。この種の活物質 の放電状態における体積Bに対する充電状態 おける体積Aの比A/Bは、1.2以上である。体積 、例えば充電前後の厚みを測定することで 定する。このような材料であれば、単体、 金、化合物、固溶体および含ケイ素材料や スズ材料を含む複合活物質の何れであって 、本発明の効果を発揮させることは可能で る。すなわち、含ケイ素材料として、Si、Si O x (0<x<2)、またはこれらのいずれかにB、Mg Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、 W、Zn、C、N、Snからなる群から選択される少 くとも1つ以上の元素でSiの一部を置換した 金や化合物、または固溶体などを用いるこ ができる。含スズ材料としてはNi 2 Sn 4 、Mg 2 Sn、SnO x (0<x<2)、SnO 2 、SnSiO 3 、LiSnOなどを適用できる。

 複数種の材料により活物質層を構成する例 して、Siと酸素と窒素とを含む化合物やSiと 酸素とを含み、Siと酸素との構成比率が異な 複数の化合物の複合物などが挙げられる。 の中でもSiO x (0<x<2)で活物質層を形成することが好ま い。これにより、電極反応効率が高く、高 量で比較的安価な非水電解質二次電池が得 れる。さらにSiO x (0.3≦x≦1.3)は、放電容量密度が大きく、かつ 充電時の膨張率がSi単体より小さいため好ま い。

 またこれらの材料を用い、集電体上に真 蒸着法、スパッタ法、CVD法などの手法を用 て直接、活物質からなる薄膜を形成する。 のような製造方法は高容量であるが膨張・ 縮の大きな活物質にとって、常に集電を確 できるため充放電サイクル特性を良好にす 特徴を有する。

 集電体には、ステンレス鋼、ニッケル、 、チタンなどの金属箔、炭素や導電性樹脂 薄膜などが利用可能である。さらに、カー ン、ニッケル、チタンなどで表面処理を施 てもよい。正極の場合と同様に、集電体の さは特に限定されないが、1~500μmが好まし 、5~20μmがより望ましい。集電体厚さを上記 囲とすることにより、極板の強度を保持し つ軽量化することができる。

 次に図2から図5を参照しながら電解銅箔を 電体とし、活物質層がケイ素酸化物(SiO x (0<x<2))で構成された負極6を作製する手順 と製造装置について説明する。図2は本発明 実施の形態における非水電解質二次電池の 極を作製するための製造装置の全体構成図 ある。図3は図2に示す製造装置における活物 質層作製部の概略構成図、図4は同リチウム 与部の概略構成図である。図5は図4に示すリ チウム付与部における要部拡大断面図である 。

 図2に示すように、この製造装置は活物質 層作製部20とリチウム付与部30とを有する。 物質層作製部20は容器26Aに、リチウム付与部 30は容器26Bにそれぞれ収納されている。容器2 6Aと容器26Bとは通路26Cで連結されている。す わち、活物質層作製部20とリチウム付与部30 とは一体の容器に収納されている。容器26A、 26B、通路26C内は真空ポンプ27により減圧され いる。

 図3に示すように、活物質層作製部20は、 き出しロール21と、成膜ロール24A、24Bと、 スク22A、22Bと、蒸着ユニット23A、23Bと、気 導入部であるノズル28A、28Bとを有する。そ て集電体11が巻き出しロール21から成膜ロー 24A、24Bを経て中継ロール25へと送られる。 着ユニット23A、23Bでは蒸着ソース、坩堝、 1加熱部である電子ビーム発生装置がユニッ 化されている。この装置を用いて集電体11 上に負極6の活物質層を形成する手順をまず 明する。

 集電体11としては、例えば厚み30μmの電解銅 箔を用いる。容器26Aの内部は、真空に近い不 活性雰囲気になっている。例えば圧力10 -3 Pa程度のアルゴン雰囲気とする。蒸着時には 電子ビーム発生装置により発生させた電子 ームを偏向ヨークにより偏光させ、活物質 の供給源となる材料である蒸着ソースに照 する。蒸着ソースには、例えば半導体ウェ を形成する際に生じるSiの端材(スクラップ リコン:純度99.999%)を用いる。一方、高純度( 例えば99.7%)の酸素を成膜ロール24Aの近傍に配 置したノズル28Aから容器26A内に導入する。そ して蒸着ユニット23Aから発生したSi蒸気とノ ル28Aから導入された酸素とが反応して集電 11上にSiO x が堆積し、活物質層が形成される。このよう に、蒸着ユニット23A、ノズル28A、成膜ロール 24Aは酸素を含む雰囲気中でSiを用いて気相法 より集電体11の表面にSiO x からなる活物質層を形成する。

 なおマスク22Aの開口部はSi蒸気が集電体11 の面にできるだけ垂直に入射するようになっ ている。さらにマスク22Aを開閉させることに よって活物質層を形成せず集電体11が露出し 部分を形成する。

 その後、集電体11は成膜ロール24Bに送られ ノズル28Bから酸素を容器26A内に導入しつつ 蒸着ユニット23BからSi蒸気を発生させて、も う一方の面にも活物質層を形成する。この方 法によって集電体11の両面上にSiO x からなる活物質層を形成した負極前駆体41は 路26Cを介してリチウム付与部30へ送られる

 次に負極前駆体41の活物質層にリチウム 付与する手順を図4、図5を用いて説明する。 リチウム付与部30は第2加熱部であるロッドヒ ータ33を組み込んだ銅坩堝34A、34Bと、リチウ 蒸着ノズル35A、35Bと、冷却CAN32A、32Bと、巻 取りロール39とを有する。なお銅坩堝34B、 チウム蒸着ノズル35B、冷却CAN32Bの構成は銅 堝34A、リチウム蒸着ノズル35A、冷却CAN32Aと れぞれ同様であるので説明を省略する。

 図4に示すように通路26Cを介して送られてき た負極前駆体41を、例えば20℃にした冷却CAN32 A、32Bを介して巻き取りロール39に送るように 設置する。そしてロッドヒータ33を組み込ん 銅坩堝34Aにリチウム蒸気の供給源であるリ ウムを投入し、ロッドヒータ36を組み込ん リチウム蒸着ノズル35Aを銅坩堝34Aに組み付 る。容器26B内は、例えば3×10 -3 Paに減圧されている。すなわち、負極前駆体4 1とリチウムとを含む雰囲気は減圧されてい 。そして、リチウム蒸気を発生するために ッドヒータ33に通電して銅坩堝34A内のリチウ ム31を加熱する。またリチウム蒸気がリチウ 蒸着ノズル35Aの内部で冷えてリチウムが析 しないよう、ロッドヒータ36にも通電する とが好ましい。銅坩堝34A、リチウム蒸着ノ ル35Aの温度は熱電対38でモニターしながら、 例えば580℃に制御する。ここでリチウム蒸着 ノズル35Aはリチウム蒸気の移動経路を制限す る。リチウム蒸気はリチウム蒸着ノズル35Aを 経て負極前駆体41に供給され、負極前駆体41 活物質層にはリチウムが付与される。この うにリチウム蒸気の移動経路を制限するこ で、効率的に活物質層にリチウム蒸気を供 することができる。

 片側の活物質層にリチウムが付与された 極前駆体41は冷却CAN32Bに送られ、反対面の 物質層にも銅坩堝34B、リチウム蒸着ノズル35 Bからリチウムが付与される。このようにし 両面の活物質層にリチウムが付与された負 前駆体41は巻き取りロール39に巻き取られる その後、容器26B内にアルゴンやドライエア 導入して大気圧に戻し、所定の寸法に切断 れ、負極リード6Aが接続されて負極6が作製 れる。

 このように集電体11上に活物質層を設け とともに、連続した空間中で活物質層にリ ウム蒸気を用いてリチウムを付与する。こ ようにすることにより、目標とする組成の 物質を作製できるとともに効率的にリチウ を付与することができ、高容量な負極6を作 することができる。現象的には、リチウム 与後に容器26B内にアルゴンやドライエアを 入して大気圧に戻しても負極前駆体41の発 は小さい。また付与したリチウムは活物質 内に拡散している。

 ここで「連続した空間中」とは、同一空 中、同一容器内、あるいは上述のように別 の容器26A、26Bを通路26Cで連通させた場合を む。

 本実施の形態では集電体11と、活物質層の 給源となる材料であるSiの端材とを含む雰囲 気を減圧する。そして、このSiの端材を蒸着 ニット23A、23Bで加熱するとともに雰囲気中 Siと反応する気体である酸素をノズル28A、28 Bから導入する。このようにしてSiと酸素との 反応生成物であるSiO x を集電体11上に堆積させて活物質層を作製す 。このように反応性の気相法を適用するこ により、目的とする組成の活物質層を容易 作製できる。これ以外に、ノズル28A、28Bか 酸素を導入せず、減圧下で集電体11上に直 、活物質層としてSiからなる薄膜を形成する ことも可能である。このように減圧下で集電 体11上に直接、活物質層として活物質からな 薄膜を形成すると、SiO x やSiのように高容量であるが膨張・収縮の大 な活物質にとって、常に集電を確保できる め充放電サイクル特性が良好になる。

 また本実施の形態では活物質層を作製す 空間である容器26A内と活物質層にリチウム 付与する空間である容器26Bと分割し、通路2 6Cで連結している。このようにすることで、 物質層を作製するための酸素がリチウム蒸 と反応することが抑制される。リチウム蒸 は反応性が高いため、酸素と反応しやすい このような反応が起きると活物質層にリチ ムを補填できなくなる。そのためこのよう 空間を分離することが好ましい。また真空 ンプ27を容器26Aに接続し、容器26Aから雰囲 を減圧することがさらに好ましい。減圧位 を、容器26A側とすることで酸素がリチウム 気と反応することをさらに抑制できる。

 また本実施の形態では負極前駆体41とリ ウム蒸気の供給源であるリチウムとを含む 囲気を減圧し、リチウム蒸気を生成するた に供給源のリチウムを加熱している。リチ ムを付与するためにはこのような真空蒸着 は有効な方法である。

 次に、図6を用いてより好ましい形態の活 物質層を形成する活物質層作製部を説明する 。図6は傾斜した柱状構造を有する活物質の 造に用いる本発明の実施の形態による非水 解質二次電池用負極の製造装置の活物質層 製部の概略構成図、図7は図6の活物質層作製 部を用いて作製した負極の概略断面図である 。

 図6に示す活物質層作製部20は、巻き出しロ ル21と支点ロール54A、54Bと、マスク22A、22B 、蒸着ユニット23A、23Bと、ノズル28A、28Bと 有する。支点ロール54A、54B以外は図3の構成 同様であるので説明を省略する。この構成 は集電体11Aが巻き出しロール21から支点ロ ル54A、54Bへと送られる間に蒸着ユニット23A 23BからのSi蒸気とノズル28A、28Bからの酸素と によりSiO x からなる活物質層が両面に生成する。これら のロールと蒸着ユニット23A、23Bとは容器26Aの 中に設けられている。容器26A内は真空ポンプ 27により減圧される。

 図7に示すように集電体11Aは、表面に多数 の突起44を有する。例えば、電解めっきによ Ra=2.0μmの凹凸を設けた厚さ30μmの電解銅箔 集電体11Aとして用いる。なお、集電体11Aの 面に突起44が設けられているが、簡略化して 説明するため図7では片面のみを示している

 容器26Aの内部は、低圧の不活性ガス雰囲 にする。例えば圧力3.5Paのアルゴン雰囲気 する。蒸着時には、電子ビーム発生装置に り発生させた電子ビームを偏向ヨークによ 偏光させ、蒸着ソースに照射する。なおマ ク22A、22Bの開口部の形状を調整することで 蒸着ユニット23A、23Bから発生したSi蒸気が集 電体11Aの面に垂直に入射しないようにしてい る。

 このようにして集電体11Aの面にSi蒸気を供 しつつ集電体11Aを巻き出しロール21から送る 。そしてSi蒸気の入射方向と所定の角度をな ようにノズル28Aを設け、ノズル28Aから容器2 6A内に酸素を導入するとSiO x からなる活物質塊42が突起44を基点として生 する。このとき、例えば所定の角度を65°に 定し、純度99.7%の酸素ガスをノズル28Aから 器26A内に導入し、約20nm/secの成膜速度で形成 する。すると、集電体11Aの突起44に厚さ21μm SiO 0.4 からなる柱状体である活物質塊42が生成する なお支点ロール54Aの手前で片面に活物質塊4 2を形成した後、集電体11Aを支点ロール54Bに り、同様の方法によりもう一方の面にも活 質塊42を形成することができる。以上のよう にして集電体11Aの両面に活物質層43を形成し 負極前駆体41Aを作製する。

 なお集電体11Aの両面に予め等間隔に耐熱 ープを貼り付けておく。成膜後このテープ 剥離することによって負極リード6Aを溶接 るための集電体露出部を形成することがで る。この後、図4に示すリチウム付与部30を いて両面の活物質層43にリチウムを付与する 。

 このように集電体11A上に柱状構造を有す 複数の活物質塊42として活物質層43を形成す ることが好ましい。上記の方法以外に、特開 2003-17040号公報や特開2002-279974号公報に開示さ れている方法によって集電体11Aとその表面に 設けられた複数の柱状の活物質塊とを有する 負極6を作製してもよい。活物質が柱状構造 場合、柱間の空間で活物質の膨張を吸収す ことができるため、平滑な膜状構造に比べ 活物質の膨張・収縮に対して非常に有効で る。

 また活物質塊42を集電体11Aの厚み方向に して傾きを有するように形成することがさ に好ましい。このように集電体11Aの厚み方 に対し活物質塊42が傾斜することによって効 果的に活物質の膨張・収縮を空間内に吸収す ることが可能であり、負極6の充放電サイク 特性が改善される。明確ではないが理由の つとして、例えば以下のようなことが考え れる。リチウムイオン吸蔵性を有する元素 リチウムイオンを吸蔵・放出する際に膨張 収縮する。この膨張・収縮に伴って生じる 力が、集電体11Aの活物質塊42を形成した面に 平行な方向と垂直な方向とに分散される。そ のため、集電体11Aの皺や、活物質塊42の剥離 発生が抑制されるため、充放電サイクル特 が改善されると考えられる。また高速に成 可能な形状であることから量産性の見地か も好ましい。

 次に、図8を用いてさらに好ましい形態の 活物質層を形成する活物質層作製部を説明す る。図8は屈曲点を持つ柱状構造を有する活 質の製造に用いる本発明の実施の形態によ 非水電解質二次電池用負極の製造装置の活 質層作製部の概略構成図、図9は図8の活物質 層作製部を用いて作製した負極の概略断面図 である。なお、簡略化のため図9は負極6の片 のみ示している。これらの図面に示す集電 11Aは図6、図7で示した集電体11Aと同様であ 。

 図8に示す活物質層作製部20は、巻き出し ール51と、支点ロール55A、55B、55Cと、マス 52A、52B、52C、52Dと、蒸着ユニット53A、53Bと ノズル58A、58B、58C、58Dとを有する。支点ロ ル55Aは第1支点部であり、支点ロール55Bは第2 支点部であり、支点ロール55Cは第3支点部で る。これらは容器26Aの中に設けられている 容器26A内は真空ポンプ27により減圧される。 蒸着ユニット53A、53Bは図3や図6における蒸着 ニット23A、23Bと同様である。

 次に図9に示すように集電体11Aの上に片側 の負極の活物質層である活物質層62を形成す 手順を説明する。容器26Aの内部は、真空に い不活性雰囲気になっている。例えば圧力3 .5Paのアルゴン雰囲気とする。蒸着時には、 子ビーム発生装置により発生させた電子ビ ムを偏向ヨークにより偏光させ、蒸着ソー に照射する。この蒸着ソースには、例えばSi の端材を用いる。蒸着ユニット53Aは、支点ロ ール55Aから支点ロール55Bとの間の位置で集電 体11AにSi蒸気が斜めに入射するように配置さ ている。これにより蒸着ユニット53Aから発 したSi蒸気は集電体11Aの面に垂直に入射し い。同様に蒸着ユニット53Bは、支点ロール55 Bから支点ロール55Cとの間の位置で集電体11A Si蒸気が斜めに入射するように配置されてい る。

 マスク52A、52B、52C、52Dはそれぞれノズル58A 58B、58C、58Dを覆っている。このようにして 電体11Aの面に蒸着ユニット53AからSi蒸気を 給しつつ集電体11Aを巻き出しロール51から送 る。このときノズル58A、58Bから、集電体11Aに 向けて高純度の酸素を導入すると蒸着ユニッ ト53Aから発生したSi蒸気と導入された酸素と 反応して集電体11A上に突起44を基点としてSi O x からなる第1柱状体61Aが生成する。

 次に、第1柱状体61Aが形成された集電体11Aは 蒸着ユニット53BからSi蒸気を供給される位置 移動する。このときノズル58C、58Dから、集 体11Aに向けて高純度の酸素を導入すると蒸 ユニット53Bから発生したSi蒸気と導入され 酸素とが反応して第1柱状体61Aを基点としてS iO x からなる第2柱状体61Bが生成する。このとき 集電体11Aに対する蒸着ユニット53Bの位置か 、図9に示すように第2柱状体61Bは第1柱状体61 Aとは反対の方向に成長する。

 すなわち、蒸着ユニット53A、ノズル58A、58B 支点ロール55A、54Bは第1形成部を構成してい る。この第1形成部は少なくとも片面に複数 突起44を有する集電体11Aの表面に、突起44か 斜立するSiO x からなる第1柱状体61Aを形成する。一方、蒸 ユニット53B、ノズル58C、58D、支点ロール55B 54Cは第2形成部を構成している。この第2形成 部は第1柱状体61Aから斜立するSiO x からなる第2柱状体61Bを形成して活物質層62の 層厚を増す。

 この状態で巻き出しロール51の回転方向を 転させると、蒸着ユニット53Aから発生したSi 蒸気と導入された酸素とが反応して第2柱状 61Bを基点としてSiO x からなる第3柱状体61Cが生成する。この場合 図9に示すように第3柱状体61Cは第2柱状体61B は反対の方向に成長する。このようにして 曲点を持つ柱状構造を有する活物質塊61から なる活物質層62を形成することができる。さ に巻き出しロール51の回転方向を反転させ 第3柱状体61Cの上に第4柱状体を作製すること もできる。すなわち屈曲点の数は自由にコン トロールすることができる。

 以上のように、図8に示す活物質層作製部 20で、屈曲点を持つ柱状構造を有する活物質 61からなる活物質層62を形成した負極前駆体 41Bを作製する。そして負極前駆体41Bに、図4 示すリチウム付与部30のうち、冷却CAN32B、銅 坩堝34B、リチウム蒸着ノズル35Bを用いない構 成のリチウム付与部を用いて活物質層62にリ ウムを付与する。このようにして集電体11A 片面に作製された活物質層62にリチウムが 与された負極前駆体41Bは巻き取りロール39に 巻き取られる。その後、容器26B内にアルゴン やドライエアを導入して大気圧に戻し、必要 に応じて集電体11Aのもう一方の面に活物質層 62を作製しリチウムを付与するために、巻き しロール21に再びセットする。

 このように屈曲点を持つ柱状構造を有す 活物質塊61からなる活物質層62を形成した負 極6では、充電時に活物質塊61が膨張しても図 7に示す活物質塊42と比較してさらに活物質塊 同士が立体的に干渉しにくい。そのため充放 電サイクル特性の観点から図7に示す構造の 極よりもさらに好ましい。

 また上述のように、図8に示す活物質層作 製部20を用いる場合、集電体11Aの片面に活物 層62を形成した後、活物質層62にリチウムを 付与する。その後一旦、雰囲気を真空から開 放する。一方、図3、図4、図6の装置では集電 体11または集電体11Aの両面に活物質層を形成 た後、これらの活物質層にリチウムを付与 る。すなわち必ずしも集電体の両面に活物 層を形成してから活物質層にリチウムを付 する必要はない。

 なお、上記実施の形態では円筒形の電池 例に説明したが、角形などの形状の電池を いても同様の効果が得られる。また集電体1 1、11Aの片面にのみ活物質層を形成し、コイ 型電池を作製してもよい。また上記実施の 態では非水電解質二次電池を例に説明した 、キャパシタなどの電気化学素子でも、リ ウムイオンを電荷媒体とし、少なくもと一 の電極が不可逆容量を有する場合には本発 を適用可能である。

 なお本実施の形態では真空蒸着法によっ 活物質層にリチウムを付与しているが、こ に限定されない。例えばリチウム箔を熱転 することでも活物質層にリチウムを付与す ことができる。このような場合でも活物質 の作製とリチウム付与とを同一空間中で連 して行うことにより、目標とする組成の活 質を作製できるとともに効率的にリチウム 付与することができる。

 本発明の製造方法においてリチウム化処 した電極を用いた電気化学素子は、高容量 つ長寿命である。したがってこの電気化学 子の1種である非水電解液二次電池は、ノー トパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメ ラなどの電子機器の駆動源、さらには高出力 を要求される電力貯蔵用や電気自動車の電源 として有用である。上記のような電気化学素 子を製造する上で本発明は生産性を向上させ るので非常に重要でありかつ有効な手段であ る。