Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
FEED, METHOD FOR PRODUCING FEED AND APPARATUS FOR INJECTING LARVAE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139346
Kind Code:
A1
Abstract:
A feed which has a constitution comprising at least a part of insect larvae having an antibacterial activity.

Inventors:
NATORI SHUNJI (JP)
TANAKA MASAHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058743
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 11, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
ROHM CO LTD (JP)
NATORI SHUNJI (JP)
TANAKA MASAHIDE (JP)
International Classes:
A23K1/16
Foreign References:
JPH04330095A1992-11-18
JPS61122299A1986-06-10
Attorney, Agent or Firm:
SANO Shizuo et al. (JP)
Shizuo Sano (JP)
Download PDF:
Claims:
 抗菌活性を有する昆虫の幼虫の少なくとも一部を配合したことを特徴とする飼料。
 前記昆虫は、ハエであることを特徴とする請求項1に記載の飼料。
 体内に残留餌成分のないハエの幼虫の少なくとも一部を配合したことを特徴とする請求項2に記載の飼料。
 刺傷した後、水分を維持しながら餌から隔離して待機させたハエの幼虫の少なくとも一部を配合したことを特徴とする請求項3に記載の飼料。
 水分を維持しながら餌から隔離して待機させた後、刺傷したハエの幼虫の少なくとも一部を配合したことを特徴とする請求項3に記載の飼料。
 昆虫の幼虫全体を配合したことを特徴とする請求項1に記載の飼料。
 昆虫の幼虫を粉砕して配合したことを特徴とする請求項6に記載の飼料。
 昆虫の幼虫体表面のクチクラ層を含有することを特徴とする請求項6に記載の飼料。
 抗菌活性を有する昆虫の幼虫を得る第一ステップと、この幼虫を乾燥する第二ステップと、前記第二ステップを経た前記幼虫の少なくとも一部を飼料に配合する第三ステップを有することを特徴とする飼料の製造方法。
 前記第二ステップを経て乾燥した幼虫を粉砕するステップを有し、このステップにより粉砕した幼虫を前記第三ステップに供給することを特徴とする請求項9に記載の飼料の製造方法。
 前記第一ステップは、昆虫の幼虫を分離するステップと、分離した幼虫を刺傷するステップと、刺傷した幼虫が抗菌活性を発現するのを待機するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の飼料の製造方法。
 前記第一ステップは、さらに、幼虫を刺傷する際にこれを冷却麻酔するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の飼料の製造方法。
 前記昆虫は、ハエであることを特徴とする請求項9に記載の飼料の製造方法。
 前記第二ステップを経た昆虫の幼虫を粉砕して粉砕粉を得る第四ステップと、前記粉砕粉の一部を抜き取って抗菌ペプチドの産生を確認する第五ステップとを有し、前記第三ステップは、前記第五ステップにより抗菌ペプチドの産生が確認された粉砕粉を飼料に混合することを特徴とする請求項9に記載の飼料の製造方法。
 前記第一ステップは、昆虫の幼虫を得るステップと、得た幼虫を水流に移すステップと、水流により分散した幼虫を配置するステップと、を有することを特徴とする請求項9に記載の飼料の製造方法。
 前記第一ステップは、昆虫の幼虫を得るステップと、得た幼虫を分散させるステップと、分散させた幼虫を順次所定の位置に配置していくステップと、を有することを特徴とする請求項9に記載の飼料の製造方法。
 冷却麻酔された昆虫の幼虫を配列する幼虫配列部と、前記幼虫配列部に冷却麻酔されて散らばった幼虫を抗菌活性発現のために刺傷する刺傷針と、を有することを特徴とする幼虫刺傷装置。
 前記刺傷針の位置に前記幼虫配列部を移送する移送部と、前記幼虫配列部を洗浄する洗浄部と、を有することを特徴とする請求項17に記載の幼虫刺傷装置。
 前記刺傷針を洗浄する針洗浄部を有することを特徴とする請求項17に記載の幼虫刺傷装置。
 前記昆虫は、ハエであることを特徴とする請求項17に記載の幼虫刺傷装置。
Description:
飼料、飼料の製造方法、ならび 幼虫刺傷装置

 本発明は、畜産業、水産業等において用 られる飼料およびこのような飼料の製造方 ならびに、昆虫の幼虫から有益物質を得る めの幼虫刺傷装置に関する。

 畜産業、水産業等において用いられる飼 には、成長促進のために抗生物質を添加す ことが一般的であったが、近年その残留が 題となっている。一方、抗生物質に代わる 菌作用のある物質として、抗菌活性のある んぱく質やペプチドが注目されており、こ を飼料に配合することも提案されている。

 また、近年では、抗菌活性のあるたんぱ 質やペプチドを昆虫により産生させること 提案されている。

特開2001-233899号公報

 しかしながら、抗菌活性のあるたんぱく やペプチドを配合した飼料の具体的な製造 法や製造装置等については、まだ充分な検 がなされているとはいえない。

 本発明の課題は、上記に鑑み、抗菌活性 あるたんぱく質やペプチドを配合した飼料 具体的な構成およびその製造方法、ならび 抗菌活性のあるペプチドを産生させるため ハエの幼虫刺傷装置を提供することにある

 上記目的を達成するために、本発明に係 飼料は、抗菌活性を有する昆虫の幼虫の少 くとも一部を配合した構成(第1の構成)とさ ている。

 なお、上記第1の構成から成る飼料におい て、前記昆虫は、ハエである構成(第2の構成) にするとよい。

 また、上記第2の構成から成る飼料は、体 内に残留餌成分のないハエの幼虫の少なくと も一部を配合した構成(第3の構成)にするとよ い。

 また、上記第3の構成から成る飼料は、刺 傷した後、水分を維持しながら餌から隔離し て待機させたハエの幼虫の少なくとも一部を 配合した構成(第4の構成)にするとよい。

 また、上記第3の構成から成る飼料は、水 分を維持しながら餌から隔離して待機させた 後、刺傷したハエの幼虫の少なくとも一部を 配合した構成(第5の構成)にするとよい。

 また、上記第1の構成から成る飼料は、昆 虫の幼虫全体を配合した構成(第6の構成)にす るとよい。

 また、上記第6の構成から成る飼料は、昆 虫の幼虫を粉砕して配合した構成(第7の構成) にするとよい。

 また、上記第6の構成から成る飼料は、昆 虫の幼虫体表面のクチクラ層を含有する構成 (第8の構成)にするとよい。

 また、本発明に係る飼料の製造方法は、 菌活性を有する昆虫の幼虫を得る第一ステ プと、この幼虫を乾燥する第二ステップと 前記第二ステップを経た前記幼虫の少なく も一部を飼料に配合する第三ステップを有 る構成(第9の構成)とされている。

 なお、上記第9の構成から成る飼料の製造 方法は、前記第二ステップを経て乾燥した幼 虫を粉砕するステップを有し、このステップ により粉砕した幼虫を前記第三ステップに供 給する構成(第10の構成)にするとよい。

 また、上記第9の構成から成る飼料の製造 方法において、前記第一ステップは、昆虫の 幼虫を分離するステップと、分離した幼虫を 刺傷するステップと、刺傷した幼虫が抗菌活 性を発現するのを待機するステップを含む構 成(第11の構成)にするとよい。

 また、上記第11の構成から成る飼料の製 方法において、前記第一ステップは、さら 、幼虫を刺傷する際にこれを冷却麻酔する テップを含む構成(第12の構成)にするとよい

 また、上記第9の構成から成る飼料の製造 方法において、前記昆虫は、ハエである構成 (第13の構成)にするとよい。

 また、上記第9の構成から成る飼料の製造 方法は、前記第二ステップを経た昆虫の幼虫 を粉砕して粉砕粉を得る第四ステップと、前 記粉砕粉の一部を抜き取って抗菌ペプチドの 産生を確認する第五ステップと、を有し、前 記第三ステップは、前記第五ステップにより 抗菌ペプチドの産生が確認された粉砕粉を飼 料に混合する構成(第14の構成)にするとよい

 また、上記第9の構成から成る飼料の製造 方法において、前記第一ステップは、昆虫の 幼虫を得るステップと、得た幼虫を水流に移 すステップと、水流により分散した幼虫を配 置するステップと、を有する構成(第15の構成 )にするとよい。

 また、上記第9の構成から成る飼料の製造 方法において、前記第一ステップは、昆虫の 幼虫を得るステップと、得た幼虫を分散させ るステップと、分散させた幼虫を順次所定の 位置に配置していくステップと、を有する構 成(第16の構成)にするとよい。

 また、本発明に係る幼虫刺傷装置は、冷 麻酔された昆虫の幼虫を配列する幼虫配列 と、前記幼虫配列部に冷却麻酔されて散ら った幼虫を抗菌活性発現のために刺傷する 傷針と、を有する構成(第17の構成)とされて いる。

 なお、上記第17の構成から成る幼虫刺傷 置は、前記刺傷針の位置に前記幼虫配列部 移送する移送部と、前記幼虫配列部を洗浄 る洗浄部とを有する構成(第18の構成)にする よい。

 また、上記第17の構成から成る幼虫刺傷 置は、前記刺傷針を洗浄する針洗浄部を有 る構成(第19の構成)にするとよい。

 また、上記第17の構成から成る幼虫刺傷 置において、前記昆虫は、ハエである構成( 20の構成)にするとよい。

 本発明によると、抗菌活性を有する飼料 工業的に生産することが可能となる。

本発明の第1実施例を示すブロック図 図1の第1実施例における生産管理部の 能を示すフローチャート 図1の第1実施例における幼虫麻酔刺傷 の詳細構成を示すブロック図 図3の幼虫麻酔刺傷制御部の基本機能を 示すフローチャート 図4のステップS50によって起動されるト レイ振動回転部の機能の詳細を示すフローチ ャート 図4のステップS56によって起動される位 置センサ部の機能の詳細を示すフローチャー ト 図4のステップS62によって起動される針 駆動部の機能の詳細を示すフローチャート 本発明の第2実施例を示すブロック図 本発明の第3実施例を示すブロック図 図9の第3実施例における幼虫刺傷部の 細構成を示すブロック図 図10の幼虫刺傷制御部における配置制 部の制御に関するフローチャート 図10の幼虫刺傷制御部における刺傷移 部の制御に関するフローチャート

 図1は、本発明の実施の形態に係るセンチ ニクバエを利用した飼料生産システムの第1 施例を示すブロック図であり、刺傷するこ によって抗菌活性を有する幼虫を混合した 料を製造するものである。第1実施例の飼料 造システムは、成虫飼育部2、幼虫飼育部4 幼虫分離部6、成虫循環部8、幼虫麻酔刺傷部 10、抗菌ペプチド産生部12、幼虫凍結乾燥部14 、幼虫粉砕部16、産生検査部18および飼料混 部20を有する。なお、各部に付した(1)乃至(9) の数字は、各部による工程の実施順序を示す 。また各部は、コンピュータを有する生産管 理部22によって集中管理されている。本発明 よって生産される飼料は、畜産業または水 業において従来の抗生物質配合飼料に代わ ものとして極めて有用なものである。

 図1において、成虫飼育部2、幼虫飼育部4 成虫分離部6および成虫循環部8は全体とし 機密状態に外気と密閉されている。また、 れらの部分は隔壁24、26および28により通常 それぞれ機密状態に分断されているが、後 のように工程移管の目的で適宜これら隔壁 開くことができる。なお、隔壁24、26および2 8のいずれが開かれた場合でも、成虫飼育部2 幼虫飼育部4、成虫分離部6および成虫循環 8は全体として機密状態に保たれる。

 成虫飼育部2は、吸気部30から新鮮な空気 取り入れ、脱臭部32を介して排気部34から無 害無臭の空気を排出する環境保護システムを 備えている。成虫飼育部2自体が臭気を発す ことは少ないが、隔壁24を開いた際に幼虫飼 育部4の強い臭気が流れ込む可能性があるの 、独自に上記の環境保護システムを備える

 成虫飼育部2には飼育籠36が備えられてお 、捕虫籠38から放たれたセンチニクバエの 虫40がその中で25℃から28℃の温度で飼育さ ている。捕虫籠38に羽化直後の成虫を捕える 方法については後述する。成虫40は成虫餌容 42に入っている水および成虫餌容器44に入っ ている砂糖と粉ミルクで成長し、羽化後約5 で成虫出入口を開放した産仔箱46内に侵入し 、幼虫餌容器48に入っている動物のレバーな 幼虫餌の上に仔虫を産む。なお、センチニ バエは卵胎生である。

 図1では、幼虫餌容器48を入れた産仔箱46 一つしか図示していないが、実際には多数 産仔箱46が飼育籠36内に設置されており、一 の産仔箱46内にも複数の幼虫餌容器48が収容 されている。そして産仔箱46単位で幼虫餌容 48を設置した時刻が管理されている。

 成虫飼育部2と同様にして、幼虫飼育部4 、吸気部50から新鮮な空気を取り入れ、脱臭 部52を介して排気部54から無害無臭の空気を 出する環境保護システムを備えている。な 、幼虫飼育部4は幼虫の食餌排泄により強い 気を発生するので、脱臭部52には臭気セン 56が設けられており、臭気の強さにより脱臭 部52および排気部54の能力を調節する。幼虫 育部4も幼虫の育成のため25℃から28℃の温度 に保たれる。なお、幼虫の育成速度は温度が 高いほど促進される。しかしながら、餌と温 度が一定であれば育成速度もほぼ所定範囲に 収まり、育成の再現性は良い。

 成虫飼育部2に設置された産仔箱46は、充 な産仔数が確保されたことが期待される所 交換時刻が到来すると、成虫の出入り口を じ、隔壁24を開いて幼虫飼育部4に移送され 。この交換時刻は実験的に求めるが一度決 したあとはシステム全体の見直しを行わな 限り変更せず、後述する生産管理において 変数として扱わない。

 幼虫飼育部4に移送された産仔箱46からは 取り出し口を開くことによって幼虫餌容器4 8が取り出され、容器移送部58に移される。な お、幼虫餌容器48取り出し後の産仔箱46は新 な幼虫餌容器48を入れて成虫飼育部2に戻さ る。このようにして、産仔箱46は成虫飼育部 2と幼虫飼育部4の間を循環する。なお、上記 産仔箱46からの幼虫餌容器48の出し入れおよ び産仔箱46の成虫飼育部2と幼虫飼育部4の間 移送およびこれに伴う隔壁24の開閉は自動機 構によって行われる。

 容器移送部58は、産仔箱46から取り出され てから24時間経過した幼虫餌容器48があれば れを1齢管理部60に移送する。この段階で、 虫餌容器48には1齢幼虫62が育っているものと 期待される。1齢管理部60はこの状態の幼虫餌 容器48の組成を初期値として記憶する。幼虫 容器48の組成は、幼虫の成育に従って餌か 幼虫の体および排泄物に変化し、変わって く。1齢管理部60は、この組成の変化を幼虫 容器48内の餌と幼虫の混合物の表面の色また は混合物の超音波診断などによって検出する 。次に、容器移送部58は、1齢管理部60に移送 れてからさらに24時間経過した幼虫餌容器48 があればこれを2齢管理部64に移送する。この 段階で、幼虫餌容器48には脱皮を行って2齢幼 虫66が育っているものと期待される。2齢管理 部64は同様に組成を検出し、この状態の幼虫 容器48の組成を初期値との比較のために記 する。さらに、容器移送部58は、2齢管理部64 に移送されてからさらに24時間経過した幼虫 容器48があればこれを3齢管理部68に移送す 。この段階で、幼虫餌容器48にはさらに脱皮 を行って3齢幼虫70が育っているものと期待さ れる。3齢管理部68は同様に組成を検出し、こ の状態の幼虫餌容器48の組成を初期値および2 齢組成との比較、さらには3齢幼虫生育情報 して記憶する。なお、図1では、幼虫餌容器4 8内の幼虫はレバーなどの餌の表面にのみ図 されているが、実際には大半が餌の中にも りこんでいる。そして、3齢幼虫70の段階に ると蛹になるための乾燥をもとめて餌の表 に這い出し、幼虫餌容器48の内壁を登るもの も出現する。

 3齢管理部68による組成検出が完了した幼 餌容器48は、隔壁26または隔壁28を開き、所 の配分比率に従って幼虫分離部6または成虫 循環部8に移送される。この配分比率は幼虫 容器48の大半が幼虫分離部6に移送されるよ 定められが、一つの幼虫餌容器48あたりの3 幼虫数70の数が多すぎると成虫循環部8への 分比率が減らされるとともに、逆の場合は 虫循環部8への配分比率が高められる。これ よって3齢幼虫70の生産に必要な飼育籠36の 虫40の数を確保するとともに、飼育籠36の成 数が飼育に破綻をきたす程度に過剰となら いよう管理する。なお、上記の配分は、3齢 幼虫70が入った幼虫餌容器48が充分多い大規 な生産システムの場合は、幼虫分離部6また 成虫循環部8に所定配分比率で同時的に移送 されるが、小規模生産システムの場合は、例 えば幼虫餌容器48を10回連続で幼虫分離部6に 送する毎に後成虫循環部8への移送を1回挟 など、時系列的に移送先を振り分け調節す ことによって行われる。このように、生産 理は飼育籠36への幼虫餌容器48の出し入れ時 を固定して成虫循環部8への配分比率により フィードバックをかけることによって行われ る。なお、上記のように、システム全体を見 直してより収量を上げようとする場合には、 生産管理は飼育籠36への幼虫餌容器48の出し れ時間がより適切となるよう変数として検 する。

 幼虫分離部6に配分された幼虫餌容器48は リセロール槽72に沈められ、液面に浮んだ3 幼虫数70を回収籠74で掬い取ることにより3 幼虫数70を分離する。回収籠74の重量は計量 75で計量される。回収籠74自体の重量は既知 なので、この計量により、一つの幼虫餌容器 48から回収された3齢幼虫70の総重量の情報が られる。この情報は後述する幼虫麻酔刺傷 10で得られる幼虫数の情報と組み合わされ 幼虫一匹あたりの重量の情報となる。

 グリセロール槽72には、3齢幼虫数70のみ 浮かせるため、幼虫よりも重くレバーなど 餌よりも軽い比重となるよう調整した3%から 10%のグリセロール水溶液が満たされている。 なお、幼虫分離部6にも吸気部、脱臭部およ 排気部が設けられているが、成虫飼育部2と 様の構成なので説明は省略する。

 一方、成虫循環部8に配分された幼虫餌容 器48については、そのまま放置すると、3齢幼 虫70は乾燥を求めて幼虫餌容器48を這い登り 蛹76となる。蛹76は10日で成虫40に羽化するの で、誘引餌を入れた捕虫籠38の入り口を開い これを捕える。なお、成虫40は光に誘引さ るので、捕虫籠38の近傍に誘引光源を置いて 成虫40を誘引してもよい。成虫40誘引後、捕 籠38の入り口を閉じるとともに誘引餌を除去 (光誘引の場合は除去不要)し、これを成虫飼 部2に移送する。そして移送した捕虫籠38の り口を開いて飼育籠36に接続すると、成虫 容器44などに誘引されて、成虫40が飼育籠36 移動するので、成虫40の循環が成立する。な お、成虫循環部8にも吸気部、脱臭部および 気部が設けられているが、成虫飼育部2と同 の構成なので説明は省略する。

 成虫分離部6で分離された3齢幼虫70は回収 籠74ごと水分を補給しながら24時間放置され 。この水分は幼虫が乾燥して蛹になるのを ぐためのものである。これは幼虫が蛹にな て体表が固くなるとともに成虫組織にむけ 変態すると、後の刺傷工程の効率が悪くな からである。しかし、抗菌ペプチドの産生 力は、蛹にも成虫にもあるので、刺傷によ 抗菌ペプチド産生自体が不可能になるわけ はない。このようにして24時間放置すると、 3齢幼虫70の体内に残っていた餌が完全に消化 され、幼虫体内が清浄化される。この清浄化 は後の工程において幼虫ごと飼料に混合して も飼料が汚染されることがないようにするた めのものである。幼虫清浄化の様子は幼虫を 外から観察することによっても確認できるの で、幼虫の画像や色をセンサで検出すること により清浄化を自動的に確認することもでき る。

 体内が清浄化された3齢幼虫70は回収籠74 と幼虫麻酔刺傷部10に移送され、トレイ部78 載置される。トレイ部78は位置センサ部80に よる検知が容易なように表面が黒色であると ともに金属などの熱伝導率の良い材質で作ら れている。トレイ部78に載置された3齢幼虫70 氷などが入ったトレイ冷却部82で4℃程度に やされることによって麻酔され動かなくな 。このような状態になった3齢幼虫70の個々 位置は位置センサ部80で検知され、その情 が針駆動部84に伝達されるので、針駆動部84 位置情報に基づき針86を順次3齢幼虫70の真 に移動させるとともに3齢幼虫70を一匹ずつ 速で刺傷する。このような幼虫麻酔刺傷部10 の構成の詳細は後述する。

 幼虫麻酔刺傷部10で刺傷された3齢幼虫70 抗菌ペプチド産生部12の常温維持および水分 維持容器87内に移送される。常温維持および 分維持容器87内は常温に保たれるとともに3 幼虫70が乾燥しないよう維持する。これに って、抗菌ペプチド産生部12に移送された3 幼虫70は、冷却麻酔から覚めるとともに蛹に 変わるのを阻止され、3齢幼虫状態を維持す 。そして、この状態で12時間待機させると3 幼虫70はその体液中に抗菌ペプチドを産生す る。

 抗菌ペプチド産生部12に移送されて12時間 経過した3齢幼虫70は、凍結乾燥部14に移送さ て凍結乾燥される。乾燥状態となった3齢幼 虫70は、さらに幼虫粉砕部16に移送され、こ で粉砕されて幼虫粉末88となる。なお、通常 の蛋白質は、加熱等によって変性するが、3 幼虫70が産生した抗菌ペプチドの抗菌活性は 、加熱や乾燥によっても失われない。従って 、幼虫凍結乾燥部14および幼虫粉砕部16の処 によって幼虫粉末88となっても抗菌ペプチド の活性は維持されている。また、幼虫粉砕部 16では乾燥した3齢幼虫70をそのまま粉砕する で、抗菌ペプチドを含む体液乾燥部分だけ なく、幼虫外壁のクチクラ層を含んでいる クチクラ層は比較的固い組織であるが、幼 粉砕部16は、これを砕くに充分な粉砕能力 持っている。

 幼虫粉砕部16で得られた幼虫粉末88の一部 は検査サンプルとして産生検査部18により採 され、クロマトグラフィーなどの手法によ 精製されてその存在の確認が行われる。そ て、このサンプル検査を経た幼虫粉末88は 料混合部20に移送され、飼料90と混合撹拌さ る。以上によって、抗菌ペプチド配合飼料 生産が可能となる。

 図2は、生産管理部22のコンピュータによ て集中管理されている生産管理機能を示す ローチャートである。コンピュータが電源 入により立ち上がると、まずステップS2で 理している各部の機能の初期化を行ってス ップS4に移行する。

 ステップS4では、成虫飼育部2の飼育籠36 中に、交換時刻が到来した幼虫餌容器48があ るか否かをチェックする。そして、該当する 幼虫餌容器48があればステップS6に進み、こ を幼虫飼育部4に移送してステップS8に進む 一方、幼虫餌容器48がすべて交換したばかり で、まだ該当する幼虫餌容器48がない場合は 接ステップS8に移行する。

 ステップS8では、幼虫飼育部4の中に移送 24時間経過後48時間経過未満の幼虫餌容器48 あるか否かをチェックする。このような幼 餌容器48の中には1齢幼虫62がいると想定さ るからである。そして該当する幼虫餌容器48 があればステップS10に進み、容器移送部58に ってこれを1齢管理部60の上に移送してステ プS12に進む。一方、該当する幼虫餌容器48 ない場合は直接ステップS12に移行する。

 同様に、ステップS12では、幼虫飼育部4の 中に移送後48時間経過後72時間経過未満の幼 餌容器48があるか否かをチェックする。この ような幼虫餌容器48の中には2齢幼虫66がいる とが想定されるからである。そして該当す 幼虫餌容器48があればステップS14に進み、 器移送部58によってこれを2齢管理部64の上に 移送してステップS16に進む。一方、該当する 幼虫餌容器48がない場合は直接ステップS16に 行する。

 さらに、ステップS16では、幼虫飼育部4の 中に移送後72時間以上経過している幼虫餌容 48があるか否かをチェックする。このよう 幼虫餌容器48の中には3齢幼虫70がいると想定 されるからである。そして該当する幼虫餌容 器48があればステップS18に進み、容器移送部5 8によってこれを3齢管理部68の上に移送して テップS20に進む。一方、該当する幼虫餌容 48がない場合は直接ステップS20に移行する。

 ステップS20では、ステップS10、ステップS 14およびステップS18による移送直後に幼虫餌 器48の内容物の組成をそれぞれ検出する1齢 理部60、2齢管理部64および3齢管理部68の検 結果に基づき、組成の変化が想定範囲内の 化をしていて異常がないかどうかチェック る。そして異常がなければステップS22に進 、今度は3齢管理部68が検出する組成が所定 囲外となっていないかどうかチェックする これは、想定通りの数の3齢幼虫70が得られ いることのチェックに該当する。なお、餌 量などによるバラつきをキャンセルするた 、ステップS22のチェックのためには、1齢管 部60、2齢管理部64および3齢管理部68の検出 果を相互引き算する。

 ステップS22で3齢管理部68の検出する組成 所定範囲外であることが検知されるとステ プS24に進み、3齢幼虫70が入っている幼虫餌 器48を成虫循環部8に移送する比率を加減し ステップS26に移行する。具体的には、ステ プS24では、3齢管理部68の検出する組成が所 範囲より大きいときは成虫循環部8への配分 比率が減らされるとともに、3齢管理部68の検 出する組成が所定範囲より小さいときは成虫 循環部8への配分比率が増やされる。なお、3 管理部68の検出する組成が所定範囲外でな ときはこのような加減は不要なので直接ス ップS26に移行する。ステップS26では、設定 れた配分比率に従って、3齢幼虫70が入って る幼虫餌容器48を幼虫飼育部4から幼虫分離 6または成虫循環部8に移送してステップS28に 進む。一方、ステップS16において幼虫飼育部 4の中に移送後72時間以上経過していて、中に 3齢幼虫70が入っている幼虫餌容器48があるこ が確認できなければ直接ステップS28に移行 る。

 ここで、ステップS22の派生機能について 足説明する。ステップS22では3齢管理部68の 成のチェックを行っているが、これが所定 囲内であったときでも、その組成の情報は 続する幼虫麻酔刺傷部10などの機能で活用 れる。その詳細は後述する。

 ステップS28では、産生検査部18の検査結 が正常であるか否かをチェックし、正常で ればステップS30に進んで、幼虫粉砕部16の粉 砕幼虫88が飼料混合部20に移送されこれが製 として飼料90に混合されるのを許可する。そ してフローはステップS4に戻り、以下、同様 して、ステップS4からステップS30を繰り返 ことで生産を管理する。

 なお、ステップS20で組成の変化に異常が ることが検知されるとステップS32に進み、 産を中止してフローを終了する。これは、 虫飼育部4に問題が生じており、生産を続行 することに問題があるからである。一方、ス テップS28において産生検査に異常があり、期 待すべき抗菌ペプチドの産生が行われていな いときもステップS32に移行し、生産を中止し てフローを終了する。このような粉砕幼虫88 混合して飼料90を生産することはできない らである。

 図3は、図1の第1実施例における幼虫麻酔 傷部10の詳細構成を示すブロック図であり 図1と共通の構成要素には共通の番号を付し いる。トレイ部78は、図3のように複数のト イ102、104、106、108および110等に分かれてお 、トレイ移送部112によりトレイ冷却部82の りを循環移送されている。なお、各トレイ 、既に述べたように表面が黒色であるとと に金属などの熱伝導率の良い材質で作られ おり、トレイ冷却部82に接することでその上 に載っている3齢幼虫70を冷却麻酔する。

 回収籠74により幼虫麻酔刺傷部10に移送さ れた3齢幼虫70は、その蓋を開けて振動回転位 置にあるトレイ102に落とされて載置される。 このとき3齢幼虫70はトレイ102の中央部に集ま って積み重なった状態になっている。トレイ 振動回転部114は、3齢幼虫70がトレイ102全体に 重ならずに均等に散らばるようにするため、 トレイ102を振動すると共にこれを回転させて 緩やかな遠心力を与える。その詳細は後述す る。

 トレイ振動回転部114によって所定の振動 よび回転を与えられたトレイ102は、トレイ 送部112によってトレイ104のように位置検出 置に移送される。3齢幼虫70の冷却はトレイ1 02がトレイ振動回転部114にある時点から開始 れるが、トレイ104のように位置検出位置に 送されてからが本格的な冷却となる。位置 出位置に移送されたトレイ104は、フラッシ 閃光管などを有する照明部116によって斜め ら照明されるとともに、カメラ部118によっ 真上から撮影される。撮影は所定時間毎に り返し行われて静止画として画像処理部120 処理される。このとき、トレイ104の表面が いので、白い3齢幼虫70の輪郭検出が容易に われる。また、照明部116による斜めからの 明も3齢幼虫70の輪郭検出を容易にする。

 画像処理部120は、撮影した画像を処理し まずトレイ104上の3齢幼虫70の重なりの有無 検出する。そして、このような重なりが検 されると、トレイ移送部112はトレイ104をト イ102の位置に差し戻す。画像処理部120は、 た、所定時間間隔で撮影した静止画を比較 、近接する二つの画像に差がなくなったと 3齢幼虫70がすべて麻酔されて静止したと判 する。トレイ移送部112はこれに応答してト イ104を針駆動部84の下のトレイ106のような 傷位置に移送する。なお、撮影された静止 は3齢幼虫70のそれぞれの位置を示す情報と ても針駆動部84で利用される。

 針86は針上下駆動部122に保持され、高速 下駆動が与えられる。この針上下駆動部122 二次元水平駆動部124によって保持されてい 。針駆動制御部126は画像処理部120によって 出された3齢幼虫70のそれぞれの位置情報に づき、上記の針上下駆動部122および二次元 平駆動部124の動きを制御する。このような 成によって、針86は順次3齢幼虫70の真上に来 るよう針上下駆動部122の右側の破線矢印のよ うに二次元移動させられるとともに3齢幼虫70 を一匹ずつ刺傷する。なお、幼虫の刺傷は幼 虫をほぼ貫く程度に行われるが、自己治癒力 により数分以内に傷口が塞がるため体液が漏 洩することはない。また、刺傷は高速で行わ れ、特に針を抜く速度が充分速いので、3齢 虫70の質量による慣性のため3齢幼虫70が針の 動きとともに持ち上がることはない。

 針駆動制御部126は、所定の手順により二 元水平駆動部124に指示して針上下駆動部122 針上下駆動部122の左側の破線矢印のように 洗浄部128の上に移動させるとともに、針上 駆動部122に指示して針86を針洗浄部128の中 複数回、刺傷時とは異なる洗浄モードの動 で上下動させる。これによって、3齢幼虫70 体液などによる針86の汚れが適宜洗浄される 。このような針駆動制御部126の機能の詳細に ついては後述する。

 トレイ106上のすべての3齢幼虫70が刺傷さ ると、トレイ移送部112はこれらを常温維持 よび水分維持容器87に移すためにトレイ106 トレイ108のように排出位置に移送して傾け 。常温維持および水分維持容器87に移された 刺傷済みの3齢幼虫70は、これらを受取った容 器ごと抗菌ペプチド産生部12に移送される。

 空になったトレイ108は、トレイ移送部112 よりトレイ110のようにトレイ洗浄部130内の 浄位置に移送される。ここで表面汚れが洗 されたトレイ110は、トレイ移送部112によっ トレイ102のような振動回転位置に戻され、 収籠74から次の3齢幼虫70を受取る準備に入 。以上のような図10の各部の機能は、コンピ ュータを含む幼虫麻酔刺傷制御部132によって 制御されている。

 図4は、図3の幼虫麻酔刺傷制御部132の基 機能を示すフローチャートである。フロー 図2のステップS18に従って3齢幼虫70が幼虫麻 刺傷部10に最初に移送されることによって 動され、まず、ステップS42で各部の機能が ェックされる。そして、各部の機能が正常 あればステップS44に移行して新規に回収さ た3齢幼虫70の有無をチェックする。これは 図3において移送された回収籠74が幼虫麻酔 傷部10にセットされ、トレイ102に移す準備が できている状態であるかどうかのチェックに 該当する。

 そして新規回収幼虫の準備ができていれ ステップS46に進み、新規のトレイ102に3齢幼 虫70を載置するとともに、ステップS48に移行 てトレイ冷却部82による冷却を開始する。 いでステップS50では、トレイ振動回転部114 よる振動回転処理を起動してステップS52に 行する。なお、ステップS44で新規回収幼虫 準備ができていなければ、直接ステップS52 移行する。

 ステップS52では、トレイ振動回転部114に る振動回転処理が完了したトレイの有無を ェックする。そして該当するトレイがあれ 、ステップS54に進み、これを図3のトレイ104 のような位置検出位置に移送する。次いでス テップS56では、図3の位置センサ部80による処 理を起動してステップS58に移行する。なお、 ステップS52でトレイ振動回転部114による振動 回転処理が完了したトレイがあることが検出 できなければ直接ステップS58に移行する。

 ステップS58では、位置センサ部80によっ 3齢幼虫70の停止およびそれらの各位置が確 できたかどうかをチェックする。そして該 するトレイ、すなわち、3齢幼虫70の停止お びそれらの各位置が確認できたトレイがあ ば、ステップS60に進み、これを図3のトレイ1 06のような刺傷位置に移送する。次いでステ プS62では、図3の針駆動部84による処理を起 してステップS64に移行する。なお、ステッ S58で位置センサ部80によって3齢幼虫70の停 およびそれらの各位置の確認ができなけれ 直接ステップS64に移行する。

 ステップS64では、針駆動部84によるトレ 106上のすべての3齢幼虫70の刺傷が完了した どうかがチェックされ、該当すればステッ S66に進んで、図3のように抗菌ペプチド産生 12への移送のためにトレイ108から3齢幼虫70 排出する。以上のステップの後、フローは テップS42に戻り、以下ステップS42からステ プS66を繰り返して幼虫麻酔刺傷部10の機能を 管理する。なお、上記の繰り返しにおいて、 ステップS64で幼虫刺傷の完了が検出されなか ったときは直接ステップS42に戻る。また、ス テップS42で幼虫麻酔刺傷部10の各部のいずれ に何かの異常が検出されたときは、ステッ S68に移行し、生産を中止してフローを終了 る。

 図5は、図4のステップS50によって起動さ るトレイ振動回転部114の機能の詳細を示す ローチャートであり、幼虫麻酔刺傷制御部13 2のコンピュータによって実行されるもので る。トレイ振動回転部114の機能が起動され 、フローがスタートすると、まずステップS7 2で、第1、第2振動時間および振動モード等の 詳細設定が行われる。これは、図2のステッ S22で得られた3齢管理部68の組成の情報に基 いて行われる。3齢管理部68の組成は3齢幼虫7 0の数に依存した情報であるが、これを均等 散らばるようにするための振動回転モード 3齢幼虫70の数の多少によって詳細に調節す ことは有効である。ステップS72はこのよう 調節の設定を行うものである。なお、第1振 時間等の意味については後続するステップ 説明する。

 次いでステップS74では、トレイ振動回転 114に載せられているトレイ102がトレイ104の うな位置検出位置から差し戻されたものか うかをチェックする。該当しなければ、新 に回収籠74から3齢幼虫70を受取ったトレイ あることを意味するのでステップS76に進み トレイの水平振動に垂直振動を加えた三次 モードにて振動をおこなう。ついでステッ S78でトレイ102を回転させ遠心力を付加して ステップS80に移行する。ステップS80では、 のような振動および回転を行うことが予定 れている第1振動時間が経過したかどうかの ェックが行われ、時間経過がなければステ プS76に戻って、以下時間経過が検出される でステップS76からステップS80を繰り返して 次元モード振動と回転を継続する。なお、 記のようにステップS76における垂直振動成 の付加程度、ステップS78における遠心力の 加程度およびステップS80でチェックされる 1振動時間はステップS72で設定される。

 ステップS80で第1振動時間が経過したこと が検出されるとステップS82に進み、冷却温度 に相当する約4℃の冷水滴がトレイ102に噴射 れる。これは互いにくっついている3齢幼虫7 0を分離する処理である。次いでステップS84 進み、トレイの水平振動のみの二次元モー にて振動をおこなう。そしてステップS86で 、このような冷水滴の噴射および振動を行 ことが予定されている第2振動時間が経過し かどうかのチェックが行われ、時間経過が ければステップS82に戻って、以下時間経過 検出されるまでステップS82からステップS86 繰り返して冷水滴噴射および二次元モード 動を継続する。なお、ここでもステップS82 おける冷水滴噴射の程度、ステップS84にお る二次元モード振動の程度およびステップS 80でチェックされる第2振動時間はステップS72 で設定される。

 ステップS87で第2振動時間が経過したこと が検出されるとステップS87に進み、トレイ振 動が完了した旨の信号を出力してフローを終 了する。ステップS87で出力される信号は図4 ステップS52でのチェックに必要な信号であ 。

 一方、ステップS74でトレイ振動回転部114 載せられているトレイ102がトレイ104のよう 位置検出位置から差し戻されたものである とがチェックされたときはステップS88に進 、そのトレイの個別認識によって同じトレ の差し戻しが3回目となったかどうかをチェ ックする。そして2回目以内であればステッ S82に移行してステップS82以降の処理を行う これは、差し戻しトレイであれば3齢幼虫の らばりはある程度進んでおり、ステップS82 降の処理だけで幼虫の重なり解消が期待さ るからである。

 これに対し、ステップS88で同じトレイの し戻しが3回目に達したときはステップS90に 進み、これ以上の振動処理による幼虫重なり 解消はできないと看做して対象トレイをトレ イ移送路から排除する信号を出力する。これ によってトレイ移送部112は該当トレイを正常 移送路から排除し、そのトレイの3齢幼虫70を 破棄した後、トレイ洗浄部130に移送する。

 さらに、ステップS91では、ステップS90に って出力された排除信号が連続3回に及んで いるかどうかチェックし、2回以下であれば 面問題なしとしてフローを終了する。一方 ステップS91で連続3回目の排除信号出力が検 されたときはステップS92に進み、生産を中 してフローを終了する。これは、トレイ単 の不具合でなく、トレイ振動回転部114その のの不具合であることを意味するからであ 。

 図6は、図4のステップS56によって起動さ る位置センサ部80の機能の詳細を示すフロー チャートであり、幼虫麻酔刺傷制御部132のコ ンピュータによって実行されるものである。 位置センサ部80の機能が起動されてフローが タートすると、まずステップS93で、照明部1 16のフラッシュ閃光管の発光による照明の下 、カメラ部118によりトレイ104の静止画像が 影される。次いでステップS94で、画像処理 120による撮影画像の処理を行ってステップS 96に進む。

 ステップS96では画像処理結果に基づく幼 の重なり有無がチェックされ、重なりがな ときはステップS98に進んで、前回撮影済み 記憶画像の有無をチェックする。そして記 画像があればステップS100に進み、これを今 回の撮影画像と比較する。次いでステップS10 2に進み、両画像の比較結果が互いに一致す かどうかチェックする。

 冷却初期で麻酔が効いていないときは3齢 幼虫70がトレイ104上で動くので比較結果は一 せず、ステップS104に進む。そして、今回撮 影した画像を記憶画像に上書きしてステップ S93に戻る。なお、ステップS98において記憶画 像がなかった場合は最初の撮影であることを 意味するので直接ステップS104に至る。この 合、上書きされる元画像はないが、今回撮 した画像を記憶することをステップS104では 上書」と総称する。以下、冷却麻酔が効い トレイ104上の全ての3齢幼虫70が動かなくな までステップS93からステップS104が繰り返さ れる。

 一方、麻酔が利き、ステップS102において 両画像の一致が検出されると、フローはステ ップS106に進み、画像処理部120による記憶画 の画像処理を行う。次いで、ステップS108で 、画像処理結果に基づいて各3齢幼虫70の二 元画像の重心位置を算出し、これをトレイ1 04の基準位置を元にした各3齢幼虫70の相対的 二次元の位置情報としてそれぞれ記憶する このときのトレイ104の基準位置としてはト イ104の角の画像を採用してもよいし、トレ 104に予め設けられたアラインメントマーク 画像を採用してもよい。

 次いで、ステップS110では、記憶された各 3齢幼虫70の重心位置情報を針駆動部84に送信 る。重心位置の情報はトレイ104上にある3齢 幼虫70の正確な数の情報でもあるので、ステ プS112では、この数が所定範囲外であるかど うかをチェックする。そして所定範囲外であ ればステップS114に進み、図2のステップS24と 様にして成虫循環部8に移送する幼虫餌容器 48の比率を加減する信号を出力してステップS 116に移行する。なお、ステップS112で重心数 所定範囲外でなければ直接ステップS116に移 する。ステップS114で出力される信号は、図 1の生産管理部22で利用される。

 次いで、ステップS116では幼虫停止確認お よび各幼虫位置確認信号を出力し、フローを 終了する。ステップS116で出力される信号は 図4のステップS58でのチェックに用いられる 一方、ステップS96で幼虫の重なりが検出さ たときはステップS118に進み、トレイ差戻し 信号を出力してフローを終了する。

 図7は、図4のステップS62によって起動さ る針駆動部84の機能の詳細を示すフローチャ ートであり、幼虫麻酔刺傷制御部132のコンピ ュータによって実行されるものである。針駆 動部84の機能が起動されてフローがスタート ると、まずステップS122で、移送されてきた トレイ106の基準位置の2次元アラインメント 確認し、トレイ106が針駆動部84に対して正し い位置にセットされているかどうかチェック する。これは、トレイ106の角などが針駆動部 84に設けられた基準ストッパーに正しく当た ているかどうかのチェックなどによって可 である。

 次に、ステップS124では、位置センサ部80 ら送られてきた各3齢幼虫70の重心位置に基 いて、これを順次選択していくための順序 決定する。この順序は、針86が隣接する重 位置を効率よく巡っていくよう重心位置間 相対関係を考慮して決定される。以上の後 ステップS126に至って、決定された順序に従 て最優先の重心位置を一つ新規に選択する

 ついで、ステップS128では、二次元水平駆 動部124により針上下駆動部122を選択された重 心位置の真上に針86が来るよう水平移動する そして移動が確認されるとステップS130に進 み、針上下駆動部122によって針86を1回だけ高 速で上下させる。これによって、その真下に ある3齢幼虫70の刺傷が完了する。次いで、ス テップS132では、累積の針上下駆動回数を1回 インクリメントして、ステップS134に進む。 当然ながら、最初の刺傷がおこなわれた直後 では、ステップS132の結果の累積針上下回数 「1」である。

 ステップS134では、累積の針上駆動回数が 所定回数に達しているかどうかをチェックし 、該当すればステップS136に進んで二次元水 駆動部124により針上下駆動部122を針洗浄部12 8の真上に針86が来るよう水平移動する。そし て移動が確認されるとステップS138に進み、 上下駆動部122によって針86を洗浄モードにて 10回上下させる。洗浄モードにおける針86の 下動は洗浄を効果的にするため、刺傷の際 上下動とは異なる。また、洗浄モードでは 必要に応じ、二次元水平駆動部124による微 の水平動を加えてもよい。次いで、ステッ S140では、累積の針上下駆動回数のカウント リセットしてゼロにし、ステップS142に移行 する。なお、ステップS134において累積の針 駆動回数が所定回数に達していることが検 されない場合は直接ステップS142に移行する 以上のようにして、所定回の刺傷実行毎に 洗浄部128における針86の洗浄が行われる。

 ステップS142では、刺傷が行われていない 未処理の重心位置の有無をチェックし、未処 理のものがあればステップS126に戻って次の 心位置を一つ選択する。以下、同様にして 全ての重心位置にて針86の上下駆動が行われ るまでステップS126からステップS142が繰り返 れる。

 一方、ステップS142で未処理重心位置が検 出されなければ、ステップS144に進み、二次 水平駆動部124により針上下駆動部122を針洗 部128の真上に針86が来るよう水平移動する。 そして移動が確認されるとステップS146に進 、針上下駆動部122によって針86を洗浄モード にて20回上下させる。ステップS138での洗浄モ ードでの針86の上下動は刺傷処理中であるの 、その速やかな完了を優先するため洗浄を 低限の回数に留めているが、ステップS146で は、すべての刺傷処理が終わっているので確 実な洗浄を優先する。次いで、ステップS148 は、累積の針上下駆動回数のカウントをリ ットし、新たなトレイでの刺傷処理に備え 累積回数をゼロとする。次いでステップS150 進み、トレイ106内の全ての3齢幼虫70の刺傷 完了した旨の信号を出力する。この信号は 4のステップS64におけるチェックで活用され る。

 以上の第1実施例では、抗菌ペプチドの産 生を幼虫の刺傷によって行っているが、本発 明の特徴の一部はこれに限定されるものでは なく、他の方法により幼虫に抗菌ペプチドを 産生させる実施においても活用可能である。 例えば、本発明における抗菌ペプチド配合飼 料は、遺伝子組み換えなどにより抗菌ペプチ ドを大量に発現するよう形質転換したセンチ ニクバエより得た抗菌ペプチドによっても生 産することができる。さらに、抗菌ペプチド の飼料への配合は、大量生産とコストを優先 して第1実施例のように幼虫全体を粉砕する とも可能であるが、純度を優先する場合に 幼虫体液のみを抽出してこれを飼料に加え ことによってもよい。また、既に述べたよ に抗菌ペプチドは加熱によっても変性しな ので、幼虫の乾燥は第1実施例のような凍結 燥に代えて、加熱による乾燥を採用しても い。

 また、上記の第1実施例における生産管理 に関する諸特徴についても、抗菌ペプチドの 産生を幼虫の刺傷によって行うものに限らず 、上記のように遺伝子組み換えなどにより抗 菌ペプチドを大量に発現するよう形質転換し たセンチニクバエに基づくものにも適用する ことが可能なものである。

 図8は、本発明の実施の形態に係るセンチ ニクバエを利用した飼料生産システムの第2 施例を示すブロック図である。その構成は 1の第1実施例と同様の部分が多いので興注す る部分には同一の番号を付し、必要がない限 り説明を省略する。なお、各部に付した(1)乃 至(9)の数字は、第1実施例と同様、各部によ 工程の実施順序を示す。

 第2実施例では、産仔箱46の中に産仔専用 箱202が設けられており、その表面の色の観 により所定数の仔が産み付けられたかどう を知る。この目的のため、産仔箱46には産 専用餌箱202の表面観察用のカメラまたはセ サが設けられており、その情報に基づいて 産管理部22は産仔専用餌箱202の表面の画像分 析または色分析を行って仔の数が充分かどう かの判定を行う。

 充分な数の仔が産み付けられたことが確 できた産仔専用餌箱202は生産管理部22の制 で自動的に産仔箱46から取り出される。そし て攪拌により産仔専用餌箱202内の組成を均一 化した後、幼虫餌容器48に小分けされて幼虫 育部4に自動的に移送される。この結果、同 一の産仔専用餌箱202から小分けされて幼虫飼 育部4に移送された各幼虫餌容器48内の幼虫数 は均一となる。

 幼虫飼育部4に移送された各幼虫餌容器48 飼育器管理部204によって幼虫飼育部4移送後 の時間経過が管理される。なお、図8には同 の大きさの幼虫206が代表として図示されて るが、実際には移送後の経過時間によって 1齢幼虫62が入った幼虫餌容器48、2齢幼虫66が 入った幼虫餌容器48および3齢幼虫70が入った 虫餌容器48が混在し、それぞれ。飼育器管 部204によって移送後の経過時間が管理され いる。飼育器管理部204はさらに不図示の幼 這い登りセンサを備えており、3齢幼虫70が った幼虫餌容器48からの幼虫の這い登り開始 を検出することによりその幼虫餌容器48内の3 齢幼虫70が完全に成熟したことを確認する。

 なお、這い出した幼虫が幼虫飼育部4に直 接零れるのを防止すること、および幼虫の這 い出し開始を確実に検出することを目的とし 、幼虫餌容器48をそれぞれ不図示の脱出防止 内に収めた二重構造として幼虫飼育部4内に 配置し、幼虫餌容器48から這い出した幼虫が の脱出防止籠に零れ始めるのを検出するこ により3齢幼虫70が完全に成熟したことを確 するようにしてもよい。

 幼虫分離部6は、図1と比べて図示の配置 異なるが、その構成は第1実施例のものと同 である。但し、吸気部50と排気部52は、幼虫 飼育部4と幼虫分離部6で共通となっている。 虫清浄化部208は第1実施例において既に説明 したものを図示したものであり、回収籠74を 分保持箱210内に収容し、水分を維持しなが 24時間幼虫を待機させて体内の残留餌を消 させる。既に述べたように、幼虫清浄化の 子は幼虫を外から観察することによっても 認できるので、幼虫清浄化部208には幼虫の 像または色を検出するセンサが設けられ、 浄化を自動的に確認する。また、残留餌の 化が確認された幼虫は回収籠74ごと洗浄され 、排泄物等が幼虫の体表面から除去される。 これによって幼虫が清浄化され、幼虫のまま 飼料に混合しても資料が汚染されない。なお 、第2実施例では、回収籠74の全ての幼虫が幼 虫清浄化部208に移送されるのではなく、その 一部が、成虫循環部212への配分比率に従って 成虫循環部212に移送される。

 第2実施例は、第1実施例のように幼虫餌 器48単位で配分比率に従う配分を行うのでは なく、上記のように一つの幼虫餌容器48内か 分離した幼虫を所定の配分比率に従って幼 単位で幼虫清浄化部208と成虫循環部212に配 する。成虫循環部212に配分された3齢幼虫70 羽化箱214内で待機し、乾燥することで蛹76 なる。羽化箱214にはすでにレバーなど悪臭 原因になる物質はないので成虫循環部212に 吸気部や排気部は設けられていない。なお 図8には、第1実施例で説明した誘引光源216が 図示されている。

 なお、抗菌ペプチド産生部12における待 中に3齢幼虫70体内の残留餌の消化が充分期 される場合には、幼虫清浄化部208における 機を省略または簡略化することも可能であ 。少なくとも抗菌ペプチド産生完了時点ま に幼虫体内の残留餌が消化され、幼虫凍結 燥部14への移送直前に再度幼虫体表面の洗浄 を行えば、幼虫体内の残留餌や幼虫からの排 泄物による飼料90の汚染が防止されるからで る。但し、幼虫清浄化部208における待機の 略または待機のための構成の簡略化並びに 機時間の短縮は、幼虫体内の残留餌が幼虫 酔刺傷部10での幼虫刺傷または抗菌ペプチ 産生部12における抗菌ペプチド産生に悪影響 を与えないことを条件とする。

 図9は、本発明の実施の形態に係るセンチ ニクバエを利用した飼料生産システムの第3 施例を示すブロック図である。その構成は 1の第1実施例と同様の部分が多いので共通す る部分には同一の番号を付し、必要がない限 り説明を省略する。なお、各部に付した(1)乃 至(9)の数字は、第1実施例と同様、各部によ 工程の実施順序を示す。

 図9の第3実施例は、図1の第1実施例におけ る成虫飼育部2、幼虫飼育部4、成虫循環部8、 抗菌ペプチド産生部12、成虫凍結乾燥部14、 虫粉砕部16、産生検査部18および飼料混合部2 0と同様の構成を持っている。なお、図9では 虫循環部8の図示を省略している。図9の第3 施例が他の実施例と異なるところは、幼虫 分離から刺傷に関する部分である。

 まず、3齢幼虫70の分離に関しては、第1実 施例および第2実施例ではグリセロール槽72を 用いていたところ、図9の第3実施例では、3齢 幼虫70自身が幼虫餌容器48を這い登って脱出 ることを利用している。これによって、3齢 虫70の分離および3齢幼虫70が完全に成熟し ことの確認を同時に行っている。幼虫脱出 302はこれを実現するためのものである。

 第3実施例では、3齢まで育った幼虫70が入 った幼虫餌容器48は、3齢計量部306で軽量され た後、幼虫飼育部4から取り出され、幼虫脱 部302内の計量部308の上に置かれる。完全に 熟した3齢幼虫70は幼虫餌容器48の内壁を這い 登って上端に達するが、幼虫餌容器48の外壁 3齢幼虫70との密着性が低い表面処理がなさ ているので、外壁に移ったあと水流路310に 下する。なお、幼虫の落下を促進するため は、幼虫餌容器48の表面処理によらず、ビ カーのように容器上端を外に広がるような 状とすることによっても外壁に移動してか の幼虫の密着性を低くすることが可能であ 。このようにして3齢幼虫70は次々に幼虫餌 器48から脱出し、その結果、計量部308が示す 幼虫餌容器48の重量は、3齢計量部306で計量し た重量から軽くなっていく。そして、計量部 308が検出する重量差が所定以上に達したこと をもって、幼虫餌容器48からの3齢幼虫70の脱 完了を確認することができる。もちろん、 の重量差は、幼虫餌容器48内に元々入って た3齢幼虫70の数のばらつきにより一定する のではないが、重量差の変化率をモニター 、これが飽和状態に達することをもって、 出完了と判断することができる。なお、幼 飼育部4からの取り出し時点と幼虫脱出部302 の挿入時点で幼虫餌容器48の重量が一致し いるものと看做す場合は、3齢計量部306を省 してもよい。

 水流路310には矢印で示す向きの水流312が 給されており、水流路310に落下した3齢幼虫 70は水流312に浮きながら流されて幼虫刺傷部3 14の冷却槽316に水流312とともに落下する。水 312はほぼ4℃の冷水であって、3齢幼虫70は水 流路310に落下した時点から冷却され始め、冷 却槽316内で冷却が継続される。なお冷却槽316 の水位は水流312の流入量と冷却槽316の排水量 とのバランスにより一定に保たれている。水 流312は、上記のように3齢幼虫70の移送と冷却 の意義を有するが、これに加えて、3齢幼虫70 の洗浄の意義も有する。

 コンベア部318は3齢幼虫70との密着性が高 網のコンベアベルトの循環により、3齢幼虫 70を冷却槽316から水切りして引き上げるとと に、これを配置制御部320に移す。配置制御 320は、冷却洗浄された3齢幼虫70を一匹ずつ 離して刺傷のために配置するものである。 置制御部320により配置された3齢幼虫70は刺 移送部322により順次ステッピング移送され 針駆動部324によって高速上下動する針326に って順次刺傷される。配置制御部320、刺傷 送部322、針駆動部324の詳細は後述する。

 図10は、幼虫刺傷部314の詳細を示すブロ ク図であり、主に配置制御部320、刺傷移送 322、針駆動部324の具体的な構成を、コンベ 部318とともに示したものである。水流分散 列部402はコンベア部318から落下する3齢幼虫7 0を分散させて一列に整列させるためのもの あり、3齢幼虫70が落下する部分から徐々に くなっていく水路を持っている。但し、3齢 虫70が詰まらないよう、最も細い出口部分 も水路断面の最短径は3齢幼虫70の長さより 充分大きい。以上によって、水路の流速は3 幼虫70が落下する部分から徐々に早くなり 3齢幼虫70は水路に従って一匹ずつ一列に疎 に流れるよう分散されていく。なお、水流 散整列部402の水路は3齢幼虫70を互いに分離 せてその分散を促進するため、途中で適宜 曲されている。

 以上のような水流分散整列部402を経て、3 齢幼虫70は一匹ずつ滴下タイミング制御部404 落とされる。滴下タイミング制御部404は、3 齢幼虫70を水切りするとともにこれを所定の イミングで滴下口406から一匹ずつ滴下させ ものであり、その動作の詳細は後述する。 下口406の下にはメッシュ状の幼虫載置部を つメッシュトレイ408が設置されており、配 時ステッピング駆動部410によって、メッシ が順次滴下口406の真下に来るよう、メッシ ひとつ分ずつ順次ステッピング駆動されて く。このような動作は、配置時ステッピン 駆動部410に正しくメッシュトレイ408が設置 れたときの滴下口406の中心とメッシュトレ 408の各メッシュの中心との位置関係が既知 あることによって可能である。即ち、この 置関係の情報に基づいて配置時ステッピン 駆動部410がメッシュトレイ408をステッピン 駆動していくと、各メッシュの中心が順次 下口406の下に移動していく。

 滴下センサ411は光源412とともに光カプラ 構成しており、その間を横切って滴下口106 らメッシュトレイ408に落下する3齢幼虫70を 知する。配置時ステッピング駆動部410は滴 センサ411による3齢幼虫70の落下検知により ッシュトレイ408をステッピング駆動する。 ッシュトレイ408の各メッシュは緩やかな凹 を形成している。この凹部の表面は3齢幼虫 70との密着性が低い表面処理が行われている で、その上に落下した3齢幼虫70は自然にメ シュの中心に位置するようになるとともに 麻酔により完全に停止状態になくても、メ シュ中心から移動することはない。

 なお、後述するように、配置時ステッピ グ駆動部410は所定時間経過すると3齢幼虫70 落下検知がなくても、メッシュトレイ408を テッピング駆動する。これは、次の3齢幼虫 70の落下を待ってメッシュトレイ408が長時間 置時ステッピング駆動部410の上に留まるこ により滴下済みの3齢幼虫70が活発化してメ シュから這い出す等の事態を避け、一つの ッシュトレイ408への3齢幼虫70の配置を速や に終了させるためである。このように構成 る結果、図示のようにメッシュトレイ408に 3齢幼虫70が乗っていないメッシュも存在す ことになる。なお、このような空のメッシ の位置は記録される。以上の構成が配置制 部320の詳細に該当する。

 配置時ステッピング駆動部410によって最 のメッシュまで駆動されたメッシュトレイ4 08はメッシュトレイ移送部414によって針駆動 324の下のメッシュトレイ416の位置に移送さ る。なお、メッシュトレイ移送部414は、図3 のトレイ移送部112と同様のものであって、メ ッシュトレイ408をさらに抗菌ペプチド産生部 12に移送して刺傷後の3齢幼虫70を常温維持& ;水分維持容器87に移す。メッシュトレイ移送 部414は、さらにメッシュトレイ408を図3のト イ洗浄部130と同様の洗浄部に移送して洗浄 せた後、滴下口406の下の位置に循環させる 図10では、これら常温維持&水分維持容器8 7への3齢幼虫移動やメッシュトレイ洗浄の図 を省略している。

 針駆動部324の構成は、図3よりも簡単なも のであり、通常の幼虫刺傷の際には針326は水 平移動せず、針上下駆動部418によって上下動 されるだけである。但し、針洗浄の際には、 針洗浄用水平駆動部420が針上下駆動部を図3 針洗浄部128と同様の針洗浄部(不図示)の上に 水平移動させる。針駆動制御部422はこれらの 針駆動を制御する。

 第3実施例では、針326を水平移動させず、 これに換えて、刺傷時ステッピング駆動部424 によりメッシュトレイ416の方をメッシュひと つ分ずつ順次ステッピング駆動することによ り、針326と3齢幼虫70との相対位置を変更して いく。これは、刺傷時ステッピング駆動部424 に正しくメッシュトレイ416が設置されたとき の針326とメッシュトレイ416上の各メッシュの 中心との位置関係が既知であることにより可 能である。つまり、この位置関係の情報に基 づいて刺傷時ステッピング駆動部424がメッシ ュトレイ416をステッピング駆動していくと、 各メッシュに載置された3齢幼虫70が順次針326 の下に移動していく。なお、上記のように3 幼虫70が乗っていない空のメッシュの位置情 報は配置時に予め記録されているので、この ようなメッシュ上では針326は上下動せず、速 やかに次のメッシュへの駆動が行われる。以 上のようなメッシュトレイ416駆動の構成が刺 傷移送部322の詳細に該当する。幼虫刺傷制御 部426は、これまで説明してきた配置制御部320 および刺傷移送部322を中心とする幼虫刺傷部 314の機能全体を制御する。

 図11は、図10の幼虫刺傷制御部426の機能を 示すフローチャートであり、主に配置制御部 320の制御に関するものである。フローは水流 312の冷却槽316への流入開始によりスタートし 、まずステップS162において、配置制御部320 水流分散整列部402が動作中であるかどうか ェックする。動作中であればステップS164に み、配置時ステッピング駆動部410にメッシ トレイ408が設置中であるかどうかチェック る。そして設置中でなければステップS166に 進み、メッシュトレイ移送部414に指示して新 規のメッシュトレイ408を配置時ステッピング 駆動部410に設置させ、ステップS168に移行す 。一方、メッシュトレイ408が既に設置中で ればステップS164から直接ステップS168に移行 する。

 ステップS168では、滴下タイミング制御部 404が水流分散整列部402から3齢幼虫70を受領し たかどうかをチェックする。該当すればステ ップS170に進み、受領した3齢幼虫70の重量が 匹分の重量として想定されている範囲内か うかをチェックする。そして範囲内であれ ステップS172に進み、前回の3齢幼虫受領から 所定時間(例えば、2秒)内の受領であるかどう かチェックする。所定時間内の受領ではなく 、充分間隔を開けてからの受領であればステ ップS174に進み、受領した3齢幼虫70が滴下口40 6に向かって通過するのを許可してステップS1 76に移行する。

 一方、ステップS170で重量が所定範囲外で あることが検知されたときは、ステップS178 進み受領した3齢幼虫70を滴下タイミング制 部404の外に排除して破棄し、ステップS176に 行する。重量が所定以下であれば破断して るなど正常な幼虫でないことを意味し抗菌 プチド産生が期待できないからである。逆 、重量が所定以上であれば二匹以上が重な て受領されたことを意味し、一つのメッシ に一匹の幼虫を配置することができなくな からである。

 また、ステップS172で、前回受領から所定 時間内に連続して3齢幼虫70が受領されたこと が検知されたときもステップS178に進み、受 した3齢幼虫70を滴下タイミング制御部404の に排除して破棄し、ステップS176に移行する これは、滴下タイミング制御部404が短い間 で連続して3齢幼虫70を受領した場合、3齢幼 虫70を一匹ずつ滴下口406から滴下するタイミ グと配置時ステッピング駆動部410がメッシ トレイ408をステッピング駆動するタイミン とが整合せず、一つのメッシュに一匹の幼 を正しく配置することができない可能性が るからである。

 さらに、ステップS168で水流分散整列部402 による幼虫受領が検出されないときはステッ プS180に進み、3齢幼虫70を受領しない状態が 定時間(例えば15秒)続いているかチェックす 。そして該当しなければ正常な受領待ち状 なので、ステップS176に移行する。

 ステップS176では、3齢幼虫70が滴下口406か らメッシュトレイ408に滴下したことが滴下セ ンサ411で検知されたかどうかをチェックする 。そして検知がなければステップS182に進み 前回メッシュトレイ408を駆動してから所定 間(例えば5秒)が経過したかどうかチェック る。ここで、「前回駆動」とは新規メッシ トレイ408の設置駆動及び設置中のメッシュ レイ408のステッピング駆動の両者を含む。 テップS182で所定時間の経過が検知されると テップS184に進み、その時点で滴下口406の下 にあるメッシュを「空送りメッシュ」として その位置を記録し、ステップS186に進んでメ シュトレイ408のステッピング駆動を指示す 。この場合はメッシュに3齢幼虫70が乗せら ないままの「空送り」となる。

 これに対し、ステップS176で、3齢幼虫70が 滴下口406からメッシュトレイ408に滴下したこ とが検知されると、直接ステップS186に進み メッシュトレイ408のステッピング駆動を指 する。この場合はメッシュに3齢幼虫70が乗 られた状態の正常はステッピング駆動とな 。

 次いで、ステップS188で、ステッピング駆 動したメッシュが最終メッシュであったかど うかがチェックされる。そして該当しなけれ ばステップS168に戻り、水流分散整列部402よ の幼虫の受領を待つ。なお、ステップS182で 回駆動からの所定時間経過が検出されなか たときもステップS168に戻る。以下、ステッ プS188で最終メッシュ検出が行われるか、ま はステップS180で所定時間受領なしが検出さ るかしない限り、ステップS168からステップ S188が繰り返され、メッシュトレイ408への3齢 虫70の配置が進められていく。

 一方、ステップS188で最終メッシュが検出 されるとステップS190に進み、メッシュトレ 移送部414に対し、メッシュトレイ408をメッ ュトレイ416の位置に移送するよう指示する その後フローはステップS162に戻る。以下、 テップS162で水流分散整列部402が動作中であ ることが検出されなくなるかまたはステップ S180で所定時間受領なしが検知されない限り ステップS162からステップS190が繰り返され、 新規メッシュトレイ408の設置とそのメッシュ トレイ408の3齢幼虫70の配置が繰り返される。

 なお、ステップS162で水流分散整列部402が 動作中であることが検出されなくなった場合 、図11のフローは直ちに終了となる。また、 テップS180で所定時間受領なしが検知された 場合はステップS192に進み、水流分散整列部40 2以前の段階で何らかの異常が発生している とを通報してフローを終了する。

 図12も、図10の幼虫刺傷制御部426の機能を 示すフローチャートであるが、主に刺傷移送 部322の制御に関するものである。フローは配 置制御部320の動作開始によりスタートし、ま ずステップS202において、3齢幼虫70が配置さ た新規メッシュトレイ416がメッシュトレイ 送部414によって移送され、刺傷時ステッピ グ駆動部424の所定位置に到着したかどうか チェックされる。到着があれば、ステップS2 04に進み、刺傷時ステッピング駆動部424がメ シュトレイ416の最初のメッシュの中心が針3 26の真下に来るよう初期メッシュ位置の設定 行う。なお、メッシュトレイ416が到着した 点で最初のメッシュの中心が針326の真下に るよう刺傷時ステッピング駆動部424が設計 れている場合、ステップS204をその確認ステ ップとするか、またはステップS204自体を省 してもよい。

 次いでステップS206に進み、現在針326の真 下にあるメッシュが「空送りメッシュ」であ るかどうかチェックする。該当しなければ、 ステップS208に進み、針上下駆動部418によっ 針326を1回だけ高速で上下させる。これによ て、その真下のメッシュ上にある3齢幼虫70 刺傷が完了するとステップS210に進み、メッ シュトレイ416のステッピング駆動を指示する 。一方、ステップS206で「空送りメッシュ」 あることが検出されたときは、直接ステッ S210に進み、直ちにメッシュトレイ416のステ ピング駆動を指示する。この場合は針326の 下動をおこなわない「空送り」となる。

 続くステップS212では、ステップS210の指 でステッピング駆動したメッシュが最終メ シュであったかどうかがチェックされる。 して、該当しなければステップS206に戻り、 のメッシュが「空送りメッシュ」であるか うかチェックする。以下、ステップS212で最 終メッシュ検出が行われない限り、ステップ S206からステップS212が繰り返されて、順次メ シュトレイ416上の3齢幼虫70の刺傷が進めら ていく。

 一方、ステップS212で 最終メッシュが検 されるとステップS214に進み、針洗浄用水平 駆動部420により針上下駆動部418を針洗浄部( 10では不図示)の真上に針326が来るよう水平 動する。そして移動が確認されるとステッ S216に進み、針上下駆動部418によって針326を 浄モードにて20回上下させる。次いでステ プS218に進み、メッシュトレイ移送部414に対 、メッシュトレイ416を刺傷済み3齢幼虫排出 位置に移送する。この位置では、図3のトレ 位置108と同様にして、メッシュトレイ416が けられ、刺傷済み3齢幼虫が常温維持および 分維持容器87に移される。

 その後フローはステップS202に戻る。なお 、ステップS202で新規メッシュトレイ416の到 が検出されない場合はステップS220に進み、 規メッシュトレイ416の新着がない状態で所 時間(例えば5分)が経過したかどうかチェッ される。そして所定時間経過が無ければス ップS202に戻り到着を待つ。以下、ステップ S220で所定時間経過が検出されない限り、ス ップS202からステップS220が繰り返され、メッ シュトレイ416の新着待ちおよび新着したメッ シュトレイ416上の3齢幼虫70の刺傷が繰り返さ れる。

 なお、ステップS220で新規メッシュトレイ 416の新着がない状態で所定時間が経過したこ とが検出されるとステップS222に進み、配置 御部320以前の段階で何らかの異常が発生し いることを通報してフローを終了する。

 本発明は、上記実施例に限ることなく、 々のバリエーションにて実施可能である。 とえば、第3実施例において、冷却槽316を省 略し、水流312を直接図10の水流分散整列部402 直結することも可能である。これにより、3 齢幼虫70の搬送、洗浄、冷却および分散を総 して行うことも可能である。この場合、水 よる幼虫の窒息を防ぐために、全工程の所 時間を所定内(例えば5、6分以内)に収めるこ とが望ましい。また、以上の各実施例は、そ れぞれ隔絶したものではなく、互いに乗り入 れが可能であり、適宜各部の組合せを変更し て実施可能である。例えば、第1実施例と第3 施例の間で相互乗り入れを行い、図9のコン ベア部318から図3のトレイ102に3齢幼虫70を落 して載置し、以下、図3の構成により麻酔刺 するよう構成してもよい。また、図3の回収 籠74から図10の水流分散整列部402に3齢幼虫70 落とし、以下、図10の構成により配置および 刺傷するよう構成してもよい。

 以下では、以上開示された種々の技術的 徴についてまとめて述べる。

 まず、本明細書中に開示された第1の技術 的特徴は、畜産業、水産業等において用いら れる飼料およびこのような飼料の製造方法な らび製造装置に関する。

 畜産業、水産業等において用いられる飼 には、成長促進のために抗生物質を添加す ことが一般的であったが、近年その残留が 題となっている。一方、抗生物質に代わる 菌作用のある物質として、抗菌活性のある んぱく質やペプチドが注目されており、こ を飼料に配合することも提案されている。

 しかしながら、抗菌活性のあるたんぱく やペプチドを配合した飼料の具体的な製造 法や製造装置等についてはまだ充分な検討 なされているとはいえない。

 本明細書中に開示された第1の技術的特徴 は、上記に鑑み、抗菌活性のあるたんぱく質 やペプチドを配合した飼料の具体的な構成お よびその製造方法と製造方法、ならびに抗菌 活性のあるペプチドを産生させるためのハエ の幼虫刺傷装置を提供するものである。

 具体的に述べると、本明細書中には、上 第1の技術的特徴の一例として、抗菌活性を 有する昆虫の幼虫の少なくとも一部を配合し た飼料を提供する旨が記載されている。これ によって、抗菌活性を有する飼料を工業的に 生産することが可能となる。また、本明細書 中に記載されている具体的な特徴によれば、 最適の昆虫はセンチニクバエである。この特 徴によれば、幼虫餌のコスト、短い世代交代 期間、および抗菌活性物質産生効率など飼料 の大量生産に向けた利点が大きい。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、体内に残留餌成分のない ンチニクバエの幼虫の少なくとも一部が飼 に配合される。これによって飼料を汚染す ことなくセンチニクバエの幼虫の一部を飼 に配合することができる。また、本明細書 に記載されている詳細な特徴によれば、刺 した後、水分を維持しながら餌から隔離し 待機させたセンチニクバエの幼虫の少なく も一部が飼料に配合される。さらに、本明 書中に記載されている他の詳細な特徴によ ば、水分を維持しながら餌から隔離して待 させた後刺傷したセンチニクバエの幼虫の なくとも一部が飼料に配合される。これら 特徴における餌から隔離しての待機は、幼 体内の餌が充分消化されるのを待ち、幼虫 内に残留する餌が飼料を汚染するのを防止 るための具体策である。また水分の維持は 幼虫が蛹化して過度の固形物が資料に混入 るのを防止する意味があり、センチニクバ の幼虫の少なくとも一部を飼料に配合する めの具体策のひとつである。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、昆虫の幼虫全体が飼料に 合される。これによって、幼虫から抗菌活 を有する物質を抽出する工程が不要となり 抗菌活性を有する飼料の工業的な生産が可 となる。本明細書中に記載されているさら 具体的な特徴によれば、昆虫の幼虫は粉砕 て飼料に配合される。また、この特徴に付 して、飼料は昆虫の幼虫の体表面にあるク クラ層を含有することとなる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、抗菌活性を有する昆虫の幼虫 得る第一ステップと、この幼虫を乾燥する 二ステップと、第二ステップを経た前記幼 の少なくとも一部を飼料に混合する第三ス ップを有する飼料の製造方法が提供される これによって抗菌活性を有する飼料の工業 な生産が可能となる。また、本明細書中に 載されている具体的な特徴によれば、第二 テップを経て乾燥した幼虫を粉砕するステ プを有し、このステップにより粉砕した幼 を前記第三ステップに供給する。このよう 乾燥および粉砕の工程により、抗菌活性を する飼料の工業的な生産が可能となる。

 また、本明細書中に記載されている他の 体的な特徴によれば、第一ステップは、昆 の幼虫を分離するステップと、分離した幼 を刺傷するステップと、刺傷した幼虫が抗 活性を発現するのを待機するステップを含 。これによって抗菌活性を有する昆虫の幼 を工業的得ることが可能となる。また、本 細書中に記載されているさらに具体的な特 によれば、第一ステップは、さらに、幼虫 刺傷する際にこれを冷却麻酔するステップ 含む。これによって抗菌活性を有する昆虫 幼虫を工業的に得ることが可能となる。

 また、本明細書中に記載されている他の 体的な特徴によれば、第一ステップは、さ に、幼虫を刺傷するためにこれを配列する テップと、配列した幼虫の各位置を検出す ステップと、検出した各位置に刺傷針を順 位置決めするステップを有する。これによ て効率的な幼虫の刺傷が可能となり、抗菌 性を有する昆虫の幼虫を工業的に得ること 容易となる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、抗菌活性を有する昆虫の幼虫 乾燥する乾燥部と、乾燥した幼虫を粉砕し 粉砕粉を得る粉砕部と、粉砕粉の一部を抜 取って抗菌ペプチドの産生を確認する検査 と、前記検査部により抗菌ペプチドの産生 確認された粉砕粉を飼料に混合する混合部 を有する飼料の製造装置が提供される。こ によって、安定した品質の抗菌活性を有す 飼料の生産が可能となる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、成虫飼育部と、成虫より得た 虫を飼育する幼虫飼育部と、幼虫飼育部か 得た幼虫の一部を抗菌活性発現用および成 羽化用に配分する配分部と、幼虫飼育部か 得られる幼虫の情報に基づいて配分部によ 配分を制御する制御部と、抗菌活性発現用 幼虫に由来する抗菌ペプチドを飼料に混合 る混合部とを有する飼料の製造装置が提供 れる。これにより、成虫が安定して循環し 工業的な飼料の生産が可能となる。また、 明細書中に記載されている具体的な特徴に れば、制御部は抗菌活性発現用に配分した 虫の単位時間あたりの数に基づいて配分率 制御を行う。

 また、本明細書に記載されている他の特 によれば、昆虫の幼虫を冷却する冷却部と 冷却部により冷却された幼虫を撮影する撮 部と、所定時間間隔で撮影された幼虫の画 に変化がないことを検出することにより昆 の幼虫の冷却麻酔を確認する制御部と、冷 麻酔された幼虫を抗菌活性発現のため刺傷 る刺傷部とを有する幼虫刺傷装置が提供さ る。これによって、幼虫を刺傷する際の麻 の確認が可能となり、幼虫の刺傷による抗 活性の発現を工業的に行うことができる。

 また、本明細書に記載されている他の特 によれば、昆虫の幼虫を冷却する冷却部と 冷却部により冷却された幼虫を撮影する撮 部と、冷却部により冷却麻酔された幼虫を 菌活性発現のため刺傷する刺傷針と、撮影 の画像に基づいて針を幼虫の位置に順次異 させる制御部とを有する幼虫刺傷装置が提 される。これによって、幼虫の刺傷による 菌活性の発現を工業的に行うことができる

 また、本明細書に記載されている他の特 によれば、昆虫の幼虫を冷却する冷却部と 幼虫が前記冷却部上に散らばるようにする 虫配列部と、冷却部に冷却麻酔されて散ら った幼虫を抗菌活性発現のため刺傷する刺 針とを有する幼虫刺傷装置が提供される。 た、本明細書中に記載されている具体的な 徴によれば、幼虫配列部は幼虫を振動させ 振動部を有し、積み重なっている幼虫を冷 部上に散らばらせる。また、本明細書中に 載されている他の具体的な特徴によれば、 虫配列部は幼虫を分離するための加水部を し、水分の供給および加水の機械的作用に りくっついている幼虫同士を分離させる。 た、本明細書中に記載されているさらに他 具体的な特徴によれば、幼虫配列部は幼虫 散らばらせるために遠心力を付加し、冷却 の中央に集まっている幼虫を周辺部に向け ちらばるようにする。以上のような幼虫の 列によって、抗菌活性発現のための幼虫の 傷を工業的に行うことができる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、昆虫の幼虫を抗菌活性発現の め刺傷する刺傷針と、刺傷針の位置に幼虫 移送する移送部と、移送部を洗浄する洗浄 とを有する幼虫刺傷装置が提供される。こ によって移送部への幼虫組織等の付着を防 し、大量生産のための移送工程を円滑に運 することができる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、昆虫の幼虫を抗菌活性発現の め刺傷する刺傷針と、刺傷針を洗浄する洗 部とを有する幼虫刺傷装置が提供される。 れによって針への幼虫組織等の付着を防止 、大量生産のための刺傷工程を円滑に運用 ることができる。また、本明細書中に記載 れている具体的な特徴によれば、洗浄部は 定回数の刺傷毎に前記刺傷針を洗浄する。 れによって、大量生産のための連続工程を 滑に運用することができる。また、本明細 中に記載されている他の具体的な特徴によ ば、洗浄部は幼虫刺傷処理の完了により刺 針を洗浄する。これによって次のロット悪 響を残さずに大量生産のための刺傷工程を 用できる。

 次に、本明細書中に開示された第2の技術 的特徴は、昆虫から有益物質を得るための方 法に関する。

 近年抗生物質に代わる抗菌作用のある物 として、抗菌活性のあるたんぱく質やペプ ドが注目されており、これを昆虫により産 させることが提案されている。

 しかしながら、これを工業的に行うため 検討はまだ充分とは言えない。

 本明細書中に開示された第2の技術的特徴 は、上記に鑑み、昆虫に有益な物質を工業的 に産生させるための昆虫の幼虫の分離方法、 搬送方法、配置方法ならびに幼虫の刺傷方法 を提供するものである。

 具体的に述べると、本明細書中には、上 第2の技術的特徴の一例として、ハエの幼虫 を餌容器内で飼育する第一ステップと、蛹化 を求めて容器外に這い出す幼虫を回収する第 二ステップを有し、これによって成熟した幼 虫を分離することを特徴とする幼虫の分離方 法を提供する旨が記載されている。この構成 は、餌容器内の餌からの幼虫の分離を幼虫自 身の習性によって行うとともに、分離された 幼虫が成熟していることの確認をも兼ねたも のであり、例えばこのようにして分離した幼 虫を刺傷することによって抗菌ペプチドを産 生させる場合などに極めて有用なものである 。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、餌容器における幼虫の這 登り部分よりも這い出し部分における幼虫 の密着性を低くする。これによって、自身 習性で幼虫が容器を這い登るとともに這い した幼虫が容器外に落下するのを促進する とができる。また、本明細書中に記載され いる他の具体的な特徴によれば、第二ステ プは容器から這い出た幼虫を水流により回 するステップを含む。これによって容器外 落下した幼虫を効率よく回収することがで る。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、昆虫の幼虫を得る第一ステッ と、得た幼虫を水流に移す第二ステップを し、水流により幼虫の搬送および洗浄を行 ことを特徴とする幼虫の搬送方法が提供さ る。幼虫の処理のためには、例えばこれを 傷のために搬送することが必要であるとと に、例えば幼虫全体をそのまま粉砕して飼 に混合する場合など、その後の活用のため 幼虫を洗浄する必要がある。水流による搬 はこのために極めて有用なものである。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、第二ステップの水流を冷 流とし、この冷水流により幼虫の搬送、洗 および麻酔を行う。例えば、搬送した幼虫 抗菌ペプチドを産生させるためにこれを刺 する場合、刺傷を容易にするために冷却麻 することが有力であるが、冷水による搬送 麻酔の効用も兼ねたものとなる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、昆虫の幼虫を得る第一ステッ と、得た幼虫を水流に移す第二ステップと 水流により分散した幼虫を配置する第三ス ップを有することを特徴とする幼虫の配置 法が提供される。例えば、搬送した幼虫に 菌ペプチドを産生させるためにこれを刺傷 る場合、刺傷を容易にするために幼虫を分 配置する必要があるが、水流によりこれを 率的に行うことができる。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、第二ステップの水流の流 断面積を水流方向に細くしていくことによ 流速を高め、これによって水流中の幼虫を 流方向に分散させる。これによって幼虫の 離およびその分散間隔が長くなり、第三ス ップにおける配置が容易になる。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、昆虫の幼虫を得る第一ステッ と、得た幼虫を分散させる第二ステップと 分散させた幼虫を順次所定の位置に配置し いく第三ステップとを有することを特徴と る幼虫の配置方法が提供される。このよう まず幼虫を分散させこれを順次配置してい ことで、例えば、搬送した幼虫に抗菌ペプ ドを産生させるためにこれを刺傷する場合 刺傷が容易になる。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、第三ステップにおいて所 時間内に所定位置に幼虫を配置できないと は、その位置に幼虫を配置しないまま次の 置への配置に移行する。これは、幼虫を順 配置していく際において、例えば次の幼虫 供給されない等で配置が滞るときには、そ 位置に幼虫を配置しないまま次の位置への 置に移行することを意味する。このような 置促進策によって、配置が遅延しているう に例えば既に配置済みの幼虫の麻酔が切れ 所定の位置から動き出す等の不都合を避け ことができる。

 また、本明細書中に記載されているさら 具体的な特徴によれば、第三ステップにお て幼虫を配置しなかった位置を記録する。 れによって、例えば幼虫が配置されてない 置において無駄に刺傷のための針などを動 すのを避けることができる。

 また、本明細書中に記載されている他の 体的な特徴によれば、第三ステップにおい 自身が規格外である幼虫を配置せず排除す 。このような規格として好適なものは幼虫 重量である。例えば幼虫が軽すぎるときは 破断していて使えない場合があるし、重量 重過ぎるときは2匹以上がくっついていて一 匹ずつ分離して配置するのが困難となるから である。

 また、本明細書中に記載されているさら 他の具体的な特徴によれば、第三ステップ おいて分散度合いが規格外である幼虫を配 せず排除する。これは、幼虫が間隔をおか に連続して供給された場合など、これらを 々に配置する上でのタイミングをとるのが 難となることが考えられるからである。

 また、本明細書中に記載されている他の 徴によれば、昆虫の幼虫を得る第一ステッ と、得た幼虫を所定位置に配置する第二ス ップと、前記所定位置への幼虫の配置情報 基づきこれを刺傷する第三ステップとを有 、刺傷により幼虫に抗菌ペプチドを産生さ ることを特徴とする幼虫の刺傷方法が提供 れる。これによって、昆虫が配置されてい 位置において効率よくこれを刺傷すること できる。

 また、本明細書中に記載されている具体 な特徴によれば、第三ステップにて幼虫の 置がない所定位置での刺傷動作を行わない これは刺傷のための針などの無駄な動きを けるためであり、例えば幼虫を配置できな った位置の記録情報に基づいて可能となる

 本発明は、抗菌活性のあるたんぱく質や プチドを配合した飼料を工業的に製造する で利用可能な技術である。

  2  成虫飼育部
  4  幼虫飼育部
  6  幼虫分離部(分配部)
  8  成虫循環部(分配部)
  10  幼虫麻酔刺傷部
  12  抗菌ペプチド産生部
  14  幼虫凍結乾燥部
  16  幼虫粉砕部
  18  産生検査部
  20  飼料混合部
  22  生産管理部(制御部)
  24、26、28  隔壁
  30  吸気部
  32  脱臭部
  34  排気部
  36  飼育籠
  38  捕虫籠
  40  センチニクバエ(成虫)
  42、44  成虫餌容器
  46  産仔箱
  48  幼虫餌容器
  50  吸気部
  52  脱臭部
  54  排気部
  56  臭気センサ
  58  容器移送部
  60  1齢管理部
  62  1齢幼虫
  64  2齢管理部
  66  2齢幼虫
  68  3齢管理部
  70  3齢幼虫(抗菌活性を有する昆虫の幼虫 )
  72  グリセロール槽
  74  回収籠
  75  計量部
  76  蛹
  78  トレイ部
  80  位置センサ部(撮影部)
  82  トレイ冷却部
  84  針駆動部(刺傷部)
  86  針(刺傷針)
  87  常温維持および水分維持容器
  88  幼虫粉末(抗菌活性を有する昆虫の幼 の一部)
  90  飼料
  102、104、106、108、110  トレイ(移送部)
  112  トレイ移送部
  114  トレイ振動回転部(幼虫配列部)
  116  照明部
  118  カメラ部
  120  画像処理部
  122  針上下駆動部
  124  二次元水平駆動部(制御部)
  126  針駆動制御部
  128  針洗浄部
  130  トレイ洗浄部
  132  幼虫麻酔刺傷制御部
  202  産仔専用餌箱
  204  飼育器管理部
  208  幼虫清浄化部(分配部)
  212  成虫循環部(分配部)
  214  羽化箱
  216  誘引光源
  302  幼虫脱出部
  306  3齢計量部
  308  計量部
  310  水流路
  312  水流
  314  幼虫刺傷部
  316  冷却槽
  318  コンベア部
  320  配置制御部
  322  刺傷移送部
  324  針駆動部
  326  針
  402  水流分散整列部
  404  滴下タイミング制御部
  406  滴下口
  408、416  メッシュトレイ
  410  配置時ステッピング駆動部
  411  滴下センサ
  412  光源
  414  メッシュトレイ移送部
  418  針上下駆動部
  420  針洗浄用水平駆動部
  422  針駆動制御部
  424  刺傷時ステッピング駆動部
  426  幼虫刺傷制御部