Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
FLUORESCENT DETECTOR, MICROCHIP AND EXAMINATION SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090760
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a fluorescent detector which has a simple constitution and yet enables highly sensitive and highly accurate measurement of fluorescent intensity serving as a label by a technique of detecting a target nucleic acid sequence with the use of fluorescent detection using a hybridization reaction between a target DNA and a fluorescent labeled probe to cause a change in the fluorescent resonance energy transfer, i.e., a technique typified by the cycling probe method; a microchip, and a fluorescent detection system comprising the same. Namely, a fluorescent detector by which a target nucleic acid sequence is detected with the use of a hybridization reaction between a target DNA and a fluorescent labeled probe to cause a change in the fluorescent resonance energy transfer, characterized in that the detector has a light source of excitation light for fluorescent light emission and a section for detecting the fluorescence emitted by the excitation and a longer wavelength side part from the maximum emission wavelength of the emission spectrum of the excitation light at least partly overlaps with the emission spectrum of the fluorescence.

Inventors:
SAWAZUMI TSUNEO (JP)
NAKAJIMA AKIHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050117
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 09, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KONICA MINOLTA MED & GRAPHIC (JP)
SAWAZUMI TSUNEO (JP)
NAKAJIMA AKIHISA (JP)
International Classes:
G01N21/78; C12M1/00; G01N21/64; G01N33/53; G01N33/566; G01N37/00; C12N15/09
Domestic Patent References:
WO2005108571A12005-11-17
Foreign References:
JP2006271350A2006-10-12
JP2004233114A2004-08-19
JP2001255328A2001-09-21
JP2005315758A2005-11-10
Other References:
HARVEY J.J. ET AL.: "Characterization and applications of CataCleave probe in real-time detection assays", ANALYTICAL BIOCHEMISTRY, vol. 333, no. 2, 15 October 2004 (2004-10-15), pages 246 - 255, XP004573012, DOI: doi:10.1016/j.ab.2004.05.037
Download PDF:
Claims:
標的DNAと蛍光標識したプローブとのハイブリダイゼーションにより蛍光共鳴エネルギー遷移現象に変化を生ずる反応を用いて標的核酸配列を検出する蛍光検出装置であって、蛍光発光をさせるための励起光の光源部と励起により発生する蛍光の検出部とを有し、該励起光の発光スペクトルの極大発光波長より長波長側部分が該蛍光の発光スペクトルと少なくとも部分的に重なることを特徴とする蛍光検出装置。
前記蛍光の発光スペクトルの極大発光波長における前記励起光の強度が、該励起光の発光スペクトルの極大発光波長の強度に対し1/2以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光検出装置。
前記蛍光を受光する受光部を有し、該受光部に入射する蛍光の光路に前記励起光と前記蛍光を分離するための光学フィルタを備えていることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の蛍光検出装置。
前記蛍光の発光スペクトルの極大発光波長において、前記光学フィルタの分光透過率が50%以上であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の蛍光検出装置。
前記励起光の発光スペクトルの極大発光波長が可視光領域内の波長であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第4項の何れか一項に記載の蛍光検出装置。
励起光源が交換可能であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項の何れか一項に記載の蛍光検出装置。
標的DNAと蛍光標識したプローブとのハイブリダイゼーションにより、蛍光共鳴エネルギー遷移現象に変化を生ずる反応を行うマイクロチップと、請求の範囲第1項乃至第6項の何れか一項に記載の蛍光検出装置とから構成されることを特徴とする検査システム。
請求の範囲第7項に記載の検査システムに用いられるマイクロチップであって、マイクロチップ内の蛍光反応部上に設けられたカバー部材を有し、前記カバー部材は、前記励起光及び前記蛍光を透過する分光透過特性を有することを特徴とするマイクロチップ。
Description:
蛍光検出装置、マイクロチップ 及び検査システム

 本発明は、蛍光検出装置、マイクロチッ 、及びそれらにより構成される検査システ に関する。

 標的の核酸配列を効率よく検出する方法 して、サイクリング・プローブ法が知られ いる。このサイクリング・プローブ法は、R NAとDNAからなるキメラプローブとRnaseHの組み わせによる高感度な検出法で、増幅中や増 後の遺伝子断片の標的配列を効率良く検出 ることができる。

 プローブはRNA部分を挟んで一方が蛍光物 で、もう一方がその蛍光物質の発する蛍光 消光する物質(クエンチャー)で標識されて る。このプローブは、インタクトな状態で クエンチングにより強い蛍光を発すること ないが、増幅産物中の相補的な配列とハイ リッドを形成した後にRnaseHによりRNA部分で 断されることにより、強い蛍光を発するよ になる。この蛍光強度を測定することで、 幅産物量をモニターすることができる。プ ーブのRNA部分がミスマッチであればRnaseHに り切断されることはないので、一塩基の違 も認識できる非常に特異性の高い検出方法 ある。

 すなわち、サイクリング・プローブ法で 、蛍光物質によりDNAプローブの標識化がな れている。当該DNAプローブは、エネルギー ドナーとして機能する蛍光物質とエネルギ アクセプターとして機能するクエンチャー が、通常状態では、対になって存在してお 、励起光が照射されても蛍光物質から発せ れた蛍光はクエンチャーにより吸収され、 光は発生しない。しかし、当該DNAプローブ 標的遺伝子とハイブリダイゼーション反応 起こした状態では、蛍光物質とクエンチャ との結合が切断され、蛍光物質の蛍光が外 に発せられるようになる。蛍光物質とクエ チャーとの結合が切断されると、当該DNAプ ーブは標的遺伝子から遊離する。そして、 リーになった標的遺伝子に通常状態のDNAプ ーブが再びハイブリダイゼーション反応に り結合する。このように、ハイブリダイゼ ション反応が繰り返されることにより、ク ンチャーの切断されたDNAプローブが増幅さ 、強い蛍光強度が得られる。

 このサイクリング・プローブ法は、標的 酸配列に対して標識化された合成核酸プロ ブを用いる。プローブの内部には、配列特 的なRNA鎖を含んでおり、標的核酸の目的配 と結合したプローブのRNA部分が、RnaseHによ 切断される。切断前のプローブは、RNAを挟 だ一端側に標識用の蛍光物質が、もう一方 蛍光物質を消光するためクエンチャーで修 されている。切断前の蛍光物質とクエンチ ーは、隣接しておりFRET(Fluorescence Resonant En ergy Transfer:蛍光共鳴エネルギー遷移現象)と ばれる共鳴による励起エネルギーの遷移が 光物質からクエンチャー物質に起こり、蛍 物質の蛍光発光が抑制される。プローブ切 後は、両物質が解離しFRETを起こさなくなる め、蛍光物質の蛍光強度が増大する。

 サイクリング・プローブ法は、この様に 製した標識プローブと反応を利用し、標的 酸配列と標識化プローブとの結合反応(ハイ ブリダイゼーション:混成化)、プローブのRNA 分の切断、切断プローブの標的からの解離 蛍光発光、を繰り返すことにより標識用蛍 物質を効率良く生成することができる。ま 、標的核酸配列の増幅反応との組合せによ 、指数関数的に蛍光発光を増幅することが きる。

 上記原理的作用機構から分かるように、 該方法は、反応時間やプローブ濃度により 蛍光発光量をある程度制御・増幅すること できるので、発光量を検出する際のS/N比を めることができ、少量の検体試料で分析可 であるという長所を有する。従って、この 長を活かす分析手法の進展が期待されてい 。

 一方、近年、微細流路が集積加工された イクロチップ上において、複数の溶液を混 して反応させ、当該反応の状態を検出して 析を行うマイクロ総合分析システム(Micro To tal Analysis System;以下において、「μTAS」とも いう。)が注目されている。

 μTASでは、試料の量が少ない、反応時間 短い、廃棄物が少ない等のメリットがある 特に、医療分野に使用した場合、検体(血液 尿、拭い液等)の量を少なくすることで患者 への負担を軽減でき、試薬の量を少なくする ことで検査のコストを下げることができる。 また、検体、試薬の量が少ないことから、反 応時間が大幅に短縮され、検査の効率化が図 れる。さらに、装置が小型であるため小さな 医療機関にも設置することができ、場所を選 ばず迅速に検査を行うことができる。

 マイクロチップ検査システムでは、マイ ロポンプ等からマイクロチップに駆動液を 給することにより、マイクロチップ内に収 されている検体及び試薬が流路に沿って送 される。これにより、検体及び試薬は、流 内で混合され反応を生じる。反応液はマイ ロチップ内の被検出部に送液され、被検出 において反応液内の標的物質の濃度等の検 が行われる。

 例えば、特許文献1には、微細流路が集積 加工されたマイクロチップを用いる標的遺伝 子の検出例が記載されている。ここで、マイ クロチップの被検出部には、標的遺伝子をト ラップする物質が予め固定化されている。

 先ず、標的遺伝子の増幅に用いる試薬と 体とを反応させて増幅産物を生成する。こ により、検体に標的遺伝子が含まれていれ 、増幅産物内に増幅された標的遺伝子が存 することになる。次に、増幅された標的遺 子を一本鎖に変性させる。これを被検出部 供給することで、被検出部に固定化されて る標的遺伝子をトラップする物質に標的遺 子をトラップさせる。

 次に、当該一本鎖の標的遺伝子にハイブ ダイズするDNAプローブを被検出部に供給し ハイブリダイゼーション反応により標的遺 子とDNAプローブとを結合させる。ここでDNA ローブは、予め蛍光標識されている。続い トラップされた標的遺伝子に結合しているD NAプローブに、結合する金コロイド液を被検 部に供給し、金コロイドをDNAプローブに結 させる。次に、結合していない金コロイド 被検出部から除去するため、被検出部に洗 液を供給する。そして、被検出部の金コロ ドの濃度を光学的に検出することにより、 的遺伝子の検出を行っている。

 また、特許文献2には、マイクロチップ内 の標的遺伝子の検出において、蛍光標識され た標的遺伝子とDNAプローブとがハイブリダイ ズした処理液に励起光を照射し、処理液から 発せられる蛍光の蛍光強度を検出することが 記載されている。

 また、特許文献3には、標的遺伝子の検出 を高感度に行うことができる技術としてサイ クリング・プローブ法が適用されるマイクロ チップの検査装置が開示されている。

 ところで、これらの従来技術においては 励起光としてレーザが用いられている。良 知られているように、レーザは高い単色性 ら、励起光と蛍光との波長分離や微小エリ の高効率な励起に有利で、ひいては蛍光検 のS/N比向上の観点からは望ましい。

 しかしながら、レーザを励起光とした場合 レーザ光源の設置や取扱上、細心の注意が 要である。特に、蛍光物質の励起感度に良 合致した波長のレーザは限られ、ガスレー などで各種の発振波長を選定しようとする 装置の小型化が非常に困難でコストも高く る。また、単色性が高いレーザでは、可干 性に優れるため、マイクロチップを介した 出において、干渉ノイズの影響などもしば ば問題となる。発光効率を高めることがで るサイクリング・プローブ法の検査装置で れば、S/N比は高くし易いので、レーザのよ に扱いにくい光源を用いる意義は低い。

国際公開第2005/108571号パンフレット

特開2001-255328号公報

国際公開第2001/041931号パンフレット

 本発明は、上記問題等に鑑みてなされた のであり、その解決課題は、標的DNAと蛍光 識したプローブとのハイブリダイゼーショ により、蛍光共鳴エネルギー遷移現象に変 を生ずる反応を用いて、標的核酸配列を、 光検出を利用して検出する手法、すなわち イクリング・プローブ法に代表される手法 よって、簡易な構成でありながら、標識と る蛍光強度の測定を高感度・高精度に実現 ることができる蛍光検出装置、マイクロチ プ、及びそれらから構成される検査システ を提供することである。

 本発明に係る上記課題は下記手段によっ 解決される。

 1.標的DNAと蛍光標識したプローブとのハ ブリダイゼーションにより蛍光共鳴エネル ー遷移現象に変化を生ずる反応を用いて標 核酸配列を検出する蛍光検出装置であって 蛍光発光をさせるための励起光の光源部と 起により発生する蛍光の検出部とを有し、 励起光の発光スペクトルの極大発光波長よ 長波長側部分が該蛍光の発光スペクトルと なくとも部分的に重なることを特徴とする 光検出装置。

 2.前記蛍光の発光スペクトルの極大発光 長における前記励起光の強度が、該励起光 発光スペクトルの極大発光波長の強度に対 1/2以下であることを特徴とする前記1に記載 蛍光検出装置。

 3.前記蛍光を受光する受光部を有し、該 光部に入射する蛍光の光路に前記励起光と 記蛍光を分離するための光学フィルタを備 ていることを特徴とする前記1又は2に記載の 蛍光検出装置。

 4.前記蛍光の発光スペクトルの極大発光 長において、前記光学フィルタの分光透過 が50%以上であることを特徴とする前記3に記 の蛍光検出装置。

 5.前記励起光の発光スペクトルの極大発 波長が可視光領域内の波長であることを特 とする前記1~4の何れか一項に記載の蛍光検 装置。

 6.励起光源が交換可能であることを特徴 する前記1~5の何れか一項に記載の蛍光検出 置。

 7.標的DNAと蛍光標識したプローブとのハ ブリダイゼーションにより、蛍光共鳴エネ ギー遷移現象に変化を生ずる反応を行うマ クロチップと、前記1~6の何れか一項に記載 蛍光検出装置とから構成されることを特徴 する検査システム。

 8.前記7に記載の検査システムに用いられ マイクロチップであって、マイクロチップ の蛍光反応部上に設けられたカバー部材を し、前記カバー部材は、前記励起光及び前 蛍光を透過する分光透過特性を有すること 特徴とするマイクロチップ。

 本発明の上記手段により、標的DNAと蛍光 識したプローブとのハイブリダイゼーショ により、蛍光共鳴エネルギー遷移現象に変 を生ずる反応を用いて、標的核酸配列を蛍 検出を利用して検出する手法、すなわちサ クリング・プローブ法に代表される手法に って、簡易な構成でありながら、標識とな 蛍光強度の測定を高感度・高精度に実現す ことができる蛍光検出装置、マイクロチッ 、及びそれらから構成される検査システム 提供することができる。

本発明の実施形態に係るバイオチップ 用いる検査装置の外観図 本発明の実施形態に係るバイオチップ 用いる検査装置の内部構成図 励起光と蛍光の重なり態様についての 念図 本発明に係るバイオチップの構成図

符号の説明

 1 バイオチップ
 4 光検出部
 5 マイクロポンプ
 23 ヒータ
 80 検査装置
 90 CPU
 111 被検出部
 120 検体収容部
 124 DNAプローブ収容部

 本発明の蛍光検出装置は、標的DNAと蛍光 識したプローブとのハイブリダイゼーショ により、蛍光共鳴エネルギー遷移現象に変 を生ずる反応を用いて標的核酸配列を検出 る蛍光検出装置であって、蛍光発光をさせ ための励起光の光源部と励起により発生す 蛍光の検出部とを有し、該励起光の発光ス クトルの極大発光波長より長波長側部分が 蛍光の発光スペクトルとが少なくとも部分 に重なることを特徴とする。この特徴は、 求の範囲第1項乃至第8項に係る発明に共通 る技術的特徴である。

 本願において、「励起光の発光スペクト の極大発光波長より長波長側部分が該蛍光 発光スペクトルと少なくとも部分的に重な 」とは、励起光の発光スペクトルを構成す 発光帯(「発光バンド」ともいう。)うち極 (最大)の発光強度の発光帯に帰属される極大 発光波長の長波長側部分が、該励起光により 励起された蛍光物質から発せられる蛍光の発 光スペクトルの発光帯(発光バンド)と少なく も部分的に重なることをいう。

 「マイクロチップ」とは、1枚の基板(チ プ)上に数十~数百ミクロンの微細流路(マイ ロチャネル)を作製したものであって、当該 ャネル内の小空間に混合、反応、分離、検 などの化学操作(分析システム)を集積化し ものをいう。また、「検査システム」とは DNA,RNAなど核酸やタンパク質などのバイオ分 の混合、分離、合成、抽出などの化学操作 生化学反応を小型のチップ内で行い、さら その反応結果を検出する装置と組み合わせ 成るシステム(Micro Total Analysis Systems:μ-TAS) をいう。

 なお、「サイクリング・プローブ法」と 、[背景技術]の欄の冒頭において詳しく説 した核酸の標的配列等の検出方法をいう。

 以下、図面に基づいて本発明の実施形態 構成要素等について詳細な説明をするが、 例であり、本実施形態に限定するものでは い。

 (検査システム)
 本発明に係る検査システムは、後述する蛍 検出装置とマイクロチップにより構成され 。この構成より、本発明に係る蛍光検出装 とマイクロチップを有効に活用する検査シ テムを構築することができる。

 以下では、当該検査システムにおいて用 られる蛍光物質とクエンチャーについて説 する。

 〈蛍光物質及びクエンチャー〉
 蛍光物質は、特定の波長の励起光を吸収し 吸収したエネルギーを、非常に短時間で、 収した波長とは異なる波長の光、いわゆる 光を発生じさせる物質である。この励起光 吸収から蛍光発生の過程では、熱放出によ エネルギー損失が起こるため、蛍光は、励 光に比べエネルギーが低い、つまり長波長 にシフトした波長となる(ストークス・シフ ト)。励起光波長及びストークス・シフト(及 それに伴う蛍光波長)は、各種蛍光物質にお いて特徴的な特性である。

 蛍光共鳴エネルギー遷移は、例えば、蛍 物質としての蛍光色素(F1)と色素(F2)(多くの 合蛍光色素)を互いに連結して相互作用して いる際に、F2の吸収波長がF1の蛍光波長と重 する場合に観察される。

 これは、第一の蛍光分子F1が波長λ1の光 よって励起されたのちF1は、波長λ1+s1の光を 蛍光として放射する。このときのs1は、F1の トークスシフト量である。第2の蛍光分子F2 して、その吸収波長の広がりがλ1+s1と重複 れば、この光を吸収することができる。こ ように、F2は、λ1+s1によって励起され、続い て波長λ2+s2を放射する。

 この場合、励起光λ1で励起されないように 2の蛍光色素を選択することで、連結してい る場合には、λ1の励起でλ2+s2の蛍光が観察さ れ、連結が切れた場合には、λ1の励起で、λ1 +s1の蛍光が観察される。このような蛍光の遷 移現象は統計的で、エネルギー遷移の効率は 、r -6 に比例するといわれている。rは、2つの蛍光 子間の平均間隔を示す。

 本発明に使用できる、蛍光色素としては フルオレセイン類、ローダミン類、クマリ 類、ダンシル型(ジメチルアミノナフタレン スルホン酸型)蛍光色素、NBD型色素、ピレン BODIPY誘導体、サイ(cy)色素,マラカイトグリー ンなどが上げられ、特許文献などで例示され ている蛍光色素としては、例えば米国特許第 5486616号明細書、特開平2-191674号公報、同5-2872 09号公報、同5-287266号公報、同8-47400号公報、 9-127115号公報、同7-145148号公報、同6-222059号 報に記載される蛍光色素、Journal of Fluoresce nce,5,231ページ(1995年)に記載される蛍光色素な どを用いることができ、また、特開平2-191674 公報等に記載されている蛍光色素などを用 ることが出来る。

 好ましい色素の組み合わせとしては、当 者が容易に組み合わせることが出来るもの( 例えばインビトロジェン社、アプライドバイ オシステムズ社、ロシュ社などのホームペー ジ参照。)をあげることができ、好ましくは ルオレセインとカルボキシローダミンの組 合わせなどを挙げられる。

 F2に使用できる色素としては、蛍光をし いなくてもよく、例えば、ダビシル、特表20 03-516616記載のeclipse(epoch社商標)、米国特許7019 129記載のBlackHallQquencher(BQH一般にダーククエ チャーBiosearch Technologies社商標)、米国特許20 060177857記載のBlaccberryQuencher(Berry&Associates社 商標)などを使用することが出来る。

 ≪蛍光検出装置(検査装置)の構成≫
 〈外部構成〉
 図1は、本実施形態に係るマイクロチップを 用いる検査装置80の外観図である。検査装置8 0は、マイクロチップ1に予め注入された検体 試薬とを自動的に反応させ、反応結果を自 的に出力する装置である。

 検査装置80の筐体82には、マイクロチップ 1を装置内部に挿入するための挿入口83、表示 部84、メモリカードスロット85、プリント出 口86、操作パネル87、外部入出力端子88が設 られている。

 検査担当者は、図1の矢印方向にマイクロ チップ1を挿入し、操作パネル87を操作して検 査を開始させる。

 開始操作に伴って、後述するように、検 装置80内にあるマイクロチップ1内では蛍光 応が開始され、蛍光の検出結果に基づく検 結果が表示部84に表示される。

 検査結果は操作パネル87の操作により、 リント出力口86よりプリントを出力したり、 メモリカードスロット85に挿入されたメモリ ードに記憶したりすることができる。また 外部入出力端子88からケーブルを介して、 ソコンなどに検査結果を転送し保存するこ ができる。検査終了後、検査担当者はマイ ロチップ1を挿入口83から取り出す。

 〈内部構成〉
 図2は、本実施形態に係るマイクロチップを 用いる検査装置80の内部構成図である。図2に おいては、マイクロチップが図1に示す挿入 83から挿入され、セットが完了している状態 を示している。

 検査装置80は、マイクロチップ1に予め注 された検体及び試薬を送液するための駆動 11を貯留する駆動液タンク10、マイクロチッ プ1に駆動液11を供給するためのマイクロポン プ5、マイクロポンプ5とマイクロチップ1とを 駆動液11が漏れないように接続するパッキン6 、マイクロチップ1の必要部分を温調する温 調節ユニット3、マイクロチップ1を温度調節 ユニット3及びパッキン6に密着させ、保持さ るためのチップ押圧板2、チップ押圧板2を 降させるための押圧板駆動部21、マイクロチ ップ1をマイクロポンプ5に対して正確に位置 めする規制部材22、マイクロチップ1内の検 と試薬との反応状態等を検出する光検出部4 、等を備えている。

 《チップ押圧板》
 チップ押圧板2は、初期状態においては、図 2に示す位置より上方に退避している。これ より、マイクロチップ1は矢印X方向に挿抜可 能であり、検査担当者は挿入口83(図1参照)か 規制部材22に当接するまでマイクロチップ1 挿入する。

 その後、チップ押圧板2は、押圧板駆動部 21により下降してマイクロチップ1に当接し、 マイクロチップ1の下面が温度調節ユニット3 びパッキン6に密着される。これにより、マ イクロチップ1のセットが完了する。

 規制部材22、押圧板2、温度調節ユニット3 及びパッキン6等で本発明のマイクロチップ 容部が構成される。また、チップ押圧板2の 部には、セットされたマイクロチップ1の被 検出部125,126(図4参照)を加熱するためのヒー 23が設けられている。

 《温度調節ユニット》
 温度調節ユニット3は、マイクロチップ1と 向する面にペルチェ素子31及びヒータ23を備 、マイクロチップ1が検査装置80にセットさ たときに、ペルチェ素子31及びヒータ23がマ イクロチップ1に密着するようになっている 試薬が収容されている部分をペルチェ素子31 で冷却して試薬が変性しないようにしたり、 検体と試薬とが反応する部分をヒータ23で加 して反応を促進させたりする。

 《光検出部》
 光検出部4は、本発明の発光部としてのLED等 の励起光源41、励起光源41から発せられた励 光の波長帯域を制限する励起光フィルタ42、 励起光フィルタ42を透過した励起光をマイク チップ1の2つの被検出部125,126(図4参照)をカ ーするサイズに適合したビームスポットに 形するための集光レンズ43、集光レンズ43を 透過した励起光を反射してマイクロチップ1 2つの被検出部125,126に照射するとともに当該 励起光により発せられたマイクロチップ1の 検出部125,126からの蛍光を透過するダイクロ ック・ミラー44、ダイクロイック・ミラー44 を透過した蛍光を受光部の47に導光するため 受光レンズ45、受光レンズ45を透過した蛍光 の波長帯域を制限する検出光フィルタ46、検 光フィルタ46を透過した蛍光を受光するフ トダイオード47からなる受光部等から構成さ れている。

 次に、本発明に係る光検出部(蛍光検出光 学系)の構成要素、好ましい条件等について 明する(図3を参照)。

 1)励起光源:
 ここでは、特に好ましい例として、ピーク 光波長470nm(青)の青色発光ダイオードを用い たものを例示するが、測定対象の蛍光物質の 吸光スペクトルのピーク波長に適合した励起 光源を選ぶことが好ましい。ピーク発光波長 が、365nm(近紫外光)、470nm(青)、530nm(緑)などの 発光ダイオードを使用することができる。

 なお、光源としては白色発光ダイオード 用いて励起光フィルタ42により励起波長を 宜選択しても良い。

 また、LEDに限らず、ピーク発光波長が410n m(青紫)などのレーザダイオード(LD)も使用し も構わない。その他、従来用いられていた スレーザとは異なる取扱が容易な各種光源 用いることができる。

 本発明においては、励起光源の発光スペ トルにおけるピーク発光波長より長波長側 分が、蛍光の発光スペクトルFと重なること を要する。具体的には、励起光源である青色 発光ダイオード41の発光スペクトル411におけ ピーク発光波長(470nm)より長波長側部分412が 、蛍光の発光スペクトルFと重なっている。

 また、蛍光のピーク発光波長(極大発光波 長)における、励起光の強度は励起光のピー 発光波長における強度の1/2以下(発光スペク ルの裾野部分)であることが好ましい。具体 的には、蛍光Fのピーク発光波長(520nm)におけ 、青色発光ダイオードの強度はピーク発光 長(470nm)における強度の1/2以下(発光スペク ルの裾野部分)であることが好ましい。

 このようにすることで、ガスレーザより 光波長領域が広い励起光源、例えば発光ダ オードを用いて、サイクリング・プローブ のメリットを活かした小型で簡便なマイク チップの蛍光検出装置を実現することがで る。また、発光ダイオードを用いれば、通 後短時間に光量の安定化が図れるため、電 起動後短時間で検査が開始できる。

 なお、本発明においては、励起光のピー 発光波長が可視光領域(凡そ360~830nm)内の波 であることが好ましい。受光素子の分光特 の制約を受けにくいため、利用できる受光 子の選択肢が多くなるからである。

 2)励起光フィルタ42:
 上述のように、発光波長領域が広い励起光 を用いることで様々なメリットがあるが、 の場合に、今度は、発光スペクトル411の裾 部分からの励起光がマイクロチップ上で反 したり、光路内で散乱したりして受光部47 入射すると、蛍光検出のS/Nが悪くなるとい 問題がある。そのため、本発明の蛍光検出 置においては、励起光の帯域を制限する励 光フィルタ42を備えていることが好ましい。

 なお、励起光フィルタ42としては、干渉 ィルタや色ガラスフィルターなどの光学的 フィルタを使用することができる。

 3)ダイクロイック・ミラー44:
 励起光フィルタ42を介した励起光の帯域の を反射してマイクロチップ1の被検出部111に 射する一方で、励起光により発せられたマ クロチップ1からの蛍光を透過する様に設計 した色分離ミラーである。なお、励起光を反 射する際に、蛍光のスペクトルFとは重なら い波長のみを反射させるようにすることで 励起光フィルタを省略することもできる。

 4)検出光(発光)フィルタ46:
 励起光による散乱光やマイクロチップ1自身 や光路中の周辺部材からの自家発光を除去し 、測定対象である試料の目的波長の蛍光成分 を分離透過させるための光学フィルタであり 、干渉フィルタや色ガラスフィルターなどを 使用することができる。
なお図3に示す符号461は、受光部に入射する 光の光路に設置した光学フィルタの分光透 率を示したものである。当該光学フィルタ 、図2の実施形態においては、検出光フィル 46とダイクロイック・ミラー44から構成され る。つまり図3に示す分光透過率461は、検出 フィルタ46及びダイクロイック・ミラー44、 分光透過率を掛け合わせた特性となる。当 光学フィルタの分光透過率461は、検査対象 蛍光の発光スペクトルFのピーク波長に対し ては50%以上、より好ましくは70%以上であるこ とを要する。このような光学フィルタを設け ることにより、S/N比即ち検出の分解能を一層 向上させた精度良い蛍光検出をすることがで きる。

 5)フォトダイオードPD47:
 蛍光光量測定用のフォトダイオードであり 図示しない受光アンプに接続されている。 お、蛍光が微弱な場合には、アバランシェ フォトダイオードや光電子増倍管等の光電 換素子を使用することが好ましい。

 6)集光レンズ43/受光レンズ45:
 マイクロチップ1の2つの被検出部125,126をカ ーするサイズに合わせ、励起用光源のビー スポットを整形し効率良く照射するための 起光学系の集光レンズ43、測定対象から発 られる蛍光を高効率で受光素子に導くため 受光レンズ45が設けられている。

 7)発光ダイオードドライバー(LEDドライバー) :
 励起光源である発光ダイオード41へ電力を 給し、また検出時にはON、未使用時にOFF、ア イドリング時に弱点灯させるなど点灯状態を 制御する。LEDドライバーは定電流制御により 安定したDC点灯をさせるほか、パルス点灯さ ることにより受光部で同期検出する事でノ ズ抑制したり、さらに、発光ダイオードを 滅制御させるためのクロックを参照信号と て、受光部のフォトダイオード47の受光信 を図示しないロックインアンプで処理する とで、ノイズに埋もれた微量蛍光を信号と て取り出すこともできる。

 《マイクロポンプ》
 マイクロポンプ5は、ポンプ室52、ポンプ室5 2の容積を変化させる圧電素子51、ポンプ室52 マイクロチップ1側に位置する第1絞り流路53 、ポンプ室の駆動液タンク10側に位置する第2 絞り流路54、等から構成されている。第1絞り 流路53及び第2絞り流路54は絞られた狭い流路 なっており、また、第1絞り流路53は第2絞り 流路54よりも長い流路となっている。

 駆動液11を順方向(マイクロチップ1に向か う方向)に送液する場合には、まず、ポンプ 52の容積を急激に減少させるように圧電素子 51を駆動する。そうすると、短い絞り流路で る第2絞り流路54において乱流が発生し、第2 絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路 ある第1絞り流路53に比べて相対的に大きく る。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は 、第1絞り流路53の方に支配的に押し出され送 液される。次に、ポンプ室52の容積を緩やか 増加させるように圧電素子51を駆動する。 うすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って 駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54か 流れ込む。このとき、第2絞り流路54の方が 1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞 り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵 が小さくなり、ポンプ室52内には第2絞り流 54の方から支配的に駆動液11が流入する。以 上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより 駆動液11が順方向に送液されることになる

 一方、駆動液11を逆方向(駆動液タンク10 向かう方向)に送液する場合には、まず、ポ プ室52の容積を緩やかに減少させるように 電素子51を駆動する。そうすると、第2絞り 路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短い ので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比 べて流路抵抗が小さくなる。これにより、ポ ンプ室52内の駆動液11は、第2絞り流路54の方 支配的に押し出され送液される。次に、ポ プ室52の容積を急激に増加させるように圧電 素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52 の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53 及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、 短い絞り流路である第2絞り流路54において乱 流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗 が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて 相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室 52内には第1絞り流路53の方から支配的に駆動 11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰 り返すことにより、駆動液11が逆方向に送液 れることになる。

 (マイクロチップの構成)
 図4は、本実施形態に係るマイクロチップ1 構成図である。一例の構成を示すものであ 、これに限定されない。

 図4(a)において矢印は、検査装置80にマイ ロチップ1を挿入する挿入方向であり、図4(a )は挿入時にマイクロチップ1の下面となる面 図示している。また、2つの被検出部125,126 に示した円は励起光のビームスポットを示 。図4(b)はマイクロチップ1の側面図である。

 図4(b)に示すように、マイクロチップ1は 形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基 109から構成されている。

 溝形成基板108には、図4(c)に示すように、 検体と試薬とをマイクロチップ1上で混合・ 応させるための微細流路及び流路エレメン が配設されている。図4(c)では、微細流路を 印で、流路エレメントを四角形で模式的に している。

 マイクロチップ1上には、以下の流路エレ メントが設けられている。

 駆動液注入部110a~110eは、マイクロポンプ ら駆動液11を注入するための注入部である

 検体注入部113は、マイクロチップ1に検体 を注入するための注入部である。

 駆動液注入部110a~110eの下流には、それぞ 、検体を収容する検体収容部120、標的遺伝 のポジティブコントロール用試薬収容部121 ネガティブコントロール用試薬収容部122、 的遺伝子を増幅するための酵素及び基質の 容部123、プライマー及び蛍光標識されたDNA ローブの収容部124が設けられている。

 なお、標的遺伝子及びその増幅産物は、 発明に係る標的分子に相当する。DNAプロー は、本発明に係る標的DNAとハイブリダイゼ ション反応を起こす蛍光標識したプローブ 相当する。ポジティブコントロール用試薬 、標的遺伝子として特定したいDNA配列を持 試薬である。

 標的遺伝子を増幅させるための試薬、ポ ティブコントロール用試薬、ネガティブコ トロール用試薬、プライマー及びDNAプロー は、各収容部に予め収容されている。

 ポジティブコントロール用試薬とネガテ ブコントロール用試薬は、検査が正常に行 れたか否かをモニタリングするための試薬 ある。

 これらの各収容部は、マイクロチップ1を 検査装置80にセットした際にペルチェ素子31 対向し、収容されている検体や試薬が変性 ないように冷却される。

 検体収容部120及びポジティブコントロー 収容部121の下流には、標的遺伝子とポジテ ブコントロール用試薬を増幅させるための 薬とが反応して増幅産物を生成するための 応部125が設けられている。

 また、ネガティブコントロール収容部122 び検体収容部120の下流には、標的遺伝子を 幅させるための試薬とが反応して増幅産物 成するための反応部126が設けられている。 の反応部125、126は、被検出部を兼ねる。

 反応部125、126は、マイクロチップ1を検査 装置80にセットした際にヒータ23に対向し、 幅促進のために過熱される。

 反応部125、126には、123及び124の収納部か からの流路が合流し、増幅用試薬やプロー が同時もしくは、遂次供給される。

 これら試薬の反応により、標的遺伝子の 幅と、増幅産物と蛍光プローブのハイブリ イゼーション反応及び蛍光物質とクエンチ ーとの遊離反応も同時進行させ、増幅から 光物質生成までの反応を一括して進行させ 。

 被検出部125,126の窓にあたる被覆基板109は 、光学的な検出を行うことができるよう、透 明なガラスや樹脂等の材料から構成されてい る。

 検体及び各試薬の流れについて説明する まず、マイクロチップ1による検査を行うに 先立って、検査担当者は検体を検体注入部113 から注射器等を用いて注入する。検体注入部 113から注入された検体は、連通する微細流路 を通って検体収容部120に収容される。

 次に、検体の注入されたマイクロチップ1 は、検査担当者により図1に示す検査装置80の 挿入口83に挿入され、図2に示すようにセット される。これにより、マイクロポンプ5を駆 して駆動液注入部110a~110eから駆動液11を注入 することが可能となる。

 駆動液注入部110aから駆動液11を注入する 、連通する微細流路を通って検体収容部120 収容されている検体が押し出され、被検出 125に検体が送り込まれる。

 駆動液注入部110cから駆動液11を注入する 、連通する微細流路を通ってネガティブコ トロール収容部122に収容されているネガテ ブコントロール用試薬(例えば純水)が押し され、反応部(被検出部)126にネガティブコン トロール用試薬が送り込まれ、先に送液され た検体と混合する。

 駆動液注入部110bから駆動液11を注入する 、連通する微細流路を通ってポジティブコ トロール収容部121に収容されているポジテ ブコントロール用試薬(標的と同一のDNA配列 箇所を持つ試薬)が押し出され、反応部(被検 部)125にポジティブコントロールが送り込ま れ、先に送液された検体と混合する。

 駆動液注入部110dと110eから駆動液11を注入 し、連通する微細流路を通って収容部123、124 から、標的遺伝子を増幅するための酵素及び 基質とプライマー及び蛍光標識されたDNAプロ ーブが、反応部(被検出部)125、126にそれぞれ りこまれ、先に送液された検体・コントロ ル液の混合液と混合する。

 その後、反応部(被検出部)125,126をヒータ2 3により加熱することでそれぞれの被検出部 おいて標的遺伝子(及びポジティブコントロ ルDNA)の増幅と、増幅産物と蛍光プローブの ハイブリダイゼーション反応及び蛍光物質と クエンチャーとの遊離反応も同時進行させ、 増幅から蛍光物質生成までの反応を一括して 進行させる。

 そして、被検出部125、126に光検出部4の励 起光源41から励起光を照射し、被検出部125、1 26から発せられる蛍光を受光部47で受光する とにより光検出を行うことが可能となる。

 なお、被検出部125、126の検出結果を基に 検査の総合判定を行うルールの一例を次に 載する(表1参照。)。

 ポジティブコントロール用試薬は、その 薬単独でも、標的遺伝子と同等の増幅反応 蛍光プローブとのハイブリダイゼーション 応及び蛍光物質の生成反応を起こす。ネガ ィブコントロール用試薬は、その試薬単独 は、蛍光物質の生成反応を起こさない。

 これらの試薬を検体と混合した液で反応 検出を行うことで、検査結果の良否の判定 可能となる。

 陽性すなわち検体に標的遺伝子が含まれ 場合、ポジティブコントロール用試薬+検体 、及びネガティブコントロール用試薬+検体 いずれも蛍光発光が測定される。

 陰性すなわち検体に標的遺伝子が含まれ い場合、ポジティブコントロール用試薬+検 体は、ポジティブコントロール用試薬の反応 による蛍光発光が測定されるが、ネガティブ コントロール用試薬+検体は、反応が生じず 光が発光しない。これら2つのケースは、正 な反応を行った検査結果として扱うことが きる。

 一方、例えば、検体に反応の阻害物質が 入した場合などは、ポジティブコントロー 用試薬+検体及びネガティブコントロール用 試+検体のいずれも蛍光発光が生じない。

 また、ポジティブコントロール用試薬+検 体の蛍光発光無し、ネガティブコントロール 用試+検体の蛍光発光は有りの様な検査結果 得られる場合は、チップに収容した試薬の 活などの異常が考えられる。これら2つのケ スは、異常な反応を行った検査結果として 再検査を促すことが可能となる。

 なお、バイオチップ内での反応制御等に いて補足説明をする。

 1)チップ内でDNA増幅や標的DNAと蛍光物質 修飾された標識プローブとの反応を制御・ 進させる。

 2)チップに設けた微細流路に、予め反応 薬を導入しておき、マイクロポンプによる 液制御で、所定の手順・時間・タイミング 、混合・分岐などの化学操作が自動的に進 する様に制御される。

 3)反応を促進させたり、制御するために 試薬や混合試薬を温調する機構を設ける。 た、装置に搭載したヒータなどの温調機構 より、チップを介して温度制御する。

 4)チップ上の反応検出部は、標的DNAを検 するエリアの他に、試薬や反応の正常/異常 反応阻害物質の混入などを試験するための ンターナルコントロールの反応を併設する が、確度を高めるために好ましい。

 5)この様に、インターナルコントロール ど複数の反応を同時に検出するために、蛍 検出部を走査してチップ上の各検出部を測 できる様な構成にする。

 6)なお、当該チップは、励起光を透過す 分光透過特性を持つカバー部材(図4における 被覆基板109、特に被検出部の窓部)を蛍光発 部の上面に有していることが好ましい。ま 、当該カバー部材は蛍光をも透過する分光 過特性を持っていることが好ましい。




 
Previous Patent: GENERAL MICROANALYSIS SYSTEM

Next Patent: HYDRAULIC DRIVE DEVICE