Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
FUEL BATTERY SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096229
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a fuel battery system which allows proper control of refresh operation. A controller controls the refresh operation so that an output voltage avoids exceeding an OC avoidance voltage Var even after the refresh operation. In concrete terms, the controller estimates the output voltage following the refresh operation from the output voltage preceding the refresh operation and controls execution of the refresh operation so that the estimated output voltage following the refresh operation avoids exceeding the OC avoidance voltage Var. For example, if before the refresh operation, when judging that the estimated output voltage after the refresh operation avoids exceeding the OC avoidance voltage Var, the controller executes the refresh operation.

Inventors:
MIZUNO HIDEAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050442
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 15, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
MIZUNO HIDEAKI (JP)
International Classes:
H01M8/04; H01M8/00; H01M8/10
Foreign References:
JP2003197210A2003-07-11
JP2006040598A2006-02-09
JP2004349050A2004-12-09
JP2003272686A2003-09-26
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower6-10-1, Roppongi, Minato-ku, Tokyo 23, JP)
Download PDF:
Claims:
 燃料電池と、
 リフレッシュ運転を行うことにより前記燃料電池の電気的特性を向上させる運転手段と、
 リフレッシュ運転後の前記燃料電池の出力電圧が、設定された出力電圧上限値を超えないように前記運転手段によるリフレッシュ運転の実行を制御する運転制御手段と
 を具備することを特徴とする燃料電池システム。
 前記運転制御手段は、リフレッシュ運転前の前記燃料電池の出力電圧からリフレッシュ運転後の前記燃料電池の出力電圧を推定し、推定したリフレッシュ運転後の出力電圧が前記出力電圧上限値を超えないと判断した場合に、前記運転手段によるリフレッシュ運転の実行を許可することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
 燃料電池と、
 前記燃料電池の放電経路に接続された蓄電装置と、
 リフレッシュ運転を行うことにより前記燃料電池の電気的特性を向上させる運転手段と、
 前記蓄電装置の許容電力を考慮して前記燃料電池の電力上限値を設定する設定手段と、
 リフレッシュ運転後の前記燃料電池の出力電力が、設定された電力上限値を超えないように前記運転手段によるリフレッシュ運転の実行を制御する運転制御手段と
 を具備することを特徴とする燃料電池システム。
 前記蓄電装置の充電状態を検知する検知手段をさらに備え、
 前記設定手段は、前記検知手段によって検知される前記蓄電装置の充電状態から前記蓄電装置の許容電力を把握し、把握した許容電力を考慮して前記燃料電池の電力上限値を設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
Description:
燃料電池システム

 本発明は、燃料電池システムに関し、特 燃料電池の運転状態に応じて出力電力を制 する燃料電池システムに関する。

 石油依存の車社会の将来像が懸念されて る現代では、水素を燃料とする燃料電池を 載した自動車の普及が期待されている。燃 電池はセルを直列に積層したスタック構造 有しており、アノードに供給される水素を む燃料ガスとカソードに供給される酸素を む酸化ガスの電気化学反応を利用して発電 行っている。

 燃料電池は他の電源に比べて起動に際し 種々の制約が存在する。かかる燃料電池の 電効率は、温度の低下や電極触媒の被毒に 因して減少し、所望の電圧/電流を供給する ことができずに機器を起動できない場合も生 じる。

 このような事情に鑑み、料電池を始動す 際、アノードに供給される燃料ガス及びカ ードに供給される酸化ガスの少なくともい れか一方を不足状態とし、電極の一部の過 圧を増加させてさらなる熱を発生させるこ で燃料電池の温度を上昇させ、電極触媒を 元させることで燃料電池の電流・電圧特性( IV特性)を回復させる運転(以下、リフレッシ 運転)が行われる(例えば、下記特許文献1参 )。

特表2003-504807号

 ところで、燃料電池の電流・電圧特性(以 下、IV特性)は一定でなく、リフレッシュ運転 (以下の前後において大きく変動する。具体 には、いったんリフレッシュ運転を実行す と、燃料電池のIV特性は向上するが、かかる リフレッシュ運転を多頻度に実施すると、燃 料電池のIV特性が必要以上に向上してしまい 燃料電池の発電によって生じる余剰電力を2 次電池で吸収できない等の問題が懸念される 。

 本発明は、以上説明した事情を鑑みてな れたものであり、リフレッシュ運転を適切 制御することが可能な燃料電池システムを 供することを目的とする。

 上述した問題を解決するため、本発明に る燃料電池システムは、燃料電池と、リフ ッシュ運転を行うことにより前記燃料電池 電気的特性を向上させる運転手段と、リフ ッシュ運転後の前記燃料電池の出力電圧が 設定された出力電圧上限値を超えないよう 前記運転手段によるリフレッシュ運転の実 を制御する運転制御手段とを具備すること 特徴とする。

 かかる構成によれば、リフレッシュ運転 の燃料電池の出力電圧が、設定された出力 圧上限値を超えないようにリフレッシュ運 の実行が制御されるため、燃料電池の出力 圧が設定された出力電圧上限値を超えた状 で運転されるのを未然に防止することがで 、燃料電池の寿命を向上することが可能と る。

 また、上記構成にあっては、前記運転制 手段は、リフレッシュ運転前の前記燃料電 の出力電圧からリフレッシュ運転後の前記 料電池の出力電圧を推定し、推定したリフ ッシュ運転後の出力電圧が前記出力電圧上 値を超えないと判断した場合に、前記運転 段によるリフレッシュ運転の実行を許可す 態様が好ましい。

 また、本発明に係る別の燃料電池システ は、燃料電池と、前記燃料電池の放電経路 接続された蓄電装置と、リフレッシュ運転 行うことにより前記燃料電池の電気的特性 向上させる運転手段と、前記蓄電装置の許 電力を考慮して前記燃料電池の電力上限値 設定する設定手段と、リフレッシュ運転後 前記燃料電池の出力電力が、設定された電 上限値を超えないように前記運転手段によ リフレッシュ運転の実行を制御する運転制 手段とを具備することを特徴とする。

 ここで、上記構成にあっては、前記蓄電 置の充電状態を検知する検知手段をさらに え、前記設定手段は、前記検知手段によっ 検知される前記蓄電装置の充電状態から前 蓄電装置の許容電力を把握し、把握した許 電力を考慮して前記燃料電池の電力上限値 設定する態様が好ましい。

 以上説明したように、本発明によれば、 フレッシュ運転を適切に制御することが可 となる。

 以下、本発明に係る実施の形態について 面を参照しながら説明する。

A.本実施形態
 図1は本実施形態に係る燃料電池システム10 搭載した車両の概略構成である。なお、以 の説明では車両の一例として燃料電池自動 (FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)を想定するが、電 気自動車やハイブリッド自動車にも適用可能 である。また、車両のみならず各種移動体( えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置 電源、さらには携帯型の燃料電池システム も適用可能である。


 燃料電池システム10は、燃料電池車両に搭 される車載電源システムとして機能するも であり、反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供 給を受けて発電する燃料電池スタック20と、 化ガスとしての空気を燃料電池スタック20 供給するための酸化ガス供給系30と、燃料ガ スとしての水素ガスを燃料電池スタック20に 給するための燃料ガス供給系40と、電力の 放電を制御するための電力系50と、燃料電池 スタック20を冷却するための冷却系60と、シ テム全体を制御するコントローラ(ECU)70とを えている。

 燃料電池スタック20は、複数のセルを直 に積層してなる固体高分子電解質型セルス ックである。燃料電池スタック20では、アノ ード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソ ード極において(2)式の還元反応が生じる。燃 料電池スタック20全体としては(3)式の起電反 が生じる。

 H 2  → 2H + +2e -            …(1)
 (1/2)O 2 +2H + +2e -  → H 2 O   …(2)
 H 2 +(1/2)O 2  → H 2 O       …(3)

 燃料電池スタック20には、燃料電池スタ ク20の出力電圧を検出するための電圧センサ 71、及び発電電流を検出するための電流セン 72が取り付けられている。

 酸化ガス供給系30は、燃料電池スタック20 のカソード極に供給される酸化ガスが流れる 酸化ガス通路34と、燃料電池スタック20から 出される酸化オフガスが流れる酸化オフガ 通路36とを有している。酸化ガス通路34には フィルタ31を介して大気中から酸化ガスを り込むエアコンプレッサ32と、燃料電池スタ ック20のカソード極へ供給される酸化ガスを 湿するための加湿器33と、酸化ガス供給量 調整するための絞り弁35とが設けられている 。酸化オフガス通路36には、酸化ガス供給圧 調整するための背圧調整弁37と、酸化ガス( ライガス)と酸化オフガス(ウェットガス)と 間で水分交換するための加湿器33とが設け れている。

 燃料ガス供給系40は、燃料ガス供給源41と 、燃料ガス供給源41から燃料電池スタック20 アノード極に供給される燃料ガスが流れる 料ガス通路45と、燃料電池スタック20から排 される燃料オフガスを燃料ガス通路45に帰 させるための循環通路46と、循環通路46内の 料オフガスを燃料ガス通路43に圧送する循 ポンプ47と、循環通路47に分岐接続される排 排水通路48とを有している。

 燃料ガス供給源41は、例えば、高圧水素 ンクや水素吸蔵合金などで構成され、高圧( えば、35MPa乃至70MPa)の水素ガスを貯留する 遮断弁42を開くと、燃料ガス供給源41から燃 ガス通路45に燃料ガスが流出する。燃料ガ は、レギュレータ43やインジェクタ44により 例えば、200kPa程度まで減圧されて、燃料電 スタック20に供給される。

 尚、燃料ガス供給源41は、炭化水素系の 料から水素リッチな改質ガスを生成する改 器と、この改質器で生成した改質ガスを高 状態にして蓄圧する高圧ガスタンクとから 成してもよい。

 レギュレータ43は、その上流側圧力(一次 )を、予め設定した二次圧に調圧する装置で あり、例えば、一次圧を減圧する機械式の減 圧弁などで構成される。機械式の減圧弁は、 背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形 成された筺体を有し、背圧室内の背圧により 調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二 次圧とする構成を有する。

 インジェクタ44は、弁体を電磁駆動力で 接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から 隔させることによりガス流量やガス圧を調 することが可能な電磁駆動式の開閉弁であ 。インジェクタ44は、燃料ガス等の気体燃料 を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとと もに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内す るノズルボディと、このノズルボディに対し て軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容 持され噴射孔を開閉する弁体とを備えてい 。

 排気排水通路48には、排気排水弁49が配設 されている。排気排水弁49は、コントローラ7 0からの指令によって作動することにより、 環通路46内の不純物を含む燃料オフガスと水 分とを外部に排出する。排気排水弁49の開弁 より、循環通路46内の燃料オフガス中の不 物の濃度が下がり、循環系内を循環する燃 オフガス中の水素濃度を上げることができ 。

 排気排水弁49を介して排出される燃料オ ガスは、酸化オフガス通路34を流れる酸化オ フガスと混合され、希釈器(図示せず)によっ 希釈される。循環ポンプ47は、循環系内の 料オフガスをモータ駆動により燃料電池ス ック20に循環供給する。

 電力系50は、DC/DCコンバータ51、バッテリ5 2、トラクションインバータ53、トラクション モータ54、及び補機類55を備えている。DC/DCコ ンバータ51は、バッテリ52から供給される直 電圧を昇圧してトラクションインバータ53に 出力する機能と、燃料電池スタック20が発電 た直流電力、又は回生制動によりトラクシ ンモータ54が回収した回生電力を降圧して ッテリ52に充電する機能とを有する。DC/DCコ バータ51のこれらの機能により、バッテリ52 の充放電が制御される。また、DC/DCコンバー 51による電圧変換制御により、燃料電池ス ック20の運転動作点(出力電圧、出力電流)が 御される。

 バッテリ(蓄電装置)52は、余剰電力の貯蔵 源、回生制動時の回生エネルギー貯蔵源、燃 料電池車両の加速又は減速に伴う負荷変動時 のエネルギーバッファとして機能する。バッ テリ52としては、例えば、ニッケル・カドミ ム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウ 二次電池等の二次電池が好適である。

 トラクションインバータ53は、例えば、 ルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータ あり、コントローラ70からの制御指令に従っ て、燃料電池スタック20又はバッテリ52から 力される直流電圧を三相交流電圧に変換し 、トラクションモータ54の回転トルクを制御 する。トラクションモータ54は、車輪56L、56R 駆動するためのモータ(例えば三相交流モー タ)であり、燃料電池車両の動力源を構成す 。

 補機類55は、燃料電池システム10内の各部 に配置されている各モータ(例えば、ポンプ などの動力源)や、これらのモータを駆動す ためのインバータ類、更には各種の車載補 類(例えば、エアコンプレッサ、インジェク タ、冷却水循環ポンプ、ラジエータなど)を 称するものである。

 冷却系60は、燃料電池スタック20内部を循 環する冷媒を流すための冷媒通路61、62,63,64 冷媒を圧送するための循環ポンプ65、冷媒と 外気との間で熱交換するためのラジエータ66 冷媒の循環経路を切り替えるための三方弁6 7、及び冷媒温度を検出するための温度セン 74を備えている。暖機運転が完了した後の通 常運転時には燃料電池スタック20から流出す 冷媒が冷媒通路61,64を流れてラジエータ66に て冷却された後、冷媒通路63を流れて再び燃 電池スタック20に流れ込むように三方弁67が 開閉制御される。一方、システム起動直後に おける暖機運転時には、燃料電池スタック20 ら流出する冷媒が冷媒通路61,62,63を流れて び燃料電池スタック20に流れ込むように三方 弁67が開閉制御される。

 コントローラ70は、CPU、ROM、RAM、及び入 力インタフェース等を備えるコンピュータ ステムであり、燃料電池システム10の各部( 化ガス供給系30、燃料ガス供給系40、電力系5 0、及び冷却系60)を制御するための制御手段 して機能する。例えば、コントローラ70は、 イグニッションスイッチから出力される起動 信号IGを受信すると、燃料電池システム10の 転を開始し、アクセルセンサから出力され アクセル開度信号ACCや、車速センサから出 される車速信号VCなどを基にシステム全体の 要求電力を求める。

 システム全体の要求電力は、車両走行電 と補機電力との合計値である。補機電力に 車載補機類(加湿器、エアコンプレッサ、水 素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費 れる電力、車両走行に必要な装置(変速機、 輪制御装置、操舵装置、及び懸架装置等)で 消費される電力、乗員空間内に配設される装 置(空調装置、照明器具、及びオーディオ等) 消費される電力などが含まれる。

 そして、コントローラ70は、燃料電池スタ ク20とバッテリ52とのそれぞれの出力電力の 分を決定し、発電指令値を演算するととも 、燃料電池スタック20の発電量が目標電力( 求電力)に一致するように、酸化ガス供給系 30及び燃料ガス供給系40を制御する。更にコ トローラ70は、DC/DCコンバータ51を制御して 燃料電池スタック20の出力電圧を調整するこ とにより、燃料電池スタック20の運転動作ポ ント(出力電圧、出力電流)を制御する。コ トローラ70は、アクセル開度に応じた目標車 速が得られるように、例えば、スイッチング 指令として、U相、V相、及びW相の各交流電圧 指令値をトラクションインバータ53に出力し トラクションモータ54の出力トルク、及び 転数を制御する。   
 また、本実施形態では、コントローラ70に る制御のもと、所定のタイミングで低効率 転によるリフレッシュ運転を行う。ここで 低効率運転とは、通常運転に比してエアの 給量を絞る(例えば、エアストイキ比を1.0付 に設定する)ことにより、発電損失を高めて 低い発電効率で運転することをいう。

 このように、コントローラ(運転手段)70は、 電極の一部の過電圧を増加させてさらなる熱 を発生させることで燃料電池の温度を上昇さ せ、電極触媒を還元させることで(すなわち リフレッシュ運転を行うことで)、燃料電池 タック20のIV特性(電気的特性)を回復させる とができるものの、かかるリフレッシュ運 を多頻度に実施すると、燃料電池のIV特性 必要以上に向上してしまい、燃料電池の発 によって生じる余剰電力を2次電池で吸収で ない等の問題が生じる(発明が解決しようと する課題の項参照)。かかる問題について図2 参照しながら説明する。

 図2は、リフレッシュ運転前後における燃 料電池スタック20のIV特性を示す図であり、 フレッシュ運転前のIV特性を実線で示し、リ フレッシュ運転後のIV特性を一点鎖線で示す なお、図2のOC回避目標電圧Varは、燃料電池 タック20の上限電圧の閾値(例えば0.85/セル 度)であり、製造出荷時などに予め設定され 。

<リフレッシュ運転前の状態>
 リフレッシュ運転前において、コントロー 70は、燃料電池スタック20とバッテリ52との れぞれの出力電力の配分を決定するととも 、燃料電池スタック20の発電量が目標電力 一致するように、酸化ガス及び燃料ガスの 給を制御する。さらに、コントローラ70は、 DC/DCコンバータ51を制御して、燃料電池スタ ク20の出力電圧を調整する。これにより、運 転ポイント(出力電流、出力電圧)は、IV特性 線C1上に位置する(図2に示す実線参照)。

<リフレッシュ運転後の状態>
 一方、リフレッシュ運転が終了すると、燃 電池スタック20のIV特性は向上し、IV特性曲 は図2に実線で示すIV特性曲線C1からIV特性曲 線C2にシフトする。このIV特性曲線のシフト 伴い、コントローラ70がリフレッシュ運転前 後において同一の出力電流が得られるように DC/DCコンバータ51を制御したとしても、得ら る出力電圧は上昇する。これにより、例え リフレッシュ運転前において、OC回避電圧Var 以下に出力電圧が設定されていたにもかかわ らず(図2に示す運転ポイント(I1,V1)参照)、リ レッシュ運転後には出力電圧がOC回避電圧Var を超えてしまう(図2示す運転ポイント(I2,V2)参 照)、といった問題が生ずる。

 そこで、本実施形態では、コントローラ( 運転制御手段)70が、リフレッシュ運転後にお いても出力電圧がOC回避電圧Varを超えないよ に、リフレッシュ運転の実行を制御する。 体的には、コントローラ(運転制御手段)70は 、リフレッシュ運転前の出力電圧からリフレ ッシュ運転後の出力電圧を推定し、推定した リフレッシュ運転後の出力電圧がOC回避電圧( 出力電圧上限値)Varを超えないようにリフレ シュ運転の実行を制御する。例えば、リフ ッシュ運転前であれば、コントローラ70は、 上記の如くリフレッシュ運転後の出力電圧を 推定し、推定した出力電圧がOC回避電圧Varを えるか否かを判断する。そして、コントロ ラ(運転制御手段、運転手段)70は、推定した 出力電圧がOC回避電圧Varを超えないと判断し 場合には、リフレッシュ運転を実行する。

 もちろん、リフレッシュ運転の実行を制 する方法は、この方法に限る趣旨ではなく 例えばコントローラ(運転制御手段)70がリフ レッシュ運転前の出力電圧とOC回避電圧Varと 差分δVを求め、求めた差分δVが閾値電圧以 である場合にのみ、リフレッシュ運転を行 ても良い。なお、閾値電圧は予め実験など よって求めれば良い。

 ここで、図3は、リフレッシュ運転前後に おける燃料電池スタック20のIV特性とIP特性( 力電流・出力電力特性)との関係を例示した であり、リフレッシュ運転前のIV特性及びIP 特性を実線で示し、リフレッシュ運転後のIV 性及びIP特性を一点鎖線で示す。なお、図4 示す電力閾値Parは、バッテリ52の許容電力 考慮して設定される燃料電池スタック20の出 力電力の上限値を示す。また、図3に示すOC回 避目標電圧Varは、図2と同様、燃料電池スタ ク20の上限電圧の閾値を示す。

 図3に示すように、リフレッシュ運転が行 われることで、燃料電池スタック20のIP特性( 気的特性)も向上し、IP特性曲線はIP特性曲 C3からIP特性曲線C4にシフトする。ここで、 フレッシュ運転前後でのOC回避目標電圧Varを 下回る運転ポイントを比較すると、リフレッ シュ運転後の運転ポイント(I2,V2)での出力電 P02は、リフレッシュ運転前の運転ポイント(I 1,V1)での出力電力P01よりも大きい。

 ここで、バッテリ(蓄電装置)52への過充電 を防止するためには、燃料電池スタック20の 力電力を電力閾値Par未満に抑える必要があ が、リフレッシュ運転によってIP特性が向 すると、図3に示すように、リフレッシュ運 後の出力電力P02が電力閾値Parを越えてしま 場合が生じる。

 そこで、本実施形態では、出力電力が電 閾値Parを越えないように、コントローラ(運 転制御手段)70が燃料電池スタック20のリフレ シュ運転を制御する。具体的には、コント ーラ70は、燃料電池スタック20の出力電力が 電力閾値Parを越えないように、リフレッシュ 運転の開始タイミングや停止タイミングを決 定する。さらに、コントローラ70は、リフレ シュ運転の前に、リフレッシュ運転が可能 否かを判断するべく、リフレッシュ運転後 IP特性を推定し、推定したIP特性から出力電 力の推定値を求める。そして、コントローラ 70は、出力電力の推定値が電力閾値Par未満で る場合には、リフレッシュ運転を行う一方 出力電力の推定値が電力閾値Par以上である 合には、リフレッシュ運転を禁止する。こ により、燃料電池スタック20による出力電 が大きすぎるために、バッテリ52で余剰電力 を吸収できない(すなわち、バッテリ52への過 充電が行われる)という問題を未然に防止す ことができる。なお、コントローラ70は、リ フレッシュ運転が可能か否かを、例えば走行 時間や走行距離、燃料電池の温度などに基づ き、所定のタイミングで判断しても良い。

 ここで、電力閾値Parの設定方法について 明すると、周知のとおり、バッテリ52の許 電力(すなわち、バッテリ52が充電可能な電 量)は、システムの要求電力やバッテリ52か の出力される電力などに応じて時々刻々と 化する。従って、本実施形態では、SOCセン (検知手段)52aによってバッテリ(蓄電装置)52 充電状態を検知し、検知した結果に基づき 力閾値Parを設定・更新する。詳述すると、 ントローラ(設定手段)70はSOCセンサ52aによっ バッテリ52の充電状態を検知し、検知した 果に基づいて電力閾値(電力上限値)Parを設定 ・更新する。別言すれば、コントローラ70は SOCセンサ52によってバッテリ52の充電状態(SO C)を検知すると、該検知結果からバッテリ52 許容電力を求める。そして、コントローラ( 定手段)70は、当該システムから要求される 力を満たしつつも、余剰電力がバッテリ(蓄 電装置)52の許容電力に収まるように、電力閾 値Parを更新する。

以上説明したように、本実施形態によれば 、コントローラ70はリフレッシュ運転前の出 電圧からリフレッシュ運転後の出力電圧を 定し、推定したリフレッシュ運転後の出力 圧がOC回避電圧Varを超えないようにリフレ シュ運転の実行を制御する。これにより、 料電池スタック20の出力電圧がOC回避電圧Var 超えた状態で運転されるのを未然に防止す ことができ、燃料電池スタック20の寿命を 上することが可能となる。

 さらに、コントローラ70は、出力電力の 定値が電力閾値Par未満である場合には、リ レッシュ運転を行う一方、出力電力の推定 が電力閾値Par以上である場合には、リフレ シュ運転を禁止する。これにより、燃料電 スタック20による出力電力が大きすぎるため に、バッテリ52で余剰電力を吸収できない(す なわち、バッテリ52への過充電が行われる)と いう問題を未然に防止することができる。

B.変形例

(1)以上説明した実施形態では、リフレッシュ 運転の運転条件について特に言及しなかった が、設定される電力閾値ParやOC回避電圧Varな に応じてリフレッシュ運転の運転条件を変 ても良い。具体的には、コントローラ70が 定される電力閾値ParやOC回避電圧Varなどに応 じて、リフレッシュ運転を行う時間間隔(例 ば30秒毎や4分毎など)やリフレッシュ運転時 燃料電池スタック20の出力電圧(例えば0.3Vや 0.6Vなど)の運転条件を変える。もちろん、リ レッシュ運転に関わるパラメータ(時間間隔 や出力電圧など)をどのような条件に基づい 変更するかは、任意に設定可能である。

(2)上述した実施形態では、車両走行時にリ フレッシュ運転を行う場合を例に説明したが 、システム起動時や停止時、さらには間欠運 転時にリフレッシュ運転を行う場合も同様に 適用可能である。また、システム要求電力が 所定値以下になったとき(例えばアイドル出 付近など)、リフレッシュ運転が可能か否か 判断しても良い。

(3)上述した実施形態では、被毒された電極 触媒の活性を回復するために、リフレッシュ 運転を行う場合について説明したが、例えば 低温起動時に暖機運転を行う場合やシステム 運転停止前に急速暖機を行う場合など、暖機 運転が必要なあらゆる場合に適用可能である 。

本実施形態に係る燃料電池システムの 部構成を示す図である。 リフレッシュ運転前後における燃料電 スタックのIV特性を示す図である。 フレッシュ運転前後における燃料電池 タックのIV特性とIP特性との関係を示す図で ある。

符号の説明

10・・・燃料電池システム、20・・・燃料 池スタック、30・・・酸化ガス供給系、40・ ・燃料ガス供給系、50・・・電力系、60・・ ・冷却系、70・・・コントローラ。