Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
FUEL CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/013863
Kind Code:
A1
Abstract:
A fuel cell in which, when its temperature rises abnormally, a flow path from a fuel receiving section to a unit cell is blocked to suppress the abnormal temperature rise. The fuel cell (1) has a fuel supply section (4) connected to a fuel electrode (13) via a flow path (5) and also has a fuel shut-off section (6) for blocking the supply of fuel to the fuel electrode (13) when the temperature of the fuel cell rises abnormally. The fuel shut-off section (6) includes a valve case (61) having an inlet opening (611b) into which the fuel from the fuel supply section (4) is placed and also having an outlet opening (611c) for discharging the fuel to the fuel electrode (13), a valve rod (622) placed in the valve case (61), and valve rod movement means (63) constructed from a spring made of a shape memory alloy or from a bimetal for moving, when the abnormal temperature rise occurs, the valve rod (622) so as to close a flow path interconnecting the inlet opening (611b) and the outlet opening (611c).

Inventors:
TAKAHASHI KENICHI (JP)
KAWAMURA KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001855
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 10, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOSHIBA KK (JP)
TAKAHASHI KENICHI (JP)
KAWAMURA KOICHI (JP)
International Classes:
H01M8/10; H01M8/04
Domestic Patent References:
WO2005112172A12005-11-24
Foreign References:
JP2004288488A2004-10-14
JP2001229942A2001-08-24
JP2007165007A2007-06-28
JP2006210168A2006-08-10
JP3413111B22003-06-03
JP2005518646A2005-06-23
JP2006085952A2006-03-30
US20060029851A12006-02-09
Other References:
See also references of EP 2175510A4
Attorney, Agent or Firm:
SUYAMA, Saichi (1 Kandata-cho 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 46, JP)
Download PDF:
Claims:
 燃料極と空気極と前記燃料極と前記空気極とによって狭持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、前記燃料極と流路を介して接続された燃料供給部と、前記流路に介在され、異常昇温時に前記燃料極への燃料の供給を遮断する燃料遮断部とを有する燃料電池であって、
 前記燃料遮断部は、前記燃料供給部からの燃料が注入される注入口と前記燃料極へと燃料を排出する排出口とを有するバルブケースと、前記バルブケース内に配置されたバルブロットと、前記異常昇温時に前記注入口と前記排出口とを繋ぐ流路を塞ぐように前記バルブロットを移動させる形状記憶合金からなるスプリングまたはバイメタルからなるバルブロット移動手段とを有することを特徴とする燃料電池。
 前記燃料遮断部は可動ロッドを有するアクチュエータを有し、前記可動ロッドが前記バルブロットを兼ねていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
 前記バルブケースは、前記注入口と前記排出口とを接続すると共に前記バルブロットの前記移動方向側の軸部が挿入される軸孔と、前記バルブロットのバルブヘッドが配置されるバルブヘッド室とを有し、前記バルブロット移動手段は前記バルブヘッド室内であって前記バルブヘッドに対して前記移動方向と反対側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
 前記バルブケースは前記軸孔を有する第1ケース部と前記バルブヘッド室を有する第2ケース部とから主としてなり、前記第1ケース部と前記第2ケース部との間に、前記バルブロットの前記移動方向側の軸部を覆うと共に端部が前記第1ケース部と前記第2ケース部とによって狭持された袋状の可動膜が設けられていることを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
 前記バルブロットは前記移動方向側の軸部に径小部を有し、前記袋状の可動膜は前記径小部を覆う部分が蛇腹状となっていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
 前記袋状の可動膜の端部は断面が押圧方向に対して略山型状となっていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
 前記燃料遮断部は可動ロッドを有するアクチュエータを有し、前記アクチュエータは前記バルブロッドの前記移動方向に配置されると共に前記可動ロッドが前記バルブロッドと対向するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
 前記バルブケースは、前記移動方向側に設けられると共に可動膜によって開口部が封止された流路分離可動室と、前記移動方向とは反対側に設けられると共に前記注入口が設けられたバルブヘッド室と、前記流路分離可動室と前記バルブヘッド室とを接続すると共に前記排出口が設けられた軸孔とを有し、前記バルブロットは前記流路分離可動室と前記バルブヘッド室とに渡って配置されると共に前記バルブヘッド室内にそのバルブヘッドが配置され、前記バルブロット移動手段は前記バルブヘッド室内であって前記バルブヘッドに対して前記移動方向と反対側に設けられ、前記可動ロッドは前記可動膜を介して前記バルブロットと対向配置されていることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
 前記バルブロッドには、前記液体燃料との接触による腐食を抑制するための表面処理が行われていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
Description:
燃料電池

 本発明は、液体燃料を用いた燃料電池に する。

 近年、ノートパソコンや携帯電話等の各 携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可 とするために、これら携帯用電子機器の電 に燃料電池を用いる試みがなされている。 料電池は燃料と空気とを供給するだけで発 することができ、燃料を補給すれば連続し 長時間発電することが可能であるという特 を有している。このため、燃料電池を小型 できれば、携帯用電子機器の電源として極 て有利なシステムといえる。

 直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol  Fuel Cell;DMFC)は小型化が可能であり、さらに 料の取り扱いも容易であるため、携帯用電 機器の電源として有望視されている。DMFCに ける液体燃料の供給方式としては、気体供 型や液体供給型等のアクティブ方式、また 料供給部内の液体燃料を電池内部で気化さ て燃料極に供給する内部気化型等のパッシ 方式が知られている。

 これらのうち、内部気化型等のパッシブ 式はDMFCの小型化に対して特に有利である。 パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、 解質膜および空気極を有する膜電極接合体( 料電池セル)を樹脂製の箱状容器からなる燃 料供給部上に配置した構造が提案されている (例えば、特許文献1、2参照)。

 内部気化型DMFCでは、燃料浸透層中に保持 された液体燃料のうち気化成分を燃料気化層 (アノードガス拡散層)において拡散させ、拡 された気化燃料がアノード触媒層に供給さ 、カソード触媒層側からの空気と電解質膜 おいて発電反応する。

 なお、液体供給型DMFCでは、セルと燃料収容 部とを流路を介して接続する技術が知られて いる(例えば、特許文献3乃至5参照)。液体燃 を、流路を介してセルに供給することによ て、流路の形状や径等に基づいて液体燃料 供給量を調整することができる。

特許登録第3413111号明細書

国際公開第2005/112172号パンフレット

特表2005-518646公報

特開2006-085952公報

米国特許公開第2006/0029851号公報

 本発明は、燃料電池の異常昇温時に燃料 容部から燃料電池セルへの流路を遮断する とによって、該異常昇温を抑制することが きる燃料電池を提供することを目的として る。

 すなわち、燃料電池を搭載する携帯用電 機器を夏場の自動車内に放置した場合等、 らかの理由により燃料収容部の温度が過度 上昇した場合、燃料の蒸気圧の上昇に伴う 圧の上昇により燃料電池セルに過剰な燃料 供給され、この過剰な燃料によって発電反 が促進されてますます温度が上昇する異常 温が起こりえる。また、このような異常昇 に伴って、燃料がアノード側でプロトンに 解されずにカソード側へと到達して触媒酸 されるクロスオーバー現象の発生も多くな 、ますます異常昇温しやすくなる。本発明 、このような燃料電池の異常昇温時に燃料 容部から燃料電池セルへの流路を遮断する とによって、該異常昇温を抑制することが きる燃料電池を提供することを目的として る。

 本発明の燃料電池は、燃料極と空気極と 記燃料極と前記空気極とによって狭持され 電解質膜とを有する膜電極接合体と、前記 料極と流路を介して接続された燃料供給部 、前記流路に介在され、異常昇温時に前記 料極への燃料の供給を遮断する燃料遮断部 を有する燃料電池であって、前記燃料遮断 が、前記燃料供給部からの燃料が注入され 注入口と前記燃料極へと燃料を排出する排 口とを有するバルブケースと、前記バルブ ース内に配置されたバルブロットと、前記 常昇温時に前記注入口と前記排出口とを繋 流路を塞ぐように前記バルブロットを移動 せる形状記憶合金からなるスプリングまた バイメタルからなるバルブロット移動手段 を有することを特徴としている。

本発明の燃料電池の一例を示す断面図 燃料遮断部の一例(開放状態)を示す断 図。 図2に示す燃料遮断部の遮断状態を示す 断面図。 図2に示す燃料遮断部の変形例(開放状 )を示す断面図。 図4に示す燃料遮断部の遮断状態を示す 断面図。 燃料遮断部の他の例(開放状態)を示す 面図。 図6に示す燃料遮断部の遮断状態を示す 断面図。

符号の説明

 1…燃料電池、2…燃料電池セル、3…燃料 配機構、4…燃料収容部、5…流路、6…燃料 断部、11…アノード触媒層、12…アノードガ ス拡散層、13…アノード(燃料極)、14…カソー ド触媒層、15…カソードガス拡散層、16…カ ード(空気極/酸化剤極)、17…電解質膜、20… 孔体、31…注入口、32…排出口、33…燃料分 板、34…細管、61…バルブケース、61a…流路 分離可動室、61b…バルブヘッド室、61c…軸孔 、61d…先端側ホルダ、61e…後端側ホルダ、61f …注入口、61g…排出口、611a…軸孔、611b…注 口、611c…排出口、612a…バルブヘッド室、62 …アクチュエータ、621…本体部、622…可動ロ ッド、622a…径大部、622b…細径部、63…形状 憶合金スプリング(バルブロッド移動手段)、 64…バイアススプリング、65…可動膜、65a… 状部、65b…リング状端部、65c…リップ部、65 d…蛇腹部、65m…中央部、66…バルブロッド、 66a…バルブヘッド、67…リング状弾性体、CTR コントローラ

 以下、本発明の燃料電池について説明す 。本発明の燃料電池は、燃料極と空気極と れら燃料極と空気極とによって狭持された 解質膜とを有する膜電極接合体と、燃料極 流路を介して接続された燃料供給部と、流 に介在され、異常昇温時に燃料極への液体 料の供給を遮断する燃料遮断部とを有する のである。

 そして、本発明における燃料遮断部は、 料供給部からの燃料が注入される注入口と の燃料を燃料極へと排出する排出口とを有 るバルブケースと、このバルブケース内に 置されたバルブロットと、異常昇温時に注 口と排出口とを繋ぐ流路を塞ぐようにバル ロットを移動させる形状記憶合金からなる プリングまたはバイメタルからなるバルブ ット移動手段とを有することを特徴として る。

 本発明によれば、燃料遮断部においてバ ブロットを遮断状態へと移動させるバルブ ット移動手段として形状記憶合金からなる プリングまたはバイメタルを用いることで 燃料電池が異常昇温した際に、その熱を利 して流路を遮断するようにバルブロットを 動的に移動させることができ、これにより 料供給を遮断してそれ以上の異常昇温の進 を抑制することができる。

 図1は、本発明の燃料電池1の全体構成の 例を示したものである。燃料電池1は、起電 を構成する燃料電池セル2と、この燃料電池 セル2に燃料を供給する燃料分配機構3と、燃 供給部としての液体燃料を収容する燃料収 部4と、これら燃料分配機構3と燃料収容部4 を接続する流路5と、この流路5中に設けら た燃料遮断部6とを有している。

 燃料電池セル2は、アノード触媒層11とア ードガス拡散層12とを有するアノード(燃料 )13と、カソード触媒層14とカソードガス拡 層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16 、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで 挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電 質膜17とから構成される膜電極接合体(Membran e Electrode Assembly:MEA)を有している。

 アノード触媒層11やカソード触媒層14に含 有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir Os、Pd等の白金属元素の単体、白金属元素を 含有する合金等が挙げられる。アノード触媒 層11には、メタノールや一酸化炭素に対して い耐性を有するPt-RuやPt-Mo等を用いることが 好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt-Ni等 を用いることが好ましい。

 但し、触媒はこれらのものに限定される のではなく、触媒活性を有する各種の物質 使用することができる。触媒は炭素材料の うな導電性担持体を使用した担持触媒、あ いは無担持触媒のいずれであってもよい。

 電解質膜17を構成するプロトン伝導性材 としては、例えばスルホン酸基を有するパ フルオロスルホン酸重合体のようなフッ素 樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)や レミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホ 酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材 、あるいはタングステン酸やリンタングス ン酸等の無機系材料が挙げられる。但し、 ロトン伝導性の電解質膜17はこれらに限られ るものではない。

 アノード触媒層11に積層されるアノード ス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均 に供給する役割を果たすと同時に、アノー 触媒層11の集電体も兼ねている。カソード 媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給す 役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の 集電体も兼ねている。アノードガス拡散層12 よびカソードガス拡散層15は多孔質基材で 成されている。

 アノードガス拡散層12やカソードガス拡 層15には、必要に応じて導電層が積層される 。これら導電層としては、例えばAuのような 電性金属材料からなるメッシュ、多孔質膜 薄膜等が用いられる、電解質膜17と燃料分 機構3およびカバープレート18との間には、 れぞれゴム製のOリング19が介在されており これらによって燃料電池セル2からの燃料漏 や酸化剤漏れが抑制されている。

 カバープレート18は酸化剤である空気を り入れるための開口(図示せず)を有している 。カバープレート18とカソード16との間には 必要に応じて保湿層(図示せず)や表面層(図 せず)が配置される。

 保湿層はカソード触媒層14で生成された の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制する 共に、カソード触媒層14への空気の均一拡散 を促進するものである。表面層は空気の取り 入れ量を調整するものであり、空気の取り入 れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複 数の空気導入口を有している。

 燃料収容部4には、燃料電池セル2に応じ 液体燃料が収容されている。液体燃料とし は、各種濃度のメタノール水溶液や純メタ ール等のメタノール燃料が挙げられる。液 燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られ ものではない。液体燃料は、例えばエタノ ル水溶液や純エタノール等のエタノール燃 、プロパノール水溶液や純プロパノール等 プロパノール燃料、グリコール水溶液や純 リコール等のグリコール燃料、ジメチルエ テル、ギ酸、その他の液体燃料であっても い。いずれにしても、燃料収容部4には燃料 池セル2に応じた液体燃料が収容される。

 燃料電池セル2のアノード13側には、燃料 配機構3が配置されている。燃料分配機構3 流路5を介して燃料収容部4と接続されている 。燃料分配機構3には、燃料収容部4から流路5 を介して燃料が導入される。

 ここで、流路5は燃料分配機構3や燃料収 部4と独立した配管に限られるものではない 例えば、燃料分配機構3と燃料収容部4とを 層して一体化する場合、これらを繋ぐ燃料 流路であってもよい。燃料分配機構3は流路5 を介して燃料収容部4と接続されていればよ 。この燃料電池1では、燃料収容部4から燃料 電池セル2に供給された燃料は発電反応に使 され、その後に循環して燃料収容部に戻さ ることはない。このように燃料を循環しな ことから、従来のアクティブ方式とは異な 、セミパッシブ型と呼称され、装置の小型 等を損なうものではない。なお、このセミ ッシブ型の燃料電池では、燃料収容部4から 料電池セル2への燃料供給が行われる構成で あれば流路5にポンプを配置しても良い。

 燃料分配機構3は、燃料が流路5を介して 入する少なくとも1個の注入口31と、燃料や の気化成分を燃料電池セル2に排出する複数 の排出口32とを有する燃料分配板33を備えて いる。

 燃料分配板33の内部には、注入口31から導 かれた液体燃料の通路となる細管34が設けら ている。細管34は例えば内径が0.05mm以上5mm 下の貫通孔であることが好ましい。複数の 出口32は燃料通路として機能する細管34にそ ぞれ直接接続されている。

 注入口31から燃料分配機構3に導入された 体燃料は細管34に入り、この燃料通路とし 機能する細管34を介して複数の排出口32にそ ぞれ導かれる。複数の排出口32には、例え 燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は 過させない気液分離体(図示せず)が配置され ていてもよい。これによって、燃料電池セル 2のアノード13には燃料の気化成分が供給され る。なお、気液分離膜は燃料分配機構3とア ード13との間に気液分離膜等として設置され ていてもよい。液体燃料の気化成分は複数の 排出口32からアノード13の複数箇所に向けて 出される。

 燃料分配機構3から放出された燃料は、上 述したように燃料電池セル2のアノード13に供 給される。燃料電池セル2内において、燃料 アノードガス拡散層12を拡散してアノード触 媒層11に供給される。燃料としてメタノール 料を用いた場合、アノード触媒層11で下記(1 )式に示すメタノールの内部改質反応が生じ 。なお、メタノール燃料として純メタノー を使用した場合には、カソード触媒層14で生 成した水や電解質膜17中の水をメタノールと 応させて(1)式の内部改質反応を生起させる あるいは、水を必要としない他の反応機構 より内部改質反応を生じさせる。

 CH 3 OH+H 2 O → CO 2 +6H + +6e -  …(1)
 この反応で生成した電子(e - )は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆ 電気として携帯用電子機器等を動作させた 、カソード16に導かれる。また、(1)式の内部 改質反応で生成したプロトン(H + )は電解質膜17を経てカソード16に導かれる。 ソード16には酸化剤として空気が供給され 。カソード16に到達した電子(e - )とプロトン(H + )はカソード触媒層14で空気中の酸素と下記(2) 式に従って反応し、この反応に伴って水が生 成する。

 6e - +6H + +(3/2)O 2  → 3H 2 O …(2)
 さらに、燃料分配機構3とアノード13との間 は多孔体20を挿入することが有効である。 孔体20の構成材料としては各種樹脂が使用さ れ、多孔質状体の樹脂フィルム等が多孔体20 して用いられる。

 このような多孔体20を配置することによ て、アノード13に対する燃料供給量をより一 層平均化することができる。すなわち、燃料 分配機構3の排出口32から噴出した燃料は一旦 多孔体20に吸収され、多孔体20の内部で面内 向に拡散する。この後、多孔体20からアノー ド13に燃料が供給されるため、燃料供給量を り一層平均化することができる。

 本発明の燃料電池1では、異常昇温時に燃 料収容部4から燃料分配機構3等への燃料の供 を遮断し、それ以上の異常昇温を抑制する 点から燃料遮断部6を設けている。燃料遮断 部6は、燃料収容部4と燃料分配機構3との間の 流路5に設けられている。

 図2、3に、燃料遮断部6の一例を示す。こ で、図2は、燃料遮断部6が開放状態のとき 様子を示したものであり、通常の発電状態 ときの様子を示したものである。また、図3 、燃料遮断部6が遮断状態となったときの様 子を示したものであり、異常昇温により発電 停止状態となったときの様子を示したもので ある。なお、この燃料遮断部6は後述するよ にアクチュエータの可動ロッドをバルブロ トとして利用したものである。

 この燃料遮断部6は、筒状のバルブケース 61と、このバルブケース61の一方の端部に嵌 込まれるようにして設けられたアクチュエ タ62とを有している。アクチュエータ62は、 体部621と、この本体部621から突出可能な可 ロッド622とを有しており、可動ロッド622は ルブケース61内に摺動可能に配置されてい 。ここで、可動ロッド622は異常昇温時に図 左側へと移動するものであり、以下ではこ 異常昇温時の可動ロッド622の移動方向(特許 求の範囲における「移動方向」に相当。)を 遮断方向とも呼ぶ。また、以下ではこの遮断 方向側(図中、左側)を先端側と呼び、その反 側(図中、右側)を後端側と呼ぶ。

 可動ロッド622は、バルブロッドとなるも であって、柱状の軸部と、その軸方向の略 間位置に設けられたバルブヘッドに相当す 径大部622aとを有しており、可動ロッド622の 先端側は例えば半球状とされている。可動ロ ッド622は、後述するように例えば袋状の可動 膜65によって覆われるため燃料との直接の接 はないが、可動膜65の損傷による燃料との 触に備えて、表面処理が行われた耐食性に れるものが好ましい。表面処理としては、 えば不動態化処理が挙げられるが、このよ なものに限られるものではなく、例えば金 の貴金属メッキやフッ素系樹脂等による樹 コーティングしたものが好適なものとして げられる。

 アクチュエータ62は、可動ロッド622の突 が可能なものである。なお、図2は、可動ロ ド622が本体部621に引き込まれた状態(非突出 状態)を示している。アクチュエータ62は、例 えばその内部に非突出状態保持用磁石(図示 ず)および突出状態保持用磁石(図示せず)を するものであり、可動ロッド622を非突出状 または突出状態に保持することが可能なも である。

 バルブケース61は、例えば可動ロッド622 先端側軸部が挿入される第1ケース部611と、 動ロッド622の後端側が配置される第2ケース 部612とから構成されている。第1ケース部611 、可動ロッド622の先端側軸部が挿入される 孔611aを有しており、軸孔611aの側面側には燃 料収容部4からの燃料が注入される注入口611b 設けられており、軸孔611aの軸方向先端側に は燃料を排出するための軸方向に延びる排出 口611cが設けられている。すなわち、注入口61 1bと排出口611cとは軸孔611aを介して繋がって り、これらは連続する流路を形成している

 なお、軸孔611aの内径は、袋状の可動膜65 よって覆われた可動ロッド622の軸径(袋状の 可動膜65の厚さを含む)よりも径大とされてお り、軸孔611aの内壁と袋状の可動膜65の外壁と の間を通って燃料が通過できるようになって いる。また、軸孔611aの先端側内壁部分は先 側に向かって徐々に径小となるように形成 れており、この部分に可動ロッド622の先端 の半球状部分を嵌め合わせることで排出口61 1cを塞ぐことができるようになっている。

 また、第2ケース部612は、可動ロッド622の 径大部(バルブヘッド)622aが配置されるバルブ ヘッド室612aを有している。バルブヘッド室61 2a内であって径大部622aの後端側(図中、右側) は、バルブロッド移動手段としての形状記 合金からなるスプリング63が設けられてい 。この形状記憶合金スプリング63は、温度の 上昇に伴って反発力が増加するものであり、 異常昇温時に可動ロッド622を先端側に向かっ て押し出すように働くものである。

 またバルブヘッド室612a内であって径大部 622aの先端側にはバイアススプリング64が設け られている。このバイアススプリング64は、 状記憶合金からなるものである必要はなく 通常のスプリングであればよい。このバイ ススプリング64は、通常の発電時(異常昇温 以外)において可動ロッド622の先端側への不 必要な移動の抑制を助けると共に、異常昇温 状態が解除され温度が低下するに伴い遮断状 態から開放状態への可動ロッド622の移動(復 )を助けるために利用される。

 可動ロッド622の先端側は袋状の可動膜65 覆われている。可動膜65は、具体的には可動 ロッド622の先端側を覆う袋状部65aと、その後 端側のリング状端部65bとから構成されている 。可動膜65は、後端側のリング状端部65bが第1 ケース部611と第2ケース部612との間に狭持さ ることで固定されている。可動膜65は、燃料 が可動ロッド622に接触して腐食させることを 抑制すると共に、第1ケース部611を封止し、 れ以外の部分に燃料が漏洩することを抑制 るために設けられている。燃料の漏洩を抑 する観点からは、特にリング状端部65bの外 側にリップ形状(山型形状)のリップ部65cを有 することが好ましい。

 可動膜65は、例えば耐メタノール性を有 るEPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)によ って形成されている。可動膜65の材質につい は必ずしもEPDMに限られるものではなく、VMQ (シリコーンゴム)、FVMQ(フロロシリコーンゴ )、FKM(フッ素ゴム)、NBR(ニトリルゴム)、HNBR( 素化ニトリルゴム)が好適に用いられる。

 また、可動膜65としては、袋状部65aおよ リング状端部65bについて耐メタノール性を する樹脂、例えばPEI(ポリエーテルイミド)、 PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケ トン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を 使用し、リング状端部65b上に上記列挙した材 質を好適に用いてリップ部65cを形成した構成 であってもよい。

 このような燃料遮断部6は、通常の発電状 態においては、可動ロッド622を遮断方向へと 移動させる力である形状記憶合金スプリング 63の反発力に対してこの可動ロッド622の移動 抑制する力である抑制力が上回るように構 されており、異常昇温時においてはその反 に、形状記憶合金スプリング63の反発力が の移動を抑制する抑制力を上回るように構 されている。ここで、可動ロッド622の移動 抑制する抑制力とは、アクチュエータ62にお いて可動ロッド622を非突出状態に保持する保 持力、バイアススプリング64の反発力および 状の可動膜65の弾性力が挙げられ、これら 合計したものである。

 通常、100℃程度となったときを異常昇温 しているため、100℃程度となったときに形 記憶合金スプリング63の反発力が上記抑制 を上回るように構成される。なお、異常昇 と判断する温度は必ずしもこのような温度 限られるものではなく、適宜変更すること できる。具体的な異常昇温温度(可動ロッド6 22を遮断方向へと移動させる温度)の調整は、 例えばアクチュエータ62における可動ロッド6 22の保持力やバイアススプリング64の反発力 を考慮しつつ、形状記憶合金スプリング63と して適切な反発力変化(温度上昇に伴う反発 変化)を有するものを選択して用いることで うことができる。

 このような燃料遮断部6によれば、通常の 発電時においては、可動ロッド622を遮断方向 へと移動させる形状記憶合金スプリング63の 発力よりも該可動ロッド622の移動を抑制す 抑制力が上回っているため、排出口611cは可 動ロッド622によって塞がれることはなく、注 入口611bから入った燃料は軸孔611aを通って排 口611cから排出される。

 一方、燃料電池1が異常昇温した場合、そ の熱によりバルブロッド移動手段としての形 状記憶合金スプリング63が軸方向に伸びよう して反発力が増加し、図3に示すように可動 ロッド622を遮断方向へと移動(突出)させる。

 軸孔611aの先端部には排出口611cが設けら ているため、可動ロッド622の遮断方向への 動により排出口611cは塞がれる。そして、一 変形した形状記憶合金スプリング63は通常 何も力を加えなければ縮んで元に戻ること なく、またアクチュエータ62の内部には可動 ロッド622を突出状態のまま保持する突出状態 保持用磁石(図示せず)が設けられているため 排出口611cは可動ロッド622によって塞がれた ままとなる。これにより、バルブケース61内 流路は塞がれたままの状態となり、結果と て燃料収容部4から燃料電池セル2への燃料 給も遮断されるため、それ以上の異常昇温 抑制される。

 燃料遮断部6の遮断状態から開放状態への 復帰は、十分に温度が低下した状態から、燃 料遮断部6に接続されたコントローラCTRを通 、アクチュエータ62の内部に設けられたコイ ル(図示せず)に突出状態保持用磁石(図示せず )と反発する磁極が発生する向きに電流を流 ことによって、図2に示すように可動ロッド6 22を本体部621へと引き込むことによって行う とができる。なお、通常の発電時について 、上述したように可動ロッド622を遮断方向 と移動させる力である形状記憶合金スプリ グ63の反発力に対してこの可動ロッド622の 動を抑制する力である抑制力が上回るよう 構成されているため、一旦本体部621へと引 込まれた可動ロッド622は通常は突出するこ はなく、非突出状態のまま保持される。

 図4、5は、図2、3に示される燃料遮断部6 変形例を示したものである。ここで、図4は 燃料遮断部6が開放状態のときの様子を示し たものであり、通常の発電状態のときの様子 を示したものである。また、図5は、燃料遮 部6が遮断状態となったときの様子を示した のであり、異常昇温により発電停止状態と ったときの様子を示したものである。

 この燃料遮断部6は、例えば図4に示され ように、可動ロッド(バルブロット)622の先端 側軸部に他の部分よりも細径とされた細径部 622bが設けられており、袋状の可動膜65のうち この細径部622bに対応する部分に蛇腹部65dが けられていることを特徴としている。蛇腹 65dは、可動ロッド622が非突出状態の場合に 縮んでおり、細径部622bに収容されるように っている。そして、図5に示されるように可 動ロッド622が遮断方向へと移動して突出状態 となったときには、この可動ロッド622に併せ て伸びることができるようになっている。

 このようなものによれば、蛇腹部65dが延 るため、可動ロッド622の遮断方向への移動 妨げられることが少なく、開放状態から遮 状態への移行を適正に行うことができ、異 昇温を適切に抑制することができる。また 可動ロッド622が非突出状態のときには、細 部622bに撓んだ蛇腹部65dが収容されるため、 注入口611bから排出口611cへの燃料の移動を妨 ることも少ない。

 次に、燃料遮断部6の他の例として、バル ブロッドの遮断方向にアクチュエータ62を配 すると共に、可動ロッド622がバルブロッド 対向するように配置したものについて説明 る。

 図6、7は、このような燃料遮断部6の一例 示したものである。ここで、図6は、燃料遮 断部6が開放状態のときの様子を示したもの あり、通常の発電状態のときの様子を示し ものである。また、図7は、燃料遮断部6が遮 断状態となったときの様子を示したものであ り、異常昇温により発電停止状態となったと きの様子を示したものである。

 例えば図6に示されるように、この燃料遮 断部6は、筒状のバルブケース61内にバルブロ ッド66が配置され、バルブロッド66の異常昇 時における移動方向(遮断方向、図中、左側 向。)にアクチュエータ62が配置されている アクチュエータ62は、本体部621と、この本 部621から突出可能な可動ロッド622とを有し おり、後述する可動膜65を介してその可動ロ ッド622がバルブロッド66の先端側と対向する うに配置されている。

 アクチュエータ62は、例えばその内部に 突出状態保持用磁石(図示せず)および突出状 態保持用磁石(図示せず)を有するものであり 非突出状態および突出状態の保持が可能な のである。なお、図6は、可動ロッド622が本 体部621から突出した状態(突出状態)を示して る。

 バルブロッド66は、柱状の軸部と、その 方向の略中間位置に設けられた他の部分に べて径大なバルブヘッド66aとを有している バルブロッド66は、燃料と直接接触するため 、表面処理が行われた耐食性に優れるものが 好ましい。表面処理としては、例えば不動態 化処理が挙げられるが、このようなものに限 られるものではなく、例えば金等の貴金属メ ッキやフッ素系樹脂等による樹脂コーティン グしたものが好適なものとして挙げられる。

 バルブケース61の先端側には流路分離可 室61aが設けられている。流路分離可動室61a 先端側開口部には可動膜65を介して先端側ホ ルダ61dが嵌め込まれており、流路分離可動室 61aはこの可動膜65によって封止されている。 動膜65は、具体的には中央部65mと、その外 側のリング状端部65bとから構成されており リング状端部65bが流路分離可動室61aの内壁 先端側ホルダ61dとによって狭持されること 固定されている。

 可動膜65は、流路分離可動室61aから燃料 漏洩し、アクチュエータ62の可動ロッド622を 腐食させることを抑制するために設けられて いる。燃料の漏洩を抑制する観点からは、特 にリング状端部65bの外周側にリップ形状のリ ップ部65cを有することが好ましい。可動膜65 、上述した袋状の可動膜65と同様な材質と ることができる。

 一方、バルブケース61の後端側にはバル ヘッド66aが配置されるバルブヘッド室61bが けられており、その後端側開口部は後端側 ルダ61eが嵌め込まれることによって封止さ ている。そして、これら流路分離可動室61a バルブヘッド室61bとは、バルブロッド66の軸 部よりもわずかに径大とされた軸孔61cによっ て接続されている。

 バルブヘッド室61bの側面側には燃料収容 4からの燃料が注入される注入口61fが設けら れており、軸孔61cの側面側にはこの燃料を排 出する排出口61gが設けられている。すなわち 、注入口61fと排出口61gとは、バルブヘッド室 61bおよび軸孔61cを介して繋がっており、これ らは連続する流路を形成している。

 バルブロッド66は、流路分離可動室61aか バルブヘッド室61bに渡って設けられている バルブロッド66の先端側軸部は軸孔61cに挿入 されることで摺動可能に支持されると共に、 後端側軸部は後端側ホルダ61eに設けられた軸 孔に挿入されることで摺動可能に支持されて いる。また、バルブヘッド室61b内におけるバ ルブヘッド66aの先端側にはリング状弾性体67 設けられており、バルブヘッド66aの後端側 はバルブロッド移動手段としての形状記憶 金からなるスプリング63が設けられている そして、バルブロッド66は、軸孔61cの後端側 開口部とリング状弾性体67との間に隙間が形 されるような位置で保持されている。

 このような燃料遮断部6についても、通常 の発電状態においては、バルブロッド66を遮 方向へと移動させる力である形状記憶合金 プリング63の反発力に対してこのバルブロ ド66の移動を抑制する力である抑制力が上回 るように構成されており、異常昇温時におい てはその反対に、形状記憶合金スプリング63 反発力がその移動を抑制する抑制力を上回 ように構成されている。ここで、バルブロ ド66の移動を抑制する抑制力とは、実質的 はアクチュエータ62において可動ロッド622を 突出状態に保持する保持力であるが、厳密に は可動膜65が設けられているため、アクチュ ータ62における可動ロッド622の保持力から 動膜65の弾性力(遮断方向への引っ張り力)を し引いたものがバルブロッド66の移動を抑 する抑制力となる。

 このような燃料遮断部6についても、通常 、100℃程度となったときを異常昇温としてい るため、100℃程度となったときに形状記憶合 金スプリング63の反発力が上記抑制力を上回 ように構成される。なお、このような燃料 断部6についても、異常昇温と判断する温度 は必ずしもこのような温度に限られるもので はなく、適宜変更することができる。具体的 な異常昇温温度(バルブロッド66を遮断方向へ と移動させる温度)の調整は、例えばアクチ エータ62における可動ロッド622の保持力や可 動膜65の弾性力を考慮しつつ、形状記憶合金 プリング63として適切な反発力変化(温度上 に伴う反発力変化)を有するものを選択して 用いることで行うことができる。

 このような燃料遮断部6によれば、通常の 発電時においては、バルブロッド66を遮断方 へと移動させる形状記憶合金スプリング63 反発力よりも該バルブロッド66の移動を抑制 する抑制力が上回っているため、軸孔61cの後 端側開口部はリング状弾性体67やバルブロッ 66によって塞がれることはなく、注入口61f ら入った燃料はバルブヘッド室61bおよび軸 61cを通って排出口61gから排出される。

 一方、燃料電池1が異常昇温した場合、そ の熱によりバルブロッド移動手段としての形 状記憶合金スプリング63が軸方向に伸びよう して反発力が増加し、図7に示されるように その移動を抑制する抑制力、すなわちアクチ ュエータ62における可動ロッド622の保持力に らってバルブロッド66を遮断方向へと移動 せる。

 バルブロッド66の移動に伴い軸孔61cの後 側開口部がリング状弾性体67とバルブヘッド 66aとによって塞がれ、注入口61fから排出口61g へと繋がる流路が塞がれる。また、これによ り突出状態となっていた可動ロッド622は非突 出状態となる。そして、一旦変形した形状記 憶合金スプリング63は通常は何も力を加えな れば縮んで元に戻ることはなく、またアク ュエータ62の内部には可動ロッド622を非突 状態のまま保持する非突出状態保持用磁石( 示せず)が設けられているため、バルブロッ ド66はその位置で保持され、軸孔61cの後端側 口部は塞がれたままとなる。これにより、 料電池セル2への燃料の供給が遮断され、そ れ以上の異常昇温が抑制される。

 燃料遮断部6の遮断状態から開放状態への 復帰は、十分に温度が低下した状態から、燃 料遮断部6に接続されたコントローラCTRを通 、アクチュエータ62の内部に設けられたコイ ル(図示せず)に非突出状態保持用磁石(図示せ ず)と反発する磁極が発生する向きに電流を すことによって、図6に示されるように可動 ッド622を突出させることによって行うこと できる。すなわち、図6に示されるように可 動ロッド622を突出状態とすることによってバ ルブロッド66を後端側へと移動させ、軸孔61c 後端側開口部を開放させることによって行 ことができる。なお、通常の発電時につい は、上述したようにバルブロッド66を遮断 向へと移動させる力である形状記憶合金ス リング63の反発力に対してこのバルブロッド 66の移動を抑制する力である抑制力が上回る うに構成されているため、一旦開放状態と れたバルブロッド66は開放状態のまま保持 れる。

 上述した図2~7に示す燃料遮断部6では、バ ルブロッド移動手段として形状記憶合金スプ リング63を用いたものを示したが、バルブロ ド移動手段としては異常昇温時に上述した うな反発力あるいは変形力を有するもので ればよく、このようなものとしてバイメタ を使用することもできる。バルブロッド移 手段としてのバイメタルは、異常昇温時の によって変形し、その変形力によってバル ロッド66あるいはバルブロッドとしてのア チュエータ62の可動ロッド622を遮断方向へと 適切に移動させることができるものであれば 特に制限されるものではない。このようなバ イメタルを使用した燃料遮断部6としては、 えば図6に示されるような燃料遮断部6におい て形状記憶合金スプリング63の代わりにバイ タルを配置すると共に、このバイメタルの 形方向、例えば凸状に変形する場合にはこ 凸部がバルブヘッド66aの後端側に接触する うにしたものが挙げられる。

 以上、本発明の燃料電池について説明し が、本発明の燃料電池は上記実施形態その のに限定されるものではなく、実施段階で その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変 して具体化できる。また、上記実施形態に 示されている複数の構成要素の適宜な組み わせにより、種々の発明を形成できる。例 ば、実施形態に示される全構成要素から幾 かの構成要素を削除してもよい。また、異 る実施形態にわたる構成要素を適宜組み合 せてもよい。

 例えば、図2、3に示されるような燃料遮 部6において、バイアススプリング64を設け くても通常の発電時における可動ロッド622 不必要な突出を抑制することができ、また 断状態から開放状態への可動ロッド622の復 も容易に行うことができる場合には、この うなバイアススプリング64を省略することも できる。

 本発明の態様に係る燃料電池は、膜電極 合体と燃料供給部とを接続する流路に、異 昇温時の燃料供給を遮断する燃料遮断部を している。異常昇温時に燃料供給を遮断す 燃料遮断部を有することで、信頼性、安全 に優れた燃料電池となる。このように、本 明の態様に係る燃料電池は信頼性、安全性 優れるため、各種装置や機器の電源として 効利用することができる。