KONNO YOSHIKAZU (JP)
WO2006042751A2 | 2006-04-27 |
JP2003095926A | 2003-04-03 | |||
JP2005505573A | 2005-02-24 | |||
JPH02174787A | 1990-07-06 | |||
JPS6351311A | 1988-03-04 |
次の成分(a)~(d); (a)リゾリン脂質 (b)25℃にて液状の高級アルコール又は液状の高級脂肪酸から選ばれる一種又は二種以上 (c)コレステロール又はフィトステロール (d)精製水 を含有するベシクル組成物。 |
さらに成分(e)電解質を含有する請求項1に記載のベシクル組成物。 |
成分(b)と成分(c)との含有質量比(b)/(c)が0.2~4であることを特徴とする請求項1又は2に記載のベシクル組成物。 |
成分(a)、成分(b)及び成分(c)の含有質量比(a)/[(b)+(c)]が0.25~5である請求項1~3のいずれか1項に記載のベシクル組成物。 |
成分(b)が、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイン酸、及びイソステアリン酸から選ばれる一種又は二種以上である請求項1~4のいずれか1項に記載のベシクル組成物。 |
25℃における電気伝導度が0.02~2.5s/mである請求項1~5のいずれか1項に記載のベシクル組成物。 |
請求項1~6のいずれか1項に記載のベシクル組成物を含有する皮膚外用剤。 |
本発明は、リゾリン脂質を利用したベシ ル組成物、及び該ベシクル分散組成物から る皮膚外用剤に関する。
ベシクルは両親媒性物質が形成する二分 膜構造を有した閉鎖小胞のことであるが、 の特異的な構造ゆえに有効成分を内包する とができ、ドラッグデリバリーシステム等 おけるキャリアとして注目されている。ま 、ベシクルは角層中での滞留性が高く、有 成分を効率的に作用させることができるた 、皮膚外用剤として非常に有効なものとな ている。
一般にベシクルを構成可能な両親媒性物 は、多数存在するが、特に、リン脂質から るベシクルはリポソームと呼ばれ、生体へ 安全性の面からも多くの検討がなされてい 。例えば、ホスファチジルコリン純度が90% 上で、ヨウ素価0.1以下のリン脂質から構成 れ、粒子径が100~150nmのリポソーム(例えば、 特許文献1参照)などがある。またベシクルを 成する両親媒性物質として、合成界面活性 を用いたベシクルの検討についても多くの 討がされている。マルチトールジ脂肪酸エ テルを用いたベシクル製剤の技術(例えば、 特許文献2参照)や、多鎖多親水基型界面活性 を用いたリポソーム製剤の技術(例えば、特 許文献3参照)などがある。
一方、リゾリン脂質は親水性の界面活性 であり、水中油型乳化組成物の乳化剤とし 用いた技術がある。例えば、リゾリン脂質 リン脂質及び油を特定の割合で配合した透 度の高い化粧料(例えば、特許文献4参照)が る。また、リン脂質と所定のカチオン界面 性剤とを含有する毛髪用化粧料が提案され リン脂質としてリゾ体を使用できることが 載されている(特許文献5参照)。
また液状の高級アルコールや液状の高級 肪酸は、乳化粒子をさらに微細化させるな の乳化助剤として用いた技術(例えば、特許 文献6参照)がある。
さらに化粧料等の皮膚外用剤には、種々の
容効果や付加価値を与える目的として電解
配合がなされている。例として、アミノ酸
dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸
トリウムや美白成分としてアスコルビン酸
導体等の有機塩、また塩化ナトリウム等の
機塩等がある。
このようにベシクル製剤に関する技術は 数あるが、以下のような問題点があった。 えば、特許文献1の技術では、使用感には優 れるものの経時において変臭したり、製剤を 安定にするpH領域が限られており、化粧料等 皮膚外用剤への応用には制約があった。特 文献2の技術では、リポソームと比べ肌への 浸透感が低く、べたつきを感じる場合があっ た。さらに、特許文献3の技術では、アミノ 系界面活性剤を利用し、簡便な方法でベシ ルを得ることができるが、その保存安定性 関して十分でない場合があった。また保湿 果や美白効果などを付与する目的等で配合 れる電解質存在下においては、これらのよ な技術では、ベシクル特有の二分子膜構造 壊れてしまい、高温での保存安定性が十分 なかったのが実情であった。
このため上記の技術とは異なるリポソー のような使用感に優れ、且つ保存安定性に れたベシクルを形成した皮膚外用剤の開発 望まれており、さらには電解質存在下にお てもベシクルを形成している保存安定性に れる皮膚外用剤の開発が望まれていた。
かかる実情において、本発明者が鋭意研 した結果、リゾリン脂質、25℃で液状の高 アルコール又は液状の高級脂肪酸から選ば る一種又は二種以上、コレステロール又は ィトステロール、及び精製水を含有するベ クルが、保存安定性に優れることを見出し 本発明を完成するに至った。
本発明は、通常は、親水性の乳化剤とし 用いられるリゾリン脂質を、25℃で液状の 級アルコール又は液状の高級脂肪酸から選 れる一種又は二種以上、コレステロール又 フィトステロール、及び精製水とともに含 させることで、新規で且つ保存安定性に優 るベシクル組成物を提供するものである。
すなわち本発明は、次の成分(a)~(d);
(a)リゾリン脂質
(b)25℃で液状の高級アルコール又は液状の高
脂肪酸から選ばれる一種又は二種以上
(c)コレステロール又はフィトステロール
(d)精製水
を含有するベシクル組成物に関する。
本発明は、さらに、成分(e)電解質を含有 る前記ベシクル組成物にも関する。
また、本発明は、成分(b)と成分(c)の含有 量比(b)/(c)が0.2~4である前記ベシクル組成物 も関する。
また、本発明は、成分(a)、成分(b)及び成 (c)の含有質量比(a)/[(b)+(c)]が0.25~5である前記 ベシクル組成物にも関する。
また、本発明は、成分(b)が、オレイルア コール、イソステアリルアルコール、オレ ン酸、イソステアリン酸から選ばれる一種 たは二種以上である前記ベシクル組成物に 関する。
また、本発明は、25℃における電気伝導度
0.02~2.5s/mであることを特徴とする前記ベシク
ル組成物にも関する。
また、別の観点から、本発明によって、前
いずれかのベシクル組成物を含有する皮膚
用剤が提供される。
本発明のベシクル組成物は、保存安定性 優れる。また、肌への浸透感が高く、べた きのない使用感で、さらに保湿効果に優れ 品質を有するものであり、本発明のベシク 組成物は皮膚外用剤として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本
細書において「~」を用いて表される数値範
囲は、「~」の前後に記載される数値を下限
および上限値として含む範囲を意味する。
本発明のベシクル組成物は、(a)リゾリン脂
を含有する。(a)リゾリン脂質は、ベシクル
成成分として用いられる。その種類につい
は特に限定されない。リゾリン脂質の例に
、大豆由来リゾリン脂質、大豆由来水素添
リゾリン脂質、卵黄由来リゾリン脂質、卵
由来水素添加リゾリン脂質等が含まれる。
れらのリゾリン脂質は必要に応じて一種、
は二種以上用いることができる。(a)リゾリ
脂質は、酵素改質リン脂質の1種であり、ホ
スフォリパーゼにより2位のエステル結合が
水分解されたものである。本発明に用いる
ゾリン脂質は、リゾリン脂質のリゾ化率(全
ン脂質中のリゾリン脂質の比率)が60%以上で
あり、且つホスファチジルコリンの純度(以
、「PC純度」とする)が20%以上のものが好ま
い。リゾリン脂質は、脂肪酸鎖が1本である
で、脂肪酸鎖が2本であるリン脂質と比較し
て、親水性が高く、及びリン脂質とは異なる
化学的性質を有する。
成分(a)リゾリン脂質の含有量は、特に限定
れないが、0.01~5質量%(以下、単位に「%」と
す)が好ましく、0.05~3%がより好ましい。こ
範囲であれば、より保存安定性に優れるベ
クル組成物を得ることができる。
なお、リゾリン脂質とともに、リン脂質を
用してもよい。
本発明のベシクル組成物は、(b)25℃で液 の高級アルコール又は液状の高級脂肪酸を 有する。成分(b)は、ベシクル構成成分とし 必須であり、これを含有することで、成分(c )の結晶析出を抑制し、保存安定性を向上さ ることができる。さらに、成分(b)を含有す ことで、肌への浸透感やべたつきのない使 感が得られ、皮膚外用剤として特に有用な シクル組成物となる。25℃で液状の高級アル コールの例には、オクチルドデカノール、オ レイルアルコール、イソステアリルアルコー ル、イソセチルアルコール、ヤシアルコール 、オリーブアルコール、ホホバアルコール、 及びデシルテトラデシルアルコールが含まれ ;25℃で液状の高級脂肪酸の例には、イソステ アリン酸、オレイン酸、及びリノール酸が含 まれる。これらの中から、一種、又は二種以 上を用いることができる。中でも、オレイル アルコール、イソステアリルアルコール、オ レイン酸、及びイソステアリン酸が好ましい 。
成分(b)の含有量は、特に限定されるもの はないが、0.01~5%が好ましく、0.05~3%がより ましい。この範囲であればより保存安定性 優れるベシクル組成物を得ることができる
本発明のベシクル組成物は、(c)コレステ ール又はフィトステロールを含有する。(c) レステロール又はフィトステロールは、ベ クル形成における二分子膜構造の安定性に 与しており、これを含有することで保存安 性を向上させることができる。
成分(c)の含有量は、特に限定されるもの はないが、0.01~5%が好ましく、0.05~3%がより ましい。この範囲であればより保存安定性 優れるベシクル組成物を得ることができる
本発明のベシクル組成物において、成分( b)と成分(c)の含有質量比(b)/(c)が0.2~4の範囲に ると、ベシクルの保存安定性がより良好な のとなり、0.5~2であると、さらに保存安定 が好ましいものとなる。また、本発明のベ クル組成物において、成分(a)、成分(b)及び 分(c)の含有質量比(a)/[(b)+(c)]が、0.25~5の範囲 あると、ベシクルの保存安定性がより良好 ものとなり、0.4~4の範囲であると、さらに 存安定性が好ましいものとなる。
本発明のベシクル組成物は、(d)精製水を 有する。(d)精製水は、成分(a)~(c)の分散媒体 として用いられる。ものであり、ベシクルを 含有する皮膚外用剤として必須成分である。 その具体的な配合量は、成分(a)~(c)の含有量 より適宜決められるが、概ね50~99%である。
本発明のベシクル組成物では、親水性で る成分(a)と、親油性である成分(b)および成 (c)との親水性-親油性のバランスにより、成 分(d)中で、二分子膜構造であるベシクルとな る。成分(a)のリゾリン脂質は、上記した通り 、通常のリン脂質と比較して親水性が高いの で、ベシクル形成に不利である。本発明では 、成分(a)リゾリン脂質とともに、成分(b)液状 の高級アルコール又は液状の高級脂肪酸、及 び成分(c)コレステロール又はフィトステロー ルを用いることにより、この点を補い、親水 性-親油性のバランスをとって、安定なベシ ル組成物を提供している。
本発明のベシクル組成物は、皮膚外用剤と
て利用することができる。この態様では、
らに(e)電解質を含有しているのが好ましい
(e)電解質は、保湿効果、消炎効果もしくは
白効果等の付与を目的として配合されるも
であろう。
保湿効果のある電解質の例には、尿素や、
ミノ酸、乳酸、クエン酸、ピロリドンカル
ン酸等の有機化合物と、それらのカリウム
ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等
金属塩、塩化ナトリウム、塩化マグネシウ
等の無機塩が含まれる。
また、消炎効果のある電解質の例には、グ
チルリチン酸、パントテン酸等の有機化合
と、それらのカリウム、ナトリウム、マグ
シウム、カルシウム等の金属塩等が含まれ
。
また、美白効果のある電解質の例には、ア
コルビン酸リン酸エステル、アスコルビン
アルキルエステル、アスコルビン酸硫酸エ
テル、アスコルビン酸グルコシド等と、そ
らのナトリウム、カリウム、マグネシウム
カルシウム等の金属塩等のアスコルビン酸
が含まれる。
さらには海洋深層水、温泉水等、これら電
質を含む天然由来の水溶液も挙げられる。
れらは一種又は二種以上を組み合わせて用
ることができる。
これらの中でも、皮膚外用剤として利用さ
る態様では、(e)電解質は、美白効果のある
溶性アスコルビン酸誘導体、保湿効果のあ
乳酸塩、ピロリドンカルボン酸塩等が好ま
い例である。
なお、上記皮膚外用剤に利用される電解質
具体例は、中西紀元他「Fragrance Journal」フ
グランスジャーナル社 1995-1 P.71~80;及び「
粧品の有用性」薬事日報社 P.150に記載され
ている。
成分(e)の含有量は、特に限定されるもの はないが、0.01~10%が好ましく、0.1~5%がより ましい。この範囲であれば、保存安定性を なうことなく、保湿効果、消炎効果、又は 白効果に優れる皮膚外用剤として有用なベ クル組成物が得られる。電解質の添加は、 常、ベシクルを不安定化させるが、本発明 ベシクル組成物は安定性が高いので、保湿 果、消炎効果、又は美白効果等の薬効成分 して、電解質を添加しても良好な安定性を 持する。
本発明のベシクル組成物は、上記必須成 (a)~(d)以外にも、種々の成分を含有すること が可能である。特に多価アルコールを含有す ることで、保存安定性や使用感などより優れ たベシクル組成物を得ることができる。この ような多価アルコールとしては特に限定され ないが、その例には、プロピレングリコール 、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレング コール、1,2-ペンタンジオール、グリセリン ジグリセリン、ソルビトール、などが含ま る。中でも、1,3-ブチレングリコール、ジプ ロピレングリコールが特に好ましい。
本発明のベシクル組成物の25℃における 気伝導度(東亜電波工業社製 電気伝導度計 CM-60Gを用いて測定)は、0.02~2.5s/mであるのが好 ましい。さらに、0.05~2s/mであることがより好 ましい。この範囲であると、ベシクルの保存 安定性を損なうことなく、(e)電解質の効果、 例えば、保湿効果、消炎効果、又は美白効果 を充分に発揮することができる。
本発明のベシクル組成物は、種々の方法 よって製造することができる。その一例は 温度80℃程度で、成分(a)及び成分(c)を、成 (b)に溶解させた溶液と、温度80℃程度の成分 (d)(所望により、成分(e)を加熱溶解させる)に 拌混合した後、徐々に室温まで冷却する方 がある。
本発明は、本発明のベシクル組成物を含 する皮膚外用剤にも関する。本発明の皮膚 用剤には、本発明の効果を妨げない範囲で 常の皮膚外用剤に配合される任意成分、具 的には、成分(b)以外の油剤、アルコール類 粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、界面活 剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、 脂、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料 酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤等を添 することができる。
本発明の皮膚外用剤の用途は、化粧水、 液、クリーム、アイクリーム、美容液、マ サージ料、パック料、ハンドクリーム、ボ ィクリーム等のスキンケア化粧料、化粧用 地化粧料を例示することができる。またそ 使用法は、手や指で使用する方法、不織布 に含浸させて使用する方法等が挙げられる
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細 説明するが、本発明はこれらにより限定さ るものではない。
[実施例1]
本発明品1~17及び比較品1~5:美容液
下記製法に従って、表1~表4に示す組成のベ
クル組成物を調製した。ベシクル形成の確
は、偏光顕微鏡観察下において行い、マル
ーゼクロス像の量により判断した。
また、これらのベシクル組成物を、美容液
して皮膚に塗布し、その使用感及び保湿効
の評価を行った。より具体的には、専門パ
ルにより(1)浸透感、(2)べたつきのなさ、及
(3)保湿効果について官能評価を行った。結
を併せて表1~表4に示した。
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を80℃に加熱する。
B:成分(10)及び(11)を80℃で加熱溶解する。
C:BにAを添加し、ディスパーミキサーにて混
合攪拌し、ベシクルを形成する。
D:Cを室温まで冷却後、成分(12)及び(13)を添
し、ベシクル組成物を得た。
(評価方法:ベシクルの保存安定性)
ベシクルの安定性確認は、偏光顕微鏡にて
察を行った。ベシクル組成物の調製直後の
態を基準とし、40℃恒温下にて二ヶ月経過
たものの状態と比較して行った。経時観察
おいて確認されるマルテーゼクロス像の量
ついて下記(i)4段階判定基準を用いて判定し
。
(i)4段階判定基準
(判定):(評価)
◎ :マルテーゼクロス像の量が80%以
確認できた。
○ :マルテーゼクロス像の量が60%以
80%未満確認できた。
△ :マルテーゼクロス像の量は30%以
60%未満確認できた。
× :マルテーゼクロス像の量は30%未満
確認できた。
(評価方法:使用感及び保湿効果)
20~40代女性パネル20名に、調製したベシクル
組成物を美容液として使用してもらい、使用
感として(1)浸透感、(2)べたつきのなさ、及び
(3)保湿効果について、以下の(ii)5段階評価基
に従って、官能評価し、更に全パネルの評
の平均値を(iii)4段階判定基準に従って、判
した。
(ii)5段階評価基準
(評 価) :(評点)
非常に感じる : 5点
やや感じる : 4点
普通 : 3点
あまり感じない : 2点
感じない : 1点
(iii)4段階判定基準
(全パネルの評点の平均値) :(判定)
平均点4.5以上 : ◎
平均点3.5以上4.5未満 : ○
平均点2.5以上3.5未満 : △
平均点2.5未満 : ×
(評価方法:電気伝導度)
各試料を、電気伝導度計(東亜電波工業社製
電気伝導度計 CM-60G)を用いて、25℃におけ
電気伝導度を測定した。
表1~表4の結果から明らかなように、本発明
1~17は、40℃恒温下での二ヶ月間においてに
定性に優れていた。また、美容液として皮
に塗布すると、浸透感に優れ、べたつきが
い使用感で、保湿効果に優れるものであっ
。
一方、成分(a)を含有しない比較品1は、ベシ
クルを形成しなかった。さらに、成分(b)及び
(c)を含有しない比較品2及び3や、成分(c)の代
りにステアリルアルコールを含有する比較
4、成分(a)の代わりにリン脂質を含有する比
較品5では、ベシクルは形成するものの、い
れも経時観察においてコレステロールの結
析出や沈殿が観察されるなど、保存安定性
問題があった。
[実施例2:化粧水]
(成分)
(%)
1.卵黄由来水素添加リゾリン脂質(注3)
3.0
2.ホホバアルコール
0.8
3.フィトステロール
0.6
4.ヒドロキシステアリン酸コレステロール
0.2
5.ジプロピレングリコール
10.0
6.精製水
残量
7.L-セリン
2.0
8.テアニン
2.0
9.グリセリン
5.0
10.エタノール
5.0
11.防腐剤
適量
12.香料
適量
(注3)リゾ化率68% PC純度30%
(製法)
A:成分(1)~(5)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(6)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを
成させ、室温まで冷却する。
D:Cに成分(7)~(12)を添加混合し、化粧水を得た
実施例2の化粧水は、ベシクルの保存安定 性が良好で、浸透感に優れ、べたつきがなく 、保湿効果に優れた皮膚外用剤であった。ま た電気伝導度は0.05s/mであった。
[実施例3:水中油型乳液]
(成分)
(%)
1.スクワラン
5.0
2.デカメチルシクロペンタシロキサン
5.0
3.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油
2.0
4.セトステアリルアルコール
0.5
6.1,3-ブチレングリコール
7.0
7.グリセリン
5.0
8.アクリル酸-メタクリル酸アルキル共重合体
(注4) 0.2
9.防腐剤
適量
10.トリエタノールアミン
0.2
11.エデト酸二ナトリウム
0.02
12.精製水
残量
13.香料
量
14.大豆由来水素添加リゾリン脂質(注5)
0.5
15.水素添加大豆リン脂質
0.1
16.オクチルドデカノール
1.0
17.コレステロール
0.6
18.ジプロピレングリコール
7.0
19.精製水 10
.0
(注4)ペミュレンTR-2(NOVEON社製)
(注5)リゾ化率88% PC純度80%
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(8)~(12)を70℃にて加熱後、Aに添加し乳
する。
C:Bを室温まで冷却後する。
D:成分(14)~(18)を80℃で加熱溶解する。
E:成分(19)を80℃に加熱し、Dを添加しながら混
合攪拌しベシクルを形成する。
F:Eを冷却後、Cに添加し、さらに成分(13)を添
し、水中油型乳液を得た。
実施例3の水中油型乳液は、ベシクルの保 存安定性が良好で、浸透感に優れ、べたつき がなく、保湿効果に優れた皮膚外用剤であっ た。また電気伝導度は0.02s/mであった。
[実施例4:水中油型乳化型クリーム]
(成分)
(%)
1.水素添加大豆リン脂質
2.0
2.トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソ
ルビタン 3.0
3.ステアリルアルコール
5.0
4.流動パラフィン
10.0
5.マカデミナナッツ油
5.0
6.硬化油
3.0
7.グリセリン
10.0
8.精製水
残量
9.エタノール
5.0
10.防腐剤
適量
11.香料
量
12.大豆由来水素添加リゾリン脂質(注1)
3.0
13.デシルテトラデシルアルコール
0.4
14.フィトステロール
1.0
15.プロピレングリコール
10.0
16.精製水 10
.0
(製法)
A:成分(1)~(6)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(7)、(8)を70℃で加熱溶解後、Aに添加し
乳化する。
C:Bを室温まで冷却後、成分(9)~(11)を添加する
D:成分(12)~(15)を80℃で加熱溶解する。
E:成分(16)を80℃に加熱し、Dを添加しながら混
合攪拌しベシクルを形成する。
F:Eを冷却後、Cに添加し、クリームを得た。
実施例4の水中油型乳化型クリームは、ベ シクルの保存安定性が良好で、浸透感に優れ 、べたつきがなく、保湿効果に優れた皮膚外 用剤であった。また電気伝導度は0.07s/mであ た。
[実施例5:シート状化粧料]
(成分)
(%)
1.卵黄由来水素添加リゾリン脂質(注3)
2.0
2.オレイルアルコール
0.5
3.コレステロール
0.5
4.イソステアリン酸
0.2
5.香料
0.1
6.ジグリセリン
5.0
7.ジプロピレングリコール
10.0
8.精製水
残量
9.パラオキシ安息香酸メチル
0.1
10.エタノール
5.0
11.アスコルビン酸グルコシド
3.0
12.ピロリドンカルボン酸ナトリウム
2.0
13.ヒアルロン酸ナトリウム
0.2
14.水酸化ナトリウム
0.13
(製法)
A:成分(1)~(7)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(8)を80℃に加熱し、Aを添加しながら混
攪拌しベシクルを形成する。
C:Bを冷却後、成分(9)~(14)を添加し、これを不
布に含浸させる。
D:Cをアルミラミネートの袋状容器に密封充填
し、シート状化粧料を得た。
実施例5のシート状化粧料は、ベシクルの 存安定性が良好で、浸透感に優れ、べたつ がなく、保湿効果及び美白効果に優れた皮 外用剤であった。また電気伝導度は1.18s/mで った。
[実施例6:水中油型クリーム状下地化粧料]
(成分)
(%)
1.酸化亜鉛(粒子径200nm) 2.
0
2.ジメチルポリシロキサン
30.0
3.ポリオキシエチレン(30)コレステリルエーテ
ル 1.0
4.パルミチン酸オクチル
1.5
5.アクリル-シリコーン系グラフト共重合体混
合物(注6) 2.0
6.精製水
残量
7.エタノール
5.0
8.プロピレングリコール
5.0
9.シリカ末
2.0
10.防腐剤
適量
11.香料
適量
12.大豆由来水素添加リゾリン脂質(注5)
0.2
13.オレイン酸
0.05
14.コレステロール
0.1
15.1,3-ブチレングリコール
2.0
16.精製水
5.0
(注6)KP-543(アクリル-シリコーン系グラフト共
合体50%:酢酸ブチル50%混合物、信越化学工業
社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(5)を3本ロールミルで分散処理する
B:成分(6)~(11)を均一に混合する。
C:BにAを加え、乳化する。
D:成分(12)~(15)を80℃で加熱溶解する。
E:成分(16)を80℃に加熱し、Dを添加しながら混
合攪拌しベシクルを形成する。
F:Eを冷却後、Cに添加して水中油型クリーム
下地化粧料を得た。
実施例6の水中油型クリーム状下地化粧料 ベシクルの保存安定性が良好で、浸透感に れ、べたつきがなく、保湿効果に優れた皮 外用剤であった。また電気伝導度は0.13s/mで った。