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Title:
GLYCOSYLATED GLYCOPEPTIDE ANTIBIOTIC DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081958
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a novel glycopeptide antibiotic derivative. The glycopeptide antibiotic derivative is characterized by having a sugar residue (I) represented by formula (I) [wherein n represents an integer of 1 to 5; Sug's independently represent a monosaccharide, and (Sug)n represents a bivalent sugar residue formed by binding 1 to 5 monosaccharides which are the same as or different from each other; RA1 represents a lower alkyl which may be substituted, a lower alkenyl which may be substituted, or a cycloalkyl which may be substituted; and RE represents OH or NHAc (wherein Ac represents an acetyl)] bound to an aromatic ring in the 4th amino acid residue located in a glycopeptide skeleton. The derivative has an antibacterial activity against a vancomycin-resistant bacterium.

Inventors:
MATSUI KOUHEI (JP)
MINAGAWA KAZUYUKI (JP)
YOSHIDA OSAMU (JP)
MORIMOTO KENJI (JP)
OGATA YUUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073511
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHIONOGI & CO (JP)
MATSUI KOUHEI (JP)
MINAGAWA KAZUYUKI (JP)
YOSHIDA OSAMU (JP)
MORIMOTO KENJI (JP)
OGATA YUUKI (JP)
International Classes:
C07K9/00; C07G11/00; A61K38/00; A61P9/00; A61P31/04
Domestic Patent References:
WO2006057288A12006-06-01
WO2006057303A12006-06-01
WO2001081373A22001-11-01
WO2000041710A12000-07-20
WO2001081372A22001-11-01
WO2006003456A22006-01-12
WO2006003456A22006-01-12
WO2004019970A22004-03-11
WO2001081373A22001-11-01
WO2001081372A22001-11-01
WO2000069893A12000-11-23
WO2000059528A12000-10-12
WO2000042067A12000-07-20
WO2000004044A12000-01-27
WO1993003060A11993-02-18
WO2006057303A12006-06-01
WO1996030401A11996-10-03
WO2000039156A12000-07-06
WO2004044222A22004-05-27
WO1997028812A21997-08-14
WO1997038702A11997-10-23
WO1998052589A11998-11-26
WO1998052592A11998-11-26
Foreign References:
US20040259228A12004-12-23
JP2006503015A2006-01-26
JP2003026725A2003-01-29
JPH04108800A1992-04-09
JP2006528188A2006-12-14
JP2002520422A2002-07-09
JP2007505841A2007-03-15
JPH01240196A1989-09-25
JP2001163898A2001-06-19
JPH01240196A1989-09-25
JP2001163898A2001-06-19
US20050239689A12005-10-27
US20030068669A12003-04-10
US20040259228A12004-12-23
US20050266523A12005-12-01
EP0301785A21989-02-01
EP0273727A21988-07-06
JPS61251699A1986-11-08
JPH07258289A1995-10-09
JP2000302687A2000-10-31
US4639433A1987-01-27
US4643987A1987-02-17
US4497802A1985-02-05
US4698327A1987-10-06
US5591714A1997-01-07
US5840684A1998-11-24
US5843889A1998-12-01
EP0802199A21997-10-22
EP0801075A11997-10-15
EP0667353A11995-08-16
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J. AM. CHEM. SOC., vol. 119, 1997, pages 12041 - 12047
J. AM. CHEM. SOC., vol. 116, 1994, pages 4573 - 4580
EXPERT OPIN. THER. PATENTS, vol. 14, 2004, pages 141 - 173
J. MED. CHEM., vol. 8, 1965, pages 18 - 22
J. CHEM. SOC., CHEM. COMMUN., 1988, pages 1306 - 1307
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PROC. NATL. ACAD. SCI. U.S.A., vol. 101, no. 13, 2004, pages 4390 - 4395
CHEM. ASIAN. J., vol. 1, 2006, pages 445 - 452
See also references of EP 2233495A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAYAMA, Hirotsugu et al. (Ltd. IntellectualProperty Department,12-4, Sagisu 5-chome, Fukushima-ku,Osaka-sh, Osaka 02, JP)
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Claims:
式:

(式中、
 nは、1~5の整数;
 Sugはそれぞれ独立して単糖であり、(Sug)n は、同一または異なる1~5個の単糖が結合して形成される2価の糖残基;
 R A1 は、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキル;
 R E は、OHまたはNHAc(Acはアセチル))

で示される糖残基(I)が、グリコペプチド骨格内の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合していることを特徴とする、グリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
単糖が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、フコース、マンノース、ラムノース、ガラクトサミン、グルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルグルコサミン、バンコサミン、エピ-バンコサミン、グルクロン酸、シアル酸、デオキシグルコース、デオキシガラクトースからなる群から選択される、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
単糖が、グルコースである、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
nが1または2である、請求項1~3のいずれかに記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
単糖がグルコース;nが1または2である、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
糖残基(I)が式:

(式中、
 mは、0~4の整数;
 R A1 およびR E は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される糖残基(I-0)である、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
糖残基(I)が式:

(式中、
 mは、0~4の整数;
 R A1 およびR E は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される糖残基(I-1)である、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
糖残基(I)が式:

(式中、
 mは、0~4の整数;
 R A1 およびR E は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される糖残基(I-2)である、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は、糖残基との結合位置を示す)

で示される部分構造(II)を有する、請求項1~8のいずれかに記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;その他の記号は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される部分構造(III)を有する、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
部分構造(III)が式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0~4の整数;R A1 およびR E は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される部分構造(III-0)である、請求項10記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
部分構造(III)が式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0~4の整数;R A1 およびR E は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される部分構造(III-1)である、請求項10記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
部分構造(III)が、式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0~4の整数;R A1 およびR E は、それぞれ請求項1の場合と同意義)

で示される部分構造(III-2)である、請求項10記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
グリコペプチド化合物がクロロオリエンチシンB誘導体またはバンコマイシン誘導体である、請求項1~13のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
式:

(式中、
 R F は、水素または糖残基;
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;および
その他の記号は、それぞれ請求項1と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
式:

(式中、
 mは0~4の整数;
 その他の記号は、それぞれ請求項15と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項15記載の化合物。
式:

(式中、各記号は、それぞれ請求項16と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項16記載の化合物。
式:

(式中、各記号は、それぞれ請求項16と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項16記載の化合物。
式:

(式中、
 R A2 は、水素または置換されていてもよいアルキル;
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;
 X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;および
その他の記号は、それぞれ請求項1と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
式:

(式中、
 mは0~4の整数;
 その他の記号は、それぞれ請求項19と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項19記載の化合物。
式:

(式中、各記号は、それぞれ請求項20と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項20記載の化合物。
式:

(式中、各記号は、それぞれ請求項20と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項20記載の化合物。
式:

(式中、
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;
 X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;および
その他の記号は、それぞれ請求項1と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
式:

(式中、
 mは0~4の整数
 その他の記号は、それぞれ請求項23と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項23記載の化合物。
式:

(式中、各記号は、それぞれ請求項24と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項24記載の化合物。
式:

(式中、各記号は、それぞれ請求項24と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項24記載の化合物。
mが0または1である、請求項6~8、11~13、16~18、20~22または24~26のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
R E がOHである、請求項1~27のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
R A1 の、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキルにおける各置換基が、以下の置換基群Aから選択される、請求項1~28のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群A:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクル、置換されていてもよいアラルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、および置換されていてもよいアミノ)。
請求項29の置換基群Aにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Bから選択される、請求項29に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群B:置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノアルキル、オキソ、ハロゲン、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアミノ、置換されていてもよいアリールアミノアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアラルキルスルフィニル、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノスルホニル、置換されていてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいアリール低級アルケニル、置換されていてもよいヘテロアリール低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノスルホニル)。
請求項30の置換基群Bにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Cから選択される、請求項30に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルスルホニル、ニトロ、アラルキルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低級アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低級アルキルアミノ)。
R B がOH;R C がH;R D がHである、請求項15~31のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
以下の工程:
(工程1)グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環が式:

で示される糖残基(VI)で置換されているグリコペプチド化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより、該糖残基(VI)を式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;mは0~2の整数)

で示される基(VII)に変換する工程;

(工程2)基(VII)の末端の糖におけるヒドキシメチレン部分を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される基(VIII)に変換する工程;および

(工程3)基(VIII)のアルデヒド基を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付して、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される糖残基(I-0)に変換する工程、を包含する請求項6記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
以下の工程:
(工程1)式:

(式中、各記号は請求項15と同意義)

で示される化合物(VII-1)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより式:


(式中、R E はOHまたはNHAc;その他の記号は上記の通り)

で示される化合物(VIII-1)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;

(工程2)化合物(VIII-1)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される化合物(IX-1)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および

(工程3)化合物(IX-1)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;

を包含することを特徴とする、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される請求項16記載の化合物(IV-0)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
以下の工程:
(工程1)式:

(式中、各記号は請求項15と同意義)

で示される化合物(VII-1)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;その他の記号は上記の通り)

で示される化合物(VIII-2)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;

(工程2)化合物(VIII-2)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される化合物(IX-2)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および

(工程3)化合物(IX-2)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;

を包含することを特徴とする、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される請求項17記載の化合物(IV-1)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
以下の工程:
(工程1)式:

(式中、各記号は請求項15と同意義)

で示される化合物(VII-2)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;その他の記号は上記の通り)

で示される化合物(VIII-3)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;

(工程2)化合物(VIII-3)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される化合物(IX-3)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および

(工程3)化合物(IX-3)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;

を包含することを特徴とする、式:

(式中、各記号は上記の通り)

で示される請求項18記載の化合物(IV-2)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、糖ドナーの糖が、グルコース、ガラクトース、およびN-アセチルガラクトサミン、デオキシグルコース、デオキシガラクトースから選択される同一または異なる1~3個の糖であり、工程2で酸化反応がガラクトースオキシダーゼによって行われる、請求項33~36のいずれかに記載の製造方法。
工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、所望による1回目の配糖化反応によってグルコースを付加した後、2回目の配糖化反応によってさらにガラクトースを付加し、工程2で酸化反応がガラクトースオキシダーゼによって行われる、請求項33~36のいずれかに記載の製造方法。
請求項34に記載の化合物(VIII-1)、その塩またはそれらの溶媒和物。
請求項34に記載の化合物(IX-1)、その塩またはそれらの溶媒和物。
請求項1~32、39および40のいずれかに記載の化合物もしくは製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
Description:
グリコペプチド抗生物質配糖化 導体

 本発明はグリコペプチド抗生物質配糖化 導体、その製造方法および製造中間体に関 る。

 グリコペプチド抗生物質は、様々な微生 により産生される複雑な多環ペプチド構造 有する抗生物質であり、大部分のグラム陽 菌に対して有効な抗菌剤を提供する。近年 ペニシリン、セファロスポリンなどに耐性 細菌が現れ、多剤耐性菌およびメチシリン 性ブドウ球菌(MRSA)による感染は、医療現場 おいて重要な問題を招いている。バンコマ シンのようなグリコペプチド系抗生物質は 型的に、このような微生物に対して有効で り、バンコマイシンはMRSAおよび他の耐性菌 による感染の最後のツール薬物となっている 。しかし、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)な 、特定の微生物はバンコマイシンに対する 性を現し始めている。また最近では、VREの 性を獲得した黄色ブドウ球菌(VRSA)も発見さ ている。

 バンコマイシンは、次式:

、より具体的には

で示される構造を有し、N末端から2番目と6番 目のアミノ酸残基の芳香環が塩素原子で置換 されている。バンコマイシン誘導体は、一般 にグリコペプチド抗生物質とも称されている が、より学術的にはD-alanyl-D-alanine binding anti biotics with a heptapeptidic structureに由来するダ ルバヘプタイド(dalbaheptide)の総称が提起され いる。ダルバヘプタイドは、芳香族アミノ を含む7つのアミノ酸からなるペプチド鎖を 共通の基本骨格としている。

 これまで、バンコマイシンや、この共通の プチド鎖を基本骨格とする他のグリコペプ ド抗生物質について様々な修飾がなされて た。例えば、以下に示す構造を有するクロ オリエンチシンB(特許文献1:特開平1-240196)や その誘導体(特許文献2:特開2001-163898)が公知で ある。


(式中、R 5 は、水素、グルコシル、(4-epi-バンコサミニ )-O-グルコシル))
 またその他のグリコペプチド抗生物質とし 例えば、以下の化合物が知られている。

 またバンコマイシンのアミノ糖を修飾した リコペプチド化合物も公知である(例:特許 献18)。
 しかし、耐性菌への薬効、水溶性、体内動 、安全性等をさらに改善した新規構造の抗 剤の開発が要望されている。
 一方、グリコペプチド抗生物質の化学修飾 として、種々の配糖化酵素を用いる方法が 告されている(例:特許文献3、非特許文献1~5) 。
 また1または2個の糖類からなる糖側鎖にア ノメチレン型の置換基が結合した糖側鎖が グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸 基の芳香環部分に結合しているグリコペプ ド化合物は公知である(例:特許文献4~17、非 許文献5~17)。
 これらの中で、非特許文献11(Angewandte Chemie,  International Edition (2003), 42(38), 4657-4660)には 、糖鎖末端のガラクトースに-CH 2 NH 2 が結合したバンコマイシン誘導体が記載され ているが、該アミノをさらに化学修飾した化 合物は記載されていない。
 また最近のグリコペプチド化合物の研究動 が報告されている(例:非特許文献18)

特開平1-240196

特開2001-163898

WO2006003456

US2005239689A1

US2003068669A1

US2004259228A1

US2005266523A1

WO2004019970

WO2001081373

WO2001081372

WO2000069893

WO2000059528

WO2000042067

WO2000004044

WO9303060

EP301785A1

EP273727A1

WO2006057303 Journal of the American Chemical Society (2005),  127(30), 10747-10752 Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (2004), 101(13), 43 90-4395 Chemistry - An Asian Journal (2006), 1, 445-452 Current Opinion in Biotechnology 2005, 16: 622-6 30 Nature Biotechnology (2003), 21(12), 1467-1469 ACS Chemical Biology (2006), 1(8), 499-504 Antiviral Research (2006), 72(1), 20-33 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (200 5), 15(16), 3801-3805 Organic Letters (2005), 7(8), 1513-1515 Chemistry & Biology (2005), 12(1), 131-140 Angewandte Chemie, International Edition (2003),  42(38), 4657-4660 Journal of Medicinal Chemistry (2003), 46(13), 2 755-2764 Tetrahedron (2002), 58(32), 6585-6594 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (200 2), 12(6), 849-852 Chemistry--A European Journal (2001), 7(17), 3798 -3823 Journal of the American Chemical Society (2000),  122(50), 12608-12609 Journal of Antibiotics (1998), 51(5), 525-527 Expert Opinion on Therapeutic Patents (2004) 14( 2), 141-173

 本発明は、抗菌活性を有する新規なグリ ペプチド化合物を提供する。好ましくは、 性菌(例:VRSA,VRE)にも有効であり、さらに好 しくは水溶性、体内動態、安全面等にも優 たグリコペプチド化合物を提供する。また 転移酵素を利用したグリコペプチド抗生物 の配糖化方法およびそれを利用したグリコ プチド化合物の製造方法、その中間体も提 する。

 本発明者らは鋭意検討した結果、クロロオ エンチシンB等のグリコペプチド抗生物質の 4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合してい 糖に対して、酵素反応を行うことによりさ に配糖化することに成功した。さらに配糖 された糖鎖末端のヒドロキシメチレンを酵 反応等によりアルデヒドに酸化し、このア デヒド基に対して化学修飾を行うことによ 位置選択的にアミノ側鎖を導入することに 功した。
 本発明のグリコペプチド化合物の最大の特 は、グリコペプチド抗生物質の4番目のアミ ノ酸残基の芳香環を包含する部分構造を有し 、かつ該芳香環に2個以上の連結された糖が ーテル結合を介して結合している点である
 本発明のグリコペプチド化合物において、 ましくは、2個以上の連結された糖の内、グ リコペプチド抗生物質のアグリコンに結合し ている糖はβ-D-グルコシル基であり、さらに ましくは末端の糖は、β-D-ガラクトシル基 ある。
 本発明のグリコペプチド化合物において、 り好ましくは、上記末端の糖には-CH 2 OHまたは-COHが結合し、さらに好ましくはそれ らが化学修飾されて形成される置換されてい てもよいアミノメチレン基が結合している。
 よって本発明によれば、グリコペプチド抗 物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環に上記 の配糖化された糖を含む側鎖がエーテル結合 を介して結合している種々のグリコペプチド 化合物が提供される。
 本発明は具体的には以下に示す化合物を提 する。
(1)式:

(式中、
 nは、1~5の整数;
 Sugはそれぞれ独立して単糖であり、(Sug)n  、同一または異なる1~5個の単糖が結合して 成される2価の糖残基;
 R A1 は、置換されていてもよい低級アルキル、置 換されていてもよい低級アルケニル、または 置換されていてもよいシクロアルキル;
 R E は、OHまたはNHAc(Acはアセチル))

で示される糖残基(I)が、グリコペプチド骨格 内の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合し いることを特徴とする、グリコペプチド化 物、その製薬上許容される塩、またはそれ の溶媒和物。

 さらに詳しくは以下の(2)~(32)に示す化合物 提供する。
(2)単糖が、グルコース、ガラクトース、フル クトース、フコース、マンノース、ラムノー ス、ガラクトサミン、グルコサミン、N-アセ ルガラクトサミン、N-アセチルグルコサミ 、バンコサミン、エピ-バンコサミン、グル ロン酸、シアル酸、デオキシグルコース、 オキシガラクトースからなる群から選択さ る、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、 の製薬上許容される塩、またはそれらの溶 和物。
(3)単糖が、グルコースである、前記(1)記載の グリコペプチド化合物、その製薬上許容され る塩、またはそれらの溶媒和物。
(4)nが1または2である、前記(1)~(3)のいずれか 記載のグリコペプチド化合物、その製薬上 容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(5)単糖がグルコース;nが1または2である、前 (1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬 許容される塩、またはそれらの溶媒和物。

(6)糖残基(I)が式:

(式中、
 mは、0~4の整数;
 R A1 およびR E は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される糖残基(I-0)である、前記(1)記載の リコペプチド化合物、その製薬上許容され 塩、またはそれらの溶媒和物。
(7)糖残基(I)が式:

(式中、
 mは、0~4の整数;
 R A1 およびR E は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される糖残基(I-1)である、前記(1)記載の リコペプチド化合物、その製薬上許容され 塩、またはそれらの溶媒和物。
(8)糖残基(I)が式:

(式中、
 mは、0~4の整数;
 R A1 およびR E は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される糖残基(I-2)である、前記(1)記載の リコペプチド化合物、その製薬上許容され 塩、またはそれらの溶媒和物。

(9)式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリ ペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6 目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は 糖残基との結合位置を示す)

で示される部分構造(II)を有する、前記(1)~(8) いずれかに記載のグリコペプチド化合物、 の製薬上許容される塩、またはそれらの溶 和物。
(10)式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリ ペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6 目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;そ 他の記号は、それぞれ前記(1)の場合と同意 )

で示される部分構造(III)を有する、前記(1)記 のグリコペプチド化合物、その製薬上許容 れる塩、またはそれらの溶媒和物。
(11)部分構造(III)が式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリ ペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6 目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0 ~4の整数;R A1 およびR E は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III-0)である、前記(10)記 のグリコペプチド化合物、その製薬上許容 れる塩、またはそれらの溶媒和物。
(12)部分構造(III)が式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリ ペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6 目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0 ~4の整数;R A1 およびR E は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III-1)である、前記(10)記 のグリコペプチド化合物、その製薬上許容 れる塩、またはそれらの溶媒和物。
(13)部分構造(III)が、式:

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリ ペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6 目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0 ~4の整数;R A1 およびR E は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III-2)である、前記(10)記 のグリコペプチド化合物、その製薬上許容 れる塩、またはそれらの溶媒和物。
(14)グリコペプチド化合物がクロロオリエン シンB誘導体またはバンコマイシン誘導体で る、前記(1)~(13)のいずれかに記載の化合物 その製薬上許容される塩、またはそれらの 媒和物。

(15)式:

(式中、
 R F は、水素または糖残基;
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていて もよい低級アルキル、置換されていてもよい 低級アルキルオキシ、置換されていてもよい アミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよい低級アルキル(低級 ルキル部分には、ヘテロ原子基が介在して てもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよい低級ア ルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子 が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;および
その他の記号は、それぞれ前記(1)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(1)記 載の化合物。
(16)式:

(式中、
 mは0~4の整数;
 その他の記号は、それぞれ前記(15)と同意義 )

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(15) 載の化合物。
(17)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(16)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(16) 載の化合物。
(18)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(16)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(16) 載の化合物。

(19)式:

(式中、
 R A2 は、水素または置換されていてもよい低級ア ルキル;
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていて もよい低級アルキル、置換されていてもよい 低級アルキルオキシ、置換されていてもよい アミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよい低級アルキル(低級 ルキル部分には、ヘテロ原子基が介在して てもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよい低級ア ルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子 が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;
 X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;お び
その他の記号は、それぞれ前記(1)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(1)記 載の化合物。
(20)式:

(式中、
 mは0~4の整数;
 その他の記号は、それぞれ前記(19)と同意義 )

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(19) 載の化合物。
(21)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(20)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(20) 載の化合物。
(22)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(20)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(20) 載の化合物。

(23)式:

(式中、
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていて もよい低級アルキル、置換されていてもよい 低級アルキルオキシ、置換されていてもよい アミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよい低級アルキル(低級 ルキル部分には、ヘテロ原子基が介在して てもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよい低級ア ルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子 が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;
 X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;お び
その他の記号は、それぞれ前記(1)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(1)記 載の化合物。
(24)式:

(式中、
 mは0~4の整数
 その他の記号は、それぞれ前記(23)と同意義 )

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(23) 載の化合物。
(25)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(24)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(24) 載の化合物。
(26)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(24)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物である、前記(24) 載の化合物。
(27)mが0または1である、前記(6)~(8)、(11)~(13)、( 16)~(18)、(20)~(22)または(24)~(26)のいずれかに記 の化合物、その製薬上許容される塩、また それらの溶媒和物。
(28)R E がOHである、前記(1)~(27)のいずれかに記載の 合物、その製薬上許容される塩、またはそ らの溶媒和物。
(29)R A1 の、置換されていてもよい低級アルキル、置 換されていてもよい低級アルケニル、または 置換されていてもよいシクロアルキルにおけ る各置換基が、以下の置換基群Aから選択さ る、前記(1)~(28)のいずれかに記載の化合物、 その製薬上許容される塩、またはそれらの溶 媒和物(置換基群A:置換されていてもよいアリ ール、置換されていてもよいヘテロアリール 、置換されていてもよいヘテロサイクル、置 換されていてもよいアラルキルチオ、置換さ れていてもよいヘテロアラルキルチオ、置換 されていてもよいシクロアルキル、置換され ていてもよい低級アルキルオキシ、置換され ていてもよいアラルキルオキシ、置換されて いてもよいアリールオキシ、置換されていて もよいアリールスルホニルアミノ、および置 換されていてもよいアミノ)。
(30)前記(29)の置換基群Aにおける「置換されて いてもよい」の各置換基が、以下の置換基群 Bから選択される、前記(29)に記載の化合物、 の製薬上許容される塩、またはそれらの溶 和物(置換基群B:置換されていてもよいアリ ルアミノカルボニルアミノ、置換されてい もよいアリールカルボニルアミノ、オキソ ハロゲン、置換されていてもよいアリール 置換されていてもよいアリールオキシ、置 されていてもよいアリールチオ、置換され いてもよいアリールスルホニル、置換され いてもよい低級アルキル、置換されていて よいアラルキル、置換されていてもよいア ノ、置換されていてもよいアラルキルカル ニルアミノ、置換されていてもよいアラル ルアミノカルボニル、置換されていてもよ アラルキルスルフィニル、置換されていて よいアリールスルホニルアミノ、置換され いてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アル ル、ハロ低級アルキルオキシ、置換されて てもよいヘテロアリール、置換されていて よいヘテロアリールオキシ、置換されてい もよいアリール低級アルケニル)。
(30')前記(29)の置換基群Aにおける「置換され いてもよい」の各置換基が、以下の置換基 Bから選択される、前記(29)に記載の化合物、 その製薬上許容される塩、またはそれらの溶 媒和物(置換基群B:置換されていてもよいアリ ールアミノカルボニルアミノ、置換されてい てもよいアリールアミノカルボニル、置換さ れていてもよいアリールカルボニル、置換さ れていてもよいアリールカルボニルアミノ、 置換されていてもよいアリールカルボニルア ミノアルキル、オキソ、ハロゲン、置換され ていてもよいアリール、置換されていてもよ いアリールオキシ、置換されていてもよいア リールチオ、置換されていてもよいアリール アミノ、置換されていてもよいアリールアミ ノアルキル、置換されていてもよいアリール アミノカルボニルアルキル、置換されていて もよいアリールスルホニル、置換されていて もよい低級アルキル、置換されていてもよい アラルキル、置換されていてもよいアミノ、 置換されていてもよいアラルキルカルボニル アミノ、置換されていてもよいアラルキルア ミノ、置換されていてもよいアラルキルアミ ノカルボニル、置換されていてもよいアラル キルスルフィニル、置換されていてもよいア リールスルホニルアミノ、置換されていても よいアリールアミノスルホニル、置換されて いてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキ ル、低級アルキルオキシ、低級アルキルアミ ノ、ハロ低級アルキルオキシ、置換されてい てもよいヘテロアリール、置換されていても よいヘテロアリールアルキル、置換されてい てもよいヘテロアリールカルボニル、置換さ れていてもよいヘテロアリールオキシ、置換 されていてもよいヘテロアリールチオ、置換 されていてもよいアリール低級アルケニル、 置換されていてもよいヘテロアリール低級ア ルケニル、置換されていてもよいシクロアル キル、置換されていてもよいシクロアルキル オキシ、置換されていてもよいシクロアルキ ルチオ、置換されていてもよいシクロアルキ ルアミノカルボニル、置換されていてもよい シクロアルキル低級アルケニル、置換されて いてもよいシクロアルキルスルホニル、置換 されていてもよいシクロアルキルアミノカル ボニルアミノ、置換されていてもよいシクロ アルキルアミノアルキル、置換されていても よいシクロアルキル低級アルキルアミノ、置 換されていてもよいシクロアルキルアミノ、 置換されていてもよいシクロアルキル低級ア ルキル、置換されていてもよいシクロアルキ ルカルボニル、置換されていてもよいシクロ アルキル低級アルキルカルボニルアミノ、置 換されていてもよいシクロアルキルカルボニ ルアミノ、置換されていてもよいシクロアル キルカルボニルアミノアルキル、置換されて いてもよいシクロアルキル低級アルキルアミ ノカルボニル、置換されていてもよいシクロ アルキルスルホニルアミノ、置換されていて もよいシクロアルキルアミノカルボニルアル キル、置換されていてもよいシクロアルキル アミノスルホニル、)。
(31)前記(30)または(30’)の置換基群Bにおける 置換されていてもよい」の各置換基が、以 の置換基群Cから選択される、前記(30)または (30’)に記載の化合物、その製薬上許容され 塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群C:低 アルキル、低級アルキルオキシ、低級アル ルスルホニル、ニトロ、アラルキルオキシ ハロゲン、シアノ、ハロ低級アルキル、ハ 低級アルキルオキシ、ジ低級アルキルアミ )。
(32)R B がOH;R C がH;R D がHである、前記(15)~(31)および(30’)のいずれ に記載の化合物、その製薬上許容される塩 またはそれらの溶媒和物。

 また、本発明は以下の(33)~(38)に示す前記(1)~ (32)および(30’)に記載の化合物の製造方法も 供する。
(33)以下の工程:
(工程1)グリコペプチド抗生物質の4番目のア ノ酸残基の芳香環が式:

で示される糖残基(VI)で置換されているグリ ペプチド化合物、その塩、またはそれらの 媒和物を原料に用いて、糖転移酵素および ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0~2の整 数)回行うことにより、該糖残基(VI)を式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;mは0~2の整数)

で示される基(VII)に変換する工程;
(工程2)基(VII)の末端の糖におけるヒドロキシ チレン部分を酸化反応に付すことにより、 :

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される基(VIII)に変換する工程;および
(工程3)基(VIII)のアルデヒド基を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応 に付して、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される糖残基(I-0)に変換する工程、を包 する前記(6)記載のグリコペプチド化合物、 の製薬上許容される塩またはそれらの溶媒 物の製造方法。

(34)以下の工程:
(工程1)式:

(式中、各記号は前記(15)と同意義)

で示される化合物(VII-1)を原料に用いて、糖 移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反 を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;その他の記号は前記と同意義)

で示される化合物(VIII-1)、その塩またはそれ の溶媒和物を得る工程;
(工程2)化合物(VIII-1)、その塩またはそれらの 媒和物を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物(IX-1)、その塩またはそれら の溶媒和物を得る工程;および
(工程3)化合物(IX-1)、その塩またはそれらの溶 媒和物を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応 に付す工程;
を包含することを特徴とする、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される前記(16)記載の化合物(IV-0)、その 薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物 製造方法。

(35)以下の工程:
(工程1)式:

(式中、各記号は前記(15)と同意義)

で示される化合物(VII-1)を原料に用いて、糖 移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反 を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;その他の記号は前記と同意義)

で示される化合物(VIII-2)、その塩またはそれ の溶媒和物を得る工程;
(工程2)化合物(VIII-2)、その塩またはそれらの 媒和物を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物(IX-2)、その塩またはそれら の溶媒和物を得る工程;および
(工程3)化合物(IX-2)、その塩またはそれらの溶 媒和物を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応 に付す工程;
を包含することを特徴とする、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される前記(17)記載の化合物(IV-1)、その 薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物 製造方法。

(36)以下の工程:
(工程1)式:

(式中、各記号は前記(15)と同意義)

で示される化合物(VII-2)を原料に用いて、糖 移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反 を1+m(mは0~2の整数)回行うことにより式:

(式中、R E はOHまたはNHAc;その他の記号は前記と同意義)

で示される化合物(VIII-3)、その塩またはそれ の溶媒和物を得る工程;
(工程2)化合物(VIII-3)、その塩またはそれらの 媒和物を酸化反応に付すことにより、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物(IX-3)、その塩またはそれら の溶媒和物を得る工程;および
(工程3)化合物(IX-3)、その塩またはそれらの溶 媒和物を式:R A1 NH 2 で示される化合物(A)との還元的アミノ化反応 に付す工程;
を包含することを特徴とする、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される前記(18)記載の化合物(IV-2)、その 薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物 製造方法。

(37)工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトラ スフェラーゼであり、糖ドナーの糖が、グ コース、ガラクトース、N-アセチルガラク サミン、デオキシグルコース、およびデオ シガラクトースから選択される同一または なる1~3個の糖であり、工程2で酸化反応がガ クトースオキシダーゼによって行われる、 記(33)~(36)のいずれかに記載の製造方法。
(38)工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトラ スフェラーゼであり、所望による1回目の配 糖化反応によってグルコースを付加した後、 2回目の配糖化反応によってさらにガラクト スを付加し、工程2で酸化反応がガラクトー オキシダーゼによって行われる、前記(33)~(3 6)のいずれかに記載の製造方法。

 さらに本発明は前記(1)~(32)、および(30’)の ずれかに記載の化合物の製造のための中間 として有用な以下の(39)、(40)に示す化合物 提供する。
(39)前記(34)に記載の化合物(VIII-1)、その塩ま はそれらの溶媒和物。
(40)前記(34)に記載の化合物(IX-1)、その塩また それらの溶媒和物。

 本発明はさらに、以下に示される側鎖末端 糖の脱水体も提供する。
(41)式:

(式中、各記号は、それぞれ前記(16)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物。
(42)式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物。
(43)上記(1)~(32)、(30’)および(39)~(42)のいずれ に記載の化合物もしくは製薬上許容される またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組 物。

 本発明のグリコペプチド抗生物質誘導体 その製薬上許容される塩、またはそれらの 媒和物は、MRSAを含むブドウ球菌、レンサ球 菌、肺炎球菌、腸炎球菌等種々の細菌に対し てIn Vitroおよび/またはIn Vivo試験において抗 菌活性を示す。特に、本化合物はそれら由来 のバンコマイシン耐性型菌に対しても有効で あり、特にバンコマイシン耐性型腸炎球菌(VR E)やバンコマイシン耐性型黄色ブドウ球菌(VRS A)に対しても有効である。よって、複雑性皮 及び皮膚組織感染症、髄膜炎、敗血症、肺 、関節炎、腹膜炎、気管支炎、膿胸、心内 炎、カテーテル血流感染症等、種々の細菌 染症を治療または予防するのに有用である またより好ましい本発明化合物は水溶性が く、体内動態が良好であり、および/または 毒性面(腎毒性、肝毒性、ヒスタミン遊離作 、hERGチャンネル阻害、抗原性等)でも安全で ある。

 本明細書中、「グリコペプチド抗生物質 とは、バンコマイシンやクロロオリエンチ ン類に代表される、芳香族アミノ酸を含む7 つのアミノ酸からなるペプチド鎖を共通の基 本骨格として有する任意のグリコペプチド化 合物およびその誘導体を意味する。また「グ リコペプチド骨格」とは、グリコペプチド抗 生物質が共通して有する該ペプチド鎖からな る環状の基本構造を意味する。公知のグリコ ペプチド抗生物質としては、例えば、特開昭 61-251699公報、特開平7-258289公報、国際公開WO96 /30401パンフレット、国際公開WO00/39156パンフ ット、特開2000-302687公報、国際公開WO2004/44222 パンフレット;米国特許第4,639,433号;同第4,643,9 87号;同第4,497,802号;同第4,698,327号;同第5,591,714 ;同第5,840,684号;および同第5,843,889号;EP0802199; EP0801075;EP0667353;WO97/28812;WO97/38702;WO98/52589;WO98/52 592;ならびにJ.Am.Chem.Soc.,1996,118,13107~13108;J.Am.Che m.Soc.,1997,119,12041~12047;およびJ.Am.Chem.Soc.,1994,116 ,4573~4590等に開示されているものが挙げられ 。

 グリコペプチド抗生物質のより具体的な として例えば、バンコマイシン、テイコプ ニン、リストマイシン、リストセチン、ア タプラニン、アクチノイジン(Actinoidin)、ア ダシン、アボパルシン、アズレオマイシン( Azureomycin)、バルヒマイシン(Balhimycin)、クロロ オリエンチシンA(ChloroorienticinA)、クロロオリ ンチシンB(ChloroorienticinB)、クロロポリスポ ン(Chloropolysporin)、デカプラニン(Decaplanin)、N- デメチルバンコマシイン(demethylvancomycin)、エ モマイシン(Eremomycin)、ガラカルジン(Galacardi n)、ヘルベカルジン(Helvecardin)、イズペプチン (Izupeptin)、キブデリン(Kibdelin)、マンノペプチ ン(Mannopeptin)、オリエンチシン(Orienticin)、パ ボジシン(Parvodicin)、シンモニシン(Synmonicin) オリタバンシン(Oritavancin)、テラバンシン(Tel avancin、TD-6424)、ダルババンシン(Dalbavancin)、A- 40926などが挙げられる。

 本発明において「グリコペプチド骨格」は アグリコン部分として好ましくは以下の部 構造(II)を有する。

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリ ペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6 目のアミノ酸残基の芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は 糖残基との結合位置を示す)

 X A およびX B は好ましくは共にハロゲン、さらに好ましく はClである。

 さらに好ましくは、以下の部分構造(II-0)を する。

(式中、環4は、グリコペプチド抗生物質の4番 目のアミノ酸残基の芳香環;*は、糖残基との 合位置を示す)

 さらに好ましくは、以下の部分構造(II-1)を する。

(式中、環2、4、5、6および7は、それぞれグリ コペプチド抗生物質の2,4,5,6,および7番目のア ミノ酸残基における芳香環;X A およびX B はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は 糖残基との結合位置を示す)

 さらに好ましくは、以下の部分構造(II-2)を する。

(式中、各記号は前記と同意義)

 上記アグリコン部分は、当業者に周知また 合成可能な置換基で適宜置換されていても い。例えばバンコマイシン誘導体、テイコ ラニン誘導体、クロロオリエンチシンB誘導 体等における、C末端、N末端、レゾルシノー 部分等が適宜、化学修飾されていてもよい また*で示される炭素以外の部分にも糖が結 合していてもよい。

 さらに好ましくは、以下の部分構造(IV’)を 有する。

(式中、R F は、水素または糖残基;
 R B は、-OH、-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’はそれぞれ独立して水素、置換されていて もよい低級アルキル、置換されていてもよい 低級アルキルオキシ、置換されていてもよい アミノまたはアミノ糖残基)または-OR 6 〔R 6 は置換されていてもよい低級アルキル(低級 ルキル部分には、ヘテロ原子基が介在して てもよい)〕であり;
 R C は、水素または置換されていてもよい低級ア ルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子 が介在していてもよい);
 R D は、水素または低級アルキル;
 他の記号は上記と同意義)

 R F は、好ましくは糖残基、より好ましくは式:

(式中、R A2 は水素または置換されていてもよい低級アル キル)
で示される糖残基、さらに好ましくは式:

(式中、各記号は上記と同意義)
で示される糖残基である。
 R A2 は、好ましくは水素;または置換されていて よいアリール、置換されていてもよいヘテ アリール、置換されていてもよいヘテロサ クルもしくはヒドロキシで置換されていて よい低級アルキルである。該「置換されて てもよいアリール」、「置換されていても いヘテロアリール」、「置換されていても いヘテロサイクル」の置換基としては、ハ 低級アルキルオキシで置換されていてもよ アリールカルボニルアミノが好ましい。R A2 は、より好ましくは水素である。
 R B は、好ましくは-OH、または-NHR 5 (ここにR 5 は、ヒドロキシもしくはジアルキルアミノで 置換されていてもよい低級アルキル、低級ア ルキルオキシで置換されていてもよい低級ア ルキルオキシ、または低級アルキルアミノ) ある。より好ましくは-OHである。
 R C は、好ましくは水素または置換されていても よいアミノで置換されていてもよい低級アル キルである。該「置換されていてもよいアミ ノ」の置換基としてはSO 3 H、ヒドロキシ、もしくはトリ低級アルキル ンモニウムで置換されていてもよい低級ア キル;またはヘテロアラルキルが好ましい。R C は、より好ましくは水素である。
 R D は、好ましくは水素である。

 さらに好ましくは、以下の部分構造(IV’’) を有する。

(式中、各記号は上記と同意義)

 本発明化合物は、前記の部分構造で示され アグリコンを有する。さらに前記グリコペ チド骨格内の4番目のアミノ酸残基の芳香環 に種々の糖残基が結合したグリコペプチド化 合物である。該糖残基は以下の構造で示され る。

(式中、
 nは、1~5の整数;
 Sugはそれぞれ独立して単糖であり、(Sug)n  、同一または異なる1~5個の単糖が結合して 成される2価の糖残基;
 R A1 は、置換されていてもよい低級アルキル、置 換されていてもよい低級アルケニル、または 置換されていてもよいシクロアルキル;
 R E は、OHまたはNHAc(Acはアセチル))

 nは、好ましくは1または2である。
 Sugは、好ましくはグルコース、ガラクトー 、フルクトース、フコース、マンノース、 ムノース、ガラクトサミン、グルコサミン N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルグル コサミン、バンコサミン、エピ-バンコサミ 、グルクロン酸、シアル酸、デオキシグル ース、デオキシガラクトースである。より ましくはグルコース(例:β-D-グルコース)また はガラクトース(例:β-D-ガラクトース)である
 nが1の場合、Sugはグルコース(例:β-D-グルコ ス)がさらに好ましい。
 nが2の場合、Sugは2個同時にグルコース(例:β -D-グルコース)であることが特に好ましい。
 R A1 は、好ましくは置換されていてもよい低級ア ルキルまたは置換されていてもよいシクロア ルキルであり、より好ましくは置換されてい てもよい低級アルキルである。
 R E は、好ましくはOHである。

 上記糖残基(I)は好ましくは、以下の糖残基( I-0)である。

(式中、
mは、0~4の整数;
R A1 およびR E は、それぞれ上記と同意義)

 上記式(I-0)において、末端糖以外の各単糖 結合している2個の水酸基の位置は特に限定 れないが、好ましくは、1つの単糖の2位お び3位に水酸基が1個ずつ結合する。また2個 隣接する単糖の結合様式は特に限定されな が、好ましくは、1位と4位で結合する。また アグリコン部分と結合する糖の結合位も特に 限定されないが、好ましくは、単糖の1位で グリコンとグリコシド結合を形成する。
 mは、好ましくは0または1である。

 上記糖残基(I-0)は好ましくは、以下の糖残 (I-1)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

 アグリコンに隣接する単糖は、好ましくは ルコース(例:β-D-グルコース)である。
 末端に位置する単糖は、好ましくはガラク ースまたはN-アセチルガラクトサミンの6位 ドロキシが、置換されていてもよいアミノ 置換された単糖である。より好ましくはガ クトース(例:β-D-ガラクトース)の6位ヒドロ シが置換されていてもよいアミノに置換さ た単糖である。
 それ以外の糖残基を構成する単糖は、好ま くはグルコースまたはガラクトース、より ましくはグルコース(例:β-D-グルコース)で る。

 上記糖残基(I-1)は好ましくは、以下の糖残 (I-2)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

 本発明のグリコペプチド化合物においては 前記いずれかで例示されるアグリコンの*で 示される炭素に、前記いずれかで例示される 糖残基が結合している。

 本発明化合物は、好ましくは以下に示す部 構造(III)を有する。

(式中、各記号は上記と同意義)

 部分構造(III)は、好ましくは以下に示す部 構造(III-0)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

 部分構造(III-0)は、好ましくは以下に示す部 分構造(III-1)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

 部分構造(III-1)は、好ましくは以下に示す部 分構造(III-2)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

上記化合物(X-1)は、好ましくは以下に示す化 物(X-2)であり、

(式中、各記号は上記と同意義)
さらに好ましくは化合物(X-3)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

上記化合物(XI-1)は、好ましくは以下に示す化 合物(XI-2)であり、

(式中、各記号は上記と同意義)
さらに好ましくは化合物(X-3)である。

(式中、各記号は上記と同意義)

 本発明化合物は、さらに好ましくは、前記 部分構造(II-0)に、前記の糖残基(I)、(I-0)、(I -1)、または(I-2)が結合してなる構造を包含す 。
 本発明化合物は、さらに好ましくは、前記 部分構造(II-1)に、前記の糖残基(I)、(I-0)、(I -1)、または(I-2)が結合してなる構造を包含す 。
 本発明化合物は、さらに好ましくは、前記 部分構造(II-2)に、前記の糖残基(I)、(I-0)、(I -1)、または(I-2)が結合してなる構造を包含す 。
 本発明化合物は、さらに好ましくは、前記 部分構造(IV')に、前記の糖残基(I)、(I-0)、(I- 1)、または(I-2)が結合してなる構造を包含す 。
 本発明化合物は、さらに好ましくは、前記 部分構造(IV'')に、前記の糖残基(I)、(I-0)、(I -1)、または(I-2)が結合してなる構造を包含す 。

 なお、前記化合物(IV-0)および(X-1)、前記 合物(IV-1)および(X-2)、前記化合物(IV-2)および (X-3)、前記化合物(IX-1)および(XI-1)、前記化合 (IX-2)および(XI-2)、ならびに前記化合物(IX-3) よび(XI-3)は、それぞれ混合物からなる組成 であってもよい。

 本明細書中、「糖残基」とは、単糖または 一でも異なってもよい複数の単糖が直鎖状 しくは分枝状に連結した多糖からOHを1個除 た場合の残余部分を意味する。
 本明細書中、「単糖」としては、グルコー 、ガラクトース、フルクトース、フコース マンノース、ラムノース、ガラクトサミン グルコサミン、N-アセチルガラクトサミン N-アセチルグルコサミン、バンコサミン、エ ピ-バンコサミン、グルクロン酸、シアル酸 デオキシグルコース、デオキシガラクトー が好ましい。グリコペプチド骨格の4番目の ミノ酸残基の芳香環に結合する糖残基の根 部分を構成する単糖としてはグルコース(例 :β-D-グルコース)が特に好ましい。グリコペ チド骨格の4番目のアミノ酸残基の芳香環に 合する糖残基の末端部分を構成する単糖と てはガラクトースまたはN-アセチルガラク サミンがより好ましい。特にガラクトース( :β-D-ガラクトース)が好ましい。
本明細書中、「アミノ糖残基」とは、アミノ 基または置換アミノ基を有する前記「糖残基 」を表す。代表的なアミノ糖残基には、L-バ コサミニル、3-デスメチル-バンコサミニル 3-エピ-バンコサミニル、4-エピ-バンコサミ ル、4-ケト-バンコサミニル、アコサミニル アクチノサミニル、ダウノサミニル、3-エ -ダウノサミニル、リストサミニル、N-メチ -D-グルカミニル、N-アセチル-D-グルコサミル 、またはN-アシル-D-グルコサミルなどが挙げ れる。アクチノサミニル、アコサミニエル 4-エピ-バンコサミニル、4-ケト-バンコサミ ル、リストサミニル、またはバンコサミニ が好ましい。特に、L-4-エピ-バンコサミニ が好ましい。

 本明細書中、単独でもしくは他の用語と み合わせて用いられる「低級アルキル」な 用語は、1~15個、好ましくは1~10個の炭素原 を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水 基を包含する。例えば、メチル、エチル、n -プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブ チル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イ ペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、イソ キシル、n-ヘプチル、n-オクチル等が挙げら れる。より好ましくは、C1-C6アルキルが挙げ れる。さらに好ましくは、C1-C3アルキルが げられる。

 本明細書中、単独でもしくは他の用語と み合わせて用いられる「低級アルケニル」 は、炭素原子数が2~15個、好ましく2~10個で り、1個もしくは2個以上の二重結合を有する 、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包 する。例えば、ビニル、アリル、1-プロペニ ル、2-プロペニル、クロトニル、イソペンテ ル、種々のブテニル異性体等が挙げられる 好ましくは、C2~C6アルケニルが挙げられる 好ましくは二重結合は、1位と2位の炭素原子 間に存在する。さらに好ましくは、C2~C4アル ニルが挙げられる。

 本明細書中、「低級アルキルオキシ」とし は、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロ ルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオ キシ、イソブチルオキシ、s-ブチルオキシ、t -ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシ オキシ等が挙げられる。好ましくは、C1~C6 ルキルオキシが挙げられる。さらに好まし は、C1~C3アルキルオキシが挙げられる。
 本明細書中、単独でもしくは他の用語と組 合わせて用いられる「シクロアルキル」と 、炭素原子数が3~8個であるシクロアルキル 包含する。例えば、シクロプロピル、シク ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げら る。好ましくはC3~C6シクロアルキルが挙げ れる。これらは環を構成する隣接しない2個 炭素原子間で1~3個の炭素原子を介して架橋 ていてもよい。
 R A1 におけるシクロアルキルとしては、シクロプ ロピル、シクロペンチルが特に好ましい。
 置換基群Aにおけるシクロアルキルとしては 、架橋しているシクロヘキシルが好ましい。

 本明細書中、単独でもしくは他の用語と み合わせて用いられる「アリール」とは、 素数6~14個の単環状もしくは縮合環状芳香族 炭化水素基を包含する。例えば、フェニル、 1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル等が挙 られる。好ましくは、フェニル、1-ナフチル 、2-ナフチルが挙げられる。さらに好ましく 、フェニル、2-ナフチルが挙げられる。

 本明細書中、単独でもしくは他の用語と み合わせて用いられる「ヘテロアリール」 は、例えば、窒素原子、硫黄原子および酸 原子から選ばれるヘテロ原子を環内に含有 る単環芳香族複素環式基および縮合芳香族 素環式基を意味する。単環芳香族複素環式 は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒 素原子を環内に1~4個含んでいてもよい5~8員の 芳香環から誘導される、置換可能な任意の位 置に結合手を有していてもよい基を意味する 。縮合芳香族複素環式基は、酸素原子、硫黄 原子、および/または窒素原子を環内に1~4個 んでいてもよい5~8員の芳香環が、1~4個の5~8 の芳香族炭素環もしくは他の5~8員の芳香族 素環と縮合している、置換可能な任意の位 に結合手を有していてもよい基を意味する

 具体的な「ヘテロアリール」としては、例 ば、フリル(例えば、2-フリル、3-フリル)、 エニル(例えば、2-チエニル、3-チエニル)、 ロリル(例えば、1-ピロリル、2-ピロリル、3- ピロリル)、イミダゾリル(例えば、1-イミダ リル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、ピ ラゾリル(例えば、1-ピラゾリル、3-ピラゾリ 、4-ピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1,2 ,4-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-3- イル、1,2,4-トリアゾール-4-イル)、テトラゾ ル(例えば、1-テトラゾリル、2-テトラゾリル 、5-テトラゾリル)、オキサゾリル(例えば、2- オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾ ル)、イソキサゾリル(例えば、3-イソキサゾ ル、4-イソキサゾリル、5-イソキサゾリル) チアゾリル(例えば、2-チアゾリル、4-チアゾ リル、5-チアゾリル)、チアジアゾリル、イソ チアゾリル(例えば、3-イソチアゾリル、4-イ チアゾリル、5-イソチアゾリル)、ピリジル( 例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル )、ピリダジニル(例えば、3-ピリダジニル、4- ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、2-ピ ミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル) 、フラザニル(例えば、3-フラザニル)、ピラ ニル(例えば、2-ピラジニル)、オキサジアゾ ル(例えば、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル) ベンゾフリル(例えば、2-ベンゾ[b]フリル、3- ベンゾ[b]フリル、4-ベンゾ[b]フリル、5-ベン [b]フリル、6-ベンゾ[b]フリル、7-ベンゾ[b]フ ル)、ベンゾチエニル(例えば、2-ベンゾ[b]チ エニル、3-ベンゾ[b]チエニル、4-ベンゾ[b]チ ニル、5-ベンゾ[b]チエニル、6-ベンゾ[b]チエ ル、7-ベンゾ[b]チエニル)、ベンズイミダゾ ル(例えば、1-ベンゾイミダゾリル、2-ベン イミダゾリル、4-ベンゾイミダゾリル、5-ベ ゾイミダゾリル)、ジベンゾフリル、ベンゾ オキサゾリル、キノキサリル(例えば、2-キノ キサリニル、5-キノキサリニル、6-キノキサ ニル)、シンノリニル(例えば、3-シンノリニ 、4-シンノリニル、5-シンノリニル、6-シン リニル、7-シンノリニル、8-シンノリニル) キナゾリル(例えば、2-キナゾリニル、4-キナ ゾリニル、5-キナゾリニル、6-キナゾリニル 7-キナゾリニル、8-キナゾリニル)、キノリル (例えば、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリ 、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キ ノリル)、フタラジニル(例えば、1-フタラジ ル、5-フタラジニル、6-フタラジニル)、イソ キノリル(例えば、1-イソキノリル、3-イソキ リル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6- ソキノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリ ル)、プリル、プテリジニル(例えば、2-プテ ジニル、4-プテリジニル、6-プテリジニル、7 -プテリジニル)、カルバゾリル、フェナント ジニル、アクリジニル(例えば、1-アクリジ ル、2-アクリジニル、3-アクリジニル、4-ア リジニル、9-アクリジニル)、インドリル(例 えば、1-インドリル、2-インドリル、3-インド リル、4-インドリル、5-インドリル、6-インド リル、7-インドリル)、イソインドリル、ファ ナジニル(例えば、1-フェナジニル、2-フェナ ニル)またはフェノチアジニル(例えば、1-フ ェノチアジニル、2-フェノチアジニル、3-フ ノチアジニル、4-フェノチアジニル)等が挙 られる。
 置換基群Aにおける「ヘテロアリール」とし ては、5または6員環(例:チエニル、フリル、 キサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル オキサジアゾリル、ピリジル、ピリミジニ 、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル) 好ましい。
 置換基群Bにおける「ヘテロアリール」とし ては、5または6員環(例:チエニル、ピロリル ピリジル)が好ましい。
 R A2 における「置換されていてもよい低級アルキ ル」の置換基としての「ヘテロアリール」は 、5または6員環(例:イミダゾリル、ピリジル) 好ましい。

 本明細書中、「ヘテロサイクル」とは、 えば、窒素原子、硫黄原子および酸素原子 ら選ばれるヘテロ原子を環内に含有する単 非芳香族複素環式基および縮合非芳香族複 環式基を意味する。単環非芳香族複素環式 は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒 素原子を環内に1~4個含んでいてもよい5~8員の 非芳香環から誘導される、置換可能な任意の 位置に結合手を有していてもよい基を意味す る。縮合非芳香族複素環式基は、酸素原子、 硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1~ 4個含んでいてもよい5~8員の非芳香環が、1~4 の5~8員の芳香族炭素環、5~8員の芳香族複素 、5~8員の非芳香族炭素環、もしくは他の5~8 の非芳香族複素環と縮合している、置換可 な任意の位置に結合手を有していてもよい を意味する。

 具体的な「ヘテロサイクル」としては、例 ば、ピロリジニル(例えば、1-ピロリジニル 2-ピロリジニル)、ピロリニル(例えば、3-ピ リニル)、イミダゾリジニル(例えば、2-イミ ダゾリジニル)、イミダゾリニル(例えば、イ ダゾリニル)、ピラゾリジニル(例えば、1-ピ ラゾリジニル、2-ピラゾリジニル)、ピラゾリ ニル(例えば、ピラゾリニル)、ピペリジル(例 えば、ピペリジノ、2-ピペリジル)、ピペラジ ニル(例えば、1-ピペラジニル)、インドリニ (例えば、1-インドリニル)、イソインドリニ (例えば、イソインドリニル)、モルホリニ (例えば、モルホリノ、3-モルホリニル)、ジ ドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テ ラヒドロキノリル、テトラヒドロフリル、 ヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1 ,3-ベンゾジオキソラニル、1,4-ベンゾジオキ ニル、1-ベンゾオキソラニル、オキセタニル 、アゼチジニル、ジアゼチジニル、クロマニ ル等が挙げられる。
 置換基群Aにおける「ヘテロサイクル」とし ては、5または6員環(例:ピペリジル、ピペラ ニル、モルホリニル)が好ましい。
 R A2 における「置換されていてもよい低級アルキ ル」の置換基としての「ヘテロサイクル」は 、5または6員環(例:モルホリニル)が好ましい

 本明細書中、「アリールオキシ」としては フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げ れる。好ましくはフェニルオキシが挙げら る。
 本明細書中、「アリールスルホニルアミノ としては、フェニルスルホニルアミノ、ナ チルスルホニルアミノ等が挙げられる。好 しくはナフチルスルホニルアミノが挙げら る。
 本明細書中、「アリールカルボニルアミノ としては、ベンゾイルアミノ、ナフチルカ ボニルアミノ等が挙げられる。好ましくは ンゾイルアミノが挙げられる
 本明細書中、「アリールアミノカルボニル ミノ」としては、フェニルアミノカルボニ アミノ、ナフチルアミノカルボニルアミノ が挙げられる。好ましくはフェニルアミノ ルボニルアミノが挙げられる。
 本明細書中、「ヘテロアリールオキシ」と ては、ピリジルオキシ、フリルオキシ、ピ リルオキシ、チエニルオキシ等が挙げられ 。好ましくはピリジルオキシが挙げられる
 本明細書中、「アリールアミノカルボニル としては、フェニルアミノカルボニル、ナ チルアミノカルボニル等が挙げられる。好 しくはフェニルアミノカルボニルが挙げら る。
 本明細書中、「アリールカルボニル」とし は、フェニルカルボニル、ナフチルカルボ ル等が挙げられる。好ましくはフェニルカ ボニルが挙げられる。
 本明細書中、「アリールチオ」としては、 ェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる 好ましくはフェニルチオが挙げられる。
 本明細書中、「アリールアミノ」としては フェニルアミノ、ナフチルアミノ、フェニ メチルアミノ等が挙げられる。好ましくは ェニルアミノが挙げられる。
 本明細書中、「アリールアミノアルキル」 しては、フェニルアミノ低級アルキル、ナ チルアミノ低級アルキル、フェニルメチル ミノ低級アルキル等が挙げられる。好まし はフェニルアミノ低級アルキルが挙げられ 。
 本明細書中、「アリールスルホニル」とし は、フェニルスルホニル、ナフチルスルホ ル等が挙げられる。好ましくはフェニルス ホニルが挙げられる。
 本明細書中、「アリールアミノスルホニル としては、フェニルアミノスルホニル、ナ チルアミノスルホニル等が挙げられる。好 しくはフェニルアミノスルホニルが挙げら る。
 本明細書中、「ヘテロアリールアルキル」 しては、ピリジル低級アルキル、フリル低 アルキル、ピロリル低級アルキル、チエニ 低級アルキル等が挙げられる。好ましくは リジル低級アルキル、チエニル低級アルキ が挙げられる。
 本明細書中、「ヘテロアリールカルボニル としては、ピリジルカルボニル、フリルカ ボニル、ピロリルカルボニル、チエニルカ ボニル等が挙げられる。好ましくはピリジ カルボニル、チエニルカルボニルが挙げら る。
 本明細書中、「ヘテロアリールチオ」とし は、ピリジルチオ等が挙げられる。

 本明細書中、単独でもしくは他の用語と組 合わせて用いられる「アラルキル」とは、 記「低級アルキル」に前記「アリ-ル」が1 たはそれ以上置換したもので、これらは可 な全ての位置で置換しうる。例えば、ベン ル、フェニルエチル(例えば、2-フェニルエ ル等)、フェニルプロピル(例えば、3-フェニ プロピル等)、ナフチルメチル(例えば、1-ナ フチルメチル、2-ナフチルメチル等)、アント リルメチル(例えば、9-アントリルメチル等) ビフェニルメチル(例えば、4-ビフェニルメ ル等)等が挙げられる。好ましくは、ベンジ 、フェニルエチルが挙げられる。より好ま くは、ベンジルが挙げられる。
 本明細書中、単独でもしくは他の用語と組 合わせて用いられる「ヘテロアラルキル」 は、前記「低級アルキル」の任意の位置に 記「ヘテロアリ-ル」が1または2以上置換し もので、これらは可能な全ての位置で置換 うる。例えば、オキサゾリルメチル(例えば 、2-オキサゾリルメチル、4-オキサゾリルメ ル)、チアゾリルメチル(例えば、2-チアゾリ メチル、4-チアゾリルメチル)、オキサゾリ エチル(例えば、5-オキサゾリル-2-エチル)、 チアゾリルエチル(例えば、5-チアゾリル-2-エ チル)、ベンゾオキサゾリルメチル(例えば、 ンゾオキサゾール-2-イルメチル)、ベンゾチ アゾリルメチル(例えば、ベンゾチアゾール-2 -イルメチル)、インドリルメチル(例えば、イ ンドール-3-イルメチル)、イミダゾリルメチ (例えば、4-イミダゾリルメチル)、インダゾ ルメチル(例えば、1-インダゾリルメチル)、 ベンゾトリアゾリルメチル(例えば、1-ベンゾ トリアゾリルメチル)、ベンゾキノリルメチ (例えば、2-ベンゾキノリルメチル)、ベンゾ ミダゾリルメチル(例えば、ベンゾイミダゾ ール-2-メチル)、ピリジルメチル(例えば、4- リジルメチル)、フリルメチル(例えば、フラ ン-2-イルメチル)、チエニルメチル(例えば、 オフェン-2-イルメチル)等が挙げられる。
 R C における「置換されていてもよい低級アルキ ル」の置換基として好ましくは、「置換され ていてもよいアミノ」である。該「置換され ていてもよいアミノ」の置換基は好ましくは 、ヘテロアラルキル(例:ピリジルエチル)であ る。

 本明細書中、「アラルキルオキシ」として 、フェニルC1~C3アルキルオキシ、ナフチルC1 ~C3アルキルオキシ等が挙げられる。好ましく はベンジルオキシが挙げられる。
 本明細書中、「アラルキルチオ」としては フェニルC1~C3アルキルチオ、ナフチルC1~C3ア ルキルチオ等が挙げられる。好ましくはベン ジルチオが挙げられる。
 本明細書中、「アラルキルアミノ」として 、フェニルC1~C3アルキルアミノ、ナフチルC1 ~C3アルキルアミノ等が挙げられる。好ましく はベンジルアミノが挙げられる。
 本明細書中、「アラルキルカルボニルアミ 」としては、フェニルC1~C3アルキルカルボ ルアミノ、ナフチルC1~C3アルキルカルボニル アミノ等が挙げられる。好ましくはベンジル カルボニルアミノが挙げられる。
 本明細書中、「アラルキルアミノカルボニ 」としては、フェニルC1~C3アルキルアミノ ルボニル、ナフチルC1~C3アルキルアミノカル ボニル等が挙げられる。好ましくはベンジル アミノカルボニルが挙げられる。
 本明細書中、「アラルキルスルフィニル」 しては、フェニルC1~C3アルキルスルフィニ 、ナフチルC1~C3アルキルスルフィニル等が挙 げられる。好ましくはベンジルスルフィニル が挙げられる。
 本明細書中、「ヘテロアラルキルチオ」と ては、ピリジルC1~C3アルキルチオ、フリルC1 ~C3アルキルチオ、ピロリルC1~C3アルキルチオ チエニルC1~C3アルキルチオ等が挙げられる 好ましくはフリルメチルチオが挙げられる
 本明細書中、「アリール低級アルケニル」 しては、フェニルC2~C4アルケニル、ナフチ C2~C4アルケニル等が挙げられる。好ましくは 2-フェニルエテニルが挙げられる。

 本明細書中、「ハロゲン」とは、フッ素、 素、臭素、およびヨウ素を意味する。好ま くは、フッ素、塩素および臭素が挙げられ 。
 本明細書中、単独でもしくは他の用語と組 合わせて用いられる「ハロ低級アルキル」 る用語は、前記「ハロゲン」によって1~8個 、好ましくは1~5個所置換された前記「低級 ルキル」を包含する。例えば、トリフルオ メチル、トリクロロメチル、ジフルオロエ ル、トリフルオロエチル、ジクロロエチル トリクロロエチル等が挙げられる。好まし は、前記「ハロゲン」によって1~5個所置換 れたC1~C3アルキルが挙げられる。特に好ま くは、トリフルオロメチルが挙げられる。
 本明細書中、「ハロ低級アルキルオキシ」 しては、前記「ハロゲン」によって1~5個所 換されたC1~C3アルキルオキシが好ましい。 に好ましくは、トリフルオロメチルオキシ 挙げられる。
 本明細書中、「ジ低級アルキルアミノ」と てはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn -プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、 チルメチルアミノ、メチルn-プロピルアミノ 、メチルイソプロピルアミノ、エチルn-プロ ルアミノ、エチルイソプロピルアミノ等が げられる。好ましくは、ジメチルアミノが げられる。

 「置換されていてもよい低級アルキル」、 置換されていてもよいアルケニル」、「置 されていてもよいアリール」、「置換され いてもよいヘテロアリール」、「置換され いてもよいシクロアルキル」、「置換され いてもよいヘテロサイクル」、「置換され いてもよいアラルキル」、「置換されてい もよいアラルキルチオ」、「置換されてい もよいヘテロアラルキルチオ」、「置換さ ていてもよい低級アルキルオキシ」、「置 されていてもよいアラルキルオキシ」、「 換されていてもよいアリールオキシ」、「 換されていてもよいアリールスルホニルア ノ」、「置換されていてもよいアリールア ノカルボニルアミノ」、「置換されていて よいアリールカルボニルアミノ」、「置換 れていてもよいアラルキルカルボニルアミ 」、「置換されていてもよいアラルキルア ノカルボニル」、「置換されていてもよい ラルキルスルフィニル」、「置換されてい もよいヘテロアリールオキシ」、「置換さ ていてもよいアリールアミノカルボニル」 「置換されていてもよいアリールカルボニ 」、「置換されていてもよいアリールチオ 、「置換されていてもよいアリールアミノ 、「置換されていてもよいアリールアミノ ルキル」、「置換されていてもよいアリー スルホニル」、「置換されていてもよいア ルキルアミノ」、「置換されていてもよい リールアミノスルホニル」、「置換されて てもよいヘテロアリールアルキル」、「置 されていてもよいヘテロアリールカルボニ 」、「置換されていてもよいヘテロアリー チオ」、「置換されていてもよいアリール 級アルケニル」、および「置換されていて よいアミノ」の置換基としては、例えば、 ドロキシ、カルボキシ、ハロゲン(F、Cl、Br I)、ハロ低級アルキル(例えば、CF 3 、CH 2 CF 3 、CH 2 CCl 3 )、C1-C6アルキル(例えば、メチル、エチル、 ソプロピル、tert-ブチル)、C2-C6アルケニル( えば、ビニル)、C3-C6アルキニル(例えば、エ ニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプ ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ ロヘキシル)、シクロアルケニル(例えば、シ クロプロペニル)、アルコキシ(例えば、メト シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、ア ルケニルオキシ(例えば、ビニルオキシ、ア ルオキシ等)、アルコキシカルボニル(例えば 、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル 、tert-ブトキシカルボニル等)、ニトロ、ニト ロソ、置換されていてもよいアミノ(例えば アミノ、低級アルキルアミノ(例えば、メチ アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ)、 アシルアミノ(例えば、アセチルアミノ、ベ ゾイルアミノ)、アラルキルアミノ(例えば、 ベンジルアミノ、トリチルアミノ)、ヒドロ シアミノ)、アジド、アリール(例えば、フェ ニル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、シア ノ、イソシアノ、イソシアナト、チオシアナ ト、イソチオシアナト、メルカプト、低級ア ルキルチオ(例えば、メチルチオ)、低級アル ルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、 エタンスルホニル)、置換されていてもよい ルバモイル(例えば、低級アルキルカルバモ ル(例えば、メチルカルバモイル、エチルカ ルバモイル、ジメチルカルバモイル))、スル ァモイル、アシル(例えば、ホルミル、アセ チル)、ホルミルオキシ、ハロホルミル、オ ザロ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジ オカルボキシ、チオカルバモイル、スルフ ノ、スルフォ、スルホアミノ、ヒドラジノ アジド、ウレイド、アミジノ、グアニジノ フタルイミド、オキソ、置換されていても いアリール(例、フェニル、2-クロロフェニ 、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2- チルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチル ェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフ ェニル、4-メトキシフェニル、2-アミノフェ ル、3-アミノフェニル、4-アミノフェニル、1 -ナフチル、2-ナフチル)、置換されていても いヘテロアリール(例、ピリジン-2-イル、ピ ジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン- 2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イ 、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾ ル-5-イル、ピロール-2-イル、ピラゾール-3- ル、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフ ン-2-イル、チオフェン-3-イル、イミダゾー -2-イル、オキサゾール-2-イル、チアゾール- 2-イル)等が挙げられる。

 「置換されていてもよいアリール」、「 換されていてもよいヘテロアリール」、「 換されていてもよいシクロアルキル」、「 換されていてもよいヘテロサイクル」、「 換されていてもよいアラルキル」、「置換 れていてもよいアラルキルチオ」、「置換 れていてもよいヘテロアラルキルチオ」、 置換されていてもよいアラルキルオキシ」 「置換されていてもよいアリールオキシ」 「置換されていてもよいアリールスルホニ アミノ」、「置換されていてもよいアリー アミノカルボニルアミノ」、「置換されて てもよいアリールカルボニルアミノ」、「 換されていてもよいアラルキルカルボニル ミノ」、「置換されていてもよいアラルキ アミノカルボニル」、「置換されていても いアラルキルスルフィニル」、「置換され いてもよいヘテロアリールオキシ」、「置 されていてもよいアリールアミノカルボニ 」、「置換されていてもよいアリールカル ニル」、「置換されていてもよいアリール オ」、「置換されていてもよいアリールア ノ」、「置換されていてもよいアリールア ノアルキル」、「置換されていてもよいア ールスルホニル」、「置換されていてもよ アラルキルアミノ」、「置換されていても いアリールアミノスルホニル」、「置換さ ていてもよいヘテロアリールアルキル」、 置換されていてもよいヘテロアリールカル ニル」、「置換されていてもよいヘテロア ールチオ」、「置換されていてもよいアリ ル低級アルケニル」、および単独でもしく 他の用語と組み合わされて「置換されてい もよいシクロアルキル」の置換基としては 上に例示した置換基が挙げられる。該アリ ル、該ヘテロアリール、該シクロアルキル および該へテロサイクルは、置換可能な任 の位置でこれら置換基によって置換されて てもよく、その数は1~3個である。

 R A1 は、好ましくは種々の脂溶性基である。より 好ましくは、置換されていてもよい低級アル キル、置換されていてもよい低級アルケニル 、または置換されていてもよいシクロアルキ ルである。さらに好ましくは、置換されてい てもよい低級アルキルまたは置換されていて もよいシクロアルキルである。特に好ましく は置換されていてもよい低級アルキルである 。「置換されていてもよい」の置換基は、置 換基群Aから選択される1またはそれ以上の同 または異なる置換基である。
 置換基群A:置換されていてもよいアリール 置換されていてもよいヘテロアリール、置 されていてもよいヘテロサイクル、置換さ ていてもよいアラルキルチオ、置換されて てもよいヘテロアラルキルチオ、置換され いてもよいシクロアルキル、置換されてい もよい低級アルキルオキシ、置換されてい もよいアラルキルオキシ、置換されていて よいアリールオキシ、置換されていてもよ アリールスルホニルアミノ、置換されてい もよいアミノ。
 置換基群Aにおける「置換されていてもよい 」の置換基は、置換基群Bから選択される1ま はそれ以上の同一または異なる置換基であ 。
 置換基群B:置換されていてもよいアリール ミノカルボニルアミノ、置換されていても いアリールアミノカルボニル、置換されて てもよいアリールカルボニル、置換されて てもよいアリールカルボニルアミノ、置換 れていてもよいアリールカルボニルアミノ ルキル、オキソ、ハロゲン、置換されてい もよいアリール、置換されていてもよいア ールオキシ、置換されていてもよいアリー チオ、置換されていてもよいアリールアミ 、置換されていてもよいアリールアミノア キル、置換されていてもよいアリールアミ カルボニルアルキル、置換されていてもよ アリールスルホニル、置換されていてもよ 低級アルキル、置換されていてもよいアラ キル、置換されていてもよいアミノ、置換 れていてもよいアラルキルカルボニルアミ 、置換されていてもよいアラルキルアミノ 置換されていてもよいアラルキルアミノカ ボニル、置換されていてもよいアラルキル ルフィニル、置換されていてもよいアリー スルホニルアミノ、置換されていてもよい リールアミノスルホニル、置換されていて よいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、 級アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、 ロ低級アルキルオキシ、置換されていても いヘテロアリール、置換されていてもよい テロアリールアルキル、置換されていても いヘテロアリールカルボニル、置換されて てもよいヘテロアリールオキシ、置換され いてもよいヘテロアリールチオ、置換され いてもよいアリール低級アルケニル、置換 れていてもよいヘテロアリール低級アルケ ル、置換されていてもよいシクロアルキル 置換されていてもよいシクロアルキルオキ 、置換されていてもよいシクロアルキルチ 、置換されていてもよいシクロアルキルア ノカルボニル、置換されていてもよいシク アルキル低級アルケニル、置換されていて よいシクロアルキルスルホニル、置換され いてもよいシクロアルキルアミノカルボニ アミノ、置換されていてもよいシクロアル ルアミノアルキル、置換されていてもよい クロアルキル低級アルキルアミノ、置換さ ていてもよいシクロアルキルアミノ、置換 れていてもよいシクロアルキル低級アルキ 、置換されていてもよいシクロアルキルカ ボニル、置換されていてもよいシクロアル ル低級アルキルカルボニルアミノ、置換さ ていてもよいシクロアルキルカルボニルア ノ、置換されていてもよいシクロアルキル ルボニルアミノアルキル、置換されていて よいシクロアルキル低級アルキルアミノカ ボニル、置換されていてもよいシクロアル ルスルホニルアミノ、置換されていてもよ シクロアルキルアミノカルボニルアルキル 置換されていてもよいシクロアルキルアミ スルホニル
 置換基群Bにおける「置換されていてもよい 」の置換基は、置換基群Cから選択される1ま はそれ以上の同一または異なる置換基であ 。
 置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオ シ、低級アルキルスルホニル、ニトロ、ア ルキルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低 アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低 アルキルアミノ、

 R A1 の好ましい態様は以下に示される基を包含す る。
(1-1)-CH 2 -(置換)Ph-CONR-(置換)Ph
(1-2)-CH 2 -(置換)Ph-NRCO-(置換)Ph
(1-3)-CH 2 -(置換)Ph-CH2-CONR-(置換)Ph
(1-4)-CH 2 -(置換)Ph-CH2-NRCO-(置換)Ph
(1-5)-CH 2 -(置換)Ph-X-CONR-(置換)Ph
(1-6)-CH 2 -(置換)Ph-X-NRCO-(置換)Ph
(1-7)-CH 2 -(置換)Het-CONR-(置換)Ph
(1-8)-CH 2 -(置換)Het-NRCO-(置換)Ph
(1-9)-CH 2 -(置換)Ph-CONR-CH 2 -(置換)Ph
(1-10)-CH 2 -(置換)Ph-NRCO-CH 2 -(置換)Ph
(1-11)-CH 2 -(置換)Ph-CH 2 -CONR-CH 2 -(置換)Ph
(1-12)-CH 2 -(置換)Ph-CH 2 -NRCO-CH 2 -(置換)Ph
(1-13)-CH 2 -(置換)Ph-X-CONR-CH 2 -(置換)Ph
(1-14)-CH 2 -(置換)Ph-X-NRCO-CH 2 -(置換)Ph
(1-15)-CH 2 -(置換)Het-CONR-CH 2 -(置換)Ph
(1-16)-CH 2 -(置換)Het-NRCO-CH 2 -(置換)Ph
(1-17)-(CH 2 )m-(置換)Ph-CONR-(置換)Ph
(1-18)-(CH 2 )m-(置換)Ph-NRCO-(置換)Ph
(1-19)-(CH 2 )m-(置換)Ph-CH 2 -CONR-(置換)Ph
(1-20)-(CH 2 )m-(置換)Ph-CH 2 -NRCO-(置換)Ph
(1-21)-(CH 2 )m-(置換)Ph-X-CONR-(置換)Ph
(1-22)-(CH 2 )m-(置換)Ph-X-NRCO-(置換)Ph 
(1-23)-(CH 2 )m-(置換)Het-CONR-(置換)Ph
(1-24)-(CH 2 )m-(置換)Het-NRCO-(置換)Ph
(1-25)-(CH 2 )m-(置換)Het-X-CONR-(置換)Ph
(1-26)-(CH 2 )m-(置換)Het-X-NRCO-(置換)Ph
(1-27)-(CH 2 )m-S-CH 2 -(置換)Ph
(1-28)-CH 2 -(置換)Het-(置換)Ph
(1-29)-CH 2 -CH[(置換)Ph] 2
(1-30)-(置換)cAlk-X-CH 2 -(置換)Ph
(1-31)-CH 2 -(置換)cAlk
(1-32)-(CH 2 )m-X-(CH 2 )m-H
(1-33)-(CH 2 )m-X-(置換)Ph 
(1-34)-CH 2 -(置換)Ph
(1-35)-CH 2 -(置換)Het-CH 2 -(置換)Ph
(1-36)-CH 2 -(置換)Ph-(置換)Ph
(1-37)-(CH 2 )m-S-CH 2 -(置換)Het
(1-38)-CH 2 -(置換)Ph-X-(置換)Ph
(1-39)-(CH 2 )m-(置換)Het-CH 2 -(置換)Ph
(1-40)-CH 2 -(置換)Ph-X-(置換)Het
(1-41)-CH 2 -(置換)Ph-(置換)Het
(1-42)-(CH 2 )m-(置換)Het
(1-43)-CH 2 -(置換)Ph-SO-CH 2 -(置換)Ph
(1-44)-(置換)cAlk-(置換)Ph
(1-45)-CH 2 -(置換)Ph-S-CH 2 -(置換)Ph
(1-46)-CH 2 -(置換)Het-(置換)Het
(1-47)-CH 2 -(置換)Ph-CO-(置換)Ph
(1-48)-CH 2 -(置換)Het-CO-(置換)Ph
(1-49)-CH 2 -(置換)Het-CH=CH-(置換)Ph
(1-50)-CH 2 -(置換)Het-X-CH 2 -(置換)Ph
(1-51)-CH 2 -(置換)Het-CH 2 -X-(置換)Ph
(1-52)-CH 2 -(置換)Het-SO 2 -(置換)Ph
(1-53)-CH 2 -(置換)Het-X-(置換)Ph
(1-54)-CH 2 -CH=CH-(置換)Het-(置換)Ph
[上記式中、Phは、フェニル;Xは、O、SまたはNR ;Rは、水素または低級アルキル;Hetは、縮合し ていてもよいヘテロアリールまたはヘテロサ イクル(好ましくは5または6員);cAlkは、シクロ アルキル(好ましくは3~6員);mは2または3;(置換) は置換されていてもよい、を示す。]
上記のうち、R A1 の特に好ましい態様は(1-28)である。

 R B 、R C 、R D における化学修飾としては、例えば特開2001-1 63898号に記載の置換基が挙げられる。具体的 は以下に例示される。
 R B は、以下の(2-1)~(2-7)からなる群から選択され :
(2-1)ヒドロキシ:
(2-2)置換基を有していてもよいモノまたはジ ルキルアミノ(ただし、(2-4)を除く)であり、 ここに2つのアルキルは結合して環を形成し もよく、該置換基は、アミノ、モノアルキ アミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキル ンモニウム、ヒドロキシ、グアニジノ、カ ボキシ、アルキルオキシカルボニル、シア で置換されていてもよいカルバモイル、モ またはジアルキルカルバモイル、モノまた ジアリールカルバモイル、アリール、アル ルアミドもしくはアリールアミド、アルキ ウレアもしくはアリールウレア、-(C=O)N - -N + (R X ) 3 、-N + (R X ) 2 (CH 2 ) m COOR Y 、-N + (R X ) 2 (CH 2 ) m N + (R X ) 3 、-SO 2 -OR Y (ここで、mは1~3であり、R X は、C1~C3アルキルであり、そしてR Y は、水素またはC1~C3アルキルである)、もしく は-P=O(OR Y ) 2 (ここで、R Y は、水素もしくはC1~C3アルキルである)、また はその組み合わせであり、ここで、該置換基 中のアルキルはさらに、アルキルオキシカル ボニルもしくはアリールオキシカルボニルで 置換されていてもよいアミノで置換されてい てもよく、また該置換基中のアリール環はさ らに、ハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキ シ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル 、アミノで置換されていてもよいアルキル、 もしくはアシル化されていてもよいヒドロキ シアルキルまたはチオアルキル、またはその 組み合わせで置換され得る;
(2-3)アミノまたはヒドロキシで置換されてい もよいシクロアルキルアミノ;
(2-4)二置換メチルアミノ-NHCHR 6 R 7 であり、ここで、R 6 は、カルボキシ、置換基を有していてもよい アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、 もしくは置換基を有していてもよいモノアル キルカルバモイル、もしくは置換基を有して いてもよいシクロアルキルカルバモイルから 選択され、ここで、該置換基は、アミノ、モ ノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリ アルキルアンモニウム、カルボキシ、ヒドロ キシ、-(C=O)N - -N + (R X ) 3 、-(CH 2 ) m COOR X (ここで、mは、1~3であり、R X は、C1~C3アルキルである)で置換されていても よいアリール、-N + (R X ) 2 (CH 2 ) m COOR Y (ここで、R Y は、水素またはC1~C3アルキルである)、もしく は-N + (R X ) 2 (CH 2 ) m N + (R X ) 3 、またはその組み合わせであり、R 7 は、C1~C3アルキルで窒素が置換されていても いインドールもしくはチオインドール、ま はイミダゾリルである;
(2-5)トリペプチドR-A 1 -A 2 -A 3 -:ここで、A 1 、A 2 、およびA 3 はそれぞれ任意のアミノ酸単位であり、Rは 該トリペプチドのカルボキシ末端の、ヒド キシ、アミノもしくは置換基を有していて よいモノまたはジアルキルアミノを表し、 置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、 アルキルアミノ、トリアルキルアンモニウ 、グアニジノ、もしくはアリールである;
(2-6)置換基を有していてもよいヒドラジノま はヒドロキサム酸であり、該置換基は、ア キル、もしくはさらにアルキルで置換され いてもよいアリールアルキルである;および
(2-7)置換基を有していてもよいアルコキシで り、該置換基は、さらにニトロ、ヒドロキ ム酸、もしくはアルキルで置換されていて よいアリールカルボニルである;
 ただし、(2-2)~(2-7)において、存在するアリ ル環はヘテロ原子を含むことができ、そし 存在する炭素-炭素一重結合は、ヘテロ原子 、または-O(P=O)(OR F )O-(ここで、R F は、水素、アルキルオキシカルボニルまたは アリールオキシカルボニルである)、および ミノから選択されるヘテロ基で中断されて ることがある;
 R B は好ましくは、-OH、-NHR 5 、または-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’は水素、置換されていてもよい低級アルキ ル、-NH-R、-NH-COR、-NH-CONHR、-O-R(各Rは、それぞ れ独立して水素または置換されていてもよい 低級アルキル)、またはアミノ糖残基)である 好ましくは、R 5 、R 5 ’のいずれか一方は水素である。より好まし くは、-OHまたは-NHR 5 (ここに、R 5 は置換されていてもよい低級アルキル、また は置換されていてもよい低級アルキルオキシ )である。
 置換されていてもよい低級アルキルおよび 換されていてもよい低級アルキルオキシの 換基としては、親水性の置換基が好ましく 例えばアミノ、モノまたはジ低級アルキル ミノ、トリ低級アルキルアミン、アミノ低 アルキルアミノ、ヒドロキシ低級アルキル ミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アル キシカルボニル、SO 3 H、PO 3 H 2 、置換されていてもよいカルバモイル、4級 ンモニウム基(例:トリ低級アルキルアミノ( :-N + (CH 3 ) 3 ))、置換されていてもよい複素環基(ヘテロサ イクルまたはヘテロアリール)、置換されて てもよい複素環チオ、グアニジノ、NHSO 2 NH 2 、ヒドロキシ低級アルコキシから選択される 同一または異なる1~10個、好ましくは1~6個の 換基が例示される。複素環内のN原子部分は4 級化されて塩を形成していてもよい。置換さ れていてもよい複素環の置換基としては、ヒ ドロキシ、アミノ、カルボキシ、アミノ低級 アルキル、4級アンモニウム低級アルキルが 示される。また4級アンモニウム基上の低級 ルキル基はさらに置換低級アルキル(置換基 :カルボキシ、ヒドロキシ、4級アンモニウム )で置換されていてもよい。より好ましくは 、置換されていてもよい低級アミノ、ヒドロ キシ、または低級アルコキシである。

 R C は、以下の(3-1)~(3-4)からなる群から選択され :
(3-1)水素;
(3-2)アルキル、シクロアルキルまたはアルキ ンで置換されていてもよいアミノメチルで り、該アルキル、シクロアルキルおよびア キレンはそれぞれ置換基を有していてもよ 、該置換基は、アルキルオキシカルボニル たはアリールオキシカルボニルで置換され いてもよいアミノ、モノアルキルアミノ、 アルキルアミノ、トリアルキルアンモニウ 、シクロアルキルで置換されていてもよい リール、ピリジル、ヒドロキシ、グアニジ 、-O-(P=O)(OH) 2 、カルボキシ、SO 3 H、-N + (R X ) 2 (CH 2 ) m N + (R X ) 3 、もしくは-(C=O)-N - -N + (R X ) 3 (ここで、mは1~3であり、R X は、C1~C3アルキルである)、またはその組み合 わせであって、ここで、該モノアルキルアミ ノまたはジアルキルアミノ置換基中のアルキ ルは、さらにアミノで置換されていることが ある;
(3-3)置換基を有していてもよいアルキニルで り、該置換基は、アルキルオキシカルボニ またはアリールオキシカルボニルで置換さ ていてもよいアミノ、またはアリールであ ;および
(3-4)ハロゲン;
 ただし、(3-2)および(3-3)において、存在する アリール環はヘテロ原子を含むことができ、 そして存在する炭素-炭素一重結合は、ヘテ 原子で、または-O(P=O)(OR J )O-(ここで、R J は、水素、アルキルオキシカルボニルまたは アリールオキシカルボニルである)、アミド およびイミノから選択されるヘテロ基で中 されていることがある。
 R C は、好ましくは水素または置換されていても よい低級アルキルである。該置換されていて もよい低級アルキルの置換基は好ましくは、 前記-NHR 5 であるか、R 5 における置換されていてもよい低級アルキル の置換基が例示される。より好ましくは前記 -NHR 5 である。ここにおいてR 5 は好ましくは、置換されていてもよいアラル キル、置換されていてもよいヘテロアラルキ ル、または置換されていてもよい低級アルキ ルである。該置換されていてもよいアラルキ ル、置換されていてもよいヘテロアラルキル 、または置換されていてもよい低級アルキル の置換基は好ましくは、-NH 2 、-SO 3 H、または-OHである。
 R B とR C の好ましい組合せとしては、R B が-OH、-NHR 5 (R 5 は、モノまたはジ低級アルキルアミノ低級ア ルキル、トリ低級アルキルアンモニウム低級 アルキル、またはアミノ糖残基)、-NR 5 R 5’ (R 5 およびR 5’ は、共にヒドロキシ低級アルキル)、または-N HCH 2 CON - N + (Me) 3 、であり、R C が水素、モノまたはジ置換アミノ低級アルキ ル(置換基の例:低級アルキル、モノまたはジ 級アルキルアミノ低級アルキル、トリ低級 ルキルアンモニウム低級アルキル、ヒドロ シ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルコキ 低級アルキル、-CH 2 CON - N + (Me) 3 、1~6個のヒドロキシで置換された低級アルキ ル、およびカルボキシ、ヒドロキシ、オキソ 、置換されていてもよいカルバモイル、グア ニジド、スルホン酸基、リン酸基、NHSO 2 NH 2 および/またはアミノで置換された低級アル ル、置換されていてもよいヘテロ環低級ア キル(置換基:アミノ低級アルキル)、置換さ ていてもよい4級アンモニウム低級アルキル( 置換基:カルボキシ、ヒドロキシ、4級アンモ ウム基))である場合が例示される。具体的 は後記の表6~表8の場合が挙げられる。
 R B とR C の特に好ましい組合せとしては、R B が-OH、R C が水素である。

 R D は、以下の(4-1)~(4-6)からなる群から選択され :
(4-1)水素;
(4-2)置換基を有していてもよいアルキルであ 、該置換基は、アルキルオキシカルボニル アミノ、アルキル化されていてもよいアリ ル、アリールカルボニル、カルバモイル、 ノまたはジアルキルカルバモイルまたはモ またはジアリールアルキルカルバモイルま はその組み合わせであり、ここで、該置換 中のアルキルまたはアリールは、さらにア キルオキシカルボニルまたはアリールオキ カルボニルで置換されていてもよいアミノ またはヒドロキシで置換されていてもよい;
(4-3)置換基を有していてもよいアルキルオキ カルボニルであって、該置換基は、アルキ 化されていてもよいアリールである;
(4-4)アリールアミドまたはアリールチオアミ ;
(4-5)アルキル化されていてもよいアミノまた アミジノ;および
(4-6)ニトロソ;ただし、(4-2)~(4-5)において、存 するアリール環はヘテロ原子を含み得、そ て、存在する炭素-炭素一重結合はヘテロ原 子で中断されていることがある。
 R D は好ましくは水素または置換基を有していて もよい低級アルキルである。特に好ましくは 水素である。
 また文献(例:Expert Opin. Ther.Patents(2004)14, 141 ~173頁)記載の方法に準じて、N末端部分を脱ロ イシン化して-NH 2 に変換したり、さらにそれをアシル化しても よい。

 R F は水素または糖残基である。好ましくは糖残 基である。より好ましくはアミノ糖残基であ る。さらに好ましくは、以下の式:

(式中、R A2 は水素または置換されていてもよい低級アル キル)

で示されるアミノ糖残基である。
特に好ましくは、以下の式:

(式中、R A2 は前記と同意義)

で示されるアミノ糖残基である。
 R A2 における置換されていてもよい低級アルキル の置換基としては、例えば、ヒドロキシ、カ ルボキシ、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ハロ低級 ルキル(例えば、CF 3 、CH 2 CF 3 、CH 2 CCl 3 )、ヒドロキシで置換されていてもよいC1-C6ア ルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロ ル、tert-ブチル)、C2-C6アルケニル(例えば、 ニル)、C3-C6アルキニル(例えば、エチニル)、 シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、 クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ ル)、シクロアルケニル(例えば、シクロプロ ペニル)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エ キシ、プロポキシ、ブトキシ)、アルケニル オキシ(例えば、ビニルオキシ、アリルオキ 等)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキ シカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブ キシカルボニル等)、ニトロ、ニトロソ、置 換されていてもよいアミノ(例えば、アミノ 低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ エチルアミノ、ジメチルアミノ)、アシルア ミノ(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイル ミノ)、アラルキルアミノ(例えば、ベンジル アミノ、トリチルアミノ)、ヒドロキシアミ )、アジド、アリール(例えば、フェニル)、 ラルキル(例えば、ベンジル)、シアノ、イソ シアノ、イソシアナト、チオシアナト、イソ チオシアナト、メルカプト、低級アルキルチ オ(例えば、メチルチオ)、低級アルキルスル ニル(例えば、メタンスルホニル、エタンス ルホニル)、置換されていてもよいカルバモ ル(例えば、低級アルキルカルバモイル(例え ば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイ ル、ジメチルカルバモイル))、スルファモイ 、アシル(例えば、ホルミル、アセチル)、 ルミルオキシ、ハロホルミル、オキザロ、 オホルミル、チオカルボキシ、ジチオカル キシ、チオカルバモイル、スルフィノ、ス フォ、スルホアミノ、ヒドラジノ、アジド ウレイド、アミジノ、グアニジノ、フタル ミド、オキソ、置換されていてもよいアリ ル(例、フェニル、2-クロロフェニル、3-クロ ロフェニル、4-クロロフェニル、2-メチルフ ニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル 2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、 4-メトキシフェニル、2-アミノフェニル、3-ア ミノフェニル、4-アミノフェニル、1-ナフチ 、2-ナフチル)、置換されていてもよいヘテ アリール(例、ピリジン-2-イル、ピリジン-3- ル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、 リミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、イソ キサゾール-3-イル、イソオキサゾール-5-イ 、ピロール-2-イル、ピラゾール-3-イル、フ ン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イ 、チオフェン-3-イル、イミダゾール-2-イル オキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル)、 置換されていてもよいヘテロサイクル(例、1- ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリニ 、2-イミダゾリジニル、イミダゾリニル、1- ラゾリジニル、2-ピラゾリジニル、ピラゾ ニル、ピペリジノ、2-ピペリジル、1-ピペラ ニル、モルホリノ、3-モルホリニル、テト ヒドロフリル、テトラヒドロピラニル)等が げられる。好ましくは、ヒドロキシ、置換 れていてもよいアリール、置換されていて よいヘテロアリール、置換されていてもよ ヘテロサイクルである。より好ましくはヒ ロキシ、ピリジン-3-イル、イミダゾール-2- ル、モルホリノ、または3-(3-トリフルオロ チルオキシベンゾイルアミノ)フェニルであ 。
 R A2 の特に好ましい態様は水素である。

 本発明の好ましい化合物は、以下のカテゴ ーに分類できる。
式(IV-2):

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物において:
1)R A1 が置換されていてもよい低級アルキルである 化合物、その製薬上許容される塩、またはそ れらの溶媒和物、
2)R A1 が下記置換基群Aから選択される置換基で置 されていてもよい低級アルキルである1)の化 合物、その製薬上許容される塩、またはそれ らの溶媒和物;
置換基群A:置換されていてもよいアリール、 換されていてもよいヘテロアリール、置換 れていてもよいヘテロサイクル、置換され いてもよいアラルキルチオ、置換されてい もよいヘテロアラルキルチオ、置換されて てもよいシクロアルキル、置換されていて よい低級アルキルオキシ、置換されていて よいアラルキルオキシ、置換されていても いアリールオキシ、置換されていてもよい リールスルホニルアミノ置換されていても いアミノ、
3)2)の置換基群Aにおける「置換されていても い」の置換基が下記置換基群Bから選択され る2)の化合物、その製薬上許容される塩、ま はそれらの溶媒和物;
置換基群B:置換されていてもよいアリールア ノカルボニルアミノ、置換されていてもよ アリールアミノカルボニル、置換されてい もよいアリールカルボニル、置換されてい もよいアリールカルボニルアミノ、置換さ ていてもよいアリールカルボニルアミノア キル、オキソ、ハロゲン、置換されていて よいアリール、置換されていてもよいアリ ルオキシ、置換されていてもよいアリール オ、置換されていてもよいアリールアミノ 置換されていてもよいアリールアミノアル ル、置換されていてもよいアリールアミノ ルボニルアルキル、置換されていてもよい リールスルホニル、置換されていてもよい 級アルキル、置換されていてもよいアラル ル、置換されていてもよいアミノ、置換さ ていてもよいアラルキルカルボニルアミノ 置換されていてもよいアラルキルアミノ、 換されていてもよいアラルキルアミノカル ニル、置換されていてもよいアラルキルス フィニル、置換されていてもよいアリール ルホニルアミノ、置換されていてもよいア ールアミノスルホニル、置換されていても いアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、低 アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、ハ 低級アルキルオキシ、置換されていてもよ ヘテロアリール、置換されていてもよいヘ ロアリールアルキル、置換されていてもよ ヘテロアリールカルボニル、置換されてい もよいヘテロアリールオキシ、置換されて てもよいヘテロアリールチオ、置換されて てもよいアリール低級アルケニル、置換さ ていてもよいヘテロアリール低級アルケニ 、置換されていてもよいシクロアルキル、 換されていてもよいシクロアルキルオキシ 置換されていてもよいシクロアルキルチオ 置換されていてもよいシクロアルキルアミ カルボニル、置換されていてもよいシクロ ルキル低級アルケニル、置換されていても いシクロアルキルスルホニル、置換されて てもよいシクロアルキルアミノカルボニル ミノ、置換されていてもよいシクロアルキ アミノアルキル、置換されていてもよいシ ロアルキル低級アルキルアミノ、置換され いてもよいシクロアルキルアミノ、置換さ ていてもよいシクロアルキル低級アルキル 置換されていてもよいシクロアルキルカル ニル、置換されていてもよいシクロアルキ 低級アルキルカルボニルアミノ、置換され いてもよいシクロアルキルカルボニルアミ 、置換されていてもよいシクロアルキルカ ボニルアミノアルキル、置換されていても いシクロアルキル低級アルキルアミノカル ニル、置換されていてもよいシクロアルキ スルホニルアミノ、置換されていてもよい クロアルキルアミノカルボニルアルキル、 換されていてもよいシクロアルキルアミノ ルホニル、
4)3)の置換基群Bにおける「置換されていても い」の置換基が下記置換基群Cから選択され る3)の化合物、その製薬上許容される塩、ま はそれらの溶媒和物;
置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオキ 、低級アルキルスルホニル、ニトロ、アラ キルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低級 ルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低級 ルキルアミノ、
5)R B が-OH、-NHR 5 、または-NR 5 R 5 ’(ここに、R 5 およびR 5 ’は水素、置換されていてもよい低級アルキ ル、-NH-R、-NH-COR、-NH-CONHR、-O-R(各Rは、それぞ れ独立して水素または置換されていてもよい 低級アルキル)、またはアミノ糖残基)である 合物、その製薬上許容される塩、またはそ らの溶媒和物、
6)R B が-OHまたは-NHR 5 (ここに、R 5 は下記置換基群Dから選択される同一または なる1~6個の置換基で置換されていてもよい 級アルキル、または下記置換基群Dから選択 れる同一または異なる1~6個の置換基で置換 れていてもよい低級アルキルオキシ;
置換基群D:アミノ、モノまたはジ低級アルキ アミノ、トリ低級アルキルアミン、アミノ 級アルキルアミノ、ヒドロキシ低級アルキ アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、低級ア コキシカルボニル、SO 3 H、PO 3 H 2 、置換されていてもよいカルバモイル、4級 ンモニウム基、置換されていてもよい複素 基、置換されていてもよい複素環チオ、グ ニジノ、NHSO 2 NH 2 、ヒドロキシ低級アルコキシ)
である5)の化合物、その製薬上許容される塩 またはそれらの溶媒和物、
7)R C が水素または置換されていてもよい低級アル キルである化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物、
8)R C が水素または下記置換基群Eから選択される 換基で置換されていてもよいアミノで置換 れていてもよい低級アルキルである7)の化合 物、その製薬上許容される塩、またはそれら の溶媒和物;
置換基群E:-NH 2 、-SO 3 H、もしくは-OHで置換されていてもよいアラ キル;-NH 2 、-SO 3 H、もしくは-OHで置換されていてもよいヘテ アラルキル;または-NH 2 、-SO 3 H、もしくは-OHで置換されていてもよい低級 ルキル、
9)R D が水素または置換基を有していてもよい低級 アルキルである化合物、その製薬上許容され る塩、またはそれらの溶媒和物、
10)R D が水素である9)の化合物、その製薬上許容さ る塩、またはそれらの溶媒和物、
11)R F が水素または糖残基である化合物、その製薬 上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
12)R F が式:

(式中、R A2 は水素または置換されていてもよい低級アル キル)

で示されるアミノ糖残基である11)の化合物、 その製薬上許容される塩、またはそれらの溶 媒和物、
13)R F が式:

(式中、R A2 は水素または、ヒドロキシ、ピリジン-3-イル 、イミダゾール-2-イル、モルホリノ、もしく は3-(3-トリフルオロメチルオキシベンゾイル ミノ)フェニル置換されていてもよい低級ア ルキル)

で示されるアミノ糖残基である12)の化合物、 その製薬上許容される塩、またはそれらの溶 媒和物、
14)X A およびX B が共にClである化合物、その製薬上許容され 塩、またはそれらの溶媒和物、
15)R E が-OHである化合物、その製薬上許容される塩 、またはそれらの溶媒和物、
16)R E が-NHAcである化合物、その製薬上許容される 、またはそれらの溶媒和物、
17)mが0または1である化合物、その製薬上許容 される塩、またはそれらの溶媒和物。
 上記1)-17)の各カテゴリーは任意に2つまたは それ以上の組み合わせをもって化合物を構成 することができる。

 R B 、R C およびR D の組合せとしては、R B がヒドロキシ、-NHR 5 (R 5 は、モノまたはジ低級アルキルアミノ低級ア ルキル、トリ低級アルキルアンモニウム低級 アルキル、またはアミノ糖残基)、-NR 5 R 5 ’(R 5 およびR 5 ’は、共にヒドロキシ低級アルキル)、また -NHCH 2 CON - N + (Me) 3 、であり、R C が水素、モノまたはジ置換アミノ低級アルキ ル(置換基の例:低級アルキル、モノまたはジ 級アルキルアミノ低級アルキル、トリ低級 ルキルアンモニウム低級アルキル、ヒドロ シ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルコキ 低級アルキル、-CH 2 CON - N + (Me) 3 、1~6個のヒドロキシで置換された低級アルキ ル、およびカルボキシ、ヒドロキシ、オキソ 、置換されていてもよいカルバモイル、グア ニジド、スルホン酸基、リン酸基、NHSO 2 NH 2 および/またはアミノで置換された低級アル ル、置換されていてもよいヘテロ環低級ア キル(置換基:アミノ低級アルキル)、置換さ ていてもよい4級アンモニウム低級アルキル( 置換基:カルボキシ、ヒドロキシ、4級アンモ ウム基))であり、R D が水素である場合が例示される。具体的には 表1~8の場合が挙げられる。

 より具体的な本発明化合物を以下に例示す 。下記、表9および表10は、R B 、R C およびR D の各組合せにおいて、R A1 を展開した例である。

 本発明は、上記化合物、その製薬上許容 れる塩およびそれらの溶媒和物を包含する 本発明化合物の理論上可能なすべての互変 性体、幾何異性体等も、本発明の範囲内で る。

 「製薬上許容される」とは、予防上または 療上有害ではないことを意味する。
本発明化合物の製薬上許容される塩としては 、塩基性塩として、例えば、ナトリウム塩、 カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム 、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩; ンモニウム塩;トリメチルアミン塩、トリエ チルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、 エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩 、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩、 メグルミン塩、ジエタノールアミン塩または エチレンジアミン塩等の脂肪族アミン塩;N,N- ベンジルエチレンジアミン、ベネタミン塩 のアラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリ ン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等のヘテ ロ環芳香族アミン塩;テトラメチルアンモニ ム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベン ルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルト エチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチ アンモニウム塩、メチルトリオクチルアン ニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等 第4級アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン 塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。酸 性塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝 酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩 素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸 、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、 石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコ ビン酸塩等の有機酸塩;メタンスルホン酸塩 イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p -トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;ア パラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性ア ノ酸等が挙げられる。
 また本発明化合物の溶媒和物、各種溶媒和 も本発明の範囲内であり、例えば、一溶媒 物、二溶媒和物、一水和物、二水和物等が げられる。

一般的製造法
 以下に本発明化合物の代表的な製造法を記 するが、特にこれらの製造法に限定される 味ではない。

 本発明の出発物質は、クロロオリエンチシ Bまたはその公知の誘導体のグリコペプチド 骨格の6番目のアミノ酸残基に結合するアミ 糖のアミノ部分(R A2 )、またはクロロオリエンチシンB、バンコマ シンまたはそれらの公知の誘導体のC末端部 分(R B )、レゾルシノール部分(R C )、もしくはN末端部分のメチルアミノ部分(R D )等を種々化学修飾することにより調製する とができる。またグリコペプチド骨格の4番 のアミノ酸残基の芳香環に結合する糖側鎖 一旦、脱離させて得られるアグリコンを原 に使用することもできる。あるいは、出発 質として、クロロオリエンチシンB、バンコ マイシンまたはそれらの公知の誘導体を化学 修飾することなく用いてもよい。

 当該化学修飾は、例えば、本明細書の一部 構成する国際公開WO2006/057303パンフレット等 に記載の方法に準じて行えばよい。具体的に は、以下の通りである。
1)R A2 部分の修飾
 代表的には、クロロオリエンチシンBを原料 に用いて、アミノ糖のアミノ部分に、対応す る種々のアルデヒドを所望により酸または塩 基存在下で反応させ、中間体であるシッフ塩 基を形成し、これを続いて還元することによ りN-アルキル化して、目的の2級アミンを形成 させればよい。

 詳細には、シッフの塩基の形成反応は、 望により窒素またはアルゴンのような不活 雰囲気下に、ジメチルスルホキシド、ジメ ルホルムアミド、メタノール、アセトニト ルまたは水のような極性溶媒またはそれら 混合溶媒中で、所望により酸または塩基存 下、約0℃から約100℃の温度で実施する。好 ましくは約20℃から約40℃の温度で、約1分か 2時間行われる。使用する塩基としては、ア ルキルアミン(例:ジイソプロピルエチルアミ )などが例示される。この際に原料化合物中 に本反応の障害となる置換基を有する場合に は、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法 で予め保護し、望ましい段階でその保護基を 除去すればよい。

 次に中間体のシッフ塩基を、好ましくは単 せずに、水素化金属錯体により還元するか 触還元すればよい。水素化金属錯体として 、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化シ ノホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素金 が使用できる。接触還元は、クラブトリー 媒、ウイルキンソン触媒、パラジウム炭、 金炭またはロジウム炭のような均一系また 不均一系触媒の存在下、水素を使用して行 れる。還元反応は約0℃から約100℃の温度で 約1分~24時間行われる。好ましくは、水素化 アノホウ素ナトリウムの過剰量(例:3~5モル当 量)用い、上記溶媒中で、約20℃から約40℃で 施される。
 なお、シッフ塩基の形成反応および還元反 は同時に行ってもよく、または還元剤の存 下においてシッフ塩基の形成反応を行うこ により、目的化合物を得ることも可能であ 。

2)R B 部分の修飾
 代表的には、クロロオリエンチシンB、バン コマイシン等を原料に用いて、C末端である ルボン酸部分を常法によりアミド化するこ により、R B =-NR 5 R 5 ’である各種アミド誘導体に変換できる。

3)R C 部分の修飾
 代表的には、クロロオリエンチシンB、バン コマイシン等を原料に用いて、レゾルシノー ル部分を常法によりアルキル化すればよい。

4)R D 部分の修飾
 代表的には、クロロオリエンチシンB、バン コマイシン等を原料に用いて、N末端部分の チルアミン部分を常法により例えばN-アルキ ル化すればよい。
5)アグリコンの調製
 代表的には、クロロオリエンチシンB、バン コマイシン等を原料に用いて、酸加水分解等 の公知の方法により脱グリコシル化すればよ い。具体的には、J. Med. Chem. (1965), 8, 18-22 J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1988), 1306-l307、Bio chemistry (2001), 40(15), 4745-4755等に記載の方法 調製できる。

 本発明化合物は、好ましくは、上記の方法 調製した出発物質のグリコペプチド骨格の4 番目のアミノ酸残基の芳香環のOH部分、また それに結合する糖残基に、糖転移酵素等を いて単糖を結合させて、糖鎖を伸長した後 末端の糖残基のヒドロキシメチル基をアル ヒド基に酸化し、R A1 に対応するアミンを所望により酸または塩基 存在下で反応させ、中間体であるシッフ塩基 を形成し、これを続いて還元することにより N-アルキル化して、目的の2級アミンを形成さ せることで合成できる。具体的には以下のと おりである。

6)糖鎖の伸長
 代表的化合物について、糖鎖の伸長方法を 下に示す。

(式中、n1は0~5の整数;n2は1~6の整数;
 n’はn1+n2(但しn’は6以下);
 R B 、R C 、R D 、R F 、X A 、X B 、およびSugは前記と同意義;
 NDPはヌクレオチド-2リン酸;
 但し、n1が0の場合、(Sug)n1は、Hを示す。)

 上記1)~5)のいずれか、またはそれらを組み わせた方法で調製した出発物質に対して、 鎖修飾を行い、前記糖残基(I)を形成すれば い。該糖鎖修飾は、好ましくは酵素反応に り行われる。例えば、酵素反応には、所望 より緩衝液中で、糖転移酵素の存在下に糖 ナーと反応させて、糖鎖を伸長する。糖鎖 2単糖分以上伸長させる場合、該反応を複数 繰り返してもよいし、または後述の通り、 らかじめ複数の単糖を連結させた糖ドナー 使用してもよい。
 緩衝液としては、Tris等の有機塩基の塩と酸 を組み合わせた緩衝液(例えば、Tris-HCl緩衝液 、HEPES緩衝液、MES緩衝液等)、ホウ酸緩衝液、 クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液等 の緩衝液が例示されるが、好ましくはTris-HCl 衝液、MES緩衝液が挙げられる。
 糖転移酵素としては、β-1,4-ガラクトシルト ランスフェラーゼ、α-1,3-ガラクトシルトラ スフェラーゼ、β-1,3-ガラクトシルトランス ェラーゼ、β-1,6-ガラクトシルトランスフェ ラーゼ、α-2,6-シアリルトランスフェラーゼ α-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ、セ ミドガラクトシルトランスフェラーゼ、α-1 ,2-フコシルトランスフェラーゼ、α-1,3-フコ ルトランスフェラーゼ、α-1,4-フコシルトラ スフェラーゼ、α-1,6-フコシルトランスフェ ラーゼ、α-1,3-N-アセチルガラクトサミニルト ランスフェラーゼ、α-1,6-N-アセチルガラクト サミニルトランスフェラーゼ、β-1,4-N-アセチ ルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、ポ リペプチドN-アセチルガラクトサミニルトラ スフェラーゼ、β-1,4-N-アセチルグルコサミ ルトランスフェラーゼ、β-1,2-N-アセチルグ コサミニルトランスフェラーゼ、β-1,3-N-ア チルグルコサミニルトランスフェラーゼ、 -1,6-N-アセチルグルコサミニルトランスフェ ーゼ、α-1,4-N-アセチルグルコサミニルトラ スフェラーゼ、β1,4-マンノシルトランスフ ラーゼ、α-1,2-マンノシルトランスフェラー ゼ、α-1,3-マンノシルトランスフェラーゼ、α -1,4-マンノシルトランスフェラーゼ、α-1,6-マ ンノシルトランスフェラーゼ、α-1,2-グルコ ルトランスフェラーゼ、α-1,3-グルコシルト ンスフェラーゼ、α-2,3-シアリルトランスフ ェラーゼ、α-2,8-シアリルトランスフェラー 、α-1,6-グルコサミニルトランスフェラーゼ α1,6-キシロシルトランスフェラーゼ、β-キ ロシルトランスフェラーゼ(プロテオグリカ ンコア構造合成酵素)、β-1,3-グルクロノシル ランスフェラーゼ、ヒアルロン酸合成酵素 J. Am. Chem. Soc. (2005), 127(30), 10747-10752、Pro c. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (2004), 101(13), 4390-4395 、Chem. Asian J. (2006), 1, 445-452等に記載のグ コシルトランスフェラーゼGtfA~E、国際公開W O2006/003456パンフレット等に記載のマクロライ ドグリコトランスフェラーゼ等が例示される が、好ましくは、β-1,4-ガラクトシルトラン フェラーゼである。
 糖ドナーとしては、スクロース、デンプン のオリゴ糖、多糖類の他に、ウリジン-2リ 酸(UDP)、チミジン-2リン酸(TDP)等の種々のヌ レオチド2リン酸と、ガラクトース、グルコ ス、フルクトース、フコース、ガラクトサ ン、グルコサミン、N-アセチルガラクトサ ン、N-アセチルグルコサミン、バンコサミン 、エピ-バンコサミン、グルクロン酸、シア 酸等の単糖類、またはそれらから任意に選 される2~5個の同一または異なる、単糖が直 状もしくは分枝状に連結した糖鎖が結合し 化合物(NDP-Sugar)が使用できる。好ましくはUDP -ガラクトース、UDP-N-アセチルガラクトサミ 、UDP-グルコースが挙げられる。なお、目的 合物の糖鎖の末端となる部分を伸長させる 合は、末端がガラクトースである糖ドナー 特に好ましい。
 所望によりの金属(例えば、Mg、Mn、Ca、Co、Z n、Cu等)と無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸 ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸等)の塩を添加し てもよい。金属塩は好ましくはMnCl 2 等である。
 さらに所望によりラクトアルブミン等の酵 活性を高めるための添加物、アルカリフォ ファターゼ等の副生物を分解処理するため 添加物、Triton-X等の界面活性剤等、反応効 を向上させる添加物を共存させてもよい。
 反応温度は、糖転移酵素の至適温度に合わ ればよい。通常、0~80℃、好ましくは10~50℃ より好ましくは20~40℃である。
 反応時間は、通常、1~100時間、好ましくは2~ 60時間、より好ましくは3~48時間である。
 緩衝液のpHは糖転移酵素の至適pHに合わせれ ばよい。好ましくは、2.0~12.0 、より好まし はpH5.0~9.0、さらに好ましくはpH5.0~6.0である
 糖残基(Sug)n’において、根本側の糖は、好 しくは、グルコース(例:β-D-グルコース)で る。また、末端側の糖は、好ましくは、ガ クトースまたはN-アセチルガラクトサミン、 より好ましくは、ガラクトース(例:β-D-ガラ トース)である。
 糖残基(Sug)n’は、好ましくは式:

(式中、R E は-OHまたは-NHAc(Acはアセチル))

で示される糖残基である。より好ましくは、 式:

(式中、mは0~4の整数;R E は前記と同意義)

で示される糖残基である。さらに好ましくは 、式:

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される糖残基である。

7)ヒドロキシメチル基の酸化

(式中、各記号は前記と同意義)

 1級水酸基をアルデヒドに酸化する方法であ れば、有機試薬による酸化でも、酵素による 酸化でもよいが、好ましくは、下記の酸化酵 素による酸化方法である。当該酸化法によれ ば、目的の水酸基を選択的に酸化できる。
 上記6)で糖鎖を伸長させた中間体を、所望 より緩衝液中で酸化酵素の存在下にヒドロ シメチル基を酸化し、目的のアルデヒド中 体を得る。
 緩衝液としては、リン酸緩衝液、ホウ酸緩 液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩 液等が例示されるが、好ましくはリン酸緩 液である。
 酸化酵素としては、ガラクトースオキシダ ゼ等が例示される。
 所望によりカタラーゼ等の副生物を分解処 するための添加物等、反応効率を向上させ 添加物を共存させてもよい。
 反応温度は、酸化酵素の至適温度に合わせ ばよい。通常、0~80℃、好ましくは10~50℃、 り好ましくは20~40℃である。
 反応時間は、通常1~100時間、好ましくは2~96 間、より好ましくは2~30時間である。
 緩衝液のpHは酸化酵素の至適pHに合わせれば よい。好ましくはpH2.0~12.0、より好ましくはpH 5.0~9.0、さらに好ましくはpH5.0~7.0である。

8)R A1 部分の修飾

(式中、各記号は前記と同意義)

 上記7)で得られたアルデヒド中間体と、目 のR A1 に対応するアミンR A1 NH 2 を、好ましくは上記1)のR A2 部分の修飾と同様の方法で反応させることで 目的化合物が得られる。アミン試薬(R A1 NH 2 )は、市販品であるか、または国際公開WO2006/0 57303号等に記載の方法に従って合成すること できる。
 上記方法に準じて、前記糖残基(I-0)、(I-1)、 および(I-2)が同様に形成される。
 なお、前記化合物(X-1)、(X-2)または(X-3)は、 記8)で得られた生成物に副生成物として混 する場合があり、所望の精製工程(例えば、 ロマトグラフィー)を経ることによって、前 記化合物(IV-0)および(X-1)、前記化合物(IV-1)お び(X-2)または前記化合物(IV-2)および(X-3)をそ れぞれ分離し単離することができる。

9)脱水体の製造
 前記化合物(X-1)、(X-2)または(X-3)は、下記の 法によっても製造できる。
 糖末端がアルデヒドである前記化合物(IX-1) (IX-2)または(IX-3)を水もしくは有機溶媒の存 下またはこれらの混合溶媒の存在下、塩基 加えて反応させることにより糖末端が脱水 であるアルデヒド化合物(XI-1)、(XI-2)または( XI-3)が生成する。
 塩基としては、ジイソプロピルエチルアミ 、トリエチルアミン、4-ジメチルアミノピ ジン等が挙げられる。
 反応温度は、0℃~80℃、好ましくは10℃~60℃ より好ましくは15℃~40℃である。
 反応時間は、通常1~100時間、好ましくは1~24 間、より好ましくは3~12時間である。
 生成した糖末端が脱水体であるアルデヒド 合物(XI-1)、(XI-2)または(XI-3)に、上記8)と同 の方法でR A1 部分の修飾を行なうことができ、目的化合物 (X-1)、(X-2)または(X-3)を得ることができる。

医薬組成物
 本発明はまた、本発明の新規なグリコペプ ド誘導体を含有する医薬組成物を含む。従 て、好ましくは製薬上許容される塩の形態 グリコペプチド化合物は、細菌感染の治療 置および予防処置のための経口または非経 投与用に処方され得る。

 経口投与による場合、本発明化合物は通 の製剤、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプ ル剤等の固形剤;水剤;油性懸濁剤;またはシ ップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のい れかの剤形としても用いることができる。 経口投与による場合、本発明化合物は、水 または油性懸濁注射剤、点鼻液として用い ことができる。その調製に際しては、慣用 賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性 剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等 任意に用いることができる。抗菌薬として 、特に経口剤、静脈注射剤等が好ましい。

 本発明の製剤は、治療有効量の本発明化 物を製薬上許容される担体または希釈剤と もに組み合わせる(例えば混合する)ことに って製造される。本発明化合物の製剤は、 知の、容易に入手できる成分を用いて既知 方法により製造される。

 本発明化合物の医薬組成物を製造する際 活性成分は担体と混合されるかまたは担体 希釈されるか、カプセル、サッシェー、紙 あるいは他の容器の形態をしている担体中 入れられる。担体が希釈剤として働く時、 体は媒体として働く固体、半固体、または 体の材料であり、それらは錠剤、丸剤、粉 剤、口中剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマ ジョン剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾ 剤(液体媒質中の固体)、軟膏にすることが き、例えば、10%までの活性化合物を含む。 発明化合物は投与に先立ち、製剤化するの 好ましい。

 当業者には公知の適当な担体はいずれも の製剤のために使用できる。このような製 では担体は、固体、液体、または固体と液 の混合物である。例えば、静脈注射のため 本発明化合物を4%デキストロース/0.5%クエン 酸ナトリウム水溶液中に溶解する。固形の製 剤は粉末、錠剤およびカプセルを包含する。 固形担体は、香料、滑沢剤、溶解剤、懸濁剤 、結合剤、錠剤崩壊剤、カプセル剤にする材 料としても役立つ1またはそれ以上の物質で る。経口投与のための錠剤は、トウモロコ デンプン、アルギン酸などの崩壊剤、およ /またはゼラチン、アカシアなどの結合剤、 よびステアリン酸マグネシウム、ステアリ 酸、滑石などの滑沢剤とともに炭酸カルシ ム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸 ルシウムなどの適当な賦形剤を含む。

 粉末剤では担体は細かく粉砕された活性 分と混合された、細かく粉砕された固体で る。錠剤では活性成分は、適当な比率で、 要な結合性を持った担体と混合されており 所望の形と大きさに固められている。粉末 および錠剤は約1~約99重量%の本発明の新規 合物である活性成分を含んでいる。適当な 形担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン マグネシウム、滑石、砂糖、ラクトース、 クチン、デキストリン、デンプン、ゼラチ 、トラガカントゴム、メチルセルロース、 トリウムカルボキシメチルセルロース、低 点ワックス、ココアバターである。

 液体製剤は懸濁剤、エマルジョン剤、シ ップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性 分は、滅菌水、滅菌有機溶媒、または両者 混合物などの製薬上許容し得る担体中に溶 または懸濁することができる。活性成分は ばしば適切な有機溶媒、例えばプロピレン リコール水溶液中に溶解することができる 水性デンプン、ナトリウムカルボキシメチ セルロース溶液、または適切な油中に細か 砕いた活性成分を散布することによってそ 他の組成物を製造することもできる。

 本発明化合物の投与量は、投与方法、患 の年齢、体重、状態および疾患の種類によ ても異なるが、通常、経口投与の場合、成 1日あたり約0.1mg~7000mg、好ましくは、約0.5mg~ 2000mgを、要すれば分割して投与すればよい。 また、非経口投与の場合、成人1日あたり約0. 1mg~1000mg、好ましくは、約0.5mg~500mgを投与する 。

以下に実施例および試験例を挙げて本発明を さらに詳しく説明するが、本発明はこれらに より限定されるものではない。
 実施例中、以下の略号を用いる。
 Me:メチル、
 Et:エチル、
 Ph:フェニル、
 Ms:メタンスルホニル、
 DMF:ジメチルホルムアミド、
 DMSO:ジメチルスルホキシド、
 THF:テトラヒドロフラン、
 DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、
 TFA:トリフルオロ酢酸、
 EDCI:N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル )カルボジイミド、
 GalT:β-1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ

 表11~表51に記載の化合物を製造した。


 これらの化合物の製造方法の典型例として 実施例13、実施例30、実施例80、実施例117お び実施例121の化合物の製造方法を以下に例 する。
 他の実施例化合物もこれらと同様の方法で 造できる。
実施例13

第1工程:中間体化合物2の製造

 クロロオリエンチシンB(化合物1) 100mg(0.069 リモル)を25mMのMnCl2を含有する50mM Tris・HCl  衝液(pH7.4) 5mL に溶解させた。アルカリフ スファターゼ (シグマ社製 P6774)30U、α-ラク トアルブミン 3mg、UDP-ガラクトース 63mg (0.1 ミリモル)、牛乳由来β1,4ガラクトシルトラン スフェラーゼ(シグマ社製G5507) 3Uを順次加え 30℃で15時間攪拌した。反応混合液を逆相カ ラムクロマトグラフィーによって精製するこ とにより、無色固体の化合物2 90mg(収率81%)を 得た。

第2工程:中間体化合物3の製造

 第1工程で得られた化合物2 30mg(0.019ミリモ ) を50mM KH 2 PO 4 -K 2 HPO 4 緩衝液(pH6.5) 3mLに溶解させた。カタラーゼ300 0U (シグマ社製 C30)、Dactylium dendroides由来ガ クトースオキシダーゼ 300U (MPバイオメデ カルズ社製 15996)を順次加え、30℃で24時間 拌した。反応混合液を逆相カラムクロマト ラフィーによって精製することにより、白 粉末の化合物3 25mg(収率83%)を得た。

第3工程:目的化合物4の製造

 (5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-イル)メ ンアミン塩酸塩359mg(1.4ミリモル)をジメチル ルムアミド30mLとメタノール30mLの混合溶媒 溶解させた。第2工程で得られた化合物3 150m g(0.093ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌した 。水素化シアノホウ素ナトリウム29mg(0.46ミリ モル)を加え、70℃で2時間攪拌した。反応溶 をジエチルエーテル中に注加し、生成した 殿物を濾過により集め、得られた粗固体を5%  食塩水によって洗浄することにより未反応 水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した 得られた粗固体を、逆相カラムクロマトグ フィーによって精製することにより、無色 体の化合物4 78mg (収率 46%)を得た。
実施例30

第1工程:中間体化合物5の製造

窒素ガス気流下、クロロオリエンチシンB(化 物1)20g(12.4ミリモル)をジメチルホルムアミ 150mLとジメチルスルホキシド100mLの混合溶媒 溶解させた。トリエチルアミン 1.8mL(12.9ミ モル)を室温にて滴下後、チオカルボニック アシッド (4,6-ジメチル-ピリジミン-2-イル)  ステル (4-メトキシベンジル)エステル 3.93g (12.9ミリモル)を加え、室温で45時間撹拌した 反応液を減圧濃縮し、残液を冷却した5%食 水1L中に注加した。1規定塩酸を加えてpH=3へ 整した後、氷冷下で1時間撹拌した。生成し た沈殿物を濾過により集めて乾燥させた後、 再度ジメチルスルホキシド100mLに溶解させ、 却した5%食塩水1L中に注加した。1規定塩酸 加えてpH=3へ調整した後、氷冷下で1時間撹拌 した。生成した沈殿物を濾過により集めて蒸 留水で洗浄した後、室温で3日間乾燥させた 得られた粗固体を酢酸エチル400mL中に懸濁さ せ、室温で2時間撹拌した後、沈殿物を濾過 より集めて乾燥させることにより、淡肌色 体の化合物5 22.8g(HPLC純度89%)を得た。

第2工程:中間体化合物6の製造

第1工程で得られた化合物5 1g(0.62ミリモル)を ジメチルホルムアミド31mLとメタノール31mLの 合溶媒に溶解させた。4-ホルミルイミダゾ ル596mg(6.2ミリモル)、ジイソプロピルエチル ミン0.22mL(1.24ミリモル)を順次加え、70℃で2 間攪拌した。反応混合液を室温まで冷却後 水素化シアノホウ素ナトリウム156mg(2.5ミリ ル)を加え、70℃で3時間攪拌した。反応溶液 のメタノールを減圧留去し、残液を冷却した 10%食塩水中に注加した。生成した沈殿物を濾 過により集め、得られた粗固体を5% 食塩水 よって洗浄することにより未反応の水素化 アノホウ素ナトリウムを除去した。洗浄固 を乾燥させることにより化合物6の粗固体869m g(HPLC純度73%、収率60%)を得た。

第3工程:中間体化合物7の製造

 第2工程で得られた化合物6の粗固体 869mg(HPL C純度73%、0.375ミリモル)をジクロロメタン 26m Lに溶解させ、氷冷下まで冷却した。アニソ ル1.4mL、トリフルオロ酢酸1.26mLを順次滴下し 、氷冷下2時間攪拌した。反応溶液を酢酸エ ル中に注加し、生成した沈殿物を濾過によ 集め、得られた粗固体をさらに酢酸エチル 洗浄した。洗浄固体を逆相カラムクロマト ラフィーによって精製することにより,無色 体の化合物7 556mg(収率97%)を得た。

第4工程:中間体化合物8の製造

 第3工程で得られた化合物7 556mg(0.363ミリモ )を10mMのMnCl2を含有する50mM Tris・HCl 緩衝液 (pH7.4) 37mL に溶解させた。アルカリフォスフ ァターゼ (シグマ社製 P6774) 180U、α-ラクト ルブミン 18mg、UDP-ガラクトース 443mg (0.73 リモル)、ヒト由来β1,4ガラクトシルトラン フェラーゼ(東洋紡製 BGT401)18Uを順次加え、 30℃で24時間攪拌した。反応混合液をダイア オンHP-20を充填したカラムにロードし、蒸留 水でカラムを洗浄後、0.1%のトリフルオロ酢 を含有する50%アセトニトリル水溶液で溶出 た。溶出液を減圧濃縮後、残留した水溶液 凍結乾燥し、無色固体の化合物8 541mg(収率88 %)を得た。

第5工程:中間体化合物9の製造

 第4工程で得られた化合物8 541mg(0.32mmol)を50m M KH2PO4-K2HPO4緩衝液(pH6.5) 95mLに溶解させた。 タラーゼ500KU (シグマ社製 C30)、Dactylium den droides由来ガラクトースオキシダーゼ 5KU (MP イオメディカルズ社製 15996)を順次加え、25 ℃で48時間攪拌した。反応混合液をダイアイ ンHP-20を充填したカラムにのせて、蒸留水 カラムを洗浄後、0.1%のトリフルオロ酢酸を 有する30%アセトニトリル水溶液で溶出した 溶出液を減圧濃縮後、残留した水溶液を凍 乾燥し、無色固体の化合物9 470mg(収率87%)を 得た。

第6工程:中間体化合物11の製造

 3-トリフルオロメトキシ安息香酸(化合物10)3 .58g(17.4ミリモル)、3-アミノベンジルアルコー ル2.14g(17.4ミリモル)をジメチルホルムアミド8 7mL に溶解させた。N-エチル-N’-(3-ジメチル ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4g(20.9ミ リモル)を加え,室温で3時間撹拌した。反応混 合液を精製水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、 抽出液を2規定塩酸水、飽和重曹水、飽和食 水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムに 乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧留 し、無色固体の化合物11 3.94g (収率73%) を た。

第7工程:中間体化合物12の製造

 第6工程で得られた化合物11 3.94g(12.7ミリモ )をテトラヒドロフラン64mLに溶解させた。 リエチルアミン2.13mL(15.2ミリモル)、メタン ルホニルクロリド1.18mL(15.2ミリモル)を順次 下し、室温で2時間撹拌した。反応混合液を 製水に注ぎ,酢酸エチルで抽出し、抽出液を 飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム にて乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧 留去することにより得られた固体をジメチル ホルムアミド64mL に溶解させた。アジ化ナト リウム1.07g(16.5ミリモル)を加え40℃で4時間撹 した。反応混合液を精製水に注ぎ、酢酸エ ルで抽出し、飽和食塩水で順次洗浄後、無 硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を 去後、濾液を減圧留去して、無色固体の化 物12 4.1g (収率96%) を得た。

第8工程:中間体化合物13の製造

 第7工程で得られた化合物12 4.1g(12.2ミリモ )をテトラヒドロフラン45mLと精製水15mLの混 溶媒に溶解させた。トリフェニルホスフィ 3.85g(14.6ミリモル)を加え、室温で5時間撹拌 た。反応混合液を4規定塩酸水に注ぎ、水溶 を酢酸エチルで洗浄後、2規定水酸化ナトリ ウム水溶液でpH12に調整した。水溶液を酢酸 チルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシ ムにて乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を 圧留去して、無色固体の化合物13 2.89g (収 76%) を得た。

第9工程:目的化合物14の製造

第8工程で得られた化合物13 435mg(1.4ミリモル) をジメチルホルムアミド20mLとメタノール60mL 混合溶媒に溶解させた。第5工程で得られた 化合物9 241mg(0.14ミリモル)を加え、室温で3時 間攪拌した。水素化シアノホウ素ナトリウム 45mg(0.72ミリモル)を加え、70℃で3時間攪拌し 。反応溶液をジエチルエーテル中に注加し 生成した沈殿物を濾過により集め、得られ 粗固体を5% 食塩水によって洗浄することに り未反応の水素化シアノホウ素ナトリウム 除去した。得られた粗固体を、逆相カラム ロマトグラフィーによって精製することに り、無色固体の化合物14 52mg (収率 18%)を た。
実施例80

第1工程:中間体化合物15の製造

 実施例13と同様の手法によって合成できる 合物3 547mg (0.34ミリモル) をジメチルスル オキシド3mL と水1mLの混合溶媒に溶解させ48 間静置した後に、逆相カラムクロマトグラ ィーによって精製し、粗精製化合物15及び 反応の化合物3を得た。 続いて、未反応の 合物3を水3mLに溶解させ、ジイソプロピルエ ルアミンを0.3mL加えて8時間静置した後、逆 カラムクロマトグラフィーで精製を行い、 精製化合物15を得た。得られた粗精製化合 15を合わせ、逆相カラムクロマトグラフィー で再精製を行い、白色粉末の化合物15 189mg ( 収率35%)を得た。

第2工程:目的化合物16の製造

 化合物15 248mg (0.156ミリモル)をジメチルス ホオキシド7.2mLおよびメタノール7.2mLの混合 溶媒に溶解させ、(5-(4-クロロフェニル)チオ ェン-2-イル)メタンアミン塩酸塩273mg (1.05ミ モル)およびジイソプロピルアミン (1.05ミ モル) を加え、室温で1.5時間撹拌した。次 、水素化シアノホウ素ナトリウム94mg (1.50ミ リモル)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応 液を、室温に戻し、酢酸エチル中に注加し 。生成した沈殿物を濾過により集め、得ら た粗固体を飽和食塩水で洗浄した。得られ 粗固体を逆相カラムクロマトグラフィーで 製を行い、白色粉末の化合物16 13mg (収率5%)  を得た。
実施例117

第1工程:中間体化合物17の製造

 バンコマイシン塩酸塩50g(33.7ミリモル)をア トニトリル100mLと蒸留水750mLの混合溶媒に溶 解させた.濃塩酸250mLを加え、45℃で1時間攪拌 した。析出した固体をHP20SS、逆相カラムクロ マトグラフィーによって精製することにより 無色固体の化合物17 16.5g (収率37.5%)を得た。

第2工程:中間体化合物18の製造

 化合物17 40mg (0.031ミリモル)を実施例13と同 様の手法により反応を行い、無色固体の化合 物18 25mg (収率55.6%)を得た。

第3工程:中間体化合物19の製造

 化合物18 300mg (0.204ミリモル) を50mM KH 2 PO 4 -K 2 HPO 4 緩衝液(pH5.2) 90mLに溶解させた。カタラーゼ Dactylium dendroides由来ガラクトースオキシダ ゼを順次加え、30℃で24時間攪拌した。反応 合液をHP20SSによって精製することにより、 色粉末の化合物19 262mg (収率87%)を得た。

第4工程:目的化合物20の製造

 化合物19 350mg(0.24ミリモル)をジメチルスル キシド10mLとメタノール10mLの混合溶媒に溶 させた。この溶液に、(5-(4-クロロフェニル) オフェン-3-イル)メタンアミン塩酸塩435mg(1.7 ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン0.29m L(1.7ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌した 水素化シアノホウ素ナトリウム167mg (2.4ミリ モル)を加え、70℃で1時間攪拌した。反応溶 中のメタノールを減圧留去後、残液を酢酸 チル中に注加し、生成した沈殿物を濾過に り集め、得られた粗固体を10% 食塩水でリン スした。得られた粗固体を、逆相カラムクロ マトグラフィーによって精製することにより 、無色固体の化合物20 115mg (収率29%)を得た
実施例121の合成

第1工程:中間体化合物21の製造

 実施例13と同様の手法により合成し、原料 ある化合物1 600mg (0.41ミリモル) から化合 21および未反応の化合物1を含む混合物 592mg (HPLC purity 65%、収率56%)を得た。

第2工程:目的化合物22の合成

 実施例13と同様の手法により合成し、原料 ある化合物21 を含む混合物300mg (HPLC purity  65%、0.118ミリモル)から、白色粉末の化合物22 80.2mg (0.043ミリモル、収率36%) を得た。

試験例1
抗菌活性のインビトロ測定
(試験方法)
 当業者に周知の陽イオン調整ミューラーヒ トン液体培地を用いた微量液体希釈法によ 、本発明化合物のいくつかについて最小発 阻止濃度(MIC)を測定した。
(結果)
 本発明の化合物は、バンコマイシン耐性菌 含む種々の細菌に対して強い抗菌活性を示 た。特に実施例1、5、6、10、11、13、30、31、 43、45、50、65、69、75、82、83、85、および88の 合物は、バンコマイシン耐性型腸炎球菌(VRE  VanA)であるE.faecalis SR7914に対して、MIC:2~4μg/ ml、E.faecium SR7940に対してMIC:1~4μg/ml(バンコマ イシンは>64μg/ml)であり、既存薬よりも顕 に強い活性を示した。

製剤例
 以下に示す製剤例1~8は例示にすぎないもの あり、発明の範囲を何ら限定することを意 するものではない。「活性成分」なる用語 、本発明化合物、その互変異性体、それら プロドラッグ、それらの製薬的に許容され 塩またはそれらの溶媒和物を意味する。

製剤例1
 硬質ゼラチンカプセルは次の成分を用いて 造する:
                  用量
              (mg/カプセル)
活性成分            250
デンプン(乾燥)        200
ステアリン酸マグネシウム     10
合計              460mg

製剤例2
 錠剤は下記の成分を用いて製造する:
                用量
              (mg/錠剤)
活性成分          250
セルロース(微結晶)    400
二酸化ケイ素(ヒューム)   10
ステアリン酸          5
合計            665mg
 成分を混合し、圧縮して各重量665mgの錠剤 する。

製剤例3
 以下の成分を含有するエアロゾル溶液を製 する:
                         重量
活性成分                     0.25
エタノール                   25.75
プロペラント22(クロロジフルオロメタン)   74.00
合計                     100.00
 活性成分とエタノールを混合し、この混合 をプロペラント22の一部に加え、-30℃に冷 し、充填装置に移す。ついで必要量をステ レススチール容器へ供給し、残りのプロペ ントで希釈する。バブルユニットを容器に り付ける。

製剤例4
 活性成分60mgを含む錠剤は次のように製造す る:
活性成分                  60mg
デンプン                  45mg
微結晶性セルロース             35mg
ポリビニルピロリドン(水中10%溶液)    4mg
ナトリウムカルボキシメチルデンプン      4.5mg
ステアリン酸マグネシウム           0. 5mg
滑石                     1mg
合計                   150mg
 活性成分、デンプン、およびセルロースはN o.45メッシュU.S.のふるいにかけて、十分に混 する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液 得られた粉末と混合し、ついで混合物をNo.1 4メッシュU.S.ふるいに通す。このようにして た顆粒を50℃で乾燥してNo.18メッシュU.S.ふ いに通す。あらかじめNo.60メッシュU.S.ふる に通したナトリウムカルボキシメチルデン ン、ステアリン酸マグネシウム、および滑 をこの顆粒に加え、混合した後、打錠機で 縮して各重量150mgの錠剤を得る。

製剤例5
 活性成分80mgを含むカプセル剤は次のように 製造する:
活性成分             80mg
デンプン             59mg
微結晶性セルロース        59mg
ステアリン酸マグネシウム      2mg
合計              200mg
 活性成分、デンプン、セルロース、および テアリン酸マグネシウムを混合し、No.45メ シュU.S.のふるいに通して硬質ゼラチンカプ ルに200mgずつ充填する。

製剤例6
 活性成分225mgを含む坐剤は次のように製造 る:
活性成分             225mg
飽和脂肪酸グリセリド      2000mg
合計              2225mg
 活性成分をNo.60メッシュU.S.のふるいに通し あらかじめ必要最小限に加熱して融解させ 飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。ついで の混合物を、みかけ2gの型に入れて冷却す 。

製剤例7
 活性成分50mgを含む懸濁剤は次のように製造 する:
活性成分                 50mg
ナトリウムカルボキシメチルセルロース    50mg
シロップ                  1.25ml
安息香酸溶液                0.10ml
香料                    q.v.
色素                    q.v.
精製水を加え合計              5ml
 活性成分をNo.45メッシュU.S.のふるいにかけ ナトリウムカルボキシメチルセルロースお びシロップと混合して滑らかなペーストに る。安息香酸溶液および香料を水の一部で 釈して加え、攪拌する。ついで水を十分量 えて必要な体積にする。

製剤例8
 静脈用製剤は次のように製造する:
活性成分            100mg
飽和脂肪酸グリセリド     1000ml
 上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で 患者に静脈内投与される。

 本発明のグリコペプチド誘導体、その製 上許容される塩およびそれらの溶媒和物は 医療処置において有用であり、抗菌活性を む薬理活性を示す。本発明の化合物は、好 しくは、グラム陽性菌、特にメチシリン耐 黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感 を処置するのに有用である。また、この化 物は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含 、腸球菌による感染を処置するのに有用で る。このような疾患の例には、重篤なブド 球菌性の感染、例えば、ブドウ球菌心内膜 およびブドウ球菌敗血症がある。