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Title:
GOLF CLUB HEAD, AND METHOD FOR MANUFACTURING THE GOLF CLUB HEAD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102501
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a golf club head, which can be easily swung without sacrificing the distance at the time of hitting a sweet spot and which minimizes the reduction in the distance at the time of an off-center shot, and a method for manufacturing the golf club head. This golf club head (1) has a hollow structure composed of a face portion (2) and a body portion (6). This body portion (6) has a front portion or a ring-shaped body trunk portion (26), and a back portion or a tail portion (27). The body trunk portion (26) has an average plate thickness of 0.1 to 0.6 mm. The tail portion (27) including a weight portion (8) has a mass of 20 to 70 g. If the rigidity of the face portion (2) is kf(kN/mm), and if the rigidity of the body trunk portion (26) is kb(kN/mm), kb/kf ≤ 3 and 2kN/mm ≤ 1/(1/kb + 1/kf) ≤ 5kN/mm.

Inventors:
TANIMOTO TOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073666
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
December 07, 2007
Export Citation:
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Assignee:
E & F CO LTD (JP)
TANIMOTO TOSHIO (JP)
International Classes:
A63B53/06; A63B53/04; A63B102/32
Domestic Patent References:
WO2005120655A12005-12-22
Foreign References:
JPS5968569U1984-05-09
JP3113023U2005-09-02
Attorney, Agent or Firm:
OHNO, Seiji et al. (Kasumigaseki Building 36F2-5, Kasumigaseki 3-chome, Chiyoda-ku Tokyo 36, JP)
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Claims:
 フェース部とボディ部とを備えた中空構造を有するゴルフクラブヘッドであって、
 前記ボディ部は、
 前方部分であるボディ胴体部と、
 後方部分であるテイル部と
を備え、
 前記ボディ胴体部の平均板厚は、0.1~0.6mmであり、
 前記テイル部の質量は、20~70gであるゴルフクラブヘッド。
 フェース部とボディ部とを備えた中空構造を有するゴルフクラブヘッドであって、
 前記ボディ部は、
 前方部分であるボディ胴体部と、
 後方部分であるテイル部と
を備え、
 前記テイル部の質量は、20~70gであり、
 前記フェース部の剛性をk f (kN/mm)とすると共に前記ボディ胴体部の剛性をk b (kN/mm)とした時に、
 k b /k f ≦3、かつ、
 2kN/mm≦1/(1/k b +1/k f )≦5kN/mm
であるゴルフクラブヘッド。
 前記ボディ部は、Ti、Ti合金、Al、Al合金、Mg、Mg合金及び複合材料のうちの少なくとも1つからなる、請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
 前記テイル部に、錘部が設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
 前記錘部は、前記テイル部に一体形成されている、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
 前記錘部は、前記ボディ部に後付け可能である、請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
 前記ボディ部の少なくとも一部は、表面保護部で覆われている、請求項1~6のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
 前記表面保護部は、複合材料からなる、請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
 前記ボディ部の内周面及び外周面の少なくとも一方に、リブが形成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のゴルフクラブヘッド。
 フェースボディ及びフェース板を有するフェース部と、
 前方部分であるボディ胴体部及び後方部分であるテイル部を有するボディ部と
を備えた中空構造を有するゴルフクラブヘッドを製造する方法であって、
 前記フェースボディ及び前記ボディ部を一体的に鋳造する工程と、
 前記ボディ胴体部の平均板厚が0.1~0.6mmとなるように、前記ボディ部を減厚する工程と、
 前記テイル部の質量を20~70gの範囲で増加する工程と、
 前記フェースボディに前記フェース板を接合する工程と
を含む方法。
 前記鋳造する工程と前記増加する工程とが同時に行われる、請求項10に記載の方法。
 中空構造を有する主部品と、前記主部品の開口部を塞ぐように前記主部品に接合されたフェース部品とを有するゴルフクラブヘッドであって、
 前記主部品は、減厚処理によって減厚されており、前記減厚処理により減少する重量に応じた重量が前記主部品のテイル部に付加されているゴルフクラブヘッド。
 フェース部とボディ部とを備えた中空構造を有するゴルフクラブヘッドであって、
 前記フェース部は、フェースボディ及びフェース板を有し、前記フェースボディに前記フェース板が接合されており、
 前記ボディ部は、前記フェースボディと一体化された部材であり、前記ボディ部は減厚されており、減厚により減少する重量に応じた重量が前記ボディ部のテイル部に付加されているゴルフクラブヘッド。
 フェースボディ及びフェース板を有するフェース部と、ボディ部とを備えた中空構造を有するゴルフクラブヘッドを製造する方法であって、
 前記フェースボディ及び前記ボディ部を一体化した部材を形成する工程と、
 前記ボディ部を減厚する工程と、
 前記フェースボディに前記フェース板を接合する工程とを有し、
 前記一体化した部材を形成する段階からゴルフクラブヘッド完成までの任意の一以上の段階により、前記減厚により減少する重量に応じた重量が前記ボディ部のテイル部に付加される方法。
 フェース部とボディ部とを備えた中空構造を有するゴルフクラブヘッドであって、
 前記ボディ部は、
 前方部分であるボディ胴体部と、
 後方部分であるテイル部と
を備え、
 前記テイル部が前記ボディ胴体部よりも重いゴルフクラブヘッド。
 中空構造を有するゴルフクラブヘッドであって、
 前記ゴルフクラブヘッドをライ角が60度の姿勢に固定した状態で水平面上へ前記ゴルフクラブヘッドを投影することにより得られる投影像の形状を垂直投影形状VPとし、
 フェース面の中心に接する平面を仮想平面P0とし、
 前記仮想平面P0に平行であって前記垂直投影形状VPの前端と後端を結ぶ線を3つに均等に分ける2つの分割面によって前記ゴルフクラブヘッドを前部、中間部及び後部の3つの部分に分割したときに、
 前記前部、前記中間部及び前記後部の重量の関係が、前部>後部>中間部であるゴルフクラブヘッド。
 中空構造を有するゴルフクラブヘッドであって、
 フェース面の中心に接する面を仮想平面P0とし、
 前記仮想平面P0に平行であって前記ゴルフクラブヘッドの最後部に接する面を仮想平面P1とし、
 前記仮想平面P0に平行であって前記仮想平面P0と前記仮想平面P1の間の空間を3つに均等に分ける2つの分割面によって前記ゴルフクラブヘッドを前部、中間部及び後部の3つの部分に分割したときに、
 前記前部、前記中間部及び前記後部の重量の関係が、前部>後部>中間部であるゴルフクラブヘッド。
 前記ゴルフクラブヘッドは、Ti、Ti合金、Al、Al合金、Mg、Mg合金のうちの少なくとも一つからなり、
 前記ボディ部表面の30%以上の部分の表面にCFRPカバーが接着剤を用いて貼られている、請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
 請求項1~9、12、13及び15~18のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドであって、ドライバー、フェアウエイウッドまたはユーティリティクラブ用のゴルフクラブヘッド。
 請求項1~9、12、13及び15~18のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブ。
 請求項10、11又は14に記載の方法あって、ドライバー、フェアウエイウッドまたはユーティリティクラブ用のゴルフクラブヘッドを製造する方法。
 ゴルフクラブの製造方法であって、請求項10、11又は14に記載の製造方法によりゴルフクラブヘッドを製造し、前記ゴルフクラブヘッドとシャフトを結合することを含む方法。
Description:
ゴルフクラブヘッド及びそのゴ フクラブヘッドを製造する方法

 この発明は、ゴルフクラブヘッド及びそ ゴルフクラブヘッドを製造する方法に関す 。

 ゴルフのプレーにおいて、多くのゴルフ ーが望むのは、より遠くへ、かつ、より確 にゴルフボールを飛ばすことである。飛距 が求められるのは、主にウッド型クラブで り、そのクラブヘッドには、木、ステンレ 鋼、アルミ合金、チタン合金、繊維強化プ スチックなどが用いられている。プロゴル ァーやトップアマのような上級プレーヤー 別として、一般ゴルファーの多数は、最も 距離の出るフェース中央部(以下、スイート スポットと称する)で毎回打球することは不 能に近い。そこで、近年のゴルフクラブ開 の主力は、打球の飛距離が落ちない適正打 部分(以下、スイートエリアと称する)をいか に広げるかに注がれている。

 その方法として、例えば、文献1には、ヘ ッドの慣性モーメントを大きくすることを目 的としてヘッドを大容積化すると共にヘッド 後方に錘を付けることにより、スイートスポ ットを外した点で打球した時(以下、オフセ ターショット時と称する)に、重心を中心と た回転モーメントが小さくなるように重心 後方位置化すること、すなわち、クラブヘ ドを上部から見て、重心位置をできるだけ ェースから離すことが記載されている。ま 、文献2のように、クラウンに異なる材質の 金属を組み合わせてフェース部の高反発エリ アを増加させたものや、文献3のように、ク ウンの内面側に錘を設け、バックスピン量 減らすことで飛距離アップを目指したもの 、文献4のように、クラウンの剛性をソール 比べて高くすることによりフェース部の反 エリアの範囲を調整したもののように、ク ウンに種々の変形を加えたり、逆にソール 変形を加えたりするものが公知となってい 。さらに、文献5のように、ゴルフボールの メカニカルインピーダンスの周波数領域に対 し、ゴルフクラブヘッドのメカニカルインピ ーダンスの領域を特定することで反発係数を 増加させたものも公知となっている。

 文献1:特開平10-263122号公報
 文献2:特開2005-348895号公報
 文献3:特開2004-275751号公報
 文献4:特開2006-461号公報
 文献5:特開平8-224328号公報

 しかしながら、文献1~5に記載された発明 、現状において必ずしもゴルファーを満足 せるものではなく、劇的に飛距離性能を向 させることはできないといった問題点があ た。また、ゴルフクラブヘッドの形状を大 く変更することは、ルール上の様々な問題 生じるため、現状の形状を大きく変えるこ なく、通常の打撃で飛距離を伸ばすと共に ルファーをさらに満足させるゴルフクラブ 開発が望まれている。

 この発明はこのような問題点を解決する めになされたもので、スイートスポットで 打球時の飛距離を犠牲にすることなく、打 易く、かつオフセンターショット時の飛距 の減少を最低限に抑えたゴルフクラブヘッ 及びそのゴルフクラブヘッドを製造する方 を提供することを目的とする。

 この発明に係るゴルフクラブヘッドは、フ ース部とボディ部とを備えた中空構造を有 るゴルフクラブヘッドであって、前記ボデ 部は、前方部分であるボディ胴体部と、後 部分であるテイル部とを備え、前記ボディ 体部の平均板厚は、0.1~0.6mmであり、前記テ ル部の質量は、20~70gである。
 前記ボディ部は、Ti、Ti合金、Al、Al合金、Mg 、Mg合金及び複合材料のうちの少なくとも1つ から製造されてもよい。
 前記テイル部に、錘部が設けられていても い。
 前記錘部は、前記テイル部に一体形成され いてもよい。
 前記錘部は、前記ボディ部に後付け可能で ってもよい。
 前記ボディ部の少なくとも一部は、表面保 部で覆われていてもよい。
 前記表面保護部は、複合材料から製造され もよい。
 前記ボディ部の内周面及び外周面の少なく も一方に、リブが形成されていてもよい。

 また、この発明に係るゴルフクラブヘッド 、フェース部とボディ部とを備えた中空構 を有するゴルフクラブヘッドであって、前 ボディ部は、前方部分であるボディ胴体部 、後方部分であるテイル部とを備え、前記 イル部の質量は、20~70gであり、前記フェー 部の剛性をk f (kN/mm)とすると共に前記ボディ胴体部の剛性 k b (kN/mm)とした時に、k b /k f ≦3、かつ、2kN/mm≦1/(1/k b +1/k f )≦5kN/mmである。

 また、この発明に係るゴルフクラブヘッド 製造する方法は、フェースボディ及びフェ ス板を有するフェース部と、前方部分であ ボディ胴体部及び後方部分であるテイル部 有するボディ部とを備えた中空構造を有す ゴルフクラブヘッドを製造する方法であっ 、前記フェースボディ及び前記ボディ部を 体的に鋳造する工程と、前記ボディ胴体部 平均板厚が0.1~0.6mmとなるように、前記ボデ 部を減厚する工程と、前記テイル部の質量 20~70gの範囲で増加する工程と、前記フェー ボディに前記フェース板を接合する工程と 含む。
 前記鋳造する工程と前記増加する工程とが 時に行われてもよい。

 本発明の一態様は、中空構造を有する主 品と、前記主部品の開口部を塞ぐように前 主部品に接合されたフェース部品とを有す ゴルフクラブヘッドであって、前記主部品 、減厚処理によって減厚されており、前記 厚処理により減少する重量に応じた重量が 記主部品のテイル部に付加されている。

 本発明の一の態様は、フェース部とボデ 部とを備えた中空構造を有するゴルフクラ ヘッドであって、前記フェース部は、フェ スボディ及びフェース板を有し、前記フェ スボディに前記フェース板が接合されてお 、前記ボディ部は、前記フェースボディと 体化された部材であり、前記ボディ部は減 されており、減厚により減少する重量に応 た重量が前記ボディ部のテイル部に付加さ ている。

 本発明の一の態様は、フェースボディ及 フェース板を有するフェース部と、ボディ とを備えた中空構造を有するゴルフクラブ ッドを製造する方法であり、前記フェース ディ及び前記ボディ部を一体化した部材を 成する工程と、前記ボディ部を減厚する工 と、前記フェースボディに前記フェース板 接合する工程とを有し、前記一体化した部 を形成する段階からゴルフクラブヘッド完 までの任意の一以上の段階により、前記減 により減少する重量に応じた重量が前記ボ ィ部のテイル部に付加される。

 本発明の一の態様は、フェース部とボデ 部とを備えた中空構造を有するゴルフクラ ヘッドであって、前記ボディ部は、前方部 であるボディ胴体部と、後方部分であるテ ル部とを備え、前記テイル部が前記ボディ 体部よりも重い。

 本発明の一の態様は、中空構造を有する ルフクラブヘッドであって、前記ゴルフク ブヘッドをライ角が60度の姿勢に固定した 態で水平面上へ前記ゴルフクラブヘッドを 影することにより得られる投影像の形状を 直投影形状VPとし、フェース面の中心に接す る平面を仮想平面P0とし、前記仮想平面P0に 行であって前記垂直投影形状VPの前端と後端 を結ぶ線を3つに均等に分ける2つの分割面に って前記ゴルフクラブヘッドを前部、中間 及び後部の3つの部分に分割したときに、前 記前部、前記中間部及び前記後部の重量の関 係が、前部>後部>中間部である。

 本発明の一の態様は、中空構造を有する ルフクラブヘッドであって、フェース面の 心に接する面を仮想平面P0とし、前記仮想 面P0に平行であって前記ゴルフクラブヘッド の最後部に接する面を仮想平面P1とし、前記 想平面P0に平行であって前記仮想平面P0と前 記仮想平面P1の間の空間を3つに均等に分ける 2つの分割面によって前記ゴルフクラブヘッ を前部、中間部及び後部の3つの部分に分割 たときに、前記前部、前記中間部及び前記 部の重量の関係が、前部>後部>中間部 ある。

 前記ゴルフクラブヘッドは、Ti、Ti合金、 Al、Al合金、Mg、Mg合金のうちの少なくとも一 からなってよく、前記ボディ部表面の30%以 の部分の表面にCFRPカバーが接着剤を用いて 貼られていてよい。

 本発明のゴルフクラブヘッドは、ドライ ー、フェアウエイウッドまたはユーティリ ィクラブ用のゴルフクラブヘッドでよい。

 本発明の別の態様は、上述のゴルフクラ ヘッドを備えたゴルフクラブであり、ゴル クラブは、ゴルフクラブヘッドとシャフト 備えてよい。

 本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法 、ドライバー、フェアウエイウッドまたは ーティリティクラブ用のゴルフクラブヘッ の製造方法であってよい。

 本発明の別の態様は、ゴルフクラブの製 方法であり、上述の製造方法によりゴルフ ラブヘッドを製造し、前記ゴルフクラブヘ ドとシャフトを結合してよい。

 この発明によれば、ボディ部の前方部分で るボディ胴体部の平均板厚は0.1~0.6mmであり これを言い換えると、フェース部の剛性をk f (kN/mm)とすると共に前記ボディ胴体部の剛性 k b (kN/mm)とした時に、k b /k f ≦3、かつ、2kN/mm≦1/(1/k b +1/k f )≦5kN/mmであり、かつ、ボディ部の後方部分 あるテイル部の質量は20~70gであることによ 、打球時に、ボディ部全体が撓んでボール 反発力が高まると共に、打球時に撓んだボ ィ部が反発する際、錘部の有する直進運動 慣性モーメントによってボディ部を介して ェース部全体が押し出されるので、スイー スポットでの打球時の飛距離を犠牲にする となく、打ち易く、かつオフセンターショ ト時の飛距離の減少を最低限に抑えること できる。

 以下に説明するように、本発明には他の 様が存在する。したがって、この発明の開 は、本発明の一部の態様の提供を意図して り、ここで記述され請求される発明の範囲 制限することは意図していない。

この発明の実施の形態に係るゴルフク ブヘッドの側面図である。 この実施の形態に係るゴルフクラブヘ ドの側方断面図である。 この実施の形態に係るゴルフクラブヘ ドの変形例の側面図である。 この実施の形態に係るゴルフクラブヘ ドの別の変形例の側面図である。 この実施の形態に係るゴルフクラブヘ ドの別の変形例の側方断面図である。 この実施の形態に係るゴルフクラブヘ ドの別の変形例におけるボディ部内周面の 部の平面図である。 打球試験の結果を示す図である。 打球試験の結果を示す別の図である。

符号の説明

 1,40,50,60 ゴルフクラブヘッド、2 フェー 部、6 ボディ部、8,42 錘部、26 ボディ胴体 部、27 テイル部、30 表面保護部、61 リブ。

 以下に本発明の詳細な説明を述べる。以 の詳細な説明と添付の図面は発明を限定す ものではない。代わりに、発明の範囲は添 の請求の範囲により規定される。

 この実施の形態に係るゴルフクラブヘッ の側面図を図1に示す。ゴルフクラブヘッド 1は、フェース部2と、ボディ部6とからなり、 ボディ部6は、ソール3と、クラウン4と、サイ ドボディ5とから構成されている。フェース 2には、図示しないシャフトが接続されるネ ク部7が設けられている。ゴルフクラブヘッ ド1は、400~468ccの体積を有し、185~208g、好まし くは193~203gの質量を有している。ゴルフクラ ヘッド1の質量についてのこのような範囲は 、185gより小さいと打球時にボールに負けて まい、ボールに良好な反発力を提供できな なり、208gより大きいと重くてクラブを振り くくなってしまうことから規定したもので る。

 図2に、ゴルフクラブヘッド1の断面図を示 。
 フェース部2は、周縁部分よりも中央部分の 板厚が厚くなっている板状のフェース板11と フェース板11が嵌め込まれる穴を有したお 型のフェースボディ12と、ネック部7とから 成されている。フェース板11は、(α-β)型Ti合 金の1つであるTi-4.5Al-3V-2Mo-2Fe合金からなり、 ェースボディ12及びネック部7は、(α-β)型Ti 金の1つであるTi-6Al-4V合金からなる。フェー ス板11は、その周囲がフェースボディ12に溶 されることにより、フェースボディ12に固定 されている。ネック部7は、フェースボディ12 と一体化、またはフェースボディ12に溶接さ ている。フェースボディ12の板厚は、フェ スボディ12とボディ部6との接続部分13に向か ってテーパ状に薄くなり、ボディ部6と一体 になっている。ネック部7を含むフェース部2 の質量は、85~130g、好ましくは90~110g、さらに ましくは95~105gである。尚、この実施の形態 では、フェースボディ12とボディ部6とが一体 的になっていたが、別々に鋳造または鍛造し たものを接合するようにしてもよい。また、 フェース部2は、別々の部材であるフェース 11とフェースボディ12とから構成するように たが、フェース板11とフェースボディ12とを 鋳造や鍛造によって一体的に形成してもよい 。また、フェース板11は、その外周部全体が ディ側まで回り込んだカップ形状であって よく、この外周部にフェースボディを溶接 てもよい。また、フェースボディ部はクラ ン、ソール、サイドボディのうち、少なく も2つ以上の部品を溶接することで形成して もよい。

 ボディ部6は、Ti-6Al-4V合金からなり、内部に 中空構造を有している。ボディ部6において フェース部2側を前部と定義すると共にそれ 反対側を後部と定義する。フェース板11に 行であると共にボディ部6の最後部に接する 想平面P 1 と、仮想平面P 1 を前部方向に30mm平行移動した仮想平面P 2 を想定する。仮想平面P 2 でボディ部6を切断すると、前方部分である ング状(すなわち筒状)のボディ胴体部26と、 方部分であるテイル部27とに分けられる。

 テイル部27には、錘部8が設けられている 錘部8は、ボディ部6の後部に設けられた貫 穴20と、貫通穴20と連通するように雌ねじ部2 2が形成された略円筒形状のボルト固定部21と 、ボルト23とから構成されている。ボルト23 、例えばタングステンのような高比重材料 好ましい。ボルト23は、ボディ部6の外部か 貫通穴20及びボルト固定部21に挿入され、ボ ト23の雄ねじ部24が雌ねじ部22に螺合するこ により、ボルト固定部21に取り付けられて る。錘部8を含めたテイル部27の質量は、20~70 g、好ましくは30~60gである。テイル部27はでき るだけ重いほうが好ましいが、ゴルフクラブ ヘッド1全体についての上述した質量範囲(185~ 208g、好ましくは193~203g)を満たすように、テ ル部27の質量として上記範囲を規定する。尚 、錘部8はテイル部27の一部であり、上述した ように、テイル部27の質量とは、テイル部27 錘部8との質量の合計を意味するものとする

 ボディ胴体部26の平均板厚は、0.1~0.6mm、 ましくは0.2~0.45mmである。ここで、ボディ胴 部26の平均板厚をこのような範囲に規定し のは、板厚が0.1mm未満であると、ボディ部の 剛性が小さくなりすぎて、打球時にボールの 反発が期待できないことに加えて、打球時以 外の、例えば運搬時に、バッグ内で他のクラ ブとぶつかって凹んだりするからである。一 方、板厚が0.6mmを超えると、ボディ部の重量 大きくなりすぎて、テイル部に好適な重さ 錘を配置できないばかりでなく、ボディ部 剛性が大きくなり過ぎて、ボディ部でのボ ルの反発が期待できないからである。尚、 ディ胴体部26の平均板厚の測定は、例えば 三次元形状測定装置(非接触3次元デジタイザ VIVID 9i,コニカミノルタセンシング株式会社) 用いて行う。ただし、平均板厚の測定方法 これに限定するものではなく、これと同程 の精度で平均板厚を測定できるものであれ どのような方法であってもよい。

 従来のゴルフクラブヘッドには、クラウ の板厚が0.4~0.8mmの範囲になるものは存在し が、ソール及びサイドボディを含めて、こ 実施の形態に係るゴルフクラブヘッド1のボ ディ胴体部26に相当する部分全体の板厚が、0 .1~0.6mmの範囲になるものは存在しなかった。 れは、ソール及びサイドボディの剛性を低 させずにクラウンの剛性を低下させること より、打球時にフェース面が上方を向くこ で、打ち出し角度の向上やバックスピン量 低減を意図したものや、クラウン部を薄く ることで得られる余剰重量をソールに転化 ることで、低重心化を図り、ボールを上が 易くする目的のものである。しかし、これ のゴルフクラブヘッドは、ソールやサイド ディの板厚が厚くなると共にその剛性は高 なる。すなわち、ボディ部の剛性を高めて フェース部の反発力を向上させるという技 思想である。仮に、ソール及びサイドボデ もクラウンと同じ板厚にすると、打球時に ェースが上方を向かなくなるため、飛距離 低下してしまうか、低重心化が実現しない め、ボールが上がりにくいゴルフクラブと るという問題点が生じてしまう。しかし、 の実施の形態に係るゴルフクラブヘッド1で は、テイル部27に錘部8を設けてテイル部27の 量を20~70g、好ましくは30~60gの範囲にするこ により、テイル部27が有する直進運動の慣 モーメントがボディ胴体部26を介してフェー ス部2全体を押し出すので、上記問題点を解 できる。また、ボディ胴体部26の平均板厚を 0.1~0.6mm、好ましくは0.2~0.45mmにすることによ 、ボディ胴体部26全体の剛性が低下するので 、打球時におけるボディ胴体部26の撓みが増 し、ボールの反発力が向上する。すなわち 本願発明は、従来のゴルフクラブヘッドの 発方向とは全く逆で、ボディ部の剛性を低 させる方向の技術思想である。さらに、ボ ィ胴体部26全体の板厚が薄いことから、ボ ィ胴体部26は、従来のゴルフクラブヘッドに 比べて軽い質量を実現しており、これにより 、ゴルフクラブヘッド1の全質量を185~208gの範 囲に維持しつつ、テイル部27の質量を、20~70g ような、従来のゴルフクラブヘッドに比べ 重い範囲を実現している。テイル部27の質 が20gを下回る場合には、テイル部によるボ ィ胴体部の押し出し効果が急激に低下する とになる。一方、テイル部27の質量が70gを上 回っても、上記効果が低下することはないが 、ドライビング用のゴルフクラブヘッド1の 量範囲が185~208gであることを考慮すると、実 質的に、テイル部27の質量が70gを上回ること ない。すなわち、テイル部の質量の上限値 、上記効果の有無により定めたものではな 、実現可能性から定めた値である。

 次に、この実施の形態に係るゴルフクラブ ッド1の製造方法の一例を説明する。
 まず、Ti-6Al-4V合金で、貫通穴20及びボルト 定部21を後部に含むように、ボディ部6とフ ースボディ12とを鋳造により一体的に製造す る(鋳造する工程)。従来のゴルフクラブヘッ のように鋳造だけで成形すると、ボディ胴 部26の平均板厚を0.1~0.6mmの範囲にすること 困難であり、鋳造時の湯流れを考慮すると せいぜい0.8mm程度の平均板厚が精一杯であっ た。そこで、ケミカルミーリングにより、鋳 造したボディ部6の板厚を減厚する。Ti-6Al-4V 金であるボディ部6内部の中空部分にケミカ ミーリングするためのエッチング液、例え 、ふっ酸、硝酸、クロム酸、界面活性剤等 ら成る液を満たす。エッチング液の濃度や ディ部6の内部をエッチングする時間につい ては、鋳造したボディ胴体部26の平均板厚及 最終平均板厚等から適宜調整すべき事項で る。ただし、ボルト固定部21を含むテイル 27やフェースボディ12のように減厚させたく い部分には、耐酸性の樹脂やゴム等でマス ングすることにより、選択的に減厚を行う( 減厚する工程)。減厚後、ボルト固定部21にボ ルト23を固定することにより、テイル部27の 量を20~70gの範囲内で増加させ(増加する工程) 、Ti-4.5Al-3V-2Mo-2Fe合金からなるフェース板11を フェースボディ12に溶接して接合させる(接合 する工程)ことにより、ゴルフクラブヘッド1 得られる。

 尚、上記製造方法において、ボディ部6の 内周面をケミカルミーリングにより減厚した が、ボディ部6をエッチング液に浸漬させる とによって、ボディ部6の外周面をケミカル ーリングにより減厚してもよい。また、減 方法もケミカルミーリングに限定するもの はなく、研磨等により減厚してもよい。さ に、ボディ胴体部26に貫通穴を空けると、 通穴が空いていない部分は板厚が変わらな ものの、ボディ胴体部26全体として平均板厚 は減少することになるので、ボディ胴体部26 貫通穴を空けることにより、ボディ胴体部2 6の平均板厚を0.1~0.6mmにしてもよい。この貫 穴の形状や個数については任意の形状や個 にすることができ、極端にいえば、ボディ 体部26全体を格子状に製造してもよい。尚、 このように貫通穴を空ける場合には、外部か ら貫通穴が見えないように、ボディ部全体を 、後述する表面保護部30(図4参照)で覆う必要 ある。

 このように、ゴルフクラブヘッド1は、フ ェース部2とボディ部6とを備えた中空構造を し、ボディ部6は、前方部分であるリング状 のボディ胴体部26と、後方部分であるテイル 27とを備え、ボディ胴体部26の平均板厚は、 0.1~0.6mmであり、テイル部27の質量は、20~70gで る。このような構成により、従来のゴルフ ラブヘッドに比べてボディ胴体部26の剛性 低下することができると共に、ボディ胴体 26の質量を減少させた分だけ、錘部8を含め テイル部27の質量を増加することができる。 この結果、打球時にボディ胴体部26の撓みが きくなるので、ボールの反発力が高まる。 た、ボディ胴体部26に対してフェース部2の 性が大きいため、オフセンターショット時 あっても、フェース部2の不均一な変形(捩 )が抑えられるので、飛距離の低下が少なく る。さらに、打球時に撓んだボディ胴体部2 6が反発する際、テイル部27が有する直進運動 の慣性モーメントにより、ボディ胴体部26を してフェース部2全体が押し出されるが、テ イル部27の質量が大きい分、ボールの反発力 高まる。従って、スイートスポットの打球 の飛距離を犠牲にすることなく、打ち易く かつオフセンターショット時の飛距離の減 を最低限に抑えることができる。

 この実施の形態では、フェース板11にTi-4. 5Al-3V-2Mo-2Fe合金を、ボディ部6及びフェースボ ディ12にTi-6Al-4V合金を使用したが、これらの 料に限定するものではない。他の(α-β)型Ti 金や、Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al、Ti-15V-6Cr-4Al等のβ型Ti 金でもよく、純Tiや、Tiと他の材料との複合 材料等であってもよい。また、Ti合金を含む 料に限定するものではなく、純Al及びAl合金 や、純Mg及びMg合金、または、炭素繊維強化 ラスチック(CFRP)やガラス繊維強化プラスチ ク(GFRP)のような複合材料であってもよい。 こで、複合材料には、カーボンナノチュー やフラーレン等のナノカーボン材料を含ん Ti合金、Al合金、Mg合金、CFRP、GFRP等を含むも のとする。さらに、Ti合金、Al合金、Mg合金及 び複合材料のうちの少なくとも2つの材料で ってもよい。

 この実施の形態では、錘部8は、貫通穴20 、ボルト固定部21と、ボルト23とから構成さ れていたが、この形態に限定するものではな い。テイル部27の質量が規定範囲となるもの あればどのようなものであってもよく、テ ル部27に一体形成されたものであっても、 イル部27に後付けするものであってもよい。 例えば、図3に示されるように、ゴルフクラ ヘッド40は、テイル部27に窪部41が形成され 窪部41に収容されるように、タングステン製 の錘部42が設けられている。錘部42の質量を 整することにより、錘部42を含んだテイル部 27の質量を、20~70g、好ましくは30~60gにするこ ができる。

 また、テイル部27をタングステンのよう 高比重材料で板厚が厚くなるように製造す ことにより、上記質量範囲を実現してもよ 。すなわち、錘部8または42が存在せずに、 イル部27のみで上記質量範囲を実現してもよ い。この場合、フェースボディ及びボディ部 を一体的に鋳造する工程と、テイル部の質量 を20~70gの範囲で増加する工程とが、同時に行 われることになる。

 この実施の形態に係るゴルフクラブヘッ 1は、従来のゴルフクラブヘッドに比べてボ ディ胴体部26全体の板厚が薄くなっているた 、それだけ強度が弱くなっている。ただし ここで言う強度とは、打球時の衝撃に対す 強度ではなく、例えば、他のクラブと一緒 クラブバック内に挿入されている時に、他 クラブヘッドがぶつかることによって、ボ ィ胴体部26に凹みができやすくなることを 味する。そこで、図4において斜線で示され ように、ゴルフクラブヘッド50のソール3、 ラウン4及びサイドボディ5の一部に、CFRP製 表面保護部30を設けてもよい。表面保護部30 はCFRP製であることに限定しないが、表面保 部の質量分だけテイル部27の質量を軽くする 必要があるため、できるだけ質量が軽いと共 に保護性能のある材料が好ましく、この点を 考慮するとCFRPを含む複合材料が最適である また、表面保護部30を設ける範囲は、図4に された範囲である必要はなく、ボディ部6の 体またはその一部に設けてもよい。この場 、ボディ部6の全体が撓む本来の機能を損な わないように、CFRP製の表面保護部30の厚さは 0.2~1.0mm、更には0.3~0.6mmが好ましい。

 また、ボディ胴体部26の上記強度の向上 ために、ボディ部6にリブを設けてもよい。 5に示されるように、ゴルフクラブヘッド60 ボディ部6の内周面に、内周面に対して突起 したリブ61が設けられている。リブ61は、図6 示されるように、ボディ部6の内周面に縞状 に設けられている。ただし、リブは、縞状に 設ける必要はなく、格子状等を含め、様々な 形状で設けてもよい。また、ボディ部6の内 面に限定するものでもなく、外周面、また 内周面及び外周面の両方にリブを設けても い。ボディ部6にリブを設ける場合には、リ の分だけボディ胴体部26の質量が増加する で、テイル部27の質量を減少しなければなら ない。従って、リブを設ける場合には、でき るだけ少ない数及び大きさのリブを設けるべ きである。

 ボディ部6の内周面及び外周面の少なくと も一方にリブを設ける方法には、ボディ部6 内周面及び外周面の少なくとも一方に肉盛 よってリブを形成するか、または、ボディ 6の内周面及び外周面の少なくとも一方をケ カルミーリングする際に、リブを形成する 囲にマスキングを施し、その周囲が減厚さ ることによりリブが形成されるようにして よい。また、この実施の形態では、ボディ 6を鋳造で製造したが、鍛造で製造すること もでき、この際、溶接を考慮すると、薄板の 接続部分の板厚が少なくとも0.7mm以上必要な で、この接続部分をリブとすることもでき 。また、フラットな薄板とリブ形状に成型 れた薄板部品とをクラッド化した部材を用 ることも可能である。

 ボディ部6の内周面及び外周面の少なくと も一方にリブを設けた場合、ボディ胴体部26 平均板厚とは、リブを含めた全体の板厚を 味する。三次元形状測定装置によれば、リ を均してボディ胴体部26全体を均一の板厚 するデータ処理により、ボディ胴体部にお てリブを含めた全体の板厚を測定すること できる。

 また、ゴルフクラブヘッドには、ソール 錘を取り付けたり、装飾用のバッチを取り けたり、さらに、樹脂やゴムを取り付けた することがある。これらは通常、ゴルフク ブヘッドに後付けされるものである。これ を後付部材と称すると、当該後付部材をゴ フクラブヘッドに取り付けるために、雌ね 部等の後付部材取り付け部がゴルフクラブ ッドのボディ部に形成されている。このよ な場合には、まず、後付部材を取り外し、 次元形状測定装置によって、後付部材取り け部の立体形状のデータを削除することに り、後付部材及び後付部材取り付け部を除 たボディ胴体部26の平均板厚を測定するこ ができる。

“ドライバー、フェアウェイウッド及びユー ティリティクラブへの適用”
 本発明は、中空構造を有する任意のゴルフ ラブヘッドに適用可能である。本発明のゴ フクラブヘッドは、ドライバー用のヘッド もよく、フェアウェイウッド用のヘッドで よく、ユーティリティクラブ用のヘッドで よい(ユーティリティクラブは、ユーティリ ティウッド及びユーティリティアイアンを含 む)。ドライバー用のゴルフクラブヘッドは 400~468ccの体積を有し、185~208g、好ましくは193 ~203gの質量を有している。フェアウエイウッ 用のゴルフクラブヘッドは、100cc~230ccの体 を有し、200g~240gの質量を有する。また、ユ ティリティクラブ用のゴルフクラブヘッド 、100cc~230ccの体積を有し、200g~250gの質量を有 する。

 本発明の特徴的構成は、中空構造を有する 意のゴルフクラブヘッドにおいて同様であ 。したがって、本発明の特徴的構成は、ド イバー、フェアウエイウッド及びユーティ ティクラブのいずれにおいても同様である すなわち、テイル部の重量は、20~70gであり 好ましくは30~60gである。また、ボディ胴体 の平均板厚は、0.1~0.6mm、好ましくは、0.2~0.4 5mmである。また、フェース部の剛性をk f (kN/mm)とすると共にボディ胴体部の剛性をk b (kN/mm)とした時に、k b /k f ≦3、かつ、2kN/mm≦1/(1/k b +1/k f )≦5kN/mmである。

“ボディ胴体部とテイル部の境界”
(1) 既に説明したように、仮想平面P1が、フ ース板11に平行であってボディ6の最後部に するように設定される。そして、仮想平面P2 が、仮想平面P1に平行であって、仮想平面P1 30mm前に設定される。この仮想平面P2が、ボ ィ胴体部とテイル部の境界として用いられ 。

 ここで、実際にはフェース板11の表面が曲 であることがあるものの、曲率は非常に小 い。したがって、フェース板11の表面はほぼ 平坦であり、そしてフェース板11の中心点に する平面に近似される。仮想平面P 1 、P 2 は、フェース板11の上記面に平行であってよ 。より詳細には、フェース板11の中心点は 一般に、フェース板11の左右端の中央であっ て、上下端の中央に位置する点である。フェ ース板11の面は、中心点が球面の天頂に位置 るようにフェース板11を配置したときに中 点を通る水平面である。あるいは、フェー 板11の面は、フェース板11表面の中心点とフ ース板11の球面中心とを結ぶ線に対して垂 な面である。

(2) 本発明は、中空構造を有する任意のゴル クラブヘッドに適用可能であり、したがっ 、ドライバー、フェアウェイウッド及びユ ティリティクラブに適用可能である。これ 任意のクラブを考慮した場合、仮想平面P2 好適な位置(ボディ胴体部とテイル部の好適 境界)は、以下のa、bのように表される。
 a)ドライバーの場合:仮想平面P2は、仮想平 P1と平行であって、仮想平面P1より30mm前側の 面である。
 b)ドライバー以外のクラブの場合:フェース 11の面を、P0とする。仮想平面P2は、仮想平 P1と平行であり、かつ、面P0と仮想平面P1の 離の25%、仮想平面P1より前側の面である(仮 平面P2と仮想平面P1の距離が、面P0と仮想平 P1の距離の25%である)。

 上記の境界は、ドライバーと他のクラブ 異なって表現されている。任意のクラブに 用可能な好適な境界(仮想平面P2)は次の通り 表される。仮想平面P2は、仮想平面P1と平行 あって、仮想平面P1より前側であり、仮想平 面P1と仮想平面P2の距離がa、bのうちで短い方 の面である。a:30mm。b:面P0と仮想平面P1の距離 の25%。

(3)本発明では、ボディ胴体部26の平均板厚 、0.1~0.6mm、好ましくは0.2~0.45mmである。しか し、図2を参照すると、テイル部27の板厚(仮 平面P2(境界)より後ろの板厚)も、ボディ胴体 部26と同様に見える。このことは、以下のよ に理解される。

 本発明の範囲で、テイル部27については 既に説明したように、質量が20~70g、好まし は30~60gに規定されている。しかし、テイル 27の板厚は限定されない。したがって、図2 示されるように、テイル部27の前側部分の板 厚が、ボディ胴体部26の平均板厚と同様であ てよい。すなわち、ボディ胴体部26の薄肉 域が、テイル部27まで続いていてよい。また 、テイル部27の板厚は、後方にいくに従って きくなってよい。要するに、本発明では、 ディ胴体部26が板厚の条件を満たし、テイ 部27が質量の条件を満たすことが求められる 。

“フェース部とボディ部(ボディ胴体部)の境 ”
 図2の接続部分13は、フェース部2とボディ部 6(ボディ胴体部26)の境界に相当する。フェー 部とボディ部の好適な境界は、以下のa、b ように表される。ここでは、フェース部と ディ部の境界を、仮想平面P3とする。また、 フェース板11の面を、面P0とする。
 a)ドライバーの場合:仮想平面P3は、面P0と平 行であって、面P0より20mm後方に位置する面で ある。
 b)ドライバー以外の場合:仮想平面P3は、面P0 と平行であって、面P0より15mm後方に位置する 面である。

 上記の境界は、ドライバーと他のクラブ 異なって表現されている。任意のクラブに 用可能な好適な境界(仮想平面P3)は次の通り 表される。仮想平面P3は、フェース板の面P0 平行であって、面P0より後ろ側であり、面P0 仮想平面P3の距離がa、bのうちで短い方の面 である。a:20mm。b:面P0と仮想平面P1の距離の20% 。

 “平均板厚、剛性、質量及びそれらの測定
 本発明においてはボディ胴体部26の平均板 が規定されるが、この平均板厚は全体の平 板厚である。ボディ胴体部26の一部の平均板 厚が、本発明の厚さ範囲内の値であったとし ても、そのような構成は本発明に該当しない 。例えば、クラウン4部分の平均板厚が本発 の厚さ範囲内の値であるが、ボディ胴体部26 の全体の平均板厚が本発明の厚さ範囲外の値 である場合、そのような構成は本発明に該当 せず、本発明の効果も奏しないと考えられる 。

 本発明において、フェース部の剛性kf及 ボディ胴体部の剛性kbは、垂直荷重を撓みで 割った値である。すなわち、剛性kf、kbは、 ネ定数に相当する値である。このことは、 性測定方法において説明される。

 また、ボディ胴体部、テイル部及びフェ ス部の測定を実際に行う場合、これらが切 により分離される。測定結果への影響を防 か小さく抑えるために、切断幅(切断によっ て除去される部分の幅、切断代)は小さい方 よい。切断幅は例えば3mmに設定される。詳 には、例えば、境界を含む幅1mmの部分が、 断により削除される。さらに、幅1mmの部分 削除されるように、各切断面が研磨される

 また、本発明の適用されたゴルフクラブ ッドに関しては、実際の測定では、切断面 フェース板11の面に平行であっても、水平 に垂直であっても、測定結果は実質的に同 であるということができる。そこで、測定 容易さを考慮して、切断面は水平面に垂直 あってもよく、この垂直面が近似境界面と て用いられてよい。また、境界面(特にフェ ス部とボディ部の境界面)が平面でなかった としても、フェース板に平行な面、又は水平 面に垂直な面が近似境界面として用いられ、 切断及び分離が近似境界面にて行われてよい 。その他、剛性測定等では、測定対象の両端 面の形状及び角度に応じた適当なジグを用い ることが好適である。

 “テイル部の錘部”
 図2では、テイル部27の錘部8が、錘であるボ ルト23を有している。錘の材質は例えばタン ステンである。錘の材質は、金属粉末を混 た樹脂であってもよい。錘の材質は、チタ またはチタン合金であってもよい(後付又は 鋳造)。錘は、その他の比重の高い金属であ てもよい。錘は、タングステンまたは銅な といった高比重の金属の粒子と組み合わさ た樹脂であってもよい。

 また、図3では、錘部42が設けられている 錘部42の材質も、ボルト23と同様に、各種の 材質であってよい。錘部42は本発明の後付の の一例であった。ボルト23も後付の錘の一 である。後付の錘とは、すなわち別体の錘 あって、テイル部27に取り付けられる錘であ る。

 “鋳造工程と質量増加工程”
 既に説明したように、本発明のゴルフクラ ヘッド製造方法において、鋳造工程と質量 加工程(テイル部の質量を増加する工程)は 同時に行われてよい。これら工程を同時に うとは、テイル部の質量が20~70gの範囲であ 形状になるように鋳造を行うことを意味し いる。すなわち、テイル部の質量が20~70gに るように板厚等の形状を設定することによ 、2つの工程が同時に実現される。

 “表面保護部30”
 本発明ではボディ部に表面保護部30が設け れる。この表面保護部30は下記のような重要 な役割を果たす。

 これまでの説明から理解されるように、 発明では、ボディ胴体部26の剛性が低いこ が重要である。したがって、表面保護部30は 、(本発明の効果を失うほど)ボディ胴体部26 剛性を増大させることなく、クラブ間の接 による局所的な凹みの発生を防ぐことを求 られる。本発明は、このような要求を、上 した薄肉のカバーで構成される表面保護部30 によって満たしている。

 すなわち、表面保護部30は、ボディ胴体 26の平均板厚範囲により得られる剛性を維持 しつつ、上記平均板厚範囲の設定による強度 低下に伴う局所的な凹みの発生を防ぐ厚さを もつ部材(薄肉カバー)である。より詳細には 表面保護部30は、CFRP製であって、厚さ0.2~1.0 mm、好ましくは0.3~0.6mmのカバーである。表面 護部30は、ゴルフクラブ1をバッグに収容し ときに他のゴルフクラブに接触する部位に 置される。表面保護部30は、少なくともク ウン4を覆うように設けられる。表面保護部3 0は、ボディ部6の一部を覆ってもよく、ボデ 部6の全体を覆ってもよい。表面保護部30は ボディ部6に接着されてよい。

 なお、前述したように、本発明の平均板 設定を実現するために、ボディ胴体部26が 子状の構成を有してよい。この場合、格子 の骨格が、カーボン等の薄肉カバーで覆わ てよい。格子のピッチは例えば1cmである。 ディ胴体部26の全体がこのような構成を有し てよい。

 本実施の形態のゴルフクラブヘッド1では 、上記構成の表面保護部30を設けることによ 、ボディの剛性低下により得られる効果を 持しながら、ボディの凹みが防止される。 に、バッグに入れて運搬する際に、凹みが 果的に防止される。

 表面保護部30は、打球時の音を低減でき 。ゴルフクラブヘッド1の形状によっては音 過大である可能性がある。この場合に、表 保護部30に、音の低減が期待される。カバ 樹脂と接着剤とにより音の振動が吸収され 。

 また、表面保護部30は、ボディ胴体部26の 肉厚の不均一さを低減することができる。本 発明では、ケミカルミーリング等によりボデ ィ胴体部26が減厚される。減厚工程では、板 が局所的に非常に小さくなる可能性がある このような場合に、本発明では、表面保護 30としてカバーが装着され、カバー厚さが ディ板厚に加わる。カバーは、最小肉厚に する最大肉厚の比率を低減でき、したがっ 、肉厚の不均一の程度を小さくできる。ま 、減厚工程では、ボディ胴体部26に部分的に 貫通穴(ピンホール)が発生する可能性がある この場合に、貫通穴がカバーにより覆われ 外観が良好になる。

 ところで、従来技術でもカーボンのカバ がゴルフクラブヘッドに用いられることが る。しかし、従来のカーボンカバーは、ク ウンに設けられた開口を塞ぐ構成である。 来は、クラウンの構成部材をカーボンに置 換えることによって余剰重量を生じさせ、 剰重量をソールに配置することにより、重 が下げられる。また、従来は、ソールに対 るクラウンの相対的な剛性を下げるために ラウンの開口が設けられる。こうした従来 構成は、ギア効果を増加させ、ボールのス ン量の低減を目指している。このように従 のカーボンカバーは、専らクラウンの開口 塞ぐ構成であり、本発明とは異なる目的お び機能のために設けられており、それ故に 発明の効果は得られない。

 このような従来のカバーと異なり、本発 の表面保護部30は、ボディ胴体部6に重ねら る。例えば、チタン合金の胴体の上にカー ンカバーが貼られる。これにより、本発明 、従来のカーボンカバーによっては果たさ ない上述の効果を提供する。

 上記の利点を得るために、ゴルフクラブヘ ドは、下記の構成を好適に有する。すなわ 、ゴルフクラブヘッドは、Ti、Ti合金、Al、A l合金、Mg、Mg合金のうちの少なくとも一つか なる。そして、ボディ部表面の30%以上の部 の表面にCFRPカバーが接着剤を用いて貼られ ている。ゴルフクラブヘッドは、中空密閉構 造を有してよい。中空密閉構造は貫通するピ ンホールを有してもよい(ピンホールが許容 れる)。また、ゴルフクラブヘッドは、10mm 2 ~200mm 2 の大きさの複数の貫通穴が設けられた中空構 造を有してよい。

 “リブ” 図5及び図6に示したように、ボ ディ部6にはリブが設けられて、ボディ胴体 26の強度が向上される。図6から分かるよう 、リブは、ボディ胴体部26の内面又は外面の 一部に設けられてもよい。

「その他の態様」
(1) 本発明の一態様は、中空構造を有する主 品と、主部品の開口部を塞ぐように主部品 接合されたフェース部品とを有するゴルフ ラブヘッドであって、主部品は、減厚処理 よって減厚されており、減厚処理により減 する重量に応じた重量が主部品のテイル部 付加されている。上記の実施の形態の例で 、主部品がフェースボディ部とボディ部が 体化された部材であり、フェース部品がフ ース板である。あるいは、フェース部品は カップ形状を有するカップフェースでよく 主部品はカップフェースより後ろの部分で い。減厚処理はケミカルミーリングでよい テイル部への重量の付加は、テイル部の肉 を増大することにより実現されてよい。増 した肉厚が、ケミカルミーリング等の減厚 より削られ、その結果として必要な重量が られてよい。さらに、減厚後のテイル部の 量を調整するために、ボルト等の錘が付加 れてよい。この構成を実現した場合、テイ 部が重くなり、ボディの剛性が小さくなる したがって、上述した本発明の目的が達成 れ、上述した本発明の利点が得られる。

(2) 本発明の一の態様は、フェース部とボ ィ部とを備えた中空構造を有するゴルフク ブヘッドであって、フェース部は、フェー ボディ及びフェース板を有し、フェースボ ィにフェース板が接合されており、ボディ は、フェースボディと一体化された部材で り、ボディ部は減厚されており、減厚によ 減少する重量に応じた重量がボディ部のテ ル部に付加されている。

 ボディ部は、フェースボディと一体的に 造されてよい。フェース部とボディ部の一 化部材は、複数の部材の溶接により形成さ てよい。溶接される各々の部品は、鋳造部 でもよく、鍛造部品でもよく、板材をプレ した部品でもよい。ボディ部は、ケミカル ーリングによって減厚されてよく、ケミカ ミーリングはボディ部の内周面及び外周面 少なくとも一方に施されてよい。

 ボディ部は、ケミカルミーリングを用い ことなく、所定板厚の薄板部材をプレスす ことにより形成されてもよい。

 ボディ部においては、少なくとも二つ以 の部品が接合されてよい。接合される各部 は、所定の箇所を予めケミカルミーリング よって減厚された部品でもよい。接合の後 ケミカルミーリングが行われてよい。

 テイル部への重量の付加は、テイル部の 厚を増大することにより実現されてよい。 大した肉厚が、ケミカルミーリング等の減 により削られ、その結果として必要な重量 得られてよい。さらに、減厚後のテイル部 重量を調整するために、ボルト等の錘が付 されてよい。

 この構成を実現した場合、テイル部が重 なり、ボディ胴体部の剛性が小さくなる。 たがって、上述した本発明の目的が達成さ 、上述した本発明の利点が得られる。

 上記の態様のゴルフクラブヘッドの好適 製造方法の例を説明する。(i)Ti-6AL-4Vの鋳造 よって、フェース部に開口部を設けたヘッ を作成する。(ii)フェース開口部を上に向け 、ヘッドを所定の角度に据え置く。(iii)内部 所定液面まで酸を入れて酸洗する(ケミカル ミーリング)。(iv)酸洗量(減重量分)の調整は 酸洗時間によって管理する。最初から所定 量の錘を設置する場合は、錘部をマスキン で保護しておく。ボディと一緒に錘も減重 る場合は、錘は大きめに設定しておき、マ キングしない。酸洗量は35g~45g程度である。 洗量は、ヘッドのタイプに応じて設定され 。(v)フェース板を溶接する。(vi)CFRPを接着 で貼る。(vii)ヘッド全体を仕上げる。(viii)数 種類の重さのビスから適正なビスを選択し、 総重量を最終調整する。

(3) 本発明の一の態様は、フェース部とボ ィ部とを備えた中空構造を有するゴルフク ブヘッドであって、ボディ部は、前方部分 あるボディ胴体部と、後方部分であるテイ 部とを備え、テイル部がボディ胴体部より 重い。この構成を実現した場合、テイル部 重くなり、ボディ胴体部の剛性が小さくな 。したがって、上述した本発明の目的が達 され、上述した本発明の利点が得られる。

(4) 本発明の一の態様は、中空構造を有す ゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフ ラブヘッドをライ角が60度の姿勢に固定し 状態で水平面上へ前記ゴルフクラブヘッド 投影することにより得られる投影像の形状 垂直投影形状VPとし、フェース面の中心に接 する平面を仮想平面P0とし、前記仮想平面P0 平行であって前記垂直投影形状VPの前端と後 端を結ぶ線を3つに均等に分ける2つの分割面 よって前記ゴルフクラブヘッドを前部、中 部及び後部の3つの部分に分割したときに、 前記前部、前記中間部及び前記後部の重量の 関係が、前部>後部>中間部である。一例 しては、ヘッド総重量が190~202gであり、前 の重量が100g、中間部の重量が42g、後部の重 が42~60gである。この構成を実現した場合、 イル部が重くなり、ボディ胴体部の剛性が さくなる。したがって、上述した本発明の 的が達成され、上述した本発明の利点が得 れる。

(5) 本発明の一の態様は、中空構造を有す ゴルフクラブヘッドであって、フェース面 中心に接する面を仮想平面P0とし、前記仮 平面P0に平行であって前記ゴルフクラブヘッ ドの最後部に接する面を仮想平面P1とし、前 仮想平面P0に平行であって前記仮想平面P0と 前記仮想平面P1の間の空間を3つに均等に分け る2つの分割面によって前記ゴルフクラブヘ ドを前部、中間部及び後部の3つの部分に分 したときに、前記前部、前記中間部及び前 後部の重量の関係が、前部>後部>中間 である。この構成を実現した場合、テイル が重くなり、ボディ胴体部の剛性が小さく る。したがって、上述した本発明の目的が 成され、上述した本発明の利点が得られる

<実施例及び比較例>
 この発明のゴルフクラブヘッドの効果を確 する目的で、実施の形態に係るゴルフクラ ヘッド(実施例1~6)と、本発明の技術的範囲 属さないゴルフクラブヘッド(比較例1~4)とに ついて、後述する方法で打球試験を行った。 実施例1~6及び比較例1~4のゴルフクラブヘッド それぞれの構造と、ボディ胴体部の剛性(k b )及びフェース部の剛性(k f )とを表1に示す。

<平均板厚測定方法>
 実施例1~6及び比較例1~4のゴルフクラブヘッ のフェース部及びボディ胴体部の平均板厚 定方法について説明する。

 平均板厚測定は、後述する方法で行われた 球試験の終了後に行った。まず、各ゴルフ ラブヘッドをフェース部とボディ部とに分 し、実施の形態で説明した位置(仮想平面P 2 )で、ボディ部をボディ胴体部とテイル部と 切断した。ただし、錘部がボディ部内をフ ース部に向かって比較的長く延びる構造の 合、錘部の一部が仮想平面P 2 と交差してしまう場合が考えられる。この場 合には、錘部の一部を仮想平面P 2 に沿って切断することなく、錘部全体はテイ ル部の一部とみなすことにする。切断方法は 、歪みが入らないように、かつ、切断面が平 面状に密着するようにするために、レーザー 切断法により行った。尚、砥石切断法やウォ ータージェット切断法によって行ってもよい 。

 フェース板の平均板厚は、フェースボデ からフェース板を取り外し、三次元形状測 装置(非接触3次元デジタイザVIVID 9i,コニカ ノルタセンシング株式会社)を用いて測定し た。ここで、この発明の実施の形態に係るフ ェース板11を含めて、フェース板の板厚が均 とは限らない。この場合には、三次元形状 定装置によってフェース板全体が均一の板 となるようにデータ処理を行うことにより フェース板の平均板厚を算出した。

 ボディ胴体部の平均板厚は、三次元形状 定装置を用いて測定した。尚、ボディ胴体 にリブが形成されている場合や、後付部材 設けられている場合の測定方法については 述したとおりである。

<剛性測定方法>
 実施例1~6及び比較例1~4のゴルフクラブヘッ のフェース部及びボディ胴体部の剛性の測 方法について説明する。

 フェース部の剛性(k f )は、次の方法で測定した。フェース部をフ ース板が上方に向くようにして、水平な定 上に静置させた。フェース部全体に均一な 重が掛かるような十分大きな平面を有する 型でフェース部を挟んだ。この際、下の定 と金型とが平行にセットされていることが 要である。フェース板のスイートスポット 、ポンチを介して万能引張圧縮試験機(AG-250k NE,株式会社島津製作所)によって荷重を懸け 、徐々にその荷重を増加した。これにより 加重-変位線図が得られ、その傾きからフェ ス部の剛性を求めた。

 ボディ胴体部の剛性(k b )は、次の方法で測定した。フェース部との 断面及びテイル部との切断面のうち、開口 積の小さいほうが上方を向くようにして、 ディ胴体部を水平な定盤上に静置する。ボ ィ部全体に均一な荷重が掛かるような十分 きな平面を有する金型でボディ胴体部を挟 、上述した万能引張圧縮試験機により荷重 懸けて、徐々にその荷重を増加した。この 、下の定盤と金型とが平行にセットされて ることが重要である。これにより、加重-変 線図が得られ、その傾きからボディ胴体部 剛性を求めた。

<打球試験方法>
 実施例1~6及び比較例1~4のゴルフクラブヘッ のそれぞれに同一規格のシャフトを取り付 たものを、打球ロボット(SHOT ROBO V,株式会 ミヤマエ)を用いて、ヘッドスピード40mm/秒 び50mm/秒のそれぞれにて打球を行い、ボー の初速を測定した。尚、それぞれのヘッド ピードにおいて、各ゴルフクラブヘッドの イートスポットで打球した場合と、スイー スポットからトウ及びヒール側のそれぞれ 10mm及び20mmずらした位置で打球した場合とで 、打球を行い、ボールの初速を測定した。そ の結果を、表2及び3に示す。

 スイートスポットで40m/秒のヘッドスピー ドで打球した場合、ボディ胴体部の平均板厚 が0.1~0.6mmの範囲にあると、ボール初速が52.8~5 4.9m/秒であるのに対し、ボディ胴体部の平均 厚が0.1~0.6mmの範囲でない場合は、ボール初 が50.9~52.0m/秒であった。また、同様に、ヘ ドスピードが50m/秒の場合、本発明範囲であ ば、ボール初速66.7~68.6m/秒であるのに対し 発明範囲外の場合は、64.2~65.1m/秒であった。 ボール初速に対応して、ボール飛距離も、ボ ディ胴体部の板厚が本発明範囲内の場合は発 明範囲外の場合に比べて大きくなっている。

 また、スイートスポットでの打球試験結果 及ぼすフェース部とボディ胴部の剛性の影 を示したものが、図7及び図8である。図7は k b /k f がボール初速に及ぼす影響を示したもので、 k b /k f 比が3以下の場合に、52.8m/秒以上(ヘッドスピ ド40m/秒の場合)、66.7m/秒以上(ヘッドスピー 50m/秒の場合)のボール初速が得られている が分かる。また、図8は、ヘッド全体のばね 数を表すパラメータである1/(1/k b +1/k f )が、ボールの飛距離に及ぼす影響を示した ので、この値が2以上5以下、好ましくは2以 4.5以下の範囲にある場合は、220m以上(ヘッド スピード40m/秒の場合)、264m以上(ヘッドスピ ド50m/秒の場合)のボール飛距離が得られてい るのが分かる。

 また、スイートスポットで打球した場合 飛距離は、打球点がスイートスポットから1 0mmずれた場合、上記範囲内では、飛距離の低 下が1~6mであるのに対し、上記範囲外では、6~ 8mと大きくなっており、打球点がスイートス ットから20mmずれた場合、上記範囲内では、 飛距離の低下が7~10mであるのに対し、上記範 外では、12~17mと非常に大きく低下している が分かる。

 従って、この発明のゴルフクラブヘッドは テイル部の質量が20~70g、好ましくは30~60gで り、k b /k f ≦3、かつ、2kN/mm≦1/(1/k b +1/k f )≦5kN/mmであると言い換えることができる。

 以上に現時点で考えられる本発明の好適 実施の形態を説明したが、本実施の形態に して多様な変形が可能なことが理解され、 して、本発明の真実の精神と範囲内にある のようなすべての変形を添付の請求の範囲 含むことが意図されている。

 本発明は、スイートスポットでの打球時 飛距離を犠牲にすることなく、打ち易く、 つオフセンターショット時の飛距離の減少 最低限に抑えたゴルフクラブヘッドを提供 きる。