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Title:
HEAT SHRINKABLE POLYOLEFIN FILM AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143230
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a heat shrinkable polyolefin film, which has a high shrinkability in a longitudinal direction as its main shrinkage direction, and has favorable shrink finish, perforated line openability and solvent adhesiveness. The film of the invention comprises a skin layer containing a cyclic polyolefin resin as a major component and a core layer containing an acyclic polyolefin resin as a major component laminated to each other, and the main shrinkage direction of the film is a longitudinal direction. Further, a ratio of the thickness of the skin layer to the thickness of the entire film, a hot water heat shrinkage ratio in a longitudinal direction measured after 10-second treatment in 90°C hot water, a hot water heat shrinkage ratio in a width direction measured after 10-second treatment in 70°C to 90°C hot water, a rectangular tear strength in a width direction measured after 10% shrinkage in a longitudinal direction in 80°C hot water are adjusted to fall within respective specified ranges.

Inventors:
INAGAKI KYOKO (JP)
YAMAMOTO SHIGETOMO (JP)
KAWAI KENJI (JP)
HASHIMOTO MASATOSHI (JP)
NOSE KATSUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059173
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO BOSEKI (JP)
INAGAKI KYOKO (JP)
YAMAMOTO SHIGETOMO (JP)
KAWAI KENJI (JP)
HASHIMOTO MASATOSHI (JP)
NOSE KATSUHIKO (JP)
International Classes:
B32B27/32; B29C55/14; B29C61/06; B32B7/02; B29K45/00; B29K105/02; B29L7/00; B29L9/00; G09F3/04
Domestic Patent References:
WO2008075705A12008-06-26
Foreign References:
JP2001162725A2001-06-19
JP2003118041A2003-04-23
JP2004066533A2004-03-04
JP2004181876A2004-07-02
JP2007016120A2007-01-25
JP2007056156A2007-03-08
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Claims:
環状のポリオレフィン系樹脂を主成分とするスキン層と非環状のポリオレフィン系樹脂を主成分とするコア層とが積層されており、一定幅の長尺状に形成されているとともに、主収縮方向が長手方向である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムであって、下記要件(1)~(5)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
(1)フィルム全体の厚みが9μm以上100μm以下であるとともに、スキン層の厚みが1μm以上60μm以下であり、コア層の厚みが8μm以上99μm以下であること
(2)フィルム全体の厚みに対するスキン層の厚みの比率が0.01~0.6の範囲内にあること
(3)80℃の温水中で長手方向に10%収縮させた後の単位厚み当たりの幅方向の直角引裂強度が50N/mm以上200N/mm以下であること
(4)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における長手方向の温湯熱収縮率が20%以上60%以下であること
(5)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における長手方向と直交する方向の温湯熱収縮率が0%以上15%以下であること
環状のポリオレフィン系樹脂を主成分とするスキン層と非環状のポリオレフィン系樹脂を主成分とするコア層とが積層されており、一定幅の長尺状に形成されているとともに、主収縮方向が長手方向である熱収縮性ポリオレフィン系フィルムであって、下記要件(1)~(5)を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
(1)フィルム全体の厚みが9μm以上100μm以下であるとともに、スキン層の厚みが1μm以上60μm以下であり、コア層の厚みが8μm以上99μm以下であること
(2)フィルム全体の厚みに対するスキン層の厚みの比率が0.01~0.6の範囲内にあること
(3)80℃の温水中で長手方向に10%収縮させた後の単位厚み当たりの幅方向の直角引裂強度が50N/mm以上200N/mm以下であること
(4)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場合における長手方向の温湯熱収縮率が20%以上60%以下であること
(5)所定の温度の温水中で10秒間に亘って処理した後の幅方向の温湯熱収縮率を測定したときに、処理温度が70℃~90℃における温湯熱収縮率が0%以下であること
環状ポリオレフィン系樹脂が、ノルボルネン系重合体および/またはテトラシクロドデセン系重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
前記スキン層中に、アンチブロッキング剤および/または帯電防止剤が添加されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルム。
請求項1~4のいずれかに記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムを製造するための製造方法であって、
未延伸フィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で70℃以上140℃以下の温度で幅方向に2.5倍以上8.0倍以下の倍率で延伸した後に、100℃以上140℃以下の温度で1.0秒以上50.0秒以下の時間に亘って熱緩和処理し、しかる後、フィルムの幅方向の両端縁のクリップ把持部分を切断除去した後、70℃以上140℃以下の温度で長手方向に2.0倍以上8.0倍以下で延伸することを特徴とする熱収縮性ポリオレフィン系フィルムの製造方法。
長手方向の延伸が、加熱した低速ロールと高速ロールとの間で行われるものであり、それらの2つのロール間における延伸ギャップと延伸前のフィルム幅との比を0.10以上0.50以下に調整したものであることを特徴とする請求項5に記載の熱収縮性ポリオレフィン系フィルムの製造方法。
Description:
熱収縮性ポリオレフィン系フィ ム、およびその製造方法

 本発明は、熱収縮性ポリオレフィン系フ ルム、およびその製造方法に関するもので り、詳しくは、ラベル用途に好適な熱収縮 ポリオレフィン系フィルム、およびその製 方法に関するものである。

 近年、包装品の外観向上のための外装、 容物の直接的な衝突を避けるための包装、 ラス瓶またはプラスチックボトルの保護と 品の表示を兼ねたラベル包装等の用途に、 種の樹脂からなる熱収縮プラスチックフィ ムが広範に使用されている。それらの熱収 プラスチックフィルムの内、ポリ塩化ビニ 系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステ 系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなる 伸フィルムは、ポリエチレンテレフタレー (PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス容器 の各種の容器において、ラベルやキャップ ールあるいは集積包装の目的で使用される

 ところが、ポリ塩化ビニル系フィルムは 収縮特性には優れるものの、耐熱性が低い に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、 イオキシンの原因となる等の問題がある。 た、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容 等の収縮ラベルとして用いると、容器をリ イクル利用する際に、ラベルと容器を分離 なければならない、という問題もある。一 、ポリスチレン系フィルムは、収縮後の仕 がり外観性が良好であるものの、耐溶剤性 劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキ 使用しなければならない、という不具合が る。また、ポリスチレン系フィルムは、高 で焼却する必要がある上に、焼却時に異臭 伴って多量の黒煙が発生するという問題が る。

 それゆえ、耐熱性が高く、焼却が容易で り、耐溶剤性に優れたポリエステル系フィ ムやポリオレフィン系フィルムが、収縮ラ ルとして広汎に利用されるようになってき おり、PET容器の流通量の増大に伴って、使 量が増加している傾向にある。また、通常 熱収縮性ポリエステル系フィルムや熱収縮 ポリオレフィン系フィルムとしては、幅方 に高倍率に延伸されており幅方向に大きく 縮するもの(すなわち、主収縮方向が幅方向 であるもの)が広く利用されている(特許文献1 )。

特開2004-74426号公報

 しかしながら、上記した幅方向に延伸し 熱収縮性ポリエステルフィルムや熱収縮性 リオレフィン系フィルムは、主収縮方向と 交するミシン目に沿って引き裂く場合の引 裂き性(いわゆるミシン目開封性)が悪い、 いう不具合があった。また、上記した幅方 に延伸した熱収縮性ポリオレフィン系フィ ムは、ラベルにする際に溶剤によって接着 た場合の接着力(溶剤接着強度)が必ずしも十 分であるとは言えず、熱収縮させた際に剥が れてしまうこともあった。

 加えて、幅方向に熱収縮する熱収縮性フ ルムは、ボトルのラベルとして装着する際 は、幅方向がボトルの周方向となるように 状体を形成した上で、その筒状体を所定の さ毎に切断してボトルに装着して熱収縮さ なければならないため、高速でボトルに装 するのが困難である。さらに、近年では、 弁当等の合成樹脂製の片開き容器の周囲(開 口部)を帯状のフィルムで覆うことによって 器を閉じた状態で保持する新規なラッピン 方法が開発されているが、上記した幅方向 収縮するフィルムは、そのような用途に対 る使い勝手が悪かった。

 本発明の目的は、上記従来の熱収縮性ポ エステルフィルムや熱収縮性ポリオレフィ 系フィルムが有する問題点を解消し、主収 方向である長手方向への収縮性が良好であ 上、収縮仕上がり性、ミシン目開封性、溶 接着性が良好で、主収縮方向がボトルの周 向になるようにフィルムロールから直接的 ボトルの周囲に装着することが可能で、上 した新規なラッピング用途に対する使い勝 の良い実用的な熱収縮性ポリオレフィン系 ィルムを提供することにある。

 本発明のうち、請求項1に記載された発明は 、環状のポリオレフィン系樹脂を主成分とす るスキン層と非環状のポリオレフィン系樹脂 を主成分とするコア層とが積層されており、 一定幅の長尺状に形成されているとともに、 主収縮方向が長手方向である熱収縮性ポリオ レフィン系フィルムであって、下記要件(1)~(5 )を満たすことを特徴とするものである。
(1)フィルム全体の厚みが9μm以上100μm以下で るとともに、スキン層の厚みが1μm以上60μm 下であり、コア層の厚みが8μm以上99μm以下 あること
(2)フィルム全体の厚みに対するスキン層の厚 みの比率が0.01~0.6の範囲内にあること
(3)80℃の温水中で長手方向に10%収縮させた後 単位厚み当たりの幅方向の直角引裂強度が5 0N/mm以上200N/mm以下であること
(4)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場 における長手方向の温湯熱収縮率が20%以上60 %以下であること
(5)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場 における長手方向と直交する方向の温湯熱 縮率が0%以上15%以下であること

 本発明のうち、請求項2に記載された発明は 、環状のポリオレフィン系樹脂を主成分とす るスキン層と非環状のポリオレフィン系樹脂 を主成分とするコア層とが積層されており、 一定幅の長尺状に形成されているとともに、 主収縮方向が長手方向である熱収縮性ポリオ レフィン系フィルムであって、下記要件(1)~(5 )を満たすことを特徴とするものである。
(1)フィルム全体の厚みが9μm以上100μm以下で るとともに、スキン層の厚みが1μm以上60μm 下であり、コア層の厚みが8μm以上99μm以下 あること
(2)フィルム全体の厚みに対するスキン層の厚 みの比率が0.01~0.6の範囲内にあること
(3)80℃の温水中で長手方向に10%収縮させた後 単位厚み当たりの幅方向の直角引裂強度が5 0N/mm以上200N/mm以下であること
(4)90℃の温水中で10秒間に亘って処理した場 における長手方向の温湯熱収縮率が20%以上60 %以下であること
(5)所定の温度の温水中で10秒間に亘って処理 た後の幅方向の温湯熱収縮率を測定したと に、処理温度が70℃~90℃における温湯熱収 率が0%以下であること

 なお、処理温度が70℃~90℃における温湯 収縮率が0以下とは、70℃~90℃の範囲内にお るいずれかの温度に調節された温水中で10秒 間に亘って処理した後に幅方向の温湯熱収縮 率を測定する場合に、処理する温水の温度が どのような温度であっても処理後の温湯熱収 縮率が0%以下であること(すなわち、収縮しな い)を意味する。また、-(マイナス)の温湯熱 縮率は、フィルムの伸長を意味する。また 要件(2)でいう「スキン層の厚み」とは表裏 各スキン層の厚みを合算した層スキン層厚 (2種2層構造である場合には薄い層の厚み)を 味する。

 請求項3に記載された発明は、請求項1又 2に記載された発明において、環状ポリオレ ィン系樹脂が、ノルボルネン系重合体およ /またはテトラシクロドデセン系重合体であ ることを特徴とするものである。

 請求項4に記載された発明は、請求項1~3の いずれかに記載された発明において、前記ス キン層中に、アンチブロッキング剤および/ たは帯電防止剤が添加されていることを特 とするものである。

 請求項5に記載された発明は、請求項1~4の いずれかに記載の熱収縮性ポリオレフィン系 フィルムを製造するための製造方法であって 、未延伸フィルムを、テンター内で幅方向の 両端際をクリップによって把持した状態で70 以上140℃以下の温度で幅方向に2.5倍以上8.0 以下の倍率で延伸した後に、100℃以上140℃ 下の温度で1.0秒以上50.0秒以下の時間に亘っ て熱緩和処理し、しかる後、フィルムの幅方 向の両端縁のクリップ把持部分を切断除去し た後、70℃以上140℃以下の温度で長手方向に2 .0倍以上8.0倍以下で延伸することを特徴とす ものである。

 請求項6に記載された発明は、請求項5に 載された発明において、長手方向の延伸が 加熱した低速ロールと高速ロールとの間で われるものであり、それらの2つのロール間 おける延伸ギャップと延伸前のフィルム幅 の比を0.10以上0.50以下に調整したものであ ことを特徴とするものである。

 本発明の熱収縮性ポリオレフィン系フィ ムは、主収縮方向である長手方向への収縮 が高い上、主収縮方向と直交する方向のミ ン目開封性が良好である。したがって、ボ ル等の容器のラベルとして好適に用いるこ ができ、短時間の内に非常に効率良く容器 装着することができ、装着して熱収縮させ 際に、熱収縮によるシワや収縮不足のきわ て少ない良好な仕上がりを呈するとともに 非常に良好なミシン目開封性を発現する。 らに、ボトル等の容器のラベルとして使用 た際に、溶剤接着性が良好であり、熱収縮 せた際に剥がれてしまうという事態が起こ ない。加えて、上述した新規なラッピング 途に対する使い勝手も良好である。

 また、本発明の熱収縮性ポリオレフィン フィルムの製造方法によれば、上記の如く 手方向への収縮性が高く、収縮仕上がり性 ミシン目開封性、溶剤接着性が良好な熱収 性ポリオレフィン系フィルムを、安価かつ 易に製造することができる。

 本発明でいう環状ポリオレフィンとは、 般的な総称であり、具体的には、(1)環状オ フィンの開環共重合体を必要に応じ水素添 した重合体(2)環状オレフィンの付加(共)重 体(3)環状オレフィンとエチレン、プロピレ 等 α―オレフィンとのランダム共重合体が まれる。その他に、(4)前記(1)~(3)を不飽和カ ルボン酸やその誘導体へ変性したグラフト変 性体等が含まれる。

 かかる環状ポリオレフィンとしては、具 的には、ノルボルネンを主構造とするもの およびその誘導体や、テトラシクロドデセ (テトラシクロ-3-ドデセン)を主構造とする の、および誘導体等を挙げることができる また、ノルボルネンの誘導体としては、ビ クロヘプト-2-エン(2-ノルボルネン)およびそ 誘導体、6-メチルノルボルネン、6-エチルノ ルボルネン、5-プロピルノルボルネン、6-n-ブ チルノルボルネン、1-メチルノルボルネン、7 -メチルノルボルネン、5,6-ジメチルノルボル ン、5-フェニルノルボルネン、ベンジルノ ボルネン等を挙げることができる。なお、 ルボルネン系樹脂としては、ポリプラスチ クス(株)製 TOPAS(登録商標)等を好適に用いる ことができる。一方、テトラシクロドデセン の誘導体としては、8-メチルテトラシクロ-3- デセン、8-エチルテトラシクロ-3-ドデセン 5,10-ジメチルテトラシクロ-3-ドデセン等を挙 げることができる。なお、テトラシクロドデ セン系樹脂としては、三井化学(株)製 APEL(登 録商標)、JSR(株)製 ARTON(登録商標)や、日本ゼ オン(株)製 ZEONOR(登録商標)、ZEONEX(登録商標) を好適に用いることができる。

 当該環状オレフィン系樹脂の比重は、一 的には1.00~1.05である。また、環状オレフィ 系樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が55~100℃であ ると好ましく、60~90℃であるとより好ましい Tgが55℃未満であると、60℃×10秒における主 延伸方向の熱収縮率が大きくなりすぎる傾向 があり、Tgが100℃を越えると、70~90℃におけ 主延伸方向の熱収縮率が小さくなりすぎる 向がある。

 また、コア層を形成するポリオレフィン 脂としては、プロピレンと他のα-オレフィ との共重合体を好適に用いることができる プロピレンと他のα-オレフィンとの共重合 に用いるα-オレフィン共重合成分としては 炭素数が2~8のα-オレフィン、たとえば、エ レン、ブテン-1等が好ましく、ペンテン-1、 ヘキセン-1、4-メチル-1-ペンテン等を用いる とも可能である。また、共重合体は、プロ レンに上記に例示されるα-オレフィンを1種 たは2種以上重合して得られたランダムまた はブロック共重合体であることが好ましい。 さらに、それらの共重合体の中でも、プロピ レンとエチレンとを共重合させたものであっ てエチレンの量が2.0質量%以上10.0質量%以下で あるもの、プロピレンとブテンとを共重合さ せたものであってブテンの量が15.0質量%以上3 5.0質量%以下であるもの、プロピレンとエチ ンとブテンとを共重合させたものであって チレンおよびブテンの量が3.0質量%以上15.0質 量%以下であるものを使用すると、良好な収 特性が得られるので特に好ましい。

 また、共重合体のメルトフローレート(MFR )は、0.1~100g/10min.の範囲内であると好ましく 0.5~20g/10min.の範囲内であるとより好ましく、 1.0~15g/10min.の範囲内であると特に好ましい(な お、メルトフローレートは、JIS-K-7210に準拠 た方法によって測定することができる)。

 本発明において、用いる樹脂には必要に じて、特性を阻害しない範囲で、各種添加 、充填材、たとえば、熱安定剤、酸化防止 、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難 剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バ ウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タル 、クレー、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、 化アルミニウム、抗菌剤、防曇剤、自然分 性を付与する添加剤等を添加することがで る。特に、取り扱い性の面、および、滑り 、帯電防止性、耐熱ブロッキング性を付与 る意味から、脂肪酸アミドに代表される有 系滑剤や脂肪酸アルキルアミン、脂肪酸ア キルアミンエステル、脂肪酸モノグリセリ エステルに代表される界面活性剤、シリカ PMMAに代表されるアンチブロッキング剤を添 加することが好ましい。さらにまた、その他 の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴ ム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を本発明の フィルムの特性を害さない範囲で配合しても 良い。

 さらに、本発明のフィルムは、その特性 阻害しない範囲で、表面に同種のポリプロ レン系樹脂層および他の樹脂層、たとえば エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、ポ リビニルアルコール等のガスバリア性樹脂層 を積層しても良い。

 本発明のフィルムには、必要に応じて本 明の特性を阻害しない範囲で、表面処理を うことができる。表面処理の方法としては コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理 酸処理等を例示することができ、特に制限 ない。連続処理が可能であり、このフィル の製造過程の巻き取り工程前に容易に実施 きるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎 理を行うのが好ましく、熱融着層表面の濡 張力を向上させる手段としてはコロナ放電 理が特に好ましい。

 さらに、本発明の熱収縮性ポリオレフィ 系フィルムは、環状のポリオレフィン系樹 を主成分とするスキン層と非環状のオレフ ン系樹脂を主成分とするコア層とからなる 層フィルムであることが好ましい。すなわ 、本発明の熱収縮性ポリオレフィン系フィ ムは、A/B(二種二層)、A/B/A(二種三層)、A/B/C( 種三層)、またはA/B/C/B/A(三種五層)等の構成 有していることが好ましい。カールの点か 、対称層構成であるA/B/A構成が好ましい。 お、本発明においては、積層フィルムを構 する各層の内、最外側に位置しない中心部 層(すなわち、A/B/A、またはA/B/Cの層構成の場 合におけるB層等)および、二種二層構成であ 場合の厚い層(すなわち、薄いA層と厚いB層 のA/Bの層構成の場合におけるB層)をコア層 いう。また、最外側に位置した層(すなわち A/Bの層構成の場合におけるA,B層、A/B/Aまた A/B/Cの層構成の場合におけるA,C層等)および 二種二層構成である場合の薄い層(すなわち 薄いA層と厚いB層とのA/Bの層構成の場合に けるA層)をスキン層という。なお、スキン層 とコア層とを積層する方法としては、多層共 押出法やドライラミネート法等を挙げること ができる。

 さらに、本発明の熱収縮性ポリオレフィ 系フィルムの厚みは、9μm以上100μm以下の範 囲にあることが好ましい。さらに、フィルム の厚みは、30μm以上80μm以下の範囲内にある より好ましい。加えて、スキン層の厚みは 1μm以上60μm以下であることが好ましく、3μm 上20μm以下の範囲内にあるとより好ましい 加えて、スキン層の厚みの下限値は、3μm以 であると好ましく、5μm以上であるとより好 ましく、10μm以上であるとさらに好ましく、1 5μm以上であると一層好ましい。また、スキ 層の厚みの上限値は、60μm以下であると好ま しく、45μm以下であるとより好ましく、30μm 下であるとさらに好ましく、25μm以下である と一層好ましく、20μm以下であると特に好ま い。一方、コア層の厚みは、8μm以上99μm以 であることあることが好ましい。コア層の みの下限値は、10μm以上であるとより好ま く、15μm以上であるとさらに好ましく、20μm 上であると特に好ましく、25μm以上である 一層好ましい。また、コア層の厚みの上限 は、80μm以下であるとより好ましく、70μm以 であるとさらに好ましく、50μm以下である 特に好ましく、40μm以下であると一層好まし い。

 加えて、本発明の熱収縮性ポリオレフィ 系フィルムは、本発明におけるフィルム全 の厚みに対するスキン層(表層)の厚みの比( 下、スキン-全体比という)が、0.01以上0.6以 の範囲内にあることが好ましい。当該スキ -全体比は、0.1以上0.4以下の範囲内にあると より好ましい。スキン-全体比が0.01よりも小 くなると、スキン層を溶剤接着層として用 る際に十分な溶剤接着性が得られないので ましくなく、反対に、スキン-全体比が0.6よ りも大きくなると、耐溶剤突き抜け性(フィ ム上に溶剤を滴下した場合の突き抜け易さ) 不良となるので好ましくない。

 また、本発明の熱収縮性ポリオレフィン フィルムをラベルとする際に接着させるた の溶剤としては、1,3-ジオキソラン、ベンゼ ン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼ ン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロ ホルム等のハロゲン化炭化水素;フェノール のフェノール類;テトラヒドロフラン等のフ ラン類等、あるいはこれらの混合溶剤を用い ることができるが、テトラヒドロフランを接 着用の溶剤として用いると、より高い溶剤接 着強度を発現させることができるので好まし い。

 また、本発明の熱収縮性ポリオレフィン系 ィルムは、90℃の温水中で無荷重状態で10秒 間に亘って処理したときに、収縮前後の長さ から、下式1により算出したフィルムの長手 向の熱収縮率(すなわち、90℃の温湯熱収縮 )が、20%以上60%以下であることが好ましい。
 熱収縮率={(収縮前の長さ-収縮後の長さ)/収 前の長さ}×100(%) ・・式1

 90℃における長手方向の温湯熱収縮率が20 %未満であると、収縮量が小さいために、熱 縮した後のラベルにシワやタルミが生じて まうので好ましくない。なお、90℃における 長手方向の温湯熱収縮率の下限値は、22%以上 であると好ましく、24%以上であるとより好ま しく、26%以上であると特に好ましい。なお、 スキン層主原料である環状のポリオレフィン 系樹脂とコア層主原料であるプロピレン-α- レフィン共重合体とからなる積層フィルム 本質的な特性を考慮すると、90℃における長 手方向の温湯熱収縮率の上限値は、60%程度と 考えている。

 また、本発明の第1発明の熱収縮性ポリオ レフィン系フィルムは、90℃の温水中で無荷 状態で10秒間に亘って処理したときに、収 前後の長さから、上式1により算出したフィ ムの幅方向の温湯熱収縮率が、0%以上15%以 であることが好ましい。

 90℃における幅方向の温湯熱収縮率が15% 上回ると、ラベルとして用いた場合に熱収 時に縦ひけが生じ易くなるので好ましくな 。また、90℃における幅方向の温湯熱収縮率 の上限値は、13%以下であると好ましく、11%以 下であるとより好ましく、9%以下であると特 好ましい。また、なお、スキン層主原料で る環状のポリオレフィン系樹脂とコア層主 料であるプロピレン-α-オレフィン共重合体 とからなる積層フィルムの本質的な特性を考 慮すると、90℃における幅方向の温湯熱収縮 の下限値は、0%程度と考えている。

 また、本発明の第2発明の熱収縮性ポリオ レフィン系フィルムは、所定の温度の温水中 で10秒間に亘って処理した後の幅方向の温湯 収縮率を測定したときに、処理温度が70℃~9 0℃における温湯熱収縮率が0%以下であること が好ましい(なお、上述の如く、「処理温度 70℃~90℃における温湯熱収縮率が0以下」と 、70℃~90℃の範囲内におけるいずれかの温度 に調節された温水中で10秒間に亘って処理し 後に幅方向の温湯熱収縮率を測定する場合 、処理する温水の温度がどのような温度で っても処理後の温湯熱収縮率が0%以下であ こと(すなわち、収縮しない)を意味する)。 理温度が70℃~90℃における温湯熱収縮率が0% 上回ると、ラベルとして用いた場合に熱収 時に縦ひけが生じ易くなるので好ましくな 。また、90℃における幅方向の温湯熱収縮 が-30%を下回ると、ラベルとして用いた場合 熱収縮時にボトルへの密着不良を起こすの 好ましくない。

 また、本発明の熱収縮性ポリオレフィン フィルムは、80℃の温水中で長手方向に10% 縮させた後に、以下の方法で単位厚み当た の幅方向の直角引裂強度を求めたときに、 の幅方向の直角引裂強度が50N/mm以上200N/mm以 であることが好ましい。

[直角引裂強度の測定方法]
 80℃に調整された温湯中にてフィルムを長 方向に10%収縮させた後に、JIS-K-7128に準じて 定の大きさの試験片としてサンプリングす 。しかる後に、万能引張試験機で試験片の 端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、フ ルムの幅方向における引張破壊時の強度の 定を行う。なお、80℃で10%収縮しないフィ ムについては、約5秒間に亘って80℃の温水 浸漬させることによって収縮可能な分だけ 縮させたフィルムの幅方向における引張破 時の強度の測定を行う。そして、下式2を用 て単位厚み当たりの直角引裂強度を算出す 。
 
直角引裂強度=引張破壊時の強度í厚み ・・ 2

 80℃の温水中で長手方向に10%収縮させた の直角引裂強度が50N/mm未満であると、ラベ として使用した場合に運搬中の落下等の衝 によって簡単に破れてしまう事態が生ずる 能性があるので好ましくなく、反対に、直 引裂強度が200N/mmを上回ると、ラベルを引き く際の初期段階におけるカット性(引き裂き 易さ)が不良となるため好ましくない。なお 直角引裂強度の下限値は、70N/mm以上である 好ましく、90N/mm以上であるとより好ましく 110N/mm以上であると特に好ましい。また、直 引裂強度の上限値は、180N/mm以下であると好 ましく、160N/mm以下であるとより好ましく、14 0N/mm以下であると特に好ましい。

なお、ラベルをミシン目部分において引裂 く際のカット性に関しては、上記に記載した ようなミシン目の最初の部分(ラベルの上端 るいは下端の部分)の引裂き易さ(切り欠きの 入り易さ)と、ミシン目に沿って斜めにずれ り途中でタブが切れたりせず、軽い力でミ ン目方向に最後まで裂けるような引裂き易 (ミシン目方向と直角方向との引裂き易さの ランス)との両方が、実際に手でラベルを剥 がす際の作業のし易さに寄与するものと考え るが、後者はミシン目のピッチの改良等によ り幾分改善することができるようになり、ま た前者のミシン目の最初の部分の引裂き易さ の方が、実際に手でラベルを引裂く際の官能 評価とよりよく対応しており、より重要な特 性と考えられる。従って、本発明の熱収縮ポ リオレフィン系フィルムは上記範囲の直角引 裂強度であることが好ましい。しかし、後者 のミシン目方向と直角方向との引裂き易さの バランスをある特定の範囲にすることは本発 明の熱収縮ポリオレフィン系フィルムのミシ ン目開封性をより向上させることができるの で好ましい。具体的には、本発明の熱収縮性 ポリオレフィン系フィルムは、80℃の温水中 長手方向に10%収縮させた後に、以下の方法 長手方向および幅方向のエルメンドルフ引 荷重を求めたときに、それらのエルメンド フ引裂荷重の比であるエルメンドルフ比が0 .5以上2.0以下であることが好ましい。

[エルメンドルフ比の測定方法]
 所定の長さを有する矩形状の枠にフィルム 予め弛ませた状態で装着する(すなわち、フ ィルムの両端を枠によって把持させる)。そ て、弛んだフィルムが枠内で緊張状態とな まで(弛みがなくなるまで)、約5秒間に亘っ 80℃の温水に浸漬させることによって、フィ ルムを長手方向に10%収縮させる。しかる後に 、JIS-K-7128に準じて、フィルムの長手方向お び幅方向のエルメンドルフ引裂荷重の測定 行い、下式3を用いてエルメンドルフ比を算 する。なお、80℃で10%収縮しないフィルム ついては、約5秒間に亘って80℃の温水に浸 させることによって収縮可能な分だけ収縮 せたフィルムの長手方向および幅方向のエ メンドルフ引裂荷重の測定を行う。
 
エルメンドルフ比=長手方向のエルメンドル 引裂荷重í幅方向のエルメンドルフ引裂荷重  ・・式3

 エルメンドルフ比が0.5未満であると、ラ ルとして使用した場合にミシン目に沿って っ直ぐに引き裂きにくいので好ましくない 反対にエルメンドルフ比が2.0を上回ると、 シン目とずれた位置で裂け易くなるので好 しくない。なお、エルメンドルフ比の下限 は、0.7以上であると好ましく、0.9以上であ とより好ましく、1.1以上であると特に好ま い。また、エルメンドルフ比の上限値は、1 .8以下であると好ましく、1.6以下であるとよ 好ましく、1.4以下であると特に好ましい。

 上記の熱収縮フィルムの熱収縮率、直角 裂強度、エルメンドルフ比は、前述の好ま いフィルム組成を用いて、後述の好ましい 造方法と組み合わせることにより達成する とが可能となる。

 加えて、本発明の熱収縮性ポリオレフィ 系フィルムは、溶剤接着強度が4(N/15mm)以上 なるように調整されていると好ましい。フ ルムの溶剤接着強度が4(N/15mm)未満であると たとえば、ラベルを熱収縮させた際に溶剤 着部分が剥れてしまう虞れがあるので好ま くない。

 また、本発明の熱収縮性ポリオレフィン フィルムは、上記したポリオレフィン系樹 原料を押出機により溶融押し出しして未延 フィルムを形成し、その未延伸フィルムを 下に示す方法により、二軸延伸して熱処理 ることによって得ることができる。

 原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポ オレフィン系樹脂原料をホッパードライヤ 、パドルドライヤー等の乾燥機、または真 乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そ ようにポリオレフィン系樹脂原料を乾燥さ た後に、押出機を利用して、200~300℃の温度 で溶融しフィルム状に押し出す。かかる押し 出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法 、既存の任意の方法を採用することができ 。

 そして、押し出し後のシート状の溶融樹 を急冷することによって未延伸フィルムを ることができる。なお、溶融樹脂を急冷す 方法としては、溶融樹脂を口金より回転ド ム上にキャストして急冷固化することによ 実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を 適に採用することができる。

 さらに、得られた未延伸フィルムを、後 するように、所定の条件で幅方向に延伸し 後に、一旦、熱処理し、しかる後に所定の 件で長手方向に延伸し、その縦延伸後のフ ルムを急冷することによって、本発明の熱 縮性ポリオレフィン系フィルムを得ること 可能となる。なお、縦延伸する際には、延 ギャップ(縦延伸する際の低速ロールとフィ ルムとの接点から高速ロールとフィルムとの 接点までの距離)とフィルム幅とを適宜調整 ることによって、ギャップ比率(延伸ギャッ /フィルム幅)を0.01~0.10の範囲に調整するこ ができる。

 以下、本発明の熱収縮性ポリオレフィン フィルムを得るための好ましい二軸延伸・ 処理方法について、従来の熱収縮性ポリオ フィン系フィルムの二軸延伸・熱処理方法 の差異を考慮しつつ詳細に説明する。

[熱収縮性ポリオレフィン系フィルムの好ま い製膜方法]
 上記したように、単純に幅方向に延伸した 収縮性フィルムは、主収縮方向と直交する 向のミシン目開封性が悪い、という不具合 ある。一方、従来から長手方向に収縮する 収縮性フィルムについての要求は高いもの 、未延伸フィルムを単純に長手方向に延伸 るだけでは、幅の広いフィルムが製造でき いため生産性が悪い上、厚み斑の良好なフ ルムを製造することができない。また、予 幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する 法を採用すると、長手方向への収縮量が不 分となったり、幅方向に不必要に収縮する のとなってしまう。

 本発明者らは、幅方向の延伸後に長手方向 延伸する方法(以下、横-縦延伸法という)に いて、各延伸工程における条件によりフィ ムの長手方向の温湯収縮率、ミシン目開封 がどのように変化するかについて鋭意検討 た。その結果、横-縦延伸法によるフィルム 製造の際に、以下の手段を講じることにより 、長手方向の収縮量が高く、直交方向のミシ ン目開封性が良好なフィルムを安定して製造 することが可能となることを突き止めた。そ して、本発明者らは、それらの知見に基づい て本発明を案出するに至った。
(1)幅方向への延伸後における中間熱緩和処理
(2)長手方向へ延伸する前のフィルム端部のト リミング
(3)延伸ギャップの調整
 以下、上記した各手段について順次説明す 。

(1)幅方向への延伸後における中間熱緩和処理
 本発明の横-縦延伸法によるフィルムの製造 においては、未延伸フィルムを幅方向に延伸 した後に、100℃以上140℃以下の温度で1.0秒以 上50.0秒以下の時間に亘って熱処理(以下、中 熱緩和処理という)することが好ましい。か かる中間熱緩和処理を行うことによって、ラ ベルとした場合にミシン目カット性が良好で 収縮斑が生じないフィルムを得ることが可能 となる。そのように横延伸後に特定の中間熱 緩和処理を施すことによりミシン目カット性 が良好で収縮斑が生じないフィルムを得るこ とが可能となる理由は明らかではないが、特 定の中間熱緩和処理を施すことによって、幅 方向への分子配向をある程度残存させつつ、 幅方向の収縮応力を低減させることが可能と なるためではないかと考えている。なお、中 間熱処理の温度が140℃を上回ると、縦延伸時 に層間剥離が生ずるので好ましくない。反対 に、中間熱処理の温度が100℃を下回ると、最 終的なフィルムの幅方向の熱収縮率をコント ロールすることができなくなるので好ましく ない。また、熱緩和処理の温度の下限は、110 ℃以上であると好ましく、115℃以上であると より好ましい。一方、熱緩和処理の温度の上 限は、135℃以下であると好ましく、130℃以下 であるとより好ましい。一方、熱緩和処理の 時間は、1.0秒以上50.0秒以下の範囲内で原料 成に応じて適宜調整することが好ましい。

 また、未延伸フィルムの幅方向への延伸 、テンター内で幅方向の両端際をクリップ よって把持した状態で、70℃以上140℃以下 温度で2.5倍以上8.0倍以下の倍率となるよう 行うことが好ましい。延伸温度が70℃を下回 ると、延伸時に破断を起こし易くなるので好 ましくなく、反対に140℃を上回ると、幅方向 の厚み斑が悪くなるので好ましくない。なお 、横延伸の温度の下限は、75℃以上であると ましく、80℃以上であるとより好ましい。 た、横延伸の温度の上限は、135℃以下であ と好ましく、130℃以下であるとより好まし 。一方、幅方向の延伸倍率が2.5倍を下回る 、生産性が悪いばかりでなく幅方向の厚み が悪くなるので好ましくなく、反対に8.0倍 上回ると、延伸時に破断を起こし易くなる 、熱緩和させるのに多大なエネルギーと大 かりな装置が必要となり、生産性が悪くな ので好ましくない。なお、横延伸の倍率の 限は、3.0倍以上であると好ましく、3.5倍以 であるとより好ましい。また、横延伸の倍 の上限は、7.5倍以下であると好ましく、7.0 以下であるとより好ましい。

(2)長手方向へ延伸する前のフィルム端部のト リミング
 本発明の横-縦延伸法によるフィルムの製造 においては、中間熱緩和処理を施したフィル ムを長手方向に延伸する前に、フィルム端縁 際の十分に横延伸されていない肉厚部分(主 して横延伸時のクリップ把持部分)をトリミ グすることが好ましい。より具体的には、 ィルムの左右の端縁際に位置した中央部分 厚みの約1.1~1.3倍の厚みの部分においてカッ ター等の工具を用いてフィルム端縁際の肉厚 部分を切断し、肉厚部分を除去しつつ、残り の部分のみを長手方向に延伸することが好ま しい。なお、上記の如くフィルム端部をトリ ミングする際には、トリミングする前のフィ ルムの表面温度が50℃以下となるように冷却 ておくことが好ましい。そのようにフィル を冷却することにより、切断面を乱すこと くトリミングすることが可能となる。また フィルム端部のトリミングは、通常のカッ ー等を用いて行うことができるが、周状の 先を有する丸刃を用いると、局部的に刃先 鈍くなる事態が起こらず、フィルム端部を 期間に亘ってシャープに切断し続けること でき、長手方向への延伸時における破断を 発する事態が生じないので好ましい。

 かかる如く、長手方向への延伸前にフィ ムの端部をトリミングすることによって、 旦熱緩和処理したフィルムを均一に長手方 へ延伸することが可能となり、初めて破断 ない安定したフィルムの連続製造が可能と る。加えて、長手方向(主収縮方向)の収縮 の大きなフィルムを得ることが可能となる さらに、フィルムを均一に長手方向へ延伸 ることが可能となるため、長手方向の厚み の小さなフィルムを得ることができる。そ 上、フィルムの端部をトリミングすること よって、長手方向への延伸時におけるボー ングが回避され、左右の物性差の小さなフ ルムを得ることが可能となる。

(3)延伸ギャップの調整
 本発明の横-縦延伸法によるフィルムの製造 においては、上記した中間熱緩和処理後の長 手方向への延伸を、加熱した低速ロールと高 速ロールとの間で行ない、それらの2つのロ ル間における延伸ギャップと延伸前のフィ ム幅との比(以下、延伸ギャップ比率という) を0.10以上0.50以下に調整することが好ましい そのように延伸ギャップ比率を0.10以上0.50 下に調整することによって、ラベルとして トルに装着した際に、主収縮方向と直交す 方向への収縮が起こらないため、所謂“縦 け”が起こらず、収縮仕上がり性が良好な 、ミシン目開封性、耐熱ブロッキング性が ずれも良好な熱収縮性フィルムを得ること 可能となる。延伸ギャップ比率が0.10未満で ると、ラベルとしてボトルに装着した際に ひけが起こり易くなるので好ましくなく、 対に、延伸ギャップ比率が0.50を上回ると、 延伸斑が発生して厚み斑が悪くなるので好ま しくない。

 加えて、本発明の横-縦延伸法によるフィ ルムの製造においては、上記の如く、横延伸 後に中間熱処理を施してから長手方向に延伸 した後に、テンター内で幅方向の両端際をク リップによって把持した状態で、80℃以上100 以下の温度で1.0秒以上10.0秒以下の時間に亘 って熱処理(以下、最終熱処理という)するこ も可能である。かかる最終熱処理を行うこ によって、最終的なフィルムの収縮率を精 良く調整することが可能となる。なお、最 熱処理の温度や時間は、原料組成に応じて 宜調整するのが好ましい。

 なお、上記した(1)~(3)の手段の内の特定の 何れかのみが、フィルムの長手方向における 熱収縮性、ミシン目開封性、安定した製膜性 に有効に寄与するものではなく、(1)と(2)、又 は(1)~(3)の手段を組み合わせて用いることに り、非常に効率的に、長手方向における熱 縮性、ミシン目開封性、安定した製膜性を 現させることが可能となるものと考えられ 。

[フィルム製造の各工程がフィルム特性に与 る影響]
 本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム おける長手方向の温湯収縮率、幅方向の温 収縮率、長手方向の直角引裂強度、エルメ ドルフ比等の特性は、フィルムの製造にお る横延伸工程、中間熱処理工程、縦延伸工 、最終熱処理工程の条件によってコントロ ルすることが可能である。すなわち、中間 処理の温度を増加させると、長手方向の温 熱収縮率が増加し、幅方向の温湯熱収縮率 減少する。また、縦延伸倍率を増加させる 、長手方向および幅方向の温湯熱収縮率が 加する。さらに、縦延伸倍率を増加させる 、直角引裂強度が増加し、長手方向のエル ンドルフ引裂荷重が減少し、幅方向のエル ンドルフ引裂荷重が増加する。一方、縦延 する際の延伸温度を増加させると、長手方 の温湯熱収縮率が減少し、幅方向の温湯熱 縮率が増加する。さらに、縦延伸する際の 伸温度を増加させると、直角引裂強度が低 し、長手方向のエルメンドルフ引裂荷重が 加し、幅方向のエルメンドルフ引裂荷重が 少する。しかしながら、本発明の熱収縮性 リオレフィン系フィルムの製造に当たって 、横延伸工程、中間熱処理工程、縦延伸工 の内の何れかの工程のみが、単独でフィル の特性を良好なものとすることができるも ではなく、横延伸工程、中間熱処理工程、 延伸工程のすべてを上記した所定の条件に 行うことにより、非常に効率的にフィルム 特性を良好なものとすることが可能となる のと考えられる。

 以下、実施例によって本発明をより詳細に 明するが、本発明は、かかる実施例の態様 何ら限定されるものではなく、本発明の趣 を逸脱しない範囲で、適宜変更することが 能である。実施例、比較例で使用した原料 性状、組成、実施例、比較例におけるフィ ムの製造条件(延伸・熱緩和処理条件等)を それぞれ表1、表2、表4、及び表5に示す。な 、表1及び表4における樹脂原料A~Fは、以下 通りである。
・樹脂原料A:ポリプロピレン-エチレンランダ ム共重合体(住友化学株式会社製 S131 エチレ ン=5.5質量%、MFR=1.2g/10分、融点135℃)
・樹脂原料B:ポリプロピレン-エチレン,ブテ ランダム共重合体(住友化学株式会社製 FSX66 E8 エチレン=2.5質量%、ブテン=6.9質量%、MFR=3.0 g/10分、融点134℃)
・樹脂原料C:ポリプロピレン-エチレンランダ ム共重合体(住友化学株式会社製 FS2011DG3 エ レン=0.6質量%、MFR=2.5g/10分、融点158℃)94質量 %中にステアリン酸モノグリセリンエステル( 電防止剤 理研ビタミン株式会社製 リケマ ールS-100)6質量%を添加したもの
・樹脂原料D:ポリプロピレン-エチレンランダ ム共重合体(住友化学株式会社製 FS2011DG3 エ レン=0.6質量%、MFR=2.5g/10分、融点158℃)94質量 %中にステアリン酸モノグリセリンエステル( 電防止剤 理研ビタミン株式会社製 リケマ ールS-100)6質量%を添加したもの
・樹脂原料E:ポリプロピレン-エチレンランダ ム共重合体(住友化学株式会社製 FS2011DG3 エ レン=0.6質量%、MFR=2.5g/10分、融点158℃)80質量 %中に有機ポリマー微粒子(住友化学株式会社  CS30 平均粒子径3.5μm)20質量%を添加したも
・樹脂原料F:環状ポリオレフィン(三井化学株 式会社製 APEL 8008T MFR=15g/10分、Tg=70℃)

 また、フィルムの評価方法は下記の通り ある。

[Tm(融点)]
 セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱 計(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mg 採取し、室温より昇温速度10℃/分で昇温し ときの吸熱曲線のピークの温度より求めた

[エチレン、ブテン含有量]
 プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン -ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-ブテ ン共重合体中のエチレンあるいはブテンの含 有量は、高分子分析ハンドブック(1995年、紀 国屋書店発行)の第615~617頁に記載された方 により、13C-NMRスペクトル法によって決定す 。なお、同書の256頁「(i)ランダム共重合体 の項記載の方法によってIRスペクトル法で 定することも可能である。

[熱収縮率(温湯熱収縮率)]
 フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定 温度(70℃,75℃,80℃,85,90℃)±0.5℃の温水中にお いて、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮さ た後、フィルムの縦および横方向の寸法を 定し、上式1にしたがって、それぞれ熱収縮 率を求めた。当該熱収縮率の大きい方向(長 方向)を主収縮方向とした。

[直角引裂強度]
 所定の大きさの矩形(長手方向×幅方向=150mm 150mm)に切断したフィルムを80℃に調整された 温湯中にて主収縮方向に10%収縮させた。また 、80℃で10%収縮しないフィルムについては、 5秒間に亘って80℃の温水に浸漬させること よって収縮可能な分だけ収縮させた。しか 後に、JIS-K-7128に準じて、図1に示す形状に ンプリングすることによって試験片を作製 た(なお、サンプリングにおいては、試験片 長手方向をフィルムの主収縮方向とした)。 しかる後に、万能引張試験機((株)島津製作所 製 オートグラフ)で試験片の両端を掴み、引 張速度200mm/分の条件にて、フィルムの幅方向 における引張破壊時の強度の測定を行い、上 式2を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度 算出した。

[エルメンドルフ比]
 得られたフィルムを矩形状の枠に予め弛ま た状態で装着し(フィルムの両端を枠によっ て把持させ)、弛んだフィルムが枠内で緊張 態となるまで(弛みがなくなるまで)、約5秒 に亘って80℃の温水に浸漬させることによっ て、フィルムを主収縮方向に10%収縮させた( 下、予備収縮という)。また、80℃で10%収縮 ないフィルムについては、約5秒間に亘って8 0℃の温水に浸漬させることによって収縮可 な分だけ収縮させた。しかる後に、JIS-K-7128 準じて、主収縮方向×直交方向=63mm×75mmのサ イズに切り取り、長尺な端縁(直交方向に沿 た端縁)の中央から当該端縁に直交するよう 20mmのスリット(切り込み)を入れることによ て試験片を作製した。そして、作製された 験片を用いて主収縮方向のエルメンドルフ 裂荷重の測定を行った。また、上記方法と 様な方法でフィルムを主収縮方向に予備収 させた後に、フィルムの主収縮方向と直交 向とを入れ替えて試験片を作製し、直交方 のエルメンドルフ引裂荷重の測定を行った そして、得られた主収縮方向および主収縮 向と直交する方向のエルメンドルフ引裂荷 から上式3を用いてエルメンドルフ比を算出 した。

[溶剤接着強度]
 延伸したフィルムにテトラヒドロフランを いてシールを施した(塗布量が5.0g/m2となる うにテトラヒドロフランをフィルム表面へ 布した後、当該フィルム表面上に速やかに のフィルム(表面)を接着)。シール部をフィ ムの主延伸方向に15mmの幅に切り取り、それ (株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 S TM-50」にセットし、180°ピール試験で引張速 200mm/分で測定した。

[収縮仕上り性]
 主収縮方向が長手方向のフィルムロールに いては、得られたフィルムロールを、約120m mの幅にスリットした上で、所定の長さに分 して巻き取ることによって小型のスリット ールを作成し、そのスリットロールに、予 東洋インキ製造(株)の草色・金色・白色のイ ンキを用いて、ラベル用の印刷(3色印刷)を繰 り返し施した。また、各ラベル用印刷毎に、 フィルムロールの長手方向と直交する方向に 、フィルム全幅に亘るミシン目(約1mm間隔で 1mm径の円が連続するミシン目)を、約22mmの間 隔で2本平行に形成した。そして、ラベル用 印刷が施されたロール状のフィルムの片方 端部を、350mlの角型ホット用PETボトル(中身 充填したもの)の外周の一部に塗布した粘着 の上に重ねることによって接着し、その状 で、ロール状のフィルムを所定の長さだけ き出して、PETボトルの外周に捲回させた。 かる後、PETボトルの外周で重なり合った熱 縮性フィルム同士を上記した粘着剤によっ 貼り合わせながら、カッターにより外側の ィルムを鉛直方向に切断することによって PETボトルの外周にラベルを被覆させた。

 一方、主収縮方向が幅方向のフィルムロ ルについては、熱収縮性フィルムに、予め 洋インキ製造(株)の草色・金色・白色のイ キで3色印刷を施した。そして、印刷したフ ルムの両端部を白光株式会社製、白光シー ー(型式:No.310-1)でヒートシールすることに り、円筒状のラベルを作成した。しかる後 作成されたラベルをPETボトルの周囲に装着 た。

 そして、Fuji Astec Inc製スチームトンネル( 式;SH-1500-L)を用い、ラベルを被覆させたPETボ トル(長手方向が主収縮方向であるフィルム らなるラベルを被覆させたPETボトル、およ 、幅方向が主収縮方向であるフィルムから るラベルを被覆させたPETボトル)を、通過時 10秒、ゾーン温度80℃の条件下で通過させ、 PETボトルの外周においてラベルを熱収縮させ ることによってラベルの装着を完了した。な お、装着の際には、ネック部においては、直 径40mmの部分がラベルの一方の端になるよう 調整した。収縮後の仕上がり性の評価は目 で行い、基準は下記の通りとした。
 ◎:シワ,飛び上り、収縮不足の何れも未発 で、かつ色の斑も見られない
 ○:シワ,飛び上り、または収縮不足が確認 きないが、若干、色の斑が見られる
 △:飛び上り、収縮不足の何れも未発生だが 、ネック部の斑が見られる
 ×:シワ、飛び上り、収縮不足が発生

[ミシン目開封性]
 予め主収縮方向とは直交する方向にミシン を入れておいたラベルを、上記した収縮仕 り性の測定条件と同一の条件でPETボトルに 着した。ただし、ミシン目は、長さ1mmの孔 1mm間隔で入れることによって形成し、ラベ の縦方向(高さ方向)に幅22mm、長さ120mmに亘 て2本設けた。その後、このボトルを5℃で冷 蔵し、冷蔵庫から取り出した直後のボトルの ラベルのミシン目を指先で引裂き、縦方向に ミシン目に沿って綺麗に裂け、ラベルをボト ルから外すことができた本数を数え、全サン プル50本に対する割合(%)を算出した。

[実施例1]
 共押出法を利用して、2つの押出機(第一,第 押出機)からポリオレフィン系樹脂を溶融押 出し(ダイス内で積層して押出し)し、30℃に 却された回転する金属ロールに巻き付けて 冷することにより、二種三層構成の未延伸 ィルム(ポリオレフィン系樹脂積層シート)を 得た。このときの未延伸フィルムの引取速度 (金属ロールの回転速度)は、約6.8m/min.であっ 。未延伸フィルムの各層の形成方法(溶融押 出までの工程)は、以下の通りである。なお 以下の説明においては、ポリオレフィン系 脂積層シートの表層から順に、第一層、第 層、第三層という(すなわち、第三層の表面 、金属ロール接触面である)。なお、未延伸 フィルムの形成における第一,第二押出機の 出量は、第一層/第二層/第三層の厚み比が、 1/4/1となるように調整した。

・第一層および第三層(スキン層)の形成
 乾燥させた上記原料樹脂E,Fを、押出機(第一 押出機)のホッパに、定量スクリューフィー ーで連続的に別々に供給した。なお、原料 脂Fの供給量を99質量%とし、原料樹脂Eの供給 量を1質量%とした。そして、供給された原料 脂F,Eを、ホッパ内で混合し、単軸式の第一 出機により250℃でTダイから溶融押出しした 。

・第二層(コア層)の形成
 乾燥させた上記原料樹脂Aを、押出機(第二 出機)のホッパに、定量スクリューフィーダ で連続的に別々に供給した。そして、供給 れた原料樹脂Aを、単軸式の第二押出機によ り250℃でTダイから溶融押出しした。

 しかる後、得られた未延伸フィルムを、 延伸ゾーン、中間ゾーン、中間熱緩和処理 ーンを連続的に設けたテンターに導いた。 お、当該テンターにおいては、横延伸ゾー と中間熱緩和処理ゾーンとの中間に位置し 中間ゾーンの長さが、約40cmに設定されてい る。また、中間ゾーンにおいては、フィルム を通過させていない状態で短冊状の紙片を垂 らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方 向に垂れ下がるように、延伸ゾーンからの熱 風および熱処理ゾーンからの熱風が遮断され ている。

 そして、テンターに導かれた未延伸フィ ムを、フィルム温度が90℃になるまで予備 熱した後、横延伸ゾーンで横方向に100℃で6. 5倍に延伸し、中間ゾーンを通過させた後に 中間熱緩和処理ゾーンへ導き、130℃の温度 43秒間に亘って熱処理することによって厚み 100μmの横一軸延伸フィルムを得た。しかる後 、テンターの後方に設けられた左右一対のト リミング装置(周状の刃先を有する丸刃によ て構成されたもの)を利用して、横一軸延伸 ィルムの端縁際(中央のフィルム厚みの約1.2 倍の厚みの部分)を切断し、切断部位の外側 位置したフィルムの端部を連続的に除去し 。

 さらに、そのように端部をトリミングし フィルム(フィルム幅=500mm)を、複数のロー 群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予 ロール上でフィルム温度が90℃になるまで予 備加熱した後に、表面温度80℃に設定された 速延伸ロールと内部の循環水の温度が30℃ 設定された高速延伸ロールとの間で3.0倍に 伸した。なお、低速ロールの速度(低速ロー とともに移動するフィルムの速度)は、1.0m/m in.に調整し、高速ロールの速度(高速ロール ともに移動するフィルムの速度)は、3.0m/min. 調整した。また、低速延伸ロールと高速延 ロールとの延伸ギャップは30mmに調整した( 伸ギャップ比率=0.06)。

 そして、上記の如く縦延伸した後のフィ ムを紙管に巻き取ることによって、約40μm 二軸延伸フィルム(熱収縮性ポリオレフィン ィルム)を所定の長さだけ捲回したフィルム ロールを得た。そして、得られたフィルムの 特性を上記した方法によって評価した。評価 結果を表3に示す。

[実施例2]
 縦延伸する際の低速延伸ロールの温度を90 に変更した以外は、実施例1と同様の方法に って、熱収縮性フィルムを捲回したフィル ロールを得た。そして、得られたフィルム 特性を実施例1と同様の方法によって評価し た。評価結果を表3に示す。

[実施例3]
 縦延伸する際の低速延伸ロールの温度を85 に変更し、低速ロールの速度を1.5m/min.に変 することによって縦延伸倍率を2倍に変更し 以外は、実施例1と同様の方法によって、熱 収縮性フィルムを捲回したフィルムロールを 得た。そして、得られたフィルムの特性を実 施例1と同様の方法によって評価した。評価 果を表3に示す。

[実施例4]
 コア層を形成する原料樹脂を原料樹脂Bに変 更した以外は、実施例1と同様の方法によっ 、熱収縮性フィルムを捲回したフィルムロ ルを得た。そして、得られたフィルムの特 を実施例1と同様の方法によって評価した。 価結果を表3に示す。

[実施例5]
 縦延伸する際の低速ロールの速度を2.0m/min. 、高速ロールの速度を6.0m/min.にそれぞれ変 することによって縦延伸倍率を3倍とした以 外は、実施例1と同様の方法によって、熱収 性フィルムを捲回したフィルムロールを得 。そして、得られたフィルムの特性を実施 1と同様の方法によって評価した。評価結果 表3に示す。

[実施例6]
 横延伸における延伸温度を80℃に変更した 外は、実施例1と同様の方法によって、熱収 性フィルムを捲回したフィルムロールを得 。そして、得られたフィルムの特性を実施 1と同様の方法によって評価した。評価結果 を表3に示す。

[実施例7]
 未延伸の樹脂シートを形勢する際に、吐出 を調整、変更し、横延伸における延伸倍率 4.5倍に変更し、さらに縦延伸する際の低速 ールの速度を1.5m/min.に変更することによっ 縦延伸倍率を2倍に変更した以外は、実施例 1と同様の方法によって、厚さ約60μmの熱収縮 性フィルムを捲回したフィルムロールを得た 。そして、得られたフィルムの特性を実施例 1と同様の方法によって評価した。評価結果 表3に示す。

[比較例1]
 未延伸の樹脂シートを形勢する際に、押出 を調整、変更した以外は、実施例1と同様に 得られた横延伸フィルムを、中間ゾーンを通 過させた後に中間熱緩和処理ゾーンへ導き、 75℃の温度で43秒間に亘って熱処理し、その 処理後のフィルムを紙管に巻き取ることに って、約60μmの横延伸フィルムを所定の長さ だけ捲回したフィルムロールを得た。そして 、得られたフィルムの特性を上記した方法に よって評価した。なお、得られたフィルムは 、フィルム幅方向が主収縮方向であるので、 直角引裂強度、エルメンドルフ比、ミシン目 開封性の評価については、他の実施例、比較 例とフィルム試料の長手方向/幅方向を逆に て評価している。評価結果を表3に示す。

[比較例2]
 未延伸の樹脂シートを形成する際に、第一 出機および第二押出機に供給する樹脂原料 表1の如く変更した他、スキン層とコア層の 層厚みを後記表3の如く変更した以外は、実 例1と同様の方法によって、熱収縮性フィル を捲回したフィルムロールを得た。そして 得られたフィルムの特性を実施例1と同様の 方法によって評価した。評価結果を表3に示 。

[比較例3]
 未延伸の樹脂シートを形成する際に、第一 出機および第二押出機に供給する樹脂原料 表1の如く変更し、実施例1と同様の方法に って、熱収縮性フィルムを作成しようとし が、破断によりフィルムを作成することが きなかった。

[比較例4]
 未延伸の樹脂シートを形成する際に、第一 出機および第二押出機に供給する樹脂原料 表1の如く変更し、横延伸における延伸温度 (フィルム温度)を165℃に変更し、中間熱緩和 理における中間熱緩和処理ゾーンの温度を1 60℃に変更し、縦延伸における縦延伸温度(低 速ロールの温度)を140℃に変更した以外は、 施例1と同様の方法によって、約30μmの熱収 性フィルムを捲回したフィルムロールを得 。そして、得られたフィルムの特性を実施 1と同様の方法によって評価した。評価結果 表3に示す。

[比較例5]
中間熱緩和処理ゾーンでの熱処理温度を80℃ 変更した以外は、実施例1と同様の方法によ って、熱収縮性フィルムを捲回したフィルム ロールを得た。そして、得られたフィルムの 特性を実施例1と同様の方法によって評価し 。評価結果を表3に示す。

[比較例6]
未延伸の樹脂シートを形勢する際に、吐出量 を調整、変更し、さらに横延伸における延伸 倍率を2.0倍に変更した以外は、実施例1と同 の方法によって、厚さ約60μmの熱収縮性フィ ルムを捲回したフィルムロールを得た。そし て、得られたフィルムの特性を実施例1と同 の方法によって評価した。評価結果を表3に す。

 表3から明らかなように、実施例1~7で得ら れたフィルムは、いずれも、主収縮方向であ る長手方向への収縮性が高く、主収縮方向と 直交する幅方向への収縮性は非常に低かった 。また、実施例1~7で得られたフィルムは、い ずれも、収縮斑もなく、収縮仕上がり性、ミ シン目開封性、溶剤接着性が良好であった。 すなわち、実施例で得られた熱収縮性ポリオ レフィン系フィルムは、いずれもラベルとし ての品質が高く、きわめて実用性の高いもの であった。

 それに対して、比較例1および6で得られた 収縮性フィルムは、ミシン目開封性が不良 あった。また、比較例2で得られた熱収縮性 ィルムは、溶剤接着強度が低かった。さら 、比較例3の条件では、評価し得るフィルム を得ることができなかった。さらに、比較例 4で得られたフィルムは、長手方向の熱収縮 がきわめて低く、ラベルとして装着させた の収縮斑がひどかった。加えて、ミシン目 封性、溶剤接着強度も不良であった。比較 5で得られたフィルムは、ラベルとして装着 せた際に、飛び上り、顕著な縦ひけが発生 た。
すなわち、比較例で得られた熱収縮性ポリオ レフィン系フィルムは、いずれもラベルとし ての品質に劣り、実用性の低いものであった 。

[実施例8]
 共押出法を利用して、2つの押出機(第一,第 押出機)からポリオレフィン系樹脂を溶融押 出し(ダイス内で積層して押出し)し、30℃に 却された回転する金属ロールに巻き付けて 冷することにより、二種三層構成の未延伸 ィルム(ポリオレフィン系樹脂積層シート)を 得た。このときの未延伸フィルムの引取速度 (金属ロールの回転速度)は、約6.8m/min.であっ 。未延伸フィルムの各層の形成方法(溶融押 出までの工程)は、以下の通りである。なお 以下の説明においては、ポリオレフィン系 脂積層シートの表層から順に、第一層、第 層、第三層という(すなわち、第三層の表面 、金属ロール接触面である)。なお、未延伸 フィルムの形成における第一,第二押出機の 出量は、第一層/第二層/第三層の厚み比が、 1/4/1となるように調整した。

・第一層および第三層(スキン層)の形成
 乾燥させた上記原料樹脂E,Fを、押出機(第一 押出機)のホッパに、定量スクリューフィー ーで連続的に別々に供給した。なお、原料 脂Fの供給量を99質量%とし、原料樹脂Eの供給 量を1質量%とした。そして、供給された原料 脂F,Eを、ホッパ内で混合し、単軸式の第一 出機により250℃でTダイから溶融押出しした 。

・第二層(コア層)の形成
 乾燥させた上記原料樹脂Aを、押出機(第二 出機)のホッパに、定量スクリューフィーダ で連続的に別々に供給した。そして、供給 れた原料樹脂Aを、単軸式の第二押出機によ り250℃でTダイから溶融押出しした。

 しかる後、得られた未延伸フィルムを、 延伸ゾーン、中間ゾーン、中間熱緩和処理 ーンを連続的に設けたテンターに導いた。 お、当該テンターにおいては、横延伸ゾー と中間熱緩和処理ゾーンとの中間に位置し 中間ゾーンの長さが、約40cmに設定されてい る。また、中間ゾーンにおいては、フィルム を通過させていない状態で短冊状の紙片を垂 らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方 向に垂れ下がるように、延伸ゾーンからの熱 風および熱処理ゾーンからの熱風が遮断され ている。

 そして、テンターに導かれた未延伸フィ ムを、フィルム温度が95℃になるまで予備 熱した後、横延伸ゾーンで横方向に100℃で6. 5倍に延伸し、中間ゾーンを通過させた後に 中間熱緩和処理ゾーンへ導き、130℃の温度 43秒間に亘って熱処理することによって厚み 100μmの横一軸延伸フィルムを得た。しかる後 、テンターの後方に設けられた左右一対のト リミング装置(周状の刃先を有する丸刃によ て構成されたもの)を利用して、横一軸延伸 ィルムの端縁際(中央のフィルム厚みの約1.2 倍の厚みの部分)を切断し、切断部位の外側 位置したフィルムの端部を連続的に除去し 。

 さらに、そのように端部をトリミングし フィルム(フィルム幅=500mm)を、複数のロー 群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、予 ロール上でフィルム温度が90℃になるまで予 備加熱した後に、表面温度90℃に設定された 速延伸ロールと内部の循環水の温度が30℃ 設定された高速延伸ロールとの間で3.0倍に 伸した。なお、低速ロールの速度(低速ロー とともに移動するフィルムの速度)は、2.0m/m in.に調整し、高速ロールの速度(高速ロール ともに移動するフィルムの速度)は、6.0m/min. 調整した。また、低速延伸ロールと高速延 ロールとの延伸ギャップ(低速延伸ロールと フィルムとの接点から高速延伸ロールとフィ ルムとの接点までの長さ)は116mmに調整した。 したがって、延伸ギャップ比率は、0.23であ た。

 そして、上記の如く縦延伸した後のフィ ムを紙管に巻き取ることによって、約46μm 二軸延伸フィルム(熱収縮性ポリオレフィン ィルム)を所定の長さだけ捲回したフィルム ロールを得た。そして、得られたフィルムの 特性を上記した方法によって評価した。評価 結果を表6に示す。

[実施例9]
 縦延伸する際の低速ロールの速度を3.0m/min. 変更し、高速ロールの速度を9.0m/min.に変更( 縦延伸倍率=3.0倍)した以外は、実施例8と同様 の方法によって、熱収縮性フィルムを捲回し たフィルムロールを得た。そして、得られた フィルムの特性を実施例8と同様の方法によ て評価した。評価結果を表6に示す。

[実施例10]
 コア層を形成する原料樹脂を原料樹脂Bに変 更した以外は、実施例8と同様の方法によっ 、熱収縮性フィルムを捲回したフィルムロ ルを得た。そして、得られたフィルムの特 を実施例8と同様の方法によって評価した。 価結果を表6に示す。

[実施例11]
 横延伸における延伸温度を80℃に変更した 外は、実施例8と同様の方法によって、熱収 性フィルムを捲回したフィルムロールを得 。そして、得られたフィルムの特性を実施 8と同様の方法によって評価した。評価結果 を表6に示す。

[実施例12]
 横延伸における延伸倍率を4.5倍に変更し、 らに縦延伸する際の高速ロールの速度を8.0m /min.に変更することによって縦延伸倍率を4倍 に変更した以外は、実施例8と同様の方法に って、熱収縮性フィルムを捲回したフィル ロールを得た。そして、得られたフィルム 特性を実施例8と同様の方法によって評価し 。評価結果を表6に示す。

[比較例7]
 実施例8と同様に得られた未延伸フィルムを 、中間熱緩和処理、横延伸することなく、実 施例8と同一の条件で縦延伸し、その縦延伸 ィルムを所定の長さだけ紙管に巻き取るこ によってフィルムロールを得た。なお、未 伸フィルムの製造の際には、第一押出機お び第二押出機の吐出量を実施例8における吐 量よりも少なくすることによって、縦延伸 ィルムの厚みが約45μmとなるように調整し 。また、第一層~第三層の厚み比は、実施例8 と同様になるように調整した。そして、得ら れたフィルムの特性を上記した方法によって 評価した。評価結果を表6に示す。

[比較例8]
 未延伸の樹脂シートを形成する際に、第一 出機および第二押出機に供給する樹脂原料 表4の如く変更した(すなわち、第一押出機 は乾燥した原料樹脂C,D,Eを、それぞれ、90質 %、8質量%、2質量%の割合で供給し、第二押 機には乾燥した原料樹脂Cを供給した)。それ 以外は、実施例8と同様の方法によって、熱 縮性フィルムを捲回したフィルムロールの 製を試みたが、評価し得るフィルムを得る とができなかった。

[比較例9]
 未延伸の樹脂シートを形成する際に、第一 出機および第二押出機に供給する樹脂原料 表4の如く変更した(すなわち、第一押出機 は乾燥した原料樹脂C,D,Eを、それぞれ、90質 %、8質量%、2質量%の割合で供給し、第二押 機には乾燥した原料樹脂Cを供給した)。また 、横延伸における延伸温度(フィルム温度)を1 65℃に変更した。それ以外は、実施例8と同様 の方法によって、熱収縮性フィルムを捲回し たフィルムロールを得た。そして、得られた フィルムの特性を実施例8と同様の方法によ て評価した。評価結果を表6に示す。

[比較例10]
未延伸の樹脂シートを形勢する際に、吐出量 を調整、変更し、さらに横延伸における延伸 倍率を2.0倍に変更した以外は、実施例8と同 の方法によって熱収縮性フィルムを捲回し フィルムロールを得た。なお、未延伸フィ ムの製造の際には、第一押出機および第二 出機の吐出量を実施例8における吐出量より 少なくすることによって、縦延伸フィルム 厚みが約45μmとなるように調整した。また 第一層~第三層の厚み比は、実施例8と同様に なるように調整した。そして、得られたフィ ルムの特性を実施例8と同様の方法によって 価した。評価結果を表6に示す。

 表6から明らかなように、実施例8~12で得 れたフィルムは、いずれも、主収縮方向で る長手方向への収縮性が高く、主収縮方向 直交する幅方向への収縮性は非常に低かっ 。また、実施例8~12で得られたフィルムは、 ずれも、収縮斑もなく、収縮仕上がり性、 シン目開封性、溶剤接着性が良好であった すなわち、実施例で得られた熱収縮性ポリ レフィン系フィルムは、いずれもラベルと ての品質が高く、きわめて実用性の高いも であった。

 それに対して、比較例7および10で得られ 熱収縮性フィルムは、ミシン目開封性が不 であった。また、比較例8の条件では、評価 し得るフィルムを得ることができなかった。 さらに、比較例9で得られたフィルムは、長 方向の熱収縮率がきわめて低く、ラベルと て装着させた際の収縮斑がひどい上、溶剤 着性も不良であった。すなわち、比較例で られた熱収縮性ポリオレフィン系フィルム 、いずれもラベルとしての品質に劣り、実 性の低いものであった。

 本発明の熱収縮性ポリオレフィン系フィ ムは、上記の如く優れた加工特性を有して るので、ボトルのラベル用途に好適に用い ことができる。

直角引裂強度の測定における試験片の 状を示す説明図である(なお、図中における 試験片の各部分の長さの単位はmmである)。

符号の説明

 F・・フィルム。