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Title:
HIT POSITION DETECTING DEVICE, HIT POSITION DETECTING METHOD, AND METHOD FOR MANUFACTURING HIT POSITION DETECTING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069698
Kind Code:
A1
Abstract:
A hit position detecting device is characterized by comprising a golf club which includes a shaft having a grip part and a head portion which includes a face part having a hit surface and a back surface and is attached to one end of the shaft, vibration wave sensors provided to the back surface of the face part, secured to the head portion, and adapted to output electric signals corresponding to the vibration wave produced when the face part hits, a calculating unit which detects the arrival times when the vibration wave produced in the face part when a ball is hit arrives at the vibration wave sensors from the electric signals, calculates the ball hit position on the face part from the differences among the arrival times, and outputs the hit position signal, a display unit for indicating the hit position on the face part according to the hit position signal, and a power supply for supplying power to the vibration wave sensors, the calculating unit, and the display unit.

Inventors:
IWAHASHI MASAYOSHI (JP)
IKKA AKINARI (JP)
IZUMIKAWA PETE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071546
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MUGEN INC (JP)
IWAHASHI MASAYOSHI (JP)
IKKA AKINARI (JP)
IZUMIKAWA PETE (JP)
International Classes:
A63B69/36; A63B53/00; A63B53/04; A63B102/32
Foreign References:
JPH03146079A1991-06-21
JPS59231462A1984-12-26
JP2006242650A2006-09-14
JP2005006828A2005-01-13
JP2007130245A2007-05-31
JPS63206266A1988-08-25
JP2004081407A2004-03-18
US4991850A1991-02-12
JP2004358180A2004-12-24
JP2007296155A2007-11-15
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 グリップ部を有するシャフトと、打撃面と裏面とを有するフェース部を備え前記シャフトの先端に取付けられたヘッド部と、を備えたゴルフクラブと;
 前記フェース部の前記裏面側に配置されかつ前記ヘッド部に固定され、前記フェース部への打撃により生じる振動波に応じた電気信号を出力する複数の振動波センサと;
 ボールの打撃により前記フェース部に生じる振動波の前記複数の振動波センサにおける各到達時刻を前記電気信号に基づいて検出し、前記複数の到達時刻の差に基づいて前記フェース部におけるボールの打撃位置を算出して打撃位置信号として出力する演算部と;
 前記演算部が出力した前記打撃位置信号に基づいて前記フェース部における打撃位置を表示する表示部と;
 前記複数の振動波センサと前記演算部と前記表示部に給電を行う電源と;を備えることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、少なくとも3個の前記振動波センサを備え、前記演算部は、前記振動波センサの2個を一対とみなして前記到達時刻の差を検出し、少なくとも2対の前記振動波センサにより得られる前記到達時刻の差に基づいて前記打撃位置を算出することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項2に記載の打撃位置検出装置であって、前記演算部は、
(1)前記振動波センサの第1対が前記振動波の到達を検知した時刻の差をδT1とし、
(2)前記振動波センサの第2対が前記振動波の到達を検知した時刻の差をδT2とし、
(3)前記演算部に予め記憶している振動伝播定数をa,b,c,dとし、
(4)前記第1対の各振動波センサから仮想打撃位置までの距離の差δL1 として、
   δL1=a×δT1+b を算出し、
(5)前記第2対の各振動波センサから前記仮想打撃位置までの距離の差δL2として、
   δL2=c×δT2+d を算出し、
(6)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全ての領域の各位置Pについて、予め求めておいた前記第1対の各振動波センサからの距離差をδLp1とし、
(7)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全ての領域の各位置Pについて、予め求めておいた前記第2対の各振動波センサからの距離差をδLp2 とし、
(8)下記式により位置Psを求め、
  Ps=min{(δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) }
  ここで、演算子min{ }は、{ }内の値が最小となる位置Pを表す、
位置Psを前記打撃位置とすることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記フェース部の前記打撃面が略台形であり、4個の前記振動波センサが、前記台形の4つの頂点に配置されていることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項4に記載の打撃位置検出装置であって、前記台形の対角線が、前記フェース部の中央部において直交することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項4に記載の打撃位置検出装置であって、前記4個の振動波センサのうちの1つが動作不良になったことを検知する動作不良検知部を備え、前記演算部は、前記動作不良検知部により前記振動波センサのうちの1つが動作不良になったことが検知された場合に、残り3個の前記振動波センサを2対とみなして前記打撃位置を算出することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記振動波センサは、粘弾性体状物及び/または弾性体状物を介して前記フェース部の裏面に固定されていることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記振動波センサは、前記フェース部に垂直に固定されかつ内部が空洞の柱状物により固定されていることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記シャフトの位置、角度、速度、加速度、及び、前記ヘッド部の速度、加速度、からなる群から選ばれた少なくとも1つの物理量を計測する計測部を備え、
 前記演算部は、前記計測部が計測した少なくとも1つの前記物理量が予め設定された所定値に到達した場合に起動することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記ヘッド部の速度を検知するヘッド速度測定部を備え、
 前記演算部は、前記打撃位置と前記ヘッド速度とから打撃されたゴルフボールの飛距離を算出し、前記表示部は、前記飛距離を表示することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記表示部は、前記ヘッド部の模式図上に所定のシンボルを用いて打撃位置を表示することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記演算部は、前記打撃位置が前記フェース部のスイートスポットまたは飛距離の大きい領域に近い程高くなる得点を算出し、前記表示部は、前記得点を表示することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項11に記載の打撃位置検出装置であって、前記表示部は、前記シンボルを点滅させる機能を有していることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記演算部は、前記打撃位置信号を記憶するメモリ機能を有し、要求に応じて過去の打撃位置を前記表示部に表示させることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記複数の振動波センサはスイング時に自動的に測定状態となり、前記表示部は、スイング時に自動的に表示画面が切り換わりかつ消去された画像を元に戻すリセットボタンを有することを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記シャフト及び前記ヘッド部の少なくとも一部は発電素子で覆われており、前記発電素子は、前記複数の振動波センサ及び前記表示部に必要な電力の少なくとも一部を供給するように電気接続されていることを特徴とする打撃位置検出装置。
 請求項1に記載の打撃位置検出装置であって、前記複数の振動波センサが出力した前記電気信号を無線送信する送信部と;
 前記ゴルフクラブとは独立して設けられ前記電気信号を受信する受信部と;をさらに備え、
 前記演算部及び前記表示部は、前記ゴルフクラブとは独立に配置されて前記受信部に接続されていることを特徴とする打撃位置検出装置。
 グリップ部を有するシャフトと、打撃面と裏面とを有するフェース部を備え前記シャフトの先端に取付けられたヘッド部と、を備えたゴルフクラブを用いてボールを打撃する工程と;
 前記ボールの打撃により前記フェース部に生じる振動波が、前記フェース部の前記裏面側に配置されかつ前記ヘッド部に固定された複数の振動波センサに到達する各時刻を検出する工程と;
 前記振動波の各到達時刻の差に基づいて前記フェース部における前記ボールの打撃位置を算出して打撃位置信号として出力する工程と;
 前記打撃位置信号に基づいて前記フェース部における打撃位置を表示する工程と;を含むことを特徴とする打撃位置検出方法。
 請求項18に記載の打撃位置検出方法であって、前記複数の振動波センサは少なくとも3個設けられ、前記到達時刻の差の検出は、前記振動波センサの2個を一対とみなして少なくとも2対の前記振動波センサについて行い、前記打撃位置の算出は、下記手順で行うことを特徴とする打撃位置検出方法、
(1)前記振動波センサの第1対が前記振動波の到達を検知した時刻の差をδT1とし、
(2)前記振動波センサの第2対が前記振動波の到達を検知した時刻の差をδT2とし、
(3)前記演算部に予め記憶している振動伝播定数をa,b,c,dとし、
(4)前記第1対の各振動波センサから仮想打撃位置までの距離の差δL1 として、
   δL1=a×δT1+b を算出し、
(5)前記第2対の各振動波センサから前記仮想打撃位置までの距離の差δL2として、
   δL2=c×δT2+d を算出し、
(6)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全ての領域の各位置Pについて、予め求めておいた前記第1対の各振動波センサからの距離差をδLp1とし、
(7)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全ての領域の各位置Pについて、予め求めておいた前記第2対の各振動波センサからの距離差をδLp2 とし、
(8)下記式により位置Psを求め前記打撃位置とする、
  Ps=min{(δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) }
  ここで、演算子min{ }は、{ }内の値が最小となる位置Pを表す。
 ゴルフクラブのフェース部と呼ぶ打撃面の実質的最外周または輪郭部の近辺の背部であるフェース部裏側にゴルフボールを打撃した時に発生する振動波を捕えるセンサを3個以上設け;
 これらのセンサの任意の2個を一つのセンサ対とし更に当該2個のいずれか一つと他の1個の組み合わせかまたは当該2個以外の2個のセンサの組み合わせをもう一つのセンサ対としてこれら2組のセンサ対において、それぞれ対をなすセンサへのボール打撃による振動波の到達の時間的微差を算出する演算処理部を設け;
 それぞれのセンサ対の時間的微差から実質的に打点位置を計算する演算機能付きマイクロコンピュータを設け;
 前記フェース部の近似的外形と打撃位置とを同時表示する表示部を前記ゴルフクラブのシャフトに設け;
 前記マイクロコンピュータのための電源部を設けること、を特徴とする打撃位置検出装置の製造方法。
Description:
打撃位置検出装置、打撃位置検 方法、及び打撃位置検出装置の製造方法

 本願発明は、打撃位置検出装置、特にゴル クラブヘッドのフェース部における打撃位 を簡便に高精度で知ることができる打撃位 検出装置、打撃位置検出方法、及び打撃位 検出装置の製造方法に関する。
 本願は、2007年11月27日に、日本に出願され 特願2007-333133号に基づき優先権を主張し、そ の内容をここに援用する。

 古くから、練習用ゴルフクラブとして、 撃応力や打撃角度や、ボールの打撃位置(ク ラブヘッドのフェース部の何処にボールが当 ったか)を知りたいということは、練習者、 心者にとって、重大な関心事であった。

 そのため、ある種のセンサ、または、ト ンスデューサ(物理量を電気信号に変えて出 す素子、広義には一つのエネルギー形態を別 のエネルギー形態にすること)を取り付け、 れを表示器(モニタ)等で表示して見たいと言 うのは、文献を引用するまでも無く、古くか らゴルフプレーヤの願望であった。

 具体的にどのような手段か明らかにせず 抽象的にセンサと表示装置付きのゴルフク ブというだけでは、願望であって発明では い。この願望(課題)は、具体化する具体的 術・方法とその精度が全く分からないため 多くの試みや提案があるものの実質的な意 では未解決のまま実用化されず長らく放置 れて来たと考えられる(長期課題の存在の認 )。

 願望だけではなく、具体的にどういう機 を持つセンサを、何処に、どのように配置 、どう言う信号を、どのタイミングで取れ ように処理し、どのように演算処理し、ど ような表示形態・姿で、何処に、どのよう 表示し、しかも実験により正しく処理でき か否かなどの「具体的実験」に基づく具体 な精度を含めた内容の全体開示が無かった である(未解決の長期課題)。

 一方、確かな方法ではあるが、高速度カ ラで撮影する方法は、設備が大げさで高額 費用がかかり、短いシャッタ時間での感度 の関係で明るいライトが必要で、眩しさな が打撃を狂わせ、打球が飛んで来る前側か カメラで撮影しなければならないし、正面 らボールが飛んで来るので撮影者には、極 て危険であり、カメラを壊さないための保 などの重大な欠陥があった(解決手段の重大 欠点)。

 本発明者の知る限りにおいて、ボールの 撃位置を検出ために具体化された方法は、 ッドフェース部に感圧変色紙を貼り付け、 の紙の変色により何処にボールが当たった を知る手法である。これは、クラブのフェ ス部に、紙を貼り付け、また使用後、毎回 がさなければなければならないこと、感圧 の消耗と言う面倒さの繰り返しや、紙によ 打撃感が異なるという重大な欠陥があった( 解決手段の重大欠点)。

 これまでに、特許文献1,2,3には、ゴルフ ラブヘッドに加速度計や、シャフトに曲げ 力計、歪み計を取り付け、それを離れたモ タ(表示装置:それらの中には具体的には、オ ッシロスコープが記載)に示すと言う提案が されている。

 また継続するスイングでのそれらと対比 て、表示する試みも示しているが、フェー 部のどの部分に当たったかについては、表 に成功していない。これらの特許文献には にそれより以前の特許が多数引用や参考に れており、古くからの上述の願望があった とが認められる(長期課題の存在の認知)。

 特許文献4には、加速度計をヘッド内に直 交する三方向に向けて配置し、事前の打点デ ータ信号と現実の信号を対比してフェース部 の何処にヒットしたかを推定するとしている が、詳細には示していないし、精度不明で、 ボールには、強弱、回転、ボールの種類・メ ーカによる差異、湿り差、汚れ差、温度差な どがあり「加速度計」だけでは、打撃位置の 高精度表示に成功したとは見なすのに十分で はない(未解決の長期課題)。

 特許文献5には、一つの加速度センサ(ト ンスデューサ)を介して得た衝撃値により加 度の減衰と飛距離との予備的試験結果との 係のグラフから、液晶ディスプレイ(LCD)や 発光ダイオード(LED)で示すと言う提案がなさ れているが、打撃位置ではない(長期課題の 解決と結果の表示法の開示の認知)。

 特許文献6には、圧力容器などの構造物の 音源の探索のために、3個以上のセンサを設 、予め取得した既知音源の到達時刻または 高値と、未知音源の到達時刻または波高値 を比較し、両者が類似するもの(パターン距 )を探索して、未知音源に近い既知音源を認 識する手法が開示されている。

 しかし、この手段は、原子炉容器のよう 大きな対象物からの音源探査を目的として り、既知音源はそれぞれ2m程度以上離れた のものをデータ収集し、未知音源と比較す 。ゴルフクラブのような極めて小さいフェ ス部では、既知音源の音の実効値や平均値 るいは振幅でみた到達時刻は殆ど同時であ 、差異が無い。また、音の大きさについて 同様である。

 したがって、ゴルフクラブの打撃位置特 化には有効ではない(手段の不適切性)。す わち圧力容器を対象にした3次元の位置探索 法で、予め多くの打撃音源のデータを取得 ておく必要がある。また精度は予め取得す 音源の数に依存する。また、得られる検知 置は基本的には離散的な位置検知である。

 特許文献7には、打ち放し練習場の様な所 でのボールをセットする場所の下に磁気セン サを設け、スイングによる金属の移動により 発生する磁気信号を解析し、ヘッド速度、ス イング軌跡、フェース角などを測る方法が提 案されている。

 これは、打つべき打球の下に仕掛けが必 であり、大きく異なる多くのクラブの種類 左右されそれぞれの打撃位置データを明ら にし難く、係る仕掛けの設置が大げさすぎ 簡便ではないため、打撃位置を特定するこ に成功したとは見なせない。磁気センサは ラブ内ではなく、外部の特定場所に設置さ るものであり、大掛かりなものとなる(解決 手段の重大欠点、地下設備の必要性)。

 特許文献8には、選択的導電電極層と感圧 インピーダンス層を同心円的に配置し、イン パクトの力と位置を割り出す方法が提案され ている。ピッチャーの投球練習やゴルフ等の スポーツでの測定に使えるとしているが、ゴ ルフの打撃時の衝撃は、驚くべき高圧であり 、これを何処に配置するか、ヘッドの外部に 設置されると耐久性が低い、またヘッドの内 部なら衝撃がフェース部のために精度良く見 出せない、破壊されるなどの重大な欠陥があ った。特に明確にして、正しい打撃位置の特 定化には、成功していない(未解決と解決手 の重大欠点)。

 特許文献9には、ゴルフクラブに、圧力セ ンサを取り付け、ボールに関する情報をマイ クロコンピュータで、適宜場所・部位で表示 させる概念が示されている。特に、シャフト 下部に固定した「圧力」センサで、打撃力値 を測定し、表示することも記載されている。 これは、特許文献1,2,3に記載の内容と似てい 。打撃位置に関する説明が少なく明瞭でな (解決手段が願望的で不明)。

 特許文献10には、パターに着脱式のもの( ッドには、埋め込み式)で、トランスデュー サをフェース部に配置し、前後の方向の位置 に対し何処に当ったかを知るもので、直接ボ ールが触れて当たると、驚くべき衝撃値(1ト /平方センチメートルと推定)の繰り返しに えないという重大な欠陥を有する。更に、 ェース部上の位置特定はフェース部幅方向 みで(特許文献10には、ピアノの鍵盤のよう 図があるのでフェース部幅方向の位置は特 できるであろうがフェース部上下方向の位 は特定できないと思われる)、上下方向の位 が不明で、打撃位置の特定化に成功してい い(長期課題の未解決)。

 特許文献11には、最大打撃力とその打撃 置を、表示部に示すゴルフスイング評価シ テムが開示され、しかし、その目的達成の めの具体的内容が少なく、願望のようなク ームの表現をとっている。具体例としては ピエゾエレクトリックセンサ(感圧センサ)の 配置が開示され、電圧と時間の関係から解析 する手段も開示されている。

 グリップの他端、腕時計のようにリスト 表示部を設けることも開示されている。耐 性と正確性の観点から、また位置を決定す 計算の具体的開示はなく願望的で、未だ打 位置の明確表示に成功したとは見なせない( 未解決の長期課題)。

 特許文献12には、前述のような諸願望が されていると共に、具体的にはゴルフクラ のフェース部から内面に至る接触子があり 面に設けられた多数の接点ユニット(ゴム)を 設け、ボールが当ると接触子が押され接触通 電し、位置を検出し、結果を表示装置に表示 させる開示はあるが、その演算即ちどのよう に計算すると正しく表示されるかが不明で、 接触方式なので、耐久性・重さ、製作の困難 さ、数の多さと配置の限界に問題が残ってい る。外部から内部に至る多数の接触子を全面 に渡って設けることが必要である(解決手段 重大欠点、フェースに多数の孔)。

 特許文献13には、ヘッドにボールの当た 位置を検出する衝撃センサ等の検出手段を 数設け飛距離の推定、その当たり位置を表 する液晶表示方式、点灯表示方式等による 示手段をシャフト部に設ける願望、及び当 り位置によるボールの飛距離を理解させる とが記載されている。

 ヘッド金属板表面への向き出しの設置は 題があるので設置はないと考えると、金属 の裏への設置は、金属板全体に衝撃圧力が ぶので、どのように検出し、計算するかが 明で、即ち願望止まりであり、また性質の なる各種のセンサが多く羅列されているた 、一層、願望出願の感がいなめない(解決手 段が願望的で未達)。

 特許文献14には、音の解析により、特に 心円状にセンサを配した特長を生かしたも が、記されている(解決手段が願望的、詳細 置が同心円状のため本件の課題未達)。

 また、特許文献12,15-19には、フェース部 センサ群(マトリクス状または同心円状等)を 配し、最も大きい信号を発したセンサ上また はその近傍を打撃点と認識する手法であり、 センサが多く必要で重量が増える、装着が煩 雑で困難である、打撃部分に設置するので衝 撃で破損しやすい、コストがかかるなどの欠 陥がある。

 また、特許文献21には、打球音の固有振動 (周波数解析)から打撃位置を求めるものであ り、固有振動数の識別が難しく、誤差が数mm 内と言う高い精度は得られない、もしくは 現されていないなどの欠陥があると見られ 。

USP3,270,564

USP3,792,863

USP3,806,131

USP3,945,646

USP4,088,324

特開昭59-231462号公報

USP4,615,526

USP4,659,090

特開昭62-192186号公報

USP4,898,389

USP4,991,850

実開平4-92273号公報

特開2000-84133号公報

特開2004-81407号公報

特開平3-146079号公報

特開平3-146080号公報

特開昭56-31766号公報

実公平6-11027号公報

特開昭57-175371号公報

特開昭59―183773号公報

特開平10-267744号公報

 しかしながら、従来の技術には、誰しも 容易に考える抽象名詞「センサ」を取り付 て「表示」をしたいと言う一般人の「願望 項目の羅列」であって、更に一歩進めて「 撃位置」を反復して知ることが可能な「詳 な特定化」の願望を実質的に解決する手段 具体的な記載に乏しく、実用に耐える完成 れた技術が開示されておらず、そのシステ が簡単ではない(複雑)、特に打撃時の衝撃 に耐えない、判定が曖昧なまま、センサの の多さなど実質的に重くなると言う重大な 点があった。

 いかなる信号を、如何様に処すると、位 を本当に割り出せるのか計算方法や具現化 た技術、実施例が詳細になく、具体的な位 特定に成功した(発明が完成している)とは 看做せない。またそのため市場にも現時点 は、完成されたものを本発明者らは見かけ いない。

 具体的達成手段・技術が特許とされなけ ばならないのに、願望的表現、または抽象 表現の請求項が記載されて、これらの拡大 念が公知と判断され、多くの技術的進歩へ 弊害が生じている。特にゴルフクラブフェ スでの打撃位置の反復した特定化手段につ ては願望手段が、課題解決技術と誤解され きたとみなせる。

 また、上記は未だに、市場に出ていない 言うことからしても実施化困難または打撃 置の明確な判定が困難、または直ぐに壊れ 、重すぎる、外観が異常、製作困難等と言 いずれかの重大な欠陥があったと見られる

 なお、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)という 電素子(トランスデューサ)は、(1)ヘッドの 撃部の表面に硬い金属板があること、(2)外 部が固定されていること(まちまちのバウン リーコンディション付であるので解析が困 )、(3)フェース部はフラットではなく前に少 し凸の曲面であることのために、何の振動か 、どこの振動か、どのように振動するのか不 明、無限に開放された板とは全く異なること (バウンダリーコンディションがある)、起電 が小さく、壊れやすくまたは、変形してし うし、また、受信値をどのように処理すれ よいか全く不明、実験による裏づけのある 置特定化の証明が無いなどの欠点があった

 なお、圧電素子(トランスデューサ)の利 についても、圧電素子には高分子系のもの セラミック系のものがあるが、どの程度の 答速度の素子を、ヘッドのどの部分に固定 て、何の振動を、振動のどの部分を、どの うに検知するのか不明である。また、受信 をどのように処理すればよいか全く不明、 験による裏づけのある位置特定化の証明が いなどの欠点があった。

 打撃位置を求めようとする従来技術は、 般的には、フェース部全体に、多数の接触 や感圧センサを設けて、打撃時に反応する ンサあるいは最大の信号を出力するセンサ 位置またはその近傍を打撃位置と判定する 法が主流である。しかし、これらの方法は 精度を高めようとすればするほど多数のセ サが必要になり、その結果重量が増え、衝 に弱くなり、実用に耐えられないというの 最大の欠点でもあった。

 本発明は上記の諸欠陥の無い、工業化可 な実用的技術を具体的に提供することを目 とする。また、特に軽量化と精度、耐久性 いう相互矛盾の最大の課題が未だに解決し いないと考えられる欠点を改良しつつ、同 に多くのトレードオフ関係にある課題を同 に満足する手段を提供することを目的とす 。この種のトレードオフ(二律背反・多律背 反)の課題は公知の文献では、明らかになっ いないし、解決もされていない。そのため 市場に出せる(具体化し得る)発明が提供され なければならない。

 特に解決すべき主な諸課題としては、次 通りであり、他の諸目的は詳細説明の場で らかにするであろう。即ち従来の提案の未 部分を、飛躍的かつ現実に会うように改良 る事にある。

 その課題を、列挙すれば、次の通りである
(1)打撃位置が、特定の設備を設置した特定の 屋外ゴルフ練習場や特定環境の室内のみでで きるのではなく、打撃位置検知可能なゴルフ クラブを持っていれば、いつでも(例えば暗 夜の練習場でも)どこでも(例えばゴルフコー ス上でも)どんなときでも(例えば降雨の中で )利用できること、
(2)センサは、その数は最少で、かつ軽く、衝 撃等に対して壊れる確率が小さいこと、
(3)当り位置が、実質的に正しく表示され、そ の証明・確認が取れていること、
(4)打撃の瞬間の当り位置を正しく捉えている こと(ボールを打撃しない単なるスイングな で誤って表示したりしないこと)、
(5)どういう手段と計算で、打撃位置を判定し たかの真の手段の開示があること、
(6)打撃位置検知のための電子回路が簡単で小 さくできること(通常のクラブの外部に大き 構造物を装着する必要が無くシンプルであ こと)(形状)、
(7)ゴルフクラブの総重量が、実用可能な程度 に軽いこと(重量)、
(8)繰り返しの衝撃に耐えること(耐久性)、
(9)実用的な正確さの範囲で、正しく位置表示 できること(精度)、
(10)消費電力が小さいこと(電力)、
(11)生産時のコストが高価でないこと(工業化 ィージビリティ、安定性、再現性、経済性) 、
(12)加工が複雑ではないこと(製作可能なこと)
(13)使用者に操作上の負担をかけないこと(イ ジーケア、見易さ、扱い易さ、リセット性 即応性)、
(14)出来上がりがよいこと、少なくとも見苦 くないこと(感性視点の高位可能化)、
(15)外部、すなわちグランド側に、特殊な仕 けの設置の不要なこと、
(16)結果が、即座に知ることができ、表示も 易いこと、
(17)打撃位置の良し悪しが容易に知れて、上 しているかどうかが分かること、
(18)結果を見逃しても復元できること、
等の総合的諸項目をバランスよく解決するこ とを目的とする。特に工業的実施化できる課 題に答える手段を提供することにある。

 本発明は、グリップ部を有するシャフト 、打撃面と裏面とを有するフェース部を備 前記シャフトの先端に取付けられたヘッド と、を備えたゴルフクラブと;前記フェース 部の前記裏面側に配置されかつ前記ヘッド部 に固定され、前記フェース部への打撃により 生じる振動波に応じた電気信号を出力する複 数の振動波センサと;ボールの打撃により前 フェース部に生じる振動波の前記複数の振 波センサにおける各到達時刻を前記電気信 に基づいて検出し、前記複数の到達時刻の に基づいて前記フェース部におけるボール 打撃位置を算出して打撃位置信号として出 する演算部と;前記演算部が出力した前記打 位置信号に基づいて前記フェース部におけ 打撃位置を表示する表示部と;前記複数の振 動波センサと前記演算部と前記表示部に給電 を行う電源と;を備えることを特徴とする打 位置検出装置を提供する。

 上記打撃位置検出装置は、少なくとも3個 の前記振動波センサを備え、前記演算部は、 前記振動波センサの2個を一対とみなして前 到達時刻の差を検出し、少なくとも2対の前 振動波センサにより得られる前記到達時刻 差に基づいて前記打撃位置を算出してもよ 。

 上記打撃位置検出装置において、前記演算 は、
(1)前記振動波センサの第1対が前記振動波の 達を検知した時刻の差をδT1とし、
(2)前記振動波センサの第2対が前記振動波の 達を検知した時刻の差をδT2とし、
(3)前記演算部に予め記憶している振動伝播定 数をa,b,c,dとし、
(4)前記第1対の各振動波センサから仮想打撃 置までの距離の差δL1 として、δL1=a×δT1+b  算出し、
(5)前記第2対の各振動波センサから前記仮想 撃位置までの距離の差δL2として、δL2=c×δT2+ d を算出し、
(6)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全 ての領域の各位置Pについて、予め求めてお た前記第1対の各振動波センサからの距離差 δLp1とし、
(7)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全 ての領域の各位置Pについて、予め求めてお た前記第2対の各振動波センサからの距離差 δLp2 とし、
(8)下記式により位置Psを求め、
  Ps=min{(δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) }
  ここで、演算子min{ }は、{ }内の値が最小 となる位置Pを表す、
 位置Psを前記打撃位置としてもよい。

 上記打撃位置検出装置において、前記フ ース部の前記打撃面が略台形であり、4個の 前記振動波センサが、前記台形の4つの頂点 配置されていてもよい。前記台形の対角線 、前記フェース部の中央部において直交す と好ましい。さらに、前記4個の振動波セン のうちの1つが動作不良になったことを検知 する動作不良検知部を備え、前記演算部は、 前記動作不良検知部により前記振動波センサ のうちの1つが動作不良になったことが検知 れた場合に、残り3個の前記振動波センサを2 対とみなして前記打撃位置を算出するように 構成してもよい。

 上記打撃位置検出装置において、前記振 波センサは、粘弾性体状物及び/または弾性 体状物を介して前記フェース部の裏面に固定 されていてもよい。

 上記打撃位置検出装置において、前記振 波センサは、前記フェース部に垂直に固定 れかつ内部が空洞の柱状物により固定され いてもよい。

 上記打撃位置検出装置は、前記シャフト 位置、角度、速度、加速度、及び、前記ヘ ド部の速度、加速度、からなる群から選ば た少なくとも1つの物理量を計測する計測部 を備え、前記演算部は、前記計測部が計測し た少なくとも1つの前記物理量が予め設定さ た所定値に到達した場合に起動するように 成してもよい。

 上記打撃位置検出装置は、前記ヘッド部 速度を検知するヘッド速度測定部を備え、 記演算部は、前記打撃位置と前記ヘッド速 とから打撃されたゴルフボールの飛距離を 出し、前記表示部は、前記飛距離を表示す ように構成してもよい。

 上記打撃位置検出装置において、前記表 部は、前記ヘッド部の模式図上に所定のシ ボルを用いて打撃位置を表示するように構 してもよい。前記表示部は、前記シンボル 点滅させる機能を有していてもよい。

 上記打撃位置検出装置において、前記演 部は、前記打撃位置が前記フェース部のス ートスポットまたは飛距離の大きい領域に い程高くなる得点を算出し、前記表示部は 前記得点を表示するように構成してもよい

 上記打撃位置検出装置において、前記演 部は、前記打撃位置信号を記憶するメモリ 能を有し、要求に応じて過去の打撃位置を 記表示部に表示させるように構成してもよ 。

 上記打撃位置検出装置において、前記複 の振動波センサはスイング時に自動的に測 状態となり、前記表示部は、スイング時に 動的に表示画面が切り換わりかつ消去され 画像を元に戻すリセットボタンを有するよ に構成してもよい。

 上記打撃位置検出装置において、前記シ フト及び前記ヘッド部の少なくとも一部は 電素子で覆われており、前記発電素子は、 記複数の振動波センサ及び前記表示部に必 な電力の少なくとも一部を供給するように 気接続されていてもよい。

 上記打撃位置検出装置は、前記複数の振 波センサが出力した前記電気信号を無線送 する送信部と;前記ゴルフクラブとは独立し て設けられ前記電気信号を受信する受信部と ;をさらに備え、前記演算部及び前記表示部 、前記ゴルフクラブとは独立に配置されて 記受信部に接続されていてもよい。

 本発明はまた、グリップ部を有するシャ トと、打撃面と裏面とを有するフェース部 備え前記シャフトの先端に取付けられたヘ ド部と、を備えたゴルフクラブを用いてボ ルを打撃する工程と;前記ボールの打撃によ り前記フェース部に生じる振動波が、前記フ ェース部の前記裏面側に配置されかつ前記ヘ ッド部に固定された複数の振動波センサに到 達する各時刻を検出する工程と;前記振動波 各到達時刻の差に基づいて前記フェース部 おける前記ボールの打撃位置を算出して打 位置信号として出力する工程と;前記打撃位 信号に基づいて前記フェース部における打 位置を表示する工程と;を含むことを特徴と する打撃位置検出方法を提供する。

 上記打撃位置検出方法において、前記複数 振動波センサは少なくとも3個設けられ、前 記到達時刻の差の検出は、前記振動波センサ の2個を一対とみなして少なくとも2対の前記 動波センサについて行い、前記打撃位置の 出は、下記手順で行ってもよい。すなわち
(1)前記振動波センサの第1対が前記振動波の 達を検知した時刻の差をδT1とし、
(2)前記振動波センサの第2対が前記振動波の 達を検知した時刻の差をδT2とし、
(3)前記演算部に予め記憶している振動伝播定 数をa,b,c,dとし、
(4)前記第1対の各振動波センサから仮想打撃 置までの距離の差δL1として、δL1=a×δT1+b を 算出し、
(5)前記第2対の各振動波センサから前記仮想 撃位置までの距離の差δL2として、δL2=c×δT2+ d を算出し、
(6)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全 ての領域の各位置Pについて、予め求めてお た前記第1対の各振動波センサからの距離差 δLp1とし、
(7)前記フェース部上の打撃位置を求めたい全 ての領域の各位置Pについて、予め求めてお た前記第2対の各振動波センサからの距離差 δLp2 とし、
(8)下記式により位置Psを求め前記打撃位置と る、
  Ps=min{(δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) }
ここで、演算子min{ }は、{ }内の値が最小と る位置Pを表す。

 ゴルフクラブのフェース部と呼ぶ打撃面 実質的最外周または輪郭部の近辺の背部で るフェース部裏側にゴルフボールを打撃し 時に発生する振動波を捕えるセンサを3個以 上設け;これらのセンサの任意の2個を一つの ンサ対とし更に当該2個のいずれか一つと他 の1個の組み合わせかまたは当該2個以外の2個 のセンサの組み合わせをもう一つのセンサ対 としてこれら2組のセンサ対において、それ れ対をなすセンサへのボール打撃による振 波の到達の時間的微差を算出する演算処理 を設け、それぞれのセンサ対の時間的微差 ら実質的に打点位置を計算する演算機能付 マイクロコンピュータを設け;前記フェース の近似的外形と打撃位置とを同時表示する 示部を前記ゴルフクラブのシャフトに設け; 前記マイクロコンピュータのための電源部を 設ける;ことを特徴とする打撃位置検出装置 製造方法を提供する。

(1)打球位置の明確化に成功した。つまり、そ れを見事に可能にした。
(2)多数の打撃結果で確認できた。(数式の実 的価値を認めた)
(3)多数の打撃結果で確認したので、信頼度が 高い。        
(4)余り複雑なセンサを用いることなく、表示 化にも成功した。   
(5)特に驚くべきことに、耐久性の向上に成功 した。
(6)データのばらつきが少なくしえたと言う効 果が得られた。
(7)重さの軽減化にも成功した。
(8)一々スイッチをオン・オフする必要のない 便利な手段も見出した。

 本発明の効果を、打撃位置の特定化課題 解決の不明な従来法と比較した場合では、 の通りとなる。特許文献15,16、17,18、19、12 比べると、従来方法では、高い精度を得よ とするとそれに応じて多くのセンサが必要 なるが、本発明では少ないセンサの数(最少3 個で検知可能)で、高い精度の打撃位置検知 できた。

 また、従来方法では、検出できる打撃位 はセンサの数に応じた離散的な数点の位置 出ができるだけであるが、本発明では最少3 個のセンサで、フェース部上のどの位置でも 連続した座標位置検知ができた。

 従来方法では、センサの設置場所はボー が当るフェース中央部または全体に配する 要があり、打撃時のセンサに対する衝撃が きいが、本発明では、フェース部(背部)の 辺またはその近傍で中央部分に配置する必 がない(あるいはその方が好ましい)ので打撃 の衝撃が小さい。

 これらのため、位置検出点は、フェース 上で連続的に検知可能で、かつ検出精度が い。精度は、ボールに似せたインパクトハ マーで、位置の誤差2mm以下で、ゴルフボー 打撃時で、5mm以下となり、軽量であり、ヘ ド(フェース背面部)への装着が容易である コストがかからない、破損しにくく、ヘッ の内面に設置し、外部とは完全にヘッドで 離されるので、風雨や泥でセンサが破損さ ることは無く、その他の使用環境にも強い( 環境の信頼性が高い)などの長所がある。

 また、特許文献21に比べると、センサの 得する信号が、音波であるのに対し、本発 は基本的に金属板であるフェース部を伝わ 振動(波動)の伝播を検知するという違いがあ るので、周波数解析は定常波を対象とするの に対し、本発明は瞬時の波動到達時刻を検知 するので、位置検出点は、フェース部上で連 続的に検知可能で、かつ検出精度が高い、位 置検出の計算処理も簡単で、早いという長所 がある。

 特許文献6と比べると、圧力容器を対象に した3次元の位置探索手法であり、2次元のゴ フクラブフェース部の打撃座標検知とは基 的に目的(用途)が異なる。またセンサの取 する信号が、音波であるのに対し、本発明 基本的に金属板であるフェース部を伝わる 動(波動)の伝播を検知するという違いがある 。

 また公知の特許文献は、音源の到達時刻 検知方法を開示していないが、一般的方法 はセンサの感知した音の平均値あるいは実 値または振幅の大きさで検知している。ま 本発明は、センサが検知した振動波形の主 動波(前振動の次の主振動)の瞬時値を見て 達時刻を検出している。

 また多数の既知音源と未知音源とのパタ ンの類似性をコンピュータで探索する手法 即ち離散的な(音源)位置認識であり、本発 の連続的な位置検知とは手法も、したがっ その結果も異なる。

 これらのため、本発明の位置検出点は、 ェース部上で連続的に検知可能で、かつ検 精度が高い。音波は到達時刻(伝播速さ)が 度によってかなり変化するが、本発明は振 波であるので周囲温度の影響を受けない。 め多数のデータを収集したり、コンピュー 内に保存したりする必要がない。

 位置検出の計算処理も簡単で速いなどの 著な長所がある。ただし、何らかの手段で3 個以上のセンサを設け機械的に伝播する振動 波ではなく音波として先頭振動波をとらえ、 その到達時間差から打撃位置を検出すること も可能であり、当然本発明の範囲に含まれる ものである。

本願発明の実施例に対応した4個のマイ クロフォンセンサのフェース部外周部への配 置を示す図である。 2つのマイクロフォンセンサで検知され る打撃振動波、先頭振動波の到達時刻及び到 達時間差検出方法を示す図である。 マイクロフォンセンサのフェース部背 への取り付け状態を示す図である。 シャフト部への表示器と電池の取り付 状態を示す模式図である。 インパクトハンマーの打撃出力信号と イクロフォンセンサの受信先頭波形を示す である。 インパクトハンマーでフェース部を打 したときのマイクロフォンセンサの先頭振 波到達時間と打撃点からマイクロフォンセ サまでの距離の実測値を示す図である。 センサ対の応答時間差と打撃位置から 距離差の実測値を示す図である。 検知した打撃位置と実際の打撃位置の 測値を示す図である。 検知した打撃位置と実際の打撃位置の 測値を示す図である。 検知した打撃位置と実際の打撃位置の 実測値を示す図である。 検知した打撃位置と実際の打撃位置の 実測値を示す図である。 検知した打撃位置と実際の打撃位置の 実測値を示す図である。 本発明による打撃位置検出装置の一実 施例を示す概略図である。 本発明による打撃位置検出装置の他の 実施例を示す概略図である。 本発明による打撃位置検出装置の他の 実施例を示す概略図である。

符号の説明

  1,50…打撃位置検出装置、2…ゴルフクラ ブ、121…グリップ部、120…シャフト、5…ヘ ド部、103…フェース部、103a…打撃面、103b… 裏面、104,105,106,107,116…振動波センサ(マイク フォンセンサ)、9…演算部、54,54A,122…表示 、124…電池(電源)、12,16…加速度センサ、18 リセットボタン、51…送信部、52,52A…受信 、53…アンテナ、60…ヘッド部模式画像、61 打撃位置表示シンボル、117…弾性体状物、11 9…センサ固定用柱状物

 以下、図面を参照しながら、本発明をより 体的に説明する。
 図13は、本発明による打撃位置検出装置の 実施例を示す概略図である。本発明の一実 形態による打撃位置検出装置1は、グリップ 121を有するシャフト120と、打撃面103aと裏面 103b(図3参照)とを有するフェース部103を備え 記シャフト120の先端に取付けられたヘッド 5と、を備えたゴルフクラブ2と;前記フェー 部103の前記裏面103bの側に配置されかつ前記 ッド部5に固定され、前記フェース部103への 打撃により生じる振動波に応じた電気信号110 ,113(図2参照)を出力する複数のマイクロフォ センサ(振動波センサ)104,105,106,107(図1参照)と ;ボールの打撃により前記フェース部103に生 る振動波の前記複数の振動波センサ104,105,106 ,107における各到達時刻t1、t2(図2参照)を前記 気信号110,113に基づいて検出し、前記複数の 到達時刻の差(t2-t1)に基づいて前記フェース 103におけるボールの打撃位置を算出して打 位置信号として出力する演算部9と;前記演算 部9が出力した前記打撃位置信号に基づいて 記フェース部103における打撃位置を表示す 表示部122と;前記複数のマイクロフォンセン 104,105,106,107と前記演算部9と前記表示部122に 給電を行う電池124(電源)(図4参照)と;を備えて いる。打撃位置検出装置1は、さらに、ヘッ 部5の加速度・速度を検出する加速度センサ1 2と、シャフト120の加速度・速度を検出する 速度センサ16とを備えている。

 打撃位置検出装置1は、ゴルフクラブ2の ッド部5のフェース打撃面103aの実質的外周部 〔例:フェース部(図1の103)の輪郭部の近辺で る〕またはフェース輪郭部の近辺の背部す わち裏側(背部である)103bにゴルフボールを 撃した時に発生する振動波を捕えるセンサ 三個以上(A,B,C,D・・) (例:図1の104、105、106、 107)有し、これらのセンサの任意の2個(AとB)を 一つのセンサ対(AB)とし、更に当該2個のいず か一つ(AまたはB)と他のセンサの1個(C)との み合わせ(ACまたはBC)、または当該2個(AとB)以 外の2個のセンサ(CとD)の組み合わせをもう一 のセンサ対(CD)として、これら2組のセンサ (AB,AC,BCまたはCDの内の2組)のそれぞれ対をな センサへの振動波の到達の時間的微差を検 し、その時間的微差から実質的に打撃位置 算出する演算機能を有する演算部9と、クラ ブシャフト120に該フェース部103の近似的外形 と打撃位置演算結果とを同時表示する表示部 122とを併せ持つ。なお、A、B、C、D、と符号 あえて付けたのは、理解を容易にするため ある。

 第二の骨子は次の方法である。すなわち ゴルフクラブのフェースと呼ぶ打撃面の実 的最外周または輪郭部の近辺の背部である ェース裏側にゴルフボールを打撃した時に 生する振動波を捕えるセンサを三個以上設 ること、これらのセンサの任意の2個を一つ のセンサ対とし更に当該2個のいずれか一つ 他の1個の組み合わせかまたは当該2個以外の 2個のセンサの組み合わせをもう一つのセン 対としてこれら2組のセンサ対において、そ ぞれ対をなすセンサへのボール打撃による 動波の到達の時間的微差を割り出す演算処 部を設けること、更にそれぞれのセンサ対 時間的微差から実質的に打撃位置を計算す 演算機能付きマイクロコンピュータ部を設 ること、該フェースの近似的外形と打撃位 とを同時表示する表示部をシャフト部に設 ること、コンピュータ用電源部を設けるこ の組み合わせを特徴とする打撃位置検出装 の製造方法である。

 ここで、波動を捉えるセンサとしては、 電容量式マイクロフォンセンサが、特に好 である。静電容量式マイクロフォンとは、 時の波動を受信したときに静電容量が変化 て電気的信号が変化する(図2の110、113)。こ 信号を、予め設定した電圧レベル(図2の109 112)を閾値として比較して、閾値を超えた時 を到達時刻(図2のt1、t2)とする。t1とt2の差 時間が、振動波の到達時間差として検知で ることを見出した。

 なお、打撃位置とセンサ位置の関係によ ては主振動波の前に比較的小さい波動(図2 114)が検出されるが、到達時刻は主振動の瞬 的大きさで検知する。マイクロフォンとし は、その他に、ダイナミック型、リボン型 カーボン型、クリスタル型がある。なお、 置検出センサとしては、振動波の瞬時値を えられるものであれば、他の動作原理によ ものでも使用できる。

 例えば、マイクロフォンと同じ原理の静 容量式センサ、あるいは、高速・高精度の 接センサや高速応答の圧電センサ、その他 気的方法、光学的方法、接触式などのセン を用いることも可能であり、本発明の範囲 含まれる。後に詳しく述べる弾性体状物と 組み合わせた時には、主な圧電体が使いう 。

 弾性体状物質と共に使われる主な圧電体 しては、感度は低いが、水晶、酸化亜鉛、 ッセル塩(酒石酸カリウムーナトリウム)、 タン酸ジルコン酸鉛(一般にPZTと呼ばれてい )、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム 、リチウムテトラボエート、ランガサイト、 窒化アルミニウム、電気石(トルマリン)、ポ フッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。

 従来は、センサを、打撃部位が動きやす 所、換言すれば、衝撃が大きく伝わり易い 、即ちフェースの中央または中央部に配置 た方が良いと考えるのが普通であった。ま 外殻近傍には、決して配置してはならない も考えられた。

 なぜなら、周囲は、ヘッドの硬い外殻(図 1の101)で、しっかりと動かないように固定さ ているからである。支えの無い部分の方が 微小な圧力でも動き易く、圧力が良く伝わ 、圧電体等に、働き易いと考えられるから ある。この予想外の方法こそ、本発明の予 できない特異性と、困難性を予想外の手法 克服した独特の技術にある。

 また、静電容量式マイクロフォンのよう 振動検知センサをフェース部外殻近傍に設 して、打撃点からの振動波の到達時間を検 するということに対しても、音波の専門家 らは、チタンのような硬い金属板の振動は 座に平面波となるので(例えば平面スピーカ のような状態となるので)、フェース部の横( 殻部)から打撃点からの伝播時間を捉えるこ とは不可能という見解を聞かされた。これに より、発明者らは、一度はこの取り組みを諦 めたほどである。

 更に、振動を捉えるのに、後に述べるゴ のような、クッションを介在させるという えに対しても、同様な驚きが呈された。な なら、弾性体状物で、振動が弱められてし うからであることが、明白であったからで る。更に、技術的常套手段では圧電体が選 される状況において、マイクロフォンセン を選んだことも本願発明の特異性と言える

 しかしながら、本発明者は、試行錯誤の 果、驚くべき事に、フェース部の外殻部近 に振動の瞬時波形を検知できるセンサを設 、設定した閾値で波動の到達を検知し、セ サ対の時間差を用いた新概念で、位置検出 算を行う事により、ヘッド部5の外殻(図1の1 01)の立体的障害を避けて設置されうる範囲に おいて、フェース部の中央付近ではなく、外 周付近に配置すれば、良好な結果が得られる という意外とも言える事実を見出した。なお 、ここでは、それぞれのセンサ対の時間的微 差から実質的に打撃位置を計算する演算機能 をタイマー部(タイマー)と言うこともある。

 本願は、この新知見を巧みに用いている 更に驚くべきことに、弾性体状物であるダ パーは、ここで使う振動を受けるセンサ(受 振動センサともいう)の破壊を防ぎ、耐久性 向上させる効果を果たすことも見出した。

 これらの知見については、後記する。勿 、ヘッド部5の外殻101に、ボールの一部が当 った場合(大きく外れた場合)は、残念ながら 正しくは検出されない。しかし、これがあ ても、本発明の主たる有効性を全く損なう のではない。

 発明者らは、先ずインパクトハンマで、 ストし、類似品(ゴルフボールを用いた肩叩 きのようなもの)でもテストし、最後に、打 機械(打撃ロボット)を作成しテストした。そ れによると、さすがに機械だけあって、打撃 位置に関しては、1~2mmと違わない反復性能が 認できた。また市販の打撃検証シートを張 て変色位置を調べ、何度も何度も繰り返し じ位置に再現されることを確認した。

 なお、他方、機械で作られたボールとは え、いびつなボールもあるので、同じ打撃 置でも、全て同じ方向に飛んだとは、述べ いない。打撃ロボットは、ネット内実験室 設けて試験したからである。勿論、元プロ ルファーの人を含む研究者による人的なフ ールドテストも行った。

 第三の骨子は、次の通りである。すなわ 、本発明において、上記の振動波の到達は 細書規定の「先頭振動波」の到達時刻を検 する演算処理部であり、且つセンサ対の時 的微差から実質的に打撃位置を計算する演 機能として、下記の第1次演算機能部と第2 演算機能部付のマイクロコンピュータ部有 ることを特徴とする打撃位置検出ゴルフク ブ。

(記)第1次演算機能部:
  (1)1つのセンサの対が、先頭振動波を検知 た時差をδT1とし、
  (2)他のセンサの対が、先頭振動波を検知 た時差をδT2とし、
  (3)コンピュータに予め記憶している値a,b,c ,dとし、
  (4)1つのセンサ対から打撃位置までの検知 れる距離の差δL1 とし、
  (5)他のセンサ対から打撃位置までの検知 れる距離の差δL2とし、
   δL1=a×δT1+b        δL2=c×δT2+d

   第2次演算機能部:
  (6)フェース部上の打撃位置を求めたい全 の領域の各位置Pについて、予め求めておい 1つのセンサ対についてのセンサからの距離 差をδLp1とし、
  (7)フェース部上の打撃位置を求めたい全 の領域の各位置Pについて、予め求めておい 他のセンサ対についてのセンサからの距離 をδLp2 とし、
  (8)下記の式の計算結果をもって、打撃位 Psを判定する演算機能部。
      Ps=min{(δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) }
      ここで、演算子min{}は、{}の値が最 となる位置Pを表す。

 本発明に関して、打撃ロボット、市販の ンパクトハンマおよびボールを頭に付けた ンマ類似品で、同じ所を叩いて、検証した 果、いずれの実験についても上記の計算方 が良く、数多くの実験の範囲内でセンサよ 外側に当った場合は残念ながら測定不能で った。それらの例外を除き、打撃した場所 通りの結果を正しく検知したのは、驚くべ ことであった。つまり、測定不能の時は、 端に打撃位置が外れたという場合である。

 ここでは上述の式での計算即ち、振源計 法(振源とは、ボール中心が当り振動の源と なった点である)と名付ける方法は、十分に しい事が証明された。その方法は、上記の 算式に示す通りである。センサ部を、最外 近くに配置しているので、上記の例外的な 定不良があったとしても、そこは、即ち測 対象外に等しいとも言える位の最外周部は 酷く外れた場所なので、本発明の有効性を なうものではない。

 これらの荷重に耐え、また短い時間に測 が完了しなければならないので、感知部が の両者に対応しなければならない。多くの 表されたセンサには応答の速度・瞬間圧力 耐えて働くかは、全く不明なのが多く、実 して確認してみてなければ全く分からない 明の類と言える。

 ここで、マイクロコンピュータの打撃位 を決める演算処理は、次の方法により行う 即ち、一方のセンサ対をW1、他方のセンサ をW2として、フェース部に設定した2次元の 交座標軸(X軸、Y軸とする)上の任意の位置(Xp, Yp)におけるW1の2個のセンサからの距離の差δL p1と、W2の2個のセンサからの距離の差δLp2を 打撃位置を求めたいフェース部上の全ての 域について予め計算しておき、コンピュー のメモリに記憶しておく。

 フェース部にボールが当った時に生じる振 波に対して、W1の2個のセンサが検知した先 振動波の時間差がδT1、W2の2個のセンサが検 知した先頭振動波の時間差がδT2であった時 打撃位置(Xg,Yg)を下記の演算によって求める
   δL1=a×δT1+b・・・・・・・・・・・・式( 1)
   δL2=c×δT2+d・・・・・・・・・・・・式( 2)
(Xg,Yg)=min{(δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) 2 }・・式(3)

 ただし、上式(1)と(2)において、a,b,c,dはヘ ッドの材料・形状やセンサ位置等で決まるク ラブ固有の値(振動伝播定数)である。また、 式(3)において、δLp1とδLp2は、それぞれ予め 計算して求めコンピュータメモリ内に記憶し ている任意の位置(Xp,Yp)におけるW1の2個のセ サからの距離の差とW2の2個のセンサからの 離の差である。

 演算記号min{式}は、括弧内の式の値が最 になる座標(Xp,Yp)を表し、コンピュータは各 (Xp,Yp)について括弧{ }内の値を計算し、そ 値が最小となった点を打撃位置(Xg,Yg)と判定 せる。

 上記の演算において、検知したδL1とδL2 よびセンサの位置から、2次元の打撃位置座 を数式的に求める方法も可能である。この 合、数学的には複数または不定の解となり る。しかし、後に述べるようにフェース部 のセンサの配置位置を適切に選定し、解の 件を2次元のフェース部領域内に限定すれば 一つだけの解になる。

 しかし、数式的方法では、複雑な関数を む数式の解を得るのは(たとえ近似的な式を 用いたとしても)計算時間がかなりかかるの あまり実用的ではない。

 発明者らは、複雑な数式演算をマイクロ ンピュータに行わせるのではなく、2組のセ ンサ対の距離の差δL1・δL2の条件に最も近い( 言い換えれば、任意の点(Xp,Yp)における各セ サ対との距離の差δLp1,δLp2と、検知したδL1, L2との数学的距離が最小となる座標探索をマ イクロコンピュータによる繰り返し計算で短 時間で求められる手段を用いた。

 本発明の数学的解法は、「振動波の到達 間差の概念」を利用している。このような 到達時間差の概念」を含む限り、他の数学 解法であっても本発明の範囲に含まれる。 標系は、直角座標系でも、三角座標系でも い。

 第四の骨子として、本発明において、ゴ フクラブのフェース部の内部裏面がほぼ逆 形状となっている場合に、フェース部の内 裏面の逆台形の4つの頂点付近に振動波を検 知する2組のセンサ対(4個のセンサ)を有する とを特徴とする位置決め精度の高い打撃位 検出ゴルフクラブがよい。

 センサの数は3個でも本発明による打撃位 置検知は可能である。これを敢えて4個にす のは、3個の場合センサによる振動波到達時 差の検出誤差が打撃位置によっては位置検 演算結果に比較的大きい誤差を生じてしま 領域があるからである。勿論、精度の高い ンピュータを用いて時間をかけて計算すれ 、3個の場合でも精度の悪化を避けられるが 、実用的ではない。

 ゴルフクラブに搭載して少ない電力で実 的な時間内に精度よく打撃位置を検知する は、上記のように4個のセンサをほぼ逆台形 状のゴルフクラブフェース部(内部裏面)の4つ の頂点付近に設置して、対角にある2個のセ サを対とする2組をセンサ対として位置検出 るのが特に有効なのである(例:図1の104-106、 と、105-107の2対、フェースのほぼ中央で交差 ている)。

 また第五の骨子として、上記の発明にお て、フェース部の内部裏面の逆台形の4つの 頂点付近に振動波を検知する2組のセンサ対(4 個のセンサ)を設けており、これら2組のセン 対の配置場所を、2組のそれぞれのセンサの 位置を結ぶ2本の直線が、フェースの中央部( イートスポットまたはその近辺)において、 できるだけ直角に近い角度をなして交わるよ うに4個のセンサを配置したことを特徴とす 位置決め精度の高い打撃位置検出可能なゴ フクラブである。

 これも、上記同様、精度の高いコンピュ タを用いて時間をかけて計算すれば、2つの センサ対を結ぶ2本の直線が小さい角をなし いても打撃位置の検知は可能であるが、位 のフェースの中央部(スイートスポットまた その近辺)でできるだけ大きい角をなして交 わる場所に配置することにより、同じコンピ ュータで同じ演算をした場合の位置検出結果 の精度はかなりよくなる。

 特に、ゴルフの練習者は通常フェースの 央部付近で打撃しようと努力するのであり 周辺部よりも中央部付近でより高い精度の 撃位置を知りたいという欲求がある。した って、このような配置をして、特に中央部 精度を高めるのは有効な手段である。

 また第六の骨子として、上記の発明にお て、フェース部の内部裏面の逆台形の4つの 頂点付近に振動波を検知する2組のセンサ対(4 個のセンサ)を設けており、当該4個のセンサ うちの一つが動作不良になったことを検知 る機能部を有し、コンピュータが自動的に りの3個により2組のセンサ対を決定する演 部、これらを用いた演算処理部を有するこ を特徴とする欠陥センサ補完型打撃位置検 ゴルフクラブを含む。

 本発明において、4個の振動波を捕えるセ ンサを設けることにより位置検出精度がよく なる。さらに、驚くべきことに、多少の精度 が悪化を容認した上で更に長期に使用したい 場合には、4個の内のいずれか1個が破損した 合にも、コンピュータが自動的に破損した ンサを識別し、残る3個による位置検出演算 に切り替えて、この3個により更に長期間使 できるようにすることができることも見出 た。

 また第七の骨子として、本発明に於いて センサとフェース部裏面である内面に粘弾 体状物または/および弾性体状物を介して固 定してなることを特徴とする打撃位置検出ゴ ルフクラブである。本発明に於いて、振動波 をとらえるセンサを、センサとフェース部( 部裏面)の間に弾性体状物(図3の117)を介して 定したことを特徴とする打撃位置検出クラ の製法がよい。

 センサは通常その感度や応答が低下しな ように、できるだけ波動の圧力信号に直接 応する構造にする。その結果、一般のセン では、ゴルフクラブのフェース部に設置す と、極めて強い衝撃により破損してしまう これに対し、フェース部(フェース部外殻周 辺を含む)以外の部分から何らかの支持体を してセンサを固定する方法も、構造が複雑 なり、また支持体自身の衝撃に対する強度 持が困難になる。

 本発明では、強い打撃の衝撃に耐えるた に、フェース部(背部)(図3の118)に対し弾性 (図3の117)を介してセンサ(図3の116)を固定す 。ここで特記すべきことは、ダンパーを介 させるとダンパーによって伝播時間が長く り、この影響でフェース部の振動波到達時 の検知ができないかあるいは極めて困難に ると考えるのが一般的である。ここで言う ダンパー」とは、振動を吸収する装置また 素材のことである。

 しかし、本発明者らは、静電容量式マイ ロフォンセンサ、あるいは機械的振動波や 気を伝播する振動波に対する応答特性がそ とほぼ同等の性能を持つ振動波検知可能な ンサを用いた場合には、センサとフェース の間に弾性体(ダンパー)を挿入しても正し 振動波到達時間の検知ができることを確認 た。

 なお、弾性体はセンサ自体に予め構成し いてもよいし、センサとフェース部を直接 着剤で接着固定し当該接着剤が固まったと に弾性を有するものを採用してもよい。弾 体状物とは、ここでは、弾性体の特性に近 もの全ての広義の意味であり、ヴィスコエ スティック材料(粘弾性体)またはそれに近 ものも、含まれる。

 粘弾性体はゴム状物とも言うことができ 。実施例では、ポリウレタン類、合成ゴム 例示している。エラストマには、加硫天然 ムや各種の合成ゴム、ポリウレタン等が代 として含まれる。エラストマ要素を少しは むものを総称する。

 粘弾性は、固体・流体の力学的性質の一 で、外力を加えて生ずる変形が、時間に無 係な弾性的と時間に影響される粘性的流動 重なりとして現れる現象で、高分子物質な で特に著しい。また、弾性体は、弾性限界 で変形を論ずる時の物体の呼称で、ゴム、 レタンゴム、合成ゴムのような、弾性を示 限界の特に大きいものを指して言うことも る。

 こうすることで、センサの耐衝撃力を強 し、同時にばらつきの出ない精度のよい検 方式となったことも驚くべき意外な知見で る。この効果は、上述のように「実用可能 」打撃位置検知ゴルフクラブを開発すると う観点から見れば劇的な良い効果を果たし いると言いたい。

 また第八の骨子として、本発明に於いて センサを固定する材料の内部が空洞の柱状 であり、かつフェース部にほぼ垂直に固定 て設けたことを特徴とする打撃位置検出ゴ フクラブである。本発明に於いて、ゴルフ ラブのフェース部裏面に、振動波を捕える ンサを固定する内部が空洞の柱状物を、フ ース部にほぼ垂直に固定して設けたことを 徴とする打撃位置検出ゴルフクラブがよい

 本発明では、センサを予め設定した位置 正確にかつ確実に固定する必要がある。す わち、センサの固定位置(言い換えればフェ ース部上の座標)がコンピュータで演算する 合に演算に使用する座標値とずれると位置 出結果に誤差が生じる。したがって、クラ ヘッドを製作する場合には、予め設定した 置に正確に固定する必要がある。しかも、 い衝撃に耐えられるように強固に固定しな ればならない。

 一般に、クラブヘッドの製作では、ヘッ の外形を構成する複数の金属板を溶接固定 てヘッドを作る。本発明のクラブヘッドを 作する場合には、センサやセンサケーブル 熱に弱いので、クラブヘッドの溶接作業の でセンサを固定する必要がある。この場合 溶接後のヘッドの外形の一部分を穴の開い 構造として、そこからフェース部裏面にセ サを固定する作業を行うが、正確な位置に ンサを固定するには、ロボットのような機 や特殊な工具を製作して装着する必要があ 。

 また、センサが極めて熱に弱いので、固 には接着力の強い接着剤を用いる。このよ な強い接着剤は、現状では塗布から完全固 まで少なくとも数時間から1日かかる。長時 間の養生の間にセンサ位置がずれないように する必要もある。

 発明者らは、この問題を解決するために クラブヘッドの製作時に予めセンサを固定 ようとする位置に固定用の内部が空洞の柱 物(図3の119)を溶接固定しておき、それとセ サと一体となった弾性体状物とを接着固定 るのが、取り付け位置の精度(すなわち打撃 位置検出の精度)を高め、かつセンサの固定 度の確保および製造の容易性を満たす有効 方法であることを見出した。

 特に、内部を空洞の柱状物としたのは、 ンサと一体となった弾性体状物との接着面 大きく確保して固定強度を高めるとともに 接着剤の流れ出しが防げるためである。

 また第九の骨子として、本発明に於いて 更に加えてスイング時のシャフトの位置計 部または角度計測部、あるいはシャフトま はヘッドの速度計測部または加速度計測部 設け、スイング時のシャフトの位置または 度、あるいはシャフトまたはヘッドの速度 たは加速度が予め設定した値になった時に センサ対の振動波到達時間差を割り出す演 部を実質的に起動させる信号処理部を有す ことを特徴とする打撃位置検出ゴルフクラ も含むものである。

 この目的は、節電型・軽量化型とも言え ものである。スイング速度計測部または加 度センサ計測部を設けるものであるが、こ 種のセンサは、すでに市場にあるので、本 明品とのドッキングにより、大きな効果を 揮する。

 通常は、計測開始時に、タイマーの起動 、電子回路の初期状態を設定するためのス ッチが必要になるが、これを無くしてスイ チレスとしたものとも言える。この付加に り、非常に便利になった。しかも節電効果 果たしている。

 この部分について、打撃直前時点を検出 きるものであれば、センサは何でも良い。 えば、シャフトにつけた捩れセンサ(歪みセ ンサ、打撃直前の加速で歪が大きくなる)や クラブヘッド位置検出センサ(地面に近くな たときを打撃直前と判断する)などでもよい 。

 また第十の骨子として、本発明に於いて 更にヘッドスピードを検知するセンサ部を け、打撃位置とヘッドスピードから計算に って求めたゴルフボールの飛距離を表示す 表示部を設けることを特徴とする打撃位置 出ゴルフクラブを含むものである。

 あるスピードでボールを打ったときに、 の飛距離は打撃位置によって変わり、その 置と飛距離の関係は既にいくつかの文献で らかになっている。しかし、従来の打撃位 検知の方法では、検知精度が悪く(更には重 く壊れやすいので実用にはなっていないが) 仮に飛距離を表示したとしても実質的には 距離を何段階かに分けて、そのいずれかの 囲に入っているかを選ぶことになる。

 本発明の検知手法によれば、実質的にフ ース部全体にわたって、よい条件で2mm、悪 条件でも5mm以下の精度で位置検出ができる で、連続して飛距離もかなり正しく検知し 示することができる。

 勿論、本発明では、打撃時のフェース部 開度やスイング方向などを検知していない で、それらの飛距離に与える影響まで含ん 飛距離検知・表示ではないが、利用者の打 が正しいフェース部開度で正しいスイング 向である場合には、これだけの飛距離にな という情報を提供することは、特に狭いゴ フ練習などでボールがネットに当たってし うような場合や家庭の庭などの狭い場所で 練習時には、ゴルフスイングの技術向上に めて有効な情報になる。

 また第十一の骨子として、本発明に於い 、更に、表示部にゴルフクラブのフェース の外形または近似的フェース図形に対して 打撃ボールの中心部を実質的に「・」点表 、または、「+」型のプラス表示、「X」型 X表示、または、「○」、「●」、「◎」丸 示の中から選ばれた少なくとも一種のシン ルを点灯させて表示部としたことを特徴と る打撃位置検出可能なゴルフクラブも含む

 また、これらの組み合わせでも良い。シ フトのグリップ(図4の120)近くに、邪魔にな ない程度の小さな表示部(図4の122)であるの 、非常に判り易くしなければならず、極め 重要である事を見出した。

 本発明に達する以前の試験において、打 位置を示すのに、別に作ったフェース図面 縦・横の番号・記号・符号を設けておき、 撃位置が特定されたら、その番号・記号・ 号を小さなモニタで表示すると、その符号 手元の符号付のフェース図面の符号と比べ 打撃位置を知る方法が、先ず考えられた。

 この方法は、一々見比べなければならな と言う重大な欠陥があるものの、反面、モ タ(LED,液晶、プラズマ、有機ディスプレー) 非常に小型にできるので、安価にかつ邪魔 ならないように製造できるという長所があ 。

 もし、フェース部にアラビア数字1,2,3,4,5, ・・と横に番号を振り、縦に、A,B,C,D,Eと記号 を振り、再々「1A」が表示されれば、前方向 上であるので、この人は、「1A」打ちの癖 あると言うことになる。しかし、その表を に持参しなければならないなど、面白くな 、不便である。

 何処に当ったかを、表示するには、フェ ス部の外形を表示して、その何処に当った を、モニタ部に、フェース外形表示は極め 重要である。フェース部外形表示か、逆台 に近似させて、表示すると、非常に判り易 。

 また第十二の骨子として、本主発明に於 て、更に、表示部に、打撃位置が実質的に ェース部のスイートスポットまたは飛距離 大きい領域に近い程高い得点とし、その得 を表示部に表示することを特徴とする打撃 置検出可能なゴルフクラブを含むものであ 。

 打撃位置または打撃位置とその他のヘッ スピードやフェース開度などの検知情報を み合わせて、何らかの計算式を定義し、結 を得点として表示することは、打撃の技術 「得点」という形で単純化できるので、利 者が技術の現在のレベルの把握や、一定の 習でどの程度の向上が図れたのかを把握す のに有効な手段である。

 また第十三の骨子として、本主発明に於 て、更に上記の表示部において、表示・符 を「点滅」機能を持たせた表示部を備えて ることを特徴とする打撃位置検出可能なゴ フクラブを含むものである。

 本発明の打撃位置の表示において、表示 符号を「点滅」機能を持たせた表示部を備 てなることを特徴とする打撃位置検出可能 練習用クラブをも含む。点滅により小さな 示部にもかかわらず格段に見易く変化した とも見出した。更に加えて赤色にすると(カ ラー表示すると)、点滅、非点滅如何に拘わ ず、判別性能が何倍にも判り易く(見やすく) なった。

 また第十四の骨子として、本主発明に於 て、更に、複数回の打撃の打撃位置または 点のいずれか一方あるいはその両方を記憶 、スイッチ等の操作により記憶している打 位置や得点を表示する機能部を設けたこと 特徴とする打撃位置検出可能なゴルフクラ を含むものである。

 ゴルフの練習等においては、当然何度も イングをし、改良を試みる。本発明は、そ 時のスイング結果を即座に見られることに 徴があるが、その前の打撃位置や、何回か 打撃の打撃位置や得点を再度みて、練習の 果がどうであったかを確認したい場合があ 。そのために、打撃位置や得点を記憶する 能部を設けて、何回かのスイング結果を記 し、何らかの操作で再度表示する機能は有 であることを見出した。

 また第十五の骨子として、本主発明に於 て、更にスイング時に自動的に測定状態と り表示画面が切り換わるセンサ部および表 部と、消えた画像を元に戻すリセットボタ を有することを特徴とする打撃位置検出可 なゴルフクラブを含むものである。

 クラブを振ることによりクラブ内に設け 加速度センサ等が振りを検知して、前の表 画面を消して、測定状態にすることが好ま い。こうすることにより、スイッチなどを 々押さなくても、自動的に測定状態にする とができる。しかし、時には、前の状態を たい時がある。うっかり振ってしまったと うことがあることを、このクラブを使った 験をして初めて認識した。その時は、リセ トボタンを押せば画面を元に戻し得るよう 、スイッチとメモリ部を設けたものを含む

 なお、前述した公知例の中に、加速度セ サや、衝撃センサの言葉があるため、本発 の主要な部分を、それらの使い方と同じだ 誤解される恐れがあるが、正しく区別され べきこととして付記しておきたい。

 また第十六の骨子として、本主発明に於 て、更にクラブのシャフトまたはヘッドの なくとも一部が発電材料で覆われている部 を有し、センサまたはセンサの電源または 表示部の電源を供給する接続がなされてい 接続部を有することを特徴とする発電機能 打撃位置検出ゴルフクラブを含むものであ 。

 ゴルフクラブバッグを、カントリークラ から次のカントリークラブへ直送する人が る。そのため電池を忘れる人が多いだろう それを、避けるために、電池不要化、また 電池の長寿命化が、極めて重要である。最 には、受光発電フイルムの急速な性能進歩 受けて、クラブシャフトの表面に太陽電池( フイルムが多い)を巻きつけ、または、貼り けると、電池が不要化できる。ゴルフは、 るいところで実施するので、光源は確保さ 易い。

 また第十七の骨子として、本主発明に於 て、更に別に設けられた受信アンテナ付き 表示機器、または、腕時計型表示部に近づ るだけで、クラブに設けてある送信アンテ から受電して作動する作動部、感受した情 が伝達される伝達部、または演算処理され 受信部とのセットとなっていることを特徴 する打撃位置検出ゴルフクラブを含むもの ある。

 その人の癖や、データを統計的に加工し り、統計等の解析をしたい時がある。その には、別の装置とか、広義の携帯電話、モ イルパソコン、腕時計型マイコンに、デー を移すことが、必要である。クラブには、 きな容量のデータの蓄積は、重量が増加し ましくないので、近傍の装置に移すことが ましい。これを無線(RFID)で、移すことがで る。

 本発明において、測定状態に入ったら、L EDを点滅して、知らせることは、心理的な意 で、重要である。そのような機構にしても い。良い位置で打撃が行われたとき「ナイ ショット」などと音声を発したり、音楽が る、良くない時は、励まし、などの発音や 言機能を持たせることができる。安い本機 の貸し出しで、逆にこの呼びかけに、広告 伝を入れることもできる。この種の機器の 及にも、この販売促進手法も、活用できる しかし、重くなっては、本来の目的を失う れがある。

 上記第二の骨子において、それぞれのセ サ対の時間的微差から実質的に打撃位置を 算する演算機能付きマイクロコンピュータ が、次の演算処理を行う機能をもつことを 徴とする打撃位置検出ゴルフクラブの製法 含むものである。

即ち、コンピュータは、打撃したことを検知 すると直ちに、一方のセンサ対W1の2個のセン サにより先頭振動波の到達時刻を検知し、こ の時刻の差δT1を演算により求める。同時に もう一方のセンサ対W2の2個のセンサにより 頭振動波の到達時刻を検知し、この時刻の δT2を演算により求める。コンピュータに予 記憶している値a,b,c,dを用いて、次の式によ りδT1とδT2をそれぞれのセンサ対からの距離 差δL1、δL2に変換する。
   δL1=a×δT1+b        δL2=c×δT2+d

 更に、コンピュータは、フェース部上の打 位置を求めたい全ての領域の各位置につい 、予め求めておいた2つのセンサ対について のセンサからの距離差δLp1、δLp2を記憶して き、検知した時間差信号から計算により求 たδL1とδL2と、記憶している各位置のδLp1及 δLp2を用いて、次の式の値を演算により求 、
       (δLp1-δL1) 2 +(δLp2-δL2) 2
この演算の結果で得られた値が最小となる位 置を打撃位置と判定する。

 図1(及び図2)は、本願発明のフース部とそ の背部のセンサの取り付け位置の例を示すも ので、103はヘッドのフェース部、104、105、106 ,107は背部(内部)のセンサを示す。また、本願 発明の実施例に対応したセンサのフェース外 周部への配置を示す図である。

すなわち、センサを打撃の衝撃を直接受け にくいフェース部外周部近辺で、かつ逆台形 状のフェース部の4つの頂点近傍に配置する また、104と106を一つの対、105と107をもう一 の対として、2つのセンサ対を結ぶ直線の交 がフェース部の中央部付近で交わり、かつ の2つの直線ができるだけ直交に近い角度を なして交わる位置にセンサを配置することを 示している。

 図2は、二つのセンサ対に捕えられた時間 差のある電磁波形である。センサの打撃振動 波の到達時間およびセンサ対の到達時間差を 検知する方法を示す図である。110は先に受信 したセンサの先頭振動波形、113は後で受信し たセンサの先頭振動波形の一例で、109と112は それぞれのセンサ信号の先頭波到達時刻を判 定する判定基準電圧(閾値)である。

 すなわち、センサ対の受信信号波形を予 設定した判定基準電圧(閾値)で比較して、 初に判定基準電圧と一致した時刻(図のt1とt2 )を検知し、その時刻の微差t2-t1を演算するこ とで到達時間差を検知できることを示してい る。

 図3は、センサのフェース背面への取り付 け状態の一例を示す図である。すなわち、セ ンサ116は直接フェース部に固定するのではな く、弾性体状物(後に述べる実施例では天然 ム)117を介してフェース部に固定する。115は ンサと弾性体状物を固定するためのケース ある。

 センサをゴムに埋め込むような構造にす ば、115のケースは必ずしも必要ではない。1 19は、フェース部背面の最適なセンサ位置に め溶接または接着により固定して設けた円 状の柱状物であり、これにより容易に、正 に、かつ強固にフェース部にセンサを固定 きることを示している。           

 図4は、シャフト部への表示器と電池の取 り付け状態を示す模式図である。すなわち、 電池124は、シャフト120の内部に(特別な形状 シャフトを用いなくても)内蔵できる。表示 122は、グリップ121の先端部に設けることで スイングにも影響を与えることなく、違和 無く、かつ画面が見やすいように装着でき ことを示している。

 図5は、インパクトハンマーの打撃出力信 号とマイクロホンセンサの受信先頭波形を示 す図である。すなわち、打撃による振動波の 伝播時間を、インパクトハンマーの打撃出力 信号127の立上り時刻128とマイクロフォンセン サの受信波形129の到達判定基準電圧130で判定 して、到達時間131を検知できることを示して いる。

 図6は、インパクトハンマーでフェース部を 打撃したときのセンサの先頭振動波到達時間 と打撃点からセンサまでの距離の実測値を示 す図である。
すなわち、振動波がフェース部をほぼ一定の 速度で伝播し、その速度は伝播する方向に依 存しない。その結果、振動波到達時間と打撃 点からセンサまでの距離は比例することが明 らかになったということを示している。

 図7は、センサ対の先頭波到達時間差と打 撃位置からの距離差の実測値を示す図である 。すなわち、センサ対の先頭波到達時間差と 打撃位置からの距離の差が比例の関係にある こと、及びそれは打撃の速さ(強さ)に依存し いことを示している。

 図8、図9、図10、図11、図12は、本発明に り検知した打撃位置とフェース部に貼った 圧シートの打撃痕から測った打撃位置を比 して示す図である。すなわち、実際の打撃 置と位置検出結果(図8の132と133、図9の134と13 5、図10の136と137、図11の138と139、図12の140と14 1)はほぼ合致し、本発明による打撃位置検出 段でほぼ5mm以下の誤差範囲という極めて正 な位置検知が可能であることを示している

 振動波を検知するセンサは、振動波によ 受信部の振動板が変動して内部の静電容量 変化する静電容量式のセンサがよい。しか 、振動波の瞬時波形をとらえられるセンサ あれば何でもよい。例えば、振動波によっ 生じる圧力を電気信号に変換して瞬時の波 を検知する圧電センサや、瞬時の振動を光 的手段で検知して振動波をとらえる光学セ サなどを使うことも可能であり、本発明の 囲に含まれる。

 検知する振動波は、センサをフェース部 固定して機械的に伝播する波動をとらえる 法が、検知精度が高く製造も容易な最良の 段である。音の伝播の先頭波をとらえる方 あるいは機械的伝播と音の伝播の両方を利 して検知する方法なども可能であり、本発 の範囲に含まれる。

 振動を検知するセンサの数は4個が最適で ある。3個でも2組のセンサ対が構成できるの 、本発明の方法による位置検知は可能であ 本発明の範囲に含まれるが、4個の場合に比 べ検知精度が悪くなる領域がある。

 振動を検知するセンサを設置する位置は フェース部裏面の外周部付近で、逆台形上 4つの頂点近傍が最適である。フェース部の 形状にもよるが、4つの頂点近傍でかつ向か 合う対角付近のセンサどうしを対とし、対 なるセンサを結ぶ直線がフェース中央(言い えればスイートスポット)付近でできるだけ 直交するようにセンサ位置を決めるのがよい 。

 逆台形上の4つの頂点近傍でなくても、ま た必ずしも対になるセンサを結ぶ直線がフェ ース中央付近で直交していなくても、また更 には対になるセンサを結ぶ直線が交差しない ような位置にセンサ(あるいはセンサ対)を設 て打撃位置を検知することも可能であり、 発明の範囲に含まれる。

 センサは弾性体状物を介してフェース部 固定するのがよい。弾性体状物は、振動波 伝播しかつ衝撃からセンサを守ることが必 であるので、天然ゴムあるいはこれに近い 能の材料で作られたものが最良である。ま 、弾性体に穴を開けて、フェース部からセ サまでの極短い距離を音波伝播させて振動 を検知することも可能であり、本発明の範 に含まれる。また、弾性体は固形時に弾性 性を有する接着剤とし、センサの固定と弾 体を間に介するということを兼ねて実現す ことも可能であり、本発明の範囲に含まれ 。

 検知した時間差から距離差を演算で求め 2組のセンサ対の距離差から打撃位置を検知 する演算方法は、予めフェース部上のたとえ ば格子状の各座標点の距離差を求めてコンピ ュータのメモリに記憶しておき、これと検知 した距離差がもっとも近似する座標点(言い えれば両者の差異が最小の座標点)を探索す 方法が最適である。予め距離差を記憶して く座標点の数は、使用するメモリの大きさ 応じて限定されるが、メモリを大きくすれ それだけ精度を高めることができる。

 また、メモリを少なくしたい場合には、例 ば、記憶している距離差と検知した距離差 最小の点とその近傍の点との近似の度合い 求め、その度合いに応じて最小の点とその 傍点の中間を打撃位置と判定する方法など 可能であり、本発明の範囲に含まれる。そ 他にも、数式的に演算して求める方法も可 であり、本発明の範囲に含まれる。
<実施例>

 以下の実施例により、本発明を更に詳細 説明する。しかし、本実施例により、本発 の有効性が,限定解釈されるものではない。

 発明者らは、ゴルフクラブに装着したセ サにより、フェース部の打撃位置検出に取 組むに当たり、当初は音波の伝播を手がか にすることを考えた。最初は、超音波の反 から打撃時のボールの位置を検知するとい 方法も考えたが、形状が丸く高速でフェー 部に衝突するボールに音波を当ててその反 を捉えることは困難であった。

 次に、音波の反射ではなく、打撃時に発 する音の音源探査の手法を応用することを えた。しかし、音源探査の専門家からは、 タンのような硬い板のある部位に音が発生 ても即座にそれは平面スピーカのように全 に広がる平面波となるので、その伝播を(面 の垂直方向ではなく)面の横方向から捉える は不可能との見解であった。

 一度は諦めたが、念のためマイクロフォ センサを用いて試験してみたところ、確か 音の到達の判断を音の大きさ(振幅)で判断 る方法では捉えることはできなかったが、 くべきことに、瞬時波形でみると、打撃位 とセンサまでの距離と振動波の先頭波の到 時間に相関関係があることを見出した。

 そこで、発明者らは本格的に実験を開始 た。センサをフェース部の特定位置に取り け、打撃位置と振動先頭波の到達時間との 係を調べた。センサは、静電容量式マイク フォンセンサを使用し、打撃には、小野測 社製のインパクトハンマーGK-3100を用いた。 このインパクトハンマーは、瞬時の打撃の強 さを検知するセンサを内蔵しており、この信 号の立ち上がりの瞬間を打撃時刻とした(図5 128)。

 マイクロフォンセンサの受信信号の先頭 動は図5の129のようになり、この先頭波の急 峻な立下りを一定の基準電圧(閾値)(図5の130) 判定してこれを到達時刻(図5の131)とした。 の結果、インパクトハンマーからマイクロ ォンセンサまでの距離と、インパクトハン ー信号の立ち上がり時刻からマイクロフォ センサへの到達時刻とがほぼ比例関係にあ ことを確認した。また、同時に、この関係 センサから見た打撃点をフェース部上の水 方向・垂直方向・斜め方向のいずれの方向 とっても全く同じであることも確認した(図 6)。

 また、センサをフェース部から離して、 波として捉えた場合も同様に比例関係が得 れることも確認した。また、主にフェース を伝わる機械的振動波を捕える場合と、フ ース部から離して音波として捕える場合と 驚くべき違いは、センサへの入力の大きさ 受信までの時間に違いがあることも見出し 。

 それまでの実験により、打撃の瞬間から 置したセンサまでの応答の遅れから、打撃 置とセンサまでの距離を検知すれば、複数 のセンサを用いることにより打撃位置の特 は可能であると考えた。しかし、図6から分 かるように、振動波の伝播は1mm当たり約2μ秒 であり、フェース部での高々80mm程度の距離 伝播時間を1mm程度の精度で検知するために 、打撃の瞬間を遅くとも1μ秒以下程度の高 で検知する必要があった。

 これを実現するには、例えば、ボール内 高速応答のセンサを設けて何らかの手段で 撃の瞬間に高速に信号を発生するか、ある は、ゴルフクラブの外部に光センサ等の高 のセンサを設置してその瞬間を捉えて信号 発信する必要があった。ボールにセンサを ける方法は、特殊なボールを製作する必要 あり、一般のボールが使用できない欠点が る。ゴルフクラブの外部に高速のセンサを 置してその瞬間を捉える方法では、そのよ な設備が必要になり、また打撃の瞬間を捉 られるように適切に配置しなければならな という不便さがあった。

 発明者らは、このように打撃の瞬間を検知 なくても、各センサの受信の時間差を利用 れば位置の検出が可能ではないかと考えた そこで、2個のセンサをフェース部の適切な 位置に配置し、2つのセンサ対の振動波受信 号を比較した。
受信信号の大きさは、各センサ間で大きな差 異はなく、ある一定の電圧レベルで各センサ の振動波到達時刻を比較したところ、打撃点 Pに近い方のセンサAが先に振動波を受信し(図 2のt1)、この受信時刻からもうひとつのセン Bが受信するまでの時刻(図2のt2)との時間差δ t=t2-t1は、打撃点PからAまでの距離とPからBま の距離との差にほぼ比例する関係があるこ が分かった(図7)。

 このことから、2組のセンサ対を構成し、 各センサ位置を適切にすれば、当該2組のセ サ対の振動波到達時間差から打撃位置の距 差を割り出し、2つの距離差の条件を満足す 2次元平面状の打撃位置を特定できる新知見 を得た。

 その実験結果の一例を図7に示す。図7から かるように、センサ対の先頭振動波到達時 差δtとセンサ対の打撃点からの距離差δLは ぼ比例関係にあり、次式で関係づけられる とが明らかとなった。
         δL=δt×k+q
ここで、kは振動波の伝播速度に相当する係 であり、qはフェース部構造やセンサ構造等 よって生じる定数である。

 ここで、検知した2つの距離の差を満足す る2次元平面上の位置を特定するには、通常 数学的に打撃位置Pの座標とセンサの座標か 距離の差を表す数式を求め、この数式に実 に検知した距離差を代入して、得られた2つ の方程式から打撃位置を算出する方法が考え られた。

 発明者らも本方法を検討したが、演算式 複雑であり、ゴルフクラブに搭載するマイ ロコンピュータで計算するにはかなり時間 かかる上演算による誤差も大きくなること 分かった。そこで、予めフェース部の各点 2組のセンサ対からの距離差δL1、δL2を求め おき、これをマイクロコンピュータのメモ に記憶して、実際の打撃から検知した時間 から求めた距離差δLp1及びδLp2と記憶してい る距離差が最も近似する点を打撃位置と判定 する手法を考案した。

 「距離差が最も近似する点」の検出は、次 数式の値を繰り返し演算により求め、その 果が最小となった座標Pを探索することで簡 単に検知することができた。
         (δL1―δLp1) 2 +(δL2―δLp2) 2

 実際に実験に使用したゴルフクラブは、 ェース部が約50mm×80mmあった。この面上に縦 と横それぞれ2mm毎に格子状に点を1000個とり 各点のセンサ対からの距離差δL1、δL2をマイ クロコンピュータのメモリに記憶した。

 センサの配置場所にも、多くの実験的検 と工夫を行った。実験により、打撃位置が ンサの極く近傍の場合はセンサと離れた位 の場合に比較して検知した距離差の誤差が 撃位置の判定に与える影響が大きいことが かった。通常、打撃位置は中央部に集中し 利用者は特に中央部で精度よく打撃位置を 握したいという欲求がある。

 これより、センサは、フェース部の周辺 近辺に設置した方が全体特に中央部付近で 度良く検知できることが判明した。更に、 辺部の特に、フェース部の逆台形状の4つの 頂点付近に配置したことで、打撃位置の精度 が向上し、かつ打撃時の強い衝撃を避けて破 損の確率を低減できることを見出した。

 また、2組のセンサ対を結ぶ直線の交差角 度がフェース部の中央付近で90度に近い角度 交わるように配置する方が中央部の精度が いことも見出した。4つのセンサをこのよう に配置した。配置に当たっては、極めて強い 衝撃に耐えてかつ予め設定した位置に正確に 固定するために、所定の位置に直径が10mmで さ2mmの円筒状の金具を溶接しておき、これ ゴムに接着したセンサを取り付けた。

 信号処理部に設けた電子回路部でセンサ 号の増幅と予め設定した到達時刻判定電圧 ベル(閾値)との比較を行い、また別途設け タイマー部で到達時点のタイマー値を記憶 て、対としたセンサ間の時間差を求めた。

 時間差δtと距離差δLとの関係は予め実験で めておいた。図7はその例であるが、この場 合、
        δL=0.46δt+6.1
という変換式により、時間差から距離差を演 算した。

 時間差を求め、その結果から打撃位置を 算処理するマイクロコンピュータには、ル サステクノロジー社製の16ビットワンチッ マイクロコンピュータH8/3694を使用した。電 は電池駆動であり、マイクロコンピュータ 電源電圧は昇圧回路により3.6Vとした。マイ クロコンピュータの動作発信周波数は10MHzで る。製作した検出装置では、打撃時刻検知 ら打撃位置を判定するまでの処理時間は約8 0ミリ秒であった。

 製作したゴルフクラブにより実際に試打 た。図8、図9、図10、図11、図12はその実験 果の一例である。

 各図の座標はフェース部の中央(スイート スポット)を原点とし、水平方向(スイング体 でクラブを地面につけた時のフェース部上 水平面方向)をX軸、垂直方向(地面と直角方 )をY軸とした直交座標系で表している。図 ように、フェース部全体にわたってほぼ5mm 下の精度で打撃位置が検出できることを確 した。

 試打は、ハンマーによるテスト、ロボッ によるスイング、プロゴルファーによる実 的なスイングの各試験を実施した。フェー 部に打撃点が分かるように感圧シートを貼 付け、シートに表示されたボールの打撃痕 像の中央を打撃位置とした。ヘッドスピー は、20m/sから50m/sの範囲で試験した。その結 果、本発明による打撃位置検知方法で、フェ ース部全体にわたってほぼ5mm以下の誤差範囲 内で打撃位置を特定できることを確認した。

 また、実際のゴルフの練習者を観測した 果、練習者は単にスイングして打撃するだ でなく、最初に素振り(ボールに当てないで 、単にスイングする行為)する場合や、クラ でボールをはじくなど、ボールの打撃以外 さまざまな動作をすることが分かった。そ で、本格的にスイングした場合にのみ打撃 点を検知する必要があると考えた。

 発明者らは、3軸の加速度センサを装着し て、加速度センサによりヘッドスピードを検 出するとともに、ヘッドスピードが10m/sを超 た時を本格的な打撃スイングと判定するコ ピュータプログラムを作成して、これによ 自動的に振動波到達検知回路及びマイクロ ンピュータを打撃位置検出モードに設定し その後の打撃による打撃位置検出結果のみ 示するようにプログラムを作成した。

 なお、打撃位置の表示は、反射型のドッ マトリクスのLCD表示器に、フェース部のイ ージを表示し、更に打撃位置と判定した位 に丸の塗りつぶし●を表示することで表現 た。表示器の外形寸法は、縦46mm、横22mmで り、シャフトのグリップの下(グリップのク ブ側)に固定した。この付近でのグリップの 径は約20mmであり、ほぼシャフトと同じ大き にした。この結果、表示部は形状としても 和感が無く、またゴルフバッグに投入して 破損する恐れも少ない形状になった。

 また、検出した打撃位置が、飛距離の大 いスイートスポット付近の場合に得点を高 し、フェース部周辺部に近いほど低い得点 した得点表示を設けた。得点は、位置によ 0点から100点の範囲とした。こうすることで 練習者は、正確にフェース部の中央部で打撃 する練習の自己の技術向上度を「得点」とい う認識しやすい形で把握することができた。

 また、得点の変化を意識することで、向 心を啓発することができるという利用者の 価を得た。また、加速度センサにより検知 たヘッドスピードの表示とともに、打撃位 とヘッドスピードから推定されるボールの 距離を表示するようにした。この打撃位置 ヘッドスピードと飛距離との関係は実際に 発明により打撃位置が正確に検知できるこ によってはじめてその価値が発揮できたも である。

 「打撃位置が把握できたら・・・」とい 仮定に基づいて、飛距離の表示が産業的に 効であるという主張をしても、かつてはま たく無意味な願望にしか過ぎなかったが、 発明により、打撃位置が正確に検知可能と り、それに基づいた飛距離の表示により、 めて飛距離が利用者に有益な情報として提 できることに成功した。

 実施例1において、発明者らは、コンデン サマイクロフォンという静電容量式センサを 本目的に適した特性にしたものを用いた。こ れは、先頭振動波を正確に検知できるもので あるが、同じ性能を有するセンサであれば他 のセンサを用いることはできる。このましい 例として、マイクロフォンを、用いたが、他 のセンサとして、対になるセンサが、感度の 高いもので、時間差が検出できるものならば 、それを用いることが出来る。センサとして は、全てではないが、当業者ならば、感度の 高いものを適宜選択可能である。例えば、応 答の速い圧電センサなども使用でき、本発明 の範囲に含まれる。また、振動波を検知する センサとフェース部の間に天然ゴムを主成分 とする弾性体を設けたが、センサ自体が衝撃 に耐える構造になっていれば、必ずしも別途 弾性体を設けなくても同様の結果が得られる ものであり、本発明の範囲に含まれる。

 同様に、センサを固定する接着剤が弾性 の効果を発揮するような材料とした場合も じ効果が得られ、本発明の範囲に含まれる また、フェース表面に何らかの表面処理材 を塗膜し、打撃の衝撃を緩和するように処 してもよく、本発明の範囲に含まれる。

 また、実施例では、先頭振動波の波形を め設定した電圧(閾値)で比較して、この値 超えた時点を到達時間として検知する方法 用いたが、振動波の波形が最初に急峻に変 する時点を到達時間として検知するように 更してもよい。例えば、センサの信号を微 処理してその出力が最初に大きく得られる( い換えれば一定値以上になる)時点を先頭振 動波到達時刻としてもよく、本発明の範囲に 含まれる。

 実施例1では、2組のセンサ対の到達時間 から2次元の座標位置を求めたが、3組のセン サ対を構成し、それらの到達時間差から3次 の座標位置を求めることも可能である。こ も、本発明の概念と同一であり、本発明の 囲に含まれる。

 また、実施例では予め各点について、2組 のセンサ対からの距離差を記憶しておき、検 知結果がこれと近似する点を探索する手段を 用いたが、勿論数式的に解を計算して打撃位 置を得る手段も適用できるし、更にはその数 式を簡易な数式で近似して求める手段もあり 、本発明の範囲に含まれる。

 更に、検出結果と近似する点の探索にお て、検知した距離差が最も近似する点とそ 近傍点との近似の度合いを計算で求め、近 の度合いに応じて最も近似した点とその近 点との間を打撃位置と決定する手段も可能 あり、本発明の範囲に含まれる。

 あるいは、距離差を記憶するのではなく 予め各点の時間差を測定した結果(または距 離差から時間差に変換演算した結果)を記憶 ておき、検知した時間差と記憶している時 差が一致する点を探索するように変更して 良く、本発明の範囲に含まれる。

 また、実施例では、予め2組のセンサ対か らの距離差を記憶しておく点をフェース部の 水平方法および垂直方向についてそれぞれ2mm おきの格子状の点を選定し、各点での時間差 をマイクロコンピュータ記憶して座標位置を 検知した。記憶容量を大きくすれば、勿論2mm よりかなり小さいピッチの格子点を記憶でき 、ピッチを小さくすればするほど探索精度( 知精度)を高めることができる。

 また、必ずしもフェース部全体に一様な 度で記憶する点を選ぶ必要はなく、例えば 央付近で記憶する点を多く選んで中央部で 精度を向上させるように変更しても良い。 た、記憶しておく座標点を、水平方法およ 垂直方向という直交座標系の点とせず、フ ース部の中心を原点とする極座標系で表す 心円状の点としてもよい。これらの予め記 する点の選定方法も本発明の範囲に含まれ ものである。

 本発明の他の実施例を図14に示す。本実 例における打撃位置検出装置50が、前述の打 撃位置検出装置1と異なる点は、マイクロフ ンセンサ104,105,106,107が出力した電気信号を 線送信する送信部51と、ゴルフクラブ2とは 立して設けられ前記電気信号を受信する受 部52と、をさらに備えている点である。受信 部52は、アンテナ53を通じて送信部51から送信 された信号を受信する。この場合、打撃位置 を表示する表示部54は、受信部52と一体に形 されている。また、受信部52はリセットボタ ン18を有している。演算部9は、受信部52に設 てもよいし、送信部51に設けてもよい。図14 には、ヘッド部模式画像60と、その上に重ね 示された打撃位置表示シンボル61(図示の例 は“+”)も示している。

 図15には、さらに、上記受信部52を、腕時 計型受信部52Aとした実施例を示す。この場合 、表示部54Aは、やや小さくなるが、常に手元 にあるため視認性が良い。腕時計型受信部52A も、リセットボタン18を有している。図15に 、ヘッド部模式画像60と、その上に重ね表示 された打撃位置表示シンボル61(図示の例では “+”)も示している。

 なお、上記の実施例では、フェース部に いて台形の4つの頂点近傍にマイクロフォン センサ(振動波センサ)を設けた構成としてい が、フェース部中央を原点とした水平方向 X軸、垂直方向をY軸とした場合の(-A,0)(+A,0) 位置の2個のセンサをペア、(0.+B)(0,-B)の位置 2個のセンサをペアとした4個のセンサを設 て、前者のペアで水平方向位置、後者のペ で垂直方向位置を独立に検知するように構 してもよい。

 また、上記の実施例では、振動波センサ 信号から求めた距離差δLの値と既知のδLと 比較して最も近い点を打撃位置として出力 る方法を用いたが、既知のδLを用いずに、 式演算により打撃位置を直接推定すること 可能である。

 本発明は,ゴルフクラブ製造産業、スポー ツ用具製造産業に特に役立つ。用具の検定機 器としても使用できる。